July 11, 2011

大黒天物産、2011年5月期決算、増収増益!

   大黒天物産が7/7、2011年5月度の決算を公開した。結果は、売上高893.64億円(11.4%)、営業利益46.12億円(10.6%)、経常利益45.93億円(10.3%)、当期純利益22.40億円(0.9%)と、増収増益の好決算となった。特に、5月度決算企業は3/11の東日本大震災の影響、昨年3月度以降の決算企業に適用された資産除去債務に関する会計基準の適用等があり、当期純利益へ大きな影響が生じるが、大黒天物産は当期純利益もわずかではあるが増益となり、好決算となった。ちなみに、大黒天物産の資産除去債務に関する会計基準の適用額は2.59億円(売上高対比0.28%)であった。

   そこで、大黒天物産が増収増益と好決算となった要因をまずは売上面から見てみたい。大黒天物産の経営の特徴は積極的な新店開発にあるといえる。今期も、「岡山県に3店舗(うち1店舗は移転出店)、広島県に1店舗、鳥取県に1店舗、兵庫県に1店舗、福岡県に1店舗、さらに、新たな出店地域といたしまして山口県に2店舗、奈良県に1店舗の計10店舗を出店いたしました。」とのことで、地元岡山県を中心に西は九州、東は奈良県と広域での積極的な出店を繰り広げ、結果、現在67店舗となった。

   各食品スーパーマーケットの2011年度決算を見ると、今期は新規出店が抑制気味であるが、大黒天物産は敢えて、積極的な新規出店を広域で行い、成長性重視の経営戦略である。これだけ、新規出店が可能な要因は大黒天物産特有の財務構造にあるといえる。大黒天物産の出店にかかわる資産、すなわち、土地、建物、敷金・保証金等の合計であるが、今期は114.07億円であり、総資産279.78億円の40.77%であり、1店舗当たりではわずか1.70億円である。これは、2011年度の決算公開企業約50社の平均が約6億円であるので、いかに少ないかがわかる。特に土地が少ないのが特徴といえる。

   しかも、今期の大黒天物産の純資産比率は53.37%(昨年52.62%)であるので、ここから、出店にかかわる資産40.77%を引いた出店余力は12.60%である。これも2011年度の決算公開企業約50社の平均が-20%前後であるので、極めて高い出店余力であるといえる。したがって、大黒天物産は極めて少ない投資で新規出店が可能なだけでなく、財務的にも自己資本で十分に新規出店ができる余力があるといえ、これが大黒天物産の積極的な新規出店をささえる原動力になっているといえる。ちなみに、今期の投資活動によるキッシュフローの新規出店にかかわる投資であるが、27.48億円(昨年13.61億円)であり、これを1店舗当たりの出店にかかわる資産1.70億円で割ると16.16店舗となる。したがって、全店舗数67店舗で割ると、24.11%となり、出店意欲も旺盛であり、今後も積極的な新規出店を行ってゆく意思が強く表れているといえる。

   一方、もうひとつの大黒天物産の強さ、収益力であるが、その要因を原価、経費面から見てみたい。まずは、原価であるが、77.46%(昨年77.64%)と、0.18ポイント下がった。これについて、大黒天物産は、「当社グループでは平成20年4月より実施しております購買頻度の高い商品約100品目以上を2割から5割値下げした「生活応援宣言セール」を引き続き実施するとともに、・・」等、背極的な価格訴求をかけており、しかも、その主力は原価の低いPBが主体であるため、価格訴求と原価の改善を同時に追求したマーチャンダイジング政策に取り組んでいるとことが大きいといえよう。結果、売上総利益は22.54%(昨年22.36%)となった。一方、経費の方であるが、17.37%(昨年17.15%)となり、0.22ポイント上昇した。ただ、上昇したとはいえ、17.37%は、2011年度の決算公開企業約50社の中ではベスト3に入る低さであり、これが、大黒天物産のもうひとつの強さの源泉といえる。

   結果、差し引き、商品売買から得られる利益、マーチャンダイジング力は5.17%(昨年5.21%)となった。大黒天物産はその他営業収入が計上されていないため、マーチャンダイジング力=営業利益となる。したがって、今期の営業利益は、残念ながら、率で見ると、経費の上昇を原価の改善でカバーできず、若干下がったが、高で見ると、売上高が積極的な新規出店により、11.4%増となったため、それに伴い、10.6%の増益となった。このマーチャンダイジング力を見る限り、経費が極限に近い低さであるため、まだまだ価格訴求が可能な状況にあるといえ、大黒天物産の競争力には余力があるといえよう。

   このように、大黒天物産の2011年5月度の決算が公表されたが、その結果は、増収増益の好決算となった。特に、デフレ環境の中、各社、新規出店が抑制気味であるにも関わらず、大黒天物産は今期10店舗と積極的な新規出店を行っており、しかも、新店への投資も旺盛であり、成長戦略を重視した強気の経営を推し進めたといえる。大黒天物産は出店にかかわる資産も極めて少なく、また、出店余力も十分であり、負債に頼らない新規出店が可能な財務状況にある。さらに、経費比率は極めて低く、価格競争力は強いといえ、今後もこの価格を武器に、積極的な新規出店がなされてゆくものといえよう。したがって、2012年度も大黒天物産の積極的な新規出店が続くといえ、年商1,000億円がいよいよ視野に入ったといえよう。

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July 11, 2011 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

July 10, 2011

イオン、2012年2月期、第1四半期、減収営業増益!

   イオンが7/6、2012年2月期の第1四半期決算を公表した。結果は営業収益1兆1,999.61億円(-1.2%)、営業利益283.01億円(29.9%)、経常利益308.77億円(24.9%)、当期純利益57.62億円(-70.1%)となり、減収、営業、経常段階では大幅な増益となったが、当期純利益は、「特別損失として、震災関連損失306 億17 百万円、資産除去債務会計基準の適用に伴う影響額177 億73 百万円を計上し、・・」とのことで、大幅な減益となった。イオンは被災地、東北にも数多くの店舗を展開しているため、震災関連損失が300億円を超え、その影響が響いたといえる。

   それにしても、これだけ特別損失が発生すると、キャッシュフローも厳しい状況となる。今期のイオンの営業活動によるキャッシュフローは、-1,019.59億円(昨年-1,105.20億円)と、昨年も1,000億円を超えるマイナスであったが、今期も同様に1,000億円を超えるマイナスとなった。この時点で、今後の投資、財務改善へのキャッシュの調達が厳しい状況となり、選択肢としては、借入を増やすか、資本金を増強するか、内部留保を取り崩す決断が必要となる。

   ちなみに、営業活動によるキャッシュフローが-1,000億円を超えた要因は法人税等の支払額-424.09億円(昨年-317.83億円)、仕入債務の増減額(-は減少)-388.54億円(昨年-598.04億円)、売上債権の増減額(-は増加)-384.08億円(-586.48億円) に加え、今期は税金等調整前四半期純利益が-148.14億円(昨年425.19億円)となったことが大きい。一方、プラス項目であるが、減価償却費334.20億円(昨年342.43億円)、災害損失引当金の増減額 (-は減少)174.25億円(昨年は0)、資産除去債務会計基準の適用に伴う影響額177.73億円(昨年は0)等である。

   そこで、そのキャッシュの調達であるが、財務活動によるキャッシュフローは231.60億円(昨年23.04億円)と、プラスになっているが、営業活動によるキャッシュフローを賄うまでにはなっておらず、したがって、内部留保を取り崩してキャッシュを埋めたといえる。実際、キャッシュフロー上の現預金は期首には3,068.20億円あったが、期末には1,802.80億円と大きく減少しており、B/S上の現金も 前期決算時には3,202.12億円であったが、この第1四半期では1,971.43億円と1,000億円以上減少している。これまで公開された2012年度の食品スーパーマーケットの第1四半期決算を見ると、現金はむしろ増加している場合が多いが、イオンは対象的なキャッシュの流れであり、それだけ、東日本大震災の影響が大きかったといえよう。

   ちなみに、財務活動によるキャッシュフローが231.60億円とプラスになった要因であるが、長短借入金が241.50億円増加していることに加え、社債が197.67億円となり、有利子負債が増加しており、これも営業活動によるキャッシュフローのマイナスを補ったといえる。結果、B/Sの負債の有利子負債は1兆2,041.98億円(前期決算時1兆1,526.23億円)と増加している。したがって、自己資本比率も22.9%(前期決算時23.5%)と、財務状況は極めて厳しい状況にあり、約80%弱を負債に負う財務構造である。

   さて、このような状況の中での投資活動によるキャッシュフローであるが、-489.37億円(昨年-87.47億円)と、大きく増加しており、多額の投資を実施している。その中身であるが、新規出店関連への投資、有形固定資産の取得による支出-506.79億円(昨年-537.70億円)、差入保証金の差入による支出-23.17億円(-26.58 億円)と、ほぼ、昨年同様の投資である。したがって、極めて厳しいキャッシュフローの中でも、成長戦略への投資については昨年同様キャッシュを厚く配分しているといえる。ちなみに、昨年の投資活動によるキャッシュフローが、今年と比べ少なかったのは貸付金の回収による収入1.55億円(昨年446.53億円)と、この違いによる。したがって、これらの投資活動によるキャッシュフローは内部留保及び新たな有利子負債の調達で賄ったといえ、この第1四半期はかなり苦しいキャッシュフローであったといえよう。

   さて、これに対して、キャッシュを生み出す大本、原価、経費の状況であるが、原価は73.43%(昨年73.14%)となり、上昇、結果、売上総利益は26.57%(昨年26.86%)となった。一方、経費の方は36.09%(昨年36.38%)と減少した。したがって、差し引き、商品売買から得られる利益、マーチャンダイジング力は-9.52%(昨年-9.52%)と、奇しくも同じ数字となった。そして、これに、GMSのキャッシュの源泉ともいうべき不動産収入、物流収入等のその他営業収入が12.17%(昨年11.52%)加わり、結果、営業利益は2.65%(昨年-2.00%)と、大幅な増益となった。こう見ると、増益の要因は、マーチャンダイジング力ではなく、その他営業収入の増加によるところが大きいといえ、東日本大震災の影響は結果として、その他営業収益を押し上げ、増益をもたらしたといえよう。

   このように、イオンの2012年2月期、第1四半期決算は減収営業増益となったが、営業増益の要因はその他営業収入によるところが大きく、原価、経費は原価の上昇が経費の削減で相殺されており、マーチャンダイジング力はプラスマイナス0、キャッシュを生みだせなかったといえる。また、キャッシュフローはかなり厳しい状況にあり、フリーキャッシュフローが大きくマイナスとなったため、有利子負債の調達と内部留保を大きく崩さざるをえなかったといえる。こう見ると、イオンにとっては、東日本大震災の影響は財務に大きな影響を与えたといえ、次の、中間、そして、通期へ向けて、厳しい経営環境が続くといえ、今後、この結果を踏まえ、どのような抜本的な経営戦略を打ち出すか注目である。

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July 10, 2011 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

July 09, 2011

マックスバリュ東北、2012年2月、第1四半期、震災影響!

   マックスバリュ東北が6/27、2012年2月期、第1四半期決算を公表した。マックスバリュ東北は3/11の東日本大震災の被災地でも店舗展開しており、その結果が注目されていた。実際、「当社は今回の震災により店舗の建物と施設の一部損壊及び商品破損等の被害を受けましたが、現在では全て復旧し全店通常営業を行っております。」とのことで、店舗、商品等に損害が発生している。また、「震災直後には食糧品や飲料、毛布などの支援物資の提供による被災地支援を行うとともに、店頭募金や福島県産野菜の販売を中心とした「がんばろう福島フェア」、「がんばろう日本!黄色いレシートキャンペーン」などお客さまとともに行う支援活動を実施し、東北エリアの皆さまの暮らしを支えるという社会的使命を果たすべく活動を続けております。」とのことで、震災後も懸命に被災地の復旧に取り組んだとのことである。

   その結果であるが、営業収益216.12億円(-0.1%)、営業利益2.53億円(前期は赤字)、経常利益1.87億円(前期は赤字)、当期純利益-7.55億円(前期は赤字)となり、前期も厳しい状況であったが、今期も営業、経常段階では赤字から脱却したとはいえ、依然として厳しい経営状況が続いている。特に、当期純利益に関しては、今期から資産除去債務に関する会計基準の適用が5.13億円(売上対比2.43%)計上された上に、災害による損失3.86億円等を計上したことにより、大幅な赤字決算となった。原価、経費への影響以上に直接的な店舗等への災害損失が発生しており、厳しい決算となった。

    このように、マックスバリュ東北にとっては、東日本大震災の影響は甚大なものがあったといえ、経営基盤の強化が必須となり、震災後の4/5に、「第三者割当によるA種種類株式の発行に関するお知らせ」を公表し、5/19を払込期日として、親会社イオンからの資金調達を実施した。その理由について、マックスバリュ東北は、「厳しい経営環境の中で、当社の営業基盤エリアにおける競争激化に伴う収益力の低下を主たる要因として、業績不振店舗の固定資産等についての減損損失などにより、2005 年度から2010年度までの累計で4,498 百万円の当期純損失を計上したことで、自己資本比率が低下している状況にあります。」とのことで、ここ数年、厳しい経営環境にあったとのことである。

   そして、「また、直近の予期せぬ東日本大震災の発生による影響で消費環境の先行きの不透明感が一層高まっております。今後当社は、安定した財務基盤を確立・強化するとともに、ますます競争が激化する北東北エリアにおいて競争に打ち勝ち、2013 年度には北東北売上高No.1の座を奪還し、再度成長軌道へ回帰するために、抜本的な経営方針の変更が不可欠と判断し、・・」とのことで、財務基盤の強化を前提とした構造改革に着手したとのことである。

   結果、自己資本比率は、純資産が19.68億円から57.34億円へと増加したため21.0%(昨年7.2%)と大きく改善した。実際、今期の財務活動によるキャッシュフローを見てみると、株式の発行による収入が44.52億円あり、このキャッシュを短期借入金の返済へ31.90億円、長期借入金の返済へ4.56億円、合計36.46億円と大半を回している。ただ、それでも、約80%は負債に依存する財務状況であるといえ、今後、さらに、増資するか、キャッシュを生み出す質の改善、及び量の拡大をはかって行く必要があろう。

   そこで、今期のマックスバリュ東北のキャッシュを生み出す質を原価、経費面から見てみると、原価は76.48億円(昨年77.15%)と0.67ポイント改善している。結果、売上総利益は23.52%(昨年22.85%)となり、粗利が向上した。一方、経費の方であるが、24.91%(昨年25.64%)と、0.73ポイント下がっている。したがって、原価、経費双方が下がっており、結果、商品売買から得られる利益、マーチャンダイジング力は-1.39%(昨年-2.79%)と、依然として、マイナスではあるが、その幅は大きく縮まっており、東日本大震災の影響が結果として、マーチャンダイジング力のプラスに寄与したといえよう。そして、これに、不動産収入、物流収入等が2.60%(昨年2.64%)加わり、営業利益は1.21%(昨年-0.15%)と、昨年の赤字から、黒字転換となった。したがって、キャッシュを生み出す質は、今回の東日本大震災の影響もプラスに寄与したといえ、大きく上昇しているといえる。

   このように、マックスバリュ東北の2012年2月期、第1四半期決算は、東日本大震災の影響を強く受け、当期純利益が大幅なマイナスとなった。また、ここ数年厳しい経営状況が続いていた中での予期せぬ大震災であり、経営基盤の強化が必須となり、親会社のイオンから出資を受けざるをえなくなり、資本増強に着手した。ただ、それでも、依然として約80%を負債に依存する状況であり、今後、さらに、資本の増強を行うか、抜本的な経営の構造改革により、キャッシュを生み出す質、すなわち、マーチャンダイジング力の改善をはかる一方、キャッシュを生み出す量、新規出店も課題といえる。マックスバリュ東北が今後どのような経営戦略を打ち出すか、注目である。

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July 9, 2011 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

July 08, 2011

ハローズ、2012年2月、第1四半期、増収営業増益!

   ハローズが6/29、2012年2月期の第1四半期決算を公表した。結果は、売上高185.90億円(7.8%)、営業利益5.52億円(8.3%)、経常利益5.25億円(9.9%)、当期純利益2.04億円(-22.9%)となり、営業段階では増収増益、当期純利益は今期から資産除去債務に関する会計基準が1.41億円(売上対比0.75%)適用されたため、減益となった。この第1四半期は、東日本大震災の影響が売上高、営業利益にどの程度あるのか、また、今期から適用された資産除去債務に関する会計基準の適用が当期純利益にどのような影響を与えるかが注目の決算であったが、後者は1.41億円、結果、当期純利益は減益となった。

   そこで、前者、東日本大震災の影響であるが、原価、経費面から見てみたい。まずは、ハローズのコメントであるが、「当第1四半期会計期間におけるわが国経済は、東日本大震災による甚大な被害とその後の原子力発電所事故の影響が続き、被災地の生産や物流機能の低下のみならず、その影響の範囲や程度が不透明で、先行きが懸念される厳しい状況となりました。」とのことで、不透明さを強調している。

   では、実際の影響であるが、原価は76.08%(昨年77.24%)となり、-1.16ポイントと大幅に下がった。結果、売上総利益は23.92%(昨年22.76%)となり、粗利が上昇している。これについて、ハローズは、「商品面におきましては、「生活防衛企画」である「低価格最善選」を継続して実施し、季節や生活催事に合わせての商品の入れ替えにより、常にお客様に最適な内容になるように努めました。」とのことで、低価格戦略を継続したとのことである。ただ、一方で、「当社プライベート・ブランド商品の「ハローズセレクション」の開発にも注力し、売上高構成比は前事業年度末の8.0%から8.4%に増加いたしました。」とのことで、原価の低いPBを積極的に販売している。さらに、「当事業年度から全面稼働いたしました「早島物流センター」の効果的運用により、商品調達コストの低減に取り組みました。」と、「早島物流センター」の稼働も大きかったといえよう。当然、これらの施策に、東日本大震災により、特売が思うように打てないという売価面での下げ止まりが加わり、予想以上の原価の削減につながったのではないかと思われる。

   一方、経費の方であるが、23.78%(昨年22.79%)と、0.99ポイント上昇しており、原価とは対照的な動きとなった。ハローズ自身は、「経費面では、オペレーション面及び管理面の両面から効果的なコストの管理を目指し、生産性向上やコスト削減などに各種の委員会を設けて取り組みました。」とのことで、幅広く、経費削減に取り組んだとのことであるが、結果は厳しい数字となった。ただ、この23.78%は前期決算の決算公開企業約50社の中では10番前後に入る低さであり、上昇したとはいえ、かなり低い数字である。

   結果、差し引き、商品売買から得られる利益、マーチャンダイジング力は、0.14%(昨年-0.03%)となり、プラス転じた。原価の削減がいかに大きかったかがわかる。ここ最近公開された2012年度2月期の食品スーパーマーケットの第1四半期決算の状況を見ると、原価が大きく下がるケースが多く、ここからも、東日本大震災の影響は、結果として、食品スーパーマーケットの原価改善に寄与しているといえそうである。そして、これに、不動産収入、物流収入等のその他営業収入が2.83%(昨年2.99%)加わり、営業利益は2.97%(昨年2.96%)と、わずかではあるが、増益となった。この第1四半期は売上高が7.8%増と好調であったことも、営業利益を押し上げた要因といえよう。

   これに対して、財務面であるが、自己資本比率が31.3%(昨年31.0%)と、依然として約70%を負債に依存する状況であり、厳しい結果である。ハローズとしては、今期の好調な営業状況をどう財務改善に結びつけ、食品スーパーマーケットの本質であるキャッシュを生み出す量の拡大、すなわち、新規出店に結び付けたいところであるといえよう。その新規出店に関しては、「店舗開発面では、当第1四半期会計期間中の新規出店はなく、店舗数は広島県19店舗、岡山県22店舗、香川県7店舗の合計48店舗で、前事業年度末から変動はありません。」とのことで、新規出店はなかった。実際、投資活動によるキャッシュフローを見ると、新規出店関連への投資は7.38億円(昨年12.72億円)と大きく削減している。一方、財務活動によるキャッシュフローにおける有利子負債については-8.88億円(昨年7.86億円)と、昨年と一転、削減しており、この第1四半期決算時では投資を絞り、財務改善にキャッシュを配分したといえる。

   このように、ハローズの2012年2月期の第1四半期決算は、当期純利益は資産除去債務に関する会計基準の適用により、減益となったが、営業、経常段階では増収増益の好決算となった。特に、東日本大震災の影響が原価の改善につながったようであり、大幅に粗利が改善し、営業利益を押し上げたといえる。一方で、新規出店は控え、キャッシュを財務改善に充てており、内部体制の充実を図ったといえよう。先行き不透明であるがゆえの経営判断といえよう。ハローズがこの結果を踏まえ、次の中間、そして、通期、内部体制の充実を一層強めるのか、それとも一転、積極策に転じ、新規出店の開発に入るのか、今後の経営決断に注目である。

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July 8, 2011 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

July 07, 2011

Chain Store Age2011/7/1、震災後の消費動向を投稿!

   Chain Store Age、2011年7月1日号に緊急レポート、「POSデータに見る、東日本大震災後の3月、4月度の消費動向」を投稿した。このレポートは、TOPNAVI-NETのPOSデータをもとに、全国の食品スーパーマーケットの震災後の販売動向を明かにし、今後の食品スーパーマーケットの有事の際に役立てていただくことを意図したものである。特に、全国を9つの地区、北海道、東北、京浜、関東、北陸、東海、近畿、中四国、九州に分けて、分析しているので、被災地東北の消費動向が震災後どのように変化したかが鮮明であり、さらに、東北と比べ、全国ではどのような消費動向であったかがわかる内容である。

   今回分析したPOSデータは膨大な量であり、食品約250カテゴリー、雑貨約100カテゴリー、日用品約150カテゴリー、合計約500カテゴリーを分析対象にした。単品数では、約20万件となり、これを今年の3月度、昨年の3月度、さらに、今年の4月度、昨年の4月度とを比較し、その伸び率から、特に被災地東北において、昨年と決定的に消費構造に変化があったカテゴリーをピックアップした。

   今回のレポートでは、明らかに消費構造に変化をもたらしたものとして、東日本大震災のあった3月度の被災地東北にて、昨対200%を超えるカテゴリーをすべてピックアップし、そこから、東日本大震災が消費行動にどのような変化を与えたかを明らかにした。また、同時に、次の4月度はどのような数字となったか、さらに、東北以外の地区ではどのような消費行動であったかを一目で見られるように一覧表にまとめた。

   結果、図表は3つになった。ひとつめの図表1は食品の3月度東北で200%以上となった全カテゴリー、図表2は雑貨の3月度東北で200%以上となった全カテゴリー、そして、図表3は日用品の3月度東北で200%以上となった全カテゴリーである。120%、130%では誤差がでる可能性があるが、200%以上は明らかに、東日本大震災の影響といえると思われ、実際、POS分析の結果を見ると、食品スーパーマーケットが、今回のような未曽有の有事の際、絶対に抑えておかなければならないカテゴリーが上位に来ているといえる。また、今回は実際のPOSデータであるので、どのくらいの在庫を確保すべきかも明らかになった。食品スーパーマーケットとしては、この結果をもとに、消費者のライフラインを守るために、どのくらい在庫を確保すべきかが推し量れるといえる。

   さて、その結果であるが、レポートの中でも詳しく解説したが、全カテゴリーの中で、圧倒的なNo.1カテゴリーは水であった。東北では3月度518.8%という異常値を記録した。これは3月度の丸1ケ月間の数字であるので、3/11の東日本大震災直後、1週間から2週間はさらに莫大な需要であったと推測される。全国平均も272.2%であるので、日本全国で水の需要が異常な状況であったことがわかる。東北以外では、同じく被災地となった関東も高く、512.0%であった。そして、4月度となっても、水の需要は衰えず、東北で550.1%、全国でも240.9%、関東では552.5%となった。

   いかに、水が有事の際、重要なカテゴリーであるかがわかる。しかも、平均約500%であるので、通常月の5倍の在庫が発生するといえ、それが、2ケ月続くといえるので、食品スーパーマーケットとしては、いかに、日頃から水の確保、少なくとも月間在庫の5倍、2ケ月間を考慮すれば、10倍の確保が消費者のライフラインを守るためには必要といえよう。また、今回の東日本大震災では商品の供給ルートが各地で寸断されただけでなく、工場にも被害が及んだことから、日頃から、いざという時のために、複数の商品供給ルートを確保しておくことが必要といえよう。特に、水に関しては、このPOSデータが示す通り、最優先で日ごろから、その対策について取り組んでおく必要があるといえる。

   水以外では、POSデータを見ると、300%以上のカテゴリーとして、食品では魚肉ハム347.5%(4月度221.0%)、包装餅317.2%(4月度227.4%)、雑貨ではマスク384.9%(4月度274.0%)、日用品ではフラッシュライト(懐中電灯等)369.9%(4月度1,016.4%)、ガス部品396.2%(4月度379.2%)がピックアップされた。水を含め、一旦、有事の際は、消費者は、このカテゴリーを期待して、店舗に来店するといえるので、こられのカテゴリーは日ごろから、食品スーパーマーケットの売場で有事コーナーとして、マーチャンダイジング戦略に組み込んで置くべきであろう。そして、一旦有事の際は、これらを主体にしたレイアウト構成にし、商品部は全力でこれらの商品を確保すると同時に、いつ有事があっても良いように、在庫を確保しておくべきであろう。

   このように、東日本大震災がもたらした被害は甚大なものであったが、食品スーパーマーケットとしては、再度、大震災のあった3月度、そして、翌月4月度のPOSデータを分析し、有事に際しての対応マニュアル、有事に備えての在庫マニュアルを作っておくべきであろう。今回の、この緊急レポートを、是非、食品スーパーマーケットの有事の際の「備えあれば憂いなし」の経営体制づくりに役立てていただければと思う。

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July 7, 2011 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

July 06, 2011

家計調査データ2011年5月度、食品97.9%!

   総務省統計局から7/1、家計調査データ、2011年5月度が公表された。結果は全体の消費額が1日当たり8,908.35円、昨対は98.4%と微減、消費環境の厳しさが反映された結果となった。また、外食を除く食品は、1日当たり2,341.03円、昨対は96.8%、さらに厳しい結果となった。3/11の東日本大震災後の初めての大型連休、ゴールデンウィークの消費動向が含まれるだけに、その結果が気になるところであったが、厳しい結果といえよう。なお、先月、4月度から復活した被災地、仙台は集計世帯数が、前回の4世帯から54世帯へと大きく増加し、通常の集計世帯数にもどりつつあるが、同じく被災地、福島市は依然として0世帯であり、原発事故の影響が家計調査にまで及んでいるといえる。

   ちなみに、仙台市のこの5月度の消費動向であるが、全国平均に対し、全体の消費額は81.5%、食品は97.7%と、双方厳しい状況といえるが、全体の方が、より消費は厳しい状況にあるといえよう。そこで、全体の大分類を見てみると、外食77.6%、住居60.3%、光熱・水道81.8%、家具・家事用品134.8%、被服及び履物58.3%、保健医療63.3%、交通・通信77.0%、教育26.0%、教養娯楽66.1%、その他の消費支出94.0%である。こう見ると、家具・家事用品のみ134.8%と突出しており、異常値である。ホームセンター業界の第1四半期決算が好調であるが、これを裏付ける結果といえよう。また、さらに、その中身を掘り下げてみると、家庭用耐久財211.9%、冷暖房用器具308.5%、一般家具261.3%と、これらが家具・家事用品全体を押し上げているといえる。

   さて、全国の5月度の消費動向であるが、仙台市と反対に食品の方が厳しい結果であった。そこで、全国の食品の消費動向について詳しく見てみたい。まずは、食品の大分類であるが、穀類201.97円(94.9%)、魚介類201.13円(93.5%)、肉類206.35円(101.2%)、乳卵類109.23円(100.3%)、野菜・海藻274.29円(94.4%)、果物83.81円(101.5%)、油脂・調味料107.06円(100.2%)、菓子類211.94円(97.7%)、主食的調理食品112.71円(101.1%)、飲料136.32円(99.8%)、酒類107.94円(97.2%)という結果である。プラスとなった項目は、肉類、乳卵類、果物、油脂・調味料、主食的調理食品(惣菜)であり、これ以外はマイナスであった。特に、穀類、魚介類、野菜・海藻が大きく消費が厳しい項目である。

   そこで、この3つの大分類について、さらに、その要因を掘り下げてみたい。まず、穀類であるが、米62.68円(85.1%)、もち1.42円(81.5%)が80%台と大きく下がり、ついで、食パン24.42円(96.8%)、中華めん12.97円(98.8%)、スパゲッティ 3.58円(99.1%)等が昨対を割った。今後、小麦粉の値上げもあり、穀類は当面、厳しい状況が続きそうである。次に、魚介類であるが、かに1.03円(46.4%)、しじみ1.16円(73.5%)、ほたて貝2.84円(71.5%)、いわし1.35円(84.0%)、たい3.58円(88.1%)、さんま1.10円(89.5%)が大きく下がった項目である。全体的に鮮魚107.19円(92.2%)、貝類が10.06円(85.0%)と落ち込みが大きく、塩干魚介38.52円(98.0%)、魚肉練製品20.84円(97.9%)は比較的堅調な消費であったといえる。

   そして、もうひとつ、野菜・海藻であるが、多分に相場の影響を強く受けているといえるが、キャベツ6.52円(71.6%)、ほうれんそう 4.71円(77.2%)、はくさい1.58円(77.8%)、レタス5.13円(78.3%)、だいこん3.55円(78.0%)等が70%台と厳しい状況であった。ついで、ねぎ6.10円(87.1%)、もやし3.03円(88.7%)、ピーマン5.35円(87.8%)が80%台である。逆に、100%を超えた野菜は、じゃがいも12.52円(115.1%)、にんじん7.13円(106.3%)、ごぼう2.71円(109.1%)、れんこん1.55円(114.3%)、たけのこ3.32円(117.0%)、さやまめ 8.10円(105.5%)の6項目のみであり、残りはすべて昨対を割り、野菜全体が厳しい消費であったといえる。ちなみに、外食であるが、ハンバーガー11.87円(104.0%)以外、すべてマイナスであり、特に、中華食12.90円(83.3%)、飲酒代34.87円(86.2%)、すし(外食)37.13円(89.2%)等が厳しかった項目である。

   一方、消費が比較的堅調であったのは、対照的に果物であり、すいか5.10円(122.5%)、メロン6.87円(142.0%)、もも0.10円(150.0%)、りんご8.42円(108.3%)、キウイフルーツ5.35円(108.5%)等が果物全体の消費を押し上げたといえる。また主食的調理品も比較的堅調であり、カツレツ4.74円(115.7%)、やきとり5.87円(110.3%)、サラダ8.35円(105.7%)、天ぷら・フライ24.58円(105.1%)、しゅうまい2.81円(104.8%)、冷凍調理食品15.32円(103.5%)等が消費を押し上げたといえる。また、これ以外では、油脂・調味料の乾燥スープ5.90円(115.1%)、菓子類のチョコレート8.48円(112.9%)、飲料のミネラルウォーター7.77円(131.0%)等が110%以上となった項目である。

   このように、2011年5月度の家計調査データを見ると、東日本大震災の影響が続いているといえ、ゴールデンウィークの中、自粛ムードが消費動向に影響を与えたのではないかと思われる。特に、生鮮食品の青果、鮮魚が伸び悩み、これに加え、穀類が厳しかったことが大きいといえる。ただ、このような厳しい消費環境の中でも比較的堅調であったのが、果物、主食的調理食品(惣菜)であり、調理なしですぐに食べられる点が評価されたようである。次回、6月、そして、その後、本格的な夏場に入るが、今回の結果を受け、今後、消費がどのような方向に動くか気になるところである。
   
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July 6, 2011 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

July 05, 2011

アオキスーパー、2012年2月期、第1四半期、増収増益!

   アオキスーパーが7/1、2012年2月期の第1四半期決算を公表した。今後、食品スーパーマーケット業界2月度決算の第1四半期決算が続々と公開される予定であり、現時点ではまだ数社の公表に留まっている。特に、2月度決算企業の第1四半期決算には、3/11の東日本大震災の影響が反映されており、経営にどのような結果が生じたかが推し量れる。また、今期から資産除去債務に関する会計基準が適用され、その影響が当期純利益に反映されるため、その影響度もつかめる。これらを踏まえ、アオキスーパーの結果であるが、営業収益217.23億円(2.6%)、営業利益5.04億円(143.9%)、経常利益5.28億円(123.2%)、当期純利益2.22億円(162.8%)と、増収、大幅増益となり、好決算となった。

   それにしても、上記2つの影響がありながら、営業利益、経常利益、そして、当期純利益とも2桁の増益であり、好調な決算である。そこで、まずは、東日本大震災の影響を原価、経費面から見てみたい。この四半期の原価であるが、82.75%(昨年84.54%)となり、1.79ポイントと大幅に下がった。アオキスーパーの、前期本決算時が84.39%であるので、明らかに、この第1四半期は異変が起きているといえよう。結果、売上総利益は17.25%(昨年15.46%)となり、粗利が大きく改善した。それにしても、この売上総利益17.25%は食品スーパーマーケット前期決算公開企業約50社の中ではトライアルカンパニーの17.21%につぐ低さであり、改善したとはいえ、それでもかなり低い数字である。

   アオキスーパー自身は、「当流通業界におきましては、業種・業態を超えた値下げ等による店舗間競争がさらに激化しており、また、震災の影響により、一時的に商品の確保が困難な状況となるなど、厳しい経営環境が続いております。」とコメントしている。依然として、価格競争は激化とのことであるが、一方で、震災の影響により、「一時的に商品の確保が困難な状況となるなど・・」とのことであり、これまでのように商品確保ができず、特売が十分にできなかった面もあったといえよう。

   これに対し、経費の方であるが、18.38%(昨年17.74%)と0.64ポイント上昇した。原価の大幅な下落とは一転、経費の上昇が見られる。ただ、原価の下落ほど経費の上昇は見られず、結果、差し引き、商品売買から得られるマーチャンダイジング力は、-1.13%(昨年-2.28%)となり、依然としてマイナスではあるが、大きく改善した。ちなみに、前期決算時は-1.75%であるので、前期決算時よりも改善しており、原価の大幅な下落がマーチャンダイジング力を押し上げたといえよう。

   そして、これに、不動産収入、物流収入等のその他営業収入が3.54%(昨年3.29%)となり、ここでも0.25ポイントの改善が図られ、結果、営業利益は2.41%(昨年1.01%)となり、まさに、利益が倍増した。これも前期決算時は1.50%であるので、明らかに、この第1四半期は営業利益が大きく改善しているといえ、好決算となった。

   したがって、当期純利益に影響を与える今期から適用される特別損失、資産除去債務に関する会計基準の適用が、今期1.40億円(売上対比0.66%)あったが、これを相殺し、結果、当期純利益も2.22億円(162.8%)と大幅な増益となった。通常であれば、資産除去債務に関する会計基準の適用は年間分が第1四半期決算にのるため、当期純利益はかなり厳しい状況になるはずであるが、この決算を見る限り、原価の大幅改善により、これを相殺しており、その影響を結果として受けず、好決算となった。こう見ると、東日本大震災の影響は原価に反映されたといえ、アオキスーパーにとっては、大きくプラスに作用したといえよう。

   一方、財務の方であるが、自己資本比率は62.9%(前期決算時53.1%)となり、何と10%近い改善となった。その要因は、純資産は152.14億円(前期決算時151.26億円)と大きな変化はなかったが、負債が89.69億円(前期決算時133.43億円)と43.74億円減少したためである。ただし、これは、「流動負債は、前連結会計年度に比べ、46億60百万円減少し、65億76百万円となりました。これは、主に前連結会計年度末であります平成23年2月20日が日曜日にあたり、取引先への商品仕入代金や経費の支払い47億44百万円が翌日の21日になったことにより、仕入債務等が減少したことによるものであります。」とのことであり、決済日の違いによるところが大きかったといえる。したがって、大幅な増益がもたらした自己資本比率の上昇ではないが、結果として、この第1四半期決算は、財務的にも安定した状況となったといえる。

   このように、アオキスーパーの第1四半期決算は、東日本大震災により、原価面がプラスの影響を受けたといえ、大幅に原価が下がり、結果、売上総利益が向上し、経費の上昇を相殺し、さらに、マーチャンダイジング力のプラスをもたらした。これにその他営業収入のプラス面も加わり、営業利益は143.9%と大幅な改善となった。その結果、資産除去債務に関する会計基準の影響も相殺し、当期純利益が162.8%と大幅な増益となった。アオキスーパーにとって、原価の改善がいかに、経営全体に大きなインパクトを与えたかが鮮明であり、次の中間、そして、通期決算、どこまで利益改善となるか、その結果に注目である。
   
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July 5, 2011 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

July 04, 2011

食品スーパー2011、財務3表連環分析Vol.1リリース!

   恒例の「食品スーパー2011、財務3表連環分析Vol.1」が完成した。今年で丸3年目となり、これで、過去3年間の食品スーパーマーケット決算公開企業約50社の決算結果が揃ったことになる。特に、今年の決算は3/11の東日本大震災の影響、資産除去債務の会計基準の適用の影響を受けた3月度以降の決算企業の結果には注目といえ、今後の食品スーパーマーケットの経営戦略を占う上でも重要な決算結果である。今回は、この3月度決算以降の食品スーパーマーケットの特別レポートも加えたが、これを見ると、利益重視、キャッシュ重視が鮮明であり、食品スーパーマーケットの経営戦略に変化が見られ、今後の2月度決算以前の食品スーパーマーケットの今期の第1四半期、中間、そして、本決算の結果を占うことができよう。

   さて、財務3表連環分析であるが、文字通り、食品スーパーマーケットのP/L(損益計算書)、B/S(貸借対照表)、そして、CF(キャッシュフロー計算書)を一覧表に、特に、キャッシュを基点にその連環度合いをまとめたものである。決算公開企業約50社すべての決算を一覧すると、食品スーパーマーケットの経営とは何かが浮かび上がり、大局的に経営を俯瞰することができ、経営とはまさにキャッシュの流れであることが理解できる。

   食品スーパーマーケットの経営は、まずは、キャッシュを生み出す質が問われるが、その結果はP/Lに反映され、特に、原価、経費の関係を見ると、一目瞭然となる。原価に重きを置く食品スーパーマーケット、経費に重きを置く食品スーパーマーケット、双方のバランスをとる食品スーパーマーケットと、いわゆる、マーチャンダイジング戦略の違いが良くわかる。いずれも、キャッシュの質の向上を目指しているといえ、その質の向上の仕方、すなわち、マーチャンダイジング戦略に大きな違いが見られるのが特徴である。

   また、食品スーパーマーケットの経営は、キャッシュの質を高めるだけでは完結しない。もうひとつ重要なポイントがキャッシュの量を増やすことである。これはまさに、B/Sに表れるといえる。食品スーパーマーケットにとって、キャッシュの量を増やす方法は、唯一、新規出店のみであるといっても過言ではなく、新規出店が安定的、継続的に可能な財務内容であった場合のみキャッシュが増加してゆくことになる。そして、それがまさに、B/Sに反映されるといえる。B/Sの資産、土地、建物、敷金・保証金を見ると、食品スーパーマーケットの出店にかかわる資産がどのくらいであるかがわかり、さらに、純資産を見ると、その資産を自己資本で賄っているのか、それとも負債に依存しているのかがわかる。その差を見ることにより、出店余力が見え、差が大きいほど、今後も安定的に新規出店が可能であるといえる。

   そして、これをCFの新規出店関連への投資と比較することによって、今期、そして、今後、どのくらい、新規出店を検討しているかかがわかり、いわゆる出店意欲がこのB/SとCFの関係から判断できる。ここまで来ると、経営計画まで読み取れるといえ、財務3表連環分析は、単に経営内容がわかるだけでなく、食品スーパーマーケットの経営戦略、経営方針も垣間見ることができるといえる。

   財務3表のCFはその意味で、経営者の経営方針、経営計画を垣間見る財務諸表であるといえ、これをじっくり見ることで、食品スーパーマーケットの経営者の考え方、経営哲学、経営方針等が理解できるといえる。特に、CFの財務活動によるキャッシュフローには、配当、借入、返済、自社株式の売買状況も反映されるため、経営者が株主をどのくらい大切にしているのか、債権者にどのくらい配慮しているのか、さらには、将来的なM&Aを検討しているのかなどがわかり、CFはキャッシュの流れを知るだけでなく、食品スーパーマーケットの経営戦略を推し測る上で重要な財務諸表であるといえる。

   一般的に財務分析は難しいと思われているが、食品スーパーマーケットの財務分析は、財務3表の連環状況をキャッシュをもとに、質、量、そして、その流れを把握することがポイントであり、しかも、キャッシュの質がP/L、キャッシュの量がB/S、キャッシュの流れがCFと対応しており、誰でも、コツさえつかめば、食品スーパーマーケットの財務分析の本質は簡単に理解でき、しかも、実際の食品スーパーマーケットの経営への実戦的な応用が可能であるといえる。

   食品スーパーマーケットの決算公開企業は約50社であり、この50社の中にあらゆる食品スーパーマーケットの経営形態がある。キャッシュの質を重視する食品スーパーマーケット、キャッシュの量を追う食品スーパーマーケット、そして、そのバランスをとり、質と量の双方に配慮する食品スーパーマーケットがある。是非、「食品スーパー2011、財務3表連環分析Vol.1」を通じて、様々なタイプの食品スーパーマーケットの経営内容を把握し、食品スーパーマーケットの財務3表連環分析を行い、その経営の神髄に迫って欲しい。

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July 4, 2011 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

July 03, 2011

消費者物価指数(CPI)、2011年5月度、100.3%、微増!

   総務省統計局から、7/1、2011年5月度の消費者物価指数(CPI)が公表された。消費者物価指数は総合指数が3つあるが、その結果は、「(1)総合指数は平成17年を100として100.0となり,前月比は0.1%の上昇。前年同月比は0.3%の上昇となった。(2)生鮮食品を除く総合指数は99.9となり,前月比は0.1%の上昇。前年同月比は0.6%の上昇となった。(3)食料(酒類を除く)及びエネルギーを除く総合指数は97.4となり,前月比は0.2%の上昇。前年同月比は0.1%の上昇となった。」となり、いずれの総合指数も前年同月比が微増ではあるが、プラスとなった。

   総合指数が前年同月比において、3つともプラスになるのは久しぶりであり、約2年半ぶりとなる。この約2年半、前年同月比のグラフを見ると、マイナスが続いており、いわゆるデフレが継続していたといえる。それが、前月、4月度から(1)の総合指数、(2)の生鮮食品を除く総合指数がプラスになり、この5月度は、プラスとなるのか、それとも、また、マイナスに転じるか注目の月であった。結果は、(1)、(2)に続き、(3)の食料(酒類を除く)及びエネルギーを除く総合指数もプラスに転じ、すべての総合指数がプラスになったことから、今後、消費者物価指数はプラス基調が続く可能性が高まったといえよう。

   そこで、この5月度、特に、プラスに貢献した項目について、寄与度をもとに見てみたい。まず、何といっても、4月も同様であるが、たばこが0.27ポイント(4月度0.27ポイント)と、全体を大きく牽引しているのが実態である。たばこは昨年後半の値上げ以降、消費者物価指数を大きく押し上げる方向に動いており、今後とも、たばこが消費者物価を押し上げてゆくことになろう。たばこについで、貢献度の大きかった項目は0.23ポイントのガソリン(4月度0.32ポイント)、0.14ポイントの灯油(4月度0.17ポイント)であり、資源・エネルギー関連である。特に、4月度はたばこよりも、貢献度が高く、No.1の項目であった。この3つの項目が際立った貢献度の高い項目であり、これを見る限り、デフレが脱却されつつあるわけではなく、一部、異常値となった項目が全体を押し上げているという状況といえる。

   一方、この5月度、消費者物価指数を押し下げた項目を寄与度で見ると、何といっても、圧倒的にマイナスとなったのは生鮮食品であり、-0.31ポイント(4月度-0.25ポイント)であった。4月度はこれ以外にも-0.25ポイント、その他があったが、この5月度については、その他はわずか-0.07ポイントであり、生鮮食品のみが全体の物価を押し下げているといえる。したがって、これらの異常な項目を除くと、むしろ、物価は安定しているともいえ、デフレが脱却されつつあるわけでもなく、また、逆に、インフレに動いているわけでもなく、消費者物価は、むしろ全体としては、安定した状況にあるといえよう。

   そこで、ここでは、この5月度、消費者物価全体を押し下げる要因となった生鮮食品の状況を、さらに、掘り下げてみたい。消費者物価指数は、調査項目としては、ほぼ家計調査データの分類に近いといえ、生鮮食品についても、かなり細かい項目も集計されているので、何が原因かがより鮮明である。まず、生鮮食品の大分類であるが、魚介類-1.2%、肉類0.7%、野菜・海藻-8.5%、果物-3.2%であり、明らかに青果、特に野菜であることが明らかである。ちなみに、これ以外の大分類であるが、穀類-2.8%、乳卵類2.3%、油脂・調味料-0.4%、菓子類0.0%、調理食品0.7%、飲料0.1%、酒類-0.9%という結果である。穀類がやや下げ幅が大きいが、それ以外は、ほぼ0.0%に近いといえ、いかに、野菜・海藻の-8.5%が異常値であるかがわかる。

   その野菜・海藻であるが、レタス-37.7%、ピーマン-34.6%、キャベツ-31.8%、はくさい-31.3%と、この4つが-30%以上下がった項目である。ついで、だいこん-27.5%、
ほうれんそう-18.5%、ねぎ-17.9%、なす -17.4%、トマト -17.4%、えのきだけ-15.3%、れんこん-14.8%、さやいんげん-14.8%、しめじ-13.9%、ブロッコリー-13.1%、きゅうり-12.0%と、これらが-10.0%以上下がった項目である。一方、野菜の中でも上がった項目もあり、アスパラガス0.8%、かんしょ6.1%、ばれいしょ9.1%、にんじん13.1%、さといも13.6%、ごぼう17.8%であるが、数は少ないといえ、野菜全体が生鮮食品、ひいては、消費者物価指数全体を押し下げているといえよう。

   このように、2011年5月度の消費者物価指数は約2年半ぶりに3つの総合指数すべてがプラスになったが、その要因を寄与度で見ると、たばこ、ガソリン、灯油の3つであるといえ、この3つが消費者物価指数全体を押し上げたといえる。一方、消費者物価指数を押し下げた項目もあり、野菜である。ただ、先の3つの項目は、これを上回る寄与度であり、野菜が全体を押し下げるまでにはならなかったといえる。したがって、当面、このプラス基調は続く可能性が高いといえるが、消費者物価全体が上昇しているわけではなく、むしろ、全体は上昇が見られないことから、物価全体は安定しているといえよう。東日本大震災の影響も一段落したといえ、復興需要が本格化するまでは、当面、物価は全体としては大きな変動がなく、安定した状況が続くのではないかと思われる。

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July 3, 2011 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

July 02, 2011

日経MJで小売業10年度ランキング(第44回)を公表!

   6/29の日経MJで恒例の小売業10年度ランキング、第44回が公表された。このランキングは日経新聞が「小売業を営む店舗を持つ企業及び協同組合の1,451社が対象で、4月中旬に調査票を郵送、6月中旬までに回収した。731社から有効回答を得て、総売上高が上位500位以内にランクインしている企業について集計・分析した。」というものである。注目は、この調査票を送られた時期が3/11の東日本大震災後であり、3月度決算企業については、その影響が反映されていることである。また、この調査票では今後についてもいくつかアンケートをしており、これについては、すべての企業が、大震災の影響を考慮しての回答であり、興味深い内容である。

   さて、まずは、ランキングであるが、ベスト20位までは、大きな変動はなく、あっても順位が1つ上か下であり、ベスト20は不動の順位といえよう。そのベスト3であるが、No.1はセブン&アイHの5兆1,197.39億円(0.2%)、No.2はイオン5兆965.69億円(0.8%)、そして、No.3はヤマダ電機2兆1,532.59億円(6.8%)である。全体的に売上高が伸び悩む中、ヤマダ電機は好調な伸びである。また、このベスト3を除き、1兆円を超える小売業は2社であり、No.4の三越伊勢丹Hが1兆2,207.72億円(-5.5%)、No.5のユニーが1兆1,127.81億円(-1.9%)である。以上がベスト5かつ1兆円を超える小売業である。

   ついで、上記以外の不動のベスト20であるが、No.6:J.フロントリテイリング9,501.02億円(-3.3%)、No.7:ダイエー9,118.01億円(-6.7%)、No.8:エディオン9,010.10億円(9.9%)、No.9:高島屋8,694.75億円(-0.9%)、No.10:フォーストリテイリング8,148.11億円(18.9%)であり、以上がベスト10である。そして、No.11:ケーズホールディングス7,709.47億円(18.9%)、No.12:ヨドバシカメラ7,005.18億円(2.5%)、No.13ビックカメラ6,082.74億円(3.2%)、No.14:イズミ5,023.79億円(2.1%)、No.15:ドン・キホーテ4,875.71億円(1.4%)、No.16:ライフコーポレーション4,808.21億円(2.6%)、No.17:エイチ・ツー・オーリテイリング4,650.33億円(-1.1%)、No.18:コジマ4,494.99億円(2.6%)、No.19:ローソン4,412.77億円(-5.5%)、No.20:しまむら4,410.52億円(2.4%)である。

   このベスト20を見ると、家電の好調さが鮮明である。18.9%のケーズホールディングス、9.9%のエディオン、6.8%のヤマダ電機、3.2%のビックカメラ、2.6%のコジマといれも家電企業はプラスであり、ベスト20の中ではユニクロの14.3%を除き、伸び率ベストを家電業界が独占しているといえる。昨年のエコ需要に加え、この大震災での特需が家電の売上高を押し上げたといえよう。ちなみに、食品スーパーマーケットであるが、No.14のイズミ2.1%、No.16のライフコーポレーション2.6%の2社のみであり、売上高ではまだトップクラスは少ないといえいる。

   さらに、ベスト20以下で全体の構図を見てみると、売上高3,000億円以上がNo.40前後であり、2,000億円以上がNo.60前後であり、1,000億円以上がちょうどNo.100前後である。そして、この中に、食品スーパーマーケットはNo.40以内には先の2社を含め9社、No.41からNo.60までは8社、そして、No.61からNo.100までは16社であり、合計、No.1からNo.100までに33社である。売上高では、食品スーパーマーケット業界は小売業のベスト100の中では1,000億円から2,000億円クラスが最も多いといえる。

   そして、この調査の中で、売上高以外に様々なアンケートを行っているが、その中で、今後の小売業界の動向を占う上で、重要なものとして、価格政策へのアンケートである。見出しは、「値下げ路線からの転換」、「価格政策、維持7割に」である。特に小売業の価格政策というグラフが示され、2009年度から、2010年度の計画を含めた3ケ年の折れ線グラスを示している。これを見ると、2009年度は価格を従来どおり維持が約50%、従来よりも積極的に引き下げが約50%で拮抗していた。これが2010年度になると、前者が70%近くに跳ね上がり、後者が逆に20%強まで激減し、大きくグラフが乖離しはじめた。

   問題は来期、2011年度の計画であるが、前者はさらに増え72.5%と70%を超え、後者もさらに下がり、20%を大きく割り込んでいる。その乖離はさらに広がったといえる。この2011年度は大震災の影響を受けての各小売業の意識を表しているといえ、震災以後の小売業の最大の変化は、価格政策、特に、これまでの激しい価格競争が終息し、価格凍結、ないしは、付加価値の高い商品の強化へと、見出しにあるように、「値下げ路線からの転換」であるといえよう。この価格政策は大震災を機にというよりも、昨年から顕著になった動きであるが、この大震災でその方針が改めて追認されたといえる動きである。

   このように、日経MJ恒例の小売業10年度ランキング(第44回)であるが、ベスト20の動向はこれまで同様、不動といえいるが、20位以下ではかなり激しい入れ替えも見られ、中下位での変動が起こったといえよう。このような状況の中で、食品スーパーマーケット業界はベスト100の中に33社ランクンしており、小売業界の中ではトップは少ないが、中下位では存在感のある結果であった。また、同時に行われたアンケート調査では、特に、価格戦略についての顕著な傾向が出ている。今後、小売業界はこれまでの低価格路線から、価格維持、ないしは付加価値の高い商品強化へと入ってゆくものといえ、今後の各小売業の価格戦略に注目である。


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July 2, 2011 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

July 01, 2011

アークス、ユニバース、本決算徹底比較、今後の戦略は?

   前回のアークス、ユニバースの経営統合のブログの補足として、双方の2011年度本決算をもとに、経営統合後、どのような経営戦略が予想されるかについて、P/L、B/S、CFの面から検討してみたい。ただ、今回の経営統合は、アークスという持株会社のもとに、アークスとユニバースがぶら下がる形であり、それぞれの独立性は保たれ、完全に経営そのものが一体化するわけではない。

   もともと、アークスは、「アークスグループは、「八ヶ岳連峰経営」をグループ運営の基本方針として掲げ、様々な企業の集合体として、共通の理念を持ちながらグループの一体運営の徹底を図りつつ、子会社各社に適切な範囲で権限を委譲しながら、グループ全体としての事業の発展に取り組んでまいりました。」との方針で取り組んできた経緯がある。今回のユニバースとの経営統合も、「八ヶ岳連峰経営」の延長と考えられ、ユニバースの独自性が十分活かされることになろう。実際、先のコメントに続け、「本経営統合後においても、アークスはユニバースを含む新アークスグループの事業推進の中核としての機能を担ってまいります。」とのことである。

   したがって、経営指標が一体化するわけではなく、これまでのP/L、B/S、CFに変化は現れると思われるが、ひとつに集約されることはないといえよう。ただ、一般に、経営統合は、経営指標が優位な方向に向かってゆくものといえ、双方の強みに双方が近づいてゆくことになってゆくといえる。また、特に、新店戦略においては、食品スーパーマーケットのここ最近の主力業態であるNSCのノウハウは、アークスの方が先行しているといえ、ユニバースの今後の新規出店戦略については、強い影響があるものといえよう。特に、ユニバースにはない業態、HCに関しては、アークスはカインズとも提携していることから、今後、ユニバースがカインズを併設することもありうる話であり、その延長としてのベイシアとの関係も気になるところである。

   さて、まずは、P/Lであるが、キャッシュを生み出す質、マーチャンダイジング力であるがアークス3.1%、ユニバース3.0%と奇しくも、ほぼ同じ水準である。その中身であるが、原価はアークス77.1%、ユニバース75.1%であり、ユニバースの方が低い。結果、売上総利益はアークス22.9%、ユニバース24.9%となり、アークスがいかにディスカウント戦略に徹しているかがわかる。一方、経費であるが、アークス19.9%、ユニバース21.9%であり、2ポイントの差がある。したがって、マーチャンダイジング力は双方約3.0%であるが、その中身は対象的な内容であり、アークスはディスカウント戦略、ユニバースは、典型的な食品スーパーマーケットといえよう。

   これが経営統合後、どのように変化するかであるが、原価に関しては、ユニバースの方向に、経費に関してはアークスの方向に動くのではないかと予想される。特に、原価は、原価率の低い生鮮食品が強いユニバースのノウハウをアークスが取り入てゆくのではないかと思う。また、経費については、アークスのディスカウント戦略をどうユニバースが取り入れてゆくかが課題となろう。

   次にB/Sであるが、キャッシュを生み出す量、すなわち、出店余力について見てみたい。アークスの出店余力は-14.5%、ユニバースは2.9%と対象的な数字である。その中身であるが、純資産比率はアークス56.7%、ユニバース63.1%であり、ユニバースがやや高い数字であるが、どちらも、安定した数字である。一方、出店にかかわる資産、土地、建物、敷金・保証金等であるが、アークス71.2%、ユニバース60.2%であり、意外な差である。ディスカウント戦略を打ち出すアークスの方が出店にかかわる資産は低いのではないかと思われるが、結果は逆、アークスの方が、総資産に占める割合は高いといえる。ただ、1店舗当たりで見ると、アークス4.15億円、ユニバース5.17億円であり、ユニバースの方が高く、SSMを主体に展開するユニバースの方が高い。結果、差し引き、出店余力はアークス-14.5%、ユニバース2.9%となる。

   そして、キャッシュの流れを決めるCFであるが、特に、投資活動によるキャッシュフローの中の新規出店にかかわる有形固定資産等であるが、アークス-26.99億円(対営業キャッシュフロー比37.2%)、ユニバース-16.93億円(対営業キャッシュフロー33.3%)であり、これを1店舗当たりの資産で割り、総店舗数で除して、出店意欲を算出するとアークス3.2%、ユニバース6.9%となり、ユニバースの方が出店意欲は高いといえる。

   このように、アークスとユニバースのキャッシュを生み出す質、マーチャンダイジング力、量、出店余力、そして、キャッシュの流れを示す、出店意欲を比較すると、マーチャンダイジング力はほぼ同じ、ただ、中身は原価低のユニバース、経費低のアークスと対象的である。出店余力はユニバース、出店意欲もユニバースであり、この2社が経営統合することにより、双方のキャッシュを生み出す質が向上し、キャッシュを生み出す量については、出店余力、出店意欲の高いユニバース主導で特に、東日本での新規出店が加速してゆくのではないかと予想される。

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July 1, 2011 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

June 30, 2011

アークス、ユニバースの株式交換による経営統合!

   6/29、アークス、ユニバースが株式交換による経営統合を公表した。株式交換比率はユニバースの普通株式1 株に対してアークスの普通株式1.205 株を割当てることにより、アークスがユニバースを吸収し、ユニバースは10月に上場廃止となる予定である。また、それを前提に、ユニバースは自社株買いを公開買付けで行い、その後、アークスとの株式交換となる予定である。アークス、ユニバースは、ともにCGCグループであるため、以前から企業間の交流はあったものの、アークスは北海道、ユニバースは青森と商圏が別であり、しかも、北海道と本州の食品スーパーマーケットであり、独立自尊の関係にあったといえる。また、どちらも、今期2011年度の決算結果を見ても増収増益と好決算であり、財務も良好、差し迫った経営統合の理由はなかったといえる。したがって、中長期的な戦略を見据えた上での経営統合であるといえよう。

   ちなみに、日経MJが同日、6/29に公表した小売業売上高ランキングによれば、アークスは37位(3,036.08億円)、ユニバースは99位(1,025.82億円)であり、双方が統合すると単純合計で4,061.90億円となり、25位となる。食品スーパーマーケット業界では、イズミの14位(5,023.79億円)、ライフコーポレーションの17位(4,808.21億円)につぐ、3番目の売上高となり、食品スーパーマーケット業界はもちろん、小売業界においてもトップクラスの売上規模となる。

   さて、双方が公表した「本経営統合の目的」を見ると、「アークス及びユニバースは比較的相対優位を保ってまいりましたが、少子高齢化や人口減少により一層厳しい環境を迎えております。このような事業環境を克服するために、両社はより一層お客様満足度の向上を目指し、経営指標、経営効率の向上を図っていかなければなりません。」と、中長期的に、経営指標、経営効率の向上を目指すとのことである。さらに、「現状を維持するだけでなく、企業としての拡大、成長を図ることが、両社の優先すべき課題、使命であると考えております。」とのことで、企業の拡大、成長を上げている。そして、これらを踏まえ、「両社の経営資源、経営手法を融合させ、全体最適の実現とグループシナジーの特大化により、一層の競争力強化を図り、従来の展開エリアを越えて、広く東日本を視野に入れた流通企業グループの形成を目指すものであります。」と、北海道から東日本を視野に入れた流通グループを目指すとのことである。

   したがって、この目的を見る限り、今回の経営統合は、当然、アークスとユニバースの2社のみの経営統合に留まらず、経営指標、経営効率の向上を図り、企業の拡大、成長を目指し、東日本を視野に入れた流通グループを目指すためには、さらなる経営統合へと向かうことになるものといえ、食品スーパーマーケット業界においての新たな広域流通グループの誕生といえよう。

   そして、経営統合後の新アークスの概要であるが、社名は株式会社アークス、資本金200億円、代表者は代表取締役会長、三浦紘一氏、代表取締役副会長、福原朋治氏、代表取締役社長、横山清氏の3名、所在地は北海道札幌市となる予定である。また、事業内容は、「スーパーマーケット事業等を行う国内外の会社の株式または持分を取得、所有することにより当該会社の事業活動を支配、管理する純粋持株会社」であり、純粋持株会社となる予定である。この事業内容を見ると、国内外とうたっており、将来的には海外の食品スーパーマーケットの経営統合も視野に入っているといえよう。

   なお、今後の段取りであるが、「本株式交換契約承認取締役会(アークス・ユニバース) 平成23 年 6月29 日(水)、本株式交換契約締結(アークス・ユニバース) 平成23 年 6月29 日(水)、臨時株主総会基準日公告日(アークス・ユニバース) 平成23 年 6月30 日(木) (予定)、臨時株主総会基準日(アークス・ユニバース) 平成23 年 7月22 日(金) (予定)、臨時株主総会(アークス・ユニバース) 平成23 年 9月 7日(水) (予定)、最終売買日(ユニバース) 平成23 年10 月17 日(月) (予定)、上場廃止日(ユニバース) 平成23 年10 月18 日(火) (予定)、本株式交換の効力発生日 平成23 年10 月21 日(金) (予定)」と進んでゆく予定であり、今年の秋、10/21に経営統合がなされる予定である。

   それにしても、今回のアークスとユニバースの経営統合は、食品スーパーマーケット業界の競争環境が近隣の食品スーパーマーケット同士の競争から、商圏の異なる地域間での経営統合がなされ、地域間競争の段階に入ったといえる。これを機会に、日本全体の食品スーパーマーケットの再編に発展する可能性が高いといえ、いつ、次の地域間統合が起こっても不思議ではないといえる。

   今回の売上高の規模が約4,000億円であることからも、5,000億円、そして将来的には、1兆円の食品スーパーマーケットの誕生が視野に入ったといえ、食品スーパーマーケット業界が本格的な再編の時代に入りつつあるといえよう。今後、セブン&アイH、イオン、ウォルマート(西友)等の大手小売業からの再編、各地域で年商2,000億円を超える食品スーパーマーケットを主体とした再編、さらには、異業種からの再編も起こる可能性もあり、今回のアークス、ユニバースの経営統合は、食品スーパーマーケット業界の本格的な再編の時代の先鞭をつけた動きといえよう。

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June 30, 2011 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

June 29, 2011

マックスバリュ西日本、2012年2月期、第1四半期決算!

   6/27、マックスバリュ西日本が2012年2月期の第1四半期決算を公表した。結果は、営業収益604.20億円(7.7%)、営業利益10.56億円(51.1%)、経常利益11.65億円(44.6%)、当期純利益-2.88億円となり、営業、経常段階は増収増益となったが、当期純利益は、「資産除去債務に関する会計基準の適用に伴う影響額として12億46百万円を特別損失として計上したことにより、・・」とのことで、赤字決算となった。

   この資産除去債務に関する会計基準の適用は前期の3月度決算企業からはじまっており、マックスバリュ西日本は2月度決算であるため、前期には適用されなかった。この第1四半期決算ではじめて適用されたため、赤字となった。今後、食品スーパーマーケット業界の2月度決算企業の第1四半期決算の公表がはじまるが、第1四半期は、この資産除去債務に関する会計基準の適用が、かなり大きなインパクトとなろう。実際、マックスバリュ西日本は12.46億円であるが、これは、この第1四半期の売上対比で見ると、2.11%にも当たる。ただ通期で見ると、前期決算の売上高が2,389.02億円であるので、比率にすると0.52%となる。この3月度決算企業の前期の影響額が売上対比0.4%前後であるので、少し高めではあるが、年間ではカバーできるものと予想され、通期では黒字になると思われる。ただ、少なくとも売上高の約0.50%は減益を余儀なくされると予想されるので、それ以上の営業利益を確保する必要があるといえる。 

   そこで、この第1四半期決算の営業利益について見てみたい。結果は10.56億円(51.1%)と大幅な伸びとなったが、その要因を原価、経費面から見ると、まずは、原価であるが、76.74%(昨年76.31%)となり、0.43ポイント上昇している。結果、売上総利益は23.26%(昨年23.69)と、いわゆる粗利は下がった。マックスバリュ西日本は、現在、ディスカウント業態、ザ・ビックに戦略をシフトしており、今期も、「当第1四半期会計期間に4店舗(マックスバリュグランドロックシティ姫路店、マックスバリュ中島店、ザ・ビッグ丸亀城南店、ザ・ビッグ防府東店)を開店、・・」とのことで、4店舗の新店の内、2店舗がザ・ビックである。実際、マックスバリュ西日本自身も、「営業総利益率は、ザ・ビッグ業態の拡大等による影響のため対前年同四半期より0.3ポイント低下したものの、・・」とコメントしており、これが原価の上昇をもたらした要因といえよう。

   さらに、今期は、「営業及び商品面におきましては、従前からの取り組みである家計応援商品、家計応援スペシャル商品、トッププライス)商品の販売に注力するとともに、・・」とのことで、価格訴求を強化したことも、売価面から原価を下げる要因となったものと思われる。これに加えて、3/11の東日本大震災の影響であるが、「当第1四半期会計期間を通じては、震災後も継続しているお客さまの低価格志向にお応えすべく、更なる成長と競争に打ち勝つ収益構造の構築を目指して取り組みました。」とのこで、依然として、消費者の低価格志向が続いているとのことである。

   一方、経費の方であるが、23.92%(昨年24.73%)と、0.81ポイントと大幅に下がり、大きく改善した。これについて、マックスバリュ西日本は、「コスト構造改革につきましては、店内作業を「やめる」「減らす」「やり方を変える」という思考で見直し、仕組みを変えることで生産性の向上を図りました。具体的には、カートラック納品の拡大や直納伝票の電子化等を実現したことで、人時売上高及び人時生産性ともに前年同四半期より改善しております。」とのことで、コストカットを積極的に推し進めた成果といえよう。また、業態が経費比率の低いディスカウント業態、ザ・ビックにシフトしつつあることで、経費の削減が進んでいるものとの思われる。さらに、東日本大震災後は水道光熱費をはじめ、あらゆる経費削減を食品スーパーマーケット業界全体が全国的規模で推進しており、経費改善は進むものといえよう。

   結果、差し引き、商品売買から得られる利益、マーチャンダイジング力は-0.66%(昨年-1.04%)となり、依然としてマイナスではあるが、その差は大きく縮まっており、強化されつつあるといえる。そして、これに、不動産収入、物流収入等のその他営業収入が2.45%(昨年2.32%)加わり、結果、営業利益は1.79%(昨年1.28%)と、増益となった。原価は上昇したが、経費が大きく削減され、その他営業収入も増加したことが営業利益の大幅増をもたらしたといえよう。

   このように、マックスバリュ西日本の2012年2月期の第1四半期決算が公表されたが、今期は3/11の東日本大震災の影響、そして、今期から適用される資産除去債務に関する会計基準の影響が懸念されていた。資産除去会計基準の適用に関しては予想通り、インパクトが大きく、当期純利益が赤字決算となったが、通期では黒字転換するものと思われる。また東日本大震災の影響であるが、経費の削減というプラス効果があったと思われるが、原価に関してはむしろ上昇しており、マックスバリュ西日本がディスカウント業態、ザ・ビックにシフトしていることもあり、企業全体が原価を下げる要因がはたらいているともいえる。今後、この結果を踏まえ、次の中間、そして、通期決算に向けて、原価、経費のさらなる改善に向け、マックスバリュ西日本がどのように踏み込んでゆくのか注目である。

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June 29, 2011 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

June 28, 2011

オーケー、2011年3月期本決算、増収増益、その2!

   前回のブログに続き、2011年3月期のオーケーの本決算を取り上げる。前回はP/L(損益計算書)を中心に原価、経費、そして、新規出店戦略について取り上げたので、今回はCF(キャッシュフロー計算書)、B/S(貸借対照表)を中心に、オーケーの経営面について見てみたい。一般に財務3表はキャッシュの流れを集約したものであり、P/Lがキャッシュを生み出す質を表し、B/Sがキャッシュを生み出す量を表している。そして、CFがキャッシュの流れを誘導していると見ることができる。特に、食品スーパーマーケットではキャッシュの質を決めるのが原価、経費であり、キャッシュの量を決めるが新規出店であり、キャッシュの流れを決めるが投資活動によるキャッシュフローと、財務活動によるキャッシュフローである。そこで、ここでは、このような観点からオーケーのCFとB/Sを見てみたい。

   まずは、CF、営業活動によるキャッシュフローであるが、113.11億円(昨年110.99
億円)と、昨年を上回り、100億円を超えた。営業活動によるキャッシュフローが100億円を超える食品スーパーマーケットは決算公開企業約50社では10社前後であり、豊富なキャッシュを獲得している。そこで、そのキャッシュの配分であるが、まずは投資活動によるキャッシュフローであるが、-56.44億円(昨年-75.48億円)と、昨年と比べ約20億円減少している。その中身であるが、有形固定資産の取得による支出が15.14億円(昨年57.35億円)と1/3以下となり、大きく減少しており、新規出店を控えたことがわかる。今期、新店が4店舗に留まったのは、このキャッシュフローからも明らかであり、この数字を見る限り、来期も新規出店を抑制してゆく方針といえよう。

   したがって、差し引き、フリーキャッシュフローは56.67億円(昨年35.51億円)と、約20億円増加している。新規出店への投資を控えた分が、ほぼそのまま加わったといえる。そして、財務活動によるキャッシュフローであるが、10.39億円(昨年9.87億円)となり、ほぼ、昨年と同様な数字である。その中身であるが、借入関連が差し引き0.59億円、自己資本関連が差し引き-0.35億円であり、結果、実質、配当の-10.64億円(昨年9.93億円)のみといえ、残り約10億円はすべて配当に回されており、有利子負債の削減等へのキャッシュの配分はなかったといえる。

   結果、トータルキャッシュフローは46.26億円(昨年45.38億円)と、ほぼ昨年同様のキャッシュの増加である。したがって、今期のキャッシュの配分は約110億円の内、50億円弱を内部留保し、残り60億円の内、50億円強を投資に回し、残り約10億円を配当に回したといえる。問題は投資の約50億円の中身であるが、成長性を重視するのであれば、全額、新規出店へ回しても良かったと思われるが、今期はわずか約15億円である。オーケーの1店舗当たりに必要な資産は6億円強であるので、約15億円は3店舗弱であり、かなり控えめの数字である。したがって、今期は、成長性よりも内部留保を重視したキャッシュの配分を行ったといえる。

   実際、今期の資産の現預金の項目を見ると、293.93億円(昨年247.67億円)と大きく増加しており、しかも、約300億円という豊富なキャッシュといえる。これは総資産が851.25億円であるので、34.53%に当たり、食品スーパーマーケットの決算公開企業約50社の中でも最大規模の現預金である。したがって、今期、オーケーは現預金を最も重視したキャッシュの配分をしたといえる。恐らく、東日本大震災の影響もあり、手持ちキャッシュを増加したのではないかと思われる。

   一方、オーケーの純資産であるが、376.33億円(昨年322.30億円)となり、総資産が851.25億円であるので、純資産比率は44.20%となり、この5年間で最大となった。この5年間の推移をみると、28.8%(2007年)、31.4%(2008年)、35.8%(2009年)、40.9%(2010年)、そして、44.2%(2011年)であり、急激に財務内容が安定しているといえる。これに対し、負債の主要項目である有利子負債であるが、146.37億円(昨年145.79億円)と、ほぼ昨年並みの水準であり、総資産対比17.2%、現預金が34.53%であることから、実質無借金であるといえ、財務への負担は極めて小さいといえる。

   そこで、資産の新規出店関連、土地、建物、敷金及び差入保証金の合計であるが411.97億円(昨年420.46億円)であり、総資産対比48.39%である。したがって、純資産比率から差し引いた出店余力は-4.19%であり、ほぼイコールであり、現預金を加味すれば出店余力は高いといえる。ちなみに、決算公開企業約50社の平均は-20%弱であるので、オーケーの出店余力は十分といえる。結果、この財務状況を見る限り、オーケーは、今期、出店を抑制し、内部留保を重視したキャッシュの配分を行ったといえる。

   このように、オーケーのキャッシュを生み出す流れを見ると、前回のブログで取り上げたようにキャッシュを生み出す質は原価、経費ともに低く、極めて高いといえる。そして、キャッシュを生み出す量であるが、先に見たように、出店余力は十分であるにも関わらず、今期は新規出店を抑制しており、少なかったといえよう。特に、経営方針、その意思が最も強く表れるキャッシュフローでは内部留保を重視した配分が鮮明であり、特に、今期はキャッシュ、現預金を重視したといえる。恐らく、東日本大震災の影響を考慮した結果と思われるが、結果、財務内容は改善され、より強個となった。今後、この強個になった財務内容をもとに、オーケーがさらに財務を強個にしてゆくのか、それとも、経営目標の年率130%の成長を目指し、再び積極策に転じるのか、その動向に注目である。

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June 28, 2011 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

June 27, 2011

オーケー、2011年3月期本決算、増収増益、その1!

   オーケーが6/20、2011年3月期の決算を公表した。これで、2011年4月度までの食品スーパーマーケット業界における決算公開企業約50社の公表は終了したといえ、2011年度決算が出揃った。その結果であるが、売上高2,307.52億円(6.9%)、営業利益128.41億円(15.5%)、経常利益130.17億円(14.8%)、当期純利66.49億円(0.6%)となり、増収増益の好決算となった。これに対し、オーケー自身は、「経営目標の年率30%成長に対し売上の伸びが大幅に低下しておりまして深く反省しております。」とのことで、厳しいコメントである。また、これに続けて、「新店開発の遅れも一因ですが、競争の激化により当社の優位性が薄らいだことが主な要因です。熱烈なオーケーファンが増え続けない限り、私たちオーケーの発展はありません。」とコメントしており、優位性が薄れたことが、伸び悩みの原因であるとの認識である。

   そこで、改めて、オーケーの原価、経費の現状を見てみたい。まずは原価であるが、79.2%(昨年79.9%)と、0.7ポイント下がっている。結果、売上総利益は20.8%(昨年20.1%)と改善した。問題は、この改善が売価が上昇したか、原価が下がったかであるが、オーケーのコメントにもあるように「競争の激化により当社の優位性が薄らいだ」とのことであるので、価格面でのオーケーの優位性が薄らいだと思われ、売価が相対的に上昇気味であったともとれるコメントである。特に、オーケーの決算が3月期でもあり、3月度は、東日本大震災の影響もあり、商品供給が十分になされなかったことにより、売価がやや高めにならざるをえなかった面もあったと思われる。ただ、原価が下がり、売上総利益が上昇したとはいえ、20.8%は、今期、2011年度の決算公開企業約50社の中では極めて低く、この数字を見る限り、十分な競争力を維持しているといえる。

   一方、経費の方であるが、15.2%(昨年15.0%)と、0.2ポイント上昇した。それにしても、15%強という経費比率は食品スーパーマーケットでは極限の数字であるといえ、2011年度の決算公開企業約50社の中では、昨年同様、圧倒的なNo.1であり、これがオーケーの最大の強みといえる。ちなみに、No.2は16.5%のトライルカンパニー、No.3は16.9%のアオキスーパーである。オーケーの経営方針である「高品質・Everyday Low Price」は、この経費比率15.2%に支えられているといえ、コメントでは「競争の激化により当社の優位性が薄らいだ」とのことであるが、数字を見る限り、原価の上昇がやや気になるところではあるが、依然として、経費比率は低く、昨年と変わらぬ高い競争力を維持しているといえる。

   結果、差し引き、商品売買から得られる利益、マーチャンダイジング力は5.6%(昨年5.2%)と、改善し、収益性の高い結果となった。オーケーはその他営業収入が計上されていないため、マーチャンダイジング力=営業利益となり、今期、営業利益は15.5%増と、大幅な増益となった。この結果を見る限り、経費の若干の上昇は見られるが、原価が大きく下がったことにより、マーチャンダイジング力は大きく改善しており、収益性は増しているといえ、これが好決算をもたらした要因である。

   したがって、収益性は、この結果を見る限り、むしろ増しており、気になるのは成長性の方であり、今期、売上高が6.9%の伸びにとどまったことである。オーケーの目標は先のコメントにもあるように、「経営目標の年率30%成長、・・」であり、年率30%が目標数字であり、この6.9%は大きく目標を下回っている。

   そこで、その要因を新店と既存店で見てみると、「当連結会計年度中の新店は足立小台店・川越店・仲池上店・町田小川店の4店で、新店を除く既存店の売上前年比は0.3%増(前期は2.5%増)でございました。」とのことであり、既存店が伸び悩んでいることに加え、新店も4店舗に留まったことが、その要因といえる。オーケーは現在64店舗であるので、新店のみで130%の成長を目指すとすると、20店舗近い新規出店が必要となる。仮に、既存店が10%の成長が可能であれば、新店で20%増となるが、それでも10店舗強の新規出店が必要となる。したがって、今期、4店舗は、目標に対してはかなり低い結果といえ、今後、新店戦略については、130%の成長を目指すのであれば、大きく見直す必要があるといえよう。

   このように、2011年3月期のオーケーの本決算が公表されたが、結果は増収増益となり、好決算となった。ただ、オーケー自身が掲げている経営目標が「借入無しで年率30%成長の達成」であり、極めて高い目標であるため、売上高2,307.52億円(6.9%)が、結果としては乖離が生じてしまったといえる。一方、利益の方は、営業利益128.41億円(15.5%)と2桁の増益であり、原価が大きく下がり、高収益を上げており、経費についても、15.2%と、依然として食品スーパーマーケット業界ではNo.1の低さであり、収益力は極めて高いといえる。成長性か収益性か、経営はその両立は難しく、いかにバランスをとるかであるが、特に、東日本大震災以降、食品スーパーマーケット業界全体が収益性にシフトしており、オーケー自身も転換点に来ているのではないかと、この決算結果を見る限り思われる。

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June 27, 2011 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

June 26, 2011

オークワ、2012年2月期、第1四半期決算公表!

