December 12, 2009

ID-POS分析、その本質!

   ここ最近、ID-POS分析に取り組む機会が多い。ID-POS分析は従来のPOS分析と比べ質、量ともに格段の違いがあり、これまでできなかった様々な新たな分析が可能となる。そこで、ここでは、何が決定的に違うのかを考えてみたい。

   まず、最も大きな違いは購入者の属性が把握できることであろう。これまでは何が買われたかは把握できたが、誰が買ったかは把握できなかった。誰とは、男性、女性、年齢、職業、年収、住所、家族構成など、様々な属性情報である。もちろん、この情報が正確に申告されていればということが前提となるが、少なくとも、これまでのPOS分析よりは一歩進んだことは確かであろう。ここから、商品を購入する顧客像が浮かび上がり、その結果から、新たな仮説をつくることができ、これまでにない仮説にもとづくマーチャンダイジングの改善が可能となる。 

   ただ、この分析は質の違いというよりも、どちらかという量の違いに近いといえ、商品の分析手法が根本的に変わったというよりも、商品を購入する顧客像が鮮明になったといえ、従来の分析手法を変えるまでにはなっていないといえよう。商品の分析手法は、この段階では、あまり大きく変化しているとはいえず、従来の単純な売上金額、売上数量、もう一歩進んで、金額PI値、PI値、平均単価を使って分析していることが多いのが実態といえよう。

   では、質的な違いとは何であるかであるが、それは、新たな指標が生まれ、その結果、新たな分析が可能となることであるといえる。従来のPOS分析では分析することができなかった分析手法が生み出されることであり、その結果、従来の分析では把握できなかった本質が見えることである。先にあげた属性はその意味で、分析手法そのものに質的な変化をもたらすというよりも、従来の分析手法をそのまま使い、ID-POS分析で得られる、属性という新たな切り口を提示しているといえる。したがって、従来の分析よりは一歩進んだといえるが、質的な段階が上がったとはいえない分析といえる。

   そこで、質的な違いとは何かを考えてみたい。ID-POS分析が世の中で注目された時、質的な違いで脚光を浴びたのは併買分析であろう。いまでも併買分析はID-POS分析特有の分析手法として様々な場面で活用されており、クロスマーチャンダイジングという形で実践に応用されている。最近では、クロスマーチャンダイジングが進化し、コラボ商品まで登場しており、実践事例は豊富である。

   ただ、この併買分析は、従来のPOS分析ではけっしてできないかというと、ある程度までは従来の分析でも可能である。併買とはAという商品とBという商品をどのくらい同時購買するかを指標化したものであるが、これは、レシート分析でも精度は低いがある程度まで把握することは可能である。AとBを同時に購入しているレシートを数え、全レシートで割れば、同時購入率が計算できる。数式では、客数PI値がまさにこれに当たり、併買客数PI値=同時購入レシート枚数÷全レシート枚数として、計算可能である。もちろん、ある特定IDがAとBの商品を同時購入しているかどうかは、IDを把握しないとできないので、ここまで分析するにはID-POS分析にまで踏み込まないと無理であるが、ある程度までは、併買分析も従来のPOS分析で可能といえる。

   では、ID-POS分析の決定的な質的な違いは何であろうか。それは、ずばり、頻度である。頻度、これが、従来のPOS分析では、けっして得られない指標であり、ID-POS分析特有の独特な指標であるといえる。従来のPOS分析はつきつめれば、レシート分析であり、レシートを基本単位として分析をしてゆくことになる。ID-POS分析は、このレシート1枚1枚にIDを付けたところが決定的に違うところであり、言い換えれば、IDレシート分析といえよう。したがって、レシートにIDがついたことにより、はじめて分析が可能になる指標がID-POS特有の分析といえる。
   
   そこで頻度の登場である。頻度とは、誰が何回買ったかであり、これが頻度である。レシート分析では何回までは把握できるが、誰が何回、すなわち、頻度を把握することはできない。指標ではID客数PI値であり、ID客数PI値=レシート÷IDとなる。このID客数PI値=頻度がID-POS分析特有の指標であるといえ、この頻度を駆使することがID-POS分析といえる。
   
   おもしろいことに、この頻度、ID客数PI値が加わると、従来の金額PI値(客単価)も、ID金額PI値=ID客数PI値×金額PI値という数式で説明できるようになり、レシート分析(金額PI値)がID分析(ID金額PI値)とID客数PI値で結ばれ、双方の分析を融合することが可能となる。したがって、頻度、ID客数PI値を理解し、その本質をつきつめてゆくことがID-POS分析ならではの醍醐味といえ、これが従来のPOS分析と決定的な違い、質的な違いといえよう。

   ID-POS分析もようやく、食品スーパーマーケット業界でも活用がはじまりつつあるが、属性、併買分析も重要な分析のひとつではあるが、その本質は頻度、ID客数PI値にあるといえ、ここをしっかり押さえ、マーチャンダイジングの改善につなげて欲しいところだ。

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December 12, 2009 in CRM、FSP, 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

December 11, 2009

重点商品の管理を徹底するには?

   食品スーパーマーケットのマーチャンダイジングを考える上で、最初に着手すべき課題は、何をおいても重点商品をいかにおさえるかである。大半の商品は食品スーパーマーケットでは重点商品のみで50%を超える売上げ構成比を示すことが多く、牛乳、食パンなどでは60%から70%にまでその比率が向上する。この商品の対極にあるヨークグルト、菓子パンなどでも、30%から40%前後はあり、前者の商品で重点商品の管理を怠ると、大きく売上げダウンとなり、後者の場合でも、まず、昨対をクリアーすることは難しいといえる。

   実際、店舗で、この重点商品の動向を調べてみると愕然とすることが多々ある。本部としては重点商品を選定し、それを棚割に落とし、フェイスを確保し、POPを頒布し、店舗に販売推奨するところまではできていたとしても、店舗、特に発注、品出しの担当者が重点商品を把握していないケースが多い。そのため、重点商品の発注がおろそかになり、欠品、品枯れ、フェイスの縮小、さらには、POPをつけるのを忘れたり、バックヤードに重点商品の在庫が保管されたままになっていたりと、様々な問題が発生する。 

   さらに、店舗では、本部推奨の重点商品以外に、店舗独自の重点商品があるが、この重点商品の把握ができてなく、本部のみの重点商品を強化し、結果、店舗の売上げを落としてしまう場合もある。重点商品はチェーン全体の重点商品と店舗独自の重点商品があり、この2つの重点商品を店舗では最優先で管理しないと、まず、昨対をクリアーすることは難しいといえる。
 
   そこで、ここでは、重点商品をどう選定するか、そして、選定した重点商品をどのように管理すれば良いかを考えてみたい。まず、重点商品の選定であるが、先にあげたように重点商品は2つある。本部推奨、すなわち、全店共通の重点商品と、店舗独自の重点商品である。全店共通の重点商品は2つの角度から選定することがポイントである。ひとつは、単純に全店の売上(金額PI値)の上位商品であり、これは簡単に重点商品が選定できよう。そして、もうひとつは、全店の中で商品の導入店舗のみでみた場合の売上(金額PI値)が高い商品である。いわば大リーグの得点圏打率の高い商品である。実は、これが将来の最重点商品となる可能性を秘めていることがあり、本部としては、注意深く選定することがポイントである。
 
   次に、店舗であるが、同様に、店舗独自に売上(金額PI値)の高い商品を選定することになるが、これに加え、昨年の数字も見ることがポイントといえる。特に、その店舗に赴任して1年たっていない場合などは、現在の重点商品だけの把握だけではなく、過去の重点商品の把握も大きなポイントとなる。前任の担当者が一所懸命、時間をかけて育成した重点商品が担当者が変わった途端に、売上げが落ちる、ひどい場合にはなくなってしまう場合もある。当然、店舗の売上げは落ちることになり、しかも、その落ちたままの低い水準で売上げが安定してしまう場合がある。その意味で、店舗の重点商品は現在だけでなく、過去の重点商品、特に、前任の担当者が独自に育成した重点商品は極めて重要な重点商品であり、ここが意外に、個々の店舗では、本部推奨の重点商品よりも、売上(金額PI値)の根幹となることがあるので、注意が必要である。

   ちなみに、重点商品の目安であるが、金額PI値で見れば、1円を超えれば無条件で重点商品といえる。本ブログでは日経MJで重点商品の基準を勝手につくって、独自の分析をしているが、その基準は金額PI値500円(1人当たり0.5円)がA、300円(1人当たり0.3円)がB、200円(1人当たり0.2円)がCとしている。グロサリーはほぼ、これでいけるが、生鮮、日配はもう一段ランクをあげ、金額PI値1円(1,000人当たり1,000円)を加えた方が良いといえよう。

   これで、重点商品の選定はできるが、次に、これを店舗にどう落とすかである。その時の最大のポイントは在庫である。重点商品を強化するとは、言い換えれば、重点商品の在庫を限界まで確保することであり、結果、チャンスロスを最小に管理することに他ならない。そのための店舗でのポイントはフェイスの確保と発注である。重点商品の予想PI値を算出し、客数を予測し、PI値×客数で販売数量を導き、次の発注までの130%ぐらいの十分な在庫を確保し、その在庫に見合うフェイスをしっかりとり、最優先で品出しを行い、細心の注意を払い、最大限の販促をかける。これを店舗の商品担当者と店長を交えて徹底的につめることである。

   重点商品以外は自動発注にしても、品揃えさえしっかり確保できれば、大きく数字を落とすことはないが、重点商品は数字に基づいて意識的に管理しないと、鮮度が落ちたり、欠品が生じたり、品枯れになったりし、カテゴリー全体、ひいては店舗全体の売上を落としかねないといえる。その意味で、重点商品は、本部、店長、現場担当者が一体となった取り組みが必要であり、常に、研究、勉強してゆくべき商品であるといえる。再度、特に、各店舗の重点商品をしっかり把握し、見つめ直して欲しいところだ。

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December 11, 2009 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

December 10, 2009

イオン、矢継ぎ早に、営業梃入れ、経営改革、決断!

   イオンの動きが、ここ最近、あわただしい。12/10から12/14まで、「いきなり値下げの5日間」のセールを全国一斉、イオンの総力をあげて23,000店舗で開催することを12/7に公表した。また、同じく12/7、イオンリテールの食品スーパーマーケット事業を分割し、新たに受け皿の新会社を6社、各地域に設立し、来年度から食品スーパーマーケット、マックスバリュを移管することが公表された。さらに、12/9、来年2月、懸案の北米事業、衣料品専門店のタルボット社の全株式を売却し、全債権の返済を受けるという合意が、タルボット社との間でなされたことを公表した。

   わずか、3日間に矢継ぎ早に、今後のイオンの経営を左右する重大な経営判断がなされており、年末年始を迎え、イオンが急雲風を告げる動きといえよう。通常、小売業の売り上げはクリスマス、年末、そして、お盆が年間最大の山となり、特に、大型店はクリスマスから年末にかけては、年末商戦といわれるように、まさに戦いとなり、ここへ経営資源を投入し、最大の売上げをつくるのが例年の動きである。ところが、今回のイオンのセールは、12/10から12/14という、年末商戦2週間前に、イオングループの総力を挙げての一大セールを行うという、いわば、年末商戦の前倒しともいえ、これまでとは一線を画した新たな動きである。

   その内容であるが、今回の「いきなり値下げの5日間」のセール参加店舗であるが、全国のイオンモールなど計401のイオングループ運営ショッピングセンター(SC)内の物販専門店合わせて約22,500店舗、全国のジャスコ、サティ、ビブレ、カルフール、イオンスーパーセンターなどイオングループ直営の総合スーパー約500店舗となる。セール内容は、紳士・婦人・子ども衣料、靴・かばん、寝具・インテリア等は店頭で今ついている価格よりレジにて2割引となり、肌着、文具、食器、自転車、日用雑貨、医薬品等は今の価格よりレジにて1割引、さらに食品や家電は日替わりの特別販売商品を多数打ち出すという。年末商戦がどちらかというと、食品が主体になるが、今回のセールは、衣料、住関連が主体となるセールといえよう。

   この「いきなり値下げの5日間」の目標売上げは1,000億円であるという。イオンの年間売上げが約5兆円であるので、1日当たり約135億円となる。したがって、単純計算で5日間では約675億円となるので、1,000億円は約150%の売上げアップとなる。通常のこの時期は年末商戦前の比較的静かな時期であるので、イオンにとっては、この1,000億円は例年にない大きなキャッシュの獲得といえ、2週間後の年末商戦と合わせると、今期の12月度は過去最高のキャッシュの獲得となろう。

   イオンのこの8月度の中間決算のキャッシュフローは、営業キャッシュフロー370.65億円、投資キャッシュフロー-1,922.08億円となり、フリーキャッシュフローは-1,551.43億円と大きくマイナスであった。そのため、財務キャッシュフローで1,032.92億円に加え、内部留保を486.67億円取り崩さざるをえない厳しい状況となった。その結果、有利子負債が増加し、1兆3,359.65億円(昨対118.1%)となり、自己資本比率もわずか21.1%という厳しい財務状況にあり、残り、後半でいかに、キャッシュを獲得するかが経営的にもまったなしの状況にあり、これが、今回、異常ともいえる「いきなり値下げの5日間」を実施せざるをえない背景のひとつにあると思われる。

   そして、この「いきなり値下げの5日間」に加え、懸案の北米事業、衣料品専門店タルボットとの資本業務提携を清算することが決まり、これで、イオンは北米事業から撤退、経営資源を国内とアジアに向けることになる。さらに、国内では、食品スーパーマーケット事業を分割することが決まり、既存のマックスバリュグループに、新たに、マックスバリュ北東北(7店舗)、南東北(16店舗)、関東(17店舗)、中京(11店舗)、長野(4店舗)、北陸(9店舗)の6社が設立され、食品スーパーマーケットが移管されることが決まった。これにより、イオンリテールはGMSを主体とする小売事業に専念することになり、国内事業は、SC(専門店)、GMS、食品スーパーマーケットの3つに分割されることになる。食品スーパーマーケットは、各グループ会社が地域密着で取り組み、GMSはイオン本体が全国を視野に入れ、立て直しに専念する経営体制ができあがることになる。

   これを受けて、イオンの12/09の株価であるが、異常な売買高となり、約1,000万株の大商いとなった。通常は数千万株、この日のセブン&アイHも約3,000万株であるので、明らかに加熱気味である。ただ、値動きは小幅であり、750円(+22円、3.02%)であり、売りと買いが激しく交錯する値動きであり、投資家も、今後のイオンの経営動向を見極めきれない状況のようである。

   このように、ここへ来て、イオンが経営改革に本格的に動き、矢継ぎ早の経営改革を行い、まさに、勝負に出たという決断である。今期決算は来年2月末であり、実質、今期はあと2ケ月といえる。イオンがこの一連の経営改革により、どこまで、厳しい結果となった8月の中間決算、特にキャッシュフローの窮状を改善できるか、今回の結果はもちろん、そして、次の一手にも注目である。

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December 10, 2009 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

December 09, 2009

タイヨー、2010年2月期の中間決算を見る!

   本ブログでは、食品スーパーマーケットの決算月には最新情報として、決算情報を積極的に取り上げている。特に、本決算に関しては、ほぼ全決算公開企業約50社を取り上げ、中間決算においても、主要企業はほとんどを取り上げ、その状況を分析している。今回は、その中で、まだ、取り上げていない、今期の中間決算を公開した食品スーパーマーケット、鹿児島のタイヨーを取り上げてみたい。タイヨーは、鹿児島県を中心に、宮崎県をも含め、88店舗を展開する食品スーパーマーケットであり、2009年2月期決算の営業収益は1,271億円、決算公開企業約50社の中では21番目となる規模である。

   その最新の決算状況、2010年2月期の中間決算であるが、10/5に公表された。結果は、営業収益が640.84億円(99.9%)、営業利益11.06億円(77.1%:営業収益比1.72%)、経常利益11.47億円(79.3%:営業収益比1.78%)、当期純利益6.01億円(93.5%:営業収益比0.99%)となり、減収減益の厳しい結果となった。タイヨー自身も、「流通を取り巻く環境も急激に悪化が進み、市場全体を取り巻く低価格志向と価格競争はなお一層激しさを増し、客単価の下落に拍車をかけるなど、大変厳しい経営環境が続き、・・」と厳しいコメントを出しており、九州、鹿児島においても、消費環境は厳しさが増しているといえよう。

   そこで、タイヨーが減収減益になった要因を見てみたい。まず、営業収益であるが、食品スーパーマーケットの成長戦略は新店開発=成長ともいえ、新規出店が成長を支える原動力といえる。既存店は数年後にはピークを迎え、競合店が近隣に出店すると、その影響が及び、マーチャンダイジングの改善、店舗改装を実施しても、現状を維持することすら難しいのが実態である。したがって、チェーン全体の成長は継続的な新店開発にあるといえ、毎年、確実に一定規模の新店を作ってゆけるかがポイントとなる。

   タイヨーの場合は、店舗数が現在88店舗であるので、105%の安定成長を目指すには、少なくとも4から5店舗は毎年新店が必要といえる。この中間では佐土原店(2月)、岩川店(6月)の2店舗を新設しているが、この中間決算時では、実質1店舗強の増加といえ、新店効果が十分に表れておらず、結果、営業収益が99.9%と、わずかであるが、減益となったといえよう。また、今後、105%以上の成長を目指す場合は、さらに、3店舗以上の新店が必要といえる。

   そこで、タイヨーの出店余力を見てみると、2009年2月決算時は-17.2%であり、この中間決算時点では純資産比率が59.1%、出店にかかわる資産が総資産の77.5%であるので、差し引き、-18.4%と若干マイナス幅が拡大している。この数字は、決算公開企業約50社の中では、ほぼ真ん中ぐらいではあるが、もう一段、出店余力を引き上げ、成長戦略を強化したいところであると思われる。また、キャッシュフローの投資キャッシュフローを見ると、出店関連の資産の取得は10.64億円であり、タイヨーの場合は1店舗当たりの出店にかかわる資産が約8.07億円とやや高めであることから、この中間では、1店舗強の投資金額といえ、抑制的な投資戦略といえよう。

   その背景には、この中間決算時におけるキャッシュフロー戦略が大きく影響しているといえる。特に、今期は、前期の決算時が金融機関の休日と重なり、仕入れ債務の支払いがずれたため、キャッシュフローが大きく変動している。前期は仕入れ債務の増加が83.87億円と大きくプラスになったが、この中間では、大きく減少し、-50.99億円の減少となった。その差、134.86億円であり、異常な数字である。したがって、営業キャッシュフローは-18.86億円となり、投資キャッシュフローに十分な配分ができず、財務キャッシュフローもマイナス、すべてのキャッシュフローがマイナスとなり、結果、内部留保を54.05億円取り崩すこととなった。もちろん、その分、前期は内部留保を増加してあり、遣り繰り上は問題ないが、結果としては、新規出店への投資が十分とはいえず、成長戦略が薄くなったといえ、営業収益の確保ができなかったといえよう。

   一方、減益の要因であるが、原価は78.89%(昨年79.08%)と、下がっており、厳しい消費環境の中、粗利は21.11%(昨年20.91%)と、0.20%改善している。これに対し、経費の方であるが、20.45%(昨年19.77%)と、0.68%上昇しており、差し引き、マーチャンダイジング力は0.66%(昨年1.14%)と0.48%減少した。これに、不動産収入、物流収入等のその他営業収入が1.09%(昨年1.12%)のり、結果、営業利益は1.75%(昨年2.26%)となり、減益となった。原価は改善できたが、経費の上昇に加え、その他営業収入の減少が影響し、営業利益を押し下げたといえよう。

   このように、タイヨーの2010年2月期の決算が減収減益という厳しい状況となったが、その要因を見ると、成長戦略の要となる新規出店への投資が十分にできず、新店が展開できなかったことに加え、消費環境の悪化により、経費の上昇が見られ、営業利益が確保できなかったことが要因といえよう。今後、消費環境はデフレ傾向が鮮明であり、より、厳しさを増すもの思われるが、今期、次の後半、タイヨーが、この苦境を打開するため、どのような経営方針を打ち出すか注目である。

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December 9, 2009 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

December 08, 2009

西日本編、食品スーパーマーケット新店情報!

   前回のブログ、「東日本編、食品スーパーマーケット新店情報!」に続き、今回は西日本の食品スーパーマーケットの新店情報を取り上げてみたい。東日本が北海道、東北、関東、そして、中部・東海エリアであったので、西日本はそれ以外、近畿、中国、四国、そして、九州を取り上げる。全部で54店舗となる。東日本が47店舗であったので、合計101店舗となり、この10月時点で、大規模小売店舗立地法に基づき、各自治体に届け出がなされている1,000平米(約300坪)以上の出店予定の食品スーパーマーケットである。

   まずは、近畿であるが、兵庫県が最も多く11店舗となる。(仮称)マックスバリュ菅生店604坪(2010/3/9)、ライフガーデン潮芦屋(マルハチ)872坪(2010/3/11)、マックスバリュ西日本759坪(2010/3/16:姫路市)、生活協同組合コープこうべ、(仮称)コープ東神吉店492坪(2010/4/1)、(仮称)イオンタウン東加古川SC(MV棟、マックスバリュ西日本)1,62坪(2010/4/1)、(仮称)ロックシティ姫路(マックスバリュ西日本)3,942坪(2010/9/1)、(仮称)フレッシュバザール豊岡宮島店(さとう)885坪(2011/3/3)、マックスバリュ町坪店725坪(2010/6/23)、(仮称)オークワ加古川店62坪(2010/6/27)、(仮称)スーパーマルハチ藤原台店645坪(2010/5/1)、(仮称)ひよどり台複合施設(サンセブン)515坪(2010/5/1)となる。この内、マックスバリュ西日本が5店舗であり、来期も積極的な出店が予定されている。 

   ついで、大阪府が10店と続く。コノミヤ摂津店368坪(2010/1/29)、(仮称)コープ泉佐野店(大阪いずみ市民生活協同組合)829坪(2010/2/26)、(仮称)関西スーパー永和店437坪(2010/3/16)、(仮称)マックスバリュ八尾竹渕西店(光洋)545坪(2010/3/31)、(仮称)関西スーパー江坂店424坪(2010/5/9)、万代高槻春日店408坪(2010/5/16)、(仮称)関西スーパー菱木店811坪(2010/5/19)、(仮称)ライフ堺石津店2,012坪(2010/6/3)、スーパーマルハチみてじま店395坪(2010/1/30)、(仮称)ライフ西天下茶屋店398坪(2010/4/25)となる。この内、関西スーパーマーケットが3店舗と最も多く、地元兵庫県ではなく、大阪府に新規出店が集中している。

   そして、残りの近畿地区であるが、滋賀県には(仮称)平和堂新安曇川店2,602坪(2010/2/20)、(仮称)バロー八日市東沖野店977坪(2010/3/7)、(仮称)バロー草津店533坪(2010/5/9)と3店舗であるが、内、岐阜県のバローが2店舗であり、いよいよ、バローが近畿エリアへの新規ドミナントを本格化させるといえよう。奈良県では(仮称)イズミヤスーパーセンター広陵町店3,939坪(2010/3/26)、ハーベスあやめ池店(仮称)(近商ストア)438坪(2010/4/1)、(仮称)スーパーセンターオークワ桜井店2,366坪(2010/3/24)の3店舗、京都府では(仮称)阪急オアシス山科店532坪(2010/3/1)、ベルタウン吉祥院店(仮称)(マツモト)1,603坪(2010/6/1)の2店舗、そして、経済産業省では近畿管轄となる北陸、福井県では(仮称)アルビス森田店602坪(2010/3/7)の1店舗が新規出店予定である。

   結果、近畿エリアでは、兵庫県11店舗、大阪府10店舗、滋賀県3店舗、奈良県3店舗、京都府2店舗、福井県1店舗の合計30店舗となる。こう見ると、兵庫県、大阪府が圧倒的に新店予定が集中しており、近畿全体の70%となる。

   次に、中国、四国エリアを見てみたい。この地区は12店舗の新規出店が予定されており、中心は広島県であり、(仮称)フレスタ福山地吹店379坪(2010/5/3)、(仮称)フレスタ南蔵王店405坪(2010/6/17)、ヴェスタ白島店(フジ)460坪(2010/1/29)、(仮称)アーバス東千田(丸久)1,118坪(2010/3/1)、(仮称)フレスポ西風新都(生活協同組合ひろしま)1,628坪(2010/3/1)と、5店舗とエリア全体の約半分を占める。ついで、岡山県の2店舗、(仮称)ディオ中島店(大黒天物産)597坪(2010/6/22)、(仮称)山陽マルナカ新彦崎店747坪(2010/4/30)、香川県の2店舗、マルナカ豊中店945坪(2009/12/7)、丸亀中府モール(ハローズ)1,533坪(2010/2/19)、鳥取県1店舗、大黒天物産694坪(2010/5/8)、徳島県1店舗、(仮称)ディオ小松島店(大黒天物産)618坪(2010/3/6)、高知県1店舗、サンシャイン高岡店452坪(2009/12/26)となる。

   最後が九州エリアとなるが、全部で12店舗が出店予定であるが、最も出店予定が多いのが、福岡県の6店舗である。(仮称)夜須ショッピングセンター(Aコープ九州)878坪(2009/12/24)、スーパーセンタートライアル水巻店1,292坪(2010/1/13)、(仮称)飯塚秋松商業施設(ハローデイ)854坪(2010/1/29)、スーパーセンタートライアル宗像店720坪(2010/5/2)、ゆめタウンうきは(イズミ)2,227坪(2010/6/1)、(仮称)エフコープ新宮店896坪(2010/2/16)である。ついで、鹿児島県2店舗、(仮称)タイヨー浦上店733坪(2010/3/25)、マックスバリュくらし館岩川店617坪(2010/6/28)、 佐賀県1店舗、スーパーモリナガ吉野ヶ里店1,066坪(2009/12/2)、熊本県1店舗、マックスバリュ九州1,138坪(2009/12/2:熊本市)、大分県1店舗、(仮称)コープしもごおり店416坪(2009/12/18)、宮崎県1店舗、生活協同組合コープみやざき本郷店352坪(2010/2/23)となる。

   このように、2回に渡って、今後、新規出店予定の1,000平米(約300坪)の食品スーパーマーケット、101店舗を見たが、東日本47店舗、西日本54店舗とほぼ拮抗している。来年はデフレが鮮明になり、消費環境が厳しい状況が予想され、新店が出店できる食品スーパーマーケットと、できない食品スーパーマーケットでの業績の格差が大きくなるものと予想される。今回予定している各食品スーパーマーケットがどのような新店をつくるか、また、業績がどのように推移するか注目である。

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December 8, 2009 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

December 07, 2009

東日本編、食品スーパーマーケット新店情報!

   12/1、経済産業省から、大規模小売店舗立地法にもとづく、2009年10月末現在の小売業の大規模店舗の新規出店予定の状況が公表された。この法律は、店舗面積が1,000平米(約300坪)以上の小売店舗を大規模小売店舗と政令で定義しているため、それ以上の小売店舗を新設する場合には各自治体へ届け出が必要となる。そこで、この中から、食品スーパーマーケットのみを抽出し、10月末時点の日本全国の今後の食品スーパーマーケットの新店予定を見てみたい。なお、この10月末時点で届け出された大規模小売店舗は265件であり、その内、食品スーパーマーケットが101件である。そこで、今回は東日本と西日本の2回に分けて取り上げてみたい。まずは、東日本編47件すべての食品スーパーマーケットの出店予定を見てみる。

   北から見てみると、北海道では、コープさっぽろ恵み野店791坪(2010/3/15)、コープさっぽろ岩見沢店971坪(2010/4/11)、ダイイチ(2010/6/16:帯広)と3店舗がオープン予定である。いずれも来年春から夏にかけてのオープン予定である。ダイイチはホームセンターホーマックとともに、ショッピングンセンターでのオープンとなる。東北では、ヤマザワ塩釜中の島店1,218坪(2010/2/2)、ヤマザワ富の中店756坪(2010/1/2)、よねや角館店503坪(2009/12/23)、ヨークベニマル、メガステージ田村1,815坪(2010/1/23)、ヨークベニマル(仮称)泉・野村パーク1,335坪(2010/6/2)の5店舗である。売場面積は総売場面積であるので、自社の食品スーパーマーケット以外にも、衣料、専門店、テナント等が入るため、かなり、食品スーパーマーケットとしては、大きな面積となっている。こう見ると、東北では、来年も、前半は、ヤマザワ2店舗とヨークベニマル2店舗のオープンが予定されており、積極的に両食品スーパーマーケットが出店をしてゆくものと思われる。

   次に、関東を見てみたい。経済産業省では関東に東海、信越も入るため、全部で25店舗となる。都道府県別に見ると、東京都では、(仮称)オーケー多摩南大沢店586坪(2009/12/17)、スーパーアルプス、(仮称)コピオ羽村店1,634坪(2010/2/13)、コープとうきょう485坪(2010/2/18)、ヤオコー青梅今寺店872坪(2010/2/20)、(仮称)ライフ・葛飾奥戸店1,512坪(2010/3/1)、(仮称)サミットストア三鷹台店549坪(2010/5/9)、(仮称)ライフ神田和泉町店569坪(2010/6/1)と7店舗である。オーケーのみ年内オープン予定であるが、それ以外の6店舗は来年前半の予定である。東京都にはかなりの食品スーパーマーケットがあるが、意外に来年前半までの新規出店は少ないといえよう。

   ついで、東京都以外の関東を見てみると、埼玉県では、ヤオコー所沢美原店572坪(2010/1/30)、ヤオコー草加原町店806坪(2010/5/31)、マミーマート川口市芝店528坪(2010/6/2)、スーパーアルプス飯能美杉台店678坪(2010/6/30)、オーケー浦和原山店691坪(2010/3/1)、の5店舗である。地元ヤオコーが積極的な新規出店といえよう。神奈川県では、三和899坪(2009/12/15:港北区)、東急ストア4,008坪(2010/4/1:戸塚区)、東急ストア493坪(2010/1/28:都筑区)の3店舗、千葉県ではサンベルクス530坪(2010/3/31)、ベイシアいすみ大原店1,586坪(2010/6/2)の2店舗であり、茨城県では、とりせん大沢店558坪(2010/1/30)、カスミ瓜連店1,027坪(2010/3/31)、セイミヤモールかすみがうら955坪(2010/5/4)、ヨークベニマル水戸浜田店609坪(2010/6/29)の4店舗である。そして、栃木県ではたいらや、アクロスプラザ足利900坪(2010/2/16)、群馬県では、ヤオコー桐生境野店808坪(2010/3/1)のそれぞれ1店舗づつである。首都圏は東京都7店舗、埼玉県5店舗、神奈川県3店舗、千葉県2店舗、茨城県4店舗、群馬県1店舗、栃木県1店舗の合計23店舗となる。

   そして、首都圏以外の関東管轄地区であるが、長野県がいちやまマート諏訪店685坪(2010/4/12)、(仮称)バロー上田秋和店533坪(2010/5/17)の2店舗、新潟県が原信2,138坪(2010/3/4:アクロスプラザ長岡A街区)、原信近江店632坪(2010/2/9)、ウオロク966坪(2010/2/1)の3店舗、静岡県がバロー静波店530坪(2009/12/21)、バロー大坪店446坪(2009/12/10)、マックスバリュ東海静岡曲金店685坪(2010/3/10)の3店舗である。

   最後に、中部地区であるが、バロー岩倉店416坪(2009/12/21)、(仮称)バロー東海名和店870坪(2011/4/21)、(仮称)フィールやなべ店555坪(2010/5/10)、(仮称)フィール春日井南店900坪(2010/5/30)、マックスバリュ中部3,890坪(2010/2/1)、バロー相木店2,864(2010/6/8)、バロー堀越店868坪(2010/3/8)、ヤマナカ則武店497坪(2010/4/1)と8店舗である。バローが積極的な出店であり、関東管轄区域で7店舗と、東日本では最多店舗数である。

   このように、2009年10月現在、1,000平米以上の今後の食品スーパーマーケットの東日本の出店状況であるが、北海道・東北8県、首都圏23件、東海・信越・中部16件の合計47件となる。10月現在であるので、来年前半までの状況であり、後半はまだ今後、続々と届けが出されるものといえ、年間では、この2倍近い出店となるのではないかと予想される。また、今回の東日本編では、全47件の内、23県が首都圏、約50%となり、東京都、埼玉県、茨城県が多いのが特徴である。今後、ここに取り上げた食品スーパーマーケットが今年後半から来年前半にかけて順次オープンしてくるものといえ、各食品スーパーマーケットがどのような新店をオープンするか注目である。

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December 7, 2009 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

December 06, 2009

日経MJ、新製品週間ランキング、12/4、菓子に注目!

   12/4、日経MJが新製品週間ランキングを公開した。今週は、解説でも取り上げられているが、菓子が好調である。特に、菓子部門、3位に亀田製菓と明治製菓のコラボ企画、柿の種チョコ&アーモンド110gが初登場で3位に入った。金額PI値も345円であり、Aランクの500円まではいかなかったが、Bランクの300円を超え、上々の滑り出しである。まだカバー率が44.8%と低いが、この金額PI値が継続できれば、菓子の中でもトップクラスの金額PI値となるため、確実に定番化されるものといえ、急激にカバー率があがる可能性が高いといえよう。実際、菓子部門ベスト10のカバー率は、この新製品を除き、すべて60%以上であり、最高100.0%である。したがって、ベスト10以内の金額PI値を維持できれば、カバー率は確実に上がるといえよう。

   一般に、金額PI値で商品をランク付けする場合、金額PI値500円(1人当たり0.5円)以上がAランクと見て良い。これを超える商品は稀であり、まして、新製品では極めて高い数字である。ついで、金額PI値300円がBランク、200円がCランクと見て良い。したがって、この新製品週間ランキングを見る時には、この基準で見ると、それぞれの新製品の位置づけが明確になるといえよう。実際、このランクで、今週の新製品を見てみると、今週は菓子部門が最も活気のある部門であることがわかる。Aランクこそ0であるが、Bランクが4品、Cランクが3品あり、他の部門よりもランクの高い新製品が多いのが特徴である。ちなみに、飲料はCランク1品、冷凍食品はランク外のみ、その他食品はAランク1品、Bランク2品、Cランク1品であり、家庭用品はAランク1品、Bランク2品、Cランク4品である。

    そこで、今週は、この菓子部門に注目といえよう。菓子分門で最も注目すべき新製品は、はじめにも取り上げた、3位となった亀田製菓、柿の種チョコ&アーモンド110g、金額PI値345円である。では1位は何であろうか、これが、先にもふれたカバー率100%の新製品であり、明治製菓、ミルクチョコレート58g、金額PI値377円である。このカバー率100%は、今週の新製品の中では、この新製品を除き0であり、唯一の新製品である。年間でもそれほど多くはなく、カバー率100%は中々達成するのが難しい数字である。この日経MJの場合は、対象食品スーパーマーケットが、全国49チェーン250店舗であるので、このすべて250店舗で1週間に1個以上の販売実績が上がった新製品であるので、達成すのは至難の業である。

   もう少し、このNo.1の明治製菓、ミルクチョコレート58gを解析してみたい。金額PI値が377円、平均単価が84円であるので、ここからPI値を逆算してみると、金額PI値=PI値×平均単価であるので、PI値=金額PI値÷平均単価となる。したがって、PI値=(377円÷1,000人)÷84円=0.004個、0.4%となる。ここから、平均的な食品スーパーマーケットの販売数量を推測してみると、2,000人/日の食品スーパーマーケットでは、2,000人×0.4%=8個となる。3,000人/日で12個である。週間在庫を計算すると、×7日で、56個、84個となり、これはかなりのボリュームである。いかに、このミルクチョコレートの数字が高いかがわかる。菓子部門の定番の全商品を入れても、これだけ高いPI値の商品は少ないといえ、今週、1位になり、しかも、カバー率が100%になったのも頷ける数字である。

   菓子部門では、これ以外にも、2位にカルビー、じゃがりこサラダ60g、金額PI値350円、カバー率99.6%、4位、5位もカルビーであり、ポテトチップスうすしお味60g、金額PI値308円、カバー率93.6%、コンソメパンチ60g、金額PI値285円、カバー率94.4%が入った。さらに、カルビー関連では、7位、8位に今週初登場の四季ポテトゆず胡椒味58g、金額PI値240円、カバー率67.2%、こんがりチェダーチーズ味58g、金額PI値226円、カバー率66.8%が入った。また、その間、6位には、江崎グリコ、チーザ<ゴルゴンゾーラチーズ>38gが金額PI値273円、カバー率73.6%で入った。以上の8品が菓子部門のCランク200円以上の新製品である。

   また、これら菓子部門とは部門が違い冷凍食品に分類されているが、アイスクリーム、すなわち、冷菓も今週は金額PI値こそ、やや低い数字であるが、ベスト20品の内、19品を占めている。いわゆる冷凍食品は1品のみであり、ここでも菓子、すなわち、アイスクリームが注目である。特に、1位はロッテアイスの雪見だいふくダブル生チョコレート94ml(47ml×2個)であり、金額PI値154円であり、カバー率は65.2%である。アイスクリームでもチョコレートがキーワードといえ、この冬はチョコレートが何といってもポイントといえよう。

   このように今週の新製品週間ランキングは菓子部門が食品全体を牽引しており、特に注目は菓子の中のトップカテゴリー商品群であるチョコレートと柿の種が融合したコラボ商品である。しかも、これは、菓子部門の新製品1位の明治ミルクチョコレートを使っての柿の種であり、注目といえよう。また、アイスクリームでも雪見だいふくとチョコレートのコラボ商品がトップとなっており、チョコレートが既存の人気商品をさらに押し上げているといえ、興味深い結果といえよう。今後、チョコレートはバレンタインデーが近付くにつれ、さらに、加熱してくるものといえ、この冬はチョコレートだけでなく、そのコラボ商品にも注目したい。

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December 6, 2009 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

December 05, 2009

ID客数PI値って何?

   前回、客数PI値について解説したので、今回は、もう一歩踏み込み、ID客数PI値について考えてみたい。ID客数PI値は客数PI値にIDがついたものであり、ID-POS分析には必須の指標である。ID-客数PI値なくして、ID-POS分析は成り立たないといえる。その意味では、客数PI値よりも、メジャーな指標となる可能性が高く、ID-POS分析が普及すればするほど、ID客数PI値は一般化することになろう。そこで、ここでは、ID客数PI値とは何か、客数PI値とはどう違うのか、ID客数PI値の将来展望を解説してみたい。

   まず、ID客数PI値とは何かであるが、これは、客数をIDで割ったものである。一般的に小売業では客数のことをIDとは捉えていない。それは長らく、IDそのものを正確に把握することが技術的にできなかったため、IDを数字で捉えることができなかったからである。したがって、IDの研究は小売業ではまだまだ一般化しておらず、実際の小売業でIDを分析し、その数字を現場に活かし、実績を上げている企業はごくわずかといえ、特に、食品スーパーマーケットではまだまだごく限られた企業のみのといえよう。

   では、小売業における客数とは何かであるが、これはレシートのことである。レシート=客数ととらえているのが小売業の客数の実態である。したがって、IRなどで公表されている年間客数はレジ通過の総レシート枚数のことである。これを客数として捉え、1店舗およそ100万人近い客数となり、100店舗で1億人の年間客数となる。セブンイレブンやウォルマートの客数も同様であり、すべて、客数というと、通常はレシート枚数のことである。

   もちろん、ポイントカードを導入している小売業はすべて何らかの形でIDを把握しているので、最近ではIDで客数を把握できるようにもなり、ほぼ正確なIDの客数もわかるようになってきた。そこで、登場するのが、ID客数PI値である。ID客数PI値とは、これまでの客数=レシートとIDとを結びつるける根幹指標のことであり、数式ではID客数PI値=客数(レシート)÷IDとなる。このID客数PI値が生まれたことにより、はじめて、これまでの客数(レシート)の世界がIDとつながることになり、ID-POS分析が飛躍的に進むことになったといえる。

   なぜなら、これまでのマーチャンダイジング理論の根幹、金額PI値をID客数PI値を通じて、ID金額PI値と結び付けることが可能となったからである。これも本ブログでは何度も取り上げているが、ID金額PI値=ID客数PI値×金額PI値であり、まさに、右側は客数(レシート)の世界、左側はIDの世界であり、この2つの世界がID客数PI値を通じて結びつき、様々なID-POS分析が可能となる。しかも、これまでは金額PI値の分析が主なマーチャンダイジング理論を形作っていたが、ID客数PI値を通じて、IDの世界とつながることにより、IDと結び付いたマーチャンダイジング理論の構築が可能となったことである。

   この数式が示すように、ID客数PI値は1ID当たりのレシート枚数であるので、これは、ある購入期間におけるIDの購入頻度を表しており、IDの世界では、マーチャンダイジングに頻度という概念が必然的に組み込まれることになり、頻度分析が可能となる。さらに、商品をIDから見ることが可能となり、これまでの特定レシート(商品分類など)のマーチャンダイジングを取り上げるだけでなく、IDの総レシートを分析対象とすることも可能となり、併売分析や、最近の最先端のマーチャンダイジング理論であるファイナンス、特に、キャッシュフロー分析への応用も可能となりつつある。本来、小売業におけるキャッシュフローは商品から見るよりも、実は、顧客から見た方がはるかに実務的であり、キャッシュフローの増大につながるはずである。ただ、これまでは、顧客、すなわち、ID分析ができなかったがために、このようなアプローチができなかったが、今後は、これに限らず、IDの世界から見ることにより、様々な展開が可能となろう。

   次に、ID客数PI値と客数PI値の違いであるが、これは、ID客数PI値がIDと客数(レシート)を結びつける指標であるのに対し、客数(レシート)同士を結び付ける指標が客数PI値である。分母、分子双方が客数(レシート)となり、すべて、客数(レシート)の世界だけで活用される指標である。これは、ID金額PI値=ID客数PI値×金額PI値の右側の世界である。では、左側の世界、IDに客数PI値はないのかという疑問がわくと思うが、これも当然ある。ID客数PI値IDである。数式はID÷IDとなり、左の世界、すなわち、IDの世界だけで活用される客数PI値である。

   このように、客数PI値はID-POS分析の時代となり、3つに分化し、客数(レシート)のみの世界で活用する客数PI値、客数(レシート)とIDの世界を結びつけるID客数PI値、そして、IDの世界のみで活用するID客数PI値IDがある。ID-POS分析とは、この3つの客数PI値を縦横に駆使し、マーチャンダイジングの本質に迫ると同時に、経営の根幹キャッシュフローにも迫ってゆくことになる。その意味で、いずれ、客数PI値はマーチャンダイジング、そして、経営の根幹指標となる日が来るのではないかと思う。

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December 5, 2009 in CRM、FSP, 経済・政治・国際, PI値 | | Comments (0) | TrackBack (0)

December 04, 2009

客数PI値って何?

   最近、客数PI値についての質問を良く受けるようになった。特に、メーカーの方から、カバー率とどう違うのかという質問を受ける。小売業でも、チェーンストア全店の導入率と、どう違うのかという質問を受ける。また、そもそも、PI値に客数PI値があるのかという素朴な質問も受けることが多い。確かに、客数PI値はPI値の中でも、比較的最近、基礎概念が確立された指標であり、馴染みが薄いのは事実であり、流通業界でもまだ一般化しているとはいえない。業界用語としても、PI値はほぼ認めらたといえるが、客数PI値は、まだまだ、これから認知される指標の中のひとつの候補といえよう。

   ただ、ID-POSの時代になると、必然的に客数PI値、特に、ID客数PI値は必須となり、ID-POS分析をするにあたっては、客数PI値なしには、理論的な分析は不可能である。ID-POS分析の普及とともに、客数PI値が浸透し、将来的には客数PI値が主役の座になることも十分に考えられる指標である。その意味で、客数PI値は、PI値を理解し、マーチャンダイジングを理解する上においては極めて重要な指標といえる。

   そこで、まず、客数PI値を理解するために、身近な客数PI値の事例から入り、その後、客数PI値のPI値理論、すなわち、マーチャンダイジングを理解する上で、その意義をまとめてみたい。

   まず、カバー率と客数PI値の違いであるが、数式的には、カバー率は導入店舗数÷全店舗数であり、店舗÷店舗のことである。ここに、数量、金額、客数は絡んでこない。これに対して、客数PI値は導入店舗の客数÷全体の客数であり、客数÷客数のことである。店舗の客数がすべて同じ客数であれば、カバー率=客数PI値となるが、店舗の客数にバラツキがあると、カバー率と客数PI値はかなり差がでる。実際、食品スーパーマーケットの客数を見ると、100店舗クラスになると、1,000人/日から5,000人/日ぐらいまであり、かなり、客数にバラツキがあるのが実態である。したがって、カバー率と客数PI値はこと食品スーパーマーケットではかなり差があるのが実態といえよう。

   また、客数PI値は理論的には、全体の金額PI値(PI値)=客数PI値×導入店舗の金額PI値(PI値)という数式で結ばれ、導入店舗の客数÷全体の客数が客数PI値となり、全体と導入店舗を結びつける架け橋となる。ところが、カバー率は客数PI値のかわりにはならず、理論的に当てはめる場所がない。強いていえば、カバー率を100%に近付けてゆく、目標設定のひとつ、行動計画のひとつの指標ととらえるのが順当といえよう。逆に、客数PI値は理論的には明快な指標のひとつであるが、目標設定にはやや分かりにくい面もある。

   次に、チェーンストアで使う客数PI値であるが、良く目にするケースが、チェーン全体の金額PI値が算出されていた場合、その金額PI値がチェーン全体の客数で割ったものか、導入店舗の合計客数で割ったものかが、一見して、わかりにくいというケースがある。最近では、これを厳密に分けて提示する場合も見られるが、現状はどちらかひとつの場合が多いのが実態である。これは、実際に算出してみると、かなり大きな差があり、特に、導入店舗が少ない場合の金額PI値に大きな格差がある。

   余談だが、毎週、金曜日に日経MJから公表される新製品週間ランキングがある。このランキングは金額PI値で評価されているが、その金額PI値は全体、すなわち、対象店舗全体の客数で割ったものか、それとも、新製品の導入店舗のみの客数で割ったものかが明示されていない。かなりの読者が全体の客数で割った対象チェーン全体の金額PI値であると思っているようであるが、あれは、新製品の導入店舗のみの客数で割った導入店舗のみの金額PI値であり、それでランキングをとっているといえる。本来であれば、全体の金額PI値=客数PI値×導入店舗の金額PI値と、双方を明示した方がわかり安いと思うが、客数PI値のかわりにカバー率が、参考に示されており、全体の金額PI値は推測するということになる。

   客数PI値を理解する上で、もうひとつ身近な事例は、大リーグの得点圏打率である。日本の野球では大リーグほど指標開発が進んでいないため、単純な打率が一般的であり、得点圏打率はあまり使われることがないが、大リーグでは、これ以外にも様々な指標開発が盛んである。では、なぜ、このような指標開発が大リーグで進んだかであるが、その理由は客数PI値が背景にあるといえよう。得点圏打率は、全体の打率=客数PI値×得点圏打率という関係にあり、客数PI値が得点圏打席÷全打席となる。したがって、この分子を変えれば、いくらでも指標開発が可能であり、様々な打席で割って、全体の打率を様々な角度から分析できることになるからである。大リーグ用語でいえば、侵入率とほぼ客数PI値はいっしょである。

   このように、実は客数PI値は全体と部分を結びつける上においては極めて重要な指標であり、必須の指標といえる。むしろ、客数PI値を先に考えて、あとで、そこに数量を乗せたり、金額を乗せたり、ヒット数を乗せたりした方が、様々な指標を開発しやすいといえる。今後、この客数PI値が理解され、実際に分析され、浸透することにより、さらに、深く、マーチャンダイジングを理解することができるようになるといえよう。なお、ID客数PI値については、また、稿を改めて取り上げたい。

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December 4, 2009 in 経済・政治・国際, PI値 | | Comments (0) | TrackBack (0)

December 03, 2009

ワインが気になる、セブン&アイH、グローバルPB第1弾!

   家計調査データ、最新、2009年10月度のブログでワインについて言及した。ワイン、ぶどう酒の消費額は、10.00円/日(昨対163.2%)という異常な伸びを示しており、家計調査データでは、11分類約200項目に分けて消費動向を分析しているが、その中で、この10月度は伸び率No.1であった。しかも、ワインの消費世帯のみの消費額は112.74円(昨対166.7%)、消費世帯の割合は8.9%(昨対97.9%)という状況であり、この10月度は、ワインの購入世帯が増えたわけではなく、購入世帯の消費額が急激に増加したことがその原因である。ちなみに、ワインの購入世帯は家計の8.9%であるので、いつもワインを購入している家計がこの10月度は例年になく、ワインを金額ベースでたくさん購入したことになるので、数量か価格か、どちらか、ないしは双方が大きく上昇したことになる。

   残念ながら、ここから先には家計調査データでは踏み込めないので、推測になるが、恐らく、全体としては円高の影響でワインの価格は下がっており、したがって、数量が伸びたものといえよう。ただ、別の見方も成り立つ、一般にデフレになった場合は、消費者は価格の安い商品を買い求めることになるが、高額商品等については、これまでの値段でワンランク上の商品が購入できるようになるので、ワインについても、ワンランク上のワインを購入し、平均単価が上昇し、売上げを押し上げたということも考えられる。

   以前、チェーンストアエイジ誌でワインについてのPOS分析を取り上げたことがあるが、この時、食品スーパーマーケットには、ワインが約4,000種類販売されており、単純平均の中心プライスは約2.0円/mlであることを示した。また、最高ドンペリニヨンロゼ96、750mlの50.79円/mlから、最低olahona羽黒ブルーベリーとワインG360の0.14円/mlまであり、その中で、ワインの重点商品はほとんど0.5円/mlから1.0円/mlの範囲にあることを実証した。これだけ、プライスラインに差がある商品、しかも、これだけ品揃えが豊富な商品は食品スーパーマーケットの中でも珍しく、それだけ、ワインは特殊なカテゴリーであるといえる。

   したがって、この10月度のワインの異変は、デフレ、円高要因がこのワインに加わったことにより、構造変化が起こった可能性が高く、中心プライスが上向いた可能性も否定できず、当然、数量の増加もあったものと推測される。構造変化といえば、この10月度の家計調査データで、ワインの消費額の伸び率が大きく上昇したことにより、酒の全カテゴリーの中で、消費世帯のみでみた場合はビール、清酒、ウィスキー等を抜いて、No.1の消費額となった。

   そして、この10月を経て、11月は、かつてないボジョレーヌーボーの価格競争が繰り広げられた。西友がその火付け役といえよう。今年のボジョレーヌーボーの解禁日は11/19であったが、当初、西友はフランソワ・フッシェ ボジョレーヌーヴー PET(750ml)を食品スーパーマーケット業界ではじめて、890円で販売する予定であった、これはml単価1.18円であり、平均的なワインの約半値、ボジョレーヌーボーのこれまでの平均約2,000円強から見ても半値以下であり、十分に安い価格である。ところが、イオン、その他の食品スーパーマーケットが追随してきたために、解禁日前日には780円へ下げ、さらに、解禁日にはとうとう749円まで下げ、何とml単価1円を切るという破格の値段となった。これに刺激される形で、各食品スーパーマーケットがワインのディスカウントをくり広げており、ワインはまさに、異常な活況を呈している。

   恐らく、次の家計調査データ、11月度のワインは今回の10月度の166.7%までは難しいかもしれないが、かなりの伸びが期待できるのではないかと予想される。しかも、この10月度はワインの消費世帯のみの消費額が大きく上昇しての結果であるが、11月度は、このボジョレーヌーボーを機に、新規にワインを購入した家計も増えたのではないかと予想され、購入世帯の数も増えた可能性が高いといえよう。

   そして、このワインの激動を待っていたかのように、セブン&アイHが、11/4、グローバルPB(セブンプレミアム)の第1弾として、ワインを日米グループの約15,000店舗で発売を開始した。米国カルフォルニア産ワイン、ヨセミテ・ロード赤、白(750ml)であり、価格は598円である。ml単価0.79円と1円を大きく下回り、食品スーパーマーケットの重点商品のml単価が0.85円ぐらいであるので、下限のプライスラインにあたり、絶妙なプライスであるといえよう。今後、セブン&アイHは続々とグローバルPBの開発に入るとのことで、セブンプレミアムもこのワインを機に第2ステージに突入したといえよう。

   このように、この10月度、ワインが家計調査データでは、異常な消費増となり、さらに、11月度の西友主導のボジョレーヌーボーの価格競争、今回のセブン&アイHの本格的なPB、セブンプレアムのグローバルPBの参入状況を見ると、11月度もワインの消費額増が期待されよう。今年のワインはその意味で、11月以降、真冬の中で熱い戦いが繰り広げられるものといえよう。

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December 3, 2009 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

December 02, 2009

家計調査データ、2009年10月度、食品、99.9%!

   家計調査データの最新、2009年10月度が、11/27、総務省統計局から公表された。家計調査データは毎月月末に調査結果が公表されるので、現在12月に入ったが、最新のデータは10月度のデータである。その結果であるが、全消費額は9,283.52円(昨対98.7%)、外食を除く食品は1,963.13円(99.0%)と、デフレが進行する中、家計の消費は、この10月度は、堅調な数字となったといえよう。これに外食を加えた食料は2,373.03円(99.1%)であり、外食が409.90円(99.5%)であるので、伸び率が若干高く、その分、食料が食品をやや上回ったが、いずれにせよ、堅調な結果といえよう。なお、本ブログでは、家計調査データを1日当たりに換算し、さらに、消費世帯のみの消費額、消費世帯の割合を独自に算出するなど、より、食品スーパーマーケットの金額PI値(客単価)に近い数字で算出している。

   ちなみに、食料を全消費額で割れば、エンゲル係数が算出されるが、その数字は25.5%であり、現在、日本の家計の平均的なエンゲル係数は約25%、1/4を食費に費やしているといえよう。今後、デフレの進行で、全体の消費が縮む可能性があるが、エンゲル係数がどう変化するかも、食品スーパーマーケット業界にとっては、重要な数字のひとつといえよう。

   そこで、まず、大分類で見て、食品が、この10月度はどのような状況であったかを見てみたい。比較的堅調な消費であったのは、乳卵類110.39円(103.7%)、油脂・調味料111.16円(103.6%)であり、ついで、飲料118.00円(101.8%)、穀類255.16円(101.0%)である。逆に、消費が厳しかったのは、果物94.90円(88.2%)、魚介類216.52円(96.6%)、野菜・海藻276.06円(96.9%)、酒類110.06円(97.8%)、肉類209.58円(98.5%)である。こう見ると、生鮮食品が全滅であり、日配、グロサリーが好調であったといえよう。

   次に、好調な部門を押し上げた主な項目と逆に不振な部門に影響のあった項目を見てみたい。最も好調な部門、乳卵類と油脂・調味料であるが、乳卵類では、バター2.26円(111.1%)、チーズ11.00円(110.4%)が2桁の伸びであり、絶好調である。しかも、消費世帯の割合(客数PI値)が117.6%、108.4%と良く伸びており、新たな顧客を獲得しているのが特徴である。油脂・調味料では、マーガリン2.71円(112.0%)、マヨネーズ・ドレッシング8.52円(110.9%)、つゆ・たれ12.13円(110.3%)が2桁の伸びである。また、飲料では2桁まで伸びた項目はないが、全体的に堅調な伸びである。穀類では、カップめんが9.39円(115.5%)と2桁の伸びであり、めん類関連が比較的好調といえよう。これ以外の項目でも良く伸びた項目を見てみると、うなぎのかば焼き4.97円(121.3%)、やきとり5.19円(124.8%)、豆類1.68円(123.8%)、こんぶ3.81円(120.4%)、かき3.29円(124.4%)などが良く伸びている。

   さらに、この10月度、最高の伸びを示したのが、ぶどう酒(ワイン)10.00円(163.2%)、消費世帯のみ112.74円(166.7%)、消費世帯の割合8.9%(97.9%)である。ボジョレーヌーボーの解禁は11月19日であるので、この数字は10月度であるにもかかわらず、ワインが絶好調であったといえよう。しかも、消費世帯が増加したのではなく、ワインの消費世帯の需要が大きく拡大しての伸びであり、昨年と比べワインに異変が起こったといえる。逆に酒類では、ビール32.32円(84.6%)、発泡酒15.58円(88.6%)とビールが厳しい状況であり、さらに、これまで好調であったウィスキーが3.23円(89.3%)と厳しい状況である。

   一方、消費が不振な項目であるが、何といっても果物が厳しい状況であり、これまで絶好調であったバナナが一巡し、先月から落ち込みはじめ、この10月度もバナナ12.48円(68.5%)と、厳しい状況である。その要因であるが、消費世帯のみ17.73円(67.8%)、消費世帯の割合70.4%(101.0%)という状況であり、消費世帯の割合はむしろ伸びており、消費世帯のみの消費が激減している。恐らく、数量ではなく、円高等もあり、価格が下がったことが大きいのではないかと推測される。こう見ると、先のワインも円高の影響も考えられ、バナナとは逆に、価格が下がった分、数量が増えたのではないかと推測される。果物は、このバナナ以外にも、なし10.68円(78.3%)、さらに、みかん16.87円(91.9%)、りんご16.61円(96.8%)と、主力項目が軒並み昨対を割っており、厳しい状況である。

   また、野菜もだいこん6.52円(82.8%)、きゅうり7.87円(85.6%)、なす3.90円(85.8%)、ほうれんそう5.87円(89.7%)と下がった項目が多く、厳しい消費である。さらに、魚介類では、かつお3.13円(79.5%)、あじ3.23円(81.3%)、塩さけ4.74円(83.5%)、いか6.84円(84.5%)、かに2.94円(85.8%)、たらこ7.10円(87.0%)など、2桁減の項目が多い。肉類でも牛肉51.03円(98.9%)、豚肉68.68円(98.2%)、鶏肉34.42円(95.6%)と、生鮮肉が伸び悩んでいる状況である。

   このように、2009年10月度の家計調査データは全体としては、堅調な数字となったが、個々に見ると、日配、グロサリー関連に好調な項目が目立ち、逆に生鮮食品は全滅ともいえる状況であり、この両極端な状況を合わせてバランスをとった構図といえよう。今後、デフレが鮮明になる中、年末、年始を迎え、消費がますます厳しくなることが予想され、食品スーパーマーケット業界としては、消費動向をしっかり見極め、メリハリをつけたマーチャンダイジングに取り組む必要があろう。

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December 2, 2009 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

December 01, 2009

ユニバース、2010年4月期、中間決算、増収減益!

   ユニバースが11/24、2010年4月期の中間決算を公表した。結果は、売上高491.76億円(103.0%)、営業利益16.57億円(96.2%:売上対比3.36%)、経常利益17.23億円(97.3%:売上対比3.50%)、当期純利益9.69億円(99.7%:売上対比1.97%)となり、増収減益のやや厳しい決算となった。特に、既存店が97.8%となったことが、減益の要因といえる。さらに、その要因を見ると、客数が97.7%、客単価100.1%であり、客数ダウンが大きかったといえる。ただ、客単価に関しても、PI値102.3%、平均単価96.7%であり、デフレ基調が続く厳しい消費環境の中で、価格競争が激化しており、これが、原価、経費等に響いたともいえよう。

   ちなみに、ユニバースの今期中間決算時の客数、客単価、PI値、平均単価の実際の数字であるが、売上高約600万円強/日・店舗、客数は約3,000人/日・店舗、客単価2,129円、PI値1,170%(11.7個/客数)、平均単価182円である。通常の食品スーパーマーケットよりも、売上高、客数、客単価ともに高い数字であり、北東北の中では圧倒的な存在感である。これは、早くからユニバースがSSM(Superスーパーマーケット)を目指し、現在、平均売場面積が641坪という大型化に成功し、的確な立地選定、生鮮食品売場の充実、品揃えの拡大と戦略的な取り組みを意識的に実現させてきたためである。結果、現在、北東北では最も競争力のある食品スーパーマーケットとなり、人口減少地域、青森において、約10年に渡って売上高を増加させており、市場シェアを確実に勝ちとり、青森県の食品小売市場において約20%のシェアを獲得した。   

   ただ、さすがに、ここ最近の消費環境の激変は、ユニバースをもってしても、やや苦戦しており、売上げは確保できたが、利益は減益となる結果となった。その要因を原価、経費双方の面から見てみると、まず、原価であるが、74.95%(昨年74.93%)と、ほぼ横ばいとなり、原価の上昇はみられない。ユニバースも、「お客様の節約志向・低価格志向にお応えするために、前期より引き続き「安さに挑戦!家計応援価格」宣言と銘打ち、毎日の暮らしに必要な商品1,800品目の値下げを継続し、・・」とコメントしているように、強力な価格競争を繰り広げているが、原価への影響はなかったといえよう。結果、売上総利益は25.05%(昨年25.07%)となった。

   一方、経費の方であるが、21.67%(昨年21.45%)と、若干、経費が上昇した。これは、既存店が97.8%となったことが、相対的に固定費を引き上げたためと考えられる。結果、差し引き、マーチャンダイジング力は3.38%(昨年4.16%)となった。ユニバースはその他営業収入が0であるので、これが、そのまま営業利益となるが、昨年と比べ、経費上昇分、営業利益が下がった形であり、減益となった。一般に、既存店の売上げが下がると、相対的に固定費が上がるため、経費が上昇し、結果、減益となることが多いが、まさに、この中間決算時のユニバースは、既存店の売上げが下がり、減益となっているといえる。今後、いかに、既存店の活性化を行い、利益の改善につなげるかが課題といえよう。

   これに対し、財務面であるが、特に、今後、北東北でユニバースがさらにシェアを獲得できるかをうらなう上で最も重要な指標、出店余力を見てみたい。まず、ユニバースの自己資本比率であるが、62.9%(昨年60.6%)と、若干増加しており、しかも、60%台と、食品スーパーマーケット業界でも高い数字である。一方、出店に関する資産、土地、建物であるが、207.48億円となり、これに、差入保証金(前期決算時)32.39億円を加えると239.87億円となる。これは、総資産365.95億円の65.5%となる。したがって、出店余力は差し引き、-2.6%であり、決算公開企業約50社ではベスト15前後の数字であり、トップクラスの数字といえよう。現在、ユニバースの有利子負債は32.71億円(総資産の8.9%)であるので、今後、有利子負債の削減がすすめば、さらに、出店余力は高まるものと思われる。また、今期のキャッシュフローの投資キャッシュフローを見ると、18.37億円を出店にかかわる資産へ配分しており、これは、ユニバースの1店舗あたりの出店にかかわる資産が5.46億円(前決算時)であるので、逆算すると3.36店舗であり、ユニバースが現在45店舗であるので、堅実な成長を達成するための店舗数であるといえよう。

   こう見ると、ユニバースの出店余力はもう一段、負債、特に有利子負債を圧縮し高めたいところであると思われるが、現時点でもトップクラスの数字であり、キャッシュフローを見ても、今後とも堅実な新規出店を目指していることがわかる。したがって、厳しい消費環境においても、堅実な成長をはかり、北東北でのシェアを引き上げてゆくものといえよう。

   このように、2010年4月期のユニバースの中間決算は、増収減益となるやや厳しい数字となった。特に、既存店の客数が下がり、売上がダウンし、結果、経費が上昇したことがその原因といえよう。今後、後半以降もデフレはさらに進行し、厳しい消費環境となるものと思われるが、ユニバースが、後半に向けて、どのように既存店の活性化に取り組むか注目である。

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November 30, 2009

売上速報、食品スーパーマーケット、2009年10月度!

   食品スーパーマーケット月次売上公開企業24社の2009年10月度の売上速報を独自に集計した。結果は、全体が102.0%、既存店は96.4%となった。この1年間の推移を見ると、9月度102.2%(既存店97.1%)、8月度101.2%(96.1%)、7月度100.4%(96.0%)、6月度101.3%(96.5%)、5月度104.9%(99.0%)、4月度102.2%(96.9%)、3月度101.5%(96.4%)、2月度102.3%(96.9%)、1月度104.7%(99.7%)、2008年12月度104.0%(99.2%)、11月度106.2%(101.5%)、10月度103.9%(99.5%)という状況である。こう見ると、2月以降、売上げが明らかに下がっており、しかも、既存店の落ち込みが大きく、この10月度も、同様に売上げが伸び悩んでいる状況である。

   この売上速報を公開している食品スーパーマーケットの内、約半分が客数、客単価まで公開しており、さらに、その約半分がPI値、平均単価まで公開しているが、その状況を見ると、既存店は客数、客単価ともに落ち込んでおり、しかも、PI値は昨対を超えているが、平均単価の落ち込みが大きい状況である。やはり、ここへ来て、価格競争が激化し、価格を下げざるをえない状況が、この結果に反映されたものといえよう。

   このような状況の中で、売上げを大きく伸ばしている食品スーパーマーケットが2社ある。スーパーバリュー124.2%(既存店100.4%)、マックスバリュ東海121.9%(92.9%)である。どちらも、店舗数が大きく増加しているのが特徴である。スーパーバリューは、ここへ来て、積極的に新規出店を行っており、最近では居抜き物件での新規出店をはじめ店舗数が現在14店舗となった。ここ最近の新規出店の状況を見ると、2008年11月川口前川店、12月入間春日町店、2009年7月東所沢店、10月荒川一丁目店と4店舗増加している。さらに、10月度の売上げには入っていないが、11月に大宮天沼店、見沼南中野店と同時に2店舗新規オープンしている。まだ、店舗数が14店舗であるので、1店舗の新規オープンの全体へ与える影響も大きく、率では124.2%と高い伸び率となった。今後、1年間はほぼ、このペース以上の伸び率となるものと予想され、食品スーパーマーケット業界では当面、No.1の伸び率を維持するものと思われる。

   一方、マックスバリュ東海であるが、121.9%とスーパーバリュー同様、好調な売上げである。これは、新規出店よりも、M&A効果によるところが大きく、昨年8月のM&Aにより、シーズンセレクト11店舗を譲り受け、昨年11月度から売上げ計上されており、さらに、今年に入り、この9月にはイオンリテールから6店舗を譲り受け、これに、独自の新店も加わり、大きく売上げをのばしている状況である。ただ、既存店が92.9%と厳しい状況であり、今後、既存店の活性化が急務といえよう。

   この2社以外にも、昨対を超え、堅調な売上げを維持している食品スーパーマーケットであるが、103.0%以上の食品スーパーマーケットを見てみると、ハローズ109.0%(既存店95.9%)、バロー106.9%(100.0%)、オオゼキ105.0%(101.4%)、カスミ104.9%、ダイイチ104.5%(96.9%)、マックスバリュ中部103.0%(99.2%)である。いずれの食品スーパーマーケットも既存店は伸び悩んでいるが、新店により、堅調な売上げを維持している。特に、大黒天物産、バローはエリアを超えての新規出店に積極的であるのが特徴である。

   ハローズは、地元は広島県であるが、早くから瀬戸内海全体を意識したエリア拡大の構想を示しており、来年11月には、この構想を実現するための早島物流センターが稼働する予定である。すでに、四国エリアに4店舗オープンしており、四国エリアが第2ドミナントとなりつつある。また、バローは地元中部エリアに加え、東海エリア、北陸エリア、そして、関西エリアへの参入もはじまり、4エリア目のエリア拡大となった。今後、それぞれのエリアにおいて、さらに、M&A、新規出店がなされてゆくものといえ、売上げの拡大が続くものといえよう。

   また、オオゼキは3年ぶりに、新エリア千葉県への新規出店を果たし、カスミはディスカウントストア、フードoffストッカーの既存店の改装を加速しており、現在22店舗にまでになった。そろそろ、新店の開発もはじまるものといえ、他の業態とともに、新店の増化が増えるものといえよう。ダイイチ、マックスバリュ中部も新店の効果が大きく、既存店が伸び悩む中、堅調な売上げを維持しているといえる。このように、新店を出店できる食品スーパーマーケットは、この10月度も売上げは好調に推移しているといえる。

   一方、全体の売上げが厳しい食品スーパーマーケットであるが、マックスバリュ東北97.9%(既存店97.6%)、Olympic 97.7%( 95.5%)、トーホー97.7%(98.1%)、マックスバリュ北海道97.0%(94.8%)、PLANT97.0%、いなげや95.2%(92.1%)、エコス94.0%(95.0%)、アークランドサカモト 92.4%(93.9%)という状況である。いずれも、新店が十分に出店できない状況であるといえ、新店の有無での差が大きいといえよう。

   このように、2009年10月度の食品スーパーマーケットの売上速報は明暗が分かれ、新店、M&Aに積極的に取り組めた食品スーパーマーケットは売上げが好調であり、新店が十分に出店できなかった食品スーパーマーケ
ットは売上げが厳しい状況となった。また、全体的には平均単価の下落傾向が鮮明であり、既存店の数字が伸び悩んでおり、当面、食品スーパーマーケット業界はデフレへの対応が最優先課題となろう。来月以降、明暗がさらに広がることが予想され、食品スーパーマーケット業界では、今後、2極化が拡大してゆくのではないかと懸念される。

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November 30, 2009 in 経済・政治・国際, 食品スーパーマーケット売上速報 | | Comments (0) | TrackBack (0)

November 29, 2009

消費者物価指数(CPI)、デフレ、ピークへ!

   消費者物価指数(CPI)、2009年10月度が、11/27、総務省統計局から公表された。政府がデフレ宣言をしたが、まさに、それを裏付ける結果となった。消費者物価指数には総合指数が3つあり、文字通り総合指数と国内相場、国際相場を除いた、生鮮食品を除く総合指数、食料(酒類を除く)及びエネルギーを除く総合指数がある。その結果であるが、総合指数は平成17年度を100として、100.0%、生鮮食品を除く総合指数は100.1%、食料(酒類を除く)及びエネルギーを除く総合指数は98.6%となり、一見、さほど落ちていないように見えるが、これを前年比でみると、それぞれ、-2.5%、-2.2%、-1.1%と、すべての指数がマイナスとなった。

   さらに、この前年対比を時系列のグラフで見ると、総合指数は過去4年間で最低の数字となり、この10ケ月の傾向は、明らかに右下がりとなっており、しかも、年初来最も低い数字となっている。同様に、生鮮食品を除く総合指数も過去4年間で最低の数字であり、過去10ケ月で最も低い数字である。さらに、食料(酒類を除く)及びエネルギーを除く総合指数については、過去4年間のなかでは、大きく数字が下回り、その差の拡大傾向が鮮明である。過去10ケ月で見ても、最も低い数字ではないが、底を這うような動きである。こう見ると、明らかに、消費者物価指数はデフレ傾向が鮮明であり、今後、さらに、状況が悪化する兆候が表れているといえよう。

   消費者物価指数(CPI)の過去4年間の月別時系列グラフを見ると、3つの指標がきれいなサイン(sin)カーブとなっており、現在、2009年10月の位置は、マイナスの頂点を目指しつつあるように見える。したがって、まだ、頂点には届いていない可能性が高い。消費者物価指数が、このサインカーブでマイナスに転じたのは、まさに、今年の1月、2009年1月であるので、10月が仮に頂点だとすると、少なくとも、今後10ケ月はマイナスが続くことになる。2009年1月前はプラスの山が2007年10月から始まっており、2009年12月までの15ケ月間の山であった。全く同じ期間の谷を考えても5ケ月は続くことになるが、まだ頂点にはいってないように見えるので、やはり、それ以上のマイナスが継続する可能性が高いといえよう。少なくとも、当面はデフレが深刻化する兆候が、このグラフでも明らかに表れているといえる。

   では、何が特にデフレ傾向を示しているかを、10大費目、特に、寄与度で見てみたい。全体が前年同月比-2.5%であるので、寄与度をすべて足すと、-2.5%となるので、寄与度の高い順に見ると、最も大きくデフレ寄与度の高い項目は、光熱・水道の-0.67%であり、ついで、交通・通信の-0.64%、食料の-0.53%である。この3つで合計-1.84%となり、-2.5%の75%弱となり、大半を占め、現在のデフレはこの3つが大きな項目であるといえる。これ以外では、教養・娯楽の-0.36%、家具・家事用品の-0.12%であり、その他はほぼプラスマイナス0に近い数字である。

   そこで、最も、デフレ寄与度の高い項目、光熱・水道、交通・通信、食料について、さらに、細目で見てみたい。まず、光熱・水道であるが、灯油の-37.1%が最も大きく、これだけで、寄与度-0.34%である。ついで、ガソリン-19.4%、都市ガス代-10.6%、電気代-6.7%と、すべてのエネルギー項目がマイナスとなっている。ついで、交通・通信であるが、何といっても外国パック旅行が-22.8%と大きく落ち込んでおり、寄与度も-0.15%である。この数字を見ると、これが、JALのここへ来ての急激な経営悪化の一因であるこことがわかる。これについで、高速自動車国道料金が-6.6%、航空運賃-2.5%となる。

   そして、食料であるが、食料は大きく生鮮食品と生鮮を除く食料とに分かれるが、この10月度はそれぞれ、寄与度が-0.29%、-0.25%と、どちらも同じくらい、物価が下がっており、ほぼ全面安の傾向が強いといえる。特に、下がっている項目であるが、前年同月比で見ると、食用油-18.8%、チーズ-11.8%、マヨネーズ-10.9%、牛肉B(輸入等)-9.6%、ミネラルウォーター-9.4%であり、円高の影響もあると思われる。また、これ以外でも野菜・海藻-6.5%、果物-5.9%、飲料-3.4%という状況である。

   また、消費者物価指数を財、サービスという観点で見た場合、全体の寄与度-2.5%の内、財が-2.21%、サービスが-0.25%であり、圧倒的に財がデフレ傾向を鮮明に示している。その中でも工業製品が-1.56%と大きく、ついで、農水畜産物-0.37%、電気・都市ガス・水道が-0.31%となる。

   このように、2009年10月度の消費者物価指数(CPI)は明らかにデフレ傾向が鮮明に表れており、しかも、今年に入ってその深刻さを増しており、まだ、ピークが見えない状況である。過去4年間の流れを見ても、今年に入っての流れを見ても、デフレがすぐに収束しそうな兆候はなく、短期はもちろん、中、長期的にデフレが続く可能性が高まったといえよう。食品スーパーマーケット業界にとっては、中、長期のデフレを前提とした経営戦略を再構築する必要があるといえ、来期へ向けて、政策転換をする決断がまさに迫られる段階に入ったといえよう。

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November 29, 2009 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

November 28, 2009

mixi、TI(Time Index)、日本最高!

