March 30, 2012

RDS006:豆腐をPOS分析して見ると、・・

   日配食品は食品スーパーマーケットでは和日配と洋日配に分かれ、通常、販売場所も分けて展開されているのが実態である。そもそも日配という言葉が食品スーパーマーケットの独得な言葉といえ、毎日配送するから日配とついた商品用語であり、残念ながらここには顧客視点がなく、商品をイメージすることすら難しい難解な用語といえる。しかも、食品スーパーマーケットではかなり、独自な分類をしているのが実態であり、たとえば、パン、冷凍食品、アイスクリームも管理部門は日配である場合も多く、ユニークな分類では通常は水産部門の塩干も日配で管理する場合もある。では、他の生鮮食品、農産、畜産、水産、惣菜等は日配ではないのかということになるが、通常、これらは日配には含まれない。

   こう見ると、日配食品は実にあいまいな概念であり、今後、商品の定義を再検討する必要があろう。ひとつの試みとしては、食品スーパーマーケットを商品管理上から3つの大分類に分けるという案もある。ひとつは自ら製造開発ができる生鮮食品、惣菜である。そして、もうひとつは自ら製造開発は難しいその他の部門である。そして、このその他を鮮度で分け、鮮度管理が重視される日配部門、鮮度管理が比較的ゆるやかなグロサリー部門である。特にこの2つは発注管理が極めて重要な商品群であるので、発注部門といってもよく、生鮮食品、惣菜が発注よりも、原料を製造調理、商品開発をする部門とは、明らかに商品管理体系が違う部門であるといえる。

   そこで、今回のテーマ、豆腐であるが、豆腐は、この発注部門に属し、日配、和日配の代表的な商品群である。洋日配の代表的な商品群が牛乳、菓子パンであり、これらと対極をなす和日配の商品群が豆腐である。したがって、和日配のレイアウトでは、この豆腐をどこに配置するかで、和日配全体への影響が大きく、さらには、店舗全体への影響も大きいといえる。極論すれば、この和日配の豆腐、洋日配の牛乳、菓子パンの展開場所次第で客導線が決まるといってもよく、店舗の来店顧客をワンウェイコントロールでスムースに誘導するには、この3つのカテゴリーをどこに配置するかが重要な鍵を握っているといえる。そのくらい、豆腐は日配全体だけでなく、店舗全体にも大きな影響力がある商品群のひとつといえよう。

   RDSデータ見ても、豆腐はPI値が約30%の商品群であり、SKUは約30であるので、平均PI値1.0%と極めて高いPI値である。PI値1.0%は食品スーパーマーケットの中では全約1万SKUの中で、わずか200品ぐらいしかなく、豆腐がいかにPI値の高い商品群であるかがわかる。実際、今回のRDS-POS研究会に参加した東北の食品スーパーマーケットでは7品、首都圏の食品スーパーマーケットでは3品、近畿の食品スーパーマーケットでは4品あり、中々PI値1.0%以上の商品を複数見出すカテゴリーが少ない中、豆腐はPI値1.0%以上の商品が集中しているのが実態である。しかも、その大半はNB(ナショナルブランド)ではなく、地元の豆腐であることがほとんどである。豆腐にNBはほとんど存在しないといってよく、いかに、地元の豆腐をしっかり売るかがポイントであり、洋日配とは対照的な商品構成となる。

   ちなみに、客数PI値100%以上のものを見ると、東北ではRDS約200 SKUの中でタイシ国産大豆絹ごし450g1品のみである。RDSの金額PI値が1,008.6円(1人当たり1.00円)を超えるので、客数PI値100%となるだけはあり、高い数字である。首都圏ではタカノ沖縄にがり絹200g×2、タカノ沖縄にがり木綿200g×2の2品であり、金額PI値が1,568.8円、1,499.8円であるので、極めて高い数字である。そして、近畿ではさとの雪鍋八400g、1品のみであり、金額PI値は242.8円と豆腐としては低いが、近畿では品揃えに絶対必要な商品として認知されているようである。

   そこで、豆腐のマーチャンダイジングであるが、先に見たようにPI値1.0%以上のお客様から極めて高い支持のある商品が多いこともあり、重点5品で売上構成比が60%前後の数字となる。したがって、この重点5品の品切れを絶対に出さないことが最優先課題であり、この発注管理が最大のマーチャンダイジング上の課題ともいえる。特に、豆腐は様々な商品との併売されることが多く、リフト値の高い商品が多いのが実態である。したがって、豆腐の品切れは他の商品にも波及し、店舗と顧客との信頼関係に直結する商品でもあるといえる。また、重点5品以外にも残り約25品で売上げの40%前後あり、ここにもPI値は低いがロイヤルカスタマーが強く支持する商品がたくさんある。その意味で絞り込みは禁物であり、顧客カットとなりかねない怖さがある。

   このように豆腐は日配食品の中では洋日配の代表格、牛乳、菓子パンと並び、和日配の代表格の商品群といえ、食品スーパーマーケットとしては最優先で取り組まなければならない商品であるといえる。また、重点商品だけでなく、品揃え商品も顧客にとっては重要な位置を占めており、絞り込みというより、あらゆる顧客層に向けた品揃えを充実させてゆくべき商品でもあるともいえる。豆腐のNBは数少ないだけに、いかに、地元製造の価値ある豆腐を見つけ出し、品揃えに加えてゆけるか、ここが重要なポイントといえよう。

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March 30, 2012 in PI値 | | Comments (0) | TrackBack (0)

March 20, 2012

RDS005:牛乳をPOS分析して見ると、・・

   牛乳は食品スーパーマーケットの中で根幹のカテゴリーであり、このカテゴリーを店舗のどこに置くかにより客導線を変えてしまうくらいの大きな影響力がある。PI値が30%前後と極めて高く、RDSの約300のカテゴリーの中でもトップクラスであり、したがって、入店客数の30%近くが、牛乳の場所に集まる訳であり、慎重に販売場所を決める必要がある。日配のレイアウトを組む時も、PI値から考えれば、まずは牛乳であり、この牛乳を決めて次のカテゴリーの配置を検討することになる。

   さて、牛乳のマーチャンダイジングであるが、これまで取り上げたRDSのマーチャンダイジングの中では、菓子パンのマーチャンダイジングと対極のカテゴリーといえる。上位たった3品で70%から80%の売上構成比となり、この3品の重点管理が何といって、も最大のテーマとなる。しかも、No.1の商品は地元ブランドの場合がほとんどであり、この1品で金額PI値20,000円(1人当たり20円)、平均単価が200円とすれば、PI値は10%となり、すごい商品が存在する。PI値10%は食品スーパーマーケット約10,000品の中にも数品しか存在せず、PI値の極限の商品のひとつといえる。

   ちなみに、食品スーパーマーケットではPI値1%の水準でも約200品ぐらいしか存在しないので、PI値10%がいかに高い数字であるかがわかる。したがって、この商品はまずは品切れをいかに防ぐか、多少過剰在庫になろうがまずは、徹底的な品切れ管理が課題となる。これはもう担当者だけに任せておくだけでなく、店長管理といってもよく、従業員全員で常に目を配りながら、あぶなくなったら、誰かがフォローする体制をつくることが必要である。

   一般にPI値の高い商品の発注であるが、食品スーパーマーケットの平均的な客数は約2,000人であるので、PI値10%の場合は客数2,000人×PI値10%=200本の牛乳が販売されることになる。1フェイス奥行、かりに5本とすると、200本/5本=40フェイスとなる。したがって、当然1回では陳列できないので、2回転で20フェイス、それでもスペースが十分にとれないので、2段積み、3段積みとなる。また、当然ぴったりの発注では品切れを起こす可能性が高く安全在庫、いわゆる標準偏差を用いて120%から130%ぐらいの発注となるので、これを毎日回し、時々特売が入るなどするため、大変な作業となり、結果、品切れが起こったり、逆に過剰在庫となったりする。素人ではできる技ではなく、それだけ、牛乳はこれひとつとっても重要な商品といえる。

   また、牛乳は地方色が極めて強いカテゴリーではあるが、NBも存在する。RDSでは、雄一、客数PI値100%(導入率)の商品があり、これが明治おいしい牛乳である。びくりである。それ以外でも、客数PI値100%には届かないが、70%から80%ぐらいの森永おいしい牛乳、メグミルクなど大手ブランドがあるが、東北、首都圏、近畿ともに客数PI値100%は、この明治おいしい牛乳ぐらいであり、日配食品全体の中でも稀な商品といえる。しかも、金額PI値も高く、いずれの地区でもベスト5には入る商品であり、牛乳の重点商品の1品としてその地位を獲得している。

   特に、この明治おいしい牛乳は、ID-POS分析を実施すると独特なポジショニングをもっており、地元のNo.1の牛乳や特売となる牛乳等にもほとんど影響されず、独自の顧客を開拓しており、実に興味深い商品でもある。また、500mlも同様にポジションニングができており、1000mlとも棲み分けがはっきりしており、マーチャンダイジングではこれをいかに考慮し、牛乳全体の棚割りをつくるかがポイントとなる。

   また、牛乳は上位3品で売上げの70%から80%となるが、それ以外の商品をID-POS分析すると、下位商品にロイヤルカスタマーの支持の高い商品が多く見出すことができ、いかにこだわりの牛乳、さらに、200mlの小容量まで幅広く品揃えするかがポイントといえる。牛乳全体の売上げには大きな貢献はなくとも、その購入顧客がロイヤルカスタマーであることが多く、これらの商品をないがしろにすると、店舗の顧客、特にロイヤルカスタマーの店舗全体の支持を失いかねず、品揃えも重用な課題である。今回のRDS研究会の参加メンバーの牛乳のSKUはおよそ20SKUであるので、重点商品の強化だけでなく、残り20品までの品揃えを慎重に選定し、しっかり管理してゆくことが牛乳のマーチャンダイジングのポイントといえる。

   このように、牛乳は菓子パンと対極のマーチャンダイジング、品揃えも絞られ、特に、上位3品で70%から80%も売上構成比があり、この3品をまずは絶対に品切れを起こさず、管理できるかがポイントとなる。そして、これに加え、NB、ナショナルブランドも重点商品として加え、さらに、残り約10数SKUを慎重に選定することが課題といえる。菓子パンのマーチャンダイジング、そして、牛乳のマーチャンダイジング、この双方がマスターできれば、ほぼ、マーチャンダイジングの基礎を修得できたも同然、是非、この2つのマーチャンダイジングは体験し、マーチャンダイジングの真髄を身に着けて欲しいところだ。

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March 20, 2012 in PI値 | | Comments (0) | TrackBack (0)

March 13, 2012

RDS004:カップ麺をPOS分析して見ると、・・

   カップ麺は何といっても、カップヌードルを含め、RDS-POSデータで見ると、客数PI値がほぼ100%の商品が多いのが特徴である。しかも、日本全国どこでも10品近くあり、この商品をどう売り込んでゆくかがまず課題となる。客数PI値が高いとは全国どの食品スーパーマーケットでも販売されているということであり、どこでも購入できる商品ということになる。したがって、顧客はその購入価格を比較検討して購入することが可能であり、価格設定、そして、棚割の中でどこに位置づけるかが課題となる。特に価格設定は重要であり、RDS-POSの平均単価を見て、それに可能な限り近づけることが必要であり、場合によっては競合店の価格もチェックすることがポイントである。お客様は客数PI値の高い商品の価格はシビアに見ており、実際、RDS-POSでも、プライスラインがずれている商品は金額PI値が低いのが実態である。

   ちなみに、その客数PI値100%に近い10品であるが、日清カップヌードル77g、日清カップヌードルシーフードヌードル75g、日清カップヌードルカレー85g、日清カップヌードルミニ36g、日清のどん兵衛きつねうどん(東、西)96g、日清のどん兵衛天ぷらそば100g、マルちゃんC赤いきつねうどん(東、西)96g、マルちゃんC緑のたぬき天そば(東、西)101g、日清のどん兵衛きつねうどんミニ西42g、日清焼そばU.F.Oカップ129g等である。この中で東、西とあるのは、味付けが東西違うため、その地域性の違いである。また、意外にミニも客数PI値100%の商品が入っており、これらがカップ麺の定番中の定番といえよう。

   問題は、金額PI値であるが、この中でも、カップヌードル、どん兵衛、まるちゃんはトップクラスの数字であり、金額PI値500円(1,000人当たり)前後の数字となる。グロサリーで金額PI値500円はトップクラスであり、客数PI値が10%以上の中では、このカップ麺では5、6品ぐらいしかなく、まさに重点商品といえる。ただ、この重点商品を全部足しても、金額PI値の構成比は30%ぐらいであり、これでカップ麺全体の数字をカバーできるわけではない。仮に、これでカップ麺の数字がカバーできるのであれば、この重点商品のみを売っていれば良いことになるが、実際は、この重点商品の金額PI値の構成比が約30%であるので、カップ麺は残り、約70%が勝敗の分かれ目となる。

   では残り70%とはどのくらいの品揃えが必要なのかであるが、今回、RDS-POS研究会に参加した東北地区、首都圏、近畿の実態を見てみると、100SKU前後であり、多い店舗では130SKU、少ないところで100SKU弱という結果である。したがって、残り70%の金額PI値を構成しているのはおよそ、100SKUといえ、ここがカップ麺の数字改善ができるかどうかのポイントといえる。その100SKUをどのような商品で品揃えしてゆくか、どのように棚割りを組んでゆくか、どのようにPOP等の販促をかけてゆくか、これで数字が大きく違ってくるといえる。

   今回の各店の数字を見ると、カップ麺の金額PI値はほぼ15,000円前後(1,000人当たり)であるので、SKUが130でも100弱でもあまり大きな差はないといえ、この数字を見る限り、100前後までは絞り込めそうである。したがって、この約30%を重点商品とすると、5,000円であり、残り10,000円が100SKUとなるので、金額PI値100円前後の商品を100品、品揃えしてゆくようなイメージである。極論すれば、金額PI値100円以下になったらカットし、100円以上のものは残し、RDS-POSから100円以上のものを見つけ、新規導入してゆけば良いということになる。

   RDS-POSのカップ麺を見ると、東北地区では約600種類、首都圏では約500種類、近畿圏では約400種類あるので、この中から100種類を選定してゆけば良いといえ、手順さえしっかり決めて取り組んでゆけばけっして難しい課題ではないといえる。要は、自店の約100品のカップ麺のPI値を毎月チェックし、金額PI値100円以下の商品はカット、RDSで金額PI値100円以上の商品と入れ替えれば良い。ただし、その際、できるだけ、客数PI値の高い商品を優先した方が良いといえよう。客数PI値が高いとはそれだけ多くの店舗で検証された商品であるので、当たり外れが比較的少ないからである。また、自店の金額PI値100円以下の商品をカットする場合もRDS-POSの金額PI値を見て、仮に、100円以上であれば、売り不足と考えられるので、カットせず、再度、100円以上にもってゆく挑戦をした方が良いといえよう。

   カップ麺についてはもう1点、重点商品のカップヌードルに対抗する商品、スープヌードルがある。この商品の数字を見ると、各地域、各店舗とも、店舗によってはカップヌードルを上回っている場合もあり、双方が良く売れているのが実態である。したがって、この2つの関係をいかにバランスをとるかがポイントであり、価格設定、棚割り、POP等、慎重に検討する必要があるといえよう。

   このように、カップ麺はRDS-POSで見ると、実に興味深いカテゴリーであり、全国共通、客数PI値100%近い商品が約10品ぐらい存在するという超メジャーなカテゴリーでもある。ただ、この重点商品でも金額PI値の構成比は約30%であり、カップ麺を支えているのは残り100SKUの品揃えであるといえる。したがって、この品揃えの商品にも目を配る必要があり、ここをうまくRDS-POSを活用してゆくことにより、飛躍的に数字の改善につながる可能性もあるといえよう。カップ麺のマーチャンダイジングは、重点商品の強化はもちろんであるが、まずは、自店の全商品の品揃え、1品1品をつぶさに確認するところからはじめて欲しい。 

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March 13, 2012 in PI値 | | Comments (0) | TrackBack (0)

March 10, 2012

RDS003:菓子パンをPOS分析して見ると、・・

   菓子パンは何といってもその品揃えの多さが特徴である。食品スーパーマーケットの全カテゴリーの中でも最も品揃えの多いカテゴリーであり、RDSのこの1月度の直近データで見ると東北地方800、首都圏735、近畿843種類もある。したがって、その中からいかに売場展開するかがポイントとなる。しかも、金額PI値も極めて高いカテゴリーであり、RDS、約300のカテゴリーの中でも、ベスト3には入り、店舗全体の売上げへの貢献も大きく、食品スーパーマーケットでは最重点カテゴリーといえる。ところが、意外に、このような最重点カテゴリーが現場ではなおざりになっていることが多く、伸びしろは極めて大きく、やればやるほど効果が期待できるカテゴリーでもある。

   菓子パンのマーチャンダイジングの基本は月間250から300SKUを品揃えし、過剰在庫を防ぎ、大胆な品揃えの改廃ができるかどうかが最大のポイントである。単品管理による絞り込みは禁物であり、絞り込めば絞り込むほど縮小均衡となり、数字が落ち込んでしまいかねず、反対に、いかに品揃えを増やせるかが売上げを決めるといえ、通常のマーチャンダイジングとは正反対の戦略となる。

   実際、重点商品ベスト10の金額PI値を見てみると、これを全部足しても、全体の約30%ぐらいにしかならないのが実態であり、残り約70%の品揃えが鍵を握っているといえる。ただ、この約30%の重点商品が疎かになると、それはそれで全体への影響も大きく、この上位10品の最重点商品は絶対に品切れを起こさない対策を徹底することも同時に取り組む必要がある。

   したがって、菓子パンのマーチャンダイジング戦略としては、まずは菓子パンの最重点商品10品をしっかり決め、この商品に関しては絶対に品切れを起こさないように発注を行い、棚割でも定位置管理を行いフェイスも十分にとることが課題である。できれば、POPもつけ、しっかりお客さまにも訴求したいところである。そして、一方で、品揃えの拡大をどうはかるか、ここが最大のポイントであるが、できれば、先に述べたように月間、250から300SKUは欲しいところだ。今回のRDS-POS研究委員会でも各社の月間SKUを見ると、少ないところで100SKU、多くても200SKU強であり、まだまだ十分な品揃えができているとはいえず、今後、課題を残しているといえ、いかにSKUを増やしてゆくかが大きな課題となった。ちなみに、金額PI値も100SKUでは20,000円(1,000人当たり)であるが、200SKUとなると30,000円近い数字となり、格段の違いとなる。
 
   その違いをさらに細かく見てみると、重点商品の差はせいぜい金額PI値1,000円ぐらいの差であり、金額PI値10,000円の差がつくのは重点商品以外の金額PI値である。ここで9,000円の差がついており、明らかに品揃えの差が、金額PI値に跳ね返っていることがわかる。しがたって、各地域月間700から800種類ある菓子パンから、250から300SKUの品揃えを確保できるかが金額PI値の差に直結してくるといえ、このマーチャンダイジングノウハウの確立が課題となる。

   そのためには、いかに品揃えを定期的に変化させる、すなわち、入れ替えられるかがポイントとなる。実際の食品スーパーマーケットの菓子パン売場ではせいぜい100種類から150種類が限界であり、実際に1日の販売量を見ると、このくらいの品揃えが過剰在庫にならず、無理なく回せる品揃えの範囲であるといえる。したがって、月間250から300SKUの品揃えを実現するには、毎週定期的に40から50SKUを新商品と入れ替える必要がある。これをスムースに実現してゆくには、RDSのPOSデータを活用してゆくと無理なく、数字で判断し入れ替えが可能となる。

   たとえば、自店の金額PI値の低い商品をカットし、代わりにRDSの金額PI値の高い商品を導入する。ただし、カットの場合は、まずRDSの金額PI値と比べることがポイントである。RDSで金額PI値が高い場合はまだ売り不足であったり、価格設定にズレがあったりする場合があるからである。そして、その際、さらに、客数PI値の高い、その地域でメジャーな商品を優先していれることにより、地域の中での品揃えとのズレがなくなる。さらに、客数PI値は低いがRDSで金額PI値の高い商品の導入も検討する。これはその地域ではメジャーではないが密かに顧客からの支持が高い商品であるので、自店で扱っても売上げが上がる可能性が高いからである。

   このようにRDSデータがあれば、菓子パンのマーチャンダイジングの最大の課題、品揃えの確保、入れ替えはMD評価表から一目同然となり、数字で判断することができ、誰でもコツさえつかめば、スムースに菓子パンの品揃えが拡大してゆく。目標の月間250から300SKUの品揃えも可能となり、結果、菓子パンも自然に活性化されてゆき、マーチャンダイジングノウハウができ上がるといえる。菓子パンはその意味で、誰でもRDSのMD評価表を使えば、最高のマーチャンダイジングノウハウを修得できるといえ、POSデータを通じたマーチャンダイジングの改善を図る上において最初に取り組んで欲しいカテゴリーである。できれば、店舗の全員が菓子パンのマーチャンダイジングを体感し、マーチャンダイジングのいろはを修得して欲しいところである。

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March 10, 2012 in PI値 | | Comments (0) | TrackBack (0)

March 08, 2012

RDS002:RDS-POS研究委員会、第3回終了!