   オークワが6/24、2012年2月期の第1四半期決算を公表した。結果は、営業収益712.71億円(4.4%)、営業利益12.96億円(56.1%)、経常利益14.26億円(54.1%)、当期純利益-1.15億円となり、営業、経常段階では、増収増益、特に利益が大幅な増益となった。ただ、当期純利益は減損損失、さらに、今期から適用された資産除去債務に関する会計基準の適用により、赤字決算となった。

   食品スーパーマーケット業界にとって、特に2月期決算企業については、3月から5月までの決算期間であるため、3/11の東日本大震災の影響、そして、先にも触れたが、資産除去債務に関する会計基準の適用がなされ、2つの影響が生じ、例年の決算とは異質な結果が予想された。実際、オークワのこの結果を見ても、営業段階の大幅な増益、それにも関らず、当期純利益の赤字と、明らかに異質な決算となった。

   そこで、営業利益が大幅な増益となった要因を原価、経費面から見てみたい。まずは、原価であるが、74.87%(昨年75.26%)となり、0.39ポイント下がり、結果、売上総利益は25.13%(昨年24.74%)となった。オークワ自身は、東日本大震災の影響について、「小売業界におきましては、大震災直後は震災関連商品が動いたものの、自粛ムードの拡大や消費者の生活防衛意識の高まりなど、非常に厳しい経営環境が続きました。」とのことで、経営環境は厳しいとの認識である。ただ、原価は下がり、粗利は改善しており、この数字を見る限り、東日本大震災の影響は原価を下げる方向に動いたといえよう。

   一般に原価が下がる要因は仕入れ原価が下がるか、売価が上がるかであるが、東日本大震災がもたらした自粛ムードは、特に、この時期十分に商品を確保できなかったことも加わり、特売が減少し、結果、売価が相対的に上昇したことが大きいと思われる。また、仕入れ面では商品在庫を確保するため様々な商品供給ルートの確保が必要となり、新たに原価の低い供給ルートの開拓も寄与しているものと思われる。これらが相まって、東日本大震災の原価への影響は、オークワの結果を見ても、原価を下げる方向に動いたといえよう。

    一方、経費の方であるが、26.77%(昨年27.18%)となり、0.41ポイント改善している。これについて、オークワは、「当社は『独自性と地域性を活かした商品構成と販売手法を確立し、業務改革推進による効率改善を迅速に行い、業界のリーディングカンパニーを目指そう』を本年度スローガンに掲げ、業務を進めてまいりました。業務改革については、昨年設置した『業務改革室』を中心に、モデル店舗で改善活動を行い、そこでの成功事例を各店へ水平展開しております。」とのことで、業務改革への取り組みが、大きかったといえよう。特に、この動きが、東日本大震災後、水道光熱費等のあらゆる経費節減へと結びついていったものと思われる。

   結果、原価、経費双方がバランスよく下がり、差し引き、商品売買から得られる利益、マーチャンダイジング力は-1.64%(昨年-2.44%)となり、依然としてマイナスではあるが、その幅は大きく下がっており、マーチャンダイジング力が改善している。そして、これに、不動産賃貸収入に加え、物流収入等のその他の営業収入が3.53%(昨年3.70%)加わり、結果、営業利益は1.89%(昨年1.26%)となり、大幅な増益となった。残念ながら、その他営業収入は若干マイナスとなったが、原価、経費双方が下がったため、そのマイナスをカバーし、営業利益は改善しており、この第1四半期は、この結果をから見る限り、東日本大震災の影響は、こと営業利益面から見る限り、プラスに働いたといえよう。

   では、この好調な営業利益にも関わらず、当期純利益が-1.15億円の赤字となった要因であるが、大きく2点である。ひとつは減損損失が10.43億円(昨年0.62億円)と、減損損失が大幅に上昇したことである。これは売上対比1.51%にも及び、かなりのインパクトである。そして、もうひとつが、資産除去債務会計基準の適用に伴う影響額2.68億円の特別損失である。これは昨年度はなかった数字であり、今期から適用されたものである。したがって、この2つで、合計 13.11億円となり、営業利益12.96億円(56.1%)がそっくり、相殺されてしまう数字であり、これが赤字決算となった要因である。ただ、まだ、第1四半期であり、今後、この第1四半期並みに好調な増益が見込まれれば、次の中間、そして、通期にまで赤字は及ばないといえる。


   このようにオークワの2012年2月期の第1四半期が公開されたが、結果は営業、経常段階では増収増益、特に、利益面は大幅な増益となった。その要因は原価、経費、双方がバランスよく改善したことが大きいといえ、懸念されていた東日本大震災の影響がプラス要因になったものと思われる。その意味で、この大震災は食品スーパーマーケットにとっては、業務改革を断行するチャンスでもあるといえ、オークワが新たに設置した業務改革室はその流れに沿うものであるといえる。ただ、一方で、減損損失、そして、今期から適用された資産除去債務に関する会計基準の適用の影響は大きく、当期純利益は、好調な営業利益を相殺し、赤字という厳しい結果となった。オークワとしては、今期、この決算結果を踏まえ、どこまで、この当期純利益の改善がはかれるか、次の、中間、そして、通期決算の結果に注目である。

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June 26, 2011 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

June 25, 2011

アークランドサカモト、2012年、第1四半期、増収増益!

   アークランドサカモトが6/20、2012年2月期、第1四半期決算を公表した。結果は売上高245.21億円(10.1%)、営業利益24.84億円(45.8%)、経常利益26.05億円(44.6%)、当期純利益10.98億円(11.8%)となり、いずれの数値も2桁の大幅な増収増益となった。アークランドサカモト自身も、「当社グループの第1四半期業績は、売上高、営業利益、経常利益とも大幅に計画を上回りました。これは、主に東日本大震災の復旧需要によるものであります。」とコメントしており、東日本大震災の影響が大きくプラスに転じているとの認識である。そして、続けて、「こうした復旧・復興需要が当分の間継続するものと考えられる一方で、大震災の影響による電力不足など経済活動の低下や不透明な世界経済及び国内政治動向が懸念されます。」とのことで、先行きは見通しが不透明であるとのことでもある。

   そこで、アークランドサカモトが好調な要因であるが、まずは、3月以降の東日本大震災後の月別の売上高の推移を見てみたい。3月度116.5%(既存店108.8%)、4月度116.0%(既存店110.0%)、5月度111.9%(既存店106.6%)であり、いずれも2桁の伸びであり、既存店の伸びも堅調である。さらに、既存店の好調な要因を客数、客単価で見てみると、3月度(客数101.6%、客単価107.4%)、4月度(客数108.5%、客単価101.4%)、5月度(客数104.9%、客単価101.6%)である。震災のあった3月度は、客数よりも客単価が大きく伸びており、まさに、復興需要といえよう。ただ、4月度に入ると、客数の伸びが顕著であり、客単価は落ち着き、その後、5月度もほぼ同様な傾向であり、ここへ来て、客数の伸びが売上高を押し上げているといえる。

   アークランドサカモトは巨大ホームセンター、ムサシを主力業態に北陸、東北を中心に店舗展開をしており、現在FC6店舗を含め、40店舗となっている。また、これ以外でも外食かつやを中心に165店舗展開している。ホームセンタームサシでは食品も取り扱っている店舗もあり、いわゆるスーパーセンターも展開している。その主力業態ホームセンタームサシの立地であるが、宮城県2店舗、山形県6店舗、地元、新潟県13店舗、富山県4店舗、石川県2店舗、京都府1店舗、兵庫県1店舗であり、北陸、東北中心の店舗展開である。

   3/11の東日本震災後、小売業の中ではコンビニが堅調な売上げであり、その要因は、コンビニの非食品部門が大きく伸びたことが要因であるが、非食品では、その専門ともいえるホームセンターは、このアークランドサカモトの結果を見る限りでは、さらに、好調といえ、当面、小売業界全体の数字を牽引してゆくことになろう。

   そこで、さらに、アークランドサカモトのこの第1四半期決算が好調な要因を原価、経費面から見てみたい。まずは、原価であるが、65.92%(昨年66.75%)となり、0.83ポイント下がっており、原価が改善している。結果、売上総利益は34.08%(昨年33.25%)となり、粗利が上昇している。この3ケ月間の売上高の推移を見ても、特に、震災のあった3月度は客数よりも、客単価が大きく上昇しており、需要>供給という構造となり、売価面が比較的安定し、原価の上昇を抑えたものといえよう。また、4月以降は客数アップに転じていることから、需要>供給の構造は変わっておらず、原価面では、当面、下降基調が続くものといえよう。

   一方、経費の方であるが、23.94%(昨年25.59%)となり、1.65ポイントと、原価以上に下がっており、大幅な経費削減がなされている。特に経費については小売業界全体が電力不足に備え、節電、省電をはじめ、あらゆる経費削減を行っていることから、アークランドサカモトも様々な経費削減が功を奏したものといえよう。また、これに加え、アークランドサカモトは既存店の売上高が大きく改善されたことから、人件費等の固定費が相対的に下がり、これが経費削減効果をもたらしたといえよう。

   結果、差しい引き、商品売買から得られる利益、マーチャンダイジング力は10.14%(昨年7.66%)となり、何と10%を超える営業利益率となった。昨年の7.66%でも小売業としては高い数字であるが、この第1四半期の10.14%は極めて高い数字であり、異常値といえる。それだけ震災がアークランドサカモトにもたらした復興需要は大きかったといえ、それが改めて、この経営数字で実証されたといえよう。アークランドサカモトはその他営業収入を計上していないため、結果、マーチャンダイジング力=営業利益となり、この第1四半期は、大幅な増益となった。

   このように、ホームセンター業界注目のアークランドサカモトの3/11の東日本大震災の影響を加味した第1四半期決算が公表されたが、結果は2桁の増収増益となった。しかも、増収に関しては既存店の数字も好調であり、当初は客単価、ここ最近は客数が伸びており、バランスの良い増収である。一方、増益に関しても、原価、経費、双方が下がり、特に経費は大幅に下がっており、結果、営業利益が昨対45.8%増になっただけでなく、売上高対比でも10.14%と10%を超える数字なり、異常値といえよう。それだけ、東日本大震災がもたらしたアークラドサカモトへのプラスのインパクトは大きかったといえ、今後、この特需をどう次の展開につなげてゆくかが課題といえよう。次回、アークラドサカモトの中間決算の結果に注目である。

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June 25, 2011 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

June 24, 2011

食品スーパー、販売統計、2011年5月度、100.3%!

   6/21、日本スーパーマーケット協会、オール日本スーパーマーケット協会、社団法人新日本スーパーマーケット協会の食品スーパーマーケット業界3団体合同のスーパーマーケット販売統計調査(5月実績速報版・4月実績確報版)が公表された。集計企業は全国280社、総店舗数7,565店舗であり、食品スーパーマーケット最大規模の販売統計である。結果は全体の売上高8,049.34億円、昨対100.3%、既存店98.0%となり、やや厳しい結果となった。4月度確報が101.2%(既存店99.4%)、3月度が103.6%であるので、徐々に数字が下がり気味で推移しており、気になる結果である。

   この販売統計はエリア別、規模別にも集計されており、その結果を見ると、北海道・東北エリア99.6%(既存店99.9%)、首都圏エリア99.9%(既存店97.3%)、北信越エリア101.4%(既存店99.4%)、東海エリア98.2%(既存店96.6%)、関西エリア102.0%(既存店97.3%)、中国・四国エリア99.8%(既存店99.2%)、そして、九州・沖縄エリア100.4%(既存店97.8%)という結果である。気になる北海道・東北エリアであるが、特に既存店が99.9%となり、わずかに、昨対は下回ったものの、全エリアの中では、最も高い数字であり、回復基調であるといえ、東日本大震災の影響も数字上は一段落しつつあるといえよう。

    一方、規模別での結果であるが、1~3店舗101.2%(既存店97.7%)、4~10店舗98.8%(既存店97.9%)、11~25店舗99.5%(既存店97.8%)、26~50店舗100.5%(既存店98.7%)、51店舗以上100.6%(既存店97.8%)という結果であり、1~3店舗の小規模企業が比較的健闘しているといえる。ちなみに、全体の規模であるが、503.52坪、売上高は月商1.06億円であるので、年商では約12億円となる。

   そこで、この5月度、部門別にはどのような結果であったかを見てみると、最も伸びた部門は畜産の103.4%(既存店100.9%)であり、3/11の東日本大震災以降、畜産が食品スーパーマーケット全体を牽引しているといえる。畜産は4月度も104.7%(既存店102.8%)で惣菜と並びNo.1部門であり、3月度はNo.1ではないが、104.0%と高い数字であり、3ケ月連続、好調な部門である。ちなみに、畜産は昨年の9月までは昨対を割っており、10月以降昨対を上回り、今年に入り100%強で推移していた。したがって、この1年間上向きで推移してはいたが、3月以降、104%を超え、一段と高くなり、震災後プラスの影響が出ているといえよう。

   畜産についで、伸び率の高い部門は、日配102.5%(既存店99.5%)、惣菜102.4%(既存店99.4%)であり、この2部門が好調といえよう。4月度は日配102.7%(既存店100.6%)、惣菜104.7%(既存店101.3%)、3月度は日配は集計されておらず、惣菜だけになるが102.0%であるので、この2部門も畜産についで、食品スーパーマーケット全体を震災以降、牽引している部門であるといえる。

   これに対して、昨対を割った部門であるが、青果が97.2%(既存店94.8%)と、最も低い結果であり、4月度99.4%(既存店97.6%)、3月度104.2%と比べても、急激に数字を落としているといえる。特に青果は、この1年間食品スーパーマーケット全体の数字を力強く牽引してきた部門だけに、震災以降、急角度で売上げを下げており、今後の動向が気になるところである。昨年は7月以降、数字が急激に伸びていたこともあり、今期は厳しい結果となる可能性が高く、当面、青果をどう立て直すかが食品スーパーマーケットにはとっては課題といえよう。青果についで、厳しい部門は水産の98.1%(既存店95.7%)である。4月度99.2%(既存店97.3%)、3月度98.7%であり、しかも、昨年度は100%を超える月がなく、厳しい数字で推移しており、今期も厳しい数字であり、青果以上に、食品スーパーマーケットにとっては中長期的な課題部門といえよう。

   結果、生鮮3品では畜産の一人勝ちといえる状況であり、これまで好調であった成果が急激に失速し、課題であった水産も依然として厳しい数字で推移しており、食品スーパーマーケットとしては、畜産を中核に1本柱の販売戦略を構築せざるをえない状況にあるといえる。

   これ以外の部門であるが、惣菜102.4%(既存店99.4%)、4月度104.7%(既存店101.3%)、3月度102.0%、一般食品100.6%(既存店98.2%)、4月度101.1%(既存店99.3%)、3月度107.0%、非食品98.6%(既存店96.8%)、4月度99.1%(既存店98.3%)、3月度100.1%という結果である。この中で気になるのは、非食品の動向であり、特に、コンビニでは震災以降、急激に数字を伸ばし、いまや、コンビニの牽引役となりつつあるが、食品スーパーマーケットでは、この数字のように伸び悩んでおり、非食品は食品スーパーマーケットでは今後の課題のひとつといえよう。

   このように、小売業でも最大規模の食品スーパーマーケット業界の販売統計データの最新、2011年5月度が公表されたが、結果は100.3%と、昨対は超えたが、3月の震災以降、伸び率は下がり気味で推移しており、ここへ来て、やや厳しい結果といえよう。特に、生鮮3品では水産部門に加え、青果部門も厳しい状況であり、生鮮3品では畜産のみが好調な結果といえ、バランスを欠いた状況であるといえる。特に、青果は昨年丸1年間、食品スーパーマーケット全体を牽引してきただけに、気になる数字である。次回6月、そしして、一気に夏場となるが、食品スーパーマーケットの中核は生鮮3品であり、青果、水産をどのように活性化してゆけるか、食品スーパーマーケットの今後の生鮮食品のマーチャンダイジング戦略に注目である。

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June 24, 2011 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

June 23, 2011

トライアルカンパニー、2011年3月期本決算、増収増益!

   トライアルカンパニーが2011年3月期の本決算を公表した。結果は、売上高2,384.15億円(13.7%)、営業利益39.80億円(10.4%)、経常利益39.47億円(7.0%)、当期純利益71.77億円(154.1%)となり、増収増益の好決算となった。この決算は昨年4/1から今年3/31までの決算であるので、3/11の東日本大震災の影響も加わっての数字であるにも関わらず、大幅な増収増益であり、ディスカウントをマーチャンダイジング戦略とし、スーパーセンターを主力業態とするトライアルカンパニーが消費者から強い支持を受けた結果であるといえよう。

   そこで、この好調な要因であるが、各社、ここ最近、各食品スーパーマーケットは新店が抑制気味であるが、トライアルカンパニーは、積極的な新規出店を行っている。ここ最近の動きを見ても別保店(6/15、北海道)、益浦店(6/1、北海道)、騎西店(5/25、埼玉県)、清水店(4/27、熊本県)と、すでに、今期4店舗の新規出店である。現在、トライアルカンパニーの店舗数は136店舗であり、積極的な新規出店が増収へ大きく寄与したといえる。ちなみに、現時点のトライアルカンパニーの出店地域であるが、北海道14店舗、東北6店舗、関東29店舗、甲信越3店舗、近畿5店舗、中国11店舗、九州63店舗、韓国5店舗であり、ほぼ全国へ展開しており、ここ最近は、北海道のカウボーイを傘下に治め、北海道での新規出店を積極的に進めている。また、この全国展開を支えるのが、各地の物流センターであるが、現在、北海道1ケ所、関東4ケ所、関西1ケ所、九州4ケ所と合計10か所の物流センターがあり、全国的規模での自社物流の体制を構築しつつあるといえる。

   一方、トラアイルカンパニーが2桁の増益となった要因を原価、経費面から見てみたい。まずは、原価であるが、82.78%(昨年83.92%)となり、-1.14ポイントと大幅に下がった。結果、売上総利益は17.22%(昨年16.08%)となった。それにしても、売上総利益、すなわち、粗利が昨年よりは上昇したとはいえ、17%前半であり、極めて低い数字であり、まさに、ディスカウントであるといえる。通常の食品スーパーマーケットの粗利は25%前後であるので、同一価格であれば、平均10%弱の違いとなり、しかも、トライアルカンパニーはEDLPを目指し、地域で最も安い価格を目指しているので、その差はさらに大きくなる。ちなみに、トライアルカンパニーの戦略商品であるが、コーラ350ml 29円、サイダー350ml 29円、カップラーメン59円、ケース30個入り1,770円、韓国キムチ1個400g 228円等であり、PBであるが価格の極致であるといえる。

   これに対して、経費の方であるが、16.48%(昨年15.53%)と、0.95ポイント上昇している。やや気になる上昇であるが、それでも16.48%は、食品スーパーマーケット業界では極限に近い低さであり、これがトライアルカンパニーのディスカウント戦略を支える秘訣といえよう。ちなみに、食品スーパーマーケット業界の平均は25%前後であるので、ここでも約10%弱低い数字である。結果、差し引き、商品売買から得られる利益、マーチャンダイジング力は0.74%(昨年0.55%)となり、プラスとなった。そして、これに、不動産収入、物流収入等のその他営業収入が0.94%(昨年1.18%)加わり、結果、営業利益は1.68%(昨年1.73%)となり、残念ながら、率では減益となったが、高では、積極的な新店による大幅な増収があり、10.4%の増益となった。

   こう見ると、マーチャンダイジング力は経費の上昇を原価の削減で補い、プラスとなったが、その他営業収入が落ち込み、結果、営業利益率で減益となったといえる。ただ、新店効果により、高では営業増益を達成したという構図であり、今決算時のトライアルカンパニーとしては、ディスカウント戦略を支える経費比率の改善が課題となる決算であったといえよう。

   さて、今期、好調な増収を支えた新店戦略であるが、何といっても、トライアルカンパニーの新店戦略は通常の食品スーパーマーケットと大きく違い、資産をほとんど所有しない居抜き物件を中心とした出店戦略であることが特徴である。通常の食品スーパーマーケットは1店舗当たり土地、建物、敷金保証金等で約5億円の資産が必要となるが、トライアルカンパニーの今期の全136店舗の平均数字は1.87億円であり、半分以下である。したがって、通常の食品スーパーマーケットよりも2倍以上のスピードで新規出店が可能であり、これが新店の原動力となっているといえる。ただ、総資産当たりの新規出店関連の資産は38.1%、純資産比率は24.2%と、差し引き出店余力は-13.9%であり、ここ最近、資本の増強をはかり、純資産の改善をはかっているが、今後、さらに、安定成長をはかるには、もう一段と財務改善が課題といえよう。

   このように、トライアルカンパニーの2011年3月期の本決算が公表され、大幅な増収増益の好決算となったが、やや気になるのはマーチャンダイジング力がプラスとはなったが、経費比率が上昇していることである。また、急成長を支える財務は、ここ数年大きく改善されてきているが、それでも出店余力は、新規出店にかかわる資産が極めて低いにも関わらず、マイナスであり、依然として、課題が残されている点である。今期決算結果が好調であるがゆえに、この課題にどうような改善を図って行くか、今後のトライアルカンパニーの動向に注目である。

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June 23, 2011 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

June 22, 2011

コンビニ、売上速報、2011年5月度、107.5%、好調!

   6/20、(社)日本フランチャイズチェーン協会が2011年5月度のコンビニの売上速報を公表した。結果は全体が107.5%、既存店も105.7%となり、好調な売上げとなった。特に既存店の売上げが好調であり、3/11の東日本大震災以降、好調な売上げが続いている。この売上速報は、ココストア、サークルKサンクス、スリーエフ、セイコー%、セブン-イレブン・ジャパン、デイリーヤマザキ、ファミリーマート、ポプラ、ミニストップ、ローソンの10社の集計であり、総店舗数は43,560店舗、ほぼ日本のコンビニ全体を網羅しており、信頼度の高い数字である。

   ちなみに、前月4月度、そして、大震災のあった3月度の売上速報も見てみると、4月度は全体が3.3%、既存店が1.6%であり、3月度は全体が9.2%、既存店が7.7%であるので、この5月度の全体が107.5%、既存店が105.7%は、4月度を上回り、3月度に近い数字であり、コンビニの売上げがいかに好調な数字であるかがわかる。そこで、この5月度、コンビニの売上げが好調な要因を客数、客単価、そして、商品部門から、特に、3月度と比較してみたい。

   まずは、客数、客単価であるが、この5月度の客数は全体2.4%(既存店1.1%)、客単価は全体5.0%(既存店4.5%)であるので、客数よりも客単価の伸びが大きいといえる。これに対して、震災のあった3月度であるが、客数は全体0.5%(既存店-0.6%)、客単価は全体8.7%(既存店8.3%)であるので、傾向は同じであるが、5月度は客数の伸びも見られ、バランスよく売上げが伸びているのが特徴である。それにしても、3月度の大震災のあった月はコンビニ全体の客単価を大きく引き上げているのが特徴である。

   では、その客単価が大きく伸びた要因を商品面から見てみたい。コンビニは大きく商品構成が4つにわかれる。この5月度で見ると、構成比32.4%の日配、構成比27.8%の加工食品、構成比35.7%の非食品、そして、構成比4.1%のサービスである。この中で、コンビニの中核商品はファストフードを含む日配食品であるが、この5月度の構成比を見てもわかるように、この数ケ月、異変が起きており、非食品の構成比が重みを増し、構成比で見る限り、いまや、コンビニの中核部門となりつつあるといえる。

   そこで、それぞれの売上げ伸び率を見ると、この5月度は日配食品1.4%、加工食品-0.6%、非食品22.9%、サービス-3.5%であり、合計7.5%という結果である。非食品の一人勝ちといってもよく、非食品がコンビニ全体を力強く牽引しているといえる。ちなみに、3月度の結果であるが、日配食品1.0%(構成比31.45)、加工食品3.7%(構成比28.3%)、非食品23.8%(構成比36.4%)、サービス-2.4%(構成比3.9%)であり、良く似た構造であることがわかる。

   こう見ると、この5月度の107.5%という好調な売上げの要因は、客数ではなく、客単価が伸びたことであり、商品では非食品が異常な伸びとなったことであることがわかる。したがって、非食品が客数ではなく、客単価を大きく押し上げたことが、コンビニが好調な要因であるといえ、これは3月度も同様な傾向であったといえる。コンビニにとって、非食品はいまや伸び悩む日配食品にかわり、全体の売上げ、特に、客単価を大きく伸ばす戦略部門となったといえよう。

   そこで、改めて、コンビニの非食品であるが、雑誌、書籍、新聞、衣料品、袋物類、文房具、ブラシ、玩具、雑貨、たばこ、ペットフード、乾電池、テープ、CD、電球・蛍光灯、電卓、燃料、人形、サングラス、履物、園芸用品、ゲームソフト、花火、洗剤、化粧品、医薬品、医薬部外品栄養ドリンク、陶磁器・ガラス器、金物、紙製品、フィルム、切手、はがき、収入印紙、装身具等である。この中で、注目は何といってもたばこであるといえ、このたばこの動向が特に、この数ケ月は大きかったといえよう。これについで、電力関連の乾電池、電球・蛍光灯が続くといえ、3月度はたばこに加え、これら電力関連が全体を大きく押し上げた要因といえよう。

   ちなみに、コンビニにおける非食品の動向を過去3年間で見てみると、平成20年度は構成比が30.2%であり、伸び率は17.1%と、異常な伸びを示した時期であった。翌、平成21年度は構成比が31.9%と上がり、伸び率は6.0%と落ち着いたが、堅調な成長となった。そして、昨年、平成22年度は構成比が32.1%となり、伸び率が2.2%と低成長であった。ただ、9月度はたばこの値上げ前であり、構成比40.1%、伸び率が43.9%と異常値となり、たばこのコンビニへのインパクトがいかに大きかったかを示したといえる。そして、たばこの値上げが落ち着いた12月以降、再び、構成比が上がりはじめ、先に見たように、この5月度は構成比が35.7%となり、過去3年間と比べても、異常な伸びであることがわかる。

    このように、2011年5月のコンビニの売上げは107.5%と好調な数字となったが、その要因は3月度の東日本大震災以降、特に、大きく伸びた非食品の客単価が大きく伸びたことにあるといえる。この非食品の伸びは中長期的にも伸びてきており、それが、昨年のたばこの値上げ問題、そして、この3月度の東日本大震災の影響により、一気に加速したともいえる。その意味で、今後、コンビニはこの非食品を軸に、構造変化が起こってゆくものといえ、当面、非食品の動向に注目である。

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June 22, 2011 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

June 21, 2011

食品スーパー売上速報、2011年5月度、101.9%!

   主要食品スーパーマーケットの5月度の売上速報が明らかなり、独自に集計した。結果は全体が101.9%、既存店が99.8%となり、3月度、4月度と比べ大きく伸び率が下がった。3月度は110.2%(既存店105.0%)、4月度は105.0%(既存店100.8%)であるので、5月度は明らかに売上げが鈍化しており、3/11の東日本大震災の特需が一段落し、昨年並みの水準に消費はもどりつつあるといえよう。

   今回集計した食品スーパーマーケットは、一部、スーパーセンターを展開しているホームセンターも含め、22社である。その内訳は、ヤマザワ、アークランドサカモト、バロー、ヤオコー、ハローズ、マックスバリュ西日本、ユニバース、マックスバリュ東海、イズミ、オオゼキ、マックスバリュ北海道、ダイイチ、スーパーバリュー、カスミ、マックスバリュ中部、いなげや、マックスバリュ東北、マルエツ、PLANT、エコス、Olympic:フード、トーホーであり、総店舗数は約1,800店舗となる。

   それにしても、いかに、3/11の東日本大震災が食品スーパーマーケット業界へ与えた影響が全国的規模で大きかったかがわかる。また、その影響がやや下がったとはいえ、4月度も継続していたといえる。そして、5月度であるが、特に、ゴールデンウィークが含まれていることから、消費者の自粛ムードがどのように反映されるかが注目されたが、結果を見ると、伸び率は3月、4月度と比べ下がってはいるが、101.9%と昨対をわずかに上回り、堅調な数字を維持しており、食品に関しては、このゴールデンウィークも昨年同様の消費であったといえよう。

   そこで、この5月度、特に、売上げを伸ばした食品スーパーマーケットであるが、110%以上は3社である。ヤマザワ112.1%(4月度104.7%、3月度110.5%)、アークランドサカモト111.8%(4月度116.0%、3月度116.5%)、バロー110.2%(4月度116.0%、3月度120.2%)であり、ヤマザワは4月度やや売上げが下がったが、いずれも、3月度、4月度と2桁の売上げである。ただ、全体の売上げには新店が入っているため、既存店で見ると、ヤマザワ110.2%(4月度103.6%、3月度107.7%)、アークランドサカモト106.6%(4月度110.0%、3月度108.8%)、バロー101.6%(4月度105.3%、3月度107.3%)であろ。3社とも既存店も堅調であり、この3社は震災以降も安定した売上げを維持しているといえる。

   特に、ヤマザワは山形県と宮城県を中心に店舗展開しており、被災地でもあり、しかも被災した店舗もある中での、この22社の中で、この5月度No.1の売上高の伸び率であり、被災地域の消費の回復が伺える数字である。ただ、同じ、被災地に店舗展開をしている秋田県を地盤とするマックスバリュ東北であるが、5月度98.2%(4月度96.2%、106.1%)と、この5月度は昨対を割っており、厳しい状況であり、明暗が分かれたといえる。

   また、この5月度No.2にスーパーセンターを展開しているホームセンターのアークランドサカモトが入ったが、同じ、業態のPLANTを見ると、PLANT 5月度97.1%(4月度101.6%、3月度109.6%)という状況であり、明暗が分かれた。特に、PLANTは福島原発事故の影響で大熊店(福島県双葉郡大熊町)の営業が見込めない状況であり、営業店舗数が減少したことも大きいといえる。福島県に展開している食品スーパーマーケットは、いずれも原発事故の影響があり、厳しい状況が続いているといえる。

   この3社についで、この5月度、堅調な売上げとなった食品スーパーマーケットであるが、ヤオコー109.5%(4月度111.9%、3月度120.4%)、ハローズ105.1%(4月度107.6%、3月度110.5%)、マックスバリュ西日本104.6(4月度107.2%、3月度111.3%)、ユニバース104.1%(4月度100.7%、3月度104.0%)、マックスバリュ東海103.6%(104.9%、3月度113.9%)、イズミ103.0%(4月度103.0%、3月度102.5%)、オオゼキ 102.9%(4月度103.2%、3月度105.8%)である。中でも、ヤオコーは3月以降、好調な売上げを維持しており、先の3社に匹敵する安定した数字である。

    一方、この5月度、売上げが伸び悩んだ食品スーパーマーケットであるが、マルエツ97.9%(4月度98.7%、3月度112.8%)、PLANT97.1%(4月度101.6%、3月度109.6%)、エコス96.0%(4月度97.7%、3月度105.8%)、Olympic:フード92.2%(4月度123.3%、3月度123.3%)、トーホー91.1%(4月度95.9%、3月度103.3%)という結果である。マルエツ、エコス、Olympic、トーホーと比較的都心部に立地している食品スーパーマーケットが多いといえる。

   このように、震災後3ケ月目となった食品スーパーマーケットの売上げであるが、3月度、4月度の特需が一段落し、堅調な売上げとなったといえる。全体も101.9%と落ち着いた数字となり、数字で見る限り、通常の営業状況に戻ったといえよう。ただ、個々に見ると、110%の成長を維持している食品スーパーマーケットから、昨対を割る食品スーパーマーケットと、明暗が分かれており、震災後、2極化が起こりつつあるともとれる数字である。来週以降は2月期決算企業の第1四半期決算が公表され、ちょうど、この3月から5月までの決算であり、震災の影響が組みこまれるため、より、食品スーパーマーケット業界への震災の影響、その後の現況が明らかになるといえよう。今後、その結果を踏まえ、食品スーパーマーケットの経営戦略がどう変化するか注目である。
   
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June 21, 2011 in 経済・政治・国際, 食品スーパーマーケット売上速報 | | Comments (0) | TrackBack (0)

June 20, 2011

ダイヤモンド流通倶楽部で7月に講演!

   来月、7/13(水)、ダイヤモンド流通倶楽部での講演が決まった。先ほど、パンフレットが上がってきたばかりであり、主催は株式会社ダイヤモンド・フリードマン社、そして、共催として学習院マネジメントスクール、協賛が株式会社プラネットである。当日は私を含め、3名の講師となる。最初が株式会社R2リンクの鈴木敏仁氏、テーマは「巨大小売業が変える西友そして、日本の流通」、次が私であり、テーマは「震災後の全国POSデータを徹底分析、消費行動の激変を読む!」であり、最後が株式会社マルダの渡辺太郎氏、テーは「必要とされ続けた小売業と、これからの願い」である。また、全体のテーマは「震災後変わるマーケティング・マーチャンダイジング」であり、今回の東日本大震災後のマーケティング・マーチャンダイジングがメインの講演である。

   そこで、私の講演内容であるが、テーマは先にあげたように「震災後の全国POSデータを徹底分析、消費行動の激変を読む!」である。震災後、すなわち、この3月度、4月度の全国約400店舗のPOSデータ、全カテゴリー約500、単品数では約20万件となる膨大なPOSデータを分析し、昨年の3月度、4月度と比較した中で、特にこの3月度、3/11の東日本大震災後の消費動向を明らかにし、消費がどのように激変したかを実証、今後の消費動向を占う内容である。その一部は、講演直前の7/1号のチェーンストアエイジ誌でも、公開することになる予定であるが、ほぼ、現在、POSデータの分析を終了し、テキスト作成に入っているところである。

   POSデータ分析の良いところは、商品が単に売れた、売れないかがわかるだけでなく、どのくらい売れたかが数字で判断できることである。特に、今回の震災においては、売れる、売れないがわかるだけでなく、どのくらい売れるかが重要であり、それは、イコール、顧客のライフラインを確保することにつながるからである。したがって、この3月度、4月度のPOSデータの分析は、すべての食品スーパーマーケットが自社で実施して欲しい分析であり、今回のセミナーで公開する予定のPOS分析結果と自社のPOSデータの分析結果を突き合わせ、有事の際の対応マニュアルを作成しておくことが重要な課題といえよう。今回は全国平均のPOS分析データはもちろん、被災地の東北、関東をはじめ、全国地区別に集計しているので、直接の被災地以外でもどのように消費構造が激変したかもわかるように工夫している。

   また、今回は震災後、食品スーパーマーケットで何がどのくらい売れたかという小売業側の視点に加え、消費者側の視点として、家計調査データも参考に解説したいと思っている。特に、家計調査データは月別、日別のデータが公開されており、しかも、主要都市別の集計も公表されているので、3月度、4月度のこれらの家計調査データを見ることで、「震災後変わるマーケティング・マーチャンダイジング」がより、鮮明になるからである。ただ、残念なことに、さすがに、被災地、仙台市、福島市のデータは3月度はなく、4月度は仙台市の家計調査データがあるのみであるが、それでもそれ以外の都市のデータはあり、参考になると思う。

   さらに、今回の講演ではもうひとつ別の視点、企業経営、すなわち、食品スーパーマーケットの経営面へ震災が与えた影響も取り上げる予定である。残念ながら、食品スーパーマーケットの決算は大半が2月度決算であるので、今回の震災の影響はこれらの決算には反映されていないが、3月度決算、それ以降の決算企業には、震災の影響が反映されており、これを見ることで、食品スーパーマーケットの経営への影響が明らかになる。また、1月度決算企業の第1四半期決算、そして、一部2月度の決算企業も第1四半期決算に関しては、この講演前に公開されるものもあり、間に合う限り、その結果を加えたいと思う。実際、すでに、公表された3月度決算の結果を見てみると、すでに、本ブログでも取り上げたが、特別損失への計上、原価への影響、経費への影響が見られ、さらに、資産では現預金の増加が明かに増加している。有事=キャッシュがポイントであり、在庫確保、すなわち、POS分析の結果とも結び付くともいえる。

   このように、この7/13のダイヤモンド流通倶楽部での私の講演テーマは「震災後の全国POSデータを徹底分析、消費行動の激変を読む!」であり、全国の震災時の3月度、そして、4月度のPOSデータを地域ごと分析し、その違いを明らかにし、消費行動の激変を読み解くものである。ただ、それだけに終わらず、震災にかかわる消費実態を家計調査データから、さらに、食品スーパーマーケットの経営へ与える影響を決算書から読み取り、POS分析をメインとしつつも、多角度から、今回の震災の影響を読み解いてみたいと思う。講演時間はわずか1時間であるが、データは膨大、内容は豊富であるので、講演だけでなく、本ブログはもちろん、チェーンストアエイジ誌も含め、この講演を基点に様々な手法を駆使し、内容を補えればと思う。

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June 20, 2011 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

June 19, 2011

RDS-MD評価表完成度アップ、重点商品、品揃え改善!

   昨年来取り組んできたRDSのPOSデータを活用したMD評価表の完成度がさらにアップし、帳票1枚でマーチャンダイジングの現状が把握でき、今後、どのように商品力の強化を図ってゆけば良いかがわかるようになった。昨年、RDS-POSデータ活用セミナーで発表したのが最初の帳票であるが、その後、RDS参加企業、数社の協力を得て、実際のPOSデータで検証を重ね、帳票の改良を重ねてきた。最終的な完成までには、もうしばらく、検証が必要といえるが、近いうちに、RDS参加企業が、この帳票を活用し、自社のマーチャンダイジングの改善に活かしていただくことが可能となろう。ちなみに、現在も菓子パンにつては無料診断を実施しており、菓子パンに関しては、受け入れ態勢ができているので、食品スーパーマーケットの方は、是非、この帳票を体感して欲しい。

   さて、この帳票の特徴であるが、MD評価表という名称であり、マーチャンダイジングを評価する帳票である。マーチャンダイジングを評価するとは、最終的には売上げアップを目指すことになるので、その売上げの根幹、数量と金額、そして、POSデータ特有のレシートをもとに評価をしてゆくものである。一般的に売上げは売上高=レシート枚数×(売上金額/レシート枚数)からはじまる。このレシート枚数が客数、(売上金額/レシート枚数)が客単価と呼んでいる指標である。客単価のことを、金額PI値とも呼ぶ。したがって、売上高=レシート枚数×(売上金額/レシート枚数)=客数×客単価=客数×金額PI値となる。

   さらに、この金額PI値は分子が売上金額であるので、売上金額=売上数量×平均単価(売上金額/売上数量)となるので、ここから、金額PI値=(売上数量×平均単価)/レシート枚数となり、さらに、金額PI値=(売上数量/レシート枚数)×平均単価と変形できる。そうすると、この(売上数量/レシート枚数)は数量PI値であるので、結果、金額PI値=数量PI値×平均単価となる。

   これがいわゆる、MD方程式であり、まとめると、売上高=客数×PI値×平均単価となり、売上高は、通常のPOSデータでは、この3つの軸で成り立ち、この3つの軸から売上げを引きあげてゆくことが要諦であることを示している。そして、これがまさにマーチャンダイジングそのものであるといえる。したがって、マーチャンダイジングの改善とは、この3つの軸に沿って、商品、カテゴリー、部門、店舗全体を改善してゆくべきものであり、この関係をたった1枚の帳票に表わしたものがMD評価表である。MD評価表とは、まさに、MD方程式に立脚し、マーチャンダイジングを評価するために生まれたマーチャンダイジング改善のための帳票である。

   さて、問題は評価であるが、この評価を何と比較するかがポイントとなる。通常、POSデータは自社のPOSデータをもとにマーチャンダイジングを改善することになるので、自社のPOSデータを活用する場合は当然、自社のPOSデータとの比較となる。この場合は、2つあり、自社の過去のPOSデータと比較することであり、いわゆる時間での比較である。そして、もうひとつが、自社のチェーンの他の店舗との比較であり、いわゆる、空間での比較である。原則、比較はこの2つしかない。これ以外にあるとすると、未来、すなわち、目標、意思との比較であり、これは少なくとも、時間、空間の限界を超える時に現れるものであり、通常はこの時間と空間でPOSデータを比較してゆくことになる。

   そこで、RDS-MD評価表であるが、これは空間の延長であり、自社のチェーンの代わりにRDS参加店舗のPOSデータとの比較となる。特に、今回は自社の地域の参加企業とのPOSデータとの比較となるので、自社のその地域での位置づけが鮮明になる。MD方程式にもとづいて評価しており、売上高=客数×金額PI値=客数×PI値×平均単価であるので、まずは、客数が比較される。ただし、ここでは客数PI値を用いており、その商品の導入店舗の客数/全店舗の客数で表わし、その商品が参加店舗のどのくらいの客数の割合、すあわち、信頼度が高いかを見ている。当然、客数PI値が高い商品ほど、その地域でメジャーな商品であり、あとに続く金額PI値、PI値、平均単価の信頼度も高いといえる。そして、金額PI値の比較、PI値の比較、平均単価の比較と続き、それぞれの指標で全カテゴリー、全単品が比較されることになる。

   このようにRDS-MD評価表がほぼ完成しつつあり、自社のPOSデータを地域のPOSデータと比較検討し、マーチャンダイジングの改善が、たった1枚の帳票、すなわち、MD評価表で可能となりつつあるといえる。もうしばらく、協力企業で検証を繰り返し、マーチャンダイジングの改善、特に、重点商品の選定強化、品揃えの改変がスムースに行えるような体制作りをすすめ、できるだけ早い機会に、RDSに参加されている食品スーパーマーケット各社が活用可能な仕組みを提案できればと思う。POS分析もいよいよ自社の分析から、ネットワークを活用した地域のPOSデータ活用という、新たな時代に入りつつあるといえる。

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June 19, 2011 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

June 18, 2011

食品スーパーマーケットの震災後の現預金を見る!

   6/17に日銀が「資金循環統計(速報)(1~3月期)」を公表したが、企業の現預金が過去最高の200兆円を超えたことがわかった。各報道機関でも取り上げられており、ロイターでは、「企業の現預金保有が過去最高=1─3月日銀資金循環統計」との見出しで、解説記事をホームページで公表している。そこで、食品スーパーマーケット業界の現預金の状況はどうかを3月度決算企業および1月度の決算企業の第1四半期決算の結果をもとに見てみたい。ロイターの報道内容でも、「日銀によると、「震災の影響で、流動性の高い資産を積み上げる動き」とみられている。」と解説しており、震災の影響が強く関係しているとのことで、当然、食品スーパーマーケットにもその動きは見られるのではないかと思われる。

   まずは、ロイターの報道内容をもとに、実際に日銀が6/17に公表した「資金循環統計(速報)(1~3月期)」をもとに、その数字を確認してみたい。「資金循環統計(速報)(1~3月期)」はエクセルで公開されており、24項目からなる。その17番目と18番目のタグが民間非金融法人企業、すなわち、企業と家計の資金循環を集計したものである。この内、現金・預金は、現金、日銀預け金、政府預金、流動性預金、定期性預金、譲渡性預金、外貨預金の7つに分かれている。また、これ以外では、財政融資資金預託金、貸出、株式以外の証券、株式・出資金、金融派生商品、保険・年金準備金、預け金、企業間・貿易信用、未収・未払金、対外直接投資、対外証券投資、その他対外債権債務、その他、金融資産・負債差額と14項目と多岐に渡って資金の流れが集計されている。

   そこで、ロイターの記事の内容であるが、「これまでの慎重な運用姿勢の継続に東日本大震災が加わり、企業の現預金の保有が3月末に211兆円と過去最高を更新するなど、流動性預金を中心に安全な資産を積み上げる動きが顕著となった。」とのことで、企業の現預金は過去最高となったとのことである。実際、日銀の数字では、211.12兆円であり、内、流動性預金が123.27兆円となった。また、家計の方は、「3月末の家計の金融資産残高は1476兆円で、前年比0.5%減となった。現預金は前年比1.5%増の816兆円で、このうち流動性預金が296兆円。それぞれ2010年12月末に次ぐ過去第2位の高水準。」とのことである。これも実際に日銀の数字を見てみると、合計は1476.40兆円であり、現預金は816.38兆円、流動性預金は295.95兆円である。ちなみに、定期預金は462.09億円である。

   こう見ると、企業と家計の現預金は211.12兆円対816.38兆円であり、約4倍の差があり、家計の現預金がいかに巨額であるかがわかる。また、合計は企業が797.85兆円、家計が1,476.40兆円であり、約2倍の差である。よく、新聞、テレビ等で家計の金融資産が1,400兆円といっているが、それはまさに、この数字のことであり、現時点での正確な数字は、1,476.40兆円である。

   では、これらの結果を踏まえて、食品スーパーマーケット業界はどのような状況であるかを、2011年3月期決算、4月期決算、そして、2012年1月期の第1四半期決算の現預金の結果をもとに見てみたい。

   3月度の決算企業は、関西スーパーマーケット37.52億円(98.1%:総資産対比7.2%)、ヤマナカ62.65億円(105.8%:総資産対比13.7%)、原信ナルスH62.29億円(135.1%:総資産対比11.5%)、ヤオコー58.33億円(133.1%:総資産対比6.4%)、バロー138.00億円(140.2%:総資産対比7.3%)、いなげや107.93億円(204.3%:総資産対比13.3%)、スーパー大栄9.2億円(17.5%:総資産対比8.8%)、ヤマザワ64.85億円(162.9%:総資産対比15.4%)である。ついで、4月度の決算企業は、ユニバース85.55億円(131.0%:総資産対比21.2%)である。そして、2012年1月期の第1四半期決算企業は、マックススバリュ北海道33.47億円(前期本決算対比186.6%:総資産対比12.6%)、マックスバリュ中部18.01億円(前期本決算対比148.0%:総資産対比4.5%)である。

   こう見ると、現預金が昨年を下回ったのは関西スーパーマーケットのみであり、その他の食品スーパーマーケットはすべて昨対を上回っており、しかも、昨対200%を超える企業もあり、いずれも大きく増加しているという結果である。まさに、日銀の全体の傾向を食品スーパーマーケットも強く反映している結果である。食品スーパーマーケット業界にとっても、この震災はそれだけ経営へのインパクトがあったといえ、震災後の経営心理、その不安が、まさに、キャッシュ、現預金に強く表れたといえよう。

   このように6/17に日銀から公表された最新の「資金循環統計(速報)(1~3月期)」を見ると、特に、企業の現預金の保有高が過去最高の200兆円を超えたが、この傾向は、先に見たように、食品スーパーマーケット業界の実際の決算でも裏付けられたといえる。企業経営においては、有事の際は、キャッシュがいかに重要な要素であるかが、改めて浮き彫りになったといえよう。その意味で、今期、2012年度の食品スーパーマーケットの経営状況を判断するには、この現預金はもちろん、キャッシュフロー全体の流れをしっかり押さえることが、より重要な判断要素となろう。

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June 18, 2011 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

June 17, 2011

食品スーパーマーケット、2月決算、2012年中間予想!

   本ブログではすでに3月度決算の食品スーパーマーケットの東日本大震災の影響および資産除去債務に関する会計基準の適用に伴う影響について取り上げたが、2月度決算の食品スーパーマーケットについては、まだ、この2つが決算に反映されていなかったために、決算結果のみを取り上げた。そこで、ここでは、2月度決算の食品スーパーマーケットについて、今期、すなわち、2012年度2月期の決算における、この2つの影響を推測してみたい。推測にあたっては、通期予想、特に中間決算を用いる。中間決算予想は、まさに、3月から8月までの6ケ月間の予想であり、この予想を3月度に立てているので、当然、3/11の東日本大震災の影響、そして、今期から適用される資産除去債務に関する会計基準の適用に伴う影響を加味しているからである。

   まずは、東日本大震災の影響が予想される売上高あるいは営業収入および営業利益の2012年2月期の主要食品スーパーマーケットの中間決算の予想を見てみたい。中間決算が増収増益予想であるが、スーパーバリュー売上高255.00億円(6.5%)、営業利益6.18億円(30.6%:売上対比2.42%)、マックスバリュ東海売上高807.79億円(5.5%)、営業利益 19.50億円(5.3%:売上対比2.41%)、サンエー営業収益730.39億円(1.2%)、営業利益52.15億円(3.1%:営業収益比7.14%)、東武ストア売上高430.00億円(6.0%)、営業利益7.00億円(93.4%:売上対比1.62%)、ベルク売上高566.20億円(5.5%)、営業利益26.26億円(1.9%:売上対比4.63%)である。

   ついで、減収減益、ないしは、どちらかの中間決算が昨対を下回る予想の企業であるが、マルエツ営業収益1,655.00億円(0.0 %)、営業利益30.00億円(-13.7%:営業収益比1.81%)、ライフコーポレーション営業収益2,470.00億円(3.9%)、営業利益42.30億円(-10.8%:営業収益比1.71%)、アークス売上高1,548.00億円(2.4%)、営業利益45.00億円(-1.3%:売上対比2.90%)、カスミ営業収益1,096.00億円(-0.2%)、営業利益32.00億円(-0.1%:営業収益比2.91%)、ハローズ売上高378.03億円(6.0%)、営業利益12.75億円(-8.1%:売上対比3.37%)である。

   こう見ると、ここでは、ランダムに10社取り上げてみたが、この中間決算で増収増益予想が5社、減収減益かどちらかが減少する予想が5社であり、半々となった。したがって、東日本大震災の影響は食品スーパーマーケット業界にとっては、深刻な影響ではないと主要食品スーパーマーケットは見ているといえよう。特に、減収予想はカスミの-0.2%のみであり、減収への影響はほとんどないといえる。また、減益については、マルエツが-13.7%、ライフコーポレーションが-10.8%、ハローズが-8.1%と、この3社が大きいが、他の食品スーパーマーケットはわずかである。したがって、東日本大震災が食品スーパーマーケットの経営に与える影響は、各食品スーパーマーケットは軽微であると予想しているといえ、今期の食品スーパーマーケットは営業面では堅調な決算結果が予想されよう。

   一方、資産除去債務に関する会計基準の適用に伴う影響が直接反映される当期純利益について見てみたい。先にあげた10社の食品スーパーマーケットの予想であるが、当期純利益が増益の食品スーパーマーケットはマルエツ1.50億円(12.4%)、スーパーバリュー2.17億円(42.6%)、サンエー32.22億円(6.2%)の3社のみである。ついで、減益予想の食品スーパーマーケットであるが、マックスバリュ東海4.18億円(-13.8%)、ライフコーポレーション14.30億円(-42.9%)、東武ストア0.35億円(-80.6%)、アークス24.00億円(-16.25%)、カスミ-20.00億円、ハローズ5.92億円(-18.7%)、ベルク13.61億円(-9.2%)である。

   こう見ると、10社の内、7社が当期純利益が減益となる中間決算の予想であるといえ、今期、食品スーパーマーケットへの資産除去債務に関する会計基準の適用に伴う影響はかなり大きいといえよう。もちろん、減益要因はこれだけではないといえるが、3月度食品スーパーマーケットの実際の数字で検証した結果は平均売上対比0.2%前後はあるといえるので、営業利益率が少なくとも0.2%以上の改善がない限り、当期純利益の減益決算は免れない状況にあるといえ、このような厳しい中間決算予想となったものと思われる。

   このように、2012年度の食品スーパーマーケットの決算は、2月度決算の食品スーパーマーケットにとっては、3/11の東日本大震災の影響に加え、資産除去債務に関する会計基準の適用が為されるため、決算結果に少なからず影響が生じるものと思われる。実際、その影響が強く反映される中間決算の予想をランダムに選んだ2月度決算の食品スーパーマーケット10社で見てみたが、東日本大震災の影響は比較的軽微と予想している食品スーパーマーケットが多いといえる。ただ、資産除去債務に関する会計基準の適用に伴う影響については、大半の食品スーパーマーケットが当期純利益に関しては減益予想であり、厳しい予想である。したがって、今期の食品スーパーマーケット業界の経営目標は営業利益率をいかに改善できるかが、最優先での経営課題といえ、そのためにも原価、経費の改善はもとより、既存店の活性化が鍵を握るといえよう。今後、各社、どのような経営方針を打ち出すか注目である。

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June 17, 2011 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

June 16, 2011

Chain Store Age、2011、0615、パワーカテゴリー投稿!

   Chain Store Age、2011年06/15号のパワーアイテムの特集記事の解説を投稿した。この特集記事は半期に一度、過去6ケ月間のTOPNAVI-NETの全国約400店舗のPOSデータをもとに重点カテゴリー、すなわち、パワーアイムをピックアップし、その重点商品のPOS分析をもとに、今後の動向を占うものである。ただし、今回は、3/11の東日本大震災の影響も大きいことから、昨年10月から2月までの5ケ月間のデータをもとにしたパワーカテゴリーとなっている。実際、3月、4月等のPOSデータを見ると、重点カテゴリー、すなわち、パワーカテゴリーがより、強く消費者から支持されているのが特徴であり、通常のパワーカテゴリー、そして、その中の重点商品を再確認することは極めて重要なことである。

   したがって、今回のパワーアイテムの解説記事のタイトルは、「POWER  CATEGORYで重点商品を再確認せよ!」であり、その中身も、重点商品を再確認する上において、重要なポイントを3つに分けてまとめた。その3つとは、重点商品の再確認1:売上シェアに注目せよ!、重点商品の再確認2:月別推移に注目せよ!、そして、重点商品の再確認3:地域性に注目せよ!である。この3つの角度から、この東日本大震災後の重点商品を再確認する際のポイントを解説した。また、今回、はじめて、標準偏差も活用し、月別のバラツキ、地域間のバラツキも数字で確認できるように工夫した。

   なお、今回のパワーアイテムに取り上げられたものは食品・酒ではカップコーヒー、ノンアルコールビール、マヨネーズ、ゴマ油、お茶漬の素、低カロリー甘味料、栄養ドリンク、豆乳、ゆであずき、氷、中華調味料、ルーカレー、キムチ、ウィスキー、ビール、発泡酒、新ジャンル、冷凍麺、スパゲッティ、食パン、ヨーグルト、チューインガム、カップ麺、日本酒、ビスケット・クッキー、RTD、ワインであり、雑貨では、除湿剤、ティッシュ、線香、ローソク、犬用品・用具、防虫剤、トイレ用芳香剤、家庭用手袋、生理用品・用具、室内用芳香剤、たわし・スポンジ、身体洗い用品、キャットフードである。

   さて、解説記事の内容であるが、まずは、重点商品の再確認1:売上シェアに注目せよ!であるが、食品スーパーマーケットの各カテゴリーを分析すると、そのカテゴリーを構成する単品の売上シェアの違いに驚く。特に、今回とりあげたパワーカテゴリーの中の各単品のベスト10の構成比を見ると、図表にもまとめたが、最大94.6%から、10.2%まであり、パワーカテゴリー間の重点商品の重みが全く違うことがわかる。

   ここから、まずは共通に各パワーカテゴリーのベスト10の重点商品をしっかり再確認することはもちろんだが、これに加え、そのベスト10の構成比に応じて、重点管理のウェートを再検討することも、重点商品の再確認のポイントとなる。すなわち、ベスト10の構成比の高いパワーカテゴリー、食品・酒では、カップコーヒー、ノンアルコールビール、マヨネーズ、ゴマ油、お茶漬の素、低カロリー甘味料、栄養ドリンク等、雑貨では除湿剤、ティッシュ、線香、ローソク、犬用品・用具等はベスト10を最優先で管理することがポイントとなる。一方、ベスト10の構成比の低いパワーカテゴリー、食品・酒ではチューインガム、カップ麺、日本酒、ビスケット・クッキー、RTD、ワイン等、雑貨では家庭用手袋、生理用品・用具、室内用芳香剤、たわし・スポンジ、身体洗い用品、キャットフード等では、ベスト以外の商品についても幅広く重点管理してゆくことがポイントである。

   次に、重点商品の再確認2:月別推移に注目せよ、そして、重点商品の再確認3:地位性に着目せよ、であるが、いずれも、今回ははじめて標準偏差を算出し、月別のバラツキ、地域別のバラツキを算出してみた。その結果、月別のバラツキでは、雑貨が激しくバラつくことが判明した。雑貨は季節性が異常に高いといえ、どの月にパワーカテゴリーをどのように打ち出すかがポイントといえる。一方、地域別のバラツキでは、食品・酒ではワイン(果実酒)、ウィスキー、冷凍麺、ゆであずき、キムチ等のバラツキが大きく、雑貨では、除湿剤、犬用品・用具、ローソク、室内用芳香剤等の地域性のバラツキが大きい結果となった。したがって、この月別、地域別バラツキを加味した重点商品の再確認がポイントであるといえる。

   このように、東日本大震災後の食品スーパーマーケットにおける最大のテーマともいえる、重点商品の再確認について、パワーカテゴリー2011で取り上げた全カテゴリーを分析し、ポイントを3つに絞って解説した。改めて、その3つ、売上シェア、月別推移、そして、地域性をChain Store Age、2011年06/15号に掲載された実際のPOSデータで再確認して欲しい。この記事に掲載され内容と自社のPOSデータとを重ね合わせることにより、自社の重点商品のズレがまさに再確認できるものと思う。その意味で、東日本大震災は改めて食品スーパーマーケットにおける重点商品の大切さを再認識する機会になったといえ、今回のパワーカテゴリーで取り上げた単品を、今後の活かすために、1品1品じっくりと再確認して欲しい。

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June 16, 2011 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

June 15, 2011

マックスバリュ北海道、2012年1月、第1四半期決算!

   マックスバリュ北海道が6/10、2012年1月期の第1四半期決算を公表した。結果は営業収益194.70億円(6.6%)、営業利益0.71億円(昨年は赤字)、経常利益0.67億円(昨年は赤字)、当期純利益-3.50億円(昨年は赤字)となり、厳しい決算となった。特に、今期は、3/11の東日本大震災の影響に加え、資産除去債務に関する会計基準の適用に伴う影響額を3.01億円計上したため、その分がそっくり当期純利益のマイナス分となった。食品スーパーマーケットにとっては、今後の決算は、この2つの影響により、2012年度決算は厳しい結果が予想されよう。

   ただ、営業、経常段階では、昨年の赤字決算を脱却し、黒字転換しており、利益が改善し、回復の兆しも見える。そこで、営業利益が黒字転換した要因を原価、経費面から見てみたい。まずは原価であるが、77.15%(昨年77.17%)となり、0.02ポイントとわずかに改善している。マックスバリュ北海道自身は、「北海道地域の経済は、一部に持ち直しの動きがみられましたが、東日本大震災の影響により先行き不透明な状況にあります。当社の属するスーパーマーケット業界では、お客さまの節約志向は引き続き強く、業種・業態を越えた競争が進行しております。」とのことで、依然として競争が厳しいとのことである。結果、売上総利益は22.85%(昨年22.83%)となった。

   一方、経費の方であるが、24.24%(昨年26.67%)となり、2.43ポイントと、大幅な削減となった。それにしてもこれだけ、経費比率が下がるのは異常ともいえる。マックバリュ北海道も、「昨年4月に当社のモデル店として立ち上げた「マックスバリュ新花園店」や「ザ・ビッグ」店舗の成功事例を既存店舗の運営に取り入れることにより店舗の活性化を進めてまいりました。」とのことで、特に、ザ・ビックは経費比率も低い業態であり、これらのノウハウが反映されたものといえよう。結果、差し引き、商品売買から得られる利益、マーチャンダイジング力は-1.39%(昨年-3.84%)と、依然としてマイナスではあるが、その数字は大きく下がっており、経費削減効果が大きかったといえよう。

   そして、これに、不動産収入、物流収入等のその他営業収入が1.76%(昨年1.93%)のり、結果、営業利益は0.37%(昨年-1.91%)となり、黒字転換となった。昨年と比べ、経費比率が下がったことが黒字転換の要因であるといえる。ただ、経費比率が売上総利益を上回り、マーチャンダイジング力がマイナスであり、今後、原価の改善もさることながら、経費比率をさらに削減してゆくことも課題といえよう。

   さて、資産除去債務に関する会計基準の適用に伴う影響額3.01億円であるが、この金額は、マックスバリュ北海道の通期営業収益の予想が今期は800.00億円であるので、0.37%にあたる。したがって、営業利益が0.37%以上にならないと、当期純純利益は赤字決算とならざるをえない。今期の営業収益に対する営業利益率は0.36%であり、このままの比率で推移すると、通期の当期純利益の赤字は避けられない状況といえ、今後、原価、経費比率の一層の改善が課題といえよう。

   マックスバリュ北海道のこの第1四半期決算でもうひとつ気になるのは自己資本比率である。結果は23.1%(昨年25.8%)となり、80%弱が負債に依存するという厳しい結果となった。その要因であるが、有利子負債が72.92億円となり、総資産264.69億円の27.54%となり、純資産を上回り、資産の現預金も33.47億円であるので、経営に重くのしかかっているといえる。したがって、キャッシュフローにおいては、財務活動によるキャッシュフローを見ると、長期借入金の返済による支出-5.57億円(昨年-7.25億円)という状況であり、最優先で有利子負債の返済をせざるをえない状況にあり、本来、食品スーパーマーケットが成長してゆくための投資にキャッシュを配分できない状況にあるといえる。

   実際、投資活動によるキャッシュフローを見ると、新規出店関連の投資、有形固定資産の取得による支出は、-0.91億円(昨年-0.34億円)であり、厳しい状況である。マックバリュ北海道自身も、「「札幌フードセンター元町店」を「マックスバリュ元町店」へ店舗改装いたしました。また、「ジョイ モエレ店」を「ザ・ビッグ エクスプレスモエレ店」へ価格競争力のある業態へと転換をいたしました。」と、新規出店よりも、店舗改装、業態転換での成長を目指さざるを得ない状況といえる。

   このように、食品スーパーマーケット業界注目の2012年度の第1四半期決算が公表されはじめ、 1月期決算の結果が明らかになりつつある。マックスバリュ北海道は、経費比率が大きく改善され、営業、経常段階では、昨年の赤字決算から黒字へと転換したが、資産除去債務に関する会計基準の適用に伴う影響額が響き、当期純利益では赤字となった。今後、少なくとも、これをカバーする利益率が必要といえるが、この第1四半期の決算結果を見る限り、厳しい状況といえる。マックスバリュ北海道としては、一層の経費の削減が課題といえ、現在進めつつある経費比率の低いザ・ビックのノウハウをどこまで全店へ導入できるかが当面の課題といえよう。次の中間決算、マックスバリュ北海道の経費比率の結果に注目である。

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June 15, 2011 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

June 14, 2011

マックスバリュ中部、2012年1月、第1四半期決算!

    食品スーパーマーケット業界の2011年度決算がほぼ終了し、今期、2012年度決算の公表がはじまった。食品スーパーマーケット業界の上場企業は1月度決算企業が数社あるが、その1社、マックスバリュ中部が6/10、2012年1月期の第1四半期決算を公表した。今期、食品スーパーマーケット業界の2012年度決算は2つの点で注目点がある。ひとつは、3/11の東日本大震災の影響度合いである。そして、もうひとつは、1月、2月度決算企業に新たに適用される資産除去債務会計基準の適用に伴う影響度合いである。この会計基準は昨年の3月度以降の決算企業ではすでに適用され、その詳細について、すでに本ブログでも触れたが、少なからぬ決算への影響が生じているのが現状である。

   そこで、マックスバリュ中部のこの第1四半期決算へのこれらの影響を見てみたい。まずは、決算概要であるが、営業収益289.17億円(4.3%)、営業利益5.35億円(56.8%)、経常利益5.36億円(24.4%)、当期純利益-1.41億円となり、営業、経常段階では増収増益となったが、当期純利益は赤字決算という厳しい結果となった。この当期純利益の赤字はまさに、資産除去債務会計基準の適用に伴う影響といえ、今期、特別損失として、5.71億円計上している。これは、この第1四半期分の営業利益のほぼ総額にあたり、極めて大きな金額といえる。この数字は今期ほぼ確定数字であるため、最終決算時では、その影響度は下がるが、現時点で年間対売上では0.46%、対総資産では1.42%にあたり、かなりのインパクトである。

   それにしても、営業利益が56.8%増とったにもかかわらず、当期純利益が赤字となるので、少なくとも、年間売上対比の0.50%は営業利益段階で増益の余裕をもっておかないと減益となりかねず、新たな会計基準、資産除去債務会計基準の適用による食品スーパーマーケットの経営への影響はけっして小さくないといえよう。ちなみに、マックスバリュ中部の次の中間決算の当期純利益予想は-4.00億円、通期予想は2.10億円の黒字であるので、徐々に相殺され、今期は黒字決算とる予想である。

   さて、もう一方の影響、東日本大震災であるが、マックスバリュ自身も、「当社は東日本大震災の直接的な被害はありませんでしたが、震災直後から防災関連商品の需要増加や物流網の乱れ等による商品不足、原発事故に伴い発生した風評被害等、様々な影響が生じました。」とのことである。そこで、その影響が原価、経費面にどのような結果をもたらしたかを見てみたい。

   まずは原価であるが、74.88%(昨年75.23%)と、0.35ポイント削減している。一般に原価が下がる要因は仕入れ面と販売面があるが、今回の震災の影響としては、マックスバリュ自身もコメントしているように商品不足が起こり、価格競争が抑制され、売価が相対的に上昇したこともあると思われる。また、仕入れ面では、「イオンのグループ力を活かした商品調達や生鮮トップバリュをはじめとするプライベートブランド商品の更なる拡大により、競争に打ち勝つ価格の実現に取り組みました。」とのことで、PB強化による原価改善が進んだことも大きいといえよう。結果、売上総利益は25.12%(昨年24.77%)と粗利が改善した。一方、経費の方であるが、25.72%(昨年26.22%)と、0.50ポイント下がっており、大きく改善している。これについても、今回の震災を機に、食品スーパーマーケット業界は節電などの経費削減に取り組む一方、先にあげたように、商品不足から価格訴求がかけられず、ちらし等の販売促進費用を削減さざるをえなかったことも大きいといえよう。

   したがって、差し引き、商品売買から得られる利益、マーチャンダイジング力は-0.60%(昨年-1.45%)と、依然としてマイナスではあるが、その差は、原価、経費双方の改善により、大きく縮小している。これに、不動産収入、物流収入等のその他収入が2.51%(昨年2.72%)加わり、結果、営業利益は1.91%(昨年1.27%)と、増益となった。その他営業収入はやや減少したが、原価、経費、特に経費削減効果が大きく、大幅な営業増益となったといえる。
 
   こう見ると、東日本大震災の影響は、マックスバリュ中部のこの第1四半期決算を見るかぎり、原価、経費双方にプラスの影響をもたらしているといえ、特に、経費改善効果が大きいといえよう。原価、経費双方に共通するテーマは価格であるといえ、食品スーパーマーケットにとって、価格は原価、経費双方に大きなインパクトを与える要素であることが改めて浮かび上がったといえよう。

   このように、マックスバリュ中部の2012年度1月期の第1四半期決算が公表されたが、2/1から4/30までの決算期間であり、3/11の東日本大震災の影響がダイレクトに反映される決算となったが、結果は原価、経費、特に経費の改善が大きく営業段階では大幅な増益となった。ただ、残念ながら資産除去債務会計基準の適用がなされ、当期純利益は赤字となったが、経営改善は大きく進んでいるといえよう。その意味で、この未曽有の大震災は食品スーパーマーケット業界にとって、経営をスリム化し、経営体質を改革するチャンスでもあるといえる。これを機会に、本格的な経営戦略の見直しに取り組んでゆくべきであろう。

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June 14, 2011 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

June 13, 2011

資産除去債務会計基準の適用に伴う影響は?

   食品スーパーマーケット業界では、昨年の4/1以降の上場企業の決算に資産除去債務会計基準の適用がなされ、3月期決算以降の食品スーパーマーケットの業績に影響が生じたが、食品スーパーマーケット業界の上場企業は圧倒的に2月期決算が多いため、業界全体への影響は、今期、2012年度の決算からとなる。そこで、今期、その損失がどのような影響となるかを、3月度、4月度の決算企業の前期決算結果から推測してみたい。

   まず、資産除去債務の資産除去の算定であるが、会計基準委員会が出した「企業会計基準適用指針第21 号、資産除去債務に関する会計基準の適用指針」によれば、(1) 対象となる有形固定資産の除去に必要な平均的な処理作業に対する価格の見積り、(2) 対象となる有形固定資産を取得した際に、取引価額から控除された当該資産に係る除,去費用の算定の基礎となった数値,(3)過去において類似の資産について発生した除去費用の実績,(4)当該有形固定資産への投資の意思決定を行う際に見積られた除去費用,(5)有形固定資産の除去に係る用役(除去サービス)を行う業者など第三者からの情報の5つである。

   食品スーパーマーケットの資産は多額に上ることから、その影響も大きいといえる。そこで、3月度決算企業の実際の数字を見てみたい。まずは、関西スーパーマーケットであるが、2011年3月期決算を見ると、資産除去債務会計基準の適用に伴う影響額は0.36億円であり、売上高1,146.14億円の0.03%、総資産522.17億円の0.06%である。この比率を見る限り、損益への影響は小さいといえる。次に、ヤマナカであるが、固定資産除却損として、0.33億円であり、売上高1,002.44億円の0.03%、総資産455.66億円の0.07%であり、ほぼ、関西スーパーマーケットと同じ影響度といえよう。

   さらに、3月度決算の食品スーパーマーケットであるが、原信ナルスHの資産除去債務会計基準の適用に伴う影響額は13.61億円、売上高1233.60億円の1.10%、総資産541.25億円の1.10%である。先の2社とは大きく違い、経営へのインパクトが大きいといえる。ヤオコーの資産除去債務会計基準の適用に伴う影響額は4.42億円であり、売上高2116.24億円の0.20%、総資産913.07億円の0.48%である。先の2社よりはかなり大きな数字であるが、原信ナルスHと比べると、影響は低いといえる。

   食品スーパーマーケットの3月度決算の上場企業は上記4社以外にも4社あるので、その4社を一気に見てみる。バローの資産除去債務会計基準の適用に伴う影響額14.83億円であり、売上高3,652.06億円の0.40%、総資産1,901.05億円の0.78%である。いなげやの資産除去債務会計基準の適用に伴う影響額は15.46億円であり、売上高2,119.66億円の0.72%、総資産811.60億円の1.90%である。スーパー大栄の資産除去債務会計基準の適用に伴う影響額は0.02億円であり、売上高272.70億円の0.007%、総資産105.30億円の0.02%である。そして、ヤマザワの資産除去債務会計基準の適用に伴う影響額は4.51億円であり、売上高909.72億円の0.49%、総資産419.78億円の1.07%である。また、4月度決算となるが、ユニバースの資産除去債務会計基準の適用に伴う影響額は2.26億円であり、売上高1015.91億円の0.22%、総資産403.40億円の0.56%である。

   したがって、以上の結果をまとめると、関西スーパーマーケット0.03%(対売上高)、0.06%(対総資産)、ヤマナカ0.03%、0.07%、バロー0.40%、0.78%、いなげや0.72%、1.90%、スーパー大栄0.007%、0.02%、ヤマザワ0.49%、1.07%、ユニバース0.22%、0.56%であり、最大のいなげや、最小のスーパー大栄を除く、単純平均は対売上高0.23%、対総資産0.50%となる。

    ここから、今期、2012年度の2月期決算企業を含め、今期の食品スーパーマーケット業界の資産除去債務会計基準の適用に伴う影響額を推定すると、売上高の0.20%前後、最大0.72%、総資産の0.50%前後、最大1.90%の影響がでるものといえよう。P/Lでみれば、少なくとも0.20%以上の増収が見込めないと減益となる可能性が高く、その意味で、今期はいかに利益率を引き上げることができるかどうかが課題となろう。

   ちなみに、上記、食品スーパーマーケットの当期純利益であるが、関西スーパーマーケット増益、ヤマナカ増益、ヤオコー増益、バロー増益、いなげや減益、スーパー大栄減益、ヤマザワ減益、ユニバース増益である。8社中5社が増益、3社が減益であり、資産除去債務会計基準の適用による決算への影響はあるといえるが、営業強化によって、改善できる範囲内でもあるといえよう。

   このように、食品スーパーマーケット業界は大部分の食品スーパーマーケットが2月期決算であるため、前期は資産除去債務会計基準の適用に伴う影響額が計上されなかったが、今期、2012年度は計上されることになる。ただ、実際に適用された3月度、そして、4月度決算の食品スーパーマーケットの結果を見ると、売上高対比0.20%前後、総資産対比0.50%前後であるといえ、収益率の厳しい食品スーパーマーケットは減益となる可能性もあるが、営業利益率の改善に取り組むことにより、増益を確保することは可能といえよう。まずは、この資産除去債務会計基準が適用される次の第1四半期決算がどのような結果となるか、2月期決算企業の結果に注目である。

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June 13, 2011 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

June 12, 2011

食品スーパーマーケットで取り扱う商品の数!