   サンシャイン牧場(3,207,473人)、マイミク通信簿(2,972,192人)、脳力大学-漢字テスト(2,268,951人)、血液型自分の説明書診断(1,761,513人)、みんなの農園(1,398,848人)、記憶スケッチ(1,091,020人)、みんなの動物広場(1,034,748人)、・・以上が11/27現在、100万人を超えるmixiアプリである。すでに、100タイトル以上あり、日々、新アプリが登場している。このmixiアプリが、mixi上に登場したのが8/24であるが、その後、mixiに異変が起こった。ネットレイティング社が11/26、公表した調査結果によると、mixiの総利用時間が急拡大、それまで、月間約13億分であったものが、9月には17.0億分、10月には26.8億分へと急角度で上昇、とうとうyoutubeを抜き去り、No.1のyahoo!についで、2位へと躍進した。

   No.1のyahoo!の総利用時間は144.8億分と、断トツのNo.1であるが、これを利用者1人当たりの利用時間(Time Index)に換算すると、逆転する。10月度のyahoo!は、総利用時間144.8億分であり、利用者が5,204.8万人であるので、TIは278.3分(約4時間38分)であるが、mixiは総利用時間が26.8億分、利用者が888.6万人であるのでTIは302.1分(約5時間2分)であるので、TIでは、Yahoo!を圧倒し、No.1となる。ちなみに、総利用時間3位のyoutubeはTIが97.3分(約1時間37分)であるので、さらに差が開くことになる。こと、TIで見ると、日本人は検索(情報)よりも、動画よりも、ゲーム(アプリ)に軍配を上げたということであり、しかも、わずか、2ケ月での急激な変化であり、びっくりである。

   それにしても、この異常な時間をどう考えたらよいのだろうか?総利用時間でみた場合、No.1のyahoo!は144.8億分、No.2のmxiは26.8億分、No.3のYoutubeは22.9億分と途方もない時間である。単純計算でyahoo!は2.75万年、mixiは0.50万年、youtubeは0.43万年となり、日本人は月間千年単位でインターネットにおいて時間を過ごしていることになる。途方もない時間である。さらに、これを1人当たりに直したものが、先に計算したmixi 302.1分、Yohoo! 278.3分、youtube 97.3分となる。ちなみに、1日当たりに換算すると、mixi 9.7分、yahoo! 8.9分、Youtube 3.1分ということになり、これが、総利用時間ベスト3の日本人の平均的な1日当たりのTI、すなわち、利用時間となる。

   これまでマーケティングは時間という概念を指標として、組み入れ、検証することがなかなか容易ではなかったが、このように、精度の高い時間が算出でき、しかも、その時間をもとにマーケティングの仮説検証ができることが、インターネットの最大のマーケティング的な成果といえよう。リアルの小売業では、ここ最近デジタルサイネージが普及しはじめ、時間が徐々にマーケティング、マーチャンダイジングへ活用されはじめつつあるが、恐らく、今後の最大のマーケティングのテーマは、この時間を活用した仮説検証にあり、その結果、いかに、コンバージョン、すなわち、売上、利益等の金額に結びつけるかが課題となろう。

   ここで、もう少し、ネットレイティング社のデータをもとに、TI (Time Index)について解析してみたい。ここで公開されているデータは、3つである。総利用時間、利用者数、1人当たりの訪問回数である。インターネットでは一般的なベージビューは、ここにはないので、その面からの分析はできないが、この3つでもかなり、深くTI分析が可能である。TIは最終的には総利用時間を引き上げることが目的であり、この3つの指標を活用したTI分析は、総利用時間=利用者×1人当たりの訪問時間(TI)となる。ここでは、TIが算出されていないので、TIを逆算すると、先に計算した数字となり、総利用時間ベスト3で示せば、Yahoo!は、144.8億分=278.3分(TI)×5,204.8万人となり、mixiは、26.8億分=302.1分(TI)×888.6万人となり、Youtubeは22.9億分=97.3分(TI)×2,361.4万人となる。

   こう見ると、mixiの強さはTIにあるといえ、このTIが8/24以降急激に上昇したため、総利用時間でYoutubeを抜き去ったことになるが、ことTIではYoutubeは劣性にあり、mixiが極端に顧客を減らさない限り、今後、逆転することはないといえよう。さらに、もう一歩TI分析をすすめ、ここに訪問回数を加えると、月間の総訪問回数が算出できる。Yohoo!は、5,204.8万人×28.1回=14.6億回、mixiは、888.6万人×19.8回=1.7億回、Youtubeは、2,361.4万人×6.5回=1.5億回となる。したがって、先のTI分析は、TIが1人当たりの利用時間であるので、1回当たりのTIを算出することができ、それぞれ計算すると、yahoo! 9.9分、mixi1 15.7分、Youtube 15.2分となる。これを先の計算式に代入すると、Yahoo!は、144.8億分=(9.9分×28.1回=278.3分(TI))×5,204.8万人、mixiは、26.8億分=(15.7分×19.8回=302.1分(TI))×888.6万人、Youtubeは22.9億分=(15.2分×6.5回=97.3分(TI))×2,361.4万人となる。

   このように、yohoo!の強みは訪問頻度の高いコンテンツを集め、圧倒的な集客をはかって総利用時間を増やしていることであることがわかる。mixiは集客力は弱いが、滞在時間、訪問頻度の双方を高め、結果TIを高め、総利用時間を増やしており、Youtubeは集客は多く、滞在時間も長いが訪問頻度が低く、総利用時間が伸び悩んでいることがわかる。さらに、これをページビューに落とし、各コンテンツ、そのカテゴリーごとに分析し、時間軸で見てゆくとTIがどのような要因で変化しているか、結果、総利用時間にどう変化を与えているかが解析できる。今後は、このように、時間が確実にマーケティングのキー概念になってゆくものといえ、インターネットにおいては、このTIに着目したサイトが時代、まさに時間を制するのではないかと思う。

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November 28, 2009 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

November 27, 2009

マルキョウ、2009年9月本決算、減収減益、財務安定!

   マルキョウが11/13、2009年9月期の本決算を公表した。結果は、売上高926.57億円(97.8%)、営業利益18.14 億円(68.8%:売上対比1.95%)、経常利益19.03億円(68.9%:売上対比2.05%)、当期純利益8.12億円(59.9%:売上対比0.87%)と、減収減益の厳しい決算となった。マルキョウ自身も、「客単価の落ち込みにより売上総利益率が下落し、また、価格競争に対応するためのコスト削減も進まず厳しい結果となりました。・・」とコメントしているように、ディスカウント戦略を全面に出しているマルキョウであるが、価格競争に対応せざるをえないほど、消費環境は厳しさを増しているといえよう。ただ、自己資本比率はこの厳しい決算にもかかわらず、70.2%(昨年67.3%)と上昇しており、財務面は安定した決算結果となった。

   そこで、まず、マルキョウの今期決算の財務面を見てみたい。自己資本比率が70%を超えた要因であるが、純資産が394.64億円(昨年387.15億円)と、7.49億円上昇したことに加え、負債が167.75億円(昨年188.52億円)と20.77億円減少し、ダブルで自己資本比率を高めたことが大きく、理想的な財務構造である。純資産が上昇した要因であるが、当期純利益が減少したにもかかわらず、利益剰余金がその分昨年よりも上乗せとなったためである。一方、負債が削減された要因であるが、固定負債はほとんど変化がなかったが、流動負債、特に、短期借入金が削減されたためである。結果、有利負債は78.46億円(昨年91.35億円)と、10億円強減少し、総資産562.40億円の13.95%となった。

   マルキョウは営業状況の不振とは反対に財務状況が堅固になっており、自己資本比率70.2%は決算公開企業約50社の中でも、おそらくベスト3に入るランクであるといえよう。この有利子負債を全額返済すれば、自己資本比率は80%を超え、No.1となることも視野に入ったといえ、今後、厳しい営業状況をいかに安定させられるかが、最大の経営課題になったといえる。

   そこで、その営業状況、特に、今期、減収減益となった要因を、原価、経費面から見てみたい。まず原価であるが、79.68%(昨年79.40%)と、若干上昇しており、原価の上昇が見られる。結果、売上総利益は20.32%(昨年20.60%)となった。この売上総利益20.32%は、食品スーパーマーケット業界ではかなり低い数字であり、まさに、ディスカウント業態の数字といえる。2009年度決算のベスト5は、トライアルカンパニー15.6%、アオキスーパー16.6%、PLANT19.3%、マルミヤストア19.9%、オーケー19.9%という状況であり、20.32%がいかに低い数字であるかがわかる。

   一方、経費の方であるが、18.84%(昨年18.30%)と、0.54ポイント上昇しており、この上昇分が、今期の減収の大きな要因であったといえよう。ちなみに、経費比率18.84%も食品スーパーマーケット業界では低い数字であり、ベスト10に入る数字である。決算公開企業約50社の中のベスト5を上げれば、オーケー14.9%、トライアルカンパニー16.3%、アオキスーパー16.8%、大黒天物産18.0%、PLANT18.1%であり、18.84%がいかに低い数字であるかがわかる。こう見ると、ディスカウント=ローコストといってもよく、日本の食品スーパーマーケットのディスカウント業態の経費比率は18.0%以下にいかにおさえられるマネジメントシステムをつくれるかにあるといえよう。

   結果、差し引き、マーチャンダイジング力は1.48%(昨年2.30%)となり、大きく減少することになった。原価、経費、双方がダウンするというダブルでの利益の圧迫となったことが大きかったといえよう。これに、不動産収入等のその他営業収入が0.48%(昨年0.49%)のり、営業利益は1.96%(昨年2.79%)となり、大きく減益となった。こう見ると、ダブルではなく、その他営業収益も減少しており、トリプルでの利益の減少となっており、今期、マルキョウはいかに利益を確保するのが難しかったかがわかる。

   これを受けて、来期予想であるが、売上高930.00億円(100.4%)、営業利益19.50億円(107.5%:売上対比2.09%)、経常利益20.40億円(107.2%:売上対比2.19%)、当期純利益9.00億円(110.8%:売上対比0.96%)と、一転、増収増益予想であり、好調な決算が予想される。これは、すでに、ニュースリリースされているが、来年1月にマルキョウのフランチャイジーとして9ケ店の店舗を有する有限会社ポテトの小売部門の営業を譲り受ける予定があることが大きく、これが売上げ、利益を押し上げることが大きいという。また、今期の課題である経費削減にも一層取り組むとのことである。

   このように、マルキョウの2009年9月期の本決算は消費環境の激変により、競合状況が一層厳しくなったこともあり、減収減益という厳しい結果となった。このような厳しい経営環境の中では一見、ディスカウント業態が有利になると思われるが、この決算結果を見る限り、ディスカウント業態でも、さらに原価を下げ、経費を下げないと利益がでない構造となっており、いかに、今回のデフレが厳しい状況にあるかがわかる。マルキョウはこの苦境を乗り越えるひとつの解決策として、子会社の連結をはかる予定であるが、今後、同様に、各社が連結を強め、場合によってはM&Aも辞さず営業強化をはからざるをえない状況に入ったといえよう。このような厳しい状況を踏まえ、来期、マルキョウがさらに踏み込んだ経営戦略を打ち出すか、注目である。

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November 27, 2009 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

November 26, 2009

ダイイチ、2009年9月期、本決算、増収増益!

   ダイイチが11/10、2009年9月期の本決算を公表した。結果は、連結決算では売上高280.66億円、営業利益5.21億円(売上対比1.85%)、経常利益4.75億円(売上対比1.69%)、当期純利益2.80億円(売上対比0.99%)となった。連結決算は第3四半期からの公表であるので、昨対が算出されていない。そこで、昨対については、個別で見てみたい。結果は、売上高271.35億円(104.2%)、営業利益4.79億円(101.7%:売上対比1.76%)、経常利益4.46億円(100.6%:売上対比1.64%)、当期純利益2.49億円(114.5%:売上対比0.91%)と、増収増益の好決算となった。

   ダイイチは北海道を3つのブロックに分けて管理しており、現在、帯広ブロック11店舗、旭川ブロック9店舗、札幌ブロック2店舗、合計22店舗である。したがって、1店舗当たり12.75億円となる。今期は2009年5月から連結子会社となった北海道河東郡音更町においてショッピングセンターの核店舗として、スーパーマーケットを運営しているオーケーを子会社化し、5月に新たに改装オープンしたので、この売上げが連結に加わっており、その分、個別よりも売上増となっている。

   北海道市場はアークス、カウボーイが激しいディスカウント競争を繰り広げており、さらに、コープさっぽろ、イオングループを含め、厳しい競争の中にある。その中で、ダイイチは、「競合他社のディスカウント戦略やポイントサービス戦略などに対し、情報の収集と分析による的確な対応を心がけ、・・」と、ディカウント路線にはのらず、「基本方針を確認・徹底することにより、お客様の満足度の向上と信頼の強化・拡大に努め、・・」との営業方針で臨んでいる。特に重視している課題は、「これまで以上に普段の食生活を重視した商品作り、品揃えを徹底することや、より買い易い価格、量目に重点を置いた商品作りを徹底すること、・・」などであるという。

   では、これらの基本方針とマーチャンダイジング政策により、原価、経費が営業利益にどう反映したかを個別決算から見てみたい。まず、原価であるが、76.75%(昨年76.19%)と、0.56ポイント上昇している。競合対策として、売価を下げざるをえず、その影響が原価上昇に表れているといえよう。結果、売上総利益は23.25%(昨年23.81%)となった。一方、経費の方であるが、22.45%(昨年23.00%)と0.55ポイントと、経費削減がほぼ原価の上昇分下がっており、結果、差し引き、マーチャンダイジング力は0.80%(昨年0.81%)と、ほぼ昨年並みの数字を確保した。これに、その他営業収入が0.97%(昨年1.01%)のり、結果、営業利益は1.77%(1.82%)と、率ではわずかに下がったが、額では、売上分の上昇があり、増益となった。

   こう見ると、やはり、北海道の価格競争は厳しい状況にあるといえ、経費削減が原価の上昇に相殺され、率では営業利益をカバーできず、売上高のアップ、額でカバーした状況である。したがって、このような状況で利益を生みすには、原価の上昇は避けられず、経費削減と売上高のアップがポイントといえる。ダイイチにかかわらず、食品スーパーマーケット業界は現在、同様な経営環境にあるといえ、極めて難しい経営を余儀なくされているといえよう。

   これを受けて、キャッシュフローの流れであるが、営業キャッシュフローは、4.67億円(昨年3.93億円)と、大きく増加した。その中身は、増益となり、当期純利益が4.74億円(昨年3.95億円)と、増益による増加が大きいといえる。減価償却費は2.94億円(昨年2.36億円)であるので、わずかな増加であり、営業キャッシュフローの差は、当期純利益が大きな鍵を握っているといえる。そして、ここから投資キャッシュフローであるが、-4.61億円(昨年-6.08億円)と、今期は、圧縮しており、結果、フリーキャッシュフローは0.13億円(昨年-2.15億円)と、わずかではあるが、プラスの順流となった。その要因であるが、食品スーパーマーケット最大の投資である新規出店関連への投資が、-4.96億円(-7.87億円)と抑制していることが大きいといえる。

   そして、財務キャッシュフローであるが、1.10億円(昨年0.70億円)となり、トータルは1.16億円(昨年-1.44億円)となった。その中身であるが、配当は-0.67億円(昨年-0.59億円)と若干上昇し、配当を昨年よりもやや厚くしている。ただ、気になるのが有利子負債であり、1.87億円(昨年1.30億円)と、昨年同様、増加していることである。結果、有利子負債は49.30億円(昨年29.65億円)と大きく増加しているが、これは、オーケーを完全子会社化したことにより、その負債がさらに加算されたためといえよう。結果、自己資本比率は下がるかと思われたが、それを相殺する形で、増益分が純資産にのり、41.5%(昨年41.4%)と、ほぼ同水準を維持した。ただ、ダイイチとしては、この好決算を生かし、もう一段、財務の安定をはかりたかったところであろう。

   このようにダイイチの2009年9月期の決算は増収増益の好決算となり、この好決算により、子会社化したオーケーの負債分をも相殺し、財務のバランスを崩すことなく、財務の安定も図れた。ただ、原価は下がっており、今後とも、北海道市場はより、消費環境、競合状況が厳しくなることが予想される。来期、ダイイチがどのように収益を維持してゆくか、その動向に注目である。

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November 26, 2009 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

November 25, 2009

マミーマート、2009年9月期決算、増収増益!

   マミーマートが2009年9月期の本決算を11/13、公表した。9月期決算の食品スーパーマーケットはめずらしく、上場企業では、マミーマートを入れて、ダイイチ、PLANT、マルキョウの4社である。その結果であるが、売上高832.30億円(102.4%)、営業利益14.97億円(123.8%:売上対比1.80%)、経常利益18.44億円(105.2%:売上対比2.21%)、当期純利益8.24億円(104.1:売上対比0.99%)となり、増収増益の好決算であった。マミーマートは本社は埼玉県さいたま市にあり、現在、埼玉県41店舗、千葉県10店舗、東京都2店舗、栃木県1店舗の計54店舗を展開している食品スーパーマーケットである。また、傘下には、ディスカウントストアのギガマートもあり、現在10店舗を展開している。

   今期決算が好調であった要因であるが、売上高に関しては、今期、マミーマート沢口町店(埼玉県東松山市)、ギガマート北越谷店(埼玉県越谷市)の2店舗をオープンしており、この2店舗が売上げを押し上げたといえよう。一方、利益の方であるが、原価、経を見てみると、原価は75.99%(昨年75.35%)と、やや上昇している。マミーマート自身も、「各社は、集客対策として価格訴求を一層熾烈化しており、少子・高齢化に伴う世帯人数の減少で販売数量の減少、販売単価の低廉化など厳しい経営環境が続いております。・・」とコメントしているように、価格競争が原価を押し上げた要因といえよう。結果、売上総利益は24.01%(昨年24.65%)となった。

   一方、経費の方であるが、23.68%(昨年24.76%)と、大きく下がっており、今期の増益の要因はこの経費の削減に負うところが大きかったといえる。結果、差し引き、マーチャンダイジング力は、0.33%(昨年-0.11%)と、昨年のマイナスからプラスへと反転しており、マーチャンダイジング力が強化されたといえよう。一般に、マーチャンダイジング力がプラスになるには、粗利を引き上げるか、経費を引き下げるかにあるが、今期のマミーマートは、経費を引き下げて、マーチャンダイジング力をプラスにもっていっており、経費削減効果が大きかったといえる。ここへ来て、食品スーパーマーケットを取り巻く消費環境が一層厳しさを増しており、原価の削減が売価のダウンに追いつかない状況であり、食品スーパーマーケットが利益を算出するには、経費を削減するしか打つ手がなくなりつつあり、まさに、デフレスパイアラルに陥りつつあるといえる。

   そして、営業利益であるが、このマーチャンダイジング力にその他営業収入が1.47%(昨年1.61%)のり、1.80%(昨年1.50%)と、プラスになり、これに、売上増102.4%があいまって、昨年対比では大幅な増益となった。このように、マミーマートの増収増益要因は原価の減少を経費削減でまかった結果といえ、この時期、いかに経費の削減が経営を安定させる上に重要であるかがわかる。

   これを受けて、マミーマートのキャッシュフローの状況を見てみたい。今期の営業キャッシュフローは当期純利益が増収となり、21.13億円と堅調な数字となった。ここから投資キャッシュフロー25.74億円を配分し、フリーキャッシュフローは-4.61億円のマイナスとなった。営業キャッシュフロー以上のキャッシュを投資キャッシュフローで配分しており、強気の投資である。結果、キャッシュフローは逆流となり、キャッシュの調達が必要となる。その投資キャッシュフローの中身であるが、出店関連の資産への投資が32.96億円と、ほぼすべてといえ、今期は積極的な攻めの経営であるといえよう。

   マミーマートの出店にかかわる資産、土地、建物、差入保証金の合計は199.92億円であり、これは総資産317.45億円の62.97%にあたる。現在、マミーマートは54店舗であるので、1店舗当たり3.70億円であり、通常の食品スーパーマーケットと比べ、かなり低い数字である。したがって、出店にかかわる投資キャッシュフロー32.96億円を3.70億円で割ると8.90店舗であり、54店舗の16.49%にあたり、積極的な新規出店への投資である。そして、財務キャッシュフローであるが、0.97億円のプラスであり、その中身は短期借入金10.60億円を調達し、返済7.78億円と配当1.83億円にあてており、トータル-3.63億円のマイナスとなり、内部留保を取り崩す結果となった。結果、現預金が減っており、財務的にはやや気になるキャッシュフローの流れである。ちなみに、有利子負債であるが、36.53億円(昨年33.71億円)と、若干増加し、総資産の11.5%である。今期、マミーマートの自己資本比率は52.7%(昨年52.4%)と、若干増加しているが、その伸びはわずかであり、もう一段、改善したいところであろう。

   このように、2009年9月期のマミーマートの決算は増収増益となり、各社が減益となる中間決算を余儀なくされる厳しい経営環境の中、経費を大きく削減し、好決算となった。しかも、この好決算を背景に、積極的な新店へ向けての投資を行っており、ここへ来て、マミーマートが守るのではなく、逆に敢えて攻めに転じる積極策を打ち出している。来期、マミーマートがどのような新店を展開してゆくかに注目したい。

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November 25, 2009 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (1)

November 24, 2009

瀬戸内海商圏一段と進む、大黒天物産九州へ!

   食品スーパーマーケットの商圏がエリアからエリアへと拡大しつつある。11/20、大黒天物産が「新規エリア出店に関するお知らせ」を公表した。それによれば、来年の3月下旬に大黒天物産の九州エリア、第1号店、ラ・ムー水巻店(仮称)がオープンするという。場所は福岡県であり、総売場面積が29,800平米(約9,000坪)、敷地面積69,600平米(約2万坪強)という、大規模な売場、敷地面積での出店である。

   一般に食品スーパーマーケットがエリアから他のエリアへ商圏を拡大するのは簡単ではない。その理由は物流の問題と人材の問題があり、特に、物流は24時間365日の商品供給体制を整える必要があり、新エリアのための専門のセンターが必要となるからである。しかも、センターをつくれば数店舗では採算にあわず、センターの規模にもよるが、30店舗から50店舗、大規模な場合は100店舗は必要となり、可能な限り、そのエリアにおいて新規出店ないしはM&Aを通じて、速く店舗数を増やす必要がある。また、それにともなって、人材の育成も必要となる。したがって、食品スーパーマーケットのエリア拡大は、1チェーンを0から作り上げるに等しく、事前の準備と将来への見通しをしっかり計画してスタートする必要がある。

   今回、大黒天物産が九州エリアに新たに参入を表明したが、大黒天物産は、これまでもエリア拡大を積極的にはかってきており、これで、3エリア目となる。本社は岡山県であり、中国エリアとなるが、その後、東へ拡大をはかり、兵庫、大阪、京都へとエリア拡大をはかった。さらに、2005年には四国へとエリア拡大をはかり、今回が九州となり、3エリア目となる。大黒天物産に限らず、中国エリアの食品スーパーマーケットは早くからエリア拡大をはかる食品スーパーマーケットが多く、積極的な食品スーパーマーケットが多い。この地区は、もともと瀬戸内海全体を大商圏ととらえ、中国エリアだけでなく、関西エリア、四国エリア、そして、九州エリアが瀬戸内海を介して、ひとつの大エリアととらえており、エリア拡大がしやすい環境にあるといえる。

   そこで、この中国エリアの食品スーパーマーケットを中心に、現在、どのようなエリアを超えた拡大が図られているかを見てみたい。まず、この中国エリアで最も積極的なエリア拡大を行っているのは、広島のイズミであろう。イズミは、2009年2月現在、80店舗であるが、地元広島県には31店舗であり、約40%である。したがって、残り60%は広島県以外への出店である。その内、中国エリアには全部で56店舗である。残り24店舗が中国以外のエリアとなり、九州エリアが20店舗、四国エリアが3店舗、そして、関西エリアが1店舗となり、4エリアでの展開である。

   同じく広島県に本社を置くハローズ41店舗であるが、広島県には19店舗、隣の岡山県には20店舗と、中国エリアには39店舗である。これ以外では四国エリアに2店舗であり、今後、四国エリアでの展開が本格化する方向である。次に、岡山県に本社を置く大黒天物産であるが、53店舗であり、地元、岡山県には19店舗と、約35%であり、残り、約65%が地元以外への展開である。中国エリアには、地元岡山県を入れて29店舗であり、約50%強であるので、エリア拡大に積極的であることがわかる。その拡大エリアであるが、四国エリアへはすでに、10店舗を出店しており、そのペースも速く、重点エリアとなりつつある。また、関西エリアへは14店舗であり、大阪府5店舗、兵庫県8店舗、京都府1店舗と、関西エリアへも店舗数が増え続けている。そして、今回、九州エリアへの参入が決まり、まさに、瀬戸内海全体への出店が本格化する体制が整ったといえよう。

   これ以外の中国エリアの食品スーパーマーケットであるが、岡山県が地元の天満屋ストアは26店舗であるが、中国エリアに24店舗、四国エリアに2店舗展開している。また山口県が地元の丸久は81店舗であるが、中国エリアに80店舗、九州エリアに1店舗を展開している。

   一方、逆に中国エリアへ参入している食品スーパーマーケットもあり、兵庫県が地元のマックスバリュ西日本であるが、147店舗の内、関西エリアは79店舗であり、中国エリアに64店舗を出店しており、さらに、四国エリアにも4店舗と3エリアでの展開をはかっている。また、四国、愛媛県を地元とするフジであるが、93店舗の内、65店舗が四国エリアであり、中国エリアに28店舗を展開しており、中国エリアは第2のドミナントエリアとなっている。

   このように、大黒物産が地元中国エリア、そして、関西エリア、四国エリアについで、4エリア目となる九州エリアへの新規参入が来年春に決まり、いよいよ、瀬戸内海全域での食品スーパーマーケットのチェンーン展開が本格化したといえよう。また、大黒天物産以外の食品スーパーマーケットも、先に見たように、瀬戸内海全体を商圏にしつつあり、いよいよ、このエリアは1エリア、2エリアでの展開だけでなく、瀬戸内海商圏という、中国、関西、四国、そして、九州をまたがる大商圏ができつつあるといえよう。今後、このエリアの各食品スーパーマーケットがどのような出店戦略を打ち出すか注目である。

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November 24, 2009 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

November 23, 2009

コンビニ売上速報、2009年10月度、既存店-5.5%!

   11/20、日本フランチャイズチェーン協会から、コンビニの2009年10月度の売上速報が公開された。この売上速報は、全国の主要コンビニがすべて含まれており、全42,553店舗の集計である。対象コンビニは、エーエム・ピーエム・ジャパン、ココストア、サークルK サンクス、スリーエフ、セイコーマート、セブン-イレブン・ジャパン、デイリーヤマザキ、ファミリーマート、ポプラ、ミニストップ、ローソンの全11社である。その結果であるが、全体の売上げは6,675.82億円(-2.8%)と、7月以降4ケ月連続のダウンであり、厳しい結果である。また、既存店も-5.5%と大きくダウンしており、5ケ月連続の売上げダウンである。

   まさにタスポ効果が切れたことが大きく、今後約1年間は昨対で見ると、マイナスが続くものと予想される。そこで、一昨年との比較をしてみると、2009年10月度107.4%(対2007年10月度)、2009年9月度105.7%(対2007年9月度)、2009年8月度104.3%(対2007年8月度)、2009年7月度108.3%(対2007年7月度)という状況であり、一昨年と比べると売上げは上昇しており、ちょうど、taspo効果の上昇分までは下がっていないようであるが、上昇分を維持できず、じわじわ落ちている状況といえよう。

   では、売上げダウンの中身、客数と客単価の状況であるが、客数は-0.4%(既存店-2.8%)に対し、客単価は-2.4%(既存店-2.8%)であり、どちらも落ちており、特に、既存店は客数、客単価とにも落ち込みが少し大きいといえよう。しかも、全体、既存店ともに、客単価は11ケ月連続でのダウンであり、客数よりも深刻である。ちなみに、客数と客単価の実際の数字であるが、客数は895人、客単価は565円であり、売上げは掛けて50.5万円/日となる。

   さらに、商品別に見るとどういう状況であるかであるが、ファストフードを含む日配は-3.5%(構成比34.1%)、加工食品が-4.6%(構成比29.1%)、taspoが含まれる非食品が-1.3%(構成比32.7%)、そして、構成比はわずか4.1%であるが、サービスが3.4%と唯一プラスとなった部門である。こう見ると、taspo効果の大きい非食品の落ち込みは比較的影響が弱いといえ、この10月度は加工食品、そして、日配の落ち込みが大きかったといえよう。

   そこで、この加工食品、日配の状況のこの数ケ月の推移を見てみると、日配は10月-3.5%、9月-4.3%、8月-4.6%、7月-5.4%という状況である。一方、加工食品は10月-4.6%、9月-3.5%、8月-3.4%、7月-11.8%という状況である。特に、加工食品の7月度は昨年が猛暑にtaspo効果が加わり、飲料、アイスクリーム等が大きく売上げを伸ばしたことによる反動によるところが大きいといえよう。こう見ると、この7月度を除けば、加工食品よりも、日配食品の方が落ち込みが大きいといえ、ここへ来て、コンビニの中核商品、ファストフード、惣菜等が厳しい状況にあるといえる。

   では、ここのコンビニのこの10月度の状況はどうであったかを、月次売上を公表している企業で見てみたい。セブンイレブンはホームページ上には月次の売上速報を公開していないが、11/21の日経新聞によれば、-4.5%と、コンビニ全体よりも、落ち込み幅が大きかったという。ローソンは-2.8%(既存店-5.5%)と、全体の数字と全く同じ数字である。ちなみに、ローソンの客数は911人、客単価は542円、売上げは50.3万円であるので、客数は若干高いが、客単価は逆に若干低く、売上げはほぼ同じ数字である。こう見ると、ローソンの数字はほぼ全体のコンビニに近いといえる。

   ファミリーマートであるが、全体は0.2%とわずかに上昇しているが、既存店は-4.4%と下がっている。客数が-3.3%、客単価が-1.1%という状況であり、客単価よりも、客数の落ち込みが大きいといえよう。サークルKサンクスであるが、全体-3.3%(既存店-4.4%)であり、その中身は、客数が-2.2%、客単価が-2.2%と、どちらもダウンしている。ちなみに、その数字であるが、売上げは48.4万円、客数は853人、客単価571円であるので、全体と比べ、客数は若干低いが、客単価は若干高い数字である。

   そして、ミニストップであるが、売上げは-2.8%(既存店-6.4%)であり、全体と比べても、また、主要コンビニの中では既存店の落ち込みが大きかったといえよう。その中身であるが、既存店の客数が-3.3%、客単価が-3.2%であり、どちらも、同じくらい落ち込み幅が大きかった。また、実際の数字は客数が882人、客単価が520円、売上げが45.8万円であるので、客数、客単価ともに全体より低く、やや厳しい状況である。

   このように、2009年10月度のコンビニの売上を見ると、4ケ月連続下がっており、特に、既存店は5ケ月連続下がっている状況であり、明らかに、売上げダウンの局面に入ったといえよう。特に、客数もさることながら、客単価のダウンが厳しいものがあり、その中でもコンビニの中核商品、ファストフード、惣菜を含む日配の落ち込みが大きいといえる。これはtaspo効果が切れただけでなく、消費の減退が起こりはじめているといえ、デフレ傾向が鮮明な中、今後、当面、厳しい経営環境がコンビニでは続くものといえよう。

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November 23, 2009 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

November 22, 2009

カスミ、フードoffストッカー、22店舗(16.2%)へ

   カスミがフードoffストッカーの出店を加速している。フードoffストッカーはカスミのDS(ディスカウント)業態であり、生鮮を圧縮し、グロサリーを絞り込み、価格訴求を強く打ち出しているのが特徴である。カスミがこの新業態に取り組んだのは、ちょうど5年前の2004年であり、神立西店をフードoffストッカーに業態転換したところからスタートした。この年、同様に佐貫店、竜ヶ崎寺後店をフードoffストッカーに業態転換し、3店舗でスタートするが、翌年、竜ヶ崎寺後店は閉店し、その後も、2005年真壁店、下館店をフードoffストッカーに業態転換、さらに、2006年、下妻東店、牛久ししこ店をフードoffストッカーに業態転換し、2年間で6店舗の既存店を業態転換した。

   フードoffストッカーはカスミにとっては、新業態ではあるが、あくまで既存店の不振店の活性化策の一環で取り組んでいるのが実態である。2009年11月現在、フードoffストッカーは22店舗となっているが、フードoffストッカーとしての、新店はまだない。ただ、この22店舗は、全135店舗の16.2%となり、そろそろ、カスミとしても、専門の商品部を設立する段階に入ってきたといえよう。場合によっては、別会社として、新規出店を含め、新事業としての確立も必要といえよう。これについて、カスミの小浜社長は、茨城新聞の取材の中で、「25店舗になれば商品部を独立させなければ、・・」と、コメントしており、早ければ、今決算期にはフードoffストッカー専門の商品部が設立される可能も高まったといえる。

   そこで、さらにフードoffストッカーについて、2007年度以降についても詳しく追ってみたい。まず、2007年度であるが、フードoffストッカー7店舗目となる牛久柏田店(2007年1月)がオープンする。約300坪強、年商8.6億円が目標である。ついで、渡里店(2007年5月、386坪、10億円)、那珂店(2007年6月、387坪、15億円)、守谷店(2007年6月、262坪、8億円)がオープンし、ちょうど、守谷店で10店舗目となる。さらに、この年、11店舗の三郷店(2007年11月、298坪、10億円)がオープンし、2007年度は5店舗のオープンである。こう見ると、既存店の業態転換ということで、売場面積も、年商もまちまちであり、基本コンセプトは確立されつつあるが、店舗フォーマットが、この時点では、中々、固まりきれていない状況といえよう。また、坪売上げも、逆算すると300万から400万円であり、ディカウント業態としては、かなり、低い数字といえる。売上げを引き上げて利益を出すというよりも、経費を下げて利益を出すディスカウンターといえよう。

   そして、2008年度に入ると、常澄店(2008年2月、464坪、9億円)、北本店(2008年3月、424坪、12億円)、鴻巣店(2008年5月、337坪、10.5億円)、吹上店(2008年7月、370坪、10.5億円)、芳賀店(2008年10月303坪、7.5億円)、東海店(2008年11月、419坪、9.5億円)と6店舗オープンし、17店舗となった。2008年度は400坪前後とこれまでの店舗面積と比べ、比較的大きな店舗が多いのが特徴である。ただ、ほぼ、売上げ目標は年商10億円前後であるので、坪売上げにすると250万円ぐらいとなり、かなり低い数字であるといえよう。ここまでの17店舗を見る限り、フードoffストッカーは、売場面積にかかわらず、ほぼ10億円ぐらいの年商であり、その意味では、ハード面は別として、売上規模はほぼ固まってきたといえよう。仮に年商10億円から逆算すると、坪売上げ1,000万円で100坪、500万円で200坪であるので、フードoffストッカーのベスト売場面積は、200坪以下が力を発揮できるのではないかと思われる。

   さて、今年、2009年度であるが、石岡東店(2009年2月、348坪、9.5億円)、白岡原ケ井戸店(2009年5月、298坪、11億円)、柏布施店(2009年8月、415坪、12億円)、柏中央店(2009年9月、355坪、12.5億円)と4店舗をオープンした。

   これで、2004年3店舗(内翌年1店舗閉鎖)、2005年2店舗、2006年2店舗、2007年5店舗、2008年6店舗、2009年4店舗と、合計22店舗となり、現在、カスミストアの全店舗が135店舗であるので16.2%の割合となり、優に10%を超え、20%に迫る勢いであり、フードoffストッカーはカスミにとって、事業の大きな柱に育ちつつあるといえよう。また、ここ3年間は5から6店舗と安定してフードoffストッカーへの業態転換が進んでおり、当初、スタート時点の2004年度からの数年間と比べても転換ペースが増加しており、フードoffストッカーとしてのノウハウも十分に確立されたと思われる。

   このようにカスミがここへ来て、フードoffストッカーへの既存店からの業態転換が完全に軌道にのったといえ、新たなビジネスモデルがほぼ完成したといえよう。また、昨今のデフレの消費環境の中では、このようなディスカウント指向の食品スーパーマーケットは消費者のニーズとも合致しており、支持が高い業態といえる。恐らく、近々にフードoffストッカーの商品部も創設され、事業部としても独立する可能性が高く、新設店もいつオープンしても良い状況といえよう。フードoffストッカーが今後、どのように展開されてゆくのか注目である。

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November 22, 2009 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

November 21, 2009

デジタルサイネージ、本命か、ミルとくチャネル?

   最近、デジタルサイネージの動きが加速しており、あちこちで見かけるようになった。本ブログでもセブンイレブンのデジタルサイネージの実証実験について取り上げたが、食品スーパーマーケット業界でも、デジタルサイネージが、すでに実用化していることがわかった。以前から、サミット、カスミ、イオン等で様々な実証実験が行われていたり、ドールがバナナ売場でデジタルサイネージを活用していたりということは知っていたが、いずれも食品スーパーマーケットの売場全体を使ってのデジタルサイネージではなく、部分的な対応であった。ところが、意外なことに、ソニーがいなげやの店舗全体をつかって、30店舗でデジタルサイネージを展開しており、実証実験ではなく、本格稼働であり、広告効果もすでに実証されているという。

   その名も、「ミルとくチャネル」であり、現在、小売業界ではオリンピックの22店舗を含め、55店舗で稼働中であるという。オリンピックでは合計151台、いなげやでは254台、デジタルサイネージが設置されており、合計405台が稼働しているという。それぞれ店舗数で割ると、オリンピックは7台弱であり、いなげやは8台強であるので、かなりの数である。ソニーのホームページでは、売場写真も動画も公開されているが、それを見ると、主動線上に沿うように大型ディスプレイが配置され、特に、店頭青果売場では、平台ごとに大型ディスプレイが掲示されている。さらに、レジ前にもやや小型のディスプレイが掲げられており、顧客の動線をしっかり押さえた配置となっている。

   食品スーパーマーケットでデジタルサイネージを効果的に活用するには客数PI値がポイントであるといえ、入店顧客の何%が通る動線であるかが効果を決定づける。客数PI値はPI値にほぼ相関する傾向があるので、原則、PI値の高い場所、青果、日配等か、物理上、顧客が通らざるをえない場所、出入り口、すなわち、店頭、レジ前が客数PI値の高い場所となる。ここに効果的にデジタルサイネージを置くことにより、入店顧客へ対しての効果は最大となる。今回のいなげやの設置場所を見ても、主通路とレジの2チャンネルに絞っており、食品スーパーマーケットでデジタルサイネージを展開するのであれば、極めて理にかなったチャネル設定といえよう。

   もうひとつ、食品スーパーマーケットでデジタルサイネージを展開する上で、重要なポイントは時間である。食品スーパーマーケットの購買層の大半は食事の材料、素材、加工食品、調味料、惣菜を購入する主婦であり、少しでも早く買い物を済ませ、自宅に帰り、夕食、昼食を作りたいという思いが強い。したがって、平均的な買い物時間は5分から10分であるといえ、このわずかな時間の中で、デジタルサイネージで商品を訴求しなければならない。通常のテレビであれば、30分もの、60分もの、120分もの、長いものでは180分ものの番組があり、その中でCMを流せば良い分けであるが、食品スーパーマーケットの店内の場合は、5分、10分が最大であり、この中に効果的なCMを流すことがポイントとなるので、時間が極めて重要となる。

   今回の仕組みでも、その返は十分に考慮されているようで、5分に1回配信するようにし、可能な限り、1人2回はCMを見るように工夫しているようである。チャネルも大きく2つに分かれており、レジチャネルと主通路チャネルであり、CMをどちらに載せるかを選ぶことができ、料金もそれぞれ違うようである。いま、なぜか、いなげやのレジチャネルが特別割引になっているようで、価格設定もバラエティがあるようである。広告対象人数であるが、いなげやの場合が30店舗13.1万人、オリンピックが22店舗で13.3万人であるので、1店舗当たり、いなげやは4,366人、オリンピックは6,045人となる。食品スーパーマーケットで4,000人を超える人数はかなりの客数であり、広告効果から見ると、当然、客数が多ければ多い方が良いので、いなげやでも客数の多い店がピックアップされたといえよう。

   そこで、広告効果であるが、デジタルサイネージに流したCMの商品は平均約180%にPI値が跳ね上がるという結果であったという。最も反応が良いのが菓子であり200%を超え、ついで生鮮、加工食品、穀物加工品が平均近い数値であり、調味料、日用品は150%ぐらいであったという。また、視認率は週1回以上来店している顧客は約80%であるというので、かなり高い数字であるといえよう。こう見ると、デジタルサイネージの食品スーパーマーケットでの効果は十分といえ、今後、さらに工夫を重ね、進化し、定着してゆくのではないかと思う。

   ただ、ひとつ気になるのは、デジタルサイネージに入った商品は効果が極めて高いということはわかるが、店舗全体の売上げにはどのような影響があるかである。当然、そのためには、デジタルサイネージと店舗全体に影響を与える商品とマッチングさせる必要があり、自然、それは、POSデータとの融合となろう。また、デジタルサイネージは顧客に直接訴えることができるので、いずれ、IDとのマッチングも課題となろう。さらに、これが、顧客の動線検証に活用できれば、レイアウトの改善につながり、店舗の改装に活かすこともできよう。その意味で、食品スーパーマーケットで実用化がはじまったばかりのデジタルサイネージであるが、今後、店舗全体の活性化にもつながってゆき、ひいては来店顧客にとってより買い物しやすくなるような方向に発展していって欲しいと思う。

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November 21, 2009 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

November 20, 2009

ザ・プライス、初の新設店をNSCでオープン!

   セブン&アイHのディスカウント業態、ザ・プライスが初の新設店を11/20、埼玉県越谷市にオープンした。店名は「ザ・プライスせんげん台店」であり、2層建ての、NSC(ネバーフッドショッピングセンター:近隣型SC)の核店舗での新設出店である。デベロッパーはセブン&アイH傘下のモール・エスシー開発であり、自社物件でのオープンとなる。ザ・プライス以外にもサンドラック、ダイソ-、アカチャンホンポなど、約15店舗が入り、ザ・プライスとしては、これまでのイトーヨーカ堂からの業態転換から初の新設店でのオープンとなり、いよいよ第2ステージへ移ったといえよう。

   これまでザ・プライスは、約1年前の2008年、8/29に1号店、西新井店を東京都足立区にオープンし、その後、11/14、埼玉県川口市に川口店をオープンした。特に、川口店はオーケー、西友との直競合ともなり、ディスカウント業態の真価が問われる激しい価格競争を繰り広げ、現在でも川口商圏のプライスリーダーの一角を占めている。そして、2009年に入り、3/20、千葉県鎌ケ谷市に鎌ヶ谷店、3/26、埼玉県川口市に川口市2店舗目の西川口店、3/28、千葉松戸市に五香店を立て続けにオープンした。その後も4/17、埼玉県蕨市に蕨店、4/24、埼玉県東松山市に東松山店、6/19に神奈川県横浜市に鶴ケ峰店、7/17に東京都東久留米市に滝山店をオープンした。

   また、7/25には、イトーヨーカ堂の発祥の地、東京都足立区に、イトーヨーカ堂が1958年に開業した1号店、千住店をザ・プライスに業態転換した。ちょうど、ザ・プライス10店舗となるメモリアル店舗であり、創業の原点を引き継ぐ新たな業態として、ザ・プライスを不退転の決意で展開していくことを内外に宣言したともいえよう。

   そして、この11店舗目が、今回の初の新設店、しかも、食品スーパーマーケット最新の業態NSCでの核店舗での出店であり、イトーヨーカ堂としては、ザ・プライスに運命を託す、象徴となる11店舗目のオープンといえよう。この11店舗目が、10店舗目の創業店の業態転換を経て、新設店として新規オープンしたことは、ザ・プライスのビジネスモデルがほぼ完成したことを意味しているといえ、ザ・プライスがこれまでの実証実験段階から、本格展開へ向けての新たなスタートが切られたといえよう。イトーヨーカ堂は現在176店舗であるので、11店舗は6.25%に当たり、存在感を増しつつあるといえる。今後、17店を超え、10%を超えると、イトーヨーカ堂の柱へと成長する可能性もあり、ザ・プライスはここへ来て、まさに、第2ステージに入ったといえる。

   では、この11店舗目のザ・プライス、せんげん台店ではどのような進化がはかられたかであるが、その一端を見てみたい。ちなみに、11/19のプレオープンの目玉商品であるが、フィリピン産バナナ1カット50円(限定100個)、岩手県産活ホタテ1枚47円(限定100枚)、国産若鶏(解凍)手羽先5本入1パック75円(限定50パック)、ヤマザキシュガーロール(6個入)1袋 135円(限定50袋)、フラワー粉1kg1袋128円(限定50袋)である。

   さて、このザ・プライスの11号店の注目点であるが、まず上げるべきは、グロサリーと日配の部門管理を統合したことであろう。従来この2部門は対極にあり、商品回転率は日配が速く、グロサリーは遅く、管理温度帯も日配は冷蔵什器(低く)、グロサリーは非冷什器(温かい)という状況であった。したがって、発注、商品補充はもちろん、マーチャンダイジングも対極にあるといえ、部門を分けて管理する必要があったといえる。売上げもどちらも、全体の20%前後となり、食品スーパーマーケットでは生鮮食品と並ぶ中核部門といえる。

   ただ、食品スーパーマーケットの商品を概観すると、大きく2つに分かれ、店内加工商品(生鮮3品、惣菜)と発注補充商品(日配、グロサリー)になり、その意味で、発注補充がひとつのチームで可能であれば、全体の効率は間違いなくあがるはずであり、その面での改革は本来食品スーパーマーケットが取り組むべき課題であったといえる。しかも、今回はこの部門の商品を通常の6割に絞り込み、さらに、改善を加えているのが特徴である。今回、ザ・プライスがこの改革に成功したことで、今後、食品スーパーマーケット業界全体の改革にもつながるのではないかと思う。

   これ以外でも、バークヤードの設備と仕様を見直し、標準化を行い、大幅な設備投資の削減を実現したり、セルフレジを6台導入する予定であるという。これらの改革はいずれもディスカウント業態を成立させるための経費削減策であり、食品スーパーマーケットの最大の経費、人件費と設備投資の双方の削減につながる。

   このように、ザ・プライスが11店舗を新設店、しかもNSCで出店したことは、ザ・プライスのビジネスモデルが完成したということを意味しているといえる。今後、176店舗のイトーヨーカ堂の不振店を業態転換するだけでなく、新規出店にも踏み切ることが可能となったことで、ザ・プライスが不振のイトーヨカ堂を牽引してゆく道筋がついたといえ、今後のザ・プライスの動向に注目である。

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November 20, 2009 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

November 19, 2009

セブンイレブン、デジタルサイネージを導入!

   セブンイレブンのデジタルサイネージを見た。11/17から、都内の直営店10店舗で実証実験がはじまったが、その内の1店舗である。レジカウンターの後ろ、上の方に42型の液晶テレビのようなディスプレイを掲げ、その向かって右横に小さなカメラがついていた。すでに、CMも流れており、今後、3ケ月間、2月中旬頃まで検証を行うという。入ってすぐ、デジタルサイネージに気づいたが、見た感じは小さいという印象だった。42型なので、通常、部屋で見るには大型タイプであるが、セブンイレブンのレジカウンターの後ろ、上に掲げられると、それほど大きくは見えず、意外に小さいように思えた。ただ、その割には向かって右横のカメラがそれなりに目立つので、商品をレジで買う時、睨まれているようで、ちょっと不気味な感じを受けた。

   ちょうど、日経新聞11/17付けに、この記事が掲載されており、「セブン&アイが電子看板」、「セール・新商品情報発信、まず、ヨーカ堂など12店」という見出しの記事である。内容を見ると、11/17から、都内のセブインイレブン10店舗、イトーヨーカ堂2店舗に電子看板を設置するという。そして、その電子看板にセール情報、新商品情報、天気予報、ニュースなどを1回3~6分で放送するという。この放送内容は2週間単位で見なおすという。さらに、ディスプレイの横にカメラを取り付け、約3ケ月にわたり来店客の購買行動を分析し、放送内容の販促効果の測定も行うという。

   いわば、セブンイレブンが独自放送局をもつことになる。今後、全約13,000店舗のセブンイレブンにこのデジタルサイネージが設置されると、まさに、セブンチャネルをもつことになり、一大ネットワークができあがることになる。このようなネットワークは日本ではすでに、JRがトレインチャネルを電車の出入り口の上や駅構内に設置しており、この分野では先行している。また、海外では、ウォルマートがすでに、本格的に取り組みはじめ、全2,700店舗に27,000台のデジタルサイネージを入れ、ウォルマートチャネルが完成しつつあり、すでに、このチャネルは10秒間の広告を2週間、2,500店舗に流した場合、料金が10万ドル(約900万円)の値がついているという。セブンイレブンもこれに匹敵する一大ネットワークに育つ可能性が高く、今後、ヨーカ堂、西武百貨店、そごう、ヨークベニマル、ヨークマート、デニーズ等、グループの総力を挙げて、日本最大のデジタルサイネージ網がつくられる可能性が高まったといえよう。

   たまたま、この動きを確認するため、インターネットを見ていたら、アメリカのMediaDailyNewsに行き着いた。それによると、11/3の記事であるが、セブンイレブンジャパンの子会社、アメリカのセブンイレブンが全米とカナダのセブンイレブンの全6,200店舗にデジタルサイネージを入れることが決まったという。視聴者は推計月間で1億9,000万人にも及び、これは、全米最大のベースボール(野球)のテレビ中継が月間1億5,500万人から3億人であるので、これに匹敵する一大ネットワークが出現することになるという。また、今回、Digital Display Networks社と組み、番組を制作し、全米各地のニュースや天気予報や独自に製作したコンテンツも流す予定であるという。

   これを見ると、今回の日本のセブンイレブンのデジタルサイネージへの取り組みは、すでに、子会社のアメリカのセブンイレブンが先行しており、ほぼ、この動きと歩調を合わせるように動いており、恐らく、全世界のセブンイレブンが近いうち、デジタルサイネージを全店に導入し、一大ネットワークで結ばれるのではないかと思われる。各地で製作された番組そのものの共有は難しいと思われるが、そこで生み出されたノウハウの共有は可能といえ、さらに、今回、日本のセブンイレブンが取り組む、カメラを活用した消費者行動の分析や、広告効果の測定は各国のセブンイレブンでも活用されてゆくのではないかと思われる。

   これで、デジタルサイネージの小売業界への普及する環境が整いつつあるといえ、今後、デジタルサイネージが小売業界へ急速に浸透するのではないかと思われる。今後、すでに取り組んでいるローソンをはじめ、他のコンビニ、食品スーパーマーケット、GMS、ホームセンター、家電量販店など、様々な業種で一斉にデジタルサイネージの導入が始まる可能性が見えてきたといえよう。セブンイレブンの全店への導入は恐らく来期であると思われるので、来期、2011年度は、小売業界にとって、デジタルサイネージが本格的に導入される元年となろう。

   これによって、CMは大きく変わり、今後はテレビ、雑誌に加え、小売業の店頭CM、すなわち、デジタルサイネージが重要な役割を果たすのではないかと思われる。特に、小売業のPOS、IDカード、デジタルカメラによる動画が融合した新たなCM効果測定の指標も早い段階で開発されると思われ、より効果の高いCMが生まれるものと思われる。また、小売業においては、マーチャンダイジングに動画が組み込まれ、恐らく、時間が売上、利益同様に重要なMDのキー概念になるのではないかと思われる。その意味でデジタルサイネージはメーカー、小売業双方にとって、重要なマーケティング、マーチャンダイジングの支援ツールになるのではないかと思う。今後の各社の動向に注目である。

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November 19, 2009 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

November 18, 2009

バロー、2010年3月期、中間決算、増収減益!

   バローが、11/6、2010年3月期の中間決算を公表した。結果は、営業収益1,713.96億円(101.7%)、営業利益43.28億円(96.1%)、経常利益45.41億円(96.6%)、当期純利益17.94億円(97.9%)となり、増収減益となる厳しい結果となった。バローは、本体のバロー以外にも、食品スーパーマーケット数社、ホームセンター、ドラックストア、スポーツクラブなどをグループで運営しており、食品スーパーマーケットとしては多岐にわたる意欲的なビジネスを展開している。そこで、個別、食品スーパーマーケットのバロー124店舗、ホームセンター36店舗、ペットショップ18店舗の合計178店舗の数字を見ると、営業収益1,124.71億円(101.1%)、営業利益21.22億円(71.9%)、経常利益27.82億円(75.3%)、当期純利益14.65億円(74.8%)と、同様に、増収減益となり、減益幅がさらに広がる厳しい決算結果となった。

   この個別決算において、バローが減益となった要因を原価、経費面から見てみたい。まず、原価であるが、76.14%(昨年75.22%)と、0.92ポイント上昇しており、結果、売上総利益は、23.86%(昨年24.78%)と下がった。バローも、「・・、消費者の生活防衛意識が日々の消費行動を鈍化させ、低価格志向を加速させるという非常に厳しい環境にあり、・・」とコメントしているように、価格ダウンがそのまま原価ダウンにつながらず、原価の上昇をまねいたものといえよう。それだけ、価格競争は厳しい状況にあるといえ、食品スーパーマーケットは体力勝負の激しい消耗戦に入ったといえよう。一方、経費の方であるが、27.66%(昨年27.56%)と、若干の上昇が見られる。したがって、原価、経費、双方が上昇し、ダブルで利益を圧迫しており、結果、差し引き、マーチャンダイジング力が-3.80%(昨年-2.78%)と、マイナス幅がさらに広がり、厳しい結果となった。これに、不動産収入、物流収入等のその他営業収入が5.80%(昨年5.58%)のり、結果、営業利益は2.00%(2.80%)となり、減益となった。

   それにしても、バローの収益構造はその他営業収入が大きな鍵を握っており、マーチャンダイジング力が原価大(粗利小)、経費大という構図となっているため、今期のように原価上昇圧力が強い経営環境では、売上げが伸び悩み、固定費が重くのしかかり、その幅が拡大する圧力が加わり、利益がとりにくい状況にあるといえよう。今後、利益を生み出す上においては、原価の改善も重要であるが、経費を如何に下げるビジネスモデルをつくるかが経営課題といえよう。バロー自身も今期、「チラシ配布による販促を行わないEDLP(エブリデー・ロープライス=毎日低価格販売)型スーパーの実験店である「バロー師勝店」」をオープンさせており、これらの動向が注目されるところである。

   一方、財務の方であるが、この中間期の連結の自己資本比率は32.3%(昨年32.0%)と若干改善しているが、負債に約70%を負う財務構造であり、厳しい状況である。これは、負債の主要項目である有利子負債が657.08億円(前期決算時684.49億円)と、返済が進んではいるが、総資産1,736.05億円の37.84%と重くのしかかっているためである。決算公開企業約50社の前期決算時の有利子負債の平均は27.7%であり、平均よりも約10ポイント高く、引き続き、有利子負債の削減が財務の安定化にとっては重要な経営課題といえよう。

   食品スーパーマーケットの財務、特に、資産はその大半が出店にかかわる資産であり、これも決算公開企業約50社の前期決算時の平均を見ると63.5%となり、在庫まで入れると約70%と、大半を占める。したがって、自己資本比率が上昇し、財務が安定しないと、負債、特に有利子負債に頼る新規出店構造となり、資金調達が可能な間は出店ができるが、

   いずれ、限界となり、出店が厳しくなり、成長が鈍化しかねない状況となる。バローの出店にかかわる資産、土地、建物、差入れ保証金の合計は1,117.36億円であり、総資産の64.36%となる。また、在庫は187.63億円と、総資産の10.80%と、通常の食品スーパーマーケットよりも、ホームセンター等の在庫の多い業種が連結決算では加わるため、重くなり、在庫まで入れると、出店にかかわる資産は75.16%と巨額な数字となり、これを自己資本比率から差し引いた出店余力は-42.86%と、負債、特に有利子負債に大きく負う出店構造となる。今後、中長期的に継続的安定的な出店をはかってゆくためにも、有利子負債の削減を一層すすめ、自己資本比率を改善してゆくことが、優先的な経営課題といえよう。

   これを受けて、通期予想であるが、営業収益3,590.00億円(106.7%)、営業利益107.00億円(109.2%)、経常利益108.00億円(106.0%)、当期純利益38.00億円(112.2%)と、この中間決算とはうってかわり、増収増益の好決算予想である。ただ、経営環境はより厳しさを増し、原価、経費双方への圧力がより強まることが予想されるので、この数字を達成するには、今後、後半で思い切った経営改善が必要といえよう。その意味でバローが、この後半に向けて、特に、年間最大の売上、利益を確保できるクリスマス、年末商戦においてどのような思い切ったマーチャンダイジング政策を打ち出すかかに注目である。
 
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November 18, 2009 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

November 17, 2009

ウォルマート、2010年、第3四半期決算、EPS増益!

   ウォルマートが11/12、2010年、第3四半期の決算を公表した。日本の決算では、まず、増収増益が最初に問われるが、ウォルマートは、EPS(1株当たりの利益)を見出しにも、決算発表の冒頭の文書にももって来ており、株主に対しての経営責任を明確にしているのが特徴である。この第3四半期のEPS(1株当たりの利益)は0.84ドルであり、これは、期初に株主に約束した0.78ドルから0.82ドルを上回り、さらに、昨年の0.77ドルを上回る結果であり、率にして昨対109.0%であり、増益となった。日本の上場食品スーパーマーケットでEPSを冒頭に示し、株主にアピールする企業はまずないといえ、いかに、アメリカ、特に、ウォルマートが株主へ対しての責任を強く意識しているかがわかる。

   これひとつをとっても、日本の西友を完全子会社化し、ウォルマート自ら改革に邁進し、復活しつつある西友がいかに本気であるかがうかがわれる。仮に西友から利益が上がらず、EPSに影響があるようであれば、株主から圧力がかかり、日本市場からの撤退もありうる話であり、ウォルマート経営陣は不退転の決意で、西友の改革に取り組んでいるのではないかと思う。

   さて、ウォルマートの売上げであるが、この第3四半期の累計は2,922.20億ドル(約26.2兆円)となり、昨対では-0.3%と若干のマイナスとなった。ただ、第3四半期のみでは1.1%の上昇であり、第3四半期に入って売上げの回復が見られる。特に、海外部門の回復が目覚ましく、累計では-4.8%と厳しい状況であるが、第3四半期のみでは1.6%と、プラスに転じており、懸案の為替レートも落ち着きつつあり、今後はウォルマート全体の売り上げに貢献してくるものと思われる。ただ、サムズクラブ部門は累計-1.8%、第3四半期のみでも-0.7%と厳しい状況にあり、若干回復が遅れつつあるといえよう。また、既存店についてであるが、ウォルマート部門は0.5%、サムズクラブ部門は-2.3%となり、合計0.0%という状況であり、堅調な売上げとなった。

   では、この第3四半期のウォルマートのP/Lを見てみたい。売上げは先にみたとおりであるが、累計の原価は75.06%(昨年75.75%)と下がっており、結果、売上総利益、粗利は24.94%(昨年24.25%)と、0.69ポイント上昇した。日本の食品スーパーマーケット、決算公開企業約50社の平均が25.2%であるので、ほぼ近い数字といえよう。これに対し、経費は20.02%(昨年19.47%)と、0.55ポイント上昇しており、20%を超えた。本来、ウォルマートはEDLPに加え、EDLC(EveryDay Low Cost)を徹底し、それが最大の武器となっていたが、ここへ来て、コスト上昇が見られるのが、やや気になるところである。結果、差し引き、マーチャンダイジング力は4.92%(昨年4.78%)と、プラスになり、これに、その他営業利益が0.80%(昨年0.82%)のり、営業利益は5.72%(昨年5.60%)と、プラスになった。結果、売上げの若干のマイナスをカバーし、増益となっており、減収増益という決算結果となった。

   これを受けて、キャッシュフローであるが、営業キャッシュフローは124.40億ドル(約1兆1,196億円、昨対119.3%)と、大きく増加した。それにしても、営業キャッシュフローが第3四半期累計で1兆円を超えており、すごい金額である。この内、当期純利益が100.63億ドル(80.8%)、減価償却費が52.55億ドル(42.24%)を占めている。日本の決算公開企業約50社の平均が51.7%対42.7%であるので、減価償却費はほぼ同じであるが、当期純利益が極端に高いのが特徴といえよう。

   これに対して、投資キャッシュフローであるが、-86.61億ドル(約-7,800億円、127.4%)であり、今期は積極的な投資がなされている。その中身は、出店関連の投資が-88.85億ドル(昨年-81.74億ドル)と、ほぼすべてであり、今後とも、積極的に新規出店を図ってゆくものと思われる。結果、差し引き、フリーキャッシュフローは37.79億ドル(約3,500億円、昨年36.29億ドル)となり、営業キャッシュフローの約30%となる。したがって、営業キャッシュフローの約70%を新店開発に振り向け、約30%を財務キャッシュフローに振り向けたことになる。

   その財務キャッシュフローであるが、-49.26億ドル(約-4,400億円、161.6%)となり、トータルでは-12.72億ドル(昨年3.51億ドル)と内部留保を取り崩している。中身であるが、配当が31.79億ドル(昨年28.14億ドル)と、配当を増加させている。売上対比では1.08%であり、日本の決算公開企業約50社の平均が0.28%であるので、約5倍、No.1のオオゼキが0.73%であるので、いかに、ウォルマートが株主に厚く配当をしているかがわかる。また、自社株買いが51.05億ドル(昨年35.21億ドル)であり、これも株主還元といえ、増益による利益を株主に厚く還元しているといえよう。これに対して、有利負債は差し引き、若干プラスとなっており、返済が進んでおらず、気になるところである。ウォルマートの今期の純資産比率は40.27%であり、昨年が40.25%であるので、ほぼ同じで数字であり、今期の増益が財務の改善にはつながっておらず、今後の課題といえよう。

   このように、ウォルマートの第3四半期決算は若干減収とはなったが、増益となり、EPS(1株当たりの利益)が上昇し、利益は回復基調といえよう。特に、これまで、為替の影響で海外部門が厳しい状況であったが、ここへ来て回復基調となっており、これも大きいといえよう。残すところ、あと四半期であるが、減収幅はわずかであり、年間最大の売上となるクリスマス、年末セール次第で、今期決算が決まるといえ、次の第4四半期のウォルマートのマーチャンダイジング戦略に注目である。

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November 17, 2009 in ウォルマート、海外情報, 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

November 16, 2009

ファミリーマート、11/13、am/pmを子会社化!

   11/13、ファミリーマートが正式に、am/pm(株式会社エーエム・ピーエム・ジャパン)の子会社化を公表した。この日、ファミリーマートの取締役会で決議され、記者会見も開き、その中で12/24日付けで全株式を実質120億円で買い取り、来春に合併するということを明らかにした。その理由について、ファミリーマートは、「・・、厳しい経営環境の中、さらに当社の競争力を高め、本部、加盟店共に中長期的な成長を確実なものとするためには、国内におけるファミリーマートブランドのマーケットシェアを効率的に獲得することが最善であると考え、このたびam/pmを子会社化することを決定いたしました。・・」とコメントしており、「市場シェアを効率的に獲得する」ことが狙いであるとしている。

   これを受けて、11/14の日経新聞は、「ファミマ、am/pm買収発表、12月までに店名統一」、「セブン追撃へ再編口火」、「市場は低迷、成長に危機感、首都圏一気に強化」との見出しの記事を掲載した。その記事を読むと、ファミリーマートの筆頭株主、30.65%を所有する伊藤忠商事は当初はこのM&Aに消極的であったという。伊藤忠商事は、国内よりも、海外市場を優先すべきという考えが強かったというが、伊藤忠商事、食料部門出身のファミリーマートの上田社長がここは勝負時と見て、リスク覚悟の主戦論を展開し、自ら、am/pmの親会社、レックスホールディングスと交渉を開始したという。

   実際、今回の買収金額は120億円であるが、11/15の日経ヴェリタスによれば、これ以外に、買収後のam/pmの店舗改装に80億円、250店舗の不採算店の閉鎖に90億円、ここから節税効果110億円を引くと、合計実質180億円の投資になるという。これは、すでに、この5月に白紙にもどったローソンとam/pmの直接の買収金額145億円、これに店舗改装150億円、節税効果150億円、さらに保証金のもどしなどで50億円、計95億円と比べると、かなり割高であるという。それでも、そのリスクを負ってでも、今回、上田社長がam/pmの買収を決断した理由は、首都圏という、最も重要な市場で劣勢にたっていたファミリーマートを一気に、この市場でNo.1にするには、このM&Aが「市場シェアを効率的に獲得する」最良の選択肢と判断したためであるという。

   実際、日経新聞によれば、現在、都内の主要コンビニの店舗数は、No.1がセブンイレブンジャパン1,650店舗、No.2がローソン1,250店舗、No.3がファミリーマートの1,150店舗である。これにam/pmの550店舗が加わると、ファミリーマートは1,800店舗となり、一気にトップシェアとなり、首都圏でのまさに、「市場シェア」を獲得することになる。そのためには、買収金額が高くついても、市場シェアを優先した方が、経営戦略上は重要であるとの判断が働いたものといえよう。

   ちなみに、am/pmの経営状況であるが、ここ3年間の純資産は、2006年12月期26.20億円、2007年12月期-122.62億円、2008年12月期-139.22億円と、2007年度から債務超過に陥っている。今回のファミリーマートの交渉に当たっても、日経新聞によれば、am/pmの本多社長は、「当社の経営資源では加盟店を守りきれない」と語ったということで、この100億円以上の債務超過は、経営の限界を超える、ギリギリの状況であったことがわかる。また、チェーン店全体の売上高も、2006年12月期1,733.12億円、2007年12月期1,625.36億円、2008年12月期1,515.06億円と、厳しい状況にあり、店舗の活性化が急務であった状況であり、債務超過を相殺するだけでなく、既存店の活性化の資金も必要な状況であり、am/pmの親会社、レックスホールディングスでは、支えきれない状況にあったといえよう。さらに、営業利益は2006年12月期-11.43億円、2007年12月期-34.90億円、2008年12月期6.10億円と、厳しい状況であり、収益の改善もまったなしの状況であったといえる。

   さて、今後であるが、11/15の日経に、「そこが知りたい」というコーナーで、伊藤忠商事の小林社長のインタビュー記事が掲載された。これを読むと、すでに、伊藤忠商事は次の一手に目が向いており、ひとつは、海外、特に中国市場の開拓であり、もうひとつは、国内でのバリューチェーンの構築である。特に、伊藤忠商事がすでに出資を決めたユニーを中心に、グループのファミリーマート、そして、今回のam/pm等のコンビニ、またユニーと業務提携先のイズミヤ、フジ等の食品スーパーマーケットとの連携、さらに、これらを起点に国内の有力コンビニ、食品スーパーマーケットとの連携である。

   その意味で、今回のファミリーマートのam/pm買収は、伊藤忠商事がキーカンパニーとなった小売業の第3極、セブン&アイH、イオンにつぐ一大小売りグループづくりへの大きな一歩ともいえよう。ファミリーマートがいつ、ユニー傘下のサークルKサンクスと資本・業務提携に踏み切ってもおかしくない状況であり、ユニーがいつイズミヤ、フジともう一歩踏み込んだ連携をはかっても不思議ではなく、さらに、全国の有力食品スーパーマーケットが、この連合にいつ加わっても違和感がない状況であるといえよう。今回のファミリーマートのam/pmへのM&Aが、食品スーパーマーケット業界を含め、流通業界再編の口火を切るきっかけとなった可能性が高く、今後、各社の動向に注目である。

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November 16, 2009 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

November 15, 2009

在庫と食品スーパーマーケットの関係

  小売業は在庫との戦いであるといわれる。食品スーパーマーケットも同様であり、在庫問題はマーチャンダイジングの大きな課題である。確かに、売場は商品であふれており、通常の食品スーパーマーケットでは約1万品はあり、このそれぞれが、金額面で見ると平均10日分ぐらいの在庫をもっている。また、これを数量で見ると、1日1個であれば、10万品、2日に1個であれば5万品、10日に1個であれば、1万品の在庫となる。ちなみに、ごく一般的な食品スーパーマーケットの部門別在庫日数であるが、金額面で見ると、生鮮は数日、日配は5日ぐらい、グロサリーは3週間ぐらい、合計10日前後となる。

   では、この在庫がどのような経営へのインパクトとなるかを考えてみたい。まず、在庫と経営との関係であるが、大きく2つあるといえよう。ひとつは過少在庫であり、もうひとつは過剰在庫である。過少在庫の場合は、売上げが下がり、結果、利益が下がることが経営へ与えるインパクトであるといえよう。これは結果的に、キャッシュフロー、特に、当期純利益を減らし、投資や返済への原資が少なくなり、結果、純資産が増加せず、財務への圧迫が起こることになろう。

   一方、過剰在庫は、売上げは過少在庫と比べ上昇し、キャッシュフローも増加し、投資や返済への原資が増え、純資産も増加し、財務改善へつながるように見える。ただ、売上げが上がらなければ、在庫が増えることになり、原価が上昇し、粗利が減り、結果、キャッシュフローが減ることになる。要は、過剰在庫が売上げに結びつくかどうかがポイントとなる。また、過剰在庫は、一方で、B/Sの資産の増加につながり、結果、負債が増加することになりかねず、財務を圧迫することになる。したがって、過剰在庫は、売上げに結びつたとしても、資産、負債の増加につながる恐れが高く、この面から見ると、望ましいとはいえない。

   では、実際、食品スーパーマーケットでどのくらい在庫資産があるかであるが、決算公開企業約50社の前期本決算をみると、単純平均では総資産対比8.5%である。ただ、この中には、ホームセンター主体の食品スーパーマーケット、GMS、SC主体の食品スーパーマーケットも入っており、純粋な生鮮主体の食品スーパーマーケットで見ると数%である。実際の数字を見ると、たとえば、ホームセンター主体のトライアルカンパニー26.2%、PLANT20.0%、アークランドサカモト17.0%という状況であり、GMS主体のイオン九州23.5%、Olympic15.0%とい状況である。一方、生鮮主体の食品スーパーマーケットはオオゼキ2.5%、マックスバリュ東海4.0%、丸和4.1%、関西スーパーマーケット4.2%、原信ナルスH4.2%、アオキスーパー4.6%、ハローズ4.9%、ヨークベニマル4.9%、オーケー4.9%という状況である。したがって、食品スーパーマーケットの在庫はおよそ5%前後といえよう。
 
   では、この約5%が経営へのインパクトがあるかどうかであるが、微妙な数字であるといえよう。先に見たトライアルカンパニー、PLANT、アークランドサカモトのように20%前後となると在庫インパクトは大きく、この削減がそのまま負債の削減につながり、純資産比率の引き上げにつながったり、たな卸資産の減少として、キャッシュフローの増加に大きくつながることになる。経営の改善に大きく寄与するといえよう。

   したがって、食品スーパーマーケットにとって、在庫問題は確かに総資産の5%前後であるので、それなりの存在感はあるが、経営にインパクトを与えるまでにはなっておらず、微妙な数字といえよう。通常、何でもそうだが、ものごとにインパクトを与えるには、7%から10%の数字が必要といえ、これが10%を超えれば、大きなインパクトとなり、無視できない数字となる。食品スーパーマーケットで10%以上の影響のある項目は、資産面では、土地、建物、敷金・保証金等であり、負債面では買掛金、有利子負債等である。これらは確かに、10%以上の総資産対比の項目であり、どれも経営へのインパクトは大きい。

   こう見ると、食品スーパーマーケットにとって、最大のインパクトはこの中の、土地、建物、敷金・保証金、すなわち、出店関連であり、しかも、その資金調達が有利子負債であることが大半であり、この2点が最も経営にインパクトがある項目といえよう。在庫問題はこと食品スーパーマーケットにとっては、最大のインパクトである出店関連の次のテーマであるといえ、無視はできないが、横目でしっかりにらみながら見てゆく項目といえよう。

   このように食品スーパーマーケットにおける在庫問題は、こと、生鮮主体の食品スーパーマーケットでは総資産の約5%であり、経営へのインパクトが微妙な数字であるといえる。小売業業界全体では在庫問題は、先に見たホームセンター主体の食品スーパーマーケットのように大きなインパクトがあるが、食品スーパーマーケットはそれ以上に出店関連の問題があまりにもインパクトが大きいといえ、気にしなければならない課題ではあるが、経営改善の優先度は若干低い課題であるといえよう。

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November 15, 2009 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

November 14, 2009

ヤマザワ、2010年3月期中間、減収増益!

   ヤマザワが10/30、2010年3月期の中間決算を公表した。結果は、売上高458.15億円(99.3%)、営業利益12.07億円(102.0%:売上対比2.63%)、経常利益12.18億円(101.9%:売上対比2.65%)、当期純利益5.99億円(145.5%:売上対比1.30%)と、売上高は減少したものの、利益は増益、特に当期純利益は大幅な増益となった。売上高が減少した要因は新店が1店舗に留まり、既存店の客数が96.1%、客単価が98.8%となり、売上高が94.9%となったことが大きかった。また、客単価の中身であるが、買上点数は101.0%とやや上昇したが、平均単価が97.8%と下落したことが大きい。平均単価97.8%は昨年が101.4%、一昨年が101.2%であるので、この3年間では最も大きな落ち込みであり、消費環境の悪化による価格競争の結果を反映しているといえよう。

   ただ、このような既存店の厳しい売上の結果を受けても、利益は増益となり、その要因を原価、経費面から見てみたい。まず、原価であるが、71.94%(昨年72.15%)と、0.21ポイント減少した。今期は各食品スーパーマーケットが激しい価格競争の中、原価が上昇する食品スーパーマーケットが多いにもかかわらず、ヤマザワは、原価の改善をはかっており、これが利益に貢献したといえよう。しかも、先に見たように、平均単価は下がっており、それ以上に原価を改善したといえ、この面での改善効果は大きかったといえる。結果、売上総利益は28.06%(昨年27.85%)と、粗利が改善した。

   一方、経費の方であるが、25.42%(昨年25.27%)と0.15ポイント上昇しており、経費面では若干の増加が見られた。結果、差し引き、マーチャンダイジング力は2.64%(昨年2.58%)と、上昇した。ヤマザワはその他営業収入が0であるため、マーチャンダイジング力=営業利益となり、今期、売上げが伸び悩む中、利益は原価を抑えたことにより、増益となり、堅調な決算となった。

   これを受けて、キャッシュフローの流れであるが、営業キャッシュフローは14.55億円(昨年6.59億円)となり、約8億円と、大きく増加しているが、これは、当期純利益が大きく増加したことではなく、減価償却費が増加したことに加え、法人税等の支出面が減少したことが大きい。結果、投資キャッシュフロー、財務キャッシュフローへの配分が大きく増加した。その投資キャッシュフローであるが、-14.22億円(昨年-12.04億円)と、営業キャッシュフローの大半を当てており、これを見る限り、積極的な投資にキャッシュを配分していることがわかる。その中身であるが、新規出店関連への投資が-13.91億円(昨年-11.81億円)と、昨年よりも増加しており、新店への積極的な投資がなされている。ヤマザワの1店舗当たりの出店に関する資産は4.49億円であるので、逆算すると、3.1店舗となる。

   ヤマザワは、この中間期では7月に神町店(山形県)の1店舗のみの新規出店であり、後半の予定が富の中店(山形県)、中の島店(宮城県)の2店舗、計3店舗の予定である。このキャッシュフローの配分を見ると、今後とも堅調な店舗増を目指しているといえよう。結果、現在、山形県44店舗、宮城県17店舗、合計61店舗となった。年3店舗はちょうど5%の店舗数に当たり、105%の堅実な成長を目指した投資への配分といえよう。

   結果、フリーキャッシュフローは0.33億円(昨年-5.45億円)と、昨年の大幅なマイナスと比べ、プラスの順流となったが、その金額はわずかであり、投資キャッシュフローへの厚い配分がなされ、財務キャッシュフローへの配分が厳しい状況である。その財務キャッシュフローであるが、-1.00億円(昨年-6.17億円)と、さらにマイナスとなり、内部留保を取り崩す結果となり、トータルのキャッシュフローは-0.67億円(昨年-11.62億円)となった。ただ、昨年よりは、減少している。その中身であるが、配当は-1.46億円と変わらなかったが、有利子負債の返済が1.20億円(昨年-4.66億円)と、昨年と比べ、増加しており、気になるところである。

   結果、ヤマザワの有利子負債は21.70億円(前期本決算時20.50億円)と若干増加したが、総資産401.03億円の5.41%であるので、財務的にはほとんど問題のない数字である。また、現金及び預金は40.83億円であるので、実質、無借金経営であるといえ、安定した財務状況である。したがって、自己資本比率も63.4%(昨年62.7%)と、健全であり、負債に大きく頼ることなく、経営が可能な財務状況といえる。この自己資本63.4%は食品スーパーマーケット決算公開企業約50社の前決算時の平均が40.7%であるので、トップクラスであり、ベスト10に入る高い数字である。この安定した財務状況があって、今回のキャッシュフローのように、思い切って投資へキャッシュを振りむけることが可能となったといえよう。

   このように、ヤマザワの2010年3月期の中間決算は、わずかな減収とはなったが、利益はしっかり確保しており、財務状況も安定している。後半は新規に2店舗の出店が予定されており、通期予想を見ても、100.4%の増収を見込んでいる。今期は、この中間の堅調な増益を背景に増収増益となるものといえよう。課題は、既存店の活性化に絞られたといえ、平均単価の落ち込みによる客単価ダウンをどうカバーしてゆくか、今後、ヤマザワのマーチャンダイジング戦略に注目したい。

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November 14, 2009 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

November 13, 2009

POS分析、レシートとID分析の違いは?