   RDSサプライチェーンにおける協働マーチャンダイジング研究委員会、第3回目が3/7、無事終了した。これで今期の研究委員会は終了、来期、4月以降は、RDS加盟約100社、約400店舗の食品スーパーマーケットに、この研究成果を活用していただき、各店舗のマーチャンダイジングの改善に取り組んでいただくことになる。遅くとも、この秋には、今回の研究委員会の最大の成果ともいうべきMD評価表の活用がWeb上で可能になる予定であり、自店のPOSデータとRDSの地域のPOSデータとのカテゴリーごと、1品1品の単品ごとの比較が金額PI値=PI値×平均単価にもとづいて可能になる予定である。

   今回の研究委員会の成果はこれ以外にもいくつか注目すべき点があった。ひとつはPOSデータだけでなく、イメージ、すなわち、売場写真と連動させて研究委員会を進めたことである。今回の研究委員会の最大の目的は現場の方、特に、実際に売場で商品の品出しを行い、売場をつくり、POPを書き、発注をしている方が、RDSのPOSデータをどう理解し、判断し、店長、本部の協力を得て、実践に活かせるかに焦点を当てた。

   特に、この第3回の研究委員会では前回、第2回の研究委員会の結果とも比較し、数字がどのように動き、そのために売場がどう変化したのかを鮮明な売場写真と連動させたテキストを作り上げた。1つの売場写真をパワーポイント1枚に収め、大きな迫力ある写真で示したことにより、商品1品1品が判別でき、商品名、プライスカード、POPの1文字1文字まで鮮明に映しだされたテキストとなった。実際のマーチャンダイジング研修でもここまで売場画像をふんだんに取り入れたテキストは稀であり、これだけでも永久保存版ともいえる、見てわかる、まるで写真集のようなテキストを作り上げたことである。

   今回、東北から1社、首都圏から1社、近畿から1社の食品スーパーマーケットが研究委員として参加したが、このテキストを明日には社内で議論し、現場の方にRDS-POSデータとともにミーティングを開くことになろうが、現場の方もすぐにアクションを起こせ、マーチャンダイジングの改善イメージを作り上げることができるのではないかと思う。誰もがすぐに動くにはPOSデータを分析し、解釈し、結論をだすというプロセスだけでなく、マーチャンダイジングイメージを先に作り上げ、POSデータが後についてきても良いといえ、むしろ、現場はこの方が望ましいのではないかと思う。今後、POS分析と売場写真は一致させる研修が特に現場では重要なのではないかと、この3回の研究委員会を通じて得たもうひとつの大きな成果である。   
 
   そして、もうひとつは、SNS、facebookの活用である。実は、この3回目の研究委員会を開催するにあたって、実験的に東北の食品スーパーマーケットの研究委員の方とfacebookを活用しての実証実験を行った。すでに、facebookでのやり取りは一部はじめていたので、その一環として、RDS-POSデータが活用可能かをfacebookのプライバシー設定最高度の秘密のグループを立ち上げ、店長、バイヤー、売場担当者に参加してもらい、その実現可能性を探ってみた。facebookでは画像が自由にアップでき、しかも、携帯電話で撮影した売場写真をそのままアップできるので、まさに、売場写真を中心に現場の方とダイレクトにコミュニケーションをはかることができるのが特徴である。
 
   実際、試みに、RDS-POSデータの活用ポイントのひとつ、重点商品の売場管理をfacebookをもとに実施してもらった。RDS-POSデータ活用の極意は重点商品をすばやく見つけ出し、現場で重点管理を行う、これが最初のステップである。そのためには、まずは、自店の金額PI値の高い商品ベスト10をしっかり押さえることであり、この商品を絶対に品切れさせないこと、これが自店の顧客の支持を得るための最優先課題である。

   そして、ここからはRDS-POSデータでなければできない課題であるが、RDS-POSデータで金額PI値の高い商品10品を押さえることである。この商品はその地区では良く売れている商品であるので、これが自店で売れていない場合は、何か現場に問題があるといえ、少なくともRDS-POSデータの平均までは販促をかけ、売上アップをはかるべき優先度の高い商品といえる。そして、最後が客数PI値ベスト10である。これは、その地区で、メジャーな商品であるので、特に売価設定のズレがないかどうかをチェックすることがポイントである。客数PI値が高いとは、その地区の消費者が誰でも知っている商品であるといえ、どこでも購入できる商品であるので、価格帯がずれていれば、絶対に売れないからである。

   このように、この3つのチェックを実際にプライスカードに色別のシールをはってもらい、その結果を参加者全員が写真で共有し、次の展開につなげるわけである。実際、実施てしていただいた結果、RDS-POSデータが売場で視覚化され、その売場写真を参加者全員が共有でき、それを見るだけで、データを見なくとも課題が浮き彫りになった。このようなfacebookの活用が実際可能であることがわかり、SNSはRDS-POSデータとも実に相性が良いことが確認できた。

   今期の研究委員会は、これで終了、あとは、これまでの成果を報告書にまとめることになるが、意外にfacebookの活用の可能性が高いことがわかったので、有志が引き続き、facebookを通じてヴァーチャルでのRDSの研究会を続けることが決まった。その意味で、来期、4月以降は、facebookも視野に入れ、次世代の研究委員会を検討してゆくことがポイントといえそうである。とりあえず、これで、今期の研究委員会の委員長としての役目は終えさせていただくことになる。各研究委員の皆様、本当にお疲れ様でした。

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March 8, 2012 in PI値 | | Comments (0) | TrackBack (0)

March 07, 2012

RDS001:ヨーグルトをPOS分析してみると、・・

   ヨーグルトは日配のカテゴリーの中でも実におもしろい商品が多い。特に、RDS、(財)流通システム開発センターのPOSデータと自社のPOSデータを比較検討すると、これまでに見えなかった様々なヨーグルトの姿が浮かび上がり、マーチャンダイジングの改善のための様々なイメージが浮かんでくる。RDSにはヨーグルトだけで300種類ぐらいある。地域によって多少の違いがあるが、東北地区、近畿地区ではちょうど300種類、首都圏ではやや多く、350種類を超える。ところが実際、各店で扱っているヨーグルトは60SKUから70SKUであり、20%前後である。したがって、約80%は未導入のヨーグルトが市場には出回っているといえ、これひとつとっても、新商品、いわゆる、その店舗ではじめて扱う商品が無限にあるといっても過言ではない。

   ヨーグルトのマーチャンダイジングのおもしろさは、菓子パンと牛乳のマーチャンダイジングを兼ね備えた、両方を足して2で割ったようなマーチャンダイジングである点にあるといえる。しかも、各メーカーの商品開発も半端ではなく、おそらく、すべてのカテゴリーの中でも、考えられるあらゆる商品開発がなされているといえ、新商品も続々と登場し、メーカー同士の商品開発競争も熾烈である。特に、ここ最近は海外勢も頑張っており、ダノンのダノンビオプレーン加糖80g×4個は日本中を席巻しており、売場スペースが十分に取れるところでは、ダノンシリーズだけで4尺1本割いている食品スーパーマーケットもある。

   ちなみに、このダノンビオプレーン加糖80g×4個の客数PI値、金額PI値であるが、2012年1月現在、東北地区、客数PI値85.1%(金額PI値597.3円)、首都圏、客数PI値99.0%(金額PI値484.0円)、近畿、客数PI値96.0%(金額PI値411.8円)であり、東北地区の金額PI値が最も高く、客数PI値は特に、首都圏は99.0%と100%に近く、すごい導入率である。これまでヨーグルトは3連が中心であったが、この商品が大ヒットしたことで一気に4個パックが主導権を握り、各社、この種の商品開発がなされ、ヨーグルトの売場が様変わりしつつある。

   ちなみに、客数PI値100%の商品であるが、明治プロビオヨーグルトLG21 112g(東北、首都圏)、明治 プロビオYG LG21ドリンクT112(首都圏)、明治ブルガリアヨーグルトLB81 450g(近畿)、明治ブルガリアのむヨーグルトプレーン1L(近畿)、明治 ブルガリアヨーグルトブルーベリー80g×4(近畿)、メグミルク牧場の朝ヨーグルト78g×3(近畿)、森永アロエヨーグルト85g×2(近畿)、ダノンビオプレーン砂糖不使用80g×4個(近畿)のみである。近畿が多いのが特徴といえるが、これを含め客数PI値100%に近い商品が各地区10品ぐらいあるのが特徴である。

   したがって、ヨーグルトの重点商品は日配では珍しく、全国的に普及しているナショナルブランドが多く、このような客数PI値の高い商品はいかに平均単価、価格設定を間違いないことが最優先課題となる。そのためにはRDSデータが極めて重要な指針となり、少なくとも、客数PI値の高い商品に関しては、RDSデータの平均単価よりも可能な限り、高くならないような価格設定がポイントといえる。実際、この平均単価と乖離がある売価設定をすると、金額PI値が大きく下がるのが実態であり、消費者はこと客数PI値の高い商品はシビアに価格を見て購入を判断している様子がRDSデータからも鮮明である。

   さて、ヨーグルトが菓子パンと牛乳の双方を合わせてもっている最大の根拠は上位10品の売上構成比である。どの店舗でも共通にだいたい50%前後となるのが通常であり、牛乳のように上位3品で70%とか、逆に菓子パンのように、上位10品で30%ということはなく、ほぼ上位10品では半分となるのがヨーグルトの特徴である。したがって、残り50%、約50SKUの品揃えがヨーグルトのマーチャンダイジングの活性化の鍵を握っているといえ、この品揃えをいかに顧客の嗜好に合わせられるかがポイントである。

   ひと口に品揃えといっても、パーソナルユースとファミリーユースの商品があり、バラ、2連、3連、4連とアイテム分割がきめ細かく、さらに、プレーンを基本に様々なフレーバーがあり、低糖、低カロリー、砂糖0まである。食品において考えられるパターンの商品開発がすべて集約されたカテゴリーがヨーグルトといえる。したがって、商品1品1品のメーカーの開発意図を理解した上で、さらに、RDSデータ等により、自店が未導入商品でも、RDSで客数PI値が高く、金額PI値の高いもの、さらには、客数PI値が低くとも、金額PI値の高いものはどんどん新規導入をはかり、活性化をはかるべきであるといえる。

   このように、ヨーグルトは実に奥が深く、メーカー各社が熾烈な商品開発競争を繰り広げており、あらゆる角度から商品開発がなされているカテゴリーであるといえる。しかも、重点商品だけでは、ヨーグルト全体の約50%の売上構成比であり、重点商品の強化はもちろんであるが、品揃えの改善も同様に重要な商品であり、顧客の声を良く聞き、品揃えの見直しを絶えず実施してゆくことがマーチャンダイジングにとっては重要な課題となる。やればやるほど、研究すればするほど、大きく差がでるカテゴリーでもあり、だからこそ、やりがいがあるカテゴリーでもある。

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March 7, 2012 in PI値 | | Comments (0) | TrackBack (0)

January 16, 2012

ChainStoreAge、PowerCategory2012へ記事投稿!

   Chain Store Ageの最新号、2012年1月15日号でPower Category 2012の特集が組まれ、冒頭の「Power Category 2012売場活性化の視点」に記事を投稿した。タイトルは、「Power Category、本決算に向けて、重点商品を再確認せよ!」である。このPower Categoryの特集は年2回組まれるが、今回は2011年4月から2011年9月までの期間を対象とし、まさに、いま、そして、今後、強化してゆくべきPower Categoryが選ばれている。Power Category選定にあたっては、RDS((財)流通システム開発センター)が全国約400店舗の食品スーパーマーケットから収集したPOSデータを独自に集計したTOPNAVI-NETを用い、文字通り、各Power Categoryの単品にまで落としての分析結果をもとにしている。昨年との比較、地域間の比較、そして、売上シェアトップ20を明示し、いま、強化すべき珠玉のPower Categoryが選定されている。

   ちょうど、この時期は、3/11の東日本大震災の影響が色濃く表れていることもあり、はじめに、「東北地方で強いPower Category(対全国平均)」を取り上げた。当然、東北地方特有のPower Categoryも含まれるが、東日本大震災という未曽有の災害により、需要が跳ねあがったPower Categoryもあるといえ、今後の参考に取り上げたものである。それを見ると、150%以上の異常値を示したものは、ローソク222.9%、除湿剤169.7%、家庭用手袋167.5%、身体洗い用品160.5%であり、いずれも雑貨である。実際、この時期は雑貨が異常値を示しているものが多く、コンビニ、食品スーパーマーケットでも雑貨の数字が高く、ホームセンター、ドラックストア等、文字通り雑貨を強化している小売業は雑貨の数字が跳ね上がっていたといえる。

   これについで、ドリンク剤146.3%、インスタントカップ麺140.2%、砂糖137.1%と食品関係も高い伸び率を示すPower Categoryが登場し、雑貨でもティッシュペーパー144.8%、たわし・スポンジ140.5%等、高いPower Categoryが続く。食品スーパーマーケットとしては、これらのPower Categoryを再確認し、東日本大震災以降も依然として高い伸び率を示しているものに関しては、改めて重点商品の確認が必要といえよう。特に、雑貨に関しては、これを機に、再度、強化すべきPower Categoryを見極め、品揃えの改善を検討したいところだ。

   一方、この期間、東北地方を含め、全国的にPI値が上昇しているPower Categoryもある。これらについては、今回のタイトル、「Power Category、本決算に向けて、重点商品を再確認せよ!」に沿うといえ、しっかり、重点商品を見直して欲しいところだ。そこで、特に、PI値が伸びているPower Categoryであるが、大人用紙オムツ124.3%、除湿剤123.3%、ワイン(果実酒)118.2%、野菜缶詰112.9%、新ジャンル(酒)110.5%、ドレッシング110.3%、漬物109.7%、ルウカレー109.1%、室内芳香剤109.1%、トイレ用芳香剤109.0%等であり、まさに、いま、強化すべきPower Categoryといえよう。

   以上が、記事の前半のテーマであるが、後半では、今回特集された全Power Categoryから重点商品を選定する上においてのポイントを、食品、酒、雑貨の3つの部門をもとにまとめてみた。食品スーパーマーケットのカテゴリーには、重点商品強化型のカテゴリーと品揃え強化型のカテゴリーがあり、今回特集したPower Categoryも、きれいに、この2つに分けることが可能である。これにより、Power Categoryの重点商品を選定する際に、重点商品を絞る方向で検討するか、広げる方向で検討するかが一目瞭然となる。

   今回選定したPower Categoryでは、売上シェアベスト10の重点商品の構成比をもとにその結果を見てみると、食品では、オリゴ糖92.4%、お茶漬けの素78.9%、マヨネーズ75.1%、酒ではノンアルコールビール90.8%、雑貨では除湿剤75.9%であり、これらが70%の上位集中、まさに、重点商品強化型の典型的なPower Categoryである。一方、食品ではドレッシング11.4%、漬物12.7%、酒ではワイン(果実酒)10.3%、雑貨では猫フード9.8%、ヘアカラー11.9%、身体洗い用品18.9%等が品揃え強化型商品であり、上位商品だけでなく、品揃えをどこまで広げるかがポイントといえる。

   本文の中でも言及したが、興味深いことに、同じ売場で展開される、たとえば、調味料のマヨネーズとドレッシングは真逆のPower Categoryであり、ペットフードの犬と猫も真逆のPower Categoryであり、重点商品の選定、品揃えをどこまで広げるか、売場の作り方、POPの訴求まですべて対照的となるので、注意が必要である。食品スーパーマーケットのカテゴリーはこのような対照的なカテゴリーがいくつもあり、今回、取り上げたPower Categoryをよく見て、重点商品の選定をして欲しいところだ。

   このように、今回のPower Categoryの特集は、2011年4月から2011年9月のPOSデータをもとに、いま、そして、今後、強化すべきPower Categoryを選定しており、今回のタイトル、「Power Category、本決算に向けて、重点商品を再確認せよ!」にふさわしいPower Categoryが選定されているといえる。食品スーパーマーケットの決算は1月からはじまり、2月がピーク、そして、3月が次の山であり、その後は5月、9月となるが、2月、3月で大半が終了する。今期、中間決算を見ると、概ね、利益が好調であり、このPower Categoryはまさに、この利益の好調さを支えたPower Categoryといえる。食品スーパーマーケットとしては、再度、このPower Categoryを確認し、本決算に活かして欲しいところだ。

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January 16, 2012 in PI値 | | Comments (0) | TrackBack (0)

December 29, 2011

商品の検証とは、その2?

   前回は商品の検証について、約20年前までにさかもどり、構成比、相乗積について解説し、その後、POS分析とともに発展してきたPI値を活用しての検証にまで言及した。そこで、今回は、このPI値からの商品の検証をもう少し解説し、その後、今後、食品スーパーマーケットの商品の標準検証となると思われるID-POS分析を活用した、ID-PI値からの商品の検証について解説したい。ID-PI値を用いた商品の検証は、まだまだ始まったばかりであり、今後、食品スーパーマーケットだけでなく、メーカー、卸も含め、様々な場面で活用がなされてくることになろう。特に、ID-PI値はこれでのマーチャンダイジングに加え、メーカー、卸の専売特許ともいえるマーケティングの領域に踏み込むことになり、マーチャンダイジングとマーケティングの融合につながる商品の検証となるといえよう。

   まずは、PI値からの商品の検証であるが、PI値の原理は、すべてをレシート客数当たりの指標に換算したところがポイントであり、これにより、過去、すなわち、時間との比較、他の店舗、すなわち、空間との比較を容易にしたことに加え、はじめて、顧客に焦点を当てた商品の検証が可能となったことである。ID客数と比べると、顧客への焦点の当て方に甘さが残るが、その方向を示したことは、大きな前進といえる。

   PI値は通常、PI値のみが独り歩きして、商品の評価指標のひとつと活用されることが多いが、それは、PI値の本質からいえば、実にもったいない話である。PI値は本来、その上位概念に金額PI値があり、同列に平均単価があり、平均単価とともに活用し、商品の検証をしてゆくべき指標である。金額PI値(客単価)=PI値×平均単価であり、金額PI値(客単価)が商品の検証結果、PI値、平均単価がその原因を表しており、PI値の検証とは、金額PI値(客単価)で結果を判断し、PI値、平均単価でその原因を追究するというのが正しいPI値の使い方である。

   したがって、PI値が上がったからといって、喜んではいけない。平均単価が下がったからといって悲しんではいけない。結果である金額PI値が上がれば、それはそれで正解であり、本来の目的を達したことになる。ただ、もちろん、最高の結果は、PI値も平均単価も上がり、結果、金額PI値が上がることである。これが本来のマーチャンダイジングの目指すべき方向であり、商品の到達点といえよう。ちなみに、金額PI値の評価には6つの場合がある。金額PI値が上昇し、PI値、平均単価双方が上昇する場合、平均単価が下がり、PI値のみが上昇する場合、PI値が下がり、平均単価のみが上がる場合の3つ、そして、金額PI値が下がり、PI値、平均単価双方が下がる場合、平均単価が上がり、PI値のみが下がる場合、PI値が上がり、平均単価のみが下がる場合である。

   さて、このPI値からの商品の検証に加え、ここ最近では、ID-POS分析を通じたID-PI値からの商品の検証がはじまったといえる。これは、レシート客数にポイントカードなどを使い、IDの区別が可能となったことにより、可能となった新たな商品の検証方法である。その結果、実に興味深いことに、金額PI値が必ずしも最終的な結論ではないということになり、金額PI値を下げてもID金額PI値が上がれば正解という事例が見られ始めたことである。

   ID-PI値はID金額PI値=ID客数PI値×金額PI値で算出可能となる。これまでの商品の売上高をレシート客数で割った金額PI値に対し、商品の売上高をID客数で割った金額PI値のことである。ID客数PI値がレシート客数をID客数で割った購入頻度であるので、ID客数PI値×金額PI値はレシート客数が約分され、ID金額PI値となり、双方が成り立っていることがわかる。このID金額PI値が開発されたことにより、商品の検証は新たな段階を迎え、これまでの金額PI値(客単価)を結論とみなしていたマーチャンダイジングにその先があることが判明した。そして、商品の検証にID客数PI値が加わり、結果、ID金額PI値で商品を検証することが可能となり、より、精度の高い、顧客視点に立脚した商品の検証の時代へと突入した。

   これは直観的にはよくわかる話であり、金額PI値が1回当たりの顧客の購入金額で商品を評価しているのに対し、ID金額PI値はそれにさらに、購入頻度を加え、それを加味した累計購入金額で商品を評価している点が違い、これが新たな商品の検証につながっていったといえる。しかも、その評価期間が1日、1週間ではなく、ここ最近では年間の累計金額での評価が定着しつつあり、将来的には10年、20年と、店舗が続く限りの商品の評価、検証へとなってゆくものといえよう。

   このように、商品の検証は、この20年の間に劇的に変化しており、初期の頃の構成比、相乗積の時代から、POSシステムの普及とともに、PI値での検証の時代となり、さらに、ここ最近では、ID-POS分析が可能となったことにより、ID-PI値での検証の時代へと入りつつあるといえる。今後、さらに、商品の検証方法は改良され、新たな検証方法も開発されると思うが、商品1品1品をしっかりと、食品スーパーマーケット側だけでなく、メーカー、卸も加わり、より深く検証していって欲しいところである。

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December 29, 2011 in PI値 | | Comments (0) | TrackBack (0)

December 28, 2011

商品の検証とは、その1?

   商品の評価を検証する方法は、これまで様々な方法が考案されてきた。古くは単純な売上高(売上金額)と売上数量をもとにした評価方法である。これが最もオーソドックスであり、いまでも、広く検証に活用されている。ところが、この指標で商品を検証すると、食品スーパーマーケットでは様々な問題が発生する。主な問題点は、過去との比較、他の店舗との比較がうまくできない点である。いわゆる時間と空間の問題である。時間とは、たとえば、先週の売上高、あるいは、昨年の売上高と比較した場合、仮に、売上高が同じであった場合、果たして、これを単純に同じ商品の力があると見なして良いかである。空間とは、売上高が他の店舗と同じであった場合に、同様に同じ商品の力があると見なして良いかである。この問題を解決するために、食品スーパーマーケットでは様々な改良点が加えられてきた。そこで、ここでは、この商品の検証について、初期の検証から、最新の検証までを考えて見たい。

   食品スーパーマーケットは、新規出店がなされると、通常、数年間は売上高が上昇してゆく、そして、数年後には、売上高が上限に達し、ほぼその近辺で収束する。その後、徐々に売上高を落とし、最終的になだらかかなやや下がり気味の横ばいになってゆくのが通常である。いわゆる、これが食品スーパーマーケットのライフサイクルといえ、最終的には、20年から30年で撤退となる。したがって、その時々に、タイミングよく、てこ入れ、いわゆる活性化をしないと売上高の減少に歯止めが効かなくなり、予想よりも、早く、売上高が下がり、収束してしまう。したがって、時間で売上高を評価した場合は、このような点が加味されず、商品の評価があまり意味をなさなくなる。

   一方、食品スーパーマーケットは、原則、チェーン展開を行い、新規出店を増やしてゆくため、様々な立地に出店してゆく。その際、立地環境、あるいは、運営体制が様々な状況になるため、常に、同じ客層、同じ面積、同じ商品構成、同じマネジメントで展開できるとは限らず、様々な売上規模となってゆくのが実態である。可能な限り、チェーンオペレーションを組み、そのブレをなくすような立地への出店、社内体制を組んで臨んではいるが、実際は、大きく、売上高が店舗によりブレるのが実態である。したがって、各店舗間、いわゆる空間での売上高での単純な比較は、商品の評価を見誤る恐れが強いのが実態といえる。

   この問題を解決するために、初期の頃の、ちょうど、今から20年前ぐらいまで取り組まれてきた商品の検証方法は、構成比を算出することであった。構成比とは対象商品の売上高を全体の売上高で割って算出した数値であり、時間、空間での比較が容易となり、これを活用することにより、商品の検証精度が飛躍的に向上したといえる。この構成比はいまでも、商品の検証に活用されており、優れた評価方法であり、この応用として、食品スーパーマーケットが発明した芸術、魔術ともいうべき、相乗積がある。

   相乗積とは、構成比の原理を巧みに駆使し、売上高の構成比と粗利率を掛け、その数値を足して、複数の商品の粗利率をほぼ暗算で瞬時に計算する方法で、はたから見ているとまるで手品のように見える粗利率の計算方法である。ただ、これは魔法でも、手品でもなく、要は、原理は単純であり、粗利構成比を算出しているに過ぎない。売上高の構成比が粗利高の構成比に変わったために、理解しにくくなっただけであり、その本質は極めて単純な原理である。ただ、単純であるがゆえに、優れているといえ、相乗積はいまでも、部門の粗利管理から、棚割りの粗利管理、さらには、刺身盛り合わせの粗利管理、精肉の部位ごとの粗利管理などに応用され、現場で広く活用されている仕組みである。

   この構成比の時代は、その意味で、現時点でも相乗積だけでなく、広く、活用されている商品の検証方法であるといえ、わかりやすく、現場でも活用され、脈々と続いているといえる。

   そして、その後、登場したのが、PI値である。PI値は、POS分析の代名詞ともいえる商品の評価方法であるといえ、POS分析の普及とともに、世の中に受け入れられるようになっていった。一般にPOS分析では、商品ごとに売上高、売上数量、そして、レシート客数(レシート枚数)が算出できるため、これまでの構成比に加え、レシート客数で割ったPI値の算出が可能となったからである。一見、構成比に良く似た指標であるが、構成比が常に全体の売上高で割って算出するのに対し、PI値はレシート客数、これは限りなく、顧客1人当たりの売上高、いわば、顧客シェアに近い数値となり、顧客から、商品がどのように評価されているか、すなわち、商品の顧客からの検証が可能になる点が大きく違うといえる。

   商品の検証は、このように、初期の頃は単純な売上高の比較、そして、その後、長く、現在まで構成比での検証の時代が続いているが、POSの出現とともに、PI値の時代へと突入したといえる。そして、現在では、ID-POS分析の時代となり、新たな商品の検証の時代が始まりつつあるといえるが、これについては、別途、本ブログで取り上げたい。

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December 28, 2011 in PI値 | | Comments (0) | TrackBack (0)

December 16, 2011

MD評価表からレポートを作成するポイント、その2!