    ここ最近、POSデータを分析する機会が多い。個別の食品スーパーマーケットのPOSデータはもちろん、RDS関連の各地域のPOSデータ、そして、ID-POSデータ等、様々なPOSデータを分析している。しかも、その量が半端ではなく、つい、最近も20万件を超えるPOSデータを分析した。当然、1日、2日では終わらず、何だかんだで1週間近くかかった。また、ID-POS分析になると、さすがに、パソコンでは歯がたたず、データウェアハウスがワンクッション入り、そこから、EXCELへ落とし、分析することになるが、それでも膨大なPOSデータの分析となる。

    結果、様々な成果が生まれつつあるが、興味深い事実が次々と発見される。その中で、特に、ここ最近関心をもっているものに、品揃えがある。POS分析は、通常カテゴリーを基本として分析してゆくことになるが、各カテゴリーは当然のことであるが単品で成り立っている。この単品をカテゴリーごとに見てゆくと、カテゴリーにより、商品の数が大きく違う。どのくらい違うかというと、少ないカテゴリーは数単品から数10単品で成り立っているが、多いカテゴリーになると、数千単品に及ぶものがある。もちろん、カテゴリーのくくり方によるところもあるが、それを差し引いても、こんなに商品の種類が豊富なのかと驚かされるカテゴリーが存在する。

    ちなみに、食品スーパーマーケットのPOS分析上のカテゴリーはどのくらい存在するかであるが、いわゆるJICFISコード分類では、食品(日配、一般食品、菓子、酒等)で約250、雑貨で約100、日用品で約150、化粧品で約70、医薬品で約70、合計650ぐらいとなる。食品スーパーマーケットでは通常、これに生鮮食品等が加わり、これらの膨大なカテゴリーを圧縮し、300カテゴリーぐらいで管理しているといえるが、それでも、かなりのカテゴリー分類である。

   そのカテゴリーの中で、今回、全国のPOSデータを分析する機会があったが、最も種類が多かったカテゴリーは約5,000単品のカテゴリーであり、しかも、この規模のカテゴリーがいくつか存在する。ここでの単品はSKU(Stock Keeping Unit)のことであり、同じアイテムの中でも大、中、小も分けて数えての合計である。また、本来、もっと、細分化した方が良いのではとも思うカテゴリーもあるが、JICFISコード分類では、意外に大雑把な分類もあり、それを入れての分類となる。

   さて、その5,000前後の単品をかかえるカテゴリーであるが、トップは、5,000強の半生菓子、ついで、同じく5,000強で僅差で漬物、そして、5,000弱の清酒である。この3つが食品スーパーマーケットの中で断トツに品揃えが多いカテゴリーである。ただし、これは全国のPOSデータであるので、地域性の強いカテゴリーほど、品揃えが各地でバラツキ、各地域では極端に多くはないが、全国で見ると品揃えが極端に増えるものもある。この3つは、いずれもその傾向が強いといえる。特に、漬物、清酒はその傾向が極端に強いといえ、各地での特産品、名品等があり、自然品揃えが全国的に見ると増える傾向が強いといえよう。また、半生菓子も、この中には、ケーキ、ドーナッツなどの洋の半生菓子から、まんじゅうなどの和の半生菓子も含まれており、特に、和の半生菓子は各地で独自に工夫があり、自然品揃えが増える傾向があるといえよう。ただ、これを加味しても、約5,000の品揃えはびっくりである。

    ついで、3,000前後の単品をかかえるカテゴリーであるが、果実酒(ワイン)、菓子パン、生麺・ゆで麺、和総菜、水産珍味、生菓子、米菓(せんべい)、キャンディ・キャラメルである。この中で、生菓子は、先の半生菓子と合わせると、8,000単品を優に超え、実質、これがトップといえよう。この生菓子にも洋、和が混在しており、特に、和ではだんごなどが入り、地域性が豊かなカテゴリーである、また、生麺・ゆで麺、和総菜、米菓(せんべい)も地域性が高いといえよう。一方、果実酒(ワイン)、菓子パン、キャンディ・キャラメルは比較的地域性よりも、品揃えが豊富なカテゴリーであるといえよう。

    そして、2,000前後の単品をかかえるカテゴリーまで見てみると、チョコレート、ビスケット・クッキー、焼菓子・油菓子、農産珍味、水産珍味、味噌、揚げ物、日本茶、焼酎(乙類)である。また、日用品ではボールペン、犬フード、調理器物、猫フード、化粧品ではフェイス用化粧品等である。ここまで来ると、食品以外のカテゴリーもいくつかあがってくるが、ボールペンはやや意外であるが、どこの文房具屋さんでも豊富な品揃えがあり、頷ける。

    このように、ここでは、実際のPOS分析から判明した約650のカテゴリーの中で単品の品揃えがSKUレベルで多いものをピックアップしてみたが、最大の品揃えは1カテゴリー約5,000単品が半生菓子、漬物、清酒であり、これが食品スーパーマーケットの全国的に見た場合のベスト3である。これについでは、3,000単品クラス、2,000単品クラスと続き、さらに、ここでは明示しなかったが1,000単品クラスになると、さらに、カテゴリーが増加する。POS分析は単品管理、絞り込みが基本のように思われるが、実は、この事例のような品揃えに注目し、その改善に活かすことも重要であり、特に、RDSデータ等を分析する際には、品揃えの改善に注目したPOS分析にトライして欲しい。

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June 12, 2011 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

June 11, 2011

ウォルマート、小型店、Walmart Expressにシフトか?

   ウォルマートが6/8、地元、アーカンソー州に今後の戦略店舗となる小型店、Walmart Expressをオープンした。13年ぶりの新業態であり、ネバーフッドマーケット以来となる。6/10の日経新聞でも、「米ウォルマート、小型店、年内に15~20店」、「新業態、まずアーカンソー州」という見出しで報道しており、これまでスーパーセンターを主力業態として取り組んできたウォルマートが、特に、アメリカ国内市場においては、今後の新たな成長を目指した戦略業態となる可能性が高いといえよう。

   ウォルマートにとって、Walmart Expressは13年ぶりの新業態ということもさることながら、その第1号店を株主総会に合わせオープンしたこと、本社のあるアーカンソー州にオープンしたこと、すなわち、この時間と空間を一致させたことは並々ならぬ経営の強い意欲を感じさせるといえる。特に、ウォルマートの株主総会には、西友をはじめ海外のウォルマート関係企業が参加しており、これに合わせてWalmart Express1号店を、株主総会の会場の近くにオープンしたことは、今後、世界中で次のウォルマートの新業態はWalmart Expressになることを示唆したともいえ、内外に与えるインパクトを計算した上でのWalmart Express1号店のオープンといえる。

   しかも、ウォルマートのCEO、マイク・ジューク氏は、6/3、この株主総会で、「The Next Generation Customer」というキーワードを掲げ、この次世代の消費者の心をつかむために、ウォルマートは5つの戦略的な展開を行ってゆくことを宣言している。その5つとは、Growth(成長)、EDLP(Everyday Low Price) and EDLC(Everyday Low Costs)、E-Commerce、Talent(能力)、“Live Better”である。このすべてが、まさに、今回の新業態、Walmart Expressに集約されているといえ、特に、ネット通販を組み込んでいることも大きな特徴である。

   The Next Generation Customerの特徴のひとつは、スマートフォンとソーシャルメディアを通じて世界とつながっているのが特徴であるとのことで、結果、ウォルマートの得意としているEDLP(Everyday Low Price)の商品がスマートフォンとソーシャルメディアを通じて探し求められ、最も価格の安い商品にたどりつくことになるとのことで、まさに、EDLP(Everyday Low Price)がこれまで以上に重視されるとの認識である。

   実際に、このE-Commerceがどのように、Walmart Express1号店に取り入れられているかであるが、日経の記事によれば、ウォルマート幹部の発言として、Walmart Express1号店の特徴を大きく3つ上げている。ひとつは薬局、2つ目は銀行、そして、3つ目がネット通販であり、この3つが基軸になっているとのことである。そして、この3つ目のネット通販であるが、最寄りの店舗まで商品を無料配送し、店舗で受け入れることが可能になるという。いわば、ウォルマートのE-Commerceの受け取り拠点としての機能を果たし、しかも、送料無料とのことである。

   では、このWalmart Express1号店のイメージであるが、店舗面積は1,400平米(約400坪強)であり、日本の食品スーパーマーケットの平均的な店舗に近いといえる。しかも、日経の記事によれば、「各国の傘下企業が小型店舗で実戦する在庫管理のノウハウを取り入れた。バックヤードのスペースを抑えるため、納品後、商品を即座に陳列棚に並べるなど米国では新しい手法を取り入れる。」とのことであり、まさに、日本の食品スーパーマーケットそのものといえよう。記事では言及されていないが、この数年、西友で検証されたノウハウがふんだんに取り入れられたものと思われる。要は、現在、活性化を終え、仮説検証された西友でのノウハウはがアメリカで本格的に実戦投入され、やがては、世界中に展開されてゆくということになるということであろう。

   また、その展開スピードであるが、今後3ケ月でノースカロライナ州、イリノイ州、特に、シカゴで15店舗をオープンし、そこでの検証を踏まえ、最終的には、ウォルマートの不得意としてきた全米の都市部での本格展開が目的であるという。ここでも西友の立地戦略と重なるものがあり、西友はまさに日本の首都、東京で数多くの店舗を展開しており、この立地戦略も今後、アメリカで活かされることになろう。

   ウォルマートは前期2011年度決算は既存店の売上高が2年連続で昨対を割り、特に、アメリカでのウォルマートの既存店の落ち込みが大きく響いているのが現状である。アメリカ国内ではウォルマート部門3,804店舗、サムズクラブ部門が609店舗、そして、海外では4,557店舗、合計8,970店舗であり、これだけ巨大になった企業にインパクトを与えるには、1,000店舗、少なくとも500店舗は必要といえる。今回のWalmart Express1号店の最終目標店舗数は公表されていないが、今回のシカゴでの検証後、ウォルマートが目標数値として、どのくらいの店舗数を打ち出すかが注目といえる。

   このように、13年ぶりとなるウォルマートの新業態、Walmart Expressの1号店が地元アーカンソー州にオープンし、今後、シカゴにて15店舗を展開し、本格的な検証に入ることになる。Walmart Expressは、これまでのウォルマートの出店戦略を大きく転換する都心型食品スーパーマーケットであり、西友に良く似た基本コンセプトであるといえる。これまで西友で培われたノウハウが取り入れられ、さらに、アメリカ流にアレンジされてゆくことになろう。3ケ月後には本格的な検証体制に入る予定であるとのことで、1年後、ウォルマートがどのような、このWalmart Expressを踏まえた成長戦略を打ち出すか注目である。

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June 11, 2011 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

June 10, 2011

神戸物産、2011年10月期中間、増収増益!

   業務スーパーを全国に展開する神戸物産が6/8、2011年10月期の中間決算を公表した。結果は、売上高752.64億円(10.8%)、営業利益20.19億円(54.5%)、経常利益21.38億円(55.9%)、当期純利益12.66億円(136.1%)となり、増収増益、特に、利益はいずれの段階でも大幅増益となる好調な決算となった。この中間決算は昨年11/1から今年4/30までの6ケ月間であり、3/11の東日本大震災の影響も加わっての結果であり、いかに、業務スーパーが震災後でも好調であったかがわかる。

   神戸物産の直近の売上高、総店舗数は560店舗(直営2店舗)における2011年4月度、3/11後の数字を見ても、109.8%であり、既存店も104.7%と好調な数字である。神戸物産自身も、「当社は、引き続き、農畜産事業の強化、「安全・安心」を徹底するための商品管理、消費者ニーズを捉えた商品開発、当社グループのノウハウを落とし込んだオリジナル商品の製造に注力し、高品質で魅力のある商品をベストプライスでご提供する、食品業界で唯一の「製販一体企業」として日々邁進し、企業価値の向上に努めてまいります。」とのことで、製販一体がいかんなく発揮された結果といえよう。

   特に、今期は、「農業プロジェクトを展開する(株)神戸物産エコグリーン北海道では、「安全・安心」な原材料を安定供給するために事業用地の取得を進め、当第2四半期末現在の総取得面積は811.1ヘクタールまで拡大し、これまで日本ではみられなかった大規模農法による作物の栽培を進めております。」とのことで、農業分野へも力を入れており、製販一体化が農産部門にまで及びはじめている。神戸物産は直営がわずか2店舗であり、いかにFCへ利益率の高い商品供給ができるかが経営の根幹であり、そこを最大限に強化するのが、まさに、製販一体化であるといえる。

   そこで、今期、神戸物産の営業利益が54.5%と大幅に改善した要因を原価、経費面から見てみたい。まずは原価であるが、93.56%(昨年94.30%)であり、0.74ポイントと大幅に下がっており、原価改善が大きく進んでいる。結果、売上総利益は6.44%(昨年5.70%)となった。一方、経費の方であるが、3.75%(昨年3.76%)と0.01ポイント下がっているが、ほぼ昨年同様の経費比率といえよう。結果、差し引き、営業利益は2.69%(昨年1.94%)となり、大幅な増益となった。今期は原価の大幅な改善が進んだことが大きかったといえよう。

   ちなみに、第2四半期決算期のみ、すなわち、2/1から4/30のみの3/11の東日本大震災前後のみの結果を見ると、原価93.61%(昨年94.19%)と、0.58ポイント改善している。累計が0.74ポイントの改善であるので、若干下がっているが、震災後の結果であり、その影響度は比較的小さかったとえいよう。結果、売上総利益は6.39%(昨年5.81%)となった。一方、経費の方であるが、4.01%(昨年4.06%)であり、0.05ポイント改善している。これも累計の3.75%と比べると、やや経費上昇が見られるが、昨年よりは、改善されており、震災後の経費上昇は見られない。結果、営業利益は2.38%(昨年1.75%)と、増益、累計の2.69%よりは若干下がったが、震災後の四半期も増益の好決算となった。

   したがって、神戸物産としては、震災後も若干、原価、経費の増加は見られるが、高収益を維持しており、その影響は軽微だったといえ、結果、好調な決算に結びついたといえよう。経費よりも、原価の改善が大きいといえ、神戸物産が一貫して追求している製販一体企業の成果が表れているといえよう。神戸物産自身も、「販売活動につきましては、当社の強みである輸入商品及びグループ工場のオリジナル商品を中心に構成した「生誕11周年記念セール」、「挑戦します!日本最安値」等の販売施策を実施してまいりました。」とコメントしており、「輸入商品に加え、グループ工場のオリジナル商品」が原価を引き下げる原動力になったものといえよう。

   一方、やや気になるのは自己資本比率が28.9%(昨年30.5%)と、数字が下がったことに加え、依然として、約70%を負債に依存する経営構造である点である。その負債の中身であるが、有利子負債が120.88億円(昨年148.58億円)と昨年よりは、27.7億円削減しているが、総資産412.41億円に占める割合は29.3%と、ちょうど、自己資本比率分あり、やや重い構造となっている。ただ、現金及び預金が210.96億円(昨年236.60億円)と、総資産の51.15%と厚く、実質、有利子負債を相殺しており、経営構造自体は自己資本比率ほど不安定ではないといえる。

   このように、神戸物産の2011年10月期の中間決算が6/8公表された。ちょうど3/11をまたぐ決算期間であり、その影響が懸念されたが、結果は増収増益の好決算となった。しかも、3/11を挟む2/1から4/30までの第2四半期のみで見た場合も、増収増益となり、東日本大震災の影響は軽微であったといえる。この結果を見る限り、むしろ、神戸物産の強みである「製販一体化」による原価改善が一層進み、業務スーパーの競争力が増す結果となったといえる。実際、震災後の4月度の売上速報を見ると、全体が109.8%であり、既存店も104.7%となるなど、特に既存店が好調な数字を維持している。業務スーパーの顧客は、業務筋だけでなく、一般消費者も多く、これら一般消費者のまとめ買い需要等を吸収した結果であると思われる。この好調な中間決算の結果を見る限り、今期、神戸物産の本決算も好調な結果が期待されよう。

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June 10, 2011 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

June 09, 2011

棚割を考えてみる!

   食品スーパーマーケットにおいて、古くて新しいテーマはいくつもあるが、その中のひとつに棚割がある。棚割は食品スーパーマーケットにおいて売上げを上げるための重要な手法であるが、どのような棚割を組めば良いかについては、食品スーパーマーケットの創業期から議論が続く、永遠の課題ともいえる。特に、約30年ぐらい前から、POSシステムが普及し、単品管理ができるようになってからは、経験と勘による棚割から、POSデータを駆使した棚割へと変化し、様々な棚割手法が開発された。ここ最近では、POSデータをもとに、棚割システムが開発されるなど、棚割は飛躍的な進化を遂げたといえる。また、ウォルマートがデータウェアハウスを駆使し、自動発注、自動棚割の仕組みを開発したことにより、棚割も自動化の方向に進みつつある。

   では、その棚割の基本原理はどこにあるかであるが、通常のPOSシステムから得られる指標は3つしかない。売上金額、売上数量、レシート枚数である。したがって、棚割もこの3つの指標を駆使し、作成されることになる。この中で、現在の棚割上、最も重視されているのが、売上数量である。なぜなら、棚割において、まず決めなければならないものはフェイスにあるからである。フェイスとは顧客から見た場合、文字通り商品の顔、顧客に商品の顔1つを見せるのか、顔2つを見せるのか、顔3つを見せるのか、あるいは、それ以上の顔を見せるのかである。このフェイスを決める根拠が売上数量にある。

   この根拠が見出せない場合は、すべてのフェイスが1になってしまうか、経験と勘により、売上数量と整合性のないフェイスの棚割ができあがることになる。では、そのフェイスの根拠とはどこにあるかであるが、その答えは在庫数量にある。フェイスとは顧客から見れば、文字通り顔であるが、棚割から見れば、在庫数量にあるといえる。1フェイスで、什器にもよるが、奥行き、10個ぐらいの在庫を置くことができる。したがって、2フェイスで20個、3フェイスで30個の在庫となる。ここから、売上数量が多いものは、在庫数量を増やし、フェイスが必要となり、売上数量が少ないものは、フェイスを減らし、在庫数量を減らすことになる。したがって、フェイスを決めるには、売上数量を正確に把握することが必要となり、ここにPOSデータが活用される根拠がある。

   また、必然的に、売上数量が確定するので、発注とも連動することになり、一見、関係なさそうな要素が、POSデータの売上数量を基点にして、フェイスの決定、棚割、発注という一連のサイクルを決定することになる。そして、この一連の流れを全自動にしようとする試みが、ウォルマートがすでに実戦投入している自動発注、自動棚割の仕組みであるといえ、今後、日本においてもその研究が進み、実戦投入が進むことであろう。

   ちなみに、1フェイス10個の在庫であるが、実際の食品スーパーマーケットの売場を見ると、ほとんどの棚割の中の商品のフェイスは1フェイスか、せいぜい2フェイスであり、3フェイス、4フェイス、5フェイスの商品はめったにないのが実態である。なぜか、それは、実際のPOSデータを分析してみれば明らかであるが、1日に10個以上売れる商品は世の中に数百品ぐらいしか存在しないからである。食品スーパーマーケットの平均的な店舗では、1日約20,000個の商品が売れるが、この内、20個以上売れる商品はせいぜい200品ぐらいであり、10個でも500品ぐらいといえる。規模の小さい食品スーパーマーケットでは、10個以上で200品ぐらいである。したがって、売場には約1万品の商品が存在するが、2フェイス、すなわち、在庫を十分に投入すべき商品はせいぜい数百品であり、それ以外はすべて1フェイスでも在庫上は問題ないといえる。

   棚割は、在庫管理から本格的な研究が進んだといえ、そのために、POSデータにより単品管理を行い、売上数量を基点にフェイスへの落とし込み、そして、発注へと拡大していったといえる。そして、ここ最近では、さらに、ID-POS分析の研究が進み、商品関連の分析が可能となり、在庫管理だけでなく、どの商品とどの商品を関連づけて陳列すれば、さらに、売上がアップするかが明らかになりつつあり、この関連度合いを考慮した棚割への活用が始まっている。この場合の基本指標はIDであり、IDを基点に棚割への落とし込みがなされる。

   このように、食品スーパーマーケットにとって、古くて新しいテーマ、棚割は、これまでは、POS分析による単品管理が基点となり、売上数量をもとにフェイスへ落とすという流れが確立され、在庫管理に活用されてきたといえる。そして、ここ最近では、ID-POS分析の発展により、IDを基点に商品関連が重視され、在庫管理に加え、商品同士の相性が新たに付け加わりつつあるといえる。棚割も、その意味で、第2ステップに入りつつあるといえ、在庫管理+商品関連、双方を加味した仕組みづくりの段階に入ったといえる。今後、棚割がどのように進化してゆくのか、興味深いところである。

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June 9, 2011 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

June 08, 2011

新店情報、4月度、経済産業省、大規模小売店舗!

   6/1、経済産業省から、最新、4月度の大規模小売店舗立地法、第5条第1項(新設)の届出が公表された。この法律は店舗面積が1,000平米(約300坪)以上の小売店舗を新設しようとする企業は都道府県に届け出ることになっており、その結果を経済産業省が全国の実態として集計したものである。現在、6月に入っているが、最新は4月度のものである。4月度は3/11の東日本大震災後1ケ月後であり、年度内に新規オープンする予定の店舗であるので、大震災後の小売業界の新店動向を占う上で、貴重なデータといえる。

   その集計結果であるが、4月度合計の総届け出件数は38件であった。昨年の4月度が52件であり、約70%強であるので、明らかに抑制気味の件数といえよう。ちなみに、3月度は61件であり、昨年度は年間578件であり、月平均48.1件であるので、4月度が急減したといえる。明らかに大震災の影響があったと思われ、ここへ来て、小売業界は、最大の設備投資、新規出店への投資を控えはじめたといえよう。

   そこで、実際の大規模小売店舗の4月度の届出状況を、特に食品スーパーマーケット関係を中心に見てみたい。北海道では3件の届け出があり、内、2件が食品スーパーマーケット関係である。1.4/21届け出、函館人見ショッピングセンター(北海道函館市、459坪)、核店舗は北雄ラッキー、12/21オープン予定、2.4/28届け出、中園ショッピングセンター(北海道釧路市、510坪)、核店舗は福原、12/29オープン予定である。ちなみに、もう1店舗はヤマダ電機である。東北であるが、2店舗であり、残念ながら、主要な食品スーパーマーケットの新規出店の届け出はない。食品スーパーマーケットは1店舗である。1.4/19届け出、郷野目ストア最上店・丸徳ふるせ(山形県最上郡最上町、569坪)、核店舗は郷野目ストア、12/20オープン予定である。

   次に、関東であるが、4月度の届け出は9件である。昨年の4月度が22件であり、年間平均月16.4件であるので、大幅減となった。この内、食品スーパーマーケット関係は2件である。1.4/8届け出、タイヨー知手店(茨城県神栖市、505.4坪)、核店舗はタイヨー、12/9オープン予定、2.4/22届け出、オーケー大和上和田店(神奈川県大和市、675坪)、核店舗はオーケー、12/23オープン予定である。大規模小売店舗立地法の関東は東海、北陸まで入るエリアであり、最大のエリアであるが、食品スーパーマーケット関係はこの4月度はわずか2件と、いかに、各社が新店への投資を抑制しているかがわかる。

   中部であるが、5件である。この内、食品スーパーマーケット関係は3件である。1.4/18届け出、(仮称)カネスエ大口店(愛知県丹羽郡大口町、706坪)、核店舗はカネスエ商事、12/19オープン予定、2.4/28届け出、(仮称)マックスバリュ各務原那加店(岐阜県各務原市、739坪)、核店舗はマックスバリュ中京、12/29オープン予定、3.4/1届け出、(仮称)バロー清水町店(富山県富山市、521坪)、核店舗はバロー、10/13オープン予定である。

   そして、西日本となるが、近畿も新規出店の届け出が少なく、わずか4件である。この内、食品スーパーマーケット関係は1件である。1.4/28届け出、卸値市場ハッスル高野口店(和歌山県橋本市、606坪)、核店舗はスーパーヨシムラ、12/29オープン予定である。それにしても、近畿1件、主要食品スーパーマーケット0は関東同様、いかに、新規出店への投資を抑制しているかがわかる。 

   中国であるが、5件であり、この内、4件が食品スーパーマーケット関係であり、これまで見てきた地域の中では食品スーパーマーケットの新規出店が多い地区である。1.4/27届け出、新鮮市場きむら倉敷店(岡山県倉敷市、444坪)、核店舗はくむら、12/28オープン予定、2.4/15届け出、藤三片山店(広島県呉市、497坪)、核店舗は藤三、11/1オープン予定、3.4/15届け出、エブリイ呉宮原店(広島県呉市、608坪)、核店舗はエブリイ、11/1オープン予定、4.4/27届け出、(仮称)フレスタ廿日市住吉店(広島県廿日市、418坪)、核店舗はフレスタ、12/1オープン予定である。

   四国であるが、1件であり、1.4/27オープン予定、ゆめタウン徳島(徳島県板野郡藍住町、1,2121坪)、核店舗はイズミ、12/28オープン予定である。ついで九州であるが、6件であるが、食品スーパーマーケット関係は3件である。1.4/28届け出、マルキョウ船津店(福岡県大牟田市、427坪)、核店舗はマルキョウ、12/28オープン予定、2.4/11届け出、マックスバリュ東郡元店(鹿児島県鹿児島市、470坪)、核店舗はマックスバリュ九州、12/12オープン予定、3.4/15届け出、プラッセ食品館吉野店(鹿児島県鹿児島市、403坪)、核店舗は大和、12/16オープン予定です。そして、沖縄は2件だが、食品スーパーマーケット関係は0である。

   以上が、6/1に経済産業省から公表された大規模小売店舗の4月度の新規出店予定であるが、全部で38件、内、食品スーパーマーケットは、北海道2件、東北1件、関東2件、中部3件、近畿1件、中国4件、四国1件、九州3件の合計14件であり、しかも、この中には主要チェーンはほとんどないという状況である。この結果を見る限り、今期の決算は新規出店が抑制され、結果、成長性が抑えられ、売上高は厳しい状況が予想されよう。こう見ると、3/11の東日本大震災は、小売業界全体の成長戦略に大きな影響を与えつつあるといえよう。

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June 8, 2011 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

June 07, 2011

クロスマーチャンダイジングを考える!

   クロスマーチャンダイジングは食品スーパーマーケットにおける販売促進手法として定着した手法といえるが、ここ最近、新たなクロスマーチャンダイジング手法が開発されるなど、日々進化を遂げつつある販売促進手法であるといえる。特に、従来は生鮮食品とグロサリーとのクロスマーチャンダイジングが主流であったが、ここ最近はグロサリーとグロサリー、日配とグロサリー等のクロスマーチャンダイジングも増え、食品スーパーマーケットの売場が活性化しつつある。Chain Store Age、2011年06/1号でも、「稼ぎの鉄則、クロスマーチャンダイジング要綱」という記事が掲載され、様々な事例が紹介されており、今後、食品スーパーマーケットでは「ちらし」と双璧をなす販売促進手法となってゆく可能性を秘めているといえよう。そこで、ここでは、改めてクロスマーチャンダイジングについて考えてみたい。

   まず、クロスマーチャンダイジングの目的であるが、販売促進、すなわち、売上げのアップにある。通常の売場での展開に加え、クロスマーチャンダイジングを同時に実施することにより、その分の売上げが上がるというのがクロスマーチャンダイジングの目的である。では、なぜ、クロスマーチャンダイジングを実施すると売上増につながるかであるが、その理論的根拠はリフト値にあるといえる。

   本ブログではリフト値について何度も取り上げているが、リフト値とは商品同士の相性を指標化した数値であり、もともとは、ある商品が自らの商品を押し上げる強さをおしはかる指標である。その計算式は、顧客で考えた場合、商品Aの購入顧客がa、商品Bの購入顧客がb、商品Aと商品Bの同時購入顧客がcであった場合、全体の購入顧客がzであれば、商品Aのリフト値は商品Aのリフト値は(c/b)/(a/z)で表わされ、結果はcz /baとなる。また、商品Bのリフト値は(c/a)/(b/z)となり、cz/abとなり、同じ数値となる。すなわち、リフト値はどちらか一方がどちらかを押し上げるのではなく、双方が互いに同じ比率で押し上げる指標であり、その意味で、リフト値というよりも、商品同士の相性を表す指標であるといえる。

   したがって、クロスマーチャンダイジングは、このリフト値の高い商品を見つけ、通常は距離が離れている商品を可能な限り近づけることで、双方の顧客を増やすことを目的にしたマーチャンダイジング戦略のことであるといえる。本来、リフト値最大のものを集めたものが棚割であるべきであるが、商品分類そのものがリフト値に基づいて作成されている訳ではなく、リフト値の高い商品同士があちこちに飛んでいることが、実際には起こっているので、その問題を見直そうというのがクロスマーチャンダイジングの意義であるといえよう。

   クロスマーチャンダイジングは、これを推し進めてゆくと、棚割の再構築、さらには、客動線の再検討、すなわち、レイアウトの改善、店舗改装へと発展してゆくことにつながり、むしろ、クロスマーチャンダイジングはこの一連の流れにそって、実際のPOSデータで仮説検証しながら、進めてゆくべきものであるといえる。

   また、当然、クロスマーチャンダイジングの指標もいまあげた顧客IDが原点となるが、顧客IDは売上高=ID×ID金額PI値=ID×ID客数PI値×金額PI値=ID×ID客数PI値×PI値×平均単価の一指標であるので、IDを増やすだけでなく、ID客数PI値、ずなわち、購入頻度を増やす、PI値、すなわち、買上点数を増やす、さらには、平均単価も重要な要素であり、様々な指標を目標に立てて、その改善を図るべきである。特に、平均単価は、商品Aを下げるのか、商品Bを下げるのか、それとも、同時に下げるのか、さらには、どのくらい、すなわち、5%なのか、10%なのか、さらには、20%、30%、50%なのかによって、各指標が劇的に変化するので、平均単価との関係を仮説検証することがクロスマーチャンダイジングにとっては重要な検証課題となる。

   さらに、よく誤解されるが、クロスマーチャンダイジングは相性の良い商品を見つけ、クロスマーチャンダイジングを行うことで完結するのではない。その目的の最初が顧客IDを増やすことにあるので、その商品を基点にして、相性の良い商品とネットワークを構築し、食品スーパーマーケットの店内に壮大な客動線をつくりあげることである。少なくとも10か所、できれば、100か所ぐらいあっても良いといえ、その商品へ導くための道路標識を立てることであり、その商品を宣伝するための看板をつくる、これがクロスマーチャンダイジングを成功に導くためのポイントである。

   このように、クロスマーチャンダイジングは、販売促進のためのひとつの手段であるととらえられているきらいがあるが、その原点は顧客を誘導し、購入頻度を引き上げ、購入点数を増やす、そして、さらに促進するためには価格訴求をかけて、販促、まさに、時間を早める政策であるといえ、今後、食品スーパーマーケットにおいては、極めて重要な販売促進手法として、様々な効果的な方法が開発されてゆくのではないかと思う。特に、ID-POS分析においては、必須の販売促進手法であるといえ、ID-POS分析ができるのであれば、このような観点からクロスマーチャンダイジングを積極的に推し進めて欲しいところだ。

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June 7, 2011 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

June 06, 2011

仙台4世帯の4月度の家計調査データの動向!

   家計調査データは地域別データが公表されており、全国主要都市の消費動向を見ることができる。この4月度は残念ながら3/11の東日本大震災の影響があり、被災地、福島市のデータは集計されていないが、3月度集計できていなかった被災地、仙台市のデータが加わった。ただし、その数はわずか4世帯である。主要都市の集計平均世帯数が103世帯であるので、極端に少ない数字であるが、それでも、3月度は福島市同様0世帯であったので、この数字は被災地の消費動向を把握する上で貴重なデータであるといえる。当然、異常値が見込まれることも考えられるが、それを念頭においた上で、この仙台市の4世帯の消費動向を見てみたい。

   まず、この仙台市の4世帯をどう分析するかであるが、全体の平均値を算出し、その平均をもとに仙台市4世帯の平均値との比率を算出する。次に、その比率を全体の比率と比べ、どのくらい高いか、低いかの比率を算出する。全体の比率とは、全体平均の中のトータルの消費支出である。実際に、これらの数字を算出してみると、まず、仙台市4世帯の平均のこの4月度の全消費額は136,699円であり、全国の平均が300,297円であるので、その比率は45.5%である。したがって、ここから、仙台市では、4世帯であるが、日本の平均的な消費額とくらべ、半分以下で、この4月度は生活していたことになる。

   この数字を被災地全体に当てはめるわけには、もちろんいかないが、少なくとも、通常の生活の45.5%の生活費は必要であるといえ、その金額は1世帯136,699円であり、これが、この3月度、4月度ではじめて明らかになった、わずか4世帯であるが、被災後、1世帯が生活してゆく上において必要な生活費用であるといえよう。

   そこで、この45.5%よりも比率の高い項目について、仙台市の4世帯の消費動向をもとに見てみたい。これにより、この4月度、仙台市の4世帯が、生活してゆく上において、136,699円を何に強く配分したかが見え、被災地においては何が生活する上で重要な項目であるかが、伺えるものと思われる。

   まずは、100%を超える消費項目であるが、外食を除く食料131.2%(33,988円)、外食142.4%(7,517円)、住居214.4%(17,574円)、光熱・水道211.4%(23,364円)である。金額で見ると外食を除く食料が33,988円で最も高く、全体136,699円の24.8%である。比率では住居214.4%、光熱・水道211.4%と、この項目が突出している。意外なのは外食の142.4%であるが、その中身はハンバーガー713.5%(1,137円)、洋食569.9%、日本そば・うどん406.2%(3,438円)が極端に高い数字となっている。

   そこで、ここでは、特に、外食を除く食料について、消費が集中した項目を見てみたい。大分類で見ると、穀類206.4%(5,814円、全国平均6,187円)、魚介類118.0%(3,283円、全国平均6,112円)、肉類107.4%(3,091円、全国平均6,321円)、乳卵類242.3%(3,565円、全国平均3,232円)、野菜・海藻128.7%(4,982円、全国平均8,505円)、油脂・調味料132.6%(1,906円、全国平均3,158円)、菓子類128.7%(3,676円、全国平均6,274円)、調理食品132.5%(4,744円、全国平均7,867円)である。

   この中で、特に、穀類206.4%、乳卵類242.3%が突出しており、しかも、全国平均と比べても金額面でもほぼ同じ数字であり、この2項目が外食を除く食料では被災後、特に重要といえよう。その中身であるが、穀類では、何といっても、米498.2%(4,553円、全国平均2,008円)、カップめん467.6%(532円、全国平均250円)、もち502.6%(161円、全国平均70円)であり、異常値である。いずれも、全国平均の金額を大きく上回る数字であり、全体の消費が45.5%であるので、ここに集中的に消費金額が配分されたといえる。ついで、乳卵類であるが、牛乳349.6%(2,036円、全国平均1,279円)、卵315.7%(1,079円、全国平均751円)、ヨーグルト 112.2%(349円、全国平均683円)である。特に、牛乳、卵が異常値である。

   これ以外の外食を除く食料で異常値となった項目であるが、さんま628.7%(90円、全国平均31円)、たい492.9%(281円、全国平均125円)、レタス437.8%(328円、全国平均165円)、みそ514.7%(477円、全国平均204円)、ケチャップ421.4% (103円、全国平均54円)、天ぷら・フライ439.6%(1,454円、全国平均727円)、ハンバーグ411.6%(147円、全国平均78円)、ココア・ココア飲料585.7%(69円、全国平均26円)、清酒613.8%(1,215円、全国平均435円)と、以上が400%を超える項目である。

   ちなみに、外食を除く食料以外では、火災・地震保険料3844.9%(17,046円、全国平均974円)、灯油902.3%(7,249円、全国平均1,765円)、ティッシュペーパー778.0%(624円、全国平均176円)、婦人服919.5%(2,911円、全国平均695円)、婦人靴808.3%(2,232円、全国平均607円)、幼稚園905.1%(7,700円、全国平均1,869円)、現像焼付代3456.0%(4,528円、全国平均288円)、パーマネント代649.2%(1,384円、全国平均468円)、介護サービス449.2%(969円、全国平均474円)等が、厳しい消費状況の中、大きく配分が割かれた項目である。

   このように、3/11の東日本大震災後、はじめて、被災地である仙台市の家計調査データの実態が、わずか4世帯ではあるが、公表された。依然として、福島市は集計できていない状況であるが、これを見ると、全体の消費額は45.5%と厳しい状況にあるが、その45.5%を本当に必要なものに大きく配分している実態が鮮明である。この数字を見る限り、まだまだ、被災地は極めて厳しい消費環境にあり、正常な生活には程遠い状況にあることがわかる。この厳しい被災地の生活が1日も早く改善することを願い、次回、5月以降も、その動向を追ってゆきたい。

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June 6, 2011 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

June 05, 2011

食品99.3%、家計調査データ、2011年4月度!

   前回のブログに引き続き、家計調査データ2011年4月度を取り上げる。前回が4月と3月度を比較対照させながら、消費全体の動きを取り上げたので、ここでは、食品に絞って取り上げてみたい。家計調査データは食料という項目で食品スーパーマーケットで扱かっている食品関係の消費データを集計している。ただ、この中には、エンゲル係数を算出するために、外食も含まれており、食品スーパーマーケットの実際の商品とはズレがある。そこで、本ブログでは、食料から外食を外し、新たに食品という新しい項目をつくり、家計調査データを集計し直している。

   その食品の2011年4月度の家計調査データの結果であるが、1,885.40円(99.3%)という結果となり、わずかに昨年を下回った。ただ全体が9,751.97円(97.5%)であるので、全体よりは下げ幅は少なく、食品は比較的堅調な数字といえよう。ちなみに、3月度は全体が9,457.45円(91.6%)、食品が1,918.48円(100.5%)であるので、全体は回復基調にあるが、食品は逆に若干下がっており、やや気になる結果である。なお、ここでの家計調査データの数字は、食品スーパーマーケットの金額PI値と連動を図るために、1回当たりの購入金額に近い数字として、月間の消費額を1日当たりに換算しているので、実際の家計調査データよりは、この4月度は1/30の数字となる。

   では、この4月度、食品が伸び悩んだ要因であるが、大分類で、昨対を割ったものを見てみると、穀類205.93円(96.3%)、魚介類200.23円(92.6%)、乳卵類107.07円(99.4%)、野菜・海藻276.50円(95.6%)の4分類である。ちなみに、3月度は、魚介類210.61円(94.0%)、乳卵類104.29円(98.1%)、菓子類213.97円(92.3%)、酒類97.84円(96.2%)の4分類であった。いずれも4分類であるが、魚介類、乳卵類は共通しているが、4月度は穀類、野菜・海藻類が、菓子類、酒類と入れ変わった状況である。特に、生鮮食品の根幹ともいえる野菜・海藻類の落ち込みが気になるところである。

   そこで、野菜・海藻について、さらに、その中身を見てみると、豆類1.00円(53.6%)、わかめ3.63円(70.3%)、レタス5.43円(79.5%)の3項目が昨対80%を下回る。ついでキャベツ8.27円(81.8%)、他の葉茎菜18.07円(83.9%)、他の野菜のその他 4.40円(84.1%)、干ししいたけ1.17円(85.4%)、はくさい2.40円(86.7%)、だいこん4.43円(87.5%)、生しいたけ4.97円(87.6%)、ねぎ6.43円(88.1%)、もやし3.30円(88.4%)、ほうれんそう5.83円(88.8%)、他のきのこ11.63円(89.5%)が90%を下回る。

   これに対し、プラスになったものは、じゃがいも10.90円(113.1%)、なす5.37円(121.1%)、さやまめ6.83円(121.3%)、にんじん7.87円(123.6%)が110%以上伸びた項目である。これ以外で100%以上の野菜を見ると、たまねぎ12.43円(101.6%)、トマト18.70円(102.0%)、れんこん2.03円(105.2%)、ブロッコリー3.57円(108.1%)であり、プラスがいかに少ないかがわかる。

   また、穀類も、この4月度は厳しい消費であったが、その中身は、米67.27円(89.3%)、小麦粉2.03円(85.9%)、他のめん類1.83円(85.9%)、カップめん8.43円(93.4%)、生うどん・そば9.40円(94.6%)、スパゲッティ3.70円(95.7%)、他の穀類のその他6.27円(96.4%)である。一方、食パン25.67円(100.0%)、即席めん4.50円(100.0%)、他のパン57.70円(101.9%)、中華めん11.83円(102.6%)、もち2.17円(106.6%)、乾うどん・そば5.10円(114.2%)はプラスであり、パン関連が比較的堅調な動きであったといえる。
 
   以上が、この4月度、食品の消費額全体を押し下げた部門であるが、反対に、食品全体を押し上げた部門を見てみたい。肉類206.20円(103.1%)、果物81.83円(100.2%)、油脂・調味料104.17円(100.6%)、菓子類207.33円(100.3%)、主食的調理食品114.70円(103.8%)、飲料121.40円(103.6%)、酒類109.07円(101.6%)である。この内、特に肉類は3月度が101.1%であり、4月度は103.1%と良く伸びている。そこで、その要因を見てみると、他の加工肉5.77円(122.7%)、ベーコン6.80円(107.4%)、ハム11.73円(103.5%)、ソーセージ20.27円(101.8%)と、加工肉の消費が高いといえる。また、豚肉67.50円(105.3%)、牛肉50.97円(104.6%)、合いびき肉5.67円(103.0%)、生鮮肉も高いが、鶏肉32.33円(94.8%)、他の生鮮肉5.17円(98.1%)と、この2項目は昨対を割った。

   この肉類に加え、主食的調理品、すなわち、惣菜も103.8%と高い数字であり、3月度も104.0%と高い数字である。そこで、その要因を見て見ると、うなぎのかば焼き5.77円(116.9%)、他の主食的調理食品24.53円(112.7%)、やきとり5.33円(108.8%)、ぎょうざ6.20円(108.1%)、天ぷら・フライ25.63円(106.7%)、他の調理食品のその他61.37円(105.7%)が105%以上の項目である。また、飲料も103.6%と伸び率が高いが、その要因は110%以上の項目がミネラルウォーター10.63円(184.4%)、炭酸飲料9.50円(114.9%)緑茶13.73円(110.2%)と3つあり、これらが震災以降、特需となっているためといえよう。

   このように、3/11の東日本大震災以降、3月度、4月度の家計調査データを見ると、食品は比較的堅調な動きであるといえ、他の消費が厳しい中、安定した数字を維持しているといえる。特に、肉類、主食的調理品、すなわち、惣菜、そして、飲料の伸び率が高いといえ、震災特有の特需の部門といえよう。気になるのは4月に入って、穀類、野菜・海藻の消費が下がっていることである。次回、5月度、食品に関しては、ほぼ震災後の流れが固まりつつあるといえるが、昨年のゴールデンウィークとの差がどのような結果となるか、気になるところである。

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June 5, 2011 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

June 04, 2011

家計調査データ、2011年4月度、震災後は?

   総務省統計局から5/31、2011年4月度の最新の家計調査データが公表された。前月、3月度の3/11、東日本大震災後の消費動向を探る上において、貴重な統計データである。前回は被災地、仙台市、福島市の数字が震災の影響により、集計されていなかったが、今回、4月度も福島市の数字は依然として集計されていないが、仙台市については、4件であるが、集計されており、はじめて、被災地、仙台市の消費実態も部分的ではあるが、明らかになった。また、同時に公表された「東日本大震災の発生に伴う消費支出の地方別対前年同月実質増減率及び主な費目別内 訳の寄与度」を見ると、被災地の消費実態も東北地方及び関東地方として全国、他の地方との比較が主要費目であるが、分析されており、今回の震災が与えた消費への影響が伺える。

   そこで、まずは、この震災の消費への影響から見てみたい。本ブログでは名目での比較をしているが、この寄与度は実質での数字であり、ブログの数字とは若干違うが、その結果を見ると、全国の全体の消費額は-3.0%であるのに対し、東北地方及び関東地方は-3.5%であり、0.5ポイントマイナスである。他の地方が-2.6%であるので、他の地方と比べると、0.9ポイントのマイナスであり、被災地の消費が厳しい状況にあることがわかる。

   その中身であるが、東北地方及び関東地方の消費額を実質の寄与度で見ると、主要費目では、住居が-1.27%(全国-0.47%、他の地方0.18%)であるので、住居関連が大きくマイナスとなっているのが特徴である。特に、他の地方がプラスに対して、東北地方及び関東地方が大きくマイナスであり、この住居が決定的な消費を引き下げている要因といえる。一方、逆に消費額がプラスになっている主要費目もある。交通・通信0.66%(全国-0.31%、他の地方-1.12%)であり、対照的な消費額である。さらに、家具・家事用品0.25%(全国0.02%、他の地方-0.16%)、被服及び履物0.17%(全国0.18%、他の地方0.18%)であり、この3つの主要費目が東北地方及び関東地方がプラスになった項目である。特に、交通・通信は東北地方及び関東地方のみの消費額がプラスになっており、まさに、震災後の大きな特徴といえよう。

   これ以外では、教養娯楽-0.65%(全国-0.37%、他の地方-0.15%)、光熱・水道-0.57%(全国-0.35%、他の地方-0.17%)、そして、食料-0.44%(全国-0.03%、他の地方0.29%)である。こう見ると、東北地方及び関東地方が大きくマイナスとなったのは住居であり、逆にプラスとなったのは交通・通信であり、この2つの主要費目が震災の影響、マイナス面とプラス面であるといえよう。

   さて、ここからは、全国の家計調査データをもとに、この4月度の消費状況を見てみたい。まずは、全体の1日当たりに換算した消費額であるが、9,751.97円(97.5%)と、厳しい結果となった。内、外食を除く食品は1,885.40円(99.3%)と比較的堅調な結果となった。ちなみに、外食は393.53円(95.1%)と、全体以上に厳しい結果である。それでも、3月度は363.58円(84.0%)であるので、回復基調にはあるといえるが、依然として、厳しい消費状況といえる。

   食品、外食以外では、マイナスとなったものは、住居601.57円(92.5%:3月度83.2%)、光熱・水道784.20円(98.7%、3月度102.4%)、家具・家事用品296.30円(97.7%、3月度93.4%)、交通・通信1,226.07円(99.2%、3月度87.3%)、教育676.53円(89.0%、3月度79.7%)、教養娯楽1,020.90円(95.2%、3月度80.9%)、その他の消費支出2,030.67円(98.3%、3月度93.66%)である。この内、教育は、3月度まで大きくマイナスであった国公立高校30.73円(106.8%、3月度33.5%)、私立高校55.33円(63.9%、3月度69.6%)と、国公立高校が1年を経過し、プラスに転じた。ちなみに、たばこであるが、30.40円(91.8%、3月度102.2%)と、マイナスに転じており、消費の中身が変わりつつあるといえる。

   一方、プラスになったものは、被服及び履物393.20円(104.1%、3月度83.99%)、保健医療443.63円(103.4%、3月度106.7%)の2つであり、この4月度も3月度同様、厳しい消費状況が続いているといえる。そのプラスになった主な項目であるが、被服及び破履物では、シャツ・セーター類84.23円(112.4%、3月度83.6%)、下着類31.73円(110.8%、3月度92.9%)、履物類54.90円(105.4%、3月度84.4%)である。また、保健医療であるが、医薬品78.07円(104.9%、3月度108.1%)、保健医療サービス262.07円(118.0%、3月度111.0%)である。したがって、消費がプラスになったのは、この4月度も依然としてわずかであるといえ、消費は厳しい状況にあるといえる。

   このように、これで、前月の3月度、そして、今回の4月度と3/11の東日本大震災後の家計調査データが明らかにあった。結果は、全体の消費額はマイナスとなり、全国的に厳しい消費環境が続いているといえよう。ただ、依然として、3重苦、地震、津波、原発の真っただ中にある福島市の消費額は集計されておらず、その数字は加味されていない。その意味で、震災は継続しているといえ、もうしばらく、すべての家計調査データが揃うまでには時間がかかりそうである。来月はゴールデンウィーク後の5月度の数字が明らかになるが、どのような結果となるか、その結果が気になるところである。

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June 4, 2011 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

June 03, 2011

Chain Store Age、2011/6/1、医薬部外品のPI値分析!

   Chain Store Age、2011年、6/1号で医薬部外品のPI値分析の記事を投稿した。この記事はリポビタンDの特集記事の中で、そのケーススタディの1つとなった北海道のアークスの道南ラルズの1年間の医薬部外品のPI値分析をまとめた内容である。記事全体はリポビタンDの市場動向、ケーススタディとして、相鉄ローゼン、道南ラルズを取り上げ、最後に総括として、医薬部外品のPI値分析となる流れである。総括は丸1年間の道南ラルズの医薬部外品のPOSデータ分析であり、年間総計のPI値分析に加え、月別PI値の推移をも分析し、特に、昨年度は猛暑でもあったことから、猛暑の真っただ中の夏場の医薬部外品の動向も詳細に分析した。

   この総括のPI値分析の記事の見出しは、「存在感増す、医薬部外品の伸び112.2%!」であり、記事の中身の小見出しは、「金額PI値で突出する「リポビタンD」」、「猛暑の昨夏、金額PI値を伸ばした「ゼナ」」である。また、PI値分析としては、2010年1月から12月までの医薬部外品の全品データ、約50品弱、月別推移の全体、医薬部外品ベスト10、その他商品の折れ線グラフ、そして、注目商品の月別前年比推移表を加えた。ポイントは医薬部外品の全体像の把握と、いま医薬部外品の何に注目すべきかをPI値で分析したことである。

   一般に、食品スーパーマーケットでは医薬部外品は50SKUぐらいで展開されるのが実態であり、今回の道南ラルズも約50SKUでの展開である。記事中の最初のPI値分析の表1に詳細を掲げているが、医薬部外品の金額PI値は1,000人当たり3,206.9円(昨対112.2%)であり、1人当たりでは約3.2円となる。この表1には参考に洋日配とドライ飲料の数字も算出しているが、それぞれの金額PI値は洋日配241,614.7円(昨対103.2%)、ドライの飲料113,509.9円(昨対102.7%)である。こう見ると、医薬部外品はドライ飲料の約3%弱という構成比であり、大きな数字ではないが、その伸び率は高く、記事の見出しの通り、「存在感増す」という表現がぴたりといえるカテゴリーである。

   そこで、この医薬部外品の約50SKUの中身を見ると、何といっても、リポビタンD10本の金額PI値が他の商品を圧倒しており、2,064.0円であり、その構成比は64.4%にもなる。No.2がエスカップ10本であるが、その金額PI値は236.7円(構成比7.4%)であるので、約1/10強であり、リポビタンD10本が異次元の商品であることがわかる。したがって、リポビタンD10本は特別な管理が必要であるといえ、これだけで、担当を一人つけても良いくらいである。ちなみに、金額PI値2,000円とは、1人当たり2.0円となるので、通常の食品スーパーマーケットの客数が1日約2,000人であるので、1日4,000円の売上となり、月間では12万円、年間では144万円、約150万円となる。したがって、100店舗クラスとなると、年間1.5億円となるので、店舗の担当だけでなく、バイヤーも年間販促を含め、別格管理すべきボリュームであるといえる。

   そして、このリポビタンD10本を含め、医薬部外品ベスト10で金額PI値2,982.3円(構成比93.0%)であり、ベスト10の存在価値が極めて高いといえる。したがって、全体=ベスト10といっても良く、実際、図1で医薬部外品の月別推移を折れ線グラフにしているが、全体の動きとベスト10の動きは前年伸び率で見ると、ほぼ重なった動きとなる。ちなみに、昨年の1月から12月までの月別推移を見ると、医薬部外品は1月、2月、3月が150%近い伸びを示してり、前半伸び率が極めて高い数字である。そして、4月以降、徐々に数字が下がり、猛暑の8月前後が最も伸び率が低くなる。そして、その後、小康状態となり、年末、12月に跳ね上がるという推移である。

   ここで、参考にベスト10以外の医薬部外品を同様にグラフにして見ると、実に興味深い動きとなる。全体が4月以降数字が下がり、8月前後が年間最も低い伸び率となるのに対し、その他は4月以降数字が伸び始め、8月が年末を除くと、最も高い伸びを示す動きとなる。全体とは対照的な年間の動きである。そこで、図2で、その他の中の重点商品をグラフにして見ると、ゼナ、リポビタンDスーパー、アルフェネオ等が、特にその傾向が強いといえる。猛暑であるがゆえに、顧客は栄養成分のより強い商品を欲したと見れる動きである。金額PI値はNo.1のリポビタンD10本の約1/100ぐらいであるが、猛暑時点の顧客の需要を確実につかんでいるといえ、医薬部外品の顧客層を広げるためには重要な商品といえよう。

   このように、まだまだ医薬部外品は金額PI値がドライ飲料の約3%弱の構成比であり、飲料カテゴリーの中では主力部門とはいえないが、その伸び率は、高いといえ、存在感を増しつつあるといえよう。また、その中身はリポビタンD10本が全体の約65%と、異次元の商品が存在するが、これ以外の商品も個々に見てゆくと、興味深い商品が数多く存在する。特に、昨年は猛暑であったがゆえに、異常な伸びを示した医薬部外品が特にベスト10以降にあり、これらが猛暑時の顧客の支持をしっかりつかんだことも検証された。その意味で、医薬部外品は主力商品をしっかり売り続けることはもちろんであるが、その他の様々な付加価値の高い商品も顧客層を広げる上においては極めて重要な役割を果たすといえ、品揃えも課題となるカテゴリーといえる。今期は、この結果を踏まえ、医薬部外品のマーチャンダイジングの改善に是非取り組んで欲しい。

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June 3, 2011 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

June 02, 2011

食品スーパーマーケットの経営指標、ROA、ROE!

   食品スーパーマーケットの経営指標は何が望ましいか、前回のブログで主要な上場食品スーパーマーケットの「目標とする経営指標」を集計してみたが、大きくP/Lに重点を置く企業、B/Sに重点を置く企業とに分かれた。その中でも、特に、ROAを「目標とする経営指標」とする食品スーパーマーケットが比較的多かったといえる。そこで、ここでは、ROAを高めるためには、どのような観点から取り組んでいったら良いかを考えてみたい。

   まずは、ROAを「目標とする経営指標」にあげている食品スーパーマーケットの中で、その具体的な手段を明確に明示しているのが、前回のブログでも取り上げたハローズである。再度、その内容を見ると、「当社の経営上の目標指標は、総資産経常利益率(ROA)であります。当社は、この指標を達成するため、売上高経常利益率及び総資産回転率の向上を目指しております。売上高経常利益率におきましては、高収益商品の開発、情報システム及び物流システムの改革並びに固定費の削減等に取り組み、売上高経常利益率4.0%を目指しております。また、総資産回転率におきましては、用地の取得形態を賃借物件3に対し、取得物件1の割合を基準とし、主に事業用定期借地契約を行うことにより、新規出店に伴う設備投資額を抑え、総資産回転率2.5回を目指しております。以上の取り組みにより、当社は、当業界内で高い水準である売上高経常利益率を確保しつつ、資産を有効活用したうえで、総資産経常利益率10%以上を目指してまいります。」となる。

   これは、ROA=売上高経常利益率×総資産回転率ととらえ、それぞれを引き上げ、ROAの向上を目指そうとするものである。ただ、この数式が示すように、ROAは売上高経常利益率と総資産回転率の掛け算となっているため、双方を引き上げるのは難しく、本来、どちらか一方を優先して引き上げることがポイントであり、双方を引き上げることは現実的には無理がある。実際、昨年の決算公開企業約50社の実態を見ると、ROAの平均は2.3%であるが(この場合のROAは当期純利益率)、売上高経常利益率、総資産回転率、双方が高い食品スーパーマーケットはわずかである。そのほとんどが、xyグラフで見ると、右下か左上に集まる傾向があり、実際の経営実態はどちらかを重視せざるをえないといえる。

   ちなみに、数は少ないが、双方高い食品スーパーマーケットは、大黒天物産、オーケー、丸久、ヤオコーであり、この4社は比較的、右上、すなわち、売上高経常利益率も総資産回転率も高い数値であり、双方バランスよく数値を引き上げているといえる。したがって、「目標とする経営指標」にROAを掲げた場合は、双方を同時に引き上げることは極めて難しいといえ、まずは、どちらかを優先せざるをえないといえる。その意味で、P/Lを重視し、「目標とする経営指標」に掲げた食品スーパーマーケットは、最終的にはROAを引き上げることにつながり、まずは、優先度として、売上高経常利益率を掲げているともいえよう。そして、その次の課題として、総資産回転率を引き上げれば、結果、ROAが向上することになり、最終目的はROAの向上と見ることもできる。

   ところで、ROAは総資産利益率のことであるが、今期の「目標とする経営指標」について、ROAではなく、ROE、すなわち、株主資本利益率を掲げている食品スーパーマーケットもある。これは一見、ROAとは関係が薄い経営指標のように見えるが、実は、ROAとROEとの関係は密接な関係があり、ROA=自己資本比率×ROEであり、ROEはROAの一構成指標であり、先のROA=売上高経常利益率×総資産回転率の売上高経常利益率と同じような関係にある。

   したがって、この数式が成り立つことは、ROAを引き上げるためには、自己資本比率かROEのどちらかを優先する必要があり、同時に引き上げると、どちらかが下がることになりかねない。実際、これも、昨年の決算公開企業約50社の実態を見てみると、双方高い食品スーパーマーケットはオーケー、大黒天物産のみであるといえ、それ以外の食品スーパーマーケットは自己資本比率のみが高いか、ROEのみが高いという結果となり、xyグラフをつくると、右下、左上に多くの食品スーパーマーケットが並ぶのが実態である。

   このように、上場食品スーパーマーケットは決算時に「目標とする経営指標」を公開しているが、最終的には結果として、ROAの向上を目指しているといえ、その優先順位として、P/Lを重視する企業はROA=売上高経常利益率×総資産回転率の売上高経常利益率を、B/Sを重視する企業はROA=自己資本比率×ROEのROEを優先して掲げているといえよう。どちらの指標を高めても、結果、ROAの向上につながるといえる。その意味で、食品スーパーマーケットの最終的な経営目標はROAをいかに高めるか、そのために、売上高経常利益率、ROE、あるいは、総資産回転率、自己資本比率をいかにひきあげるかにあるといえよう。経営の要諦はバランス、そして、優先順位をいかに明確にするかであるといえる。

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June 2, 2011 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

June 01, 2011

食品スーパーマーケットの経営目標を見る!

   食品スーパーマーケット業界の2011年2月期、3月期、そして、4月期の決算の公表がすべて終了した。現在、その集計に入っており、いずれ、財務3表連関分析2011として、リリースする予定である。ここでは、決算短信を読み込む中で、気になる項目があったので、その項目についてまとめてみたい。その項目とは、「目標とする経営指標」である。

   決算短信においては、その大半の企業が、「目標とする経営指標」を公表しているが、その中身がまちまちであるのに驚かされる。食品スーパーマーケットの経営はP/L、B/S、そして、CFに集約されるが、この内、経営と最も関係の深い財務諸表はB/Sであるといえる。したがって、当然、「目標とする経営指標」もB/Sを中心に各食品スーパーマーケットが目標を作っているのではと思われるが、実際の決算短信を見ると、B/Sを真正面から取り上げ、「目標とする経営指標」にしている食品スーパーマーケットは決して多くはない。

   多くの食品スーパーマーケットがP/Lをもとに「目標とする経営指標」を設定しており、特に多いのが経常利益率である。そのいくつかの代表的な食品スーパーマーケットを上げると、ユニバース(当社は、売上高経常利益率を経営の最重要指標と位置付け、・・)、スーパーバリュー(当社グループは、事業の収益性を表す指標として売上高経常利益率を設定し、売上高経常利益率4.0%を当面の目標として掲げ、・・)、サンエー(売上高経常利益率7%台を維持することを目指し収益力の向上に努め、・・)、ライフコーポレーション(当面の目標である250店舗、売上高5,000億円、経常利益率3%(150億円)を目指して成長戦略を進め、・・)、東武ストア(当社グループ連結の経常利益率3.0%を確実に達成できる企業を目指し、・・)、ベルク(連結売上高経常利益率を重要な経営指標と捉え、4.5%以上の確保に向けて、今後の事業戦略に反映させ、・・)、オークワ(営業収益経常利益率を本業の収益性が的確に表れた指標として捉え、この目標を4%に設定し、・・)等である。

   また、経常利益率ではなく、同じくP/Lであるが、営業利益率を上げている食品スーパーマーケットもある。いなげや(当社は、安定した収益性の堅持を経営目標とし、中長期的に営業利益の増大を目指し、・・)、平和堂(収益性の指標として、売上高営業利益率4%を目標として収益力の向上に取組んで、・・)であり、さらに、一部、営業利益率を上げている食品スーパーマーケットとしては、マックスバリュ北海道(目標とする経営指標目標とする経営指標としましては、売上高営業利益率の他、・・)、マクスバリュ中部(目標とする経営指標としましては、売上高営業利益率の他、・・)等である。

   以上が、P/Lを「目標とする経営指標」にしている食品スーパーマーケットであるが、次に、B/Sを上げている食品スーパーマーケットを見てみたい。B/Sも実はまちまちであるが、大きく、2つに分かれる。ひとつはROA(総資本利益率)、そして、もうひとつはROE(株主資本利益率)である。

   まずは、ROA(総資本利益率)を「目標とする経営指標」とする食品スーパーマーケットであるが、バロー(当社は、総資産経常利益率(ROA)の向上を経営目標としております。当面の目標として10%を掲げ、総資産回転率と経常利益率の改善に努め、・・)、原信ナルスH(当社グループは総資本経常利益率(ROA)を経営の重要指標と位置付け、15%を長期目標に掲げています。また、当面の目標として10%を上回るべく総資本回転率と利益率の改善に努め、・・)、ヤマナカ(当社グループは、総資本経常利益率を重要な経営指標とし、収益性及び経営効率の向上に取り組んで、・・)、マックスバリュ東海(経常ROA(総資産経常利益率)については10%以上を、目標数値とし、・・)、アークス(当社グループは、主要経営指標のなかでも特に、総資産経常利益率(ROI)と総資産回転率を重視しており、ROI10%以上、総資産回転率3回転以上を中長期的な目標、・・)、カスミ(当社では、総資産経常利益率を目標とする経営指標とし、持続的な成長を続けながら、収益力の強化と資本の効率化を図り、中長期的な向上を目指し、・・)、マックスバリュ北海道(経常ROA(総資産経常利益率)ならびに経常ROE(自己資本経常利益率)を効率分析の重要指標として位置づけ、・・)、マクスバリュ中部(ROA(総資産当期純利益率)、ROE(株主資本当期純利益率)を経営分析の重要指標と位置づけ、・・)である。

   この中でも、異色なのは、ハローズであり、(当社の経営上の目標指標は、総資産経常利益率(ROA)であります。当社は、この指標を達成するため、売上高経常利益率及び総資産回転率の向上を目指しております。売上高経常利益率におきましては、高収益商品の開発、情報システム及び物流システムの改革並びに固定費の削減等に取り組み、売上高経常利益率4.0%を目指しております。また、総資産回転率におきましては、用地の取得形態を賃借物件3に対し、取得物件1の割合を基準とし、主に事業用定期借地契約を行うことにより、新規出店に伴う設備投資額を抑え、総資産回転率2.5回を目指しております。以上の取り組みにより、当社は、当業界内で高い水準である売上高経常利益率を確保しつつ、資産を有効活用したうえで、総資産経常利益率10%以上を目指してまいります。)とのことで、ROA=売上高経常利益率×総資産回転率としてとらえ、双方の改善目標と具体策を明確にしているところである。

   これ以外では、ROEを上げている食品スーパーマーケットもいくつかあるが、B/Sでは大半がこのROAであり、総資産からどれだけ利益を生み出すかを重視した経営目標を掲げている食品スーパーマーケットが多いといえる。こう見ると、食品スーパーマーケット業界はP/L重視派とB/S重視派に分かれるといえ、B/S重視派も大半はROAであり、ROEが少数派であるといえ、株主重視に経営目標をおいている上場食品スーパーマーケットが極めて少数派であるといえるのが実態である。

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June 1, 2011 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

May 31, 2011

ユニバース、2011年4月期決算、増収増益!

   ユニバースが、5/25、2011年4月期の決算を公表した。食品スーパーマーケット業界の決算の公表は、2月期、3月期決算の公表はすべて終了し、今後、2011年度は、4月期、5月期の決算の公表に移ることになる。その4月期決算、ユニバースの決算結果であるが、今期は、特に、ユニバースの出店地域が3/11の東日本大震災の被災地である青森県、岩手県ということもあり、その影響が懸念された。結果は、営業収益1,025.82億円(4.5%)、営業利益40.57億円(18.7%)、経常利益41.70億円(18.1%)、当期純利益19.86億円(3.0%)となり、増収増益、しかも、今期は新規出店がなかったにも関わらず、創業以来、年商1,000億円を超えるという好決算となった。

   ちなみに、東日本大震災がユニバースの決算に与えた影響、及び、今期から適用された資産除去債務に関する会計基準の影響であるが、「なお、当期より新たに適用された資産除去債務に関する会計基準に基づく特別損失2億26百万円や東日本大震災等による災害損失1億96百万円および固定資産の減損損失80百万円等の合計5億45百万円の特別損失が発生したものの、経常利益の大幅増益で特別損失をカバーすることができ、当期純利益についても当初計画を上回り、増益を達成いたしました。」とのことである。いかに、今期の営業増益が経営全体を底上げしたかがわかる。

   そこで、まずは、ユニバースの東日本大震災の影響について見てみたい。実際の被害状況であるが、「震災直後の東北電力管内の広範囲に及ぶ停電で当社全店舗が停電状態に陥り、また、岩手県沿岸部の2店舗は津波による浸水に見舞われました。停電は震災当日から2~3日間続きました、・・」とのことで、店舗としては、2店舗、ただ、それ以上に停電の影響の方が大きかったようである。そして、「各店長の臨機応変な対応と緊急対策本部からの支援により、震災翌日には全47店舗中43店舗で店舗出入口付近での臨時営業を実施しました。その後、電気が順次復旧し、震災後3日目までには全47店舗中の45店舗で、閉店時間の繰上げはあったものの通常営業を再開しました。」とのことで、3日後には、直接被災した2店舗以外はいち早く営業再開したとのことである。その後、その被災した2店舗であるが、「津波の浸水があった2店舗のうち1店舗(岩手県久慈市)は5日後に、もう1店舗(岩手県宮古市)は3月末に営業を再開しました。」とのことで、営業再開したとのことである。

   したがって、ユニバースは被災地ではあったが、比較的、今回の大震災の経営に与えた影響は大きくはなかったといえ、これが今回の決算が好決算となった要因のひとつといえよう。また、結果、この震災後、様々な緊急対策がとられ、原価、経費に関して、むしろプラスに働いた面もある。

   実際、原価面を見ると、「震災後の商品調達につきましては、業界各社は、既存の取引先の協力を仰ぐとともに、これまでとは異なる新たな商品調達ルートの確保にも努め、大手チェーン・中小チェーン・独立店入り乱れての商品調達競争の様相を呈しました。」とのことで、商品調達ルートが大きく変化している。そして、「このような状況の中、当社は、地震対策マニュアルの「緊急時に必要な商品リスト」に従って、顧客がその時々で必要としている商品の在庫状況を逐一確認して、通常のオペレーションが困難な状況の中、競争他社に負けない商品調達に努めてまいりました。」とのことである。さらに、ここからが重要なポイントであるが、「震災後は一定期間チラシ配布等を中止せざるを得ず、価格強化することができなかったため、その代替として顧客にポイント付与で還元するような販促企画を実施しました。」とのことで、原価、経費両面からの改善が進んだとのことである。

   総括すると、「当社主力のスーパーマーケット事業におきましても、大震災を境に大きな変化がありました。震災前は、消費者の節約志向・低価格志向を背景に業種・業態を越えた企業間の価格競争が激しさを増していました。」と、ここまでが震災以前の状況であり、それが、「震災後は、食品・包材メーカーの工場被災や計画停電による操業度の低下、漁港・水産加工基地の被災、福島第1原子力発電所の放射能漏れによる青果物への影響等により、商品調達が極めて不安定となり、一時的に品切れや商品価格の上昇を引き起こしました。」とのことで、大きな変化を引き起こしているといえる。

   このように、ユニバースの2011年4月期の決算は、3/11の東日本大震災の影響が、被災地に店舗展開をしているがゆえに懸念されたが、結果は、その影響を吸収し、増収増益となる好決算となった。しかも、今期は新店がないにも関わらず、既存店のみでの増収増益決算であり、それだけ、震災を契機にユニバースの経営を取り巻く環境が激変しただけでなく、ユニバースの経営構造も大きく変化したといえよう。次期、2012年度、ユニバースの経営構造がさらに、どう変化してゆくか、その動向に注目である。

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May 31, 2011 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

May 30, 2011

消費者物価指数(CPI)、2011年4月度、わずかに上昇!

   5/27、総務省統計局から、2011年4月度の消費者物価指数が公表された。結果は、「(1) 総合指数は平成17年を100として99.9となり,前月比は0.3%の上昇。前年同月比は0.3%の上昇となった。(2)生鮮食品を除く総合指数は99.8となり,前月比は0.4%の上昇。前年同月比は0.6%の上昇となった。(3)食料(酒類を除く)及びエネルギーを除く総合指数は97.2となり,前月比は0.2%の上昇。前年同月比は0.1%の下落となった。」とのことで、(1)、(2)の総合指数は昨年対比でプラスに転じたが、(3)の相場等の変動の激しい食料(酒類を除く)及びエネルギーを除く総合指数は依然としてマイナスとなった。

   ただ、(1)の文字通り、総合指数がプラスになったことで、デフレ脱却かとの見方もあるが、中身をよく見てみると、依然として、デフレ基調は変わらないといえ、今後、プラスに転じてゆくかどうかは、もうしばらく様子を見る必要があろう。総務省はこの消費者物価指数の公表と同時に、その中身を寄与度にもとづいて分析しているが、それを見ると、先の3月度と比べ大きな違いが見られる。

   その最大の違いは、3月度までは、公立高校授業料、私立高校授業料がそれぞれ、-0.40、-0.11と、合計-0.51と、大きくマイナスであったが、これが1年を経過し、この4月度からは0.00となり、この分がそっくり、この4月度からなくなっている。したがって、その分が相対的にプラスに転じており、その違いによる数字上の変化によるものといえ、実質、中身が大きく変化しているとはいえず、消費者物価指数がプラス基調に転じているとはいえないからである。

   また、同じく、寄与度を見てみると、プラスになっている項目は、ガソリン0.32、灯油0.17、電気代0.04、エネルギー関連が0.53上昇しており、プラスに貢献した最大の項目は、このエネルギー関連である。したがって、総合指数(2)の昨対の数字が、最も大きくなったのは、これが要因といえ、消費者物価指数全体が上昇に転じているとはいえない。ただ、気になる動きもある。生鮮食品の動きである。3月度は生鮮食品が0.17とプラスになっていたが、この4月度は一転、-0.25と大きくマイナスに転じたことである。エネルギー関連とは対照的な動きとなり、むしろ、消費者物価指数を押し下げたことである。

   そこで、その生鮮食品を含め、食品について、細かく、その動きを見てみたい。まずは食料品全体であるが-0.1とマイナスとなった。続いて大分類を見てみると、穀類-2.6、魚介類-0.2、肉類0.7、乳卵類3.2、野菜・海藻-8.0、果物0.4、油脂・調味料 0.4、菓子類0.1、調理食品0.3、飲料-0.4、酒類-0.8という結果である。プラスマイナスまちまちであるが、何といっても野菜・海藻-8.0が全体を引き下げた要因といえよう。

   では、野菜・海藻の何が特に大きく消費者物価を引き下げたかであるが、レタス-36.4、キャベツ-33.4、ピーマン-28.7 、ブロッコリー-27.6、きゅうり-27.1、ほうれんそう-23.8、なす-23.1、だいこん-21.5、トマト-20.3であり、これらが、-20.0以上消費者物価が下がった野菜である。野菜は、ここ数ケ月、むしろ相場高がつづいていたといえるが、この4月度は異常値といえる。ちなみに、3月度は野菜・海藻は1.9とプラスであったので、明らかに4月度に入って反転、3/11の東日本大震災の影響が青果物流通に影響を与え、需給バランスが崩れたといえよう。ちなみに、プラスになった野菜もあり、たまねぎ14.1、ごぼう16.4、ばれいしょ22.0、さといも22.9、かんしょ24.0、にんじん37.4等である。すべて土物といわれている野菜が多いのが特徴といえよう。

   そして、もうひと部門、穀類も-2.6と大きく消費者物価が下がった部門であるが、その中身は米類-7.0、パン-0.1、めん類-0.6という結果であり、米類が下がったことが大きい。パン類はむしろ食パンが0.4となるなど、小麦の値上げ等にもからみ、上昇気味といえる。その米類であるが、うるち米-7.1、国産米A-7.0、国産米B-8.0、ブレンド米-5.4、もち米-4.0と、すべての項目が大きく消費者物価を下げているといえる。

   一方、食品全体の動きとは逆に、消費者物価が上昇した食品もある。乳卵類3.2であり、その中身を見ると、何といっても鶏卵の15.6が大きく、これが乳卵類全体の消費者物価を大きく押し上げたといえる。乳製品は0.7、牛乳は-0.1であり、全体への影響はわずかであり、鶏卵の上昇によるものといえよう。

   このように2011年4月度の消費者物価指数は、結果を見ると、一見、デフレ脱却かとも思えるが、その中身をよく見てみると、この3月まで、全体をマイナスに引き下げていた高校授業料の無償化の影響がなくなったことが大きいといえ、これを除くと、エネルギー関連のプラス要因が大きいといえる。したがって、依然としてデフレ基調であるといえよう。特に、3月度から一転、食料品、特に生鮮食品、その中でも野菜がプラスから大きくマイナスに転じたことが、今後、食料品全体へ波及することも懸念され、食品スーパーマーケット業界としては、消費者物価の動向には注意が必要といえる。次回、ゴールデンウィークの連休明け、5月度の消費者物価指数がどのように動くか、その結果に注目である。

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May 30, 2011 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

May 29, 2011

ヤマザワ、2011年3月期決算、営業増益!

   食品スーパーマーケット、3月期決算の上場企業、最後となるヤマザワの決算が5/27公表された。これで、食品スーパーマーケット業界の大半の2011年度決算の公表が終了した。残りは4月期、5月期、そして、9月期の決算となるが、約10社となる。今期、食品スーパーマーケットの決算は2月期決算企業とそれ以降では決算の内容が大きく分かれる。2月期決算までは、当期純利益に大きな影響を与える、「資産除去債務に関する会計基準の適用」がなく、3月期決算企業から、この適用があるからである。また、3/11の東日本大震災の影響も一部加わるため、その影響が出るためである。特に、ヤマザワは宮城県にも19店舗出店しており、その影響が懸念される決算となった。

   そのヤマザワの決算結果であるが、売上高909.72億円(1.5%)、営業利益25.89億円(13.9%)、経常利益26.36億円(14.3%)、当期純利益7.73億円(-36.0%)となり、営業、経常段階では増収増益となったが、当期純利益に関しては、「「資産除去債務に関する会計基準」の適用により4億51百万円を、東日本大震災による店舗の建物及び構築物、工具、器具及び備品や商品の被害により9億15百万円を災害による損失として、それぞれ特別損失に計上したことにより、7億73百万円(同36.0%減)となりました。」とのことで、減益となった。結果を見ると、東日本大震災の影響の方が大きかったといえる。

   実際、この大震災の中、ヤマザワは、「東日本大震災発生後、地域のお客様へ食料品を中心とする生活必需品を提供し続けるという小売業としての使命を果たすため、一日も早い復旧に向け最大限の取り組みを行なってまいりました。特に生活必需品の安定供給に向けて、商品の確保、店舗の営業継続、やむなく営業停止した店舗の速やかな営業再開を推し進めると共に地域企業の一員として被災者救援のため、支援物資の提供や義援金等の支援活動を実施してまいりました。」とのことで、営業継続、営業再開に全力で取り組んできたとのことである。

   ヤマザワの実際の被災状況であるが、「このたびの東日本大震災において、当社グループにおきましても宮城県において店舗の損壊や、津波により商品等が流出する被害を受けました。その結果、宮城県内スーパー5店舗及び併設するドラッグ3店舗の休業を余儀なくされました。売上面における影響は期末までの営業日数が少なかったことや他店舗での販売活動等により軽微なものとなりました。」とのことで、被害はあったものの、本決算に与える影響は軽微であったとのことである。

   なお、ヤマザワの今期の自己資本比率は62.8%(昨年65.2%)と、特別損失の影響等で若干下がっているが、それでも60%を超える高い数字である。前期食品スーパーマーケットの決算公開企業約50社の平均が41.3%であり、ベスト5には入る安定した数字である。したがって、今回の震災の財務に与える影響は現時点では軽微であるといえよう。ちなみに、約40%弱の負債の中身であるが、特に、経営に影響を与える有利子負債は24.68億円であり、総資産419.78億円の5.87%であり、経営への影響はわずかであるといえる。

   そこで、今期、ヤマザワが営業、経常段階で増収増益となった要因を、原価、経費面から見てみたい。まずは、原価であるが、71.75%(昨年71.67%)となり、0.08ポイントであるが、わずかに上昇した。結果、売上総利益は28.25%(昨年28.33%)となった。一方、経費の方であるが、25.39%(昨年25.78%)と、0.39ポイント削減している。結果、商品売買から得られる利益、マーチャンダイジング力は2.86%(昨年2.55%)と、増益となった。ヤマザワは、その他営業収入を計上していないため、マーチャンダイジング力=営業利益であり、今期は、経費削減が寄与し、営業増益となった。

   これを踏まえて、来期であるが、「売上高1,000億円(前年同期比9.9%増)、営業利益27億50百万円(同6.2%増)、経常利益28億円(同6.2%増)、当期純利益は15億円(同93.9%増)を見込んでおります。」とのことで、いよいよ、年商1,000億円を目指し、増収増益の好決算となる予想である。特に、投資活動によるキャッシュフローの新規出店にかかわる項目、有形固定資産の取得による支出は、-9,19億円(昨年-22.41億円)と、昨年と合わせ、30億円以上を投資しており、安定した財務基盤をもとに、新規出店も積極的に実施してゆく方針といえよう。

   このように、2011年3月期のヤマザワの決算は、資産除去債務に関する会計基準の適用と、東日本大震災の影響を受け、特別損失が合計13.66億円発生したため、営業、経常段階では増収増益となったものの、当期純利益は減益となった。ただ、財務基盤は、自己資本比率が60%を超え、安定しており、この大震災の影響も比較的軽微となったため、経営への影響はわずかなものにとどまったといえる。したがって、来期は、今期以上に積極的な経営を目指すものといえ、年商もいよいよ、1,000億円を視野に入れたといえる。新規出店も計画通りに進むものといえ、来期、ヤマザワがどこまで今期の経営数値を改善するか、その結果に注目である。

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May 29, 2011 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

May 28, 2011

スーパーマーケット販売統計調査、4月度、101.2%!

