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November 30, 2011

バナナをID-POS分析で見てみる!

   バナナは果物の中でも年間を通じて安定した売上げを誇り、顧客からの支持が極めて高い商品のひとつである。今回、実施した食品スーパーマーケット向けのID-POS分析セミナー、in東京、in大阪、in福岡でもID-POS分析の実践事例のひとつとして、バナナを取り上げたが、興味深い分析結果であり、今後、マーチャンダイジングを大きく改善してゆく可能性の高い商品といえる。そこで、ここでは、このバナナのマーチャンダイジングは何がポイントとなるかについて、先のID-POS分析セミナーでのバナナの実践事例を踏まえ、改めて考えてみたい。

   バナナ、ここでは代表的な商品の1つとしてスィーティオについて取り上げてみたい。まずは、スィーティオを購入している顧客がどのくらいいるかであるが、今回の分析対象の食品スーパーマーケットでは、約10店舗で年間1万人を優に超える顧客が購入している実態が浮かび上がった。ID-POS分析の分析期間は基本1年であるが、これは、1年間の購入顧客の購入履歴を見ないと、顧客の全体像を把握することができないからである。実際、スィーティオの約1万人の購入顧客を購入頻度ごとにランク付けすると、毎週スィーティオを購入しているS顧客が3.5%、年間2ケ月以上購入しているA顧客が39.4%、年間1回しか購入しないB顧客が57.1%という結果がでており、圧倒的に、年間1回の購入顧客、いわゆるトライアルが多いのが実態である。したがって、これら約60%のトライアル顧客がどのように発生するかは重要なテーマであり、ここに踏み込み、このトライアルのB顧客を毎月購入してもらえるA顧客にランクアップできるかどうかが問われるからである。

   ちなみに、スィーティオに限らず、生鮮食品を含め、多くの商品で同様な顧客構造であることが実証されており、グロサリーになると、さらに、B顧客の比率が上がるのが実態である。したがって、ID-POS分析の分析期間は原則1年が望ましいといえ、当然、販売促進も1年を単位に検討し、年々、顧客ランクを引き上げてゆく、顧客導線をつくり上げることがID-POS分析では要諦となる。

   さて、その中身であるが、S顧客はスィーティオを平均、年間24回購入しており、年間6,000円を超える売上げとなる。A顧客は平均、年間4回購入しており、年間1,000円弱の売上げとなる。そして、B顧客は平均、年間1回の購入であり、年間200円強の売上げとなる。また、1回当たりでは、いずれのランクの顧客も、ほぼ、毎回1房であるが、平均単価はS、A、Bの順に低くなるのが実態である。したがって、B顧客は特売等で発生しているといえ、S顧客になると特売以外も当然購入されているので、平均単価が高くなるといえる。

   この時点で、スィーティオの年間の販売促進計画、特に顧客のランクアップの観点からつくることができるが、ID-POS分析は、ここからが真骨頂であり、この顧客がスーティオ以外にどのような商品をどのように購入しているかを分析することができる。まずは、S顧客であるが、スィーティオは年間24回購入しているが、店舗には平均150回以上来店しており、年間40万円以上購入している。A顧客はスィーティオは年間4回であるが、店舗には、平均100回以上来店しており、年間20万円以上購入している。そして、B顧客はスィーティオは年間1回の購入であるが、店舗へは平均100回弱来店しており、年間20万円弱購入している。興味深いことに、S顧客は店舗にとってもS顧客が多いといえるが、A、B顧客は極端な差がないのが実態といえ、スィーティオのB顧客だからといって、ないがしろなマーチャンダイジングを実施すると、顧客カットになりかねず、店舗にとっては、スィーティオのB顧客にも重要な顧客が数多く存在するといえる。したがって、ここから、B顧客のスィーティオ以外のS商品を突き止めることも次の課題となろう。

   ちなみに、この顧客をばらして、店舗貢献度順に並び替えて、店舗のS顧客を見てみると、S顧客のスィーティオの年間購入回数は平均5回程度であり、年間売上げは1,500円弱、スィーティオのみのS顧客と比べると、圧倒的な差があり、スィーティオのS顧客=店舗のS顧客とは、必ずしも、ならないことがわかる。これ以外にも、性別、年齢別など、いわゆる顧客属性で分析すると、男性、年配の方の支持が高いことがわかる。さらには、リフト値で分析すると、他のバナナとの同時購入はほとんどないが、期間併売は極めて高いなどの分析結果が得られる。また、他の果物、生鮮食品、惣菜、日配、グロサリーとの関係も明らかになる。

   実は、これが、まさに、商品DNAの根幹指標であるといえ、ID-POS分析でスィーティオを様々な角度から分析することにより、スィーティオを中心にまさにDNAの2重螺旋構造のような様々な関係を導くことが可能となり、この実態をもとにマーチャンダイジングを検討することが、新たな視点であるといえる。また、ここから導きだれた仮説を実際に売場で実践し、その検証結果を見ることにより、スィーティオと顧客との関係を店舗を通じて、時間とともに深めてゆくことが可能となり、これがまさにID-POS分析を通じてのマーチャンダイジング戦略であるといえよう。ID-POS分析が可能であれば、是非、新たな視点でのマーチャンダイジングに挑戦して欲しいところだ。

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November 30, 2011 in CRM、FSP |

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