   前回はMD評価表から、マーチャンダイジングの評価レポートを作成する上においてのポイントを特に、MD評価表をどう読み解き、どこに着目し、どのような点に気を付けてレポートすれば良いかを解説した。そこで、今回は、MD評価表と現場との連動をどうはかり、その状況をどうレポートに組み込むかを解説してみたい。MD評価表のマーチャンダイジングの評価レポートの数字の解説に加え、現場の状況がこれに反映されれば、より、MD評価表の活用が全社的に広がり、本部、現場一体となった顧客の声に基づいたマーチャンダイジングの改善が促進されよう。

   鶏が先か、卵が先か、MD評価表はよく議論の対象となる。すなわち、MD評価表を見てから、現場を見るか、現場を見てからMD評価表を見るかである。理想的には双方が一致することであるので、どちらからでも良いといえるが、現場は当然、現場優先、本部は現場ほど現場に触れる機会がないので、MD評価表優先となろう。したがって、双方がMD評価表を通じてコミュニケーションをはかることで、双方の認識が一致し、本部、現場の一体化が生れるといえ、その意味では、MD評価表からマーチャンダイジングレポートを本部が作成し、現場の声を反映させることが、レポートを全社的に活用する上においては重要なポイントといえよう。

   では、どのように、現場の声をレポートに反映させるかであるが、まずは、前回、解説したように、本部が数字を限界まで解明することである。ここが第1ステップとなろう。そして、その結果、現時点の全社として共有すべき象徴的なマーチャンダイジング改善の課題となる商品、店舗を特定することが第2ステップである。そして、可能であれば、その商品、店舗へ出向いてゆき、現場の写真、動画をとり、担当者になぜ、このようなマーチャンダイジングを実践しているのかを確認することが第3ステップである。もちろん、現場から写メールを送ってもらっても良い。

   その際、課題となる商品、店舗であるが、第1優先は全社の数字を大きく改善する可能性の高い商品、店舗を選定することである。そして、第2優先は、正反対、全社の数字に大きな影響を与える可能性の高い商品、店舗を選定することである。この2つが優先課題であるといえ、後は、その次に課題となるもの、短期的に解決可能なもの、中長期的に解決可能なものなどを選定すると良い。そして、必ず、その商品、店舗の写真、動画、場合によっては図などのイメージをレポートに加えることがポイントである。できれば、現場のコメントも欲しいところだ。

   現場のコメントに関しては、共通の言語として、MD評価表を前提に会話をすることがポイントである。MD評価表は本部、現場の共通の言語、顧客の声を反映したものであるので、ただ、現場の声を拾うのではなく、なぜ、金額PI値が変化したか、その要因がPI値にある場合は、PI値がアップした具体的なアクション、平均単価がアップした場合も、その要因を、現場とともに、確認することである。そして、そこから、全社がすぐに取り組める要素を引出し、これをレポートに写真、動画、そして、MD評価表とともに、簡潔にまとめることがポイントである。

   では、どのような頻度でレポートを作成するかであるが、大きくは2つに分かれよう。ひとつは週別の速報、戦術的なレポートである。そして、もうひとつは、月別のまとめ、戦略レポートである。その違いであるが、週別の戦術レポートは、即時に業績アップ、課題改善が可能なものが望ましく、金額PI値の高い商品を中心に取り組むと良い。また、レポート枚数も、写真も含め、できれば1枚か2枚に集約したいところだ。これに対して、月別の戦略レポートは、週別のまとめと同時に、可能な限り、金額PI値の低いものまで目を配りたいところだ。また、昨年同月との比較も加えられればなお良い。レポート枚数も4、5枚から7、8枚ぐらいまで欲しいところだ。さらに、写真もベストショットに加え、課題ショットも加えると、内容が充実することになろう。

   したがって、年間12ケ月、52週であるので、週別は年間52回の速報、戦術レポートを1回につき、1、2枚発信し、月別は12回、週別のまとめ+アルファとしての戦略レポートを1回につき数枚発信し、本部と現場の一体化をはかり、MD評価表を媒介にし、顧客の声にもとづいたマーチャンダイジングの改善を図ってゆきたいところだ。

   このように、2回に渡って、MD評価表からレポートを作成するポイントについて解説したが、MD評価表は現場で日々発生している商品と顧客との接点を数値化した数表であり、まさに、顧客の声にもとづいたマーチャンダイジングの評価表である。現場は現場の情報しか触れる機会がないのが実態といえ、全店の情報が即座に集まる本部が週別の戦術レポート、月別の戦略レポートを可能な限り、現場の声を取りいれ作成し、発信することがポイントである。そうすることにより、本部も現場を理解し、現場も全店舗の中で自らの位置をつかみ、双方が顧客の声に立脚したマーチャンダイジングを実践してゆくことが可能となろう。

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December 16, 2011 in PI値 | | Comments (0) | TrackBack (0)

December 15, 2011

MD評価表からレポートを作成するポイント、その1!

   MD評価表は文字通り、マーチャンダイジングを評価するための帳票であるが、どの指標をもとに、どのように評価し、さらに、それをレポートにするには、それなりのコツが必要である。特に、商品数が多く、店舗数も多い場合には1枚の帳票では足りず、縦横に帳票が広がってゆくので、何がポイントなのかがわかりにくくなり、マーチャンダイジングの評価があいまいになってしまいかねない。そこで、ここでは、MD評価表から、どのようにマーチャンダイジングを評価し、その評価レポートをどのように作成してゆけば良いのかを解説してみたい。

   MD評価表は、この20年間で、様々な進化を遂げ、最新のMD評価表はID-POS分析で用いる新MD評価表であるが、ここでは、その原点ともいうべき、基本中の基本のMD評価表をもとに、マーチャンダイジングの評価とその評価レポート作成のポイントを解説してみたい。これができれば、ID-POS分析の場合も、商品からID、すなわち、顧客への転換に過ぎず、基本は同じ、応用が可能であるので、まずは、ここを抑えることがポイントといえよう。ただし、将来、ID-POS分析が一般に普及すれば、これが逆転し、先に、ID、顧客からマーチャンダイジングを抑え、次に商品への応用となろう。

   まずは、MD評価表の基本構造であるが、商品の数字を3つの角度から見るのが基本である。客数(レシート枚数)、買上金額、買上点数である。そして、これを商品間、店舗間のマーチャンダイジングを比較するために、PI値、すなわち、客数当たり(レシート1枚当たり)に換算して、指標化することになる。ここで客数(レシート枚数)のとらえ方であるが、基本は全客数(総レシート枚数)を原則とするが、商品ごとの客数(レシート枚数)が把握できるのであれば、新たに客数PI値を加え、PI値も全体で割ったPI値、商品ごとの客数で割ったPI値(PPI)も算出するが、ここでは、全客数(総レシート枚数)の場合を取り上げる。したがって、MD評価表の指標は、ここから、金額PI値=PI値×平均単価のたった3つの指標となる。金額PI値が買上金額/客数、PI値が買上点数/客数、平均単価が買上金額/買上点数であるので、この数式が成り立っていることがわかる。

   さて、マーチャンダイジングの評価であるが、MD評価表はこの3つの指標、すなわち、金額PI値=PI値×平均単価で成り立っており、しかも「=」で結ばれているので、左右を分けて考えることがポイントである。すなわち、左、金額PI値が結果、右、PI値と平均単価が原因であり、因果関係を表している。したがって、金額PI値が高いのか、低いのか、上がったのか、下がったのかを見極めることが最初の着眼点であり、その次のポイントが、その原因がPI値にあるのか、平均単価にあるのかを見極めることである。基本はこの1点であり、これがマーチャンダイジングを評価するポイントである。

   ちなみに、このMD評価表から仮説を作る場合も、この応用であり、まず、結果、すなわち、金額PI値の目標設定が先であり、次に、仮説、すなわち、PI値を引き上げるのか、平均単価を引き上げるのか、あるいは、平均単価を引き下げて、それ以上にPI値を引き上げるのかなどの方針を決定し、その具体策、すなわち、仮説を策定することになる。

   次に、マーチャンダイジングの評価ポイントであるが、MD評価表をもとに、評価する際には必ず、縦、横のソートをかけることが必須である。ソートは、まずは、結論、金額PI値のソートであり、ついで、必要に応じて、PI値、平均単価のソートである。その結果、左上に金額PI値の高い商品、金額PI値の高い店舗が来ることになる。したがって、どんなに商品数が多くても、どんなに店舗数が多くても、たった1枚のMD評価表で重点商品、重点店舗を一目で把握することが可能となる。ちなみに、左に店舗の平均値(合計)、上に商品の平均値(合計)をもってくれば、左上の数字がMD評価表全体の結論であり、この数字を引きあげることが、全商品、全店舗のマーチャンダイジングの水準を引き上げることになるといえ、この数字をいかに高めるかが、マーチャンダイジングの最終目標となる。

   そして、そのために、縦に見てどの商品が全体へ対してインパクトがあるのか、あるいは、今後、伸びる可能性があるのか、横に見て、どの店舗が全体へのインパクトがあるのか、あるいは、今後、伸びる可能性があるのかを見極めることが、マーチャンダイジングの評価レポート作成へとつながってゆく。そして、そのためには、MD評価表のサブ帳票として、先月との比較、昨年との比較、すなわち、時間の観点を入れることもレポートを作成するには必須といえよう。

   このように、MD評価表は単純な縦、商品、横、店舗の帳票であるが、これを縦横の金額PI値でソートすることにより、たった1枚の結論が導かれ、これをもとにまずは評価レポートを作成し、ついで、時間、すなわち、先月、昨年比較を加味すれば、さらに、レポートに深みが増すことになる。まずは、MD評価表に金額PI値でソートをかけ、ラインマーカーで縦、商品、横店舗を俯瞰し、両極端、すなわち、数字の良い商品、店舗と悪い商品、店舗を色塗りし、ついで、先月、昨年対比も同様に色塗りすれば、商品ごと、店舗ごとの強さ、弱さが鮮明になる。これができれば、あとは、MD評価表から浮かび上がった事実をもとに、数字改善の方向性を店舗、商品双方から検討すれば良い。ここまで来れば、後は、それをわかりやすくレポートにするだけであり、結果、論旨明快な簡潔なマーチャンダイジングの評価レポートが作成できよう。

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December 15, 2011 in PI値 | | Comments (0) | TrackBack (0)

March 02, 2011

PI値、合計問題!

   PI値は食品スーパーマーケット業界では当たり前に活用されているが、その活用方法に関しては実は各社各様まちまちであるといえる。たとえば、PI値の指標を100倍するか、1,000倍するか、それともそのままの数字を使うかは、古くて新しい問題のひとつである。また、PI値について、金額PI値を重視するか、数量PI値を重視するか、これもさらに古くて新しい問題であるといえる。このように、PI値は突き詰めると、使い方、解釈の仕方に様々な問題があるが、ここでは、比較的最近問題となった課題を取り上げてみたい。

   その問題とはPI値の合計問題である。PI値は原則、顧客1人当たりの指標であるので、PI値に換算されたものは単純に足してもいいように思える。たとえば、目の前のバナナのPI値が10%であった場合、その横にリンゴがあり、そのPI値が5%であった場合、バナナとりんごの合計のPI値はいくらになるかであるが、10%+5%で15%となる。当たり前といえば、当たり前であるが、では、A店のバナナとB店のバナナがあり、A店のバナナは10%、B店のバナナは5%であった時、合計のPI値はいくらになるだろうか。

   これを単純に足すと15%であるが、はたしてそうか。PI値が足し算できる前提はあくまで対象顧客が同一である場合であり、対象顧客が違う場合のPI値は単純に足すことはできない。したがって、この場合のPI値は原点にもどって、A店の客数+B店の客数を分母にし、A店の売上金額(数量)+B店の売上金額(数量)を分子にし、計算するのが正しいPI値であるといえる。PI値は対象顧客こだわる指標であり、常に、分母の顧客が何かを見据えている必要がある。

   では、ここで問題であるが、A店のバナナが10%、B店ではバナナが欠品して売場になかった場合、A店とB店の合計のPI値はいくらになるか。これが今回のテーマ、PI値の合計問題である。この問題は古くて新しいテーマではなく、新しくて新しいテーマのひとつといえよう。

   さて、どう考えたら良いかであるが、ひとつは、B店にバナナがなかったのだから、A店のみでPI値を考えればよく、この時のバナナの合計PI値は10%であるという考えである。そして、もうひとつは、B店はたまたま欠品していた訳であり、これは0個売れたと考えるべきであり、PI値は0%になるが、分母の客数はそのまま活きており、A店の客数とB店の客数を足した合計客数を分母にし、PI値を算出すべきであるという考えである。仮にそうなると、PI値は客数が増える分、分母が大きくなり、この時のバナナのPI値は10%を大幅に下回ることになる。

   はたしてどちらが正しいかであるが、結論からいうと両方正しい。両方ともA店、B店の合計のPI値であり、間違いではない。なぜか。この2つのPI値は次の数式で結びつけることができる。すなわち、PI値総店=客数PI値×PI値扱店である。PI値総店は分母がA店とB店の客数を足したPI値、PI値扱店は分母がA店のみの客数のPI値である。そして、客数PI値がA店の客数をA店+B店の合計客数で割ったものであり、客数/客数であるので、客数PI値と呼んでいる。

   したがって、どちらのPI値も正しく、PI値総店は全体の客数を分母にしたPI値であり、PI値扱店は扱っている店舗のみの客数の合計を分母にしたPI値であり、これもありである。そして、この2つのPI値を矛盾なくつなげる指標が客数PI値であり、この客数PI値でPI値総店とPI値扱店とを関係づけることができる。これがチェーンストアが活用すべき、企業全体のPI値の活用方法であり、PI値はどちらも正しいというのが正解で、両方のPI値、及び、客数PI値の3つの指標で見るのが正しいチェーンストアにおけるPI値の活用方法である。

   では、この2つのPI値をどのように、実務として使っていったら良いだろうか。たとえば、このチェーンでバナナの売上目標をつくる場合、どちらのPI値を使うかである。実務的にはPI値総店ではなく、PI値扱店が正解である。たとえば、A店のバナナが10%でB店のバナナが未導入である場合、B店のバナナを、A店のバナナ、すなわち、PI値扱店を当てはめるか、それとも、PI値総店当てはめるかといえば、当然、A店、すなわち、A店のPI値をそのままB店の売上目標の基本数字とすることによって、B店もA店のバナナの水準まで引き上げようとする意欲が沸くからである。

   そう考えると、PI値扱店が実務的には活用すべきPI値であるといえ、PI値総店では、目標がかなり下がってしまい、実務としては消極的な結果を招くことになろう。商品が欠品、未導入等で店舗にない場合のPI値はそのチェーンストアのPI値総店ではなく、PI値扱店を採用すべきであり、その方が目標も現実的に設定でき、実務に活用できるものといえよう。

   このように、PI値の合計問題はやや複雑であるが、特にチェーンストアでは未導入店舗の扱いがポイントであるといえ、実務的には未導入店舗を除いた扱店舗のPI値を基本に据え、横目で客数PI値とPI値総店をにらみながら活用してゆくのがPI値の正しい、しかも、実践的な活用方法であるといえよう。

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March 2, 2011 in 経済・政治・国際, PI値 | | Comments (0) | TrackBack (0)

February 09, 2011

PI値とチェーンストア、その相性!

   チェーンストアとPI値は実に相性が良い。通常、チェーンストアにおいて店舗から上がってくるPOSの生データは売上金額が最優先となり、ついで、売上数量、そして、レシート枚数(客数)となる。この3つしか、現場から上がるPOSデータはなく、それが日々、場合によっては時間帯別にリアルタイムで上がってくるのが実態である。ちなみに、ID-POS分析の場合はこれにIDが加わるだけであり、通常のPOS分析も、ID-POS分析も原理的には延長として考えられる問題である。

   したがって、このPOSデータをチェーンストアとしてどう活用するか、これがPOS分析の課題であるといえる。単純なPOS分析では、この生データをほとんど加工せずに分析する場合が多い。売上金額順、売上数量順、レシート枚数(客数)順である。そして、これをABC分析することにより、各店舗の良い悪いを判断することになる。ただ、これでは分かりにくいので、昨年対比を算出し、そこから問題点を発見する場合もあり、これが一般的なPOS分析の実情といえよう。

   そこで、PI値であるが、PI値の面白さは、昨年対比がなくとも、ABC分析をすることがなくても、チェーンストア全体をたったひとつのPI値という指標で俯瞰できてしまうところであるといえる。その意味でPI値は戦略論であり、数字自体は実に細かく、小数点以下、第2位ぐらいまで算出し、しかも、食品スーパーマーケットの全単品約10,000品目のPI値まで算出するので、ミクロ分析のような印象があるが、活用方法は全く逆でマクロ分析であるといえ、戦略論である。チェーン全体がどのような顧客からの評価を得ているのか、各店はどうか、各店舗間の評価はどうか、さらには、部門、カテゴリー、単品はどうか、次々に頭の中で掛けめぐる疑問をPI値というたったひとつの指標でひも解いてゆく、これがPI値の醍醐味といえよう。

   特に、店舗数が100店舗を超えると壮観なPI値の曼荼羅ができあがり、これをじっと眺めているだけで、全店、各店、各カテゴリー、各単品のイメージが頭の中に描かれ、現場の問題点、課題等が自然に浮かびあがってくる。その意味で、PI値はミクロから入るのではなく、マクロ、まずは全体像をつむところから入ると良い。そして、実際にイメージをもった上で、現場にゆくと、なぜ、PI値がこんなに高いのか(顧客からの絶大な支持がある)、逆になぜこんなに低いのか(顧客から支持を失っている)かが、現場で実感できることが多い。特に、現場の担当者に一言質問するだけで、その答えから、要因がつかめることが多々ある。逆に、その数字を示し、たとえば、このバナナは全店No.1のPI値だが、なぜNo.1かを現場といっしょに考える。逆に、なぜ、ワーストなのかを考える。そして、全店No.1をとにかく見にゆき、その担当者どうしが会話するだけで、全体の活性化につながってゆくことになる。

   もちろん、慣れてくると、逆の場合も自分を鍛える意味で効果がある。すなわち、まず、現場にゆく、そして、何が良いか、何が問題かを直感で判断する。そして、PI値を見る。直感とPI値とが重なっていたか、ずれていたか、これを繰り返すことにより、直感力がつき、数年もすれば、現場での直感とPI値とのズレがほとんどなくなるといえる。

   ところで、PI値の見方であるが、通常、PI値というと、売上数量/レシート(客数)、いわゆる数量PI値に焦点があたるが、本来のPI値の活用のポイントはキャッシュに焦点を当てた金額PI値(客単価)、すなわち、売上金額/レシート(客数)が基本である。数量PI値は、金額PI値=PI値×平均単価であり、金額PI値(客単価)、すなわち、キャッシュをお客さまからいただくための課題を発見する指標のひとつにすぎない。その意味で、平均単価も数量PI値と同様に、金額PI値の構成要素であり、この2つの指標を課題発見のツールとして駆使し、目標はあくまで金額PI値で判断するのが本来の活用の仕方である。

   したがって、仮に数量PI値が上がっても、平均単価が下がりすぎ、金額PI値が下がってしまえば、それはお客さま1人1人からいただけるキャッシュが減ったことになるので、失敗である。同様に、平均単価を引き上げても、PI値がそれ以上に下がれば、金額PI値は下がってしまうので、これもキャッシュが減り、失敗である。PI値活用の極意はこのバランスであり、PI値、平均単価双方の絶妙なバランスが成立した時、はじめて、金額PI値が上昇し、キャッシュが増えてゆく。まさに、経済学の原理、需要供給の法則がそこに隠されているといえ、顧客と商品との接点、これをしっかり、捉えられるかどうかが、PI値活用の決め手といえる。

   このように、PI値はチェーンストアにおいては顧客の声をダイレクトに反映する指標であり、店舗数が増えれば増えるほど、その効果が増し、たったひとつの指標で経営者から現場までが、共通にマーチャンダイジングの良しあしを判断できる指標であるといえ、実にチェーンストアにとっては相性の良い指標であるといえる。そして、この原理がマスターできば、次世代のPI値、ID-PI値もスムースに導入が可能となり、PI値ではけっして見ることのできなかった新たな世界を誰でも垣間見ることができよう。

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February 9, 2011 in 経済・政治・国際, PI値 | | Comments (0) | TrackBack (0)

October 08, 2010

MD評価表とは?

   本日、10/8は、POS/RDS分析セミナー当日である。私の持ち時間は、14:10から15:40までの90分であり、今回、テキストを2つ用意させていただいた。ひとつは、「PI値の基礎講座」、そして、もうひとつはメインテキストの「自社と地域POSデータのPI値活用方法大公開」である。このテキストは、何らかの形でセミナー同様無料で一般公開してゆきたいと考えており、いずれ本ブログで告知する予定である。また、本セミナーの内容については改めて、本ブログでも取り上げる予定であるが、ここでは、今回のセミナーの根幹となっているMD評価表について解説したい。

   MD評価表とは、文字通り、マーチャンダイジングを評価する帳票のことである。PI研オリジナルであり、いまから約20年前、まだ船井総研の時代であるが、1992年10月に基本方程式、MD方程式を開発し、そのMD方程式にそって、各指標を帳票化したものであり、MD評価表と名付けた。原理は極めてシンプルである。そもそも売上高は客数と金額PI値(客単価)に分解できる。そして、金額PI値(客単価)は売上高/客数であるので、この売上高を売上数量×平均単価と分解することによって、金額PI値(客単価)は(売上数量×平均単価)/客数となる。したがって、この内、売上数量/客数はPI値であるので、結果、金額PI値(客単価)はPI値×平均単価と分解できる。

   ここから、売上高は、売上高=金額PI値(客単価)×客数=PI値×平均単価×客数と分解でき、これがMD方程式である。マーチャンダイジングはPI値の改善、平均単価の見直し、そして、客数アップが優先順位であるので、その順番に各指標を並び替えた。MD評価表は、このMD方程式の中の、特に、金額PI値(客単価)=PI値×平均単価に着目し、この順番に帳票化し、マーチャンダイジングを評価できるように工夫したものである。したがって、マーチャンダイジングの評価は金額PI値が基本であり、これが結果であり、目標となる。PI値、平均単価は原因であり、手段である。良く勘違いされるのが、PI値を評価してしまい、PI値を結果と見、目標とする場合があるが、これは間違いである。金額PI値=PI値×平均単価であるので、左辺が結果、目標であり、右辺が原因、手段である。

   したがって、どんなマーチャンダイジング手法をとってもかまわないが、金額PI値が上がらなければ、たとえ、PI値、平均単価が上がったとしても間違いである。ただ、最新の新MD方程式はIDを組み込んだID-POSのMD方程式が開発されており、これは売上高=ID金額PI値×ID=ID客数PI値×金額PI値×IDとなり、ここから新MD評価表はID金額PI値=ID客数PI値×金額PI値に着目した帳票となる。この場合はID金額PI値が結果であり、目標となる。ID客数PI値、金額PI値は原因となり、手段となるので、金額PI値の位置づけがかわり、結果、目的ではなくなる。この場合のマーチャンダイジングの評価はID金額PI値となるので、仮に、金額PI値が下がってもID客数PI値が上がり、ID金額PI値が上がれば、正しいマーチャンダイジングとなる。

   話をもとにもどし、金額PI値であるが、金額PI値=PI値×平均単価であるので、金額PI値が上がるケースは3つある。PI値のみが上がる場合(平均単価が下がる)、平均単価のみがあがる場合(PI値が下がる)、そして、双方が上がる場合である。同様に、金額PI値が下がる場合も3つあるので、マーチャンダイジングの評価は上がった場合が3パターン、下がった場合が3パターンの合計6パターのどれかに治まることになる。理想は金額PI値が上がり、その中身のPI値、平均単価双方が上がった場合であり、次善はPI値のみ上がった場合であり、ついで平均単価のみ上がった場合となる。逆に最悪は金額PI値が下がり、その中身、PI値、平均単価双方が下がった場合である。

   したがって、この原理をRDSの地域POSデータに応用すれば、RDSの地域POSデータと自店のPOSデータをMD評価表に落とすことができ、自店のマーチャンダイジングをRDSの地域POSデータと比較し、評価することが可能となる。これが今日のPOS/RDS分析セミナーのポイントである。したがって、はじめて、RDSの地域POSデータと自店のPOSデータがMD方程式にもとづく、MD評価表に落とすことが可能となり、これによって、日本中の食品スーパーマーケットのマーチャンダイジングを単品レベルで評価できるようになったといえる。それが、まさに、10/8、今日から、無料で全国の食品スーパーマーケットがRDSに参加すれば、たとえ、自社にPOS分析システムがなくても、毎月MD評価表に落ちるようになり、自社のパソコンのインターネットで閲覧できるようになる。

   約20年前にMD方程式を開発した時は想像もできなかった世界であり、しかも、RDSの地域POSデータも、MD評価表の使用、そして、このセミナーもすべて無料であり、すごい時代だと思う。特に、今回の仕組みは1店舗から可能であり、小規模のPOS分析が十分にできない食品スーパーマーケットにとっては朗報である。また、大規模の食品スーパーマーケットの場合は、各店長が自分の店舗のマーチャンダイジングの実態を判断することもでき、意欲のある店長は自社のマーチャンダイジングの強化、そして自らの成長のためにも大いに活用して欲しい仕組みである。

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October 8, 2010 in 経済・政治・国際, PI値 | | Comments (0) | TrackBack (0)

September 13, 2010

POS/RDS分析セミナー開催、10/8(金)!