   日本スーパーマーケット協会、オール日本スーパーマーケット協会、社団法人新日本スーパーマーケット協会の3社合同によるスーパーマーケット販売統計調査(4月実績速報版)が5/24、公表された。この調査は3団体、280社、7,622店舗の食品スーパーマーケットの販売統計調査であり、食品スーパーマーケット業界では最大規模の調査である。その4月度の速報値であるが、全体が101.2%(既存店99.4%)となった。同時に3月度の確報値が公表されているが、結果は全体103.6%であり、4月度はやや落ち着いた数字となった。

   3月度は、3/11の東日本大震災の影響が懸念されたが、全体は103.6%と堅調な数字であった。ただ、地域別に見ると、被災地を含む北海道・東北エリアは98.1%と、震災の影響が大きかったといえる。これ以外の地域は、関東エリア105.7%、東海・北陸エリア104.4%、関西エリア104.9%、中国・四国エリア1020%、九州・沖縄エリア103.6%という3月度の結果であり、北海道・東北エリアとは対照的な数字であった。

   これに対して、今回の4月度であるが、北海道・東北エリアは99.8%(既存店99.4%)と、依然として、昨対を下回っているが、3月度の98.1%よりも上回っており、営業も正常にもどりつつある店舗が増えているのではないかと思われる。逆に他のエリアであるが、首都圏エリア100.6%(既存店99.3%)、北信越エリア103.0%(既存店101.1%)、東海エリア100.2%(既存店97.4%)、関西エリア102.8%(既存店98.7%)、中国・四国エリア101.8%(既存店101.3%)、九州・沖縄エリア101.8%(既存店99.3%)と、3月度よりも数字が下がっており、4月度はやや厳しい結果といえよう。

   ちなみに、この販売統計では、同時に、景況感調査も行っており、4月度は、今後、2~3ケ月後の見通しを主要食品スーパーマーケットにヒアリングしている。その結果であるが、景気状況39.6、購買意欲38.9、競合状況39.8、地域の景気38.5と、いずれも40.0を割っており、今後の先行きは厳しい状況になると踏んでいるといえる。この数字は、「回答構成比(%)に、以下の点数を乗じてDIを算出。かなり改善+1.0、やや改善+0.75、変わらない+0.5、やや悪化+0.25、かなり悪化+0.0、50以上なら改善との見方が多く、50以下なら厳しい見方が多い。」とのことである。したがって、4月時点の今後の2~3ケ月後の見通しが40.0を切ったことは、かなり厳しい数字であるといえる。

   一方、部門ごとでは、この4月度はどのような結果であったかを見てみたい。まずは、生鮮関連であるが、生鮮3部門合計は100.9%(既存店99.2%)となり、伸び悩んだといえる。その内訳であるが、青果99.3%(既存店97.7%)と、昨対を割った。青果は生鮮3品の中で13.0%と最も高い売上構成比であり、この食品スーパーマーケットの中核部門の数字が昨対を切ったことが、全体へも波及したといえよう。ついで、売上構成比9.2%の水産であるが、99.1%(既存店97.4%)と、青果よりも厳しい数字となり、生鮮3品の中でも、全部門の中で最も厳しい結果となった。

   これに対して、この4月度、堅調な数字となったのが、売上構成比10.3%の畜産であり、104.7%(既存店102.8%)と、好調な結果となった。生鮮3品の中では、既存店を含め、昨対をクリアーした部門であり、4月度は、畜産が生鮮3品も、食品スーパーマーケット全体も牽引したといえよう。ただ、生鮮3品ではないが、さらに、売上を伸ばした部門がある。惣菜であり、全体が104.8%(既存店101.4%)という結果となった。売上構成比は8.5%と、集計部門の中では最も低い数字であるが、伸び率は好調な畜産を抜いて、トップとなった。したがって、この4月度は畜産と惣菜が、食品スーパーマーケット全体を牽引した部門であったといえる。

   この好調な2部門についで、比較的堅調な数字となったのが、売上構成比16.9%の日配であり、全体102.8%(既存店100.7%)という結果であった。そして、売上構成比28.2%と最も高い部門、食品であるが、全体101.1%(既存店99.3%)となり、伸び悩んだといえる。これ以外では、売上構成比5.1%の非食品であるが、全体99.1%(既存店98.3%)と厳しい結果となった。

   こう見ると、4月度は、3月度の結果とは一転、大きな変化が見られ、3月度は一般食品・その他が107.0%と、食品スーパーマーケット全体を力強く牽引したが、4月度に入ると、一般食品は101.1%と落ち着き、変わって、畜産、惣菜が104.7%、104.8%と全体を牽引しており、部門間の構造変化が見られる。気になるのは、青果、水産が昨対を割っていることであり、特に、青果は生鮮3品の中核部門であるだけに、食品スーパーマーケット全体への影響も大きいといえる。

   このように、2011年4月度の食品スーパーマーケット業界の販売統計調査が明らかになったが、3月度の数字とは一転、厳しい面が伺われる結果となった。特に、震災直後のまとめ買い需要等も一段落したといえ、一般食品の伸びがピタッととまったことが大きいといえよう。今後の景況判断を見ても、厳しい予想がなされていることから、次の、5月度、そして、その後、夏にかけて、さらに、厳しさが増す可能性は高いといえ、次回、連休明けの結果、5月度がどのような数字となるか、気になるところである。

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May 28, 2011 in 経済・政治・国際, 食品スーパーマーケット売上速報 | | Comments (0) | TrackBack (0)

May 27, 2011

農業者所得向上流通調査事業、終了!

   平成22年度の農林水産省補助金事業、「農業者所得向上流通調査事業」が無事終了した。この調査事業はサブタイトルが、「6次産業化の販売拠点に向けた大都市直売システムの実態と生産者所得向上の関係」であり、特に、大都市中心部における様々な直売システムが農業所得者の所得向上にどのように寄与しているのかの実態を調査し、公表することが目的であった。

   調査地域は、全国の主要都市、札幌、仙台、東京、名古屋、大阪、福岡であり、それぞれの主要都市において、直売システムの実態を調査するとともに、実際に直売に携わっている数多くの農業者の方にヒアリングを行い、特に、所得との関係を中心に、その実態をまとめた。また、大都市の直売システムの特徴をより、明確にするために、大都市周辺の直売所の実態も調査し、特に、首都圏1都6県の直売所1,115件の実態分析も行った。

   その結果、大都市を中心に、特に首都圏にいては、距離別に直売所の分布を見てみると、20km件内、特に中心部には、全国各地に見られるような直売所が極めて少なく、20km以降に、直売所が扇形に広がっている実態が明らかになった。特に、20km圏から40km圏には、大都市からの消費者の需要を見込んだ大型直売所が数多く生まれており、規模においても、年商10億円を超える直売所が存在している実態が明らかになった。首都圏1,115件の直売所の1件当たりの平均売上高が8,294万円であるので、年商10億円が如何に巨大な売上規模であるかがわかる。

   ちなみに、首都圏、20km圏内では農産物の流通実態はどうなっているかであるが、ここには2,000件を優に超える八百屋、1,000件を超える食品スーパーマーケットがひしめきあっており、直売よりも、卸売市場を通じた農産物流通がまだまだ主流である。これは、他の主要都市でも、その実態は同様であり、大都市では大都市ならではの農産物の流通実態が厳然として存在しており、郊外、産地のような直売所が農産物流通の一角を占めるような状況にはいたっていないといえる。

   大都市の農産物流通は現時点ではこのように卸売流通を主体とした八百屋、食品スーパーマーケット等が大きなシェアを占めているのが実態であるが、このような中でも、直売システムの萌芽がみられ、今後、確実に大都市中心部においても、農産物流通の一定のシェアを占める可能性が高い直売システムの動きが存在する。今回の調査事業は、まさに、ここに焦点を当て、その実態と、その直売システムにおいて農業者がどのように所得向上をはかっているかをまとめたものである。

   まず、大都市中心部の直売システムの中で、本調査事業において、今後、最も有望と判断した直売システムは、商店街のアンテナショップの直売化の動きである。各都市にその事例が見られ、東京においては、板橋区の大山商店街のとれたて村の動きが顕著である。また、同じく東京都では、武蔵野市の麦わら帽子も同様に商店街におけるアンテナショップが直売化を目指した動きであり、特に、全国の自治体との連携により、各地の農産物が直接店頭で販売され、売上の柱となっている。また、地元商店街との連携も図られ、農産物関連の様々なイベントが実施され、商店街の活性化にも、寄与している。この流れを受けて、最新のまさに大都市中心部の直売システムとして確立されたのが北海道、札幌のHUGであるが、地元消費者からも圧倒的な支持を受けており、今後、大都市中心部の新たな直売システムとなってゆくものといえよう。

   ついで、何といっても大都市中心部において、今後、有望な直売システムはマルシェジャポンの動きである。発祥は農林水産省の補助金事業としてスタートしたが、いまや完全民営化となり、全国主要都市にて毎週開催されており、特に、新規就農者、小規模農家の方にとっては、大都市における農産物の有望な販路となっており、今回の調査事業の中でも直接、間接の所得向上に大きく寄与している実態が明らかになった。

   そして、もうひとつの直売システムの動きは、今後、20km圏から、さらには、それ以降の地区の直売所の大都市中心部への参入である。特に、首都圏よりも、名古屋、大阪、福岡等でその動きが見られ、地元の農産物直売所が大都市中心部へ支店を出す動きである。食品スーパーマーケットとは違い、農産物に絞った極めてローコストな物流体制、運営体制を前提としており、今後、有望な動きのひとつといえる。さらに、直売というよりは、産直といえる動きであるが、食品スーパーマーケット、GMSのインショップ、近年、各小売業が取り組み始めたネットスーパー等のネット事業の動きも大都市中心部の農産物流通としては、見逃すことはできないといえる。

   このように、大都市における直売システムは、実際に全国各地を調査してみたが、現実の農産物の流通実態は厳然として、卸売市場を経由した小売業、八百屋、食品スーパーマーケット等が、主力業態として存在している。ただ、先に上げたような商店街のアンテナショップの直売化、マルシェの展開、産地直売所の大都市中心部への参入、インショップ、ネットビジネスの進展等が確実に動きはじめており、農業所得者にとっては、大都市中心部を新たな販路として、所得向上に寄与する販売拠点ができつつあるといえる。本調査事業はこれで一旦終了となるが、今後とも大都市の農産物流通、特に、直売システムの動向については、その実態を継続して追ってゆきたいと思う。

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May 27, 2011 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

May 26, 2011

PLANT、2011年9月期、第2四半期、震災の影響?

   PLANTが4/28、2011年9月期の第2四半期決算を公表した。この決算は9/21から3/20までの期間であり、3/11の東日本大震災の影響を受けての決算となる。その結果であるが、売上高409.78億円(0.5%)、営業利益14.76億円(49.8%)、経常利益14.47億円(56.4%)、当期純利益-7.16億円となり、営業、経常段階では増収増益となったが、当期純利益は、「震災による特別損失として、原発事故損失1,800百万円、震災損失13百万円を計上、・・」したことにより、赤字決算となった。

   その震災の影響であるが、「平成23年3月11日に発生いたしました東北地方太平洋沖地震及び福島第一原発事故により、当社「PLANT-5大玉店」(福島県安達郡大玉村)および「PLANT-4大熊店」(福島県双葉郡大熊町)が被害を受けました。そのうち、「PLANT-5大玉店」は、地震による店舗施設への影響はさほど無かったものの、一部商品の毀損を余儀なくされました。なお同店は翌日には店舗外にて、14日からは店舗内での営業を再開しております。」とのことである。

   問題は、PLANT-4大熊店であり、「一方福島第一原発の事故により避難指示を受けている地域(平成23年4月22日より警戒区域に変更)に出店している「PLANT-4大熊店」については、地震の影響による商品及び店舗設備等への重要な被害は発生しておりませんが、避難指示解除の時期及び営業再開の目処がたっておりません。」とのことで、営業再開ができない状況であり、今回の決算だけでなく、今後のPLNAT全体の営業状況に影響を与えることになろう。

   PLANTにとっては、営業状況が好転し、特に、利益が回復基調にあっただけに、今回の東日本大震災の影響は大きかったといえ、今後、売上高にも影響が予想され、厳しい経営環境を余儀なくされた状況である。ただ、今期決算でも営業利益は大幅増であり、既存店の活性化は着実に進んでいるといえる。そこで、営業利益が49.8%と大きく改善した要因を原価、経費面から見てみたい。

   まずは、原価であるが、79.44%(昨年80.03%)と、0.59ポイント改善しており、原価が大きく下がっている。結果、売上総利益は20.56%(昨年19.97%)と上昇した。これについて、PLANTは、「従来から取り組んでまいりました「在庫管理」「値入向上とロスの削減」「生鮮管理システム」の稼動により、利益率の改善が図れました。」とのことで、値入れ、ロス改善等が特に利幅の大きい生鮮食品で改善できたことが大きかったといえよう。

   一方、経費の方であるが、16.94%(昨年17.54%)と、0.60ポイント改善しており、17.00%を下回る経費比率となった。食品スーパーマーケット業界で17.00%を下回る経費比率の企業はオーケー、トライアルカンパニーぐらいであり、極めて低い経費比率である。これについて、PLANTは「人時生産性を意識した人事管理が定着したことにより作業効率の向上が実現し、・・」とのことで、作業効率の改善が大きかったといえよう。したがって、原価、経費、ダブルでの大幅な利益改善が進み、商品売買から得られる利益、すなわち、マーチャンダイジング力は3.62%(昨年2.43%)と、大きく改善した。PLANTはその他営業収入が計上されていないので、結果、マーチャンダイジング力=営業利益となり、今期は昨年と比べ、大幅な利益増となった。

   さて、気になるPLANTの財務状況であるが、自己資本比率は19.3%(昨年21.2%)と下がっており、依然として、約80%を負債に依存する状況である。営業利益率は大幅に向上していることから、負債の圧縮を図りたいところであるが、東日本大震災の影響が大きく、結果、負債の圧縮がはかれなかったといえ、厳しい結果といえよう。

   現在、PLANTの有利子負債は221.39億円(前期決算時234.29億円)と、総資産351.74億円の62.94%と、極めて重い負担となっており、いかに、この有利子負債を圧縮するかが最大の経営課題となっている。今回の中間決算では営業利益は大幅な増益となったが、当期純利益が赤字となったため、財務活動によるキャッシュフローに十分に回すキャッシュが確保できず、有利子負債の圧縮につながらなかったといえる。また、当然、投資活動によるキャッシュフローも、新規出店関連への投資、有形固定資産の取得による支出は0.24億円(昨年0.05億円)と、キャッシュを回すことはできず、極めて厳しい財務状況にあるといえる。  

   このように、PLANTの2011年9月期の中間決算は営業、経常段階では既存店の活性化が軌道にのり、増収増益となったが、残念ながら、3/11の東日本大震災の影響を受け、特別損失が発生し、当期純利益は赤字決算となった。現在、PLANTは自己資本比率が19.3%という厳しい財務状況にあり、負債の圧縮を最優先で進めざるをえない中での被災であり、今後の経営計画を大きく見直さざるをえない状況になったといえよう。特に、PLANT-4大熊店は原発の影響もあり、営業再開が厳しい状況にあり、今後、PLANT全体の利益はもちろん、売上高にも影響は必至であるといえる。PLANTが、今後、後半に向けて、どのような経営改革を打ち出すか、その動向に注目である。

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May 26, 2011 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

May 25, 2011

東京電力の2011年3月期決算を見る!

   東京電力が5/20、2011年3月期の決算を公表した。結果は売上高5兆3,685.36億円(7.0%)、営業利益3,996.24億円(40.5%)、経常利益3,176.96億円(55.5%)、当期純利益-1兆2,473.48億円と営業、経常段階では特に利益が大幅な増収増益となったが、当期純利益は、「東北地方太平洋沖地震により被災した資産の復旧等に要する費用または損失1兆204億円等を計上」したため大幅な赤字となった。また、自己資本比率は10.5%(昨年18.7%)となり、大きく減少、負債が90%弱となる厳しい財務状況となった。

   気になるのは、今回の決算で、「継続企業の前提に関する注記」が加えられたことである。この中で、冒頭に、「東北地方太平洋沖地震により被災した福島第一原子力発電所の事故等に関する原子力損害について、わが国の原子力損害賠償制度上、・・、当社グループの財務体質が大幅に悪化し継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような状況が存在している。・・」とのことで、財務的に厳しい状況になりうるとのことである。また、今回政府が公表した「東京電力福島原子力発電所事故に係る原子力損害の賠償に関する政府の支援の枠組み」についての詳細が、「今後の検討に委ねられていることや、立法化については今後国会での審議が必要となることを踏まえると、現時点では継続企業の前提に関する重要な不確実性が認められる。」とのことである。したがって、今回の決算は、「継続企業を前提して作成しており、継続企業の前提に関する重要な不確実性の影響を連結財務諸表に反映していない。」とのことある。

   要は、今後の損害賠償等の影響を今回の決算には反映していないということであり、反映するにも、政府の支援の詳細が国会審議に委ねられており、現時点では判断のしようがないという中での決算結果ということである。したがって、状況次第では、決算結果は大きく変動することがあり、結果、企業が今後とも存続できるかどうかは、判断ができないということであり、東京電力が自らの経営努力で企業を存続させることが極めて厳しい現状にあるという結果といえよう。

   今期の東京電力の決算では、営業段階では増収増益となったが、この数字は小売業において見ると、どのクラスの決算結果に近いかを見てみたい。まずは、セブン&アイHであるが、2011年2月期決算の結果は、営業収益5兆1,197.39億円(0.2%)、営業利益2,433.46億円(7.4%)であり、ほぼ同じ営業規模である。次に、イオンであるが、営業収益5兆965.69億円(0.8%)、営業利益1,723.60億円(32.4%)と、営業利益はやや下がるが、営業規模はほぼ同じである。したがって、小売業では、セブン&アイH、イオン、クラスの営業規模の企業が国家的な規模での財務負担を強いられるわけであり、「継続企業の前提に関する注記」がつくのは、当然といえば当然といえよう。

   しかも、今回の決算では自己資本比率がわずか10.5%となっており、金額では純資産が1兆6,024.78億円、総資産14兆7,903.53億円と比べると、実に厳しい状況にあるといえる。ただ、今期のキャッシュフローを見ると、キャッシュは現時点ではバランスがとれている。営業活動によるキャッシュフローは、本来、大きくマイナスになるのではと思われるが、今期は9,887.10億円(昨年9,882.71億円)と、昨年とほぼ同じ金額である。これは、災害特別損失として、1兆204.96億円が計上されたためであり、この分が当期純利益の赤字分を相殺している。そして、投資活動によるキャッシュフローであるが、-7,919.57億円(昨年-5,992.63億円)と、ここでも昨年に近い投資をしており、結果、フリーキャッシュフローは1,967.53億円(昨年3,890.08億円)とプラスである。

   これを踏まえて、財務活動によるキャッシュフローであるが、1兆8,595.79億円(昨年-4,950.91億円)と大きくプラスとなった。これは、長期借入による収入が2兆766.77億円あったためであり、結果、今期のキャッシュフローは2兆531.16億円(昨年-1,055.96億円)と大きくプラスに転じている。資産の現金及び預金も2兆2,482.90億円(昨年1,801.83億円)と大きくプラスになり、一見、営業面では厳しい結果であるが、キャッシュフロー面ではキャッシュを十分に確保した決算となった。

   こう見ると、この2011年3月期の東京電力の決算結果は、先行き不透明な経営見通しの中、当面のキャッシュは確保したといえる状況にあり、不安定な中でもキャッシュのバランスをギリギリで保っている状況といえよう。ただ、実際に莫大な損害賠償が現実のものとなり、さらに、福島原子力発電所の廃炉に多額の費用が発生した場合、今回の政府のスキームで耐えられるのか、予断をゆるさない状況が続くといえる。

   このように、今回の東京電力の決算結果を見る限りでは、当期純利益は-1兆2,473.48億円と、大幅な赤字となったが、キャッシュフローでは、営業活動によるキャッシュフローもプラス、結果、フリーキャッシュフローもプラスになり、さらに、長期借入を実施したため、最終的なキャッシュは2兆531.16億円のプラスとなり、現時点では豊富なキャッシュを確保した決算となった。一方、今回の原子力災害の財務スキームの国会審議はこれからであるといえ、これ次第では、継続企業の前提が崩れかねないといえる。まずは、今国会での審議結果が最終的にどのような決着となるかが、継続企業の前提を決めることになるといえ、この国会の審議の結果に注目である。 

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May 25, 2011 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

May 24, 2011

コンビニ売上速報、4月度、3.3%、落ち着く!

    コンビニの2011年4月度の売上速報が(社)日本フランチャイズチェーン協会から公表された。この売上速報は、同協会加盟のココストア、サークルKサンクス、スリーエフ、セイコーマート、セブン-イレブン・ジャパン、デイリーヤマザキ、ファミリーマート、ポプラ、ミニストップ、ローソンの主要コンビニ10社を網羅しており、日本全体のコンビニの現状を反映した数字であるといえる。この4月度は、3月度が3/11の東日本大震災の特需が発生しており、その反動がどのような結果となるかが注目されていた。その結果であるが、集計コンビニ43,492店舗の売上高は6,564.87億円となり、昨対では3.3%増という、堅調な結果となった。既存店は1.6%であり、3月度の9.2%(既存店7.7%)と比べても、プラスにはなったが、一段落した落ち着いた数字である。

    (社)日本フランチャイズチェーン協会も「3月11日に発生した東日本大震災により、前月は非食品売上の大幅なプラスがみられたがそれも収まり、震災、節電等によるイベント等の自粛により、サービス売上が2ヶ月連続でマイナスとなった。」とのことであり、非食品の売上が収まったことが大きいという。そこで、まずは、非食品を含め、各部門の数字がどのような結果となったかについて、3月度の数字と比較し、この4月度の結果を見てみたい。

    まずは、3月度、異常値となった非食品であるが、3月度23.8%(構成比36.4%)という結果であったが、この4月度は6.2%(構成比31.9%)となり、依然としてプラスでは推移しているが、伸び率は大きく下がっており、落ち着いた数字となった。コンビニの3月度の異常値は、この非食品に負うところが、極めて大きく、これ以外の部門は、大きな伸びは見られず、3/11の東日本大震災の影響は、コンビニの非食品を力強く押し上げたことによるといっても良い。実際、コンビニの中核部門、日配食品は3月度1.0%(構成比31.4%)という状況であり、これが、この4月度は3.3%(構成比33.8%)となり、改善している。構成比も3月度は非食品が36.4%とNo.1部門となったが、4月度は日配食品が33.8%とNo.1部門となった。

    ちなみに、非食品であるが、雑誌、書籍、新聞、衣料品、袋物類、文房具、ブラシ、玩具、雑貨、たばこ、ペットフード、乾電池、テープ、CD、電球・蛍光灯、電卓、燃料、人形、サングラス、履物、園芸用品、ゲームソフト、花火、洗剤、化粧品、医薬品、医薬部外品栄養ドリンク、陶磁器・ガラス器、金物、紙製品、フィルム、切手、はがき、収入印紙、装身具等である。

    次に、加工食品であるが、4月度は、2.1%(構成比29.3%)となり、3月度の3.7%(構成比28.3%)と比べるとやや伸び率が下がったといえるが、構成比はアップしており、堅調な結果となった。そして、先のコメントにもあったように、サービス部門であるが、4月度-15.1%(構成比5.0%)と大きくダウンした。3月度も-2.4%(構成比3.9%)であり、構成比は小さいが、2ケ月連続でのダウン、しかも、4月度は大きく下がっている。ちなみに、サービスの中身であるが、「コピー、ファクシミリ、宅配便、商品券、ギフト券、乗車券、各種チケット、テレフォンカード、宝くじ、D.P.E、レンタル、航空券、宿泊券、クリーニング等」であり、自粛が大きな影響を与えたといえよう。 

    一方、売上高の中身である客数、客単価の動向であるが、客数は1.5%(既存店0.2%)であり、微増であった。3月度が0.5%(既存店-0.6%)であるので、回復しているといえる。また、客単価であるが、1.7%(既存店1.4%)であり、3月度が8.7%(既存店8.3%)であり、いかに、3月度の既存店の客単価が異常値であったかがわかる。この4月度は客数同様、落ち着いた数字となっており、客数、客単価ともに堅調な数字となった。

    こう見ると、3月度の3/11の東日本大震災のコンビニへの影響は、全体としてはプラスに働いたが、その中身は、震災とともに非食品の異常値が発生し、これが既存店の客単価を大きく押し上げたことが大きかったといえる。逆に、その他の部門はむしろ厳しい状況であったといえ、客単価に対して、客数は伸び悩んだ。そして、その反動のこの4月度であるが、客数が回復し、コンビニ本来の日配食品が回復し、堅調な売上げをもたらしたといえる。ただ、依然として、サービス部門は、さらに大きな震災の影響が出たといえ、数字を落とす結果となった。コンビニにとっては、サービス部門の構成比が5.0%と低いがゆえに、全体へのマイナスの影響は低いといえるが、今後ともマイナスが続くようであると、徐々に影響がでることも予想される。

    このように、この3/11の東日本大震災後、2ケ月、3月度、4月度のコンビニの売上速報が公表されたが、3月度が非食品の特需が発生し、客単価を力強く押し上げ、異常値を作ったことが改めて鮮明になったといえよう。そして、この4月度は、その反動ともいえ、非食品が落ち着いた数字となり、全体も堅調な伸びとなった。ただ、依然としてサービス部門は大きなマイナスが続いており、震災の影響がまだ残っているといえる。次回、5月度はゴールデンウィークが入り、その後の状況が含まれることになるが、どのような数字となるか、その結果に注目である。

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May 24, 2011 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

May 23, 2011

食品スーパーマーケット、売上速報、3月、4月度!

   食品スーパーマーケット、上場企業22社の2011年3月度、4月度の売上速報を集計した。3/11以降、3月、4月度の売上がどのように推移したか、その速報値である。集計企業は、3月度の昨対で見た売上伸び率順に、Olympic:フード、ヤオコー、バロー、アークランドサカモト、マックスバリュ東海、スーパーバリュー、マルエツ、マックスバリュ西日本、ヤマザワ、ハローズ、いなげや、PLANT、マックスバリュ北海道、ダイイチ、マックスバリュ中部、マックスバリュ東北、オオゼキ、エコス、ユニバース、トーホー、イズミ、カスミの22社であり、総店舗数は1,823店舗となる。

   この中には、すでに上場廃止となったオオゼキも入っている。オオゼキはMBOで上場廃止になった後も、売上速報は公表しており、今回の集計に含めた。また、PLANT、アークランドサカモトはホームセンターが主力業態であるが、食品部門も展開しており、今回の集計に含めた。特に、3/11の東日本大震災の影響度が如実に反映される3月度はホームセンター業界の状況を見る上でも参考になるため、食品スーパーマーケットの売上速報の一環とした。

   さて、全体の結果であるが、3月度は110.2%(既存店105.0%)と、大きく売上げが増加した。集計22社の中で、昨対を割った食品スーパーマーケットは1社もなく、すべての食品スーパーマーケットが昨対を上回る結果となった。ただ、既存店に関しては数社、昨対を割る食品スーパーマーケットもあったが、まさに、3/11の東日本大震災がもたらした特需の結果といえよう。特に、120%以上となった食品スーパーマーケットは、Olympic:フード123.3%(既存店98.0%)、ヤオコー120.4%(既存店109.6%)、バロー120.2%(既存店107.3%)であり、特に、ヤオコー、バローは既存店も含め、高い伸び率である。

   ついで、110%以上の食品スーパーマーケットであるが、アークランドサカモト116.5%(既存店108.8%)、マックスバリュ東海113.9%(既存店106.9%)、スーパーバリュー112.8%、マルエツ112.8%(既存店108.2%)、マックスバリュ西日本111.3%(既存店100.7%)、ヤマザワ110.5%(既存店107.7%)、ハローズ110.5%(既存店103.8%)という結果である。こう見ると、食品スーパーマーケットもさることながら、ホームセンター関係も特需が発生したといえ、3月度の食品スーパーマーケット業界は3/11の東日本大震災の影響、計画停電、原発の風評被害等のマイナス要因を吸収し、逆に、特需が発生し、売上ベースが底上げされる結果となったといえる。

   なお、売上げが伸び要因を客数、客単価で見てみると、ここまで数字を公開している食品スーパーマーケットは少ないが、その結果は、客数106.1%(既存店102.15)、客単価105.7%(既存店105.0%)であり、客数、客単価ともにバランスよく伸ばしているといえる。さらに、PI値、平均単価まで見ると、PI値102.3%(既存店101.3%)、平均単価100.6%(既存店102.2%)であるので、既存店の平均単価が堅調であるといえ、これまでのデフレ、価格競争が震災により、緩和されたようである。

   そこで、次に、4月度であるが、結果は全体が105.0%となり、落ち着いた数字となった。ただ、特需の反動が発生していると思われるが、その影響が大きくは表れてはおらず、堅調な数字となった。既存店も100.8%と昨対を上回っており、大きな落ち込みはなかったといえる。特に売上げが伸びた食品スーパーマーケットであるが、Olympic:フード123.3%(既存店98.0%)、バロー116.0%(既存店105.3%)、アークランドサカモト116.0%(既存店110.0%)であり、この3社が115%以上売上げが伸びた。3月度120.4%伸びたヤオコーは4月度は111.9%(既存店104.9%)であり、やや下がったが、それでも110%以上伸びており、4月度もトップグループは大きく売上げを伸ばしているといえる。

   さらに、103%までの食品スーパーマーケットを見てみると、ヤオコー111.9%(既存店104.9%)、ハローズ107.6%(既存店101.5%)、マックスバリュ西日本107.2%(既存店98.8%)、マックスバリュ北海道106.0%(既存店104.9%)、スーパーバリュー 105.9%、マックスバリュ東海104.9%(既存店99.9%)、ダイイチ104.8%(既存店97.2%)、ヤマザワ104.7%(既存店103.6%)、マックスバリュ中部103.6%(既存店102.6%)、オオゼキ103.2%(既存店97.8%)、イズミ103.0%(既存店102.5%)という結果である。

   なお、3月度、4月度やや伸び悩んだのは、今回の集計企業の中では、茨城県という被災地に店舗展開をしているカスミであり、3月度101.5%、4月度98.2%という結果であった。また、同じく、被災地に店舗展開をしているマックスバリュ東北であるが、3月度106.1%(既存店106.7%)、4月度96.2%(既存店96.9%)と、3月度は堅調な数字であったが、4月度は厳しい結果となった。

   このように、食品スーパーマーケット業界の上場企業で月次売上速報を公表している22社、1,823店舗の3/11の東日本大震災のあった3月度、及び、翌月の4月度の結果は3月度が110.2%(既存店105.0%)、4月度が105.0%(既存店100.8%)となり、3月度は明らかに特需が発生したといえよう。そして、4月度もその余韻が残っており、堅調な結果となったといえる。したがって、商品の動向に大きな構造変化が起こったものといえ、今後、もとにもどるというよりも、新たな消費動向に変化しつつあると思われ、食品スーパーマーケット業界としては、この3月度、4月度の消費動向をしっかり見極め、今後の営業戦略を決めてゆく必要があろう。次回、ゴールデンウィーク後、5月度の結果がどのような数字となるか、その動向に注目である。

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May 23, 2011 in 経済・政治・国際, 食品スーパーマーケット売上速報 | | Comments (0) | TrackBack (0)

May 22, 2011

リフト値から販促を考える!

   前回のブログに続き、リフト値について考えて見る。そもそも、リフト値のリフトが日本語ではよくわからない言葉である。なぜ、リフトなのか、何をリフトするのかである。ここが明確に認識されていないがゆえに、リフト値はクロスマーチャンダイジングの象徴的な指標として、独り歩きしているといえる。特に、併売分析と混同されることが多く、こうなると因果関係が逆転し、わけがわからなくなる。ただ、それも真といえば、真であり、実は、リフト値と併売分析とは強い因果関係がある。 

   そこで、まずは、リフト値のリフトの意味であるが、これは文字通り、Liftから来ている言葉であり、持ち上げるという意味である。何が何を持ち上げるかであるが、実はこれが、かなり誤解されており、持ち上げるとは一方的な図式が成り立っていると思われているが、実際は相互である。たとえば、商品Aと商品Bがあった場合、リフト値を算出した場合、商品Aが商品Bをリフト値Lで持ちあげていることが分かった場合は、同時に、商品Bも商品Aをリフト値Lで持ち上げている。すなわち、逆も真であり、リフト値は一方的な関係ではなく、相互補完関係にある。したがって、リフト値よりも、相性値とした方がその本質に近いといえ、リフト値は商品同士の相性の強さを表したものであるといえる。

   次に、併売分析との関係であるが、リフト値は併売分析から生まれる指標であり、併売分析がないと算出できない指標である。もうひとつ重要な指標がPI値である。ただし、このPI値は客数PI値のことであり、この2つの指標から算出される。リフト値はアメリカで開発されたため、併売率のことを信頼度(Confidence)と呼ぶが、これは分母が全体の場合である。併売率には、もうひとつ、分母が商品になる場合もあり、これがリフト値と関連してくる併売分析である。ちなみに、客数PI値はsupportと呼ぶ。ここから、リフト値は併売率(商品)/客数PI値で計算され、1.0以上のものが、まさに、リフトすると判断され、1.0以下のものが逆にダウンすると判断される。

   さて、通常は、これでリフト値はお終いであり、様々な商品のリフト値を算出し、実戦に入ることになるが、ここで、このリフト値を別の角度から検討してみたい。まずは、リフト値の数式であるが、リフト値=併売率(商品)/客数PI値であるので、これを変形すると、併売率(商品)=リフト値×客数PI値となる。これは何を意味しているかであるが、併売率はリフト値と客数PI値の掛け算で構成され、理想的な併売率はリフト値も客数PI値も高い商品であり、ついで、どちらかが高い商品となる。いずれにせよ、併売率を引き上げるには、この2つの指標が鍵を握っているということである。

   したがって、そもそもリフト値を実戦投入する目的は対象商品の顧客から、どれだけ顧客を獲得できるかにあるので、見方を変えれば、併売率を上げることであるといえる。したがって、リフト値が低くとも、客数PI値が極めて高ければ、併売率は高まることになり、このバランスが販促には重要な課題であるといえる。ここがリフト値の実戦的な活用のポイントであるといえ、リフト値だけでなく、特に客数PI値、そして、併売率(商品)も見ることがポイントであるといえる。

   そして、もうひとつ、通常、リフト値はレシートをもとに算出されるが、販促という観点から考えると、IDのリフト値をまず算出することが要諦である。なぜなら、本来の目的は対象商品を通じて、顧客を増やすことにあるといえ、そのためには、まずはID、そして、次がレシート、さらには、点数、金額という順になるからである。この一連の流れが、真の販促であり、しかも、これを一瞬の内に結果を出すのではなく、段階的に時間をかけて、確実に結果を出すことがポイントであるといえる。

   ID-POS分析では、売上高=ID×ID金額PI値=ID×ID客数PI値×金額PI値=ID×ID客数PI値×PI値×平均単価と分解できる。したがって、この一連の流れに沿って、まずは、IDの獲得を確実に実行し、次に、ID客数PI値、すなわち、レシート枚数を増やし、そして、PI値のアップ、平均単価の改善に入ることにより、商品の売上高が確実にあがることになる。しかも、できるだけ、速く結果を出すためには、計画的な取り組みが必須であり、結果、52週、104週、156週のマーチャンダイジングが課題となる。

   このように、リフト値は単なる商品間の関連度合いを見るための一指標ではなく、実は、販売促進の根幹にかかわるID-POS分析ならではの決定的な指標であるといえる。ID-POS分析ができるのであれば、IDからリフト値の算出を行い、併売率を高めるためのIDの獲得をまずは優先し、PI値にも注目すべきである。そして、次に、ID-POS分析の原点にもどり、従来のレシートのみへの落とし込みから、まずはID、そして、レシート、すなわち、ID客数PI値、PI値、平均単価の改善に踏み込み、段階的に売上高を、しかも、確実に引きあげてゆく販促手法を開発すべきであるといえよう。ID-POS分析ができるのであれば、このIDのリフト値にトライして欲しいところだ。

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May 22, 2011 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

May 21, 2011

リフト値はおもしろい!

   ここ最近、リフト値に触れる機会が多い。リフト値とは商品同士の関係を指標化したものであり、その起源は古い。ID-POS分析が開発される以前からリフト値は使用されており、いまでも様々な小売業が活用している。特に、クロスマーチャンダイジングを実戦する上においては、必須の指標であるといえ、ある商品とある商品がクロスマーチャンダイジングに適しているかどうかは、リフト値を算出し、この指標で判断することが一般的である。

   この指標、リフト値が古くから、小売業で実戦投入されていたのは、ID-POS分析ではなく、通常のPOS分析でも可能であるからである。以前、あるメーカーで、ID-POS分析のデータを入手したが、リフト値をもとにクロスマーチャンダイジングにふさわしい商品を選定して欲しいという依頼があった。そこで、早速、そのID-POS分析のデータを見てみると、そこにはIDが一切なく、あるのは、レシートのみの分析データであった。メーカーにデータを提供した小売業も、そのデータを入手したメーカーもリフト値はID-POS分析特有の分析と思っていたようであるが、実は、そうではない。現在、広く実戦されているリフト値はその大半がID-POS分析ではなく、通常のPOS分析の延長である。

   そもそも、リフト値は極めて単純な集合論であり、一見、計算式が複雑なように見えるが、リフト値のイメージを理解してしまえば、極めて単純な指標であることがわかる。そのイメージとは、まずは、商品が2つあり、その2つの商品が双方同時に購入されている場合もある関係があるとする。次に、その商品が通常購入される比率とその商品がもう一方の商品と同時に購入される比率とを見比べる。この時、通常購入される比率ともう一方の商品と同時に購入される比率の関係がリフト値である。すなわち、その商品が全体の中で購入されるよりも、もう一方の商品と同時に購入される比率との関係のことであり、これを指標化したものがリフト値である。

   したがって、リフト値が1以上となれば、その商品は通常の売場で販売するよりも、もう一方の商品とクロスマーチャンダイジングをかけた方が、より売れる可能性が高く、逆に、1以下であれば、クロスマーチャンダイジングをかけると、逆に売れなくなってしまう可能性があるということである。リフト値は高ければ高いほど良いといえ、実際に算出すると、10倍、20倍、50倍、100倍となることもある。

   以上がリフト値の概略であり、ここにはID-POS分析の必然性はなく、商品同士の集合論であるので、レシートのみ、すなわち、通常のPOS分析でもリフト値は算出することができる。実際、現在、実戦投入されているリフト値の大半はID-POS分析ではなく、通常のPOS分析であり、IDを把握しなくとも、算出可能なリフト値である。

   ちなみに、リフト値は逆から見ても同じ数字となる。2つの商品があった場合、どちらのリフト値も全く同じ数値となり、2つの商品があった場合は、どちらかのリフト値を算出すれば良く、2つのリフト値を算出する必要はない。これは、実際に2つの商品の関係を図解し、その関係を計算してみれば、実証できることである。たとえば、全体をZ、ひとつの商品のみを購入している数字をA、もう一方の商品のみを購入している数字をB、双方を購入している数字をCとすれば、リフト値はAから見た場合は、C/(B+C)/(A+C)/Z=C*Z/(B+C)*(A+C)となる。一方、Bから見たリフト値は、C/(A+C)/(B+C)/Z=C*Z/(A+C)*(B+C)となり、分母も分子も同じとなるからである。

   さて、ここでID-POS分析のリフト値はないのかであるが、ある。あまり一般化してはいないが、本来、ID-POS分析をするのであれば、ID-POS分析のリフト値を算出すべきである。従来のリフト値のレシートの代わりにIDとすれば、全く同じ考え方で、IDのリフト値を算出することができる。すなわち、2つの商品のIDの数、双方を同時に購入するIDの数、全体のIDの数が分かれば、ここからIDのリフト値を算出することが可能である。

   というよりも、本来はこれがリフト値の本質であろう。すなわち、対象商品の購入顧客を増やすのが、目的であるはずであり、その後、継続的にリピートしていただくことで、商品の売上アップにつながってゆくからである。したがって、これまでのレシートのリフト値はIDのリフト値の中に含まれる関係となり、より、顧客の購入実態をイメージとして鮮明に把握することができ、真のクロスマーチャンダイジングにつながるものといえよう。

   このようにリフト値は、レシートのリフト値のみで終わることなく、IDのリフト値にまで踏み込み、本来の商品の購入顧客の購入実態に迫り、そこからクロスマーチャンダイジングを検討すべきではないかと思う。この2つは対立する関係ではなく、IDがレシートを包み込む関係にあり、双方を算出し、さらに、金額、数量にまで踏み込み、ID-POS分析そのものの一環として、リフト値をとらえ直すべきではないかと思う。その意味でリフト値は、奥が深く、実におもしろい指標であるといえる。 

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May 21, 2011 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

May 20, 2011

スーパー大栄、2011年3月期決算、減収減益!

   食品スーパーマーケット業界、2011年3月期決算の上場企業の公表も残り数社となった。その1社、スーパー大栄の決算が5/18、公表された。結果は、売上高272.70億円(-5.2%)、営業利益-0.46億円、経常利益-0.84億円、当期純利益-1.47億円と、減収減益、特に、利益はいずれの段階でも赤字となる厳しい決算となった。自己資本比率も31.6%(昨年32.2%)と、さらに下がり、財務状況も厳しい結果といえる。

   この結果に関して、スーパー大栄は大きく2つの経営環境の激変の影響があったとコメントしている。ひとつは、競合店のあいつぐ出店による影響である。これについて、「SM事業部の店舗地域では、競合スーパーだけでなく、ドラックストア等の出店ラッシュで、低価格戦略の影響を受け、採算面で再生が厳しいと思われる店舗が発生しました。」とのことである。さらに、「特に、吉塚店とバーニュ半道橋店につきましては、競合店の出店で集客力も激減し、将来的に再生が厳しいと判断し、吉塚店を平成22年9月、バーニュ半道店を平成23年3月に閉鎖いたしました。また、高江店につきましても店舗の老朽化が激しく、再投資しても投資効果と回収可能性の両面から検証して採算はとれないと判断し、平成22年12月に閉鎖いたしました。」とのことで、店舗の閉鎖があいついだとのことである。

   そして、2つ目は、「昨年の夏、記録的な猛暑の影響で農作物が大幅な不作となり入荷量が激減した事や鮮魚部門においては海水温の温暖化で海の生態系が変わり漁獲量が大幅に減るなど、青果・鮮魚とも異常な品不足と価格高騰の影響で、生鮮比率の高い鮮ど市場は大打撃を受けました。」とのことである。また、この鮮ど市場に関しても、「鮮ど市場店舗の集積する商圏内に競合スーパーが集中して新規出店し、異常なまでの低価格で誘致作戦を展開いたしました。その結果、集客力が大幅にダウンし、売上高は予想を下回りました。」とのことで、ひとつめの影響も同時に受けたとのことである。

   スーパー大栄は、平成14年以降、鮮ど市場が戦力業態であり、鮮ど市場永犬丸店(平成14年8月)、吉野家永犬丸店(平成14年9月)、鮮ど市場行橋店(平成15年10月)、鮮ど市場福間店(平成16年4月)、鮮ど市場浅川店(平成17年10月)、鮮ど市場直方店(平成18年5月)、鮮ど市場岡垣店(平成18年11月)、鮮ど市場本城(平成19年8月)、鮮ど市場上津店(平成20年8月)、鮮ど市場花瀬店(平成21年10月)、サンディ行橋店(平成22年9月)、鮮ど市場稲築店(平成22年10月)、サンディ筥松店(平成22年11月)と、鮮ど市場がスーパー大栄の成長を支えてきたといえる。その主力業態が今期、先にあげた2つの影響を受けたことが、全体の業績に大きな影響を与えたといえよう。

   このような経営環境の激変により、営業利益は赤字に転落したが、その要因を原価、経費面から見てみたい。まずは、原価であるが、79.07%(昨年78.68%)となり、0.39ポイントと大きく上昇している。まさに、競合店の価格訴求の影響が響いたといえよう。結果、売上総利益は20.93%(昨年21.32%)となった。一方、経費の方であるが、22.42%(昨年22.07%)と、0.35ポイントと、こちらも大きく上昇している。結果、差し引き、商品売買から得られる利益、マーチャンダイジング力は-1.49%(昨年-0.75%)となり、マイナス幅が大きく拡大する結果となった。原価、経費、双方がダブルで大きく上昇したことが大きかったといえる。

   そして、これに、不動産賃貸収入、物流収入等のその他営業収入が1.33%(昨年1.30%)加わり、結果、営業利益は-0.16%(昨年0.55%)となり、赤字となった。今期は原価、経費、その他営業収入と、トリプルで昨年よりも、売上対比が下がっており、厳しい利益構造となったことが、その要因といえよう。それにしても、まさに、経営環境の激変が起こったといえ、競合店のインパクトがいかに大きかったかがわかる。

   これを受けて、来期予想であるが、売上高273.00億円(0.1%)、営業利益1.40億円、経常利益1.00億円、当期純利益1.00億円と、わずかではあるが、増収増益である。これについて、スーパー大栄は、「次期の見通しにつきましては、積極的に店舗展開する方針であり、サンディ事業部で3店舗、フレッシュ8事業部で1店舗の新規出店を計画しております。」とのことで、積極策に転じるとのことである。

   このように、スーパー大栄の2011年3月期の決算は、減収減益、しかも、赤字という極めて厳しい決算となった。競合店の新規出店、ディスカウント政策に加え、生鮮の仕入れ環境の激変もあり、経営環境が大きく変化したことが大きかったといえる。したがって、原価、経費、その他営業収入等のいずれもダウン、トリプルで利益構造への大きな影響があり、営業利益が赤字となった。この今期の厳しい経営環境は来期も継続し、厳しさを増すものといえるが、スーパー大栄はあえて、来期は、新規出店を行い、積極策に転じ、収益の改善をはかるという。通期予想では増収増益を目ざしているが、どのような結果となるか、まずは、次の第1四半期決算の結果に注目である。

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May 20, 2011 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

May 19, 2011

いなげや、2011年3月期決算、減収営業増益!

   いなげやが5/10、2011年3月期の本決算を公表した。結果は、営業収益2,199.42億円(-1.7%)、営業利益37.84億円(11.2%)、経常利益 40.71億円(10.9%)、当期純利益 7.73億円(-41.0%)と、当期純利益は、資産除去債務会計基準の適用に伴う影響額が-15.46億円発生し、減収となったが、営業、経常段階では、増益となった。仮に、-15.46円が発生しなければ、当期純利益も増益であり、いかに、いなげやにとって、資産除去債務会計基準の適用に伴う影響額が大きかったかがわかる。ちなみに、来期は、2月期決算企業にも適用されるので、今期の3月期決算企業同様、当期純利益は厳しいものとなろう。

   さて、まずは、営業収益が伸び悩んだ要因であるが、既存店売上高が前期比3.3%減となったことに加え、「平成22年6月に新狭山駅前店(埼玉県狭山市)をはじめ、「価格に頼らない、楽しい、美味しそうな、鮮度感あふれる商品づくり・売場づくり」の具現化を目指したニューSSMタイプとして平成23年2月に志木柏町店(埼玉県志木市/スクラップ&ビルド)、同年3月に保谷駅南店(東京都練馬区)ならびに同年同月に川崎下小田中店(川崎市中原区)の合計4店舗を新規開設いたしました。」と4店舗の新店を出店したが、「スクラップ&ビルドにともない1店舗、契約満了などにより3店舗を閉鎖いたしました、・・」とのことで、結果、総店舗数が125店舗と、昨年同様の店舗数であったことが大きかったといえよう。

   一般に、食品スーパーマーケットの成長戦略は既存店ではなく、新規出店で決まるといえ、成長を維持するには、毎年、一定の店舗を新規出店する必要がある。いなげやの場合は、総店舗数が125店舗であるので、5%の成長を目指すのであれば、6店舗以上の新規出店が欲しいといえる。10%であれば、12店舗以上は欲しいところである。したがって、この店舗数を新規出店するための立地、設備、従業員の確保に加え、財務基盤の安定も必要といえる。特に、食品スーパーマーケットの場合は新規出店にかかる投資は莫大であり、財務基盤の確立は成長戦略を支える上での最大の経営課題であるといえる。

   そこで、いなげやの財務基盤を見てみたい。まずは、今期の自己資本比率であるが、53.7%(昨年57.1%)と、当期純利益が減益となったことなどにより、昨年よりは若干下がっているが、前期の決算公開企業約50社の平均が41.3%であるので、高い数字である。一方、出店に関わる資産である、土地、建物、差入保証金の合計であるが、408.66億円(昨年388.81億円)であり、総資産811.60億円の50.35%である。また、1舗当たりでは、3.26億円となる。したがって、差し引き、自己資本比率との差、すなわち、自己資本でどこまで出店にかかわる資産をカバーできるのかを示す出店余力は3.35%であり、プラスである。したがって、負債に大きく依存することなく、新規出店が可能であり、しかも、1店舗当たりの出店にかかわる資産は3.26億円と、これも前期の決算公開企業約50社の平均が4.73億円であるので、低い数字である。

   この財務状況を見る限りでは、安定的、継続的な新規出店を前提とした成長戦略は可能であるといえるが、残念ながら、今期は4増4減となったため、減収を余儀なくされた結果となった。ちなみに、投資活動によるキャッシュフローであるが、有形固定資産の取得による支出-41.73億円(昨年-41.68億円)であるので、約10店舗分にあたる投資を昨年も、今期も行っており、もう数店舗、新規出店が可能であれば、今期も、増収は可能であったのではないかと思われる。ただし、この中には、食品スーパーマーケット以外に、ドラック等への投資もあるので、食品スーパーマーケットだけで見ると、もう少し店舗数は少ないといえよう。

   ちなみに、来期の通期は、営業収益2,245.00億円(2.1%)、 営業利益39.00億円(3.1%)、経常利益 42.00億円(3.2%)、当期純利益 14.00億円(81.0%)と増収増益、特に、当期純利益は大幅な増益となり、堅調な予想であり、今期とは一転、成長性も回復する見通しである。

   さて、一方、営業利益が増益となった要因であるが、原価は72.68%(昨年72.78%)と、0.10ポイント減少した。結果、売上総利益は27.32%(昨年27.22%)となった。これに対して、経費の方であるが、29.29%(昨年29.39%)と、0.10ポイント減少している。結果、差し引き、商品売買から得られる利益、マーチャンダイジング力は、-1.97%(昨年-2.17%)と、依然として、マイナスではあるが、その幅が縮まっている。そして、これに、不動産収入、物流収入などの、その他営業収入が3.76%(昨年3.75%)加わり、営業利益は1.79%(昨年1.58%)と大きく改善し、増益となった。原価、軽費、そして、その他営業収入と、トリプルで改善したことが、増益となった要因といえる。

   このように、いなげやの2011年3月期の決算は、3月度の決算企業から適用された資産除去債務会計基準の適用に伴う影響額が大きく、当期純利益が減益となったが、営業、経常段階では原価、軽費、そして、その他収入がトリプルで改善されたため、増益となった。ただ、依然として、マーチャンダイジング力のマイナス幅は大きく、営業利益がプラスの要因は、その他営業収入の貢献が大きいといえ、引き続き、経費削減が経営課題といえよう。今後、いなげやが、さらに、収益の改善に向け、特に、課題ともいえる経費削減をどのように進めてゆくのか、その動向に注目である。

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May 19, 2011 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

May 18, 2011

販売促進の評価と顧客視点!

   販売促進を評価する指標は長らく売上金額か売上数量であった。一歩進んで、レシートを加味し、PI値を活用する場合でも、レシート当たりの売上金額、すなわち、金額PI値か、レシート当たりの売上数量、すなわち、PI値で販促効果を判断することになる。いずれも、商品の動きをもとに販促の効果を見るところにポイントがある。そこで、ここでは、顧客からの視点で販促効果を測定する評価指標について考えてみたい。

   顧客からの視点とは何か、また、具体的にどのように、その評価指標を算出するかであるが、これが、いわゆる、ID-POS分析にその答えがある。通常のPOS分析ではIDという顧客視点が入っていないため、顧客志向といいながら、実際は商品の動きを追っているのみである。ID-POS分析を実施した場合のみ、はじめて、ID、すなわち、顧客視点が入り、商品の動きだけではなく、顧客の動きをとらえることができる。その意味で、IDなくして、顧客視点を取り入れることは不可能である。

   そこで、まずは、顧客からの視点であるが、これは、販売促進を商品の動きでとらえるのではなく、顧客の動きとしてとらえることである。ある商品が売れた時には、通常は、商品の動きを見て判断するが、もう一歩、掘り下げ、その商品を購入した全顧客の動きを見るとことである。商品が1個でも売れた時には、必ず、その商品を購入した顧客が存在する。通常のPOS分析では分析不可能であるが、実際には、その背後には顧客の存在があり、そこを見ることである。

   どう見るかであるが、まずは、購入顧客は何人かを見る。これがはじめの視点である。次に、その購入顧客全員の、その商品の購入履歴を見る。ここが顧客からの視点における最大のポイントである。購入履歴とは、実は、これまでのPOS分析では、絶対に把握することができなかったものである。なぜなら、ここには、時間という視点が入っているからである。時間とは、顧客が過去どのような購入をしたかのことであり、この期間をさか戻ることが、顧客からの視点で新たに加えるべきポイントである。

   どのように購入履歴を見るかであるが、まずは、その商品をはじめて購入する顧客かどうかを見る。いわゆるトライアルである。商品の購入顧客には、このようなトライル顧客が存在していることが多く、このようなトライル顧客を数多く集めることが、販売促進の目的のひとつであるといえる。

   次の購入履歴の見方は、その商品を過去に購入した経験のある顧客を見極めることである。ただし、この中には、過去、何度もその商品を購入している顧客もいれば、まだ、2回目、3回目と経験の浅い顧客もいるので、顧客を2つか、3つのグループに分けて考えると顧客をつかみやすいといえよう。たとえば、数回の購入履歴の顧客をライトユーザー、数10回の顧客をミドルユーザー、数100回の顧客をヘビーユーザー等に分けて見るとわかりやすいといえる。

   ここで、購入履歴を見る場合、もうひとつ視点が必要といえる。購入履歴の期間である。これは、購入履歴が数10回の場合でも、ある特定期間に集中している購買か、それとも、毎週毎週、毎月毎月、購入が発生しているのかを見ることである。特に、ミドルユーザー、ヘビーユーザーにおいては、集中して購入している顧客よりも、定期的に購入している顧客の方が、将来に渡って、購入を保障してくれる可能性が高いといえ、ある期間では差がなくとも、長期間では大きな差となる可能性が高いからである。

   これが顧客からの視点で販売促進を見るポイントであり、これを販売促進の評価にまで活用することである。そして、そのためには、その具体的な評価指標を算出する必要がある。それがID-POS分析の役割であるといえる。

   では、ID-POS分析で、顧客からの視点をどう指標化するかであるが、まずは、期間設定である。たとえば、1年とする。そして、この1年間に販売促進対象の商品を購入した全顧客をリストアップする。次に、その顧客がその商品をいつ、何回購入したかを把握する。基本指標はこの3つである。ここから、顧客視点を加味した販売促進の指標づくりになるが、ひとつの指標は顧客の購入回数/顧客ID、これが購入頻度であり、ID客数PI値である。そして、もうひとつの指標が、1年間にどのようなサイクルで購入しているかを指標化することである。たとえば、毎月その商品を購入している場合は月頻度12、2ケ月に1回購入、すなわち、年間6ケ月購入が発生している場合は月頻度6というようにである。

   このように、販売促進を顧客の視点から評価するには、このようなID客数PI値、月頻度を駆使し、販売促進の結果、新たな顧客IDを増やしたのか、ライトユーザーがミドルユーザーになったのか、あるいは、ミドルがヘビーになったのか、さらには、ヘビーの頻度がさらに上がったのかなどを見極め、顧客の動きから販売促進を評価し、次の販売促進に活かすことがポイントである。ID-POS分析ができるのであれば、是非、このような観点から販売促進を評価し、新たな販売促進の効果的な新サービスを開発して欲しいところである。

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May 18, 2011 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

May 17, 2011

ヤオコー、2011年3月期決算、増収増益!

   ヤオコーが5/9、2011年3月期の決算を公表した。結果は営業収益2,210.61億円(7.1%)、営業利益96.03億円(11.7%)、経常利益94.18億円(11.3%)、当期純利益 51.48億円(6.6%)となり、増収増益の好決算となった。当期純利益は、減損損失2.68億円、資産除去債務会計基準の適用に伴う影響額4.42億円が計上されたため、増益幅がやや下がったが、そのマイナスを吸収し、プラスとなっており、ヤオコーの収益性の高さが光る決算となった。

   そこで、まずは、ヤオコーが増収となった要因であるが、今期は、「店舗につきましては、4月に桐生境野店(群馬県桐生市)、7月に草加原町店(埼玉県草加市)、9月に鴻巣吹上店(埼玉県鴻巣市)、10月に佐倉染井野店(千葉県佐倉市)、相模原下九沢店(神奈川県相模原市)、11月に八王子並木町店(東京都八王子市)、2月に大宮大成店(埼玉県さいたま市)の7店舗を開設いたしました。」とのことで7店舗の新店が大きく貢献したといえる。ヤオコーは、「埼玉県69店舗、千葉県13店舗、群馬県12店舗、茨城県8店舗、栃木県5店舗、東京都3店舗、神奈川県1店舗の計111店舗と、・・」と、現在111店舗であるので、7店舗は6.3%に当たり、また、既存店も100.3%で推移したことも大きかったといえよう。

   ここでヤオコーの投資活動によるキャッシュフロー、特に新店にかかわる有形固定資産の取得による支出であるが-109.53億円(昨年-96.05億円)であり、昨年同様の約100億円を投資しており、新店開発が順調に推移しており、安定的、継続的な成長戦略が図られているといえる。したがって、来期も、9月までに5店舗の新規出店が計画されており、来期も堅調な成長がはかられるといえよう。実際、通期予想は、営業収益2,300.00億円(4.0%)、営業利益99.50億円(3.6%)、経常利益 96.50億円(2.5%)、当期純利益53.70億円(4.3%)であり、増収増益の計画である。

   一方、営業利益が11.7%増となった増益の要因であるが、原価、経費面から見てみたい。まずは原価であるが、71.06%(昨年71.16%)と、0.10ポイント改善している。結果、売上総利益は28.94%(昨年28.84%)となった。特に、この3月度は、「スーパーマーケット業界におきましては、デフレが続くなか低価格志向は変わらず、安売り競争が続いておりましたが、3月の震災後は福島第一原子力発電所問題も重なって、先行き不安などから一転して仮需要が発生し、商品の品薄状態が続きました。」とのことで、需要が供給を上回っており、これらの寄与も少なからずあったものと思われる。また、「『ヤオコーらしい独自商品の開発』につきましては、生鮮部門において近隣漁港からの高鮮度商品の産地直送や産直野菜の拡大など引き続き産地・地方市場開拓に積極的に取組みました。グロッサリー部門においても、パン、デザート、乳製品など日配食品分野を中心に、メーカーとのタイアップや生産者の協力を得て、味や品質にこだわったヤオコー独自仕様によるプライベートブランド商品の開発・リニューアルを政策的に進め、お客さまのご支持をいただいております。」とのことで、商品開発に力を入れたことも大きかったといえよう。

   ただ、一方で、「低価格競争時代に対応し価格政策も大きく見直しを行ないました。具体的には価格コンシャスを徹底するという観点から、競合他社の価格調査も踏まえ、従来よりは価格帯を広げ、頻度品の下限価格を引き下げるとともに中心価格帯より少し上のセミアップグレード商品の品揃えも強化し、より広いお客さまのニーズに対応できるようにいたしました。」とのことで、ヤオコーとしても、価格政策を強化してもいる。

   そこで、経費の方であるが、28.85%(昨年28.95%)と、0.10ポイント削減している。これについて、ヤオコーは、「経費削減につきましては、経費主管部の集約化など体制強化を図り、販売・事務消耗品から店舗施設関係経費まで全般に亘って発注方法、仕様の見直しなど徹底したコスト削減に努め、成果を上げております。」とのことで、経費削減に関しても徹底して取り組んだとのことである。

   結果、差し引き、商品売買から得られる利益、マーチャンダイジング力は、0.09%(昨年-0.11%)と、マイナスからプラスに転じた。原価、経費、ダブルでの改善が大きかったといえよう。ただ、経費比率28.85%は食品スーパーマーケット業界ではまだまだ高めの比率であり、今後、ヤオコーがどこまで踏み込めるかが課題といえよう。そして、これに不動産収入、物流収入等のその他営業収入が4.45%(昨年4.46%)加わり、営業利益は4.54%(昨年4.35%)と増益となった。

   このように、今期のヤオコーの決算は、3月度決算ということで、3/11の東日本大震災の影響に加え、資産除去債務会計基準の適用に伴う影響額が懸念されたが、結果、当期純利益を含め、増収増益の好決算となった。ヤオコーの収益性が光る決算結果となったといえよう。特に、今期は各社が新規出店を抑制する傾向がある中、安定的、継続的な新規出店がなされ、来期も同様な計画が組まれており、これが増収へ寄与したものといえる。来期、ヤオコーが今期の決算を踏まえ、どこまで収益を改善するか、特に課題ともいえる経費比率の改善に注目である。

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May 17, 2011 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

May 16, 2011

ドコモ、テザリング解禁か?

   5/14の日経、1面トップに、「「光」並み通信、携帯で中継」、「ドコモなどがパソコン向け、固定回線不要に」という見出しの記事が掲載された。小見出しは、「無線・有線すみ分け崩れる」であり、図解を踏まえ、大きく取り上げている。さらに、この記事は3面、11面にも解説記事が掲載されており、力の入った内容である。5/14は土曜日であるので、株式市場は開かれておらず、その反応は、5/16(月)以降になるといえ、どのような結果となるか、興味深い動きが予想されよう。

   この記事のポイントは、携帯電話会社のみへの影響に留まらず、通信関連全般、インターネット関連全般、特に、パソコン関連、そして、家電等に関わってくるといえ、幅広い影響が各分野で起こるものといえ、実現すれば少なからぬインパクトが多方面へ波及するといえよう。M&A、業務提携、しかも、世界的な規模で起こる可能性もあるといえよう。
  
   さて、その内容であるが、日経11面に解説記事が掲載されており、それを見ると、「ドコモ携帯で通信中継、高速接続「光」主役に転換」という見出しでの解説記事である。この手法は、「テザリング」と呼ばれており、記事を見ると、「スマートフォン経由でパソコンをインターネットに接続する手法は「テザリング」と呼ばれ、ドコモ、KDDI、ソフトバンクモバイルなどの携帯電話大手は利用を原則禁止してきた。」とのことで、その理由は、回線のパンクが起こりかねないということだそうだ。したがって、これまでは、このテザリングは構想としてはあっても、その実現が技術的に難しいという状況であったとのことである。
  
   それが、「ドコモがテザリングを本格化することにより、広範な地域で高速中継サービスが可能になり、光回線に対抗する有力な「ラストワンマイル」が生まれることになる。」とのことである。そして、「新サービス利用者はスマートフォン1台あれば、あらゆる機器でインターネット接続できるようになり、・・」とのことである。ここにスマートフォンが登場することになる。要は、スマートフォンが通話とデータの利用であった機器から、インターネット通信の通信基地との経由機器をかねるということである。スマートフォンさえあれば、これまでのように、インターネット回線にケーブルでつなぐ必要がなくなり、しかも、1台のスマートフォンで複数のパソコン、ゲーム機、家電等につなぐことができるとのことである。
   
   当然、NTTとしては、打撃を受けることになる。記事の中でも、「NTT東・西では光回線などのネット接続サービスが売上高の約4割を占め、収益の柱となっている。携帯会社との競争によって料金引き下げなどを迫られ、収益を圧迫される可能性もある。」とのことで、今後は携帯回線か光回線のどちらかを選択できるようになるとのことである。
   
   ドコモはNTTの子会社ではあるが、そのドコモが本格的にテザリンングに踏み切らざるを得ないほど、市場激変がおこりつつあるということであり、NTTとしても、トータルでの判断が働いているものと思われる。
  
   では、その市場激変とは何かであるが、2つの変化といえよう。ひとつは、国内、そして、もうひとつは海外である。国内では、ちょうど2011年3月期の携帯電話の決算が公表されたが、注目すべきは、ソフトバンクの総合ARPUが昨対を超えたことである。ここ数年、携帯電話会社の総合ARPUは低下傾向であったが、ソフトバンがiphoneを投入したことにより、データ(パケット)ARPUが急上昇し、音声ARPUの低下を補い、とうとう、この決算で世界ではじめて、データ(パット)ARPUが音声ARPUを逆転、しかも、総合ARPUをも押し上げる決算となったことである。ドコモ、auも同様なトレンドではあるが、総合ARPUはまだ昨対を割っており、この点ではソフトバンクが抜けた出しといえるからである。したがって、今後、急速にデータ(パケット)ARPUの時代となることは必須であり、その戦略商品がスマートフォンとなり、ここで、ドコモは後れをとれないという判断があったものと思われる。
   
   そして、海外では、Googleの開発した携帯電話のOS、Android(アンドロイド)にはすでにテザリング技術が組み込まれており、記事の中でも、「海外では米グーグルの携帯電話向け基本ソフト「アンドロイド」を搭載した機種などがネット接続の中継機能を備える。日本より光回線の普及が遅れている米国では、携帯を中継機にしたネット接続が主流になるとの見方もある」とのことで、海外、特に、米国で先に本格普及する可能性もあるからである。
   
   このように、記事の内容が正しければ、2012年度がテザリングの本格普及の年となる見通しであり、日本の生活が一変するだけでなく、ビジネスそのもののスタイルが大きく変わる可能性を秘めているといえ、業務提携、同業種、異業種のM&Aはもちろん、新たな、様々なサービスが登場するのではないかと思う。まさに、ARPUの時代到来といえ、今後、ARPUの動向には注目といえよう。

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May 16, 2011 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

May 15, 2011

ヤマナカ、2011年3月期決算、減収増益!

   ヤマナカが2011年3月期決算を5/2、公表した。結果は、営業収益1,052.48億円(-2.2%)、営業利益6.03億円(61.4%)、経常利益 8.18億円(66.9%)、当期純利益3.13億円(昨年は赤字)となり、減収増益の決算となった。ただ、営業利益率は昨対61.44%と大幅な増益とはなったが、その比率は、営業収益対比0.57%であり、依然として厳しい状況で推移している。ヤマナカ自身も、「当社グループが属する小売業界では、お客様の低価格・節約志向が継続し、業種業態を超えた競争激化によるデフレの進行もあり、経営環境はますます厳しさを増しました。」とのことで、厳しい経営環境の中にあったとのことである。

   そこで、まずは、営業収益が-2.2%と伸び悩んだ要因を見てみたい。一般に食品スーパーマーケットの成長は新店によるといえ、新店が安定的、継続的に出店できる財務基盤に支えられた計画的な成長戦略が必須である。ヤマナカの今期の新規出店であるが、「営業基盤の強化に向けた取り組みでは、新しい都市型店舗の基幹店として4月に則武店(名古屋市中村区)を新規出店、・・」とのことで1店舗のみである。したがって、新店戦略による成長は厳しい面があったといえ、既存店の活性化が今期の主な営業政策であったといえる。

   実際、既存店に対しては、「既存店舗においては、当社の中核業態であるフランテ館の再構築を図るべく7月に一宮フランテ館(愛知県一宮市)を改装いたしました。」とのことであり、さらに、「低価格志向の高まりに対応し、9月に共栄店(愛知県瀬戸市)、10月に三郷店(愛知県尾張旭市)と味美店(愛知県春日井市)をエブリデー・ロー・プライスの「ザ・チャレンジハウス」に業態変更を行ないました。」とのことで、既存店の改装だけではなく、ディスカウント店への業態変更も実施している。

   本来ヤマナカは、食品スーパーマーケットの中では付加価値を追求したワンランク上の食品スーパーマーケットの業態確立を重視した経営志向であったが、今期は、対極的なディスカウント業態への転換も一部行っており、それだけ、中部地区の食品スーパーマーケットを取り巻く経営環境が厳しさを増しているといえよう。この地区ではアオキスーパーを筆頭に、カネスエ等、社運をかけたディスカウント戦略を志向する激しい価格競争が繰り広げられており、中部地区は極めて厳しい経営環境の中にあるといえる

   一方、財務の方であるが、今期のヤマナカの自己資本比率は31.9%(昨年32.0%)であり、約70%が負債に依存する状況であり、財務基盤はかなり厳しい状況にあるといえる。特に、ヤナナカの出店にかかわる資産、土地、建物、差入保証金の合計は280.25億円であり、総資産455.66億円の61.50%であり、1店舗当たりでは、現在70店舗であるので、約4億円となる。したがって、差し引き、自己資本で賄える出店に関わる資産の比率、すなわち、出店余力は-29.6%と極めて新規出店が厳しい財務状況にあるといえる。当然、負債に依存する新規出店構造となるが、その負債の中でも、有利子負債が、193.57億円であり、総資産の42.48%と重く経営にのしかかっており、厳しい財務状況である。

   したがって、キャッシュフローにおいても、財務活動によるキャッシュフロー、すなわち、有利子負債の返済を優先せざるをえず、今期は-9.30億円返済し、結果、-11.74億円となり、本来、成長戦略への投資、投資活動によるキャッシュフローが-3.65億円に留まるという、財務基盤の強化を優先せざるをえない状況であったといえる。来期も今期の投資活動によるキャッシュフローの中の新規出店にかかわる投資、有形固定資産の取得による支出を見ると、-6.35億円であり、成長戦略よりも財務基盤の強化が優先される経営方針といえよう。

   さて、これに対して、今期、営業利益が増益となった要因であるが、原価、経費面から見てみたい。まずは、原価であるが、74.90%(75.01%)と0.11ポイント改善した。これに対して、ヤマナカは、「4月に冷凍物流センター(名古屋市港区)、平成23年2月に精肉・鮮魚を一括して店舗に供給する「しおなぎ生鮮センター(生鮮加工センター)」(名古屋市港区)をそれぞれ開設するとともに、物流拠点の構築により配送と店舗オペレーションの効率化を図り、・・」とのことで、先のディスカウント戦略に加え、物流改善等が寄与したものといえよう。結果、売上総利益は25.10%(昨年24.99%)となった。

   一方、経費の方であるが、29.47%(昨年29.40%)と0.07ポイント上昇している。結果、差し引き、商品売買から得られる利益、マーチャンダイジング力は-4.37%(昨年-4.41%)と、若干マイナス幅は縮まったが、まだかなりのマイナスである。そして、これに、不動産収入、物流収入等のその他営業収入が4.99%(昨年4.78%)のり、営業利益は0.62%(昨年0.37%)の増益となった。

   このように、今期のヤマナカを取り巻く経営環境は激しい価格競争の中にあったといえ、自らディスカウント業態へのシフトも余儀なくされることになったといえる。特に、ヤマナカの経費比率は29.47%と、一般的なディスカウント業態の経費率15%強と比べると約2倍であり、ヤマナカにとってはまさに、対極的な経営構造にあるといえる。また、依然として、財務状況も厳しい中、成長戦略を、今後、どのように打ちだすかが難しい状況にあるといえよう。今後、ヤマナカが、このような厳しい経営環境の中、どのような改革を打ち出すのか、その動向に注目である。

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May 15, 2011 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

May 14, 2011

ブランド育成の本質に迫る、IDが決定的な要素!