   ここ最近POS分析が急速に食品スーパーマーケット業界、およびメーカー、卸で注目されつつある。その背景にあるのは、消費環境の厳しさが増す中、小売業側の収益が落ち、その対策のひとつとして、食品スーパーマーケットとメーカー、卸と一体となった取り組みが求められ始めたことがあるといえよう。特に、ここ最近、食品スーパーマーケット側のIT化が進み、webを通じて、POSデータを公開する仕組みがあいついで開発されたことも、この状況に拍車をかけているといえよう。そこで、ここでは、この注目されつつあるPOS分析において、2大潮流となりつつある分析手法、レシート分析とID分析の違いについて考えてみたい。

   POS分析には、大きく分けて2つの分析手法が存在する。ひとつはレシート分析であり、もうひとつはID分析である。では、この2つの分析手法の決定的な違いは何かを考えてみたい。まず、共通点であるが、どちらも、売上げと連動しており、売上げを起点に捉えることができる。レシートの場合は、売上=レシート枚数×レシート1枚当たりの売上げであり、IDの場合は、売上=ID数×1ID当たりの売上げとなる。したがって、ここから売上を起点に両者を関係づけることが可能となる。売上=レシート枚数×レシート1枚当たりの売上げ=ID数×1ID当たりの売上げとなる。そして、これを変形すると、レシートとIDの関係が明らかになる。すなわち、レシート枚数×レシート1枚当たりの売上げ=ID数×1ID当たりの売上げとなり、これをレシートから見ると、レシート1枚当たりの売上げ=1ID当たりの売上げ×(ID数÷レシート枚数)であり、IDから見ると、1ID当たりの売上げ=レシート1枚当たりの売上げ×(レシート枚数÷ID数)である。

   すなわち、レシートとIDの関係は、この数式によって関係づけられ、どちらを起点にしても、売上げを説明でき、売上げを媒介にして、この両者を関係づけることが可能となる。通常は、この2つの数式の内、後者、すなわち、1ID当たりの売上げ=レシート1枚当たりの売上げ×(レシート枚数÷ID数)を活用し、これをさらに整理し、ID金額PI値(1ID当たりの売上げ)=ID客数PI値(レシート枚数÷ID数)×金額PI値(レシート1枚当たりの売上げ)として、活用している。

   したがって、レシートとIDの関係は、ID金額PI値=ID客数PI値×金額PI値で関係づけられ、この両者は無関係ではなく、この数式により、売上げを媒介にして、密接な関係にあるといえる。そこで、この数式をもとに、レシートとIDの違いを改めて考えてみたい。

   まず、レシートであるが、決定的な違いは、レシートにはIDがないため、ID客数PI値が存在しないことである。数式の右半分の金額PI値だけの世界での分析となる。したがって、売上げをあげるには、レシート枚数を増やすか、金額PI値(レシート1枚当たりの売上げ)を増やすかということになる。特に、金額PI値の高い商品が重視され、この商品のレシート枚数をいかに増やすかが最重点課題となる。

   これに対して、IDは、数式が示すように、金額PI値にID客数PI値がかかっているため、ID客数PI値、すなわち、頻度が重要なキーワードとなる。したがって、この頻度次第で、金額PI値が高いものでも、ID金額PI値は低くなることもあり、逆に、金額PI値が低いものでも、ID金額PI値は高くなることもある。これは、レシートの世界では想像もつかなかった事実であり、IDを見ることによってはじめて明らかになった事実である。したがって、ID客数PI値、すなわち、頻度分析が可能なことが、決定的な違いのひとつである。

   次に、その延長となるが、頻度分析、すなわち、リピート分析が可能となることである。単純なID客数PI値の頻度だけでなく、売上げの中身が、トライアルIDが多いのか、リピートIDが多いのか、さらには、ヘビーリピートか、ライトリピートかなど、様々な頻度分析が可能となる。また、IDの属性と絡めれば、属性ごとの頻度分析も可能となり、売上げの中身がより深く分析できることがポイントである。

   そして、もう1点、IDで売上げが見えるので、対象商品だけでなく、そのIDが購入している全商品を見ることもできることである。これもレシート分析では逆立ちしても把握できない実態である。これによって、併売分析も可能となり、さらには、そのIDがどれだけ、店舗に貢献しているか、いわゆるロイヤルカスタマー度の判別も可能となる。これは、財務との連動も視野に入る課題であり、特に、キャッシュフローと密接に絡むテーマでもある。

   このように、レシートとIDは密接に関係しており、しかも、その本質は、決定的な違いがあるといえる。さらに、この両者は従属関係にあるともいえ、ID客数PI値を介することによって、金額PI値の世界をID金額PI値の世界に変換することが可能である。金額PI値の世界はすべてID金額PI値で説明することができるが、ID金額PI値の世界は、IDの把握ができない限り、金額PI値では説明できないという関係である。その意味で、POS分析は、その歴史はレシートからIDへという流れであるが、本質を理解するには、IDからレシートへの方が速く、しかも深く理解でき、広がりも大きいといえよう。

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November 13, 2009 in CRM、FSP, 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

November 12, 2009

九九プラス、2010年3月期、中間決算、増収増益、好調!

   九九プラスが11/10、2010年3月期の中間決算を公表した。結果は、営業収入760.73億円(112.1%)、営業利益11.78億円(昨年赤字:営業収益比1.54%)、経常利益 12.28億円(昨年赤字:営業収益比1.61%)、当期純利益14.47億円(昨年赤字:営業収益比1.90%)と、昨年の赤字からV字回復を果たし、一転、増収増益の好決算となった。今期はローソンとの資本・業務提携の成果が問われる決算であるが、早くも、その効果が鮮明に表れたといえよう。特に、今年5/1にローソンの子会社バリューローソンの吸収合併を機に、大半の店舗をローソンストア100へとリニューアルしたことが大きいといえよう。現在、九九プラスは937店舗であるが、内、ローソンストア100は744店となり、約80%が新店を含め、リニューアルしたことになる。さらに、FC化もこの7月から本格化しており、これが軌道に乗れば、これまで抑制されていた新規出店ペースを速めることも可能となろう。

   では、今期、昨年の赤字から一転、黒字に転換した要因を原価、経費面から検証してみたい。まず、原価であるが、75.66%(昨年76.24%)と、0.58ポイント下がっており、原価の改善が着実に進んでいる。結果、売上総利益は24.34%(昨年23.76%)となり、粗利の改善が進んだ。九九プラスは、商品売価が原則100円であるので、1品につき、24.34円が平均粗利であり、75.66円が平均原価となる。一方、経費の方であるが、24.65%(昨年26.36%)となり、1.71ポイントと大幅に改善した。今期の高収益をもたらした要因は、原価よりも、経費の方が大きいといえよう。結果、差し引き、マーチャンダイジング力は、-0.31%(昨年-2.60%)と、マイナス幅が大きく改善した。ただ、まだ、若干のマイナスであり、今後、さらに、マーチャンダイジング力を引き上げ、プラスにもってゆけるかが課題といえよう。

   そして、これに、FCビジネス特有の加盟店からの収入とその他営業収入が加わるが、その数字は1.84%(昨年2.06%)と、昨年よりも下がっているが、マーチャンダイジング力の改善効果が大きく、営業利益は1.53%(昨年-0.54%)と、赤字から黒字へと転換し、V字回復となった。こう見ると、まだ、マーチャンダイジング力がマイナスという課題は残るが、原価よりも経費が大きく改善されたことが、大きいといえよう。また、今後はFC化がさらに加速され、FCからの加盟店収入が増加するものと予想され、その他営業収入が、改善され、営業利益を一層押し上げることが期待されよう。さらに、課題の原価についても、ローソンとの商品の共同開発、PB化も進むと予想され、この面での改善も期待できる。したがって、今後、九九プラスの業績は、さらに、改善されるのではないかと思われる。

   これを受けて、九九プラスの通期予想であるが、営業収益1,379.00億円、営業利益 17.70億円(営業収益比1.28%)、経常利益18.20億円(営業収益比1.31%)、当期純利益16.50億円(営業収益比1.19%)と、やや、中間決算と比べ、営業収益比が下がった予想であることが気になるが、黒字基調は変わらず、好決算が予想される。

   さて、一方、財務面であるが、自己資本比率は43.8%(昨年41.6%)と、改善しており、財務の強化も進んでいるといえよう。ただ、まだ、60%弱が負債に負う経営構造であり、今後、さらに、財務基盤の強化も課題といえよう。そこで、今期の好調な決算をもとにキャッシュフローの流れを見てみたい。そして、ここから、今後の九九プラスの経営戦略をうらなってみたい。

   まず、営業キャッシュフローであるが、25.61億円(昨年13.24億円)と、当期純利益がプラスになった分、大きく増加している。そして、投資キャッシュフローであるが、-8.28億円(昨年-7.69億円)と、ほぼ昨年と同様の投資である。その中身であるが、新規出店関連への投資が-9.27億円(昨年-6.30億円)と、昨年よりも、増加しており、今期は新店に対しても昨年以上に配分を割いている。結果、フリーキャッシュフローは17.33億円(昨年5.55億円)となり、3倍強に増加した。ここから財務キャッシュフローへの配分となるが、-19.69億円(昨年-9.50億円)と、大きく配分が増えており、その中身は、有利子負債の返済のみであり、金額は-19.68億円(昨年-9.17億円)となる。したがって、今期は、好調な決算結果を受け、増加したキャッシュの大半を有利子負債の返済に充て、財務基盤の強化をはかったといえる。その結果、今期の有利子負債であるが、この支払いで、0となり、無借金経営となった。そして、トータルキャッシュフローであるが、-2.35億円(昨年-3.95億円)となり、若干、内部留保を取り崩す結果となった。

   このように、今期の九九プラスの中間決算は、経費削減が大きく進み、増収増益と、昨年の赤字決算に対し、一転、好調な黒字決算となり、キャッシュフローが大きく増加した。そして、その増加したキャッシュフローの大半を有利子負債の返済に充て、結果、有利子負債は0となり、無借金経営となり、財務基盤が強化された。ローソンと業務・資本提携をした効果が早くも表れたといえ、今後、この改善された財務を背景に、攻めに転じることが可能となり、後半、そして、来期へ向けて、九九プラスがどのような積極策を打ち出すか注目である。

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November 12, 2009 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

November 11, 2009

スーパーバリュー、2010年2月期中間、増収増益!

   スーパーバリューの業績が消費環境の厳しい中、好調に推移している。10/13に公表した2010年2月期の売上高は211.89億円(115.8%)、営業利益は5.97億円(112.1%)、経常利益5.20億円(113.0%)、当期純利益2.90億円(105.4%)となり、増収増益、特に、売上げが大きく増加し、好調な決算となった。

   スーパーバリューは、食品スーパーマーケットとホームセンターの購買頻度の高い商品を主体としたスーパーセンターに近い新業態であり、その売上構成比は食品約70%、HC約30%となり、食品に強いHCというビジネスモデルである。この中間決算時の客単価が2,452円と、通常の食品スーパーマーケット、HCよりも高く、まさに、ハイブリットの相乗効果の強みを発揮している。その原動力が、経費17%台の強みを生かした、強力な価格訴求による競争力にあり、粗利も20%強と、通常の食品スーパーマーケットと比べても約5%程度低い数字である。

   この中間期、特に売上高が好調に推移した要因であるが、既存店の売上高が101.2%と堅調に推移したことに加え、昨年から今年にかけて、あいついで新規出店を果たしたことにある。2008年11月(SuperValue 川口前川店)、12月(SuperValue 入間春日町店)、2009年7月(SuperValue 東所沢店)、2009年10月(SuperValue 荒川一丁目店)と、立て続けに4店舗を出店しており、特に、はじめの3店舗の売上高が中間決算に計上されたために、数字が大きく上昇した結果となった。スーパーバリューは現在12店舗であるので、3店舗の新店は重みがあり、新店による売上増への貢献度が高いといえよう。また、この11月にも2店舗が同時オープン予定であり、さらに、売上高は大きく伸びることが予想される。

   スーパーバリューはこの好調な売上高に加え、利益も好調であり、今期、営業利益は2桁の増益となった。その要因を原価と経費面から見てみると、原価は80.08%(昨年79.44%)と、若干であるが、上昇しており、結果、粗利、売上総利益は19.92%(昨年20.56%)と下がった。ただ、これは、結果、原価が上がり、売価が下がったということでもあり、昨年よりも一段と価格が下がり、価格訴求が増したともいえよう。一方、経費の方であるが、17.80%(昨年18.56%)と、大きく削減しており、経費の削減が一層進み、17%台となり、これが原価の上昇を充分にカバーし、強力な価格訴求の原動力となったといえよう。結果、差し引き、営業利益は2.12%(2.00%)と、上昇しており、率にして106%の上昇である。これに好調な売上高があいまって、営業利益率2桁の増益をもたらしたといえる。

   では、この好調さを生かして、今後のスーパーバリューの経営戦略をキャッシュフローの流れから占ってみたい。まず、営業キャッシュフローであるが、-7.64億円(22.77億円)となり、昨年と一転、マイナスのキャッシュフローである。これは決算日と金融機関の休日との関係で、昨年は仕入れ債務が17.80億円増加したが、今期は-12.33億円減少したためである。結果、営業キャッシュフローは厳しい状況である。そして、投資キャッシュフローであるが、-3.87億円(昨年-3.81億円)と、ほぼ、同額である。その内訳であるが、新規出店関連が-3.25億円(昨年-3.35億円)であり、昨年同様の新規出店への投資が大半である。したがって、営業キャッシュフローが厳しい中でも、今期も昨年同様の新規出店による成長戦略が引き続き堅持されるものといえよう。結果、差し引き、フリーキャッシュフローは-11.51億円(昨年18.96億円)と、マイナスとった。

   したがって、キャッシュフローは逆流となり、財務キャッシュフローか、内部留保を取り崩すことになるが、その財務キャッシュフローを見ると、-0.78億円(昨年-7.27億円)であり、さらに、マイナスとなり、結果、内部留保を-12.29億円(昨年11.69億円)取り崩すこととなった。その内訳であるが、配当は-0.41億円(昨年-0.31億円)と、若干、昨年よりも増加したが、有利子負債が-0.36億円(昨年-6.95億円)と、若干の削減にとどまっており、財務状況は、この好決算を生かしての改善にはいたらなかったといえよう。

   実際、スーパーバリューの自己資本比率は15.8%(昨年13.7%)と、若干改善しているが、まだまだ、経営がその約85%を負債に大きく依存している状況であり、特に、有利子負債は111.45億円と、総資産190.91億円の58.37%という状況であり、厳しい財務状況である。本来であれば、この好調な決算結果を、有利子負債の削減等に向け、財務状況の改善を図りたいところかと思うが、スーパーバリューは敢えて、新規出店にキャッシュフローを配分し、強気の攻めの経営戦略を選択したといえよう。

   このように、スーパーバリューの2010年2月期の中間決算は、増収増益の好決算となった。そして、この好決算をいかし、経営課題の財務改善に踏み込むのではなく、敢えて、内部留保を崩してでも新規出店への投資へキャッシュを配分し、積極的な成長戦略を選択している。それだけ、厳しい消費環境を反映した現在の異常な価格競争による経営環境の悪化は、スーパーバリューにとっては、ビジネスチャンスとの判断が働いたものといえよう。この経営決断が、今後のスーパーバリューのさらなる好調さにつながってゆくか、その動向に注目である。

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November 11, 2009 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

November 10, 2009

原信ナルスH、2010年3月期中間決算、増収増益!

   原信ナルスHが11/2、2010年3月期、中間決算を公表した。結果は、売上高が593.30億円(101.9%)、営業利益16.19億円(113.1%:売上対比2.72)、経常利益15.38億円(112.0%:売上対比2.59%)、当期純利益7.72億円(133.4%:売上対比1.30%)と、増収増益、特に利益は2桁増となる好調な決算となった。また、通期予想も、売上高1,190.00億円(102.4%)、営業利益36.00億円(111.8%:売上対比3.02%)、経常利益35.00億円(114.6%:売上対比2.94%)、当期純利益18.00億円(169.0%:売上対比1.51%)と、同様に増収増益であり、今期、原信ナルスHの決算は好調な決算が予想されよう。

   そこで、今期、特に利益が増収になった要因を原価、経費面から見てみたい。まず原価であるが、73.64%(昨年73.22%)となり、0.42ポイント上昇した。やはり、ここへ来ての価格競争の激化により、売価が下がり、原価の上昇を招いたものと思われる。実際、今期の平均単価は168.0円(昨対98.5%)と下がっている。PI値は逆に1,048%(昨対101.4%)と上昇しているが、結果、金額PI値(客単価)は1,758円(99.7%)と下がっており、平均単価のダウンが原価を引き下げた要因と思われる。結果、売上総利益、いわゆる粗利は26.36%(昨年26.78%)とダウンした。

   一方、経費の方であるが、23.62%(24.30%)と、0.68ポイント下がっており、今期は経費の改善が進み、これが、利益を押し上げた要因である。結果、原価の上昇を経費の削減で抑え、差し引き、マーチャンダイジング力は、2.74%(昨年2.48%)と、0.26ポイント、率にして110.48%の改善となった。原信ナルスHはその他営業収入が0であるので、マーチャンダイジング力=営業利益であるので、これがそのまま営業利益となり、売上増とあいまって、営業利益が2桁の大幅な伸び率となった。

   これを受けて、原信ナルスHがどのようにキャッシュフロー戦略をとったかであるが、まず、営業キャッシュフローは29.75億円(昨年24.94億円)と、当期純利益が増益になった分、営業キャッシュフローも増加した。この増加したキャッッシュをどのように投資に回したかであるが、その投資キャッシュフローを見ると、-6.74億円(昨年-18.32億円)と大幅に削減している。その中身を見ると、新規出店にかかわる投資が-6.91億円(-17.09億円)と大幅に削減されている。原信ナルスHの1店舗当たりの出店にかかわる資産は4.31億円であるので、店舗数に直すと1.6店舗(昨年4.0店舗)であるので、新規出店への投資を大きく削減していることがわかる。結果、フリーキャッシュフローは差し引き、23.01億円(昨年6.62億円)と、昨年と比べ潤沢なキャッシュを確保した。

   これを投資、有利子負債の返済等へ配分することになるが、財務キャッシュフローを見ると、-21.56億円(昨年5.93億円)と、昨年と対照的なプラスからマイナスへの財務キャッシュフローとなり、キャッシュフロー戦略の転換がはかられている。その中身であるが、まず、配当は-2.16億円(昨年-2.87億円)と若干配分が減っており、投資家への配分を厚くしているわけではないことがわかる。次に、有利子負債であるが、短期、長期の借入と返済を相殺すると、-19.40億円(昨年8.81億円)と、ここでも、プラスからマイナスへと逆転が起こり、昨年と比べ一転、大きく有利子負債を返済している。結果、トータルのキャッシュフローは1.44億円(昨年12.54億円)となった。

   こう見ると、今期のキャッシュフロー戦略は、大幅な増益となったキャッシュを昨年は新規出店への投資に大きく振り向けたが、今期は、新規出店への投資を大幅に削減し、その余力のほとんどを有利子負債の削減に当てており、財務基盤の確立にキャッシュを厚く配分したといえよう。実際、有利子負債の状況を見ると、146.79億円(前期決算時158.84億円)と削減されており、負債が削減されている。結果、利益の増加もあり、純資産の改善もはかれたために、自己資本比率は43.5%(昨年41.8%)と若干改善した。ただ、この自己資本比率は決算公開企業約50社の平均に近い数字であり、原信ナルスHとしては、一層、改善したいところであろう。

   結果、原信ナルスHの出店余力であるが、出店関連の資産である、土地、建物、敷金及び保証金の合計は276.65億円であり、これは総資産515.48億円の53.66%となり、自己資本比率43.5%から引くと-10.16%と、約10%強を負債に依存する構造であり、トップクラスの食品スーパーマーケットと比べるとやや重い出店に関しては財務構造といえよう。

   ちなみに、決算公開企業約50社の前期決算で、出店余力がプラスとなった食品スーパーマーケットはヨークベニマル29.4%、オオゼキ28.7%、マックスバリュ東海16.6%、東武ストア11.2%、大黒天物産9.8%、サンエー7.9%、アオキスーパー7.8%、いなげや6.8%、九九プラス5.4%である。

   このように、原信ナルスHの今期中間決算は、増収こそわずかな伸びであったが、大幅な増益となり、特に、経費改善の効果が大きかったといえよう。その結果、今期は増大したキャッシュを新規出店への投資を抑制し、そのほとんどを財務基盤の確立に当て、財務の安定化をはかっており、攻めよりも、守りを重視した経営戦略の転換を図ったといえよう。今後、消費環境はますます混迷を深め、経営環境は悪化するものと予想される中、業績好調な原信ナルスHが今後とも守りの経営戦略に徹してゆくのか注目である。

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November 10, 2009 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

November 09, 2009

調味料、焼き肉のたれ、ドレッシング好調、内食需要?

   ここへ来て、食品スーパーマーケット業界の業績が厳しい状況になってきた。現在、2010年2月期、3月期の中間決算があいついで公表れているが、その結果を見ると、増収増益の好決算の食品スーパーマーケットは稀であり、大半が増収減益か、減収減益の決算となっており、利益の確保が特に厳しい状況となっている。これは、消費者物価指数(CPI)が明らかなデフレ傾向を示すように、食品スーパーマーケット各社が激しい価格競争を繰り広げ、結果、価格が下がり、原価の下落をもたらし、利益への影響が大きいためであると思われる。

   ただ、このような厳しい状況の中でも、数字を伸ばしている商品群がある。先に総務省統計局が公表した直近の家計調査データを見ると、食品全体が99.9%となり、伸び悩む中、油脂・調味料は101.8%、その中でも調味料は102.0%と堅調な伸びを示している。特に、つゆ・たれ10.07円(111.9%)、マヨネーズ・ドレッシング8.40円(110.0%)と、調味料の主力部門が好調であり、ケチャップも1.63円(102.1%)と、堅調な伸びである。ただ、基礎調味料の食塩1.43円(93.5%)、しょう油5.17円(97.5%)、砂糖3.53円(99.1%)、酢3.53円(93.8%)、ソース2.00円(96.8%)、みそ6.87円(100.5%)は、伸び悩んでおり、明暗がわかれている。ここからも、調味料全体を牽引しているのは、マヨネーズ、ドレッシング、つゆ、たれ、ケチャップ等の加工調味料であるといえ、これらがこの消費環境の厳しい中においても、家庭からの熱い支持を受けており、恐らく、内食需要の追い風に乗っているのではないかと思われる。

   そこで、さらに、これらの項目を実際の食品スーパーマーケットで販売されている単品レベルにまで落として、その動向を検証してみたい。いま手元に、独自に入手した全国の食品スーパーマーケット約300社強の調味料1,000SKUのPOSデータがある。2009年9月度と昨年2008年9月度のデータである。このPOSデータを独自に加工し、実際に調味料がどのような動向を示しているかを検証してみる。

   まず、調味料1,000SKU全体の結果であるが、1店舗当たりに換算した売上金額は2,636,158.44円(昨対98.9%)と、若干下がっている状況である。この中で、家計調査データで堅調であった項目を同様に比べてみると、好調な商品群は焼き肉のたれ110.1%、ドレッシング106.9%が好調である。これに対して、マヨネーズ98.6%、ケチャップ98.9%、つゆ96.3%、その他たれ93.5%という状況である。家計調査データの数字とは若干違いがあるが、焼き肉のたれ、ドレッシングは見事に一致している。特に、家計調査データでは、たれはつゆが含まれ、たれも焼き肉とその他のたれが入っての合計数字であり、このPOSデータで見たように、この中で、数字を牽引しているのは、焼き肉のたれであるといえよう。同様に、家計調査データでは、マヨネーズとドレッシングが一緒になっており、これもPOSデータでみたとおり、ドレッシングが伸びているといえよう。

   では、焼き肉のたれとドレッシングを牽引している重点商品をいくつか見てみたい。まず、焼き肉のたれであるが、ここからは、導入店の金額PI値のみで見てみるが、No.1はエバラ黄金の味中辛400g(116.5%)、No.2はエバラ黄金の味甘口400g(109.4%)、No.3はエバラ黄金の味中辛210g(135.4%)、No.4は上北 スタミナ源たれ瓶410g(126.3%)、そして、No.5がエバラ生姜焼のたれ230g(81.3%)という結果である。No.5は伸び悩んだが、ベスト4はすべて大きく伸びており、明らかに、焼き肉のたれが好調であることがわかる。ちなみに、No.4の上北スタミナ源は東北限定の商品であるが、金額PI値は1,394円とNo.1のエバラ黄金の味中辛400g の331円と比べても極めて高く、東北では圧倒的な支持の高い商品である。

   一方、ドレッシングであるが、No.1はQP深煎りごまドレッシング170ml(122.0%)、No.2は理研スーパードレノンオイル青じそ190ml(91.0%)、No.3はQP深煎りごまドレッシング380ml(118.2%)、No.4はピエトロ ドレッシング 和風280ml(89.8%)、そして、No.5はQPシーザーサラダドレッシング170ml(130.8%)であり、特にQP関連の伸びが著しいのが特徴である。これは、特に、QPの商品がNo.1の170mlは昨年200ml、No.5も同様に昨年200mlを170mlに容量を減らし、平均単価が200円を切るように値ごろ調整をしたことも大きいといえよう。

   ちなみに、調味料ベスト1,000SKUの中のベスト5であるが、No.1はキユーピーマヨネーズ500g(92.5%)、No.2ミツカン味ぽん360ml(94.0%)、No.3味の素ピュアセレクトマヨネーズ400g(117.3%)、No.4日新製糖 白砂糖1kg(148.2%)、そして、No.5は味の素ほんだし120g(94.6%)である。また、特徴として、これらすべての平均単価が昨年と比べ5%から10%近く下がっており、これはベスト10で見ても同様な傾向であり、価格訴求がこと調味料には大きな影響を与えていることがわかる。

   このように、この9月度の調味料について家計調査データという家計側からの消費実態と全国約300社強の食品スーパーマーケットのPOSデータという販売側からの実態を見てみたが、傾向はほぼ一致しており、特に、調味料を牽引している商品群が焼き肉のたれとドレッシングであることが見事に一致した。消費全体はますます厳しさを増しつつある中、家計は節約志向を高め、商品を厳選して購入しているといえ、今後、ますますこのような傾向が強まってゆくのではないかと思われる。 

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November 9, 2009 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

November 08, 2009

いなげや、2010年3月期中間決算、増収減益!

   いなげやが、10/27、2010年3月期の中間決算を公表した。結果は、営業収益1,144.83億円(100.8%)、営業利益8.63億円(71.4%:営業収益比0.75%)、経常利益10.06億円(74.9%:営業収益比0.87%)、当期純利益2.73億円(96.0%:営業収益比0.23%)となり、増収減益となる厳しい決算となった。また、増収に関しても、100.8%とわずかな伸び率にとどまり、売上げも厳しい状況である。いなげや自身も、「価格引き下げなどにより客数確保には一定の効果がありましたものの一点当たりの買上単価が下げ止まらず、既存店売上高は、前年同四半期比4.4%減と厳しい状況で推移、・・」と、コメントしているように、予想以上の価格競争が経営に大きな影響を与えているといえよう。

   いなげやは、食品スーパーマーケットが126店舗、ドラックストアが90店舗あり、その売上構成比は、合計の売上高が1,093.66億円であり、食品スーパーマーケットが927.31億円、ドラックストアが166.35億円であり、84.7%対15.3%である。また、それぞれの伸び率は、食品スーパーマーケットの売上高98.9%、営業利益46.8%(営業利益率0.45%)に対し、ドラックストアは売上高109.2%、営業利益179.5%(営業利益率1.28%)と、ドラックストアは、売上構成比は低いが、好調であり、食品スーパーマーケットが苦戦したことが、この中間期では厳しい結果となった要因である。

   また、食品スーパーマーケットの既存店の内訳は、SSM(大型店39店舗、96.5%)、SM(中型店39店舗、95.8%)、CSM(小型店42店舗、94.5%)という状況であり、やや小型店が厳しい状況であったといえる。同様にドラックストアの既存店84店舗であるが、104.4%であり、食品スーパーマーケットとは対照的に、既存店の売上高も堅調であり、既存店においても、食品スーパーマーケットの不振が鮮明である。さらに、食品スーパーマーケットにおいて、事業別にみると、生鮮97.9%、日配・惣菜99.5%、加工食品100.5%、ノンフード94.2%となり、生鮮とノンフードが厳しい結果であったといえる。

   さらに、売上高を分解し、客数、客単価、そして、PI値、平均単価で見てみると、食品スーパーマーケットの客数は横ばい、客単価は下落、PI値は横ばい、平均単価は大きく下落という状況である。これに対してドラックストアは客数上昇、客単価上昇、PI値上昇、平均単価下落という状況である。どちらも、平均単価の下落、特に、食品スーパーマーケットでは鮮明であり、この中間期は激しい競合企業との価格競争に伴い、平均単価が下落し、それが客単価、利益にまで影響を与えたものといえよう。ちなみに、売上高は、売上高=客数×客単価(金額PI値)、客単価(金額PI値)=PI値(1人当たり買上点数)×平均単価と分解でき、売上高に変化があった場合には、必ず、これらの指標が変化するので、その要因を全店全商品の単品レベルにまでさかもどって特定することができる。

   一方、利益の方であるが、原価、経費の状況を見ると、ここからは、食品スーパーマーケット、ドラックストア全体の数字で見てみるが、まず、原価は73.40%(昨年73.00%)と、0.40ポイント上昇しており、先に見たように、平均単価の上昇が原価を圧迫したといえ、結果、売上総利益(粗利)は26.6%(昨年27.00%)と下がった。一方、経費の方であるが、29.55%(昨年29.15%)と、経費も0.40ポイント上昇しており、原価、経費双方がダブルで上昇し、利益を大きく圧迫したといえる。それにしても、経費比率29.55%は、前期決算期の決算公開企業約50社の平均が25.6%であるので、食品スーパーマーケットとしては、かなり高い数字である。ちょうど、10番目前後となる高さであり、今後、この経費比率をいかに引き下げられるかが、利益を確保するためにも、最重要課題といえよう。

   結果、差し引き、マーチャンダイジング力は-2.95%(昨年-2.15%)と、大きくマイナスとなった。これに、不動産収入、物流収入等が3.73%(昨年3.25%)のり、営業利益は0.78%(昨年1.10%)となり、減益となった。その他営業収入は増加したが、原価、経費の上昇が重く経営にのしかかったといえ、既存店の平均単価ダウンが原価だけでなく、既存店の売上ダウンを招き、結果、固定費を上昇させ、経費にまで影響が及んだものと思われる。

   これを受けて、通期予想であるが、営業収益2,328.00億円(102.0%)、営業利益38.20億円(96.5%:営業収益比1.64%)、経常利益41.00億円(97.1%:営業収益比1.76%)、当期純利益18.00億円(107.1%:営業収益比0.77%)と、当期純利益は増益予想ではあるが、営業、経常段階では、増収減益予想であり、依然として厳しい状況が予想される。

   このように、この中間期のいなげやは、ドラックストアは好調に推移したが、売上構成比約85%を占める食品スーパーマーケットが不振であり、特に、平均単価のダウンが大きく、既存店が厳しい状況である。今後とも消費環境の回復は厳しいものがあるといえ、経営環境は悪化することが予想される。いなげやとしても、まずは、平均単価の改善が急務といえ、特に、粗利率でも貢献度の高い生鮮、惣菜、日配等の活性化がポイントといえよう。今後、後半に向けて、これらの部門がどのように強化され、収益の改善がはかられてゆくのか、その動向に注目したい。

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November 8, 2009 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

November 07, 2009

関西スーパーマーケット、2010年3月期決算、増収減益!

   関西スーパーマーケットが11/5、2010年3月期の中間決算を公表した。結果は、営業収益554.07億円(102.6%)、営業利益3.68億円(44.0%:営業収益比0.66%)、経常利益4.95億円(49.6%:営業収益比0.89%)、当期純利益-0.20億円と、増収減益、特に当期純利益は赤字となる厳しい決算となった。当期純利益が赤字となったのは、店舗閉鎖損失引当金繰入額を4.27億円計上したためである。ただ、この特別損失を除いても、すべての段階で利益は大幅減となり、関西スーパーマーケット自身も、「消費者の節約志向や生活防衛意識の高まりに加え、今夏の天候不順も重なり非常に厳しい経営環境となり、・・」とコメントしているように、経営環境がここへ来て、急激に悪化していることがうかがわれる。

   そこで、関西スーパーマーケットの利益が大幅な減益となった要因を原価、経費面から見てみたい。まず、原価であるが76.51%(昨年76.20%)と、0.31ポイント上昇している。これは、消費環境が厳しい中、価格競争が激化していることに加え、今期は、関西スーパーマーケットが創業50周年に当たるため、「感謝の気持ちをこめて当期1年間をとおして、「めちゃ安特価」「50%引きセール」「たすかる値」「記念ロゴマーク入り商品」の記念セールを実施して、・・」等の強力な価格訴求を実施しているためのであると思われる。

   実際、既存店の客数、客単価、PI値、平均単価を見ると、客数3,247人(99.9%)、客単価1,626円(98.1%)と、客数、客単価双方下がっており、既存店の売上は97.5%と、昨対を割っている。また、客単価の中身であるが、PI値99.2%(100.7%)と、PI値は上昇したが、平均単価は162.24円(97.0%)と、下がっており、PI値、すなわち、顧客1人当たりの買上点数は伸びているが、価格が下がっており、結果、客単価を下げるという状況であり、これが原価の上昇につながったものと思われる。

   結果、売上総利益は23.49%(昨年23.80%)と、粗利が下がった。一方、経費の方であるが、24.85%(昨年24.08%)と、0.77ポイント上昇しており、既存店の売上げが下がったことにより、相対的に固定費が上昇したものといえよう。結果、差し引き、マーチャンダイジング力であるが、-1.35%(昨年-0.28%)と、昨年もマイナスであったが、マイナス幅が大きく開き、利益の確保が厳しい状況であった。原価、経費双方、ダブルで利益圧迫が見られ、厳しい収益構造である。これに、不動産収入、物流収入等のその他営業収益が2.04%(昨年1.86%)加わり、結果、営業利益は0.69%(昨年1.58%)と、減益となった。この営業利益0.69%は、前期決算時の決算公開企業約50社の食品スーパーマーケットの平均が2.57%であるので、かなり、厳しい数字である。

   一方、財務面であるが、自己資本比率は48.1%(昨年49.0%)と若干下がっているが、決算公開企業約50社の前期本決算の平均は40.7%であるので、ちょうど20番目前後となり、上位の数字である。結果、負債が50%を超えるが、その要因は有利子負債が94.00億円(前期決算時98.50億円)と、総資産514.82億円の18.25%が大きいが、これも決算公開企業約50社の前期決算の平均が27.7%であるので、ほぼ20番目ぐらいとなり、上位の数字である。したがって、負債が財務を圧迫している状況ではないが、もう一段と財務の強化をはかりたいところかと思う。

   ここから、出店余力を算出してみると、関西スーパーマーケットの出店に関する資産である土地、建物、敷金保証金は309.46億円となり、総資産の60.1%であるので、自己資本比率から差し引いた出店余力は-12.0%であり、やや、負債に負う出店構造である。これは、決算公開企業約50社の前期本決算の平均が-22.78%であるので、これも、ほぼ20番前後となる。こう見ると、関西スーパーマーケットの出店余力はやや負債への依存が重いといえ、今後、安定的に新規出店を果たしてゆくには、もう一段の財務の強化が必要といえよう。

   これを受けて、今後の出店戦略であるが、営業キャッシュフローは当期純利益が赤字になったが、これは引当金による結果であるので、キャッシュフロー上は当期純利益も昨年同様の数字が確保され、さらに、昨年は厚生年金基金脱退損失引当金が-11.91億円発生したので、今期は16.73億円(昨年3.65億円)と大幅に改善した。結果、投資キャッシュフローは-4.25億円(昨年16.30億円)と、昨年のように有価証券を売却してプラスにすることなく、営業キャッシュフローの範囲内で投資を行うことができた。ただ、出店関連は-8.82億円(昨年-18.65億円)と半減しており、これは、店舗数に直すと2店舗弱となる。したがって、今後は出店を抑制し、赤字店舗を整理、既存店の活性化に経営戦略をシフトする方向といえよう。そして、財務キャッシュフローは-7.68億円(昨年-7.88億円)となり、結果、トータルは4.79億円(昨年12.07億円)と、ほぼ店舗損失の引き当て金額分を内部留保したことになる。

   このように、関西スーパーマーケットの中間決算は、利益面が厳しい状況となり、当期純利益が赤字となった。ただ、財務面は比較的安定しているので、今後、どう経営戦略を立て直すか、重要な段階にあるといえよう。関西スーパーマーケットも赤字店舗を閉鎖し、出店を抑制し、既存店の活性化に経営の重点を移す方向であり、今後、既存店がどこまで活性化し、収益が回復できるか、その動向に注目である。

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November 7, 2009 in 経済・政治・国際 | | Comments (1) | TrackBack (0)

November 06, 2009

時間を科学する、5秒がポイント!

   現在、PI値の研究では、3つの研究が同時並行で進んでいる。ひとつめは、最新のID-POSの研究、これは、これまでのレシートを活用したPI値から、IDを活用したPI値にもとづきマーチャンダイジングの改善につなげる研究である。いわゆる、CRMが研究テーマとなる。最近では、このCRMに財務、キャッシュフローとの連動も視野に入ってきており、まさに、マーチャンダイジング分野では、最先端の研究といえる。2つめは通常のPOS分析、いわゆるレシートを活用したマーチャンダイジングの改善につなげる研究であり、これは、原則、レジ通過総客数を分母にした通常のPI値の研究である。これは約20年間研究しており、定番中の定番であり、ひとつめのCRMの基礎となっている歴史と伝統があり、重みのある研究である。そして、3つ目が、Web上のPI値の研究である。これは、2年ぐらい前から本格的に取り組みはじめた研究であり、ひとつめ、2つめの研究成果をいかした応用発展系の研究である。

   ひとつめ、2つ目がどちらも売上げを科学するというテーマで取り組んでいるが、この3つめも当初は売上げを科学するというテーマで取り組んでいたが、Webを研究するようになってから、Webは売上げではなかなか解けないことがわかり、中断した。変わって、新たに取り組んだのが、時間である。Webにおいて、最大のテーマは時間であるといえ、快適な時間を過ごせるWebほど良いホームページであり、この時間の問題を解くことが、まず、先決であろうと考え、時間をテーマに、時間を科学してみようと思った。当初は各コンテツの時間を把握できるWeb解析の仕組みがなかなか見つからなかったが、Google Analyticsを知ってからは、全コンテツの各コンテンツごとの正確な時間が把握できるようになり、研究が飛躍的に進んだ。

   また、これまでのひとつめ、2つめの研究成果がほぼそのまま応用できることがわかり、これも、研究を発展させることになった。ちょうど、売上げを時間に置き換え、販売点数をベージビューに置き換えると、売上金額と数量の関係を時間と数量の関係に置き換えることができる。さらに、セッションをレシートと置き換えると客数がセッションに変換され、2つ目の研究成果のPI値分析がそのまま活用できる。ただ、残念なことに、Google Analyticsでは、セッション止まりであり、IDに当たるデータが容易に取得できない状況である。したがって、ひとつめの研究成果が生かせないのが残念であるが、いずれ、IDの把握も可能となると思うので、それまでは、理論的な研究にとどめておくしかないが、理論段階でもかなりおもしろい思考実験ができる。

   たとえば、リピートとトライアルを分けて考えたり、あるコンテンツを見たIDが当然他のコンテンツも見るが、その履歴だけではなく、それらを合計した総時間はどのくらいかを分析し、どのコンテンツがベージビュー、セッションだけではなく、総時間を獲得しているか、さらには、CRM特有のコンテンツの相関時間の研究など、様々な取り組みができる。これらの分析を加えることで、より、まさに時間の科学につながってゆくことになろう。

   現在は、これらは思考実験止まりであるが、2つめのPI値の研究成果はほぼ完ぺきに近い形で、応用ができた。時間を科学するための基本方程式が完成し、いわゆる、時間の3D分析がいつでもできるようになった。また、そのためのMD評価表にあたる、TMD(Timeマーチャンダイジング)評価表も完成し、実践に投入しはじめた。ここ最近検証結果があがってきているが、なかなか興味深い結果がでている。

   PI値をはじめて取り組んだ時、1%という基準をつくり、重点商品をPI値1%以上と定義し、マーチャンダイジングの改善が飛躍的に進んだことがあった。今回も、まず、このPI値1%に匹敵する基準をつくろうと思い、勝手に定義したのが、TI値5秒である。PI値に対応して、Time Indexと命名したが、これまでの実証結果からは、TI値5秒が重点コンテンツの基準と考えてよさそうである。TI値5秒とは、ホームページを訪れる顧客の総時間の内、5秒の時間を費やしてくれるコンテンツのことである。いま実証実験につかっているホームページは150から200ぐらいのコンテツがあるが、この内、5秒以上のTI値が15コンテツあり、その中に、10秒以上が8コンテツ、20秒以上が4コンテンツ、1分以上の超重点コンテンツが1コンテツであり、残りはすべて5秒以下、1秒以上でも約50コンテツであり、あとはすべて0秒台である。

   しかも、この5秒を獲得している要因を解析すると閲覧注目度(客数PI値に相当)が高く、閲覧頻度(PPIに相当)が高く、閲覧時間(平均単価に相当)が長いか、この内、2拍子か3拍子はトップクラスにないと5秒以上を獲得することは難しいといえる。逆にいうと、時間を獲得するには、閲覧時間をただ増やすだけでなく、閲覧頻度、閲覧注目度をいかにあげるか、そのバランスが極めて重要である。また、何がその改善に効果があるか、実証研究を積み重ねないと、答えがでないといえ、今後、実証研究の積み重ねがより重要な課題といえよう。

   PI値のひとつめ、2つめは約20年かかったが、TI値に取り組んで約2年であるので、あと3年、何とか5年以内には目途をつけられればと思う。まだ、研究ははじまったばかりであり、IDは未開拓であるが、IDが組み込まれると、おそらく、CRMと融合するのではないかと直感的には思える。その意味で、いずれ、時間と売上は融合することは必至といえ、ごく近い将来、売上げと時間を科学するというテーマ、まさに、時は金なりを科学してみたいと思う。

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November 6, 2009 in TI, 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

November 05, 2009

家計調査データ、2009年9月度、食品99.9%、堅調!

   総務省統計局から、10/30、2009年9月度の家計調査データが公表された。家計調査データは毎月月末に前月のデータが公表されるため、現在は11月に入っているが、最新のデータは9月度である。その結果であるが、全体が98.5%とやや消費の落ち込みが見られるが、食品(外食を除く)は、99.9%と堅調な結果となった。家計調査データでは、食品関係は外食も含め、食料と一括されているが、本ブログでは独自に集計し、食品として、外食を除く数値を算出している。

   消費全体が98.5%になった要因であるが、最も落ち込みが大きかったのは、90.3%となった光熱・水道である。灯油が60.0%、電気代が88.3%となったことが大きく、昨年の異常なエネルギー価格の高騰に反し、今期は落ち着いた価格になったことが大きい。これは、消費者物価指数(CPI)でも明らかであり、いかに、エネルギー関係が消費に影響を与えているかがわかる。ついで、家具・家事用品の94.0%であり、冷暖房用器具73.0%、室内装備・装飾品72.0%となったことが大きい。これは9月度のデータであるので、天候による冷房設備の消費不振といえよう。そして、もうひとつ、住居が93.0%となったことである。これは、設備材料が62.7%、工事その他のサービスが81.9%と、リフォーム関係の落ち込みが大きい。これら、3つの部門が10%近い、消費の落ち込みとなったことが、この9月度は大きく、消費支出全体に影響を与えたといえる。

   一方、伸びた部門であるが、保健医療の111.3%と外食の101.0%のみである。医療費は、6月の薬事法改正に影響もあると思われるが、新型インフルエンザの影響も大きいといえ、特に、この9月は伸びが著しい状況である。ちなみに、ここ数ケ月の数字を見ると、8月度102.8%、7月度97.5%、6月度112.4%、5月度101.6%、4月度93.1%、3月度104.1%、2月度93.9%、1月度98.9%という状況であり、6月、9月が突出した伸びとなっている。

   そこで、食品であるが、全体は99.9%と、ほぼ昨年並みの数字を達成したが、中身を見ると、伸びている部門と伸び悩んでいる部門がある。まず、伸びている部門であるが、乳卵類111.50円(101.4%)、菓子類204.47円(104.1%)、調理食品264.30円(102.1%)、油脂・調味料105.47円(101.8%)、野菜・海藻284.07円(101.4%)、飲料128.93円(100.5%)の5部門である。その要因であるが、特に、伸び率の大きい菓子類と、調理食品を見てみると、菓子類では、カステラ2.83円(128.8%)、他の洋生菓子16.37円(114.5%)、キャンデー6.20円(112.0%)が、110%以上の伸びであり、菓子類を牽引している。また、調理食品については、うなぎのかば焼き6.07円(121.3%)、そうざい材料セット10.60円(112.4%)、しゅうまい3.03円(112.3%)、やきとり5.10円(110.1%)が110%以上の伸びである。

   一方、数字が伸び悩んだ部門であるが、酒類103.93円(93.0%)、魚介類213.63円(97.7%)、肉類202.03円(95.4%)、果物115.97円(98.6%)と、この4部門の落ち込みが大きい。その要因であるが、酒類では、発泡酒17.13円(87.7%)、ビール34.90円(88.7%)と、この2項目が特に10%以上消費が下がっており、酒全体の消費を押し下げた要因である。酒はかなり、この9月度は消費が厳しく、伸びた項目はウイスキーの3.17円(101.1%)のみであり、その他はすべて昨対を割るという厳しい状況である。また、ビールについては、さらに、その要因を消費世帯の消費額か、消費世帯の割合かで分解してみると、ビール34.90円(88.7%)は、消費世帯のみの消費額107.15円(89.5%)、消費世帯の割合32.6%(99.2%)という状況であり、顧客数はあまり変化がないが、客単価が下がったといえ、価格の下落か、消費料が減っている状況といえ、厳しい状況である。

   酒類以外では、生鮮関連の落ち込みが大きく、その要因を見ると、魚介類では、ぶり6.60円(85.3%)、あじ3.77円(86.3%)、たらこ 6.57円(86.4%)の落ち込みが特に大きい。肉類では、他の生鮮肉5.47円(84.5%)が大きいが、その他も牛肉50.43円(97.5%)、豚肉65.23円(94.3%)、鶏肉32.07円(92.9%)と、軒並み95%前後で伸び悩んでいる状況である。そして、果物であるが、バナナ13.23円(85.0%)、メロン1.70円(81.0%)の落ち込みが大きい。特に、バナナはその要因を見ると、バナナ13.23円(85.0%)、消費世帯のみの消費額18.86円(86.1%)、消費世帯の割合70.2%(98.7%)と、ビールと同じ状況であり、消費世帯のみの消費額が大きく落ち込んでいる。

   そこで、バナナのここ数ケ月の動きを見ると、8月度バナナ13.29円(107.0%)、7月度バナナ15.48円(114.3%)、6月度バナナ18.23円(118.4%)、5月度バナナ18.48円(131.1%)、4月度バナナ18.07円(136.5%)、3月度バナナ16.13円(140.8%)、2月度バナナ15.57円(156.8%)、1月度バナナ13.68円(163.1%)、昨年12月度バナナ14.00円(166.9%)、11月度バナナ15.67円(164.9%)、10月度バナナ18.23円(170.7%)、バナナ15.06円(151.1%)、・・と、2008年3月以来、何と約18ケ月連続で伸び続けたバナナも、とうとう、息切れとなったようである。

   このように、消費全体はやや減少傾向が見られるが、食品は意外に堅調であり、消費者物価指数(CPI)が明らかにデフレ傾向を示す中、価格面では厳しいものがあると思われるが、数量面で検討している結果といえよう。ただ、デフレはより厳しさを増すと思われ、消費環境は今後さらに厳しくなるものと予想される中、来月以降、どのような数字で落ち着くか、注意深く消費動向を見守る必要があろう。
  
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November 5, 2009 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

November 04, 2009

ヤオコー、2010年3月中間、減収増益、実質増収増益!

   ヤオコーが、10/29、2010年3月期の中間決算を公表した。結果は、営業収益1,024.11億円(97.2%)、営業利益45.41億円(111.1%:営業収益比4.43%)、経常利益44.79億円(108.8%:営業収益比4.37%)、当期純利益25.91億円(100.8%:営業収益比2.53%)となり、減収増益となる決算となった。これまで公表された食品スーパーマーケット関係の決算としては、減収増益は珍しいケースであるが、これは、今期からヤオコーの事業構造が大きく変わったためである。

   これまで、ヤオコーは、食品スーパーマーケット、調剤薬局に加え、カルチャー、会員制宅配と4つの事業を経営していたが、この内、カルチャー事業を譲渡、会員制宅配を解散し、今期は2つの事業での経営となった。そのため、その分の売上、利益が差し引かれ、今期は減収増益という結果になった。ちなみに、スーパーマーケット事業の営業収益は101.4%、調剤薬局も107.1%と堅調な数字であり、実質、今期は増収増益の決算といえよう。

   そこで、ヤオコーが増益となった要因を原価、経費面から見てみたい。まず、原価であるが、71.38%(昨年71.42%)と、わずかであるが、原価が下がっており、結果、粗利、売上総利益は28.62%(昨年28.58%)と、上昇した。多くの食品スーパーマーケットが激しい価格競争の中、原価の上昇が見られるが、ヤオコーは、逆に原価を引き上げており、価格訴求からは一線を画したマーチャンダイジングを実践したといえよう。ヤオコー自身も、「デリカ部門につきましては、競合が低価格帯商品にシフトしていくなか、基本戦略であります出来たて作りたての美味しい商品、価値ある商品の製造小売りに徹するとともに、新しいMDの開発、商品のグレードアップに取り組んでまいりました。・・」と、コメントしているように、ヤオコーの利益の源泉であるデリカを中心に付加価値の高いマーチャンダイジング戦略を徹底した結果といえよう。

   一方、経費面であるが、28.46%(昨年28.68%)と、経費面においても、削減が進んでおり、原価、経費双方で改善が進んだことが、増益の要因といえよう。結果、差し引き、マーチャンダイジング力であるが、0.16%(昨年-0.10%)と、マイナスからプラスに転じており、マーチャンダイジング力が改善した。

   ヤオコーのマーチャンダイジング構造は、通常の食品スーパーマーケットが経費小、原価大(粗利小)という戦略をとるのに対し、原価小(粗利大)、経費大と、経費よりも、原価に重点を置くマーチャンダイジング戦略をとっているのが特徴である。したがって、経費が少しでも削減されると、利益は大きく改善するマーチャンダイジング構造であり、今期は、その効果が大きかったといえよう。ただ、今後は、ヤオコーも、「お客様の価格意識の強まりおよび競合の低価格政策に対応し、売上高2,000億円達成キャンペーンなど販促を強化し、購買頻度の高い商品を中心に価格対策を実施、・・」とコメントしているように、価格対策もとらざるをえない状況となり、今期以上に経費面の改善が課題となろう。

   そして、これに、不動産収入、物流収入等のその他営業収入4.48%(昨年4.15%)がのり、結果、営業利益は4.64%(昨年4.05%)となり、増益となった。こう見ると、今期ヤオコーは、原価、経費の改善に加え、その他営業収入も改善され、トリプルでの利益の改善がはかれ、結果、増益となっており、この厳しい経営環境の中、理想的な増益の確保といえよう。

   さて、一方、財務、特に、今後の新規出店余力であるが、ヤオコーの自己資本比率は44.8%(昨年43.5%)と、今期の好調な増益を背景に若干改善されている。ただ、出店にかかわる資産である土地、建物、差入れ保証金等の合計は467.89億円と総資産738.00億円の63.39%であり、自己資本比率を大きく超え、差し引き、出店余力は-18.59%と、負債に大きく依存する出店構造となっている。

   また、有利子負債も109.87億円と総資産の14.88%を占めており、この中間でも、財務キャッシュフローを見ると、6.51億円、有利子負債が増加している状況である。しかも、フリーキャッシュフローは-13.97億円のマイナスであり、その要因は有形固定資産の増加、すなわち、新店関連へ58.42億円投資したことによる。結果、トータルのキャッシュフローは-13.83億円となり、内部留保を取り崩している。これは、新規出店関連にキャッシュを厚く配分した結果であり、全体としては、やや厳しいキャッシュフローの流れといえよう。本来であれば、好調な決算をもとに、財務キャッシュフローの改善にまで踏み込み、有利子負債を削減したいところであったと思われるが、投資、特に、出店関連へ配分を重点的に割り当てたため、この中間決算では財務改善にまでは踏み込みこめなかったためと思われる。

   今後、安定的に新規出店を行い、成長路線を進めてゆくには、もう一段、出店余力を高める必要があるといえ、今後、後半に向けて、この好調な決算を受けて、ヤオコーがどのように財務改善に踏み込むかが注目である。

   これを受けて、通期予想であるが、営業収益2,093.00億円(100.5%)、営業利益86.80億円(106.3%:営業収益比4.14%)、経常利益84.80 億円(104.1%:営業収益比4.05%)、当期純利益47.80億円(101.6%:営業収益比2.28%)と、増収増益予想であり、後半は、より厳しい経営環境が予想されるが、この中間決算の好調な収益力をもとに、堅調な決算が期待できそうである。

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November 4, 2009 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

November 03, 2009

PLANT、2009年9月期本決算、増収増益、株価急騰!

   PLANTが2009年9月期の本決算を、10/30、公表した。結果は、売上高869.21億円(104.6%)、営業利益14.40億円(249.0%:売上対比1.65%)、経常利益11.23億円(238.6%:売上対比1.29%)、 当期純利益6.19億円(231.7%:売上対比0.71%)と、増収増益となる好決算となった。特に、利益が大きく回復し、伸び率は昨年が厳しい数字であっただけに、すべての段階で昨対250%近い異常値となった。また、経常利益率1.29%は、過去5年間でも、最高の数字であり、PLNATの経営状況がこの1年で改善しつつあることが鮮明である。これを受けて、通期予想であるが、売上高870.00億円(100.1%)、営業利益22.00億円(152.7%:売上対比2.52%)、経常利益20.00億円(178.0%:売上対比2.29%)、当期純利益10.00億円(161.4%:売上対比1.14%)と、売上高は伸び悩むものの、利益はさらに、大幅に改善する見込みであり、増収増益の好決算予想である。

   この好決算に投資家もすばやく反応しており、決算公表前にも関わらず、ここ数日のPLANTの株価は、通常の20倍ぐらいの大商いが連日続き、株価が急騰している。10/26(399円、13,000株)、10/27(425円、70,500株)、10/28(470円、61,400株)、10/29(469円、41,100株)、10/30(486円、57,800株)という推移であり、そして、本決算公表後、週明けのはじめての商い、11/2は566円(80円高)と、ストップ高の状況である。明らかに、PLANTの株は加熱しているといえ、今後、どこで落ち着くか、しばらく、読めない状況である。

   では、PLNATの利益が急激に改善している状況を原価、経費の面から見てみたい。まず、原価であるが、80.70%(昨年81.28%)となり、原価が0.58ポイント下がっている。今期は競合各社が値下げ競争により厳しい経営環境にあったと思われるが、原価改善が進んだことが、利益を押し上げた大きな要因であるといえよう。ここで原価計算について補足だが、PLANTは不動産関連の収入、原価をそれぞれ、売上高、原価に計上しているが、ここでは、不動産関連の数字はすべて分けて計算し、純粋に商品売買から得られる数字をもとに算出した。したがって、決算短信の数字とは若干ズレが生じるが、マーチャンダイジングの実態を把握するには、こちらの方が、より精度が高い。結果、売上総利益(粗利)は、19.30%(昨年18.72%)となった。

   一方、経費であるが、17.85%(昨年18.20%)と、0.35ポイント、経費の削減も進んだ。これは、昨年の経費が150.94億円、今期が154.77億円と102.5%の上昇に抑えたことが大きく、売上高の104.6%とあいまって、経費比率が下がったといえよう。こう見ると、今期のPLANTは、原価、経費双方を引き下げ、利益を確保しており、理想的に収益改善が進んだ結果、大幅な利益改善につながったといえよう。

   これについて、PLANT自身は、「一昨年より当社が全力を挙げて実施してきました業務改革におきまして、『在庫管理』『値入向上とロスの削減』『人時生産性を意識した作業効率の向上』を一層強固にすすめるべく、管理職以上の従業員に、目標と実績を数値で進捗管理するよう実践し、・・」と、コメントしており、これらの施策が、数字に反映されてきたものと思われる。

   結果、商品売買から得られるマーチャンダイジング力は、差し引き、1.45%(昨年0.52%)と、大幅にマーチャンダイジング力が向上しており、利益の改善が鮮明である。そして、さらに、これに、不動産収入が0.28%(昨年0.24%)、不動産原価が0.06%(昨年0.05%)加わり、結果、営業利益は1.66%(昨年0.69%)となった。

   さて、PLNATの今後の経営課題であるが、P/Lに関しては、収益の改善が進み、目途がつきはじめたといえるが、自己資本比率17.4%(昨年16.4%)のB/Sの問題にどう取り組むかである。そこで、今期の好決算を受け、増大したキャッシュをどのように配分したかを見てみたい。まず、獲得キャッシュ、営業キャッシュフローであるが、32.57億円(昨年24.66億円)と約10億円増加している。これは、当期純利益が4.19億円増加したことに加え、実はそれ以上に棚卸資産が20.37億円減少したことが最大の要因といえる。PLANTのコメントにあるように、この1年で在庫の削減が急激に進んだといえよう。

   そして、ここからが、このキャッシュの配分であるが、まず、投資キャッシュフローに-10.79億円(昨年-44.21億円)と、大幅に削減した。これは、今期は出店に関する資産の取得を大きくひかえたことが大きい。したがって、フリーキャッシュフローは21.78億円(昨年-19.55億円)と逆流から、順流となった。そして、財務キャッシュフローであるが、配当は-0.67億円と昨年と同じであるが、有利子負債は2.10億円(昨年33.88億円)と、若干の増加に抑えた。結果、財務キャッシュフローは1.41億円(昨年33.20億円)となり、トータル、今期は有利子負債をほとんど増やすことなく、23.19億円(昨年13.66億円)と、内部留保を厚くした配分である。本来であれば、増加したキャッシュで、有利子負債190.95億円(総資産の50.4%)を削減し、財務の安定をはかりたかったところであろうが、今回は、内部留保へキャッシュの配分を優先し、手持ち現金を増やしたといえよう。

   このように、PLANTの業績が上向きはじめ、特に、利益の改善が顕著である。その要因は原価、経費双方が改善され、理想的な利益の確保ができており、この1年間の業務改革の成果が表れ始めた結果であるといえよう。また、この業務改革は、特に財務面では在庫が大きく削減され、キャッシュフローで約20億円の効果を生み出しており、営業キャッシュフローが大きく改善されている。したがって、自己資本比率が17.4%という、負債に80%以上を依存する厳しい財務状況の改善に今後、確実に繋がってゆくものといえよう。PLANTも今後、5年、10年単位での中長期的な財務改善のまずは目途がたったといえ、今後、計画どおりの収益が次の第1四半期、そして、中間決算で確保できるかが注目である。

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November 3, 2009 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

November 02, 2009

消費者物価指数(CPI)、デフレ基調続く、2009年9月度!

    総務省統計局から、2009年9月度の消費者物価指数(CPI)が公表された。消費者物価指数は、平成17年度を100とした場合の指数を示し、同時に、昨年対比も示しているが、結果は、総合指数で100.4、昨年対比では2.2%の下落となった。また、生鮮品を除く総合指数は100.2、昨年対比は2.3%の下落、さらに、食料(酒類)及びエネルギーを除く総合指数は98.6、昨年対比は1.0%の下落となった。グラフを見ると、昨年の10月以降、ほぼ、右下がりの傾向が鮮明であり、消費環境はデフレ傾向が鮮明になりつつあるといえよう。

   ちょうど、10/31の日経新聞、1面のトップに、「デフレ色長引く恐れ。日銀予想「物価3年連続マイナス」」、「消費・企業の収益に影響、景気の足かせに」という見出しの記事が掲載されたが、総務省から公表された消費者物価指数は、これを裏付けているともいえよう。記事の内容は、日銀がまとめた「経済・物価情勢の展望」というレポートの中で、2011年度まで3年連続で生鮮食品を除く消費者物価の上昇率がマイナスになる見通しであるということであり、デフレ傾向が当面続くとのことである。

   では、この9月度、昨年と比べ何が最も物価を押し下げたかであるが、10大費目で見ると、総合指数が昨対-2.2%となったのは、下落率の大きい順に、光熱・水道-9.1%(寄与度-0.68ポイント)、交通通信-6.1%(寄与度-0.87ポイント)、家具・家事用品-3.5%(-0.11ポイント)等が大きく落ち込んだ項目である。ちなみに、食料は-0.5%(寄与度-0.13ポイント)であり、やや下がっているが、それほど、大きな下落とはなっていない。ただ、下落基調といえ、今後、節約志向が強まり、小売業どうしの価格競争が激しくなれば、食料もさらに下がる可能性が高く、当面、厳しい数字が続くものと思われる。

   さらに、これを中分類で見ると、下落率の寄与度の高かったものは、自動車等関係費-0.80ポイント、他の光熱-0.41ポイント、電気代-0.18ポイント、教養娯楽サービス-0.17ポイント、教養娯楽用耐久財-0.14ポイントである。また、寄与度はさほど大きくはないが、昨年と比べ下落率が大きかったものは、パソコン(ノート型)-54.2%、パソコン(デスクトップ)-41.2%、テレビ(薄型)-33.6%、外国パック旅行-19.4%等である。ヤマダ電機、ビックカメラなどの家電量販店が、激しい価格競争を繰り広げているひとつの要因がここにあるともいえよう。

   さて、そこで、食料について、さらに詳細な消費者物価指数(CPI)を見てみたい。まず、大分類の状況であるが、前年同月比で、消費者物価指数が下がった部門を見ると、飲料-3.1%、魚介類-2.4%、肉類-2.3%、果物-2.2%、酒類-1.5%、油脂・調味料-1.3%、穀類-1.3%、乳卵類-0.8%という状況である。飲料の落ち込みが最も大きく、ついで、生鮮関連が高いのが特徴である。また、逆に、消費者物価指数が上昇した部門であるが、野菜・海藻2.3%、菓子類1.8%、調理食品0.0%という状況である。野菜は相場の影響があると思われるが、食料の中では、菓子が依然として上昇しているのが特徴である。

   次に、その中身であるが、最も消費者物価が下がった部門である飲料の-3.1%を見てみると、ミネラルウォーター-9.0%、コーヒー豆-8.7%、果実ジュース-6.2%、茶飲料-3.4%、果汁入り飲料-3.2%、炭酸飲料-2.8%、乳酸菌飲料A-2.6%という状況であり、ほとんどの飲料が軒並み下落しており、食料の中では最大のデフレ部門といえよう。上昇しているのは、紅茶0.9%、乳酸菌飲料B0.0%のみであり、まさに、飲料全体が厳しい状況にあるといえよう。また、部門はまたがるが、小麦粉関連の項目も大きく消費者物価が下落しており、スパゲッティ-7.8%、食パン-7.0%、即席めん-1.3%、ビスケット-3.4%、調理パスタ-6.6%などの落ち込みが大きい。

   これに対して、消費者物価が上昇した菓子類であるが、キャンデー23.0%、ポテトチップス10.4%、プリン6.1%、カステラ3.5%、まんじゅう2.0%などであり、これらが、菓子の物価を押し上げている項目である。また、菓子類以外では、マーガリン19.4%、冷凍調理コロッケ5.4%、もち米5.3%、ぎょうざ4.4%などが上昇している項目である。こう見ても上昇した項目よりも、下落した項目の方が圧倒的に多く、この9月度の食料の消費者物価も全体的に下がっていることが鮮明である。

   このように2009年9月度の消費者物価指数(CPI)が明らかになったが、デフレ傾向が鮮明であり、ここへ来て、食料についても、デフレ傾向が強く表れているといえよう。明らかに上昇気味の部門は菓子類のみであり、その他の部門は相場の影響の大きい野菜・海草を除き、0.0%以下の消費者物価指数であり、しかも、その中身は10%近い下落の商品も数多く見られる。ここ最近、公表された食品スーパーマーケット業界の中間決算の状況を見ても、減益の企業が多く、その中身は原価の上昇がみられるケースが多い。これは、売価が、仕入れ原価以上に下がっていると思われ、予想以上に早いペースで価格が下がっている状況を反映しているといえよう。今後、さらに、厳しい局面が予想され、このデフレ基調は当面続くのではないかと思われる。

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November 2, 2009 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

November 01, 2009

ヤマダ電機、池袋、日本総本店オープン!

   10/30、ヤマダ電機の日本総本店が池袋三越跡地にオープンした。当日、午後、店舗に入ってみたが、ものすごい人の波で、店内は満杯状態であり、身動きがとれない状況であった。新聞報道では、オープン前には1万5千人が行列をつくったといい、びっくりである。この立地は池袋の中でも絶好の場所であり、東口の西武百貨店池袋本店の道路を挟んで斜め向かい、ビックカメラ池袋本店とも道路を挟んで斜め向かいと、百貨店と家電本店と向かい合う好立地である。しかも、地上7階、地下2階、地下は池袋北口の駅地下とも連動し、地上はバスターミナルの終点、池袋東口駅のバス停留所のまん前であり、絶好のロケーションである。また、池袋駅は、新聞報道によれば、乗降客が1日270万人と、日本で2番目に多い駅であり、集客力も抜群の立地である。

   その絶好のロケーションの1階に何が来るか興味があったが、入ってびっくり、テレビが300台、どこまで行ってもテレビという感じで、しかも、日本初という103インチ、Panasonic、VIERA、560万円のテレビから、ワンセグまであり、豊富な品揃えである。ちなみに、ヤマダ電機のテレビ関連の売上構成比であるが、直近の数字では、18.4%であり、ビックカメラの10.2%と比べても、圧倒的に高く、しかも、113.7%と全体が101.4%と比べ、エコポイントの影響もあり、大幅に伸びている。ビックカメラも117.4%とヤマダ電機を上回る伸びであるので、いま家電業界の売上の源泉はこのテレビにあるといってもよく、金額面でも、成長率でも重要な戦略商品である。ヤマダ電機が、この池袋店の1階に圧倒的な品揃えと強力な価格訴求でテレビをもってきたのは、まさに理にかなっており、池袋において、一気に家電の主導権をにぎろうという戦略であろう。

   ヤマダ電機が、現在、経営指標として最も力を入れているのが、ROA(総資本当期純利益率)と在庫回転率である。その目標数値をROA10%、在庫回転率12回転/年、以上としており、特に、在庫回転率を引き上げるには、PI値の高い商品、伸びている商品を強化することが基本である。テレビを強化したのも、この在庫回転率を高めるためでもあり、また、ここ最近、家電以外の食品、ドラック等を強化しているのも、在庫回転率を引き上げるひとつの方法といえよう。ちなみに、地下2階の食品売り場であるが、生鮮食品はなく、日配もごくわずかであり、基本、酒とグロサリーの価格訴求商品のみの構成であり、食品で売上げを上げるというよりも、ポイントの利便性を広げるという目的が強いように思えた。ただ、食品と同じフロアで展開されているドラック売り場は、調剤(近日オープン予定)も取り入れており、これに連動させ、日用雑貨も価格訴求がかかっており、食品よりも充実感がある売り場であった。

   在庫回転率目標12回転であるが、今回の池袋日本総本店は約150万点の品揃えであるので、単純に計算すると、この約150万点が月間販売点数となる。したがって、この約150万点の10/30時点の在庫が計算上は、たった1ケ月でなくなるということであり、1ケ月後にはさらに、150万点の仕入れが発生するということになる。また、年商目標が800億円であるので、単純計算で、月商66.6億円であり、1日、約2億円強となる。さらに、戦略商品のテレビの売上構成比は18.4%であるので、1日約4,000万円の売上となり、年間では150億円近い売上げとなる。全館地下2階、地上7階、計9回であるので、1階のテレビだけでも、単純フロア平均の構成比11.1%を大きく上回り、単純計算で165%となり、ヤマダ電機の戦略商品であるテレビを1階で展開することは全館の集客効果の面でも効果が期待できるといえよう。

    また、ヤマダ電機のテレビに次ぐ売上げ構成比の高いパソコンであるが、11.6%と高い数字であるが、伸び率が101.4%と伸び悩んでいる。直近の数字を見ると99.7%と、さらに下がっている。これはビックカメラの数字を見ても、売上構成比は9.4%であり、伸び率は厳しく78.0%と下がっている状況である。したがって、パソコンは売上面では重要な商品であるが、ここへ来て伸び悩んでおり、今回4階での販売となったものと思われる。これ以外の主な商品群では、5階にヤマダ電機の直近の数字で見ると伸び率の高い冷蔵庫(売上構成比6.1%、伸び率113.6%)が品揃えされ、さらに、洗濯機(3.9%、101.6%)、 調理家電(3.5%、3.9%)、エアコン(6.7%、7.6%)の家電がこのフロアを固めている。さらに、2階では携帯電話(4.7%、93.1%)と、伸び率が厳しい状況であるが、アイフォンが異常に元気な売り込みをしていたのが印象的であった。

    このようにヤマダ電機が満を持して、池袋の三越跡地に日本総本店をこの10/30にオープンさせたが、初日は大盛況となり、好調であったのではないかと想定される。また、多層階での店舗では、最も重要な1階をヤマダ電機得意のテレビで圧倒的な品揃えと価格訴求で展開したことは、今後の集客を図るうえにおいても、全館の活性化をはかる上においても貢献度が極めて高いレイアウトといえよう。今後、最大の競合家電、ビックカメラ、さくらや、そして、西武百貨店、東武百貨店とどのような家電のシェア争いとなるか、クリスマス、年末商戦と続く、冬の池袋が日本でも最も熱い地区となろう。

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October 31, 2009

時間がマーチャンダイジングの評価基準に?

   10/30の日経MJに、マーチャンダイジングを考える上で、興味深い記事が掲載された。見出しは、「ページ滞在時間など分析、携帯通販向け推奨サービス」、「CSKシステムズ、PC向けを改良、月額10万円から」というものであり、携帯通販向けの売上支援サービスである。従来から、この分野は、商品分析において、リアルの小売業、食品スーパーマーケットなどと比べても、一歩進んでいた感があるが、今回のサービスは、さらに、先をゆくものといえよう。特に、商品分析に時間が組み込まれることが、新たなマーチャンダイジングの改善につながる可能性が高く、興味深い内容である。

   では、食品スーパーマーケット等の実際の小売業と携帯通販ではどのように商品分析手法が違うかであるが、最大の違いは、携帯通販はそもそも顧客1人1人のIDを把握できるために、はじめからID分析が可能であることである。ここ最近、食品スーパーマーケットでもポイントカードを活用し、ID分析が可能となりつつあるが、携帯通販は、スタート時点からID分析が可能であり、分析内容が1次元先をいっていたといえよう。

   いくつか例をあげれば、食品スーパーマーケットでは購入金額、購入数量、レシーと枚数という、原則、この3つの情報が基本であり、この情報の組み合わせが、商品分析そのものである。そして、ここから、マーチャンダイジング改善の仮説を作ってゆくというのが一般的である。一方、携帯通販では、この3つの基本情報に加え、誰がというIDが加わる。さらに、ネット特有の商品購入以前の情報として、商品説明、商品購入のための各コンテンツの様々なIDの履歴が把握できる。たとえば、ページビュー、離脱率、閲覧コンテンツ数、検索キーワードなどである。いわば、食品スーパーマーケットにおいて、来店して、商品を選び、レジで精算するまでの、購買行動をコンテツを通じて数値で把握できる点が大きく違うといえよう。

   さらに、ここに、この世界では、行動分析として、どれくらいマウスを動かしたか、どれくらい画面をスクロールしたか、どのページに遷移したかなどが把握でき、今回の携帯版では、これに、時間という、これまでマーチャンダイジング上ではほとんど数値化されなかったデータを取り込むことができるという。したがって、食品スーパーマーケットの2歩先をゆくことになろう。1歩目のIDを把握するところまでは、ここ最近、追いつきつつあるが、この2歩目の時間をマーチャンダイジングに組み込むことは、当面、食品スーパーマーケットでは難しいものがあり、実現するまで、少し時間を要すると思われる。ただ、今回の携帯を、たとえば、アイフォンなどの機能を駆使すれば、組み合わせて、意外に早く実現する可能性はあるといえよう。

   では、今回の携帯通販では、時間までもマーチャンダイジング分析に組み込み、何をやろうとし、どのようなメリットが期待できるかであるが、キーワードは、リコメンドという概念である。直訳すれば、お薦めということになろうが、大きく2つにわかれ、コンテンツ上にリコメンドを入れ込むことと、もうひとつは、直接、IDにリコメンドメールを送ることである。このリコメンドをする上において、IDの履歴分析、行動分析が活用されるということであり、ここが、食品スーパーマーケットのID分析との最大の違いといっても良い。

   仮に、食品スーパーマーケットでこれができたとなると、どのようなことが想定できるかであるが、まずPOPにリコメンド数値が入り、棚割がリコメンドを組み込んだものとなり、レイアウトがリコメンドを反映した動線になると思われる。さらに、各IDに、購入履歴、行動履歴に応じたリコメンドメールが入店の瞬間に届き、さらに、購入直後に届き、さらに、来店後、数日、数週間、数ケ月、数年後に届くということになろう。結果、何が変わるかであるが、来店頻度が飛躍的にあがり、欲しい商品、今後購入予定の商品が店内ですぐに見つかり、比較購買ができ、滞在時間も延び、購入点数、平均単価の引き上げにつながることになろう。また、未購入の商品についても、リコメンドPOPにより、買いやすくなろう。要は、客数、客単価の向上につながるということであり、これに、粗利、キャッシュフローの情報も当然組み込むことが可能となろう。

   今回のCSKの仕組みは、アメリカのベイノート社が開発したUseRankという指標にもとづいて、いまはやりのクラウドコンピューティングのSaaS型で提供されるシステムの日本版ということである。ただ、本来、商売の歴史は日本の方がはるかに古く、リコメンド機能も、要は体面販売の復活、お得意様へのサービスであり、これは、日本の商売の伝統をいかし、日本で開発すべきもののように思う。今回の仕組み自体は最先端のITを駆使しているが、基本概念、基本方程式、そして、リコメンドのサービスの内容ははるかに日本の方がきめ細かく、ある意味、先をいっているといえる。ただ、ITにのらず、人の中に、ノウハウ、秘伝として、組み込まれたところに課題があったといえる。少なくとも、食品スーパーマーケットにおいては、この仕組みを上回るものを、日本で先行して開発し、作り上げてゆくべきであろう。

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October 31, 2009 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

October 30, 2009

サンエー、2010年2月中間、増収増益、当期は減益!