   すでに、ブログ、食品スーパーマーケット最新情報の左上に告知しているが、10/8(2010)にPOS/RDS分析セミナーを開催することになった。主催は財団法人 流通システム開発センター、協力は株式会社 マーチャンダイジング・オン(RDSのデータベースサービス企業)であり、私がメイン講師となるセミナーである。今回はじめてfree&freeのセミナーを開催する。セミナー受講料は無料(free)、小売業の方はRDSに参加いただければRDSの地域POSデータが無料(free)となるセミナーである。RDSには1店舗から無料で参加可能であるので、この際、free&freeを満喫して欲しい。 

   また、前回のブログで菓子パンの無料診断を取り上げたが、RDSデータをこれを機会に是非、体験してみて欲しい。すでに、クライアント数社で検証済であるので、自店のPOS分析では味わえないコクと深みを感じることができ、自店の菓子パンのマーチャンダイジングの課題が鮮明に浮かび上がるのではないかと思う。菓子パンは食品スーパーマーケットの全カテゴリーの中でも金額PI値が最高峰の商品であり、意外に、マーチャンダイジングの研究が遅れている分野である。したがって、改善効果も大きく、100店舗クラスのチェーンストアになれば、菓子パンだけで、年間1億円の改善も可能であり、全体への波及効果は高い。また、菓子パンは食品スーパーマーケットのマーチャンダイジングを学ぶ上でも、最適な商品のひとつであり、私自身が今回は丁寧に診断レポートをつくり、アドバイスするので、ご検討いただければと思う。

   今回のPOS/RDS分析セミナーでは菓子パンも、もちろん取り上げるが、RDSのすべてのカテゴリーを対象とした内容になる予定である。食品スーパーマーケットでは、生鮮食品を含め、約300のカテゴリーがあるが、RDSはJANコードが主体であるので、この内約200ぐらいのカテゴリーが対象となる。一部JANコードの生鮮食品をはじめ、加工肉、冷惣菜、日配、食品、酒、菓子、・・等である。これらのまず全体像を示し、実際に食品スーパーマーケットの事例と比較し、どのカテゴリーに強みがあり、どのカテゴリーに課題があるのかを明らかにする。RDSデータは地区別にも集計されているので、自店と地区とのPOSデータでの比較ができ、より、実践的な内容となっている。

   そして、この200のカテゴリーから、自店の最も強いカテゴリーを20、逆に最も課題のあるワーストカテゴリーを10、自動選定し、そこから、活性化の第1ステップに取り組めるような分析がなされている。基本、PI値理論にもとづきMD評価表形式でフォーマットが作られているので、金額PI値=PI値×平均単価、そして、RDSデータ特有の客数PI値が算出されており、自店のPOSデータとRDSデータとが比較検討できるフォーマットである。

   特に、ベスト20、ワースト10のカテゴリーに関しては、最優先で単品管理に取り組めるように、全く同じフォーマット形式でSKUまで落とし込み、すぐにアクション可能なように設計されている。自店の取り扱い商品は金額PI値順、自店が取り扱っていない商品は客数PI値順に商品が並び、自店のPOSデータとRDSのPOSデータが単品ごとに金額PI値、PI値、平均単価で比較できるので、一目で強み、弱み、問題点が把握できると思う。今回の無料診断の菓子パンで見ると、約1,000SKUが縦に並び、壮観なMD評価表となる。

   今回、これらすべての基本帳票、応用帳票の各種MD評価表も新たに、(株)マーチャンダイジング・オンと開発済であり、クライアントでも検証済である。したがって、現状のRDS参加企業はもちろん、今後、参加するRDS企業も今回のセミナーで公表するすべてのフォーマットが無料で活用可能となり、さらに、限られた時間であるが、今回のセミナーで公開するPOS分析の活用ノウハウも、このMD評価表があれば、十分に活かすことができるものと思う。さらに、今回は、POSデータを店舗改装に活かすノウハウも時間の許す範囲で公開する予定であり、盛りだくさんの内容となる。

   セミナー終了後も菓子パンの無料診断は続ける予定であり、今回のMD評価表も要望をお聞きし、改善してゆく予定である。さらに、今回のフォーマットを活用した分析事例、実践活用事例等も可能な限り公開してゆく予定であり、このセミナーを機に自店のPOSデータにRDSデータを組み込み、自店の活性化を強力に進めていただければと思う。

   POSデータは自店のデータだけを活用する時代から、今回も、見方を変えればクラウドを活用したPOSデータ分析であり、食品スーパーマーケットにとっては、新たなIT活用の時代に入ったといえよう。特に、今回は1店舗からRDSには参加が可能であり、すでに、数10店舗、数100店舗を展開し、情報システム、POS分析体制も整っている食品スーパーマーケットも1店舗から活用可能であるが、むしろ数店舗クラスの食品スーパーマーケットに活用していただきたいところである。自店のPOSデータだけではわからない品揃えはもちろん、単品ごとの売上アップの可能性(機会ロス)、発注の目安、地域の平均単価にもとづく値頃感、そして、最も重要な重点商品の選定、カット導入商品の決定、新商品の動向などをMD評価表からつかむことができ、今回のセミナーは、今後の自店の活性化に必ず役立つものと思う。

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September 13, 2010 in 経済・政治・国際, PI値 | | Comments (0) | TrackBack (0)

September 06, 2010

菓子パン、POSデータを見る!

   菓子パンは食品スーパーマーケットの商品群の中でも極めて重要なカテゴリーといえる。金額PI値で見ると、間違いなく、ベスト5には入る最重点商品のひとつである。ところが、この重要な菓子パンについては充分なマーチャンダイジングの研究がなされているとはいえず、品揃え、発注、棚割、販促等、現場担当者まかせになっている場合が多い。これは、長い間、食品スーパーマーケットは、各パンメーカーのルートセールスにマーチャンダイジングを委ねていたこともあり、自ら菓子パンのマーチャンダイジングを考えることがなかった点も大きいといえよう。

   そこで、改めて菓子パンのマーチャンダイジングを実際のPOSデータをもとに考えてみたい。まず、菓子パンはどのくらい種類があるかであるが、SKU(Stock Keeping Unit)で、月間約1,000種類である。これは日本全国ほぼ同じといえ、したがって、菓子パンのマーチャンダイジングのスタートは、この約1,000種類の菓子パンの中から品揃えを決定することからはじまる。ここで問題が発生する。いったい、この中からどうやって重点商品を選ぶか、そして、どのくらい品揃えをすれば良いか、さらに、それぞれどのくらい発注をすれば良いかである。

   では、そもそも、この1,000種類の菓子パンのPI値はどのような分布となっているかであるが、残念ながら、菓子パンで1%(食品スーパーマーケットで約200品ぐらいある)を超えるPI値の商品はほとんど存在しない。稀に、3%を超えるお化けのような商品が店舗によってはある場合もあるが、どの店舗でも確実に3%を超えることはない。したがって、まず抑えるべきは、0.5%以上の菓子パンである。これが菓子パンの最重点商品であり、1000SKUの中に約10品ぐらい存在する。ここをしっかり押さえることが、菓子パンのマーチャンダイジングのはじめである。どんな商品があるかであるが、あんパン、ジャムぱん、クリームぱん、マーガリンパン、メロンパン等、いわゆる定番中の定番である。したがって、これら10品が24時間、365日欠品しない重点管理をできるかどうかがポイントとなる。そして、発注を最優先で行うことはもちろん、レイアウト、棚割、POP等、細心の注意を払い管理することが重要である。

   次に、可能であれば、世間で確実に、ほぼ毎日販売されている商品を抑えることである。食品スーパーマーケットであれば、全国どこでも、大小関係なく、財団法人流通システム開発センターへPOSデータを送れば、無料でRDS(Ryutu(POS)Data Service)が取得できるので、菓子パンの1000SKUはもちろん、グロサリー、日配等の自社の地区のPOSデータを見ることができる。なお、余談だが、RDSデータを活用した菓子パンの無料診断サービスを近々にはじめる予定であるので、その時は、是非利用していただければと思う。

   さて、RDSのようなPOSデータがあれば、そこから、カバー率、ないしは客数PI値の高い商品を重点商品に加えることがポイントである。約70%ぐらいで良いと思うが、共通に販売されている菓子パンを加えることである。だいたい20品ぐらいあると思う。RDSデータが入手できない場合は次善の策として、自社のチェーン全体の約70%ぐらいで販売されている共通の商品を加えれば良い。これで重点商品を決定することができ、第1ステップの完了となる。

   次が、第2ステップ、実は、菓子パンでは、ここが決定的なステップ、品揃えの決定である。菓子パンの品揃えは食品スーパーマーケットの売場を見ていても実はわからない。品揃えとは目に見える品揃えと目にみえない品揃えがあるからである。目に見える品揃えは売場を見ればわかるが、目に見えない品揃えは品揃えの変化を読みとることであり、具体的には週間、月間等の総SKUを抑えることがポイントとなる。いわゆる時間軸を加味した品揃えである。したがって、RDS、自社のチェーン全体のPOSデータから月間の品揃えを抑えることである。どのくらいが基準となるかであるが、PI値で月間0.1%水準(1,000人で1個売れる商品)を超えた実績のあるものはすべて押さえたいところだ。

   実際に分析してみると、約1000SKUの菓子パンの中に300SKUぐらい存在する。当然、カバー率、客数PI値はまちまちであるので、できるだけ、その数値が高いものが望ましいといえる。そして、この約300SKUを前提に毎日100SKU前後の品揃えを行い、日々、品揃えを変化させ、月間で300SKU近い品揃えを実現するように計画を立てることである。これは意識的に行わないと実現不可能であり、できれば店長も加わり、毎週簡単なミーティングを開くことが望ましい。ここが菓子パンの最大のポイントともいえ、売上構成比で見てもこの品揃え部分が約70%から80%を占め、菓子パンの数字を大きく左右することになるからである。

   まだまだ、菓子パンの活性化のノウハウはたくさんあるが、この2つのステップが基本である。菓子パンを抑えられれば大概のカテゴリーを抑えることにつながり、しかも、菓子パンは全カテゴリーの中でも金額PI値最大級の商品であり、店舗全体への貢献度も極めて高い商品である。したがって、食品スーパーマーケットの「へそ」ともいえる最重点カテゴリーであるので、担当者のみに任せるのではなく、店長をはじめ、全従業員が参加できるマーチャンダイジングの「いろは」を習得する場としても活用することがのぞましいといえよう。

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Mixi(ミクシィ)版にMD力って何?のトピックをつくりました!

September 6, 2010 in 経済・政治・国際, PI値 | | Comments (0) | TrackBack (0)

August 10, 2010

食品スーパーマーケットのレイアウトを考えて見る!

   食品スーパーマーケットのレイアウトは実に複雑怪奇であり、奥が深い。しかも、立地の制約、競合状況、家賃の制約、面積の制約、居抜き出店等があるため、コンビニのような基本パターンをつくり、それを適用することが難しいのが実態といえる。したがって、基本パターンを作成し、それをもとに新店を作ったり、あるいは、改装したりするにはかなり無理があり、与えられた条件、環境を考慮し、基本パターンではなく、基本的な原理原則を当てはめ、柔軟にハード面に関しては取り組んでゆく必要がある。その意味で、食品スーパーマーケットのレイアウトは新店にせよ、改装にせよ、ハードよりもソフトが極めて重要な要素となり、基本哲学とでも呼ぶべき考え方をしっかり確立する必要がある。

   では、基本哲学とは何か、どう構築するかであるが、それには、2つのアプローチがある。ひとつは、会社の理念に合致させることであり、もうひとつは、これまでの既存店舗をつぶさに分析し、自社が無意識に取り組んできた暗黙のルール、哲学をまとめ上げることである。この2つの角度から、新店、改装に関しての自社の考え方をまとめ上げると、自然、次の新店、そして、既存店の改装に関して、比較的迷いなく取り組めるようになり、なおかつ、予想に近い結果が得られるようになる。また、新たな新店をつくる度に、あるいは、既存店舗を改装する度に、新たな発見が生まれたり、これまでの取組みの正しさを認識したりできるようになる。

   そこで、まずは、基本理念であるが、食品スーパーマーケットの基本理念は顧客満足度にあることは自明であるが、そのためには、顧客からの視点とその顧客をフォローする従業員からの視点と双方が重要である。ごく単純化すれば、顧客動線と作業動線といえ、この2つのバランスを最適に保つことが、食品スーパーマーケットのレイアウトでは最優先課題といえる。店舗は顧客も従業員も365日、24時間活用する空間であるので、原則、シンプルイズベストが望ましい。食品スーパーマーケットは奇をてらう必要はないし、よく言われる滞在時間を伸ばし、客単価を向上させるような時間がかかる売場をつくる必要もない。原則、5分で食生活に絶対的に必要なPI値1%以上の150から200品が最短距離、最短時間で買える売場がベストである。滞在時間を伸ばすよりも、来店頻度を引き上げるレイアウトがベストといえよう。

   特に、客数が2,000人/日を超え、3,000人/日、4,000人/日の場合は、1分、1秒でも早く買い物をしたいのが顧客の心理であり、それに最優先で応えるレイアウトが顧客満足度を高めることにつながるといえよう。したがって、複雑な客動線は禁物であり、シンプルな目をつむっていても重点商品10品がカゴに最短距離、最短時間で入れられるように最大限の注意をはらうべきである。同時に、そのような中で生鮮食品、日配食品の発注、品出しをせざるをえないのが従業員の日々の仕事であるので、作業動線も客動線同様に重視する必要がある。 

   2つ目の既存店を分析し、自社の暗黙のルール、哲学をまとめることであるが、これができている食品スーパーマーケットは皆無といってもよく、過去の図面は整備されていても、その図面に応じた基本データが整備され、そこから一定の成功、失敗事例をまとめ上げている食品スーパーマーケットはまずないといえよう。実は、新店のレイアウトを作り、既存店の改装を実施する場合に、最も重要なのは、この自らの実績に対する真摯な評価、すなわち、成功、失敗事例を認識し、社内で共有するところにあるといえる。ちょうど将棋のプロ棋士が自分の系譜をすべて覚えており、いつでも、そこから必要な場面を自由に再現できるように、少なくとも自社の既存店のレイアウト分析は実施しておき、いつでも、新店、既存店に活かせるようしておきたいところだ。

   実は、これはさほど難しいことではない。POSデータの分析と既存店の基本調査だけで、一覧表を作成することができる。POSデータで必要な指標は、当然、金額PI値、PI値、平均単価、そして、可能であれば、客数PI値を加えることである。特に、この客数PI値は部分客数/全体客数であり、まさに、レイアウトの評価を表す最重要指標であるので、是非加えたいところだ。あとは、ここから、既存店の客数と既存店の売場尺数を加え、尺数量、尺売上を算出すれば良い。可能であれば、大分類だけでなく、中、小分類まで落とし込めれば、より、きめ細かなルールづくりにつながるといえよう。この一覧表がまさに、改装のための羅針盤となり、今後の新店づくり、そして、既存店の改装に寄与するものといえよう。

   このように、食品スーパーマーケットのレイアウトは顧客も従業員も365日、24時間使い続ける空間であり、可能な限り、シンプルイズベストが良いといえよう。そして、そのためには、自社の基本理念に合致させることはもちろん、自社のこれまでの店舗の情報を可能な限り、レイアウトという観点から分析し、これを改装、新店の羅針盤として活用してゆくことがポイントである。さらに、これに、最新の研究成果、大胆な発想等も取り入れ、過去にこだわらない新たな試みに挑戦して欲しいところだ。

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August 10, 2010 in 経済・政治・国際, PI値 | | Comments (0) | TrackBack (0)

August 06, 2010

客数PI値、PI値を支える隠れた重要指標!

   客数PI値はPI値の指標の中では古くて新しい指標の1つだ。古くてとは、以前から一部の食品スーパーマーケットでは支持率という指標で、大分類に活用しており、野菜の支持率は70%とか、果物の支持率は30%とかという風に日常的に使われていた。いまでも、同様に使われているケースは多々あり、支持率という指標で客数PI値が使われているケースは意外に多いのが実態といえる。ただ、PI値とどう違うのかというと、理論的に突き詰められていない場合が多く、支持率もPI値も同じと思っている方もいる。したがって、単品ではPI値を使いながら、部門では支持率、すなわち、客数PI値を同じ指標として使っている場合もあり、ある意味、ユニークな実践的な使い方であるといえよう。その意味で、客数PI値は古くて、新しい指標であるといえよう。

   ちなみに、多くの事例で、支持率、すなわち、客数PI値とPI値との相関をとると、きれいに右上がりの直線上に商品が並び、相関性が極めて強いといえる。したがって、支持率とPI値は極論すれば、どちらを使っても戦略上は問題ない指標であるともいえる。支持率=客数PI値と見ても、実務上は問題なく、PI値が上がれば支持率も上がり、支持率が上がればPI値も上がるという関係が強いといえ、どちらをメインにしても、結果は同じ方向に動くともいえる。もちろん、例外もあるので、それはそれで気をつける必要があるが、大部分はこの関係が強いといえる。

   さて、ここでは改めて支持率、すなわち、客数PI値について考えてみたい。客数PI値とは理論的にはPI値を構成する一指標である。数式にすると、PI値=客数PI値×部分PI値のことである。ここで部分というのは、大分類、中分類、小分類、単品などの商品分類やレイアウト、ちらし、ID取得が可能であれば、男性、女性、年齢、そして、リピート、トライアルなど様々な部分、全体に対しての部分となる。一般にPI値は買上点数÷全体客数(レシート)である。これに対して、部分PI値は買上点数÷部分客数(レシート)であり、この部分が様々な部分となる。そして、問題の客数PI値は部分客数(レシート)÷全体客数(レシート)であり、したがって、掛けると部分客数(レシート)が約分され、PI値そのものとなる。これが、支持率、すなわち、客数PI値の正体である。

   したがって、支持率とPI値の関係は部分PI値で結ばれた関係にあるといえ、必ず、PI値=客数PI値(支持率)×部分PI値という関係が背後に存在しているといえる。先の野菜でいえば、野菜のPI値=野菜の買上点数÷全体客数(レシート)であり、通常、100%を優に超え、150%から200%となるが、支持率、すなわち、客数PI値は野菜の客数(レシート)÷全体客数(レシート)であるので、100%を超えることは理論的にありあえない数字であり、常に、100%の中で動くことになる。これに対し、部分PI値は野菜の買上点数÷野菜の客数(レシート)であるので、常に100%を超え、200%もざらに存在し、500%、1,000%という数字も理論的にはありうる数字である。

   これまで、このような客数PI値がPI値のように食品スーパーマーケットでは一般化しなかった理由は、部分客数、すなわち、レシート枚数が全体のみで把握され、部門、中分類、小分類、さらには単品まで正確に把握することが技術的に中々難しかった点がある。そして、もうひとつは、PI値=客数PI値×部分PI値という理論的な関係が理解されなかった点にもあるといえよう。

   ただ、仮に、この客数PI値が大分類だけでなく、中分類、小分類、単品にまで落とし込むことができ、しかも、それをPI値=客数PI値×部分PI値に分解できたら、何が便利になるだろうか。メリットはいくらでもあるが、代表的なものをいくつかあげて見たい。まずは、レイアウトの診断に活用できる。この場合は、中分類か小分類の客数PI値が望ましいといえよう。この時の客数PI値の違いを見ることにより、入店客数の何%の方がその商品を購入したかがわかり、それはそのままレイアウトの良し悪し、すなわち、動線との関係をかなり強く反映しているといえ、そのままレイアウトの診断、そして、改善、その後の検証に活用可能である。

   もうひとつ例をあげると、単品のカット基準に応用が可能である。ここでは、客数PI値のついとなっている単品PI値の応用である。PI値=客数PI値×単品PI値となるが、この単品PI値は単品の売上数量÷単品の客数(レシート)となる。したがって、最低でも1個は買っているので、必ず100%は超える。したがって、120%、150%の単品があれば、これは顧客が2個、3個とまとめ買いをする単品であり、可能な限りカットしない方が良いといえよう。単純な全体客数のPI値では絶対に見えない指標であり、単品管理の新たな指標のひとつといえよう。

   このように、客数PI値は応用範囲が広く、単純な全体客数で割った全体PI値では見えない世界を見せてくれる。そして、工夫次第で様々なマーチャンダイジングの改善、すなわち、仮説づくりにつながり、しかも、検証も可能である。客数PI値を算出することができるのであれば、是非、客数PI値を使い、より、実践的な、そして、顧客の真の消費実態により近いマーチャンダイジングの仮説づくり、そして、検証に活かして欲しいところである。

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August 6, 2010 in 経済・政治・国際, PI値 | | Comments (0) | TrackBack (0)

July 16, 2010

価格とPI値を考えて見る!