   ブランドを育成するとはどういうことか、また、ブランド力は何を指すのか、長らく、これらの問題を数字で検証することはできなかった。ただ、ここへ来て、POS分析が飛躍的に進み、ブランドの本質に迫る数字が明らかになりつつある。それは、従来のPOS分析では推し量ることができなかったブランド力をはかる指標が、ID-POS分析によって、次々と開発されつつあり、その実態が明らかになりつつあるからである。

   では、従来のPOS分析で推し測ることができなかったブランド力の指標とは何かであるが、その決定的な指標はIDから派生する指標である。従来のPOS分析では、ブランドを購入するIDを把握することは不可能であった。それは、IDを特定する技術がPOS分析にはそもそも組み込まれてなかったことによる。POSの原理はごく単純化すれば、プライスルックアップ(Price Lookup)機能であり、商品のバーコードをPOSでスキャンした瞬間にそのバーコードと対応するあらかじめ登録された価格を表示することである。

   ここから把握できる情報は、バーコードから、購入された商品は何か、その商品はプライスルックアップ(Price Lookup)機能から、いくらで、そして、何個売れたかである。基本はこれだけであり、あとは、どこまでのスキャンが清算金額であるかの、清算範囲を決めることである。そして、この清算範囲からレシートが作成され、顧客の1回当たりの購入金額、購入数量が把握される。

   したがって、従来のPOS分析では、ブランド育成を推し測る指標は、この範囲内で分析するしか方法がなく、ここからわかる指標は、対象ブランドをいつ、何個、いくらで購入したか、また、1回当たり、いくつ購入するかである。これが基本であるが、さらに、その延長として、ブランド購入のレシートを集計し、対象ブランドを購入した場合、それ以外にどのようなブランドを同時に購入しているか、その商品、および、合計の金額、数量を把握することである。特に、これが把握できることにより、ブランド育成のための指標として、リフト値が考案され、クロスマーチャンダイジング等に発展していったといえる。ここまでが、通常のPOSで把握できるブラド育成を推し測る指標であるといえる。

   問題は、これで、ブランド育成のための指標として、ブランド力を推し測ることができたのかということになるが、リフト値等が開発されたことにより、かなり、その本質に近づきつつあるといえるが、決定的な要素として、誰がという、ブランドの購入者の購入実態が、この時点ではぼやっとしていて、まだ、つかみ得ていないといえる。何となく、推し測ることができるようにも見えるが、もう一歩手に届かない、実にもどかしい状況にあるといえる。

   そこで、ID-POS分析であるが、この分析の最大のポイントは、プライスルックアップ(Price Lookup)からはじまるのではなく、まずはIDの把握からはじまる点である。ブランドが購入された瞬間、まず、誰がというIDを把握する。そして、次に、バーコードからのプライスルックアップ(Price Lookup)である。従来のPOS分析との違いはこの1点である。このIDからの把握が、従来のPOS分析と、ID-POS分析を分ける決定的な違いであり、最大の違いとなる。

   では、IDが把握できることによって、ブランド育成を推し測る指標として、何が見えてくるのかであるが、それは、ブランドの購入頻度が見えてくる点である。この頻度が把握できるという点がブランド育成にとって決定的な指標となり、この頻度がブランド育成を解くカギとなる。ブランド育成とはつまるところ、ブランドの購入頻度を正確に把握し、その頻度に応じた販促を打つことに他ならない。これがブランド育成の本質であり、ID-POS分析であるがゆえのブランド育成のための新たな手法である。

   ちなみに、ID-POS分析からブランドの購入頻度をどのように算出するかであるが、その算出方法は、ブンランド購入レシート/ブランドの購入IDである。いわゆるID客数PI値であり、これがIDを把握することによってはじめて把握できる指標といえる。そして、もうひとつ重要な点は、この頻度をどのくらいの期間で把握するかである。実は、ここがブランド育成を検討する上での最大のテーマであるといえる。従来のPOS分析では、この期間があいまであった。なぜなら、この頻度という指標を算出することができなかったので、そもそも頻度という概念が存在しなかったからである。

   ところが、ID-POS分析では頻度が算出可能となったため、その頻度の期間が次に問われることになり、時間が極めて重要な要素となってくる。結論からいうと、長ければ長い方が良い。要は、ブランド育成にどのくらい時間をかけるべきかという議論となる。ブランド育成は1日にしてならず、千日かかるのが通常であり、できれば、千日、3年ぐらいは欲しいところであるが、最低、1年は期間としてみたいところである。当然、販促期間も自然1年、そして、3年は考えるべきであり、その期間内に限界までブランド育成をはかることがポイントである。

   このようにブランド育成とは、ID-POS分析の世界ではじめて、その本質に迫ることができるようになったといえ、その決定的なポイントはIDを把握するこが可能となったことにより、頻度が算出でき、その結果、必然的に時間が重要なポイントとなり、従来のPOS分析のように瞬間的な分析から、最低1年、できれば千日、3年、さらには永遠を目指すことになったことである。ブランド育成はその意味でやっとその糸口についたといえ、今後、ID-POS分析の発展とともに、様々な指標が開発され、その本質に迫ってゆくことができるのではないかと思う。

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May 14, 2011 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

May 13, 2011

バロー、2011年3月期決算、増収増益!

   バローが5/10、2011年3月期決算を公表した。結果は、営業収益3,791.72億円(9.9%)、営業利益123.03億円(30.2%)、経常利益 127.65億円(28.7%)、当期純利益 42.23億円(7.1%)となり、増収増益、特に、利益が大きく伸びる好決算となった。今期は、3月期決算の企業には資産除去債務の会計基準が適用されるが、バローもその影響額が14.83億円となったが、この損失を上回る営業利益の伸びがあり、増益を確保した。実際、営業利益は30.2%の伸びであるが、当期純利益は7.1%の伸びにとどまっており、増益とはなったが、その影響は大きかったといえる。ちなみに、14.83億円は、営業収益の0.39%に当たるので、インパクトのある数字といえる。

   そこで、まずは、バローの営業利益が30.2%と大きく増益になった要因を原価、経費面から見てみたい。まずは、原価であるが、76.05%(昨年76.42%)と0.37ポイント改善しており、原価が下がっている。バローも、「チラシ特売価格による販売促進を減らすなど、毎日安定したお買い得価格を維持するEDLP施策を拡大しております。また、総菜製造の中部フーズ(株)、パン生地製造の(株)北欧倶楽部に加え、(株)福井中央漬物で漬物の製造を開始するなど、製造小売業のビジネスモデルづくりも推進いたしました。」とのことで、製造小売への取り組みと、ハイロー価格政策の特売からEDLP政策を拡大したことが寄与したものと思われる。結果、売上総利益は23.95%(昨年23.58%)となった。

   一方、経費の方であるが、24.40%(昨年24.62%)と、0.22ポイント改善した。特に、原価改善にもつながったと見られるEDLPにともなう広告宣伝費であるが、1.11%(昨年1.21%)と、0.10ポイント改善しており、その成果が見られる。また、「SMバローにおける既存店売上高は、通期で前年比プラス1.1%の伸びを達成することが出来ました。」とのことで、既存店がプラスに転じたことで、相対的に固定費が下がったものと思われる。

   結果、差し引き、商品売買から得られる利益、マーチャンダイジング力は-0.45%(昨年-1.04%)と、依然としてマイナスではあるが、その幅は大きく縮まっており、数字が改善されている。原価、経費、ダブルでの改善効果が大きかったといえる。そして、これに、不動産収入、その他営業収入等のその他営業収入が3.82%(昨年3.88%)が加わり、営業利益は3.37%(昨年2.84%)と、大きく増益となった。こう見ると、その他営業収入は若干減少しており、営業利益が増加した要因は、原価、経費、双方の改善効果であるといえ、この改善効果が、最終利益である当期純利益における特別損失、資産除去債務の会計基準の適用による影響額を相殺しており、当期純利益をも押し上げる結果となった。まさに、食品スーパーマーケットにとっては、原価、経費、この2つの改善がいかに利益に直結するかを示しているといえよう。

   また、今期のバローは利益が大幅に増加したことに加え、売上高も好調に推移している。その要因は先にもあげた既存店が1.1%と増収となったことに加え、「新規出店が当社グループでは積極出店による事業規模の拡大を図り、グループ全体で37店舗を出店いたしました。5店舗の閉店と合わせ、期末の店舗数は494店舗となりました。」とのことで、積極的な新規出店を行ったことが大きい。

   そこで、今期の投資活動によるキャッシュフローを見てみると、-144.28億円(昨年-104.53億円)であり、今期は大きく増加している。その要因は新規出店にかかわる項目、有形固定資産の取得による支出が-122.24億円(-91.29億円)であり、大きく増加しており、積極的な新規出店が今期だけでなく、来期も継続することがうかがわれる。実際、バローは、「当年度より5か年でSM80店舗の出店を目標と掲げており、当年度は16店舗を出店いたしました。」とのことで、当面、積極的な新規出店を目指す方向である。

   結果、来期の通期予想であるが営業収益4,195.00億円(10.6%)、営業利益141.00億円(14.6%)、経常利益142.00億円(11.2%)、当期純利益 64.00億円(51.5%)と、今期同様、増収増益の高い成長率を前提とした好決算である。したがって、当面、バローは成長性を重視した経営戦略を打ち出す方針であるといえる。やや気になるのは自己資本比率が32.1%(昨年31.7%)と、約70%弱を負債に依存する財務構造であり、有利子負債も697.46億円(昨年691.07億円)と、若干増加し、総資産1,901.05億円の 36.7%になっていることである。成長戦略を支えるためには、増収増益の好決算をいかし、財務改善も同時に進めたいところであろう。

   このように、バローの2011年3月期の決算は大幅な増収増益となり、好決算となった。特に、営業利益が原価、経費がEDLPの浸透の成果も見られ、ダブルで改善したことが大きく、結果、3月決算から適用された資産除去債務の会計基準の影響も相殺し、当期純利益も増益となった。来期以降も、バローは、成長戦略重視の積極的な経営戦略を目指す方針であり、当面、高成長を前提とした収益の確保をはかってゆくとのことである。それにしても、原価、経費のダブルでの改善がいかに食品スーパーマーケットの利益を押し上げるかが改めて表れた結果であるといえ、バローが来期、さらに、その改善するか、その結果に注目である。

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May 13, 2011 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

May 12, 2011

関西スーパーマーケット、2011年3月期決算、増収増益!

   関西スーパーマーケットが4/28、2011年3月期の決算を公表した。ここ最近、食品スーパーマーケットを含め、上場企業の3月期決算が次々に公表されており、ここ数週間がピークとなる。そこで、関西スーパーマーケットの決算結果であるが、営業収益1,167.40億円(5.2%)、営業利益17.85億円(29.9%)、経常利益 20.01億円(25.6%)、当期純利益 8.93億円(115.8%)となり、増収増益、特に、昨年の利益が大幅な減益であったため、その反動もあり、好調な決算となった。

   なお、3月期の決算企業は、食品スーパーマーケットを含め、資産除去債務会計基準が適用され、特別損失が計上されるが、関西スーパーマーケットも例外ではなく、今期、0.36億円計上しており、さらに、店舗の建物、土地等の減損損失も3.10億円計上しているが、当期純利益が115.8%と倍増している。これは、昨年、店舗閉鎖損失4.52億円、店舗閉鎖損失引当金繰入額2.72億円が計上されており、この項目の計上が今期は0であったため、利益が相殺されたためである。ただ、結果、当期純利益は倍増したとはいえ、売上高対比で見ると、0.77%であり、これは、昨年の決算公開企業約50社の食品スーパーマーケットの平均が1.1%であり、トップクラスは3.0%前後であるので、もう一段と増益を目指したいところであろう。

   さて、関西スーパーマーケットの今期の決算であるが、まずは、営業収益が5.2%増となった要因であるが、「店舗の新設については、平成22年4月に瓢箪山店(大阪府東大阪市)、江坂店(大阪府吹田市)、萬崎菱木店(堺市西区)、5月に善源寺店(大阪市都島区)を開店いたしました。」とのことで、4店舗の新店が寄与したといえる。関西スーパーマーケットは現在59店舗であるので、4店舗は6.7%となる。今期は既存店が0.7%増であるので、新店が増収にはいかいに大きかったかがわかる。ちにみに、今期の投資活動によるキャッシュフローであるが、-5.81億円(昨年-25.00億円)と、約1/4となっている。これは、新店にかかわる投資である有形固定資産の取得による支出が-10.44億円(昨年-36.29億円)と大きく減っているからである。したがって、来期は新店が抑制されることになるといえ、通期予想も営業収益は1.8%増であり、微増である。

   ここで、関西スーパーマーケットの売上構造を見てみたい。まず、客数は3,221人/日(昨年3,196人)、客単価は1,630円(昨年1,652円)であり、今期は客単価減、客数増という結果である。こう見ると、関西スーパーマーケットは客単価よりも、客数の方が売上高への貢献度が高いといえる。また、客単価の中身であるが、PI値は996%(昨年996%)、平均単価は163.7円(昨年164.3円)であり、PI値は高めであるが、平均単価が比較的低いといえよう。したがって、関西スーパーマーケットは客数とPI値が売上増のポイントとなっている営業構造といえる。

   次に、営業利益が29.9%となった要因を原価、経費面から見てみたい。まずは原価であるが、76.68%(昨年76.14%)と0.54ポイント上昇している。これについて、関西スーパーマーケットは、「当小売業界においては、業態間競争の激化による商品単価の下落やお客様の生活防衛意識の高まりによる節約志向に変化はなく、経営環境は依然厳しい状態が続きました。」とのことで、商品単価の下落が大きかったといえよう。結果、売上総利益は23.32%(昨年23.86%)となった。

   一方、経費の方であるが、23.61%(昨年24.60%)と、0.99ポイントと大きく減少している。それにしても、これだけ削減するのは尋常ではなく、関西スーパーマーケットも、「ローコスト体制づくりとして、グロサリー商品の営業時間外集中補充作業の推進や日配商品の自動発注システムの実験と検証を繰り返すなど、店内作業削減と作業効率の向上に取り組みました。」とのことである。また、さらに、「管理面では、コスト削減のため、省電力照明の採用や節電による消費電力の削減、プラスチック類や紙類等の資源ゴミのリサイクル推進による可燃ゴミの減量化などを図りました。」とのことで、こられが相まって、経費を大幅に削減したといえよう。

   結果、商品売買から得られる利益、マーチャンダイジング力は、-0.29%(昨年-0.74%)と、依然としてマイナスではあるが、その幅は大きく縮まっており、改善している。そして、これに不動産収入、物流収入等のその他営業収入が1.85%(昨年2.02%)加わり、営業利益は1.56%(昨年1.28%)と増益となった。

   このように、関西スーパーマーケットの2011年3月期決算は昨年の厳しい決算結果を受け、今期は反転、増収増益の好決算となった。特に、今期から適用された資産除去債務会計基準の適用があり、特別損失が発生したにもかかわらずの増益である。これは、昨年も店舗閉鎖損失等の特別損失があったこともあるが、それ以上に、経費の削減が大きかったといえよう。今後、関西スーパーマーケットとしては、さらに経費を削減するか、原価の改善に踏み切るか、今後の方針が難しいところであろう。来季、関西スーパーマーケットがどのような方針をとるか、その動向に注目である。

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May 12, 2011 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

May 11, 2011

原信ナルスH、2011年3月期決算、営業、増収増益!

   いよいよ、2011年3月期の食品スーパーマーケットの決算の公表がはじまった。3月期決算企業は2月期決算企業と比べ、2つのハンディーがある。ひとつは、この3/11の東日本大震災の影響である。そして、もうひとつは。資産除去債務会計基準の適用に伴う影響である。いずれも、当期純利益に影響を与える内容であり、原信ナルスHも、営業、経常段階では増収増益となったが、残念ながら、当期純利益は、その影響を受け、減益となった。その実際の数字であるが、売上高1,233.60億円(4.5%)、営業利益38.24億円(16.0%)、経常利益38.07億円(20.2%)、当期純利益13.47億円(-5.5%)である。

   そこで、この2つの影響が、原信ナルスHの決算に、どのくらいあったかであるが、東日本大震災関連では、「本年3月に発生した東日本大震災では、被害の規模、範囲ともに甚大で、様々な影響が生じました。」とのことで、決算は3月のみの範囲であるが、様々な影響があったとのことである。特に、「商品の調達につきましては、取引先様からの未入荷や入荷遅延が発生し、調達ルートの変更や代替品の調達に努めましたが、一部商品で一時的に品切れや品薄状態が発生してお客様にご迷惑をおかけすることとなりました。」とのことで、商品調達に影響が出たとのことである。

   一方、資産除去債務会計の影響であるが、特に、当期純利益に直接影響が出ており、「当期純利益の減少は、当連結会計年度より「資産除去債務に関する会計基準等」を適用したことに伴い、当該会計基準適用初年度の移行時差異13億61百万円を、特別損失に「資産除去債務会計基準の提供に伴う影響額」として計上したことによるものであります。」とのことで、これが、今期、当期純利益が減益となった要因である。

   こう見ると、どちらの影響も食品スーパーマーケットにとっては、利益を圧迫する要因であるといえ、3月期決算の企業はすべて、この2つの影響を受けた決算となる。また、来期は2月度決算企業が同様に、この2つの影響を受けることになり、食品スーパーマーケット業界は、特に、来期は、利益面で厳しい状況が予想されることになろう。

   さて、決算の内容にもどると、まずは、売上高が4.5%増収となった要因であるが、既存店は101.1%であるので、新店の効果が大きかったといえる。今期の原信ナルスHの新店はナルス上越インター店(2010年9月、新潟県上越市)、原信村上インター店(2010年10月、新潟県村上市)の2店舗を出店したことが、大きかったといえる。原信ナルスHは現在66店舗であるので、2店舗は約3%であるので、もう数店舗、新規出店を果たしたかったところかと思う。

   そして、これを受けて、来期の方針であるが、投資活動によるキャッシュフローを見てみると、有形固定資産の取得による支出、すなわち、新規出店関連への投資が-28.61億円(昨年-9.65億円)と大きく増加しているが、来期は新店1店舗、移転2店舗と、3店舗の予定であるが、純増は1店舗であるので、今期以上の増収は厳しいものがあるといえよう。実際、来期の原信ナルスHの通期予想は、売上高1,245.00億円(0.9%)であり、微増である。

   一方、営業利益の方であるが、今期は16.0%の増益となっており、好調な結果となった。そこで、この好調な要因を原価、経費面から見てみたい。まずは、原価であるが、73.06%(昨年73.24%)と、原価が0.18ポイント下がっており、改善している。結果、売上総利益は26.94%(昨年26.76%)となった。これについて、原信ナルスHは、「当社グループの食品製造加工機能や出店地域での圧倒的な販売力を活かして、おいしく、しかも、毎日低価格で販売できる商品を開発し、他社との差別化を図りました。」とのことで、商品開発が原価低減につながったものといえよう。

   これに対して、経費の方であるが、23.83%(昨年23.96%)と0.13ポイント削減された。これに対し、原信ナルスHは、「チラシ広告の実施方針見直し、消耗品や什器関連に関する調達価格見直しと管理の徹底、作業割当の精度向上による人件費の適正化、ISO14001環境マネジメントと連動した省エネルギー対策等に一層の取り組みを行い、コストコントロールに努めています。」とのことで、様々なコスト削減が功を奏したといえよう。

   結果、差し引き、商品売買から得られる利益、マーチャンダイジング力は3.11%(昨年2.80%)と、大きく増加した。原価、経費ともに改善したことが大きかったといえよう。原信ナルスHはその他営業収入が計上されていないので、マーチャンダイジング力=営業利益となり、これが増益の要因といえる。

   このように、原信ナルスHの2011年3月期の決算は、当期純利益は、今期から3月期決算の食品スーパーマーケット業界では、資産除去債務会計基準の適用がなされたため、その影響が大きく、減益となったが、営業、経常段階では原価、経費の改善が図られ、増益を達成した。これを受けて、来期以降への影響であるが、何といっても、3/11の東日本大震災の影響が読めない状況にあるといえ、来期は厳しい数字が予想されよう。原信ナルスHが、今後、この予想される厳しい経営環境の中、どのような経営戦略を打ち出すか、注目である。

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May 10, 2011

ソフトバンク、2011年3月期決算公表、ARPU逆転!

   ソフトバンクが2011年3月期の本決算を公表した。注目のARPUであるが、「当期のARPU は、前期から140 円増加の4,210 円となりました。そのうち、基本使用料+音声ARPU は、通話機能のない端末の増加や、事業者間接続料金の改定などにより、前期から160 円減少の1,890 円となりました。一方でデータARPU は、前期から290 円増加の2,310 円となりました。」とのことで、データARPUだけでなく、総合ARPUも増加、決算内容も初の3兆円超えの増収増益となる好決算となった。

   携帯電話3社の中で、総合ARPUが上昇したのはソフトバンクだけであり、それだけ、ソフトバンクのデータARPUの上昇率が高かったといえる。特に、ソフトバンクは他社に先駆けて、iPhoneを戦略商品にすえ、データARPUの向上にいち早く取り組んできたといえ、その成果が経営数字に表れた結果といえよう。今後、さらに、データARPUの上昇は続くものといえ、携帯電話会社はデータARPUの新時代に突入したといえよう。

   ここで、さらに、ソフトバンクの総合ARPUがデータARPUの上昇により、増加に転じた軌跡を追ってみたい。まず、この3月期決算の結果は先に見たように、総合ARPU 4,210円(昨年4,070円)、データARPU 2,310円(昨年2,020円)、音声ARPU 1,890円(昨年2,050円)である。ちなみに、ドコモの数字であるが、総合ARPUは5,070円(昨年5,350円)、パケット(データ)ARPUは2,540円(昨年2,450円)、音声ARPUは2,530円(昨年2,900円)であり、ソフトバンクと比べると、総合ARPUで860円、データARPUで230円、音声ARPUで640円高い数字である。したがって、ソフトバンクのARPU、特に、データARPUはまだまだ上昇する可能性が高いといえよう。

   さて、ソフトバンクのARPUの推移であるが、今期、第1四半期からの総合ARPUは第1四半期4,290円(昨年4,030円)、第2四半期 4,300円(昨年4,150円)、第3四半期 4,310 円(4,200円)、第4四半期3,940円(昨年3,890円)であり、第1四半期段階から昨対を超えて推移していた。ドコモ、auは総合ARPUでは昨対をクリアーできていないので、この点ではソフトバンクが携帯電話会社の中ではいち早く抜け出たといえる。

   その原動力となったのが、データARPUの上昇であり、その推移を見てみると、第1四半期2,250円(昨年1,880円)と、この時点ですでに、昨対を大きく上回っている。そして、第2四半期 2,290円(昨年1,990円)、第3四半期 2,330円(昨年2,060円)、第4四半期 2,370円(昨年2,140円)である。その差であるが、第1四半期370円、第2四半期300円、第3四半期270円、第4四半期230円であり、大きく昨年を上回る状況で推移しており、いかに、データARPUの上昇がソフトバンク全体の経営を牽引しているかがわかる。

   そして、音声ARPUの推移であるが、第1四半期2,030円(昨年2,150円)、第2四半期 2,020円(昨年2,160円)、第3四半期 1,980円(昨年2,150円)、第4四半期 1,570円(昨年1,750円)となり、データARPUとは対照的な動きである。その差であるが、第1四半期-120円、第2四半期-140円、第3四半期-170円、第4四半期-180円であり、マイナス幅が広がっている。

   それにしても、これだけ、数字が劇的に動くのも珍しいケースであるといえる。これをグラフにすると、総合ARPUが右上がりに上昇し、その中身であるデータARPUと音声ARPUがxにクロスし、右上がりのデータARPUと右下がりの音声ARPUの中身が180度入れ替わるわけである。ソフトバンクのデータARPUへの取り組みが、音声ARPUの減少を上回らなければ、総合ARPUは上昇しないわけであり、絶妙なバランスが、そこに働いたといえる。

   しかも、ARPUは顧客当たりの携帯使用料金であり、ARPUだけが向上しても、売上高の向上につながるとは限らない。売上高=ID×ARPUであるので、ID、すなわち、顧客数も同時に増やさないと売上高は増加しないといえる。そこで、今期の決算数字であるが、ソフトバンクの売上高は3兆46.40億円(8.7%)であり、創業以来はじめて3兆円を超え、売上高も伸びている。その要因は、ARPUだけでなく、IDも伸びていることによる。実際、今期の携帯電話の販売台数は1,024.2台(12.1%)であり、しかも、純増契約者数は353.2万人(283.9%)であり、純増が伸びたことが極めて大きい要因といえる。

   したがって、今期のソフトバンクの好決算は、データARPUの伸びが音声ARPUの減少を補い、総合ARPUを押し上げただけでなく、ID、特に、新規顧客を力強く吸引し、大きく伸ばしたことも、さらに大きな要因であるといえる。すなわち、データARPUの向上につながる新規顧客獲得の成果であるといえる。そして、これを支えたのが、まさに、iPhoneであるといえ、そこに経営資源を集中し、一点突破をはかる戦略的な取り組みを図ったことが好決算を生んだ最大の要因といえよう。

   このようにソフトバンクの2011年3月期の決算はデータARPUが音声ARPUを上回っただけでなく、ドコモもauも達成してない総合ARPUの反転をも果たしており、携帯電話3社の中で、いち早く、データARPUの時代に大きく歩を進めたといえよう。しかも、ARPUだけでなく、顧客数も同時に力強く増やしており、売上高=ID×ARPUのID、ARPUともに増加するという理想的な流れを作ったといえよう。気になる来期であるが、iPhoneではソフトバンクの1人勝ちといえるが、今後、激しい勢いでAndroid携帯の時代に突入することは必至であり、この市場でどこまでソフトバンクがシェアを獲得できるかが課題となろう。その意味で、ARPUは新たなスタート、まさに、新時代に入ったといえ、携帯電話各社の来期のARPU向上の経営戦略に注目である。

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May 09, 2011

ARPU新時代、ドコモ2011年3月期決算!

   携帯電話3社の2011年3月期の本決算が公表されつつある。注目はARPU、パケットARPUが音声ARPUを逆転したかどうかである。ここではドコモが4/28に公表した決算をもとに見てみると、結果は逆転、パケットAPRUが世界の携帯電話会社に先駆けて、音声ARPUを上回るという結果となり、ARPU新時代の到来といえる。したがって、今後、パケットARPUが携帯電話会社の盛衰を決める戦いになるといえ、その戦略商品であるスマートフォンの開発競争がますます激化するものといえよう。

   そこで、ドコモの決算で公開された実際の数字を見てみたい。今期の総合ARPUは5,070円(昨年5,350円)となり、残念ながら、総合ARPUは若干のマイナスとなった。したがって、総合ARPUは依然として厳しい状況にあり、今後、いかに、プラスにもってゆけるかが課題としては残された結果である。そして、問題の中身であるが、パケットARPUが2,540円(昨年2,450円)、音声ARPUが2,530円(昨年2,900円)となり、わずか10円であるが、パケットARPUが音声ARPUを上回るという逆転を果たす結果となった。

   ちなみに、ARPUは食品スーパーマーケットのID金額PI値に当たる指標であり、1ケ月間の顧客1人当たりの携帯利用料金のことである。携帯電話の場合は携帯利用料金を音声通話使用料とパケット利用料とに分けて集計しており、ここ数年、スマートフォンの登場以来、その数字の推移に注目が集まっていた。食品スーパーマーケットでは金額PI値(客単価)が一般的なマーチャンダイジングの評価指標であるが、携帯電話会社には金額PI値という概念はなく、もっぱらID金額PI値、すなわち、ARPUを使用している。

   その違いは、金額PI値はIDという顧客を意識することなく、売上金額を回数で割って算出する指標であるのに対し、ID金額PI値はIDを意識し、IDを基本単位として、売上高をIDで割って算出する指標であり、ここが決定的に違う指標である。したがって、たとえば、月間の数字を算出した場合、金額PI値では、ある顧客が1回の買い物金額が2,000円であれば、月間、何回買い物をしても、金額PI値は2,000円であるが、ID金額PI値の場合は、ある顧客が月間2回買い物をすれば4,000円、3回で6,000円、4回で8,000円と回数が増えるたびに、数字が増加してゆくのが特徴である。

   これがID金額PI値、すなわち、ARPUであり、数式では、ID金額PI値=ID客数PI値×金額PI値という関係になり、金額PI値の上位概念といえる。したがって、ID金額PI値、すなわちARPUは、金額PI値をも包み込んだ指標であり、マーチャンダイジングだけでなく、マーケティング、すなわち、顧客戦略へも応用が可能となり、経営管理においては今後の決め手となる指標であるといえる。

   さて、パケットARPUの音声ARPUを逆転したことに対して、ドコモは、決算説明書の中で、「音声ARPUとパケットARPUの逆転」という項目を設け、その中で、「2010年度通期の音声ARPUとパケットARPUの逆転を達成」、「2011年度はパケットARPUの成長を加速させることで、総合ARPUを下げ止め、2012年度以降上昇に転換させる」としており、パケットARPUの一層の成長を目指すと宣言している。そして、そのために、スマートフォンの推進として、2011年度の販売台数を600万台と、目標設定している。さらに、2012年度は総販売数の50%超を目指すとのことである。また、パケット利用の促進として、パケット定額サービス契約率を70%にもってゆくとのことである。

   これは、パケットARPUがいかにドコモの経営戦略の根幹であるかを示すものといえる。パケットARPUの上昇を通じて、音声ARPUの減少をカバーし、結果、総合ARPUを押し上げるとのことで、パケットARPUの向上が今後のドコモの成長戦略の根幹となるとの認識である。また、そのための具体策として、スマートフォンの推進、すなわち、商品戦略とパケット利用の促進、すなわち、価格戦略を上げており、この2つの戦略が両輪となって、パケットARPUを押し上げてゆくとのことである。

   したがって、今後、携帯電話会社各社は、市場シェアNo.1のドコモの戦略が明らかになったことにより、スマートフォンの激しい市場シェア争いが繰り広げられることになるといえ、ソフトバンク、auを含め、3つ巴の戦いが本格化するといえよう。

   このように、ドコモの2011年3月期の決算が公表されたが、わずか10円であるがパケットARPUが音声ARPUを上回るという結果となった。今後、その差は大きく拡大し、数年後には60%から70%近くまで急激にパケットARPUが拡大することが予想される。したがって、携帯電話市場は、今後、日本において、世界でも最も激しいパケットARPU獲得の市場シェア争いが繰り広げられることになるといえる。そして、その評価指標がARPUであり、ARPUが向上しているかどうかが、正しい方向に進んでいるかどかを示す指標として、これまで以上に重視されるものといえよう。スマートフォンがどこまでパケットARPUを押し上げるか、今後のドコモの動きに注目である。

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May 9, 2011 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

May 08, 2011

東武ストア、2011年2月期、減収減益!

   東武ストアが4/12、2011年2月期決算を公表した。結果は売上高811.63億円(-0.4%)、営業利益8.34億円(-40.1%)、経常利益10.67億円(-34.0%)、当期純利益7.67億円(-66.4%)と、減収減益、厳しい決算となった。ただ、自己資本比率は69.3%(昨年68.8%)と改善、その比率も70%に迫り、食品スーパーマーケット業界の中でも屈指の高い数字である。東武ストアとしては、この安定した財務状況をもとに、いかに、経営改革をはかるかが、当面の課題といえよう。

   そこで、東武ストアがこの決算結果と同時に公表した決算説明会資料をもとに、どのような改革に取り組みはじめているのかを見てみたい。来期、東武ストアが最も重視している政策は「個店ごとの戦い」の実践である。具体的には、これまで営業計画を策定するのは本部であったが、これを店舗主導による予算策定に切り替えることである。東武ストアによれば、「店舗ごとに競合店を明確にし、戦い方を立案。本部と議論を重ねて予算を策定。」とのことであり、本部はサポート機能を強化するとのことで、いわゆる個店主義の実践といえる。

   一見、チェーンストア理論の否定にも見えるが、チェーンストア理論の根幹は仕入れと販売を分離し、本部主導の仕入れを徹底することにあるので、この部分には踏み込んでおらず、依然として組織形態は本部主導の仕入れを前提とするチェーンストア理論を維持しているといえる。販売を店舗主導に切り替え、個店の競争力を引き上げるために、競合店を考慮し、営業方針を決めてゆくというものである。したがって、もう一歩、進め、個店仕入れにまで踏み込む体制までゆくのかどうかが、今後の課題といえよう。ただ、固定仕入れをするには、店舗に優秀な人材を配置し、自主的な判断ができる人材教育も必須であり、自然、正社員比率が上がるため、そこまでゆくには、根本的な経営戦略の見直しが必須といえる。今回の改革は、その方向性を残しながら、一歩、個店主義に近付いた政策といえよう。ちなみに、ほぼ、この個店主義に近いイメージの食品スーパーマーケットがオオゼキであるといえる。

   そして、もうひとつ、来期の方針で示されているのが、売場づくりの監督指導である。これは、大きく3つに分かれている。①販売計画の事前立案と実行レベルの向上、②お客様目線で、わかりやすく、買い易い売場づくりの実施、③価格志向からの脱却(売価政策の見直し)である。特に、①が個店主義を具現化した項目であるといえ、「自店の立地特性に合わせて週単位の売場展開を実施、チラシ効果を最大限に発揮できる売場構築の実現、新商品の導入時には、商品本部と連携して、週毎のチェックを実施」からなり、本部の支援のもとに各店が独自に売場づくりを実施するという内容である。また、そのために、店舗独自のPOPが②の実践として、「お客様が商品の食べ方や特性を理解し易いよう、「コトPOP」の活用する」と、なされてゆく。さらに、③では、「品質、グレード、鮮度を重視した品揃えの確立・1ランク上の商品の導入と売り込みに果敢に挑戦」と、競合店との価格競争をするのではなく、むしろ品質競争を行う方針を打ち出し、原価の下落を防ぐ政策も導入される。

   以上が、来期の東武ストアの営業改革の骨子といえるが、では、この営業改革の導入に踏み込むきっかけとなった今期の営業利益が-40.1%と大きく減益になった要因を原価、経費面から見てみたい。まずは、原価であるが、72.12%(昨年73.63%)と、原価は1.51ポイントと大きく下がっており、この厳しい経営環境の中、改善している。結果、売上総利益は27.88%(昨年26.37%)となった。一方、経費の方であるが、26.84%(昨年24.65%)と、2.19ポイントと、原価とは一転、大きく上昇している。それにしても、この経費率の上昇はかなり大きなインパクトがあるといえ、今後、いかに経費比率を引き下げる営業体制をつくるかが課題といえよう。

   結果、差し引き、商品売買から得られる利益、マーチャンダイジング力は1.04%(昨年1.72%)となり、東武ストアはその他営業収入が計上されておらず、イコール、これが営業利益となる。これが今期、東武ストアが減益となった要因であり、原価は改善したが、経費が大きく上昇したことによる。こう見ると、東武ストアの来期の営業方針は今期の結果を見る限り、経費削減の仕組みづくりが大きな課題といえよう。東武ストアも経費削減策の監督指導として、店舗人件費の見直し、手数料の削減、光熱水道費(電気量)の削減を掲げているが、恐らくこれだけでは厳しく、さらに踏み込んだ構造的な対応が課題といえよう。

   このように2011年2月期の東武ストアの決算は減収に加え、経費比率が大きく上昇したため、原価の改善を補うことができず、減益となった。これを受けて、来期は、個店主義を強く打ち出す方針であるが、経費削減よりも、競争力を向上させ、増収をはかる点に力点が置かれているといえる。今後、東武ストアがさらに個店主義を徹底し、チェーンストアの核心、仕入れの改善にまで踏み込んでゆくか、その行くへに注目である。

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May 8, 2011 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

May 07, 2011

サンエー、2011年2月期決算、増収増益!

   サンエーが4/13、2011年2月期の決算を公表した。結果は、営業収益1,435.86億円(4.8%)、営業利益96.69億円(9.8%)、経常利益 99.10億円(10.6%)、当期純利益56.42 億円(13.0%)となり、増収増益の好決算となった。また、自己資本比率も70.8%(昨年64.3%)と、70%を超え、財務的にも食品スーパーマーケット業界屈指の極めて高い数字となった。昨年の決算公開企業約50社の中でも自己資本比率が70%を超えているのはヨークベニマル、マルキョウの2社のみであり、70.8%がいかに高い数字であるかがかる。

   サンエーは、この健全な財務状況による強さもさることながら、営業利益率の高さも食品スーパーマーケット業界屈指の数字である。そこで、今期の営業利益が増益となった要因を原価、経費面、その他営業収入面から見てみたい。まずは、原価であるが、69.91%(昨年69.81%)であり、0.10ポイントの上昇が見られる。サンエー自身も、「小売部門におきましては、個人消費が低迷する中、低価格販売による競争激化で商品単価の下落が続いておりましたが、一部に回復の兆しが見られました。」とのことで、回復の兆しが見られるとのことであるが価格競争の影響があったものと思われる。

   結果、売上総利益は30.09%(昨年30.19%)となった。それにしても、30%を超える売上総利益は、昨年の決算公開企業約50社の食品スーパーマーケットの中では、最も高い数字であり、食品スーパーマーケット業界の限界に近い数字であるといえよう。その要因はサンエーが独特な多角化経営を行っており、食品(構成比約55%)だけでなく、衣料品、住居関連用品、外食、ホテル、CVSと幅広い事業展開をしており、特に、衣料、外食、ホテル等の原価が低い事業が大きく貢献しているためである。

   一方、経費の方であるが、28.20%(昨年27.14%)と、1.06ポイントと大きく上昇している。サンエーは、先に見たように、原価も低いが、経費も高いという特徴がある。一般に食品スーパーマーケットは経費小原価小が理想といえるが、このような企業はほとんどなく、通常は経費小原価大を目指して、EDLP、EDLCを目指す経営戦略といえる。これに対して、経費大原価大、経費大原価小もパターンとしてはあるが、経費大はいずれも利益が出しにくく、特に、経費大原価大の場合は他の利益に依存せざるをえなくなり、食品スーパーマーケットのビジネスモデルとはやや離れることになる。サンエーはこの内、経費大原価小にあたる珍しいパターンであるといえる。したがって、経費改善ができれば、利益は大きく増大する構図であるが、今期は残念ながら、経費の大幅な上昇が見られ、利益が出しにくい構造となった。

   結果、差し引き、商品売買から得られる利益、マーチャンダイジング力は1.89%(昨年3.05%)と、プラスとはなったが、昨年と比べ縮小した。ちなみに、経費比率が大きく増大した要因は、その他経費が139.39億円(昨年124.12億円)と15.27億円増加したためである。そして、これに、不動産賃貸収入、加盟店からの収入等のその他営業収入が5.19%(昨年3.59%)加わり、結果、営業利益は7.08%(昨年6.64%)と、大幅な増益となった。今期は特に、この、その他営業収入の増加が大きく上昇したことが、営業利益を押し上げた要因であるが、これは、昨年はなかった加盟店からの収入によるところが大きく、コンビニエンス事業の貢献が大きかったものと思われる。それにしても、営業利益率が7%を超えるのは昨年の決算公開企業約50社の食品スーパーマーケットの中ではトップであり、7%が食品スーパーマーケットにとって、いかに高い営業利益率であるかがわかる。こう見ると、今期のサンエーの営業利益率の業界屈指の高さは、その他営業収入によるところが極めて大きく、これが、サンエーの沖縄商圏内での多角化の成果といえよう。

   これを受けて、サンエーの来期予想であるが、営業収益1,447.43億円(0.8%)、営業利益 98.62億円(2.0%)、経常利益100.49億円(1.4%)、当期純利益 59.86億円(6.1%)と、増収増益予想であるが、今期よりはその増加率はやや低く、特に、成長率が厳しい予想である。サンエーは「一部不安定な国際情勢による先物価格の高騰に加えて東日本大震災による影響も懸念され、より厳しい経営環境になることが予想されます。」とのことで、厳しい経営環境になるとの見通しである。

   このように、サンエーの2011年2月期決算は増収増益と好決算となった。また、自己資本比率も70%を超え、財務的にも安定した健全な結果となった。ただ、やや気になるのは、経費比率の大幅な上昇が見られ、マーチャンダイジング力が縮小したことである。本来、サンエーは経費大原価小であるので、経費削減が可能であれば、利益を向上させやすい営業構造であるが、今期は逆の方向に動き、苦戦したといえよう。それでも、その他営業収入が大きく上昇したため、結果、営業利益は増益となったといえ、今後、いかに、経費比率を改善できるかが、大きな課題となったといえる。来期、この経費比率がどこまで改善されるか、サンエーの動向に注目である。

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May 7, 2011 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

May 06, 2011

3/11、東日本大震災後の各地の家計消費データを見る!

   前回に続き、家計調査データについて取り上げたい。家計調査データには様々な集計結果があるが、その内のひとつに、「第4-1表 都市階級・地方・都道府県庁所在市別1世帯当たりの支出金額,購入数量及び平均価格」という集計表がある。これを見ると、都道府県庁所在地別の消費額が集計されており、今回の3/11の東日本大震災の影響が各地域の消費にどのような影響があったのかがわかる。そこで、この集計表を昨年の3月度の数字と比較し、その実態を掘り下げてみたい。ただし、この3月度は被災地であった宮城県の仙台市、福島県の福島市についてはデータが集計されておらず、空白となっているので、この2地区については、その状況はわからない。

   さて、まず、全体の消費状況であるが、全国平均は前回のブログでも見たように91.6%であるが、各地区は消費が伸びた地区、逆に大きく下がった地区と様々である。伸びた地区であるが、青森市129.7%、宮崎市121.9%、高知市121.0% 、盛岡市115.7% 、大津市113.8%、松山市112.2%、広島市111.2%であり、以上の地区が110%以上消費額が昨年の3月度と比べ、伸びた地区である。青森市、盛岡市と東北地区が2件入っている。

   そこで、この2件、青森市と盛岡市の特に伸びた要因を見てみたい。まずは、青森市であるが、酒類134.8%、住居162.7%、交通・通信158.2%、教育417.0%である。ただし、教育については、各地区の集計世帯数が少ないため、異常値が出る場合があるが、まさに、実態を見ると私立大学の数字が異常値となっている。したがって、住居、交通・通信が特に消費額が実質増加した項目である。その中身であるが、住居では、設備修繕・維持680.4%、工事その他のサービス843.8%であり、交通・通信では、自動車等関係費219.4%であり、まさに、被災後の厳しい現実が浮かび上がっているといえる。一方、盛岡市では、その他消費支出278.9%、家具・家事用品114.6%、穀類114.4%である。中でも、その他消費支出であるが、寄付金612.6%、交際費1,503.7%、贈与金2,022.9%、理美容用電気器具234.0%、化粧水173.4%等が異常値である。また、家具・家事用品であるが、カーテン538.6%、炊事用電気器具475.7%等の消費が急増している。

   ここで、盛岡市で異常値となった寄付金の状況を見てみたい。この3月度は全国的に異常値となっており、958.3%が全国平均であるので、昨年の約10倍の寄付金が発生していることがわかる。10,000%を超えたのが、前橋市113,050.0%、富山市39,550.0%、松江市28,833.3%、堺市22,083.3%、福岡市16,253.3%、静岡市12,725.6%の6地区である。ちなみに、少ない地区でも山口市417.6%、神戸市379.6%、津市326.8%、浜松市218.5%であるので、まさに、大震災特有の項目といえよう。

   次に、消費が下がった地区であるが、静岡市78.9%、宇都宮市75.8%、前橋市75.6%、奈良市74.1%、札幌市71.9%、水戸市71.5%であり、以上が80%未満の地区である。そこで、特に札幌市と水戸市で消費が大きく下がった要因を見てみたい。

   まずは、札幌市であるが、酒類70.9%、外食76.7%、被服及び履物58.9%、保険医療58.6%、交通・通信37.1%、教育21.2%、教養娯楽75.2%である。この内、教育は先に見たように集計人数の関係で異常値が出やすいので、交通・通信、保険医療について、さらにその項目を見てみると、交通・通信では、鉄道通勤定期代1.8%、バス通勤定期代36.5%、航空運賃47.5%、有料道路料44.0%等に加え、自動車等関連用品4.3%、自動車整備費30.3%等が激減している。また、保険医療については、栄養剤23.5%、医科診療代77.0%、歯科診療代79.9%の消費が厳しかったといえる。

   次に、水戸市であるが、外食58.2%、被服及び履物58.9%、保険医療71.0%、交通・通信61.5%、教育21.2%、教養娯楽52.5%、その他の消費支出78.6%等である。この内、交通・通信と外食について見てみたい。まずは、交通・通信であるが、鉄道運賃6.8%、バス通勤定期代25.5%、自動車等関連用品12.3%、郵便料38.8%、移動電話通信料59.7%、運送料64.1%等である。また、外食であるが、飲酒代15.7%、洋食35.2%、和食50.2%、学校給食53.7%等である。

   最後に、食品について、特に、消費額が落ち込んだ地域であるが、前橋市89.2%、山形市89.1%、盛岡市88.4%、宇都宮市86.3%、水戸市82.6%であり、いずれも被災地の東北、北関東である。その要因であるが、特に、水戸市では、魚介類86.4%、肉類78.9%、野菜・海藻88.3%、菓子類76.0%、飲料88.2%、酒類73.7%と、大半の項目が大きなマイナスとなっている。ちなみに、プラスとなった項目であるが、果物109.8%、穀類104.2%の2項目のみである。

   このように、この3月度の家計調査データの地域別を見ると、全国データではわかりにくかった各地域の3/11の東日本大震災の影響を受けた消費項目が鮮明に浮かびあがり、様々な異常値が発生していることがわかる。特に、食品では全国の数字は100.5%と堅調な数字となったが、今回のデータが公表された被災地の食品は大きくマイナスとなっており、厳しい消費環境にあったことがわかる。今回は、仙台市、福島市の数字は公開されていないが、おそらく、さらに厳しい消費状況であったことと思われる。当面、この厳しい状況は続くと思われるが、4月以降、この数字がどのように変化するか、その行方が気になるところである。

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May 6, 2011 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

May 05, 2011

家計調査データ、2011年3月度、震災後の消費は?

   総務省統計局から、4/28、2011年3月度の家計調査データが公表された。3/11の東日本大震災後のはじめての家計調査データであり、その結果が注目されていたが、気になる食品の数字は1,918.48円(100.5%)と、昨対を超え、堅調な結果となった。ただ、食品を含めた全体の消費額は9,457.45円(91.6%)となり、この3月度は、食品以外の消費の落ち込みは大きかったといえ、消費全体は厳しい数字であったといえる。

  そこで、まずは、この3月度、特に消費が下がった項目を見てみたい。大分類で見て、10%以上、消費が下がった項目であるが、外食363.58円(84.0%)、住居496.45円(83.2%)、被服及び履物375.00円(83.9%)、交通・通信1,326.45円(87.3%)、教育417.48円(79.7%)、教養娯楽943.71円(80.9%)の6項目である。この中で、最も大きかったのは、教育417.48円(79.7%)であるが、これは、国公立高校 8.87円(33.5%)、私立高校29.48円(69.6%)と、高校授業料の無償化の影響によるところが大きい。ただ、これ以外にも、私立小学校0.77円(28.6%)、私立中学校1.90円(35.3%)、私立大学93.61円(64.2%)と、私立学校関係の授業料が軒並み下がっており、これも教育全体を押し下げた要因である。

   ついで、教養娯楽943.71円(80.9%)であるが、教養娯楽用耐久財146.58円(68.6%)と教養娯楽サービス451.42円(78.0%)の落ち込みが大きい。その要因であるが、教養娯楽用耐久財では、テレビ60.16円(54.4%)、携帯型音楽・映像用機器0.84円(68.4%)、パーソナルコンピュータ36.94円(75.7%)、ビデオカメラ1.16円(22.9%)、ビデオデッキ12.03円(88.8%)など、家電関連の落ち込みが大きかったといえる。また、教養娯楽サービスでは、パック旅行費102.65円(65.6%)、国内パック旅行費62.48円(56.0%)、外国パック旅行費40.16円(89.5%)など、旅行関連、そして、音楽月謝18.03円(86.3%)、他の教養的月謝12.55円(74.2%)、スポーツ月謝28.03円(80.5%)、映画・演劇等入場料12.10円(64.5%)、スポーツ観覧料1.61円(79.4%)、ゴルフプレー料金15.32円(86.7%)、スポーツクラブ使用料8.29円(88.9%)などが軒並み大きく下がっている。

   ただ、この教養娯楽の中でも比較的堅調な消費もある。教養娯楽用品213.52円(94.0%)である。この中には、電池12.90円(285.7%)が異常値となっており、これ以外にも、他の教養娯楽用品21.84円(126.3%)、教養娯楽用品修理代0.48円(166.7%)、ペットフード19.13円(103.7%)、テレビゲーム機4.13円(119.6%)などは計画停電の影響もあってか、消費が伸びた項目である。

   外食363.58円(84.0%)であるが、全体的に厳しい結果であったが、その中でも、飲酒代35.00円(64.4%)、中華食9.90円(71.2%)、日本そば・うどん11.10円(78.9%)、中華そば13.55円(83.5%)、ハンバーガー11.06円(82.1%)、和食48.87円(80.1%)等が厳しい消費額であった。住居496.45円(83.2%)では、給排水関係工事費15.23円(29.7%)、外壁・塀等工事費23.03円(35.0%)、植木・庭手入れ代2.10円(43.3%)等、工事関連が厳しい結果となった。被服及び履物375.00円(83.9%)では、男子用洋服59.06円(72.9%)、婦人用洋服89.58円(81.6%)の消費額が特に下がった項目である。そして、交通・通信1,326.45円(87.3%)であるが、何といっても、自動車等購入が200.97円(61.8%)と、大きく消費額が減少しているが、一方で、ガソリン193.94円(104.8%)、自動車等部品38.29円(112.5%)は、消費額を伸ばしている。また、郵便料6.06円(117.5%)、運送料18.94円(131.6%)など、通信関連の消費額は大きく伸びている。

   以上が、食品以外の特に、この3月度、大震災の影響が大きかったと思われる項目であるが、ここで、食品について見てみたい。まずは、全体は食品1,918.48円(100.5%)と堅調な結果であったが、大分類で消費額が下がった項目を見てみると、魚介類210.61円(94.0%)、乳卵類104.29円(98.1%)、菓子類213.97円(92.3%)、酒類97.84円(96.2%)であり、消費額の大きな落ち込みは見られなかった。これ以外はすべて、昨対を超えており、特に、飲料123.32円(108.9%)、主食的調理食品114.06円(104.0%)、穀類232.48円(109.6%)は計画停電関連ということもあり、消費額を力づく良く底上げしたといえよう。

   さらに、消費額が両極端に動いたものをピックして見ると、プラス項目は、米 82.06円(113.2%)、カップめん14.35円(140.8%)、即席めん6.61 円(129.7%)、小麦粉2.58円(117.6%)、もち3.45円(137.2%)、粉ミルク2.84円(139.7%)、乾燥スープ8.87円(131.6%)、ふりかけ4.97円(116.7%)、ミネラルウォーター12.84円(248.8%)、コーヒー15.61円(112.6%)等である。逆に、マイナス項目は、貝類 12.55円(80.7%)、まんじゅう3.68円(74.0%)、他の和生菓子27.97円(85.8%)、アイスクリーム・シャーベット10.65円(86.2%)、ビール25.87円(88.4%)、ウイスキー2.81円(85.3%)、ワイン5.23円(88.0%)等である。

   このように、注目された2011年3月度の家計調査データであるが、食品は計画停電の影響もあり、買いだめ需要が発生したものと思われ、若干のプラスとなったが、全体の消費は1割弱下がるという厳しい結果となった。特に、外食、住居、被服及び履物、交通・通信、教育、教養娯楽の6項目への影響が顕著であったといえよう。今回の大震災は東日本、特に東北地方に限定されていたとはいえ、この家計調査データは日本全体の数字であり、いかに、全国的に大きな影響があったかがわかる。4月以降もこの大震災の様々な影響は続くと思われ、当面、消費動向を注意深く見てゆく必要があろう。

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May 5, 2011 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

May 04, 2011

イズミ、2011年2月期決算、増収増益!

   イズミが4/8、2011年2月期本決算を公表した。結果は、営業収益5,023.79億円(2.1%)、営業利益217.83億円(6.7%)、経常利益209.49億円(6.2%)、当期純利益99.41億円(13.6%)となり、増収増益、堅調な決算となった。イズミは現在、87店舗を地元広島を中心に、九州、四国地方へと展開しているが、その約60%強がショッピングセンター、ゆめタウンであり、食品スーパーマーケットというよりも、ショッピングセンターを主力業態とした企業といえる。特に、九州、四国地方は大半がゆめタウンであり、売上構成比もこの地区は50%を超え、イズミの第2の商圏として、確立されたといえる。

   ただ、ここ最近は、営業収益が伸び悩んでおり、昨年は-1.6%、今期も2.1%増と微増にとどまっている。そこで、今期、イズミの営業収益が伸び悩んだ要因を見てみたい。まずは、今期の新規出店であるが、「店舗面では、付加価値の高い商品を地域一番の安さでご提供する新しいタイプのディスカウント業態として、昨年9月に「DSイズミうきは店」(福岡県うきは市、店舗面積 約7,300 平米)、11 月に「DSイズミ津山店」(岡山県津山市、店舗面積 約2,500 平米)を新設いたしました。」とのことで、DS、2店舗のみである。イズミの主力業態であるゆめタウンの出店はなく、これが営業収益が伸び悩んだ要因といえる。

   ちなみに、このDSの特徴であるが、「近隣のお客様の毎日のお買物に対して低価格と利便性・快適性をご提供するとともに、売場作業の省力化によるローコスト運営に努めており、小商圏型店舗として既存の店舗網では捉えきれなかった地域の需要を新たに掘り起こしてまいります。」とのことで、ゆめタウンとは対極的なコンセプトである。これを受けて、来期の新店予定であるが、四国の徳島県では初となる出店となるが、ゆめタウンをオープンする予定である。DSを継続的に出店してゆく方針ではないようであり、ゆめタウンを依然として主力業態として出店ゆくとのことである。

   ゆめタウンはショッピングセンターであるがゆえに、莫大な投資が必要となる業態である。来期の徳島のゆめタウンの投資額を見ても、125億円の予定であり、今期の2店舗のDSの投資がDSイズミうきは店18億円、DSイズミ津山店9億円と比べても10倍近い投資である。当然、資金調達も多額に及ぶことになる。

   そこで、今期のイズミの財務状況を見てみると、自己資本比率は33.2%(昨年30.1%)であり、昨年よりは改善したとはいえ、負債が約70%である。イズミの出店にかかわる資産、土地、建物、敷金の合計は2.718.62億円(1店舗当たり31.24億円)であるので、総資産3,685.84億円の73.75%にも及ぶ。したがって、差し引き、出店余力は-40.55%であり、負債に大半を依存する出店構造といえる。しかも、その負債の内、有利子負債は1,607.43億円と、総資産の43.61%と重く経営にのしかかっており、新規出店を継続的、安定的にしてゆくには厳しい財務状況にあるといえる。したがって、今期は主力業態、ゆめタウンの新規出店をひかえたといえよう。実際、今期の投資活動によるキャッシュフローを見ると、新規出店関連の投資である有形固定資産の取得による支出が-121.64億円(昨年-213.82億円)とほぼ半減しており、新規出店を控えたことがわかる。

   一方、営業収益に対し、好調な決算となった営業利益が6.7%増となった要因を原価、経費、そして、その他営業収入面から見てみたい。特に、イズミはショッピングセンター、ゆめタウンが主力業態であるため、その他営業収入の貢献度は極めて大きく、特に、この3つの面から営業利益を見てゆくことが必要である。まずは、原価であるが、78.94%(昨年78.47%)と、0.47ポイント上昇している。今期、新店として2店舗のDSを出店しているが、それだけ、価格競争が厳しい状況にあったものといえよう。結果、売上総利益は21.06%(昨年21.53%)となった。ちなみに、食料品は24.9%、衣料品36.3%、住居関連品30.6%であり、全体が21.06%となるのはテナントの8.0%が入るためである。

   ついで、経費であるが、21.38%(昨年22.15%)と、-0.77ポイントと大きく改善している。原価の上昇を、経費でカバーしており、結果、商品売買から得られる利益、マーチャンダイジング力は-0.32%(昨年-0.62%)となった。依然としてマイナスではあるが、その幅は改善しており、経費削減効果が大きかったといえよう。
そして、これに、イズミ特有のその他営業収入が加わるが、その中身は、不動産賃貸収入、流通センター収入、店舗賃貸共同管理費収入がそれぞれほぼ均等に加算され、4.88%(昨年4.99%)となり、結果、営業利益は4.56%(4.37%)と、増益となった。

   このようにイズミの2011年2月期の本決算は増収増益と、堅調な決算となった。やや気になるのは営業収益が2.1%と伸び悩んだことであり、その要因が主力業態のゆめタウンの新規出店がなかったことによることである。来期は1店舗のゆめタウンの出店が予定されているが、今期の財務内容を見る限り、新規出店を安定的、継続的に果たしてゆくには負債が重く、財務内容の改善が課題といえる。一方、利益の方は好調といえ、特に、経費比率の改善が全体の利益を押し上げており、収益性は増しているといえる。今後、この収益性の高さをいかに財務改善につなげ、安定的な成長戦略を構築できるか、今後のイズミの動向に注目である。

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May 4, 2011 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

May 03, 2011

スーパーバリュー、2011年2月期決算、増収減益!

   スーパーバリューが4/14、2011年2月期の決算を公表した。結果は、売上高479.75億円(10.7%)、営業利益10.87億円(-4.3%)、経常利益9.70億円(0.0%)、当期純利益 4.88億円(-12.0%)となり、増収減益となるやや厳しい決算となった。ただ、各食品スーパーマーケットの売上高が伸び悩む中、10.7%の成長となり、順調に新店を展開しており、スーパーバリューの成長性の高さを示す決算となった。現在、スーパーバリューは16店舗を埼玉県を中心に展開しているが、今期は、「平成22年3月に志茂店(東京都北区)、12月に等々力店(東京都世田谷区)の2店舗を出店し、・・」と、2店舗を出店している。したがって、新店効果は単純計算で2/16=12.5%の成長が期待できることになり、2店舗の新店の貢献度が大きかったといえよう。

   そこで、まずは、スーパーバリューのここ数年の新店戦略を見てみたい。2010年度は先に見たように、12月に等々力店(東京都世田谷区)、3月に志茂店(東京都北区)の2店舗、2009年度は11月に大宮天沼店(埼玉県さいたま市)、見沼南中野店(埼玉県さいたま市)、10月に荒川一丁目店(東京都荒川区)、7月に東所沢店(埼玉県所沢市)の4店舗、そして、2008年度は12月に入間春日町店(埼玉県入間市)、10月に川口前川店(埼玉県川口市)と2店舗をオープンしている。したがって、この3年間に8店舗をオープンしており、まさに、急成長を遂げているといえ、この勢いが、この2011年度も継続しているといえる。

   では、この急激な新規出店を支えた財務状況はどのような状況にあるのかを見てみたい。まずは、自己資本比率であるが、18.6%(昨年15.6%)であり、昨年よりは上昇しているが、80%以上を負債に依存する構造であるといえ、財務構造としては、厳しい状況であるといえよう。そこで、負債の中身を見てみると、有利子負債が112.56億円(昨年110.28億円)と総資産200.29億円の56.19%と半分以上を占めており、財務に重くのしかかっている。ただ、この内、50.75億円は責任財産限定対象であるため、リスク分散が図られている。これは、資産とも連動しており、出店関連の資産である土地28.62億円、建物及び構築物28.30億円等も責任財産限定対象となっている。したがって、「上記匿名組合の借入金は匿名組合の責任財産限定対象資産のみを担保とするものであり、当社に返済義務はないものであります。」とのことである。

   スーパーバリューがここ最近急成長を遂げた要因は、この独特な財務戦略にあるといえ、通常であれば、自己資本比率18.6%では、思いきった新規出店が難しいところであるが、この仕組みがここ数年の成長戦略を支えてきたといえる。ただ、さすがに、今期の投資活動によるキャッシュフローの中の新規出店にかかわる項目、有形固定資産の取得による支出は1.65億円(昨年5.59億円)と、大きく減少しているので、今後は、資産のかからない居抜き出店に切り替え、内部体制を固めてゆくものと思われる。

   さて、スーパーバリューが急成長を遂げた要因は、この積極的な新規出店にあったといえるが、その一方で、新店をいち早く軌道に乗せる価格競争力もその要因といえる。そこで、今期の営業利益の構造を原価、経費から見てみると、原価は79.68%(昨年79.69%)と0.1ポイント改善しており、結果、売上総利益は20.32%(昨年20.31%)となった。この内、食品スーパーマーケット部門は19.9%、ホームセンター部門が21.5%であるので、食品スーパーマーケットは20%を下回る低さであり、強力なディスカウント政策が実施されていることがわかる。昨年の決算公開企業約50社の平均が25.0%であるので、いかに、低い数字であるかがわかる。

   一方、経費の方であるが、18.67%(昨年18.38%)であり、昨年よりも0.29ポイント上昇しているが、18%台は極めて低い経費比率である。これも、昨年の決算公開企業約50社の平均が25.6%であるので、いかにローコスト構造であるかがわかる。結果、差し引き、商品売買から得られる利益、マーチャンダイジング力は1.65%(昨年1.93%)となり、プラスとはなったが、昨年よりも減少した。これに、不動産収入等のその他営業収入が0.62%(昨年0.69%)加わり、結果、営業利益は2.27%(昨年2.62%)となり、減益となった。ただ、減益となったとはいえ、これだけ経費比率が低いと競合の食品スーパーマーケット等とも価格競争力が優位に展開できるため、売上高の増収を支える大きな要因となったといえよう。

   このように、スーパーバリューの2011年2月期の決算は2桁の増収とはなったが、営業利益は昨対を割り、増収減益となった。スーパーバリューはこれまで新店を積極的に展開し、急成長を遂げ、さらに、業界屈指の低い経費比率を武器に、価格訴求を全面的に打ち出し、シェアを拡大してきたといえる。気になるのは、財務、自己資本比率であり、責任財産限定対象の仕組みを取り入れているものの、18.6%は、今後とも成長を目指す上においては、厳しい数字といえる。今後は財務改善も視野に入れたバランスをとった経営戦略が必須といえ、来期以降、スーパーバリューがどのような経営戦略を打ち出すか注目である。

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May 3, 2011 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

May 02, 2011

消費者物価指数(CPI)、2011年3月度、0.0%!

   注目の2011年3月度の消費者物価指数(CPI)が4/28、総務省統計局から公表された。消費者物価指数には3つの総合指数があるが、結果は、「(1) 総合指数は平成17年を100として99.6となり、前月比は0.3%の上昇。前年同月と同水準となった。(2)生鮮食品を除く総合指数は99.4となり、前月比は0.5%の上昇。前年同月比は0.1%の下落となった。(3) 食料(酒類を除く)及びエネルギーを除く総合指数は97.0となり、前月比は0.2%の上昇。前年同月比は0.7%の下落となった。」となり、(1)の文字通り、総合指数は前年同月比0.0%となった。ただ、(2)は0.1%の下落、(3)は0.7%の下落であり、3/11の東日本大震災の影響は消費者物価全体へは大きな影響は出ていないようである。

   実際、(1)の総合指数の過去4年間の消費者物価指数の推移を見ると、平成17年を100とした場合の動向は3年前の平成20年8月、9月、10月をピークに、その後、右下がりに消費者物価指数が下降しており、平成22年度に入ると、マイナスとなり、その後、横ばいで推移している。そして、平成23年度に入ってもマイナスの横ばいが続いている。特に、(3)の食料、エネルギーを除く総合指数は、この4年間一度もプラスに転じたことがなく、先に上げた(1)の平成20年8月、9月、10月以降、平成23年に入っても下降傾向が鮮明であり、この3月度も大きな動きは感じられない。

   また、消費者物価指数を昨年同月比で見ると、平成20年度まではプラスの上昇傾向が鮮明であるが、その平成21年に入り、マイナスに転じ、平成23年に入ってもマイナスが一貫して続いている。しかも、(1)、(2)、(3)すべてがほぼ同じ傾向で推移しており、プラスに転じる兆候が見られない。この3月度も1月度、2月度とほぼ同じ傾向であるといえ、東日本大震災の影響は、ほとんどないように見える。

   そこで、もう少し、この3月度の結果を掘り下げてみたい。まずは、プラスに貢献した項目であるが、寄与度で見てみると、ガソリン0.32、たばこ0.27、生鮮食品0.17、灯油0.15の4つ項目である。いずれも、食品、エネルギー関連であり、消費者物価指数に、いかに、この2大部門が大きな影響を与えるかがわかる。それゆえ、(1)、(2)、(3)と総合指数が3つあることも頷ける。この4つの項目以外はいずれも寄与度は低く、3月度特有の項目は特には見あたらないといえる。

   一方、マイナスの寄与度となった項目であるが、何といっても、高校授業料の無償化の影響が大きく、公立高校授業料-0.40、私立高校授業料-0.11であり、この2つが最大のマイナス要因である。まさに、政策が消費者物価指数を押し下げたといえる結果となった。この2大項目以外では、生鮮食品を除く食料であり、-0.15であり、生鮮食品の0.17とは対照的な動きである。食品はその意味で、消費者物価指数を上昇させている生鮮食品と、下降させている非生鮮食品との両極端が混在している部門であるといえ、複雑な要因を抱えているといえよう。これ以外では、その他が-0.25となる。

   以上が、この3月度の消費者物価指数にプラス、マイナスへ影響を与えた項目であるが、これを2月度と比べてみると、ほぼ同様な傾向であるといえ、この状況を見ても、3月度の消費者物価に大きな変動はなかったといえ、全体としては、3/11の東日本大震災の影響はなかったといえよう。

   ついで、この3月度、消費者物価指数にプラス、マイナスの両方の影響を与えた食品について、もう少し、詳しく見てみたい。まず、プラスに影響を与えた生鮮食品の状況であるが、魚介類-0.2、肉類0.0であるので、生鮮食品の中でも、青果に絞られるといえる。そこで、その青果であるが、野菜・海藻1.9、果物10.2であり、特に、果物が異常値であったこといえる。その中身であるが、いよかん45.6、みかん41.0と柑橘類が異常値である。ついで、キウイフルーツ15.5、り ん ごB10.7、オレンジ7.2、レモン4.7等、軒並み、果物の物価上昇が続いたことがわかる。

   一方、消費者物価指数を下げた非生鮮食品であるが、穀類-3.6、油脂・調味料-1.5、菓子類-0.3、飲料-1.6、酒類-1.0という状況である。特に、穀類が大きく下げているので、その中身を見てみると、米類-7.3と大きく下げている。その中でも、国産米B-8.6、国産米A-7.6、うるち米-7.5、ブレンド米-4.8、もち米-3.7と、すべての米の項目が下がっている。また、飲料のミネラルウォーターも-4.8と大きく下がっていることから、これらは東日本大震災の影響が表れたものといえよう。

   このように、2011年3月度の消費者物価指数は全体としては、2月度とほぼ同じ傾向であったといえ、この4年間の推移と比べても、全体の流れの中で動いているといえ、3/11の東日本大震災の影響が全体へはなかったといえる。ただ、個々の項目を見ると、米、水等が明らかに消費者物価指数が下がっており、これは大震災の影響であったといえよう。今後、まだまだ、予断を許さない状況は続くと思われ、次の4月度についても、どのような結果となるか、その動向が気になるところである。

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May 2, 2011 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

May 01, 2011

マックスバリュ西日本、2011年2月期決算、増収増益!

   マックスバリュ西日本が4/5、2011年2月期、本決算を公表した。結果は、営業収益2,444.36億円(9.4%)、営業利益 75.45億円(9.7%)、経常利益77.22億円(6.8%)、当期純利益35.36億円(-16.5%)となり、営業、経常段階では増収増益の好決算となった。なお、当期純利益については、「既存店の業態転換等による減損損失を含む特別損失を計上したことにより、・・」とのことで、減益となった。

   そこで、今期マックスバリュ西日本の当期純利益が減益となった業態転換の状況を見てみた。マックスバリュ西日本は現在、4つの業態を展開している。その内訳であるが、中核業態はSSM(スーパースーパーマーケット)であり、90店舗(構成比55.4%)である。ついで、ザ・ビック(ディスカウントストア)28店舗(構成比29.1%)、SM(スーパーマーケット)39店舗(構成比14.7%)、CSM(コンビニエンス・ スーパーマーケット)4店舗(構成比0.8%)である。これを昨年の前期と比べると、SSM(100.0%)、ザ・ビック(147.7%)、SM(97.5%)、CSM(60.0%)であり、ザ・ビックへの急激なシフトが鮮明であり、ディスカウント戦略を強く推進していることがわかる。

   実際、「店舗開発については、期首より15店舗(MV西今宿店、B多度津店、B奥田南店、MV東加古川店、EX広島駅北口店、MV三木北店、B鴨方店、B笠岡店、MV町坪店、MV菅生店、B神辺店、B連島店、B国分寺店、B松神子店、B倉敷店)を開店いたしました。」とのことで、Bがザ・ビックであるので、15店舗の内、9店舗と大半の新規出店がザ・ビックであることがわかる。しかも、「県別には兵庫県に5店舗、岡山県に5店舗、広島県に2店舗、香川県に2店舗、愛媛県に1店舗を開店いたしましたが、中でも岡山県では、業績が低迷していた既存のマックスバリュ4店舗をビッグ店舗に業態を転換することにより、競争力の強化を図りました。」とのことで、各地区でザ・ビックを展開しており、いまや、ザ・ビックがマックスバリュ西日本の戦略業態といえる。

   では、ザ・ビックへの戦略転換が営業利益の増益にどのような影響を与えたのかを原価、経費面から見てみたい。まずは、原価であるが、75.84%(昨年75.23%)と、残念ながら、原価は0.61ポイント上昇している。結果、売上総利益は24.16%(昨年24.77%)となった。これについて、マックスバリュ西日本は、「営業及び商品面では、厳しい経済状況の中において、お客さまにお求めやすい価格を提供することを目的にEDLP(エブリデー・ロー・プライス)の実現に取り組みました。EDLP(エブリデー・ロー・プライス)商品については、商品開発から店舗での販売に至るまでのバリューチェーンを構築することによるコストダウンを図り、更なる価格優位性の実現に取り組んでおります。」とのことで、EDLPへの取り組みが売価を引き下げ、原価に影響したものといえよう。

   特に、原価改善のための戦略商品であるPB、トップバリュについては、「荒利面では、デフレ基調が定着する中において、グループ共同調達の活用やプライベートブランドであるトップバリュ商品の訴求強化による向上を図りました。」とのことであるが、マックスバリュ西日本全体への売上構成比は8.9%(昨年9.0%)と昨年よりも下げている。しかも、ザ・ビックは6.0%(昨年6.0%)、SSMは9.8%(昨年9.8%)と、ザ・ビックの方が構成比は低く、NB比率が高いといえる。したがって、EDLP戦略をPB戦略で補うことが厳しい状況であったものといえよう。

   これに対して、経費の方であるが、23.31%(昨年23.84%)と0.53ポイント改善している。これについて、マックスバリュ西日本は、「現場力強化及び収益構造の改革の取り組みでは、生産性向上に向けた働き方改革を継続するとともに、営業組織下に店舗のサポートを行うスーパーバイザーを配置する組織変更を実施することにより、現場における販売力の強化と生産性の向上に取り組みました。」とのことで、生産性の向上が経費削減に寄与したといえよう。

   結果、差し引き、商品売買から得られる利益、マーチャンダイジング力は0.85%(昨年0.93%)と、プラスにはなったが、昨年よりも下がっており、原価の上昇が経費の改善を上回っており、厳しい結果となった。これに、不動産収入、物流収入等のその他営業収入が2.31%(昨年2.23%)加わり、結果、営業利益は3.16%(昨年3.16%)となった。したがって、売上高の増加分がほぼそのまま営業利益の増加につながったといえ、原価、経費、その他営業収入は、差し引き相殺されており、ザ・ビックの貢献度は売上高への増収効果が顕著に表れたといえよう。

   このように、2011年2月期のマックスバリュ西日本の決算は営業、経常段階では増収増益の好決算となったが、その中身は、ザ・ビックを戦略業態として、積極的に展開したことが大きかったといえる。特に、ザ・ビックの貢献度は営業構造の中ではディスカウント性が高まり、売上増をもたらす一方、原価を下げる結果とはなったが、同時に経費の削減、不動産収入等の増加ももたらしており、営業利益率では昨年並みの数字を確保することができた。したがって、売上高の増収分がそのまま営業利益高に跳ね返り、増益をもたらしたとえいる。今後、マックスバリュ西日本としては、ザ・ビック戦略を通じて、営業構造をさらに改善できるかどうか、そして、どこまでザ・ビック戦略を推し進めてゆくのか、注目である。

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May 1, 2011 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

April 30, 2011

カスミ、2011年2月期決算、増収増益!

   カスミが4/11、2011年2月期決算を公表した。結果は、営業収益2,186.01億円(0.8%)、営業利益 67.94億円(22.4%)、経常利益 73.84億円(21.1%)、当期純利益 32.21億円(16.7%)と、増収幅はわずかではあったが、増収増益となる好決算となった。特に、利益はいずれの段階でも2桁の伸びとなった。

   そこで、まずは、カスミの利益が好調な結果となった要因を原価、経費面から見てみたい。今期、カスミの原価であるが、74.24%(昨年73.76%)なり、0.48ポイント上昇した。結果、売上総利益は25.76%(昨年26.24%)と下がった。これについて、カスミは、「営業面では「なっとくの品質を1円でもお安く」をテーマに、定番商品の価格を見直すと共に、曜日毎に特定の品目をお買得価格で提供する「曜日市」の充実、鮮度と価格面からその日一番お買得な青果物を提供する「一番野菜」「一番果実」の展開など、販促企画の強化を行いました。」とのことで、価格訴求を徹底したことが、原価を下げた要因のひとつといえよう。また、「平成23年6月に創立50周年を迎えるにあたり、これまで当社を支えて下さったお客様への感謝の気持ちを込めた記念セールやプレゼント企画、イベントなどを開催しました。」とのことで、50周年企画の販促を強めたこともその一因といえよう。

   一方、経費の方であるが、26.05%(昨年26.96%)と、0.91ポイントと大きく改善した。これについて、カスミは、「ローコスト化の取り組みでは、店内作業において時間帯毎の作業量に応じた適正な人員配置を行うことで、売場のサービスレベル向上と総労働時間のコントロールに取り組みました。また、業務の見直しによるコスト削減を継続強化しました。

   さらに、管理者のマネジメント能力向上を目的とした実践教育を継続強化し、その対象を営業現場の第一線を担うチーフ職にまで拡大しました。」とコメントしており、特に、人件費の見直しに取り組んだとのことである。実際、今期のカスミの経費の状況を見てみると、人件費が259.53億円(昨年265.13億円、-2.1%)と5.60億円下がっている。また、それ以上に、設備費が180.83億円(昨年191.72億円、-5.7%)と、10.89億円下がっており、設備の削減も大きかったといえる。

   結果、差し引き、商品売買から得られる利益、マーチャンダイジング力は-0.29%(昨年-0.72%)と、依然としてマイナスではあるが、その幅は大きく改善しており、経費削減の効果が鮮明であるといえる。ただ、経費比率26.05%は、昨年の決算公開企業約50社の平均が25.6%であるので、依然として高めの水準であるといえ、今後、さらに、経費比率を改善し、マーチャンダイジング力をいかにプラスにもっていけるかが課題といえよう。そして、これに、不動産収入、物流収入等のその他営業収入が3.52%(昨年3.38%)加わり、結果、営業利益は3.23%(昨年2.66%)と、利益が大きく改善した。

   こう見ると、今期、営業利益が大きく改善した要因は、経費改善の効果が極めて大きく、原価の上昇をカバーしており、経費削減がカスミにとっては利益の源泉であったといえよう。気になるのは、原価の上昇であるが、カスミはイオングループであるため、当然、原価改善のためにイオンのプライベートブランド、トップバリューを導入している。今期の状況を見ると、95.42億円(昨年104.41億円、91.4%)であり、その構成比は4.6%となった。したがって、トップバリューの比率が下がっており、これも原価を下げる要因となったといえよう。特に、今期は先に見たように価格訴求を重視しており、結果、構成比の上がったナショナルブランド(NB)の原価が下がったものと思われる。

   さて、結果、利益は大きく上昇したことにより、キャッシュフローは実質増加しているが、今期は法人税の支払いが増加し、営業活動によるキャッシュフローは72.84億円(昨年95.18億円)と減少した。ただ、投資活動によるキャッシュフローも-21.96億円(昨年-48.16億円)と半減しており、結果、フリーキャッシュフローは50.88億円(昨年47.02億円)と若干増加している。これは、新規出店等の成長戦略への投資を削減したことによる。実際、今期の新店を含む設備投資は昨年の72.14億円から37.30億円へと大きく削減しており、結果、営業収益も0.8%の増加に留まっている。そこで、財務活動によるキャッシュフローであるが、-40.82億円(昨年-29.17億円)とフリーキャッシュフローをめいっぱいあている。その中身であるが、-31.76億円(昨年-20.08億円)を有利子負債へあてており、財務改善にキャッシュを振り向けていることがわかる。

   このように、カスミの2011年2月期の決算は増収増益、特に利益は原価の上昇を大幅な経費削減によりカバーし、2桁の上昇となった。そして、その改善した利益を財務改善にあてており、今期は成長よりも、財務改善を含む内部体制の充実に経営資源を配分したといえる。そして、来期はさらに、投資を抑制し、有利子負債の削減を目指しており、当面、カスミの経営戦略は経費削減によりキャッシュを生み出し、生み出されたキャッシュを成長戦略よりも財務改善に充てる方針といえよう。特に、来期は3/11の東日本大震災の影響も不透明であることから、成長戦略を打ち出しにくい経営環境にあるといえる。今後、カスミが、財務体質を改善し、いつ成長戦略を打ち出すか、その反転に注目である。

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April 30, 2011 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

April 29, 2011

食品スーパー、売上速報、2011年3月度、103.6%!