   サンエーが10/5、2010年2月期の中間決算を公開した。結果は、営業収益690.55億円(104.6%)、営業利益47.47億円(103.7%:営業収益比6.87%)、経常利益48.37億円(103.6%:営業収益比7.00%)、当期純利益25.85億円(93.5%:営業収益比3.74%)と、営業、経常段階は増収増益となったが、当期純利益が減益となった。これは、この中間決算で固定資産の減損損失3.65億円を計上したためであり、営業面では増収増益の堅調な結果となった。

   また、サンエーは、財務基盤も健全であり、この中間期の自己資本比率は67.5%(昨年64.8%)と、さらに上昇しており、決算公開企業約50社の中でも、トップクラスである。ちなみに、前期本決算では、純資産比率(自己資本比率)のトップクラスは、ヨークベニマル79.0%、オオゼキ77.3%、マックスバリュ東海69.4%、マルキョウ68.4%、東武ストア68.2%、サンエー64.8%という状況であり、今期67.5%は極めて高い自己資本比率である。今期この自己資本比率が高まった背景には、利益剰余金が約20億円増加し、純資産が増加したことに加え、負債の買掛金が約20億円、有利子負債も約3億円削減され、ダブルで自己資本比率を高めており、財務状況がより、堅固になり、重厚な財務基盤となったためである。

   これら、財務の健全化の背景にあるのは、サンエーが食品スーパーマーケットとしては類稀な高収益のビジネスモデルを構築したことにある。この中間決算でも、営業利益は営業収益比で6.87%、売上対比では7.09%であり、7%を超えた。この数字は前本決算時で、決算公開企業約50社のベストを見ると、オオゼキ7.8%、サンエー6.4%、アークランドサカモト5.3%、丸久5.1%、オーケー5.0%、大黒天物産4.9%という状況であるので、オオゼキと並び、断トツの収益力であり、際立っているといえる。この高収益が財務を強固にしている最大の要因である。

   そこで、この収益力を原価、経費面から見てみたい。まず、原価であるが、69.71%(昨年70.05%)であるので、若干であるが、原価が下がっている。各社値下げによる価格競争が厳しく、原価が上昇するケースが多いが、サンエーは原価を下げており、結果、売上総利益(粗利)は30.29%(昨年29.95%)と、とうとう30%を超えた。30%を超える売上総利益は、食品スーパーマーケット業界では断トツの高い数字である。サンエーの高収益の秘訣は、この原価の低さにあるといえる。これは、サンエーが食品スーパーマーケット以外にも原価の低い外食、ホテル、衣料品などの業態をもっているからであり、これらの原価貢献度が極めて高いためである。

   一方、経費の方であるが、26.25%(昨年25.68%)と、昨年よりも0.57ポイント上昇しており、やや気になる数字である。26.25%は、前本決算時の決算公開企業約50社の平均が25.6%であるので、やや高めといえ、原価とは一転、経費は高めであり、しかも、昨年よりも上昇気味である。したがって、差し引き、マーチャンダイジング力は、4.04%(昨年4.27%)となり、やや下がったが、食品スーパーマーケット業界ではトップクラスの数字である。マーチャンダイジング力はこのサンエーのように、原価小、経費大というケースは稀であり、通常の食品スーパーマーケットは原価大、経費小となり、原価よりも経費を重視し、収益を高めるケースが多いが、サンエーは、業種ミックス、業態ミックスを行い、原価最小を目指している食品スーパーマーケットであり、どちらかというと、総合小売業、GMS等に近い食品スーパーマーケットといえよう。

   そして、これに、不動産収入、物流収入等のその他営業収入が3.05%(昨年2.88%)のり、結果、営業利益は7.09%(昨年7.15%)となり、営業利益率は、昨年と比べ若干下がっているが、営業収益が104.6%伸びたために、金額ベースでは、増益となった。こう見ると、この中間決算時のサンエーは経費の上昇がやや利益を圧迫しており、今後、原価は限界に近いところまで下げているので、経費をいかに引き下げるかが、高収益を維持してゆくには重要な経営課題となりつつあるといえよう。その意味で、これまでの原価小、経費大から、経費小への取り組みも課題となったといえよう。

   サンエーはこのように、食品スーパーマーケットとしては類稀な収益構造を確立し、高収益なビジネスモデルを作り上げ、この高収益が強固な財務基盤をもたらし、自己資本比率を業界トップクラスの67.5%にまで高めたが、まだ、有利子負債が32.81億円、総資産802.95億円の4.08%ある。したがって、この分の自己資本比率の増加はまだ可能であり、今後、70%台にいつでも、もってゆくことが可能な状況にあるといえよう。

   このように、サンエーの今期の中間決算は増収増益の堅調な決算であるが、原価はさらに減少したが、経費の上昇が見られ、これが営業利益率を落としており、やや気になる結果である。ただ、財務基盤は極めて堅固な状況にあり、さらに、その基盤が強化されており、健全である。したがって、今後、課題の経費面の改善をどうはかってゆくかが、収益をより高めるためにも当面の経営課題であるといえ、サンエーが今後、どのように経費改善に踏み込むか注目したい。

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October 30, 2009 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

October 29, 2009

ベルク、2010年2月期中間決算、増収減益!

   ベルクが、10/5、2010年2月期の中間決算を公表した。結果は、売上高510.67億円(102.9%)、営業利益23.30億円(99.6%:売上対比4.57%)、経常利益24.69億円(101.2%:売上対比4.83%)、当期純利益13.55億円(98.7%:売上対比2.65%)と、増収、わずかに減益となるやや厳しい決算となった。ベルクは、この中間決算期において、Low Price & Better Qualityを掲げ、購買頻度と消費頻度の高い商品の価格訴求をかけ、さらに、イオングループのトップバリュの拡販を推進し、価格にこだわったマーチャンダイジングを実践した。特に、消費頻度にはこだわっており、当初、4/1の時点では約560品の値下げであったが、その後、4/24より、400品以上の商品を追加し、合計1,000品以上の値下げが敢行された。

   その結果を受けての、今回の中間決算であるが、売上高が微増、営業利益が微減となった。売上高の微増に関しては、これら強力な価格訴求に加え、川口差間店(埼玉県川口市、3月)、ベスタ大泉店(群馬県邑楽郡大泉町、7月)と、2店舗の新規出店に加え、2店舗の改装を実施したことも大きかったといえよう。一方、利益の方であるが、原価、経費の状況を見てみると、原価は74.27%(昨年74.53%)と、若干下がっており、売価が下がったにもかかわらず、原価も下がり、結果、売上総利益(粗利)は、25.73%(昨年25.47%)と、若干改善した。

   これに対し、経費の方であるが、25.20%(昨年24.55%)と、0.65ポイント上昇しており、経費増が営業利益の減益を招いた要因であるといえよう。したがって、差し引き、マーチャンダイジング力は0.53%(昨年0.92%)と、0.39%下がった。これに、不動産収入、物流収入等のその他営業収入が4.04%(昨年3.80%)のり、営業利益は4.57%(昨年4.72%)となり、微減であるが、減益となった。それにしても、ベルクのその他営業収入はかなり大きな数字であり、マーチャンダイジング力を大きく上回り、営業利益の大半、率にして、90%弱を占めており、貢献度が高いといえよう。営業利益が増収になるか、今回のように減益となるか、その鍵を握っているともいえ、利益の重要な柱といえよう。

   ちなみに、決算公開企業約50社の、前本決算期のその他の営業収入を見ると、平均が3.0%であるので、ベルクはかなり高い方である。トップグループは、平和堂6.7%、イオン九州6.5%、フジ5.4%、マルヤ 5.1%、Olympic5.0%、イズミ4.8%、ヤマナカ4.7%、天満屋ストア4.4%、ヤオコー4.3%、相鉄ローゼン4.1%、ベルク3.9%という状況であり、GMSタイプの食品スーパーマーケットが上位に来ているのが実態である。

   これを受けて、キャッシュフローの状況であるが、ベルクの営業キャッシュフローは30.05億円(昨年36.09億円)と約6億円減少している。これは、営業キャッシュフローの大半を占める当期純利益、減価償却費の差ではなく、明細はわからないが、その他が、今期は-5.02億円(昨年4.16億円)となったためである。したがって、当期純利益の影響は営業キャッシュフローではほとんどなかったといえる。

   一方、投資キャッシュフローであるが、-23.70億円(昨年-17.12億円)と、今年は投資が昨年と比べ多かったといえよう。その内訳であるが、新規出店関連への投資が-29.55億円(昨年22.76億円)であり、今年は、昨年と比べ、積極的な投資を行っている。ちなみに、ベルクの1店舗当たりの投資は、前期決算数字では6.44億円であるので、4.5店舗(昨年3.5店舗)と、今期の方が1店舗多い出店関連への投資金額である。

   結果、差し引き、フリーキャッシュフローは6.35億円(昨年18.97億円)と、順流とはなったが、昨年と比べると、大きく減少しており、やや気になる結果である。これを受けて、財務キャッシュフローであるが、-0.84億円(昨年-15.43億円)と、今期の財務キャッシュフローが極端に少ない結果である。これは、昨年度は、-12.92億円有利子負債を削減しているのに対し、今期は、1.67億円と、わずかではあるが、借入が上回ったためである。結果、有利子負債は116.23億円(昨年本決算時114.56億円)と、若干増加しており、総資産538.85億円の21.57%である。結果、自己資本比率は52.9%(昨年53.1%)と若干、下がっている。ただ、52.9%は、決算公開企業約50社の平均が純資産比率で40.7%であるので、ベルクは高い数字であり、財務は安定しているといえよう。また、配当であるが、2.5億円(昨年2.51億円)と、昨年とほぼ同じ配分であった。したがって、トータルのキャッシュフローは5.49億円、(昨年3.53億円)と、内部留保へのキャッシュが多くなった。

   このように、ベルクのこの中間決算は新店の貢献度と強力な価格訴求が功を奏したと見え、増収とはなったが、経費が若干上昇したため、営業利益はわずかな減益となった。これを受けて、キャッシュフローであるが、今期は新規出店関連への投資にキャッシュを厚く配分し、有利子負債への返済にキャッシュが割けなかったことが気になるが、自己資本比率は52.9%と、財務は安定しており、後半の決算で調整しても問題はないといえよう。こう見ると、当面の経営課題は経費削減にあるといえ、今後、ベルクがどのように経費削減に取り組み、収益改善をはかるかに注目したい。
 
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October 29, 2009 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

October 28, 2009

キャッシュフローとマーチャンダイジング?

   財務3表連環表を作成してから、キャッシュフローの重要性がますます鮮明になった。これまで、財務3表では、P/Lを重視し、B/Sをサブとして見、CF(キャッシュフロー)は参考に見て来たが、この3つを連環させてみると、最も重要な財務諸表はCF(キャッシュフロー)であることが浮かび上がる。しかも、このキャッシュフローの源流、まさにフローの大本は、当期純利益であり、その大本は、原価、経費差、すなわち、マーチャンダイジング力であるので、キャッシュフローはマーチャンダイジングと密接な関係があることがわかる。

   実際どれくらいの重要性があるかは、キャッシュフローの中の最初の数字、営業キャッシュフローの中における当期純利益の割合を見れば一目瞭然である。2009年度の決算公開企業約50社の平均値が51.7%であり、50%を超える。この内、驚くことに100%を超える食品スーパーマーケットは2009年度決算では、関西スーパーマーケット367.7%、マルヤ190.7%、オオゼキ134.5%、アークス133.4%、PLANT133.3%、ヤマザワ116.2%、マックスバリュ西日本109.1%、ヤオコー106.7%、ユニバース104.7%、ダイイチ101.8%、丸久101.1%、オークワ100.9%と、12社もある。100%を超えるとは、営業キャッシュフローの法人税を含め、マイナス項目が大きかったり、そもそも、当期純利益が低かったりする場合もあるが、それでも、100%以上とは大きな割合である。

   ついで、50%以上は、ベルク96.8%、アオキスーパー91.4%、マルキョウ91.0%、マミーマート87.6%、オーケー84.3%、大黒天物産83.8%、マルミヤストア73.4%、いなげや69.8%、サンエー 68.9%、マックスバリュ東海65.8%、東武ストア65.1%、バロー61.0%、マルエツ57.2%、平和堂55.0%、天満屋ストア50.5%の15社である。ここまでの食品スーパーマーケットで、ほぼ、収益性の高いと見られている企業がほぼ網羅されているといえ、キャッシュフローと、マーチャンダイジングはこの点を見ても、極めて関係が深いことがわかる。

   したがって、キャッシュフローはマーチャンダイジングに依存するといってもよく、逆にいえば、マーチャンダイジングはキャッシュフローを強化するための最も重要な経営課題であるともいえる。従来、マーチャンダイジングはその目的が、経営上、P/Lの一部と考えられており、売上アップを目的にする場合もあり、売上総利益(粗利)を目的にする場合もある。あるいは、さらに、営業利益、経常利益、当期純利益を目的にする場合もある。いずれにせよ、マーチャンダイジングは、P/Lの何らかの指標がその目的であり、B/S、CF(キャッシュフロー)とは、あまり結びつけることがなかったといえる。したがって、いまひとつ、経営の本質に迫ることが難しいという状況であった。

   そこで、先に見たように、マーチャンダイジングの目的をP/Lから、CF(キャッシュフロー)で捉え直したらどうであろうか。こうすることによって、マーチャンダイジングの目的がこれまでのP/L的観点から、CF(キャッシュフロー)へと変わってゆき、マーチャンダイジングはCF(キャッシュフロー)をいかに増大させるために取り組むかという課題になる。そして、そのためには、まずは、キャッシュを獲得することが最重要課題であり、単品管理の目的もキャッシュをいかに獲得するかということになろう。

   ただ、これは、従来の売上と同じではないかと思われるが、キャッシュという観点で見ると、これまで捉えてきたような単純な売上だけではなく、その単品が生み出す総キャッシュということになり、もう少し広く、売上げを捉える事が必要である。たとえば、単品が生み出す売上げは従来の単純なその単品の売上に加え、その単品を購入している顧客全員の総購入単品の売上もキャッシュに入ることになろう。単品を購入する顧客はその単品のみを購入しているだけではなく、さらに、その単品以外の数多くの単品を購入しており、その単品がもたらす総キャッシュは、その購入顧客の購入度合いによって、重みが違うはずであり、この顧客の売上げをも考慮したものが、その単品がもたらす総キャッシュといえよう。

   そして、この総キャッシュの大きい単品がキャッシュフローを増大させる単品であり、総キャッシュを増やすためには、単純な売上げだけを見るのではなく、その単品と顧客との関係をキャッシュという観点から再検討し、どの単品を強化すれば顧客からのキャッシュが増えるのかを判断し、総キャッシュを引き上げてゆくマーチャンダイジングを構築することが、結果、CF(キャッシュフロー)の増大につながってゆく第1歩といえよう。最近はやりのクロスマーチャンダイジング、併売分析も、産業連関表のようにとらえ、どの単品とどの単品の連関度合いが高く、結果、双方を同時強化すれば、総キャッシュが増えると解釈すれば、これも、単品の総キャッシュを増やし、CF(キャッシュフロー)を増大させる経営戦略のひとつといえよう。

   このように、マーチャンダイジングをP/Lという観点だけから捉えるのではなく、経営にとって最も重要なCF(キャッシュフロー)という観点から捉え直すと、新たなマーチャンダイジングの世界観ができあがり、マーチャンダイジングを経営の核心、CF(キャッシュフロー)と直結させることができるのではないかと思う。

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October 28, 2009 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

October 27, 2009

東武ストア、2010年2月期中間、減収減益、戦略転換!

   東武ストアが10/13、2010年2月期の中間決算を公表した。結果は、売上高414.47億円(99.6%)、営業利益7.84億円(64.8%:売上対比1.89%)、経常利益9.08億円(68.7%:売上対比2.19%)、当期純利益7.94億円(69.1%:売上対比1.91%)となり、減収減益の厳しい決算となった。東武ストア自身も、「小売業界におきましても、雇用・所得環境の悪化による個人消費の低迷、販売競争の激化等によりデフレ傾向に拍車が掛かり、近年例をみない厳しい状況で推移、・・」と、コメントしているように、経営環境が急激に悪化したことが原因といえよう。

   10/25の日経で、東武ストアの記事が掲載されたが、見出しは、「東武ストア、全55店改装、5年で130億円、既存店強化を優先」というものである。これは、1店舗当たりに換算すると2.36億円となり、現在、東武ストアの新店にかかわる資産の1店舗当たりの合計が3.38億円であるので、約70%に当たり、小改装ではなく、大改装といえ、経営戦略の転換といえよう。東武ストアは現在、新中期経営計画、 CHALLENGE 1000 PLANの3年目であるが、この中では、積極的な新規出店戦略がうたわれており、4年間で20店舗を出店する予定であったが、今後は、新店を抑制、その浮いた費用を既存店の改装に回すことになるという。まさに、経営戦略の転換といえ、今後は既存店の活性化が東武ストアにとっては経営の最優先課題となる。

   では、この中間決算では、どのようにキャッシュを配分したかを見てみたい。まず、キャッシュの原資であるが、営業キャッシュフローは18.10億円(昨年20.91億円)となり、昨年よりも約3億円減少している。これは、当期純利益が8.50億円(昨年12.03億円)と、大きく減少したことが大きい。減価償却費は6.42億円(昨年6.12億円)と、ほぼ同じであるので、この当期純利益の減少が大きかったといえよう。

   そこで、当期純利益の大本、キャッシュの源泉であるマーチャンダイジング力を見てみたい。まず、原価であるが、73.89%(昨年73.95%)となり、原価は若干であるが下がっている。結果、売上総利益は26.11%(昨年26.05%)となり、粗利は若干上昇した。この厳しい価格競争の中、原価の上昇を防いでおり、原価面は維持ができたといえる。一方、経費面であるが、24.20%(昨年23.13%)と、約1.00ポイント上昇しており、経費の増加が見られる。これは、新店開発にともなう経費に加え、この中間では、先の日経新聞の記事によれば、既存店の売上高が3.8%減少しているとのことで、既存店の売上高の減少が、固定費を押し上げたことが要因であると思われる。

   結果、原価は何とか昨対ぎりぎりまで抑えることができたが、経費の上昇は厳しく、差し引き、マーチャンダイジング力は1.91%(昨年2.92%)となり、この時点でキャッシュが減少している。東武ストアの場合は不動産収入、物流収入等のその他営業収入が0であり、このマーチャンダイジング力がそのまま、営業利益となる。したがって、営業キャッシュフローの大本、マーチャンダイジング力が経費上昇により、減少したことが、営業キャッシュフローに響いたといえよう。

   次に、投資キャッシュフローであるが、-13.12億円(昨年-4.89億円)と、この中間決算時では大きく投資キャッシュフローが増加している。これは、新規出店関連の資産取得が-14.28億円(昨年-4.20億円)と、積極的な新規出店を行ったためである。東武ストアの1店舗当たりの出店にかかる資産は、先にも言及したように3.38億円であるので、この新規出店への投資は4.22店舗(昨年1.24店舗)であるので、この中間決算は積極的な新店への投資であることがわかる。今回の日経新聞の記事では、ここが戦略転換することになるとの内容であり、後半は、この新規出店を控え、浮いた分のキャッシュを既存店の改装に向けることになろう。

   結果、フリーキャッシュフローは5.70億円(昨年16.02億円)と、順流にはなったが、金額は大きく減少しており、この中間決算では、投資、新規出店へ厚くキャッシュを配分している。そこで、財務キャッシュフローであるが、-9.33億円(昨年-9.85億円)と、ほぼ同じ配分であり、その中身は、配当-4.90億円(昨年-4.90億円)、有利子負債の返済-4.41億円(昨年-4.91億円)と、ほぼ同じ内容である。有利子負債については、この中間決算時は、7.10億円と総資産304.17億円のわずか2.33%であり、いつでも無借金経営が可能な状況にあり、結果、自己資本比率は70.1%(昨年68.2%)と、食品スーパーマーケット、決算公開企業約50社の中でもベスト5に入る、健全な財務状況である。

   そして、トータルのキャッシュフローであるが、-4.35億円(昨年6.16億円)と、マイナスとなり、内部留保を取り崩すこととなったが、自己資本が充実しており、財務的には問題がない金額である。ただ、新規出店への投資へ厚くキャッシュを配分したため、キャッシュフロー全体のバランスをやや崩しているのが気になるところである。

   これを受けて、今後に関しては、日経新聞で報じられたように、新規出店から既存店全店の改装を最優先した経営戦略の転換をはかるとのことである。これは、結果として、キャッシュフローの大本、マーチャンダイジング力の強化につながることであり、このような厳しい経済情勢を考慮すると、柔軟な経営決断であるといえよう。今後、東武ストアの各店舗がどのように活性化してゆくのか、注目である。

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October 27, 2009 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

October 26, 2009

売上速報、食品スーパーマーケット2009年9月、102.2%!

   食品スーパーマーケット、月次売上公開企業24社の2009年9月度の数字を集計した。ここ数ケ月、厳しい状況が続いているが、9月度の結果は102.2%(既存店97.1%)と、全体は新店が寄与し、堅調な売上げとなった。既存店も依然として昨対は割っているが、ここ数ケ月の中では良い結果である。ここ数ケ月の売上高の推移であるが、8月度101.2%(既存店96.1%)、7月度100.4%(既存店96.0%)、6月度101.3%(既存店96.5%)、5月度104.9%(既存店99.0%)、4月度102.2%(既存店96.9%)、3月度101.5%(既存店96.4%)という結果である。こう見ると、5月度を除けば、この9月度はやや上向いた感もあり、既存店も約1.0ポイント上昇している。特に、この3ケ月の中では最も数字が良いといえ、9月度は全体としては、堅調な伸びであったといえよう。

   そこで、この堅調な伸びを支えた貢献度の高い食品スーパーマーケットを見てみると、スーパーバリュー121.1%(既存店102.8%)、マックスバリュ東海 119.%(既存店95.1%)、 ハローズ107.7%(既存店94.8%)、ダイイチ106.1%(既存店98.2%)、オオゼキ105.7%(既存店102.4%)、カスミ105.1%の6社が、昨対105%以上の売上が比較的好調な食品スーパーマーケットである。ただ、この好調な食品スーパーマーケットを含め、集計企業の中でも既存店が昨対を超えたのは、スーパーバリュー102.8%、オオゼキ102.4%、アークランドサカモト100.6%の3社のみであり、全体としては、消費環境、競合状況の厳しさを反映した厳しい状況が続いているといえよう。

   この中で、No.1のスーパーバリュー、No.2のマックスバリュ東海であるが、スーバーバリューは新店、マックスバリュ東海はM&Aが寄与し、店舗数が増加し、売上げを大きく伸ばしているのが特徴である。この9月度は、この2社がほぼ120%での高成長であり、No.3のハローズが107.7%であるので、断トツの成長力であることがわかる。特に、スーパーバリューは既存店も102.8%と、全集計企業の中でも既存店の伸びが最高数字であり、理想的な売上げ構造となっており、絶好調といえよう。一方、マックスバリュ東海は全体に関しては絶好調であるが、既存店が95.1%と伸び悩んでおり、特に、客数98.3%、客単価96.7%と双方が下がっており、気になるところである。

   このマックスバリュ東海の客数、客単価ダウンは全体の状況とも一致しており、この9月度では、約半数の食品スーパーマーケットが客数、客単価まで公開しているが、これを見ると、既存店の客数99.1%、客単価97.8%であり、客単価の中でも、PI値101.0%、平均単価96.5%と、平均単価が下落していることが大きい。やはり、競合の厳しさが売価にも反映されているといえ、平均単価ダウン、PI値アップ、客単価ダウンの厳しい状況に食品スーパーマーケット全体が置かれているようである。

   ついで、105%以下、100%を超えた食品スーパーマーケットを見てみると、バロー104.9%(既存店98.7%)、ユニバース103.3%(既存店97.8%)、マックスバリュ中部102.7%(97.3%)、マックスバリュ西日本101.8%(既存店95.8%)、ヤマザワ101.2%(96.5%)、九九プラス100.6%(既存店98.2%)、ヤオコー100.1%(既存店98.2%)、イズミ100.0%(既存店96.2%)という結果である。いずれも、既存店が厳しい状況にあり、昨対100%を超えた食品スーパーマーケットは1社もない状況である。この中でも店舗数が148店舗のマックスバリュ西日本であるが、既存店の客数、客単価ともに97.9%と、双方がダウンし、結果、既存店の売上高が95.8%となり、この中では最も既存店の売上高が厳しかった食品スーパーマーケットである。

   これに対して、昨対を切った食品スーパーマーケットであるが、PLANT99.1%(既存店99.1%)、マルエツ99.0%(既存店97.3%)、CFSコーポレーションSM99.0%(既存店93.7%)、トーホー98.6%(既存店99.2%)、アークランドサカモト98.5%(既存店100.6%)、マックスバリュ東北97.4%(既存店96.8%)、 いなげや97.1%(既存店94.1%)、マックスバリュ北海道96.3%(既存店91.7%)、エコス94.7%(既存店95.7%)、Olympic:フード94.2%(既存店93.5%)という状況である。特に、エコスとOlympicは、95%を割っており、厳しい状況である。また、既存店を見ると、マックバリュ北海道91.7%、CFSコーポレーションSM93.7%と、この2社が90%強と厳しい状況にあるといえよう。

   このように、この9月度の売上速報を見ると、先月の8月、先々月の7月度と比べると、やや売上高は上昇しつつあるように見えるが、上位2社、スーパーバリュー121.1%、マックスバリュ東海119.6%の異常値を除くと、全体的には厳しい状況といえ、特に、既存店がやや回復基調にあるようにも思われるが、依然として伸び悩んでいる状況といえよう。ここ最近公表された各社の中間決算の数字を見ても、増収とはなっても減益となる食品スーパーマーケットがあいついでおり、競争激化による売価ダウンが利益をさげている要因といえる。今後、この状況は当面続くものと予想され、今後は、各食品スーパーマーケットとも、新店による売上高アップから、既存店の活性化による、全体の底上げ、結果としての収益改善が当面の最優先での経営課題といえよう。後半に向けて、各社がどのような既存店の活性化策を打ち出すかに注目したい。

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October 26, 2009 in 経済・政治・国際, 食品スーパーマーケット売上速報 | | Comments (0) | TrackBack (0)

October 25, 2009

平和堂、2010年2月期中間、減収減益、厳しい決算!

   平和堂が、9/30、2010年2月期、中間決算を公表した。10月に入り、2月期決算の食品スーパーマーケットがあいついで中間決算を公表しており、ほぼ、今週ぐらいで終了し、来週からは、いよいよ3月期決算の公表がはじまる。その結果であるが、営業収益1,910.10億円(93.0%)、営業利益41.50億円(74.8%:営業収益比2.17%) 、経常利益41.92億円(75.6%:営業収益比2.19%)、当期純利益38.72億円(166.5%:営業収益比2.02%)となり、当期純利益は税金の関係で増益となったが、その他の段階では、減収減益となる厳しい中間決算結果となった。

   通常、食品スーパーマーケットは毎年計画的に新規出店、ないしはM&Aへの投資を行い、増収となることが多い。平和堂もこの中間期においても、昨年と比べ店舗数が104店舗から123店舗へと19店舗増えている。特に新たなドミナント地区として、東海地区が18店舗加わり、滋賀県の1店舗増と合わせ、計19店舗となった。その内訳は、売上構成比65.0%のショッピングセンターのアルプラザが3店舗、売上構成比15.1%のGMSが4店舗、そして、売上構成比19.9%の食品スーパーマーケット、フレンドマートが12店舗である。これだけ、店舗数が増加しているにもかかわらず、減収となったのは、既存店、特に、アルプラザが91.9%、GMSが90.6%となり、フレンドマートの104.0%の伸びが相殺されたためである。

   また、これを部門別でみると、売上構成比15.4%の衣料品が83.8%、13.9%の住居関連品が92.6%、60.8%の食品が97.8%、10.9%のその他も約82%に落ち込んでいる。こう見ると、業態では食品スーパーマーケットのフレンドマート、商品でも食品は比較的堅調であったが、ショッピングセンター、GMSの特に、衣料品、住居関連品の落ち込みが大きく、しかも、既存店全体も90.0%という状況であり、これらが原因となり、減収となったといえよう。

   一方、利益の方であるが、原価は70.79%(昨年70.52%)と、若干、原価の上昇がみられる。結果、売上総利益は29.21%(昨年29.48%)となった。これに対して、経費の方であるが、33.79%(昨年33.31%)と、こちらも上昇しており、結果、原価、経費ダブルで上昇が見られ、利益を圧迫したことがわかる。ここから、差し引き、商品売買から得られる利益、マーチャンダイジング力を計算すると-4.51%(昨年-3.83%)となり、マイナス幅が、大きく拡大している。一般に、ショッピンセンター、GMSが主体となる食品スーパーマーケットはマーチャンダイジング力が大きくマイナスとなるケースが多いが、平和堂も、同様にマーチャンダイジング力がマイナスとなった。ただ、昨年と比べ、その幅が広がっていることが気になるところである。

   これに、不動産収入、物流収入等のその他営業収入が6.91%(昨年6.72%)のり、結果、営業利益は2.40%(昨年2.89%)となり、減益となった。特に、経費の上昇が強く響いているといえるが、これは、既存店の売上高が90.0%となったために、相対的に、固定費が上昇したため、経費増につながったといえよう。今後、経費を下げることは、利益を出すためには重要な政策であるが、それ以上に、既存店をいかに引き上げ、まだまだ、構成比19.9%の比較的好調な食品スーパーマーケットの店舗数と既存店の活性化をどうはかるかが課題といえよう。

   これを受けて、キャッシュフローの流れであるが、営業キャッシュフローは138.92億円(昨年117.62憶円)と、昨年よりも約20億円増加している。これは、当期純利益、減価償却費が増加したのではなく、棚卸資産の減少、売上債権の減少等があり、結果、キャッシュが増加したためである。一方、投資キャッシュフローであるが、-93.81億円(昨年-78.37億円)と、増加している。これは、新規出店関連の資産の取得に-97.65億円(昨年-85.24億円)と、積極的な投資を実施したためである。店舗数に換算すると、平和堂の前期本決算時の出店関連資産が1店舗15.70億円であるので、6.2店舗分に当たる。結果、フリーキャッシュフローは45.27億円(昨年32.38億円)と、昨年よりも、キャッシュは増加している。

   ここから、財務キャッシュフローへの配分がなされるが、配当金が8.40億円(昨年8.40億円)と同額である。これ以外では最大の配分、有利子負債へは、返済98.31億円、借入93.00億円、差し引き5.31億円の返済と、返済に配分している。昨年は8.29億円の借入となっているので、今期は有利負債の削減となった。結果、有利子負債は781.69億円(昨年本決算時806.99億円)と、削減が進んでおり、総資産2,708.34億円に占める割合は28.86%となった。この結果、自己資本比率は38.0%(昨年36.5%)と、若干改善したが、まだまだ、負債に大きく依存した財務構造であり、当面、有利子負債の削減優先の財務キャッシュフローへの配分が続くといえよう。

   そして、トータルのキャッシュフローであるが、28.24億円(昨円38.74億円)と、昨年よりは内部留保が減少したが、善循環の順流のキャッシュフローであり、減益という厳しい経営状況の中では、キャッシュはうまく回っており、有利子負債も若干削減され、自己資本比率も向上した。

   これを受けて、後半の決算予想であるが、平和堂は、「第3四半期以降も大幅に回復することは難しいと判断し、平成21年6月18日に公表しました業績予想を修正いたします。」とのことで、通期予想を減収減益予想とした。このように、今期、2010年度は厳しい結果となることが予想される中、今後、平和堂がショッピンセンター、GMSの衣料、住居関連にどのような改革を図るかに注目したい。

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October 25, 2009 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

October 24, 2009

オークワ、2010年2月期、中間、増収減益、厳しい決算!

   オークワが2010年2月期、中間決算を10/2、公表した。結果は営業収益1,444.58億円(113.6%)、営業利益22.63億円(60.9%:営業収益比1.56%)、経常利益23.63億円(62.9%:営業収益比1.63%)、当期純利益6.28億円(30.4%、営業収益比0.43%)と、増収とはなったが、減益となる厳しい決算結果となった。特に、当期純利益は、棚卸試算の評価が変更となり、在庫の評価損が11.95億円発生し、大幅な減益となった。また、営業利益、経常利益ともに、減益幅が大きく、今期は利益の確保が厳しい決算結果となった。

   その利益の状況を原価、経費面から見てみたい。特に、原価に関しては、先にも述べたように棚卸資産の評価方法の変更にともない期首の在庫の評価が下がっており、今期の原価は75.39%(昨年74.76%)と、原価の上昇が見られる。これは、在庫評価の問題もあると思われが、厳しい価格競争に伴い、売価が下がり、相対的に原価の上昇が影響していると思われる。結果、売上総利益は24.61%(昨年25.24%)と、-0.63ポイント下がっており、粗利が減少した。一方、経費の方であるが、26.65%(昨年25.86%)と、こちらも0.79ポイント上昇しており、今期は、原価、経費双方が上昇し、大幅な減益となった。

   ここから差し引き、商品売買から得られる利益、マーチャンダイジング力を計算すると、-2.04%(昨年-0.62%)と、マイナス幅が大きく拡大しており、厳しい数字となった。食品スーパーマーケットにおいて、マーチャンダイジング力が-2.0%以下となる企業は決算公開企業の中でも数社であり、この中間決算でのオークワのマーチャンダイジング力はかなり厳しい数字であったといえる。

   そして、これに、不動産収入、物流収入等のその他営業収入が3.67%(昨年3.65%) 加わり、結果、営業利益は1.63%(昨年3.03%)となった。この中間では、原価、経費双方が上昇し、利益を大きく圧迫しており、厳しい中間決算の結果となったといえよう。さらに、今期は、先にも述べたように、在庫評価損による特別損失も発生しており、最終利益の当期純利益は2重、3重の利益の減少が発生し、大きく、利益が減少する結果となった。

   これに対し、売上げの方は逆に順調であり、113.6%となった。その要因は、新たなオークワのドミナントエリアである中京地区へ新規出店したことによる。スーパーセンター業態「岐阜養老店」(岐阜県養老郡養老町、7月)、SSM「岡崎インター店」(愛知県岡崎市、8月)を、それぞれ新設したことに加え、前期連結子会社となったパレにおいても、「パレマルシェかじ町店」(静岡県浜松市、5月)、大型ショッピングセンター「ららぽーと磐田」内に「パレマルシェららぽーと磐田店」(静岡県磐田市、6月)をそれぞれ新設しており、これら新店が寄与し、売上を大きく伸ばした。既存店が97.1%と厳しい数字の中、これら新店の果たした役割が極めて大きかったといえよう。

   では、オークワの出店余力はどうかを見てみたい。出店にかかわる資産、土地、建物、差入保証金等の合計であるが、中間では、差入保証金の明細が明示されていないので、前本決算時の金額で計算すると975.70億円となり、これは、総資産1,373.45億円の71.0%となる。オークワの本決算時の店舗数が143店舗であるので、今回の新店4店舗を加え、147店舗で割ると、1店舗当たり6.8億円となる。これは、決算公開企業の平均が5.00億円であるので、やや高い数字であり、恐らく、ここ最近の積極的なスーパーセンター業態、SSM等の新規出店により、出店関連の資産が重くなったためであるといえよう。

   一方、自己資本比率であるが、54.7%(昨年55.9%)と、やや減少しており、結果、差し引き、出店余力は-16.3%とマイナスとなり、負債に依存する出店構造であり、気になるところである。その負債を見ると、有利子負債が243.75億円(前期本決算時255.54億円)であるので、総資産の17.7%であり、ちょうど、自己資本比率を加えると出店関連の資産となり、相殺する形である。したがって、ほぼ有利子負債分、負債に頼る状況であり、やや重い出店構造といえよう。

   ちなみに、出店余力の高い食品スーパーマーケットは、前期本決算時の決算公開企業約50社のトップレベルを見ると、ヨークベニマル29.4%、オオゼキ28.7%、マックスバリュ東海16.6%、東武ストア11.2%、大黒天物産9.8%、サンエー7.9%、アオキスーパー7.8%、いなげや6.8%、九九プラス5.4%という状況であり、この9社がプラスとなった食品スーパーマーケットである。オークワは、この時、-14.9%で21位であるので、この中間の-16.3%は25位前後ではないかと思われ、ちょうど、真ん中あたりのランキングとなろう。

   このように、この中間決算のオークワは、在庫の評価損も響き、原価、経費双方の上昇が見られ、利益が、ダブル、トリプルで圧迫され、すべての段階で大きく減益となる厳しい決算となった。また、積極的な新規出店に支えら、売上げは好調に推移したが、出店余力は、負債、特に有利子負債に頼らざるを得ない状況であり、既存店も厳しい中、今後、積極的な新店を出店ゆくには、やや厳しい財務状況であるといえよう。今後、後半にかけて、消費環境はますます厳しくなることが予想される中、オークワが、後半、どのような収益改善ヘ向けての思い切った対策を打ち出すかに注目である。

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October 24, 2009 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

October 23, 2009

売上げ速報、コンビニ2009年9月度、97.1%、厳しい!

   コンビニ、11社、エーエム・ピーエム・ジャパン、ココストア、サークルK サンクス、スリーエフ、セイコーマート、セブン-イレブン・ジャパン、デイリーヤマザキ、ファミリーマート、ポプラ、ミニストップ、ローソンの売上速報が、(社)日本フランチャイズチェーン協会から10/20、16:00に公表された。全体42,487店舗の結果は97.1%、既存店は94.4%となる厳しい結果となった。これで、全体は7月以降、既存店は6月以降売上げが昨対を割っており、コンビニ業界の厳しい売上げ状況が鮮明になった。

   ただ、一昨年と比べると、7月全体108.3%(既存店108.6%)、8月全体104.3%(既存店104.5%)、9月全体105.8%(既存店105.6%)と、堅調な伸びを示している。昨年が7月全体114.0%(既存店111.7%)、8月全体107.5%(既存店105.3%)、9月全体108.9%(全体106.6%)という状況であるので、昨年が明らかに異常値であり、今期は正常な堅調な伸びに落ち着いたと見ることもできる。もちろん、この異常値はtaspo効果によるものであり、昨年の5月以降、客単価はほぼ横ばいであったが、既存店の客数が急激に伸び始め、まさに、この4月まで、ちょうど12ケ月続いていることからも明らかである。

   ただ、気になる数字もある。全体の傾向は確かに、このtaspoで説明できるが、客単価の落ち込みが客数以上に大きいことである。特に既存店の客単価の数字を見ると、5月98.5(昨年100.6%)、6月95.2%(昨年101.9%)、7月96.9%(昨年99.0%)、8月96.2%(昨年101.5%)、そして、9月97.0%(昨年100.5%)という状況である。こう見ても、taspo効果は既存店の客数へ効いており、客単価への貢献はあまりなかったといえるが、今年、特に、ここ数ケ月は、既存店の客単価が落ち込んでおり、これは、taspo効果以外の影響があったと考えられよう。

   そこで、少し、細かく、各部門の状況を見てみると、taspoに最も関係するたばこを含む非食品部門の数字を見ると、7月101.8%(昨年133.0%)、8月99.0%(昨年127.7%)、9月98.6%(昨年124.9%)と、昨年と比べると落ち幅は大きいが、昨対はぎりぎりである。これに対して、日配は、7月94.6%(昨年104.5%)、8月95.4%(昨年101.9%)、9月95.7%(昨年102.3%)と、昨対を大きく割っており、日配が伸び悩んでいることが鮮明である。昨年、この時期は既存店の客数が7月は110%以上、8月、9月は105%前後で伸びているにも関わらず、日配は伸び悩んでおり、taspo効果の恩恵は小さかったといえる。したがって、日配はtaspoにあまり影響を受けない部門といえ、今年も堅調な売上げがあっても良かったと思われるが、明らかに、下がりすぎており、気になる兆候である。

   コンビニの日配は、ファストフードが主力であり、米飯、パン、調理パン、惣菜、漬物等で構成されるが、このファストフード関係が厳しかったものと思われる。恐らくこれは、ここ最近の食品スーパーマーケットの惣菜、特にコンビニの主力の弁当、おにぎり等の低価格戦略等の影響もあると思われる。さらに、日配ほどではないが、加工食品も、7月88.2%(昨年109.9%)、8月96.6%(昨年98.1%)、9月96.5%(昨年102.1%)と、昨年の7月は猛暑であり異常値であるが、8月、9月は日配よりは落ち込みは小さいが、これは、ここ数ケ月の天候不順による主力の飲料部門の不振が続いているためといえよう。こう見ると、taspo効果の影響もさることながら、日配の落ち込みは気になるところであり、コンビニの主力、ファストフードをかかえる部門だけに、今後、どの辺で落ち着くかがしばらくは推移を見守る必要があろう。

   こう見ると、今後、コンビニが売上げを確保するのは、特に、既存店商品の活性化だけでは、かなり厳しい状況に入ったといえよう。今後は、まだ、売上構成比が3.9%であるが、サービス部門の充実を図ってゆくか、医薬品等の新たな分野へ商品領域を拡大してゆく等が考えられるが、なかなか、決め手が見えず、この9月度の数字を見ても、いずれも効果がまだ見えない状況といえよう。

   ちなみに、コンビニ各社のここ最近の株価の動向であるが、セブンイレブンは、セブン&アイHの傘下であり、個別にはわからないが、ローソンは4,000円前後で横ばいであるが、8月以降株価は下がり気味で推移し、2,600円強である。サークルKサンクスは9月までは1,500円前後で推移していたが、その後株価は急落、現在1,250円前後である。そして、ミニストトップもほぼ同様な動きであり、9月までは1,550円前後で推移していたが、現在1,250円強で推移しており、厳しい状況である。ローソン以外は、ほぼ株価は大きく下がっており、投資家もコンビニの動向には厳しい目を向けているといえよう。

   このように、この9月度のコンビニの売上げは全体が97.1%、既存店は94.4%とさらに落ち込みが大きく、厳しい状況である。昨年のtaspo効果の影響ももちろん考えられるが、それ以上に、taspoの恩恵が小さかった日配、加工食品の落ち込みが売上げ減に影響しており、コンビニを取り巻く消費環境、他業種、特に、食品スーパーマーケット、ドラックストア等との競合状況が、より厳しさを増した結果ともいえよう。今後、さらに、これら経営環境は厳しい状況が予想され、コンビニ各社が、どのような対策を打ち出すか、注目である。

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October 23, 2009 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

October 22, 2009

CF(キャッシュフロー)を起点に経営を俯瞰する!

   商談前の決算チェックのセミナーも無事終了し、財務3表連環分析表を改めて見直し、現在Vol.4へと改定したが、これにより、CF(キャッシュフロー)の重要性、優位性がより明らかになった。将来的にはIFRS(国際会計基準)が日本の財務会計でも中心となり、CFの重要性はさらに増すものと思われるが、特に、食品スーパーマーケット業界ではCFが今後、財務の中心になってゆくのではと思う。その理由は、この中に、P/L、B/Sが集約され、まさに、CFを中心に財務3表がキャッシュを通じて連環しており、食品スーパーマーケットにとって、最も重要なマーチャンダイジング、新規出店、そして、配当等の経営者の経営決断が、このCFに鮮明に表れているからである。

   実際のCFを見ると、その連環度合いが実に分かりにくく、しかも、財務3表の中ではB/S、P/Lの次、3番目に位置しており、重要度が低いといえる。さらに、営業キャッシュフロー、投資キャッシュフロー、財務キャッシュフローともに、項目が多く、その重要度合いもわかりにくい。また、これを他の食品スーパーマーケットと比較するとなると、至難の業であり、過去のキャッシュフローとの比較も簡単ではない。おそらく、経営者も投資家もCFに関しては、判断に苦労しているのではないかと想像される。

   仮に、各社のCFの比較表を作ったとしても、どのように、それぞれの項目を評価したら良いかが難しく、ただ、各項目を羅列してもCFの重要性は見えてこない。CFは文字通り、キャッシュの流れであり、この流れがどのようにはじまり、どのように配分され、最終的にどこに落ち着くかがわかりやすく示されることが重要である。さらに、そのキャッシュの配分がどのようになされ、その結果、P/L、B/Sがどう変化したか、将来的にはどう変化するかまで読み取らないと、CFを見、判断する意義は弱いといえる。CFの重要性、魅力は、まさにここにあり、これを各社と自社を比較することで、自社の経営戦略が鮮明になり、今後、どのような経営方針で臨むべきか、まさに経営戦略の再構築へとつながってくる、これがCFの役割であるといえよう。

   そこで、これまで、明らかになった、Vol.4ではすでに盛り込み済みであるが、CFの見方、活用の仕方についてそのポイントをまとめてみたい。まず、CFのはじまりは、すなわち、キャッシュの出どころであるが、こと、食品スーパーマーケットにとっては、たった2項目で説明できる。当期純利益と減価償却費である。この2項目で、営業キャッシュフローの約90%を説明することが可能である。しかも、この2つの項目は、当期純利益がP/L、減価償却費がB/Sと連環しており、さらに、減価償却費は投資キャッシュフローの出店関連への投資とも連環している。したがって、この2つの項目は当期純利益は、P/Lとの連環指標、売上対比、減価償却費はB/Sとの連環指標、総資産対比が必須であり、この指標と見比べ、さらに、各社の違いを見ることで、営業キャッシュフロー、すなわち、キャッシュの出どころが鮮明になる。結果、マーチャンダイジング力をいかに高めるか、計画的な出店戦略をしっかりつくり上げるかが課題となる。

   投資キャッシュフローに関しては、何といっても出店関連への投資が食品スーパーマーケットのCFでは最大のポイントである。驚くことに、食品スーパーマーケットの投資キャッシュフローに占める割合は100%を超え、営業キャッシュフローに占める割合も約80%近くになる。食品スーパーマーケットにとって、投資=新規出店といっても過言ではなく、出店がキャッシュの最も配分の大きいところである。したがって、B/Sとの連環は重要であり、総資産対比、さらには、この新規出店への投資が何店舗分に当たるかも推定しておくことが重要である。ちなみに、決算公開企業約50社でこの数字を見ると、2009年度は約500店舗であり、1社平均10店舗の新規出店への投資をしているのが実態である。

   そして、財務キャッシュフローであるが、先の投資キャッシュフローが営業キャッシュフローの約80%であるので、当然、財務キャッシュフローへのキャッシュが回らない食品スーパーマーケットもあり、2009年度は約20社弱がマイナスであり、キャッシュの逆流が起こっている。したがって、この場合も含め、財務キャッシュフローでは、最大の経営課題、配当へ十分な配分ができているか、有利子負債がある場合は、どのくらい削減できているか等がポイントとなる。ここでも、特に有利子負債はB/Sと連環するところであり、どのくらい借入を行い、返済し、結果、有利子負債がどのようになったか、また、将来どのようになるかを見極めることがポイントといえる。

   最終的に、現金、まさに、キャッシュが増えたか、減ったかが結論といえ、増えても借入で増えているのでは意味がなく、営業キャッシュフローの余力でキャッシュが増えているのが理想といえる。また、減った場合は、どのくらい減り、結果、B/Sの現金の比率が総資産対比でどうなったかを見る必要がある。

   このように、CFは、まさに、食品スーパーマーケットにとっては、経営そのものをキャッシュという観点から俯瞰できる財務諸表であり、もっと、CFを活用して、食品スーパーマーケットの経営状況を見極めることがポイントである。また、同時に、食品スーパーマーケット側では、CFを重視したキャッシュフロー経営、すなわち、キャッシュをいかに獲得し、戦略的な投資を行い、その余力で配当を行い、さらにキャッシュをいかに蓄積し、将来へ備えるか、この一連のまさにキャッシュの善循環の連環経営を目指すべきであろう。
   
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October 22, 2009 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

October 21, 2009

マルエツ、2010年2月中間、増収増益、配当3円!

   マルエツが10/8、2010年2月期、中間決算を公開した。結果は、営業収益1,711.01億円(100.1%)、営業利益41.77億円(101.1%:営業収益比2.44%)、経常利益40.41億円(103.1%:営業収益比2.36%)、当期純利益は37.44億円(105.0%:営業収益比2.18%)となり、増収増益の堅調な決算となった。この中間決算では一部食品スーパーマーケットを除き、全体的に減益決算が多い中、増益となり、マルエツの業績が安定していることがうかがわれる。ただ、この9月度の売上速報を見ると、99.0%(既存店97.3%)と、昨対を割り、下がり気味であり、やや気になるところである。

   マルエツは2005年度から配当ができず、無配となる厳しい財務状況であったが、ここ数年で財務体質が改善され、2009年度本決算から、1株当たり6円の配当が復活した。総額7.49億円であり、売上対比0.2%、決算公開企業の平均が0.3%であるので、まだまだ、低い数字であるが、今後、財務体質の改善が進めば、さらに増配となると思われる。食品スーパーマーケット業界のトップクラスの配当は、オオゼキ0.7%、東武ストア0.6%、アークス0.6%、ベルク0.5%、マックスバリュ東海0.5%、ダイイチ0.5%、関西スーパーマーケット0.5%、アークランドサカモト0.5%、オークワ0.5%であるので、今後、まずは、0.3%、そして、0.5%がひとつの目標となろう。

   食品スーパーマーケットに限らず、株式会社にとって最大の利益還元は配当といえ、配当ができない状況にあるということは、それだけ、収益性が低く、財務状況が厳しいということでもあり、マルエツが前期決算で復配となったことは、一定の財務改善の目途がついたといえる。そして、この中間でも、3.0円の配当が決まり、決算数字も増収増益と堅調な数字を維持しており、今期も合計6.0円の配当予想であり、財務状況が明らかに好転しているといえよう。

   そこで、この配当を含め、キャッシュの配分、キャッシュフローの状況をB/Sと連環させ、マルエツの財務状況を見てみたい。まず、営業キャッシュフローであるが、57.47億円(昨年85.43億円)と、減少しているが、その中身は、最も重要な当期純利益と減価償却費の合計は57.83億円(昨年53.38億円)と、増加しており、堅調な数字である。したがって、それ以外の項目の差が大きいといえ、中身をみると、支払いサイトの関係で、前期は仕入れ債務の増加が27.31億円あり、この分の差が大きく、決算数字通り、堅調な収益を確保しているといえよう。

   次に投資キャッシュフローであるが、-44.46億円(昨年-23.34億円)と、今期は約20億円多く投資への配分が高い。その中身であるが、出店関連の資産取得-45.62億円(昨年-31.55億円)と、今期の方が積極的な出店関連への投資を増やしているのが特徴である。この金額は、マルエツの1店舗当たりの出店にかかわる資産が3.66億円であるので、12.5店舗分にあたり、現在246店舗であるので、ちょうど5%に当たる。したがって、今後、105%前後の堅調な成長を目指しているといえよう。この中間決算でも、新店に関しては、「マルエツナリア武蔵浦和店(埼玉県)、ポロロッカ千石店(東京都)の他、都心型のスーパーコンビニエンス機能を有した小型実験店舗2店舗の合計4店舗を新設し、・・」とのことで、これを見ても、マルエツの財務内容が改善しつつあることがわかる。結果、フリーキャッシュフローは13.01億円(昨年62.09億円)と、プラスとなり、順流のキャッシュフローである。

   この時点で配当への原資が生まれたことになり、数年前と比べ財務の安定度が増していることがわかる。そして、財務キャッシュフローであるが、-13.77億円(昨年-61.74億円)と、昨年よりは、投資キャッシュフローに重点を置き、フリーキャッシュフローが少ない分、配分金額が少なくなった。その中身であるが、有利子負債への返済が-6.21億円(昨年-41.49億円)であったので、この中間では、有利子負債への配分が昨年と比べ減っており、その分が投資、出店関連に回された形である。結果、有利子負債であるが、296.77億円(前本決算時:302.98億円)と、わずかであるが、削減しており、300億円の水準を切ることとなった。これは、総資産1,284.64億円の23.1%であり、決算公開企業の平均が27.7%であるので、この水準を下回っており、財務の改善が進んでいるといえよう。

   そして、肝心の配当であるが、7.47億円(前期無配)となり、配当への配分が中間決算でも可能となった。結果、トータル、-0.76億円(昨年0.33億円)となり、ほぼ営業キャッシュフローの範囲内で投資、財務を賄っており、キャッシュが順調に循環し、財務体質が向上している。この中間では、財務キャッシュフロー、特に有利子負債へのキャッシュの配分が、投資キャッシュフロー、特に出店関連へ厚く配分したため、十分でなかったといえるが、全体としては、順流、善循環のキャッシュフローである。

   このように、マルエツの財務状況は確実に好転しており、営業キャッシュフローの範囲内で投資、財務キャッシュフローをほぼ賄っており、配当もこの中間では1株3円であるが、配分できるまでに回復した。今後、さらにマーチャンダイジングを強化し、収益力をあげてゆければ、有利子負債の削減も進み、さらに、財務体質が改善されよう。ただ、今期後半は、消費環境、競合店の価格訴求等がより厳しくなることが予想されるので、この堅調なマルエツの収益力、財務状況が維持できるかどうか、注目である。

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October 21, 2009 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

October 20, 2009

大黒天物産、2010年5月、第1四半期、増収増益!

   大黒天物産が10/6、2010年5月期の第1四半期決算を公表した。第1四半期は6/1から8/31までの3ケ月であり、ちょうど、2月期決算の後半部分と重なり、現在公表されている2月期決算の企業と同時期の経営状況といえ、厳しい消費環境、経済情勢を反映した決算結果である。その結果であるが、売上高192.81億円(108.6%)、営業利益10.15億円(127.4%:売上対比5.26%)、経常利益10.11億円(128.9%:売上対比5.24%)、当期純利益5.46億円(129.1%:売上対比2.83%)と、増収増益の好決算であった。ここ最近公表された食品スーパーマーケット業界の中間決算では減益となる決算が多く、多くの食品スーパーマーケットが苦しむ中、大黒天物産の決算は絶好調といえ、改めて、この厳しい消費環境の中で、ディスカウント戦略の優位性が鮮明になったといえよう。

   特に、利益はいずれの段階でも約130%の伸びであり、売上げ以上に利益が大きく伸びているのが特徴である。その要因を原価、経費面から見てみると、原価は77.09%(昨年77.74%)と、0.65ポイント下がっており、多くの食品スーパーマーケットが売価が下がり、原価高になる中、原価が下がっており、結果、売上総利益(粗利)は22.91%(昨年22.26%)と、上昇している。この22.91%の売上総利益であるが、トップクラスの低い数字であり、ディスカウント路線が鮮明である。

   前期本決算の決算公開企業の売上総利益が低い順に見てみると、トライアルカンパニー15.6%、アオキスーパー16.6%、PLANT 19.3%、マルミヤストア19.9%、オーケー19.9%、マルキョウ20.2%、スーパーバリュー20.9%、マルヤ21.2%、タイヨー21.4%、スーパー大栄21.4%、イズミ22.0%、アークス22.8%、大黒天物産22.9%という順であり、大黒天物産は13位であった。今回の第1四半期決算の結果は、22.91%であるので、恐らく、同じ位置にあると思われるが、極めて低い数字である。全体平均が25.2%であるので、同じ原価であれば、約10%は低い売価政策が可能であり、価格訴求力が強いといえよう。

   一方、経費の方であるが、17.64%(昨年17.76%)と、昨年より0.12ポイント下がっており、経費削減も進んでいる。したがって、原価、経費双方が下がり、ダブルで利益への貢献があり、結果、営業利益は5.26%(昨年4.50%)と、大きく利益が改善している。ちなみに、この経費比率であるが、これも決算公開企業の中では、前期本決算の状況を見ると、オーケー14.9%、トライアルカンパニー16.3%、アオキスーパー16.8%、大黒天物産18.0%という状況であり、この第1四半期決算の数字も4番目であり、粗利以上に、極めて低い経費比率である。まさに、ディスカウント業態特有の経費比率といえ、低い数字である。

   これを受けて、大黒天物産のキャッシュフローの状況を見てみたい。本来であれば、これだけ増益となったので、キャッシュフローも好調な状況が期待されるが、今期は、法人税が影響し、営業キャッシュフローが-0.88億円と、マイナスとなった。大黒天物産の営業キャッシュフローの特徴は、通常の食品スーパーマーケットでは当期純利益と減価償却費の関係が50%対40%ぐらいであるが、80%対20%ぐらいであり、減価償却費が極端に少ないのが特徴である。これは、新規出店が少ないわけではなく、出店にかかわる資産が居抜き物件等が多いために極端に小さくなるためであり、これが、経費を大きく下げている一因でもある。したがって、当期純利益がその分大きくなる傾向があり、高収益にもつながっているといえる。

   一方、投資キャッシュフローであるが、-11.40憶円(昨年-1.97億円)と、今期は大きく増加している。これは、今期、10億円の定期預金への預け入れがあったためであり、これを差し引くとむしろ昨年よりも低い状況である。出店関連は1.35億円であり、これは大黒天物産の1店舗当たりの出店関連資産が前期決算では1.65億円であるので、ほぼ1店舗分の新規出店への投資といえよう。営業キャッシュフローがマイナスの分、投資を抑制したのはないかと思われる。結果、フリーキャッシュフローは-12.29億円(昨年1.93億円)と、マイナスとなり、逆流となった。

   当然、このマイナス分を補う必要があるが、財務キャッシュフローを見ると、-3.83億円(昨年-4.19億円)と、さらにマイナスである。その中身は、有利子負債の返済が-2.20億円、配当-1.63億円等であり、ここでもマイナスとなり、結果、トータル、-16.12億円の現金を取り崩しての、キャッシュフローの相殺である。その結果、大黒天物産の有利子負債は24.00億円(昨年26.00億円)となり、総資産207.71億円の11.5%となった。純資産の増加もあり、結果、自己資本比率は54.0%(49.7%)と向上した。

   それにしても、これだけのキャッシュフローのマイナスを現金を取り崩して補った形であるが、現在、大黒天物産の現金は63.83億円であり、これは総資産の33.1%となる。これだけの現金を保有している食品スーパーマーケットはアオキスーパーの34.4%ぐらいであり、豊富なキャッシュを背景にした異例のキャッシュフローの流れであるといえ、通常では見られない、キャッシュの遣り繰りである。

   このように、大黒天物産の2010年5月期のはじめての決算、第1四半期が公表されたが、増収、大幅増益と絶好調な結果となった。その中身も原価、経費双方が下がった上での増益であり、ますます、大黒天物産のディスカウント政策が深まり、消費者に強く受け入れられたといえよう。今後、さらに、消費環境が厳しくなる中、豊富なキャッシュを武器に、さらにディスカウント路線が強みを発揮するのではないかと予想され、今期、大黒天物産の決算は恐らく好決算が期待されよう。

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October 20, 2009 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

October 19, 2009

IFRS(国際会計基準)と食品スーパーマーケットについて

   いよいよ、この6月に公表された金融庁のIFRS(国際会計基準)の中間報告によれば、日本でも2010年3月期決算から、IFRS(国際会計基準)での決算の任意適用がはじまり、2015年か2016年には上場企業への連結決算での強制適用が義務づけられることとなった。したがって、食品スーパーマーケット業界も、上場企業はIFRS(国際会計基準)への対応が避けて通れなくなり、今後、いかに、IFRS(国際会計基準)に対応するための、経営体制の整備が必須といえよう。そこで、ここでは、食品スーパーマーケット業界が現時点で、2015年のIFRS(国際会計基準)適用に向けて、どのような対応をすべきかについてまとめてみたい。

   IFRSは、International Financial Reporting Standardsの略で、一般には国際会計基準と呼ばれている、国際的な会計の仕組みである。すでに、EUでは2005年から適用が始まっており、アメリカ、カナダでも2011年から適用がはじまる。アジアでは中国がすでに2006年から、韓国、インドは2011年から適用がはじまり、世界の主要国では日本が最も遅く、2015年からの適用となる。

   では、これまでの日本の会計の仕組みとどこが違うかであるが、これまで以上に、より投資家からの視点が重視され、P/L(損益計算書)よりも、B/S(貸借対照表)、CF(キャッシュフロー計算書)が重視されることとなる。名称も、B/Sが財政状態計算書、P/Lが包括利益計算書、CFはそのままキャッシュフロー計算書であるが、に変わり、この言葉が表現しているように、投資家にとって最も重要なキャッシュの状況、財政状況を把握しやすく、しかも、全世界の企業を比較しやすくするためのものであるといえよう。したがって、当然のことであるが、これまで以上に、日本の企業が世界の投資家からの投資対象になると同時に、日本の投資家も世界の企業を投資対象にできることになり、まさに、日本が世界の投資市場に組み込まれることになる。

   そこで、食品スーパーマーケットにとって、このIFRS(国際会計基準)への対応であるが、まず、すぐに対応すべき課題としては、IFRS(国際会計基準)はB/S(貸借対照表)を主として重視し、P/L(損益計算書)を従としているため、これまでのP/L重視から、B/S重視へと視点を変える必要があることである。特に、食品スーパーマーケットは資産の50%以上が固定資産で占められているため、これらが、いわゆる公正価値(時価)で評価され、これまで以上に純資産の変動が大きくなる可能性が高く、これとP/Lの営業利益(IFRSでは事業利益)との関係で包括利益が計算されることになり、利益そのものの概念がP/Lのイメージから、B/Sのイメージに大きく変わり、B/Sの利益をしっかり把握する必要があるという点である。したがって、これまで以上に、慎重な投資(食品スーパーマーケットでは新店開発)が求められ、かつ、将来に渡っての公正価値の予想が重要であり、この投資判断ひとつで、利益が吹っ飛んでしまいかねないことになろう。

   そして、逆に、これはキャッシュ重視へともなろう。IFRS(国際会計基準)自身もCF(キャッシュフロー計算書)は重視しており、P/Lの包括利益の中でも事業の収益はまさにキャッシュを表しており、包括利益の中で財務の利益がマイナスになった場合は、それをどれだけ補っているかが明確になり、そのためには、キャッシュをいかに高められる経営体制を作れるかが問われよう。これまで以上に、食品スーパーマーケットにとっても最も重要なキャッシュの獲得、マーチャンダイジング力が問われるところである。

   一方、全く視点を変えて、もうひとつ重要なことは、M&Aへの対応であろう。IFRS(国際会計基準)の適用により、世界の企業と会計面で一本化されるので、世界の投資家はもちろん、海外大手小売業にとっては、日本の食品スーパーマーケットを買収しやすくなり、同時に、日本の食品スーパーマーケットも国際的な資金調達も可能となるので、海外の小売業を買収しやすくなる。ただ、当面は日本から海外よりも、海外から日本の方が強いニーズがあると思うので、買収されないような防衛策を打つと同時に、時価総額を高める経営を心掛ける必要があろう。恐らく、その前に、国内の食品スーパーマーケット間、異業種間のM&Aが先に先行するのではないかと思う。時価総額を高めるためにも、買収防衛策を打つためにも、そして、純利益を増強するためにも、規模の拡大は避けて通れないからだ。今後、2015年までに、食品スーパーマーケット業界でも、大小、様々なM&Aが起こるのではないかと予想される。

   IFRS(国際会計基準)の上場企業への強制適用は日本では2015年であり、まだ、金融庁からは、この6月に中間報告が出たばかりである。そこで示されたロードマップにしたがって、今後、様々な議論を各界で積みあげ、体制整備がなされてゆくものと思われる。食品スーパーマーケット業界もこの流れの中で、経営体制を整備する必要があるといえ、これを機会に経営そのものを、これまでのP/L重視から、B/S、CF重視へ転換してゆく良い機会ととらえてゆくべきであろう。世界の投資家、小売業を視野にいれつつ、一方で、食品スーパーマーケットにとって最も重要なキャッシュを生み出す大本のマーチャンダイジングを、キャッシュという観点から根本的に見直してゆくべき良い機会でもある。

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October 19, 2009 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

October 18, 2009

ライフコーポレーション、2010年2月、中間、増収減益!

   ライフコーポレーションが、10/13、2010年2月期の中間決算を公表した。結果は、営業収益2,357.45億円(102.4%)、営業利益43.24億円(77.7%:営業収益比1.83%)、 経常利益41.45億円(76.8%:営業収益比1.75%)、当期純利益23.29億円(80.7%:営業収益比0.98%)となり、増収とはなったが、利益はいずれの段階でも減益となる厳しい決算となった。昨年は増収大幅増益であったので、今期は一転、利益が厳しい状況である。ライフコーポレーション自身も、「・・依然として厳しい雇用環境の下、生活防衛意識のますますの高まりから消費はさらに減退し、業界は低価格競争に走るなど凄惨を極めております。・・」と、コメントしており、ここへ来て、食品スーパーマーケットを取り巻く消費環境、競合状況が急激に悪化している様相を呈してきたといえよう。

   また、堅調な売上高についても、「既存店において各取組の相乗効果により客数は前年同期比101.0%と増加したものの、生活防衛意識の高まりや競合激化により販売単価が下落し売上高は若干の減少となり、・・」とのことであり、新店5店、大谷田店(4月、東京都)、太平寺店(5月、大阪府)、三津屋店(6月、大阪府)、吉祥寺駅南店(7月、東京都)、なんば店(7月、大阪府)によるところが大きく、厳しい状況であったといえよう。

   一方、利益の方であるが、原価、経費面を見てみると、原価は74.05%(昨年73.80%)と、0.25ポイント上昇し、結果、売上総利益は25.95%(昨年26.20%)と、下がった。これに対して経費であるが、26.69%(昨年26.31%)と、0.38ポイント上昇し、結果、原価、経費双方が上昇し、ダブルで利益を圧迫している。ここから、差し引き、商品売買から得られる利益、マーチャンダイジング力を算出すると、-0.74%(昨年-0.11%)と、昨年同様、マイナスではあるが、その幅が拡大しており、厳しい状況である。これに不動産収入、物流収入等のその他営業収入が2.63%(昨年2.59%)のり、営業利益は1.89%(昨年2.48%)となった。その他営業収入は若干プラスとはなったが、原価、経費双方が上昇し、利益を圧迫しており、価格競争による売価ダウン、既存店の伸び悩みによる、固定費の増加が経費を圧迫したものと思われる。

   これを受けて、ライフコーポレーションのキャッシュフローの状況を見てみたい。現在、ライフコーポレーションは、昨年度よりスタートした「第三次中期3カ年計画」の「12の課題」に取り組んでいる。これは、自己資本比率が26.8%(昨年24.8%)と、極めて厳しい状況にあり、負債に約75%負う経営構造となっているため、経営が負債に圧迫され、負債の圧縮を最優先に取り組まざるを得ない状況にあるためである。したがって、営業キャッシュフローを高め、投資キャッシュフローを抑制し、財務キャッシュフロー、特に有利子負債の返済へ最優先でキャッシュを配分したいところである。

   そこで、まず、財務キャッシュフローを見てみると、-52.99億円の長期借入を返済しているが、新たに122.10億円の長期借入、25.40億円の短期借入を起こしており、結果、差し引き94.51億円の有利子負債が増加している。結果、貸借対照表の負債の有利子負債は、613.00億円(昨年本決算時518.49億円)と、大幅に増加しており、総資産1,617.17億円に占める割合は37.90%(昨年本決算時31.31%)と、さらに経営に重くのしかかっている。結果、財務キャッシュフローは107.28億円と大幅なプラスとなった。

   このような状況がなぜ起こったかであるが、これは、営業キャッシュフローの仕入れ債務が、昨年本決算日が金融機関の休日と重なったため、この中間決算期間で-147.87億円支払ったためであり、結果、営業キャッシュフローが-93.31億円と、通常ではプラスになるところが大きくマイナスになり、資金不足が発生したためである。当然、負債の買掛金が激減しており、結果、自己資本比率は有利子負債以上の仕入れ債務の支払いがあったため若干プラスになったが、そのために、有利子負債を増やさざるを得なくなったことが響いている。

   したがって、営業キャッシュフローは-93.31億円、投資キャッシュフローは、新店への投資がなされ、-55.80億円となり、フリーキャッシュフローは合計-149.11億円と、ちょうど仕入れ債務分マイナスとなり、この分がそっくりキャッシュ不足となった形である。財務キャッシュフローは107.28億円であるので、トータル-41.83憶円と、現金もとり崩しており、この中間決算でのライフコーポレーションのキャッシュフローは通常とは違い、イレギュラーな状況となった。

   このように、ライフコーポレーショオンの中間決算を見ると、本来、マーチャンダイジング力を高め、収益力を増し、営業キャッシュフローを増大させ、豊富なキャッシュフローをもとに投資を抑制し、財務キャッシュフロー、特に、有利子負債の削減を最優先で進めたいところであったが、減収、仕入れ債務のイレギュラーな支払いが発生し、キャッシュ不足が生じ、有利子負債が逆に増加するという状況となった。今後、残された後半、ライフコーポレーションがどこまで、「12の課題」をこなし、財務改善に踏み込めるか、その動向に注目である。

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October 18, 2009 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

October 17, 2009

NHK、特報首都圏、10/16、加熱するポイントサービス!

   10/16、NHKの19時30分から特報首都圏の番組でポイントカードが取り上げられた。テーマは「過熱、ポイントビジネス」であり、ポイントカードの実態を消費者側と企業側、双方から取り上げた興味深い内容であった。冒頭に、ポイントの発行金額の概算が示されたが、現在、日本では約8,000億円のポイントが発行されているという。これに、国が発行しているエコポイントを加えると、優に1兆円を超えたといい、ポイントはいまや、巨大な市場になったという。

   番組では、はじめに、吉田さんというある主婦の方のポイントカードの使い方が紹介された。何と、吉田さんは約40枚のポイントカードをもっており、ポイントを使える店を選んで買い物をしているという。さらに、インタンーネットショッピングもよく使い、特に、米は必ずインターネットで買うという。結果、毎月、3,000円のポイントを獲得しているといいい、吉田さんは、「知っていると得になる。得が主婦のキーワードだ」と、インタビューに答えていた。

   続いて、番組では、経済評論家の森永卓郎さんが、インタビューを受け、ポイントカードの解説をはじめるが、森永さんは、先ほどの主婦、吉田さんよりもさらにポイントカードを持っているといい、40枚から50枚のポイントカードが映し出される。びっくりである。その森永さんは、ポイントカードについて、「消費者はおまけの文化で育っているので、日本の消費者が慣れている。真面目な消費者、忍耐強い消費者が日本の独特の文化となり、普及した」というような趣旨を述べていたのが印象的であった。

   確かに、食品スーパーマーケット業界では、大手以上に中小の方がむしろ早くからポイントカードを導入しており、しかも、首都圏よりも地方の方がポイントカードへの対応は早かったといえる。食品スーパーマーケットの客層の大半は主婦であり、まさに番組のはじめに登場した吉田さんのような主婦が大半である。普及率、使用率も極めて高く、ほぼ来店客の80%ぐらいはポイントカードを使用しており、店舗の商圏のほとんどをカバーしているのが実態といえよう。

   食品スーパーマーケットの場合は、ほぼ0.5%から1%ぐらいの還元率であるので、仮に、同じ食品スーパーマーケットで週3回、2,000円の買い物をしているとすると、週6,000円、5週間で30,000円となるので、月、150円から300円のポイントが付くことになる。ちなみに、家計調査データの最新、8月度を見ると、家計1世帯当たりの月間の消費額は約300,000円であり、仮に、この消費額に1%のポイントがつくと、3,000円であるので、番組に登場した吉田さんは、恐らく、40枚のポイントカードとインターネットを使い、すべての消費をポイントのつく店舗だけで購入しているのではないかと推測される。確かに、300円では得かどうか微妙なところだが、3,000円になれば確かに得であろう。こう見ると、今後、家計すべての支出にポイントをつけようという発想が主婦の間に急激に広がっていってもおかしくないといえよう。

   一方、NHKの番組では企業側についても取材されており、その目的を顧客の囲い込にあるとし、その典型的なポイントカードとして、CCC(カルチャーコンビニエンスクラブ)のTカードを取り上げている。すでに、カード会員が3,300万人に上るといい、特に、このTカードをコンビニのファミリーマートが採用し、様々な新しい取り組みが始まっているという。たとえば、「相互相客」という手法で、Tカードの加盟店のTUTAYAとファミリーマートの顧客を相互誘導することも瞬時にできるという。購入履歴がリアルタイムでCCCのホストに蓄積されるため、TUYAYAでレンタルビデオを借りたお客さまにファミリーマートのクーポン券を出したり、その逆も可能であり、双方の顧客を共通の顧客として、様々なサービスの提供ができるという。また、ファミリーマートでは、常連客のみポイントを2倍にするなどの試みもしているという。将来的には、Tカードは100社、6,000万人まで増やしてゆく方針であるというので、この「相互相客」がダイナミックに実現する日も近いといえよう。

   さらに番組では、イオンのWAONについても取材がなされ、特に商店街との提携により、街づくりそのものにポイントカードを活用しようという試みである。意外に相性が良いようで、取材を受けた商店街では60店舗がWAONを使っており、リピートのお客様が増えているとのことで、大手小売業と商店街との共存共栄を目指しているという。

   番組ではこれらの取材のまとめとして、野村総研の安岡寛道さんとNHKのキャスターとの間でポイントカードについての議論がはじまるが、印象的であったのは、「主婦は、むかしは1円でも安い店を、いまは、1ポイントでもポイントのつく店を探している」とのことである。しかも、「ポイントを資産と消費者は見ている。87.6%はお金と同じ重要な価値と認識」との野村総研の調査では明らかになったという。一方、企業はポイントをおまけととらえがちであり、ここに、番組でも取材していたが、様々なトラブルが発生する遠因があるといい、今後は、「世界に類を見ないポイント文化を成熟させることも重要では、・・」と結んでいる。

   改めて、ポイントカードを見てみると、確かに、ポイントがいまや、日本の文化といっても良いくらい、身近に、深く浸透し、しかも、ポイント金額が1兆円を超え、経済的にもインパクトを与える数字にまでなった。食品スーパーマーケットのポイントカードも、お店からの視点だけでとらえるのではなく、社会全体の中での役割という視点を導入しても良いのではと、この番組を通じて感じた。

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October 17, 2009 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (1)

October 16, 2009

アークス、2010年2月、中間、増収減益、守り固める!