   価格はマーチャンダイジングの改善にとって極めて重要な要素である。一般にマーチャンダイジングを評価する指標は売上高を客数と金額PI値(客単価)に分解し、この金額PI値を評価指標とすることが多い。そして、金額PI値はさらに、PI値と平均単価(価格)に分解できるので、結果、マーチャンダイジングを評価する場合は、金額PI値=PI値×平均単価で評価することになる。もちろん、マーチャンダイジングの評価を利益まで踏み込む場合は、さらに、原価、経費等をこれに加えることになる。ここでは、マーチャンダイジングを通常のPOS分析で得られる数値をもとに、マーチャンダイジングを考えてみることにし、利益までは踏み込まず、金額PI値までとする。

   ちなみに、金額PI値=PI値×平均単価であるが、PI値=買上点数/客数、これに平均単価を掛けると、(買上点数×平均単価)/客数となるので、金額PI値(客単価)は、売上高/客数となり、客数1人当たりの売上高となる。したがって、双方はイコールとなり、成り立っていることがわかる。

   さて、価格とPI値であるが、この関係は金額PI値=PI値×平均単価との関係で見ることがポイントである。一般に価格は仕入れた瞬間に決まる数字といえ、企業としてはあらかじめ欲しい値入れがあり、仕入れが原価となる。したがって、この原価にどれだけ値入れを入れるかにより、価格が決定する。通常の食品スーパーマーケットの粗利率を見るとほぼ25%前後であるので、売価の75%前後で仕入れが行われているといえる。したがって、仕入れ価格が決まれば、それに、25%前後の値入れを行い売価が決定することになる。

   ただ、当然のことであるが、この価格では、商品が売れる場合もあれば、売れない場合もあり、そこがマーチャンダイジングの難しさである。そこで、そこから売れる価格を探ってゆくことになるが、これが中々難しい。先に見たように、価格、すなわち、平均単価と売上高の関係は、売上高=客数×金額PI値(客単価)=客数×PI値×平均単価で決まるので、平均単価、すなわち、価格次第でPI値がアップしたり、ダウンしたり、さらには、客数まで変化する場合があるからである。

   その意味で価格決定は仕入れからのみ決まるわけではなく、PI値、そして、客数との関係をしっかりにらみながら決めることがポイントである。特に、商品1品1品に関しては客数との関係よりも、PI値との関係が最も重要であり、PI値を横目でみながら価格を決定しないとPI値が伸びず、商品が在庫の山となってしまいかねない。したがって、価格の決定には、仕入れ以上にPI値が重要な要素となり、このPI値をいかに把握するかが価格決定の最大のテーマといえよう。

   そこで、PI値がアップする、言い換えれば商品が動きはじめる価格とはどのように見つけるか、ここがマーチャンダイジング上の最大のテーマである。金額PI値=PI値×平均単価となるので、価格はPI値と密接な関係があり、グラフにすると、y(価格)=1/x(PI値)の曲線上を動くことになる。たとえば、ある商品のPI値が10%、平均単価が100円の場合は、掛けた金額PI値は10%×100円=10円となる。この場合の曲線はy=10×1/xとなり、変形するとx(10%)y(100円)=金額PI値(10円)となる。したがって、この商品の場合は100円以下となると、PI値が急激にアップし、商品が動きはじめる。もちろん、仕入れ原価があるので、100円の価格をどこまで下げられるかは、おのずから限界があるが、100円が現時点での均衡価格といえよう。

   商品とPI値にはその関係を示す曲線の形が必ずしも一緒ではないが、この100円のような均衡点がどこかに存在し、それより、高ければ、PI値は動かず、低ければPI値が動きだすという場合が往々にしてある。これが値頃である。したがって、この値頃をつかめれば、その価格に可能な限り、近い値入れをすれば、商品は動き始めてゆくものである。問題はどうその値頃を見つけるかである。

   通常、値頃を見つける方法はいくつか方法がある。試行錯誤により、少しづつ価格について時間をかけて動かし、PI値の動向を見極めることである。これが最もオーソドックスな方法であり、確実な方法である。もうひとつは、競合店調査を行い、周辺の競合店の価格をすべて調べることである。これにより、自店の価格がどのような位置にあるかがわかり、その地域の値頃を知ることができる。そして、もうひとつは、何らかの方法でPOSデータを取得し、自社のPOSデータと比較し、価格のズレを知ることである。これは、重点商品はもちろん、品揃え商品の値頃まで明確になり、まさに、全商品の値頃を把握することが可能となる。

   このように、価格とPI値は実に密接な関係があり、値頃を外れた商品のPI値は全くといって良いほど動かなくなり、在庫となる。これを打開する方法は、何らかの方法により、商品1品1品の値頃を把握することであり、それなくして、マーチャンダイジングの活性化はありえない。価格はまさに、金額PI値=PI値×平均単価の数式からもわかるように、PI値を決定づける重要な要素であり、価格を決めることが、まさにマーチャンダイジングのスタートといえる。その意味で、まずは、商品固有の値頃をしっかりつかむところからマーチャンダイジングの活性化に取り組んで欲しいところだ。

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July 16, 2010 in 経済・政治・国際, PI値 | | Comments (0) | TrackBack (0)

June 13, 2010

ワインの重点商品、Chain Store Age 6/15、PI値検証!

   Chain Store Age 、2010年、6/15号へワインのMD特別リポートを寄稿した。ワインについては、以前、3年前になるが、2007年、11/15号で同様にワインのMD特別リポートを寄稿したことがあるが、それ以来の本格的なワインのPOS分析である。特に、前回が3ケ月間、2月から4月までの累計、延べ約6,000万人の客数(レシート枚数)の数字であったが、今回は2009年4月から2010年3月までの丸1年間のPOS分析である。客数も約2億5,000万人という膨大な数をもとにしたPI値分析となった。商品数も5,972品とすごい品数である。

   ワインがこんなに品揃えがあるのかと思われるが、これが日本の代表的な食品スーパーマーケット約100社、約400店舗の丸1年間に販売実績のあったワインの全商品であるので、事実といえよう。したがって、食品スーパーマーケットのワインのバイヤーは、この約6,000品目の中から、売場に約100品から200品を選定する訳であるので、至難の業といえよう。特に、小型食品スーパーマーケットのワイン売場は30品から50品ぐらいが限界といえ、まさに、バイヤーの腕の見せ所といえる。

   今回のChain Store Age、6/15号では、この膨大なワインを2つの軸をもとにPOS分析を行い、この中から、食品スーパーマーケットが品揃えすべき重点商品を選定してみた。2つの軸とは、本文でも解説したが、バイヤーの目(客数PI値)と顧客の目(金額PI扱店)である。また、POSデータの提供はTOPNAVI-NETである。特に、TOPNAVI-NETは金額PI値の総店と扱店が算出され、そこから客数PI値も逆算できるので、実務的なPOS分析に踏み込むことができ、便利である。

   本文でも解説したが、バイヤーの目(客数PI値)とは、ワインの導入店舗の客数/全店舗の客数であり、この数値を見ることにより、全体顧客のどのくらいの割合を対象とした結果のワインであるかがわかる。実際の数字を見るとびっくりするが、5%以上の客数PI値の商品が約6,000品の中でわずか111品しかなく、いかに、ワインの品揃えが各店大きくばらついているかがわかる。

   一方、顧客の目(金額PI扱店)であるが、これは、ワインの売上金額/そのワインの導入店舗のみの客数であり、まさに、顧客のワインの金額支持率がみれる。これに対応する指標が金額PI総店であるが、これはワインの売上金額/全店舗の客数であり、そのワインを導入していない店舗も、導入している店舗もすべて含まれるため、顧客の支持率が少しボケてしまう数字である。したがって、金額PI扱店の方が顧客の支持を強く表している指標であるといえ、重点商品の選定にはより重要な指標となる。

   ちなみに、これらの指標の関係であるが、金額PI総店=客数PI値×金額PI扱店であり、金額PI総店がまさに総合評価指標、すなわち、結果を表し、客数PI値、金額PI扱店がその原因を表しているといえ、今回のワインの重点商品は、バイヤーの目(客数PI値)と顧客の目(金額PI扱店)で選定し、結果、総合評価に至っているといえる。

   このような考え方でワイン約6,000品目の中から重点商品を選定すると、客数PI値5%以上、金額PI扱店200円以上の珠玉のAランク商品が25品、客数PI値5%以上、金額PI扱店が100円から200円までのBランク商品が62品、そして、客数PI値1%以上5%以下、金額PI扱店200円以上のCランクの商品が99品、合計、重点商品は186品となり、その金額PI総店は全体の49.5%になった。これがまさに、この1年間のワイン6,000品目から選びぬいた食品スーパーマーケットの重点商品といえる。

   この186品の中から、誌面の都合上Aランク全25品、Bランク上位20品のみを掲載しているので、今後のワインの重点商品の選定の参考にしていただければと思う。さて、本文でも解説したが、特に、Aランクには1.8Lの大容量の商品が多く登場しており、Bランクには750mlの中容量の商品が多く、これを見る限り、ワインの容量分割は極めて重要であることがわかる。

   また、今回は、1年間のワインのPOS分析でもあるので、参考に、年間のPI値分析も解説した。これを見ると、まさに、11月、12月がワインのピークであり、しかも、今回選定した重点商品186品はいずれも、11月、12月ともに貢献度が高く、改めて重点商品の大切さが浮かび上がっている。また、やや意外だったのは、この時期は平均単価が跳ね上がるのではないかと想定していたが、実際は圧倒的に数量PI値が跳ね上がっており、数量PI値アップの戦略がより重要であるといえる。今年、2010年度のワインの年間計画を立てる際に参考にしていただければと思う。

   このように食品スーパーマーケットでは恐らく圧倒的な品揃えの多いワインについても、POSデータをPI値分析して見ると、重点商品はかなり限定することができ、まずは、これらの重点商品をしっかり販売、しかも年間を通じて販売することが重要であり、その基礎ベースの上に品揃えをどう考え、変化させていくことがポイントであることが、改めて明確になったといえよう。ワインのマーチャンダイジングは、まずは、ワインの重点商品をしっかり決めるところからスタートしたいところだ。

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June 13, 2010 in 経済・政治・国際, PI値 | | Comments (0) | TrackBack (1)

May 09, 2010

レイアウトと尺効率について

   PI値は顧客1人当たりの販売金額、販売数量の指標であるが、この指標の食品スーパーマーケットでの実践的な活用方法には様々なものがある。基本はマーチャンダイジングへの活用が主であるが、それ以外では、発注への活用、レイアウトへの活用等がある。そこで、ここでは、レイアウトへの実践的な活用方法について解説してみたい。

   レイアウト、いわゆる、商品群のゾーニングであるが、ポイントは2点ある。1点目は商品群の配置、まさにゾーニングであり、もう1点はその商品群のスペース配分、いわゆる尺数配分である。これらは、食品スーパーマーケット業界において確固たる理論が確立されているわけではなく、様々な考え方があり、独特なノウハウが乱立しているという状況といえよう。

   そこで、PI値を活用した1点目のゾーニングであるが、これは、原則、客動線に沿って、金額PI値(PI値)の高い商品を配置することがポイントとなる。ただ、良くあることだが、客動線がしっかりしていない場合が往々にしてあり、商品のゾーニング以前の問題として、客動線の見直しが前提となる場合が多い。そもそも客動線がおかしければ、どんなに商品のゾーニングを完璧にしても、全体の売上、利益は上がらず、それ以上にお客様が買いにくい売り場となってしまいかねない。

   客動線がおかしいとどのようなことが起こるかであるが、たとえば、金額PI値1円の商品があった場合、入店客数が1,000人であれば、1,000円の売上げとなるが、ある場所では入店客数の1/2、すなわち、500人しか通らない客動線があった場合、売上げは500円しか上がらないことになる。したがって、良い客動線とは、この客数比率、すなわち、客数PI値が100%の客動線が望ましく、120%、150%、200%の客動線を作れればさらに良いということになる。ちなみに、重点商品の2か所陳列は、客数PI値200%を客動線を変えずに実現する方法であり、顧客が同じ場所を2回通ることと同値、理に適った方法である。まさに、相対性理論の世界であり、客動線に注目することも、商品に注目することも顧客にとっては同じ原理となる。

   ちなみに、食品スーパーマーケットの最高の客動線はワンウェイコントロールであり、ツーウェイ、いわゆる2重動線を作らないレイアウトである。しかも、商品のゾーニングとも絡んでくるが、5分で欲しい商品約10品の買い物ができるレイアウトがベストである。あとは、商品群のゾーンニングであるが、これは、原則、客動線に沿って、金額PI値(数量PI値)の高い順に並べれば良い。また、重点商品は主動線から見えることと、可能な限り、手が届くことが望ましい。

   次に、2点目、商品群のスペース配分であるが、これは、経験と勘の世界が横行しており、理論的にスペース配分を決めるケースは以外に少ない。では、スペース配分に理論がないのかといえば、ある。ポイントは鮮度と欠品、コストである。食品スーパーマーケットで鮮度が劣化する場合のほとんどは商品管理の問題ではなく、スペース配分にある場合が多い。同様に、欠品の問題も担当者の発注、品出しの問題以前に、スペース配分の問題である場合が多い。スペースが広いと、当然、在庫を多く投入しがちとなる。1日に10個売れる商品を3フェースとれば、奥行き3個強で良いところを5個入れてしまえば、15個となって5個余る。逆に1フェースにすると、5個入れて、いっぱいになり、補充を忘れた場合、欠品となる。したがって、この場合は2フェース管理が望ましいといえよう。鮮度劣化せずに、欠品を防ぐバランスを探すことがスペース配分の基本である。

   そして、もう1点、コストであるが、特に、生鮮、日配は減価償却費、光熱水道費、家賃、人件費等のコストがかかっており、一定以上の売上金額、粗利が取れないと費用対効果が合わなくなる。この問題を解くのが売上(粗利)である。したがって、一定以上の売上(粗利)が必要であり、それらを計算して商品群のスペース配分をする必要がある。

   では、これらの鮮度と欠品、コストのバランスをとるスペース配分とはどう考えたら良いかであるが、これが、ベストバランスの尺効率を決めることが大前提となる。結論から言うと、鮮度と欠品には尺数量、コストには尺売上が決め手となる。食品スーパーマーケットで実践的に使われる尺数量と尺売上は、生鮮食品の尺数量30から40個、尺売上8,000円から10,000円ぐらい、日配の尺数量40個から50個、尺売上4,000円から5,000円、グロサリーの尺数量5個から10個、尺売上1,000円から2,000円である。

   この尺効率が決まれば、あとは、金額PI値(数量PI値)×客数/尺売上(尺数量)でスペース配分が理論的に決まり、その後、微調整をすれば良いだけとなる。よく、大型店、中型店、小型店のレイアウトを作る場合があるが、本来は客数1,000人、2,000人、3,000人のレイアウトを作るべきである。ただ、実際の食品スーパーマーケットでは、小型店で3,000人、大型店で2,000人の場合もあり、双方が一致しない場合が多く、このような場合は、小型店でオペレーションに負荷がかかり、大型店では、スペースが余るということが起こる。ただ、このような場合でも、理論的に数字を出してみて、何が問題なのかを理解した上で、商品群のゾーニングをする必要があろう。

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有料版プレミアム、ID-POS分析分析実践シリーズ!今週の内容!  
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May 9, 2010 in 経済・政治・国際, PI値 | | Comments (0) | TrackBack (0)

April 19, 2010

食品商業、最新、2010年5月号で、PI値を特集!

   食品商業、最新号、2010年5月号の表紙がバナナとなった。その下に、「PI値」活用の大正解(点数増を売上増に結び付ける)との見出しがある。久しぶりに、食品商業でPI値の特集が組まれ、私の小論も掲載された。その中でバナナを事例に取り上げたので、恐らく表紙がバナナになったものと思われる。私のテーマはセオリー編と題し、「ブランドスイッチ、ロイヤルカスタマーづくり理論」(レシート分析から品揃え、ゾーニング、インプロを解説する)というタイトルである。

   通常、PI値は点数PI値(数量PI値)のことを指し、これがあまりにもメジャーとなり、点数PI値が独り歩きしているといえる。今回の小論では、点数PI値偏重に警鐘を鳴らし、まずは、点数PI値を活用する場合でも、その本質をしっかり理解し、価格訴求のみに頼らない方法を優先すべきであるとし、新たに、レシートPI値という概念を提唱した。

   これは、点数÷レシートではなく、レシート÷レシートのPI値である。通常PI値は総客数=総レシート枚数を分母に計算される。ところが、このレシートには、今回バナナで解説したが、バナナの購入レシートもバナナの未購入レシートも全部含まれた、まさに総レシートを分母にしている。したがって、PI値アップを考える場合、客数には踏み込むことができず、結果、価格訴求に走らざるをえなくなり、平均単価が下がり、利益ダウン、売上げダウンとなることが多い。特に、昨今のデフレ環境では、点数PI値偏重は命取りになることもある。そこで、点数PI値の客数=レシートに着目し、価格に頼らない点数PI値アップをまずは説いたものである。

   これをバナナで解説すると、バナナの点数PI値=バナナの購入PI値×バナナのレシートPI値となる。バナナの点数PI値がバナナの買上点数÷全レシートであり、バナナの購入PI値がバナナの買上点数÷バナナの購入レシート、バナナのレシートPI値がバナナの購入レシート÷全レシートである。このレシートPI値に焦点を当てることによって、価格に頼らず、バナナの点数PI値を引き上げることが可能であり、その方法がゾーニング、インプロにあることを解説したものである。

   そして、2つ目のポイントがそもそも点数PI値は価格とともにあり、その融合指標が金額PI値であることを改めて解説した。金額PI値=点数PI値×価格であり、点数PI値も価格も金額PI値アップの手段でしかなく、どちらも、同等な価値がある。ちょうど、この2つは振り子のようであり、どちらを強化するかは、状況により変わる。特に、ここ最近のデフレ環境では、どうしても、点数PI値偏重になり、価格が下がることになるが、ここではあえて、価格に振り子を振ることが、金額PI値アップにとっては決め手になることを解説した。

   点数PI値のレシートPI値の重要性と合わせて考えると、デフレの時は、敢えて価格に重点を置き、なおかつ、レシートPI値に重点をおくことがポイントであり、特に、付加価値の高い商品を重点的に売り込むことが利益、売上げを維持、増加させる決め手になると解説した。当然、デフレがインフレに転じれば、今度は振り子が点数PI値に振れるので、どんどん販売点数増に重点を置いた政策に切り替えればよい。まさに、振り子のように、点数PI値と価格は同等の価値として捉え、バランスよく金額PI値を引き上げてゆくことが重要といえる。したがって、食品商業でも見出しのひとつとなった「ブランドスイッチ」がPI値活用のまさに大正解となる。

   そして、今回は、もうひとつ、最新のPI値の研究テーマであるID-POS分析についても触れた。ポイントは顧客が見えるPI値である。これまでのPI値は分母が原則レシートであり、しかも、総レシートであることが多く、そこから顧客を見ることは不可能であった。顧客の購入状況がバラバラにばらされ、ひとつにまとめられ、それはもはや顧客ではなく、巨大な顧客の平均像を見ているに過ぎない。したがって、マーチャンダイジングもその平均像をもとに、平均値を上げる政策しか打つ手がなかったといえる。

   そこで、ID-POS分析、すなわち、ID-PI値はまさに、顧客1人1人をしっかり見るために生まれたPI値であり、ここから、バナナのロイヤルカスタマー、レギュラーカスタマー、未購入カスタマーを分け、PI値を駆使して、顧客1人1人へのマーチャンダイジングを検討しようという試みである。これまでの、実際には存在しない平均的な顧客増から、真の顧客のまさに購入イメージそのものを前提にマーチャンダイジングを考えようという試みであり、まさに、顧客のイメージ化といえる。

   このように、今回の食品商業の小論は、「PI値」活用の大正解をテーマに、盛りだくさんの内容をコンパクトにまとめたものであり、現状のPI値活用の課題から、今後のPI値の研究テーマまで網羅した内容である。PI値はまさに、日々進化しており、ここ最近ではID-POS分析によるPI値が主流となりつつある。次回、機会があれば、実証データを踏まえ、バナナの真の実態に迫ってみたいと思う。

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April 19, 2010 in 経済・政治・国際, PI値 | | Comments (0) | TrackBack (0)

April 10, 2010

PI値、在庫、自動発注!

   PI値を研究してかれこれ20年になる。この間、一貫してPI値を研究している。特に最近は、IDを活用したPI値に研究領域が移りつつあるが、PI値活用の根幹が顧客1人当たりの指標をベースにしたマーチャンダイジングの改善にあるということに関しては、何ら変わらない。そもそも、PI値は何を改善してきたかであるが、その最大のテーマのひとつが在庫問題にあったといえる。

   在庫問題は古くて新しいテーマであり、小売業を営む以上、必ず解決しなければならないもののひとつである。ちなみに、在庫の何が問題かであるが、特に、食品スーパーマーケットの最重点商品である青果部門などでは、在庫管理ができていない場合、欠品、過剰在庫が起こり、経営に大きな影響をあたえる。

   欠品がおこるとは、朝10時に売場に並べたトマトがひどい場合、お昼には欠品してしまうことがある。あるいは、食品スーパーマーケットにとって、もっとも重要な時間帯、16時から17時頃に品薄となってしまう場合もある。こうなると、トマトを目当てにこられたお客様にとっては最悪であり、トマトを購入できず、しかたなしに、他の野菜を買うか、別の店でトマトを買わざるをえなくなる。お客様をがっかりさせ、いわゆる、顧客満足度を落とすだけでなく、本来、トマトが欠品せずに、売場にあれば、その分の売上げが上がった可能性があり、いわゆる、チャンスロス(機会ロス)が生じ、店の売上げが落ちることにもなる。すなわち、欠品とはお客様にとっても、お店にとっても問題であるといえる。

   一方、過剰在庫も問題である。朝10時に並べたトマトが閉店時にたくさん売れ残っていた場合には当然、その分がロスとなり、在庫処分をせざるをえなくなる。これは、翌日までもつ商品に関しては、朝1番で値下げをし、売り切るか、もたない商品に関しては、廃棄処分にするしかなくなる。お客様にとっては、閉店時間までトマトがあるので、いわゆる顧客満足度は落ちることはないかもしれないが、翌日以降のトマトが同様に管理されるかはわからず、翌日は仕入れを控えすぎ、逆に欠品となることもある。さらに、問題は店舗である。過剰在庫に関しては、売上高はチャンスロスが0になり、最大になる可能性があるが、在庫処分の見切りロスや廃棄ロスが発生し、その分、利益減にダイレクトに響くからである。

   したがって、トマトの欠品も過剰在庫もどちらも店舗にとっては大きな問題であり、この在庫問題を解決できなければ商売はなりたたないといえる。特に、これが大都市の食品スーパーマーケットでは客数が地方都市の2倍、3倍となることにより、欠品の問題や、その客数を見越し、多めに仕入れ過ぎてしまい、過剰在庫になる問題が頻繁に発生し、トマトひとつ販売するにも、莫大な損失を被ることがある。

   そこで、今回のテーマ、PI値であるが、PI値は、この在庫問題に真正面から取り組んだところからスタートしている。PI値とは買上点数÷客数のことであり、トマトの場合でいえば、トマトが100個売れ、客数が1,000人来店した場合のPI値は100個÷1,000人=10%という数字になる。この10%がトマトのPI値であり、このPI値を活用して在庫管理をしようというのが、まさに、PI値の研究そのものである。いまから約15年ぐらい前であるが、当時、青果専門店、八百屋のトマトにPI値を応用したことが、本格的なPI値の在庫管理への活用のスタートであったと思う。

   ポイントはトマトのPI値をしっかり把握するところから始まる。PI値は特に価格に敏感であり、通常価格の場合、10%offの場合、20%offの場合、あるいは50%offの場合で数字が跳ね上がってくる。グラフにすると、ちょうど、需要曲線のようなきれいな双曲線を描くことが多いが、このPI値を把握しておくと、過剰在庫になった時、残りの在庫を欠品させずに、うまく、管理することができるようになる。PI値はこれ以外にも、場所、POPなどによっても変化するので、それらPI値の変化の要因もしっかり把握することがポイントである。

   次に、客数を把握することがポイントとなる。客数は商売の原点であるので、PI値を活用するしないにかかわらず、しっかり把握しておきたいところだ。1日の平均客数、週間客数、月間客数、年間客数、そして、商売にとって最も重要なのが時間帯別客数である。特に、客数は天候、曜日、ちらし、社会行事など、お客様の買い物動機に影響を与えることが起こると大きく変化するので、その読みが重要である。

   この2つの要素、PI値、客数が把握できれば、あとは、この2つを掛け合わせれば、在庫の予想が立つ。明日客数が1,500人、トマトのPI値は10%と予想が立てば、掛けて、150個のトマトが売れる予想となる。そして、この予想がはずれ、突然、雨になれば、客数が1,000人に激減することもある。この時は、150個トマトがあるので、早めに、10%off、あるいは思い切って50%offにし、利益減を最小に食い止める対応が必要となるが、PI値をしっかり把握していればあわてることはなく、対処ができよう。

   最近では、この原理を応用し、青果の自動発注にまで取り組んでいる食品スーパーマーケットもあり、PI値はまさに、在庫問題に真正面から取り組み、結果、顧客満足度を満たし、同時に、店舗の利益を最適に保つ最良の指標として、研究成果が様々な商売に活用されつつある。今後、PI研としても、この在庫問題を含め、その研究をさらに深めてゆきたい。

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April 10, 2010 in 経済・政治・国際, PI値 | | Comments (0) | TrackBack (0)

March 17, 2010

日経ビジネス3/15、脱・デフレを特集!