   4/28、オール日本スーパーマーケット協会、日本スーパーマーケット協会、社団法人新日本スーパーマーケット協会、3社合同による2011年3月度の食品スーパーマーケットの売上速報が公表された。結果は売上高が7,513億5,133万円となり、昨対では103.6%となった。店舗数は7,120店舗、主要食品スーパーマーケットをほぼ網羅しており、現時点での食品スーパーマーケット業界の現状を表しているといえよう。特に、この3月度は、3/11の東日本大震災の影響がどのような結果となったかが注目されたが、103.6%となり、コンビニ同様、堅調な結果となった。

   ただ、これを地域別にみると、北海道・東北エリアは93.7%と、唯一昨対を割っており、厳しい状況であったことがわかる。食品スーパーマーケットの復旧は急ピッチで進んでいるが、3月度時点では、被災店舗も多く、商品も十分に供給できない状況といえ、厳しい結果となった。次回、4月度、どこまで、この数字が回復するか、その結果を期待したところである。

   ついで、関東エリアであるが、106.0%と、全エリアの中で最も数字が高い結果となった。特に、このエリアの大半は東京電力の管内であり、計画停電等の影響もあり、消費者のまとめ買い需要、停電関連商品の特需等も加わり、これらが通常の売上げを押し上げたといえよう。実際、3月度の東京の食品スーパーマーケットの売場は、ローソク、電池、紙製品、水、米、パン、カップ麺、菓子、納豆、ヨーグルト等、入荷してもすぐに欠品となる商品が続出していた時期であり、異常な消費が続いていたといえる。したがって、これらを含め、計画停電関連の商品群が特に売上げを押し上げたといえよう。

   そして、東海・北陸エリア104.7%、関西エリア104.9%、中国・四国エリア102.2%、九州・沖縄エリア103.0%という結果となった。こう見ると、東日本大震災の被災地、東北に近いほど売上げが高い傾向にあったといえ、東海・北陸エリア、関西エリアは、この3月度はやや低い売上げであったといえる。

   では、これを商品別で見ると、どのような結果となったかであるが、最も伸びた部は107.4%の一般食品・その他(構成比45.7%)である。ここには、日配も含まれているが、加工食品の伸びが特に大きかったといえる。先の計画停電関連の商品としても、水、米、パン、カップ麺、菓子、納豆、ヨーグルト等を含んでおり、これらの商品が全体の数字を押し上げたといえよう。やや意外だったのは、一般食品・その他同様に計画停電関連の商品を多く含む非食品(構成比15.2%)であるが、99.7%と昨対を下回ったことである。

   これについで堅調な伸びを示した部門は、畜産(構成比9.7%)であり、104.3%である。当然、生鮮3品の中でも最も伸び率が高かったといえ、特に、畜産は保存もきくことも数字を引き上げた要因といえよう。畜産についで、堅調な数字となったのは青果(構成比12.5%)であり、昨対104.2%であり、畜産の104.3%と比べると、0.1ポイントの差であり、ほぼ同率といえよう。

   一方、残念ながら、水産(構成比8.7%)は、98.6%と、非食品の99.7%よりも、厳しい結果であり、生鮮3品を含め、全部門の中でも水産が最も厳しい結果であったといえる。特に水産は、この統計がはじまった昨年の4月以降、今年の1月度まで昨対を割り続けており、1月度からやっと昨対を上回り、2月度も堅調な結果であっただけに、3/11以降、水産部門はまた厳しい局面に入ったといえよう。さらに、ここへ来て、放射能の海洋汚染による実際の影響だけでなく、風評被害もではじめており、水産は当面、厳しい状況が続くものといえよう。

   そして、惣菜(構成比8.7%)であるが、101.8%と、青果、畜産等の高い数字と比べるとやや厳しい結果となった。この3月度は外食の売上げが激減しており、これが食品スーパーマーケットの惣菜を活気づけてはいないようで、むしろ、青果と精肉が伸びていることから、生鮮食品を購入し、自宅で調理する家庭が増えたのではないかと推測できる。

   さて、この調査は売上速報に加え、スーパーマーケット景況感調査(4月調査)も公表している。それを見ると、今後2から3ケ月後の見通しであるが、4月度は、3月度と比べ、売上判断DI-8.9、収益率判断DI-7.2、客単価DI-6.7、景気判断DI-10.6と、いずれも厳しい判断である。特に、景気判断DIが最も低く、食品スーパーマーケットの経営者は今後景気が停滞局面に入ると見ているといえよう。

   このように、3/11の東日本大震災の影響がダイレクトに表れた3月度の食品スーパーマーケットの売上速報であるが、全体としては、103.6%という堅調な結果となった。ただ、北海道・東北は93.7%と厳しい結果であり、今後、急ピッチで進む復旧により、どこまで回復するかが期待される。また、部門別にみると、一般食品、青果、畜産が好調であり、非食品、水産が厳しい状況であった。さらに、惣菜も伸び悩んだといえる。今後、DIを見ても、当面、この傾向は続くものといえ、食品スーパーマーケットとしては、消費動向をしっかり見極め、マーチャンダイジング戦略を大胆に見直して行くことが課題といえよう。次回、4月度、さらなる回復、特に東北エリアの回復を期待したいところである。

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April 29, 2011 in 経済・政治・国際, 食品スーパーマーケット売上速報 | | Comments (0) | TrackBack (0)

April 28, 2011

日経MJで外食主要35社の大震災後の売上速報を公表!

   日経MJ、4/25で外食産業主要35社の3月度の売上速報が公表された。見出しは、「外食主要35社3月」、「震災で13社、2ケタ減収」、「4月「回復の勢い鈍い」多く」、であり、それぞれの外食の全店売上高、既存店売上高、客数、客単価を集計したものである。その結果を見ると、見出しの通り、2桁減収があいついでおり、厳しい結果となった。先日、公表されたコンビニの堅調さとは対照的な結果といえ、3/11の東日本大震災が外食産業へ与えた影響が甚大な結果であったことが改めて鮮明になったといえる。

   日経MJでは、これら35社の一覧表が掲げられているが、それを見ると、全体が大きく売上げが減少する中、牛丼関連の企業が他の外食企業と対照的に好調な数字となっているのが目につく。吉野家96.9%(既存店100.8%)、松屋フーズ112.6%(既存店107.5%)、ゼンショー(すき家)114.6%(既存店107.0%)であり、いずれも既存店が100%を超えた。この3社以外で既存店の売上げが100%を超えたのは、あきんどスシロー81.1%(既存店104.9%)のみである。ただ、あきんどスシローは西日本に店舗数が多いとのことで、これを除けば、この3月度は、牛丼関連企業の1人勝ちといえる結果である。

   その牛丼関連企業3社の中身を客数、客単価でみてみると、吉野家(客数110.7%、客単価91.2%)、松屋フーズ(客数109.0%、客単価98.6%)、ゼンショー(すき家)(客数108.9%、客単価98.2%)であり、いずれも客数が2桁近い伸びであり、客数が大きく伸びたことが売上げを押し上げた要因である。したがって、3/11の東日本大震災以降、牛丼関連企業が外食では大きく客数を吸引したといえる。ただ、この中にはテイクアウトも含まれているといえ、計画停電等でのテイクアウト需要も大きかったのではないかと思われる。

   この牛丼関連企業を除くと、ほぼ全業種が軒並み厳しい結果となったが、その中でも最も深刻な結果となったのは居酒屋である。大庄77.5%(既存店79.3%、客数83.8%、客単価94.6%)、ワタミ82.1%(既存店82.6%、客数80.6%、客単価102.5%)、コロワイド79.0%(既存店86.2%、客数90.8%、客単価95.0%)、テンアライド85.9%(既存店84.3%、客数85.9%、客単価98.2%)、ダイナック72.8%(既存店71.5%、客数76.1%、客単価94.0%)と、特に客数が20%前後落ち込むという厳しい結果である。

   ついで、この3月度、厳しい売上げであったのがファミリーレストアランである。すかいらーく89.2%(既存店91.4%、客数91.4%、客単価100.0%)、ロイヤルホールディングス既存店93.3%(客数90.0%、客単価103.6%)、ジョイフル98.2%(既存店98.3%、客数98.5%、客単価99.8%)、サイゼリア92.6%(既存店89.8%、客単価98.9%)、ジョナサン既存店92.0%(客数93.0%、客単価98.9%)、セブン&アイ・フードシステムズ既存店85.9%(客数84.5%、客単価101.7%)という結果である。いずれも、既存店が10%前後の落ち込みである。

   ただ、居酒屋も同様であるが、客数と客単価を比べると、客数の落ち込みが大きく、客単価については、100%を超える企業が多い。これは、この3月度の外食企業全体の傾向でもあり、震災の影響は客数の下げによるものといえ、客単価はいずれの外食企業も健闘しているといえる。むしろ、客単価が100%を超える企業が多く、集計企業全35社の内19社の客単価が昨対を超えており、半数を超えているのが実情である。

   特に、客単価が好調な業種は焼肉であり、レインズインターナショナル91.0%(既存店95.4%、客数92.2%、客単価103.4%)、安楽亭92.7%(既存店92.7%、客数92.0%、客単価100.7%)、さかい(焼肉屋さかい)96.2%(既存店99.0%、客数91.6%、客単価108.0%)である。いずれも客単価は昨対を超えており、客数の下げが全体の売上げを引き下げた要因といえる。

   これに対して客数が比較的好調であったのは、ファストフードであり、各外食企業が10%前後落ち込む中、5%前後でとどめているのが特徴である。日本マクドナルド87.2%(既存店92.7%、客数93.1%、客単価99.5%)、モスフードサービス96.3%(既存店97.3%、客数96.9%、客単価100.5%)、日本ケンタッキーフライドチキン100.4%(既存店99.1%、客数98.1%、客単価101.0%)であり、いずれも、客単価も堅調であるが、客数が5%前後の下げにとどめており、これが他の外食企業と比べ、比較的売上げが堅調な結果となっていることがわかる。

   日経MJの記事ではこの結果を受けて、4月以降の動向を取材しているが、その中で、節電策の動向、ゴールデンウィークの旅行状況がどのようになるかにより、大きく変化するとのことである。また、これ以外にも変動要因が多く、見通しを立てにくいという経営者が多いとのことである。

   このように、ここへきて、3/11の東日本大震災の影響を加味した統計数字が次々に明らかになりつつあるが、この外食企業の結果を見ると、牛丼関連企業を除き、全体の外食が10%前後の落ち込みであるといえ、業種によっては2割以上落ち込んでいる企業もあり、深刻な状況であったことがわかる。特に、客数の落ち込みが大きく、逆に、客単価は比較的堅調な結果であり、いかに客数を増やすか課題として浮かびあがったといえる。今後、停電、自粛ムードの継続と外食を取り巻く環境は不透明さが続くことが予想される中、テイクアウトを含め、客数をいかに増やす仕組み、商品づくりが外食企業にとっては当面の課題となろう。次回、4月の数字がどこまで回復する、その結果に注目である。

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April 28, 2011 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

April 27, 2011

ARPUとID金額PI値について

   ARPU(Average Revenue Per User)は携帯電話会社ではごく普通に活用されているマーケティング指標であるが、食品スーパーマーケットではまだ一般化しているとはいえない。ただ、その指標自体はすでに確立さており、今後、携帯電話会社等のARPUの先行事例を研究することで、食品スーパーマーケットにおいても、ARPUをマーケティングの根幹指標として、活用してゆくことが期待される。

   実際、食品スーパーマーケットではARPUという指標はまだなじみが薄いが、指標としてはID金額PI値として活用されつつある。ID金額PI値は売上高をIDで割った指標であるが、これはARPUそのものである。したがって、携帯電話会社ですでに実戦投入されているARPUを活用することは、食品スーパーマーケットではID金額PI値を活用することと同値であり、このID金額PI値をどうマーケティング指標として確立し、経営に活かすかが課題となる。

   そこで、ID金額PI値とは何かであるが、その基本方程式は売上高=ID×ID金額PI値から生まれた指標であり、その目的は売上高をあげるための根幹指標である。従来、食品スーパーマーケットでは売上高=レシート枚数(客数)×金額PI値(客単価)と定義していたが、このレシートがIDに置き換わったことにより、生まれた新たな指標がID金額PI値である。

   ID金額PI値も金額PI値も一見、IDがついているかいないかの違いであり、大きな違いがないように思えるが、ここには、決定的な違いがある。結論からいえば、金額PI値が一瞬、すなわち、瞬間の指標であるのに対し、ID金額PI値は積み上げ、すなわち、永遠の指標である点である。したがって、金額PI値は1日でも、1ケ月でも、1年でも、さほど大きくは違わない指標であるが、ID金額PI値は積み上げであるため、数字が時間とともに無限に拡大してゆくことになる。

   その理由は、ID金額PI値を分解すると、ID金額PI値=ID客数PI値×金額PI値となり、金額PI値のID客数PI値の分、ID金額PI値が増加するからである。ID客数PI値はレシート/IDであるので、IDの来店頻度を表す指標であり、1日当たりではレシートは1枚かもしれないが、週間では数枚、月間ではその数倍、年間ではその数10倍となり、ID金額PI値は倍増してゆくことなる。そして、そのいきつく先は永遠であり、生涯の来店回数が金額PI値にかかり、結果、顧客から生涯に渡っていただける総キャッシュとなる。

   ここから、金額PI値とID金額PI値の最終目標の違いが明らかになる。金額PI値は瞬間の売上げを最大にすることが、その目的であるが、ID金額PI値は永遠の売上げを最大にすることがその目的となる。しかも、ここから手段にも違いが表れる。金額PI値は瞬間の売上げをあがることが目標となることから、どれだけたくさん、しかも、付加価値の高い商品を購入していただけるかという商品戦略、すなわち、マーチャンダイジング戦略が課題となる。

   これに対してID金額PI値はどれだけ末永く来店していただけるかが目標となるため、たとえ、その瞬間の売上げはわずかでも、また来店いただけるような、商品戦略を含む広い意味での顧客サービスが問われることになり、マーチャンダイジングよりもマーケティングが重視される課題となる。そして、このような永遠に来店いただける顧客、すなわち、ロイヤルカスタマーをいかに大切にし、また、一方で、増やしてゆけるかが課題となる。

   携帯電話会社のここ最近の動きを見るとARPUを引き上げるために、いま何を最重点戦略として取り組んでいるかであるが、その答えは、スマートフォン戦略であるといえる。これは携帯電話のARPUを分析した結果、世界の歴史上初めて、日本の携帯電話会社のデータ(パケット)ARPUが音声ARPUを今期上回るという逆転現象が起こり、そのデータ(パケット)ARPUを加速度的に引き上げる戦略商品として、スマートフォンが位置づけられたためである。したがって、今後のスマートフォンの開発競争はデータ(パケット)ARPUの増加に貢献度が高い機種の開発競争になることは必至であり、ハード、ソフト両面からの激しい開発競争、販促が繰り広げられてゆくことになろう。

   食品スーパーマーケットとしては、ARPU、すなわち、ID金額PI値を分析することによって、ID、すなわち、顧客が支持しているものは何か、その伸び率はどのような勢いがあるのか、逆に、いま伸び悩んでいるものは何か、その状況はどのようになっているのか、その実態をつぶさにつかみ、ID金額PI値を引き上げる戦略商品を明確にし、そこに経営資源を投入し、顧客戦略、商品戦略を再構築することが課題であるといえよう。

   このようにARPUは企業の経営戦略を決定するめの重要な判断指標と位置づけることがポイントである。食品スーパーマーケットとしては、ID金額PI値をもとに、まずは、現在、どのような変化が起こり、その変化の中で、今後の経営戦略を立てる上において、どのような方向に進んでゆけば良いか見極めることが課題といえよう。携帯電話会社の戦略商品となったスマートフォンにつながるデータ(パケット)ARPUのような決定的な変化要因を、食品スーパーマーケットとしてもID金額PI値を通じて、つかみ取って欲しいところである。

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April 27, 2011 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

April 26, 2011

ハローズ、2011年2月期決算、増収増益!

   ハローズが4/11、2011年2月期の決算を公表した。結果は売上高714.84億円(5.0%)、営業利益24.15億円(5.3%)、経常利益23.14億円(4.9%)、当期純利益9.70億円(-19.9%)と、営業、経常段階では増収増益となった。ただ、当期純利益は、「旧物流センター及び旧本部を閉鎖したことによる「物流センター本部閉鎖損失」3億18百万円と、「固定資産の減損に係る会計基準」の適用に伴い、「減損損失」24百万円を計上しております。」とのことで、減益となった。

   そこで、まずは、営業、経常段階で増収増益になった要因を増収面から見てみたい。売上高が5.0%となった要因であるが、「店舗開発面では、いずれも24時間営業の店舗として、平成22年10月に栗林公園店(香川県高松市、450坪型)、12月に観音寺店(同観音寺市、600坪型)、平成23年2月に高松春日店(同高松市、600坪型)を開店し、店舗数は広島県19店舗、岡山県22店舗、香川県7店舗の合計48店舗となりました。」とのことで、3店舗の新店をオープンしたことが大きいといえる。ハローズは現在48店舗であるの、3店舗は6.25%に当たるが、いずれの店舗も決算期後半でのオープンであるため、新店効果としては、今期も貢献したといえるが、来期の方がより、大きく貢献するものといえよう。

   一方、営業利益が増益となった要因であるが、原価は76.62%(昨年76.75%)と、0.13ポイント改善しており、結果、売上総利益は23.38%(昨年23.25%)となった。これについてハローズは、「当社プライベート・ブランド商品の「ハローズセレクション」の開発にも注力し、売上高構成比は前事業年度末の7.6%から8.0%に増加いたしました。」とのことであり、原価改善につながるPB戦略を強化したことが大きかったといえよう。

   これに対して、経費の方であるが、22.99%(昨年22.70%)と0.29ポイント上昇している。ハローズ自身は、「経費面では、ローコストオペレーション確立の一環として生産性向上対策、電気使用量の抑制策の継続、効果的な広告による販促費抑制などに取り組みました。」とのことであるが、残念ながら、原価の改善を上回る経費の上昇が見られる。結果、差し引き、商品売買から得られる利益、マーチャンダイジング力は0.39%(昨年0.55%)と、プラスではあるが、昨年を下回った。そして、これに、賃貸収入等のその他営業収入が2.99%(昨年2.82%)加わり、結果、営業利益は3.38%(昨年3.37%)と、増益となった。ただ、増益率はわずかであり、特に、経費増が気になるところである。

   以上がハローズの2011年2月期の営業結果であるが、ここでハローズの財務面における経営目標について見てみたい。その経営目標数値であるが、ROA(総資産経常利益率)10%である。今期のハローズの経常利益は23.14億円(昨年22.05億円)であり、率では3.23%(昨年3.23%)と、奇しくも昨年同様の数字となった。一方、総資産は378.03億円(昨年354.03億円)であるので、結果、ROAは6.12%(昨年6.22%)と、若干下がっており、目標の10%までは、まだ差があるといえる。

   では、ハローズはどのように、この目標のROA10%の達成を目ざしているかを見てみたい。ハローズは、ROA=経常利益率×総資産回転率という数式をもとに、経常利益率4.0%、総資産回転率2.5回転を目指すとのことである。この数式は(経常利益高/売上高)×(売上高/総資産)となるので、売上高が約分され、結果、経常利益/総資産となり、ROAとなる。また、その具体策は、経常利益率4.0%達成のために、「高収益商品の開発、情報システム及び物流システムの改革並びに固定費の削減等に取り組み、・・」とのことであり、総資産回転率2.5回転を達成するために、「用地の取得形態を賃借物件3に対し、取得物件1の割合を基準とし、主に事業用定期借地契約を行うことにより、新規出店に伴う設備投資額を抑え、・・」とのことである。

   ただ、一方で、ROA=純資産比率×ROEでもある。したがって、ハローズの今期の純資産比率は30.96%、ROEは19.76%であるので、ROEは食品スーパーマーケット業界の中ではトップクラスであるが、純資産比率が低く、負債に大きく依存する経営構造となっているといえる。したがって、この数式から見る限り、負債を削減し、純資産比率を引き上げることがROA10%を達成するための最優先課題といえよう。そのためにも、有利子負債157.28億円、総資産の41.60%の削減を今後どのように図ってゆくかが経営目標の鍵を握っているともいえる。

   このように、ハローズの2011年2月期の決算は営業、経常段階では堅調な決算となったが、今期は先行投資としての物流センターへの投資等がかさみ、当期純利益は減益となった。また、ハローズの経営目標であるROA10%を達成するためには、もう一歩、純資産比率を引きあげる必要があるといえるが、現段階では負債、特に、有利子負債が重く経営にのしかかっているといえる。ただ、今後、最新の物流センターがこの3月から本格稼働し、さらに、今期は、その物流センターに支えられた新店3店舗をはじめ、既存の店舗が本格的に寄与するため、経営効率が格段と改善するものといえよう。今後、この物流センターをもとに、ハローズの経営がどこまで改善するか、その結果に注目である。

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April 26, 2011 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

April 25, 2011

日経で2月期決算、食品スーパーマーケット、PBRの記事!

    4/23の日経新聞で食品スーパーマーケットのPBRの記事が掲載された。見出しは、「好業績で割安な2月期決算企業」、「中堅スーパーが上位に、アパレルも目立つ」であり、記事の中ではPBRランキングベスト30も掲載されており、PBRを真正面から取り上げた記事である。特に、3/11の東日本大震災以降の各社の株価が反映されたPBRであるので、投資家がどう企業価値を評価しているかを盛り込んだ結果であり、興味深い内容である。

    PBRとはPrice Book-value Ratio(株価純資産倍率)の略であり、数式は株価を一株当たり純資産(株主資本)で割って算出するが、別の数式では時価総額を純資産で割って算出することもできる指標である。実際、計算してみると、株価/(純資産/株数)=株価×株数(時価総額)/純資産となるからである。この指標が注目されるのは、時価総額と純資産との関係を表し、PBRが1.0を下回った場合、純資産の方が時価総額よりも高くなるため、株式を所有しているよりも、会社そのものを解散し、純資産を株主に分配した方が有利になることがわかる指標であるからである。したがって、PBRが1.0を下回る場合は、経営者は何とか、会社が解散されては困るので、1.0以上を目指し、時価総額を引き上げようと必死になり、結果、株価が上昇するのではないかと期待がもたれるため、PBR 1.0を下回り、業績の良い会社が投資家に注目されることになる。
 
   ただ、一方で、PBRはPER(株価収益率)、ROE(株主資本利益率)とも関係が深い指標であり、 PBR=ROE×PERで関係づけることができる。ROEが純利益/純資産、PERが時価総額/純利益であるので、純利益が約分され、時価総額/純資産となり、すなわち、PBRとなるためである。したがって、PBRを高めるためには、ROEを高めるか、PERを高めるか、あるいは、双方を高めることも必要であり、そのバランンスで決まる指標でもある。

   さて、日経の記事にもどると、PBRの低い企業、年商500億円以上のベスト30が一覧表で掲載されているが、単純なPBRの順ではなく、これに今期の経常増益率を加え、経常利益が上昇している企業をランクづけし、ベスト30を掲載している。したがって、先の数式、PBR=ROE×PERでいえば、PBRが低くて、ROEが高い企業ということになろう。また、さらに、参考に、今期の経常利益額の見通しも掲載しており、経常利益の伸び率だけでなく、今期、どのくらいのキャッシュが見込めるかも参考数字として算出している。いわば、お買い得の株価であり、なおかつ、配当も望めそうな株価の企業ベスト30というところといえよう。

   その結果、No.1となったのは、エコスPBR 0.80(経常利益率194.8%、経常利益見通し9億円)である。そして、No.2ポプラPBR 0.53(42.0%、5億円)、No.3オリンピックPBR 0.47(35.9%、12億円)、No.4タキヒヨーPBR 0.65(34.8%、15億円)、No.5PBR 0.29(32.6%、34億円)である。以上がベスト5であるが、5社中4社がコンビニ、食品スーパーマーケットであり、記事の通り、食品スーパーマーケットが上位を占めているといえる。

   さらに、ベスト10まで見てみると、No.6東武ストアPBR 0.75(31.2%、14億円)、No.7米久PBR 0.47(25.1%、25億円)、No.8キリン堂PBR 0.46(20.4%、18億円)、No.9西松屋チェーンPBR 0.95(15.2%、96億円)、そして、No.10プレナスPBR 0.98(14.3%、69億円)である。ここでは食品スーパーマーケットは東武ストアの1社のみであるが、ドラックストアのキリン堂、西松屋チェーンと、小売業では合計3社が入っている。

   そして、No.11以下で食品スーパーマーケット及び関連企業のみを見てみると、No.12CFS個オーポレーションPBR 0.62(9.6%、25億円)、No.15天満屋ストアPBR 0.56(6.7%、16億円)、No.16オークワPBR 0.48(6.5%、72億円)、No.18タイヨーPBR 0.40(4.3%、24億円)、No.19アークランドサカモトPBR 0.66(4.0%、68億円)、No.20イオン北海道PBR 0.62(3.9%、44億円)、No.21平和堂PBR 0.54(3.9%、113億円)、No.22マルエツPBR 0.63(3.8%、60億円)、No.23マックスバリュ西日本PBR 0.79(3.6%、80億円)、No.24アークスPBR0.77(3.4%、104億円)、No.25マックスバリュ東海PBR 0.47(1.5%、43億円)、No.26サンエーPBR 0.82(1.4%、100億円)、No.27ベルクPBR 0.65(1.3%、53億円)、そして、No.30イオンPBR 0.87(0.5%、1,830億円)である。

   合計14社であり、ベスト10の4社と合わせ、18社、ちょうど60%となる。食品スーパーマーケットがいかに、3/11以降、PBRが下がる一方、経常利益がそれなりに増益率が高いかが鮮明になったといえよう。記事の中でも「消費者心理が悪化しており、投資家は個人消費関連銘柄を買い控えている」とのことであるが、心理的な要因も大きいといえよう。

   このように、3/11の東日本大震災以降、食品スーパーマーケットの株価は厳しい状況が続いているといえる。今後、3月決算企業の決算発表が行われるが、その数字がどのような結果となるか、そして、2月期決算企業の次の第1四半期決算の結果がどのような結果となるか、この数字が確定するまでは、心理的な影響が色濃く反映される株価が続くといえ、結果、時価総額が株価の低迷により下がり、結果、PBRが低くなる傾向となろう。その意味で、食品スーパーマーケット業界の3月期決算の結果、そして、2月期決算の第1四半期決算の結果に注目である。

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April 25, 2011 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

April 24, 2011

ライフコーポレーション、2011年2月期、増収営業増益!

   ライフコーポレーションが4/12、2011年2月期決算を公表した。結果は、営業収益4,808.22億円(2.6%)、営業利益100.46億円(15.8%)、経常利益98.50億円(16.7%)、当期純利益33.89億円(-16.6%)となり、営業、経常段階では増収増益の好決算となった。なお、当期純利益については、減損損失31.30億円を計上したため、減益となった。小売業は今後、この減損損失、2月期決算企業は、来期からは資産除去債務に関する会計基準の適用が実施されるために、来期以降も当面、当期純利益の増益は厳しい経営環境が続くことが予想される。結果、今期のEPS(1株当たりの当期純利益)は65.86円(昨年78.92円)となり、減少した。

   この当期純利益に減益をもたらしたライフコーポレーションの要因であるが、ライフコーポレーションは、「当社はキャッシュ・フローを生み出す最小単位として主に店舗を基本単位とし、資産のグルーピングをしております。営業活動から生じる損益が継続してマイナスとなっている店舗や土地の時価の下落が著しい店舗等を対象とし、回収可能価額が帳簿価額を下回るものについて帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少金額を減損損失として特別損失に計上しております。」とのことで、結果、奈良県の2店が最も大きく23.17億円、また、その中身では建物 は25.62億円と最大であり、合計31.30億円の減損となった。

   余談だが、ライフコーポレーションに限らず、小売業のキャッシュフローの最小単位は店舗が基本であり、店舗からあがるキャッシュを最大化することが経営の根幹であるといえる。したがって、店舗におけるキャッシュインである売上げを増大させ、キャッシュアウトである減価償却費を含む経費を最小化することが本部、店舗の従業員の最大の業務となる。経営陣はそれぞれの現場責任者を任命し、そのマネジメントを行い、キャッシュインとアウトの差、トータルキャッシュの最大化をはかることが使命となる。

   ここで、ここ最近にわかに注目を集めつつあるID-POS分析であるが、これはこの一連の小売業のキャッシュフロー管理にどのような変革をもたらすかであるが、その戦略的な意義は、キャッシュフローの最小単位が店舗から顧客に移るということである。したがって、ID-POS分析が進んでゆくと、キャッシュフローをもたらす顧客IDを明確にし、その顧客に対して最大限のフォローをする体制をつくると同時に、一旦、お買い物をいただいた顧客からは最大限のキャッシュをいただける仕組みをつくることがポイントとなる。ID-POS分析はその意味で、今後、食品スーパーマーケットのキャッシュフローの管理に変革をもたらすものとなろう。

   さて、ここで、ライフコーポレーションの営業利益が2桁、15.8%となった要因を見てみたい。まずは、原価であるが、73.56%(昨年73.80%)と、0.24ポイント改善している。特に、今期は、「更なる物流機能の向上と店舗運営の効率化に資するため、前事業年度に実行した近畿圏に続いて首都圏におきましても、10月に北部の物流拠点として「松戸総合物流センター」を新設稼働させました。また、安全・安心を追求した効率的集中加工センター(プロセスセンター)として、近畿圏で9月に水産棟を新築、本年2月に農産・畜産棟を増改築いたしました。」とのことで、物流センター関連の充実に力を入れており、これも原価低減につながったものと思われる。ちなみに、物流センター手数料収入であるが、今期は117.92億円(売上対比2.5%9:昨年103.65億円)と13.7%増加しており、いまや、ライフコーポレーションの利益の源泉となっている。結果、売上総利益は26.44%(昨年26.20%)となった。

   一方、経費の方であるが、27.26%(昨年26.99%)と、0.27ポイント増加している。したがって、改善の0.24ポイントを上回っており、厳しい状況といえる。ライフコーポレーションは、「当事業年度を「耐える年」「立て直しの年」「準備の年」と位置づけ、平成20年度よりスタートした「第三次中期3カ年計画」の「12の課題」に引き続き取り組むとともに、・・」と、経営改善に取り組んだが、残念ながら、経費の改善が結果としては進まなかったようである。

   したがって、差し引き、商品売買から得られる利益、マーチャンダイジング力は-0.82%(昨年-0.79%)とマイナス幅が広がっており、経費の上昇が課題として残ったといえよう。そして、これに、先に上げた物流収入、不動産収入等のその他営業収入が2.98%(昨年2.70%)となり、合計、営業利益は2.16%(昨年1.91%)と増益となった。ただ、増益の要因は原価改善以上にその他営業収入によるところが大きく、今後、一層の利益構造、特に、経費の削減が大きな課題といえよう。

   このように、ライフコーポレーションの2011年2月期の決算は営業、経常段階では増収増益の好決算となり、特に、営業利益、経常利益とにも2桁の増益となったが、その中身は経費の上昇を原価改善、その他営業収入、特に、物流収入に依存する収益改善効果が大きかったといえる。今後、ライフコーポレーショオンとしては、いかに経費削減、そのための構造改革が最大の経営課題となったといえる。来期、どのような経営改善を目指した経営改革に踏み込むのか、その動向に注目である。

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April 24, 2011 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

April 23, 2011

あやかりの原理!

   ID-POS分析の最大の特徴はIDを基点に商品の分析をしてゆくことであるが、その分析を進める上で、ID-POS分析特有の独特な分析手法が開発されつつある。そのひとつが前回のブログで取り上げた「だるまの原理」であるが、もうひとつが今回取り上げる「あやかりの原理」である。実は歴史的にはこの「あやかりの原理」の方が古く、しかも、ID-POS分析の一歩手前のレシート分析では、特にアメリカを中心に盛んにマーチャンダイジングに活用されていた原理である。しかも、その指標もすでに開発済みであり、アメリカではリフト値として、ID-POS分析特有の分析手法として実績がある。ただ、ID-POS分析というよりも、レシート分析(バスケット分析)が基本であるため、本来このリフト値もID-POS分析に基づいて分析すべき手法である。ここでは、敢えてID-POS分析にもとづくリフト値を活用したものを「あやかりの原理」とした。

   ちなみに、ID-POS分析はほとんど未開拓の分野、特に、日本ではそういっても過言ではなく、この分野は誰でも、現時点では、様々な新たな原理を開発することができる。基本方程式も決定版が確立されている訳ではなく、この数式についても、新たに開発してゆくことが可能である。本ブログでも今後、様々な原理、そして、新たに開発した数式を公開してゆきたいと思う。また、それらは名前がないので、とりあえず、勝手に命名し、実戦投入してゆく予定である。とりあえず、現時点で、ID-POS分析で確立されたものは、基本方程式、すなわち、新マーチャンダイジング方程式(新MD方程式)と「だるまの原理」、それに、この「あやかりの原理」である。

   さて、「あやかりの原理」であるが、これはある商品の売上げをあげるために、どの商品といっしょに売れば良いか、すなわち、どの商品にあやかれば良いかを見極める原理である。従来は、リフト値として、指標化し、レシート分析(バスケット分析)で盛んに活用され、実戦ではクロスマーチャンダイジングに応用されていた原理であるが、ここでは、これをID-POS分析から新たに導き、売上げの根拠をより明確にした。

   従来のクロスマーチャンダイジングと、どこが違うかであるが、根本的な違いは売上げがあがる根拠が違う。従来のリフト値は基本がレシート分析に依拠してリフト値を算出していた。すなわち、売上高=レシート枚数×金額PI値であり、このレシートに着目することになる。したがって、対象商品Aのレシート枚数を算出し、次に、クロスマーチャンダイジング対象の商品Bの中での商品Aのレシート枚数を算出する。そして、まずは、商品Aのレシート枚数を全体のレシート枚数で割った指数、商品Aの客数PI値を算出する。次に、商品Bの中の商品Aのレシート枚数の割合、商品Bの中の商品Aの客数PI値を算出する。この時、商品Aの客数PI値よりも、商品Bの中の商品Aの客数PI値の方が高い場合は、商品Aを商品Bがリフトする可能性が高いと判断する。これがリフト値である。

   ここから、商品Aは普通に販売するよりも、商品Bとクロスマーチャンダイジングを掛けた方が客数PI値があがり、結果、商品Aのレシート枚数が増え、売上高=レシート枚数×金額PI値であるので、金額PI値が下がらない限り、レシート枚数が増え、売上高があがるというからくりである。これが従来のリフト値を活用したクロスマーチャンダイジングである。

   そこで、「あやかりの原理」であるが、どこが違うか、その根本的な違いは、レシートではなく、顧客IDを基点にしたことである。したがって、売上げのとらえ方も、売上高=ID×ID金額PI値となる。しかも、ID金額PI値=ID客数PI値×金額PI値と分解できるので、特に、ID客数PI値にも踏み込む点である。リフト値の算出の仕方は、レシートがIDに置き換わり、先の事例では商品Aのレシートではなく、商品Aの顧客IDとなり、同様に商品Bも商品Bのレシートの中の商品Aのレシートではなく、商品Bの顧客IDの中の、商品Aの顧客IDとなる。したがって、仮に、商品Aのレシートが2枚あり、2枚とも同じ顧客であった場合には、レシートでは2枚であるが、顧客IDでは1人となる。

   したがって、リフト値も分母はすべてレシートではなく、顧客IDとなり、クロスマーチャンダイジングはまさに、商品Bの顧客にあやかり、顧客を増やし売上げをあげてゆくためのひとつの方法となる。また、さらに、ID客数PI値にまで踏み込むため、単にIDの数だけを見るのではなく、ID客数PI値も加味し、顧客が高頻度で購入されているかどうかも重要な指標として取り入れ、本当に、商品Aは商品Bにあやかれるかどうかを判断することになる。

   これが「あやかりの原理」であり、すべての基点を顧客IDをもとに考え、顧客IDを増やすことを第1義の目的とし、従来のレシートの客数PI値もID客数PI値を活用することによって組み込んでしまうことになる。さらに、金額PI値は同じ概念であるので、そのままである。したがって、本当に、対象商品の売上げを上げるために、どの商品にあやかれば良いかがわかり、しかも、結果、顧客IDが増加し、その顧客の頻度もあがり、さらに1回当たりの売上げ(金額PI値)をも引き上げる可能性の高い商品を見つけ出せるのが、この「あやかりの原理」の実践的活用方法となる。

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April 23, 2011 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

April 22, 2011

だるまの原理

   いまから約10年前、ID-POS分析に取り組んでいた当時、だるまの原理を発見した。PI値に取り組んでいるといろいろなものを発見することが多いが、このだるまの原理もその発見の中のひとつである。ただ、当時のID-POS分析はいまから思うと、本格的なID-POS分析ではなかった。その一歩手前の分析、レシート分析とID-POS分析の中間的な分析であったといえる。POS分析には、大きく3つの段階がある。1つ目は、単純な売上数量と売上金額のみの分析である。2つ目はレシートを活用した分析である。これがPI値分析である。そして3つ目がIDを活用した分析であり、これがID-POS分析である。

   この3つのPOS分析は無関係に存在しているのではなく、すべてつながっている。ただ、延長ではなく、パラダイム変換であり、それぞれ世界が違い、1つ目から2つ目、3つ目へと段階的に発展してゆく訳ではない。むしろ流れは逆であり、2つ目が1つ目を包み込み、3つ目が2つ目を包み込み、結果、1つ目をも包み込む形である。したがって、3つ目から2つ目、1つ目は良く見え、2つ目から1つ目も良く見えるが、逆に、1つ目から2つ目は見えない世界であり、いわんや3つ目は全く見えない世界である。同様に、2つ目から3つ目も見えない世界である。

   このような関係でPOS分析は発展してきたといえ、それぞれの独特な世界が形成されているといえる。したがって、マーチャンダイジングも1つ目の世界のマーチャンダイジング、2つ目の世界のマーチャンダイジング、そして、3つ目の世界のマーチャンダイジングがあり、それぞれの独特な世界観をもっている。ただ、実に興味深いことに、どの世界でもその到達点、最終目標は売上のアップである点は共通している。したがって、目標はいずれの世界でも共通に売上であり、その手段が、それぞれの世界で独自の視点にもとづいて新たに形成されるといえる。まさに、売上を科学するという世界である。

   さて、10年前の話にもどるが、当時は2つ目から3つ目への移行期であったといえ、その移行期の過程で、顧客IDを2つに分けて売上を科学していた。2つとはリピート顧客と初回購買顧客(トライアル)である。この顧客とはまさに、IDのことであり、レシートではない。レシート分析にはリピートも初回購買(トライアル)も存在しない。あるのは、全体を商品分類、あるいは単品ごとに分けるまでであり、リピートというIDを前提とした分割はレシート分析からは不可能である。リピートはID-POS分析ではじめて登場するID-POS分析特有の概念であり、先の1つ目、2つ目のPOS分析では見ることができない世界である。

   当時はIDの活用はこのように、IDを2つに分ける、すなわち、リピート顧客と初回購買顧客(トライアル)に分けるというところまでで留まっており、そこからさらに、ID-POS分析の本質ともいえるID金額PI値(ARPU)、ID客数PI値等へと理論的な発展を遂げることができなかった。ただIDを2つに分けることによって、新たな原理、だるまの原理を発見することができたことは、その後の本格的なID-POS分析につながる大きな収穫だったといえる。ただ、その後、10年もかかってしまい、もっと早く、本格的なID-POS分析に発展できなかったことは悔やまれるところでもある。

   さて、だるまの原理であるが、IDを単純に2つに分けることによって、リピートをだるまの頭としてとらえ、初回購買(トライアル)をだるまの胴体としてとらえれば、すべての商品はこの2つの関係で見ることができるという原理である。実際、ID-POS分析を実施してゆくと、すべての商品はこのようなだるまでイメージ化でき、頭の小さいだるま、あたまの大きいだるま、そして、時間とともに急激に胴体が大きくなるだるま、逆に、頭が大きくなるだるまがあり、ひとつとして同じだるまが存在しないという事実が見出される。

   しかも、その頭はID-POS分析すると、IDの人数だけでなく、ID金額PI値の違いもあり、頭の中身、胴体の中身まで見ることができる。ID-POS分析の基本数式は売上高=ID×ID金額PI値であり、さらに、ID金額PI値=ID客数PI値×金額PI値、金額PI値=PI値×平均単価、さらには、レシート変換、商品変換、そして、ID変換も可能であり、だるまの頭も胴体も様々なID-POS分析特有の指標での分析が可能となり、その中身が商品により違い、時間により刻々と変化してゆく。

   したがって、だるまの原理は単にIDを2つに分けるだけでなく、分けたIDの中身にまで踏み込み、その違いを明確にすることであるといえる。そして、最終的には、限界までだるまの頭を可能な限り大きくし、さらに、その中身をバランスよく改善してゆくことであり、これが、マーチャンダイジングの本質、商売の原点に通じるものであることを発見したことである。

   このように、約10年前に発見したID-POS分析の究極の原理ともいえるだるまの原理であるが、ここへきて、ID-POS分析の理論もほぼ完成し、やっと本ものの原理が確立できたのではないかと思う。次の10年は、このだるまの原理をもとに、これまでのマーチャンダイジング戦略を見なおし、新たなマーチャンダイジング体系の構築へとつなげてゆければと思う。

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April 22, 2011 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

April 21, 2011

コンビニ売上速報、2011年3月度、9.2%増!

   3/11の東日本大震災後となる注目のコンビニの2011年3月度の売上速報が4/20、(社)日本フランチャイズチェーン協会から公表された。結果は、加盟店、全43,492店舗の売上高が7,046.83億円となり、昨年対比9.2%となる大幅な伸びとなった。2月度が8.7%、1月度が7.2%であるので、3月度はこの3ケ月の中でも最も高い伸びとなった。また、既存店も3月度は7.7%、2月度は6.5%、1月度は5.1%であるので、特に、既存店が好調に推移したことが、全体の売上を押し上げた要因といえる。ただし、この統計数値は、「3月11日に発生した東日本大震災により営業停止等の店舗があり、それらのデータは含まれておりませんので、参考数値として発表いたします。」とのことであるので、営業停止店舗を除いての数値である。

   それにしても、営業停止店舗を除いていたとしても、既存店が7.7%の伸びは大きな伸びといえ、いかに、東日本大震災後、全国の消費者がコンビニに生活物資を求めたかがわかる。そこで、特に、伸びた要因を客数、客単価、そして、商品群から見てみたい。まずは、客数であるが、全体の数字は昨対0.5%のプラスであるが、既存店は昨対-0.6%と下がっており、客数の上昇はみられなかった。2月度が全体の客数、昨対3.6%、既存店2.0%、1月度が全体2.3%、既存店0.7%であったことと比べても、大きく下がってはいないが、ほぼ昨年並みの客数であったといえる。したがって、伸びた要因は客単価である。

   その客単価であるが、この3月度は、全体が8.7%、既存店も8.3%であり、客単価が大きく伸びていることがわかる。特に既存店の客単価が8.3%、客数は-0.6%であるので、通常の購入よりも購入金額を明らかに増加しているといえ、まとめ買いが発生したといえよう。ちなみに、客単価の数字であるが、既存店は昨年の566.8円がこの3月度は614.1円と47.3円アップの600円を超えており、大幅なアップである。

   ここで、客単価1円を考えてみたい。この3月度の全体の客数は11億3,118.2万人、店舗数は43,492店舗であり、営業日数は31日として、1日当たりを計算すると、1日当たりの平均客数は838.9人となる。したがって、客単価1円は、この3月度の平均的なコンビニで838.9円の売上が上がることになる。一方、コンビニの1品当たりの価格を200円とすると、客単価1円はPI値×平均単価となるので、1=PI値×200円、PI値=1円/200円=0.5%となる。0.5%は平均客数838.9人であるので、掛けると4.2個となる。

   整理すると、この3月度の数字で見ると、客単価1円のアップは1店舗当たりの平均的なコンビニでは金額ベースで838.9円、数量ベースで4.2個のアップとなる。したがって、この3月度は、客単価が47.3円アップしたので、1店舗当たり、金額ベースで、39,679.97円、数量ベースで198.66個、約4万円、約200個の増加である。これが、この3月度の昨年と比べての上乗せ分といえ、それだけ、3/11の東日本大震災後、コンビニの需要が増加したといえ、これが3月度、好調に売上が推移した要因である。

   そこで、この数字が伸びた要因をさらに商品面から見てみたい。コンビニは商品群を大きく4つに分けている。コンビニの中核商品ファストフードが含まれる日配食品、加工食品、たばこの含まれる非食品、そして、コピー、電気代、ガス代などのサービスの4つである。この中で、この3月度最大の伸びを示したのは、いまや売上構成比36.4%と、No.1部門となった非食品の23.8%であり、驚異的な伸びである。たばこが大きく貢献していることはもちろんであるが、2月度16.8%、1月度13.2%であるので、たばこ以外が10%近く、この3月度はプラスとなっている。ちなみに、たばこ以外に貢献した主な商品であるが、乾電池、電球・蛍光灯、燃料、医薬品、医薬部外品栄養ドリンク、紙製品等であるといえ、これらが、プラスアルファとなったと思われる。

   これについで伸びた部門は構成比28.3%の加工食品であるが、3.7%である。非食品とは大きな差であり、平均の9.2%と比べてもかなり下回る数字である。1月度は2.6%、2月度2.0%であるので、若干伸びているとはいえるが、わずかである。ついで、構成比31.4%の日配食品であるが、わずか1.0%である。1月度5.3%、2月度6.8%と比べると、明らかに鈍化しており、3月度の日配食品は厳しい状況にあったといえよう。最後に、構成比3.9%のサービスであるが、-2.4%とマイナスとなった。1月度5.3%、2月度2.6%と比べてもマイナスは大きな落ち込みであるといえる。したがって、商品面から見た3月度の好調な要因は非食品にあったといえる

   このように、2011年3月度のコンビニの売上速報は全体が9.2%、既存店が7.7%と好調な数字となり、客数よりも客単価が47.3円、8.7%アップしたことがその要因である。しかも、その中身は、コンビニの中核商品であるファストフードを含む日配食品が伸びたことではなく、たばこを含む非食品のみが伸びたことによる売上増であるといえ、まさに、3/11の東日本大震災による非食品の買いだめによる効果であったといえよう。したがって、これは一時的な特需ともいえる動きであるといえ、来月以降はその反動が発生しかねない状況にあるといえる。次回4月度も同様な傾向が続くとは思えず、しばらくは消費者の動向をしっかりつかみ、慎重に対応してゆくことが必要といえよう。

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April 21, 2011 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

April 20, 2011

イオンの、2011年2月期決算のキャッシュフローを見る!

   前回のイオンの2011年2月期決算のブログに引き続き、今回は、さらに踏み込み、今後のイオンの経営戦略が強く表れているキャッシュフローについて見てみたい。特に、今期は前期の厳しい決算から一転、増収増益、特に営業利益が32.4%増、キャッシュフローに直結する当期純利益に関しては91.8%増、ほぼ2倍となり、キャッシュフローがどのように変化し、さらに、そのキャッシュをどのように配分したか、その結果が気になるところである。

   そこで、まずは、キャッシュイン、営業活動によるキャッシュフローであるが、意外なことに、2,611.32億円(昨年3,610.96億円)と、約1,000億円減少している。営業活動によるキャッシュフローの内、当期純利益に当たるキャッシュは1,551.66億円(昨年1,062.40億円)と約500億円増加しているが、売上債権の増減額(-は増加)-1,188.92億円(昨年-191.39億円)となったためである。これは、「金融子会社の割賦売掛金の増加等により売上債権の増減額が997 億53 百万円増加したこと等によるものです。」のことで、金融関連の売上債権の関係によるものである。

   したがって、増収増益、特に、当期純利益が91.8%増と大幅に増益になったものの、残念ながら、営業活動によるキャッシュフローは約1,000億円の減少となった。そこで、キャッシュアウト、投資活動によるキャッシュフローであるが、-1,055.17億円(昨年-3,245.73億円)と約2,000億円の削減となった。本来であれば、業績が回復した今期、投資活動によるキャッシュフローを増やしたいところであろうが、結果は、昨年の厳しい決算時の方が投資活動によるキャッシュフローをむしろ増やしており、業績とキャッシュフローは対照的な動きとなった。

   では、その約2,000億円の投資の差はどこにあるかであるが、最大の違いは、固定資産の取得による支出-1,770.06億円(昨年-3,073.90億円)であり、ほぼ、投資活動によるキャッシュフローの全額を固定資産の取得による支出に配分し、しかも、昨年よりも半減している。この投資の大半は新規出店に充てられるといえ、この結果を見る限り、来期の新店戦略は今期よりも大きく抑制されるよう。実際、イオンリテールの新店投資 (先行投資分含む)を見ると、311億円(昨年1,108億円)であり、今期は約1/4であり、成長戦略への投資を抑制しているといえる。今期の営業収益が0.8%増であった点、来期の予想が0.1%増である点を見ても、今後の投資戦略は成長戦略を抑制し、内部体制を固めてゆく方向に経営の舵を切ったといえよう。

   結果、フリーキャッシュフローであるが、1,556.15億円(昨年365.23億円)となり、今期は営業活動によるキャッシュフローも約1,000億円少なかったが、投資活動によるキャッシュフローを約2,000億円削減し、成長戦略を抑制し、フリーキャッシュフローを約1,500億円確保したといえる。

   そこで、このフリーキャッシュフロー約1,500億円を財務活動によるキャッシュフローでどのように配分したかであるが、-1,218.47億円(昨年111.79億円)と、昨年とは対照的にそのほとんどを財務改善に配分している。実際、今期の有利子負債の状況を見ると、1兆1,618.54億円(昨年1兆2,507.35億円)と約1,000億円弱削減しており、有利子負債の圧縮を図っていることがわかる。ただ、それでも、優に1兆円を超える有利子負債であるといえ、今後、一層の財務改善が必須である。

   ちなみに、イオンの今期の自己資本比率であるが、23.5%(昨年22.2%)と、若干改善しているが、依然として20%台であり、約80%弱を負債に依存する経営構造にあり、成長戦略よりも、財務改善を優先せざるをえない状況にあるといえる。総資産は3兆7,746.28億円(昨年3兆7,852.88億円)と大きな変化はないが、純資産は1兆2,192.36億円(昨年1兆1,444.34億円)と好決算を受けて増加しており、さらに、有利子負債の削減が加わり、これが自己資本比率を若干引き上げた要因といえる。

   結果、トータルのキャッシュフローは-74.68億円(昨年18.47億円)と若干のマイナスとなり、現金及び現金同等物の期末残高は3,068.20億円となった。これは総資産の8.12%に当たるが、有利子負債が1兆円を優に越えている現状を考えると、キャッシュをさらに積み上げたいところであろう。

  参考に、今期のイオンの新店であるが、全業態合計では91店舗であり、その内訳はGMS 4店舗、SM49店舗、DS9店舗、HC2店舗、その他27店舗である。また、海外では全業態で18店舗であり、GMS 8店舗、SM7店舗、その他3店舗である。GMSはイオンの中核業態であるが、主戦場は海外に移りつつあるといえよう。

   このように、イオンの今期、2011年2月期の決算におけるキャッシュフローを見ると、キャッシュの配分を成長戦略から財務改善に大きくシフトしているといえ、成長よりも財務基盤の確立を最優先で取り組んでいる実態が鮮明である。ただ、それでも、有利子負債は1兆円を優に超え、総資産の30.78%であり、当面、この圧縮にキャッシュを優先的に配分せざるをえない状況にあるといえる。来期は3/11の東日本大震災の影響が読めない中、成長戦略を打ち出すには難しい経営環境である点も考慮すると、イオンとしては、内部体制を充実し、今期同様、財務改善にキャッシュを配分せざるを得ない年となろう。

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April 20, 2011 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

April 19, 2011

イオン、2011年2月期決算、増収増益、GMS復調!

   イオンが2011年2月期決算を4/14、公表した。結果は、営業収益5兆965.69 億円(0.8%)、営業利益1,723.60億円(32.4%)、経常利益1,820.80億円(39.8%)、当期純利益596.88億円(91.8%)となり、増収幅はわずかであったが、増収増益、特に、利益は昨年の厳しい状況から一転、大幅な増益となる好決算となった。特に、今期はイオンの中核、GMSの収益が改善したことが大きかったといえよう。

   イオンは事業構造を大きく4つに分けており、その結果を見ると、中核のGMSを含む総合小売事業4兆1,358.86億円(101.2%:構成比81.1%)、営業利益804.67億円(182.1%:構成比46.7%)と回復したことが大きいといえる。それにしても、GMSを含む総合小売事業の営業収益の構成比が80%を超えるといえ、いかに、イオンがGMSにより支えられているかがわかる。

   今期、イオンはこのGMSへの取り組みに関しては、「当社は、GMS(総合スーパー)事業改革をグループの重要課題と位置付け、同事業のさらなる成長と収益性向上に取り組んでまいりました。この改革を一層加速させ、新しいGMS事業へ進化させることを目的に、イオンリテール株式会社を存続会社とし、同社はイオンマルシェ株式会社と2010 年12 月1日に、株式会社マイカルと2011 年3月1日に合併しました。これにより誕生した新生イオンリテール株式会社は、営業収益2兆円を超えるスケールメリットを最大化するとともに、既存の店舗ブランド「ジャスコ」「サティ」を「イオン」に統一し、イオンブランドの認知度向上に努めます。」とのことで、イオン=GMSと名実ともに一致したといえ、今後とも、このGMS改革を推進してゆくとのことである。

   そして、この総合小売事業に次ぐ事業は、サービス等事業であり、営業収益1兆1,112.11億円(103.8%:構成比21.8%)、営業利益421.87億円(96.3%:構成比24.5%)である。営業収益の構成比がすでに、2つの事業で100%を超えるが、これは、単純に営業収益を集計しているためであり、事業構造の重なる領域が2重に計算されているためである。ついで、専門店事業であり、営業収益5,328.84 億円(98.0%:構成比10.4%)、営業利益57.46億円(昨年は赤字:構成比%)である。最後がディベロッパー事業であり、営業収益1,710.08億円(103.3%:構成比3.4%)、営業利益384.51億円(101.1%:構成比22.3%)である。したがって、今期は中核のGMSを含む総合小売事業が昨対を特に営業利益において大きく上回ったことが全体の数字を押し上げたといえよう。

   そこで、営業利益が昨対32.4%アップとなった要因を原価、経費面から見てみたい。まずは、原価であるが、72.83%(昨年71.96%)と0.87ポイント上昇している。これについてイオンは、「イオンのブランド「トップバリュ」の開発強化、商品原価の低減、サプライチェーンの効率化等を進め、お客さまにご支持いただける品質や機能、価格を追求した新商品の開発や商品のリニューアルを積極的に実施しました。」とのことで、特にトップバリュに力を入れたとのことであるが、今期に関しては、まだ数字には跳ね返っていないといえよう。結果、売上総利益は27.17%(昨年28.04%)となった。

   一方、経費の方であるが、35.10%(昨年36.43%)と、1.33ポイントと大きく改善している。それにしても、食品スーパーマーケットの経費比率と比べると、35.10%は約10%高いといえ、昨年対比では大きく改善したとはいえ、今後、いかに、この経費比率を下げられるかが依然として、大きな課題といえよう。これに対して、イオンは、「新しい成長戦略を支える強い収益基盤の構築を目指し、当期は、グループ横断的かつ構造的なコスト削減を推進するための専任組織を設置し、グループ全社でコスト構造改革を推進しました。その結果、期首の目標額を大きく上回る販売費および一般管理費の削減を達成しました。」とのことで、今期はグループ全体でコスト削減に取り組んだとのことである。

   結果、差し引き、商品売買から得られる利益、マーチャンダイジング力は-7.93%(昨年-8.39%)と、マイナス幅が縮まっており、コスト削減の効果が表れているといえよう。そして、これに、GMS特有の不動産収入、物流収入等のその他営業収入が11.72%(昨年11.26%)のり、営業利益は3.79%(昨年2.87%)と、大きく改善した。したがって、今期、イオンの営業利益が大きく改善した要因は原価の上昇を経費の削減とその他営業収益の増加で補った結果であるといえる。それにしても、その他営業収入が11.72%とは驚きであり、さらに、昨年を大きく上回ったこともすごいといえよう。いかに、GMSはこのその他営業収入が利益の源泉であるかがわかる。

   このように、2011年2月期のイオンの決算は増収増益、特に、営業利益が32.4%増と大幅なアップとなる好決算となった。その要因はイオンの営業収入の約80%を占めるGMSの業績が向上した結果であり、特に、経費の削減、GMS特有のその他営業収入が大きく伸びたことが要因といえる。ただ、さすがに、来期は、営業収益5兆1,000.00億円(0.1%)、営業利益1,750.00億円(1.5%)、経常利益1,830.00億円(0.5%)、当期純利益400.00億円(-33.0%)と、微増の予想である。東日本大震災の影響が読めないこともあるといえるが、今期以上に経費の削減を進められるかどうか課題といえよう。イオンが今後、GMSの構造改革を一層進め、特に、その最大の課題である経費削減にどこまで踏み込めるのか、その具体策に注目である。

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April 19, 2011 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

April 18, 2011

マルエツ、2011年2月期、本決算、減収減益!

   マルエツが4/15、2011年2月期、本決算を公表した。結果は、営業収益3,322.27億円(-1.4%)、営業利益62.99億円(-19.8%)、経常利益57.80億円(-23.8%)、当期純利益27.64億円(-60.3%)となり、減収減益の厳しい決算となった。結果、EPS(1株当たり当期純利益)も22.15円(昨年55.80円)と大きく減少、株主にとっても厳しい結果である。

   このような厳しい結果ではあったが、今期マルエツは、「SMのインフラをゼロベースで再構築し経営効率を高めるため、平成22年6月に横浜常温物流センター(神奈川県)、8月に八潮常温物流センター(埼玉県)、9月に川崎複合センター(神奈川県)の3センターを開設しました。」とのことで、インフラを整え、次期への向けての成長戦略の布石を打ち、今後の成長へ向けての投資を行っている。実際、その成果として、「従来の小型店と異なり店舗に作業場を設けずセンターから商品を供給する40坪タイプの小型店の実験を開始しました。」とのことで、都心部の小型店戦略の準備が着々と進みつつあるといえる。

   そこで、今期、マルエツがこの物流センターを含めどのような投資を実施したかであるが、総額では142.39億円(昨年120.55億円)であり、その内訳は新店投資40.86億円(昨年51.57億円)、改装投資24.08億円、センター29.43億円(昨年0)、システム24.61億円(昨年23.53億円)、その他投資17.99億円(昨年10.61億円)である。また、これを裏付けるキャッシュフローを見ると、投資活動によるキャッシュフローは108.70億円(昨年53.47億円)と倍増しており、積極的にインフラに投資したことがわかる。

   さらに、これに伴い、店舗戦略もマルエツ屋号店舗とマルエツプチ屋号店舗に明確に分離し、これまでの様々な業態を2つに整理している。そのマルエツ屋号店舗であるが、新店は、「中野若宮店(東京都)、岩槻駅前店(埼玉県)、元住吉店(神奈川県)、成増南口店(東京都)、戸田氷川町店(埼玉県)、西大宮駅前店(埼玉県)、豊春店(埼玉県)の7店舗」である。そして、マルエツプチ屋号店舗は「人形町駅前店(東京都)、西新宿六丁目店(東京都)、神田司町店(東京都)、南荻窪二丁目店(東京都)、東日本橋三丁目店(東京都)、翁町二丁目店(神奈川県)、東池袋駅前店(東京都)の7店舗」の14店舗を出店している。これに、マルエツのはじめてのディスカウント業態、スーパーマーケット魚悦川間店(千葉県)を加え、今期は合計15店舗を新規出店している。結果、閉鎖6店舗があり、総店舗数は255店舗と、食品スーパーマーケット業界では最大の店舗数である。

   ただ、やや気になるのは、これだけの投資の結果、有利子負債が321.04億円(昨年299.80億円)と約20億円強増加し、総資産1,330.59億円の24.12%とやや重くなり、自己資本比率も45.7%(昨年46.6%)と若干下がっていることである。ちなみに、前期、決算公開企業約50社の有利子負債の総資産に占める割合の平均は27.3%であるので、平均よりも下回ってはいるが、増加したことが気になる点である。

   そこで、今期のキャッシュフローを見ると、営業活動によるキャッシュフローは87.03億円(昨年79.47億円)と増加しているが、先に見たように投資活動によるキャッシュフローが108.70億円(昨年53.47億円)と倍増したため、結果、フリーキャッシュフローが-21.67億円(昨年33.56億円)とプラスからマイナスとなった。結果、財務活動によるキャッシュフローは13.73億円(昨年-21.37億円)となり、有利子負債を調達せざるをえなくなったといえる。ちなみに、現金及び預金であるが81.35億円(昨年89.29億円)であり、ほぼ昨年同様の数字である。このキャッシュフローを見る限り、今期は投資、特に、成長戦略を見越した投資戦略を優先するという強い意思が感じられる内容である。

   そして、もう1点気になる点は営業利益が-19.8%と大きく減少した点である。その要因であるが、原価は71.49%(昨年71.69%)と、0.20ポイント改善している。結果、売上総利益は28.51%(昨年28.31%)となった。一方、経費の方であるが、28.78%(昨年27.81%)と、0.97ポイント上昇しており、結果、差し引き、商品売買から得られる利益、マーチャンダイジング力は-0.27%(昨年0.50%)と、一転、プラスからマイナスへ転じた。これにその他営業収入が2.22%(昨年1.88%)加わり、結果、営業利益は1.95%(昨年2.38%)と減益となった。原価は改善したが、経費増が重く営業利益にのしかかった構図である。

   このように、2011年2月期のマルエツの本決算は減収減益という厳しい決算となったが、今期は成長戦略を優先した先行投資に加え、これまでの様々な業態をマルエツとマルエツプチ業態に整理しており、来期以降の成長を期した体制づくりへの投資を優先したといえよう。ただ、キャッシュを生み出す営業利益の減益要因は経費増によるものであり、この改善が進んでいない点は気になるところである。来期以降、今回の投資戦略がどこまで成長戦略につながってゆくのか、また、どのように上昇しつつある経費の削減を目指してゆくのか、マルエツの次の具体策に注目である。

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April 18, 2011 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

April 17, 2011

東京電力の決算書を見る!

   福島原発、そして、計画停電の問題をかかえる東京電力の企業の存続そのものが危ぶまれているが、東京電力の財務状況はどのような現状にあるのか、最新の決算書、2011年3月期、第3四半期決算をもとに見てみたい。現時点の最新の決算書はこの第3四半期であり、2010年4月から2010年12月までの期間であるため、今回の東日本大震災の影響は含まれてはいない。現時点では、震災前の財務状況ということにはなるが、今後公表されるであろう、震災後の財務状況と比較する意味でも、現状の状況を確認しておく意義はあるといえよう。

   まずは、営業状況であるが、第3四半期、すなわち、2010年12月末時では、売上高3兆9,599.30億円(8.3%)、営業利益3,269.80億円(13.8%:営業利益率8.25%)、経常利益2,786.40億円(19.3%)、当期純利益1,398.96億円(-11.3%)と、当期純利益は、資産除去債務会計基準に伴う影響額が571.89億円発生したため、昨対を割ったが、この影響を除けば、増収増益の好決算となった。また、通期予想は、売上高5兆1,650.00億円(7.5%)、営業利益2,850.00億円(14.0%)、経常利益2,000.00億円(19.3%)、当期純利益900.00億円(-12.0%)である。単純に規模から見ると、小売業で比較すると、セブン&アイH、イオンとほぼ同じであるといえる。

   また、財務状況であるが、総資産は13兆7,951.34億円、純資産は2兆9,821.50億円であり、自己資本比率は21.3%である。ちなみに、セブン&アイHの2011年2月期の本決算の数字は総資産3兆7,321.111億円、純資産1兆7,765.12億円、自己資本比率45.6%であるので、いかに、莫大な資産の上に成り立っている経営であるかがわかる。ここが小売業と決定的に違う構造であるといえよう。通常小売業は商品の製造までは大きくは踏み込まないが、東京電力は電気を販売するだけでなく、電気を製造するところまで踏み込む事業構造であるため、いわゆるSPA、製造小売業といえる。したがって、今回、製造の中の原発に問題が起きたため、即、小売の電気の販売に直結し、計画停電になるという構造的な問題が表面化したといえる。製造小売業は利益が確保できるというメリットは大きいが、反面、製造段階に何か問題が起きた時には即、小売段階に影響が生じ、事業構造そのものがぐらつくというデメリットもあるといえる。

   次に、営業構造を見てみたい。小売業と違い、営業構造は決算書を見る限り、シンプルであり、仕入れ原価が存在しない。したがって、ダイレクトに営業収益、営業経費、営業利益という構造になっている。その実際の数字であるが、営業収益は3兆9,599.30億円(昨対8.3%)、営業費用は3兆6,330.21億円(昨対7.8%)であり、結果、差し引き、営業利益3,269.80億円(昨対13.8%)となる。今期は営業収益の伸びに対し、営業費用の伸びを抑えられたことが、営業利益を大きく増大させた要因といえる。

   そして、財務構造であるが、まずは、総資産は13兆7,951.34億円の中身であるが、小売業とは全く構造が違い、小売業では流動資産が上に来るが、東京電力の資産は固定資産が上に来ており、その数字は12兆4,135.40億円と総資産の90.0%であり、いかに、固定資産が巨大な数字であるかがわかる。その主な内訳であるが、最も大きいのは設備関連であり、配電設備が2兆1,563.06億円、ついで、送電設備2兆999.76億円と配電、送電関連が極端に大きい固定資産である。そして、水力発電設備6,878.93億円、汽力発電設備9,726.52億円、原子力発電設備8,524.49億円、変電設備8,394.25億円、業務設備1,528.49億円となる。ちなみに、原発の核燃料は9,272.27億円であり、原子力関連は先の原子力発電設備と合わせると、1兆7,796.76億円となる。

   以上が固定資産関連の主な資産であるが、一方、流動資産は1兆3,815.94億円であり、この内、現金及び預金は3,664.94億円、総資産のわずか2.7%である。今後、福島原発関連の終息に向けて様々な投資が必要な上に、巨額の損害賠償等の発生が見込まれるが、厳しい現金及び預金の状況であり、負債、資本の大幅な増強が必須であるといえよう。その資本であるが、純資産は2兆9,821.50億円と、総資産の21.6%であるが、先に見たように、現金及び預金は3,664.94億円で、わずかである。したがって、資産の大半は負債で補っており、その最大の負債は社債4兆5,046.33億円、長期借入金1兆5,666.77億円、1年以内に期限到来の固定負債1兆151.58億円、短期借入金3,846.45億円と合計7兆4,711.13億円と、総資産の54.2%であり、資産の半分は、これらの負債で賄っている財務構造である。したがって、今回の原発関連の終息へ向けての費用、及び巨額の損害賠償を賄うには資本を数兆円単位で増強するか、さらに、負債を数兆円単位で調達するしかなく、極めて厳しい経営判断が要求されることになろう。

   このように東京電力の営業状況、財務状況を見る限り、今回の福島原発事故に伴う終息へ向けての費用、今後予想される巨額の損害賠償を賄うには、厳しい財務状況にあるといえ、現時点で東京電力1社のみでこれらの費用を賄うのは無理があるといえる。インフラ事業は巨額な富を生み出すビジネスでもあるが、今回のような大事故が起こると、1社では賄いきれない巨額な損失をともなうビジネスでもあることが改めて浮き彫りになったといえる。今後は、すでに、財務的に見ても東京電力1社で解決できる範囲を超えることが予想され、日本政府が、今回の福島原発の事故が終息し、巨額の損害賠償が終了するまで指揮をとってゆかないと、原発の終息も巨額の損害賠償も十分に対応できないのではかと思われる。

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April 17, 2011 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

April 16, 2011

マックスバリュ東海、2011年2月決算、増収増益!

   マックスバリュ東海が4/14、2011年2月期の本決算を公表した。結果は、売上高1,534.64億円(8.9%)、営業利益42.82億円(18.8%)、経常利益42.64億円(19.7%)、当期純利益16.53億円(12.0%)となり、増収増益、特に、利益が20%近い伸びとなり、好決算となった。2010年5月に就任した寺嶋晋社長体制化での初めての決算であり、また、同年にはじまった第3次中期3ヵ年経営計画の初年度にもあたり、その結果が注目されていたが、結果は増収増益と幸先の良いスタートとなった。なお、第3次中期3ヵ年経営計画の目標数字は、「売上規模1,900億円、営業利益率3.5%、100店舗体制」の構築であるので、今期決算段階での達成率は、売上規模80.7%、営業利益率79.7%、店舗数90%という状況である。今後、計画通りに目標数値に達成できるかどうか、来期が重要な年となろう。

   そこで、まずは、マックスバリュ東海の営業利益が好調に推移した要因を原価、経費面から見てみたい。その原価であるが74.89%(昨年74.44%)であり、0.45ポイント上昇している。これは、特に、今期、マックスバリュ東海は、「プライスリーダーシップを合言葉に各商品部門ごとに、地域一番のお買得商品を選定し、単品大量陳列を基本としつつ、お客さまに対し、商品や価格へのこだわりが伝わる売場づくりに取り組みました。」とのことで、プライスリーダーを意識した価格にこだわった政策を推し進めたためといえよう。

   具体的には、「青果・鮮魚・精肉の生鮮部門では、青果部門を集客の核となる部門として位置づけ、低価格での商品提供を継続して展開、・・」、「デイリー(日配品)・グロッサリー(加工食品)・ノンフーズ(非食品)部門では、プライスリーダーシップを発揮する部門として、価格政策を強化すべくイオングループの需要集約機能を活用した仕入を拡大するとともに、確かな品質でお買得なトップバリュ商品を集めたコーナーを拡充させ、安さの伝わる売場づくり、・・」などである。結果、粗利率は、青果18.5%(昨対-0.9ポイント)、鮮魚24.0%(昨対-0.1ポイント)、精肉29.6%(昨対-1.5ポイント)、生鮮計23.1%(昨対-0.9ポイント)、デイリー26.3%(昨対-0.3ポイント)と、いずれも粗利が下がり、全体の売上総利益は25.11%(昨年25.56%)と、厳しい数字となった。

   一方、経費の方であるが、24.23%(昨年24.92%)と、0.69ポイントと大きく改善した。特に、コストに関しては、「当社は、「高コスト体質からの決別 オペレーション改革元年!!」をスローガンに掲げ、スーパーマーケットの原点に立ち返り、ゼロベースでの改革を進めてまいりました。」とのことで、今期の重要な経営課題であったといえる。具体的には、「作業の棚卸しによるムダ・ムラの排除や販促チラシ回数の削減などにより作業軽減を図るとともに、適正な人員配置による人時効率の改善に取り組みました。また販促チラシについては、一部の店舗を除き、土曜日を新聞折込日とし、1週間単位の企画に変更することにより、火曜・水曜日の強化に加え、週末の販売強化も図りました。」とのことで、作業改善とちらしの見直しが大きかったといえよう。

   結果、差し引き、商品売買から得られる利益、マーチャンダイジング力は0.88%(昨年0.64%)と改善した。ただ、経費比率24.23%は、前期決算公開企業約50社も平均25.6%よりは低いが、トップクラスの20%前後と比べるとまだ改善の余地はあるといえ、今後、3カ年計画の中で、どこまで経費比率を改善できるかが課題といえよう。そして、これに、不動産賃貸収入、施設利用料等のその他営業収入が1.91%(昨年1.93%)加わり、営業利益は2.79%(昨年2.57%)と、増益となった。したがって、原価の上昇、その他営業収入の減少を、経費削減でカバーしたことにより、営業利益が大きく改善しており、経費削減効果が好業績に寄与した決算結果といえよう。

   これを受けて、キャッシュフローであるが、やや気になるのは、投資活動によるキャッシュフローである。この中の新店に関する項目、有形固定資産の取得による支出が-38.15億円(-114.45億円)と大きく減少していることである。ただ、それでも、マックスバリュ東海の1店舗当たりの出店にかかわる資産は約4億円弱であるので、10店舗近い新規出店が可能であるといえ、出店意欲は依然として高い水準であり、今期は前期に比べ、低く投資を抑えているといえるが、前期を含め、2年間で見れば、成長戦略を強く意識した投資キャッシュフローであるといえよう。

   このように、2011年2月期のマックスバリュ東海の決算は増収増益の好決算となった。特に、利益が20%近い伸びとなり、収益性が増したが、その中身は、経費が大きく改善したことが大きかったといえる。ただ、今後、今期からはじまった第3次中期3ヵ年経営計画の営業利益率の目標3.5%を達成するには、0.7ポイント以上の改善が必要といえ、一層の経費削減に加え、原価の改善も課題といえよう。今期の好決算を踏まえ、寺嶋社長の新体制となり、来期、マックスバリュ東海が経営目標を達成するために、特にどのように経費削減に取り組んでゆくのか、その動向に注目である。

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April 16, 2011 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

April 15, 2011

大黒天物産、2011年5月期、第3四半期決算、増収増益!

   大黒天物産が4/5、2011年5月期、第3四半期決算を公表した。結果は売上高655.07億円(11.4%)、営業利益36.55億円(6.9%)、経常利益36.47億円(6.8%)、当期純利益18.00億円(-0.8%)となり、当期純利益は「資産除去債務会計基準の適用に伴う影響額として特別損失に2億5千9百万円を計上、・・」とのことで、減益となったが、営業、経常段階では増収増益となり、好決算となった。ただ、売上高の伸び率に対して、営業利益の伸び率が低い点がやや気になるところである。

   そこで、営業利益が増益になった要因を原価、経費面から見てみたい。まずは、原価であるが、77.47%(昨年77.14%)となり、0.33ポイントの上昇が見られる。大黒天物産自身も「当社グループでは平成20年4月より実施しております購買頻度の高い商品約100品目以上を2割から5割値下げした「生活応援宣言セール」を引き続き実施するとともに、平成22年12月には「お客様の生活を豊かにしていきたい」という念い(おもい)から店頭売価よりも更に減額するというかたちで「総額2億円利益還元セール」を実施いたしました。」とのことで、今期は価格訴求を強力に推し進めており、これが原価に少なからぬ影響を与えたものと思われる。結果、売上総利益は22.53%(昨年22.86%)となった。

   一方、経費の方であるが、16.94%(昨年17.03%)となり、0.09ポイント改善している。それにしても、この経費比率16.94%は、前期の決算公開企業約50社の中では、オーケー15.0%、トライアルカンパニー15.5%につぐ低さであり、トップクラスの比率である。特に、今期は、「管理コストの一層の見直しと作業効率の改善による販売費及び一般管理費の圧縮にも努めてまいりました。」とのことで、経費削減の効果が表れているといえよう。

   結果、差し引き、商品売買から得られる利益、マーチャンダイジング力は5.59%(昨年5.83%)と、原価の上昇が大きく、カバーできない結果となり、率では減少した。ただ、高では、売上高が11.4%伸びたために、カバーしており、金額ベースでは増益となった。大黒天物産はその他営業収入が計上されていないため、マーチャンダイジング力=営業利益となり、結果、営業利益も率では減少、高では増加という決算結果となった。

   したがって、増益要因は売上高の上昇、11.4%増が大きかったといえる。その増収要因であるが、今期は、「当第3四半期累計期間4店舗目(うち1店舗は移転出店)となるディオ防府南店を新たな商圏である山口県防府市に出店いたしました。」とのことで、新規出店効果が大きいといえよう。ただ、大黒天物産の総店舗数は前期56店舗であるので、59店舗となったことになるが、11.4%の売上増は恐らく、既存店も好調に推移したと思われ、新店、既存店がバランスよく成長に寄与し、結果、経費削減にもつながったものといえよう。

   ここで、大黒天物産の出店余力を見てみると、純資産比率は60.0%であり、新規出店関連の資産、土地、建物、敷金保証金の合計は101.10億円であり、総資産241.31億円の41.89%であり、差し引き、18.11%、十分な出店余力である。前期の決算公開企業約50社の平均が-22.3%であり、トップがヨークベニマルの24.4%、それに次ぐ高い数字であり、成長戦略を積極的に推し進められる財務基盤が確立されているといえる。しかも、出店にかかわる資産101.10億円は全59店舗で割るとわずか1.71億円であり、これも前期の決算公開企業約50社の平均が4.73億円と、極めて低い出店に関わる資産であり、独特な新規出店戦略をとっていることがわかる。

   また、今期の財務活動によるキャッシュフローを見ると、有利子負債を7.49億円圧縮しており、結果、有利子負債は12.00億円、総資産の4.97%、現金及び預金は65.13億円(総資産の26.99%)と強固な財務基盤であり、恐らく来期には無借金経営となるものと予想される。

   さらに、今期の投資活動によるキャッシュフローを見ると、新規出店関連への投資が17.37億円(昨年3.97億円)と4倍に跳ね上がっており、1.71億円の出店にかかわる資産で割ると約10店舗分となり、総店舗数59店舗で割った出店意欲は16.9%となる。この財務状況を見る限り、次の第4四半期を含め、今後も積極的に成長戦略を押し進めてゆくものと思われる。実際、大黒天物産の残り四半期を含めた通期決算予想であるが、売上高880.00億円(9.7%)、営業利益43.72億円(4.8%)、経常利益44.00億円(5.6%)、当期純利益22.30億円(0.4%)と、この第3四半期よりもやや下回る予想ではあるが、当期純利益は改善し、増収増益の好決算を予想している。

   このように、2011年5月期の大黒天物産の第3四半期決算は増収増益、特に、売上高が好調に推移し、原価上昇による営業利益率の減少を、利益高でカバーし、好決算となった。また、この第3四半期では有利子負債が削減され、財務基盤が一層強化され、同時に新規出店関連への投資も積極的に行い、出店意欲は旺盛、今後の成長が期待されるキャッシュの配分である。次の第4四半期はもちろん、来期、さらに成長が期待されるが、大黒天物産の今後の新規出店戦略に注目である。

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April 15, 2011 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

April 14, 2011

アークス、2011年2月期、本決算、3,000億円突破!

