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April 02, 2012

マーチャンダイジングからマーケティングへ

   食品スーパーマーケットもいよいよマーケティングを実践する時が来たといえよう。これまで食品スーパーマーケットでは、マーケティングを実践したくともできなかった決定的な理由があった。それは顧客を見ようとしても、見えなかったからである。食品スーパーマーケットでは毎日、約2,000人近くの顧客に来店いただいているが、その顧客を見るというよりも、把握する方法がなかった。技術的にはポイントカードをやっていれば、顧客を見る、すなわち、顧客の購入履歴をつぶさに把握することは可能である。ただ、そのためには、DWHを導入し、ID-POS分析のチームをつくり、経営幹部、従業員研修を実施し、本部、店舗一体となった活用の仕組みをつくる必要がある。

   たとえ、そのような体制ができたとしても、それを顧客との最前線にいる店舗の商品担当者1人1人が、ID-POS分析の結果を活用し、顧客へ働きかけるマーケティングを実践するには、いくつも越えなければならないハードルがあり、ポイントカード=マーケティングとなることは極めて難しい状況であったといえる。したがって、ポイントカードはちらしを補強する販促ツールとして位置づけられ、本来、マーケティングとして活用し、顧客とのコミュニケーションを通じて、顧客へのサービスを充実し、顧客との絆を強固にし、結果、顧客の来店頻度を引き上げ、売上げ、利益につなげるという一連のマーケティング政策を実施することができなったといえる。

   また、これまで長く、約30年近く、単品管理の呪縛にあい、商品分析、すなわち、マーチャンダイジングが食品スーパーマーケットの基本政策として掲げられ、実践されてきたために、その頸木(くびき)から逃れることができなかった。結果、ID-POS分析を実践しても、マーチャンダイジングへの補強でとどまってしまい、マーケティングへと転換することができなかったといえる。したがって、POSは商品を分析するためのものであり、商品と商品との関係をもとに、ABC分析を行い、売れ筋を強化し、死筋を排除することにもっぱら活用されてきたといえる。

   その最たる象徴的な言葉がクロスマーチャンダイジングであろう。クロスマーチャンダイジングは一般にはID-POS分析の結果、クロスする商品が見つかると思われている。実は、クロスマーチャンダイジングの発祥はウォルマートの「おむつとビール」からはじまったといわれているが、ID-POS分析の結果生まれた訳ではなく、通常のPOS分析の結果生まれたものであり、そこにはID、すなわち、顧客はいない。専ら商品と商品の関係を膨大なレシートから見つけ出し、そこからクロスマーチャンダイジングすべき商品を見つけ出しているに過ぎない。いわば、商品と商品の関係を見ているわけである。

   本来、クロスマーチャンダイジングは商品を見るのではなく、顧客を見るべきであり、顧客と顧客との関係、これがクロスマーチャンダイジングの真の姿であるといえる。したがって、クロスマーチャンダイジングといよりは、クロスマーケティングというべきものであろう。分析手法もレシートを分析するのではなく、1人1人の顧客の購入履歴を分析すべきであり、その結果、顧客が購入したこれまでの全商品の購入履歴の中に頻繁に他の商品を購入していれば、それをクロスマーチャンダイジングにかけるべきであり、クロスマーチャンダイジングは本来、顧客1人1人の中に存在しているといえる。したがって、クロスマーチャンダイジングではなく、むしろ、クロスマーケティングが相応しい言葉といえよう。

   こう見ると、マーチャンダイジングは商品と商品の関係を見る上では最適な言葉ではあるが、顧客と顧客の関係を見る上ではかなり無理があり、これはマーケティングとすべきであろう。マーケティングの目的は需要創造であるが、それは顧客1人1人の購入金額を増やすと同時に、新たな顧客を1人でも増やし、そこに新たな市場を作り上げることであるといえる。

   これまで食品スーパーマーケットはこのようなマーケティングを実践したくとも、顧客が把握できなかったので、できなかったが、ここへ来て、その環境が急激に整備されつつある。かつてのような莫大な費用と分析体制、そして、研修体制をつくらなくとも、クラウドの活用、SNS(Social Networking Service)の導入等を通じ、極めて簡単に安価に、しかも、短時間でポイントカードさえ導入していれば可能な環境が整ったからである。こんな時代が来るとは、約30年前の単品管理からはじまり、現在も続いている商品分析中心のPOS活用の中では想像もできなかったことであるが、これが2012年4月、いまでは、全く可能となったといえる。

   これからの食品スーパーマーケットは、その意味でマーチャンダイジングの時代からマーケティングの時代へと新たな時代に突入することになろう。マーケティングはアメリカの1929年の世界大恐慌以来、メーカー主体に学問として確立され、今日まで日本はもちろん、世界中で綿々として研究されてきたが、やっと、食品スーパーマーケットをはじめ、小売業でも本格的に研究し、活用される環境が整ったといえよう。まさに、新たな時代の幕開けといえる。食品スーパーマーケットのマーケティング、今年は、このテーマを掲げ、顧客1人1人の購入履歴をつぶさにみつめ、商品と顧客との絆をいかに深められるか、その深奥に迫ってみたい。

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April 2, 2012 in CRM、FSP |

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