   日経ビジネス3/15、最新号で、「脱・デフレ列島、安売りを撃破せよ」というタイトルで小売業のデフレ対策を取り上げた。特に興味深い記事が、成城石井である。また、オギノ、全日食、そして、東急ストアの記事も参考になる。現在、食品スーパーマーケット業界はもちろん、小売業界全体がデフレの真っただ中にあり、平均単価が下がり、売上げが伸び悩み、利益にも影響が出始めている。2010年度決算も厳しい結果が予想されるが、このようなデフレ環境の中でも、しっかり対策を立て、デフレを克服しようとしている小売業の特集である。

   さて、注目の成城石井の記事であるが、記事の中に、2009年12月度の成城石井の決算結果が記されているが、売上高、経常利益ともに、2桁の上昇、増収増益は4期連続だという。しかも、販売単価が3年で10%上昇したという。ポイントは、この販売単価、すなわち、平均単価が10%上昇したことである。通常、デフレ時は平均単価が下がり、売上げが伸び悩むのが実態である。

   実際、ここ数ケ月の食品スーパーマーケット業界の売上速報を見ると、新店、M&Aによる売上増は見られるが、既存店はのきなみ売上高が下がっており、その中身を見ると、客数ももちろんだが、客単価が下がっているのが実態である。さらに、その客単価の中身を見ると、PI値は伸びているが、平均単価がダウンし、客単価を落としているケースが多い。これはデフレ時には、価格競争が激化し、平均単価が下がり、PI値(数量)をいくら伸ばしても追いつかず、結果、客単価(金額PI値)を下げてしまうためである。

   さらに、昨年はPBブームでもあったため、PBを必要以上に強化した食品スーパーマーケットほど、全体の平均単価を下げており、結果、客単価が上がらず、客数も伸び悩み、既存店の売上高が伸び悩むという結果となった。この後遺症は今も引きずっており、一旦、平均単価を下げてしまうと、中々、その負のスパイアラルから脱却できないのが実態といえよう。

   このような状況の中で、日経ビジネスの記事を見ると、成城石井は全く逆の政策、すなわち、平均単価を意識して引き上げたマーチャンダイジングをこの3年間実施し、実際、平均単価を10%引き上げたという。特に、はじめに取り組んだ平均単価アップ政策の内容が記事で解説されているが、それを見ると実にユニークな政策である。「イチ・ニッ・パー」、すなわち、128品の戦略商品の強化である。これは、成城石井の8部門から、「売れ行きが好調で、粗利益が取れている10品と、特に売れてないが粗利率が高い6商品をリストにしろ」と大久保社長が指示しところから始まったという。

   8部門×(10品+6品)=128品となる。そして、この戦略商品の在庫を思い切って積み増し、店頭の一番目立つ場所に陳列し、その商品の魅力を客にアピールしたという。結果、この128品の売上げ構成比が6.5%から10.5%へと上がり、現在では29%までになったという。

   では、この128品とはどのような位置づけになるかであるが、客単価(金額PI値)の表を作ると明快である。横軸をPI値、縦軸を平均単価とすると、掛けた面積が客単価(金額PI値)となる。そして、ここに128品を落とし込むと、はじめの10品はPI値が高くで平均単価も高い、右上の商品が第1優先でピックアップされる。そして、次に、PI値が高く、平均単価の低い右下の商品がピックアップされよう。その割合は前者が5から6品、後者が4から5品というところだろうか。したがって、この10品の半分は平均単価の高い商品であり、これだけでも強化すれば平均単価アップをはかることができよう。これに、さらに6品、これは、まさに、平均単価が高くPI値が低い左上の商品をピックするので、結果、128品の内、約70%は平均単価の高い商品となる。この政策そのものがPI値よりも、平均単価を引き上げる政策であり、しかも、これを徹底強化、すなわち、このPI値を引き上げ、最終的には全体の30%近くまで構成比を上げるわけであるので、PI値以上に平均単価のアップが大きく図られることになる。

   これを成城石井は全社を挙げて大久保社長が率先垂範で取り組んだわけであるので、他の食品スーパーマーケットがデフレ環境の中、平均単価の低い右下の商品を集中的に販売し、全体の平均単価を意識的に下げている中での、全く逆の商品、右上、左上を意識的に売り込んだことになる。マーチャンダイジング政策が通常の食品スーパーマーケットとまさに正反対に進んでいるのが成城石井ということになる。結果、成城石井の利益は3年間、急上昇しており、その正しさが実証されたといえよう。

   このように、実はデフレ環境の中では放っておくと自然に平均単価が下がるのが実態であり、いわゆる売れ筋、PI値が高く、平均単価の低い商品、すなわち、右下を強化すると、さらに平均単価のダウンが加速されることになる。しかも、このゾーンのPBを強化すれば、さらに、平均単価のダウンが加速される。成城石井は、今回の政策は3年前から取り組んでいるとのことであるので、デフレ環境になったからといって急遽取り組んだ政策ではなく、成城石井そのものの企業の原点、強みをより強くしようとした結果の政策であり、それが、このデフレ環境の中で見事にはまったといえる。結果論であるが、デフレ時はこの成城石井が示した平均単価に着目した、右上、左上の商品強化政策がポイントであることを、成城石井がまさに実証したといえよう。

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March 17, 2010 in 経済・政治・国際, PI値 | | Comments (0) | TrackBack (0)

January 21, 2010

電卓でPI値を計算し、売れ筋(重点商品)を見つけ出せ!

   PI値の実践的な活用方法は、POSデータと電卓をもって売場にゆき、目の前の商品のPI値を実際に電卓で計算し、売れ筋(重点商品)を見つけ出し、その商品を絶対に欠品させないようにすることである。これがPI値の最初に取り組むべき実践論である。PI値を勉強したら、これだけで良い。まず、これをすぐに売場で実践することである。PI値の最大の特徴は、売れ筋(重点商品)を見つけ出すことにあり、しかも、誰でも、POSデータと電卓さえあれば、売れ筋(重点商品)を自ら、しかも、簡単に見つけ出すことができるからである。

   たまたま、1/20の日経MJに書籍取次のトーハンの記事がのっていたが、まさに、書籍のPI値の実践論である。記事の見出しは、「POSデータ、追加配本に活用」、「売れ筋の品切れ防ぐ」というものであり、サービス名は、「MVPサプライ」、この夏から書店で本格稼働するという。仕組みは極めてシンプルで、まさに売れ筋(重点商品)に絞ったPOSデータの活用である。PI値という表現はないが、やろうとしていることはまさに、PI値の実践ともいえる内容であり、恐らく、成功するのではないかと思われる。筋がいいからだ。

   記事の中身と、概念図を見ると、まずは、書店から、過去のPOSデータをもらう。これは、事前診断といえよう。ここから、初回の配本部数を提案するという。すなわち、仮説の構築である。記事によれば、出版、書店、取次業界ではここまでは、トーハン以外でも、同様のサービスを実施しているという。今回の「MVPサプライ」はここからが、真骨頂であり、初回配本後のPOSデータを書店からもらい、検証を行う。そして、再度、売れ筋(重点商品)を見つけ出し、トーハンの専用センターから、売れ筋(重点商品)の追加配本を行うというものである。

   この再度POSデータを分析し、追加配本を行うところが味噌であり、従来は、ここの部分は、書店の店員にゆだねられており、店員は日常の業務に追われ、適切な発注=売れ筋(重点商品)を把握し、欠品をさせない追加発注、これができなかったり、逆に、余分に発注をしてしまい、売れ残りが出て、返本につがるケースも多かったという。 

   実際、トーハンでは、昨年1,300店の書店で9,000タイトルの漫画本で同様なサービスを実施した結果、通常の店舗と比べて、売上高の減少率が9ポイント小さく、返品が10ポイント低くなったという。少し、分かりにくい表現であるが、要は在庫が減り、売上げ減少の歯止めがかかったということであろう。今後、トーハンでは、効果があったと見て、順次、文庫本、一般書籍へと、この仕組みを広げてゆくという。

   実にシンプルな仕組みであり、売れ筋(重点商品)に焦点を絞ったPOSデータの活用であり、しかも、追加配本を重視しており、出版、書店、取次業界では、これまで踏み込めなかった領域であるという。  

   話をもとにもどす。実は、このような仕組みは、本来、食品スーパーマーケットでこそ、はじめに作るしくみであり、しかも、本部ではなく、店舗、現場で実践すべきものであると思う。特に、食品スーパーマーケットの商品群の主力部門、生鮮、惣菜、日配は書籍と違い、圧倒的に売れ筋(重点商品)の構成比が高く、ここの品切れをなくすことができれば、極論すれば、それだけで、既存店の売上を押し上げることができる潜在的なパワーがあるからである。グロサリー(食品、菓子)、雑貨は書籍に似ており、今回は、書籍でも効果が確認されたということでもあるので、グロサリー、雑貨でも十分に効果が期待できよう。 

   では、どうすれば売れ筋(重点商品)が把握できるか、それがPOSデータと電卓である。通常のPOSデータをただ眺めていただけでは、売れ筋(重点商品)はわかりにくい。売上げは時間ごとに変化し、日々変化し、店舗ごとに全く違うからである。1日1,000人の店舗では、1,000円以上の売上げの商品が売れ筋(重点商品)といえるが、1日3,000人の店舗では1,000円の売上げは死に筋になってしまう。3,000円を超えてはじめて売れ筋(重点商品)といえよう。せっかくのPOSデータもこれでは十分に活かすことができない。

   そこで、電卓の登場である。売上げを客数(レシート枚数)で割って見るのである。1,000円÷1,000人=1.00円、1,000円÷3,000人=0.33円、3,000円÷3,000人=1.00円、この瞬間に1.00円を超えたものが売れ筋(重点商品)である。したがって、1,000人の客数の場合は、1,000円以上、3,000人の客数の場合は3,000円以上が売れ筋であり、1,000円は売れ筋ではないとなる。さらに、応用問題であるが、販売数量を客数で割る、粗利を客数で割る、在庫を客数で割ると、次々に電卓で計算してゆけば、その商品の本質が見えてくる。また、単品だけでなく、カテゴリー、部門を客数で割れば、単品との関係も見えてくる。

   このように、応用問題はともかくとして、まずは、単純に売上げを客数で割って、PI値、この場合は金額PI値(客単価)を計算し、1円を超えたら売れ筋(重点商品)と決めるところからスタートすれば、まずは、一歩踏み出したといえよう。そして、その商品を最優先で管理、すなわち、フェイス、発注、販促、在庫管理をしてゆけば、それだけで、売場の活性化がはじまる。慣れてきたら、気になる店舗にでかけてゆき、自分の店と比較すると、新たな世界が開かれると思う。まずは、売れ筋(重点商品)を見つけるところから始めて欲しい。

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January 21, 2010 in 経済・政治・国際, PI値 | | Comments (0) | TrackBack (0)

December 18, 2009

売れ筋と死に筋、POS分析はどっち、その2!

   前回は、POS分析が売上金額と売上数量による限り、売れ筋ではなく、死に筋商品の抽出、排除にあることを示した。そこで、今回は、POS分析においても、売れ筋を選定し、その商品を伸ばしてゆくことが可能であるかを考えてみたい。POS分析において売れ筋が把握しにくい最大の問題は上限が不安定であるためである。売上数量にせよ、売上金額にせよ、下限を決めることは、1以下なり、0以下と限定すれば比較的商品が把握しやすいが、上限を100以上にするか、110以上にするか、思い切って1,000以上にするかは、簡単には決めることができない。売上の上限が売上数量でも、売上金額でもとらえにくいからである。

   初期の頃、この問題を解くカギは構成比にあった。全体の何%の売上数量、あるいは、売上金額を占めているかを見れば%で上限、下限を決めやすいからである。ABC分析そのものが、構成比分析であったともいえる。特に、20%、80%の原則が生まれたことが構成比を飛躍的にメジャーにしたといえよう。これは売上数量なり、売上金額なりで上位20%の商品が全体の80%を占めるというものであり、上位20%を売れ筋と見れば、商品を限定できるからである。

   これは直感とも合致し、良く売れていると感じる商品は自然、商品を相対化しており、全体の商品の中で目立つ商品を売れていると感じ、それは突き詰めれば、構成比を見ているからである。この時、正確な計算はしていないが、全体の動きと個々の動きを見比べて、突出しているものを売れ筋と判断しており、その背後には、自然、構成比を直感的にとらえているといえるからである。

   特に、構成比は食品スーパーマーケットでは極めてメジャーな指標であり、相乗積を計算する場合は必須のツールだったため、初期のPOS分析は構成比が盛んに使われたといえる。余談だが、相乗積はPOSが生まれるはるか以前、恐らく、歴史上、商売がはじまった時から、密かに秘伝として商人に伝えられてきたノウハウといえる。特に、鮮魚、精肉部門では相乗積なくして、粗利を安定させることは不可能ともいえ、相乗積を知らないものにとっては、魔法のように粗利を計算しているように見える。ただ、相乗積もけっして、魔法でも、何でもなく、その実態は粗利構成比であり、構成比の粗利版といえる。

   現在、POS分析で構成比があまりつかわれなくなったが、構成比はいまでも、売れ筋を把握する上では重要な指標であるといえる。ただ、ひとつ問題があるのは、構成比を使う場合、全体をどこに求めるかでAランクが次々に変わることである。小分類で構成比を見た場合、中分類で構成比を見た場合、大分類で構成比を見た場合、様々な場合の構成比があり、その都度、売れ筋が変わってゆき、どの構成比かが問われることになる。これは、構成比の分母が一定しないためであり、絶対的な指標がつくりづらいためである。

   そこで、ほぼ、同時並行で登場したPOS分析がPI値である。初期の頃のPI値は単品管理に活用されたため、数量PI値、すなわち、売上数量÷客数が使われた。その後、PI値の発展とともに、様々なPI値が開発されてゆくが、1992年10月までは、POS分析にPI値を活用する場合は、ほぼすべて数量PI値が使われていたといえる。今でも、その名残りが残っているPOS分析帳票を見ることがあり、なつかしさを感じることがある。

   特に、初期の頃のPI値は分母の客数がレジ通過総客数、すなわち、総レシート枚数のみを使っていたため、構成比のように、分母が変わることはなく、客数1人当たりという相対化している指標にも関わらず、絶対的な指標として活用できることが最大のメリットであったといえる。PI値を使えば、店舗の大小、時間の長短も克服でき、売れ筋を定義することが可能となり、はじめて、POS分析で普遍的に売れ筋を定義できるようになったといえる。PI値はその意味で、生まれた当初から、売れ筋を定義する最良の指標として宿命づけられた指標であったといえよう。

   ちなみに、PI値がPOS分析で使われるようになった1990年前後、いまから約20年前にはじめて定義した売れ筋のPI値基準は1%であった。それまで食品スーパーマーケットにおけるPOS分析では死に筋を見つけることが全盛であったが、このPI値1%が売れ筋の絶対基準であることが定義され、POS分析でも売れ筋を明確に把握できるようになったといえよう。いまでも、このPI値1%は生きており、店長が店に赴任してはじめてやるべきことは、店舗の中のPI値1%以上の商品を全部覚え、毎日、チェックし、この商品の欠品を0にし、鮮度を最高に保つことであるといっても過言ではないといえよう。

   PI値1%以上を売れ筋と定義すると、興味深いことに、どんな食品スーパーマーケットでもほぼ200品前後となるのが実態であり、0.5%でも500品前後となり、売れ筋の上限を定義することが可能となる。逆に、PI値は下限を定義することの方が不得手で、0.1%、0.01%、0.001%の商品等も存在するため、死に筋の定義を決めることが難しいといえよう。

   このように、PI値はその指標が生まれた時から、売れ筋を把握する最良の指標として運命づけられているといえ、その後の金額PI値の時代、そして、現在のID-POSの時代になっても、顧客にとってもっとも必要とされている重点商品は何かを見つけ出し、育ててゆくための最良の指標であるといえよう。

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December 18, 2009 in 経済・政治・国際, PI値 | | Comments (0) | TrackBack (0)

December 17, 2009

売れ筋と死に筋、POS分析はどっち、その1!

   POS分析が始まったのは、いまから30年ぐらい前であるといえるが、本格的にマーチャンダイジングに活用され始めたのはセブンイレブンがPOSを導入、単品管理の手法を確立してからといえよう。その後、今日まで、この単品管理が日本におけるPOSをマーチャンダイジングに活用するスタンダードになったといえる。したがって、POS分析=単品管理といえ、単品管理=マーチャンダイジングという図式が成立しており、結果、POS分析=単品管理=マーチャンダイジングとなっているといっても過言ではない。

   そこで、POS分析にもとづく単品管理を一歩掘り下げ、ここでは、単品管理が売れ筋を見つけ出すのか、死に筋を見つけ出すのか、どっちが主目的であるのかを考えてみたい。POS分析はいまでもそうだが、原点は売上数量か、売上金額かのどちらかの分析からはじまったといえる。約20年ぐらい前であるが、POS分析は数量で見るか、金額で見るか、どちらが優先かという一大論争となったことがあった。ある大手チェーンでは、当時のコンピュータの性能上、POSから金額データのみ残し、数量データを捨てていたということがあったくらいであり、優先度は金額が圧倒的に高かったといえる。したがって、マーチャンダイジングも金額でしか見ることができない場合があり、当時は十分にPOSを使いこなすことができなかったといえる。

   この論争に決着をつけたのが単品管理である。単品管理の原理はABC分析であるが、その中でも、単品管理は、セブンイレブン、コンビニからスタートしたため、限られた売場面積での商売であり、当然、品揃えを限定せざるをえない宿命にあった。したがって、いかに売れない商品をカット、すなわち、死に筋を見つけ、売場からカットし、商品を絞り込み、結果として売れ筋のみにしてゆくという手法が最優先された。

   そして、そのためには金額で死に筋を判断するよりも、数量で判断した方が判断しやすいという利点があったといえる。なぜなら、たとえば、週間1個以下の販売数量の商品を死に筋と定義すれば、その商品を売上げ規模の大小にかかわらず、カットできるからである。これが、金額になると、たとえば、週間1,000円以下と、死に筋を定義した場合、週間1個1,000円のものも、週間10個100円のものも、週間100個10円のものもカットすることになり、数量で見た場合の売れ筋をカットしてしまいかねないからである。

   したがって、POSデータを数量で判断することがポイントであり、しかも、死に筋を見つけ出すのが容易であるという結論になる。これが初期の頃のPOSを活用してのマーチャンダイジングの決め手となり、マーチャンダイジングはPOSデータから、数量で死に筋をいち早く見つけ出し、カットすることが重要な政策になったといえよう。

   ここから、売れ筋も定義できそうであるが、これが数量では中々難しい。たとえば、週100個以上を売れ筋と定義した場合、売上げ規模の大きい店では0個となる場合もあれば、逆に、規模の小さい店では、100個となる場合もあり、店舗の大小共通の定義をつくるのは不可能だからである。もちろん、死に筋も店舗の大小によって、たとえば、週間1個以下の商品の数は違ってくるが、売れ筋よりも、はるかに明確に商品が算出されるのが実態であり、結果、死に筋が売れ筋よりも、POS分析では明確になるからである。

   これは理論的に実証できる。その根拠は、商品の売上数量は自然数のように思わるが、実際は、ある期間で見ると小数、分数であり、小数点以下何桁も続くからである。どういうことかというと、たとえば1週間に1個売れる商品は週1個であるが、2週間に1個売れる商品は週間では0.5個となる。これは1を切るために、POSデータでは0個となる。当然3週間に1個売れる商品は0.33・・すなわち、1/3個となるが、これもPOSデータでは0個となる。したがって、1週間に1個以下という商品は、0.・・はすべて入るため、POSデータで分析するとかなりの数になる。ただ、その範囲を1以下、0以下と限定できるため比較的、定義しやすいといえる。

   一方、売れ筋は、たとえば、週間100個以上は、店舗の規模の大小を除いたとしても、すべてPOSデータで把握できるため、上限はそれなりに決まるだろうが、死に筋のように小数点の商品はすべて自然数として把握され、段階ごとにかなり商品が発生し、もはや限定が難しくなるからである。死に筋のように狭く限定できれば良いが、売れ筋は、上限が見えないために、狭さがそもそも設定しにくく、定義が死に筋ほど、明確にならないからである。

   ここからPOS分析は、数量分析、死に筋の発見、排除がマーチャンダイジングの歴史を作っていったといえ、売れ筋をPOS分析で発見し、強化してゆくことが難しいと思われてきたといえる。いまでも売上金額、売上数量をもとにPOS分析を実施している場合は同様に、数量重視、死に筋発見、排除がマーチャンダイジングの根幹となろう。もちろん、これはこれで十分なPOS分析の成果であり、実践的にも効果を発揮する分析手法であり、マーチャンダイジングの改善にも役立つといえる。

   ただ、本当に、POS分析は売れ筋を見つけ出し、その商品を徹底的に管理することが苦手なのかといえば、必ずしもそうではなく、工夫次第では、POS分析も売れ筋を定義し、売れ筋を発見し、強化してゆくマーチャンダイジングも可能である。それが、PI値分析であるが、これについては、稿を改めて解説したい。

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December 17, 2009 in 経済・政治・国際, PI値 | | Comments (0) | TrackBack (0)

December 05, 2009

ID客数PI値って何?