   北海道のアークスが10/13、2010年2月期、中間決算を公表した。結果は、売上高1,279.73億円(100.6%)、営業利益40.10億円(86.9%:売上対比3.1%)、経常利益44.01億円(87.6%:売上対比3.4%)、当期純利益23.68億円(81.5%:売上対比1.9%)と、わずかに増収とはなったが、利益はいずれの段階でも減益となり、厳しい決算となった。アークス自身も、「小売業界におきましても、低調な個人消費の動向を受け、低価格訴求を軸にした商品価格の値下げ圧力が一段と強まり、競争環境は一層厳しさを増し、・・」と、コメントしているように、価格競争の厳しさが反映されたものといえよう。

   実際、原価、経費面から、減益の要因を見てみると、原価は77.70%(昨年77.45%)と、昨年よりも0.25ポイント上昇しており、結果、売上総利益は22.30%(昨年22.55%)と、若干下がっており、競争激化により、売価が下がったものと推測される。一方、経費の方であるが、19.16%(昨年18.91%)と、0.25ポイント上昇しており、原価、経費双方で合計0.50ポイント利益を圧迫し、減益となったことがわかる。

   特に、経費減について、アークスは、「前年4月からグループ各社に順次展開していたグループ統一カードが当期においては期初からグループの全店舗に展開されているため、販売費及び一般管理費のうちカードポイント費用が5億47百万円増加し、・・」と、コメントしており、経費増の要因はポイントカード費用であるとしている。実際、5.47億円は今期のアークスの経費金額245.22億円の2.23%にあたり、売上対比でも0.42%に匹敵するので、かなり、経費に重くのしかかっているといえよう。

   このアークスのポイントカードであるが、すでに135万人の会員がおり、アークスのみでポイントが使用できるだけでなく、北海道の様々な企業で活用が可能であり、ハウスカードからリージョナルカードへとなりつつある。この8月にも得タク加盟タクシーと提携し、乗車料金300円で6ポイントが付与されるという。また、自動車学校、ガソリンスタンド、フラワーショップ等とも提携し、今後、「地域のライフラインとして、豊かな暮らしに貢献」する流通企業グループとして、競争が激化する道内流通マーケットの中でお客様に選ばれるために、ポイントサービスを機軸として顧客満足度の向上を目指し、・・」とのことで、まさに、北海道のリージョナルカードを目指したポイントカードである。これは、イオンのWAONに対抗するものといえ、北海道では、店舗間競争だけでなく、ポイントカードを通じたカード競争が激しさを増しつつあるといえよう。

   さて、これを受けてキャッシュフローの流れであるが、営業キャッシュフローは70.06億円(昨年72.51億円)となり、昨年とは大きな変化はなかった。これに対して、投資キャッシュフローであるが、-9.40億円(昨年-22.14億円)と、大幅に減少している。これは、出店関連の投資が-8.10億円(昨年-23.62億円)と、激減していることが大きいといえる。アークスは現在173店舗であり、出店に関する土地、建物、敷金保証金等の合計は781.84億円であり、総資産1,003.26億円の77.9%であり、1店舗当たりに換算すると4.51億円である。したがって、昨年は5.2店舗に当たる出店関連の資産を取得していたが、今期は、1.5店舗であり、新規出店への投資を控えたことが原因といえよう。結果、フリーキャッシュフローは60.66億円(昨年50.37億円)と、潤沢な金額となった。

   そして、財務キャッシュフローであるが、-43.43億円(昨年-25.33億円)と、大きく増加している。したがって、投資を控え、財務改善にキャッシュを振り向けたことになるが、その中身は、-35.49億円の有利子負債への返済である。昨年は-17.87億円の返済であったので、約2倍返済金額を増やしており、キャッシュのウェート、新店を抑制し、返済にかけた形である。結果、有利子負債は76.90億円(2009年決算時112.40億円)と、大きく減少しており、総資産に占める割合は7.66%と10%を切っており、自己資本比率も61.0%(昨年59.8%)と向上している。このまま、返済が続けば、2年で無借金経営が可能となり、自己資本比率も70%近い、より健全な堅固な財務状況となろう。

   こう見ると、アークスは昨年の積極的な新規出店戦略から、一転、財務健全化戦略に切りかえ、投資を抑制し、その余剰キャッシュを有利子負債の返済に振り向け、財務基盤を固めたといえよう。この厳しい消費環境の中、積極的に攻めるのではなく、一歩引いて、戦闘態勢を整えるという経営戦略の転換といえる。

   最後にトータルのキャッシュフローであるが、17.23億円(昨年25.03億円)と、昨年よりは若干下がったが、内部留保も増加しており、現金は83.68億円(昨年90.54億円)となり、有利子負債76.90億円を相殺しており、事実上、この中間決算で無借金となったといえよう。

   このように、アークスの2010年2月期の中間決算は増収減益となる厳しい決算となり、原価、経費双方が上昇し、利益をダブルで圧迫した結果となった。それだけ、北海道の消費環境は厳しさを増し、競争が激化しているものといえよう。このような中、アークスは、ポイントカードを活用し、既存顧客の来店頻度を引き上げる、既存店の活性化策に力を入れる一方、新規出店への投資を抑制し、財務の健全化に大きく舵を切っており、ここは、攻めるのではなく、あえて、一歩退く経営戦略をとっている。今後、アークスがこの健全な財務状況を基盤に、いつ積極策を打ち出すかに注目したい。

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October 16, 2009 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

October 15, 2009

商談前の決算チェック、セミナー、終了!

   本日、10/14、「スーパーマーケット、商談前の決算チェック、ここが提案ポイント」(株式会社マーケティング研究協会)のセミナーが無事終了した。前半約2時間は商談前の決算チェックについて、P/L編、B/S編、CF編に分けて実際の食品スーパーマーケットの決算数値をもとに解説をした。その後、休憩、コーヒーブレイクをはさんで、後半約2時間は決算公開企業を7つのエリアに分けて、それぞれエリアごとに各食品スーパーマーケットの商談前の決算チェックをP/L、B/S、CF面から行い、各エリアでどの食品スーパーマーケットの経営が最も安定しており、競争優位にあるかを解説した。そして、最後に、決算書から独自格付けを行い、まとめを行った。

   以上、約4時間のセミナー内容であったが、あらためて、財務3表連環表をもとに商談前の決算チェックという観点から、決算公開企業約50社の食品スーパーマーケットを俯瞰してみて、各食品スーパーマーケットの経営の実態を私自身も、解説をしながら、改めて認識できたこともある。通常、決算は速報値として、決算短信が公表されるが、これは、当然といえば、当然で、縦書きになっている。したがって、各指標を比較しにくく、特に、P/L、B/S、CFの関係を見るには縦に目を通し、上へ下へといったり来たりして、数字を見なければならず、さらに、再計算、並び替え、新たな指標作成などは抜き出さないとできない。しかも、数社を比較するとなると、決算短信を並べて、比較することになり、実用的ではない。

   今回のセミナーでは、すべてのテキストのページで決算数字を横に並べ、比較しやすいようにし、さらに、縦に各社の指標を並べたので、財務諸表としても、分かりやすかったのではないかと思う。ただ、たくさんの財務諸表を見てもらいたく、一覧表に各指標、各社を詰め込んでしまったので、数字、文字が小さくなってしまったのが気になっているが、テキストとしては、単純な決算短信や財務諸表よりも分かりやすく仕上がったのではないかと思う。

   財務3表(P/L、B/S、CF)は実際、連環しており、本来、別々に見るものではなく、一緒に、連環図をイメージしながらみるとわかりやすく、そこから、今回のテーマ、商談への活用を考えることがポイントといえる。今回、特に、力を入れて解説したのが、キャッシュフローであるが、食品スーパーマーケットの経営は実際、キャッシュフローを起点に考えると分かりやすい。これも、決算短信では、通常、B/Sが来て、次にP/Lが来て、最後に、CFとなるが、CFとP/Lは当期純利益のところが連環しているのみであり、むしろ、B/Sとの連環性の方が高く、B/SとCFを並べた方が、食品スーパーマーケットの経営の実態はつかみやすいといえる。実際、今回のテキストでは、後半の各エリアごとの食品スーパーマーケットの解説では、P/Lは別にしたが、B/SとCFは一緒にし、CFを上、B/Sを下に配置し、連環性を明確にした。

   ちなみに、CFとB/Sはどこがどう連環しているかであるが、CFの営業キャッシュフローの約40%は減価償却費から来ており、B/Sの出店関連の資産とまず連環する。また、そのB/Sの出店関連の資産はCFの投資キャッシュフローとも連環し、CFの投資キャッシュフローの出店関連資産がそのままB/Sに連環する。さらに、B/Sの有利子負債もCFの財務キャッシュフローと連環し、CFの財務キャッシュフローの借入と返済、そして、その差を見ることによって、B/Sの有利子負債がどのように今後なってゆくかが判断できる。さらに、CFの最終、トータルを見れば、BSの現金が増加しているのか、取り崩しているのかもわかる。このように、ちょっと見ただけでも、CFとB/Sは極めて連環性が高く、この2つの財務諸表は連環させてみることがポイントであるといえよう。実際、今回のセミナーでは、テキストもそう作成したが、解説も、この連環性を重視して各食品スーパーマーケットの実態を見てみたので、単純に決算短信を見るよりは、分かりやすかったのではないかと思う。

   今回、改めて認識したのは、先にも述べたがCFの重要性である。食品スーパーマーケットはいかにキャッシュを生み出すか、また、それをいかに投資と配当に回すかが極めて重要な経営戦略そのものであるということである。そして、その大本のキャッシュをうみだすには、いかに、マーチャンダイジングを強化するか、逆にいえば、マーチャンダイジングとは、いかにキャッシュを生み出すかにあるという事実であり、実態である。

   これまで、約20年に渡ってPI値を研究開発してきたが、今回、財務3表連環分析にもとづく、商談前の決算チェックをまとめてみて、PI値はまさに商品からキャッシュを生み出すためのマーチャンダイジング理論であり、また、いま新たに開発しているIDPI値は顧客からのキャッシュを生み出すマーチャンダイジング理論であることが明確になり、これが結果的に、財務3表に連環してゆき、企業経営そのものを根底から変えてゆけるのではと、今回セミナーを通じて改めて再認識できた。

   今後、今回のセミナーを機に、商談前の決算チェックの内容をさらに充実させることはもちろん、新たに、PI値、IDPI値をも組み込んだマーチャンダイジング強化のCF経営にもとづく経営改革の支援を行ってゆければと思う。

   最後に、今回、セミナーにご参加された皆様、改めて、ありがとうございました。

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October 15, 2009 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

October 14, 2009

オオゼキ、2010年2月期中間、増収減益、MBO成立!

   オオゼキが10/8、2010年2月期の中間決算を公表した。結果は、売上高347.25億円(104.5%)、営業利益23.68億円(89.8%)、経常利益 24.21億円(90.0%)、当期純利益13.99億円(87.2%)と、増収とはなったが、利益がいずれの段階でも約10%ダウンし、減益となった。これまで公表された食品スーパーマーケット各社も減益となる決算があいついでいるが、食品スーパーマーケットの中でも好調なオオゼキも減益となり、改めて、食品スーパーマーケット業界全体が厳しい経営環境に置かれていることが鮮明になったといえよう。

   オオゼキが減益になった要因を原価、経費面から見てみたい。まず、原価であるが、75.72%(昨年75.29%)となり、昨年と比べ0.43ポイント上昇している。結果、売上総利益は、24.28%(昨年24.71%)となり、いわゆる粗利が下がっており、この時点で利益が減少している。

   一般に、原価が上昇する要因は、仕入れ価格が上昇し、売価に転嫁できない場合が多いが、ここ最近の動向は、各社PB拡販の動きなどもあり、仕入れ価格はむしろ、下がり気味であるといえ、この面からの原価の上昇圧力は弱いといえよう。したがって、原価の上昇は売価面での下落が大きいのではないかと推測される。売価が下がると、それに応じて原価を下げられれば粗利は下がらないが、原価を下げられない場合は、その分、原価が相対的に上昇することになり、結果、粗利が減少することになる。実際、オオゼキのこの中間決算までの累計の平均単価は99.32%(昨年累計101.35%)であり、下がっており、後半スタートの9月度は95.86%とさらに下がっている。したがって、この原価上昇は、消費者の節約志向を踏まえた競争の激化による売価ダウンが大きいといえよう。

   一方、経費であるが、18.46%(昨年17.80%)と、0.66ポイント上昇しており、経費の上昇も見られる。経費の上昇については、一般的には既存店の売上が落ちると相対的に固定費が上昇し、経費が上昇することがあるが、オオゼキの第2四半期までの累計の既存店の売上は、102.06%であり、好調である。したがって、経費上昇要因はこれ以外の要因といえ、恐らく、4月に市川店を新規出店、池上店、祖師谷大蔵店の改装を実施しており、これらの費用がかさんだものと思われる。ただ、結果として、原価、経費双方の上昇が見られ、利益がダブルで圧迫を受け、減少しており、これまで、好調に推移してきたオオゼキも経営環境が厳しさを増しつつあるといえよう。

   そして、ここから、差し引き、マーチャンダイジング力を算出すると、5.82%(昨年6.91%)となり、昨年と比べ1.09ポイントのダウンであり、厳しい結果といえよう。ただ、昨年の決算で食品スーパーマーケット決算公開企業で5.0%以上のマーチャンダイジング力はオオゼキ6.7%、ホームセンター主体であるがアークランドサカモト5.3%、オーケー5.0%、大黒天物産4.9%であり、以下、3%台であるので、依然として、この中間決算でもオオゼキがNo.1であると思われ、昨対を割ってはいるが、極めて高い数字である。

   ちなみに、オオゼキのマーチャンダイジング力を支える商品戦略は圧倒的に青果を強化し、ついで、日配、食品を強く打ち出すところにある。この中間決算での売上構成比を見ると、青果22.8%(伸び率107.7%)、日配19.2%(104.7%)、食品18.3%(104.8%)であり、全体の伸び率が105.72%であるので、青果をさらに強化していることがわかる。他の生鮮食品の鮮魚12.6%、精肉12.0%であるので、青果が突出しており、この青果強化による集客力がオオゼキのマーチャンダイジング力の源泉といえよう。

   そして、営業利益であるが、このマーチャンダイジング力に、不動産収入、物流収入等のその他営業収入が0.98%(昨年1.03%)のり、結果、6.80%(昨年7.94%)となり、1.16ポイントの減益となった。したがって、減益の要因は原価、経費双方が上昇し、さらに、その他営業収入が若干減少したことにあるといえ、結果、6.80%という食品スーパーマーケット業界としては極めて高い数字ではあるが、減益となった。それにしても、トリプルの数字ダウンは気になるところである。

   これに対して、財務面を見ると、依然として超健全な状況であり、自己資本比率は78.3%(昨年77.3%)であるので、さらに上昇しており、有利子負債も0と、負債にほとんど頼ることのない極めて自由度の高い自己資本で可能な経営状況にある。キャッシュフローも営業キャッシュフロー15.00億円(昨年21.09億円)、投資キャッシュフロー-8.86億円(昨年-37.96億円)、結果、フリーキャッシュフローは、6.14億円(昨年-16.87億円)となり、昨年と比べ、フリーキャッシュフローがプラスとなっている。しかも、その中身は、新規出店関連への投資は今期の方が多く、昨年は定期預金、有価証券への支出が増大したことであり、健全なキャッシュフローの流れといえよう。そして、財務キャッシュフローであるが、-5.24億円(昨年-4.88億円)となり、トータル0.88億円(-21.75億円)と改善している。

   このように、オオゼキの2010年2月期の中間決算は増収減益と、利益が減少し、しかもその中身は原価、経費上昇、その他営業収入ダウンという、トリプルでの利益への圧迫である。ただ、営業利益率は依然として、食品スーパーマーケット業界、トップクラスであり、しかも、財務面を見ると、キャッシュフローは逆に改善され、自己資本比率も上昇し、超健全な状況である。この10月にはMBOも成立したことにより、ここはじっくり、経営環境を整え、後半に向けての対応が求められよう。オオゼキが今後、どのように収益改善の対策を打ち出すか、注目したい。

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October 14, 2009 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

October 13, 2009

イオン、2010年2月期中間、減収減益、小売事業激減!

   イオンが10/6、2010年2月期の中間決算を公表した。結果は、営業収益2兆5,266.81 億円(96.9%)、営業利益354.97億円(60.5%:営業収益比1.40%)、経常利益320.77億円(53.7%:営業収益比1.26%)、当期純利益-146.81億円(前期-160.14億円)と、減収減益、当期純利益は赤字となる厳しい決算となった。当期純利益の赤字は前期に続いてであり、イオンの業績が悪化しており、厳しい状況である。特に、営業収益の約70%の構成比となる総合小売業が営業収益97.1%、営業利益わずか6.9%という状況であり、小売事業全体の利益が激減していることが大きく響いたといえよう。

   総合小売業はGMS、SM、コンビニ等からなるイオングループの中核の事業であるが、GMSグループの営業収益は92.4%、営業利益-49.15億円、経常利益-53.50億円、当期純利益-130.49億円という状況であり、赤字の大半がこのGMSグループにあり、GMSは待ったなしのリストラが避けて通れない状況といえよう。また、食品スーパーマーケットも、すでに本ブログでも取り上げたが、厳しい状況であり、増収とはなったが、減益となり、利益面が厳しい状況である。さらに、全体の営業収益の約10%の構成比の専門店も減収減益、当期純利益は-67.51億円の赤字となり、GMSと並び、厳しい状況となった。イオンのこれ以外の事業では、デベロッパー事業とサービス事業があるが、デベロッパー事業は唯一好調、増収増益となったが、営業収益の構成比が2.6%であり、全体を押し上げるまでにはいかなかった。また、構成比約15%のサービス事業であるが、増収減益となり、利益面で厳しい結果となった。

   ちなみに、イオングループ全体の店舗数であるが、GMS 606店舗、SM 1,250店舗、DS 48店舗、HC 127店舗、SuC 33店舗、デパートメントストア1店舗、コンビニ3,383店舗、専門店 4,480店舗、その他129店舗、金融385店舗、外食491店舗、サービス1,121店舗、合計12,054店舗である。

   今回、イオンが2期連続で赤字になった要因を原価、経費面から見てみたい。まず、原価であるが、72.3%(昨年71.5%)となり、原価の上昇が見られ、結果、売上総利益は27.7%(昨年28.5%)と、粗利が下がっている。本来であれば、トップバリュを強化し、トップバリュの今期売上がグループ全体で3,687億円(126.2%)、イオンリテールにおいては、全体の12.4%にまで構成比が上がっているので、原価改善が図れても良い状況であるが、それ以上にNBの値下げ圧力が大きく、原価の改善につながらなかったものと思われる。

   一方、経費の方であるが、37.4%(昨年36.9%)と、経費も上昇しており、この中間決算では、原価、経費、双方が上昇し、利益をダブルで圧迫している状況である。結果、差し引きマーチャンダイジング力は-9.7%(昨年-8.4%)と、1.3ポイント悪化しており、厳しいマーチャンダイジング構造である。これに物流収入、不動産収入等のその他営業収入が11.3%(昨年10.9%)のり、結果、営業利益が1.6%(昨年2.5%)となったが、大きく減益となっており、厳しい結果となった。

   それにしても、食品スーパーマーケットでは考えられない経費比率とその他営業収入であり、これだけの経費を賄うには、原価を大幅に引き下げるために、トップバリュの構成比を30%から40%にするか、ユニクロ、ニトリなどのSPAの手法を取り入れ、劇的に原価を下げることが必須といえよう。ただ、それでも、この経費構造では厳しいものがあり、経費構造を根本的に組み換える新たな業態開発を行い、GMSを移管するような構造改革が必要といえよう。

   この結果を受けて、キャッシュフローの状況であるが、当期純利益が赤字となったことにより、営業キャッシュフローが370.65億円となり、投資、配当等へのキャッシュ不足が生じている。今期の投資キャッシュフローは-1,922.08億円と多額な投資を実施しており、当然、営業キャッシュフローの370.65億円では賄えず、合計のフリーキャッシュフローは-1,551.43億円と逆流となり、このキャッシュを財務キャッシュフロー、その他で補わざるをえない状況である。特に、投資キャッシュフローの中では、新規出店関連が-1,987.05億円と大半を占め、この投資が重くのしかかっているといえよう。

   一方、財務キャッシュフローであるが、1,032.92億円とプラスになり、その中身は長期借入1,678.99億円、コマーシャルペーパー282.85億円、社債338.64億円に対し、返済1,062.22億円であり、差し引き1,238.26億円の借入となり、有利子負債が増加し、1兆3,359.65億円(前期比118.1%)となり、財務を大きく圧迫する結果となった。ただ、これでもフリーキャッシュフローのマイナスをカバーできず、さらに、現金を486.67億円取り崩している。今期のイオンのキャッシュフローは、多額の投資を補うために新たな借入を行うだけでなく、現金をも取り崩しており、厳しい資金繰りであるといえよう。

   このようにイオンの2010年2月期の中間決算が公表されたが、2期連続の赤字決算となり、特に、中核のGMSを中心とした小売業全体が厳しい結果となった。その結果、キャッシュフローも厳しい状況となり、有利子負債もさらに増加し、現金をも取り崩す結果となり、厳しい経営状況である。今後、後半以降も消費の回復は期待できず、ますます消費環境は厳しいものとなろう。イオンとしては、抜本的な構造改革が必須といえ、後半、この結果を受けて、どのような経営改革を打ち出すかに注目したい。

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October 13, 2009 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

October 12, 2009

続、マックスバリュ5社の中間決算、CF、B/Sを見る!

   前回のブログでマックスバリュ5社の2010年度の中間決算のP/Lについて取り上げた。いずれも厳しい決算結果であり、増収増益は1社もなく、全体として、利益面が特に厳しい決算結果であった。そこで、今回はこの厳しい決算結果を受けて、CFとB/Sがどのような状況となったかを見てみたい。一般に減益となった場合には、営業キャッシュフローが減少し、積極的な新規出店への投資が抑制され、有利子負債が増加するなど財務状況も悪化するケースが多い。また、当然、配当へのキャッシュの配分も十分にできず、減配、配当見合せとなることもある。今回、この厳しい決算結果を受け、マックスバリュ各社がどのような経営決断をしたか、その結果をCF、B/Sから見てみたい。

   まず、CFの状況を見てみたい。営業キャッシュフローであるが、北海道-18.25億円、東北20.10億円、東海27.04億円、中部8.60憶円、西日本42.48億円という状況である。西日本が最も規模が大きいこともあり、最も大きく、42.48億円であり、ついで、東海、東北となる。一方、中部は厳しいものがあり、北海道はマイナスの営業キャッシュフローであり、さらに、厳しいキャッシュフローである。北海道は何といっても赤字決算となったことが大きく、減価償却費、その他の項目でカバーできなかった。また、中部は大幅な減益となったことが響き、これに加え、法人税の支払いも大きかったといえよう。

   次に、投資キャッシュフロー、および、営業キャッシュフローを足したフリーキャッシュフローを見てみたい。北海道-4.57億円(フリーキャッシュフロー-22.82億円)、東北-25.57億円(-5.47億円)、東海-46.43億円(-19.39億円)、中部-25.65億円(-17.05億円)、西日本-67.60億円(-25.12億円)と、5社ともにフリーキャッシュフローがマイナスとなり、営業キャッシュフローで投資が賄えない状況であり、キャッシュ不足が鮮明である。

   そこで、その中身を食品スーパーマーケットにとって、最も重要な新規出店関連の投資を見てみると、北海道-9.03億円(投資キャッシュフローの197.5%)、東北27.03億円(105.7%)、東海54.33億円(117.0%)、中部24.91億円(97.1%)、西日本68.8億円(101.7%)という状況である。営業キャッシュフローの如何にかかわらず、いずれのマックスバリュも新規出店への投資意欲は旺盛であり、単純計算で、投資キャッシュフローのほぼ100%となり、投資キャッシュフロー=新規出店への投資といってもよいくらいの数字である。したがって、フリーキャッシュフローのマイナスの要因は、新規出店への投資が大きいといえ、マックスバリュ各社は営業キャッシュフローが厳しい中でも積極的な投資がなされているといえよう。

   ちなみに、出店関連の資産が総資産に占める割合を見ると、北海道148.04億円(総資産対比56.0%)、東北225.68億円(72.25%)、東海350.50億円(62.7%)、中部299.61億円(72.4%)、西日本412.68憶円(57.8%)という状況である。北海道、西日本が低い数字であり、東北、中部が高めである。また、自己資本比率は、北海道21.6%、東北6.9%、東海63.7%、中部32.3%、西日本45.0%であるので、東海以外は自己資本の範囲内で出店関連の資産を賄うことができず、負債、特に、有利子負債に大きく依存している状況であるといえよう。ここから、差し引き、出店余力を出してみると、北海道-34.4%、東北-65.35%、東海1.0%、中部-40.1%、西日本-12.8%であり、東海のみプラスとなり、他の4社は厳しい状況であり、特に、東北、中部の出店余力が極端に低い数字である。

   そこで、有利子負債の状況を見ると、北海道87.48億円(総資産対比33.1%)、東北125.40億円(41.8%)、東海10.00億円(1.78%)、中部83.62億円(20.2%)、西日本48.74億円(6.8%)であり、東海、西日本はわずかな有利子負債であるが、他の北海道、東北、中部は有利子負債が重く、特に、東北は総資産対比40%を超え厳しい状況である。

   さて、最後のキャッシュフロー、財務キャッシュフローであるが、フリーキャッシュフローが5社ともにマイナスであり、そのマイナスを補う必要がある。したがって、この財務キャッシュフローでどこまで、どのように補っているかであるが、有利子負債の状況を見ると、北海道14.78億円、東北5.07憶円、東海10.00億円、中部6.53億円、西日本46.88億円、とほぼ全社で有利子負債を調達しており、この借入が大きいといえよう。

   そして、財務キャッシュフローとトータルを見ると、北海道14.36億円(トータル-8.45億円)、東北5.06億円(0.41億円)、東海3.19憶円(-16.19億円)、中部4.00億円(-13.03億円)、西日本37.75億円(12.63億円)となり、西日本がトータルが大きくプラスとなったが、これは有利子負に負うところが大きい。最後に配当であるが、北海道-0.41億円、東北なし、東海-6.79億円、中部-2.51億円、西日本-9.11億円という状況であり、北海道、東北、中部の3社が十分に配当への配分ができない状況である。

   このようにマックスバリュ5社の2010年2月期の中間決算の結果は厳しい状況にあるといえ、これがキャッシュフローに大きな影響を与え、営業キャッシュフローが十分に確保できない状況である。ただ、投資に関しては各社積極的な投資がなされているといえる。そのため財務キャッシュフローでカバーせざるをえない状況といえ、有利子負債の調達と、現金の取り崩しで、補わざるをえなくなっており、経営を圧迫しつつあるといえよう。この苦境を脱するには、営業キャッシュフローを高める以外なく、そのためにも、マーチャンダイジング力、現金を調達する力をいかに高められるかが、今後のマックスバリュ各社の最優先課題といえよう。

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October 11, 2009

マックスバリュ5社の中間決算、いずれも苦戦!

   マックスバリュ3社、西日本、東海、東北の2010年2月期の中間決算が出そろった。これで、すでに公表された2010年1月期の決算、中部、北海道を含め、マックスバリュグループの食品スーパーマーケットの中間決算がすべて出そろった。いずれも厳しい決算であり、増収増益となった食品スーパーマーケットはなく、特に、利益面が急激に悪化している様子がうかがえる状況である。

   まず、売上(営業収益)であるが、北海道384.43億円(102.8%)、東北459.42億円(96.6%)、東海685.67億円(113.1%)、中部572.93憶円(101.4%)、西日本1,087.30億円(103.5%)であった。東北以外は増収とはなったが、東海を除き微増であり、東海も昨年8月のシーズンセレクトのM&Aを含んでの数字であり、こう見ると、マックスバリュグループは、全体的に売上が伸び悩んだ結果となった。

   これに対して、利益の方であるが、営業利益は、北海道-5.95憶円、東北0.73憶円(昨年は赤字、営業収益比0.15%)、東海11.43憶円(50.2%、売上対比1.66%)、中部3.08億円(41.8%:営業収益比0.53%)、西日本29.33億円(77.2%、営業収益比2.69%)という結果であり、北海道の赤字を除き、いずれも厳しい決算であった。しかも、ほぼ昨年と比べ営業利益が半減しており、この中間決算では、利益を確保することがいかに難しかったかがわかる。

   そこで、営業利益が半減した要因を原価、経費の両面から見てみたい。まず、原価は、北海道77.31%(昨年76.10%)、東北76.90%(昨年77.48%)、東海74.99%(昨年74.50%)、中部75.59%(昨年75.08%)、西日本75.44%(昨年75.29%)という結果である。東北を除き、いずれも原価が上昇しており、結果、売上総利益(粗利)は北海道22.69%、東北23.1%、東海25.01%、中部24.41%、西日本24.56%という状況であり、減益とはなったが東海の売上総利益(粗利)が25.0%を超え、最も高く、ついで、西日本、中部の順であり、東北、北海道は厳しい状況である。

   次に、経費面であるが、北海道26.16%(昨年25.98%)、東北24.47%(昨年25.52%)、東海25.19%(昨年23.65%)、中部26.46%(昨年26.08%)、西日本23.99%(昨年23.07%)という結果であった。赤字になった東北を除き、すべて経費が上昇しており、原価に加え、経費もダブルで経営を圧迫している状況である。

   ここから差し引き、商品売買から得られる利益、マーチャンダイジング力を算出してみると、北海道-3.47%、東北-1.37%、東海-0.18%、中部-2.05%、西日本0.57%と、西日本を除き、すべてマイナスであり、営業利益をプラスにもってゆくには、その他営業収入、すなわち、物流収入、不動産収入等に頼らざるをえない状況にある。特に、北海道、中部はそのマイナス幅も大きく、いかに、この中間決算が厳しい状況であったかがうかがわれる。

   その物流収入、不動産収入等のその他営業収益の状況であるが、北海道1.90%(昨年1.82%)、東北2.56%(昨年2.31%)、東海1.86%(昨年1.91%)、中部2.54%(昨年2.51%)、西日本2.20%(昨年2.06%)という状況であり、東海を除き、いずれも、上昇がみられる。原価、経費の上昇を、その他営業収入で賄おうとしている状況がうかがわれるといえよう。ここから、営業利益を計算すると、北海道-1.57%(赤字)、東北1.19%、東海1.68%、中部0.49%、西日本2.77%となり、西日本がマーチャンダイジング力がプラスになった分、その他営業収入が、そのままのり、2.77%と、昨年の本決算の食品スーパーマーケット業界の平均3.0%に近い数字となった。ただ、その他は、いずれも、厳しい状況である。

   マックスバリュグループ全体の傾向として、売上げが伸び悩み、原価、経費ともに上昇気味となり、マーチャンダイジング力が双方から圧迫を受け、厳しい状況となった。それを物流収入、不動産収入等のその他営業収入で補おとしたが、マーチャンダイジング力の減少分をカバーできず、営業利益がいずれも厳しい結果となった状況である。

   今期、マックスバリュグループは、総力を挙げて、イオングループが開発したPB、トップバリュを積極的に導入し、原価改善をはかったが、それ以上に、消費環境は悪化し、競争が厳しく、NBの値下げが響いたものと思われる。PBの構成比は急激に伸びてはいるが、まだ、その構成比は10%前後といえ、圧倒的にNBの構成比が高く、PBの導入による原価改善には数字を見る限り、結びついておらず、さらに、20%、30%へ向けて取り組む一方で、競争の中心となるNBの原価改善が必須といえよう。

   また、経費に関しては、経費削減も当然重要な対策ではあるが、それ以上に既存店の活性化により、既存店の売上を引き上げること、特に、坪当りの売上げがポイントであるといえ、これにより、相対的に経費を引き下げることが可能となる。この中間決算のマックスバリュ各社の売上げは伸び悩んでおり、既存店も厳しい状況にあり、経費面での圧迫も大きいといえよう。

   今後、今回の厳しい中間決算の結果を踏まえ、後半、利益改善が急務といえ、まずは、既存店の活性化を最優先で取り組む必要があろう。そして、より、原価改善を行うためにも、PBの強化もさることながら、NBの原価改善がポイントといえよう。すでに、2010年度の後半に突入しているが、マックスバリュ各社が本決算に向けて、どのような利益改善の政策を打ち出すかに注目したい。

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October 11, 2009 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

October 10, 2009

イズミヤ、2010年2月期中間、減収減益、赤字決算!

   イズミヤが10/6、2010年2月期の中間決算を公表した。結果は、営業収益1,866.56億円(98.3%)、営業利益3.35億円(10.2%:営業収益比0.18%)、経常利益-2.79億円、当期純利益-53.04億円となり、減収、大幅減益、特に、経常、当期純利益は赤字となる厳しい決算となった。当期純利益については、店舗の閉鎖費用、減損損失、たな卸資産評価損などの費用が重く、赤字幅が経常利益の金額を大きく上回ることとなった。

   一般に、当期純利益が赤字となると、キャッシュフローが厳しい状況となる。実際、この中間決算のイズミヤの営業キャッシュフローを見ると18.62億円と、昨年の中間決算時は125.19億円であるので、約85%ダウンという厳しい数字であり、キャッシュ不足となった。その中身を見てみると、何といっても当期純利益が-73.49億円となったことが大きく、昨年は21.12億円であったので、その差が約95億円と、100億円近い差である。このマイナスをカバーしたのが、減価償却費の33.12億円、店舗閉鎖損失引当金36.0億円、減損損失19.11億円、棚卸資産評価損15.60億円等である。

   これに対して、投資キャッシュフローであるが、-23.01億円となり、営業キャッシュフローを足したフリーキャッシュフローは-4.39億円と、マイナスとなり、逆流のキャッシュフローとなった。投資キャッシュフローの主な項目は、短期貸付-46.05億円が最も大きく、ついで、出店関連-28.82億円となる。出店関連の投資であるが、昨年は-24.61億円であるので、昨年よりも若干上回っており、営業キャッシュフローが厳しい中、将来ヘ向けての新規出店への投資は、その水準を下げることなく、投資しており、イズミヤにとっては苦渋の決断といえよう。

   そして、財務キャッシュフローであるが、-10.20億円となり、さらにマイナスとなっており、フリーキャッシュフローを財務キャッシュフローで補わずに、内部留保を取り崩す経営決断をしている。通常、フリーキャッシュフローがマイナスとなった場合には、増資をするか、借入をはかるか、内部留保を取り崩すかの3択となるが、イズミヤは3つ目の内部留保を取り崩すことを選んでおり、結果、期首の現金84.90億円が、70.29億円となり、約14億円、現金が減少した。財務キャッシュフローの中身を見ると、有利子負債については、-170.55億円返済しており、借入は155.40億円であるので、差し引き、-15.15億円の返済となる。結果、有利子負債は922.04億円となり、総資産の36.48%となったが、まだまだ、経営に重くのしかかっている状況である。今期自己資本比率は38.7%であり、昨年の40.2%を下回ることとなり、厳しい経営状況といえよう。

   では、ここで、経常利益、当期純利益が赤字となった大本の要因を原価、経費、すなわち、営業利益の状況を見てみたい。まず、原価であるが、70.76%(昨年70.22%)と、昨年より、0.54ポイント上昇しており、結果、売上総利益、粗利は、29.24%(昨年29.78%)と、下がった。これは、消費環境の悪化から競争が厳しくなり、売価を下げざるをえなくなったことに加え、ディスカウント食品スーパーマーケット業態、まるとく市場を積極的に出店、業態変更していることが大きいといえよう。

   実際、イズミヤの今期の粗利率の変化を衣食住関連別にみると、衣料品34.2%(昨年35.3%)、食品22.6%(23.0%)、住関連22.8%(22.8%)という状況であり、衣料品、食品の粗利の落ち込みが大きかったといえよう。また、既存店の売上げで見ると、衣料品87.8%(売上構成比16.1%)、食品96.0%(60.0%)、住関連96.2%(20.1%)という状況であり、衣料品が特に大きく落ち込んでいる状況である。

   一方、経費の方であるが、31.84%(昨年30.83%)と、経費も上昇しており、結果、差し引き、マーチャンダイジング力は-2.60%(昨年-1.05%)と、マイナス幅が大きくなっており、原価、経費双方が上昇し、ダブルでマーチャンダイジング力を圧迫した形である。これに、物流収入、不動産収入等の営業収入が2.79%(昨年2.84%)のり、営業利益は0.19%(昨年1.79%)となったが、その数字はわずかであり、厳しい営業利益となった。

   こう見ると、この中間決算のイズミヤが厳しい決算に陥った要因は、原価、経費双方が上昇したことが大きく、特に、粗利の高い衣料品の売上が下がったことに加え、売上構成比の高い食品の粗利も下がったことが大きかったといえよう。また、既存店の売上も下がっており、結果、相対的に経費の上昇にもつながったといえる。

   このように、イズミヤのこの中間決算は、赤字決算となる厳しい結果となり、キャッシュフローが厳しい状況となり、投資キャッシュフローを営業キャッシュフローで賄えず、内部留保を崩して、キャッシュのマイナスをカバーする結果となった。また、その赤字の原因を探ると、原価、経費双方が上昇しており、特に、衣料品、食品の粗利が下がったことに加え、衣料、食品を含め、既存店の売上げが下がったことにより、相対的に経費の上昇にもつながったといえよう。今後、消費環境はますます厳しくなることが予想され、イズミヤとしては、後半に向けて、原価、経費の改善が最優先課題といえ、まさに、マーチャンダイジング力をいかに高めるかが、喫緊の経営課題といえよう。イズミヤが今後、どのような営業戦略を打ち出すか、注目したい。

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October 09, 2009

Chain Store Age、10/1号、ガムのPOS実証分析を投稿!

   Chain Store Age(チェーンストアエイジ)最新号、2009年10/1号にMD特別リポート、「ガム売場のPI値検証報告、ベストバランスがついに明らかに!」を投稿した。この企画は、Chain Store Age 、4/1号から始まった一連のガムのマーチャンダイジング戦略の企画であり、その最終版である。特に、今回は、5/15号で導きだしたTOPNAVI-NETの全国約400店舗の食品スーパーマーケット、過去1年間、述べ客数2億6千万人を超える客数を分母にした金額PI値にもとづいたガムのベストバランスの実証実験結果のリポートである。

   今回の実証実験は、ガムNo.1メーカーのロッテの協力及び2社の食品スーパーマーケットの協力が得られ、約3週間に渡って、ガムのベストバランスの仮説に基づいた売場を、それぞれ様々なタイプの店舗で検証することができた。1社は群馬県を中心にドミナント展開しているフレッセイであり、もう1社は、東京都都心部にドミナト展開しているトップである。両食品スーパーマーケットは全くタイプが違い、フレッセイは郊外型中心で店舗面積も広く、ガム売場もレジ前と菓子売場双方に展開ができ、十分な品揃えが可能である。一方、トップは都心部の店舗ということで、売場面積が小型タイプの店舗が多く、ガム売場もレジ前か、菓子売場かどちらかに絞らざるをえない状況であり、しかも、ガム売場に十分なスペースがとれない場合もあり、限られたスペースでのガムのマーチャンダイジングの限界への挑戦が課題となった。

   もともとの仮説であるが、ガムはバランスが極めて重要なカテゴリーであり、そのバランスとは、重点商品と品揃え、重点商品と新商品、品揃えと新商品、このバランスが極めて重要な課題であり、多くの場合、そのバランスを崩し、重点商品が十分に訴求されなかったり、品揃えが確保されなかったり、あるいは、新商品が過剰となり、重点商品を圧迫したりし、数字が伸び悩むことが多いのが実態である。今回の2社の検証にあたっても、検証に入る前に、約10店舗近くの昨年、今年のガム全品の詳細なPOSデータの事前分析を行い、ガムのマーチャンダイジングのバランスチェックをし、その中で、様々なタイプの店舗を選定して検証に入った。たとえば、金額PI値最高の店舗、最小の店舗、競合店との競争の厳しい店舗、郊外型店舗、都心型店舗などである。

   結果、事前POS分析では、ベストバランスに近い場合もあったが、重点商品が十分にフェースがとれず、在庫が少なかったり、品揃えが十分でなかったり、新商品が過剰に売場に導入されていたりというケースも見受けられ、結果、金額PI値が伸び切れていない店舗もあった。

   ちなみに、事前の仮説では特に重点商品の中でも金額PI扱店が200円を超える超重点商品が4品あり、ロッテキシリトールライムミントボトル150g、367.5円、ロッテキシリトールフレッシュミントボトル150g、252.4円、キャドバリー・ジャパンアダムスクロレッツXPオリジナルミント粒150g、236.9円、ロッテブラックブラック粒 ワンプッシュB150g、208.3円である。この商品の欠品はガム全体の数字に与える影響も大きいので、最優先で棚割にも反映させた。

   特に、フレッセイでは、No.1のライムミントは検証中に金額PI値500円/1,000人を超える店舗も現れ、PI値も0.8個/1,000人を超えはじめた。したがって、3,000人/日の客数で2.4個/日となり、週間在庫は16.8個となった。こうなると当然1フェースでは管理不能となり、欠品を防げない。今回の紙面の検証写真を見てもわかるように、以前はこのNo.1商品が1フェース展開であったが、検証中は3フェース3段積みとなり、ほぼ、週間在庫を確保することが可能となった。ただ、実際の検証データを見ると、それでも、数字が不安定に動く場合もあり、もう1フェース増やすか、もう1段積みあげても良いくらいであるといえる。

   ここまで注意を払う商品はこの4品を加え、数品であるが、その結果を見ると、両食品スーパーマーケットとも、堅調な数字の伸びが見られ、紙面では重点商品をグラフで示したように、その伸びがガム全体の伸びに大きく貢献することが検証できた。では、品揃えはどのような役割かであるが、今回の検証結果では、数字は横ばいの場合が多く、それでも、全体の50%近い金額PI値の構成比となり、ガム全体のベースを決めるこことが検証できたといえる。したがって、ガムは品揃えがガム全体の基礎ベースを決め、重点商品が全体を押し上げる効果があるという検証結果であった。また、双方、意識的に新商品を増やした検証も行ったが、金額PI値が高い新商品はわずかであり、かなりの新商品が品揃えの下位に来ることが多く、新商品は慎重に商品選定を行い、ガムの重点商品と品揃えとのバランスを崩さない中での展開がポイントであるという検証結果となった。

   今回は限られた誌面での検証結果の公表となったため、詳細なデータを十分に掲載することができなかったが、いずれ、様々な機会を通じて、今回の検証結果をもとにしたガム売場のベストバランスのマーチャンダイジング戦略を公表してゆければと思う。さらに、機会があれば、ガムのID-POS分析にも挑戦したいと思う。今回の仮説とは、また違った角度からガムのマーチャンダイジングの仮説をつくることができるのではないかと思う。

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October 9, 2009 in 経済・政治・国際, PI値 | | Comments (0) | TrackBack (0)

October 08, 2009

家計調査データ、2009年8月度、消費横ばい!

   家計調査の最新データ、2009年8月度が総務省統計局から10/2公表された。現在は、すでに10月に入っているが、家計調査データは集計後1ケ月後に公表されるため、現時点の最新データは8月度である。その結果であるが、全体の消費支出は1世帯1日当たり9,386.19円(昨対99.9%)であり、ほぼ、昨年と同じ消費金額であった。この内、外食を除く食品は2,065.90円(99.6%)と、全体より若干昨対が下回ったが、ほぼ、昨年並みの消費金額となった。節約志向による消費環境が厳しくなっている状況ではあるが、全体の数字は食品も含めて、この8月度は、ほぼ、昨年並みの消費金額であったといえよう。

   ただ、個々に見ると、数字は大分違い、消費金額が上昇した部門と、大きく落ち込んだ部門もある。最も大きく上昇した部門は住居559.19円(113.5%)であり、2桁の上昇である。その中身を見ると、外壁・塀等工事費76.61円(445.6%)が異常値であり、ついで、植木・庭手入れ代12.74円(274.3%)、火災保険料34.68円(165.6%)と、これらを合わせた工事その他のサービスが175.84円(129.0%)と、大きく伸びたことがその要因である。これ以外にも、公営家賃47.13円(122.9%)、給与住宅家賃25.84円(120.3%)と家賃関係も上昇したことが大きく、住居全体をこれらの消費が押し上げた状況である。

   これに対して、消費金額が下がった部門であるが、被服及び履物が304.94円(89.7%)と、2桁下がった。天候不順の影響が大きく、特に、昨年は猛暑であったため、その反動も大きかったといえよう。その中身であるが、金額はさほど大きくはないが、和服が12.45円(49.2%)と半分となり、厳しい状況である。これは天候よりも、節約志向の表れといえ、特に、婦人用着物は9.19円(42.0%)と、大きく落ち込んだ。洋服も98.35円(90.2%)と、約10%落ち込んでおり、特に、男子用洋服が23.84円(79.1%)と、婦人用洋服の60.26円(94.6%)と比べ落ち込みが大きい。また、履物類は44.13円(100.0%)と健闘しており、やはり、衣料品の落ち込みが大きかったといえよう。

   さて、食品であるが、先に見たように食品は2,065.90円(99.6%)と、消費額はほぼ昨年並みの水準であった。ただ、個々に見ると、野菜・海藻268.61円(104.5%)、穀類218.26円(102.3%)が好調であり、酒類128.42円(93.4%)、果物127.55円(95.9%)、肉類211.87円(96.9%)が不調であった。これ以外の部門は、魚介類221.16円(99.8%)、乳卵類108.06円(101.1%)、油脂・調味料107.16円(101.0%)、調理食品(惣菜)279.19円(97.8%)、飲料148.65円(98.5%)という状況であり、昨対100%前後で推移している。

   そこで、まず、伸びた野菜・海藻、穀類について、その要因を見てみたい。野菜・海草を大分類で見ると、生鮮野菜172.81円(107.9%)、乾物・海藻23.77円(101.4%)であるので、生鮮野菜がこの8月度は良く伸びている。その中分類を見ると、葉茎菜46.48円(107.1%)、根菜41.81円(107.0%)、他の野菜84.52円(108.8%)と、満遍なく伸びており、野菜全体が好調であったといえよう。特に、110%以上伸びた野菜であるが、ばれいしょ5.71円(133.1%)、たまねぎ7.35円(125.3%)、キャベツ6.61円(117.1%)、もやし2.97円(116.5%)、にんじん6.00円(115.5%)、きゅうり10.23円(115.3%)、トマト19.29円(114.8%)、なす8.52円(110.5%)、さやまめ10.65円(110.0%)である。

   ついで、伸びた部門、穀類であるが、何といっても、小麦粉1.90円(115.7%)の値上げによる上昇が大きく、その関連で、スパゲッティ4.10円(108.5%)、カップめん8.39円(105.3%)と、消費額が上昇している。また、パン76.26円(102.9%)、食パン23.03円(101.9%)も微増ではあるが上昇している。これ以外では、穀類最大の金額である米 78.03円(108.9%)が伸びており、この貢献も大きいといえよう。

   一方、消費額が下がった部門であるが、酒類では、何といっても昨年の猛暑の影響が大きく、酒最大の消費金額のビールが53.58円(85.2%)となった。また、発泡酒も18.42円(90.1%)と大きく落ち込んだ。果物では、もも16.71円(81.7%)、みかん3.90円(81.8%)、ぶどう21.90円(89.5%)が80%台と厳しい結果となった。ただ、なし21.35円(112.4%)、バナナ13.29円(107.0%)、キウイフルーツ3.16円(122.5%)は好調であったが、全体を押し上げるまでにはいかなかった。そして、肉類であるが、牛肉は59.94円(100.5%)と、堅調な数字であったが、豚肉64.45円(94.3%)、鶏肉29.42 円(96.9%)、合いびき肉5.32円(94.8%)と伸び悩んだ。さらに、加工肉のハム15.35円(92.6%)、ベーコン5.90円(95.8%)も伸び悩み、肉類は牛肉以外、全体的に厳しい消費額となった。

   また、昨年の猛暑の影響で飲料の落ち込みも懸念されたが、飲料全体は98.5%と大きく落ち込むことはなかったが、これも個々に見ると、ミネラルウォーター7.87円(95.3%)、乳飲料3.77円(95.1%)、果実・野菜ジュース31.06円(96.4%)、コーヒー10.71円(95.4%)、緑茶9.16円(92.8%)等は厳しい数字であった。逆に、健闘したのはコーヒー飲料13.97円(103.8%)、炭酸飲料12.23円(106.5)であり、この2つが他の飲料の落ち込みをカバーしたといえよう。

   このように、この8月度の家計調査データは、全体としてはほぼ昨年並みの消費状況であり、消費者物価指数(CPI)が明らかにデフレ傾向を示す中、家計の消費は、特に食品は意外に堅調であるといえよう。この8月度の数字を見ても、消費額が下がった酒類、果物等も消費環境の悪化というよりも、昨年の猛暑の影響の方が強く出ているといえる。ただ、野菜、穀類等が伸びたのは、節約志向による内食回帰の流れが表れた結果ともとれ、不況を反映した消費傾向ともいえよう。9月以降、今年後半にかけて、どのように消費傾向が変わるか、注意深くその動向を見てゆく必要があろう。

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October 8, 2009 in 経済・政治・国際 | | Comments (1) | TrackBack (0)

October 07, 2009

ハローズ、2010年中間、増収減益、原価、経費上昇!

   ハローズが、9/25、2010年2月期の中間決算を公表した。売上高344.10億円(110.2%)、営業利益10.25億円(91.0%:売上対比2.98%)、経常利益9.91億円(86.8%:売上対比2.88%)、当期純利益5.51億円(86.7%:売上対比1.60%)となり、2桁の増収とはなったが、いずれの利益も減益となる厳しい決算となった。その要因をハローズは、「消費者の低価格志向の強まりによる価格競争の激化に加え、業態・業種を超えた競争も激しさを増しており、販売面のみならず収益面でも厳しい経営環境となり、・・」とコメントしており、価格競争が激化している影響が大きいとのことである。

   ハローズも、この価格競争に対し、「特にプライベートブランド商品の「ハローズセレクション」の開発を引き続き進め、売上高構成比は前事業年度末の6.7%から1.0ポイント上昇し7.7%となり、・・」と、低価格訴求ができるPB商品を強化している。さらに、生活防衛企画商品として、「低価格そのまんま宣言」、「くらしらくらく宣言」、「うれしい値」などを1,200品目から1,480品目へ増やしており、一段とディスカウント戦略を強化しており、売上げへの貢献はあったと思われるが、逆に、利益への圧迫が大きかったともいえよう。

   実際、この中間決算の原価(粗利)、経費を見てみると、原価は77.08%(昨年76.89%)となり、0.19%上昇している。結果、売上総利益(粗利)は、22.92%(昨年23.11%)と、減少しており、粗利が激しい価格競争の結果、思うように確保できなかったといえよう。一方、経費の方であるが、22.63%(昨年22.00%)と、経費も上昇気味で推移した。したがって、差し引き、マーチャンダイジング力は、0.29%(昨年1.11%)と、原価、経費がダブルで上昇した分、厳しい結果となった。これに不動産収入等のその他営業収入が2.69%(昨年2.69%)のり、営業利益は2.98%(昨年3.80%)と、減益となった。

   ハローズのここ数ケ月の売上速報を見ると、8月度109.8%(既存店96.8%)、7月度107.0%(既存店94.2%)、6月度108.0%(既存店95.1%)、5月度115.4%(既存店101.0%)、4月度111.5%(既存店99.0%)、3月度110.3%(既存店97.5%)と、既存店が厳しい状況で推移しており、相対的に固定費が上昇し、経費を圧迫していると思われ、結果、経費が上昇したものと思われる。これに加え、特に、この夏の天候不順、消費環境の悪化による低価格競争の激化が粗利を圧迫したと思われ、ダブルでの利益の減少になったといえよう。ハローズに限らず、これまで公表された食品スーパーマーケットの結果を見ても、増収減益の中間決算が多く、ここへ来て、食品スーパーマーケット業界も、原価、経費双方の上昇圧力が強く、利益を確保するのが難しくなってきた状況といえよう。

   これを受けて、ハローズのキャッシュフローであるが、営業キャッシュフローが、通常ではあまり見られない-8.54億円とマイナスとなった。これは、営業キャッシュフローの大本である当期純利益と減価償却費が昨年の15.16億円から10.40億円と約5億円減ったこともあるが、それ以上に、昨年が金融機関の定休日と中間決算が重なり、仕入れ債務が増加し、今年は、逆に仕入れ債務が、減少し、-21.53億円となったことが大きい。これは、B/Sでは負債の買掛金、流動負債の減少となり、実際、昨年の61.81億円が40.28億円と減っており、その差、-21.53億円となった。したがって、営業キャッシュフローがマイナスとなり、現金が足りず、投資キャッシュフローの-25.91億円を財務キャッシュフローと現預金で賄わざるを得なくなり、財務キャッシュフローで長期借入を53.78億円借入、さらに、現預金を4.70億円取り崩す結果となった。本来であれば、自己資本比率が33.7%(昨年33.9%)と、負債に大きく依存する財務構造であるため、有利子負債を増加させたくなかったところであるが、この中間期は104.51億円(昨年72.77億円)と、大幅に増加しており、総資産に占める割合は34.29%とかなり重い負担となり、経営を圧迫している状況である。

   ハローズは先に売上速報を見たとおり、既存店は厳しい状況にあるが、全体は2桁に近い数字で好調に推移している。これは、新店を積極的に出店しているためであり、この投資キャッシュフローを見ても、25.15億円(昨年21.72億円)の出店関連の資産を取得しており、積極的な新規出店への投資を継続している。ただ、自己資本比率33.7%では、現在の出店関連の資産194.84億円、総資産の63.60%を賄えず、負債、有利子負債に大きく依存する出店構造となっている。今後、キャッシュフローの増加が見込みにくい状況では、新規出店が経営に重くのしかかるともいえ、まずは、収益改善によるキャッシュフローの増大が当面の最優先の経営課題といえよう。

   このようにハローズの2010年2月期の中間決算は増収減益となり、特に、今年は昨年の金融機関の休日との関係もあり、キャッシュフローが回らず、自己資本比率が厳しい中、新たに借入をせざるをえない状況となり、経営を圧迫しつつある。ただ、通期予想は売上高710.00億円(112.7%)、営業利益 22.80億円(109.6%)、経常利益21.80億円(105.3%)、当期純利益12.00億円(105.3%)と堅調な増収増益予想を崩してはいない。したがって、今後、後半、収益改善のための思い切った対策が打ち出されるものと思われ、ハローズの当面の動向に注目である。

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October 7, 2009 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

October 06, 2009

野菜、大田市場、2009年8月までの結果を見る!

   東京都中央卸売市場では様々な市場取引データを公開している。その中のひとつに市場統計情報があり、日報、月報、年報があり、さらに週報もある。それぞれ、青果、水産、花木、食肉に分かれている。いずれも、食品スーパーマーケットに直接関係する貴重な統計資料であり、現在の相場を知る上で参考になる。そこで、ここでは、この中から、青果の野菜について、ここ最近の動向を見てみたい。最新のデータは月別では8月度であるので、2009年1月から8月までの8ケ月間の流れを、大田市場で見てみる。

   データは、野菜各項目の数量、金額、平均単価の3つの情報である。まず、8ケ月間の合計金額であるが、234,192,481,091円であり、桁を入れると、2,341億9,248万1,091円となり、大田市場では、野菜が8ケ月間合計で2,300億円強の取引があったことがわかる。したがって単純平均では月約300億円の取引となる。月別で見ると8月と4月が最も多く約311億円であり、2月が最も少なく約250億円である。これを数量で見ると、1,030,535,969kgであり、これも桁を入れると、10億3,053万5,969kgとなり、約10万トンとなる。ここから平均価格を計算すると227円/kgとなり、1gに換算すると、0.227円/gとなる。野菜は大田市場では今年、kg当たり227円で取引され、約10万トンの取り引きがなされ、結果、約2,300億円の売上高であったということになる。

   では、この野菜の中で、最も金額の大きかった野菜は何であるかを見てみたい。東京中央卸売市場では野菜を143種類に分けて管理しているが、この143種類のNo.1の金額となったのは、トマトである。金額190億5,975万9,811円であり、数量で5,585万588kgであり、平均価格は341円/kgである。No.2がきゅうりの149億7,940万7,140円であり、No.3がキャベツの118億9,081万5,488円、No.4がねぎの92億7,921万0,576円、そして、No.5がレタスの85億9,154万1,723円であるので、トマトが断トツの数字であることがわかる。この数字の中には食品スーパーマーケットも八百屋も、飲食店等もあり、必ずしも、食品スーパーマーケットだけではないが、食品スーパーマーケットの金額PI値の高い野菜とほぼ一致しており、トマトがいかに野菜の中でウェートが高いかがわかる。ちなみに、トマトの構成比は野菜全体の8%強となり、この5品合計で27.2%、約30%近い数字となる。

   同様に、これを数量ベースで見てみると、No.1はキャベツであり、1億2,729万3,149kg、No.2はたまねぎの8,499万2,370kg、No.3はだいこんの8,357万6,019kg、No.4ははくさいの6,085万532kg、そして、No.5はにんじんの5,672万1,698kgである。この5品合計で全体の40.1%、約40%であり、ベスト5がいかに取引量が多いかがわかる。逆に、最も取引量が少ないものは、季節性も多分にあるが、だいだいの1,036kg、ほしだいこんの3,366kg、くわいの5,457kg、干ししいたけの1万578kg、そして、ゆりねの1万9,132kgである。

   そこで、次に、金額を数量で割った平均価格を見てみると、No.1はめ類であり、9,835円/kgである。これは様々な野菜関連の芽といえ、珍しい野菜もあり、異常値となったと思われる。No.2はわさびであり、3,841円/kgである。1月が最も高く4,673円/kgであり、6月が最も低く、3,207円/kgである。No.3はまつたけの3,649円/kgである。わさびとわずかな差であるが、季節性が激しく、出始めの5月は取引量もわずかであり、93,177円/kgと異常値である。6月には17,844円/kgまで下がり、7月には4,890円/kgと、ほぼ8ケ月平均に近い数字となる。No.4はたらの芽の3,148円/kg、そして、No.5はほじその2,430円/kgとなる。いずれも、全体平均227円の10倍近い数字であり、全体の中で最も価値の高い野菜といえよう。ちなみに金額ベスト5の野菜の平均価格は、トマトが341円/kg、きゅうりが268円/kg、きゃべつが93円/kg、ねぎが255円/kg、そして、レタスが161円/kgである。特にきゃべつは全143種類の野菜の中で141番目の平均価格であり、数量はNo.1と、量で金額を引き上げていることがわかる。

   最後に、今後の相場動向であるが、この8ケ月平均と直近の8月の平均価格が大きく上昇しているものを見ると、ほうれんそう151.9%、たまねぎ142.0%、こねぎ136.2%、だいこん134.9%、男爵131.5%、はくさい128.2%、かぼちゃ122.7%、レタス121.1%、ねぎ120.8%、にんじん120.5%である。これらが売上金額ベスト30品の中の120%以上、8月度が上昇した野菜であり、今後相場が高めに動く可能性が高いといえよう。逆に、90%以下となった野菜は、みょうが71.9%、ピーマン73.0%、ながなす73.2%、アスパラガス77.1%、しめじ84.9%、なす86.6%、いんげん87.0%、根しょうが88.4%、なましいたけ89.1%である。これらは比較的低目の安定した価格となりそうである。

   このように東京中央卸売市場の野菜に限っての今年の月別の取引データを見てみたが、この数字は過去平成21年から平成14年まで8年間さかもどって、大田市場だけでなく、築地、淀橋、世田谷等、月別に算出することが可能である。特に、今回見たように、平均価格を月別に見ることにより、相場動向も推し測ることができ、1年間の数量の推移を追ってゆけば、旬の把握も可能となり、販促への応用もできるといえよう。食品スーパーマーケットとしては、家計調査データ同様、貴重な生鮮食品の動向をつかむ上で、マーチャンダイジングの参考にしたいところである。

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October 6, 2009 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

October 05, 2009

セブン&アイH、減益、ヨークベニマルも不振!

   すでに、新聞各社でも報じられているように、10/1に公表されたセブン&アイHの2010年2月期の中間決算が純利益35.3%減という厳しい結果となった。10/2の日経新聞では、「セブン&アイ、再構築急ぐ、3~8月、純利益35%減、スーパー・百貨店不振」、「コンビニ事業にも陰り」、「不採算店閉鎖進む、縮小均衡の恐れも」という、衝撃的な見出しの記事が掲載された。これを受けて、株価も10/2現在、2,120円(-55円、-2.53%)と、下がった。この株価水準は、4年前の持ち株会社設立当時の最高値5,420円と比べると、半値以下となっており、株価はその後、ほぼ右下がりのトレンドであり、厳しい状況である。

   セブン&アイHの優良企業、食品スーパーマーケットのヨークベニマルも、詳細な数字は公表されていないが、売上高101.5%、営業利益87.7%と、増収減益であり、惣菜のライフフーズを入れても、営業利益は89.2%と、減益となった。特に、既存店が-1.6%(客数-0.1%、客単価-1.6%)となり、相対的に経費が上昇したものと思われ、さらに、商品粗利も26.6%(-0.1%)となったことが、営業利益を圧迫した要因といえよう。売上高でも食品は103.2%と堅調であったが、衣料品が92.9%(売上構成比4.9%)と、大きく下がったことに加え、売上構成比15.0%のテナント収入が97.1%に落ち込んだことも影響があったといえよう。

   さて、セブン&アイH全体の中間決算の結果であるが、10/1公表の1ケ月前、9/1に、すでに、業績予想の修正を公表しており、今回の減益予想は織り込み済みとはいえ、実際の確定数字を見るとやはり、厳しい結果であったといえよう。この9/1の業績予想の修正では、この中間決算に関して、決算時に公表した予想よりも、営業収益-6.5%、営業利益-20.9%、経常利益-19.3%、当期純利益-33.3%としており、その理由を、「・・お客様の消費マインドは低調に推移、・・。更に、夏場の天候不順に伴う飲料等の夏物商品の売上不振や、衣料品に加えて食料品や生活雑貨等における市場価格の低下が顕著となったこともあり、・・」としていた。

   実際、今回、10/1の中間決算の結果は、営業収益2兆5,464.05億円(前年同期比11.0%減)、営業利益1,181.38 億円(前年同期比20.2%減)、経常利益1,184.64億円(前年同期比19.9%減)、当期純利益436.87億円(前年同期比35.3%減)と、大幅な減収減益となり、9/1時点の予想よりも、減収減益幅が若干広がっており、より、厳しい数字となった。特に営業収益が減収となった要因は、「主に北米におけるガソリン単価の大幅な下落と円高による減収の影響が約2,200 億円あったことにより、・・」とのことであり、円高がセブン&アイHを直撃したともいえる。

   セブン&アイHは北米比率が、昨年は31.8%の9,102.70億円であったが、この中間決算では、6,894.02億円と、コメントにあるように、27.1%へと激減している。この事業のほとんどは米国セブンイレブンであり、コンビニエンス事業の営業収益が9,678.67億円であるので、その比率は約70%にもなり、コンビニエンス事業そのものが、国内はFC展開がほとんどであるので、北米依存度が極端に高いのが特徴である。したがって、円高はセブン&アイHのコンビンニ事業の約70%、セブン&アイH全体の約30%へ影響を与えることとなり、海外依存度が極めて高い輸出産業のような事業構造といえる。したがって、円高が続く限り、セブン&アイHは今後とも減収減益の圧力を受けることとなり、為替相場の動向がセブン&アイHにとっては経営の根幹にかかわる課題のひとつともなっている。

   この中間決算の不振要因は、すでに報じられているように、この海外要因だけでなく、国内要因の方がさらに大きく、特に、イトーヨーカ堂が初の営業赤字に転じ、-43.47億円の営業利益となったことに加え、収益の柱であるセブンイレブン・ジャパンも89.8%の営業利益(米国セブンイレブンは118.0%の営業利益が増益)となり、百貨店のそごう・西武は30.9%に営業利益が落ち込み、セブン&アイ・フードシステムズは-7.34億円の営業赤字となったことである。

   これを受けて、セブン&アイH全体の財務状況であるが、自己資本比率は47.1%(昨年47.9%)と、若干下がっているが、ほぼ横ばいで安定している。有利子負債も7,865.75億円(昨対89.3%)と、削減されており、総資産に占める割合も21.1%であり、自己資本に対する比率も44.7%と、安定している。また、キャッシュフローであるが、営業+投資のフリーキャッシュフローは1,000.97億円のプラスの順流であり、昨年の1,510.40億円と比べると、減っているが、財務キャッシュフローを加えたトータルキャッシュフローは525.96億円(昨年684.68億円)と、大きな減少は見られない。減収減益という厳しい決算となったわりには、財務状況は安定した数字を示しており、堅調な財務状況であるといえよう。

   このように、セブン&アイHの中間決算は、純利益が-35.3%と極めて厳しい営業数値となり、今後、リストラが避けて通れない状況とはなったが、財務は安定しており、思い切った経営改革を打ち出す財務余力は十分にあるといえる。ここは、中長期を見据え、戦略的な事業構造の見直しも含め、不採算店の大胆なリストラ、収益の高い事業への経営資源のシフトに踏み込むチャンスともいえよう。後半以降、セブン&アイHがどのような経営改革を打ち出すかに注目である。

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October 5, 2009 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

October 04, 2009

食品スーパーマーケット、株価速報、10/2、厳しい情勢!

   日経平均が10/2、急落、前日比-246.77円安(-2.47%)、9,731.87円となる厳しい株価となった。日経平均はここ数日10,000円前後で推移していたが、10/2、とうとう10,000円を大きく割り込み、7/22以来の2ケ月ぶりの安値となった。 この流れを受けて、食品スーパーマーケット業界の10/2の株価であるが、騰落率が-2.0%以上下がった企業を見ると、バロー756円(-5.50%)、マルキョウ500円(-4.76%)、CFSコーポレーション564円(-3.75%)、九九プラス96,600円(-3.30%)、原信ナルスH1,008円(-3.07%)、マルヤ102円(-2.85%)、ベルク829円(-2.35%)、オークワ974円(-2.30%)、大黒天物産1,999円(-2.24%)、ハローズ686円(-2.00%)である。

   逆に、この10/2に2.0%以上、上昇した食品スーパーマーケットの株価であるが、マミーマート1,260円(+2.85%)、1社であり、1.0%以上も平和堂1,239円(+1.55%)、1社のみである。さらに、0.0%以上を見ると、関西スーパー807円(+0.49%)、イズミヤ488円(+0.41%)、エコス606円(+0.16%)、天満屋ストア770円(0.00%)、アオキスーパー895円(0.00%)、マックスバリュ北海道1,570円(0.00%)である。10/2、上昇したのは、全部で8社であり、これ以外の食品スーパーマーケットはすべて、この10/2、株価を下げており、厳しい株価であったことがわかる。ちなみに、東証1部では値下がり銘柄1,508社に対し、値上がりは131社、横ばい45社であるといい、食品スーパーマーケットだけでなく、全体も10/2は極めて厳しい株価であった。

   では、株価が急落した10/2を含め、ここ最近厳しい状況が続いている株価であるが、このような中でも、株価が上昇トレンドである食品スーパーマーケットを25日移動平均をもとに見てみたい。No.1はアークランドサカモトである。10/2現在1,159円(-0.08%)であるが、25日移動平均は8.11%であり、小売業上場企業約350社の中でも5位と、トップクラスの伸び率である。特に、9/18に公表されたアークランドサカモトの中間決算が、減収とはなったが、2桁の増益となり、これを投資家が好感したためであると思われる。実際、チャートを見ても、9/18以降株価は上昇しており、それまでは1,050円前後でもみ合っていた株価が、一気に上昇をはじめ、9/28には年初来最高値となる1,167円をつけた。アークランドサカモトは通期も同様に減収が見込まれるものの、大幅な増益となる予想であり、今後も注目の株価といえよう。

   No.2は大黒天物産であり、10/2現在1,999円(-2.24%)であるが、25日移動平均は6.72%と高い。チャートを見ても、9月以降株価は急上昇しており、10/1には2,090円と、年初来最高値をつけており、26週移動平均も18.14%と長期的にも株価は上昇トレンドである。ここ最近の開示資料はないが、2009年5月度の決算は過去最高の増収増益であり、来期、2010年5月期も増収増益の好決算予想であり、小売業界が厳しい経営状況にある中、投資家からの期待が集まっているものと思われる。

   No.3はヤオコーであり、10/2は3,220円(-1.22%)であるが、25日移動平均は4.71%と高く、チャートもきれいに右上がりの株価となっており、特に、9月以降は、その角度が急で、ここへ来て、売買高も増えている。7/30に公表した2010年3月期の第1四半期決算は減収とはなったが、堅調な増益となり、厳しい消費環境の中でも利益を確保しており、高収益への投資家からの期待が高いものと思われる。

   以上がベスト3であり、極めて高い25日移動平均である。そして、No.4以下であるが、ここからは、25日移動平均が1.0%を切っており、これまでのベスト3と比べると株価の上昇トレンドは低くなる。No.4はOlympicであり、10/2現在604円(-1.30%)であり、25日移動平均は0.83%である。Olympic は26週の長期トレンドが-0.65%と、マイナスであり、チャートを見ると、ここ最近は株価が上昇しているが、それ以前は大きく下げており、以前の水準にやっともどった状況といえよう。No.5はユニバースであり、10/2現在、1,495円(-0.59%)であり、25日移動平均は0.33%である。ただ、ユニバースは26週移動平均が20.46%と、極めて高く、約1ケ月以上1,500円前後で株価は推移しているが、長期的にはきれいに右上がりのトレンドであり、投資家が小売業では最も注目している株価のひとつといえよう。

   ついで、No.6はハローズであり、10/2現在686円(-2.00%)、25日移動平均は0.29%、No.7は丸久であり、10/2現在926円(-1.06%)、25日移動平均は0.10%、No.8はCFSコーポレーションであり、10/2現在、564円(-3.75%)、25日移動平均は0.00%である。そして、No.9がイオン九州であり、10/2現在1,260円(-0.15%)、25日移動平均は0.00%である。以下、25日移動平均が-となり、この9社が、プラスとなった食品スーパーマーケットである。

   このように、10/2の株価はほぼ全面安となり、日経平均も9,800円を切る厳しい株価となり、ほぼ全面安の状況となった。また、この10/2だけでなく、ここへ来て、この数週間、株価も厳しい状況となっているが、そのような中でも、ここに上げた8社は比較的堅調な株価である。特に、No.1のアークランドサカモト、大黒天物産そして、ヤオコーは上昇トレンドが強く、食品スーパーマーケット業界の中では注目の株価といえよう。また、それ以外の25日移動平均がプラスとなった食品スーパーマーケット6社も、ばらつきはあるが、株価の動きは比較的堅調な動きといえよう。今後、中間決算が続々と公表される予定であるが、その結果が株価にどのような影響を与えるか注目である。

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October 4, 2009 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

October 03, 2009

日経MJ新製品週間ランキング、10/2、化粧品に異変!

   日経MJ新製品週間ランキングが10/2公表された、今週は何といっても、家庭用品の化粧品が絶好調である。特に、先週同様No.1となったマックスファクター、SKⅡスキンシグネチャー80gが、先週比金額PI値1,403円アップの2,241円となり、通常の新製品の数字としては、あり得ないくらいの高い金額PI値となった。1人当たり2.241円であり、恐らく、過去1年間の全新製品の中でも間違いなくベスト5には入ると思われ、高い数字である。本ブログでは新製品週間ランキングの基準をABCに分け、Aを金額PI値500円、Bを300円、Cを200円としているが、このSKⅡスキンシグネチャー80gは2,241円とケタ違いに大きな数字であり、いかに異常な数字であるかがわかる。

   9/14初登場の新製品であるので、ほぼ1ケ月たっているにも関わらず、先週比1,403円も上昇しており、明らかに異常値である。平均単価が14,322円、先週が14,498円であるので、若干下がってはいるが、ほぼ先週同様の平均単価であり、価格訴求をかけたわけではなく、何らかの販促により、需要が増加したものといえよう。カバー率が20.8%であるので、対象49チェーン250店舗から逆算すると、約50店舗であるので、この50店舗で一斉に何らかの、価格訴求以外の販促が入った可能性が高いが、いずれにせよ、高い金額PI値であり、注目すべき、数字である。

   家庭用品では、これ以外にも、No.2の資生堂、エリクシールシュペリエルレチノバイタルエッセンス(医薬部外品)80mlも金額PI値996円、先週比844円アップ、カバー率34.4%、No.3にも同じく資生堂、エリクシールシュペリエルレチノバイタルクリーム(医薬部外品)15g、金額PI値828円、先週比712円、カバー率33.2%と、いずれも、先週比を大きく伸ばし、金額PI値Aランクを優に超え、極めて高い数字となった。また、いずれも、平均単価は6,572円(先週6,552円)、7,593円(先週7,506円)と価格訴求をかけずに、金額PI値が大きく上昇している。さらに、No.4の花王、フレイスソフィーナメディケイテッド薬用集中クリームも金額PI値543円、先週比64円、平均単価5,550円(先週5,468円)、カバー率26.4%と、これも金額PI値Aランクを超え、先週よりも伸びており、今週、化粧品は絶好調といえよう。

   今週は、明らかに化粧品が異常値であったため、家庭用品先週No.3であった花王、アタックNeo本体400gが金額PI値358円、先週比8円アップと数字を伸ばしているにも関わらず、No.4となった。カバー率は88.0%と、化粧品と比べ、極めて高く、逆に、平均単価は279円(先週281円)と低く、対象的な商品である。家庭用品は、このように平均単価が高く、カバー率が低い化粧品と、平均単価が低く、カバー率の高い家庭用品に分かれるが、金額PI値で見ると、どちらも上位に入り、特に、化粧品は平均単価が高いがゆえに、今回のように、価格訴求をかけない販促でも、金額PI値が大きく跳ね上がるという特徴がある。

   今週、これら化粧品以外に注目すべきものとしては、この季節特有の新製品として、その他食品に、シチュー関連が上がってきている。No.1には、ハウス食品、北海道シチュークリーム190g、金額PI値512円、先週比6円とわずかにダウンであるが、金額PI値Aランクであり、カバー率は何と98.0%と、今週の全新製品の中ではNo.1のカバー率である。また、No.9にも、ハウス食品、北海道シチューコーンクリーム190g、金額PI値199円が入り、カバー率は87.6%と、高い数字である。これ以外にも、No.6に味の素、クノールカップスープコーンクリーム8袋153.6gが、金額PI値240円、同じく、No.11に味の素、クノールカップスープポタージュ8袋140.8g、金額PI値160円で入り、まさに、この季節特有の新製品のランクインといえよう。

   一方、先週まで菓子のチョコレートが注目の金額PI値であったが、今週は息切れが感じられ、No.1の明治製菓、ミルクチョコレート58gは、金額PI値327円と、Bランクではあるが、先週比171円のマイナスであり、失速している。また、同じく、明治製菓、先週No.2のチップチョップ75gは、金額PI値が先週比99円マイナスの173円となり、No.3となった。変わって、先週No.4のロッテ商事、紗々<オリジナル>73gが、金額PI値先週比4円アップの187円でNo.2となった。ただ、伸び率はわずかであり、しかも、これ以外のチョコレートも軒並み、金額PI値が先週比ダウンとなっており、ここへきて、チョコレートはやや失速ぎみである。

   これ以外では、飲料のNo.1に初登場のサントリー、リプトンザ・ロイヤル500mlペットボトル、金額PI値336円が入り、来週以降どの辺で数字が落ち着くか注目である。また、冷凍食品では、先週No.3からNo.1へとハーゲンダッツジャパン、ミニカップアーモンドプラリネクリーム120mlが金額PI値247円で入っており、先週104円であり、これも注目である。

   このように、今週の日経MJ新製品週間ランキングは、家庭用品の化粧品に明らかに異変が起きており、軒並み、価格訴求なしで、大きく伸び、何らかの販促が入ったものと思われるが、ある意味注目である。これを好調といってよいかどうかは、もうしばらく様子を見る必要があるが、来週以降、どのような数字になるか気になるところである。また、逆に、ここ数週間好調であった菓子、特に、チョコレートがやや息切れしており、こちらも気になるところである。ここへ来て、新製品週間ランキングも目まぐるしく動きはじめており、来週以降もどのような動きがあるか注目である。

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October 3, 2009 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

October 02, 2009

消費者物価指数(CPI)、2009年8月度、デフレ鮮明!