   アークスが4/12、2011年2月期の本決算を公表した。結果は、売上高3,036.08億円(12.1%)、営業利益92.72億円(4.9%)、経常利益100.61億円(5.2%)、当期純利益54.49億円(7.9%)となり、増収増益、売上高は3,000億円を超えた。決算公開企業約50社の食品スーパーマーケットの中で年商3,000億円を超えるのは7社である。その7社ととは、前期決算の売上高で見ると、イズミ4,687.42億円、ライフコーポレーション4,565.22億円、平和堂3,612.37億円、イズミヤ3,585.79億円、ヨークベニマル 3,375.06億円、バロー3,319.93億円、マルエツ3,307.17億円である。今期決算では、8社目となるものといえ、アークスは食品スーパーマーケット業界の中でもトップクラスの売上規模の食品スーパーマーケットとなる。

   そこで、アークスが、今期12.1%の成長を遂げ、年商3,000億円を超えた最大の要因は、「当期におきましては、東光ストアの業績が通年で寄与したため、売上高・利益共に大きく伸長いたしました。」とのことで、2009年10月にグループ入りした東光ストアがフルに貢献したことが大きい。そこで、この東光ストアの業績を除いた場合を見てみると、「当期の連結業績から(株)東光ストアの業績を除いた対前年増減率は、売上高1.2%増、営業利益3.9%増、経常利益3.2%増、当期純利益8.3%増となっております。」とのことで、増収増益基調ではあるが、その貢献度は極めて大きかったことがわかる。

   アークス自身は、今期新店を新規出店4店舗、移転新築2店舗、業態変更含む改装12店舗、閉店2店舗を実施しており、総店舗数は203店舗となった。ちなみに、食品スーパーマーケットで200店舗を超えているのは、前期の決算時ではマルエツ249店舗、ライフコーポレーション208店舗のみであり、日本において、200店舗の食品スーパーマーケットを展開することが極めて高いハードルであるかがわかる。

   これに対して、利益の方であるが、いずれの段階でも堅調な結果となった。そこで、営業利益が4.9%増となった要因を原価、経費面から見てみたい。まずは、原価の方であるが、77.06%(昨年77.21%)と0.15ポイント下がっている。これに対して、アークス自身は、「利益の安定確保を図るべく、当社グループの共同仕入れを更に強化し、店舗においては生鮮食品の適切な加工・品出しを行うなど、廃棄ロスの対策にも取り組んでまいりました。」とのことで、仕入れとロス対策等が寄与したものといえよう。しかも、「競合他社の相次ぐディスカウント業態への転換などを含め、低価格競争が依然として続いております。」とのことで、価格政策が厳しかった中での原価改善といえる。結果、売上総利益は22.94%(昨年22.79%)となった。

   一方、経費の方であるが、19.88%(昨年19.52%)と、0.36ポイント上昇している。ただ、上昇しているとはいえ、19%台であり、これも、前期決算公開企業約50社の数字を見ると、20%を切る食品スーパーマーケットは、オーケー15.0%、トライアルカンパニー15.5%、大黒天物産17.2%、アオキスーパー17.2%、スーパーバリュー18.4%、マルミヤストア18.8%の6社であり、アークスの経費比率がいかに低い数字であるかがわかる。

   結果、差し引き、商品売買から得られる利益、マーチャンダイジング力は、3.06%(昨年3.27%)と0.21ポイント下がった。アークスの場合はその他営業収入が計上されていないため、マーチャンダイジング力=営業利益となり、結果、営業利益は率では昨年を下まわったが、売上高が12.1%となったため、営業利益高では4.9%の増益となった。

   これを受けて、アークスの経営の意思がダイレクトに表れるキャッシュフローであるが、営業活動によるキャッシュフローは72.52億円(昨年79.21億円)と若干減少したが、その要因は、当期純利益は増加したが、その他の流動負債の増減額(-は減少)が-10.93億円(昨年2.98億円)となったためである。これに対して、新店戦略がダイレクトに反映される投資活動によるキャッシュフローであるが、-26.99億円(昨年-56.44億円)となり、一見、投資を控えているように見えるが、昨年は連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出、すなわち、東光ストアのグループ化に-43.82億円投資したためである。したがって、新店に直接かかわる投資は、有形固定資産の取得による支出-35.37億円(-18.08億円)と倍増しており、積極的な投資である。

   結果、フリーキャッシュフローは、45.53億円(昨年22.77億円)と倍増している。そして、このキャッシュを財務活動によるキャッシュフローに充てることになるが、結果は、-56.12億円(昨年1.51億円)と、全額を超えるキャッシュ当てている。その中身であるが、-40.77億円を有利子負債の削減に充てている。こう見ると、今期は、昨年のM&A、今期は新店と財務基盤の改善にキャッシュを振り向けており、一段と企業価値の増大を図っていることがわかる。

   このように、2011年2月期のアークスは、売上高3,000億円を達成し、増収増益という好決算となった。やや気になるのは経費増がマーチャンダイジング力をやや下げたことであるが、東光ストアのグループが大きく寄与し、営業利益高は増益となった。そして、その増益となったキャッシュを成長戦略と財務改善の双方にバランスよく振り向けており、企業価値をより高める流れを作ったといえよう。今後、パワーを増したアークスが北海道商圏の中で、どこまでシェアを拡大してゆくか、次の成長戦略に注目である。

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April 14, 2011 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

April 13, 2011

ベルク、2011年2月期決算、増収増益、好調!

   ベルクが4/11、2011年2月期の本決算を公表した。結果は、売上高1,095.19億円(6.9%)、営業利益50.32億円(14.6%)、経常利益52.43億円(13.2%)、当期純利益26.66億円(9.2%)となり、増収増益、特に、利益は2桁増の好決算となった。また、今期決算では、各社の売上高が伸び悩んでいるが、ベルクは6.9%増と堅調な数字であり、バランスのよい好調な決算となった。さらに、財務面では、EPS(1株当たり当期純利益)も当期純利益が増加したことにより、127.79円(昨年117.05円)、自己資本比率も54.8%(昨年53.7%)、キャッシュフローもフリーキャッシュフローはプラス、現金及び現金同等物期末残高も38.58億円(昨年33.81億円)と、堅調な伸びを示しており、営業数値に加え、経営数値も好調な決算となった。

   そこで、まずは、売上高が6.9%となった要因であるが、既存店が「競争力の強化及び当社が目指す標準化の推進のため既存店12店舗の改装を実施」したことにより、101.5%と昨対を上回ったことに加え、新規出店として、高崎大八木店(2010年3月、群馬県高崎市)、佐野田沼店(2010年8月、栃木県佐野市)、行田城西店(2010年9月、埼玉県行田市)、東松山新郷店(2011年11月、埼玉県東松山市)と、4店舗出店したことが大きいといえる。結果、ベルクの店舗数は66店舗となった。

   一般に食品スーパーマーケットの成長は既存店の活性化よりも、新規出店で決まるといえ、ベスクも4店舗は全66店舗の106.06%に当たり、新店が今期の売上高を押し上げたといえ、これが好調な決算をもたらしたといえる。ちなみに、今期の設備投資であるが、新店に関しては今期16.96億円(昨対58.9%)、来季へ向けては18.56億円(昨対275.4%)であり、合計35.42億円となり、これは、ベルクの投資活動におけるキャッシュフローの中の有形固定資産の取得による支出-45.50億円の約80%弱となり、積極的な新店への投資である。しかも、今期よりも、来期の方に重点を置いており、来期も、今期同様の堅調な成長が期待できるといえよう。

   一方、今期は売上高もさることながら、利益はさらに好調な結果である。そこで、特に営業利益について、14.6%増となった要因を原価、経費面から見てみたい。まずは、原価であるが、74.23%(昨年74.18%)となり、0.05ポイントと、やや原価が上昇しているが、ほぼ、昨年並みの水準を維持したといえよう。原価改善に関しては、「イオングループのプライベートブランド商品である「トップバリュ」を積極的に拡販いたしました。」とのことであるが、「競合各社の積極的な出店及び販売施策を実施する中、不透明な所得や雇用環境、消費税増税論議等による将来的な不安感から個人消費の持ち直しが遅れ、厳しい経営環境が続いております。」とのことで、経営環境が厳しかったとのことである。結果、売上総利益は25.77%(昨年25.82%)となった。

   これに対して、経費の方であるが、22.60%(昨年25.65%)と、大きく下がっている。ただ、これは、今期からベルクの「物流費用の計上区分の変更」があったため、前期との比較は、この段階ではなく、営業利益段階で評価しないと、今期に関しては、経費削減がなされたのかどうかは難しい判断となる。ちなみに、変更のポイントであるが「従来、物流関連費用については、販売費及び一般管理費に計上しておりましたが、当連結会計年度より、営業収入に計上している「物流収入」(仕入取引先から当社物流センターへ納品される商品の店舗への配送業務に対して仕入取引先から受け取る収入等)より控除する方法に変更いたしました。」とのことであり、その他営業収入とのかねあいとなる。

   その、その他営業収入であるが、1.95%(4.12%)と、大きく減少しており、昨年と違いその他営業収入、すなわち、物流収入の経費がその他営業収入、一般管理比双方から引かれているのがわかる。したがって、その結果である営業利益は、4.59%(昨年4.28%)と増加しているので、恐らく、原価が横ばいであるので、経費が削減されたものと思われる。来期からは、この数字の比較が正確に判断できるようになるため、原価、経費の差、マーチャンダイジング力も判別できるが、今期は、この営業利益で判断せざるをえないが、マーチャンダイジング力も経費の削減により、改善されているといえよう。

   さて、来期であるが、売上高1,149.90億円(5.0%)、営業利益51.01億円(1.4%)、経常利益53.12億円(1.3%)、当期純利益27.92億円(4.7%)の予想であり、今期と比べ、3/11の東日本大震災の影響が不透明であり、利益面がやや厳しい予想である。

   このように、2011年2月期のベルクの本決算は増収増益、特に、利益が好調な決算となり、営業数値だけでなく、財務面でも、EPS、自己資本比率、そして、キャッシュフローも安定した堅調な結果となった。これまで公表された各食品スーパーマーケットの決算は利益は好調な企業もあるが、売上高は厳しい結果の企業が多かったが、ベルクは双方バランスのよい結果であり、しかも財務も堅調な結果となり、食品スーパーマーケット業界の中でも、屈指の好調な決算となったといえる。来期は震災の影響等、不透明感が漂うが、今期の好調な決算結果を踏まえ、ベルクが今期のように好調な経営を維持できるか注目である。

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April 12, 2011

ヨークベニマル、2011年2月期決算、減収減益!

   ヨークベニマルの2011年2月期の本決算が、4/7、親会社のセブン&アイHの本決算とともに公表された。結果は営業収益3,433.79億円(98.46%)、営業利益88.77億円(94.41%)、経常利益102.76億円(94.50%)、当期純利益50.93億円(83.70%)となり、減収減益となる厳しい決算となった。この決算数字には3/11の東日本大震災の影響は全く含まれておらず、昨年の3/1から、今年の2/28までの1年間の決算結果であり、ヨークベニマルにとっては、厳しい1年であったといえる。

   ちなみに、4/12現在、ヨークベニマルの休業店舗は10店舗、福島県(富岡店、大熊店、夜の森店、浪江店、原町店、原町西店)、宮城県(湊鹿妻店、中浦店、塩釜店、多賀城店)であり、被災1週間後は71店舗が休業という、深刻な状況であったが、この1ケ月で順調に被災店舗が再開している。特に、山形県15店舗、栃木県20店舗、茨城県26店舗はすべて営業再開しており、今期、第1四半期は厳しい状況といえるが、第2四半期以降は営業面に関しては回復が見込まれるものと思われる。

   さて、2011年2月期の決算にもどると、気になるのは、営業収益よりも、営業利益、経常利益、当期純利益と、すべての利益段階で減益となったことである。そこで、ここでは、営業利益が減益となった要因を原価、経費面から見てみたい。まずは、原価であるが、75.88%(昨年75.84%)と、0.04ポイントと上昇が見られる。ただ、その上昇幅はわずかであり、ほぼ、昨年と同じ原価率であったといえる。価格競争はかなり厳しい1年であったと思われるが、原価の上昇を抑えた展開ができたといえよう。恐らく、セブンプレミアムなど、PB商品の貢献も大きかったものと推測される。結果、売上総利益は24.12%(昨年24.16%)となった。

   一方、経費の方であるが、23.15%(昨年24.69%)と、1.54ポイントと、大きく改善している。したがって、差し引き、商品売買から得られる利益、マーチャンダイジング力は0.97%(昨年-0.53%)と、一転、マイナスからプラスへと転じ、経費削減の効果が原価以上に大きく貢献したといえる。これに、その他営業収入が加わり、営業利益となるが、今期は、この、その他営業収入に大きな変化がある。

   ヨークベニマルのその他営業収入は大きく2つに分かれる。ひとつは、物流収入等の受取手数料収入であり、もうひとつは不動産賃貸収入である。この2つの結果であるが、受取手数料収入は0.63%(昨年2.42%)、不動産賃貸収入は1.03%(昨年0.90%)であり、受取手数料収入が激減していることである。経費も大きく減少しているので、計上方法が変わった可能性もあるが、この差が大きく、結果、営業利益は2.63%(昨年2.79%)となり、減益となった。原価、経費、双方が改善したにも関わらず、その他営業収入が減少したことが、営業利益が減益となった要因である。

   これを踏まえて、ヨークベニマルの2012年2月期の決算予想であるが、3/11の影響をどう見るかが最大のポイントとなるが、現時点での予想は、営業収益3,225.00億円(93.9%)、その他営業収入を抜いた売上高は3,170.00億円(93.9%)、営業利益10億円(11.3%)と、売上高よりも、営業利益が極めて深刻な減益となる予想である。特に、営業利益については、震災前の営業利益の当初の予想が95億円(昨対107.0%)であったので、震災の影響を85億円と見込んでいるといえる。

   ちなみに、セブン&アイHの他の主要企業は、セブン-イレブン・ジャパン-40億円、イトーヨーカ堂-90億円、そごう・西武-88億円、その他-78億円であり、合計、セブン&アイH全体では381億円の震災の影響額を現時点では見込んでいる。さらに、震災に伴う特別損失も見込まれているが、ヨークベニマルがセブン&アイHの中では最も大きく150億円であり、全体の57.69%、約60%となる。それだけ、ヨークベニマルの震災の影響は大きかったといえる。

   そこで、今期のヨークベニマルの純資産であるが、1,178.14億円、総資産1,474.54億円の79.89%であり、この純資産比率は、前期決算、2010年度の決算公開企業約50社の食品スーパーマーケットの中でも断トツのトップであり、堅固な財務基盤である。現預金も148.05億円あり、流動資産も413.99億円であり、150億円の予想される特別損失も財務的には吸収できるものと思われるが、重い負担となることは必至である。

   このように、ヨークベニマルの2011年2月期、3/11の震災前の本決算が公表されたが、減収減益と厳しい結果となった。ただ、マーチャンダイジング力は増しており、原価、経費が改善されたことが大きいといえる。問題は、来期であるが、来期は3/11の東日本大震災の影響が大きくヨークベニマルにのしかかることになり、現時点で、営業利益-85億円、特別損失150億円が予想される影響であり、厳しい年となるといえよう。ただ、ヨークベニマルの財務基盤は食品スーパーマーケット業界では屈指の堅固さであり、現時点で震災時の休業店舗も急ピッチで営業再開されている。したがって、今期、ヨークベニマルが、この厳しい経営環境の中で、どのような経営戦略を打ち出し、どのように経営改善をはかってゆくのか、その動向に注目である。

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April 11, 2011

セブン&アイH、3/11東日本大震災の影響!

   4/7、セブン&アイHが2011年2月期の本決算を公表したが、その中で、2012年2月期の本決算予想を公表した。この予想には3/11の東日本大震災の影響が組み込まれており、今期の増収増益から一転、減収、営業利益、経常利益は今期をわずかに上回る予想であるが、当期純利益は大震災関連の特別損失が発生し、78.2%となる厳しい予想である。ただし、来期から2月度決算企業は、資産除去債務に関する会計基準が適用されるため、その影響も加わるため、2重の当期純利益への影響となり、これも大幅な減益を余儀なくされる大きな要因である。

   そこで、まずは、今期決算結果と来期の予想であるが、営業収益来期予想4兆6,000.00億円(今期5兆1,197.39億円:89.8%)、営業利益来期予想2,480.00億円(今期2,433.46億円:101.9%)、経常利益来期予想2,453.00億円(今期2,429.07億円:101.0%)、当期純利益来期予想875.00億円(今期1,119.61億円78.2%)である。それにしても、これだけの大震災であるにもかかわらず、営業利益は昨対をクリアーするとのことであり、セブン&アイHの強い復興の意志が感じられる来期の決算予想であるといえよう。

   その事業部ごとの内訳であるが、営業収益予想が89.8%となる最大の要因はセブン&アイHの構成比約40%を占めるコンビニエンスストア事業が76.2%となる予想となるためである。これ以外の事業はスーパーストア事業98.4%(構成比約40%弱)、百貨店事業96.2%(構成比約15%強)、フードサービス事業98.5%(構成比約1.5%強)、金融関連事業121.5%(構成比約2%)、その他の事業146.0%(構成比0.7%)であり、大きな落ち込みはなく、ほぼ、今期並みか、今期よりも上向く予想である。ただし、コンビニエンスストア事業の76.2%の予想は、来期から、北米の営業収益の計上方法に変更があるためであり、震災の影響ではない。今期と同様に計算すると、103.0%となり、昨対をクリアーする。

   一方、営業利益が101.9%となる要因も、同じくコンビニエンスストア事業に負うところが大きく、営業利益の予想は、コンビニエンスストア事業103.7%(構成比約80%)、スーパーストア事業76.4%(構成比約6.5%)、百貨店事業74.7%(構成比約2%強)、フードサービス事業(赤字)、金融関連事業95.3%(構成比11%強)、その他の事業(赤字)という結果であり、対照的な内容である。この予想を見ても、いかに、コンビニエンスストア事業がセブン&アイHの柱と、特に営業利益については、なっているかがわかる。

   そこで、4/7に、この本決算と同時に公開された東日本大震災がもたらしたセブン&アイHへの現時点での影響を見てみたい。まずは、セブンイレブンであるが、「セブン-イレブンでは、地震発生当初、停電や、商品・備品の落下および建物の損傷等による休業が東北地方および茨城県を中心に約600店舗ございました。」とのことである。そして、4/7時点では、「4月7日現在での 営業店舗は95%以上となり、休業店舗は60店舗となっております。」となり、現時点では大半が営業再開となった。ちなみに、東北地区での店舗の内訳であるが、岩手県68店舗(休業0店舗)、宮城県331店舗(休業34店舗)、山形県140店舗(休業店舗0店舗)、福島県379店舗(休業24店舗)、茨城県534店舗(休業2店舗)の合計1,452店舗(休業60店舗)である。

   次に、イトーヨーカ堂であるが、東北地区には10店舗が展開されているが、店舗は数店舗が被災したものの、営業は翌日には再開しており、4/7時点でもすべての店舗が営業再開している。再開にあたっては、3/11の14時46分に地震が発生してから、4分後の14時50分には 対策本部を設置しており、すばやい対応がなされている。イトーヨーカ堂は店舗よりも物流網が仙台中心であったため、この問題の方が影響が大きかったといえ、すぐに、北海道、関東から東北への物流網を再構築し、営業再開を果たしている。

   そして、その他のセブン&アイHの状況であるが、ヨークベニマルは被災時は約100店舗が営業停止となったが、4/7現在では10店舗のみとなっており、大半が営業再開を果たしている。百貨店はすべての店舗が営業をしており、4/7現在、茨城県等の一部の店舗での部分営業があるが、全店営業している。

   以上がセブン&アイHの東日本大震災の被災状況と4/7現在の営業状況であるが、予想以上に復旧が進んでおり、グループ各社の大半の店舗が営業し、寸断された物流網も再構築され、商品供給体制も整いつつあるといえる。

   なお、イトーヨーカ堂の全店ベースの3/28から4/3までのお客様の需要と商品供給の対応状況を見ると、このような大災害の時、何が重点商品となるかがわかる。その結果であるが、飲料水大型、通常時の800%(供給200%)、カセットコンロ600%(供給600%)、乾電池350%(供給80%)、懐中電灯300%(供給200%)、ヨーグルト200%(供給80%)、牛乳200%(供給120%)、子ども用紙おむつ120%(供給90%)、トイレットペーパー90%(供給110%)、カップラーメン80%(供給80%)、米70%(供給60%)である。

   このように、セブン&アイHは3/11の震災4分後には対策本部を立ち上げ、いち早く、被災地、東北への支援体制を構築し、各グループの被災状況の把握、必要な支援体制を構築し、店舗の再開を果たし、4/7現在では、セブンイレブンの60店舗、ヨークベニマルの10店舗のみが休業状況であり、残りのすべての店舗が営業再開しており、復旧が急ピッチで進んでいる。来期は当期純利益が厳しい結果となると予想されるが、どこまで、収益を改善できるか、今後のセブン&アイHの動向に注目である。

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April 10, 2011

セブン&アイH、2011年2月期、増収増益!

   セブン&アイHが2011年2月期の本決算を、4/7、公表した。結果は、営業収益5兆1,197.39億円(0.2%)、営業利益2,433.46億円(7.4%)、経常利益2,429.07億円(7.0%)、当期純利益1,119.61億円(149.5%)となり、増収はわずかであったが、増収増益となる堅調な決算となった。結果、EPS(1株当たり当期純利益)は126.21円(昨年49.67円)と大幅に増加し、株主への貢献を示す株価の価値が大きく増加した。

   そこで、まずは、セブン&アイHの増収増益となった要因を事業部門別に見てみたい。まず、営業収益が伸びた事業であるが、約40%の構成比のコンビニエンスストア事業であり、3.4%増であり、これ以外の事業では、構成比0.7%のその他の事業が5.8%増のみであり、残りの事業はすべて昨対を割り、厳しい結果となった。そのコンビニエンスストア事業であるが、国内チェーン全店売上高は2兆9,476.06億円(昨対105.8%)であり、北米も売上高は1兆4,455.71億円(昨対103.6%)と堅調な数字となり、セブン&アイH全体を大きく牽引したといえる。ただ、国内の営業収益への貢献は売上高ではなく、加盟店収入であるので、コンビニエンスストア事業の約20%強となり、4,411.86億円(昨対108.18%)であった。

   一方、営業利益の方であるが、コンビニエンスストア事業がセブン&アイHの80.02%を締めるが、その結果は1,954.77億円(昨対106.3%)となり、全体の営業利益を押し上げたといえる。ただ、今期決算については、営業利益は7.4%増であるので、他の事業も全体を押し上げたといえる。そこで、その他の事業の営業収益と営業利益を見てみると、スーパーストア事業(営業収益-1.7%、営業利益10.8%)、百貨店事業(営業収益-0.8%、営業利益311.4%)、フードサービス事業(営業収益-7.2%、営業利益赤字)、金融関連事業(営業収益-3.2%、営業利益-6.0%)、その他の事業(営業収益5.8%、営業利益赤字)という結果である。したがって、スーパーストア事業、百貨店事業の営業利益への貢献度が今期は大きかったといえよう。

   では、昨年と比べ、収益性が回復されたことにより、経営の意思が強く反映されるキャッシュフローがどのようになったのかを見てみたい。まずは、営業活動によるキャッシュフローであるが、3,105.27億円(昨年3,222.02億円)と、ほぼ昨年と同じ数字となった。一方、投資活動によるキャッシュフローであるが、-3,120.81億円(昨年-1,151.58億円)と、投資を大きく増加させている。これは、「店舗の新規出店や改装などに伴う有形固定資産の取得による支出や、セブン&アイ・アセットマネジメントにおける西武池袋本店の土地建物等の取得に伴う支出があったことなどにより3,120 億8 千1 百万円の支出となりました。」とのことで、昨年以上の有形固定資産への投資が増したためである。

   したがって、財務活動によるキャッシュフローで賄うか、キャッシュを取り崩すことになるが、財務活動によるキャッシュフローは、-562.58億円(昨年-1,567.08億円)と減少してはいるが、マイナスであり、キャッシュを取り崩しての投資活動によるキャッシュフローへの配分となった。結果、現金及び現金同等物の増減額(△は減少)は -605.73億円(昨年543.97億円)となり、現金及び現金同等物の期末残高は6,567.47億円(昨年7,173.20億円)となった。ちなみに、セブン&アイHの有利子負債は7,209.92億円であり、ほぼ同等なキャッシュであるといえ、いかに、手厚いキャッシュを確保しているかがわかる。

   そして、営業利益が増加した要因を事業構造外の別の角度、原価、経費面から見てみたい。まずは原価であるが、74.25%(昨年73.75%)となり、0.50ポイント上昇しており、原価は厳しい状況であった。結果、売上総利益は25.75%(昨年26.25%)と減少した。一方、経費の方であるが、33.37%(昨年33.60%)と、-0.23ポイント減少しており、経費の改善は進んだといえる。ただ、原価の上昇をカバーするまでにはいたっておらず、結果、差し引き、商品売買から得られる利益、マーチャンダイジング力は-7.62%(昨年-7.35%)とマイナス幅が広がっており、厳しい結果であったといえる。

   これに、不動産収入、物流収入等のその他営業収入が13.00%(昨年12.33%)加わり、営業利益は5.38%(昨年4.98%)となり、増益となった。こう見ると、今期の増益はその他営業収入によるところが大きいといえ、先に見たように、スーパーストア、すなわち、GMS、そして、百貨店特有のその他営業収入が増加したことが、利益を押し上げた大きな要因といえよう。

   このように、2011年2月期のセブン&アイHの本決算は増収増益となったが、増収幅はわずかであり、セブンイレブンに依存した売上増の構造であり、今後、いかに、その他の事業をバランスよく成長させてゆくかが課題といえよう。また、利益は堅調な増益となったが、その要因は営業利益の約80%の構成比を占めるセブンイレブンが堅調であったことに加え、スーパーストア、百貨店のその他営業収入に負うところが大きかったといえ、課題を残す結果といえよう。そして、来期であるが、すでに、セブン&アイHは減益予想を公表しているが、3/11の東日本大震災の影響は避けられず、厳しい結果が予想される。震災後、営業状況は日々好転しているが、どこまで減益予想を縮められるか、今後のセブン&アイHの経営戦略に注目である。

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April 10, 2011 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

April 09, 2011

東京都中央卸売市場、4月第1週の青果の相場!

   東京都中央卸売市場が4/1から4/7までの、4月度、第1週の青果物の週間市況を公表した。結果は、「今週の1日の平均入荷量は、4,909トンで、前週比は2%減で前年同期比は4%減となった。今週も出荷制限要請等から野菜の入荷は少なかった前週より微減した、前年比は異常低温・日照不足等で前年も少なかったが今年は更に少ないため減少となった。」とのことで、昨年も入荷が少なかったことを考慮する必要もあるが、量的には微減という結果となった。また、相場に関しては、「相場は量販店の茨城応援セール等もあり葉物野菜中心に安値から反発したが、前年同期比を見れば分かるとおり安値基調は変わらず。」とのことで、前年同期比は半値を下回る野菜も続出しており、厳しい相場となった。

   そこで、まずは、主要品目の入荷状況、そして相場について見てみたい。「「だいこん」は神奈川県産後半で千葉県産は内陸の東葛飾物が本格化している、入荷は減少し価格は産地変わり強含んだが平年並みかやや下回っている。」とのことで、入荷は千葉産を中心に前年比111%と増加しているが、相場は前年比残念ながらせり62%、相対65%と厳しい状況で推移している。「「にんじん」は前週と同じで春物の徳島県産が増えてきたがやや小振り傾向、入荷は増加したが価格は産地変わり強含んだ。」とのことで、徳島県産が中心となっており、入荷は前年比75%と少なく、相場は相対131%と高値であり、大根とは対照的な動きである。ちなみに、今週の相場では、このにんじんが最も高く、入荷不足が大きいといえる。

   ついで、「「たけのこ」も前週と同じで全般には裏年で寒の戻りもあり大幅に遅れている、引き続き少なくて高い状況で自粛ムードから売れ行きは良くない。」とのことで、今年のたけのこは厳しい状況である。入荷は福岡県産が中心で前年比23%と極端に少なく、相場は前年比が出ていない状況である。「「キャベツ」は春物が中心で愛知県産は終盤を迎えた、入荷は前週並みで価格は産地変わり強含んだ。」とのことで、春物が神奈川県産を中心に入荷しているが、前年比は94%とほぼ昨年並みの入荷であるが、相場はせり63%、相対60%と、だいこん同様、厳しい状況である。

   さて、レタスであるが、「「レタス」は量的に中心の茨城県産が前週は風評被害で低迷した、入荷は減少し価格は安値から大幅に反発した。」とのことで、入荷は茨城県産を中心に前年比99%とほぼ昨年並みであるが、何といっても相場がせり34%、相対39%と、値がつかない状況であり、今週の全野菜の中でも最も低い相場となった。それでも、前週比はせり202%、相対178%であり、大きく反発しており、今後の動向が最も注目される野菜である。また、ほうれんそうであるが、「「ほうれんそう」は主力産地が抜けて鹿児島県産が例年の4倍以上入荷している、入荷は激減した前週より更に減少し価格は安値から徐々に上昇している。」とのことで、関東産の主力産地が抜けるという異変が起こっており、今週は鹿児島産を中心に、各地のほうれんそうが入荷している。入荷量は前年比45%であり、相場は前年比が算出されていない状況である。

   ちなみに、前週、3/25から3/31の東京中央卸売市場のほうれんそうであるが、「「ほうれんそう」の入荷は市場の6割を占める茨城・群馬・栃木県産が出荷停止となり入荷は激減した、価格は大幅な品薄にもかかわらず他県産も上昇しなかった。」とのことで、入荷は、群馬県産を中心に前年比59%、相場は前年比がやはり算出されない状況であった。この週は、レタスも厳しい状況であり、茨木県産を中心に入荷は前年比124%となったが、相場はせり19%、相対23%と値がつかない状況であり、まさに、「福島原子力発電所の事故による計画停電や自粛ムードから買い控えられ、・・」という厳しい結果となった。

   これ以外の主要野菜では、「「ねぎ」は埼玉県産の不作が目立っている、業務需要の不振から4月上旬までは動きが悪かった、入荷は増加し価格はまちまちだが学校も始まり徐々に上向こう。」、「「きゅうり」は茨城県産回復し作柄は全国的に良好となっている、入荷は増加し価格は産地変わったが今週も弱含んだ。」、「「トマト」は不作だった前年より多めの入荷が続いている、入荷は増加し価格は産地変わり春物セールも始まり後半強含んだ。」 そして、その他では、「「アスパラガス」は九州産がピークを過ぎ本来なら東北や長野県産が本格化するところだがやや遅れている、引き続き入荷少なめで価格も高め推移となっており平年比もやや高い。」という状況であり、いずれも、厳しい相場となった。

   このように、東京中央卸売市場の野菜の相場は、この数週間、入荷は昨年並の入荷があるが、相場が異常な状況であり、半値、八掛、あるいは、それ以下となる野菜が続出しており、極めて厳しい相場状況にあるといえる。主力産地も大きくかわりつつあり、各地から野菜が入荷し、何とか絶対量を確保している状況といえよう。当面、この状況は続くと思われ、来週以降も不安定な入荷、そして、相場が続くと予想され、野菜の相場動向を注視する必要がある。

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April 9, 2011 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

April 08, 2011

イズミヤ、2011年2月期本決算、減収増益!

   イズミヤが4/5、2011年2月期の本決算を公表した。結果は、営業収益3,572.74億円(-3.1%)、営業利益37.94億円(74.9%)、経常利益25.65億円(174.7%)、当期純利益7.53億円(昨年は赤字)と、減収とはなったが、利益はいずれの段階でも、昨年の厳しい状況からは一転、大幅な黒字となった。ただ、営業利益の営業収益比は1.06%であり、昨対では、大幅な増益であるが、もう一段と収益性を高めたいところであろう。

   そこで、まずは、今期、イズミヤが-3.1%の減収となった要因を新店面、商品面、客数、客単価面から見てみたい。まずは、新店であるが、今期は、2010年4月に、スーパセンター広稜店(奈良県)をオープンしたが、1店舗を閉店しており、総店舗数は87店舗と昨年同様の店舗数であり、店舗の増加は見られなかった。一般に、食品スーパーマーケットの売上は新店で決まるといえ、新店が閉店を上回った時、売上増がもたらされるが、今期のイズミヤはプラスマイナス0であり、営業収益が厳しい結果となったといえる。

   気になるのは、財務面であるが、今期のキャッシュフローを見ると、営業活動によるキャッシュフローがわずか3.22億円(昨年72.29億円)と、極めて厳しい状況である。昨年は当期純利益が赤字であり、今年は、黒字になったにも関わらず、営業キャッシュフローが好転していない。その要因は、店舗閉鎖損失引当金の増減額(-は減少)が-35.95億円(昨年36.10億円)と、差し引き、約70億円のマイナスとなったことが大きく、さらに、仕入債務の増減額(-は減少)も-34.24億円(昨年-18.36億円)となったことも加わり、結果、当期純利益の22.29億円( 昨年-79.43億円)、減価償却費の67.72億円(昨年68.13億円)を相殺してしまったことである。

   ただ、それでも、新店関連の投資活動によるキャッシュフローは、有形固定資産の取得による支出-53.13億円(昨年-40.42億円)と増加しており、結果、財務活動によるキャッシュフローでは賄い切れず、キャッシュを25.40億円取り崩し、今期の現金及び預金は66.43億円(昨年91.68億円)と、大きく減少した。イズミヤの本決算時点での有利子負債は911.10億円(昨年872.83億円)と、総資産2,437.31億円の37.38 %にあたり、純資産比率40.12%とほぼ同じといえ、純資産比率から見ても、現金及び預金から見ても厳しい財務環境にあるといえる。

   また、今期の新店にかかわる資産、土地、建物、敷金保証金の合計は1,711.97億円であり、総資産の70.24%である。差し引き、純資産でカバーできる出店余力は-30.12%と、負債に大きく依存する出店構造となっている。したがって、今期の投資活動によるキャッシュフローを、営業キャッシュフロー、さらに、財務キャッシュフローに頼ることができない以上、現金及び預金を取り崩して賄わざるをえなかったものと思われる。

   結果、新規出店が1店舗に留まり、これが、売上げが伸び並んだ最大の要因といえよう。また、商品面から見てみると、構成比61.1%の食品が97.9%、構成比20.4%の住関連品が98.5%、そして、構成比15.3%の衣料品が95.5%と厳しい結果となったことも、そのひとつである。さらに、客数98.1%、客単価99.5%と双方昨対を下回っており、これもその要因のひとつといえる。ただ、客数については、「客数増を狙いとしたクラブカード会員への販促強化にも積極的に取り組んだ結果、第3四半期以降の既存店客数は前年比99.6%まで改善し、既存店売上高も99.9%と前年水準まで回復いたしました。」とのことで、第3四半期以降は客数が回復しはじめたとのことで、良い兆候も見られ、今後、客数がどこまで回復するかが期待される。

   一方、営業利益が大きく改善した要因を原価、経費面から見てみたい。まずは、原価であるが、70.41%(昨年70.73%)と0.32ポイント改善している。これについて、イズミヤは、「平成21年8月よりイズミヤ、ユニー、フジと3社で共同開発した新ブランド「Style ONE」を発売いたしました。平成23年2月末までに1,439品目を導入し、順調に販売を拡大しております。既存のプライベートブランド「good-i」も含めた開発商品の売上高は304億円(前年同期比97.3%)となり、当社の売上高に占める構成比は10.9%(前年構成比10.9%)となりました。」とのことで、PBの貢献が大きかったといえよう。結果、売上総利益は29.59%(昨年29.27%)となった。

   これに対して、経費の方であるが、31.30%(昨年31.45%)と、0.15ポイント改善している。したがって、原価、経費双方が改善し、結果、差し引き、商品売買から得られる利益、マーチャンダイジング力は-1.71%(昨年-2.18%)と、依然として、マイナスではあるが数字が改善している。原価、経費双方の改善が大きいといえよう。そして、これに、その他営業収入が2.81%(昨年2.79%)加わり、結果、営業利益は1.10%(昨年0.61%)と、大きく改善した。

   このように、2011年2月期のイズミヤの本決算は減収増益と、利益の回復は見えるが、新店が展開できず、さらに、商品面、客数、客単価ともにマイナスとなり、厳しい結果であったといえよう。ただ、第3四半期以降は客数の伸びが見られるとのことで、売上も回復傾向が見られる。今後、厳しい財務環境ではあるが、来期は、「平成23年9月末には中国蘇州に海外第1号店を出店する予定でございます。」とのことで、新たに海外戦略が加わり、今後、イズミヤ全体にどのような貢献があるかが、ポイントといええよう。来期は、3/11の東日本大震災による影響が読めないところであるが、イズミヤが海外を含め、どのような成長戦略を打ち出すか、注目である。

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April 8, 2011 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

April 07, 2011

丸和、継続企業の前提に関する重要事象等の記載解消!

   丸和が3/23、「「継続企業の前提に関する重要事象等」の記載解消に関するお知らせ及び(訂正)「平成23 年1月期 決算短信」の一部訂正に関するお知らせ」を公表した。これにより、3/11に公表した決算短信に修正が入ることになり、継続企業の前提に関する重要事象等の記載が解消されることになる。3/23、この日に、この内容が公表された理由は、丸和が臨時株主総会において、親会社、ユアーズとの合併契約の承認を受けたためであり、これにより、債務超過が解消されることが確実となり、今後、5/1からユアーズに丸和の経営が継承されるためである。

   丸和が3/11に公表した決算短信によれば、「2期連続して営業損失の計上となったことに加えて、当連結会計年度(平成23 年1月期)においても、経常損失270,669 千円および当期純損失2,593,286 千円を計上しており、当連結会計年度における純資産はマイナスとなっております。営業キャッシュ・フローは前連結会計年度には959,392 千円の支出となり、当連結会計年度においても1,812,598 千円の支出となっておりました。」という状況であり、極めて厳しい経営状況にあったといえる。まさに、この時点では、「継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような事象」であったといえる。

   この厳しい経営状況が、3/23、先にも触れたが、「本日開催の当社の臨時株主総会の決議及びユアーズの臨時株主総会の決議によって本合併に係る吸収合併契約の承認を受け、平成23 年5月1日を効力発生日として予定されております。本合併によりまして、当社はユアーズとの一体による事業再建及び経営効率のさらなる向上を目指し、事業再生計画を促進させるとともに、当該事業再構築をより効率的に進めるために、本部機能の一体化による管理コストの削減及び経営の一元化によるガバナンス体制の強化を図ってまいります。」と、丸和、ユアーズ双方の臨時株主総会で合併が承認された。

   そして、その結果、「当社グループは、この度の臨時株主総会における合併契約の承認を受けまして、これらの各種施策の実施及び事業再生計画の具体的な展開を図るに対応できる体制の構築ができる見込みとなったことにより、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような事象又は状況は解消されたと判断し、「継続企業の前提に関する重要事象等」の記載を行わないことといたしました。」とのことである。

   そこで、丸和が今期、特に取り組んだ事業再生の成果をもとに、その結果の決算結果を見てみたい。まず、2/21時点での、「事業構造改革の完了についてのお知らせ」にて公表された事業再生の内容であるが、「経営資源の選択と集中による全社の利益構造極大化を推進するため、エリアドミナント戦略の見直しを行い、自社競合による影響の回避、物流網、管理コスト等の効率化の観点より、複数のエリアで店舗統廃合の検討を行いました結果、スーパーマーケット事業において25 店舗の閉鎖を完了し、子会社である株式会社リテイル・アドバンテージにて運営しておりました持帰り寿司事業においても、平成23 年1月31 日付けにて事業譲渡を完了し、事業構造改革による食品スーパーマーケットへの事業集中を完了いたしました。」とのことで、食品スーパーマーケットへの事業集中が完了したとのことである。

   その決算数字であるが、3/11公表の決算短信では、売上高336.59億円(-10.9%)、営業利益0.27億円(昨年は赤字)、経常利益-2.70億円、当期純利益-25.93億円となり、営業利益段階では黒字を確保した。したがって、経営的には極めて厳しい状況にあるが、営業利益はプラスとなり、リストラ後に食品スーパーマーケットへの事業集中を図れたことが、営業利益に黒字をもたらしたといえる。

   では、営業利益が黒字になった要因を原価、経費面から見てみたい。まずは原価であるが、73.76%(昨年74.05%)と、0.29ポイント改善しており、厳しい価格競争の中、原価を改善している。結果、売上総利益は26.24%(昨年25.95%)となった。一方、経費の方は、27.20%(昨年27.27%)と、0.07ポイント改善している。したがって、原価、経費双方が改善されており、結果、差し引き、商品売買から得られる利益、マーチャンダイジング力は-0.96%(昨年-1.32%)と、依然として、マイナスではあるが、その幅は1.0%を切り、縮まっている。そして、これにその他営業収入が1.05%(昨年1.03%)のり、結果、営業利益は、0.09%(昨年-0.29%)と、黒字転換した。

   このように、3/11時点の決算短信では財務的には債務超過という厳しい状況にあったが、この1年でのリストラにより、営業利益は黒字転換しており、再生の兆しが見えていたといえる。今後、5/1以降、ユアーズと合併し、債務超過の解消が為されれば、営業利益のさらなる増加をはかり、食品スーパーマーケットとしての事業がまさに再生されるといえよう。ただ、気になるのは経費比率がかなり高めであり、営業利益を高めるためにも、この比率をいかに引き下げられるか、ここが当面の経営課題といえる。今後、丸和がユアーズと合併後、どのように、この経費比率を引き下げ、営業黒字の幅を拡大するか、その具体策に注目である。

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April 7, 2011 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

April 06, 2011

オークワ、2011年2月期、本決算、増収増益!

   オークワが4/4、2011年2月期の本決算を公表した。結果は営業収益2,899.60億円(0.2%)、営業利益65.39億円(12.0%)、経常利益67.58億円(13.2%)、当期純利益31.06億円(31.6%)となり、営業収益は微増にとどまったが、増収増益、特に、利益は2桁増の好決算となった。オークワ自身は、「消費者の生活防衛意識の高まりから低価格志向はさらに顕著になり、業態を超えた価格競争が相俟って、非常に厳しい経営環境が続きました。」と、コメントしており、特に価格競争が厳しい状況であったとのことである。

   そこで、まずは、今期本決算の営業収益が微増となった要因であるが、コメントにもあったように、価格競争の厳しさが反映したといえ、既存店が97.9%となったことが大きいといえよう。特に、「業態別の販売状況は、豊富な品揃えと低価格を実現した「スーパーセンター」業態とこだわりの商品を取り揃えた高質スーパーの「メッサ」業態は消費者ニーズにマッチし順調に推移しましたが、その他の業態は景気の低迷に加え、小売業の低価格競争が激化した影響を受け、前期を下回りました。」とのことで、SSM、GMS等が厳しい結果であったとのことである。

   また、新規出店に関しても「岐阜県下にスーパーセンター業態の「美濃インター店」とSSM業態の「美濃加茂店」、兵庫県下にSSM業態の「加古川野口店」と出店エリアの拡大に取り組み、また、奈良県下にスーパーセンター業態の「桜井店」、和歌山県下にSSM業態の「海南野上店」の合計5店舗を新設した一方で、経営効率化のため2店舗を閉鎖いたしました。」とのことである。オークワは現在149店舗であるので、差し引き、店舗数が3店舗増にとどまったことも営業収益が伸び悩んだ要因といえよう。

   ちなみに、オークワの投資活動によるキャッシュフローを見ると、新規出店に関する項目である固定資産の取得による支出は46.45億円(昨年70.84億円)であり、今期は約65%と削減しており、新規出店を昨年と比べ控えたといえ、これも営業収益が伸び悩んだ要因のひとつといえよう。ただ、その分、財務体質の改善にキャッシュを振り向けており、財務活動によるキャッシュフローを見ると、今期は長短借入金の返済が26.04億円(昨年21.37億円)と、昨年以上に増加しており、有利子負債も224.59億円(昨年242.92億円)と着実に減少し、総資産1,386.83億円の16.19%となった。

   一方、2桁増と好調な営業利益であるが、その要因を原価、経費面から見てみたい。まずは、原価であるが、74.85%(昨年74.97%)となり、0.12ポイント下がっており、原価の改善が進んだ。コメントにあるように、価格競争が厳しい中、原価の改善が進んでいる。これについてオークワは「お客様の節約志向にお応えするために、生活応援セールの「ストップ・ザ・プライス」の継続、低価格・良品質商品として開発している「くらしモア」商品や、「オーエコノミー」及び「オークオリティ」の自社プライベートブランド商品ならびに自社食品工場の販売拡大に取り組みました。」等に取り組んでおり、これらが激しい価格競争の中、原価を改善できた要因といえよう。結果、売上総利益は25.15%(昨年25.03%)となった。

   これに対し、経費の方であるが、26.32%(昨年26.55%)と、0.23ポイント改善している。特に、既存店が97.9%と厳しい状況の中、経費の削減が進んでおり、原価、経費、ダブルでの営業利益改善となった。この経費改善について、オークワは、「業務改革につきましては、「業務改革室」を設置し、全社ベースで業務の見直しを行っております。」と、業務改革が本格的に動きだしたことが大きいといえよう。また「IT戦略を引き続き進め、セルフレジは48店舗・258台に拡大し、新たに画像認識レジを日本ではじめて導入いたしました。」とのことで、セルフレジの貢献も大きいといえよう。

   結果、差し引き、商品売買から得られる利益、マーチャンダイジング力は-1.17%(昨年-1.52%)と、依然としてマイナスではあるが、マイナス幅は縮まっており、マーチャンダイジング力が増しているといえる。これに、不動産収入等のその他営業収入が3.51%(昨年3.62%)加わり、営業利益は2.34%(昨年2.10%)と、増益となった。こう見ると、増益の要因は、その他営業収入は伸び悩んだが、原価、経費の改善が図られ、マーチャンダイジング力がダブルで改善したことが大きいといえる。

   このように、2011年2月期のオークワの本決算は増収増益、特に、営業利益が2桁増の好決算となったが、やや気になるのは増収幅がわずかであったことである。特に、今期は、成長性よりも財務の健全化にキャッシュを振りむけ、内部体制の充実をはかったことにより、新店が十分に展開できていないことである。来期も、3/11の東日本大震災の影響が不透明であり、成長性よりも、内部体制の充実が基本戦略となるものといえ、さらに、来期からは「資産除去債務に関する会計基準」も適用されるため、当期純利益は厳しい数字が予想され、一層、営業利益の改善が課題となろう。その意味で、今期設置した業務改革室が来期、どのように原価、経費の改善に取り組んでゆくか注目である。

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April 6, 2011 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

April 05, 2011

マックスバリュ北海道、2011年1月期決算、増収増益!

   マックスバリュ北海道が3/16、2011年1月期の本決算を公表した。結果は、営業収益775.18 億円(1.2%)、営業利益4.82億円(17.3%)、経常利益4.77億円(9.5%)、当期純利益1.92億円(前期は赤字)となり、増収増益の好決算となった。マックスバリュ北海道自身も、「食品部門の動向は、昨年に引き続き100円を切る2桁売価の商品を豊富に品揃えする等、集客部門と位置づけた野菜部門(農産グループ)や簡便性と品揃えに対する支持が得られた惣菜部門(デリカグループ)、さらには6月中旬以降、気温の高い日が続いたことに対応できたアイスクリーム部門(デイリーグループ)等が好調に推移しました。」とコメントしており、食品の好調な部門が好業績に貢献したとのことである。

   そこで、マックスバリュ北海道の営業収益が堅調な結果となった要因であるが、新店として4月にマックスバリュ新花園店(苫小牧市)をオープンしたことに加え、既存店の業態転換、改装を積極的に実施したことが大きいといえよう。マックスバリュ北海道としては、「当社の属するスーパーマーケット業界では、引き続きお客さまの節約志向が強く、一点単価は依然として下落傾向にあり、業種・業態を越えた競争が一段と激化しており、・・」との厳しい認識をもっている。これに対し、マックスバリュ北海道は、価格競争に対抗すべく、今期は「「店舗競争力の強化」の取り組みとして、価格競争力を高めた新業態(ザ・ビッグ及びザ・ビッグ エクスプレス)への業態転換を5店舗で実施いたしました。また、既存店舗においても12店舗のミニ改装を行い、引き続き立地特性に合わせた品揃えや売場づくりの見直しを行いました。」と、ディスカウントストア、ザ.ビックへのシフトを鮮明にしたといえ、これが、営業収益を押し上げたといえよう。

   結果、各部門の数字であるが、農産(構成比11.8%、昨対5.9%)、水産(構成比8.3%、昨対1.1%)、畜産(構成比8.0%、昨対5.8%)、デリカ(構成比7.8%、昨対5.4%)、デイリー(構成比22.0%、昨対2.4%)、グロサリー(構成比35.8%、昨対-1.3%)インストアベーカリー(構成比1.3%、昨対-3.5%)となり、食品合計では昨対1.7%と堅調な結果となった。

   次に、営業利益であるが、率の面ではまだまだ厳しい面はあるが、昨対で見ると、結果は2桁増という好結果となった。そこで、その要因を原価、経費面から見てみたい。まずは、原価であるが76.36%(昨年76.46%)と、0.10ポイント改善している。特に、今期は、「イオンのプライベートプランドのトップバリュやイオングループの需要集約商品の仕入強化に努めてまいりました。」等に取り組んだことが、その要因といえよう。結果、売上総利益は23.64%(昨年23.54%)となった。

   一方、経費の方であるが、24.80%(昨年24.92%)と0.12ポイント削減している。これについて、マックスバリュ北海道は、「「ローコスト運営」については、取り組みの途上であり、新たにプロジェクトを発足させ来期の重点課題としてオペレーション業務改革や人事制度改革に取り組んでまいります。」とのことであり、今期よりも、来期の重点課題となるとのことである。

   結果、差し引き、商品売買から得られる利益、マーチャンダイジング力は-1.16%(昨年-1.38%)となり、依然としてマイナスではあるが、その幅が縮まっており、マーチャンダイジング力が原価、経費双方から改善されているといえる。そして、これにその他営業収入として、1.79%(昨年1.93%)の不動産賃貸収入、その他の営業収入が加わり、結果、営業利益は0.63%(昨年0.55%)と、増益となった。原価、経費は改善できたが、その他営業収入がやや伸び悩み、営業利益としては、もうワンランク押し上げたいところであったとは思うが、増益となり、率では、営業収益の1.2%のプラスもあいまって、17.3%の営業利益の増加となった。

   これを踏まえ、来期の決算予想であるが、3/11の東日本大震災の影響が現時点では不確定要素ではあるが、営業収益800.00 億円(3.2%)、営業利益4.90億円(1.6%)、経常利益4.80億円(0.5%)、当期純利益0.20億円(-89.6%)と、増収とはなるが、利益は厳しい状況を予想している。特に、当期純利益は、来期から「資産除去債務に関する会計基準」が適用されるため、マックスバリュ北海道のみならず、すべての上場食品スーパーマーケットに適用されるため、厳しい予想となっている。

   このように、マックスバリュ北海道の2011年1月期の本決算は増収増益の好決算となった。特に、営業利益が原価、経費双方の改善が図られ、マーチャンダイジング力が改善したことが大きく、2桁増となった。ただ、その他営業収入が伸び悩んでおり、また、営業利益高では2桁の伸びであるが、営業利益率ではもうワンランク底上げを図りたいところであろう。来期から「資産除去債務に関する会計基準」も適用されるため、当期純利益への影響は必至であり、今後、営業利益率をいかに改善できるか、そのためには、さらに、マーチャンダイジング力、原価、経費の改善が当面の課題となろう。マックスバリュ北海道が今後、どのようにマーチャンダイジング力を改善してゆくかに注目である。

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April 5, 2011 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

April 04, 2011

家計調査データ最新、2011年2月度、食品99.9%!

   総務省統計局から、3/29、家計調査データ、最新、2011年2月度が公表された。結果は、外食を除く食品が1日当たり、1世帯当たりの消費額が1,913.86円、昨対99.9%とほぼ昨年と同様の数字となった。外食を含む食料は100.0%、すべの消費額は99.9%であり、この2月度は全体、食品、外食を含む食料ともにほぼ昨年と同様の数字となったといえ、やや消費がプラスに転じる兆候も見える。ただ、3/11に発生した東日本大震災の影響は今後の動向が読めないといえ、3月以降、家計の消費がどのような結果となるか、予断を許さない状況が続くといえよう。

   そこで、まずは、この2月度の全体の動向であるが、大分類でプラスになった項目は、外食412.79円(昨対100.4%)、住居586.32円(昨対112.6%)、光熱・水道1,018.57円(昨対107.2%)、保健医療436.11円(昨対103.2%)の5項目である。特に、住居が2桁増であり、消費が好調である。その要因であるが、全体の60%強を占める家賃地代が375.43円(108.7%)と大きく、さらに、設備修繕・維持が210.89円(120.2%)と120%消費が伸びたことが大きい。その中でも、植木・庭手入れ代10.25円(昨対410.0%)、設備器具58.46円(昨対131.9%)と、異常な伸びを示しているものもあり、これらが住居を大きく押し上げたといえる。

   一方、伸び悩んだ項目であるが、食品1,913.86円(昨対99.9%)、家具・家事用品287.11円(昨対99.2%)、被服及び履物331.68円(昨対93.4%)、交通・通信1,239.18円(昨対97.9%)、教育358.89円(昨対85.7%)、教養娯楽1,019.11円(昨対98.4%)、その他の消費支出1,710.39円(昨対98.2%)である。この中で気になる項目であるが、落ち込みが最も大きい教育は高校授業料の無償化が大きく、国公立高校9.68円(昨対27.5%)、私立高校36.43円(昨対83.3%)という結果である。この項目は消費者物価指数(CPI)にも大きな影響を与えているが、家計調査データでも、同様に影響が大きいといえる。

   また、値上げ後のたばこの動向であるが、たばこ29.96円(昨対84.1%)、消費世帯のみ252.65円(昨対116.1%)、消費世帯の割合11.9%(昨対72.4%)という結果である。たばこを続けている世帯は消費額が増加しているが、たばこをやめた世帯が30%弱いると見られ、これがたばこの消費額を15%強下げた要因といえる。

   そこで、食品スーパーマーケットに最も関係の深い食品であるが、全体は先に見たように、1,913.86円(昨対99.9%)と、ほぼ、昨年と同じ数字となったが、個々に見ると、伸びた項目、伸び悩んだ項目があるので、その結果を見てみたい。まずは、伸びた項目であるが、野菜・海藻275.57円(昨対101.6%)、果物92.25円(昨対101.6%)、油脂・調味料109.96円(昨対102.8%)、主食的調理食品122.29円(昨年104.2%)、飲料117.61円(昨年107.9%)である。

   これまで好調であった生鮮食品、特に、野菜・海藻、果物の伸びが止まったといえる。これに代わり、この2月度は飲料が107.9%と最も伸びた項となった。その要因であるが、コーヒー18.25円(昨対133.4%)、ミネラルウォーター6.86円(昨対128.9%)、紅茶2.86円(昨対114.3%)等が大きく貢献しているといえる。

   これ以外の項目で、特に伸びたものは、冷凍調理食品15.96円(昨対110.4%)、風味調味料5.89円(昨対111.5%)、砂糖4.07円(昨対122.6%)、グレープフルーツ1.14円(昨対118.5%)、オレンジ1.29円(昨対116.1%)、ぶどう0.18円(昨対125.0%)、かき(果物)0.61円(昨対170.0%)、キャベツ8.36円(昨対113.6%)、はくさい4.32円(昨対114.2%)、じゃがいも8.71円(昨対111.9%)、にんじん6.89円(昨対122.9%)、たまねぎ10.96円(昨対112.0%)、れんこん3.11円(昨対113.0%)、きゅうり7.50円(昨対110.5%)、なす2.82円(昨対114.5%)、ピーマン4.57円(昨対110.3%)、だいこん漬3.32円(昨対110.7%)である。こう見ると、依然として野菜、果物等の相場の高い項目の消費が高い傾向はあるが、全体としては落ち着いてきているといえよう。

   一方、伸び悩んだ項目であるが、穀類199.75円(昨対95.6%)、魚介類209.89円(昨対95.2%)、生鮮肉165.64円(昨対99.4%)、乳卵類 107.29円(昨対99.0%)、菓子類223.29円(昨対97.9%)、酒類98.82円(昨対96.4%)である。特に、穀類、魚介類、酒類が95%強と厳しい状況といえる。

   そこで、特に昨対を大きく下回った項目を見てみると、かつお2.43円(昨対87.2%)、たい2.57円(昨対83.7%)、たこ2.86円(昨対80.8%)、かに2.50円(昨対75.3%)、しじみ1.18円(昨対86.8%)、ほたて貝3.32円(昨対72.7%)、しらす干し3.39円(昨対87.2%)、煮干し0.86円(昨対82.8%)、まんじゅう3.50円(昨対80.3%)、ビール23.82円(昨対88.9%)、ウイスキー2.86円(昨対84.2%)となる。これらが、90%を下回った項目であり、この2月度、消費を押し下げた要因といえよう。

   このように、2011年2月度の家計調査データは、食品だけでなく、外食を含めた食料、そして、全体の消費もほぼ昨年同様の数字、100%前後となり、ここ数ケ月の数字が1月度98.0%、昨年12月度99.2%、11月度98.1%、10月度99.5%、9月度98.5%、8月度98.6%と比べても、若干消費が上向いきはじめた感があり、堅調な結果といえよう。特に、これまで相場高の影響で生鮮食品の野菜、果物の消費額が高かったが、この2月度は、高い項目もあるが、全体としては落ち着いており、食品全体への影響度は下がったといえる。それでも、上向きになりつつあるのは、それ以外の消費も活発になりはじめたからであるといえる。ただ、この3/11の東日本大震災の今後への影響は予想できない状況であり、この2月度、やや上向きはじめた消費額が、来月、3月度、どのような結果となるか、その動向に注目である。

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April 4, 2011 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

April 03, 2011

アオキスーパー、2011年2月期本決算、減収減益!

   アオキスーパーが4/1、2011年2月期本決算を公表した。結果は営業収益885.69億円(-0.9%)、営業利益12.89億円(-31.1%)、経常利益13.68億円(-29.3%)、当期純利益6.08億円(-44.2%)となり、減収減益の厳しい決算となった。アオキスーパー自身も、「低価格販売の実施や、店舗の新設や改装を行い販売促進に努めましたが、物価下落や個人消費の低迷等により厳しい経営環境となり、・・」とのことで、厳しい経営環境の中の1年であったとのことである。

   そこで、まずは、アオキスーパーの営業収益が-0.9%と、減収となった要因であるが、「新設店として10月に名東よもぎ台店をオープンし、3月に高浜店・4月に朝宮店・5月に清城店・9月に乙川店をリニューアルオープンいたしました。また、8月に中村店を仮店舗にてオープンいたしました。」とのことで、新店が1店舗のみであったことが、その要因である。一般に食品スーパーマーケットの成長戦略は新店によって決まるが、アオキスーパーの場合、46店舗であるので、105%の成長をはかるためには、3店舗、110%で5店舗以上の新店が欲しいとところであるが、今期は1店舗であるので、結果、-0.9%となったものといえる。

   では、出店余力はどうかを見てみると、まず気になる投資活動によるキャッシュフローであるが、出店関連の投資、すなわち、有形固定資産の取得による支出は14.86億円(昨年24.83億円)、差入保証金の差入による支出は5.45億円(昨年4.81億円)であり、合計20.31億円(昨年29.64億円)と、約10億円下がっており、今期、新規出店関連への投資を控えたことがわかる。アオキスーパーの2010年度の1店舗当たりの出店関連の資産は2.79億円となるので、今期は下がったとはいえ、6店舗前後出店可能であり、出店意欲は高かったが、戦略上、出店を抑制したと思われる。

   そこで、出店余力であるが、純資産比率は53.12%、出店に関わる資産、土地、建物、差入保証金の合計は132.56億円、総資産が284.70億円であるので、結果、46.56%となり、差し引き、6.56%とプラスである。昨年が9.34%であるで、やや下がったが、2010年度の決算公開企業約50社の平均が-31.02%であるので、アオキスーパーの出店余力はトップクラスといえる。したがって、今期は新規出店を抑制し、既存店の活性化、内部体制の充実を優先したといえよう。

   一方、気になるのは、営業利益が-31.1%と大幅にマイナスとなったことである。アオキスーパー自身も、「当流通業界におきましては、業種・業態を超えた値下げ等による店舗間競争がさらに激化しており、厳しい経営環境が続いております。」とコメントしているように、値下げ競争の激化が響いたものと思われる。そこで、その要因を、原価、経費面から見てみたい。

   まずは、原価であるが、84.38%(昨年83.92%)と、0.46ポイント原価が上昇している。結果、売上総利益は15.62%(昨年16.08%)となり、何と、15%台となった。2010年度の決算公開企業約50社と比較しても、最も低い売上総利益であり、厳しい価格競争であったことがわかる。一方、経費の方であるが、17.35%(昨年17.20%)と0.15ポイント上昇している。この17.35%も上昇したとはいえ、食品スーパーマーケット業界では極めて低い経費比率であり、トップクラスである。ただ、原価、経費、双方が上昇したことにより、差し引き、商品売買から得られる利益、マーチャンダイジング力は-1.73%(昨年-1.12%)と、マイナス幅が広がっており、厳しい利益構造となったといえる。それにしても、経費比率が17.35%でマーチャンダイジング力がマイナスとなるのは、通常の食品スーパーマーケットではありあえない構造であるといえ、アオキスーパーのマーチャンダイジング戦略の特異性を表しているといえる。

   そして、これに、アオキスーパーの利益の源泉、不動産収入、物流収入等のその他営業収入が加わるが、結果は、3.24%(昨年3.28%)と、若干下がり、トータル、営業利益は1.51%(昨年2.16%)と、大きく下がり、減益となった。したがって、今期の営業利益が大きく減益となった要因は原価、経費双方が上昇したことに加え、新店の開発が抑制されたために、営業収入が伸び悩み、その結果、その他営業収入が伸び悩んだためであるといえ、トリプルのマイナスとなったことがその要因といえる。

   このように、2011年2月期のアオキスーパーの決算は減収減益という厳しい決算となった。その要因は、出店余力は十分といえる中、経営環境の悪化により、新規出店を抑制し、内部体制の充実をはかったが、予想以上に、競合状況が厳しく、原価、経費の上昇が進み、その他営業収入も伸び悩んだことにあるといえよう。今後、経営環境は、3/11の東日本大震災の影響も加わり、より厳しい状況が予想され、新規出店に関しても、競合状況に関しても、より厳しさが増すと思われる。アオキスーパー自身は、営業収入910.40億円(3.7%)、営業利益12.50億円(3.9%)、経常利益13.50億円(5.5%)、当期純利益6.20億円(11.6%)と、増収増益を見込んでいるが、まずは、2012年2月期の直近、第1四半期決算がどのような数字で落ち着くか、気になるところである。

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April 3, 2011 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

April 02, 2011

マックスバリュ中部、2011年1月期本決算、増収増益!

   マックスバリュ中部が3/16、2011年1月期の本決算を公表した。結果は営業収益1,183.97億円(1.2%)、営業利益21.59億円(8.9%)、経常利益22.94億円(13.6%)、当期純利益4.47億円(8.1%)となり、増収増益となる好決算となった。特に、営業収益よりも、利益がいずれの段階でも大きく伸びているといえる。したがって、ウォルマートが最も重要な指標としているEPS(Earnings Per Share:一株当たり利益)は、17.61円(昨年16.27円)と1.34円(8.23%)上昇し、株主にとって、貢献度が高い決算となった。

   マックスバリュ中部自身も、「当社は年度スローガンを「お客さまのお役に立つを具現化しよう!」として、経営理念の原点に立ち返り、お客さま満足の最大化を図りつつ、簡素でより効率的なローコスト経営の構築により、経営資源の効率的活用と収益性の確保に努めました。」とのことで、ローコスト経営に徹したことが利益を押し上げたといえよう。そこで、営業利益が8.9%増となった要因を原価、経費面から見てみたい。

   まずは、原価であるが、75.36%(昨年75.36%)と、昨年と同じ比率となった。今期は特に原価改善としては、「イオンのグループ力を活かした商品調達やトップバリュ商品の更なる販売拡大により、競争に打ち勝つ価格の実現に取り組みました。」とのことで、PBの積極投入が価格競争の厳しい中、原価を維持できた要因のひとつといえよう。結果、売上総利益は、24.64%(昨年24.64%)となった。

   一方、経費の方であるが、25.27%(昨年25.45%)と、0.18ポイント改善した。これについて、マックスバリュ中部自身は、「ローコスト経営の取り組みとしては、既存店舗の活性化により設備の標準化を推進するとともに、エリアSVによる店舗への作業手順の指導等により、効率的な店舗運営の浸透を図りました。同時に、省エネ設備の導入も進め、エネルギーコストの削減にも努めました。」とのことである。実際、既存店の売上高は100.3%と昨年をわずかではあるが上回っている。一般に既存店の数宇が堅調である場合には固定費が相対的に下がるために、利益増になる傾向が強く、その意味で、食品スーパーマーケットにとっては既存店の活性化は重要な経営課題のひとつである。

   ちなみに、今期のマックスバリュ中部の既存店の客数、客単価の結果であるが、客数が103.5%、客単価が97.0%であり、客数が増加しているのが特徴である。また、客単価の中身、PI値と平均単価であるが、PI値は940%で昨年同様の数字であるが、平均単価が178円から174円へと下がっており、価格競争が厳しかったといえよう。ただ、その客単価の落ち込みを客数でカバーしており、顧客の来店頻度が上がったものと思われる。実際、マックスバリュ自身も、「イオンの電子マネー「WAON(ワオン)」が新規のお客さまの来店を促したことなどにより、・・」とコメントしており、新規のお客さまとしているが、恐らく、既存のお客さまの来店頻度も向上しているものと思われる。

   結果、差し引き、商品売買から得られる利益、マーチャンダイジング力は、-0.63%(昨年-0.81%)と、依然としてマイナスではあるが、マイナス幅は縮まっており、マーチャンダイジング力が増していることがわかる。そして、これに不動産収入、物流収入等のその他の営業収入が2.50%(昨年2.55%)加わり、営業利益は1.87%(昨年1.74%)と増益となった。したがって、増益の要因は原価よりも経費削減の効果が大きく、特に、既存店の活性化により、相対的に固定費が下がったことに加え、省エネへの取りくみ、店舗の標準化の推進等が経費削減に寄与したものと思われる。

   一方、気になるのは営業収益、成長性である。今期は4月にマックスバリュ津城山店(三重県津市)、11月にマックスバリュ若葉通店(愛知県名古屋市)の2店舗のみであり、閉店が2店舗あったので、店舗数が88店舗と伸び悩んでいることである。来期に関しても、現時点では、2011年8月にマックスバリュ青葉町店(滋賀県)、9月にマックスバリュ米野木店(愛知県)の2店舗であり、これに、さらに2店舗が計画中とのことであるが、閉店も考慮すると、営業収益は今期よりも増加するとは思われるが、微増にとどまるものと予想される。

   実際、来期の本決算予想は、営業収益1,232.00億円(4.1%)、営業利益21.70億円(0.5%)、経常利益23.00億円(0.3%)、当期純利益2.10億円(-53.1%)と、営業収益は微増にとどまり、さらに、利益がいずれの段階でも厳しい予想であり、それをカバーするためにも、営業収益を押し上げたいところといえよう。特に、来期から2月度決算企業は資産除去債務に関する会計基準の適用がなされ、特別損失を計上せざるをえなくなるため、当期純利益が厳しい状況が予想されるからである。

   このように、マックスバリュ中部の2011年2月期の本決算は増収増益、特に、利益が経費削減の効果が寄与し、大きく増加しており、堅調な決算となった。気になるのは営業収益、すなわち、成長性であり、今期は微増、来期も4.1%の伸びの予想である。特に、来期は利益が厳しい状況が予想される中、もう1ランク成長性を引き上げたいところかと思われる。来期は、3/11の大震災の影響が不透明な中、マックスバリュ中部がどのような収益の確保に動くか、その動向に注目である。

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April 2, 2011 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

April 01, 2011

平和堂、2011年2月期本決算、減収増益!

   3/29、平和堂が2011年2月期の本決算を公表した。結果は、営業収益3,829.55億円(-0.7%)、営業利益107.83億円(11.6%)、経常利益108.80億円(12.8%)、当期純利益45.20億円(-30.0%)となり、減収増益(営業)となった。営業収益は厳しい結果となったが、利益は営業、経常ともに2桁の増益となった。ただ、当期純利益は、土地、建物等の減損損失が17.11億円発生し、-30.0%の減益となった。これについて、平和堂は、「当小売業界におきましても、業種・業態を超えた競合の激化や衣料品の販売低迷が継続するなど、経営環境は引き続き厳しい状況となりました。」とのことで、経営環境の厳しい年度であったとのことである。

   そこで、営業収益が-0.7%となった要因を様々な角度から見てみたい。まずは、客数、客単価、特に既存店の状況であるが、売上高は97.4%と伸び悩んでおり、その中身の客数が98.1%、客単価が99.2%となり、客単価よりも、客数が厳しかったといえる。また、客単価の中身、PI値は101.4%、平均単価は97.8%であり、PI値よりも、平均単価が下がっているといえる。それだけ、価格競争が厳しかったものといえよう。

   さらに商品面、業態面から見てみると、まずは、商品面であるが、衣料品(構成比14.6%)が92.8%、既存店は89.5%と厳しい結果であり、コメントにもあるように、衣料品の販売低迷が継続した結果を受けているといえよう。一方、食料品(構成比65.8%)は104.6%と堅調に伸びおり、衣料品とは対照的な結果である。そして、住居関連品(構成比14.9%)は100.3%であるので、ほぼ、昨年並みの結果となった。したがって、食品は好調であったが、衣料品が厳しい状況であったといえ、衣料品の落ち込みが大きかったといえよう。

   ついで、業態面では、どうであったかであるが、まずは、平和堂の中で最も構成比の高いSCであるアルプラザ(構成比62.4%、39店舗)は99.1%と、昨対を割っており、厳しい結果となった。次に、食品スーパーマーケット、フレンドマート(構成比21.8%、59店舗)は109.1%と好調であった。そして、GMS(構成比158%、29店舗)は103.9%と、堅調な結果であった。

   こう見うると、営業収益が伸び悩んだ要因は、客数、衣料品、SCということになり、今期の平和堂のSCの衣料品が不振となり、客数を落としたことが、その主な要因であったといえよう。一方、食品スーパーマーケットは好調であり、平均単価は下がったと思われるが、PI値を伸ばし、客単価を維持できたことが109.1%と、好結果をもたらしたといえよう。ただ、その構成比がまだ21.8%と約2割であり、今後、いかに、この好調な食品スーパーマーケットを強化できるかが平和堂の今後の課題といえよう。

   では、営業収益とは対照的な結果となった2桁の営業利益増となった要因であるが、原価、経費面から見てみたい。まずは、原価であるが、70.45%(昨年70.68%)と、0.23ポイント原価が改善されている。平均単価が下がっているにもかかわらず、原価の改善がなされており、結果、売上総利益は29.55%(昨年29.32%)となった。一方、経費の方であるが、33.24%(昨年33.42%)と、0.18ポイント改善している。したがって、原価、経費、双方が改善されており、これが営業利益を押し上げた要因といえよう。結果、差し引き、商品売買から得られる利益、マーチャンダイジング力は、-3.69%(昨年-4.10%)と、マイナスではあるが、改善している。平和堂は、SC、GMS業態の構成比が78.2%と高いために、減価償却費、家賃等が食品スーパーマーケットよりも多めになり、経費増となる傾向が強く、マーチャンダイジング力がマイナスとなるきらいがあるが、そのマイナス幅が削減されており、これが営業利益を押し上げたといえる。

   そして、これも、SC、GMS特有の不動産収入、物流収入等の営業収入であるが、6.70%(昨年6.78%)となった。昨年よりも0.08ポイント下がったことがやや気になるが、結果、営業利益は3.01%(昨年2.68%)と、増益となり、営業収益の-0.7%のマイナスをカバーし、営業利益は2桁の増益、11.6%増となった。こう見ると、厳しい経営環境ではあったと思うが、原価、経費双方が改善したことが大きく、今期好調な食品の貢献が大きかったものと推測される。

   さて、これを受けて、2012年度2月期の予想であるが、3/11の東日本大震災の影響も懸念されるが、営業収益3,890.00億円(1.6%)、営業利益113.00億円(4.8%)、経常利益113.00億円(3.9%)、当期純利益46.00億円(1.7%)であり、増収増益である。今期のように営業利益2桁増ではないが、堅調な決算予想であるといえよう。

   このように、2011年2月期の平和堂の本決算は、SCの衣料品が厳しかったといえ、結果、客数の減につながり、営業収益が伸び悩んだが、一方、食品スーパーマーケットは好調であり、原価、経費の改善につながったといえ、営業利益の2桁増をもたらしたといえよう。こう見うると、今後、平和堂としては、構成比が21.8%の食品スーパーマーケット、フレンドマートをいかに強化してゆくかが、増収増益の鍵を握っているといえ、来期、どのような新店開発を含め、食品スーパーマーケットの活性化に取り組んでゆくかが課題といえよう。平和堂の来期、2012年度の出店戦略に注目である。

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April 1, 2011 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

March 31, 2011

売上速報、食品スーパー、2011年2月、102.7%!

