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October 16, 2011

OTC医薬品のID-POS分析、ロキソニン健闘!

   月刊マーチャンダイジング、2011年10月号にOTC医薬品のID-POS分析が取り上げられた。この記事は6回シリーズの連載であり、これが最終、タイトルは、「データの読み方、生かし方」、サブタイトルは「店長&売場スタッフのための考えるヒント」である。そして、この6回目は、「解熱鎮痛剤、小容量で即効性の高い「ロキソニン」は来店きっかけ商品」がテーマであり、これに、ID-POS分析の図表が8つ掲載され、2ページにまとめられた記事である。

   ID-POS分析にあたっては、カスタマー・コミュニケーションズが協力しており、独自の開発指標ABCL分析をメインに取り上げている。ABCL分析は、カスマー・コミュニケーションズによれば、「通常の「ABC分析」に商品ロイヤルティ(L)して「リピート率」を加えた分析手法です。「買上点数構成比」によるABC判定と「リピート率」をあわせて見ることによって「絶対に欠品させてはいけないアイテム」や「売込めばリピーターがついて伸びてくる商品」を発見することが可能です。」という分析指標である。ABCまでは通常のPOS分析でも可能であるが、LはID-POS分析なくして算出することは不可能であり、その意味で、通常のPOS分析とID-POS分析を組み合わせたところがミソといえ、ユニークな指標である。ID-POS分析は、このように、通常のPOS分析と組みわせることにより、このABCL以外にも、様々な指標をつくることができる。また、ID-POS分析のみの指標も当然つくれ、この逆、ID-POS分析に通常のPOS分析を組み合わせることもできる。

   余談だが、通常のPOS分析とID-POS分析は密接な関係があり、ID-POS分析が通常のPOS分析を100%包み込んでしまう、いわば部分集合の関係にある。したがって、ID-POS分析から通常のPOS分析はすべて可能であるが、通常のPOS分析からはID-POS分析へは一部のみ分析が可能であり、大分部は分析不能となる。したがって、ID-POS分析を理解するには、まずは、通常のPOS分析の延長として考えるのではなく、いきなり、ID-POS分析から入り、ID-POS分析の世界観を理解することが早いといえる。そうすると、通常のPOS分析が、POS分析のほんの一部であり、しかも、通常のPOS分析には、存在しない世界観があることが理解でき、POS分析の全体像がつかめるはずである。

   ひとつ例をあげると、通常のPOS分析では客単価(金額PI値)をあげることがマーチャンダイジングの根幹であるが、ID-POS分析では客単価(金額PI値)をあげることは必ずしも正しくない。客単価(金額PI値)を下げても、売上げを上げることはでき、むしろ、その方が良い場合もある。このような事例はID-POS分析を実施すると、いくらでも実証されることであり、この瞬間に、通常のPOS分析では理解できない世界がID-POS分析には広がっていることがわかる。また、ID-POS分析の指標は無限といってよく、通常のPOS分析は数種類しかないので、ID-POS分析の世界に入ると、圧倒される。ただ、本質はたったひとつ、頻度のみであり、この頻度を理解できれば、その他の指標も理解でき、新たな指標を誰でも生み出すことができる。その意味で、ABCLのLは頻度のひとつであり、ID-POS分析の本質をついたすぐれた指標であるといえる。

   さて、この記事の中で、注目の分析は、ABCL分析でOTC医薬品の第1類医薬品の分析結果である。ABC、すなわち、通常のPOS分析でベスト20を算出し、これに、L、リピート率を付与したものである。結果を見ると、2011年5月から7月までの期間であるが、No.1は大正製薬のリアップX5-60mlであり、購入金額構成比38.49%(昨年41.40%)、リピート率37.36%(39.51%)であり、圧倒的なNo.1である。そして、No.2が今回の記事の対象商品、第一三共ヘルスケア、ロキソニンS-12錠であり、購入金額構成比9.94%(昨年なし)、リピート率16.91%(昨年なし)である。以下、大正製薬、リアップ120ml、第一三共ヘルスケア、トランシーノ360錠、第一三共ヘルスケア、トランシーノ180錠、大正製薬、リアップレディ60ml、第一三共ヘルスケア、ガスター10<錠>12錠、・・と続く。

   さらに、これ以外も、解熱鎮痛剤の性年代別購入状況、売上金額上位50SKUの錠剤数別売上構成比、錠剤数別購入間隔、錠剤数別購入者の同時購入状況、ロキソニンのカテゴリー新規顧客獲得率、2011年7月の解熱鎮痛剤購入者の前月来店状況の7つの図表が掲載されており、ロキソニンを様々な角度から分析している。そして、結論であるが、ロキソニンは小容量でも即効性が高く、来店のきっかけをつくる「コンビニ型」医薬品であり、既存解熱剤からのブランドスイッチも起こっている可能性が高いとのことである。

   このように、ID-POS分析でOTC医薬品を見ると、通常のPOS分析における単なる売れ筋だけでなく、ID-POS分析特有のリピート率、トライアル等の指標を通じて、新たな商品の購入状況が理解でき、奥の深い考察が可能となる。今回の記事ではリフト値の活用には言及していなかったが、さらに、リフト値等を活用すると、よりOTC医薬品内の関係、雑貨、食品等との関係も導き出すことができ、新たな仮説づくりにつながってゆくものといえよう。なお、すでに、カスタマー・コミュケーションズはプラネットと組み、ドラックストアのABCL分析をバイヤーに公表している。ドラックストア業界の方が食品スーパーマーケット業界よりもID-POS分析は一歩進んでいるといえよう。今後、食品スーパーマーケットにおいても、急速にID-POS分析が浸透してゆくのではないかと思う。

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October 16, 2011 in |

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