   2009年8月度の消費者物価指数(CPI)が、9/29、総務省統計局から公表された。消費者物価指数は、結果を3つに分けて公表しているのが特徴で、平成17年度を100として、現在がどのくらいとなったかを表したものである。また、参考として、前月比、前年同月比も合わせて公表される。その結果であるが、まず、総合指数は平成17年を100として100.4、前月比0.3%の上昇、前年同月比は2.2%の下落であった。次に、生鮮食品を除く総合指数であるが、100.1、前月比、前年同月比ともに2.4%の下落であった。そして、3つ目の、食料(酒類を除く)及びエネルギーを除く総合指数であるが、98.5、前月比0.1%の上昇、前年同月比は0.9%の下落であった。

   また、これらの結果は同時にグラフも公表されるが、それを見ると、総合指数及び生鮮食品を除く総合指数は、良く似た動きをしており、平成17年を100とした場合、昨年5月以降が異常に上昇し、11月頃まで異常値が続いている。特に、過去4年間の折れ線グラフの中で、昨年のみが異常値であるのが特徴である。これに対して、食料(酒類を除く)及びエネルギーを除く総合指数は、前の2つの総合指数と全く違う動きをしており、ほぼ4年間の動きが高い低いはあるが、同じような動きであり、異常値は見られない。したがって、異常値は明らかに、エネルギーに負うところが大であり、このエネルギーの昨年の異常値が消費者物価指数を今期混乱させている最大の要因といえる。

   ただ、これを差し引いても気になるのは、いずれのグラフでも、この8月度が、過去4年間で最も消費者物価指数が下落していることである。特に3つ目の食料(酒類を除く)及びエネルギーを除く総合指数はこの2月頃から、その差がますます開いており、この8月度は過去4年間で最大の下落幅となったことである。したがって、明らかに、全体としては、消費者物価指数は下落気味に動き始めたといえ、デフレ傾向が鮮明になりつつあるといえよう。

   そこで、その要因は何によるかを、見てみたい。消費者物価指数はその分析指標に寄与度という指標を用いており、各項目が全体へ与えるインパクトを明確にしている。ここでは、特に、その寄与度をもとに主要項目の、この8月度の動向を見てみたい。

   まず、10大費目の動向であるが、全体は先に見たように全体が前年同月比2.2%の下落であるが、寄与度最大の項目は、-1.10の交通・通信であり、2番目が-0.68の光熱・水道のいわゆるエネルギーである。この2項目で-1.78となり、物価下落のほとんどの説明がつくことになる。ついで、-0.32の教養娯楽、-0.10の家具・家事用品となる。意外なことに食料が出てこないが、食料は-0.03であり、その内訳は、生鮮食品0.07、生鮮食品を除く食料が-0.11である。生鮮食品は全体として見ると、むしろ消費者物価が若干上昇しており、下がっているのは、非生鮮、昨年、原料、資源高で異常高となった小麦関連などが下がったことが要因である。

   では、この8月、消費者物価指数を下げた最大の項目、交通・通信の中身は何であるかであるが、最大の項目は外国パック旅行であり、寄与度-0.13である。ついで、-0.03の移動電話通信料、同じく-0.03の高速自動車国道料金である。次に、寄与度の大きかった光熱・エネルギーであるが、何といってもガソリンであり、-1.01と大きく下げており、昨年がいかにガソリン高であったかがわかる。ついで、灯油の-0.46である。

   次に、全体への影響は比較的小さかった食品の動向であるが、大分類で見ると、肉類が-0.06と最も大きく、ついで、-0.04の油脂・調味料、飲料であり、-0.03の穀物、-0.02の酒類となる。逆に上昇した項目もあり、0.04の菓子類、0.01の調理食品(惣菜)、そして、外食の0.03となる。

   さらに、細目を見てみると、ここからは、8月度の前年同月比となるが、レモン-21.0、いか-15.5、食用油-13.1、いわし-12.7、たこ-11.9、すいか-11.8、コーヒー豆-10.8、液体調味料-10.3が10%以上下がった細目である。ついで、5%以上下がった細目は、牛肉B-9.9 、なし-9.2 、さば-9.1、調理カレー-8.5、風味調味料-8.4、ミネラルウォーター-8.2、鶏卵-7.8、ケチャップ -7.8、スパゲッティ-7.3、納豆-7.2、食パン-7.1、さんま-6.9、ごぼう-6.4、果実ジュース-6.4、調理パスタ-6.3、まぐろ-6.2、マヨネーズ-6.1、えのきだけ-6.0、グレープフルーツ-5.7、えび-5.3、りんごA-5.2、生しいたけ-5.1である。逆に、上昇した項目は、ばれいしょ46.0、レタス45.4、たまねぎ30.8、マーガリン25.0、だいこん24.3、キャンデー22.9、なす20.1、きゅうり19.9、ひじき17.8、トマト16.3、ブロッコリー13.9、キャベツ13.2、牛 乳(配達)12.8、にんじん12.3、ねぎ12.0、ポテトチップス10.7である。

   このように、この8月度の消費者物価指数(CPI)は明らかに全体としては、デフレ傾向が鮮明となっており、先行きが厳しい見通しといえよう。ただ、昨年のエネルギーによる異常値の影響が11月頃までは続くので、今後、3ケ月間ぐらいは注視する必要もある。特に、生鮮食品を含め食品の消費者物価指数は一部を除き、全体としては比較的安定しており、こと食品はデフレ傾向の兆しがみえる程度であり、全体の傾向とは一線を画しているといえる。今後、食品がどう動くか、その動向に注目といえよう。

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October 2, 2009 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

October 01, 2009

書評、カタリナ流、ターゲット・マーケティングを読む!

   「カタリナ流、ターゲット・マーケティング、「買いたい人」を絞り込み、リピート購買を増やせ!」(カタリナマーケティングジャパン、代表取締役社長、若林学著、ダイヤモンド社)を読んだ。もう10以上前になるが、当時、One to Oneマーケティングを研究していた時、カタリナマーケティングジャパンのレジクーポンを知り、すごい仕組が動いていると、強い感心をもったことを思い出す。当時は、まだ、大手小売業への導入が主で、参加メーカーもそれほどなかったと記憶しているが、今回、「カタリナ流、ターゲット・マーケティング「買いたい人」を絞り込み、リピート購買を増やせ!」を読んで、飛躍的に内容が充実したことに驚いた。

   特に、2008年からは、ID-POSも始まったといい、本書の中でも、随所にID-POS分析にも触れており、今後、レジクーポンもID-POSと連動した仕組みになってゆくのは時間の問題であると思えた。また、本書のエピローグでも触れているが、2009年8月には、米国カタリナマーケティングコーポレーション社と米国ニールセン社との戦略的アライアンスが公表されたとのことで、今後、日本でも、同様の動きが起こるのではないかと思われる。特に、日本ではPOS分析市場から、すでにニールセンが撤退し、インテージが独占に近い状況になっており、今後、カタリナマーケティングジャパンとニールセンとの様々な共同プロジェクトが立ち上がる可能性もあるといえよう。

   カタリナマーケティングジャパンのホームページを見ると、現在、レジクーポンは、日本の主要23チェーンで導入されているとのことである。本書でも解説されているが、イオン、相鉄ローゼン、イズミ、エコス、オークワ、マックスバリュ北海道、マックスバリュ西日本、イオン(マックスバリュ業態)、万代、フジ、ユニー、マックスバリュ九州、イトーヨーカ堂、マルエツ、CFSコーポレーション(SM・コンボ業態)、カスミ、マックスバリュ東北、ヨークベニマル、イオン九州、イオン北海道、マイカル、光洋、マックスバリュ東海である。これら23チェーンで約2,400店舗、POSレジデータは週間4,800万人、月間で2億回以上となるという。そして、このデータをリアルタイムで米国のフロリダ州のタンパに送信し、そこで、データマイニングを行っているという。その写真が本書には掲載されているが、全世界のPOSデータでは、1.3ペタバイト(1,331.2テラバイト)になるといい、それを超並列コンピューティング技術で処理しているとのことある。

   さて、本書の内容であるが、全7章構成であり、前半では第2章の「20億円件のPOSデータが明かす真実」が興味深い内容である。これは、以前、チェーンストアエイジでも連載された内容であるが、P61、図2-3、P65、図表2-4はまさに圧巻である。客単価と客数構成比、客単価と買上店数、買上品目との関係を0円から100円刻みで10,000円まで分析したものであるが、20億件という、膨大なPOSデータであるがゆえに、見えた真実といえよう。

   通常、食品スーパーマーケットで客単価分析をする時は、顧客に焦点を当てず、商品に焦点を当てるため、全体の客単価、部門の客単価、カテゴリの客単価、そして、単品の客単価と掘り下げてゆき、商品1品1品の客単価を引き上げ、全体の客単価アップをはかるのが通常の手法である。ところが、本書では、客単価400円ごとの客数を導き出し、もっとも客数構成比の高い客単価の顧客に注目するという視点を提示しており、興味深いアプローチといえよう。特に、客数のボリュームゾーンは、平均客単価付近ではなく、低客単価のところにあるという事実を浮かび上がらせたところがポイントである。一方、客単価と買上店数、買上品目の分析では、客単価の段差が100円刻みで見ると、2,000円、3,000円、4,000円等にあり、その段差を克服するには、買上点数よりも買上品目に注目した方がベターだと解説しており、これも、従来のPOS分析では明確にならなかった事実であり、興味深い内容である。

   そして、後半では、第6章、第7章が興味深い内容である。第6章は「ターゲット・メディアで店頭消費を動かす1(メーカー事例)」、第7章は「ターゲット・メディアで店頭消費を動かす2(リテーラー事例)」であるが、カタリナ社の仕組みは、これまで、メーカー向けと思っていたが、小売業向けのものも数多く開発されており、特に、ID-POS分析を活用した仕組みなどもあり、今後、さらに、この分野が飛躍的に発展するのではないかかと思った。   

   このように本書は、従来のPOS分析にもとづくレジクーポンの内容だけでなく、新たにID-POS分析の内容も随所に取り入れており、ID-POS分析の本格的な実用までにはもう数年かかるものと思われるが、今後のPOS分析、特にID-POS分析によるマーチャンダイジング、そして、マーケティングを考える上においても、参考になる内容である。最近では、TV朝日の人気番組、サンデープロジェクトにもカタリナマーケティングジャパンのCMが見られ、ますます導入メーカー、小売業が増えるのではないかと思うが、3年後ぐらいに、今度は、ID-POS分析にもとづくレジクーポンの検証結果と全世界の最新情報を交えた第2弾の本を期待したいところである。

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October 1, 2009 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

September 30, 2009

百貨店とヨークベニマルの財務構造の違いを見る!

   前回のブログ、「日経MJで西武池袋店、ベニマルに学ぶ、を特集!」で、西武池袋店とヨークベニマル、イトーヨーカ堂のP/L構造を比較してみた。その結果、数字を見る限りでは、西武百貨店のP/L構造が意外に良く、原価(粗利)、経費面でも、ヨークベニマル、イトーヨーカ堂、双方に遜色のない結果であったことがわかった。それでは、B/S面ではどうかを改めて、今度はヨークベニマルと西武百貨店に加え、そうご、三越伊勢丹を含めて比較してみたい。比較数字は、2009年度の本決算数字である。

   まず、前回のブログの結論、P/L構造の違いであるが、改めて4社を見てみたい。原価YB75.7%、西武76.7%、そごう76.1%、三越伊勢丹72.1%であり、結果、売上総利益(粗利)は、YB24.3%、西武23.3%、そごう23.9%、三越伊勢丹27.9%である。西武、そごうはほぼ同じ数字であり、ヨークベニマルもやや高いが、西武、そごうに近い数字である。三越伊勢丹はこの3社と比べ、約3.0ポイント高く、比較的、原価が低く、高粗利であるといえよう。食品スーパーマーケット業界でいえば、ちょうど、ヤマザワ、マルエツ、カスミとほぼ同じ原価、粗利構造である。

   次に、経費を見てみると、YB24.0%、西武22.3%、そごう22.8%、三越伊勢丹26.5%であり、ここでも、西武、そごうは良く似た数字であり、ヨークベニマルがやや高めであり、三越伊勢丹はそれ以上に経費比率が高く、この4社の中では最も経費比率が高い。結果、差し引き、マーチャンダイジング力であるが、YB0.3%、西武1.0%、そごう1.1%、三越伊勢丹1.4%であり、三越伊勢丹が最も高く、ついで、そごう、西武となり、ヨークベニマルが最も低い数字となった。これに、不動産収入等のその他営業収入がのり、営業利益となるが、その、その他営業収入を見ると、YB3.2%、西武1.5%、そごう1.4%、三越伊勢丹0.0%であるので、結果、営業利益はYB3.5%、西武2.5%、そごう2.5%、三越伊勢丹1.4%となり、ヨークベニマルが最も高く、ついで、西武、そごうが並び、三越伊勢丹が最も低い数字となる。原価(粗利)、経費では、三越伊勢丹の数字が最も良い数字であったが、その他営業収入を足すとヨークベニマルが最も良い数字となった。ただ、原価(粗利)、経費では食品スーパーマーケットも百貨店も極端な差がなく、こと、P/L構造は良く似ているといえよう。

   そこで、次にB/S構造を見てみたい。まず、純資産比率であるが、YB79.0%、西武11.1%、そごう21.6%、三越伊勢丹36.2%という状況であり、ここで、ヨークベニマルと百貨店各社との間で決定的な差が出たといえよう。P/L構造ではさほど差がなかったが、B/S、純資産比率では、大きな数字の開きがあり、三越伊勢丹がやや良い数字であるが、それでも、40%を割っており、西武に関しては約10%と厳しい数字である。これを見る限り、百貨店は負債に大きく依存するB/S構造であり、逆に、ヨークベニマルは負債に依存せず、自らの資本で自由に経営活動ができるB/S構造であるといえよう。

   では、その負債の状況であるが、有利子負債を総資産対比で見ると、YB0.0%、西武67.8%、そごう55.2%、三越伊勢丹17.2%であり、西武、そごうは極端に有利子負債が多く、経営を圧迫しているといえよう。これに対し、三越伊勢丹はさほど有利子負債は負担にはなっておらず、食品スーパーマーケット上場企業の平均が約30%であるので、食品スーパーマーケット業界よりも軽い有利子負債の比率である。ちなみに、純資産比率であるが、三越伊勢丹の36.2%は、食品スーパーマーケット上場企業の平均が約40%であるので、食品スーパーマーケットの経営構造と良く似ているといえよう。

   こう見ると、西武、そごうは有利子負債が経営に重くのしかかり、苦しいB/S構造であるが、三越伊勢丹は食品スーパーマーケット上場企業の平均にほぼ近い数字であり、数字を見る限りでは、全く見分けがつかないくらい、食品スーパーマーケットと良く似たB/S構造といえよう。これに対してヨークベニマルは、この4社の中では突出したB/S構造であり、食品スーパーマーケット上場企業の中でも、トップクラスのB/S構造であり、極めて健全な財務状況である。

   では、もう一方の資産面も見てみたい。資産の中でも店舗関連の有形固定資産の総資産に占める割合を見てみると、YB42.6%、西武56.3%、そごう53.8%、三越伊勢丹58.0%であり、百貨店3社は良く似た構造であり、約60%弱となる。これに対して、ヨークベニマルは約40%であり、ここが百貨店と大きな違いといえ、都心部に重装構造の建物で商売している百貨店と郊外で軽装構造の建物で商売している食品スーパーマーケットとの違いがあるといえよう。したがって、三越伊勢丹も含め、百貨店3社は純資産の範囲内では治まっておらず、負債に依存した店舗関連の資産であるといえ、特に、西武、そごうは、このB/S構造を今後、どう改善するかが、経営改革の大きな課題といえよう。

   このように、ヨークベニマルと百貨店3社のP/L、B/S構造を比較してみると、P/Lはほとんど大きな差がないが、B/S構造に大きな差があり、特に、西武、そうごは、負債に大きく依存する経営構造となっており、今後、ヨークベニマル等の支援を得て、さらに、収益を引き上げ、B/Sの改善につなげられるかが、課題といえよう。西武百貨店が今後、どのように変わるか、その動向に注目である。

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September 30, 2009 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

September 29, 2009

日経MJで西武池袋店、ベニマルに学ぶ、を特集!

   9/28の日経MJで、西武池袋店の特集が組まれた。見出しは、「西武池袋、覚悟の船出」、「ベニマルに学ぶ新百貨店モデル、意識も改革、従業員にセブン流浸透」、「百貨店価格と決別、PB衣料、価格4割安く」である。記事を読むと、そごう・西武が、これまで否定的だったセブン&アイHグループとの連携強化に舵を切り、PB商品の開発などで新しい百貨店ビジネスモデルの構築を急ぐという内容である。

   そのさきがけとなったのが、ヨークベニマルによる食品売場の活性化支援であるという。記事の冒頭が、「サンマ一尾100円、・・」という書き出しではじまるが、西武池袋店の鮮魚売場が急激に変化し、従来の高級感中心の商品だけではなく、割安品を展開したり、魚とポン酢とのクロスマーチャンダイジングを実施したりと、食品スーパーマーケットの鮮魚のマーチャンダイジングが、西武百貨店の鮮魚売場のテナント、魚喜、魚耕でも実施されてはじめたという内容である。また、鮮魚売場だけでなく、生鮮食品全体も急激に食品スーパーマーケットのノウハウが導入され、変わりつつあるという。

   そのノウハウを伝授したのが、ヨークベニマルとイトーヨーカ堂であるという。特に、ヨークベニマルの貢献度は大きいとのことで、各テナントの店長自らヨークベニマルの店頭などで研修を積み、その成果を売場に活かしはじめたという。結果、生鮮売場全体の売上高は3月以降、前年同月比で1割以上伸びているとのことである。また、ヨークベニマルの大高社長が指揮をとっているPB、セブンプレミアムも、この8月には西武池袋店内に700品目を集めた本格的なコーナーができあがったという。

   これ以外にも、セブン&アイHのグループをあげて、来春にはグループ企業の「赤ちゃん本舗」やドラックストアの「アインズ&トルペ」等の専門店も西武池袋百貨店に入る予定であるという。特に、今回は約30年ぶりに300億円に上る改装に着手しており、内、200億円を来年秋までにつぎ込むとのことで、ソフトだけでなく、ハード面でも西武池袋店が新たなビジネスモデルづくりに挑戦するとのことである。

   また、衣料品でも新たなビジネスモデルづくりが始まっているとのことで、9/9に婦人衣料のPB、「リミテッドエディションbyアツロウタヤマ」を新規投入したという。鮮魚の「サンマ一尾100円、・・」の衣料版ともいえ、4,800円のデニムパンツ、5,800円のカットソー、6,300円のスカート、・・等、従来の百貨店の価格よりも約4割安い割安感があるという。すでに、目標の3倍の売上で推移しているとのことである。これだけの割安感を出せた背景には、原価を下げるために、中国の工場を活用したり、原料調達に踏み込んだり、完全買い取りに移行したりと、ユニクロ等のSPA的な手法が随所に取り入れられているという。

   このように、日経MJによれば、西武池袋店がセブン&アイHグループの総力を挙げて、脱百貨店の新たなビジネスモデルに取り組み始めたとのことであるが、ビジネスモデルを変えるには、売場、商品政策だけでなく、P/L、B/S構造の変革も伴うことが必要といえる。そこで、現状の西武百貨店、ヨークベニマル、そして、イトーヨーカ堂の財務構造を比較してみたい。2009年2月期本決算の数字を見ると、原価、西武76.7%、YB75.7%、IY74.4%であり、原価は極端な差がないといえる。結果、売上総利益は、西武23.3%、YB24.3%、IY25.6%となる。意外に、西武百貨店の売上総利益、粗利が最も低い数字である。

   ついで、経費であるが、西武22.3%、YB24.0%、IY26.7%であり、ここでも意外に西武百貨店の経費比率が最も低い数字である。ここから、差し引き、マーチャンダイジング力であるが、西武1.0%、YB0.3%、IY-1.1%と、何と、イトーヨーカ堂のみマイナスであり、しかも、西武百貨店が最も高い数字となった。西武百貨店は粗利も低く、経費も低く、マーチャンダイジング構造は、この数字を見る限り、3業態の中では最も良い数字である。そして、営業利益であるが、これに、その他営業収入が加わるので、その他営業収入を見ると、西武1.5%、YB3.2%、IY1.8%となり、結果、営業利益は西武2.5%、YB3.5%、IY0.7%という数字である。マーチャンダイジング力では西武百貨店の方が良かったが、その他営業収入でヨークベニマルが抜き去り、結果、営業利益ではヨークベニマルが1.0%の差を付け、トップとなり、ついで、西武百貨店、イトーヨーカ堂となる。
 
   こう見ると、ことP/L構造では西武百貨店はヨークベニマル、イトーヨーカ堂と比べ、むしろ、優位性があるといえ、粗利が少し低いのが気になるが、それ以上に経費が低いため、利益もしっかり確保しており、その他営業収入がそのまま営業利益に加算され、利益も確保できているといえる。したがって、今回の西武池袋店のセブン&アイHグループをあげての新たなビジネスモデルづくりは、ことP/Lの観点から見る限りでは、売上高を引き上げ、原価を下げ、結果、粗利を引き上げることが目的といえ、現状の23.3%の西武百貨店の粗利をどこまで改善し、結果、営業利益2.5%をどこまで引き上げられるかにあるといえよう。なお、B/S構造に関しては、稿を改めて、取り上げてみたい。

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September 29, 2009 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (1)

September 28, 2009

アオキスーパー、2010年2月期中間、増収減益!

   食品スーパーマーケット業界、2009年2月期の中間決算の公表が始まった。9/25、名古屋のアオキスーパーが中間決算を公表した。アオキスーパーは、食品スーパーマーケット業界では屈指の経費比率を誇り、そのマネジメント力を武器に、強力なディスカウント戦略を展開し、競争力を高め、売上を伸ばしてきた。決算公開企業約50社の2009年度決算の経費比率のランキングでは、オーケーの14.9%、トライアルカンパニーの16.3%についで、16.8%で第3位であり、しかも、売上総利益、いわゆる粗利率では、トライアルカンパニーの15.6%についで、16.6%と、第2位である。

   これだけ、経費比率、粗利率、ともに低い食品スーパーマーケットは稀である。通常は、経費比率を低く抑えるマネジメントを確立した場合は、ある程度利益を確保しても十分に価格競争が可能であるので、粗利率は引き上げるケースが多いが、アオキスーパーは、全く逆の戦略をとり、経費比率と粗利率を一致させ、さらに、引き下げ、結果、2009年2月期決算では、差し引き、マーチャンダイジング力が-0.2%とマイナスとなっており、ここまで、徹底して売価にこだわるのが特徴である。したがって、営業利益は、その他営業収入に負うところが大きく、3.2%が乗り、結果、3.1%の営業利益を計上するという、通常の食品スーパーマーケットではけっして採用しない独特な経営哲学をもっているのが特徴である。

   さて、この2010年2月期の中間決算であるが、営業収益451.63億円(101.5%)、営業利益7.03億円(52.2%:営業収益比1.6%)、経常利益7.27億円(52.0%:営業収益比1.6%)、当期純利益3.79億円(51.1%:営業収益比0.8%)という、増収減益の厳しい結果であった。特に、利益面での落ち込みが大きく、アオキスーパーも、「個人消費の低迷や業種・業態を超えた値下げ等による店舗間競争が激化し、厳しい経営環境が続いており、・・」と値下げ競争が厳しく、さらに、「利益面においては、店舗間競争や客単価減による粗利益率減(前年同期比1.0%減)となり、・・」とコメントしているように、ここへ来て、経営環境が急激に悪化している様子が伺える。

   実際、この中間決算時の原価、経費の状況を見てみると、原価は84.6%(昨年83.6%)と、1.0ポイント上昇しており、結果、売上総利益、粗利は15.4%(昨年16.4%)と、下がっている状況である。昨年の16.4%の数字そのものが、すでにかなり低い数字であるにも関わらず、それ以上に、原価が上昇し、結果、粗利が下がっており、激しい価格競争があったものと思われる。一方、経費の方であるが、17.0%(昨年16.5%)と、経費も0.5ポイント上昇しており、結果、ダブルでの利益の圧迫となり、利益が激減していることがうかがわれる。したがって、差し引き、マーチャンダイジング力は、-1.6%(昨年-0.1%)であるので、大きく逆ざやとなっており、厳しい状況である。

   営業利益はこれに、不動産収入、物流収入等のその他営業収入がのるが、その数字は昨年同様、3.2%(昨年3.2%)となり、合計、営業利益は1.6%(昨年3.1%)と、半減する結果となった。その他営業収入は変わらなかったが、原価、経費双方が上昇しており、結果、マーチャンダイジング力が激減し、利益を圧迫した構図であり、それだけ、前決算時の2009年2月以降、この6ケ月間で経営環境が急激に悪化したことがうかがえる。

   これを受けて、キャッシュフローの状況であるが、当然、当期純利益に大きく依存する営業キャッシュフローは5.27憶円と、売上げ対比1.2%となり、前決算時が3.3%であったので、激減している。これに対し、投資キャッシュフローは、出店関連等への投資を実施し、-6.66億円となり、結果、フリーキャッシュフローは-1.39億円のマイナス、逆流となった。前決算時のフリーキャッシュフローは、大きくプラスであったので、キャッシュフローも、この厳しい決算を受け、一変したことになる。

   そして、財務キャッシュフローであるが、自己株式、配当、そして、返済を行い、結果、-3.42億円となり、トータルキャッシュフロー-4.81億円となり、現預金を取り崩す結果となった。前決算時は10.56億円の内部留保ができたことと比べると、かなり厳しい、キャッシュフローであったといえよう。ただ、アオキスーパーの有利子負債は1.25億円と、総資産のわずか0.75%であるので、財務的には問題のない金額であり、利益は厳しかったが、財務を圧迫するまでにはいたっておらず、自己資本比率も60.5%(昨年59.6%)と、健全である。

   このように、2010年2月期のアオキスーパーの中間決算は増収減益、特に、利益が原価、経費双方上昇したことにより激減し、キャッシュフローも厳しい状況ではあったが、財務的には、自己資本比率も60.5%と高く、キャッシュフローのマイナスを借入ではなく、内部留保で埋めており、健全性が保たれている。ただし、通期予想を見ると、この中間決算と同様、増収減益予想であり、しかも、利益がこの中間決算ほどではないが、約35%減益となる予想であり、後半以降も、前半同様、厳しい経営環境が続くものといえよう。今後、後半、アオキスーパーが、原価、経費改善に向けて、どのような手を打ち出すのか、その動向に注目である。

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September 28, 2009 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

September 27, 2009

コンビニ売上速報、2009年8月、既存店大きくダウン!

   9/25、16:00、(社)日本フランチャイズチェーン協会から、2009年8月度の売上速報が公開された。この売上速報は、正会員であるエーエム・ピーエム・ジャパン、ココストア、サークルK サンクス、スリーエフ、セイコーマート、セブン-イレブン・ジャパン、デイリーヤマザキ、ファミリーマート、ポプラ、ミニストップ、ローソンの11社の集計結果であり、総店舗数は42,557店舗と、ほぼ、日本全土のコンビニを網羅しており、極めて精度の高いコンビニの数字である。結果であるが、全体が-2.9%(97.1%)、既存店-5.5%(94.5%)となり、既存店は特に3ケ月連続で大きくダウンする厳しい結果となった。

   たばこのtaspo効果による客数増が見込めなくなったことに加え、昨年に比べ、平均気温が低く、日照時間が少なかったことが客単価に響き、ダブルでの売上げダウンとなったことが大きかったという。実際、全体と既存店のここ数ケ月の数字を見ると、1月度9.6 %(既存店7.0%)、2月度4.8%(2.0%)、3月度6.5%(4.2%)、4月度6.5%(4.3%)、5月度3.2%(1.0%)、6月度0.9%(-2.3%)、7月度-5.0%(-7.5%)、そして、8月度-2.9%(-5.5%)という結果であった。この推移をみると、この8月度は、昨年猛暑の7月度よりは、マイナス幅が少ないとはいえ、依然として、高水準でのマイナスであり、特に、既存店の売上ダウンが大きいといえよう。

   では、既存店の売上げがダウンした要因を客数と客単価で見てみると、この7月度が客数-4.5%(客単価-3.1%)、8月度が客数-1.7%(客単価-3.8%)である。これに対して、昨年のtaspoがコンビニ業界へ与えた時の、昨年の7月、8月度の数字を見ると、7月度の既存店の客数が11.8%(客単価-0.1%)、8月度が客数3.7%(客単価1.5%)であるので、明らかに客数増が大きかったといえる。ところが、この7月度、8月度は、客数もさることながら、客単価の方がむしろ影響が大きく、taspoによる客数ダウンに加え、天候不順による客単価ダウンも大きかたっと推測され、まさに、ダブルでの売上げダウンとなったといえよう。

   さらに、商品別で見ると、コンビニの商品構成比は大きく4つに分かれ、この8月度は、日配食品34.8%、加工食品30.0%、非食品31.4%、サービス3.8%である。それぞれ、1月度からの売上げの推移をみると、1月度(日配1.2 、加工2.9%、非食品28.0%、サービス7.1%)、2月度(-3.4%、-1.7%、22.7%、1.3%)、3月度(-1.8%、0.5%、23.2%、12.2%)、4月度(-0.9%、0.3%、23.0%、5.2%)、5月度(-0.8%、0.3%、10.2%、6.6%)、6月度(-1.8%、0.6%、3.1%、7.0%)、7月度(-5.4%、-11.8%、1.8%、0.4%)、そして、8月度(-4.6%、-3.4%、-1.0%、5.4%)という結果である。

   この結果を見ると、たばこの含まれる非食品は5月度からダウン傾向が強く、6月からは昨年並みとなり、伸び率が止まっているが、日配食品、加工食品は7月度、8月度が大きくダウンしており、この2ケ月のダウンが特に大きく、明らかに、taspoでは説明できない要因、天候不順等が影響を与えたと推測されよう。9月以降は昨年の猛暑のような影響は少なくなると思われ、この7月、8月度よりはダウン幅が小さくなることも予想されるが、tasop効果による客数ダウンは如何ともしがたく、今後もコンビニの売上げはマイナスで進むものといえよう。

   では、taspo効果以前の一昨年の水準まで下がる可能があるのかどうかであるが、一昨年2007年6月度、7月度、8月度の売上げと比べて見ると、一昨年(2007年度)6月度の既存店の売上は5,621.28億円、2009年度が6,059.15億円であるので、伸び率107.7%である。7月度を同様に計算すると、108.5%、そして、8月度が104.4%であるので、taspo効果を帳消しにするまでの落ち込みはないと思われ、昨対ではマイナスは続きそうであるが、一昨年対比では、堅調な伸びが維持されそうであるといえよう。9月度以降も売上げの推移をみる必要があるが、こう見ると、taspo効果は、コンビニ全体へ105%ぐらいの売上のインパクト、しかも、その中身は客単価ではなく、客数増に結びついたと総括できよう。

   ここ数ケ月、コンビニ各社は総力をあげて、このtaspo効果が一段落し、売上げが低迷することを想定し、客数、客単価のアップ対策を図ってきたといえるが、どうも、この数ケ月の数字を見る限り、その効果は十分に表れているとはいえず、今後とも厳しいことが予想される。特に、既存店の売上が低迷すると、相対的に固定費が上昇し、経費増となり、利益に直接影響がでる可能性が高い。

   9/26の日経でも、セブンイレブンが弁当の消費期限を従来の27時間から28時間を3日から4日へと、弁当のチルド化(冷蔵)することによって伸ばす方針であるという。これによって、廃棄削減が進み、結果、売上だけでなく、利益の改善が大きく進むと思われる。恐らく、今後は、コンビニ業界あげて、売上げが伸び悩む中、利益改善が競争の中心テーマとなることになるのではないかと思う。来月以降、コンビニが、売上を上げるための客数、客単価対策に加え、どのように利益改善を打ち出してくるかに注目といえよう。

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September 27, 2009 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

September 26, 2009

日経MJ新製品週間ランキング、9/25、菓子絶好調!

   日経MJ新製品週間ランキングが9/25に公表された。先週に引き続き、今週も菓子が熱い。特に、チョコレートの季節となり、今週初登場の新製品が5つあるが、いずれもチョコレート関連の菓子であり、さらに、菓子全20品の内14品がチョコレートであり、しかも、ベスト5の内4品がチョコレートとなった。これだけ、ひとつの部門にひとつの商品群が集中するのも珍しく、チョコレートは菓子だけでなく、今週の全新製品の中でも異色の存在感を発揮している。

   その菓子であるが、No.1は明治製菓、ミルクチョコレート58gであり、金額PI値は498円と、Aランクの500円に限りなく近い数字である、菓子では、極めて高い金額PI値である。この商品は日経MJの解説にもあるように、38年ぶりにパッケージデザインを一新した、リニューアル商品であり、9/5初登場、カバー率も92.8%と、対象49チェーン、250店舗の大半に導入されての数字であり、菓子としては、極めて高い数字である。平均単価が84円であるので、PI値を逆算すると、(498円÷1,000人)÷84円=0.6%となり、2,000人/日クラスの食品スーパーマーケットでは1日平均、2,000人×0.6%=12個売れる商品であり、菓子としては、超トップクラスである。これだけ、PI値が高いと、欠品気味となるので、当面、週間在庫、12個×7日=84個は在庫を確保したいところである。

   菓子No.2は、同じく明治製菓、チップチョップ75gであり、金額PI値272円である。当初、スタート時点は、934円という菓子ではありあえない数字であったが、3週たっての数字は272円であり、先週比-176円となり、まだ、落ち着いていないようで、今後、どの辺で金額PI値が落ち着くかしばらく様子を見る必要があろう。No.3も明治製菓であるが、チョコレートではなく、スナック菓子である。ガリレオバター味46gが、金額PI値207円で入った。この商品は7/10初登場の新製品であり、先週95位からの、いきなりのランクアップである。先週比+184円であり、カバー率も75.2%と高く、今週、急進した注目の新製品といえよう。No.4、No.5はいずれもロッテ商事であり、今週初登場のチョコレートである。No.4が紗々<オリジナル>73g、金額PI値183円、No.5が紗々<和栗>73g、金額PI値183円と、同じ数字である。これ以外にも、菓子では、チョコレートが新製品20品中、10品、合計14品ランクインしており、今週は、チョコレートが菓子はもちろん、新製品全体をひっぱっているといえよう。

   菓子についで、今週初登場の新製品が上位に入った部門は家庭用品である。No.1、No.3に初登場の新製品がランクインしたが、No.1はマックスファクター、SK-Ⅱスキンシグネチャー80g、金額PI値は何と838円で、今週の全新製品の中で、1番である。ただ、平均単価が14.498円と高額であり、PI値は逆算すると(838円÷1000人)÷14,498円=0.005%であり、2,000人/日クラスの食品スーパーマーケットで、2,000人×0.0057%=0.1個、10日に1個売れる商品である。通常の食品スーパーマーケットでは中々定番化できないPI値であり、カバー率も17.2%と、客数の多い限られた食品スーパーマーケットのみでの数字となっている。

   No.2もマックスファクターであり、SK-Ⅱフェイシャルトリートメントエッセンス215gであり、金額PI値562円と、全新製品の中で2番目である。ただ、これも、平均単価が14,214円と高額であり、カバー率も18.4%である。No.3は、今週初登場の花王、グレイスソフィーナメディケイテッド薬用集中アイクリーム15gであり、金額PI値479円である。平均単価は5,468円と、No.1、No.2同様、高額である。家庭用品のベスト3はいずれも高額商品の化粧品となった。ただ、No.4には、平均単価281円の家庭用品、洗剤が入った。花王のアタックNeo本体400gであり、金額PI値350円である。PI値は逆算すると、0.12%であるので、2,000人/日の食品スーパーマーケットで、2.4個であり、これであれば定番化が通常の食品スーパーマーケットでも可能といえ、家庭用品としては、金額PI値はもちろんであるが、PI値も高く、定番を含めてもトップクラスの数字である。

   その他の新製品では、飲料のトップ、No.1が今週初登場の新製品であり、キリンビバレッジ、午後の紅茶、茶葉2倍ミルクティー460ml、金額PI値258円である。ただ、No.1であるにもかかわらず金額PI値258円であり、季節的に厳しい面があるとはいえ、低い数字である。また、冷凍食品では、No.3に今週初登場の新製品、ハーゲンダッツジャパン、ミニカップアーモンドプラリネクリーム120ml、金額PI値143円が入った。そして、その他食品では、No.5に今週初登場、日清食品、カップヌードルカレー85gが金額PI値299円で入った。また、No.1には、今週初登場ではないが、先週同様、ハウス食品、北海道シチュークリーム190gが金額PI値518円で入り、菓子のチョコレート同様、この季節特有の新製品がトップに来ている。

   このように、今週の新製品週間ランキングは、菓子のチョコレートの新製品が続々と登場しており、菓子はもちろん、新製品全体を引っ張っているといえる。当面、この傾向は続くものといえ、来週以降もどのようなチョコレートが新製品としてランクインしてくるか楽しみである。

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September 26, 2009 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

September 25, 2009

減価償却費、食品スーパーマーケットの現状!

   食品スーパーマーケットの経営にとって、キャッシュフローは経営の根幹指標ともいえ、極めて重要な数字である。通常、食品スーパーマーケットの利益は、P/Lの営業利益、経常利益、当期純利益を見るが、この利益には、実際には現金の動きがない減価償却費が経費として差し引かれており、食品スーパーマーケットが運用できる現金、すなわち、キャッシュはこの減価償却費分が足されたものであり、これが、営業キャッシュフローである。営業キャッシュフローはまさに、食品スーパーマーケットの使用可能なキャッシュそのものを表しており、P/Lの当期純利益よりも、約3倍ぐらいになるのが実態である。

   そこで、食品スーパーマーケットにとって、減価償却費がどのようなインパクトがあるのか、その実態を見てみたい。まず、上場食品スーパーマーケット約50社の2009年度決算の全体像であるが、減価償却費は売上高の1.6%、総資産の3.2%、そして、営業キャッシュフローの何と42.7%となる。売上高、総資産対比もさることながら、営業キャッシュフローの42.7%は極めて巨額な金額であり、この分がP/Lのすべての利益から差し引かれていることを考慮すると、営業キャッシュフローにおける減価償却費のインパクトは極めて大きいといえよう。

   実際、当期純利益が赤字になっても、営業キャッシュフローは、減価償却費がその分プラスになるため、ほとんどの場合、プラスになるのが実態である。上場約50社の中で、当期純利益が赤字になった食品スーパーマーケットは7社あるが、この中で、営業キャッシュフローがマイナスになったのは、1社だけであり、残り、すべての食品スーパーマーケットは営業キャッシュフローがプラスとなっており、減価償却費が大きく営業キャッシュフローに貢献していることがわかる。

   ちなみに、減価償却費の大本は、投資、特に、食品スーパーマーケットでは新店関連がほとんどであり、これは、投資キャッシュフローにおいて、新店関連に投資したキャッシュの一部が減価償却費として戻ってくることによる。時間差はあるものの、投資キャッシュフロー、資産の増加、減価償却費の発生、営業キャッシュフローの増大という循環になっており、投資キャッシュフローとは裏腹の関係になる。したがって、新店投資が十分でない食品スーパーマーケットは減価償却費も低くなり、結果、営業キャッシュフローが小さくなり、十分な投資もできなくなり、成長が止まることになる。

   では、売上げ対比で全体平均は1.6%であるが、減価償却費が高い食品スーパーマーケットを見てみると、アークランドサカモト3.2%、イズミ3.0%、平和堂2.6%、イオン九州2.6%、バロー2.5%、原信ナルスH2.2%、天満屋ストア2.2%、サンエー2.0%の8社が2.0%以上である。見事に、GMSタイプの食品スーパーマーケットが上位に来ており、いかに、投資が大きく、結果、減価償却費が大きくなるかがわかる。

   ついで、平均の1.6%以上の食品スーパーマーケットを見てみると、オークワ1.9%、イズミヤ1.9%、PLANT1.9%、ベルク1.8%、ドミー1.8%、ジョイス1.8%、カスミ1.7%、丸和1.7%、マルヨシセンター1.7%、フジ1.7%、マックスバリュ中部1.7%、マックスバリュ西日本1.6%、エコス1.6%、Olympic1.6%、マツヤ1.6%、タイヨー1.6%、マルキョウ1.6%となる。

   逆に、売上げ対比で1.0%以下の食品スーパーマーケットを見てみると、アオキスーパー1.0%、マルエツ1.0%、ダイイチ0.9%、アークス0.9%、スーパーバリュー 0.9%、北雄ラッキー0.7%、オオゼキ0.7%、オーケー0.6%であり、経費比率の低い食品スーパーマーケットがほとんどであるといえよう。減価償却費は、経費であるので、当然、経費比率を下げるには、減価償却費を下げることが望ましく、そのためには、出店を抑制すれば良いと思いがちであるが、ここに上がった食品スーパーマーケットは、出店意欲が高く、減価償却費も高い食品スーパーマーケットが多い。ところが、実際は、このように低くなるのは、もうひとつの特徴として、坪売上げが高い傾向にあることである。坪売上げが高まれば、当然、売上げ対比では、減価償却費は下がることになり、ここにあがった食品スーパーマーケットの実際の数字を見ると、1.0%以下にまで下げることができるといえよう。

   最後に、営業キャッシュフローの中で、減価償却費が占める割合が低い食品スーパーマーケットを見てみたい。マルヨシセンター29.2%、マックスバリュ東海28.2%、ジョイス26.7%、大黒天物産22.1%、タイヨー22.0%、サンエー21.8%、ライフコーポレーション17.5%、ハローズ13.0%、スーパーバリュー11.6%、オオゼキ11.2%、オーケー11.1%となり、見ごとに高収益の食品スーパーマーケットが集結したといえよう。減価償却費が売上げ対比で高くとも、それ以上に、当期純利益が高ければ、営業キャッシュフローに占める減価償却費の割合は相対的に低くなるので、このような結果となったといえよう。

   こう見ると、全体では営業キャッシュフローの42.7%と減価償却費は重要なキャッシュではあるが、食品スーパーマーケットの営業キャッシュフローは当期純利益をいかに高めるかがやはり本質であり、そのためには、マーチャンダイジングを強化し、キャッシュを増やすと同時に、坪当りの売上げを増やし、相対的に費用である減価償却費を引き下げ、結果、利益を引き上げることが、継続的な投資を行い、安定した経営を維持するためには重要な経営戦略であるといえよう。

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September 25, 2009 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

September 24, 2009

食品スーパーマーケットの配当を見る!

   企業経営にとって、重要な経営課題のひとつに、配当への利益配分がある。配当は、株式会社である以上、株主還元として、最優先で取り組むべき優先事項のひとつであり、この配当が継続的に、しかも、可能な限り多く配当できるかどうかが、株主が経営者にもとめている役割であるといえ、また、経営者の手腕が最も問われるところでもある。では、配当とは、どのくらいが、平均的な数字かであるが、様々な統計データを見ると、一般的にはここ最近の数字は経常利益の30%前後であるが、食品スーパーマーケットはどのくらいかを見ると、上場約50社の単純平均は、経常利益に対して、10.6%であり、その総金額は217.89億円である。残念ながら、かなり、低い数字といえよう。

   ただ、この10.6%は全体の平均値であるので、もちろん高い配当をしている食品スーパーマーケットもあり、対経常利益で見た場合、20%以上の配当を出している食品スーパーマーケットは、フジ61.93%、Olympic56.60%、イオン九州49.34%、ドミー39.24%、マックスバリュ北海道25.35%、北雄ラッキー24.54%、イズミヤ24.35%、PLANT23.51%、ダイイチ23.43%、関西スーパーマーケット23.04%、マツヤ21.64%、東武ストア20.56%の12社である。

   では、この12社がさらに、キャッシュフローで見た場合、どのように配当金額を配分しているかであるが、営業キャッシュフロー比で見ると、フジ12.19%、Olympic9.37%、イオン九州5.85%、ドミー16.73%、マックスバリュ北海道3.11%、北雄ラッキー6.69%、イズミヤ7.35%、PLANT31.90%、ダイイチ 23.84%、関西スーパーマーケット106.04%、マツヤ5.79%、東武ストア14.89%という数字である。営業キャッシュフロー比の全体の平均が7.32%であるので、両極端の食品スーパーマーケットがあり、経常利益で見ただけでは、配当への企業の姿勢が分かりにくいといえよう。

   たとえば、関西スーパーマーケットは経常利益では23.04%であるが、営業キャッシュフローの何と106.04%となっており、配当へのキャッシュが営業キャッシュフローでは足りず、営業活動以外のキャッシュを配当に充てている。また、イオン九州、マックスバリュ北海道、マツヤ等は、逆に、営業キャッシュフローからの配当への配分が低く、投資、返済等へキャッシュを配分せざるをえない状況であり、経常利益で高い配当比率の食品スーパーマーケットが必ずしも、キャッシュフローでの配当が十分になされているわけではない状況である。

   そこで、営業キャッシュフローの中で、どれくらいの金額を配当に振り向けているかであるが、全体の平均が先に見たように7.32%であるので、10%以上の食品スーパーマーケットを見てみると、関西スーパーマーケット106.04%、PLANT31.90%、ダイイチ23.84%、アークス20.86%、ヤマナカ18.63%、ドミー16.73%、オークワ15.91%、ヤマザワ15.81%、東武ストア14.89%、いなげや14.53%、ユニバース12.83%、オオゼキ12.45%、マックスバリュ西日本12.23%、フジ12.19%、カスミ12.08%、ベルク12.08%、ヤオコー11.12%、マルキョウ10.23%という状況である。こう見ると、食品スーパーマーケットの現状は、営業キャッシュフローで10%以上配当に配分できる食品スーパーマーケットがトップクラスといえそうである。

   さらに、参考に、売上対比で配当はどのくらい食品スーパーマーケットは配分しているかを見ると、全体平均は0.28%であるので、0.30%以上の食品スーパーマーケットを、見ると、オオゼキ0.73%、東武ストア0.60%、アークス0.55%、ベルク0.51%、マックスバリュ東海0.49%、ダイイチ0.48%、関西スーパーマーケット0.48%、アークランドサカモト0.47%、オークワ0.45%、カスミ0.45%、オーケー0.44%、マックスバリュ西日本0.43%、ユニバース0.43%、サンエー0.43%、ドミー0.42%、ヤオコー0.41%、原信ナルスH0.40%、Olympic0.39%、平和堂0.37%、イズミ0.32%、ヤマザワ0.32%、ハローズ0.32%、いなげや0.32%、アオキスーパー0.31%、バロー0.30%という状況である。

   こう見ると、食品スーパーマーケットで配当を重視している食品スーパーマーケットの基準は売上げで0.3%以上、経常利益で10%以上、営業キャッシュフローで10%以上といえそうである。

   では、営業キャッシュフローの残り90%は何に配分されているかであるが、全体の単純平均を見ると、約80%が投資へ、約10%が返済へとなる。したがって、現状は、投資が食品スーパーマーケットにとっては最大のキャッシュの配分であり、その大半は出店関連であることから、成長性を80%と極端に重視し、返済と配当がほぼ10%の配分であり、配当へ十分にキャッシュを振り向ける余裕がない状況といえよう。

   最後に、実質借り入れなし(借入-返済がプラス)で、営業キャッシュフローから投資、財務キャッシュフローを配分し、内部留保の高い食品スーパーマーケットを見てみると、オオゼキ66.7%(対営業キャッシュフロー12.45%)、スーパーバリュー56.2%(1.10%)、タイヨー53.1%(3.09%)、相鉄ローゼン45.7%(8.36%)、いなげや43.6%(14.53%)、東武ストア40.4%(14.89%)、オーケー39.9%(7.83%)、アオキスーパー 36.5%(9.41%)、ジョイス29.4%(3.98%)、サンエー29.4%(4.53%)、マルヨシセンター19.4%(0.96%)、ライフコーポレーション16.5%(3.04%)、北雄ラッキー15.2%(6.69%)、Olympic11.2%(9.37%)、大黒天物産8.1%(4.12%)、イズミヤ8.0%(7.35%)、平和堂7.6%(7.65%)、天満屋ストア6.7%(2.01%)、マックスバリュ中部5.7%(5.52%)、アークス1.4%(20.86%)という状況である。トップクラスの食品スーパーマーケットは配当よりも、内部留保を厚くする傾向が高いともいえよう。

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September 24, 2009 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

September 23, 2009

新店情報、ここ最近の食品スーパーマーケットの動向!

   ここへ来て、食品スーパーマーケット業界へもデフレの影響が出始め、業績、特に利益を確保しにくい状況となり、この中間決算の数字も増収減益となる食品スーパーマーケットが多い。このような中で、あえて、新規出店を行い、積極的な経営戦略をとりはじめた企業もある。そこで、ここでは、今年に入り、積極的な新規出店を果たしている食品スーパーマーケットの現状を見てみたい。

   まずは、ベイシアがここ最近、積極的な新店を出店しており、9/18、ベイシアフードセンター大利根店(埼玉県北埼玉郡大利根町)、9/5、ベイシアスーパーセンター野田さくらの里店(千葉県野田市)、 5/30、ベイシアスーパーセンターちば古市場店(千葉県千葉市)、4/24、ベイシアスーパーセンター関店(岐阜県関市)、昨年、9/18、「まちづくり3法」対応型スーパーセンター ベイシア益子店(栃木県芳賀郡益子町)と、昨年来5店舗をオープンした。特に、ベイシア益子店は、まちづくり3法対応型であり、今後のベイシアの戦略業態となるタイプである。また、直近の新店、ベイシアフードセンター大利根店により、ベイシアの総店舗数は12県下97店舗となり、いよいよ、100店舗が真近となってきた。この内、スーパーセンターはベイシアスーパーセンター野田さくらの里店のオープンにより34店舗となり、スーパーセンターについても、新業態として軌道に乗り始めたといえよう。

   また、ベイシアと並び、全国にスーパーセンターを展開している九州のトライアルカンパニーも、積極的に新店を出店しており、9/17、西那須野店(栃木県)、9/9上峰店(佐賀県)、7/15、八女店(福岡県)、5/27、別府店(大分県) 、4/22、出雲店(島根県) 、4/8、わさだ店(大分県)と、この半年で6店舗を新規出店し、99店舗となり、ベイシア同様、100店舗真近である。また、トライアルカンパニーは6/5、カウボーイの第三者割当増資を引き受け、69.19%の株式を取得し、カウボーイを連結子会社としており、すでに、北海道のカウボーイはすべてトライアルカンパニーに代わっている。

   一方、食品スーパーマーケットであるが、ヨークベニマルが、9/18、ヨークベニマル好間店(福島県いわき市)、7/31、ヨークベニマル結城四ツ京店(茨城県結城市)、7/17、ヨークベニマル太平寺店(福島県福島市太平寺)、5/29、ヨークベニマル希望ケ丘店(福島県郡山市)、2/27、ヨークベニマル日立会瀬店(茨城県日立市)、昨年11/14、ヨークベニマル天童老野森店(山形県天童市)、昨年9/26、ヨークベニマル片平店(福島県郡山)と、この1年間で7店舗の新規出店を果たしている。ヨークベニマルは直近のヨークベニマル好間店の出店により、福島県63店舗、宮城県40店舗、山形県14店舗、栃木県19店舗、茨城県24店舗の合計160店舗となった。

   また、ヤオコーも、9/30、ヤオコー 新座店(埼玉県新座市)の出店を予定しており、これにより、埼玉県64 店舗、千葉県12 店舗、群馬県10 店舗、茨城県8店舗、栃木県5 店舗、東京都1 店舗となり、とうとう100店舗目となる。食品スーパーマーケット業界も、100店舗規模のチェーンストアの時代となったといえ、今後、各地区において、100店舗を超える食品スーパーマーケットが続々と登場することになろう。  

   さらに、北海道ではアークスが4/24、スーパーアークス長都店をオープンし、現在173店舗となったが、この9/14、札幌東急ストアの全株式を取得し、子会社化することが決まり、今後新たに、28店舗が加わることになり、総店舗数がいよいよ200店舗を超え、201店舗となる予定である。食品スーパーマーケット業界で200店舗を超えるのはマルエツの245店舗、ライフコーポレーション210店舗についで、3社目であり、食品スーパーマーケットもトップクラスのチェーンは200店舗の時代に入ったといえる。

   そのライフコーポレーションであるが、9/18、ライフ出屋敷店(大阪府枚方市)、9/10ライフ下寺店(大阪府浪速区)、7/23、ライフなんば店(大阪府浪速区)、7/22、ライフ吉祥寺駅南店(東京都武蔵野市)、6/25、ライフ三津屋店(大阪市淀川区)、5/21、ライフ太平寺店(大阪府東大阪市)、4/23、ライフ大谷田店(東京都足立区)、2/26、ライフ天神橋店(大阪市中央区)と、今年に入って8店舗オープンしており、速いペースで新店が立ち上がっている。    

   その他の食品スーパーマーケットの新店であるが、オオゼキが4/15、オオゼキ市川店(千葉県市川市)、ユニバースが7/17、ユニバースむつ旭町店(青森県むつ市)、4/17、ユニバース紫波店(岩手県紫波店)、バローが9/3、バロー諏訪店(長野県茅野市)、7/30、バロー南松本店(長野県松本市)、7/16、バロー黒瀬店(富山県富山市)、そして、ハローズが6/2、ハローズ花尻店(岡山県岡山市)、4/28、ハローズ岡南店(岡山県岡山市)、2/17、ハローズ総社店(岡山県総社市)を新規オープンしている。

   このように、主要な食品スーパーマーケットの、ここ最近の新店動向を見てみたが、好調な食品スーパーマーケットはこの厳しい経営環境の中でも積極的な新規出店を果たしており、成長速度を高めているのが実態といえよう。特に、食品スーパーマーケットもいよいよ、トップクラスは200店舗台に突入し、各地域でも100店舗が視野に入った食品スーパーマーケットが増え始めており、食品スーパーマーケット業界も新たな段階に入りつつあるといえよう。今後、成長余力のある食品スーパーマーケットと、ない食品スーパーマーケットでは大きな差がつくものといえ、今後の各社の出店動向に注目である。

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September 23, 2009 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

September 22, 2009

どっちがどっち、このP/L、ユニクロ、ニトリ?

   A:売上高100%、売上原価47.0%、売上総利益53.0%、販売費及び一般管理費35.9%、営業利益17.1%、B:売上高100%、売上原価49.8%、売上総利益50.2%、販売費及び一般管理費32.1%、営業利益18.1%という、最新の決算結果がある。さて、このA、B、どちらがユニクロで、どちらがニトリであるかわかりますか?

   びっくりするほど良く似たP/L構造である。売上高を比較しやすいように、どちらも100%とし、すべての指標を%で統一したが、見れば見ると程、瓜二つであり、数字だけでは、区別がつかないほど良く似ている。そこで、昨対を入れてみると、A:売上高118.7%、営業利益150.9%、経常利益149.1%、当期純利益130.2%、B:売上高117.2%、営業利益128.2%、経常利益122.3%、当期純利益123.9%と、見事な増収増益、しかもどちらも2桁である。どちらが、ユニクロ、どちらがニトリでしょうか?

   売上高はほぼ同じ伸び率、営業利益で差がでたが、最終の当期純利益では、かなり近い数字である。ついでに、両企業が予想している通期予想を見てみたい。A:売上高114.8%、営業利益124.2%、経常利益124.5%、当期純利益115.0%、B:売上高116.3%、営業利益123.4%、経常利益117.9%、当期純利益119.5%、これでわかったでしょうか?ますます、数字が似てきて、ほとんど区別がつかない状況かと思う。

   さて、答えであるが、Aがニトリ、Bがユニクロである。Aはニトリが9/18に公表したばかりの2010年2月期の第2四半期決算であり、Bはユニクロが7/9に公表した2009年8月期の第3四半期決算である。いずれも、現在、最新の決算結果であり、現状の経営状況を反映しているといえる。それにしても、数字だけ見ると、P/L構造が全く同じであり、しかも、昨年対比もほぼ同じ、さらに、通期予想もほぼ同じ伸び率となっている。衣料品と住関連用品と、全く扱い商品が違い、業種が違うにも関わらず、ここまで、経営構造が同じになり、しかも、成長率まで類似してくるのにはびっくりである。

   こう見ると、極論すれば、儲けるためには、商品は何でもよく、儲かるための経営構造、すなわち、ビジネスモデルを作り上げることができるかどうかにあるといえそうである。ユニクロもニトリも売価に対し、どちらも約50%の原価である。まずは、この50%の原価を実現できるかどうかが、最初の難関といえる。もちろん、売価を上げる、極論すれば仕入れ原価の2倍の売価を付けて売れば、原価は50%となるが、それでは当然、同業他社と比べ高くて売れなくなる。少なくとも同業他社なみの価格か、できればそれ以下で原価50%が求められる。ちなみに、食品スーパーマーケット上場企業の原価平均は74.8%であり、No.1がサンエーの70.0%、ついで、イズミヤ70.2%、平和堂70.5%、ヤオコー71.2%、・・となる。

   では、ユニクロ、ニトリはなぜ、売価を競合他者と同等か、下げ、しかも、原価50%が可能なのかであるが、これは、両社が自ら、独自のビジネスモデルを提示しているように、ユニクロはSPA(製造小売業モデル)であり、ニトリは従来型のSPA(製造小売業モデル)を、さらに進化させた製造物流小売モデルと、規定しているところにあるといえよう。利はもとにありという格言があるとおり、原価構造を自らの力で変えないかえない限り、原価率50%はありあえない数字であり、これが両社が流通業界に提示したビジネスモデルといえ、今後、流通業界、特に食品スーパーマーケット業界が学ぶべきモデルのひとつといえよう。

   しかも、原価50%を維持するために、経費を下げて価格を下げる必要がなく、ユニクロ、ニトリの経費比率は32.1%、35.9%であり、食品スーパーマーケットの上場企業平均の25.6%と比べても、約10%高い数字である。ちなみに、イオンの経費比率は36.8%、セブン&アイHは31.0%であるので、GMS業態とかわらない経費比率である。

   通常の小売業は利益を出すために、経費を下げることが戦略的な取り組みだが、ユニクロ、ニトリは経費を下げず、むしろ上げ、逆に、原価を下げるという、着眼点を変えるビジネスモデルを作り上げたところに、結果、異次元の小売業となり、圧倒的な競争優位を勝ちとったといえよう。

   ただ、ユニクロもニトリも気になる数字もある。直近の売上構造を見ると、ユニクロの8月度の売上高は111.2%だが、客数110.1%、客単価101.3%であり、ニトリの8月度の売上高は122.5%だが、客数133.5%、客単価91.8%という数字であり、どちらも、客数に支えられた好調な売上高となっているところだ。売上は客数と客単価のバランスであり、特に客数のみ増えるのは、競合上優位にたっていることにはなるが、必ずしも、需要創造ができているとはいえず、何かの拍子に客離れが起こりうる懸念があるからだ。

   それにしても、ビジネスモデルが確立すると、商品が違っても経営構造が全く区別がつかなくなるくらいまで、似てくることが、今回のユニクロ、ニトリの最新の決算を見るとわかる。衣料、住関連で確立されたこのSPAモデルが、はたして、食品でも成立つのかどうかが、食品スーパーマーケット業界にとっては挑戦課題かと思う。食品スーパーマーケットのユニクロ、食品スーパーマーケットのニトリがいつ登場するか、期待したいところだ。

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September 21, 2009

食品スーパーマーケット売上速報、2009年8月、低迷!

   食品スーパーマーケット上場企業約20社の2009年8月度の売上速報を独自に集計した。結果は、全体101.2%、既存店96.1%と低調な結果となり、ここへ来て、食品スーパーマーケット業界も売上げが伸び悩み始めたといえよう。ここ数ケ月の同様の売上集計の推移を見てみると、先月の7月度は100.4%(既存店96.0%)、6月度101.3%(既存店96.5%)、5月度104.9%(既存店99.0%)、4月度102.2%(既存店96.9%)という状況であり、6月度以降、全体が昨対ぎりぎりの状況であり、既存店は96%台前半となるなど、全体的に伸び悩みが続いている状況である。特に、今期は昨年の猛暑が一転、肌寒い日がつづくなど、気候の違いもあり、売上げに与える影響も大きかったといえよう。

   売上げを公表しているこの約20社の中で、客数、客単価を公表している食品スーパーマーケットは16社と大半であるが、それを見ると、既存店の客数99.0%、客単価96.8%であり、客単価の落ち込みの方が大きかったといえる。さらに、その中身であるが、PI値、平均単価まで公表している食品スーパーマーケットはわずか5社であるが、既存店の数字を見ると、PI値が99.5%、平均単価が97.2%であり、平均単価の方が落ち込みが大きいことがわかる。こう見ると、売上が低迷している要因は、気候の問題も当然あったと思うが、平均単価の落ち込みも大きく、これは、経済がデフレ環境となる中、消費者の節約志向が高まり、大手小売業をはじめ、各食品スーパーマーケットが激しい価格競争に入ったことも大きかったといえよう。

   では、具体的に個々の食品スーパーマーケットの、この8月度の売上げの状況を見てみたい。通常は、好調な食品スーパーマーケットから見てゆくが、今回は、全体的に売上げが低迷気味であり、全体が昨対を割ったすべての食品スーパーマーケットの現況から先に見てみたい。アークランドサカモト91.6%(既存店93.2%)、PLANT94.5%(既存店94.5%)、Olympic95.1%(既存店94.6%)、マックスバリュ北海道96.0%(既存店91.6%)、CFSコーポレーションSM97.0%(既存店91.7%)、マックスバリュ東北97.3%(既存店95.8%)、マックスバリュ西日本97.3%(既存店91.9%)、イズミ97.5%(既存店94.9%)、ヤマザワ97.8%(既存店 93.9%)、トーホー98.0%(既存店98.5%)、いなげや98.4%(既存店94.6%)、マルエツ 99.0%(既存店97.2%)という状況である。

   特に、ホームセンター主体、ハイパーマート主体の食品以外の業種に強い企業が軒並み厳しい結果であり、食品以上に他の業種は厳しさが増しているようであ。ちなみに、昨年の8月度の全体は104.7%(既存店99.5%)と、堅調な結果であり、やはり、今期は厳しい状況であるといえよう。

   一方、この厳しい状況の中でも好調な食品スーパーマーケットもあり、全体が105.0%以上の企業を見てみると、スーパーバリュー119.5%(既存店101.6%)、マックスバリュ東海114.9%(既存店95.1%)、ハローズ109.8%(既存店96.8%)、ダイイチ107.1%(既存店99.1%)、オオゼキ105.5%(102.5%)の5社のみである。ただ、この好調な食品スーパーマーケットの中でも既存店が昨対を超えたのはスーパーバリューの101.6%、オオゼキの102.5%のみであり、しかも、今回の全約20社の中でも既存店が昨対を超えたのはこの2社のみであり、食品スーパーマーケット全体が既存店が厳しい状況にあるといえよう。したがって、この5社が105.0%以上の好調さであった理由は、既存店ではなく、明らかに、新店、ないしは、M&Aにより、店舗増となった食品スーパーマーケットであるといえ、改めて、食品スーパーマーケットの成長は新店開発が大きな鍵を握っているといえよう。

   実際、No.1のスーパーバリューは最近3店舗の新規出店を行い、8店舗となった。8店舗の内の3店舗が新店である。No.2のマックスバリュ東海はM&Aと新店との相乗効果による売上増であり、No.3のハローズ、No.4のダイイチも新店による売上増である。そして、No.5のオオゼキも3年ぶりの新店の効果が大きいといえる。ただし、オオゼキは今回の集計食品スーパーマーケットの中では、No.1の既存店伸び率であり、オオゼキに関しては既存店の堅調な数字による売上増も大きいといえよう。

   最後に、105.0%以下、100%以上の食品スーパーマーケットであるが、マックスバリュ中部103.0%(既存店97.1%)、カスミ102.4%、ユニバース101.8%(既存店95.8%)、ヤオコー101.6%(既存店99.9%)、九九プラス101.2%(既存店99.2%)、バロー100.6%(既存店94.6%)である。現在、食品スーパーマーケット業界で注目のユニバースも、この8月度は伸び悩んでおり、既存店は95.8%と厳しい状況である。

   このように、2009年8月度の食品スーパーマーケット業界の一部であるが、上場企業の代表的な食品スーパーマーケットの売上速報を見ると、明らかに、6月頃から失速気味で推移しており、比較的堅調な売上を維持してきた食品スーパーマーケット業界も、ここへきて売上げが伸び悩みはじめたといえよう。家計調査データ、消費者物価指数(CPI)を見てもデフレ気味に推移しており、それに呼応するかのように、大手GMSはもちろん、各食品スーパーマーケットも価格訴求を強めており、これらを考慮すると、来月以降も食品スーパーマーケット業界の売上げは厳しい結果が続くものと予想される。

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September 21, 2009 in 経済・政治・国際, 食品スーパーマーケット売上速報 | | Comments (0) | TrackBack (0)

September 20, 2009

PI値を理解するためには?

   最近、PI値の基礎研修をする機会が多い。そこで、PI値を理解し、実践に活用する上で、重要なポイントをまとめてみたい。PI値には、数量PI値、金額PI値、客数PI値があり、状況に応じて、粗利PI値、経費PI値など、様々なPI値がある。さらに、最先端のPI値、ID-PI値、ID-金額PI値も開発され、ID-POS分析が可能な場合は、ID-PI値、ID金額PI値がもっぱら活用される。このように、PI値は様々な指標が開発されてきたが、すべてに共通しているのは、顧客1人当たりの指標という点である。PIがついた指標はすべて、顧客1人当たりの指標であり、分子が数量、金額、客数、粗利、経費と変わる点が大きく違うといえる。

   基本はこれだけであるが、ここ最近の研究により、ID-PI値、ID金額PI値が開発されたことにより、従来のPI値にも変化が表れてきた。最も、大きな変化は、分母の客数をより、細かくとらえることができるようになったことである。従来のPI値、数量PI値、金額PI値、客数PI値、粗利PI値、経費PI値等は原則、分母は総客数、すなわち、レジ通過客数=総レシート枚数が基本であった。したがって、分母に関しては、意識することなく、PI値を活用することが可能であった。

   ところが、ここ最近では、ID-POS分析へのPI値活用が進みはじめ、自然、ID-PI値、ID金額PI値が使われ、分母の客数がレシートだけでなく、IDも使うようになり、というよりも、IDがメインになり、分母の客数を改めて見なおす必要が生じた。しかも、IDとレシートの関係は、ID客数PI値で結ばれ、これまでのレシートの客数はIDの客数に包含される関係となった。したがって、改めて、従来のPI値も再定義が必要となり、IDという観点から、PI値そのものを再構築せざるをえなくなったのが現状である。

   そのPI値の再構築を迫られた転機となった数式が、ID金額PI値=ID客数PI値×金額PI値の開発である。これは、ID金額PI値が売上÷IDを示し、ID客数PI値がレシート÷ID、金額PI値が売上÷レシートを示しており、右側はレシートが約分され、左側に一致するので、正しい数式であることがわかる。

   この数式が開発されたことにより、PI値を体系的、総合的にとらえることができるようになり、レシートのPI値、IDのPI値と分けて考えるのではなく、双方は一体であり、ID客数PI値により、関係づけることができるようになった。また、この数式が成り立つことにより、IDとレシートの一体感が維持されれば、自由に、ID、レシートを変換することができるようになり、従来のPI値も総レシートにこだわることなく、様々なレシート、すなわち、客数のPI値をつくることができるようになった。

   たとえば、ID金額PI値=ID客数PI値×金額PI値の金額PI値のレシートを総レシートとした場合は、IDもそれに応じて、総IDとなり、左右は一致する。金額PI値のレシートを特定商品の購入レシートとした場合は、IDもそれに応じて、購入IDとなり、左右は一致することになる。これをレシートから見れば、レシート変換と呼び、IDから見れば、ID変換と呼び、レシート、IDが同じ数式を使いながら、次々と変換してゆき、ひとつの商品を様々な角度から捉え、その商品の消費実態を顧客面、ID、レシートから明らかにしてゆこうというのが、ここ最近のPI値理論の最先端の研究課題である。

   すでに、数式、フォーマットの開発は終え、一部、実践投入しているが、中々、おもしろい成果が表れ始めており、今後、次世代の新たなマーチャンダイジング戦略の根幹を占めることになるのではないかと思っている。

   したがって、PI値を理解するためには、どうも、この最先端のPI値を理解した方が早いのではないかと最近では考えるようになり、従来のPI値関連の基礎テキストも、現在、見直しをかけ、ここ最近の研修でも、少しづつではあるが、PI値の全体像を示し、最先端のPI値理論をもとに体系的な内容に差し替えはじめている。

   ただ、残念なことは、ID-POS分析が自由に使える環境が小売業側に整っているケースはまだまだ少なく、PI値の理論、解説が先に走ってしまい、たとえば、ID-PI値、ID金額PI値、ID客数PI値、あるいは、金額PI値のレシート変換の数字を実際に見ることができず、実際の研修の面では歯がゆいことが多い。それでも、PI値を体系的、総合的、そして、実践的に理解するには、従来の総客数(総レシート枚数)だけの単純なPI値だけの解説よりも、理解が早いのではないかと思い、ここ最近では、できるだけ、最新の研究成果も交えて、PI値の基礎研修を実施するようにしている。

   恐らく、3年ぐらいすれば、ID-POS分析はごく普通に、少なくとも、食品スーパーマーケット業界では使える環境が整うではないかと、期待を込めて願っている。その来たる日が来ることを目指し、いまの段階でも、少し早いかもしれないが、PI値の基礎研修に関しても、最先端の研究成果を組み込んだPI値の研修を実施しはじめている。どうも、その方が、多少の歯がゆさは残るが、現状のPI値を理解する上においても、早く、深く理解できるのではないかと、ここ最近の研修を通じて感じる。

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September 20, 2009 in 経済・政治・国際, PI値 | | Comments (0) | TrackBack (0)

September 19, 2009

日経MJ、新製品週間ランキング、9/18、菓子ラッシュ!

   日経MJ、新製品週間ランキングが9/18公表された。今週は、菓子の初登場の新製品ラッシュとなり、全20品中8品を占めた。菓子はまさに秋の新製品が目白押しであり、特にチョコレート関連が多く、しかも、上位にランクインしている。菓子ベスト10の内、8品がチョコレート関連であり、今後、さらに、チョコレート関連は充実してくるものと思われる。

   先週から、そのチョコレート関連で気になっていた新製品がある。先週も、今週も1位となった明治製菓、チップチョップ75gである。先週の金額PI値が934円と異常値であり、しかも、カバー率が約80%であったので、この数字がどの辺で落ち着くか、気になっていた。結果は、448円、先週比-486円と大きく落ち込むことになったが、それでも、菓子部門No.1をキープしており、しかも、448円は菓子としては、依然として、極めて高い数字である。これで落ち着くか、まだ下がるのか、来週の数字がまた気になるところである。

   ところで、この日経MJの金額PI値であるが、今日、たまたま、PI値の研修の教材として使い、この数字が総店の金額PI値か導入店の金額PI値か議論になった。この種のPOS分析では、金額PI値が2種類あり、この日経MJの場合では、対象49チェーン、250店舗の総客数を分母にした金額PI総店と、その商品を扱っている店舗のみの客数を分母にした金額PI扱店とがある。日経MJの金額PI値を一見しただけでは、分かりにくく、解説でもそのことには触れていない。したがって、どちらかを判断するには、難しいものがある。

   そこで、9/18ではないが、極めて分かりやすい事例で、少し前であるが、6/5の飲料No.1の森永乳業、まきばの空の数字を、たまたま、別のPOS分析の数字が手元にあるので、見比べてみたい。日経MJ、6/5のまきばの空の金額PI値は2,052円であり、平均単価160円、カバー率39.6%である。この2,052円が総店か導入店かであるが、別のPOS分析を見ると、同じく6月度のデータであるが、まきばの空は、金額PI導入店が2,302.64円、金額PI総店が868.86円、客数PI値が37.7%であるので、2,052円は明らかに、金額PI導入店であることがわかる。これで、日経MJの金額PI値は導入店であることが判明したといえよう。

   さて、話をもとにもどし、9/18の日経MJ新製品週間ランキングであるが、菓子部門、2位は、今週初登場の明治製菓、ミルクチョコレート58gである。金額PI値377円であり、カバー率85.2%としては、高い数字である。本ブログでは、金額PI値が200円を超えればCランク、300円を超えればBランク、500円を超えればAランクとしているが、377円はBランクといえ、菓子としては高い数字である。明治製菓の今週初登場のチョコレートは、これ以外にも、5位にブラックチョコレート58g、金額PI値125円、8位にハイミルクチョコレート、金額PI値106円もランクインしており、好調である。

   これ以外の今週初登場の菓子の新製品であるが、7位に、江崎グリコ、ポーキー<極細>34g×2袋、金額PI値119円、9位に同じく江崎グリコ、ポッキーチョコレート35g×2袋、金額PI値104円が入った。さらに、14位に東ハト、キャラメルコーン、スイートポテト味75g、金額PI値83円、16位にカルビー、かっぱえびせん味紀行柚子こしょう55g、金額PI値81円、そして、17位にロッテ商事、マロンのデザートケーキ6個、金額PI値77円が入った。以上が、今週初登場の菓子の新製品であり、チョコレート関連が初登場で、上位を占めているのが、特徴といえよう。

   他の部門でも今週初登場の上位の新製品を見てみると、飲料では1位に、カルピスの「カルピスソーダ」グレープゼロカロリー500mlペットボトルが金額PI値349円で入った。また、3位に、泉南乳業、牧場のやさしい想い1000mlが金額PI値268円で入った。特に、この新製品は、カバー率がわずか4.0%であり、まさに、この268円は、この4.0%のカバー率の店舗のみの数字、金額PI導入店を表しており、総店に換算すると10.7円となる。今後、カバー率が上がった時の数字がどの辺で落ち着くかがポイントといえよう。

   さらに、飲料では、8位に伊藤園、おーいお茶玉露の旨み500mlペットボトル、金額PI値184円、17位にサントリー、炭酸文明500mlペットボトル、金額PI値100円が初登場で入った。また、冷凍食品では、5位に赤城乳業、デッカルチェ苺のショートケーキ210mlが初登場で金額PI値103円であった。その他食品では、9位に、日清食品、カップヌードルシーフードヌードル75g、金額PI値330円、12位にも日清食品、江戸そば76gが金額PI値154円で初登場で入った。

   以上が、今週、9/18の日経MJ新製品週間ランキングの全初登場の新製品であり、菓子で8品、飲料で4品、冷凍食品で1品、その他食品で2品、家庭用品0品と、合計15品である。こう見ても、菓子の8品は極端に多いといえ、まさに、今週は菓子の初登場の新製品のラッシュといえよう。来週以降も、まだまだ、増えることが予想され、特に、チョコレートは秋から、冬にかけてが本番であり、今後、どのような新製品が登場する楽しみである。

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September 19, 2009 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

September 18, 2009

PI値か平均単価か?