   3/25、社団法人 新日本スーパーマーケット協会から、スーパーマーケット販売統計調査(2月実績速報版・1月実績確報版)、が公表された。この調査は、オール日本スーパーマーケット協会、日本スーパーマーケット協会、社団法人 新日本スーパーマーケット協会の3団体の合同調査であり、昨年の4月から公表がスタートし、来月、3月度で1年が経過することになる。この2月度の対象食品スーパーマーケットの店舗数は、7,116店舗、全国を網羅しての食品スーパーマーケットの売上速報であり、極めて精度の高い調査結果といえる。その結果であるが、全体の売上高は7,058.39億円となり、昨対102.7%、堅調な伸びとなった。

   昨年4月からの推移を見ると、4月、5月は昨対を下回っていたが、6月には昨対を超えはじめ、その後、なだらかに売上げが上昇しはじめ、堅調な数字が続いている。その最大の要因は、数日前に取り上げたブログ、消費者物価指数(CPI)の結果を反映しているともいえ、生鮮食品、特に青果の相場高の影響があり、生鮮食品が順調に推移していることによる。その意味で、食品全体が必ずしも好調な推移とはいえず、生鮮食品、特に、青果の相場高に支えられた好調さであるといえ、今後の動向がやや気になるところではある。

   そこで、その青果部門であるが、この2月度は最も好調な部門であり、105.7%(構成比12.8%)となった。まさに、相場が強く影響しているといえ、青果はほぼ、この1年間好調な数字を維持し続けており、今期、食品スーパーマーケット全体の売上げを力強く牽引してきた部門である。この1年間の推移を見ても、特に9月以降、急激に売上げを伸ばし、10月、11月と110%を超えた。その後は、伸び率がやや下がり、1月には105%をやや下回ったが、この2月度はまた反転、105.7%と全部門の中で伸び率No.1の部門である。

   これについで好調な部門は惣菜部門であり、104.3%(構成比8.8%)である。生鮮食品と比べ構成比は10%を下回り、やや低いが、伸び率は青果についで高く、堅調な結果となった。惣菜もこの1年間、青果についで、堅調な推移を示しており、昨年の6月以降、この2月度まで、ほぼ104%前後で安定した推移を示しており、青果部門についで、食品スーパーマーケット全体の売上げを支えてきたといえる。

   この2月度は、この2部門、青果部門の105.7%と惣菜部門の104.3%が全体を牽引したといえるが、この2部門についで、堅調な数字を示したのは、一般食品・その他の102.9%(構成比46.2%)である。この部門は加工食品に加え、菓子、日配も入り、構成比が46.2%と食品スーパーマーケットの半分近くを占める部門であり、この数字が102.9%と堅調であったことも、全体の売上げが102.7%となった要因といえよう。この一般食品・その他は、この1年間ほぼ昨対100%強で推移しており、昨年の6月以降、昨対を下回ることなく、推移し、食品スーパーマーケット全体を下支えした部門といえる。

   ついで、これ以外の部門であるが、まずは、畜産部門であるが、この2月度は102.2%(構成比9.9%)となり、堅調な数字となった。畜産部門はこの数ケ月は101%前後で堅調な推移であるが、昨年の8月までは昨対を下回っており、厳しい状況が続いていた。9月以降、昨対を超え、その後はわずかではあるが、昨対を下回ることなく推移している。そして、水産部門であるが、100.7%(構成比9.0%)であり、この2月度はわずかではあるが、昨対を上回った。水産部門は昨年の12月度まで、昨対を下回っており、厳しい状況が続いていた。先月、1月度、この1年の中ではじめて昨対を上回り、この2月度がどのような数字で落ち着くかが、懸念されたが、結果は100.7%とわずかではあるが、2ケ月連続で昨対を上回った。

   そして、最後、非食品部門であるが、101.0%(構成比13.3%)であり、昨対をわずかに上回った。したがって、この2月度はすべての部門が昨対を上回り、堅調な結果となった。ちなみに、非食品部門はこの1年間は厳しい数字で推移しており、昨対を大きく上回ったのは、たばこの値上げ前の9月度と、先月の1月度の100.1%の2回のみであり、厳しい状況が続いていたといえ、わずかといえ、2ケ月連続で昨対を上回ったのは初めてである。

   このように、オール日本スーパーマーケット協会、日本スーパーマーケット協会、社団法人 新日本スーパーマーケット協会の3団体の合同調査による、この2月度の全国の食品スーパーマーケット7,116店舗の売上げ速報は102.7%となり、すべての部門が昨対を上回り、堅調な結果となった。特に、相場の影響も大きいが、青果部門が好調であり、これについで、惣菜部門も堅調な数字となり、全体を押し上げたといえる。ただ、来月、3月度は3/11の東日本大震災の影響が大きく、統計データそのものの取得も恐らく厳しい状況にあるといえ、当然、この好調さが維持されるとは限らず、数字的には厳しい結果が予想されよう。さらに、今後、数ケ月はその影響が及ぶものといえ、食品スーパーマーケット業界としては、まずは、ライフラインをしっかり立て直すことが、最優先課題といえよう。

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March 31, 2011 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

March 30, 2011

ID-POS分析、頻度の活用方法!

    ここ最近、ID-POS分析の相談が少しづつ増えつつある。食品スーパーマーケット側からも、メーカー側からも相談があり、ID-POS分析が浸透しつつある様子がうかがえる。そこで、ここでは、ID-POS分析を実施する上において、何から取り組むべきかについて、これまで分析してきた、様々な結果を踏まえ、そのポイントをまとめてみたい。ID-POS分析は通常のPOS分析と違い、IDが特定できることが最大の特等であり、突き詰めれば、この1点の違いしかないといえる。したがって、この特定されたIDをいかにPOS分析に活かすか、それがID-POS分析であるといえる。

   まず、最初のポイントであるが、期間である。ID-POS分析ではよく期間が問題になるが、結論からいうと、最低1年は欲しいところである。もちろん、瞬間、瞬間を分析し、いま現在のロイヤルカスタマーを分析することもひとつの分析手法であるが、ID-POS分析の理念は瞬間の売上げを上げることではなく、永遠の売上げをあげることであり、本来であればIDの一生涯の購入履歴を分析し、その顧客からいただける一生涯のキャッシュを最大にする、これが究極の目的である。したがって、1年でも短いくらいであるが、最低限の期間ということで、1年の購入履歴を分析した上でロイヤルカスタマーを分析したいところである。

   そこで、次のポイントであるが、ロイヤルカスタマーとロイヤル商品の選定である。これはID-POS分析である以上、IDを前提として、顧客分析、商品分析をすべきであるので、その結果、何を目的に分析すべきかであるが、それが、この2点、ロイヤルカスタマーとロイヤル商品となるということである。また、従来盛んに分析されてきた併売分析等も、できればこの分析に入れてしまいたいところだ。ここで、これまでは商品分析というと、重点商品という言葉が用いられてきたが、ここでは、敢えて、IDをイメージし、ロイヤル商品という言葉を使ってみた。

   ところで、このロイヤルという意味であるが、何がロイヤルかであるが、原則、キャッシュにおけるロイヤルとなる。すなわち、店舗全体でみれば、全顧客の中で、最もキャッシュをもたらしてくれる顧客であり、カテゴリーで見れば、そのカテゴリーの中で最もキャッシュをもたらしてくれる顧客であり、商品で見れば、その商品の中で、最もキャッシュをもたらしてくれる顧客のことである。したがって、それぞれ、ロイヤルは同一とは限らず、それぞれの段階でロイヤルが存在するが、基本はキャッシュ、これがポイントである。

   次に、キャッッシュを目的にロイヤルを分析した場合、さらに、どの指標に絞るかが問題になる。キャッシュは、結果はお金であるが、お金はID-POS分析すると、大きく4つの要素に分かれるからである。通常のPOS分析では、レシート枚数、PI値、平均単価の3つであり、PI値と平均単価を掛けたものが金額PI値であり、この3つの指標でキャッシュは決まる。これがID-POS分析となると、ID、ID客数PI値、PI値、平均単価と4つとなる。ここで、ID客数PI値×PI値×平均単価=ID金額PI値であり、PI値×平均単価が金額PI値となる。したがって、ID-POS分析ではこの4つの指標がキャッシュを決める基本指標であるので、このどれに着目するかがポイントとなる。

   結論からいえば、ID特有の指標、すなわち、ID客数PI値であり、これが、ID-POS分析たるゆえんの独特な指標といえ、ID-POS分析で注目すべきは、このID客数PI値であるといえる。極論すれば、この指標のみが通常のPOS分析との決定的な違いであるといえ、この指標を算出するために、IDを取得し、ID-POS分析をするといっても過言ではない。したがって、ロイヤルカスタマーも、ロイヤル商品も原則、まずは、このID客数PI値に着目し、選定すべきであり、すべてのID-POS分析の政策もこのID客数PI値を高める政策を打ってゆくことが基本原則であるといえる。

   ここで、補足として、はじめに分析期間を最低1年としたが、このID客数PI値を分析する上で、短期間で見てしまうと、短期間では確かにロイヤルであるが、本来のID-POS分析の理念、生涯いただけるキャッシュを念頭に置いた場合、その保証がない。少なくとも、1年のID客数PI値で見れば、かなり、生涯いただけるキャッシュを予測しやすいと思い、最低1年とした。また、最近では、ID客数PI値を補足する指標として、月頻度も参考にしている。これは1年の中で、どのくらいの頻度で購入しているかを見る指標で、毎月購入していれば12、2ケ月に1回であれば6、3ケ月に1回であれば4、4月に1回であれば3、6ケ月に1回であれば2とし、ID客数PI値を補う指標である。

   このように、ID-POS分析では、様々な指標が飛び交っているが、その本質は、生涯いただけるキャッシュの獲得であり、そのポイントは生涯に渡って商品を購入し続けていただける顧客を見つけることであり、育成することであり、その結果、一時的なキャッシュではなく、生涯に渡っていただけるキャッシュが最大になることを目指すことがポイントである。したがって、最も重要なID-POS分析の指標は頻度、すなわち、ID客数PI値であるといえ、ID-POS分析を実践してゆく上においては、このID客数PI値を最重要指標として、ロイヤルカスタマー、ロイヤル商品の選定、そして、育成に活用したいところである。

 
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March 30, 2011 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

March 29, 2011

ヨークベニマル、営業再開、福島県、依然として厳しい!

   本食品スーパーマーケット最新情報では、3/11の東日本大震災後の食品スーパーマーケット業界の被災状況、および、支援状況についてとり上げてきたが、東北地区では、この2週間強で、被災した食品スーパーマーケットが懸命に復旧に取り組み、急ピッチで営業再開がなされている。そこで、ここでは、食品スーパーマーケットとしては最も被災店舗が多かったヨークベニマルの被災1週間後3/18から、現在、3/29までの店舗の再開状況を見てみたい。

   まず、ヨークベニマルの3/18時点での休業店舗であるが、全165店舗の内、71店舗と半分近くに及ぶ甚大な被害状況であった。ヨークベニマルは地元福島を中心に、北は宮城県、山形県、南は茨城県、栃木県と広域に店舗を展開しているが、今回、被災にあった地域は地元福島県、そして、宮城県、茨城県の3地区の店舗である。その被災店舗であるが、3/18現在では、以下の通りであった。

   福島県であるが、大槻店、片平店、富久山店、桑野店、メガステージ田村店、梁川店、笹谷店、瀬上店、野田店、小野町店、小野プラザ、いわき泉店、富岡店、大熊店、夜の森店、小名浜店、エブリア店、上荒川店、湯本南店、浪江店、勿来江栗店、谷川瀬店、大原店、好間店、内郷店、相馬店、相馬黒木店、原町店、原町西店の29店舗である。

   ついで、宮城県は、矢本店、中新田店、小牛田店、石巻蛇田店、古川福浦店、古川店、佐沼店、大街道店、湊鹿妻店、築館店、中浦店、若柳店、古川南店、涌谷店、市名坂店、大和吉岡店、利府店、塩釜店、泉古内店、多賀城店、南吉成店、泉将監店、新田東店、真美沢店、福田町店、南中山店、フォレオ東仙台店、大和町店、柴田店、岩沼西店、山田鈎取店、名取西店、遠見塚店、柳生店、大河原店であり、35店舗である。そして、茨城県であるが、那珂湊店、百合が丘店、茨城町店、石岡店、坂東店、羽鳥東店、中郷店の7店舗ある。この3地区を合わせて、被災店舗は71店舗となり、営業が再開できない深刻な状況にあったといえる。この時点では宮城県が35店舗と、地元、福島県の29店舗と比べ、厳しい状況にあったといえる。

   そして、約1週間後の3/23時点では、福島県は大槻店、片平店、富久山店、桑野店、笹谷店、瀬上店、野田店、小野町店、いわき泉店、富岡店、大熊店、夜の森店、小名浜店、エブリア店、上荒川店、湯本南店、浪江店、勿来江栗店、谷川瀬店、大原店、好間店、相馬店、原町店、原町西店の24店舗であり、再開したのは5店舗である。その5店舗であるが、メガステージ田村店、小野プラザ、梁川店、内郷店、相馬黒木店である。

   これを見ても福島県は深刻な状況にあるといえ、特に、地震、津波だけでなく、福島原発の影響も大きく、再開できない店舗が多いといえる。また、この中で、内郷店はヨークベニマルが10店舗展開している、今回の福島県内の被災地の中でも特に厳しい状況にあるいわき地区のはじめての再開店舗であり、再開できた意義は極めて大きいといえる。特に、それまで、いわき地区では地元で24店舗の食品スーパーマーケットを展開しているマルトが5店舗のみ営業再開をしていただけであり、いわき地区のライフラインを支える意味でも大きな再開店舗であったといえる。

   一方、宮城県であるが、3/23時点では、依然として営業再開ができない店舗は、矢本店、小牛田店、古川店、佐沼店、大街道店、湊鹿妻店、中浦店、若柳店、古川南店、利府店、塩釜店、泉古内店、多賀城店、泉将監店、福田町店、南中山店、柴田店、大河原店の18店舗であるが、3/18時点の35店舗から半減しており、宮城県のヨークベニマルは急ピッチで営業再開がなされているといえる。そして、茨城県であるが、百合が丘店、羽鳥東店、中郷店のみが、この時点では営業再開ができないが、3/18時点の7店舗からは半減しており、復旧が進んでいるといえる。この時点で、依然として、合計45店舗が営業再開に至っておらず、厳しい状況である。特に、ヨークベニマルの福島県のみが営業再開が遅れており、それだけ、被害が深刻であったことがわかる。

   そこで、最新、3/29現在であるが、福島県は、依然として、大槻店、片平店、富久山店、桑野店、笹谷店、瀬上店、野田店、いわき泉店、富岡店、大熊店、夜の森店、小名浜店、エブリア店、上荒川店、浪江店、谷川瀬店、大原店、好間店、原町店、原町西店の20店舗が、やはり再開できない状況である。ただ、3/18時点の29店舗と比べると、9店舗が営業再開しており、徐々に、復旧が進みつつあるといえる。

   宮城県であるが、3/29時点では、矢本店、小牛田店、大街道店、湊鹿妻店、中浦店、古川南店、塩釜店、多賀城店の営業が再開できない店舗であり、8店舗のみとなり、宮城県では急ピッチで営業再開が進んでいるといえる。そして、茨城県では百合が丘店、中郷店のみが営業再開ができない状況であるが、3/18の7店舗からは大きく再開店舗が増えており、急ピッチで再開が進んでいるといえる。

   このように、3/29時点のヨークベニマルは依然として30店舗が、営業再開できない状況であるが、その大半、20店舗がヨークベニマルの地元、福島県の店舗であり、この20店舗は、特に、いわき地区、福島原発に関連する地区の店舗が多いといえ、営業再開までには時間がかかる様相を呈しており、厳しい状況にあるといえよう。福島県のライフラインを守る上においても、地元、福島県のヨークベニマルの営業再開を1日も早く願うところである。
 
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March 29, 2011 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

March 28, 2011

消費者物価指数(CPI)、2011年2月度、0.0%!

   3/25、総務省統計局から、2011年2月度の消費者物価指数(CPI)が公表された。結果は、「(1) 総合指数は平成17年を100として99.3となり,前月比は0.1%の下落。前年同月と同水準となった。(2)生鮮食品を除く総合指数は98.9となり,前月比は0.1%の下落。前年同月比は0.3%の下落となった。(3)食料(酒類を除く)及びエネルギーを除く総合指数は96.8となり,前月比は0.1%の下落。前年同月比は0.6%の下落となった。」となった。前年同月比で見た場合、(1)の文字通り総合は0.0%、(2)の生鮮食品を除く総合は-0.3%、(3)の食料(酒類を除く)及びエネルギーを除く総合は-0.6%である。

   したがって、生鮮食品の相場、および資源エネルギーがプラスに働いているといえるが、これを除くと、実質マイナスといえ、依然として、デフレ傾向が続いているといえよう。実際、数字と同時に公表される2つのグラフを見ると、1つ目の平成17年度を100とした場合の折れ線グラフであるが、すべての総合指数がマイナス、(1)-0.7%、(2)-1.1%、(3)-3.2%であり、この数ケ月、明らかに右下がりである。しかも、この2年間ほぼ一貫してなだらかに右下がりの傾向が鮮明であり、デフレが長期化している様子がうかがえる。特に、(3)はこの4年間1度もプラスになったことがなく、やはり、過去、最大のマイナスゾーンに入っているといえ、物価が上昇する気配がみえない。

   また、2つ目のグラフ、前年同月比のグラフであるが、こちらは棒グラフで表示されており、これを見ると、この4年間の動きは大きなサインカーブ、すなわち、上に半円形を描く時期と、下に半円を描く時期が交互に繰り返すような傾向が読み取れるが、その半円形が、数ケ月、収束せず、横ばいの動きとなっている。本来であれば、グラフの流れから見ると、下の半円形から上の半円形に変化しても良い時期ととれるが、この数ケ月、中々、プラスにならず、マイナス状況で横ばいとなっているのが実態である。これを見ても、デフレが長引いているといえよう。

   では、この2月度、何がどのくらい消費者物価指数にプラス、マイナスの影響を与えたのかを見てみたい。まずは、プラスの影響であるが、前年同月比の寄与度でみると、最も大きい項目は生鮮食品であり、0.31である。ついで、たばこが0.27であり、この2項目が突出している。ごく簡単にいえば、この2月度、消費者物価を押し上げている項目は、この生鮮食品とたばこが極めて大きいといえる。ついで、ガソリンの0.17、灯油の0.11であり、都市ガスの0.02となる。すべてエネルギー関連であり、したがって、この2月度は、食品とたばこ、そして、エネルギーがプラスに強く働いていることがわかる。ただ、それでも、総合がプラスにならない状況であり、マイナス要因が強く、結果、デフレ基調が続いているといえよう。

   そこで、マイナス要因であるが、最大のマイナスは-0.40の公立高校授業料であり、私立高校授業料の-0.11を合わせると、-0.51となり、極めて大きな影響といえる。それにしても、高校授業料の消費者物価指数への影響がこれほど大きいとは驚きである。この数字、-0.51は寄与度であるので、全体の消費者物価指数を-0.51%引き下げる影響があるという数字であり、改めて国の政策変更が与える国民生活への影響が大きいことがわかる。

   これについで、マイナス要因は生鮮食品を除く食料であり、-0.20である。それにしても、食品は真っ二つに分かれたといえ、生鮮食品がプラスの0.31、生鮮食品を除く食料が-0.20であるので、対照的な動きといえよう。そして、これ以外では、その他が-0.16であり、これで、全体の総合指数が0.0、均衡する結果である。

   さて、ここで、食品スーパーマーケットにとって、気になる生鮮食品と生鮮以外の食品の中で、際立った動きを示した項目を見ておきたい。まずは、プラスに動いたものであるが、にんじん30.4%、さといも 27.2%、ブロッコリー25.0%、キャベツ24.7%、レタス23.5%、はくさい22.4%、かんしょ21.9%、たまねぎ20.3%等、野菜が大きいといえる。また、果物もみかん46.9%、いよかん26.0%、りんごB14.5%、キウイフルーツ12.4%と高値のものが多かったといえる。一方、マイナスに動いたものであるが、いか-10.3%、しめじ-8.5%、国産米B-8.3%、なす-8.1%、えのきだけ-7.7%、国産米A-7.3%、ピーマン-7.3%、うるち米-7.2%、ミネラルウォーター-6.4%、かぼちゃ-6.1%、食用油-6.0%であり、これらがマイナスに動いた項目である。

   このように、2011年2月度の消費者物価指数は総合指数は前年同月比で0.0%と同じ値となったが、食料を除くと-0.3%、さらにエネルギーを除くと-0.6%であり、特に生鮮食品、エネルギーの高騰が大きいといえ、これを除けば、依然デフレ基調が続いているといえる。しかも、グラフで見ると、ほぼ2年以上続いており、上昇する気配が見えない状況である。食品スーパーマーケット業界にとっては、当面デフレ基調が続くと思われる。ただ、この3/11の東日本大震災の影響がどのように収束していくかが見えない状況であり、当面、不安定な物価が続くといえ、特に、生鮮はさらに先が読めない状況となったといえよう。今後、消費者物価がどのように動くか予断を許さない状況が続くといえよう。

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March 28, 2011 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

March 27, 2011

宮城県のHP、県内食品スーパーマーケットの営業状況!

   宮城県のホームページに宮城県内の食品スーパーマーケット等の営業状況が毎日掲載されている。県民はこれを頼りに、食品スーパーマーケット等へのお買い物をされているとみられるが、きめ細かく、幅広い対応がなされていているのが特徴といえる。そこで、ここででは、3/26、9:30現在の宮城県の食品スーパーマーケット等の営業状況を見てみたい。

   まずは基本情報であるが、企業名(店舗名)があり、その下に、どこで、どの店舗が営業予定なのかがわかり、さらに、企業によっては、営業時間、営業内容等もある。まず、トップにある、みやぎ生協を見てみると、以下のような内容である。

*みやぎ生活協同組合
   [仙台市][仙台市以外] 以下の店舗または店頭で営業予定。
   [10:00-19:00 生鮮品あり。] 桜ヶ丘店、西多賀店、市名坂店、塩釜栄町店、
                    八幡町店
   [10:00-17:00 生鮮品あり。] 国見ヶ丘店、木町店、愛子店、高森店、富沢店、
                    八木山店、新寺店、高砂店
   [10:00-商品がなくなるまで。生鮮品あり。] 柏木店、台原店、貝ヶ森店、虹の丘店、
      柳生店、鶴ヶ谷店、幸町店、岩切店、沖野店、南小泉店、塩釜 杉の入店、
      多賀城店、大河原店、亘理店、岩沼店、利府店、明石台店、大富店、松島店、
      蛇田店
   [10:00-商品がなくなるまで。農産品、加工食品、雑貨の一部のみ。] 加賀野店、
      古川南店、名取西店、南光台店、高砂駅前店
   こう見ると、みやぎ生協も3/11から約2週間たつが、商品供給量が十分でないといえ、かなりの店舗で現時点でも商品がなくなるまでとのことで、厳しい状況におかれているといえよう。

*ウジエスーパー
   [仙台市][仙台市以外] 以下の店舗以外は店内販売を実施。営業時間変更あり。
      志津川駅前店、Uマート石巻店
  ウジエスーパーは宮城県内で31店舗を展開しているが、2店舗が被災にあい、休業状況であることがわかる。それ以外の店舗は店内販売とのことで、比較的被災店舗が少なかったといえよう。

*イトーチェーン
   以下の店舗が営業予定。
   [仙台市] イトー仙台泉店(9:30-17:00)、イトー高砂店(9:00-13:00)
   [仙台市以外] イトー名取店(9:30-16:00)、岩沼店(9:00-15:00)、船岡店(9:00-15:00)、
     柴田ショッピングセンター・マルコ店(9:00-13:00)、
     柴田船迫店(9:00-17:00)、角田店(9:00-17:00)
   イトーチェーンは8店舗であるが、すべてが営業予定であるが、時間がまちまちであり、まだまだ通常営業にはもどっていないといえる。しかも、ほとんどの店舗が17時までに終了であるので、商品供給がまだまだ安定していない状況であることが伺える。

*西友
   [仙台市] ザ・モール仙台長町店は店頭で営業予定(10:00-14:00の一部時間帯で営業)。
   以下の店舗は28日10:00から通常営業(24時間)。
   [仙台市] 八幡町店、上杉店、五橋店、南仙台店、宮城野原店、勝山公園店、
         木町店、燕沢店、鶴ヶ谷店、北仙台店、小田原店
   [仙台市以外] 吉岡店
   西友は24店舗を展開しているが、3/26時点ではザ・モール仙台長町店のみであり、しかも、店頭のみの営業で、14:00までであり、かなり、被害が深刻であったことがわかる。ただ、3/28からは24時間営業が12店舗と半数が対応するとのことで、ここへ来て、急ピッチで復旧が進んでいるといえる。

*フレスコキクチ
   以下の店舗で営業予定。商品がなくなり次第閉店。
   [仙台市以外] 大河原店(10:00-18:00)、角田店(9:30-18:00)、亘理店(10:00-17:00)
   フレスコキクチは9店舗の食品スーパーマーケットであるが、3店舗のみの営業であり、しかも、商品がなくなり次第、閉店とのことであるので、商品供給が極めて厳しい状況にあるといえよう。また、9店舗の内、6店舗が被災しており、復旧が待たれるところである。

   上記以外の食品スーパーマート、GMS等、食品、雑貨関係の企業であるが、アイユー、イオン、イトーヨーカ堂、エーコ宮城、大内屋、グリーンマート、仙台ロフト、ダイエー、ドン・キホーテ、マイヤ、マックスバリュ、モリヤ、八百ふじ、ヤマザワ、ヤマヤ、ヨークベニマル、さくら野百貨店仙台店、藤崎、いたがき、白松がモナカ本舗であり、全部で25社である。
   
   また、食品以外の業種についても、ホームセンター7社、ドラックストア7社、電化製品4社、めがね5社、農産物直売所1社、その他4社であり、全部で53社が7つにわかれて掲載されており、いま、どのお店があいているのかが事前にわかり、実に実用の高い情報といえよう。
   
   このように、宮城県が県民のために開設しているコーナーであるが、宮城県民にとってはまさにライフラインの確保のためにも貴重な情報源といえよう。気になるのは、すでに約2週間震災から時間が経過したとはいえ、この情報を見る限りではまだまだ休業店舗が多いといえ、しかも、営業店舗であっても、時間制限、商品の限定等が散見され、依然として、地震の影響がまだまだ強く残っていることである。東北最大の都市仙台を有する宮城県でさえ、このような厳しい消費生活にあることから、他の、福島県、岩手県もさらに厳しい状況と推測され、それだけ、今回の地震、そして、津波の影響は大きかったものといえよう。改めて、食品スーパーマーケットのライフラインとしての重要性が問われているといえ、東北地区の食品スーパーマーケットが一日も早く復旧することを願う。

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March 27, 2011 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

March 26, 2011

2011年2月度、コンビニ売上速報、8.7%!

   依然として、東日本大震災の影響が様々な分野に及んでいるが、今月も月末となり、様々な統計データが公表されつつある。ただ、現在、公表される統計データは、この3月度ではなく、2月度のデータが中心であり、東日本大震災以前の数字が大半である。その中で、ここでは、(社)日本フランチャイズチェーン協会が3/22に公表した2011年2月度のコンビニエンスストアの売上速報を見てみたい。ちなみに、この3月度の数字は来月下旬に公表される予定であるが、「「東北地方太平洋沖地震」の影響によるコンビニエンスストア統計調査月報発表の延期のお知らせ」と題し、「(社)日本フランチャイズチェーン協会では、平成23年4月20日予定の「コンビニエンスストア統計調査月報(3月度)」の発表を延期することと致しました。」とのことで、延期となったとのことである。

   さて、2011年2月度の結果であるが、この数字は、同協会加盟のココストア、サークルK サンクス、スリーエフ、セイコーマート、セブン-イレブン・ジャパン、デイリーヤマザキ、ファミリーマート、ポプラ、ミニストップ、ローソンの10社の数字であり、ほぼ、日本全国のコンビニを網羅しているといえ、精度の高い数字といえよう。その結果であるが、全体は6,207.46億円(昨対8.7%)と、好調な数字である。コメントにも、「引き続き、たばこが金額ベースで前年を大きく上まわるほか、デザートや惣菜など日配食品も好調であった。」とのことで、値上げ後のたばこが金額ベースでは絶好調とのことである。当然、数量では減少していると思われるが、その減少分を補う価格の上昇があったということであり、たばこ業界にとっても、税金が入る政府にとっても、絶妙な価格設定であったといえよう。

   また、既存店も6.5%のプラスであるので、全体の8.7%のプラスは新店が押し上げたわけではなく、既存店の伸びによるところが大きいといえ、コンビニ業界は好調であるといえよう。では、その要因を店舗数、客数、客単価から見てみたい。まずは、店舗数であるが、1.7%増であり、43,636店舗、717店舗増である。この統計が10社の数字であるので、1社当たり、約70店舗強の増加であり、伸び率は低いといえよう。一方、全体の客数であるが、10億3,257.5万人、1店舗当たり845人であり、3.6%増である。したがって、店舗数の伸び以上に客数が伸びており、これが好調な要因のひとつである。この客数は、既存店に関しても、2.0%増であるので、既存店の活性化が進んでいるといえよう。

   さらに、客単価に関しては、さらに数字が伸びている。全体4.9%、既存店4.3%であり、客数よりも、客単価の方がさらに好調である。こう見ると、この2月度のコンビニは店舗数、客数、客単価のトリプル増であり、まさに、好調な結果といえる。しかも、既存店も客数、客単価ともに好調な数字であり、全体の好調さが既存店に支えられているといえ、理想的な売上増の善循環に入っているといえる。

  それゆえ、この3.11の東日本大震災はこれだけ、絶好調なコンビニに大きくブレーキをかけた結果となったといえ、コンビニ業界にとっては、厳しい試練であるといえよう。ただ、被災された方は、さらに厳しい生活を強いられており、コンビニ業界としては、いち早く被災地での被災店舗の復旧を目指し、ライフラインの一助になって欲しいところである。ちなみに、前回取り上げたブログでは、日経新聞の数字であるが、「セブン・イレブン・ジャパンであるが、1,454店舗を展開しており、震災直後は約600店舗が営業休止となっていたが、現在、約85%が復旧し、営業休止店舗は約90店舗」、「ローソンが911店舗展開の内約390店舗が被災し、約80%が復旧し、現在約80店舗が営業休止状況」、「ファミリーマートは585店舗展開の内、約250店舗が被災し、約75%が復旧し、現在約60店舗が営業休止の状況」であるという。復旧は順調に進んでいるといえよう。

   さて、一方、商品で見ると、この好調さはどこに要因があったかであるが、何といってもたばこを含む構成比34.6%の非食品であり、何と16.8%と異常な伸びである。コメントにもあったように、たばこの金額ベースでの増加が大きいといえよう。そして、もう1部門好調なのが、構成比33.2%のファストフードを含む日配食品であり、6.8%である。この2部門が特に好調であり、全体の売上を牽引したといえよう。ついで、構成比は4.3%と低いが2.6%のサービスであり、構成比27.9%の加工食品2.0%である。

   このように、この2月度のコンビニの売上げは好調であるといえ、特に、新店による売上増ではなく、既存店が底上げされているのが大きいといえる。客数、客単価ともに伸びており、しかも、たばこの絶妙な値上げバランスが寄与し、たばこの貢献度が極めて大きいといえる。また、たばこだけでなく、コンビニの主力部門、ファストフードを含む日配部門が好調である点も大きいといえよう。ただ、3月度は残念ながら、東日本大震災の影響が大きいと思われ、厳しい結果が予想されるが、まずは、被災店舗の復旧、これが何をおいても最優先課題であり、被災された方のためにも、1日も早い復旧を期待したいところである。

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March 26, 2011 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

March 25, 2011

3/24、日経新聞で東北エリアの店舗の復旧記事掲載!

   3/24、日経に東北エリアの店舗復旧状況の記事が掲載された。見出しは、「東北の被災店復旧進む」、「コンビニ8割営業可能」、「物流網再編で加盟店支援」であり、東北エリアの代表的な流通業の復旧状況の一覧表も掲載されており、店舗の復旧が急ピッチで進んでいる状況がわかる内容である。特に、被災店舗数の多かったコンビニ各社の普及がいち早く進んでいるといえ、物流網の整備が復興の鍵を握っているといえる。

   まずは、一覧表を見ると、東北エリアで最も店舗数が多いのがセブン・イレブン・ジャパンであるが、1,454店舗を展開しており、震災直後は約600店舗が営業休止となっていたが、現在、約85%が復旧し、営業休止店舗は約90店舗まで縮小し、大きく改善している。記事の中では、その要因は本部が商品供給を見直したことにあるとのことで、通常は首都圏の店舗へ配送する商品を東北地区へ回す仕組みに変えたことが大きいという。また、仙台市や福島県内の米飯工場が再稼働し、商品供給能力が回復したことも大きいという。

   記事の中の一覧表では、セブン・イレブン・ジャパン以外もコンビニでは、ローソン、ファミリーマートも掲載されているが、それぞれの復旧状況は、ローソンが911店舗展開の内約390店舗が被災し、約80%が復旧し、現在約80店舗が営業休止状況である。また、ファミリーマートは585店舗展開の内、約250店舗が被災し、約75%が復旧し、現在約60店舗が営業休止の状況であるという。いずれも物流網の再構築と、本部からのすばやい支援体制が店舗の復旧を早めているという。

   これに対して、GMS、食品スーパーマーケットの方であるが、イオンは東北エリアに170店舗を展開しているが、92店舗が被災にあい、すでに、約90%強が復旧、休業店舗は7店舗であるという。また、イトーヨーカ堂は10店舗展開しているが、被災時の休業店舗は0であり、全店営業中であるという。そして、西友であるが、24店舗を展開しているが、すべて被災にあい、現在でも全店休業中と、この3社の中では最も深刻な状況という。ただ、記事の中では25日には仙台市内の12店舗を再開するメドがついたとのことで、半分は近々に営業再開の予定であるという。

   食品スーパーマーケットであるが、一覧表ではヨークベニマルのみの掲載であるが、約170店舗を展開しており、被災時には約半数が営業休止状況であったが、現在約30%しか復旧しておらず、51店舗が休業中とのことで、厳しい状況である。特に、福島原発エリアにも数多く店舗が展開していたこともあり、原発被害も大きく、地震と放射能という2重の被害を受けており、深刻な状況である。記事には掲載されていないが、食品スーパーマーケットは、この地区にはマルト、みやぎ生協、ウジエスーパー、ヤマザワなどもあるが、復旧状況はまちまちであるが、その中でも、マルトはヨークベニマル以上の影響が大きく、厳しい状況である。

   また、ドラックスストアに関しては記事の中では2社取り上げられている。ツルハホールディングスとカワチ薬品である。ツルハホールディングスについては、332店舗を展開しており、被災にあった店舗は約90店舗超、現在依然として30店舗が営業休止状況であるという。カワチ薬品に関しては、50店舗を展開しており、20店舗が被災にあい、現在12店舗が営業休止中であり、厳しい状況であるといえる。

   記事の中では、その他の流通業も取り上げられており、その中でも、飲食店関係が厳しい状況にあるといえる。特に断水により、調理ができなくなった店舗が多いとのことで、日本マクドナルドは東北エリアに164店舗展開しているが、140店舗が被災にあい、現在、依然として108店舗が営業休止状況であり深刻な状況である。すき家、ココスなどを展開するゼンショーも東北エリアには237店舗展開しており、その大半の223店舗が被災にあい、現在、79店舗が営業休止状況にある。また、スターバックスコーヒージャパンも27店舗を展開しており、27店舗すべてが被災にあい、現在17店舗が営業休止状況にあるとのことで、やはり厳しい状況にあるといえよう。

   そして、家電であるが、ヤマダ電機とケーズホールディングスが取り上げられているが、ヤマダ電機は46店舗を展開しており、約30店舗が被災し、現在13店舗が営業休止状況であり、ケーズホールディングスは71店舗を展開し、約60店舗が被災し、現在、34店舗が営業休止状況にあるという。家電も復旧が遅れているといえよう。

   こう見ると、コンビニ、GMSの復旧が早いといえ、特にコンビニは本部の応援と物流網の整備が復興を早めているといえ、いかに、流通業は、物流体制が営業そのものを支える重要な要素であることが改めて再確認されたといえよう。ただ、ライフラインとしては、食品スーパーマーケット、ドラックストア等の復旧が1日も早く待たれるところであり、特に、ヨークベニマルの復旧は厳しい環境の中であるが、東北地区の食生活を支える上にも、いち早い復旧が待たれるところである。

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March 25, 2011 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

March 24, 2011

3/22時点の東京中央卸売市場の野菜の入荷状況

   日経新聞、インターネット版、3/23、23時によれば、「関東産野菜の卸値下落、出荷制限の影響」とのことで、福島原発の放射能の影響が周辺地区の野菜へと広がっている。さらに、東京でも水道水に放射能が検出されたとのことで、その影響がどこまで広がるのか、予断を許さない状況にあるといえる。そこで、本ブログでは、前回のブログ、「東京中央卸売市場、3/11以降の入荷状況!」の続編として、3/22時点の東京中央卸市場の入荷がどのような状況にあるのかを見てみたい。

   まずは、日経の先の記事の内容であるが、「福島・茨城など一部の農産物の出荷制限の影響で、関東産野菜の卸価格が下落している。東京の大田市場(大田区)では埼玉産キュウリや千葉産キャベツが前日に比べ1~3割安い。小売店が仕入れた茨城産ホウレンソウなどの返品も相次いだ。産地では不安や戸惑いが広がっている。」、「関東産の野菜は軒並み下落した。埼玉産キュウリの卸値(中値)は5キロ945円で前日より25%安い。東京産のコマツナは12%安で、千葉産キャベツは9%下がった。」とのことで、関東産の野菜の相場が大きく下がっているとのことである。

   また、「小売業者などが仕入れた野菜を卸会社に返品する動きも広がっている。築地市場(東京・中央)の青果卸の担当者は「22日以降、返品されたホウレンソウは約1千ケース(1ケースは4~5キロ)に上る」と話す。」さらに、「23日には出荷制限の対象に福島県産のキャベツやブロッコリー、茨城産パセリなどが加わった。築地市場では、いったん小売業者が買い入れた茨城産パセリが、返品のためトラックで運び込まれる光景も見られた。」とのことで、深刻さがさらに広がっているといえる。

   そこで、実際の野菜の3/22の入荷量をちょうど1週間前の3/15と比較し、各野菜の影響を見てみたい。3/15は東日本大震災があった3/11の翌週に当たり、野菜の入荷もけっして十分ではなかった時期であり、本来の野菜の入荷がされていれば、3/22は3/15と比べ、軒並み、大幅な入荷量の増加が見られるはずである。したがって、この2日間を比べた時に、100%を下回っている野菜は入荷量が大きく減少しているといえる。ちなみに、野菜全体は1週間前の3/15と比べ、3/22は6,947.8トン( 5,512.4トン:126.0%)であり、126.0%のアップであり、野菜全体の入荷自体は回復基調にあるといえる。したがって、126.0%以下の野菜が厳しい状況にあると見なすことができよう。

   まずは、3/22において、100%を下回った野菜であるが、何といってもほうれんそう32.4トン(88.0トン:36.8%)であり、36.8%と激減していることがわかる。極めて深刻な状況にあるといえよう。ついで、キャベツ678.1トン(917.2トン:73.9%)であり、全体の平均が126.0%であることを考慮すると、ほうれんそうほどではないが、かなり厳しい状況にあるといえる。さらに、100%を下回る野菜を見てみると、ブロッコリー88.5トン(101.3トン:87.4%)、こまつな39.3トン(42.3トン:92.8%)、セルリー38.6トン(40.3トン:95.6%)、なのはな21.3トン(21.9トン:97.3%)、そして、なましいたけ31.5トン(31.7トン:99.2%)である。以上が、野菜の中で3/22の入荷量が3/15と比べ、前週比を割った野菜である。特に、ほうれんそう36.8%、キャベツ73.9%が特に深刻な影響であるといえ、今後、さらに、入荷量が激減する可能性もあり、厳しい状況にあるといえよう。

   では、逆に、入荷量が3/22の1週間前、3/15対比126.0%となった野菜を見てみると、じゃがいも576.1トン(216.4トン:266.2%)が異常値であり、全野菜の中で伸び率No.1となった。ついで、たまねぎ679.9トン(330.3トン:205.8%)であり、この2つ、じゃがいもとたまねぎが極端に3/22、入荷量が激増した野菜である。

   この2つ以外では100%台となるが、平均の126.0%を超えた野菜を見てみると、ごぼう54.5トン(32.3トン:168.6%)、ピーマン115.4トン(68.7トン:167.9%)、トマト406.8トン(263.4トン:154.4%)、なす176.8トン(119.6トン:147.7%)、きゅうり405.7トン(283.3トン:143.2%)、かぼちゃ180.2トン(126.6トン:142.3%)、だいこん815.0トン(578.5トン:140.9%)、さつまいも130.4トン(94.8トン:137.5%)、にんじん420.5トン(331.9トン:126.7%)である。以上が、126%以上の野菜であり、これらは3/22時点では入荷が順調に回復傾向にあるといえる。

   ただ、一部報道によれば、「23日には出荷制限が拡大し、茨城県の原乳とパセリ、福島県のホウレンソウ、コマツナ、キャベツ、ブロッコリー、カリフラワーなどの出荷を控えることが指示された」とのことで、今後、野菜の種類、そして、地域が増えてゆく可能性は高く、現時点ではどこまで拡大するか、その行方が不透明な状況といえる。

   このように、前回のブログでは、週間単位で見ると、3/11の東日本大震災の野菜の入荷量、相場ともに安定の方向に向かっていたといえるが、3/22に入り、ほうれんそう、牛乳にはじまる出荷制限が拡大しはじめ、野菜全体では入荷量は1週間前の3/15と比較し、126.0%と回復基調にあるとはいえ、先に見たように深刻な影響がではじめた野菜も増えはじめ、今後はまさに、予断を許さない状況に入ったといえよう。まずは、福島原発が落ち着くことが、何といっても先決であるが、その終息が見えない状況であり、当面、事態を正確につかみ、対応していくことしかないといえる。本ブログでも状況をいち早く把握し、今後ともこのテーマを随時取り上げてゆきたい。

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March 24, 2011 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

March 23, 2011

東京中央卸売市場、3/11以降の入荷状況!

   東日本大震災が起こった3/11以降の東京中央卸売市場の野菜、果物、そして、水産物の入荷状況が明らかになった。東京中央卸売市場では毎週、週間市況として、入荷量と価格を前週比、前年同月比として公表しているが、2011年3月の第3週がちょうど、3/11から3/17までの1週間であり、まさに、3/11の状況が反映された市況となった。そこで、この市況をもとに、3/11の影響が東京都中央卸売市場、すなわち、首都圏にどのような影響があったのかを、ここでは、野菜に焦点を当て、見てみたい。

   その野菜の概況であるが、野菜が最も重要な市況であるので、野菜を中心に見てみると、まずは、「今週の1日の平均入荷量は、5,509トンで、前週比は5%減で前年同期比は1%減となった。今週は3月11日に東日本大震災が発生したため、12日の入荷は茨城・静岡・千葉の各県を中心に大幅に減少した。野菜の入荷は前週より減少し、前年比は寒波で前年も少なかったため微減となった。相場は停電や自粛ムードもあり外食産業も振るわず、葉物が高騰した他は今週もまちまちな相場となった。」とのことである。やはり、3/12の入荷は茨城、静岡、千葉の各県を中心に大幅に減少したとのことである。ただ、週間で見ると、前週比5%減、前年同期比1%減とのことであり、週間で見ると、左程大きな減少ではなく、すぐに、入荷が戻ったといえる。

   ついで、品目別であるが、少し長いが、そのままコメントを引用すると、「品目別に見ると、「だいこん」は引き続き神奈川・千葉県産順調だが入荷は多かった前週より減少した、価格は弱含み今後は平年を下回ることが予想される。「にんじん」は春物の徳島県産は遅れているが、前年比倍高の高価格から入荷促進され増加した、価格は今週も小幅上げた。「キャベツ」は各産地順調で入荷は多かった前週とほぼ同じで、価格は春系が買気もあり全般に強含んだ。「レタス」は茨城県産順調も西日本産がやや少なく入荷は減少した、価格は前4週続きの下げから小反発した。「ねぎ」は春物が本格化する前で埼玉県産は不作気味となっている、入荷はほぼ同じで品薄傾向変わらず価格は後半一段上げた。「ブロッコリー」は埼玉・愛知県産順調だが入荷は前週も量的には多かったため減少した、価格は前週に比べると堅調となったが平年比では安めとなっている。「きゅうり」は主力の関東産は晴天多く生育順調で、入荷は増加し価格は一段下げた。「トマト」は引き続き順調で入荷は増加し価格は小幅の上げ下げ。その他では、「さやえんどう」は各県産回復傾向で価格も平年並みに落ち着いてきている。「たけのこ」は国産が徐々に増えてきている、価格は自粛ムードもあり下げ足が早まっている。「アスパラガス」は国産が遅れて少なくなっている、価格は品薄高が続いていたが火を使うため敬遠され急落している。」とのことである。

   整理すると「だいこん」(入荷減、価格弱含み)、「にんじん」(入荷増、価格高)、「きゃべつ」(入荷同じ、価格強含み)、「レタス」(入荷減、価格小反発)、「ブロッコリー」(入荷減、価格安)、「きゅうり」(入荷増、価格下)、「トマト」(入荷増、価格上げ下げ)、「さやえんどう」(入荷回復、価格平年並み)、「たけのこ」(入荷国産増、価格下げ)、「アスパラガス」(入荷少、急落)とのことで、入荷も価格も一方的な動きではなく、それぞれ商品によってまちまちの動きをしているといえる。特に、アスパラガスは、「火を使うため敬遠され急落」とのことで、野菜の中でも火をつかわないものに需要が増加しているとのことである。

   ここで、さらに、前年同期比を品目別で細かく見てみると、大きく上昇している品目は、はくさい(茨城:せり241%、相対219%)、にんじん(千葉:相対216%)、さといも(埼玉:相対139%)、さつまいも(千葉:相対133%)、キャベツ(愛知:相対120%)、たまねぎ(北海道:相対118%)であり、これらの野菜が特に価格が跳ね上がった品目である。

   一方、逆に大きく前年同期比を下げた品目であるが、なのはな(千葉:相対56%)、きゅうり(群馬:せり59%、相対59%)、トマト(熊本:せり75%、相対73%)、ピーマンン(茨城:相対73%)、ブロッコロリー(愛知:相対75%)、レタス(茨城:せり80%、相対83%)、ほうれんそう(群馬:相対89%)、かぶ(千葉:相対95%)、なましいたけ(岩手:相対98%)である。

   このように、3/11以降、1週間の東京中央卸売市場の野菜の市況を見てみたが、入荷量に関しては、前週比95%、前年同期比99%であり、3/12は入荷が激減したとのことであるが、その後の入荷は安定していたと見え、1週間単位で見ると、3/11の影響は左程大きくはなかったといえよう。また、相場に関しても、一方的な動きを示してはおらず、高値、安値が入り、全体としては、前週比、前年同期比ともに100%前後となっており、入荷量同様、全体としては安定しているといえよう。ただ、まだ一週間であり、3/11の東日本大震災の影響はこれからが本番、しかも、放射能被害、風評もではじめており、今週、そして、来週がどのように市況が動くかは予断をゆるさない状況といえる。当面、特に、野菜の今後の市況に注目である。

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March 23, 2011 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

March 22, 2011

食品スーパーマーケット、節電速報、3/21現在!

  東日本大震災の影響で首都圏、東北地区で計画停電が実施されるなか、全国の食品スーパーマーケットが自主的に節電に入りつつある。首都圏、東北地方の食品スーパーマーケットは必然的に節電せざるをえないが、関西地区、九州地区の食品スーパーマーケットにおいても同様に食品スーパーマーケットが節電しはじめている。そこで、実際、3/21現在、各地の食品スーパーマーケットがどのような節電に入っているのかを追ってみたい。

1.首都圏の食品スーパーマーケット
*マルエツ
・「東日本大地震」に伴う節電対策実施について
・店舗:マルエツ全255店舗(マルエツ・マルエツ プチ・リンコス他)
  ・広告塔の消灯
  ・お客様の安全を配慮し、店内照明、オープンケースを可能な限り消灯
  ・上記以外で不要な照明の消灯
  ・空調の一時停止、その他時間帯の設定温度引下げ
・本社・分室
  ・広告塔の消灯
  ・昼間の照明を消灯
  ・電気を使用する暖房の停止

*東急ストア
・東北地方太平洋沖地震」に伴う節電への取り組みについて
・東急ストア、プレッセ全店 96店舗、本社、研修センター
  ・屋外看板の消灯
  ・店内照明の照度引き下げや可能な限りの消灯
  ・冷蔵ケースの照度引き下げ
  ・上記以外で不要な照明消灯
  ・空調の設定温度引き下げ、または停止
  ・店舗の営業時間短縮

*東武ストア
・店舗における使用電力削減についてのお知らせ
  ・店舗の看板を含む店舗内外の照明、空調設備、劣化しない商品の冷蔵設備などを対象に節電を開始

*ヤオコー
・売場照明の一部消灯及び冷蔵陳列ケースの運転休止について
  ・各店舗では売場の商品陳列ケース内照明の一部消灯や、冷蔵陳列ケースの運転を一部で休止

*ベルク
・東北地方太平洋沖地震に伴う節電対策実施について
・ベルク全店
  ・内装照明の消灯の実施
  ・建物看板照明の消灯の実施
  ・塔屋看板照明の消灯の実施
  ・店内空調の運転停止の実施
  ・後方施設等の消灯・空調の運転停止の実施

*ベイシア
・東北地方太平洋沖地震」に伴う節電対策実施のお知らせ
・営業店舗全店 97 店舗
  ・店舗内空調の運転停止
  ・内装照明(スポットライト等)の消灯
  ・塔屋看板照明の消灯
  ・建物看板照明の消灯(建埴看板は除く)

*オオゼキ
・売場照明・陳列ケース・看板照明等において節電を実施

*いなげや
・一部照明等の消灯の実施

*サミット
・店舗の看板や、店内で不必要と思われる場所を消灯

2.関西地区の食品スーパーマーケット
*関西スーパーマーケット
・「東北地方太平洋沖地震」に伴う節電実施のお知らせ
・関西スーパー全店(59店舗)ならびに本社(兵庫県伊丹市)
  ・店頭誘導看板・塔屋看板等の屋外看板を閉店時間に消灯いたします。
  ・店舗における間接照明を削減いたします。
  ・店舗バックヤードの照明を削減いたします。
  ・本社(兵庫県伊丹市)で天井照明の一層の削減など節電の取り組みを強化

*イズミヤ
・「東北地方太平洋沖地震」災害を受けた消灯活動の実施について
・イズミヤ全店 87店舗
  ・売場照明一部の消灯
  ・テレビ売場、照明器具売場などデモンストレーション用の電気使用の中止
  ・務所・後方施設等の消灯

*オークワ
・東北地方太平洋沖地震に伴う節電への取り組みについて
・オークワ全店150店舗、パレ全店18店舗、ヒラマツ全店7店舗、オー・エンターテイメント全店45店舗
  ・店頭誘導看板、塔屋看板等の照明を消灯します。
  ・売場のスポットライトや演出用照明を削減します。
  ・店舗後方施設の照明を削減します。

*平和堂
・「東北地方太平洋沖地震」に伴う節電実施のお知らせ
・平和堂、全店128店
  ・各店の塔屋看板の照明の消灯(屋上看板)
  ・壁面サイン照明のすべて消灯(ネオンサイン、投光器による照明サイン等)
  ・壁面のライトアップ照明の消灯(壁面を投光器で照明している店舗)
  ・テレビ・カセットなどプロモーションビデオ・BGMを控える

3.中国、四国、九州、沖縄地区の食品スーパーマーケット
*ハローズ
・節電対策実施のお知らせ
・ハローズ全48店舗・本部・物流センター
  ・屋上広告塔、夜間点灯せず

*マックスバリュ九州
・節電への取り組みについて
・マックスバリュ九州、全111店舗
  ・屋外広告塔・店舗壁面看板等の消灯。
  ・ 店内外における演出用の照明やテレビなどデモンストレーション用の電気使用の中止。
  ・ 事務所・後方施設等の消灯。
  ・ その他店内外の不要・不急な照明機器の消灯

*サンエー
・照明消灯を各店にて実施致しております。

  以上、首都圏を中心に食品スーパーマーケットの節電の現状を追ってみたが、首都圏の食品スーパーマーケットのみならず、関西地区、中国、四国、九州、沖縄地区の食品スーパーマーケットも現時点で節電に入っており、事実上、食品スーパーマーケット業界全体が節電を実施している状況であるといえる。今後、電力事情は夏場にかけてさらに厳しさを増すといえ、これまでのエコという問題を超え、食品スーパーマーケット業界としては、店舗設計の見直し、本部、物流センター、店舗とトータルな節電システムの新たな取り組みが経営課題となろう。

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March 22, 2011 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

March 21, 2011

3/20、東北大震災、食品スーパーマーケット支援速報!

   東日本大震災にて被災された皆様には、心よりお見舞い申し上げます。前回、前々回と東北地方の食品スーパーマーケットの現状について取り上げたので、今回は、すにでに、2回に渡って取り上げた全国の食品スーパーマーケットの支援体制のその後の状況を取り上げる。

1.物資関連の支援速報

*セブン&アイH:3/19以降
・セブン&アイHが岩手県と締結した「災害時における衣料、寝具その他の生活必需品の調達に関する協定」に基づき支援する物資となります。
・アピオ岩手産業文化センター
・婦人衣料(コート、セーター等) 約30,000点、紳士衣料(ジャンパー、スエット等) 約85,000点、子ども衣料(ジャンパー、パジャマ等)約28,000点、肌着関連(婦人、紳士、子ども用) 約163,000点、靴下・タイツ 約235,000点、合計 約541,000点。

*イオン
1)岩手県とイオンとの包括連携協定に基づく要請物資の手配について:3/19
・岩手産業文化センター アピオ
・婦人用、紳士用の防寒アウターなど 約71,000店、婦人用、紳士用のスニーカー、長靴、手袋など 約18,000点、婦人用、紳士用、子供用の肌着、パジャマなど 約94,000点、合計 約183,000点。
2)宮城県内の自治体からの要請物資の手配について
・仙台市:水1 万本(500mℓ)、カップメン 8 万個、紙おむつ5 千個、ティッシュ1 万箱 等
・名取市:水4 千本(500mℓ)、カップメン8 千個、毛布 1千枚
・多賀城市:水2 万4 千本(500mℓ)、毛布1 万枚、紙おむつ1千枚、ティッシュ1 万箱、
缶詰1 万2 千個、カセットコンロ2 百台、カセットボンベ1 千2 百本、歯ブラシ2 万本 等
・気仙沼市:水1 万8 千本(500mℓ)、毛布6 千枚、軍手1 千5 百双、マスク1 万枚 等
・塩釜市:水3 千本(2ℓ)

*イズミヤ:3/17
・「東北地方太平洋沖地震災害」による被災地への物資の供給支援について
・宮城県災害対策本部へ:ミネラルウォーター(2リットル)、12,000本、毛布1,000枚、マスク140万枚
・岩手県岩手郡滝沢村へ:マスク110万枚、毛布5,000枚、
・福島県災害対策本部へ:マスク4,000枚
・茨城県鉾田市合同庁舎へ:マスク2,000枚

*原信ナルスH
・3/12: 福島県方面 水2リットル 10,320本、水500ミリリットル 4,800本、おにぎり 11,000個、岩手県方面:水2リットル 1,536本、 パン 5,876個
・3/13:新潟県十日町地区:水500ミリリットル 4,800本、福島県方面:水2リットル 1,536本、ウーロン茶2リットル 3,744本、おにぎり 8,000個、 パン12,600個、カップ麺 12,000個、岩手県方面:ウーロン茶2リットル 624本、パン 6,000個
・3/14:青森県方面:水2リットル1,500本、ウーロン茶2リットル1,500本、パン5,000個
・3/16:岩手県方面:水500ミリリットル 7,200本、パン 8,000個、ガスボンベ 144本
・3/20:福島県方面、粉ミルク1,140缶、紙おむつ1,924個、生理用品4,267個、介護用品298個

*東急ストア
・「東北地方太平洋沖地震」被災者への緊急支援物資のお届けについて
・飲料水(500mlペットボトル) 3,312本、食糧(カンパン、クラッカー、ビスケット)3,312缶、簡易トイレ3,260袋


2.義援金、募金関連の支援速報

*イオン
1)緊急災害復興支援金贈呈について
・支 援 金:1,000万円(3/15)
・贈呈先:認定NPO法人ジャパン・プラットフォーム
2)災害復興支援募金について
1))店頭・事業所での募金(3/12-3/31)
・国内及び中国(一部店舗)、アセアンのイオン各社の店舗・事業所約7,000箇所
2))イオンカード、ときめきポイント(カード利用で付与されるポイント)での募金
・クレジットカード、ときめきポイント(3/13-3/31)
3))イオン銀行の募金受付口座への入金による募金
・イオン銀行ATMおよび、イオン銀行ダイレクト(3/15-3/31)

*西友:3/19
・「東北地方太平洋沖地震」災害に対し、皆様からの募金を受付けております。
・3/19から

*ウォルマート:3/15
・物資支援を含む500万ドル相当の寄付を行なうことを発表

*ユニー:3/15
1)「東北地方太平洋沖地震」に伴う被災者への緊急災害復興義援金贈呈のお知らせ
・5,000万円(赤十字社)

*ダイエー
・東北地方太平洋沖地震災害」被災地支援義援金店頭募金活動について
・2011年3月14日(月)~4月3日(日)
・ダイエーグループの461店舗および全事業所にて実施、ダイエー211店舗、グルメシティ関東25店舗、グルメシティ近畿53店舗 、ビッグ・エー172店舗 ほか

*万代:3/19
・東北地方太平洋沖地震震災被害に対する支援について
・義援金1億円(日本赤十字社)

*イズミ:3/15
・義援金の寄付5千万円(日本赤十字社)

*平和堂:3/15
・義援金3,000万円(日本赤十字社)

*バロー:3/16
・東北地方太平洋沖地震による被害に対する支援について
・株式会社バロー 金3,000 万円、
・当社相談役名誉会長 伊藤喜美(個人) 金1,000 万円、
・当社代表取締役社長 田代正美(個人) 金1,000 万円
・計 金5,000 万円(岐阜県恵那市)

*ヤマナカ:3/14
・『東北地方太平洋沖地震』義援金寄託のお知らせ
・1,000万円(中日新聞社会事業団)

*関西スーパー:3/22(予定)
・「東北地方太平洋沖地震」災害支援募金贈呈(1回目)のお知らせ
・贈呈金額 お客様および当社従業員からの募金合計 3,786,875円、当社からの支援金 3,000,000円、総 額 6,786,875円

*ヤオコー:3/16
・『東北地方太平洋沖地震』の被災地・被災者の方々に対する支援について
・義援金、支援金額1億円(日本赤十字社)

   以上、3/20時点で把握できた前回のブログ、3/14以降の食品スーパーマーケット業界の新たな支援体制をまとめてみた。前回との違いは、支援物資が増えていることと、各社、募金に加え、義援金の支援が増えていることである。本食品スーパーマーケット最新情報では引き続き、各社の最新動向を取り上げてゆく予定です。

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March 21, 2011 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

March 20, 2011

3/19現在、twitterから、東北、食品スーパーマーケット!

   東北地方太平洋沖地震災害にて被災された皆様には、心よりお見舞い申し上げます。前回のブログで東北の食品スーパーマーケットの被災状況を取り上げたが、特に、ヨークベニマルを含め、福島県の食品スーパーマーケットが深刻な状況である。そこで、ヨークベニマルを含め、現在の消費者の各食品スーパーマーケットの利用状況をtwitterで検索してみた。以下、twitterからの最新情報であり、随時更新されてゆくが、気になる中身をいくつか取り上げてみたい。

*ヨークベニマル
・このたびの大震災で被災された方に心よりお見舞い申し上げます。ヨークベニマルでは従業員全員がお店の開店にむけ最大の努力をしております。休業、不規則な開店時間、品揃えなどご迷惑をおかけすることが多いかと思いますがご理解くださいますようお願いします。(あかまる情報館ヨークベニマル)
・ヨークベニマル19日(土)開店情報~2~二本松インター・吉倉・本宮インター・太平寺・田島・花春・一箕町・門田・西若松・喜多方・猪苗代・飯寺・須賀川西・昭和町・棚倉・メガステージ矢吹・メガステージ白河・小野プラザ・メガステージ石川・メガステージ須賀川南。(ラジオ福島)
・郡山はヨークベニマルも通常営業してるから、物流に問題はないみたい。福島県の復旧は、中通り・会津にお任せを!浜通りの方々は身体だけを心配してて。オレはニュースでは得られない身近な情報を発信します。(nabe_koriyama なべかつ)
・ ヨークベニマル内郷店10:00openに11:00in 飲料物は酒類以外ほとんど無しだが、野菜、肉、お菓子は十分!紙おむつなんかもありました。お彼岸なんで花も豊富に!レジには並びますが、特に問題なく買えました。但しお一人様20点の限定! 明日も営業するとのこと。トイレは使用不可(cafekotatsu Tatsuya Kobayashi)
・ヨークベニマル19日(土)開店情報 二本松インター・吉倉・本宮インター・太平寺・田島・花春・一箕町・門田・西若松・喜多方・猪苗代・飯寺・須賀川西・昭和町・棚倉・メガステージ矢吹・メガステージ白河・小野プラザ・メガステージ石川・メガステージ須賀川南。(free_dom_life freedam )

*ウジエスーパー
・[お買い物情報]太白区西寄り(長町、富沢、西多賀)にお住まいの方。ウジエスーパー西多賀店が営業しています。ティッシュや生鮮食品も買えます。お店があかなくて困っている方は行ってみてくださいね。地元スーパーはやっぱり強いね!ちょっと拡散希望です。(mamestm そらまめくん)
・昨日、1週間ぶりに職場(長町→名取)に車で行きました。道中の、モールのSEIYU、柳生の生協、ガソリンスタンド、ウジエスーパー、みんなすごい行列でした。(megumifu819 うさこ)
・明日もみやぎ生協やります!ウジエスーパーも!Aコープも!イトーヨーカドー、ダイエーも!ダブルストーンも!ダルマ薬局も!(malc_0822 Malc)

*リオン・ドールコーポレーション
・[福島県]営業、休業している大型スーパーのマップの情報を更新しました。リオンドール:須賀川インター店・川俣店:保原店:本宮店が18日から休業します。(yashikei kei kobayashi)
・【リオンドール会津駅前店】スパゲッティは大量にあったし、野菜も売っていた。惣菜も普通に売っていたので、会津で食料に困ることは直ぐにはないと思う。(mizugumo_330 水雲)

*みやぎ生協
・3/18 12:08 みやぎ生協 八幡町店は大行列です。(GLEAMsendai HeyHey)

*ヤマザワ
・今、買い物して帰ってきました!ヤマザワあさひ町店野菜・果物はたくさんありました!鮮魚類もありました!お肉も魚肉ソーセージも今日はかなりありましたよ!(tuyahime)
・ヤマザワ成田店(9:30~17:00) ※商品なくなりしだい終了 みやぎ生協明石台店(10:00~17:00) ※商品なくなりしだい終了 ビッグハウス富谷店(9:00~) ※商品無くなりしだい終了 ゆっぽとみや大清水(12:00~16:00)(narita_bot)
・スーパーヤマザワ仙台市田子店へ戻ってきましたが、朝に見た待ち行列とあまりかわらない。200名ぐらい並んでいる。数キロ仙台寄りのヨークベニマル仙台市新田店はちょっと待っただけで入店できたのに....少し距離を隔てただけで需給バランスに凄い差がある。(frog_pon)
・【仙台スーパー】ヤマザワは山形県では全店で営業しているが、閉店時間が早い店もある。宮城県内は長町南店と荒井店、塩釜中の島店、汐見台店は休店。それ以外は店舗の状況を見ながら店頭販売。(ryoji96)

*モリヤ
・近所神社の鳥居が崩壊。ダイシャリンでチャリげっとクレカok。ヨークやseiyuは長時間並んでも制限が厳しい。生鮮品は地域小売店が吉。ウジエも並んでた。モリヤはそこそこ。ヤマザワは天井落下で☓。286沿い建設会社の2階がつぶれてた。ダイシン通常営業自転車入荷中。鶴の湯大混雑。(kanchaso)

*とりせん
・ほぼ毎日AM11時頃に、とりせんに買出しに行きますが、米、カップ麺、電池、パン(今日は有りましたが)以外は、物はある程度あります。目立った買い占めも見受けられませんよ(^_^)(fumikazukura)

   以上、前回のブログで取り上げた被災店舗の食品スーパーマーケットの状況をtwitterから、消費者の声として拾ってみたが、いずれも、相当数のつぶやきがあり、随時更新されてゆく状況である。ニュースだけでは、なかなかわからない生の現場情報であり、被災地の中で懸命に営業再開に取り組んでいる食品スーパーマーケットの状況が消費者の声を通じて伝わってくる内容である。

  今後とも、本ブログでは、東日本大震災後の食品スーパーマーケットの最新情報を取り上げてゆく予定です。


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March 20, 2011 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

March 19, 2011

3/18現在、東北、食品スーパーマーケット被災速報!

   東北地方太平洋沖地震災害にて被災された皆様には、心よりお見舞い申し上げます。前回、2回に渡って、東日本大震災に対する食品スーパーマーケット業界の対応を取り上げたが、今回は、被害が明らかになりつつある3/18時点で確認できた東北地方、北関東の食品スーパーマーケットの被災状況を取り上げる。

3/18現在、休業店舗、営業再開店舗

*ヨークベニマル、休業店舗:71店舗
・福島県:29店舗
大槻店・片平店・富久山店・桑野店・メガステージ田村店・梁川店・笹谷店・瀬上店・野田店・小野町店・小野プラザ・いわき泉店・富岡店・大熊店・夜の森店・小名浜店・エブリア店・上荒川店・湯本南店・浪江店・勿来江栗店・谷川瀬店・大原店・好間店・内郷店・相馬店・相馬黒木店・原町店・原町西店
・宮城県:35店舗
矢本店・中新田店・小牛田店・石巻蛇田店・古川福浦店・古川店・佐沼店・大街道店・湊鹿妻店・築館店・中浦店・若柳店・古川南店・涌谷店・市名坂店・大和吉岡店・利府店・塩釜店・泉古内店・多賀城店・南吉成店・泉将監店・新田東店・真美沢店・福田町店・南中山店・フォレオ東仙台店・大和町店・柴田店・岩沼西店・山田鈎取店・名取西店・遠見塚店・柳生店・大河原店
・茨城県:7店舗
那珂湊店・百合が丘店・茨城町店・石岡店・坂東店・羽鳥東店・中郷店

*みやぎ生協、休業店舗:19店舗
・仙台エリア泉区:3店舗
黒松店、南光台店、市名坂店
・仙台エリア宮城野区:2店舗
榴岡店、新田東店
・仙台エリア若林区:3店舗
南小泉店、沖野店、六丁の目店
・県北エリア:2店舗
古川南店、加賀野店
・石巻エリア:4店舗
アイトピア店、石巻渡波店、石巻大橋店、蛇田店
・仙塩エリア:2店舗
大代店、利府店
・仙南エリア:3店舗
閖上店、白石店、岩沼店

*ウジエスーパー、休業店舗:3店舗
(29)広渕店(石巻市広渕)(30)志津川駅前店(南三陸町志津川)(31)Uマート石巻店(石巻市中里)
・営業再開店舗(店内):14店舗
(1)鳴子店(大崎市鳴子温泉)(2)中津山店(登米市米山町)(3)登米店(登米市登米町)(4)桃生店(石巻市桃生町)(5)古川北町店(大崎市古川北町)(6)古川中里店(大崎市古川中里)(7)西多賀店(太白区西多賀)(8)袋原店(太白区袋原)(9)中山店(青葉区中山)(10)明石南店(泉区明石南)(11)岩出山店(大崎市岩出山)(12)小野田店(加美郡加美町)(13)中新田店(加美郡加美町)(14)高清水店(栗原市高清水)
・営業再開店舗(店頭):14店舗
(15)佐沼本店(登米市迫町)(16)中田店(登米市中田町)(17)金成店(栗原市金成)(18)南方店(登米市南方店)(19)田尻店(大崎市田尻)(20)南佐沼店(登米市迫町)(21)小牛田店(遠田郡美里町)(22)飯野川店(石巻市成田)(23)塩釜店(塩釜市杉の入)(24)山下店(石巻市西山町)(25)若柳店(栗原市若柳)(26)豊里店(石巻市豊里町)(27)志波姫店(栗原市志波姫)(28)長町店(太白区長町)

*モリヤ
営業中店舗(全13店舗中、5店舗)
・幸町店、落合店、長町店、大学病院前店、旭ヶ丘店

*ベルプラス、休業店舗:4店舗
・ビッグハウス 魚町店(石巻市松並)、ベルプラス みなみ店(気仙沼市仲町)、ベルプラス ししおり店(気仙沼市中みなと町)、ハマダ 本郷店(気仙沼市本郷)

*ヤマザワ、休業店舗:4店舗
・塩釜中の島店・長町南店・荒井店・汐見台店(いずれも宮城県)

*リオン・ドールコーポレーション、休業店舗:11店舗
・鎌田店、川俣店、郡山東店、本宮店、船引店、保原店、須賀川東店、鏡石店、 矢吹店、須賀川インター店、小川店(栃木エリア)

*コープふくしま
店内営業店舗:5店舗
・新町店、方木田店、やのめ店(各福島市)、あだたら店(二本松市)、桑折店(桑折町)
店頭営業店舗:6店舗
・瀬上店、笹谷店、いずみ店(各福島市)、国見店(国見町)、梁川店(梁川町)、保原店(伊達市保原)

*イオンスーパーセンター、休業店舗:2店舗
・イオンスーパーセンター石巻東店、イオンスーパーセンター南相馬店

*とりせん、休業店舗:3店舗
・岡本店(宇都宮市)、益子店(芳賀郡益子町)、下館店(筑西市)

ドラックストア、休業店舗

薬王堂:10店舗
・宮古磯鶏店(岩手県宮古市)、岩手山田店(岩手県山田町)、岩手大槌店(岩手県上閉伊郡大槌町)、釜石鵜住居店(岩手県釜石市)、大船渡須崎店(岩手県大船渡市)、高田店(岩手県陸前高田市)、気仙沼鹿折店(宮城県気仙沼市)、気仙沼赤岩店(宮城県気仙沼市)、宮城志津川店(宮城県南三陸町)、気仙沼階上店(宮城県気仙沼市)

  以上、3/18現在、確認できた東北地方の主要食品スーパーマーケット、主要ドラックストアの営業状況であるが、地震被害地区の福島県、宮城県、岩手県の状況が厳しい状況であり、すでに復旧している店舗もあるが、いまだに復旧のめどがたっていない店舗も数多くある。本ブログでは、今後とも、食品スーパーマーケットの支援情報、及び、東北地方の食品スーパーマーケットの営業状況について、最新情報を随時取り上げてゆく予定である。

なお、
http://twitter.com/#!/PurchaseTW
からも情報発信しています。

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March 19, 2011 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

March 18, 2011

N018:日本農業新聞に調査事業の報告、第2弾を掲載!

   3/17の日本農業新聞に、3/16に続き、農林水産省の補助金事業、「農業者所得向上流通調査事業」の調査報告の広告記事を投稿した。3/16、3/17、3/18と3日間連続で本調査事業の関連の記事が掲載される中での、第2弾の投稿である。3/16の記事のタイトルが、「大都市における直売システムの現状、生産者の所得向上に直売が果たす役割とは」と題し、「新規就農者・小規模農家の大都市直売への参入について」という見出しでの記事であったが、今回は、「大都市中心部の直売、マルシェにおける生産者の所得向上について」であり、本調査事業の核心、生産者の所得向上に焦点を当てたものである。

   その中身であるが、前回同様、少し長いがそのまま引用すると、「本調査事業では大都市中心部の直売に参加している全国各地の生産者の方に、農業者所得向上の観点から、様々なヒアリングをさせていただきました。特に本調査事業の対象である東京、札幌、仙台、名古屋、大阪、福岡の6大都市については、大都市中心部にて仮設型直売システムを展開しているマルシェ運営者の協力を得て、数多くの生産者の方に直接お話しをお伺いすることができました。

   ここでは、その調査結果から、本調査事業の趣旨でもある農業者の所得向上にかかわる内容について、特に重要と思われる項目についてご報告します。まず、端的にマルシェへの出荷が所得向上につながっているかどうかをお聞きしたところ、「はい」と答えた方が61.5%、「いいえ」は11.5%、「どちらともいえない」が26.9%でした。また、マルシェでの1日当たりの売上をお聞きしたところ、平均的な売上は3万円から5万円未満という方が最も多いという結果です。

   この結果を見る限り、マルシェに参加している生産者の方はもうワンランク上、すなわち、平均的には5万円から10万円未満の売上を期待しているのではないかと思われます。ただ、この平均的な3万円から5万円未満は、マルシェへ週1回、すなわち、年間52日参加した場合、156万円から260万円となり、この金額は、同時に調査した首都圏周辺の直売所1,115件の平均の生産者の年間売上高121万円よりも高いといえます。

   売上高は確かにマルシェの方が首都圏周辺の直売所の平均よりも高いといえますが、マルシェに出店するには流通経費等が高めになるため、生産者の所得向上としては、微妙なところといえ、その結果が61.5%という「はい」の結果になったと思われます。

   そこで、本調査事業では、さらに、この点を掘り下げるべく、デプスヒアリングを実施しました。その結果、驚くべきことに、マルシェでの直接的な所得向上効果はもちろん、それ以上に、間接的な所得向上効果、たとえば、消費者ニーズの把握、商品開発へのヒント、PR、販路の拡大、外食との連携、通販への誘導等・・が大きいことが判明しました。これが、大都市中心部特有の直売のメリットといえます。

   本調査事業では、これら直接、間接の所得向上に関する生産者の生の声を分かりやすく整理し、まとめましたので、ご覧いただければと思います。」という内容であり、これに、所得関連の生産者のヒアリング集計結果が加わった投稿記事である。

   大都市中心部における直売を通じて得られる生産者の所得は今回の生産者へのヒアリング結果からも、産地直売所に参加している生産者の方の平均と比べ、売上高ではやや高めの数字であるといえるが、大都市中心部で直売をするには、流通経費が産地直売所よりも多くかかるため、直接の所得という面では同等か若干の優位性がみられるが、決定的な優位性があるとはいえないという結果であった。

   ただ、一方で、大都市中心部の直売システムを通じて、得られる間接的な所得、記事の中でも言及したが、消費者ニーズの把握、商品開発へのヒント、PR、販路の拡大、外食との連携、通販への誘導等、さらには、生産者同士の作付けや販路に関しての情報交換も間接的な所得へつながるものであり、その効果は高いといえる。

   今回、本調査事業を通じて、多くの生産者の方にヒアリングする機会があったが、最も印象に残っているのは、「なすでもきゅうりでも必ずしも大きさを統一しなくても、鮮度を統一すれば評価してもらえるということがわかるということは、生産者にとって非常に価値がある。」との、ある生産者の言葉である。これは大都市中心部の消費者と直接接することによって、はじめて生産者の方が実感したものであり、まさに、消費者のニーズを端的につかんだ事実といえよう。

   このように、大都市中心部の農業者の所得の向上は、直接、間接、双方から総合的に所得向上を見てゆくべきであるといえ、実際、生産者の方自身が、大都市中心部の直売をそのようにとらえている実態が今回の調査事業で明らかになったといえる。今後、様々な機会を通じて、本調査結果を公開してゆく予定であり、生産者の方は大都市中心部で是非、直売にトライして欲しいと思う。


   次回、最終回3/18は、本調査事業の監修をいただいた千葉大学大学院の齊藤修教授の「地域直売所の役割と都市部での展開」というテーマでの報告を日本農業新聞で行う予定である。

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March 18, 2011 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)