   前回、客数PI値について解説したので、今回は、もう一歩踏み込み、ID客数PI値について考えてみたい。ID客数PI値は客数PI値にIDがついたものであり、ID-POS分析には必須の指標である。ID-客数PI値なくして、ID-POS分析は成り立たないといえる。その意味では、客数PI値よりも、メジャーな指標となる可能性が高く、ID-POS分析が普及すればするほど、ID客数PI値は一般化することになろう。そこで、ここでは、ID客数PI値とは何か、客数PI値とはどう違うのか、ID客数PI値の将来展望を解説してみたい。

   まず、ID客数PI値とは何かであるが、これは、客数をIDで割ったものである。一般的に小売業では客数のことをIDとは捉えていない。それは長らく、IDそのものを正確に把握することが技術的にできなかったため、IDを数字で捉えることができなかったからである。したがって、IDの研究は小売業ではまだまだ一般化しておらず、実際の小売業でIDを分析し、その数字を現場に活かし、実績を上げている企業はごくわずかといえ、特に、食品スーパーマーケットではまだまだごく限られた企業のみのといえよう。

   では、小売業における客数とは何かであるが、これはレシートのことである。レシート=客数ととらえているのが小売業の客数の実態である。したがって、IRなどで公表されている年間客数はレジ通過の総レシート枚数のことである。これを客数として捉え、1店舗およそ100万人近い客数となり、100店舗で1億人の年間客数となる。セブンイレブンやウォルマートの客数も同様であり、すべて、客数というと、通常はレシート枚数のことである。

   もちろん、ポイントカードを導入している小売業はすべて何らかの形でIDを把握しているので、最近ではIDで客数を把握できるようにもなり、ほぼ正確なIDの客数もわかるようになってきた。そこで、登場するのが、ID客数PI値である。ID客数PI値とは、これまでの客数=レシートとIDとを結びつるける根幹指標のことであり、数式ではID客数PI値=客数(レシート)÷IDとなる。このID客数PI値が生まれたことにより、はじめて、これまでの客数(レシート)の世界がIDとつながることになり、ID-POS分析が飛躍的に進むことになったといえる。

   なぜなら、これまでのマーチャンダイジング理論の根幹、金額PI値をID客数PI値を通じて、ID金額PI値と結び付けることが可能となったからである。これも本ブログでは何度も取り上げているが、ID金額PI値=ID客数PI値×金額PI値であり、まさに、右側は客数(レシート)の世界、左側はIDの世界であり、この2つの世界がID客数PI値を通じて結びつき、様々なID-POS分析が可能となる。しかも、これまでは金額PI値の分析が主なマーチャンダイジング理論を形作っていたが、ID客数PI値を通じて、IDの世界とつながることにより、IDと結び付いたマーチャンダイジング理論の構築が可能となったことである。

   この数式が示すように、ID客数PI値は1ID当たりのレシート枚数であるので、これは、ある購入期間におけるIDの購入頻度を表しており、IDの世界では、マーチャンダイジングに頻度という概念が必然的に組み込まれることになり、頻度分析が可能となる。さらに、商品をIDから見ることが可能となり、これまでの特定レシート(商品分類など)のマーチャンダイジングを取り上げるだけでなく、IDの総レシートを分析対象とすることも可能となり、併売分析や、最近の最先端のマーチャンダイジング理論であるファイナンス、特に、キャッシュフロー分析への応用も可能となりつつある。本来、小売業におけるキャッシュフローは商品から見るよりも、実は、顧客から見た方がはるかに実務的であり、キャッシュフローの増大につながるはずである。ただ、これまでは、顧客、すなわち、ID分析ができなかったがために、このようなアプローチができなかったが、今後は、これに限らず、IDの世界から見ることにより、様々な展開が可能となろう。

   次に、ID客数PI値と客数PI値の違いであるが、これは、ID客数PI値がIDと客数(レシート)を結びつける指標であるのに対し、客数(レシート)同士を結び付ける指標が客数PI値である。分母、分子双方が客数(レシート)となり、すべて、客数(レシート)の世界だけで活用される指標である。これは、ID金額PI値=ID客数PI値×金額PI値の右側の世界である。では、左側の世界、IDに客数PI値はないのかという疑問がわくと思うが、これも当然ある。ID客数PI値IDである。数式はID÷IDとなり、左の世界、すなわち、IDの世界だけで活用される客数PI値である。

   このように、客数PI値はID-POS分析の時代となり、3つに分化し、客数(レシート)のみの世界で活用する客数PI値、客数(レシート)とIDの世界を結びつけるID客数PI値、そして、IDの世界のみで活用するID客数PI値IDがある。ID-POS分析とは、この3つの客数PI値を縦横に駆使し、マーチャンダイジングの本質に迫ると同時に、経営の根幹キャッシュフローにも迫ってゆくことになる。その意味で、いずれ、客数PI値はマーチャンダイジング、そして、経営の根幹指標となる日が来るのではないかと思う。

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December 5, 2009 in CRM、FSP, 経済・政治・国際, PI値 | | Comments (0) | TrackBack (0)

December 04, 2009

客数PI値って何?

   最近、客数PI値についての質問を良く受けるようになった。特に、メーカーの方から、カバー率とどう違うのかという質問を受ける。小売業でも、チェーンストア全店の導入率と、どう違うのかという質問を受ける。また、そもそも、PI値に客数PI値があるのかという素朴な質問も受けることが多い。確かに、客数PI値はPI値の中でも、比較的最近、基礎概念が確立された指標であり、馴染みが薄いのは事実であり、流通業界でもまだ一般化しているとはいえない。業界用語としても、PI値はほぼ認めらたといえるが、客数PI値は、まだまだ、これから認知される指標の中のひとつの候補といえよう。

   ただ、ID-POSの時代になると、必然的に客数PI値、特に、ID客数PI値は必須となり、ID-POS分析をするにあたっては、客数PI値なしには、理論的な分析は不可能である。ID-POS分析の普及とともに、客数PI値が浸透し、将来的には客数PI値が主役の座になることも十分に考えられる指標である。その意味で、客数PI値は、PI値を理解し、マーチャンダイジングを理解する上においては極めて重要な指標といえる。

   そこで、まず、客数PI値を理解するために、身近な客数PI値の事例から入り、その後、客数PI値のPI値理論、すなわち、マーチャンダイジングを理解する上で、その意義をまとめてみたい。

   まず、カバー率と客数PI値の違いであるが、数式的には、カバー率は導入店舗数÷全店舗数であり、店舗÷店舗のことである。ここに、数量、金額、客数は絡んでこない。これに対して、客数PI値は導入店舗の客数÷全体の客数であり、客数÷客数のことである。店舗の客数がすべて同じ客数であれば、カバー率=客数PI値となるが、店舗の客数にバラツキがあると、カバー率と客数PI値はかなり差がでる。実際、食品スーパーマーケットの客数を見ると、100店舗クラスになると、1,000人/日から5,000人/日ぐらいまであり、かなり、客数にバラツキがあるのが実態である。したがって、カバー率と客数PI値はこと食品スーパーマーケットではかなり差があるのが実態といえよう。

   また、客数PI値は理論的には、全体の金額PI値(PI値)=客数PI値×導入店舗の金額PI値(PI値)という数式で結ばれ、導入店舗の客数÷全体の客数が客数PI値となり、全体と導入店舗を結びつける架け橋となる。ところが、カバー率は客数PI値のかわりにはならず、理論的に当てはめる場所がない。強いていえば、カバー率を100%に近付けてゆく、目標設定のひとつ、行動計画のひとつの指標ととらえるのが順当といえよう。逆に、客数PI値は理論的には明快な指標のひとつであるが、目標設定にはやや分かりにくい面もある。

   次に、チェーンストアで使う客数PI値であるが、良く目にするケースが、チェーン全体の金額PI値が算出されていた場合、その金額PI値がチェーン全体の客数で割ったものか、導入店舗の合計客数で割ったものかが、一見して、わかりにくいというケースがある。最近では、これを厳密に分けて提示する場合も見られるが、現状はどちらかひとつの場合が多いのが実態である。これは、実際に算出してみると、かなり大きな差があり、特に、導入店舗が少ない場合の金額PI値に大きな格差がある。

   余談だが、毎週、金曜日に日経MJから公表される新製品週間ランキングがある。このランキングは金額PI値で評価されているが、その金額PI値は全体、すなわち、対象店舗全体の客数で割ったものか、それとも、新製品の導入店舗のみの客数で割ったものかが明示されていない。かなりの読者が全体の客数で割った対象チェーン全体の金額PI値であると思っているようであるが、あれは、新製品の導入店舗のみの客数で割った導入店舗のみの金額PI値であり、それでランキングをとっているといえる。本来であれば、全体の金額PI値=客数PI値×導入店舗の金額PI値と、双方を明示した方がわかり安いと思うが、客数PI値のかわりにカバー率が、参考に示されており、全体の金額PI値は推測するということになる。

   客数PI値を理解する上で、もうひとつ身近な事例は、大リーグの得点圏打率である。日本の野球では大リーグほど指標開発が進んでいないため、単純な打率が一般的であり、得点圏打率はあまり使われることがないが、大リーグでは、これ以外にも様々な指標開発が盛んである。では、なぜ、このような指標開発が大リーグで進んだかであるが、その理由は客数PI値が背景にあるといえよう。得点圏打率は、全体の打率=客数PI値×得点圏打率という関係にあり、客数PI値が得点圏打席÷全打席となる。したがって、この分子を変えれば、いくらでも指標開発が可能であり、様々な打席で割って、全体の打率を様々な角度から分析できることになるからである。大リーグ用語でいえば、侵入率とほぼ客数PI値はいっしょである。

   このように、実は客数PI値は全体と部分を結びつける上においては極めて重要な指標であり、必須の指標といえる。むしろ、客数PI値を先に考えて、あとで、そこに数量を乗せたり、金額を乗せたり、ヒット数を乗せたりした方が、様々な指標を開発しやすいといえる。今後、この客数PI値が理解され、実際に分析され、浸透することにより、さらに、深く、マーチャンダイジングを理解することができるようになるといえよう。なお、ID客数PI値については、また、稿を改めて取り上げたい。

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December 4, 2009 in 経済・政治・国際, PI値 | | Comments (0) | TrackBack (0)

October 09, 2009

Chain Store Age、10/1号、ガムのPOS実証分析を投稿!

   Chain Store Age(チェーンストアエイジ)最新号、2009年10/1号にMD特別リポート、「ガム売場のPI値検証報告、ベストバランスがついに明らかに!」を投稿した。この企画は、Chain Store Age 、4/1号から始まった一連のガムのマーチャンダイジング戦略の企画であり、その最終版である。特に、今回は、5/15号で導きだしたTOPNAVI-NETの全国約400店舗の食品スーパーマーケット、過去1年間、述べ客数2億6千万人を超える客数を分母にした金額PI値にもとづいたガムのベストバランスの実証実験結果のリポートである。

   今回の実証実験は、ガムNo.1メーカーのロッテの協力及び2社の食品スーパーマーケットの協力が得られ、約3週間に渡って、ガムのベストバランスの仮説に基づいた売場を、それぞれ様々なタイプの店舗で検証することができた。1社は群馬県を中心にドミナント展開しているフレッセイであり、もう1社は、東京都都心部にドミナト展開しているトップである。両食品スーパーマーケットは全くタイプが違い、フレッセイは郊外型中心で店舗面積も広く、ガム売場もレジ前と菓子売場双方に展開ができ、十分な品揃えが可能である。一方、トップは都心部の店舗ということで、売場面積が小型タイプの店舗が多く、ガム売場もレジ前か、菓子売場かどちらかに絞らざるをえない状況であり、しかも、ガム売場に十分なスペースがとれない場合もあり、限られたスペースでのガムのマーチャンダイジングの限界への挑戦が課題となった。

   もともとの仮説であるが、ガムはバランスが極めて重要なカテゴリーであり、そのバランスとは、重点商品と品揃え、重点商品と新商品、品揃えと新商品、このバランスが極めて重要な課題であり、多くの場合、そのバランスを崩し、重点商品が十分に訴求されなかったり、品揃えが確保されなかったり、あるいは、新商品が過剰となり、重点商品を圧迫したりし、数字が伸び悩むことが多いのが実態である。今回の2社の検証にあたっても、検証に入る前に、約10店舗近くの昨年、今年のガム全品の詳細なPOSデータの事前分析を行い、ガムのマーチャンダイジングのバランスチェックをし、その中で、様々なタイプの店舗を選定して検証に入った。たとえば、金額PI値最高の店舗、最小の店舗、競合店との競争の厳しい店舗、郊外型店舗、都心型店舗などである。

   結果、事前POS分析では、ベストバランスに近い場合もあったが、重点商品が十分にフェースがとれず、在庫が少なかったり、品揃えが十分でなかったり、新商品が過剰に売場に導入されていたりというケースも見受けられ、結果、金額PI値が伸び切れていない店舗もあった。

   ちなみに、事前の仮説では特に重点商品の中でも金額PI扱店が200円を超える超重点商品が4品あり、ロッテキシリトールライムミントボトル150g、367.5円、ロッテキシリトールフレッシュミントボトル150g、252.4円、キャドバリー・ジャパンアダムスクロレッツXPオリジナルミント粒150g、236.9円、ロッテブラックブラック粒 ワンプッシュB150g、208.3円である。この商品の欠品はガム全体の数字に与える影響も大きいので、最優先で棚割にも反映させた。

   特に、フレッセイでは、No.1のライムミントは検証中に金額PI値500円/1,000人を超える店舗も現れ、PI値も0.8個/1,000人を超えはじめた。したがって、3,000人/日の客数で2.4個/日となり、週間在庫は16.8個となった。こうなると当然1フェースでは管理不能となり、欠品を防げない。今回の紙面の検証写真を見てもわかるように、以前はこのNo.1商品が1フェース展開であったが、検証中は3フェース3段積みとなり、ほぼ、週間在庫を確保することが可能となった。ただ、実際の検証データを見ると、それでも、数字が不安定に動く場合もあり、もう1フェース増やすか、もう1段積みあげても良いくらいであるといえる。

   ここまで注意を払う商品はこの4品を加え、数品であるが、その結果を見ると、両食品スーパーマーケットとも、堅調な数字の伸びが見られ、紙面では重点商品をグラフで示したように、その伸びがガム全体の伸びに大きく貢献することが検証できた。では、品揃えはどのような役割かであるが、今回の検証結果では、数字は横ばいの場合が多く、それでも、全体の50%近い金額PI値の構成比となり、ガム全体のベースを決めるこことが検証できたといえる。したがって、ガムは品揃えがガム全体の基礎ベースを決め、重点商品が全体を押し上げる効果があるという検証結果であった。また、双方、意識的に新商品を増やした検証も行ったが、金額PI値が高い新商品はわずかであり、かなりの新商品が品揃えの下位に来ることが多く、新商品は慎重に商品選定を行い、ガムの重点商品と品揃えとのバランスを崩さない中での展開がポイントであるという検証結果となった。

   今回は限られた誌面での検証結果の公表となったため、詳細なデータを十分に掲載することができなかったが、いずれ、様々な機会を通じて、今回の検証結果をもとにしたガム売場のベストバランスのマーチャンダイジング戦略を公表してゆければと思う。さらに、機会があれば、ガムのID-POS分析にも挑戦したいと思う。今回の仮説とは、また違った角度からガムのマーチャンダイジングの仮説をつくることができるのではないかと思う。

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October 9, 2009 in 経済・政治・国際, PI値 | | Comments (0) | TrackBack (0)

September 20, 2009

PI値を理解するためには?

   最近、PI値の基礎研修をする機会が多い。そこで、PI値を理解し、実践に活用する上で、重要なポイントをまとめてみたい。PI値には、数量PI値、金額PI値、客数PI値があり、状況に応じて、粗利PI値、経費PI値など、様々なPI値がある。さらに、最先端のPI値、ID-PI値、ID-金額PI値も開発され、ID-POS分析が可能な場合は、ID-PI値、ID金額PI値がもっぱら活用される。このように、PI値は様々な指標が開発されてきたが、すべてに共通しているのは、顧客1人当たりの指標という点である。PIがついた指標はすべて、顧客1人当たりの指標であり、分子が数量、金額、客数、粗利、経費と変わる点が大きく違うといえる。

   基本はこれだけであるが、ここ最近の研究により、ID-PI値、ID金額PI値が開発されたことにより、従来のPI値にも変化が表れてきた。最も、大きな変化は、分母の客数をより、細かくとらえることができるようになったことである。従来のPI値、数量PI値、金額PI値、客数PI値、粗利PI値、経費PI値等は原則、分母は総客数、すなわち、レジ通過客数=総レシート枚数が基本であった。したがって、分母に関しては、意識することなく、PI値を活用することが可能であった。

   ところが、ここ最近では、ID-POS分析へのPI値活用が進みはじめ、自然、ID-PI値、ID金額PI値が使われ、分母の客数がレシートだけでなく、IDも使うようになり、というよりも、IDがメインになり、分母の客数を改めて見なおす必要が生じた。しかも、IDとレシートの関係は、ID客数PI値で結ばれ、これまでのレシートの客数はIDの客数に包含される関係となった。したがって、改めて、従来のPI値も再定義が必要となり、IDという観点から、PI値そのものを再構築せざるをえなくなったのが現状である。

   そのPI値の再構築を迫られた転機となった数式が、ID金額PI値=ID客数PI値×金額PI値の開発である。これは、ID金額PI値が売上÷IDを示し、ID客数PI値がレシート÷ID、金額PI値が売上÷レシートを示しており、右側はレシートが約分され、左側に一致するので、正しい数式であることがわかる。

   この数式が開発されたことにより、PI値を体系的、総合的にとらえることができるようになり、レシートのPI値、IDのPI値と分けて考えるのではなく、双方は一体であり、ID客数PI値により、関係づけることができるようになった。また、この数式が成り立つことにより、IDとレシートの一体感が維持されれば、自由に、ID、レシートを変換することができるようになり、従来のPI値も総レシートにこだわることなく、様々なレシート、すなわち、客数のPI値をつくることができるようになった。

   たとえば、ID金額PI値=ID客数PI値×金額PI値の金額PI値のレシートを総レシートとした場合は、IDもそれに応じて、総IDとなり、左右は一致する。金額PI値のレシートを特定商品の購入レシートとした場合は、IDもそれに応じて、購入IDとなり、左右は一致することになる。これをレシートから見れば、レシート変換と呼び、IDから見れば、ID変換と呼び、レシート、IDが同じ数式を使いながら、次々と変換してゆき、ひとつの商品を様々な角度から捉え、その商品の消費実態を顧客面、ID、レシートから明らかにしてゆこうというのが、ここ最近のPI値理論の最先端の研究課題である。

   すでに、数式、フォーマットの開発は終え、一部、実践投入しているが、中々、おもしろい成果が表れ始めており、今後、次世代の新たなマーチャンダイジング戦略の根幹を占めることになるのではないかと思っている。

   したがって、PI値を理解するためには、どうも、この最先端のPI値を理解した方が早いのではないかと最近では考えるようになり、従来のPI値関連の基礎テキストも、現在、見直しをかけ、ここ最近の研修でも、少しづつではあるが、PI値の全体像を示し、最先端のPI値理論をもとに体系的な内容に差し替えはじめている。

   ただ、残念なことは、ID-POS分析が自由に使える環境が小売業側に整っているケースはまだまだ少なく、PI値の理論、解説が先に走ってしまい、たとえば、ID-PI値、ID金額PI値、ID客数PI値、あるいは、金額PI値のレシート変換の数字を実際に見ることができず、実際の研修の面では歯がゆいことが多い。それでも、PI値を体系的、総合的、そして、実践的に理解するには、従来の総客数(総レシート枚数)だけの単純なPI値だけの解説よりも、理解が早いのではないかと思い、ここ最近では、できるだけ、最新の研究成果も交えて、PI値の基礎研修を実施するようにしている。

   恐らく、3年ぐらいすれば、ID-POS分析はごく普通に、少なくとも、食品スーパーマーケット業界では使える環境が整うではないかと、期待を込めて願っている。その来たる日が来ることを目指し、いまの段階でも、少し早いかもしれないが、PI値の基礎研修に関しても、最先端の研究成果を組み込んだPI値の研修を実施しはじめている。どうも、その方が、多少の歯がゆさは残るが、現状のPI値を理解する上においても、早く、深く理解できるのではないかと、ここ最近の研修を通じて感じる。

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September 20, 2009 in 経済・政治・国際, PI値 | | Comments (0) | TrackBack (0)

September 18, 2009

PI値か平均単価か?

   マーチャンダイジングには様々な評価指数がある。通常のPOSデータから得られる評価指標のひとつは、金額PI値=PI値×平均単価であり、いかに、金額PI値を引き上げられるか否かが、マーチャンダイジングの評価そのものといえる。金額PI値を引き上げるには、この数式が示す通り、PI値を引き上げるか、平均単価を引き上げるか、ないしは、双方を引き上げるかがあるが、通常、はじめに着手する方法は、PI値アップが最優先で取り組まれ、PI値をどこまで引きあげ、結果、金額PI値を引き上げるかであることが多い。

   ところが、ここ最近、このセオリーに異変が起こりつつある。PI値を必死に引き上げても、それ以上に、平均単価が落ち、結果、金額PI値が下がってしまい、マーチャンダイジングの強化につながらないケースが続出しているのである。特に、PBが重点商品に置き変わり、そのPBを最優先で強化した場合にその傾向が顕著に表れている。本来、顧客の支持を獲得していたNBが、PBに圧迫され、PB最優先の売場となった時などには、この傾向が強い。また、ここ最近の消費環境が節約志向になった影響もあり、これまでの、単純な最重点商品のみの強化だけでは、その商品の強化はできても、その重点商品が属するカテゴリー全体の数字は伸び悩み、結果として、全体の金額PI値が落ちるということが良く起こるのが現状である。

   これは、どこに問題があるのかであるが、その答えは、金額PI値アップは、PI値アップが最優先であり、ここにすべての経営資源をかけることが正しいという思い込みが大きいように思う。金額PI値アップは、先に示したように、3択の問題であり、確かにPI値アップでも上がるが、その上がる条件は、PI値のアップ以上に平均単価が落ちないということが前提である。PI値105%、平均単価90%の場合は、金額PI値は95%となる。平均単価が95%となって、初めて金額PI値は100%となるが、この平均単価の歯止めがかからない場合が、現在の消費環境、デフレ傾向の中では往々にして起こっているのが現状である。

   では、どうすれば良いか、その一つの大胆な仮説が、PI値に着目するのではなく、平均単価に着目することである。この消費環境から見ると逆行しているように思えるが、金額PI値を引き上げる方向は、PI値アップも平均単価アップも、同等の価値があり、PI値だけを優先することが正しいわけではない。平均単価アップもPI値アップ同様、重要な金額PI値アップの手法であり、仮説としては十分に成り立つ方向である。

   簡単な数字のシミュレーションをすれば、平均単価が5%アップした場合、PI値は95%で金額PI値はプラスマイナス0であり、平均単価が10%アップした場合は、PI値は95%で金額PI値は105%、90%でもプラスマイナス0である。しかも、このほとんどの場合、金額PI値では把握できない、粗利は向上する可能性が高いといえる。PI値を上げるために、平均単価を下げれば、当然、粗利が率では下がる。逆に、平均単価が上がれば、確実に粗利率は上がり、金額PI値が落ちなければ、粗利改善が可能となるからである。

   どうも、ここ最近のマーチャンダイジング戦略は、この平均単価にどう着目するかが、大きな課題となってきたように思う。これまでは、確かに、PI値を最優先で引き上げ、金額PI値を押し上げようとし、実際、押し上げることができたが、各食品スーパーマーケットが消費環境の変化により、PB強化、NBの価格訴求に本格的に取り組むようになってからは、PI値アップによる金額PI値アップが思うように、成果をあげることができなくなったように思う。

   ここは、戦略転換をはかり、平均単価に取り組むべき時がきたのではないかと思う。そこで、平均単価アップであるが、これは、値上げをすることではない。値上げをすれば、当然、平均単価をあげることができるが、それは、返って、PI値を極端に落とし、金額PI値を下げることにつながる。平均単価アップとは、平均単価の高い商品のPI値を引き上げることであり、これまで、見向きもされなかった重点商品以外の商品、特に、付加価値の高い商品や、重点商品につぐ、平均単価の高い商品のPI値を思い切り、ひき上げることである。また、もうひとつの方法として、重点商品よりも、付加価値の高い商品の商品開発を行い、その商品を徹底的に強化することである。

   このような平均単価アップ政策を意識的にとることによって、商品全体の活性化がはかれ、結果として、PI値は落ちても、それ以上に平均単価の上昇分でカバーできれば、金額PI値は上がり、マーチャンダイジングの成果が徐々に表れてくる。もちろん、同時に、重点商品のPI値もアップすれば、PI値、平均単価ともにアップし、理想的なマーチャンダイジングの成果が得られるが、どうも、ここ最近の異常なPI値アップ、平均単価ダウン、結果、金額PI値ダウンの状況を多々見ると、ここは、発想を変えて、平均単価アップ、PI値ダウン、それでも、金額PI値を引き上げるという方向を検討し、実践する段階に入ったように思う。これだけ、厳しい消費環境になったからこそ、あえて、平均単価アップの仮説を真剣に考える時が来たように思う。

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September 18, 2009 in 経済・政治・国際, PI値 | | Comments (0) | TrackBack (0)

June 21, 2009

最近のお気に入り帳票、品揃えはこれでチェック!