   マーチャンダイジングには様々な評価指数がある。通常のPOSデータから得られる評価指標のひとつは、金額PI値=PI値×平均単価であり、いかに、金額PI値を引き上げられるか否かが、マーチャンダイジングの評価そのものといえる。金額PI値を引き上げるには、この数式が示す通り、PI値を引き上げるか、平均単価を引き上げるか、ないしは、双方を引き上げるかがあるが、通常、はじめに着手する方法は、PI値アップが最優先で取り組まれ、PI値をどこまで引きあげ、結果、金額PI値を引き上げるかであることが多い。

   ところが、ここ最近、このセオリーに異変が起こりつつある。PI値を必死に引き上げても、それ以上に、平均単価が落ち、結果、金額PI値が下がってしまい、マーチャンダイジングの強化につながらないケースが続出しているのである。特に、PBが重点商品に置き変わり、そのPBを最優先で強化した場合にその傾向が顕著に表れている。本来、顧客の支持を獲得していたNBが、PBに圧迫され、PB最優先の売場となった時などには、この傾向が強い。また、ここ最近の消費環境が節約志向になった影響もあり、これまでの、単純な最重点商品のみの強化だけでは、その商品の強化はできても、その重点商品が属するカテゴリー全体の数字は伸び悩み、結果として、全体の金額PI値が落ちるということが良く起こるのが現状である。

   これは、どこに問題があるのかであるが、その答えは、金額PI値アップは、PI値アップが最優先であり、ここにすべての経営資源をかけることが正しいという思い込みが大きいように思う。金額PI値アップは、先に示したように、3択の問題であり、確かにPI値アップでも上がるが、その上がる条件は、PI値のアップ以上に平均単価が落ちないということが前提である。PI値105%、平均単価90%の場合は、金額PI値は95%となる。平均単価が95%となって、初めて金額PI値は100%となるが、この平均単価の歯止めがかからない場合が、現在の消費環境、デフレ傾向の中では往々にして起こっているのが現状である。

   では、どうすれば良いか、その一つの大胆な仮説が、PI値に着目するのではなく、平均単価に着目することである。この消費環境から見ると逆行しているように思えるが、金額PI値を引き上げる方向は、PI値アップも平均単価アップも、同等の価値があり、PI値だけを優先することが正しいわけではない。平均単価アップもPI値アップ同様、重要な金額PI値アップの手法であり、仮説としては十分に成り立つ方向である。

   簡単な数字のシミュレーションをすれば、平均単価が5%アップした場合、PI値は95%で金額PI値はプラスマイナス0であり、平均単価が10%アップした場合は、PI値は95%で金額PI値は105%、90%でもプラスマイナス0である。しかも、このほとんどの場合、金額PI値では把握できない、粗利は向上する可能性が高いといえる。PI値を上げるために、平均単価を下げれば、当然、粗利が率では下がる。逆に、平均単価が上がれば、確実に粗利率は上がり、金額PI値が落ちなければ、粗利改善が可能となるからである。

   どうも、ここ最近のマーチャンダイジング戦略は、この平均単価にどう着目するかが、大きな課題となってきたように思う。これまでは、確かに、PI値を最優先で引き上げ、金額PI値を押し上げようとし、実際、押し上げることができたが、各食品スーパーマーケットが消費環境の変化により、PB強化、NBの価格訴求に本格的に取り組むようになってからは、PI値アップによる金額PI値アップが思うように、成果をあげることができなくなったように思う。

   ここは、戦略転換をはかり、平均単価に取り組むべき時がきたのではないかと思う。そこで、平均単価アップであるが、これは、値上げをすることではない。値上げをすれば、当然、平均単価をあげることができるが、それは、返って、PI値を極端に落とし、金額PI値を下げることにつながる。平均単価アップとは、平均単価の高い商品のPI値を引き上げることであり、これまで、見向きもされなかった重点商品以外の商品、特に、付加価値の高い商品や、重点商品につぐ、平均単価の高い商品のPI値を思い切り、ひき上げることである。また、もうひとつの方法として、重点商品よりも、付加価値の高い商品の商品開発を行い、その商品を徹底的に強化することである。

   このような平均単価アップ政策を意識的にとることによって、商品全体の活性化がはかれ、結果として、PI値は落ちても、それ以上に平均単価の上昇分でカバーできれば、金額PI値は上がり、マーチャンダイジングの成果が徐々に表れてくる。もちろん、同時に、重点商品のPI値もアップすれば、PI値、平均単価ともにアップし、理想的なマーチャンダイジングの成果が得られるが、どうも、ここ最近の異常なPI値アップ、平均単価ダウン、結果、金額PI値ダウンの状況を多々見ると、ここは、発想を変えて、平均単価アップ、PI値ダウン、それでも、金額PI値を引き上げるという方向を検討し、実践する段階に入ったように思う。これだけ、厳しい消費環境になったからこそ、あえて、平均単価アップの仮説を真剣に考える時が来たように思う。

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September 18, 2009 in 経済・政治・国際, PI値 | | Comments (0) | TrackBack (0)

September 17, 2009

マルシェ・ジャポン、スタート!

   マルシェ・ジャポンが、9/13、お台場でもスタートした。マルシェ・ジャポンとは、農林水産省が経済危機対策として企画した農家支援のプロジェクトであり、日本全国の大都市で全国の意欲的な農家の農産物の直売所の運営を支援をするという企画である。9/4、新潟マルシェが全国に先駆けてスタートし、9/5には赤坂マルシェ、青山・表参道マルシェと、首都圏でもマルシェがはじまった。そして、9/13には、お台場マルシェがスタートし、9/18には大阪、湊町・とんぼりマルシェがスタートする。さらに、9/21には、九州、福岡マルシェもスタートし、9/27からは、横浜マルシェ、中之島公園・靱公園 他マルシェ(大阪)、9/30には川崎マルシェもスタートする予定である。これで、北海道から、新潟、首都圏、大阪、九州までのマルシェがはじまり、主に土日、祭日、そして、週末等、野菜、果物の市場、まさに、マルシェが1年間、約200日間、各地の都心部を中心に開催されることになる。

   ちなみに、私も、このプロジェクトには少しかかわっており、お台場マルシェを運営する野菜ビジネスを支援している。特に、今回、農林水産省が掲げているプロジェクトの目標のひとつに、「2011年3月までに、参加する生産者のマルシェでの手取り額(売上から販売費用を差し引いたもの)を、卸売市場に出荷する場合に比べ、1.5から2倍に向上させることを目指す。」がある。そこで、そのために、各生産者が何をどのように販売すれば良いか、全体のレイアウトはどうすれば良いか、販売予想、在庫予想はどのくらいが良いかなどを、PI値分析を通じて支援してゆくことになった。ちなみに、農林水産省も、客数が目標値を下回る場合、客単価が目標値を下回る場合の対応手段を複数用意しておくことと、マルシェ運営者への指針を出しており、まさに、PI値分析の神髄、客単価、客数アップのノウハウが問われることでもある。

   また、今回の全マルシェを統括する全国事業者がグルナビに決まったこともあり、グルナビとも連携をとりながら、進めてゆくことになる。グルナビは、このマルシェプロジェクトの中では、唯一の全国事業者であり、「農林水産省の指導・助言の下で、統一的なロゴや名称、テントのデザインなども含めた称号・商標・意匠の管理を行ったり」、お台場でマルシェを展開している野菜ビジネスへの私の支援内容にも関わってくることであるが、「売上管理システムの全国的な導入検討や全国的なPR・イベントの開催等を実施」することになる。

   このマルシェプロジェクトが成功するかどうかは、全国各地で開催されるマルシェを運営する各企業にかかわってくるといえるが、現在の運営者は、以下の通りである。まず、北海道であるが、札幌は、サッポロ・マルシェ・プロジェクト協議会(事務局/株式会社トライ・ビー・サッポロ)が主催している。ついで、新潟は、万代にぎわい創造株式会社である。そして、首都圏が最も多く、赤坂は株式会社TBSテレビ、六本木は森ビル株式会社、青山・表参道は株式会社マインドシェア、お台場は株式会社野菜ビジネス、川崎、横浜は株式会社NKBである。また、大阪であるが、湊町・とんぼり、中之島公園・靱公園 他は東果大阪株式会社である。最後に、九州であるが株式会社西日本新聞社である。

   こう見ると、顔ぶれが多士済済、業種もまちまちであり、当面、この運営者が全国でマルシェを展開してゆくことになる。すでに、続々と、農産物の生産農家が各運営者と出店契約をしており、今後、急激に生産農家の参加が増えることが予想される。

   では、その農家、生産者のマルシェ参加のメリットであるが、農林水産省は、6つの価値を上げている。①都市の中心部で消費者へ直接販売ができる。②消費者ニーズや反応をダイレクトに把握でき、価格や量、生産方法等を自分が決められることから、マーケティング力が高まる。③固定客やファンの獲得による所得向上の機会が得られる。④出店者同士の情報交換や切磋琢磨を通じて、新たな商品・サービスのヒントが得られる。⑤マルシェ運営者から、販売計画、収支計画の作成指導、経営指導、売上拡大策のアドバイスや援助が受けられる。⑥自分で運搬したり販売することが難しい場合、マルシェ運営者がサポート体制を用意。というものであるが、何といっても、①の都心での直接販売が最大のメリットといえよう。

   今回、私も野菜ビジネスを通じて、マルシェプロジェクトにかかわるようになり、農産に関しては、これまで、食品スーパーマーケットの青果部門のマーチャンダイジング支援が主な内容であったが、今回は、農家へのマーチャンダイジング支援ということになる。これまでのPI値分析にもとづいたマーチャンダイジング支援の経験をどのように活かしてゆけるかが、私にとっても新たな挑戦課題である。週末、東京に来たら、是非、お台場のマルシェを見て、新鮮な野菜、果物を買って、食べて見て欲しい。

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September 17, 2009 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

September 16, 2009

神戸物産、2009年10月期、第3四半期、増収減益!

   業務スーパーを全国にFC展開する神戸物産が9/4、2009年10月期、第3四半期の決算を公開した。売上高938.61億円(122.3%)、営業利益3.20億円(47.5%:売上対比0.34%)、経常利益2.13億円(32.4%:売上対比0.22%)、当期純利益0.86億円(24.2%:売上対比0.09%)と、増収とはなったが、利益は大きく減少し、増収減益の厳しい決算となった。すでに、公表された食品スーパーマーケット業界の最新の決算結果も、利益が厳しい状況であり、外食専門の食品スーパーマーケットである業務スーパーも同様に利益が厳しい結果であり、外食を取り巻く消費環境も厳しさが増しつつあるといえよう。

   外食産業関連では、同じく、外食向け事業を展開し、業務スーパーとも激しく競合しているAプライスを展開するトーホーの2010年1月期の中間決算も9/14に公表されたたが、減収減益の決算であり、特にAプライスは昨対3.7%減と伸び悩んだ。ここへ来て、外食を取り巻く、消費環境も厳しさが増しているといえ、食品スーパーマーケット業界も含め、食に関しても、消費環境全体が厳しい状況になりつつあるといえよう。

   さて、神戸物産の売上が好調に推移した要因であるが、新規出店が順調に進み、この第3四半期までに、新店を24店舗出店し、7店舗を閉店、純増17店舗となり、合計497店舗となったことが、売上を大きく押し上げた要因である。神戸物産のこれまでの店舗数の推移をみると、2001年34店舗、2002年66店舗、2003年161店舗、2004年252店舗、2005年362店舗、2006年433店舗、2007年473店舗、2008年481店舗、そして、現在、497店舗である。この推移をみると、2003年から2005年までは、毎年約100店舗を全国に新規出店し、急成長を遂げたが、その後、徐々に伸び率が下がり、2008年度は、中国問題もあり、わずか10店舗弱となった。その流れを受けて、現在、今期は17店舗の純増であり、やや回復傾向となり、今後は急成長から安定成長へ向けての企業基盤をどう作るかが課題といえよう。

   その安定成長を支える出店余力であるが、神戸物産はFCが497店舗の内、495店舗、直営はわずか2店舗であり、自ら土地を取得し、建物を建て、敷金・保証金等を払って出店することはない。したがって、神戸物産の出店余力は、各FCへ商品を安定供給するための、原料調達、商品加工のための工場等への投資が、自己資本でどれだけ賄えるかどうかであるといえよう。神戸物産はその意味で、自らもいっているように、SCMを自社で行う製造小売業といえ、製造、物流への投資がFCの出店余力を増し、安定した成長が可能となるビジネスモデルといえよう。

   これまで、神戸物産はその製造拠点を中国にしかもたず、安く安定した商品供給ができていたが、昨年の一連の中国問題により、中国製品の信頼感が崩れ、生産拠点の分散が大きな経営課題となっていた。そこで、生産拠点をエジプト、カンボジアへと広げるなど、これらの投資が、ここ最近増加しており、この第3四半期は土地37.48憶円(前期決算時:19.17億円)、建物35.29億円(前期決算時:31.85億円)と、約20億円強増加し、合計、72.77億円と総資産の23.3%(前期決算時19.0%)となった。

   一方、自己資本比率が39.4%と昨年の48.3%と比べ10ポイント近く下がっているのが気になるところであるが、それでも、この土地、建物の合計23.3%を上回り、さらに、固定資産の総額30.6%をも上回っており、FCの新規出店を支える財務余力は高いといえよう。

   今期、自己資本比率が下がった要因は、これらの土地、建物等の資金を有利子負債で賄ったためと思われるが、その有利子負債の状況を見ると、46.03億円(昨年の決算時:0.68億円)と、確かに、ほぼ無借金であったところが、今期は、大きく増加しており、この分が、ほぼそっくり負債を増加させていることがわかる。ただ、総資産に占める割合は14.7%であり、現金の106.97億円、総資産の34.3%の約半分と、十分に現金相殺できる金額であり、過剰感はない。

   それにしても、神戸物産の財務構造は、通常の小売業とはほぼ反対であり、流動、固定バランスが70%対30%と、流動率が極めて高いのが特徴である。これまでは、固定資産をほとんど持たず、流動資産で商売をするという、まさにFCビジネスのメリットを十分に享受したビジネスモデルであったが、ここへ来て、今回のエジプト、カンボジア等への投資のように、固定資産を取得し、FCを支える商品の安定供給を可能とする経営基盤の確立が経営課題となってきたといえよう。その意味で、神戸物産にとっても、経営戦略の転換の時期に入ったともいえる。

   このように、神戸物産は、これまでの、FCビジネスによる流動資産中心のビジネスモデルから、自ら土地、工場を建てるなど、商品の安定供給を目指す固定資産を重視したビジネスモデルへと展開しつつあり、新たな段階に入りつつあるといえよう。今後、エジプト、カンボジアの生産拠点がどこまで、中国の生産拠点をカバーし、2極、3極構造をつくり、リスクの分散と商品の安定供給体制をもたらすことができるか、神戸物産の今後の動向に注目といえよう。

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September 16, 2009 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

September 15, 2009

イチローに見る、打数と打率、目標はどっち?

   9/14のNHK、スポーツ大陸「イチロー、大記録への闘い」を見ていて、印象深かったシーンがある。記者のインタビューに答えて、イチローが、200安打という打数に強くこだわっていて、打率にはあまりこだわっていないと語ったシーンである。その理由として、イチローは、ヒットの数は減らず、着実に積み重ねてゆくしかないが、打率は、打席から逃げたくなる自分が必ず出てきてしまう、というような趣旨のことを語っていたことである。

   このシーンを見ていて、目標をつくる時の重要性を改めて感じた。確かに、打率を目標に置くと、ヒット数÷打席数であるため、打率を高めるためには、ヒット数を高めるか、打席数を減らすか、どちらも、打率は高まるため、目標があいまいになる。特に、分母を小さくする方向に動いた場合は、イチローも言っていたが、打席に入りたくなくなる弱い自分が出てくることになりかねない。ある程度、ヒットを打って打率が上がったら、その打率を落とさないために、さらにヒットを打とうと思うか、それとも、打席数を減らすために、ヒットを狙わず、フォアボール、デットボール等を敢えて狙ったり、極端な場合、途中交代、最悪の場合は、試合を休もうとしたりしかねないといえよう。率にこだわれば、どうしても、プラス発想だけでなく、マイナス発想も入ってしまうことになり、そこが、イチローにとっては、絶対に、納得できない目標設定であるといっていたのだと思う。

   確かに、打数、200安打に目標設定をすれば、打率がどうであろうが、ヒットを1本づつ、着実に積み重ねてゆくしかなく、そこに、マイナス発想が入り込む余地はない。プラス発想でどんな手段を使っても、ヒットを打ち、1本1本、積み重ねることでしか、目標を達成できないからである。イチローの強さの秘訣は、この目標設定そのものに答えがあったように感じた。

   このイチローのこのシーンを見て、はじめに、感じたのは、ROEである。ROEは当期純利益を株主資本で割った数字であり、株主から見た会社の価値を見るひとつの尺度であるが、この数字にこだわりすぎたことが、リーマンブラーズショックの遠因になったのではいかと思えた。ROEを上げるには、打率同様、分子の当期純利益を引き上げる方向と、逆に、分母の株主資本を下げる方向とがある。昨年のちょうど、この時期、まさに9/15のリーマンブラザーズショックまでは、ROEが強く支持され、当期純利益を引き上げる方向よりも、むしろ、株主資本を相対的に減らす方向に動いたように思う。実際、特に、ヘッジファンド等は、株主資本を増やさず、負債を大幅に増やし、いわゆる、レバレッジをかけ、結果、資産を大きく増やし、当期純利益を結果として増やすという方向に動いていた。

   当期純利益を増やすということでは、ある意味、目標は分子の当期純利益であったともいえるが、株主資本よりも、レバレッジをかけ、負債を極端に重視したことは、結果、分母の価値を減らしたことであり、これが、サブプライムローンという莫大な不良資産を抱え、それを株主資本で賄うことができず、極端な資本不足に陥り、金融危機を招く一因になったのではないかと思う。これは、野球でいえば、相対的に株主資本という打席を減らし、打率を上げる方向をとったと同じことであり、結果、多くの企業の経営破綻につながったのではないかと思う。

   では、どうすれば良かったのか、打数にこだわるとすれば、当期純利益の絶対数字の目標をまず掲げることであり、そして、もうひとつは、株主資本の価値を下げないために、自己資本比率を下げないという歯止めが必要だったように思う。自己資本比率は株主資本÷総資産であり、レバレッジがかかると、負債が増加し、総資産が増え、結果、この自己資本比率がどんどん小さくなる。ROEだけで見ると、一見、当期純利益が増えているようであるが、自己資本比率は小さくなっており、結果、相対的に、株主資本の価値が下がっているからである。実は、この2つ、ROEと自己資本比率は、かけると、ROA(総資本利益率)となり、ROA=ROE×自己資本比率となる。したがって、当期純利益だけでなく、分母の株主資本の価値を下げない歯止めとして、自己資本比率を少なくとも一定に保つ、できれば、ひき上げ、さらに価値をあげるということが目標設定としては、必要であったように思う。

   同様に、もうひとつ思ったのが、マーチャンダイジングの世界である。マーチャンダイジングの世界の金額PI値、ID金額PI値も、イチローの打数にこだわるという点から考えてみると、どちらも、率である。この数字を引き上げることも重要だが、打数にあたる、売上金額、そして、株主資本の価値に当たる、客数、すなわち、レシート枚数、ID数にもこだわり、率だけでなく、むしろ、絶対的な数の目標設定も同時に掲げることが、重要であると改めて感じた。金額PI値、ID金額PI値は指標としては、確かに目標とすべき重要な指標であるが、最終的にはキャッシュにこだわり、1円でもキャッシュを増やすことが経営の神髄であると、イチローが野球を通じて、語っていたように思う。

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September 15, 2009 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

September 14, 2009

マックスバリュ中部、2010年1月期中間、増収減益!

   マックスバリュ中部が9/9、2010年1月期の中間決算を公表した。その結果であるが、営業収益572.93億円(101.4%)、営業利益3.08億円(41.8%:営業収益比0.54%)、経常利益3.12億円(38.7%:営業収益比0.54%)、当期純利益0.16億円(10.0%:営業収益比0.02%)と、増収とはなったが、大幅な減益、特に当期純利益は昨対1/10となる厳しい決算となった。また、通期予想も営業収益1,185.00億円(102.9%)、営業利益20.10億円(97.5%:営業収益比1.69%)、経常利益20.00億円(92.4%:営業収益比1.68%)、当期純利益5.00億円(80.6%:営業収益比0.42%)と、当初予想には変更がないものの、同様に増収減益予想であり、今期、マックスバリュ中部は厳しい決算が予想である。

   まず、営業収益であるが、全体は101.4%と微増とはなったが、既存店は96.3%と伸び悩んでおり、その中身は、客数99.4%、客単価96.9%と、客数よりも、客単価の落ち込みが大きかった。さらに、客単価の落ちた要因を見ると、PI値が100.9%と微増となったが、平均単価が96.1%と下がった。その要因について、マックスバリュ中部は、トップバリュの拡充により、PBの売上構成比は11.9%と、好調に推移したが、今期はさらに低価格のベストプライスbyトップバリュを投入したため、価格が下がり、それに見合う数量の確保ができなかったことが大きかったとコメントしている。これに加え、恐らく、NBの価格競争も激しく、その面での平均単価への影響もあったものと思われる。

   こう見ると、明らかに、デフレ傾向が鮮明といえ、平均単価が5%前後落ち込みつつあるといえ、PI値、すなわち、数量を5%以上は引き上げるマーチャンダイジング政策が同時に実施されないと、客単価(金額PI値)が下がり、結果、売上げを確保するのは難しい段階に入ったといえる。今後、いかに、数量(PI値)を引き上げるかが、食品スーパーマーケット業界にとっては、重要な経営課題となったといえよう。

   結果、売上げだけでなく、利益にもその影響が表れており、今回の営業利益が半減、当期純利益は1/10になるという厳しい結果となった。そこで、原価、経費の状況を見てみると、原価は75.59%(昨年75.08%)と、0.51ポイント上昇しており、結果、売上総利益は24.41%(昨年24.92%)と下がった。一方、経費は26.06%(昨年26.08%)、ほぼ昨年並みとなり、結果、差し引き、マーチャンダイジング力は-1.65%(昨年-1.16%)とマイナス幅が広がった。これにその他営業収入が2.54%(昨年2.51%)のり、営業利益が0.89%(昨年1.35%)となり、減益となった。こう見ると、この中間決算においては、原価の上昇が減益の要因であったといえ、本来、トップバリュの売上構成比が11.9%と上昇しているにも関わらず、原価改善がみられないという厳しい結果であり、少なくとも、現時点では、PBによる原価改善効果が表れていないといえよう。

   したがって、今後、PBの構成比を20%、さらに、30%へ引きあげてゆくか、それとも、残り90%弱のNBの原価改善に入るか、再度、マーチャンダイジング戦略を明確にする必要があろう。イオングループとしては、当然、PB強化の方向であると思われるが、食品スーパーマーケットのマーチャンダイジングの根幹は生鮮食品、日配、そして、NBであり、この面での競争力をいかに強化するかが、マックスバリュ中部としては、PB戦略以上に、優先度の高い課題であるといえよう。

   結果、食品スーパーマーケットの経営にとって、最も重要なキャッシュフローが回らない状況となり、財務的にも厳しい状況である。そのキャッシュフロー、営業キャッシュフローを見ると、昨年の25.43億円が、今期は8.60億円、1/3と激減しており、キャッシュ不足が起こっている。投資キャッシュフローが-25.65億円と昨年の-16.06億円よりも増加しており、結果、差し引き、フリーキャッシュフローは9.37億円のプラスから-17.05億円と、大きくマイナスとなっており、逆流のキャッシュフローとなり、資金が足りない状況となった。したがって、財務キャッシュフローは4.0億円のプラスとなり、その大半を借入で調達したが、それでも足りず、現金を13.03億円、取り崩す結果となった。現在、キャッシュフロー上の現金は0.91億円と、残りわずかとなり、ぎりぎりの経営状況といえよう。

   また、自己資本比率も32.3%と、約70%を負債に依存する財務構造であり、負債の主要項目である有利子負債も83.62憶円(前期決算時:67.54億円)と増加しており、総資産の20.22%にまで上昇し、積極的な経営戦略が打ち出しにくい財務構造といえよう。

   このように、2010年1月期のマックスバリュ中部の中間決算は、増収とはなったが、大幅な減益となり、厳しい結果となった。特に、当期純利益が大きく減益となったことから、キャッッシュフローが逆流となり、投資分を借り入れただけでなく、現金をも取り崩し、賄わざるを得なくなり、財務状況が一層厳しい状況となった。また、通期も消費環境は依然として厳しい状況が予想され、その決算予想も増収減益予想であり、今期、マックスバリュ中部は厳しい決算が予想されよう。まずは、既存店の活性化、マーチャンダイジング力の改善が急務といえ、今後、マックスバリュ中部が、PBの強化に加え、どのような既存店の思い切った活性化策を打ち出すかに注目したい。

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September 14, 2009 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (1)

September 13, 2009

デジタルサイネージと食品スーパーマーケット!

   チェーンストアエイジで昨年12月にデジタルサイネージの特集が組まれた。当時は見過ごしていた資料ではあるが、最近、よく、デジタルサイネージが話題になり、コンビニ、食品スーパーマーケットでも導入がはじまっており、改めて、この資料を読み直してみた。当時、わずか半年前と比べても、デジタルサイネージは着実に進化しており、恐らく、急激に、今後、食品スーパーマーケットではデジタルサイネージが拡大してゆくのではないかと思う。

   この特集記事では、4つのケースを取り上げている。JR東日本、ヨドバシカメラ、エーエム・ピーエムジャパン、カスミである。さらに、海外事情として、ウォルマートの事例を取り上げており、特に、この中でも、カスミとウォルマートが食品スーパーマーケットにとっては、興味深いケースといえよう。

   まず、カスミのケースであるが、まだ実験段階ということで、フードスクエアカスミつくばスタイル店1店舗のみのであるという。デジタルサイネージは、小売業側からだけでは、すべてのシステムを構築することは難しく、少なくともネットワーク関係の企業、広告代理店等が必要といえ、今回のカスミのケースでも、富士通とアサツーディ・ケイが全面フォローする体制で取り組まれているという。店内には入口に1台の大型ディスプレイ、各売場に13台(内レジに4台)のディスプレイが置かれ、ここが情報発信の場となっているという。カスミはすでに、毎週発行する情報誌、「ちゃーぶる」をもっており、今回のデジタルサイネージは、この「ちゃーぶる」とも連動しており、カスミ、独自の販促も可能であるという。1クルー10分弱の内容であり、「ちゃーぶる」の合間合間にメーカーの広告が流れるという。

    カスミのこの実証実験を見る限り、まだ、大型ディスプレイ中心であり、棚そのものに小型ディスプレイを付け、まさに、メーカーと共同で販促を行うというところまではいっていないようであるが、今後、小売業がデジタルサイネージを活用してゆくには、POPの代替としての活用が大きなテーマとなろう。POPはまさに、Point of Purchaseの略であるように、顧客と商品との接点での販促を意味しており、現在、ここは紙ベースがほとんどであるが、これがデジタルに置き換わる、すなわち、デジタルサイネージ化することが、食品スーパーマーケットにとっては本命であるといえよう。

    しかも、その背後に、POSデータ、特に、CRMデータがあり、そのデータとリアルタイムで連動し、次々に、販促内容が映像で切り替わってゆくことが課題となろう。通常の紙ベースのPOPでは十分に説明できなかった詳細な解説やメーカーの生産過程、産地の状況なども映像に流すことができ、まさに、販促に直結することになろう。特に、ワイン、チーズなど、初回購買が決め手になる商品、リピート購買の中から、さらに、付加価値の高い商品を推奨することなども、CRMデータから判断することができ、デジタルサイネージと連動することで、販促効果は高いと思う。

    一方、ウォルマートのデジタルサイネージは次元の違う活用ともいえ、スケールメリットを生かした本格的なデジタルサイネージネットワーク、いわば、ウォルマートの放送局を作り上げるような活用である。その名前も、「ウォルマート・スマート・ネットワーク」というものであり、全米2,700店舗のウォルマートに27,000台のディスプレイを導入し、一大ネットワークを構築しようというもので、2010年第1四半期までに完了する予定であるという。すでに、10億円の投資をし、本格的な展開が始まっているという。

    ディスプレイも入口は、「ウエルカムスクリーン」、各売場には「カテゴリースクリーン」、さらには、「エンドキャップスクリーン」をエンドに設置し、商品ごとに週次、日次のほか、店舗ごとに検証が可能であるといい、広告効果の測定が可能な仕組みを目指しているという。ここまで来ると、もはや、放送局と広告代理店とが一体となったデジタルサイネージの仕組みともいえ、実際、10秒間の広告を2週間、2,500店舗に流した場合の広告料金が10万ドルという相場もできつつあるという。現在、ウォルマートの客数は週1億4,000万人という数字であるといい、確かに、これをデジタルサイネージでネットワーク化すれば、十分な広告効果が生まれるといえよう。

   こう見ると、デジタルサイネージは、食品スーパーマーケットにとっては、自社の売場の活性化につなげる方向と、ウォルマートのように、ネットワーク化をはかり、マスメディアと同等のパワーを作りあげ、メーカーに広告料を促す方向があるといえる。日本ではウォルマートのような店舗数をもっている小売業がなく、まずは、自社の活性化に活用する方向からデジタルサイネージが広がり、ある一定の段階にいたった時、これらのデジタルサイネージがネットワーク化され、そこに、巨大な広告市場が生まれるような流れになるのではないかと思う。いずれにせよ、今後、デジタルサイネージは食品スーパーマーケットにとっては、新たな販促手段として、まずは、広まってゆくのではないかと思う。

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September 13, 2009 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

September 12, 2009

CRMデータのみの広告登場!

   日経MJには、様々な商品の広告が掲載されるが、9/11にも、ヤクルトの番爽麗茶の全面広告が掲載された。通常、この種の広告の場合は、何らかの検証データが提示され、その数字を根拠に、強く、消費者、小売業に訴えることが多いが、このヤクルトの全面広告では、その検証データに、CRMデータがメインで取り上げられた。しかも、対象は小売業への訴求であり、そのCRMデータを根拠の一つとして、棚割の提案、売場づくりへの提案も写真入りで、提示されており、CRMデータを全面に出した広告としては、かなり思い切った試みであるといえよう。

   現在、商品の検証には通常のPOSデータが活用されることがほとんどである。その背景には、CRMの研究開発は進んでいるが、小売業側に、CRMデータを検証する仕組みが十分でないことが大きいといえよう。通常のPOSデータは、小売業、特に、食品スーパーマーケットでは、ほぼ100%、自店で検証ができるため、メーカーが広告に、通常のPOSデータを検証結果として掲載した場合、そのデータが正しいか、正しくないかの判断を、自ら、追検証できるため、数字の客観性が確認できる。ところが、CRMデータの場合は、小売業側に自社で十分に分析できる体制がほとんど確立されていないために、自社での検証は難しいものがあり、広告に掲載されたCRMのデータの数字をそのまま受け入れることが難しいのが現状である。

   今回のヤクルトの広告では、番爽麗茶の小容量と大容量のユーザー、及び、両ユーザーの割合を数字と円グラフで示し、大容量のユーザーは51%、小容量のユーザーは35%、両ユーザーは14%、合計100%という検証結果を提示している。さらに、そのグラフの上に、アンケート調査結果として、番爽麗茶を飲むユーザーの91.8%が毎日飲むとの円グラフを掲げており、シンプルな数字の提示である。また、CRM特有の解説として、小容量はトライアルユーザーが多く、大容量はロイヤルユーザーが多いと付け加えており、まさに、CRMデータを全面に押し出した広告である。

   ここで、提示されたデータ、解説は、すべてCRMデータに基づくものであり、通常のPOSデータ分析からはけっして得られない数字であり、恐らく、ほとんどの食品スーパーマーケットでは、いずれのデータも検証することができない数字である。

   一見すると、大容量51%、小容量35%は売上構成比とどこが違うのかと思ってしまうかもしれないが、これは、IDの数を表しており、数字の算出過程が全く違う。売上は、売上金額=ID数×ID金額PI値と分解でき、ID金額PI値=ID客数PI値×金額PI値と、落とし込むことができる。したがって、売上金額とID数とは正の相関関係にはならず、ID数が少なくても、ID金額PI値が高い場合もあり、逆に、ID数が多い場合でも、ID金額PI値が低い場合もあり、売上金額とID数とは正の相関というよりは、むしろ、逆相関となることすらあるといえる。一方、通常のPOS分析で可能な金額PI値は、客数を一定とした検証の結果は、売上げ構成比そのものを表しているといえ、直感的に理解しやすい数字である。

   その意味で、今回のCRMデータで最も大事な数字は、両ユーザー14%という数字であろう。この数字も、CRM特有の数字であり、これは、小容量と大容量との相関性は弱く、容量の違いが、客層の違いになっている可能性が高いことを表しており、双方の品揃えが必要であるという根拠を示す数字ともいえ、容易にイメージができるからである。また、今回、ヤクルトでは、新たに、中間の1000mlの中容量を新発売したということであるが、これは、1000mlが、小容量、大容量と違う新たな客層をつかむ可能性が高いという仮説の提示といえ、小容量、大容量と、ユーザーがどう重なるか、その結果、総ユーザーが拡大するのかが、今後の検証ポイントといえよう。

   今回、この広告の主要なテーマが、ロイヤルユーザーの囲い込みと新規トライアルユーザーの獲得を目指すということであるが、CRM分析を全面に出すのであれば、さらに、店舗のロイヤルユーザーの囲い込みと新規トライアルユーザーの獲得を目ざすための、検証データを示しても良かったのでは思う。ロイヤルユーザーはメーカーにとっては、その商品のヘビーユーザーであるが、食品スーパーマーケットにとっては、店舗に貢献度の高いユーザーのことであり、必ずしも、メーカーのロイヤルユーザーと重ならない面がある。番爽麗茶がどれだけ、店舗貢献度が高いか、すなわち、商品はもちろん、店舗のロイヤルユーザーをつかんでいるかを示せたら、より、この広告はCRMデータを駆使し、食品スーパーマーケットに強く訴えることができたように思う。

   このように、今回のヤクルトの番爽麗茶の日経MJでの全面広告は、CRMでの検証データをメインにした内容となっており、これまでの通常のPOSデータでの検証ではなく、非常に興味深い内容であり、新たなCRMデータの検証結果を広告に活かす可能性を示したものといえよう。CRMデータの検証は、まだまだ始まったばかりであり、特に、食品スーパーマーケット側ではこれから検証体制が構築される段階といえ、今後、有望な検証データとなってゆくものといえよう。今回の広告はその意味で、今後につながる試みであり、次の、第2弾に期待したいところである。

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September 12, 2009 in CRM、FSP, 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

September 11, 2009

マックスバリュ北海道、厳しい中間決算、2010年1月期!

   食品スーパーマーケット上場企業、2010年度中間決算、第2号となるマックスバリュ北海道の2010年1月期の中間決算が9/9、公表された。この日は、マックスバリュ中部も公表されており、これで、中間決算公表の食品スーパーマーケットは3件となった。その結果は、営業収益384.43億円(102.8%)、営業利益-5.95億円、経常利益-5.68億円、当期純利益-9.40億円となる、増収減益、利益はすべての段階で赤字となる厳しい結果となった。

   この結果を受けて、9/10のマックスバリュ北海道の株価であるが、1,580円(+20円、+1.28%)と、微増となった。ここ最近の株価も、5日移動平均が0.82%と、安定しており、投資家は冷静に今回の決算発表を受けとめているといえよう。ただ、同じ、北海道の上場食品スーパーマーケット、アークスの株価は9/10現在、1,488円(+65円、+4.56%)、一時は、1,535円まで急騰しており、年初来最高値1,614円に迫る勢いであり、売買高も通常の5倍、10万株を超え、投資家はアークスに熱い視線を注いでいるといえよう。

   マックスバリュ北海道は、この中間決算公表の2日前、9/7に「業績予想の修正に関するお知らせ」を公表しているが、その中で、当初予想を大きく下方修正している。その理由を、「個人消費につきましては、生活必需品に至るまで節約志向が一段と強まり低調のまま推移いたしました。」という認識のもと、「経済環境、天候不順などから全体的に厳しく、業績面への影響が顕著となりました。」とのことで、その対策として、「営業収益の減少、売上荒利益率の低下をカバーするため経費削減に努力し、・・」と、経費削減を実施したが、営業利益が予想以上に減少し、しかも、減損損失も発生したため、大幅な減益となったとのことである。

   実際、この中間決算の原価、経費の状況を見ると、原価は77.31%(昨年76.10%)であり、原価は1.21ポイント上昇しており、結果、売上総利益は22.69%(昨年23.90%)と、減少しており、利益面が厳しい状況であった。原価に関しては、今期、トップバリュに加え、さらに、低価格のベストプライスbyトップバリュを投入し、改善を図っているとのことであるが、それ以上に、NBの原価が、北海道商圏の激しい価格競争により、価格が下がった分をカバーできず、PBの原価改善の効果を打ち消し、さらに、原価上昇、結果、粗利の低下を招いたものと思われる。こう見ると、北海道商圏は10%から20%の構成比と見られるPBでは、原価改善効果を出すのは難しく、残り、80%のNBの原価改善が経営の盛衰を握るまでに、厳しい価格競争に入ったと推測される。

   一方、経費の方であるが、今期は26.16%(昨年25.98%)と、こちらも、0.18ポイント上昇しており、原価上昇に加え、経費も上昇するという、ダブルでの収益圧迫となり、マックスバリュ北海道としては、厳しい局面に入ったといえよう。今期は業績予想の説明のコメントにもあるように、強い経費削減を実施したにも関わらず、売上対比では経費増となっており、同時に、既存店の活性化を行い、相対的に固定費を下げ、経費削減を行う政策が十分でなかったためと思われる。それにしても、経費比率26.16%は、上場食品スーパーマーケットの2009年度決算の中では、20番目となる高さであり、単純平均が25.6%であるので、既存店の活性化が、今後、最大の経営課題となろう。

   結果、差し引き、マーチャンダイジング力であるが、-3.47%(昨年-2.08%)と大きく、下がっており、本決算時が-1.6%であるので、厳しい数字である。マーチャンダイジング力が-3.0%を超える食品スーパーマーケットは、そのほとんどがGMSタイプの食品スーパーマーケットであり、その他営業収入が極めて大きく、その余力で営業利益をプラスにもってゆくビジネスモデルであるが、マックスバリュ北海道は、その他営業収入が1.90%(昨年1.82%)であるので、マーチャンダイジング力のマイナスをカバーできず、結果、営業利益が大きく減益、赤字となった。

   ちなみに、北海道で激しい競争を繰り広げている最大のライバルの食品スーパーマーケット、アークスの経費比率は、2009年の本決算時では19.4%であり、食品スーパーマーケット上場企業約50社の中でもベスト10に入る経費比率の低さである。したがって、それに応じて、原価も77.2%、結果、粗利は22.8%で走っており、マックスバリュ北海道とは、原価、経費ともに、格差があり、直競合となり、価格競争になった場合は、PBでは勝てても、残り、約80%のNBでは厳しく、特に、グロサリーでは、厳しいものがあるといえよう。したがって、生鮮食品を圧倒的に強化する戦略が、今後の北海道マックスバリュにとっては、マーチャンダイジング上の最大の課題といえよう。

   マーチャンダイジング力は、食品スーパーマーケットにとって、経営の要であり、ここが安定した収益を稼ぎださないと、結果、キャッシュフローが縮小し、投資ができず、成長が止まりかねない。さらには、返済は進まず、配当も滞り、経営そのものが回らなくなる。今後、マックスバリュ北海道としては、原価、経費を抜本的に見直すとともに、既存店の活性化が急務といえよう。すでに、様々な、経営改革案が練られているとのことであるが、今後、どのような思い切った経営改革を打ち出すか、その動向が気になるところである。

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September 11, 2009 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

September 10, 2009

営業キャッシュフロー、売上対比7%がトップクラス!

   財務3表連環表を作成してみて、改めてキャッシュフローの重要性を再認識した。キャッシュフローには、営業キャッシュフロー、投資キャッシュフロー、財務キャッシュフローの3つがあるが、当然、この中で重要なキャッシュフローは、自らの営業活動で生み出す営業キャッシュフローである。営業キャッシュフローがすべてのキャッシュの大本であるといえ、この営業キャッシュフローが潤沢な食品スーパーマーケットが投資余力を生み、十分な配当を出すことができる。そこで、ここでは、営業キャッシュフローに焦点当て、決算公開企業約50社の概況を見てみたい。

   まず、潤沢な営業キャッシュフローとはどのくらいなのかを2009年度の本決算の数字をもとに見てみる。営業キャッシュフローを絶対金額で見れば、当然、売上規模の大きな食品スーパーマーケットが多くなる傾向があるので、ここでは、売上対比で比較してみると、No.1はハローズの9.7%である。No.2はサンエーの9.4%であり、No.3はイズミの7.6%である。さらに、もう数社見てみると、スーパーバリュー7.5%、ライフコーポレーション7.5%、タイヨー7.1%となる。したがって、潤沢な営業キャッシュフローとは、売上対比で約7%前後といえよう。決算公開企業約50社では、このハローズとサンエー、そして、イズミの3社を含め、上記数社のみであり、いかに、売上対比約7%前後が高い数字、すなわち、潤沢な営業キャッシュフローであるかがわかる。

   ただし、No.1となった今期のハローズは、決算時と金融機関への支払いのタイミングもあり、仕入れ債務が昨年より大きく膨らんでおり、これを考慮し、さらに昨年の営業キャッシュローを参考に、今期を算定しなおすと、約半分強が順等といえ、約5%と見た方が、良さそうである。したがって、約10%近い営業キャッシュフローの食品スーパーマーケットは、今期はサンエーのみといえよう。

   ついで、約5%以上の営業キャッシュフローの食品スーパーマーケットを見てみると、ジョイス6.6%、オオゼキ5.9%、マルヨシセンター5.8%、オーケー5.6%、大黒天物産5.6%、アークランドサカモト4.9%、マックスバリュ東海4.9%、平和堂4.8%である。先のトップクラスの企業を含め、全部で14社であり、これを見ても、売上対比で5%以上のキャッシュフローを生み出すのがいかに難しいかがわかる。

   では、約50社全体の営業キャッシュフローはどうかであるが、総合計は約3,000億円であり、売上対比では約4%である。したがって、食品スーパーマーケットとしては、少なくとも、売上対比で4%は営業キャッシュフローを確保したいところである。こう見ると、先にあげた、7%前後の食品スーパーマーケットがいかに高い数字かがわかる。

   ところで、営業キャッシュフローの中身は何かであるが、90%以上、たった2つの要素で説明できる。ひとつは当期純利益であり、そして、もうひとつは減価償却費である。営業キャッシュフローは、この2つが原資といえるが、その割合はどうかを見ると、決算公開企業約50社では、当期純利益が約1,500億円で、比率にして、約50%となる。減価償却費は約1,200億円であり、比率にして約40%である。意外に、減価償却費の割合が高く、その減価償却費の大半は出店にかかわる資産から生じており、つきつめると、出店戦略が営業キャッシュフローを支えているともいえる。

   こう見ると、営業キャッシュフローは、食品スーパーマーケットの経営にとって、最も重要なマーチャンダイジング戦略と出店戦略とに深く関係しているといえ、まさに、財務3表は、この2つの要素を通じて相互に連環しているといえよう。

   ちなみに、営業キャッシュフローNo.1のハローズの割合であるが、先ほども説明したように、仕入れ債務が大きな割合を占めており、当期純利益は約35%、減価償却費は約15%、合計約50%である。No.2のサンエーは、当期純利益が約70%、減価償却費が約20%で、合計約90%である。No.3のイズミは当期純利益が約45%、減価償却費が約40%、合計約85%である。全体を見ると、興味深いことに、下位にゆくほど、減価償却費の割合が高くなる傾向があり、結果、差し引き、当期純利益の割合が低くなる。

   営業キャッシュフローは全体として見れば、当期純利益と減価償却費の割合が約50%対約40%であるが、営業キャッシュフローのトップクラスの食品スーパーマーケットは当期純利益が高めであり、50%超える企業が多いが、下位クラスは、逆に、減価償却費の割合が50%を超える企業が多いのが実態である。したがって、営業キャッシュフローを強化するには、まずは、マーチャンダイジング力をいかに高めるかが、最優先課題といえよう。ついで、安定した新規出店を行い、減価償却費を高め、営業キャッシュフローを高めるかが課題となる。

   このように、営業キャッシュフローは経営の要ともいえ、この数字をいかに高めるかが強固な経営を築くためのポイントといえる。そして、そのためには、マーチャンダイジング力を強化し、当期純利益の極大化をはかり、ついで、安定した新規出店を行い、減価償却費を高めてゆくことが課題といえよう。改めて、食品スーパーマーケットにとって、営業キャッシュフロー、そして、それを支えるマーチャンダイジング戦略と出店戦略がいかに重要な要素であるかがわかる。

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September 10, 2009 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

September 09, 2009

品揃えをどう評価するか?

   これまで、品揃えの数字評価は、POSから上がってくるデータをもとに、様々な分析を行い、その結果をもとになされてきた。基本はABC分析であり、売れ筋をA、死に筋をCとし、A商品を強化し、C商品をカットし、新商品と入れ替えることによって、結果、品揃えが改善されるという考え方が基本にあった。ただ、売れ筋、死に筋を数量で見るか、金額で見るかは長い間、論争が繰り広げられ、中々、決着がつかず、多くの場合、両方を見比べながら、バランスをとるという形で、売れ筋、死に筋を判断してきたといえる。

   その後、PI値分析が普及しはじめてからは、売れ筋、死に筋を金額PI値で判断し、さらに、その中身をPI値(数量)と平均単価、双方から判断するようになり、売れ筋の中にも、PI値の高い商品、平均単価の高い商品、PI値、平均単価、双方が高い商品を区別するようになった。同様に、死に筋も、PI値が低い商品、平均単価が低い商品、PI値、平均単価双方が低い商品を区別し、この死に筋の中でも、PI値、平均単価双方が低い商品を、品揃えの優先度が低いと判断し、カット対象とし、新商品と入れ替えるという流れができあがった。

   従来の売上金額、売上数量だけでは、単純な判断しかできなかった売れ筋、死に筋も、PI値分析ができるようになってからは、少し、顧客の購買実態に踏み込むことができ、品揃えを以前よりは、深く考えることができるようになったといえよう。ただ、どちらも、基本は2元論の域を出ず、高いか低いかを1次元で見るか、2次元で見るかの違いであり、2次元で見た方がやや深く、高いか低いかを判断できるというにすぎない。

   本来、品揃えは、売れ筋、死に筋という2元論的な捉え方ではなく、必要か必要でないかという観点が先にあるはずであり、この点を最優先に考えて品揃えを決めるべきであるといえる。ところが、現状のPOSからは、必要であるか、必要ないかの判断に足るデータはあがってこないため、極論すれば、売れ筋は必要、死に筋は必要ないと同義語となり、品揃えの基準が本来の必要、必要ないから、売れ筋、死に筋に置き換わってしまっているのが現状であるといえる。

   よく、コンビニなどでは経験することであるが、いつも、いきつけのコンビニで買っていた商品が突然なくなってしまうということが起こる。これは、まさに、売れ筋、死に筋のことであり、自分にとっては売れ筋でも、コンビニにとっては死に筋であると判断され、カットされてしまうケースである。A商品を残し、C商品をカットすれば、C商品をよく買っていた顧客のA商品は当然カットされてしまう。この背景には、A商品は売れ筋であり、誰でもが買う商品であり、誰でも必要な商品であるという暗黙の了解があり、同様に、C商品は誰も買わない商品であり、必要ない商品であるという無意識の認識があるからであろう。

   ここ最近、CRM分析に取り組むようになって、どうも、この暗黙の了解、無意識の認識がおかしいのではないかと思うようになった。すでに、約20年に渡って、PI値分析をあらゆる商品で行ってきたが、金額PI値の高いもの、すなわち、A商品である売れ筋を強化しても、売上げが上がらない商品群が厳然としてあり、しかも、A商品を強化して売上が上がった商品群でも、ある段階に来ると、限界が訪れ、そこから先にゆくには、C商品を強化することが決め手となる場合が多々発生している。

   ところが、C商品の評価は従来の売れ筋、死に筋論では歯がたたず、全く、別の角度、次元の違う分析が必要といえ、どうも、その決め手として、CRM分析が有力な手法であることが、わかってきた。CRM分析には様々な方法があるが、品揃えを評価する方法としては、相関分析、ID金額PI値分析が有効である。

   いくつか事例を上げると、たとえば、牛乳の売れ筋は1,000mlであるが、500ml、200mlの品揃えは必要か必要でないか、また、同じ1,000mlの中でも、ABCがあり、C商品の品揃えは必要か必要でないかをどう判断するかである。この時、同じメーカーの同じ牛乳の1,000ml、500ml、200mlの相関分析をしてみると、当然、価格は大容量がお買い得であり、小容量が高めであるが、CRM分析で相関関係を見ると、あまり高い相関関係がないことが多い。それぞれが、独自の顧客を獲得し、相互交流があまり起こっていないことが見られる。このようなことが明らかになれば、いずれも、しっかり品揃えすべきであることが明らかになる。また、同じ、1,000mlのAとC商品のID金額PI値分析を試みると、C商品の方がA商品よりもID金額PI値の高い商品、すなわち、優良顧客がしっかり購入している商品がたくさん見つかる。これを果たしてC商品というのか、ID金額PI値で見れば、むしろ、A商品と定義でき、これまでのAとCが逆転する商品が見つかる場合が多い。

   このように、品揃えとは、本来、商品の単純な売上金額だけで判断できない要素が厳然として存在しているといえ、CRM分析は、これまでの分析では見えなかった判断基準を新たに提示する分析手法であり、特に、品揃えの評価には、必須の分析手法といえよう。CRM分析はまだ始まったばかりともいえるが、まずは、品揃えの再評価に活用してゆくところから入ると、実践的で、わかりやすく、また、効果も期待できるのではと思う。

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September 9, 2009 in CRM、FSP, 経済・政治・国際 | | Comments (1) | TrackBack (0)

September 08, 2009

YouTubeの可能性!

   本ブログでは、YouTubeについて、何度か取り上げている。特に、オバマ大統領が、民主党の大統領候補選定の選挙の時、クリントン候補と争った際に、選挙戦術でYouTubeを全面活用し、その勝利へ貢献する有力な武器のひとつとなったことを取り上げた。また、その後も共和党のマケイン候補との大統領選挙の時に、同様にYouTubeを活用し、勝利へ貢献することになったことも取り上げた。いずれも、YouTube上では圧倒的なオバマ大統領の勝利であり、実際の投票でも勝利となり、改めて、YouTubeのメディアとしての様々な可能性を示したといえよう。

   日本では、残念ながら、公職選挙法により、YouTubeは、選挙活動には活用できない状況にある。選挙前に自民党が民主党を批判するネガティブキャンペーンを張り、少し話題にはなったが、YouTubeの醍醐味は、選挙戦そのものをライブで刻々と伝えるところに、その魅力があり、政治、特に、選挙への活用は、現段階では難しいものがあるといえよう。ただ、民主党が政権を獲得したことにより、公職選挙法が改正され、来年の参議院選挙には、もしかすると、YouTubeが解禁される可能性もあり、期待したいところである。

   ところで、最近、YouTubeの活用で、見事に、成功したといってよい、日本での事例がある。ロッテのガム、フィッツのCMである。フィッツは3月に発売以来、本ブログでもガムのマーチャンダイジングについては何度か取り上げているが、様々なPOSデータを見ると、ガム全品の中でベスト10に入る快挙を示しており、日経MJ、新製品週間ランキングでも、初登場以来、菓子の上位をキープし続けていた。新商品としては、異例の大ヒットといえ、すでに、コンビニ、食品スーパーマーケットのガムの定番中の定番のひとつとなったといえよう。

   その大ヒットを演出したCM戦術の有力な武器となったのが、TVコマーシャルはもちろんであるが、YouTubeであったといえよう。どのようにYouTubeが活用されたかであるが、YouTubeの最大の魅力は、誰でも、いつでも、どこからでも、映像を投稿できることであり、しかも、その映像をパソコンで、携帯で、どこでも、いつでも見るとことができることである。フィッツのYouTubeの活用はまさに、この2点、動画投稿とその投稿動画を見るという双方を、ダンスコンテストというイベントを通じて実現したことにある。

   実際、現在のフィッツのYouTubeを見てみると、YouTubeにはチャネルという動画のホームページを作ることができるが、ここに、「ロッテ Fit's ≪フィッツ≫」というチャネルを作り、ここで、フィッツダンスコンテストを実施したことである。現在、このチャネルには、TVコマーシャルの動画を含め、投稿動画が1,767本投稿されており、すべての、動画を見るとことができる。ちなみに、現在のオバマ大統領のYouTubeのチャネルの動画は1,866本である。

   その1,776本の動画の中で、No.1はもちろん、TVコマーシャルの佐々木稀、佐藤健が、噛むとフニャンニャン、・・を踊る場面であるが、再生回数は、4,042,964回である。ちなみに、オバマチャネルのNo.1の動画は7,959,136回であり、その動画は、オバマ大統領が奇しくも、フニャフニャと踊っている動画である。No.3が5,052,863回、No.4が3,137,028であるので、4,042,964回は、すごい再生回数であるといえよう。そして、フッィツのNo.2から、ダンスコンテスト関連の動画となるが、No.2は1,148,028回、No.3は815,938回、No.4は577,714 回、No.5は557,141回であり、10万回以上が約50件ある。

   ちなみに、ダンスコンテストの上位の動画の現在の再生回数であるが、No.1となったベリーダンス風の動画は74,092 回、No.2の教室での掃除道具との踊りの動画は、305,037 回であり、こちらの方が、現在では、人気動画である。No.3は中庭でのチアガールの集団ダンス風であり、31,579 回である。現在では、コンテストの順位と再生回数とは一致していないが、いずれも、トップクラスの動画は10,000回単位での再生がなされており、コンテスト終了後も、その勢いが衰えていないといえよう。

   こう見ると、少なくとも、YouTubeがフィッツの大ヒットをもたらした効果は大きかったといえ、ロッテ Fit's ≪フィッツ≫チャネルは、YouTubeの様々な可能性を示すひとつの成功事例を作り上げたといえよう。ホームページが普及しはじめた時もそうであったが、通常の営業活動の会社案内やパンフレット等をそのまま、ホームページにアップし、その後の活用がなかなか進まないのが現状であった。そこに、ブログが登場し、いまや、ブログがホームページそのものともなりつつあり、この食品スーパーマーケット最新情報もまさに、ブログ型ホームページといえる。

   これに対して、YouTubeのホームページ、チャネルは、動画のホームページともいえ、しかも、誰でも、自分の動画を簡単に投稿できるという、視聴者参加型の動画ホームページであるといえよう。この動画参加型という観点からYouTubeをとらえなおすことにより、YouTubeの新たな可能性があるように思える。今回のフィッツは、YouTube世代と対象商品のコアの消費者がぴったり重なったということも、成功の大きな要因といえると思うが、YouTubeの潜在的な可能性を発掘したことは確かであり、YouTubeには、まだまだ大きな可能性があるといえよう。本ブログでもその活用を探ってみたいと思う。

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September 8, 2009 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

September 07, 2009

2010年度、中間決算公表はじまる、丸和、減収減益!

   食品スーパーマーケット業界、2010年度の中間決算の公表がいよいよはじまった。9/4に1月決算期企業の丸和が、第1号となり、いち早く、中間決算を公表した。今後、2010年度の中間決算公表予定は、1月期が9/9、マックスバリュ中部、9/14トーホー、9/18マックスバリュ北海道、同じく、9/19、2月期決算企業、第1号として、マックスバリュ東北、9/29、CFSコーポレーション、マックスバリュ西日本、そして、10月に入ると、10/1、セブン&アイH、10/2、オークワ、アオキスーパー、平和堂、10/5ベルク、カスミ、サンエー、10/6イオン、イオン北海道、イズミヤ、マックスバリュ東海、10/7、イズミ、丸久、天満屋ストア、10/8オオゼキ、イオン九州、マルヤ、10/9、ハローズ、ダイエー、マルエツ、北雄ラッキー、・・と続く。本ブログでは中間決算については、いち早く、財務3表の連環分析を実施し、その結果を解説してゆく予定である。

   さて、9/4に公表された丸和の2010年度1月期の中間決算の結果であるが、残念ながら、厳しい結果となった。売上高188.47億円(95.6%)、営業利益-1.96億円、経常利益-3.36億円、当期純利益-4.09億円となり、減収減益、しかも、すべての段階で利益は赤字となる厳しい結果であった。この3/17に、広島のユアーズが丸和の株式66.62%を取得し、親会社となり、経営再建に取り組んでいる真っ只中であり、その成果が問われる決算でもあったが、まだ、結果が表れていないといえよう。ただし、通期予想は、売上高400.00億円(99.3%)、営業利益3.60億円(前期赤字)、経常利益1.70億円(前期赤字)、当期純利益3.60億円(前期赤字)であるので、赤字は脱却する予想であるが、依然として、厳しい経営が続くものといえよう。

   丸和は、この9/4の中間決算の公表と同時に、業績予想の修正を公表し、今回の公表はその修正後であるが、それを見ると、当初予想よりも、売上高が-3.3%、営業利益が黒字から、赤字への転換であり、ここへ来て急激に数字が悪化したことがわかる。その要因を丸和は売上げについては、7月の集中豪雨の影響が大きく、利益に関しては、固定資産の減損損失の影響等が大きかったという。また、同じく、9/4にこのような厳しい経営環境の中、事業構造改革下の取り組みを公表しているが、それによると、「エリアドミナント戦略の見直しを軸として、付随する不動産賃貸借契約、光熱費等含めた固定費の総合的な検討を行い、店舗利益の極大化を目指して取組む方針」を、3ケ月を目途に取り組むとのことであり、9/4に開催された取締役会で決議したとのことである。

   では、今回の丸和の営業利益が赤字となった要因を原価、経費面からみてみたい。まず、原価であるが、74.2%(昨年76.2%)となり、原価は下がっており、結果、売上総利益は25.8%(昨年23.8%)と2.0ポイントと大幅に上昇しており、原価の上昇は見られず、むしろ、原価は改善されている。一方、経費であるが、27.3%(昨年25.4%)と大きく上昇しており、原価とは対照的な結果となった。したがって、差し引き、マーチャンダイジング力は、-1.5%(昨年-1.6%)と、昨年よりは若干プラスとなったが、依然として、マイナスのマーチャンダイジング力である。これに不動産収入等の当期純利益が1.0%(昨年0.9%)のり、営業利益が-0.5%(昨年-0.7%)と、マイナス幅はやや縮まったといえ、依然としてマイナスとなり、厳しい結果となった。特に、今期は、経費が予想以上に上昇したことが大きかったといえ、仮に、昨年並みに抑えられれば、営業利益が黒字に転じたといえるが、経費増が原価の改善をカバーできなかったことが、営業赤字となった要因といえよう。

   これに対して、丸和の財務状況であるが、昨年の自己資本比率9.3%(株主資本と累計損失(-58.18億円)との差がほぼイコールとなる経営のぎりぎりの厳しい状況)からは、ユアーズの資本増強により、13.5%まで上昇し、やや改善した。ただ、自己資本比率13.5%は上場食品スーパーマーケットの中ではワースト5に入る厳しい状況であり、今後、一層の改善が必要といえる。また、有利子負債は121.12億円(前期決算時121.14億円)と、当期純利益が赤字になったり、営業キャッシュフローが厳しい状況にあり、その削減も進まず、総資産に占める割合は46.2%(前期決算時44.6%)と、若干増加している。今後、経営の最優先課題が、負債の削減となり、食品スーパーマーケット本来の成長戦略、出店へ原資を回すことが厳しい状況である。9/4の取締役会で決議した「店舗利益の極大化」により、原資を生み出すこと以上に、待ったなしでの資産の圧縮、さらなる資本の増加も経営課題となろう。

   このように、ユアーズの子会社として、経営再建に取り組んでいる丸和であるが、この中間決算は減収減益、赤字決算となる厳しい結果となった。親会社ユアーズの資本増強により、自己資本比率はやや改善したが、累積損失は依然として大きく、有利子負債の削減も進んでおらず、今後、経営改革を一層加速させる必要があろう。今期は黒字予想、残り後半で経営状況が反転する予想ではあるが、消費環境はより厳しさを増しており、丸和としては、より、思い切ったリストラ案が必要といえ、後半、どのような経営改革を打ち出すかに注目したい。

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September 7, 2009 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

September 06, 2009

商品には2つの売上げがある!

   従来、売上げというと、商品の売上げをさし、商品ごとの売上金額を分析し、その結果をマーチャンダイジングに活かしてきたといえる。たとえば、豆腐の売上といえば、豆腐に分類される全商品の個々の売上げを合計したものであり、通常は約50種類ぐらいで構成されている。その約50種類の豆腐の中から、売上げの高い商品を重点商品とし、まずは、その重点商品の鮮度を高め、いかに欠品させないかを最優先に取り組み、豆腐全体の売上げアップを図ってきたといえる。これが、豆腐で最初に取り組むマーチャンダイジング政策といえよう。ついで、その他の商品をつぶさに調べ、商品の品揃えを見直し、豆腐全体の最適な品揃えに取り組むというのが次のステップである。

   このように、豆腐のマーチャンダイジングを考える時は、まず、豆腐の売上げを把握することがそのスタートとなる。ところが、ここ最近、CRM分析が導きだした答えは、豆腐の売上げにはもうひとつの売上げがあるということを発見したことである。通常、CRM分析を行うには、すべての商品をID金額PI値=ID客数PI値×金額PI値で分解し、従来の商品分析から得られる売上げに対して、IDから得られるID金額PI値を基盤にすえる。すなわち、商品からの売上げに対し、ID金額PI値は、ID、すなわち、顧客からの売上げを表していることになる。

   具体的な数字を当てはめてみると、豆腐の売上げが10万円であった場合、これを従来のPOS分析で見ると、豆腐の価格が100円とすると、点数は1,000個となり、10万円=1,000個×100円となる。これに対して、CRM分析を行うと、ID、すなわち、顧客という概念が入り、たとえば、豆腐を100人(ID)が購入した場合、顧客1人(ID)当たりの売上げ、ID金額PI値は、10万円÷100人(ID)=1,000円となり、さらに、この100人が1,000枚のレシートをもたらしているとすると、ID客数PI値は、1,000枚÷100人(ID)=10枚/IDとなる。まとめると、CRM分析では、ID金額PI値(1,000円)=ID客数PI値(10枚/ID)×金額PI値(100円)ということになる。

   この時、豆腐の売上げ10万円はどうなったかであるが、ひとつは、従来のPOS分析の商品そのものの販売数とその価格とを掛けた、1,000個×100円=10万と、まさに商品の売上げでとらえることができる。そして、もうひとつは、CRM分析を行い、ID、1人当たりの売上げに着目し、ID金額PI値1,000円×ID数100人=10万円としてとらえることができる。これは、豆腐には2つの角度から売上げをとらえることできるということであり、ひとつは、商品そのものの売上げ、そして、もうひとつは豆腐を購入する顧客の売上げということである。CRM分析が確立される以前には、顧客の売上げが存在せず、売上げといえば、商品からの売上げしかなく、顧客からの売上げという概念も、計算もできなかったのが実情である。

   なお、初期のPI値分析は、商品の売上げから、一歩、顧客の売上げに近づいたものであり、ID金額PI値=ID客数PI値×金額PI値の金額PI値で商品の売上げ把握するものであり、その意味で、CRMの一部、範疇とみることができよう。IDではなく、レシートまでが限界ではあるが、従来の商品からの売上げに対して、一歩、顧客からの売上げに近づいたのが初期のPI値分析といえよう。

   さて、最近のCRM分析は、さらに、もう一歩踏み込み、ID金額PI値を豆腐だけにこだわらず、豆腐以外の商品にも広げた分析にも入りつつある。いわゆる、商品変換といわれる視点の転換である。これは、豆腐を購入している10人のIDが豆腐以外に何を買っているかまで、踏み込む分析であり、ここまで踏み込むと、豆腐の購入IDが店舗全体にもたらす売上げへの貢献分析が可能となる。一見、デシル分析に似ているが、店舗全体ではなく、豆腐、しかも、最終的には豆腐の単品、1品1品にまで分析対象を広げるので、単純なデシル分析とは違い、CRM分析の商品変換といった方がわかりやすいかと思う。

   先のID金額PI値(1,000円)=ID客数PI値(10枚/ID)×金額PI値(100円)の同じIDの購入商品を豆腐以外の全品に広げたものである。たとえば、1レシート当たり、2,000円の買い物をしていたとすれば、ID金額PI値はID客数PI値(10枚/ID)×金額PI値(2,000円)となり、20,000円となる。この20,000円とは何か、これが豆腐の購入顧客10人(ID)がもたらす、店舗全体へのID当たりの売上げである。

   ということは、豆腐の売上げには、豆腐からのみ把握できる10万円という売上げと、ここで導きだしたように、豆腐の購入顧客10人(ID)が店舗全体にもたらす、20,000円×10人=20万円という売上が存在しているということであり、豆腐にはこの2つの売上げが存在しているということである。

    そして、この2つ目の売上げがCRM分析のみで得られる独特な売上げであり、しかも、この2つ目の売上げはすべての商品に存在している。この観点からマーチャンダイジングを再構築した時、これまでの商品の売上げをもとにしたマーチャンダイジングから新たなマーチャンダイジングの世界をつくることができ、豆腐の新マーチャンダイジングを新たに作り上げることが可能となる。また、これは、P/Lそのものを見直し、CRMのP/Lを要求しているともいえ、マーチャンダイジングだけでなく、経営そのものへの変革につながる力を秘めているといえよう。まだまだ、CRM分析は始まったばかりといえるが、今後、どのように発展してゆくか楽しみである。

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September 6, 2009 in CRM、FSP, 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

September 05, 2009

日経MJ、新製品週間ランキング、9/4、8月ラッシュ!

   9/4、今週の日経MJ新製品週間ランキングが公表された。一時、低迷していた新製品も、8月に入り、ラッシュともいえる様相を呈している。特に、菓子は、異常ともいえ、ベスト20の中に、8月以前に登場した新製品はわずか3品であり、17品が8月にはじめて登場した新製品となった。飲料でもベスト20品の中で、8月以前に登場した新製品は6品であり、14品がこの8月に登場した新製品である。また、冷凍食品では20品中、10品、その他食品では20品中13品、そして、家庭用品では最も少なく、10品中1品であったが、合計、全90品中、55品、約60%がこの8月に登場した新製品といえ、まさに、新製品ラッシュである。

   これほど、わずか1ケ月の間に登場した新製品が上位を独占するのは久しぶりといえ、しかも、今週は、菓子No.1の明治製菓、チップチョップ75gが金額PI値954円と、全新製品の中でトップとなるなど、菓子に異変が起きている。しかも、カバー率も86.8%と極めて高い数字であり、対象49チェーン250店舗の大半の店舗に導入されての数字といえ、びっくりである。来週以降、どの辺で落ち着くか、気になるところである。また、菓子No.2も明治製菓であり、ガルボチップス70gが、金額PI値、先週比95円アップの239円という結果であった。テレビコマーシャルも現在、広末涼子を起用し、その効果もあってか、カバー率も82.8%と高い数字である。

   これについで、No.3、No.4にはカルビーが入り、四季ポテトこんがり焼きしょうゆ味58g、金額PI値118円、四季ポテト秋じゃがベーコン味58g、金額PI値118円となった。平均単価も両新製品ともに95円と値ごろを抑えており、しかもカバー率も78.8%、76.4%と高い数字である。また、今週は日経MJでも解説されているが、No.6に亀田製菓、柿の種ペッパーコンソメ240gが、何と先週147位から急上昇しており、注目である。金額PI値は100円と、先週比88円アップであり、来週以降の数字がどの辺で落ちつくか気になるところである。いよいよ、柿の種もポテトチップス化してきたといいえ、今後、どのようなフレーバーが開発されるか楽しみである。ただ、カバー率がまだ34.4%と低く、今後、各チェーンがどこまで、この商品を採用するかが課題といえよう。

   これ以外にも今週の菓子は金額PI値は100円を切るが、まさに新製品のラッシュであり、今週初登場の新製品が、No.1のチップチョップを除き、5品もある。江崎グリコ、クラッシュポッキー<アーモンド>24本<4本×6袋>、明治製菓、カール焼きもろこし味72g、東ハト、ハーベストスィートポテト105g、不二家、ルック(パフェア・ラモード)12粒、不二家ルック(ア・ラモード)12粒である。

   また、飲料も、今週は新製品の新規投入が多く、No.1が今週初登場の日本コカ・コーラファンタワールドイタリアピーチ500mlペットボトル、金額PI値357円である。この新製品はNo.7にも1.5Lが金額PI値173円で入っており、注目といえよう。No.2にはサントリー、C.C.レモンゼロ500mlペットボトルが、金額PI値250円で入り、以下、No.5まで、サントリーが独占し、今週の飲料の新製品は、サントリーの勢いがある結果となった。No.3、ボスレインボーマウンテンブレンド190g、金額PI値222円、No.4伊右衛門焙じ茶500mlペットボトル、金額PI値216円、No.5白い桃のなっちゃん500mlペットボトル、金額PI値203円と、いずれも、金額PI値が200円のCランクを超えた。

   今週は、この菓子、飲料が特に、新製品ラッシュとなったが、その他食品、冷凍食品、家庭用品にも、今週初登場の新製品を含め、この8月度に登場した新製品が数多くある。その中で、今週初登場でランキングの上位に入った新製品をいくつか見てみると、まず、冷凍食品ではNo.1に森永乳業、エスキモー「MOW(モウ)クリーミーカスタード」150mlが金額PI値144円である。家庭用品では、No.2に花王、アタックNeo本体400gが金額PI値352円である。その他食品では残念ながら、トップクラスにはなく、No.11にキューピー、テイスティドレッシング和風香味野菜210mlが金額PI値115円であった。

   また、ここへ来て、冷凍食品の中の冷凍食品の新製品が増えつつあり、全20品中7品と半分近くになりつつある。ここ最近の家計調査データ等の消費動向を見ても、冷凍食品が復活してきており、この新製品のランキングでもそれが確認できる状況になってきたといえよう。ちょうど、No.7に、ニチレイフーズ、お弁当にGood!さけの塩焼き&ブリの照焼き4個入68gが初登場で金額PI値51円で入ったが、これ以外にも、今週初登場の冷凍食品が4品入っており、今後、注目といえよう。

   このように、日経MJ新製品週間ランキングは、夏も終わり、秋となり、まさに新製品ラッシュとなり、特に、菓子は異常ともいえるラッシュとなった。また、菓子以外でも、飲料、その他食品、冷凍食品でも同様な傾向が見られ、今後、当面、新製品ラッシュが続くものといえよう。今後、食品スーパーマーケットとしては、これら新製品から、何を定番に残し、何をカットするか、金額PI値、カバー率をもとに、しっかり見極める必要があろう。来週以降の日経MJ、新製品週間ランキングにも注目である。

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September 5, 2009 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

September 04, 2009

家計調査データ、2009年7月度、-4.5%!

   8/28、2009年7月度の家計調査データが総務省統計局から公表された。結果は、全体の消費が1世帯1日あたり9,196.06円(95.5%)、食品(外食を除く)が1,989.71円(98.9%)となり、食品は比較的堅調であったが、全体の消費はやや厳しい結果となった。特に、住居580.58円(92.5%)、交通・通信1,277.32円(93.6%)、教育297.81円(94.2%)等が95%を下回っており、これらが全体の消費を押し下げた要因である。ただ、食品の中でも、飲料147.35円(94.3%)、酒類126.90円(89.9%)と、昨年の猛暑の影響もあり、この2部門が95%を切っており、厳しい結果であった。

   昨年の猛暑の影響については、総務省でも別途、「天候の影響により支出が大きく減少したとみられる主な品目」というレポートを実質値で公表している。それを見ると、食品関係では、乾うどん・そば-12.5(寄与度-0.03)、 ゼリー -14.4(-0.02)、アイスクリーム・シャーベット -9.8(-0.04)、飲料 -3.1(-0.05)、ビール -15.9(-0.11)、食事代 -6.4(-0.24)、飲酒代 -11.6(-0.05)という結果であった。特に、寄与度をみると、食事代、ビールが特に大きかったといえる。

   そこで、家計調査データの食品の項目で95%を切った飲料、酒類について、その詳細を見てみたい。まず、飲料であるが、紅茶1.39円(74.1%)、果実・野菜ジュース29.35円(84.5%)、他の茶葉4.19円(87.2%)が、落ち込みが大きかった項目である。特に、果実・野菜ジュースは29.35円と飲料の中でも最も消費額の大きな項目であり、飲料全体に与える影響が大きかったといえよう。

   この果物・野菜ジュースについては、ここ数ケ月の数字を見ると、6月度26.20円(99.6%)、5月度25.19円(98.1%)、4月度22.57円(94.8%)、3月度20.06円(94.7%)、2月度19.36円(103.0%)、1月度17.19円(91.4%)という状況であり、もともと厳しい状況が続いてはいたが、この7月度の84.5%は、ここ数ケ月では最大の落ち込み幅であり、厳しい結果であった。ちなみに、昨年7月度は34.74円(114.6%)であるので、一昨年にもどったともいえ、猛暑の異常値を抜けば、実質、3年間横ばいが続いているともいえる。

   一方、酒についてであるが、やはり、ビールの落ち込みが56.58円(82.7%)と大きく、酒では最大の消費額であるだけに、酒全体への影響も大きかったといえよう。これについても昨年の7月度を見ると、68.42円(107.0%)であり、果実・野菜ジュースと違い、もとにもどった分けではなく、それ以上に今年の落ち込みは大きく、ビールはかなり苦戦したといえよう。特に、発泡酒18.29円(95.1%)、他の酒13.71円(103.4%)という状況を見ると、猛暑の影響以上に発泡酒、第3のビール等へ需要が移っているようである。

   また、酒は食品スーパーマーケットの中では、客数PI値、すなわち、購入客数の割合が最も少ない、限られた方のみ購入する典型的な商品群である。この7月度の家計調査データを見ても、酒全体は、客数PI値は97.8%、購入世帯のみの消費額は91.9%であり、ビールは94.0%、88.0%という数字を見ても、購入世帯数が減った以上に、購入世帯の消費金額が減っており、需要がまさに減少したといえる。ちなみに、酒の購入世帯、客数PI値は67.4%であり、約30%強が1ケ月に1回も酒を買わない世帯がいるということであり、このような商品は家計調査データの食品の中では、酒だけであり、酒は独特な商品群であることがわかる。

   では、このようにやや厳しい消費環境となったこの7月度、消費を伸ばした項目を見てみたい。大分類では、穀類が226.39円(104.1%)と、堅調な数字となり、これ以外では、乳卵類108.90円(102.3%)、調理食品278.97円(101.6%)、菓子類206.77円(100.4%)という状況であった。さらに、その項目を見てみると、穀類では、カップめんが7.58円(116.9%)と絶好調であり、小麦粉1.81円(107.7%)、米も75.00円(107.1%)と堅調な数字であった。乳卵類ではバター1.97円(113.0%)、チーズ9.68円(112.8%)が2桁の伸びであった。調理食品ではしゅうまい2.65円(118.8%)、冷凍調理食品14.68円(114.0%)が絶好調である。ちなみに、ぎょうざ5.61円(104.8%)、うなぎのかば焼き29.06円(106.6%)等も堅調であり、昨年の中国関連の食品問題は、この数字を見る限り、払拭されたといえそうである。

   そして、菓子類であるが、チョコレート菓子2.48円(128.3%)、まんじゅう3.94円(125.8%)、キャンデー5.55円(112.4%)が2桁の伸びであり、全体的に菓子は消費は堅調である。ただ、先にも取り上げたが、天候不順の影響を受けたアイスクリーム・シャーベットは34.58円(90.7%)と厳しい数字であり、食品スーパーマーケットの売場では冷凍食品とアイスクリームは同じ冷凍什器の中で併売されることが多いが、明暗を分けた結果となった。

   このように、この7月度の家計調査データは昨年の猛暑の影響が大きく、飲料、酒類に影響が出たが、これをカバーする形で、好調な部門として、穀類、乳卵類、調理食品、菓子類が上昇し、バランスをとった格好である。特に、好調な部門を見ると、大部分が値上げ関連商品ともいえ、値上げによる消費の底上げが、消費を支えているともいえる。ただ、この値上げは、消費者物価指数等を見ると、明らかに、デフレ傾向が鮮明であり、今後、徐々に解消されてくるものと予想され、今後、消費環境はかなり厳しい状況が予想されよう。来月、そして、秋以降の消費動向が気になるところである。

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September 4, 2009 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

September 03, 2009

ユニバース、証券業界が注目!

