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November 23, 2011

クローガー、2012年1月期、中間、増収増益!

   ここ最近、ブログで海外企業の決算を取り上げている。すにで、ウォルマート、ホールフーズマーケット、そして、テスコを取り上げたので、もう1社、食品スーパーマーケット業界の雄、全米No.1の売上高を誇るクローガーの2012年1月期、中間決算を取り上げてみたい。クローガーは現在、全米で約2,500店舗を展開する食品スーパーマーケットであるが、これにコンビニエンスストア約800店舗、ドラックストア約400店舗をかかえており、合計、総店舗数では約3,700店舗となる巨大チェーンストアである。食品スーパーマーケットには、日本でよく知られたラルフス、スミス、フード4レス、フレッドマイヤ、キングなどが傘下に入っており、ほぼ全米に展開されている。主要ドミナントは、カリフォルニア、アリゾナ、ワシントン、コロラド、テキサス、オハイオ、インディアナ、ジョージア、テネシー、ミシガン、ケンタッキーなどであり、これらの州では、いずれも100店舗以上を展開している。

   上記いずれの地区でも、シェアNo.1か、No.2であるが、これ以外にもクローガーが展開している地域では、そのほとんどの州でウォルマートのスーパーセンターと激しいシェア争いをしているのが実態であり、クローガーがウォルマートと真っ向から戦う食品スーパーマーケットの代表格であるといえる。ウォルマートのスーパーセンター以外では、シアトルではセイフェイ、コストコ、サンディアエゴではボンズ、アルバートソン、リッチモンドではフードライン等と激しシェア争いを繰り広げている。

   さて、2012年1月期の中間決算の結果であるが、売上高483.74億ドル(昨対11.20%増)、営業利益12.99億ドル(昨対6.73%増)と、増収増益の好決算となった。売上高の伸び率に比べ、営業利益の伸び率がやや低いのが気になるが、その要因を見てみたい。アメリカの小売業のP/L(損益計算書)は企業により、各項目、形式がまちまちであり、クローガーもウォルマート、ホールフーズマーケットと比べ、大分、形式が違い、独特である。

   まず、売上高から引かれるのは、Merchandise costs, including advertising, warehousing, and transportation, excluding items shown separately belowであり、マーチャンダイジングコスト、すなわち、商品の販売に直接かかわるコストを差し引いている。この中には原価も含まれていると思われ、これに経費の一部、広告宣伝費、物流費なども含まれている。したがって、日本のように純粋な原価という数字がないのが特徴である。その結果であるが、売上高対比で78.92%(昨年77.48%)と、1.44ポイント上昇しており、結果、マーチャンダイジング利益は21.08%(昨年22.52%)と、この時点では大きく減益となった。

   次に、Operating, general and administrative、いわゆる販売管理費であるが、15.86%(昨年16.96%)と、1.10ポイント削減した。したがって、この時点での利益は5.22%(昨年5.56%)と、依然として減益が続いている。そして、次がRent、家賃であろう、0.71%(昨年0.80%)と、0.09ポイント削減した。結果、この時点での利益は4.51%(昨年4.76%)と、まだ、減益が続く。最後がDepreciation and amortization、減価償却費であり、1.80%(昨年1.94%)と、0.14ポイント削減しており、結果、この時点での利益は2.71%(昨年2.82%)であり、結果、いずれの段階でも減益であり、この中間決算時は利益は厳しい結果であったといえる。特に、マーチャンダイジングコストの上昇が大きかったといえよう。ただし、率では減益となったが、高では売上高が11.20%増となったため、6.73%増の増益となった。

   マーチャンダイジングコストが上昇しているということは、それだけ競争が厳しい状況にあるといえ、ウォルマートも国内は思わしくない状況であるので、アメリカ全土でウォルマートと食品スーパーマーケットとの激しい競争が繰り広げられているものといえよう。それにしても、クローガーのP/Lも独特な計算となっており、ここでは、各経費段階で利益を独自に計算したが、P/Lでは、すべての経費が縦に羅列され、営業利益は売上高から一辺に引かれており、利益の状況を知るためには、ひと工夫必要な決算書であるといえる。

   一方、クローガーのこの中間決算時の純資産比率であるが、B/S(貸借対照表)は、P/Lと違い、ほぼ、日本の決算書と同じ形式であり、計算がしやすい。B/Sはバランスシートの略だが、何と何をバランスさせるかは、日本では資産と負債+純資産をバランスさせるが、すでに本ブログでも取り上げたテスコは資産-負債と純資産をバランスさせており、このような考えもあるのかと興味深いものである。さて、クローガーの純資産比率であるが、純資産52.10億ドル、総資産233.98億ドルであるので、22.26%(昨年22.53%)であり、比率も低く、さらに昨年より下がっており、かなり、苦しい財務状況にあるといえる。

   このように、全米No.1の規模を誇る食品スーパーマーケット、クローガーの2012年1月期の中間決算は増収増益とはなったが、その中身は、率では減益、高で増益という決算であり、特に、マーチャンダイジングコストが上昇しており、厳しい結果といえる。また、純資産比率も20.26%と、約80%を負債に追う財務構造となっており、負債が経営に重くのしかかっており、厳しい状況にあるといえる。今後、後半にかけて、より、厳しい経営環境が続くと思われるが、クローガーとしては利益と財務、双方の改善をはかる必要があるといえ、どのような経営戦略を打ち出すか、その動向に注目である。

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November 23, 2011 in ウォルマート、海外情報 |

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