   ユニバースの株価にここ最近注目が集まっている。9/2現在、1,490円(4円、0.26%)であるが、8/20以降、株価が急上昇、ここ数日は落ち着いているが、チャートは明らかに、右上に力強く上昇しており、2007年4月24日に付けた1,590円の上場来最高値に迫る勢いである。しかも、5日移動平均0.06%、25日移動平均5.82%、13週移動平均14.43%、そして、26週移動平均26.37%という数字が示す通り、中長期的にも上昇トレンドを示しており、投資家からも、ここ最近だけでなく、注目の株価となっている状況である。

   では、なぜ、8/20以降、ユニバースの株価が注目されているかであるが、8/20付けのブルームバーグによれば、野村証券が8/19付けで、「投資判断を「1(買い)」でカバー開始。目標株価は1,850円と、前日の終値(1,415円)を30%以上上回る水準だ。」とのことで、野村証券が買いを推奨したことにあるという。この記事の中では、さらに、野村証券の担当アナリストの皆川良造氏が、東北の厳しい消費環境下で、「新規出店する競合企業は少なく、実質的にユニバースのみが店舗数の純増を維持している」と指摘し、「北東北の食品スーパーで一人勝ちの状態」と、投資家向けのメモを出したとのことである。

   このことが契機となり、8/20以降、ユニバースの株が大商いとなり、株価が急上昇したという。再度、8/20前後のユニバースの株価と売買高を追ってみると、8/19(1,415円、9.7千株)、8/20(1,540 円、78.7千株)、8/21(1,548円、48.5千株)、8/22(1,479円、62.1千株)となり、その後、1,500円をうかがう動きが、現在まで続いている。特に、8/20は、通常の約10倍という大商いとなっており、株価も大きく値を上げているのがわかる。

   本ブログでも、8/21に公表されたユニバースの第1四半期決算の増収減益の状況を解説したが、まさに、その直前に野村証券が投資判断を買いにしており、8/21は若干株価は上昇したが、翌日の8/22の株価は下がっている。投資家は、かなり混乱したのではないかと思う。ただ、ブログでも解説したが、ユニバースの減益は前向きの減益であり、敢えて新規出店の前倒しをしての経費増である。実際、2010年度4月期の決算予想は増収増益であり、この時期に、減益を恐れず、前向きの投資ができること事態が、ユニバースの強さを示しているといえる。その意味で、野村証券の買い判断と、今後のユニバースが北東北の食品スーパーで一人勝ちという予想は順等といえよう。

   ここで改めて、ユニバースの東北の上場企業の中での位置づけを確認してみたい。すぐに東北で思い浮かぶ超優良食品スーパーマーケットはヨークベニマルであり、ヤマザワであると思うが、この3社を様々な角度から比較してみたい。まず、1店舗当たりの売上高であるが、3社の中では、ユニバースがNo.1であり、21.7憶円となる。ヨークベニマルは21.5憶円でわずかであるが、ユニバースを下回る。ただ、その他営業収入を加えた営業収益で見ると、ヨークベニマルが22.2億円と、ユニバースの21.7億円を上回るが、その差はわずかである。ちなみに、ヤマザワは売上高15.2億円であり、やや規模が小さくなる。したがって、北東北というよりも、東北でも、恐らく、全国的に見ても、ユニバースの売上高は1店舗当たり、食品スーパーマーケットではトップクラスといえる。

   また、マーチャンダイジング力、すなわち、売上総利益から経費を引いた利益は3.5%と、これも東北No.1であり、全上昇食品スーパーマーケット約50社の中でも、ベスト5に入る高い数値である。ちなみに、ヨークベニマルは0.3%、ヤマザワは2.4%である。この2点から、ユニバースの収益性は規模、質ともに高い数字であるといえ、これが、キャッシュフローへとつながってゆく。前期決算では、営業キャッシュフローが31.9憶円となり、マーチャンダイジング力が強いため、安定したキャッシュを生み出しているといえる。

   ユニバースの1店舗当たりの出店関連資産は5.4億円であるが、この安定した営業キャッシュフローが確保できれば、毎年、最大5店舗の新規出店が可能といえ、実際、前期決算では、20.5億円の出店関連への投資キャッシュフローを行っており、単純計算で4店舗程度の出店に関する資産への投資となる。また、出店余力、すなわち、純資産と出店にかかわる資産とのバランスを見ると、-5.1%とやや負債に依存する財務構造となっているが、自己資本比率は60.6%と高い。一方、有利子負債は32.71億円と総資産の8.9%であり、現預金が58.76億円と総資産の16.1%あり、実質無借金といえ、出店余力は-5.1%以上に高いといえよう。しかも、キャッシュフローの範囲内で安定した新規出店が可能な強固な財務基盤である。

   したがって、野村証券が8/19に出し北東北で見ると一人勝ちというよりも、東北で見ても、ユニバースは食品スーパーマーケットとしては、競争力、出店余力ともに抜群であり、上場食品スーパーマーケットの中でもトップクラスであるといえ、全国的に見ても勝ち組の食品スーパーマーケットといえよう。今後、ユニバースが、北東北から、北上するのか、南下するのか、あるいは、秋田方面へ西へ向かうのか、その出店戦略、さらには、M&A戦略に注目といえよう。

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September 3, 2009 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

September 02, 2009

政権交代、民主党とCRM?

    8/30の衆議院選挙で民主党が308議席(過半数240議席)を獲得し、自民党から民主党への政権交代が実現した。第2党となった自民党の獲得議席は119議席であるので、その差、約3倍と、圧倒的な大差がついた。これは、小選挙区制度という選挙の仕組みが、これだけの大差を生んだ要因もあるが、それ以上に、もっと大きな要因は、政治、そのものの仕組み、システムの違いが、民主党と自民党にあったように思う。

   では、民主党と自民党の政治の仕組み、システムは、どこが決定的に違ったのかを考えてみたい。まず、決定的な違いは、政党名から連想されるイメージの違いである。民主党は国民が主体であるという理念がそのまま感じられ、そこには、特定の集団を意識せず、国民一人一人につながっているイメージがある。スローガンの「国民の生活が第一」も、民主という名前を具現化しており、違和感がない。 

   これに対して、自民党は自由民主党の略であり、民主という言葉も含まれているが、それ以上に自由という言葉が強く打ち出されている名前である。その自由は、そもそも、その出発点は共産主義に対する自由主義、すなわち、資本主義を堅持するというイデオロギーがその根底にあり、極めて、政治的な言葉である。したがって、自然、共産主義を意識し、その対立軸があってこそ、価値のある言葉である。ところが、その共産主義そのものが、もはや、自由主義に対立する力がなくなり、自由主義が圧倒的に優位になったにもかかわらず、自由を全面に押し出した名前そのものが時代にそぐわない面があるといえよう。本来であれば、自由より、民主をむしろ全面に押し出したいところであろうが、民主党がある以上、民主を強く押し出すわけにもいかず、自由を全面に出さざるをえないところに問題があるように思う。

   今回の選挙結果を見ていると、いわゆる無党派層の動向が大きな決め手になっていることがわかる。たまたま、私の出身地、埼玉県の比例の得票数を見てみると、前回2005年の小泉郵政選挙の時と、今回の選挙の民主党と自民党の合計得票数は約250万票でほとんど差がない。ところが、前回は自民党が約140万票、民主党が約110万票と自民党が圧勝したのに対し、今回は、民主党が約160万票、自民党が約90万票と民主党が圧勝している。特に、今回は出口調査などの状況を見ると、埼玉県は自民党支持者の20%ぐらいが民主党に投票していたこともあり、これを考慮すると、双方、基礎票は100万票ぐらいであり、これを差し引いた無党派層が約50万票ぐらいあると推測される。

   したがって、各政党のコアの支持者を固めることは、この結果からも重要であるが、それ以上に、もっと重要なのは、無党派層の約50万票に対する、まさに、個に対するアプローチであるといえる。特に、小選挙区制度では、その差が決定的なものになるといえよう。ちなみに、公明党は約45万票、日本共産党は約30万票と前回、今回とほとんど変化がなく、無党派層はこの2党にはほとんど影響を与えていないといえる。

   この無党派層への民主党、自民党どちらが強くアピールでき、その心をつかめるかが政権そのものを左右する時代になったということであろう。これは、食品スーパーマーケットでいえば、まさに、CRM戦略そのものともいえる。顧客全体(マス)の欲しい商品をつかみ、その商品を強化すれば、売上げが上がった時代から、顧客個々の購買履歴を分析し、顧客個々への極め細かい対応が、まさに、CRMが、売上げ、そして、利益を左右する時代になったのに似ている。

   その象徴的な民主党のCRM戦略が子供手当てであり、農業の個別所得補償であるといえよう。どちらも個別に重点をおいた政策であり、前者は明らかに無党派層に焦点を当てており、後者はどちらかというと自民党のコアな層に焦点を当てるという、対極的なCRMの応用である。これまでの自民党の政治手法では、国民一人一人に焦点を当てる政策はメインではなく、全面に押し出しにくかった政策でもある。このような、まさにCRM的な発想での政策を立案し、実行する政治の仕組み、システムが、特に、無党派層をつかむには必須となってきたということであり、これに、いち早く、対応しようとしている民主党と対応できていない自民党との差が、決定的な段階にまでなってしまったのではないかと思う。

   このようにCRMは票の獲得に対しても効果があるが、もう一方で、財源の確保に対しても効果があり、むしろ、CRMのスタートは、どの顧客からの売上げ多いかを分析し、その顧客を優遇することで売上げを最大にしようという政策立案から始まっている。

   民主党も今回財源はどこからという問題がさかんに指摘されたが、予算の組み替えも重要な財源確保の手法であるといえるが、食品スーパーマーケットでも最も利益を出している企業は経費を削減して利益を出している企業ではない。むしろ、客数を増やして、坪売上げを引き上げ、売上げ効率を高めている企業が、結果的に経費比率を落とし、利益を出しているのが実態である。票の獲得だけでなく、財源の部分にも個別アプローチ、すなわち、CRMの発想を入れ、経済を活性化し、税収を増やす政策も打ち出して欲しいところである。逆に、この部分は自民党が強い領域でもあり、自民党が再生するためにも、CRMの発想で、自民党の強みを生かし、経済の活性化を政策立案に活かしてはどうかと思う。

   いずれにせよ、今回の選挙は政治の仕組み、システムが大きく変わった、そして、変わりつつあることを示しており、民主党はいち早くその変化をつかみ、自民党はその変化をつかみ切れず、ネーミングから来るイメージを含め、依然として、新たな政治の仕組み、システム構築への取り組みができない状況にあり、その差が、無党派層をつかみきれず、小選挙区制度の中で、決定的な議席数の差になってあらわれたように思う。


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September 2, 2009 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

September 01, 2009

消費者物価指数(CPI)、2009年7月度、-2.2%!

   8/28、消費者物価指数(CPI)が総務省統計局から公表された。結果は、総合指数が昨年同月比で-2.2%となり、デフレ傾向が鮮明になった。8/29の日経新聞でも、「デフレ懸念じわり」、「日用品や衣料、下落品目広がる」という見出しで、記事が掲載されているが、昨年のインフレの反動もあり、デフレ傾向は当面続きそうである。日経新聞にはデフレの解説が掲載されているが、IMFなどでは、2年程度、物価の下落が続いている状況をデフレというとのことで、ここから判断すると、日本では、消費者物価指数がマイナスに転じたのは、ここ数ケ月であるので、現段階ではデフレではないという。ただ、デフレ基調であることは明らかであり、今後の動向が気になるところである。
   
   消費者物価指数は3段階に分けて計算されており、1つ目が総合指数であり、前年同月比で-2.2%となった。2つ目が生鮮食品を除く総合指数であり、これも、前年同月比は-2.2%の下落となった。そして、3つ目が食料(酒類を除く)及びエネルギーを除く総合指数であり、前年同月比は-0.9%の下落となった。したがって、ここからもわかるように、現在のデフレ基調は、食料とエネルギーの影響が大きいといえる。実際、その寄与度を見てみると、食料は生鮮食品が-0.18ポイント、光熱・水道が-0.61ポイントと大きいが、もうひとつ、実は、これ以上に大きい項目があり、交通・通信-1.06ポイントである。10大費目の中では、最大の落ち込みであり、しかも、寄与度が大きい。また、これ以外にも、教養娯楽も0.30ポイントと生鮮食品よりも大きく、この7月度のデフレ基調は、この4つ、交通・通信、光熱・水道、教養娯楽、そして、生鮮食品がその原因であるといえよう。
   
   そこで、さらに、踏み込んで、この4つの項目の中で、特に、消費者物価が昨年同月比で下落した項目を見てみると、交通・通信では、何といっても自動車関係費が-11.7%と大きく下落している。その中でも自動車維持費が-14.7%と大きく、さらに、その中のガソリンの-30.5%が最大の落ち込みである。次に、光熱・水道であるが、-8.1%であり、その中でも、灯油が-43.4%と半値近い数字の落ち込みであり、ついで、電気代の-4.4%、都市ガス代の-4.1%と続く。3つ目の教養娯楽であるが、これは教養娯楽用耐久財が軒並み下落しており、パソコン(ノート型) -48.4%、パソコン(デスクトップ型)-39.0%、テレビ(薄型) TV sets (LCD)-30.6%、カメラ-30.6%、ビデオカメラ-24.1%、携帯オーディオ機器-23.5%、DVDレコーダー-22.8%、ステレオセット-15.8%と大きく下落しており、家電関連は厳しい価格競争となっている状況といえよう。

   そして、4つ目の生鮮食品であるが、魚介類が-1.1%、その項目を見ると、たこ-13.7%、いか-11.0%、いわし-9.9%、さば-7.2%、あじ-4.5%、まぐろ-4.2%、ほたて貝-4.1%、えび-3.5%、たい-1.9%、かれい-1.4%、ぶり-1.2%である。主力の鮮魚が軒並み、下落している状況である。肉類はさらに下落しており、-2.1%である。その項目を見ると、牛肉B-9.8%、鶏肉-3.3%、牛肉A-1.9%と、特に、牛肉の下落が大きく、さらに、昨年は絶好調であった鶏肉が下落している。生鮮野菜、生鮮果物も-4.8%、-5.2%と下落しており生鮮3品すべての消費者物価が前年同月比を大きく割り込んでいる状況である。

   その生鮮野菜の項目では、にんじん-18.4%、かんしょ-17.7%、はくさい-15.7%、れんこん-13.4%、キャベツ-13.1%、ピーマン-12.7%、えだまめ-12.0%、なす-12.0%、さといも-11.0%、アスパラガス-8.3%、レタス-8.0%、えのきだけ-7.7%、ごぼう-6.7%、ブロッコリー-6.1%、もやし-4.7%、生しいたけ-4.7%、しめじ-4.6%、かぼちゃ-4.5%、きゅうり-4.4%、さやいんげん-4.3%、ながいも-2.2%と、軒並み、しかも、大きく下落している。また、生鮮果物はレモン-21.6%、もも-8.9%、ぶどうA-8.5%、すいか-8.3%、グレープフルーツ-6.9%、りんごB-6.2%、ぶどうB-6.1%、キウイフルーツ-3.3%、さくらんぼ-2.7%、メロン-2.4%という状況である。こう見ると、食品の中では、生鮮3品の落ち込みが、この7月度はいかいに大きかったかがわかる。

   総務省の公表データには、過去1年間の月別の折れ線グラフも掲載されているが、これを見ると、昨年の4月頃から10月までインフレ基調であり、10月がピークである。まさに、9.15のリーマンブラザーズショックまではインフレ基調、その後はデフレ基調、となっており、このデフレ基調は少なくともこの10月までは続き、しかも、加速傾向となることが予想される。したがって、あと3ケ月間はデフレ基調が強まるといえるが、その後は、グラフを見る限り、落ち着いてくるのではないかと予想される。ただ、昨年以上に、落ち込み幅が大きれば、デフレ基調が継続することも懸念され、ここ数ケ月の動向が、今後のデフレ基調を決めることになろう。その意味で、来月、再来月の消費者物価指数がどこまで下がるか、その動向に注目である。

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September 1, 2009 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (1)

August 31, 2009

メーカー向けのセミナー開催、久しぶり!

   「スーパーマーケット、商談前の決算チェック、ここが提案ポイント」、というテーマでメーカー向けのセミナーの開催が決まりました。(株)日本マーケティング研究協会主催ですが、10/12、私が講師として、講演します。財務3表連環表を駆使し、メーカーの方が商談前にチェックすべき、決算内容をまとめ、具体的な提案に向けてのポイントを解説する予定です。今回のセミナーは、メーカー向けの内容ですが、小売業にとっても十分に参考になると思いますので、本ブログの左上、「セミナー開催」から、申し込みが可能ですので、是非、ご検討ください。

   さて、食品スーパーマーケットのための財務3表連環分析もVol.1が完成し、すでに本ブログを通じて、販売を開始し、無料解説版、「MD力って何だ!」もリリースしました。今後、より完成度を高め、内容の充実に努めたいと思いますが、今回のノウハウ開発を通じて、改めて、食品スーパーマーケットには食品スーパーマーケット特有の財務分析が必要であると実感しました。

   そもそも財務3表は何のためにあるのか、ということを突き詰めてゆくと、当たり前のことですが、その内容のひとつひとつの項目を見れば見るほど、投資家のためにあるということが明確になります。では、投資家は何のために財務3表を見ているのでしょうか。これも財務3表をみてゆくと、ただ一点、配当ということにつきあたります。財務3表は極めて大胆にその目的を断ずれば、投資家の配当を目的として作成されたものであるといえるかと思います。

   したがって、財務3表は投資家にとって、配当が可能かどうか、どのくらい可能か、しかも、長期に渡って可能かどうかを判断するためのものといえます。P/LもB/Sも、そして、CFもすべて、配当につながっているわけです。配当という観点から、財務3表を見ると、P/Lは今期の配当を、B/Sは長期に渡っての配当を、CFは、今期の配当の配分を示すものといえ、こういう観点で財務3表を見ると、財務3表は極めて合理的であり、無駄がなく、すっきりしているといえます。もちろん、まだまだ、今後、改善、工夫の余地はあると思いますが、財務3表は完成度の高い投資家のための配当を判断するためのもの、最良の判断材料といえるかと思います。

   では、この財務3表を食品スーパーマーケットの経営のために活用するにはどうしたら良いでしょうか。当然、このままでは、投資家の配当を判断するためのものとなり、食品スーパーマーケットの経営実態を把握し、経営改革につなげてゆくことにはならないわけです。では、どうすればよいか、そのひとつの答えが、今回、財務3表連環分析で示したように、食品スーパーマーケットのための財務3表を目指して、その視点を明確にして、財務3表を再構築することにあると思います。

  では、その視点は何か、当然、配当ではありません。配当は、投資家にとっては、最大の目的ですが、食品スーパーマーケットの経営にとっては、最大の目的にはならないからです。食品スーパーマーケットの経営の最大の目的は、何か、それは、商品と顧客の関係を最良に保ち、顧客を増やすこと、これ以外にありません。そして、これを食品スーパーマーケットの経営という視点で見ると、前者がマーチャンダイジング、後者が出店といいかえることができると思います。この観点から財務3表を見ると、財務3表が食品スーパーマーケットにとってのものとなり、はじめて、食品スーパーマーケットの経営にとって意味を成してくるといえます。

   たとえば、P/Lはマーチャンダイジング力を判断するためのもの、B/Sは出店余力を判断するためのもの、そして、CFは経営判断の成否を読み解くためのものというように再解釈するのです。財務3表は現状は投資家の配当の判断のためのものですが、ここに食品スーパーマーケットの経営の視点を入れ、財務3表を組み換え、連環させることによって、食品スーパーマーケットのための財務3表、まさに、財務3表連環表ができあがるのではないかと思います。

   ここで、財務3表の組み換えについて、ひとつ例を示すと、現状のP/L上では、マーチャンダイジングの実態を読み取ることはできません。マーチャンダイジングは経費と原価の関係を示す指標といえ、P/Lの売上高、原価、売上総利益、その他営業収入、経費、営業利益の項目を組み換えて原価と経費を直接つなげる必要があるからです。投資家の配当という目的では、このような組み換えはかえって無駄となりますが、食品スーパーマーケットの経営、マーチャンダイジングの実態を見るには必須となるわけです。

   このような組み換え、視点の転換はB/S、CFにもあり、その意味で、財務3表は、食品スーパーマーケットの経営実態を把握し、改革につなげてゆくには、食品スーパーマーケットの経営の視点を導入し、新たに項目を組み換えたり、場合によっては、新たな分析指標を作ることなどが必要となります。そして、さらに、この財務3表を一体としてとらえ、しかも連環させる原動力がCFにあるといえ、このCFに経営哲学、経営者心理が反映されているといえ、この視点からも財務3表は見直す必要があるといえます。

   今回のセミナーはメーカー向けのものですが、財務3表連環分析のVol.1が完成してはじめてのセミナーでもあり、ここで、財務3表連環分析の最新のノウハウをもとにメーカーのための商談への活用方法を提示したいと思います。また、今後、本ブログでも、この分析手法を駆使し、今後の中間決算、来期決算、そして、過去の決算についても取り上げてゆきたいと思います。

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August 31, 2009 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

August 30, 2009

ワインのPOPを考えてみる!

   日経MJ、8/28の記事に、「ワイン売り場の情報提供」という投稿記事が掲載された。シニアソムリエ、米野真理子氏の記事である。サブタイトルは、「難解な説明コメントは使わない」、「顧客の声を紹介し、親しみやすさを」、「ランキング手法を使うのも手」というものであり、ワインをいかに販売してゆくかのポイントが様々な手法を駆使して取り上げられていた。

   ワインについては、以前、チェーンストアエイジで、POSデータの詳細な分析にもとづくマーチャンダイジング政策を取り上げたことがあるが、今回の日経MJの記事にあるように、ワインはマーチャンダイジングだけでは解けない問題がある。マーチャンダイジングは一般に商品分析にもとづく、商品の売上げを上げるためのあらゆる政策のことであるが、ワインは、これに、顧客分析にもとづく、顧客からの売上げを上げる政策を強く打ち出す必要があるからである。これは、通常のPOS分析ではなく、ID-POS分析、すなわち、CRMの分野であり、この角度からワインはマーチャンダイジング政策を再構築する必要があり、マーチャンダイジングというよりも、マーケティングに近い政策が決め手となる独特な商品であるといえる。

   ワインは現状のPOS分析、家計調査データ等からも、独特な商品である事実がいくつも存在する。たとえば、先のチェーンストアエイジの記事の中で取り上げたPOS分析の時も、全国の食品スーパーマーケット約400店舗のワインの種類は4,000種類(SKU)を優に超え、しかも、客数PI値、すなわち、導入対象店舗の客数の割合が10%を超える商品はほとんどなく、最大でも30%を超えるかどうかである。ほとんどが、数%の世界であり、これは、各食品スーパーマーケットのワインの品揃えがいかにばらついているかを表しているといえる。このような食品スーパーマーケットのカテゴリーは、稀であるといえ、似たカテゴリーを探すと、焼酎、乙類が良く似ているといえよう。そう考えると、ワインと焼酎はマーチャンダイジング政策が良く似ており、単純なマーチャンダイジングでは解けない、マーケティング戦略が必要な独特な商品といえよう。

   また、家計調査データを見ると、ワインは客数PI値が10%を切り、このような客数PI値の低い商品はウィスキーぐらいであり、ワインはごく限られた顧客が嗜む商品であるといえる。ちなみに、この6月度の家計調査データの数字を見ると、8.1%であり、ウィスキーが3.3%であるので、ウィスキーよりは高いが、8.1%は90%以上、月に1回もワインを購入しない家計があるという数字であり、食品スーパーマーケットの取り扱い商品の中では極めて特異な商品であるといえよう。

   したがって、ワインは2つの角度からのマーケティング、マーチャンダイジング政策が必要といえる。ひとつは、食品スーパーマーケットに来店しても、購入しない90%以上の顧客に購入を促す、まさに、マーケティング政策である。そして、もうひとつは、一旦、ワインを購入した顧客に再度、リピート購入を促すマーチャンダイジング政策である。この2つの角度からのマーケティング、マーチャンダイジング政策がバランスよく展開されることが、ワインの売上を押し上げてゆくポイントであるといえよう。

   このような観点から、改めて、日経MJのワインの記事を読んでみると、はじめの方で、「今までワインに興味を持っていなかった方を取り込む仕掛けをつくる方が早道である」ということであり、これはまさにワインのマーケティング政策といえよう。具体的には、手書きPOP、顧客の感想POP、ワインランキングなどであるという。特に、このワインランキングは、まさにCRMの手法であり、通常のPOS分析が全体客数を分母にしたランキングしか示せないが、CRM、ID-POS分析では、様々な顧客を分母にし、ランキングを、それこそ無限に作れるといえ、このノウハウをいかに応用するかがポイントであるといえよう。

   また、記事の後半では、「購買履歴をデータベース化し、ポイントを絞ったDMで4割近いレスポンスを上げた」という内容が紹介されているが、これはまさに、CRMの独壇場ともいえ、これ以外にも、逆に、このデータをマーチャンダイジングに活かし、品揃えの活性化にいかにつなげるかもポイントであろう。ワインは重点商品に絞った途端に売上げが落ち、品揃えの売上げ構成比が50%を超える典型的なカテゴリーであり、いかに、4,000種類を超える品揃えの中から選び抜き、絶えず、品揃えを変化させるかもマーチャンダイジング上の重要な政策であるといえる。

   今回の日経MJの記事は、まさに、この独特なワインの売上げをいかに上げるかについての実践での貴重な事例が紹介されており、これに、CRM分析が加わると、さらに強力なワインのマーケティング、マーチャンダイジング政策ができあがるといえ、今後、ワインは、POS分析の進化とともに、新たなマーケティング、マーチャンダイジング政策が作られ、検証され、市場を拡大してゆくのではないかと思う。いずれ、機会があれば、ワインの詳細なCRM分析を試みたいと思う。

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August 30, 2009 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

August 29, 2009

現金と有利子負債のバランスを考えてみる!

   前回のブログで、ユニバースの2010年4月度の第1四半期決算を取りあげた。残念ながら、増収減益という厳しい結果であったが、この減益は前倒しでの積極投資を行った上での攻めの減益といえる。通常、食品スーパーマーケットで投資、ほとんどの場合が新規出店に向けての投資であるが、これが行われると、過度の場合は財務バランスを崩し、経営が悪化する場合があり、投資の際には慎重な経営判断が必要といえる。ユニバースの場合は、この点、慎重な経営判断がなされており、営業キャッシュフローを超える投資に対して、新たな借り入れを増やすことなく、自社の現金を取り崩して行っており、しかも、財務バランスを崩すことなく、自己資本比率もわずかであるが、上昇させている。このようなケースは稀であるといえ、強固な財務体質を持つ食品スーパーマーケットでなければできない経営判断であるといえよう。

   今期は、消費環境が急激に悪化し、食品スーパーマーケットを含め、業態間競争も激しさを増すことが予想される中、投資余力が改めて問われることになろう。投資余力がある企業は借入に頼らず、営業キャッシュフローで足りない分の投資資金を自社の現金を取り崩すことで、しかも、財務バランスを悪化させずに、可能となる。そこで、2009年度の本決算から、投資余力、すなわち、現金と有利子負債の差が大きい食品スーパーマーケット、逆に、厳しい食品スーパーマーケットを見てみたい。

   まず、現金であるが、財務諸表の中では、B/Sの資産の流動資産のトップにあり、現金及び預金がそれにあたる。食品スーパーマーケット上場企業および決算を公開している全54社の平均は総資産対比で7.7%である。したがって、7.7%以上の食品スーパーマーケットが平均以上ということになり、その食品スーパーマーケットを見てみると、アオキスーパー34.4%、大黒天物産32.0%、オーケー29.6%、オオゼキ25.9%、マックスバリュ東海24.7%、九九プラス24.1%、マルミヤストア21.6%が20%以上である。ついで、サンエー19.7%、ジョイス18.9%、ユニバース16.1%、ハローズ14.6%、マルキョウ13.9%、PLANT13.8%、カスミ12.2%、トライアルカンパニー11.9%、タイヨー11.6%、ヤマナカ11.6%、スーパーバリュー11.3%、ドミー11.1%、関西スーパーマーケット11.0%、原信ナルスH10.6%、ヤマザワ10.2%、マルヤ9.7%、北雄ラッキー9.5%、スーパー大栄7.9%となる。逆に、現金比率が低い食品スーパーマーケット、5.0%以下を見てみると、マックスバリュ北海道4.2%、エコス4.1%、Olympic3.8%、平和堂3.6%、マックスバリュ中部3.4%、イズミヤ3.3%、マックスバリュ東北2.9%、イオン九州2.8%、アークランドサカモト2.7%、マックスバリュ西日本2.6%、イズミ2.5%、天満屋ストア1.8%である。

   次に有利子負債の対総資産比率であるが、平均は27.9%であり、20.0%を下回る食品スーパーマーケットを見てみると、オオゼキ0.0%、マックスバリュ東海0.0%、ヨークベニマル0.0%、マックスバリュ西日本0.3%、アオキスーパー0.8%、東武ストア3.7%、サンエー4.4%、ヤマザワ5.2%、九九プラス7.0%、ユニバース8.9%、いなげや9.7%、アークス11.3%、大黒天物産11.9%、カスミ12.3%、ヤオコー14.9%、マルキョウ15.1%、マックスバリュ中部15.8%、マルミヤストア18.1%、オークワ19.0%、関西スーパーマーケット19.3%となる。逆に、50.0%を超える食品スーパーマーケットを見てみると、ドミー50.5%、マツヤ52.4%、スーパーバリュー55.2%、PLANT55.6%、天満屋ストア56.3%、マルヨシセンター62.8%となる。

   ここから、現金-有利子負債を求めてみると、プラスになる食品スーパーマーケットはわずか13社であり、しかも、平均は-20.2%であるので、食品スーパーマーケットの財務状況は全体としては、有利子負債に依存する財務構造であることがわかる。その中でも、負債依存度の少ない13社の食品スーパーマーケットは、アオキスーパー33.6%、オオゼキ25.9%、マックスバリュ東海24.7%、大黒天物産20.1%、九九プラス17.1%、サンエー15.2%、オーケー8.1%、ユニバース7.1%、ヨークベニマル 6.0%、ヤマザワ5.0%、マルミヤストア3.5%、マックスバリュ西日本2.3%、東武ストア1.8%である。ちなみに、イオンは-25.5%、セブン&アイHは-3.8%である。

   このような実態を見ると、今回、ユニバースが積極投資により、一時的な減益となり、キャッシュフローが逆流となり、財務キャッシュフローに頼らず、現金を取り崩して、投資を行い、さらに、有利子負債まで返済し、配当も出すということが可能であった背景には、この現金-有利子負債がプラスであり、しかも、10.0%近い余力があったからであるといえよう。この財務余力、現金余力とでもいう力がないと、このような逆流のキャッシュフローを財務バランスを崩さずに補うことは不可能である。

   今期、食品スーパーマーケット業界は後半以降、消費環境の改善は望みにくく、業態を超えた空前の価格競争が予想される。このような厳しい環境では逆流のキャッシュフローとなる食品スーパーマーケットが続出するものと予想されるが、そのような状況の中でも投資が可能な食品スーパーマーケットがまさに、現金余力であるといえよう。今期は、食品スーパーマーケットの現金、キャッシュの力が経営の盛衰を握るのではないかと思う。 

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August 29, 2009 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

August 28, 2009

ユニバース、2010年度、第1四半期決算、増収減益!

   ユニバースが8/21、2010年4月度、第1四半期決算を公表した。結果は、売上高242.35億円(104.5%)、営業利益6.65億円(-14.6%:売上対比2.74%)、経常利益7.02億円(-14.8%:売上対比2.89%)、当期純利益4.16億円(-14.5%:売上対比1.71%)となり、増収減益、しかも、利益はいずれの段階でも2桁減となる厳しい結果となった。ただ、この減益は、急激な消費環境の悪化を受け、前倒しでの新規出店等の積極的な投資を行ったためであり、攻めの減益といえよう。

   実際、ユニバースの通期予想を見ると、売上高1,026.53億円(107.4%)、営業利益35.06億円(103.5%:売上対比3.41%)、経常利益35.80億円(102.9%:売上対比3.48%)、当期純利益19.44億円(103.6%:売上対比1.89%)と増収増益予想であり、しかも、売上げも第1四半期の104.5%を超え、107.4%と増加予想、後半ドライブ型であり、前半は我慢の経営であるといえよう。ただ、消費環境はより厳しさを増しており、予想通り、増収増益を確保できるかどうか、今後の動向を見守る必要があろう。

   そこで、ユニバースのキャッシュフローを見ると、まず、投資キャッシュフローであるが、-8.5億円であり、昨年も-8.5億円であるので、投資キャッシュフローの総額は同じである。ただ、その中身は、出店にかかわる資産への投資、有形固定資産の取得による投資が7.3億円と昨年の3.2億円の2倍以上に増加しており、前倒しでの新規出店への投資がなされていることがわかる。一方、営業キャッシュフローは、当期純利益が減益となったため減少しているが、法人税等の支払額が昨年より減少したため、トータルでは5.3億円と、昨年の2.1億円よりも、増加している。ただ、投資キャッシュフローをカバーできてはおらず、結果、合計のフリーキャッシュフローは-3.1億円のマイナスとなり、逆流のキャッシュフローとなった。
   
   したがって、財務キャッシュフローでカバーするか、現金を取り崩すしかないが、財務キャッシュフローも-4.4億円のマイナスであり、トータル-7.5億円のマイナスと、現金を取り崩すこととなった。特に、財務キャッシュフローの中身を見ると、長期借入金の返済と配当を行っており、借入を増やしての投資という選択をとらず、現金を-7.5億円取り崩す選択を敢えてしているといえよう。

   このキャッシュフローの遣り繰りを見ると、この第1四半期は、いくつもの厳しい経営決断に迫られたことがわかる。投資キャッシュフローが営業キャッシュフローの範囲内で抑えられれば、フリーキャッシュフローがプラスとなり、その余力で財務キャッシュフローを補うこともできたと思われる。ただ、この第1四半期は予想以上に消費環境が悪化しており、前倒しでの新規出店への投資をせざるをえず、投資キャッシュフローが膨らんでしまい、結果、営業キャッシュフローでカバーできなくなってしまったといえよう。その営業キャッシュフローも、減益となったことにより、昨年よりも減少したことも、大きかったといえよう。

   そこで、そのマイナスをカバーするために、借り入れを起こすか、現金を取り崩すか、これも厳しい経営決断であったと思われる。実際は、現金を取り崩したわけであるが、その背景には、負債の有利子負債と資産の現金のバランスを見比べ、さらに、金融情勢、自己資本比率の改善による経営の安定度合いなど、様々な要素を勘案しながらの経営判断がなされたものと思われる。

   実際、ユニバースの現金を見てみると、この第1四半期決算直前、本決算時では58.76億円と総資産の16.1%である。この数字は食品スーパーマーケット上場企業の中では、その平均が7.7%であるので、トップクラスである。ちなみに、No.1は34.4%のアオキスーパー、No.2は32.0%の大黒天物産であり、No.3は、29.6%のオーケーである。ユニバースはちょうど10番目であり、現金はトップクラスである。一方、有利子負債であるが、ユニバースは、32.71億円で総資産の8.9%である。8.9%は食品スーパーマーケット上場企業の平均が27.9%であり、これもトップクラスである。ちなみに、オオゼキ、マックスバリュ東海、ヨークベニマルが0.0%である。結果、ユニバースは有利子負債の2倍の現金を保有しており、実質、無借金と同じといえ、しかも、食品スーパーマーケット上場企業の中ではトップクラスである。

   したがって、営業キャッシュフローで投資キャッシュフローを賄うことができなかったが、その分を借り入れで賄うことは必要ない財務状況といえ、現金を取り崩すという経営決断を行ったものと思われる。結果、自己資本比率は昨年の60.6%から61.5%へとわずかであるが改善しており、厳しい消費環境に対応すべく、前倒しで投資を行い、減益という厳しい決算結果となったにもかかわらず、財務バランスを崩すことなく、キャッシュをうまく循環させ、経営の安定をはかったといえよう。

   仮に、財務状況が脆弱であれば、このような前倒しの投資はできず、敢えて投資を強行すれば、財務バランスを崩し、経営が悪化することになる。その意味で、ユニバースのこの第1四半期は自社の強固な財務体質を前提とした積極的な経営決断であったといえ、財務バランスを崩すことなく、攻めの経営に打ってでたといえよう。今後、ユニバースが後半に向けて、さらにどのような経営決断を行うか、注目である。

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August 28, 2009 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

August 27, 2009

もうひとつのデシル分析?

   CRMの典型的な分析手法のひとつにデシル分析がある。デシルとは、容量の単位のデシリットルのデシと語源が同じであり、1Lを1/10に分けた単位から来ているように、デシル分析も顧客の購入金額を1/10に分けて、顧客のランクづけを行う分析手法である。何のためにデシル分析を行うかであるが、食品スーパーマーケットにおいて、デシル分析を行い、デシルごとに売上を見てみると、デシルの上位の顧客が大半を占めており、デシル下位の顧客の貢献度は圧倒的に低いことがわかり、顧客の重点管理が売上げアップに有効ではとないかと思われるからである。

   いわば、デシル分析は商品のABC分析に対する顧客のABC分析ともいえ、その応用が商品の単品管理であったように、個別管理、個人管理ともいえる手法である。当然、単品管理で培ってきたノウハウがすべて応用されることになり、A商品を重点管理し、C商品をカット、新商品を導入というように、この単品管理のサイクルを繰り替えし、商品の売上げを上げてゆくように、顧客も同様な手法で顧客の売上げをあげてゆくことになる。

   その具体的な手法のひとつが、デシル1の顧客のみに、何らかの特典をつけ、優遇することである。たとえば、ポイント還元率を、デシル1の顧客のみ高くし、デシル1の顧客を優遇し、他の顧客と決定的な差をつけたり、デシル1の顧客のみにDMを送り、何らかの特典を提供するなどである。こうすることによって、デシル1の顧客がより、固定客化され、さらに、デシル1の売上げが上がり、結果、店舗全体の売上げが上がるはずだという予想であり、信念である。

   ただ、この手法はCRMの分析システムを導入した企業は比較的簡単にできるため、実際に取り組んでいる食品スーパーマーケットも多いが、これまでのところ、芳しい結果が出ていないのが実態といえよう。また、食品スーパーマーケット側も、顧客側も何となく違和感があり、気が進まないという状況もあるようである。特に、日本の小売業は、「店は客のためにある」、「顧客は神様、平等である」という思想が強く、これが心にひっかかるということも大きいように思う。

   また、単品管理で取り組んだ、C商品カット、A商品の強化が行き過ぎ、商品の品揃えがA商品過多となり、縮小均衡に陥り、思ったほど、単品管理の効果が得られなかったという苦い経験もあるといえよう。その応用が、デシル分析であり、デシル分析の結果自体は事実であるので認めるが、デシル1を特別に優遇することに思い切って踏み込めないというのが実情のように思える。

   さらに、もうひとついえば、デシル分析は顧客へ直接アプローチする、典型的なCRMの手法であるが、食品スーパーマーケットの場合は、マーチャンダイジングという言葉が定着しているように、商品へのアプローチが見えないということもあり、顧客へのアプローチで商品の売上げが上がるのかという単純な疑問もあるようである。これまで、食品スーパーマーケットは創業以来、商品部を経営の中核組織に据え、商品戦略を中心に経営してきた歴史でもあり、CRMと商品政策とが一致せず、もっと、商品への踏み込みが欲しいというのがCRMへの大きな要望、裏返せば、不信感ともいうものがあるように思える。

   そこで、デシル分析を応用して、商品政策と一致させる方法はないのかということになるが、そのひとつの試みが、デシル1の顧客のみが購入する商品を抽出し、その商品をデシル1の顧客の重点商品とし、売場を通じて密かに訴求することである。これは、従来の商品部が選定する特売商品とは一線を画した商品であり、思いもつかないような商品が次々にピックされることになる。従来のPOS分析に基づく商品の販売データをいくら駆使しても抽出することは不可能な商品であり、CRM、すなわち、ID-POSデータからのみ抽出される商品であるので、次元の違う、異次元の商品がピックアップされることになる。

   ちょっと考えると、デシル1の売れ筋をピックアップすれば良いように思えるが、そこからピックアップされるのは、従来のPOS分析のA商品であることが多く、デシル1だけの購入商品はそう単純にピックアップできるわけではない。理論的には、ID金額PI値の高い商品ということになるので、全単品のID分析を行い、そこから、ID金額PI値の高い商品を抽出するか、デシル1の顧客の購入商品から、デシル2以下の購入商品を外してゆくということになり、ことはそう単純ではなく、また、簡単ではないといえる。

   ただ、このような商品がピックアップされた場合は、その商品にポイントをつけるなり、定期的に購入を促すために価格訴求をおこなったり、POPを付けてアピールするなり、様々な訴求をすることによって、商品を通じて、密かにデシル1の顧客にメッセージを送ることができ、ごく自然に、デシル1の方にとって、店舗が快適な買い物空間となってゆくことになる。これは、従来とは全く次元の違う商品分類を行うことでもあり、CRMデータにもとづく、商品分類の試みのひとつともいえよう。CRMはまだはじまったばかりといえ、食品スーパーマーケットでは、これから、様々なノウハウが開発されてくるものといえるが、顧客へ直接働きかけるだけではなく、商品、マーチャンダイジングにどこまで踏み込めるかが、今後の大きな課題といえよう。

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August 27, 2009 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

August 26, 2009

日経新聞、8/21、8/22、会社研究でイオン特集!

   日経新聞8/21、8/22の会社研究コーナーでイオンが取り上げられた。2回に渡って取り上げられた記事であるが、(上)の見出しは、「業績低迷、我慢の投資抑制」、「現金流出、5年で4,900億円」であり、(下)の見出しは、「低価格PBでテコ入れ」、「グループ戦略見直しも」である。また、記事の小見出しは、(上)が、「中国事業拡大見直し」、「銀行の黒字化遅れる」であり、(下)が「値下げ品目を拡大」、「PB比率15%目指す」、「国内最多の17上場子会社」である。

   そもそも、この特集が組まれた背景には、7/7に公表されたイオンの2010年2月期決算の第1四半期が、前期の本決算に続き最終赤字となったことにより、イオンの経営改革の方向性が拡大路線から既存店のテコ入れにカジを切りなおしたことへの検証があるという。実際、(上)では、見出し、小見出しのように、拡大路線の見直し、投資の抑制が取り上げられ、(下)では既存店活性化として、PB戦略が取り上げられており、最終的には、この秋に公表されるイオンの中期経営計画で、どれだけ、抜本的な経営改革に踏み込めるかが課題であるとまとめられている。

   記事の中では有利子負債の過去10年間の推移と、同様にフリーキャッシュフローの過去10年間の推移が連動して示されている。このグラフを見ると、2005年がイオンの転機となっており、ここを境に、フリーキャッシュフローはマイナスに転じ、これと軌を一にするように、負債が急激に増加し、一気に1兆円を突破しているのがわかる。しかも、記事では、2006年以降の大型投資案件が掲載されており、ダルボット600億円、オリジン東秀525億円、ダイヤモンドシティ688億円、マルエツ257億円、ダイエー514億円、CFC22億円と、これだけでも2,500億円を超えており、記事では、この5年間に4,900億円のキャッシュの流出があったという。

   企業経営において投資は将来を見据えた重要な経営戦略であるが、それがキャッシュフローの範囲内で行われていれば問題がないが、イオンの場合は主に有利子負債で賄ってきたことに問題があるといえる。しかも、これらの投資案件からの投資回収が遅れており、タルボットに関しては、債務超過となり、さらに500億円の貸し付けが生じているという。実際、2009年2月期の財務キャッシュフローを見ると、有利子負債の返済が-2,005.15億円、借り入れが3,954.46億円であり、差し引き、1,949.31億円の増加となっており、さらに有利子負債が増加しており、フリーキャッシュフローのマイナスを有利子負債で補っている状況である。

   財務的にはかなり厳しい状況になりつつあり、この苦境から脱却するには、営業キャッシュフローを確保し、投資キャッシュフローを抑制し、フリーキャッシュフローをプラスにもってゆくしかないといえ、まさに、この日経の記事が言及している通りであるといえる。ただ、小売業においては、投資=出店ともいえるくらい、新規出店が大きなウェートを占めており、イオンの2009年2月期の投資キャッシュフローを見ても出店関連が-3,671.44億円と、投資キャッシュフローの大半を占めており、ここを抑制することは、将来の成長が確保できないことを意味し、小売業にとっては致命的な問題をかかえることになる。

   一方、営業キャッシュフローを増やすには、当期純利益を増やすこことであり、そのためには、マーチャンダイジング力をいかに強化するかが課題となる。マーチャンダイジング力は売上高-原価-経費であり、イオンはこれに対し、日経の記事の(下)では、低価格PBでテコ入れすることを最優先課題としているという解説である。PBとは、マーチャンダイジング力の原価に当たるところであり、いわゆる粗利を見直す最大のマーチャンダイジング戦略ともいえる。

   ただ、イオンのマーチャンダイジング力の問題は、この2009年2月度のP/Lを見ると、マーチャンダイジング力は-8.5%であり、原価は71.7%、結果、売上総利益、粗利は28.3%である。一方、経費は36.8%であり、粗利よりも経費に構造的な問題があるといえ、これは、セブン&アイHの経費比率が31.0%であることを見ても明らかである。この経費構造をいかに見なすかが、マーチャンダイジング力を改善する最優先課題であるといえよう。もちろん、PB強化により、粗利を改善することもマーチャンダイジング力を高め、結果、営業キャッシュフローを増加させることにもなるが、同時に、経費構造の改善も避けて通れない課題といえよう。

   残念ながら、今回の日経の記事の中では、営業キャッシュフローの改善に関してはPBのみしか、言及されていなかったように思うが、イオンが根本的に解決しなければならない優先課題は、投資キャッシュフローを抑制し、営業キャッシュフローを増加し、フリーキャッシュフローをプラスにもってゆき、財務キャッシュフロー、特に、有利子負債の削減にあり、そのためにも、大本のマーチャンダイジング力の改善、特に、経費構造の抜本的な改革が最優先課題ではないかと思う。この秋に公表されるというイオンの中期経営計画に、経費構造の改革がどのように組み込まれるか、注目したい。

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August 26, 2009 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

August 25, 2009

コンビニ売上速報、2009年7月度、-5.0%!

   コンビニの売上げが予定(予想)通り?、大きく下がった。この7月度は、-5.0%(95.0%)となった。既存店はさらに、落ち込みが大きく、-7.5%であり、日経新聞8/21付けでも報じられているように、この数字を公表している(社)日本フライチャイズチェーン協会が統計を取り始めた平成10年(1998年)12月以来、最大の落ち込であるという。実際、平成10年(1998年)12月以降の公表データを見てみると、この7月まで139ケ月間あるが、マイナスになったのは、わずか10回(月)であり、この7月度が11回目のマイナスの月であり、コンビニがこの10年間、右肩当たりのトレンドであったことがわかる。

   この7月、売上が大きく落ち込んだ要因は大きく2つある。ひとつは昨年7月度が猛暑であり、過去139ケ月で最高の伸び率14.0%(既存店11.7%:過去最高)であったことに対し、今年が、曇りや雨の日が多く、日照時間が少なかったことである。そのため、コンビニの主力商品であるアイスクリーム、ソフトドリンク、冷やし麺などの夏物商材が不調になったことが大きく売上げに響いたという。そして、もう一つは、taspo効果が一巡し、taspoによる客数増が望めなくなったことである。

   そこで、その数字的な裏付けを探ってみると、客数が-2.3%(既存店-4.5%)、客単価が-2.8%(既存店-3.1%)となっており、客数、客単価ともにダウンしており、ダブルでの数字ダウンが売上げを押し下げていることがわかる。さらに、商品別に売上げの状況を見てみると、加工食品が-11.8%、日配食品が-5.4%と、この2部門の落ち込みが大きく、taspoと関係するたばこの入った非食品は+1.8%と、依然としてプラスとなっており、商品で見た場合は、先の夏物商材の影響が大きかったといえよう。日経新聞では個々のコンビニの数字も掲載されており、セブンイレブン・ジャパンが-5.5%と1年4ケ月ぶりに前年割れ、ローソンが-8.7%、ファミリーマートが-7.3%と、いずれもコンビニの平均以上に落ち込みが大きく、大手ほど、この7月は苦戦したことがわかる。

   問題は、この傾向が来月以降も続くのかどうかであるが、昨年の7月がtaspoと猛暑というダブルでの売上増となり、異常値であったといえ、8月度も同様な数字となるかは微妙な状況といえよう。単純に計算してみると、昨年7月度は14.0%の伸びで、今年は、-5.0%であるので、差し引き、今年は、一昨年と比べると9.0%伸びている状況である。そして、昨年の8月が7.5%であるので、仮に、来月8月度がこの7月同様、一昨年の9.0%で落ち着けば、差し引き1.5%のプラスとなることが予想される。もちろん、天候等の不確定要因があるので、単純には予想できないが、この厳しかった7月度の状況から見ると、8月度は横ばいかプラスになる可能性もあるといえ、ここまで落ち込むことはないといえよう。したがって、来月以降は微増か微減となる可能性が高いといえ、この7月度が特に異常値と見た方がよさそうである。ただ、いずれにせよ、taspo効果は一巡したのは確かといえ、今後、コンビニは、taspoに変わる新たなマーケティング政策が必要といえよう。

   ところで、taspo効果とは客数か客単価、どちらに効果があったかといえば、明らかに、客数である。この1年間の客数の伸び率と客単価の伸び率を月別に見てみると、まず、客数は7月13.9%、8月5.6%、9月8.1%、10月9.5%、11月8.6%、12月9.5%、1月10.0%、2月6.0%、3月7.2%、4月8.7%、5月4.6%、6月 4.9%、7月-2.3%という状況である。これに対して、客単価は、7月0.1%、8月1.8%、9月0.7%、10月0.9%、11月1.2%、12月-0.9%、1月-0.4%、2月-1.2%、3月-0.7%、4月-2.0%、5月-1.4%、6月-3.8%、7月-2.8%という状況である。これを見比べる限り、明らかに、taspo効果は客数に表れており、客単価への押し上げは、一部商品では効果があったが、全体へのインパクトはなかったと判断せざるをえない結果である。

   したがって、taspo効果による次のマーケティング政策は、大きく2つにわかれてくることになろう。ひとつは、taspoにより、伸び悩んだ客単価の見直しをはかることであり、もうひとつは、taspo効果が見込めなくなった客数をどう増やすということであろう。

   ただ、客単価はコンビニの現状の商品構成では中々上げるのは難しい段階にあるといえる。平成11年度(1999年)からの、年間の客単価の推移を見てみると、平成11年(1999年)-0.8%、平成12年(2000年)-2.2%、平成13年(2001年)-1.6%、平成14年(2002年)-1.8%、平成15年(2003年)-1.5%、平成16年(2004年)-1.2%、平成17年(2005年)-1.1%、平成18年(2006年)-0.5%、平成19年(2007年)-0.8%、平成20年(2008年)0.5%、という状況である。

   この数字を見る限り、今後、客単価を上げるのは至難の業であり、逆に、客数を上げる方が、対taspo対策としては、現実的であるように思える。ただ、既存店の客数を上げるのは、客単価同様に難しいことが予想されるので、恐らく、今後は新規出店、M&Aにより新たに店舗数を増やす方向に各社は動かざるをえないのではないかと予想される。したがって、競争激化はさらに激しさを増し、結果、業界再編へとつながるのではないかと思われる。結果、taspoにより一時、休戦状況であったコンビニ競争が今後ますます深刻になるのではと懸念される。まずは、来月、8月がどのような数字となるか、注目である。

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August 25, 2009 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

August 24, 2009

食品スーパーマーケット売上速報、2009年7月、100.4%!

   食品スーパーマーケット上場企業、24社の2009年7月度の売上速報を集計した。コンビニほどではないが、単純平均で100.4%と、厳しい結果となった。ここ最近の数字は6月度101.3%、5月度104.9%、4月度102.2%、3月度101.5%、2月度102.3%、1月度104.7%という状況であり、昨年の7月度が106.7%であるので、昨年がやや高かったこともあるが、今年に入り、最低の伸び率、しかも、昨対ぎりぎりと厳しい数字となった。客数、客単価まで公表している食品スーパーマーケットは、この内、10社あるが、客数は103.1%、客単価が98.1%であるので、客単価の落ち込みが大きいといえ、消費環境が一層厳しくなっているといえよう。

   特に、既存店の数字が厳しく、96.0%であり、既存店を公表している食品スーパーマーケットは23社あるが、昨対を超えたのはスーパーバリュー101.4%と、オオゼキ102.2%のみの2社であり、残り、21社は既存店が昨対を切るという厳しい結果である。食品スーパーマーケット業界も、ここへきてこれまで堅調であった売上げに陰りが見え始めたといえ、今後、後半戦に向け、マーチャンダイジング戦略を再検討する必要があろう。折しも、大手GMS、西友、イオン、セブン&アイH等があいついで、ディスカウント路線を鮮明にしており、食品スーパーマーケット業界としても、ますます価格競争が進むものといえ、客数はともかく、客単価の確保が厳しくなり、当面、厳しい経営が続くものといえよう。

   このような厳しい状況の中で、110%以上の売上を達成した食品スーパーマーケットが2社ある。スーパーバリューと、マックスバリュ東海である。スーパーバリューは、ここへ来て、順調に新店をオープンしており、この7/1にも東所沢店をオープンさせ、結果、7月度は119.9%と断トツのトップの伸び率となった。既存店も先に見たように、101.4%と堅調な数字となっており、食品スーパーマーケット+HCのコンビネーションが好調な要因のひとつといえよう。また、マックスバリュ東海も112.1%と好調であり、昨年8/1にシーズンセレクトを吸収合併した効果が継続しているのが、その要因である。ただ、既存店は93.2%と伸び悩んでおり、来月度は合併効果が一巡するので、112.1%の伸び率は期待できず、来月以降、どのように売上げを確保するか課題となろう。

   この好調な2社についで、105%以上、売上げを伸ばした食品スーパーマーケットが2社ある。ハローズとオオゼキである。ハローズは107.0%と、ここへ来て、4月にハローズ岡南店、6月にハローズ花尻店とあいついで新店を出店しており、これが寄与し、好調な数字である。ただ、既存店は94.2%と厳しい数字となっており、既存店の客数が95.0%となり、既存店の動向が気になるところである。一方、オオゼキであるが、105.3%と好調な売上げであり、4月に久しぶりに新規オープンした市川店の貢献が大きいといえよう。ただ、既存店も102.2%と堅調な売上げを維持しており、今回の集計24社の中では最も安定した結果であるといえる。

   以下、この7月、100%以上の食品スーパーマーケットを見てみると、ユニバース104.3%(既存店99.5%)、ダイイチ103.7%(既存店95.7%)、カスミ102.4%、ヤオコー101.4%(既存店99.8%)、マックスバリュ西日本101.4%(94.7%)、CFSコーポレーションSM部門101.0%(既存店96.1%)という状況であり、いずれも、新店効果による売上増であり、既存店はすべて、昨対を割っている状況である。

   これに対して、売上が大きく伸び悩んだ食品スーパーマーケットは、奇しくも、アークランドサカモトとPLANTがワースト1、2となり、ホームセンター、スーパセンター関連の業態が厳しい状況となった。アークランドサカモトは90.1%と大きく売上が落ち込み、既存店も94.3%となった。PLANTも94.4%、既存店も95.0%と厳しい結果であり、食品よりも住関連商品の落ち込みが、特に、この7月度は大きかったようである。

   これ以外ではエコス94.8%(既存店97.3%)、トーホー95.2%(既存店95.5%)、Olympic95.5%(既存店94.7%)、マックスバリュ北海道96.2%(既存店91.7%)、イズミ96.8%(既存店94.3%:推定)、マルエツ97.4%(既存店95.8%)、九九プラス98.1%(既存店97.3%)、マックスバリュ東北98.2%(既存店96.9%)、いなげや98.4%(既存店94.6%)、ヤマザワ98.8%(既存店95.9%)、バロー99.1%(既存店93.6%)、そして、マックスバリュ中部99.3%(既存店93.8%)という結果であった。これらの食品スーパーマーケットは、いずれも既存店が95%前後と厳しい状況であり、この7月度は全体はともかく、既存店が特に大きくダウンしたことが売上げダウンの大きな要因といえよう。

   このように、この7月度の食品スーパーマーケット業界の数字は、これまでになく、厳しい数字となり、ここ最近では見られない、昨対ぎりぎりの数字となった。ただ、この中でも、順調に新店を出店するか、M&Aにより、店舗数を増加させた食品スーパーマーケットの数字は好調であり、新店を出店できる出店余力が成長の明暗を分けたといえよう。当面、食品スーパーマーケット業界は厳しい消費環境が続くと思われ、来月以降も予断を許さない厳しい経営環境が予想される。今後、このような厳しい経営環境の中で、各食品スーパーマーケットがどのような経営戦略を打ち出すかに注目である。

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August 24, 2009 in 経済・政治・国際, 食品スーパーマーケット売上速報 | | Comments (0) | TrackBack (0)

August 23, 2009

下位ランクから見る日経MJ新製品週間ランキング!

   日経MJ新製品週間ランキングが8/21公表された。これまで、本ブログでは、ランキングの上位をAランク金額PI値500円、Bランク金額PI値300円、Cランク金額PI値200円と分け、特に、金額PI値500円以上は無条件で定番化しても問題はない顧客からの高い支持があり、通常の定番でも十分に重点商品として、強化すべき商品であると推奨してきた。逆に、Cランク以下は、厳しい数字であり、今後、定番化するのはかなり、難しいのではないかと、あまり、取り上げることはなかった。そこで、今回は、逆に、Cランク以下、すなわち、下位の新製品を中心にランキングを見てみたい。

   下位の商品といっても、日経MJで取り上げる新製品は飲料がベスト20、菓子がベスト20、冷凍食品がベスト20、その他食品がベスト20、そして、家庭用品がベスト10のみを公表している。当然、新製品の数は、これですべてではなく、これはほんの一部でしかない。逆にいえば、新製品の中のベストランキングでもあり、ここに掲載されている新製品は、新製品の中でも極めて高い金額PI値であといえる。そこで、その水準がどのくらいの数値であるかを今回は確認してみたい。

   まず、飲料であるが、20位がアサヒ飲料、十六茶とうもろこしブレンド490mlであり、金額PI値は78円である。カバー率も26.4%と、対象49チェーン250店舗の1/4ほどであり、8/8、初登場でもあり、まだまだ、導入が始まったばかりである。平均単価は93円であるので、PI値を逆算すると、金額PI値78円÷平均単価93円=0.083%であり、平均的な食品スーパーマーケットの1日の客数2,000人をかけると1.66個となる。この数字が高いか低いかであるが、一般的にグロサリーのカット基準を考えた場合、PI値0.05%、すなわち、1日2,000人の客数で1個ぐらいが目安といえるので、PI値0.083%は十分、品揃えに加えて良い水準ではあるが、カバー率が26.4%であり、もう少し、多くの導入店舗での検証結果が欲しいところである。

   次に、菓子であるが、20位がバンダイ、極めろシンケンジャーラムネ菓子1個付であり、玩具菓子である。金額PI値56円、カバー率は39.6%、平均単価は288円と、やや高めである。バンダイはここへ来て、新製品をあいついで投入しており、19位に、ポケモンキッズDPぜんこく図鑑版4ラムネ菓子1個付き、金額PI値56円、18位に、なりきりプリキュアフレッシュアイテムラムネ菓子1個付、金額PI値57円、そして、10位、ベスト10にミニプラ侍合体イカダイカイオーラムネ菓子1個付、金額PI値80円であり、この4つが、菓子ベスト20に入り、すべて、ラムネ菓子付である。しかも、10位は金額PI値がやや高いが、その他3品は金額PI値がほぼ同じであり、50円強である。

   金額PI値が50円まで下がると、やや、金額PI値の水準が低くなり、定番化が厳しくなるが、この新製品は1品1品で見るよりもまとめて品揃えの幅を増やすことがポイントといえ、金額PI値50円が安定的な数字であれば、セットで考えてみた方が良いといえよう。4つ合わせたセットの金額PI値は249円となり、Cランクをクリアーするので、1品1品の安定度を見てセットで導入を検討することがポイントである。

   ついで、冷凍食品であるが、20位は森永乳業、エスキモー「Fami(ファミ)バニラ&苺」50ml×10本、金額PI値33円である。カバー率も21.6%と低く、この数字はかなり厳しい数字といえよう。19位も金額PI値40円、加ト吉、和風ふっくらオムレツ128gであり、厳しい数字である。やはり、先にも見たように、できれば、金額PI値50円以上は欲しいところである。また、その他食品であるが、20位は敷島パン、十勝バターキャラメルスティック6本入り、金額PI値81円であり、その他食品は日配、グロサリー混在しているが、ベスト20でも金額PI値50円を超え、全体として、飲料同様、新製品の水準が高いといえよう。カバー率も43.6%とまずまずの数字であり、定番化しても安定した数字が確保できそうである。

   そして、最後が家庭用品であるが、ベスト10までであるが、10位がユニリーバ・ジャパン、ラックススーパーリッチシャインコンディショナーつめかえ10%増量品420ml、金額PI値81円である。家庭用品としては、まずまずの数字といえ、カバー率も42.0%とベスト10の中で2番目に高く、カバー率は家庭用品としては高い数値といえよう。

   以上が、全部門の下位ランクの新製品週間ランキングの実態であるが、下位ランクといっても、現状の新製品の中ではベスト10、ベスト20の新製品であり、いかに、金額PI値を一定水準に持って行くか、しかも、ある程度のカバー率を達しての安定した数値を維持するのが難しいかがわかる。おしなべて、この数字をみると、金額PI値50円が定番化されるかどうかの、ぎりぎりの水準といえるのではないかと思う。しかも、その数字が不安定な数字ではなく、ある程度、カバー率が高い水準での数値が望ましいといえよう。金額PI値は低くとも、カバー率が高ければ、一定の顧客層からの支持を獲得したと推測でき、新製品がある一定の顧客層に受け入れられたと判断できるからである。今後は、金額PI値が高い新製品だけでなく、今回のように、金額PI値は低いが安定した数字を獲得した新製品にも注目して、ランキングを見てゆきたい。

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August 23, 2009 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

August 22, 2009

オオゼキにつぐ、食品スーパーマーケット業界のMBOは?

   オオゼキのMBOが動き出した。MBOとはマネジメントバイアウトのことであり、経営者自らが自社の株を買い取り、資本と経営を一体化させることである。一般に、MBOが行われる要因としては、敵対的な買収に対しての対抗策とか、思い切ったリストラが必要となり、株主に長期に渡り配当が出せなくなる場合などのケースが多いといえるが、オオゼキの場合はどちらにもあたらず、上場食品スーパーマーケットNo.1の経営指標を誇り、最高の業績ともいえる状況でのMBOといえ、異質なケースといえよう。

   ただ、やや見方を変えれば、敵対的な買収に対しての対抗策ととれないこともない。オオゼキの創業者であった佐藤達雄氏が亡くなって以来、その持ち株が相続により、分散したため、何か、不測の事態が発生した場合は、オオゼキの経営権が一部移動し、さらに、そこからTOBがかかった場合は、オオゼキの買収が可能となってしまうからである。したがって、この不測の事態を避けるためには、TOB対策をはかることも重要ではあるが、根本的にこの問題を解決するには、再度、分散した株式をまとめ、さらに、一般株式まで買い取ってしまえば、TOBの可能性は極めて低くなるからである。

   オオゼキの今回のMBOはこのようなことも考えられるが、実際には、オオゼキがMBOのお知らせで説明しているように、「上場デメリットがメリットを上回った」、特に、株式市場からの資金調達の意義ながなくなったということが大きいように思う。そこで、改めて、現在上場している食品スーパーマーケットで「上場デメリットがメリットを上回った」企業がどのくらいあるのかを見てみたい。場合によっては、その中から、今回のオオゼキに続く、MBOを実施する食品スーパーマーケットがあらわれるかもしれないからである。

   まず、資本市場から資金調達が必要な状況に経営があるとはどういうことであろうか。それは、純資産の範囲内で出店が賄われてないケースをまずあげることができる。なぜなら、食品スーパーマーケットにおいて最重要な経営戦略は出店といってもよく、新規出店が、経営の規模を拡大し、株主の配当を増やす最大の手法だからである。したがって、その出店戦略が純資産の範囲内で賄われていない経営状況の場合は、成長戦略を維持するためには、負債を増加させるか、純資産を増加させるか、どちらかしかなく、できれば、負債に頼ることなく、純資産の範囲内で出店を行いたいところである。そして、そのためには、マーチャンダイジング力を強化し、純利益を増やすか、資本の増強を行い、資本金を増やすことになり、この資本金を増やすことが、まさに、上場メリットといえ、株式の増資による資金調達といえる。

   したがって、MBOの起こる可能性の高い食品スーパーマーケットは資金調達が資本市場から必要のない、純資産の範囲内、さらに、純利益、すなわち、キャッシュフローの範囲内で安定的に新規出店が可能な食品スーパーマーケットであるといえる。このような条件を見たしている食品スーパーマーケットは、出店余力が高く、営業キャッシュフローが高く、さらに、マーチャンダイジング力の強い食品スーパーマーケットであるといえる。そこで、まず、出店余力0%以上の食品スーパーマーケットを見てみてみると、ヨークベニマル29.4%、オオゼキ28.7%、マックスバリュ東海16.6%、東武ストア11.2%、大黒天物産9.8%、サンエー7.9%、アオキスーパー7.8%、いなげや6.8%、九九プラス5.4%となる。

   次に、この中で、上位2社のヨークベニマルとオオゼキを除き、営業キャッシュフローが高い順に見ると、サンエー119.44億円、マックスバリュ東海61.50億円、いなげや47.91億円、大黒天物産40.97億円、東武ストア32.98億円、アオキスーパー28.91億円、九九プラス22.65億円となる。さらに、マーチャンダイジング力を見てみると、大黒天物産4.9%、サンエー3.4%、東武ストア2.6%、マックスバリュ東海1.7%、アオキスーパー-0.2%、いなげや-1.6%、九九プラス-1.8%となる。また、これらの食品スーパーマーケットの有利子負債の比率を見てみると、マックスバリュ東海0.0%、アオキスーパー0.8%、東武ストア3.7%、サンエー4.4%、九九プラス7.0%、いなげや9.7%、大黒天物産11.9%となる。

   こう見ると、アオキスーパー、いなげや、九九プラスは、マーチャンダイジング力がマイナスであり、さらに、九九プラス、いなげやは有利子負債が多く、上場メリットをいかし資本市場から資金調達を行い、経営基盤を強化した方が良いように思える。また、大黒天物産の有利子負債がやや多いのが気になるが、出店余力は高く、マーチャンダイジング力も高く、本来、借り入れに頼ることなく、かなりの新規出店はできる財務余力があるといえる。したがって、マックスバリュ東海、東武ストア、大黒天物産、サンエーは資金調達という観点から見ると上場メリットはオオゼキ同様かなり弱いといえよう。

   今回のオオゼキのMBOは企業経営と資本調達という株式会社の根本を問うている問題といえ、株式市場としては優良な企業の上場を促したいところであるが、逆に優良企業にとっては資金調達を目的とした株式上場はメリットは薄いといえる。そう考えると、今後は優良な企業から株式市場を去ってゆくことも考えられ、まさに、今回のオオゼキはMBOにより、株式市場を卒業したといってもよいといえよう。今後、優良食品スーパーマーケットが株式市場をどう評価するか、まずは、先に上げた資金調達というメリットが弱くなった企業の今後の動向に注目である。

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August 22, 2009 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

August 21, 2009

オオゼキ、MBOはじまる、卒業!

   オオゼキが、8/14、「MBO の実施及び応募の推奨に関するお知らせ」を公開した。公開買い付け価格は3,750円であるが、8/14からの株価の推移は、8/14(3,010円)、8/18(3,710円)、8/19(3,710円)と、翌日には、買い付け価格3,750円の手前まで跳ね上がっており、売買高も、8/14(5,000株)、8/18(166,700株)、8/19(347,800株)と、急激に増加している状況である。公開買い付け期間は、平成21年8月18日(火曜日)から平成21年10月1日(木曜日)まで(30営業日)であり、このまま、順調に買い付けが進めば、オオゼキは上場廃止となる。

   今回のMBOはオオゼキの全株式を対象としており、11,704,080株であり、上限は設けておらず、下限が8,332,190株(71.1%)である。仮に、全株取得となると、その金額は438.903億円となる。オオゼキはこのMBOにあたって、代表取締役会長兼社長の石原坂寿美江氏が7/17付けで、ひまわり株式会社を設立しており、ここがMBOの受け皿になるという。金融機関からも、最大450億円の融資を受けることが決まっており、オオゼキが連帯保証人となり、さらに、オオゼキの一定の資産等を担保に供することもあるという。まさに、オオゼキと一体となったMBOのための会社である。

   ちなみに、MBOの下限となった8,332,190株の根拠であるが、まず、自己株式(946,920 株)、次に大株主の石原坂寿美江氏が保有する株式(3,000,000 株)、石原坂多聞氏が保有する株式(155,500株)、佐藤由美氏が保有する株式(1,804,800 株)を控除した株式数(6,743,780 株)の2分の1に相当する株式数(3,371,890 株)に、石原坂寿美江氏が保有する株式(3,000,000株)、石原坂多聞氏が保有する株式(155,500 株)、佐藤由美氏が保有する株式(1,804,800 株)を加えた株式数が8,332,190 株となるとのことで、これを下限としたという。結果、71.1%となり、2/3を超える株式数となる。また、MBO後には、上記、大株主は、合計、約163 億円を公開買付者に出資する予定であるという。

   以上が、オオゼキのMBOの概要であるが、では、オオゼキがなぜこの時期にMBOに踏みきったのかであるが、最大の理由は、「今後も継続して株式を上場することにより得られるデメリットがメリットを上回るものと考え、この点からも、マネジメント・バイアウトの手法が当社の中長期的な企業価値の向上にとって最善の手段であると考えるに至りました。・・」とのことであり、上場デメリットがメリットを上回ると判断したことにあるという。

   では、そのデメリットは何かであるが、「企業の内部統制(J-SOX)や四半期決算への対応など、近年の度重なる法制度の改正等により、資本市場に対する規制も強化されており、株式の上場を維持するために必要なコスト(株主総会の運営や株主名簿管理人への事務委託に要する費用、金融商品取引法上の有価証券報告書等の継続的な情報開示に要する費用等)は、今後、益々増大することが見込まれる」とのことである。

   これに対して、メリットであるが、「エクイティ・ファイナンスによる資本市場からの資金調達、知名度の向上による優れた人材の確保、取引先に対する社会的な信用力の向上等、上場企業として様々なメリットを享受してまいりました。・・」とのことであり、その最大のメリットが資金調達にあったといえよう。ところが、オオゼキも、「現在の当社の財務状況等からは、当面はエクイティ・ファイナンスによる資金調達は見込まれず、・・」と説明しているように、上場の最大のメリットの資金調達が必要なくなったことが大きかったようである。

   したがって、MBOによって、「公開買付者が全ての当社普通株式を取得し、実質的に資本と経営を一体とする、・・」ことができれば、上場メリットよりも、デメリットが大きく上回り、上場している意義がないと判断したものといえよう。

   実際、オオゼキの現在の純資産比率は77.3%であり、有利子負債は0円、無借金経営であり、しかも、以前、ブログでも解説したが、出店余力は28.7%、上場食品スーパーマーケットNo.1である。さらに、営業キャッシュフローの範囲内で最大7店舗は新規出店が可能な財務状況であり、エクィティファイナスによる資金調達は全く必要なく、むしろ、逆に、資金を融通できる状況でもあるといえる。であれば、MBOにより、資本と経営を一体化させたいという強いニーズが発生してもおかしくないし、事実上、資本の意義が薄れていた状況といえよう。また、営業キャッシュフローの大本となる、マーチャンダイジング力もオオゼキは上場食品スーパーマーケットNo.1の6.7%であり、当期純利益は売上対比4.7%で、これも上場食品スーパーマーケットNo.1である。要は、キャッシュを生み出す力が上場食品スーパーマーケットNo.1であり、まさに、財務の連環が最高の早さで、最大の効率で回っているということであり、そこに、外部からの資金の入る余地、スキがない状況にあったといえる。

   その意味で、今回のオオゼキのMBOは極めて前向きのMBOといえ、資本主義制度の最大のメリット、株式を発行し、広く投資家から資金を集め、会社を設立し、事業を行い、株主にその利益を還元するという株式会社の仕組み、そのものからの卒業ともいえよう。今後、オオゼキの経営が非公開となるので、その実態がベールに包まれることになるが、オオゼキが株式公開後残した経営データは、あらゆる数値が上場食品スーパーマーケットNo.1を示しており、食品スーパーマーケット業界としては、最良の企業として、学ぶべき貴重な経営の成果を残してくれたといえよう。オオゼキが非上場になっても、この貴重な成果は生きており、今後、このオオゼキの数値を上回る食品スーパーマーケットの出現を期待したいところである。

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August 21, 2009 in 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

August 20, 2009

オリンピック出店再開と出店余力の現状!

   8/19の日経MJで、オリンピックの出店再開の記事が掲載された。「オリンピック、出店再開、2年半ぶり、東京・港にDS」、「財務体質の改善一段落」という見出しの記事である。オリンピックはハイパーマーケットを主力業態とし、首都圏に46店舗の食品スーパーマーケットを展開するディスカウントストアであり、他にホームセンターも20店舗近く展開しているが、2年半ぶりの新規出店をこの9月、10月とあいついで、実施するという。一般に食品スーパーマーケットが新規出店を果たすには、財務的な裏付けが必要であるが、記事によれば、財務体質がここ数年のリストラで改善したとのことで、再び、新規出店により、成長軌道に乗せるとのことである。

   そこで、オリンピックの2009年度2月期決算をもとに現状の出店余力から改めて、特に、新規出店という観点からオリンピックの現状を見てみたい。オリンピックの出店余力、すなわち、純資産-土地、建物、敷金・保証金等の合計は-26.2%である。この数字が高いか低いかであるが、上場食品スーパーマーケット約50社の平均が-22.9%であるので、平均よりもやや低い数字であり、ちょうど30番目となる。本ブログでも何回か取り上げているが、トップはヨークベニマルの29.4%、No.2がオオゼキの28.7%であり、この2社は食品スーパーマーケットの限界に近い数値であるが、平均が-22.9%であるので、オリンピックはほぼ平均に近い数字といえよう。

   ただ、オリンピックはハイパーマーケットが主力業態であり、全体としてもディスカウント業態といえる。そのため、通常の食品スーパーマーケットと比べ、在庫が極端に多く、総資産比率を計算すると、15.0%と極端に高い数字となる。食品スーパーマーケットの平均が5%前後であるので、約3倍の数字である。ちなみに、アークランドサカモトが17.0%、PLANTが20.0%であるので、まさに、ホームセンターに近い数値であり、オリンピックの出店余力を見るには、この在庫も加えた方が良いといえよう。

   そこで、在庫を加えた出店余力を改めて計算してみると、オリンピックの純資産比率が41.6%、出店にかかわる資産が67.8%であるので、これに