    PI値の研究開発を続けて、かれこれ20年余りになる。その間、PI値を活用した帳票を数多く作ってきた。20年前の帳票、10年前の帳票、そして、最近の帳票と、それぞれ研究成果とその時の時代を反映していて、改めて見てみると感慨深いものがある。現在でも様々な帳票を開発し、実践投入しているが、最近の最もお気に入りの帳票は、品揃えを一目でチェックできるように工夫した帳票であり、名前がまだついていないが、ここでは、仮称、品揃えMD評価表と呼んでみたいと思うが、この品揃えのチェック帳票である。

   すでに実践投入して、数年になるが、いまでは、MD評価表の補足帳票として位置づけ、現場からも好評である。この品揃えMD評価表であるが、きっかけは菓子パンのマーチャンダイジングの研究から生まれた帳票である。通常のPI値のマーチャンダイジングへの活用は、重点商品を見つけ出し、その商品を極限まで強化することが多い。特に、生鮮、惣菜、日配食品では、重点商品の選定と強化で70%から80%は、マーチャンダイジングの改善が可能であるといっても過言ではない。  

   ところが、グロサリーや一部の生鮮食品、惣菜、日配では重点商品をどんなに強化しても、全体の数字が改善しないカテゴリーが厳然としてあり、これらのカテゴリーは、重点商品よりも、むしろ品揃えの見直しを行わないとマーチャンダイジングが改善できないといえ、通常のPI値の活用では歯が立たないカテゴリーである。その典型的な商品が菓子パンといえ、食品スーパーマーケットの全カテゴリーの中で、恐らく、最多のSKUで構成されたカテゴリーであるといえよう。

   どのくらいあるかであるが、少なく見積もっても月間500SKUは優に超える。これだけSKUが多いカテゴリーはひょっとすると世の中の全商品カテゴリーの中でNo.1かもしれない。したがって、この500SKUの中から重点商品を選定し、それを強化しても菓子パンのマーチャンダイジングは良くならず、場合によっては、悪くなることすらある。菓子パンはむしろ品揃えを見直した方がはるかにマーチャンダイジングが改善し、しかも、劇的に変わるのが、これまで得られた菓子パンのマーチャンダイジングの研究成果のひとつである。

   そこで、この品揃えの改善にPI値を活用することはできないかと考え、開発された帳票が仮称、品揃えMD評価表である。当初は菓子パンでもっぱら活用していたが、最近ではほとんどのカテゴリーに、MD評価表の補助帳票として活用し、その帳票をもとに各カテゴリーの重点商品の強化に加え、品揃えの改善もはかっている。 

   では、その品揃えMD評価表とはどんな帳票かであるが、評価指標を金額PI値だけに絞り、縦に、全SKU、横に、全店舗を並べ、全店平均の金額PI値でソートを掛けたMD評価表である。金額PI値だけに指標を絞っているので、通常のMD評価表の金額PI値=PI値×平均単価の3つの評価指標に、金額PI値の順位を入れた1SKU4行から、1行になるので、ほとんどのカテゴリーはA4 1枚か数枚で収めることが可能である。 

   そして、金額PI値の大きさを見て、A、B、C、場合によっては、Dランクまでわけて品揃えを判断することになる。たとえば、Aランクは0.5円以上、Bランクは0.2円以上、Cランクは0.05円以上、Dランクはそれ以下などである。そして、この時、品揃えの評価特有のスパイスを加えると、より効果的な品揃えの評価が可能となる。よく、使っているスパイスが導入店金額PI値である。これは、菓子パンなどでは典型的であるが、C、Dランクの商品はまず、全店共通の品揃えはないといっても過言ではなく、各店導入(発注)、未導入(未発注)がまちまちであり、ばらつくのが実態である。むしろ、バラツくべきであるともいえ、このバラツキの中から、最適な品揃えを目指すことの方が現実的であろう。ここまで商品部が決めると、かえって品揃えが硬直化し、顧客のニーズと乖離することが起こるともいえる。そもそも、これらの商品のPI値は見えないほど低いので、その差異を分析し、品揃えを確定することに意味があるとは思えないし、無理があるといえよう。

   この導入店金額PI値を活用し、全体の金額PI値とズレが大きい商品は無条件に品揃えに加える工夫をすることが大きなポイントであり、さらに、その中でも、導入店の中で最高の金額PI値をチェックし、一目で把握できるように、ラインマーカー等で目立たせるとより効果的である。それを見ているだけで、発注したくなるといえよう。

   これ以外にも実践的な工夫は数多くあるが、工夫次第でこの品揃えMD評価表は実践的で使いやすい帳票に磨き上げることが可能といえ、今後、さらにブラッシュアップしていきたいと思う。当初は菓子パンではじめた品揃えMD評価表であるが、最近では、牛乳、豆腐等の日配品やグロサリーにも活用しており、これまでPI値では十分にフォローできなかった品揃え面の強化に大きく役立ちはじめている。改めて、商品の品揃えの重要性を認識しつつあるといえる。特に、現在の最新の研究テーマはID-POSのID金額PI値の活用に移ってきているが、品揃えの重要性はより増しており、今後は、ID-POSデータを活用した新品揃えMD評価表の開発に挑戦したいと思う。

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June 21, 2009 in 経済・政治・国際, PI値 | | Comments (0) | TrackBack (0)

June 05, 2009

PI値と棚割、ベイシア実験!

   日経流通に、「販売数と陳列、完全連動、ベイシア、商品補充を効率的に」という記事が掲載された。内容は、ベイシアが、販売点数の割合に応じて各商品の陳列数を決める売場作りを始めるというものであり、納豆を事例に解説している。記事には売場写真も掲載されており、その写真を見ると、ちょうど、納豆売場の下段に販売点数首位のおかめ納豆(タカノフーズ)が、売場の5割を占めているシーンとなっている。これにより、ベイシアでは、販売点数の高い商品は「商品の回転率が高く1日3回は補充しなければいけなかったが、今後は1回ですむ」とのことで、今後、新店や既存店でもこの棚割を導入する方針であるという。

   これは、まさに、PI値の棚割への応用事例の問題といえ、特に、作業性を重視した観点からの棚割への応用といえよう。通常、食品スーパーマーケットは客数が約2,000人であり、最新の家計調査データ、2009年4月度で見ると、納豆は金額PI値9.90円、約10円である。もちろん地域差があり、5円にも満たない、地域から、ベイシアの地元、北関東では20円、30円の地域もあろう。仮に、金額PI値が10円であったとすると、納豆の平均単価は100円ぐらいであるので、PI値は逆算すると10円÷100円=10%となる。ベイシアでは納豆のNo.1商品が5割を占めるというので、PI値は5%ということになる。

   これを客数2,000人で計算すると、No.1の納豆は、2,000人×PI値5%=100個ということになる。写真を見ると、ざっと下段の10フェースぐらい売場を占めており、4段積みぐらいであろうか。棚の表面は奥行き2列であるが、さらに、見えない下段の奥の場所に2列2段ぐらいありそうであるので、在庫量は表10フェース×2列×4段+奥10フェース×2列×2段=120個ぐらいであろう。120個は多いか少ないかであるが、客数2,000人、PI値5%で見れば、約2割増であり、仮に、3,000人であれば、150個となるので、80%となる。

   当然、食品スーパーマーケットにおいては、客数、PI値ともに、内部要因、外部要因で変動することになり、上下20%の変動は日常茶飯事で起こるのが実態である。したがって、正確に販売数量を予想するのは極めて難しく、この変動要因をどのくらいで読むかが大きな課題となる。これは、統計学的には、標準偏差の問題であり、平均値+標準偏差、平均値-標準偏差の範囲で約70%が理論的にはカバーできるので、この標準偏差をできれだけ小さくする努力、逆に見れば、平均値に近づけるマーチャンダイジングが安定した予想には不可欠となる。

   ベイシアでは、早くからEDLPを採用しており、実は、これが最もPI値の変動要因を小さくする最良の方法である。先にあげたように、変動要因は内部要因、外部要因があるが、この中で最も影響を当たるのは価格である。価格が通常の何%になるかによって、PI値は大きく変動する。実際、PI値と価格との相関グラフを作ってみると、ほとんどの商品でy=1/xの双曲線に近い分布図となり、価格とPI値はまさに負の相関関係にあるといえ、PI値を安定させる最良の方法は価格を変えないことであることがわかる。したがって、EDLP政策はPI値安定のための最良の政策といえ、結果、客数が大きく変動しなければ、あるいは、客数の予測精度が上がれば、販売数量は安定し、在庫予想が容易になり、結果、作業量も平準化されることになる。

   世界最大の小売業、ウォルマートがEDLPを頑なに守り通すのは、このためであるといえよう。したがって、自然、自動発注も可能となり、その延長線上の自動棚割も可能となる。ただ、ウォルマートの場合は、企業があまりに巨大化したため、小売業の在庫変動がメーカーの生産計画にも大きな影響を与えるまでになり、流通全体の最適バランスをたもつためにやむを得ず、採用した面も大きかったといえよう。その意味で、EDLPはマーチャンダイジングというよりも、ロジスティックスにかかわるテーマといえ、小売業側から見ると、発注、陳列作業量の軽減、人件費の削減、経費の削減というEDLC(エブリデーローコスト)政策の決め手ともいえよう。

   ちなみに、今回のベイシアの納豆など、PI値の極めて高い商品において、ベスト3の発注予想は、客数予想×PI値予想×130%ぐらいの在庫を確保することが望ましい。先ほど、シミュレーションしたように、プラスマイナス20%ぐらいの誤差は出て当たり前といえるので、最重点商品であるPI値の高い商品は予想の30%以上在庫を持てば、欠品はまずなくなり、機会ロスが限りなく0に近づくからである。また、売れ残っても、翌日の午前中には売れる数量であり、場合によっては、値引きすれば、PI値が高い商品であり、いくらでも調整が可能で、打つ手が多いからである。これがPI値の低い商品では、ここまで余裕を持つことは難しく、自然、ぎりぎりの線を狙うことになり、欠品気味とならざるを得ないが、このPI値の低い商品の方が圧倒的に多いのが商品の実態であり、ここは結果、安全在庫を確保した上での補充発注に限りなく近い手法をとらざるをえないといえよう。

   販売数量の予想は小売業にとって古くて新しい問題であり、この精度をいかにあげられるかが、マーチャンダイジング力強化のスタートともいえ、すべては、ここから始まるといえる重要なテーマである。今後、ベイシアの取り組みに大いに期待したい。

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June 5, 2009 in 経済・政治・国際, PI値 | | Comments (0) | TrackBack (0)

November 21, 2008

ティシューペーパーのPI値を、直近のPOSデータで見る!

   食品スーパーマーケット約300店舗のティシューペーパーのPOSデータを独自に入手した。2008年10月度の直近のデータである。今回入手したPOSデータは金額PI値、PI値、平均単価、カバー率は算出されているが、この金額PI値、PI値が導入店舗のみの数字であるため、全体象がいまひとつ見えにくい。そこで、各数字を逆算して、全体の金額PI値、PI値、さらに、参考にティシュー1枚当たりの単価を計算して、MD評価表を作成し、ティシューのPOS分析を試みてみた。その結果、得られた結論は全体の金額PI値2,369.9円=全体のPI値8.66個×平均単価274円という結果であった。この単位は、1,000人当たりであるので、金額PI値は1,000人当たり2,369.9円(1人当りでは2.36円)、PI値は1,000人当たり8.66個(1人当り0.0086個、0.86%)、平均単価274円となる。

   ちなみに、今回対象の約300店舗の客数は述べ約1,750万人、ティシューペーパーのSKUは約350、総売上金額は約4,000万円強、総売上点数は約15万個である。また、ティシューペーパーの家計調査データの直近の数字を9月度で見ると、ティシューペーパーは1世帯1日当り5.26円(昨対108.7%)、購入世帯のみ14.74円(昨対113.2%)、購入世帯の割合35.7%(昨対96.0%)という状況である。今回のPOSデータは、全体の金額PI値が2,369.9円(1人当りでは2.36円)であるので、家計調査データの約半分である。これは、ティシューペーパーの購買行動が食品スーパーマーケットだけではなく、ドラックストア、ホームセンターなど他の業態での買い物がかなりの割合を占めると思われ、その分、家計調査データと食品スーパーマーケットの金額PI値との誤差が大きいものと思われる。その意味では、食品スーパーマーケットは、まだ、チャンスロスが多いともいえるが、逆に見れば、ティシューぺーパーは激しい業態間の価格競争にさらされており、食品スーパーマーケットはシェアが十分に取りきれていないともいえよう。

   また、家計調査データの数字を見ると、購入世帯の割合は昨対96.0%と下がっているが、購入世帯のみでは113.2%と大きく伸びており、結果、全体が108.7%と好調であるが、これは、恐らく値上げ等の問題があり、家計は購入数量は控えたが、値上げ分が加味され、金額ベースでは落ちなかったということであろう。その意味で、今後、ティシューペーパーは、現在は金額ペースでは好調であるが、引き続き、平均単価アップ路線を堅持するか、それとも、PI値アップ路線にもどすか、ないしは、両極を追求するのかの戦略の明確化が必要と思われる。それを踏まえて、次に、今回入手した食品スーパーマーケットのPOS分析データを単品レベルで見てみたい。

   まず、ティシューペーパーの全体象であるが、先に見たように、約350SKUで金額PI値は2,369.9円である。この内、ベスト5で約50%のシェアとなり、重点商品の重みが極めて重いカテゴリーである。ベスト10で約70%、ベスト20で約80%、ベスト30で約90%となる。したがって、マーチャンダイジング上の最優先課題はまずはベスト5をしっかり抑えることである。ついで、次の5品を抑えて、約70%の売上を抑えることであろう。そして、残り30%を10から20SKUぐらいの品揃えを行い、プラスアルファを確保することであろう。このように、食品スーパーマーケットのティシューにおけるマーチャンダイジングはA(最重点商品5SKU)、B(重点商品5SKU)、C(品揃え商品10から20SKU)の3つに分けてマーチャンダイジング戦略を策定するのが良さそうである。

  ちなみに、今回のPOSデータ分析では、ベスト5は、スコッティフラワー160W×5BOX(日本製紙クレシア)、金額PI値459.7円(導入店のみ925円)、ネピアネピネピティシュ160組×5個(王子ネピア)、金額PI値315.1円(810円)、ナクレコンパクトティシュ200W5個(三菱製紙)、金額PI値220.5円(2,187円)、エリエールキュート160W5P(大王製紙)、金額PI値121.9円(439円)、ネピアティシュ200組×5個(王子ネピア)、金額PI値119.2円(420円)の5品であった。

   いずれも、1枚当たりの単価を見ると、0.36円、0.34円、0.30円、0.36円、0.34円と0.35円前後であり、3番目のナクレコンパクトティシュ200W5個(三菱製紙)のみが、ベスト5では0.30円と価格訴求がなされていた。また、カバー率は49.7%、39.9%、10.1%、26.6%、28.8%とNo.1のスコッティフラワー160W×5BOX(日本製紙クレシア)、No.2のネピアネピネピティシュ160組×5個(王子ネピア)が飛びぬけているのが特徴といえる。

  このように、ティシューペーパーのベスト5は以上の状況であるが、これ以外の1枚単価を見ると、0.3円ぐらいから1.0円を超えるものまであり、最近は高級感溢れる商品も登場しており、プライスラインによる品揃えもこのPOSデータを見ると、特に品揃え面では、今後の課題といえよう。さらに、今回は約300店舗全体の数字をもとに重点商品を見たが、カバー率は低くとも、その導入店舗では高い数字の商品もあり、ティシューペーパーのマーチャンダイジングも様々な角度から、特に、C(品揃え商品10から20SKU)については、慎重に商品選定をする必要があろう。食品スーパーマーケットのティシューペーパーの金額PI値は、2,369.9円(1人当りでは2.36円)であるが、まだまだ伸びるチャンスがあるといえ、3,000円(1人当り3.00円)、4,000円(1人当り4.00円)を目指し、マーチャンダイジングの改善に取り組んでみてはどうだろうか?

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November 21, 2008 in 経済・政治・国際, PI値 | | Comments (0) | TrackBack (0)

August 10, 2008

MD評価表の見方、着眼点!

   ここへ来て、MD評価表が小売業だけでなく、メーカーも活用し始め、流通業界に浸透しはじめた。MD評価表はPOS分析の基本帳票の決定版といっても過言ではなく、実に便利な帳票である。MD評価表をさまざまな角度からソートを掛け、グラフをつくり、分析すると10店舗クラスのチェーンストアはもちろん、50店舗クラス、100店舗クラスのチェーンストアでも一瞬の内に課題を見つけ、改善点の仮説を立てることができる。また、一方で、ベストプラクティスの店舗を瞬時に見つけだし、水平展開につなげることも可能となる、実に便利な帳票である。そこで、ここでは、そのMD評価表を活用する際のポイントをまとめてみたい。

   MD評価表とは、POS分析の帳票のひとつであるが、原理は極めて単純明快である。売上金額、売上数量を客数で割って、一人当りの売上金額(金額PI値)、一人当りの売上数量(PI値)、さらに、売上金額を売上数量で割って、平均単価を算出し、これを一覧表にしたものである。金額PI値=PI値×平均単価となるので、一覧表にする時は金額PI値がPI値と平均単価の掛け算であることがわかるように表現することがポイントである。この指標をもとに、横を店舗、縦を商品で一覧表を作成したものがMD評価表である。商品が100SKUぐらいになると、10店舗の場合は100品×10店舗=1,000の一覧となり、100店舗の場合は100品×100店舗=10,000の一覧となる。したがって、100店舗クラスになると10,000の行列、マトリックスの中からベストプラクティスと課題を抽出することとなるので、若干の訓練が必要であるが、訓練をつめばコツをつかむことができる。もちろん、数表だけを眺めていてはわかりにくいので、本質を一瞬でつかむための補助となるグラフやサブ帳票をつくることもポイントである。ただ、慣れると、楽譜の音符のように、MD評価表から音が聞こえてくるようになり、ベストプラクティスはもちろん、課題も次々とみつかるようになる。

   さて、では、この10,000のマトリックスの中からどのようにベストプラクティスを見つけ出し、また、課題を抽出するかであるが、そのためには、MD評価表のソートとグループ化が決め手となる。また、MD評価表のグラフ化も有効なツールとなる。特に、グラフは100店舗クラスのチェーンストアとなると、100店舗の分布図となり、これを見ているだけで、様々なイマジネーションが浮かびあがるので、まずはグラフを作ってしまい、そのグラフをじっと眺めるのが早いかも知れない。

   グラフとは横軸をPI値、縦軸を平均単価とし、基準値を全店平均とし、その中に100店舗を落とし込むことである。落とし込むと100店舗がまさに万華鏡のように分布し、ここから、ベストプラクティスを右上の店舗、右下の店舗、左上の店舗から抽出すれば良い。右上はPI値も平均単価も高いまさにベストプラクティスであり、右下はPI値のベストプラクティスであり、左上は平均単価のベストプラクティスであるからである。そして、その店舗をMD評価表でチェックし、その店舗がなぜべストプラクティスとなっているかの原因を100品の中から、重点商品を抽出できれば、MD評価表の解明は80%はできたといっても過言ではない。できれば、MD評価表を金額PI値で縦、横ソートをかければ、グラフの右上、右下、左上が表の左により、一方で、重点商品が上に集まってくるので、10,000のトリックスも10店舗×10品の100ぐらいの最重要帳票となり、ここを深く掘り下げれば良いといえよう。

   一方、課題の抽出であるが、これは全く逆のプロセスとなる。MD評価表をグラフにした時、左下、右下、左上の店舗を抽出することである。この際、右下、左上はベストプラクティスと重なるが、抽出のポイントは金額PI値が全店平均よりも著しく下回る店舗を選ぶことである。グラフがうまくできればy=1/xの金額PI値の双曲線を入れれば、それより著しく上をベストプラクティス、下を課題店舗と判断できるが、双曲線が描けない場合は金額PI値の著しく低い店舗を抽出すれば良い。

   店舗が抽出できたら、あとはその店舗をMD評価表で確認し、なぜ、その店舗が課題店舗なってしまうのかを100SKUの中から問題の単品を抽出すれば良い。このように、ベストプラクティスの店舗、課題の店舗から単品レベルで要因が抽出できれば、そこからその単品の数字改善をはかる仮説をつくってゆくことが可能となる。

   実際にこの作業を実行すると、思ってもいない場面にも出くわし、新しい発見がある場合も多い。たとえば、ベストプラクティスの店舗でも課題の単品が見つかったり、逆に、課題店舗でもベストプラクティスの単品が見つかったりである。このような発見があると、次の新たな展開につながり、より、全体の改善につながってゆくこととなる。

   このように、MD評価表を活用するとベストプラクティスの店舗、課題店舗が一瞬の内にみつかり、その原因を単品レベルで特定することができ、そこから、様々な改善仮説をつくることができるようになる。あとは、その仮説を実行すれば、どのくらい数字が改善でき、結果、全体の数字、MD評価表で見れば左上の全店全商品の平均金額PI値がどのくらい上がったかを検証すれば良い。MD評価表の活用は無限といえ、様々な工夫をこらし、実践で活かして欲しい。

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August 10, 2008 in 経済・政治・国際, PI値 | | Comments (0) | TrackBack (0)

April 09, 2008

客数PI値はおもしろい!

    客数PI値は実におもしろい指標である。おもしろい指標なのだが、実物を見る機会は意外に少ない。なぜならば、客数PI値はレシート分析が基本になるからである。客数PI値とは客数を客数で割って算出するため、全体の客数、大分類の客数、カテゴリーの客数、単品の客数、さらには、様々な商品グループの客数や購買行動による客数など、多種多様であり、それこそ無限に存在する。原則、何らかの客数がとれれば、客数PI値は算出することができる。また、さらに、おもしろいことに、客数PI値は点数、金額が存在しない場合でも存在しうる、独特な指標でもある。ある商品を購入しない顧客がいた場合、当然、その商品の点数、金額は存在しないので、PI値、金額PI値は存在しないが、客数PI値は存在する。その商品を購入しない顧客の客数÷全体客数であり、これはその商品を購入しない顧客の客数PI値である。当然、その商品を購入した顧客の客数PI値もあり、その商品を購入した顧客÷全体客数となる。

    客数PI値はこのように独特な指標であり、これを使うことにより、これまで見えなかった世界が見え始め、使いこなしてゆくと意外におもしろい指標であることがわかる。客数PI値はレシート分析が基本になるといったが、レシート分析なしで、活用できる事例が現実には存在する。チェーンストアにおけるPI値の算出の場合である。あるいは、ほぼ同じイメージだが、本ブログでもよく取り上げている日経MJ、新製品週間ランキングのように、複数の店舗のPI値を算出する場合などである。どちらも、レシート分析はおこなわないが、客数PI値を算出し、実践的に活用することが可能である。そこで、ここでは、チェーンストアにおけるレシート分析を使わずに、客数PI値を活用して、実践的にPOSデータを活用するケースを考えてみたい。

   よくあるケースであるが、チェーンストア全体、すなわち、全店のPI値を算出する場合、通常、ある商品のある店舗のPI値はその店舗の客数で割って算出する。ところが、そのチェーンストアの別の店舗にその商品が導入されていなかった場合は、当然、その店舗のその商品のPI値は存在しない。この場合、このチェーン全体のPI値はどう計算するかであるが、通常、PI値はその商品があろうが、なかろうが、全店の客数で割ってPI値を算出する。すなわち、その商品の売上が上がった店舗の合計点数を全チェーンの合計客数で割ったPI値となる。ところが、ここで問題が発生する。では、その商品の売上だけが上がった店舗のみの客数で割ったら、これはPI値でないのか、そうでないかである。結論からいえば、これもPI値である。ただし、客数が違うPI値であり、全店の客数を使った場合のPI値と売上が上がった店舗のみの客数を使ったPI値となり、分母が違うPI値となる。そして、この時、双方のPI値の関係はどうなるかである。

   よくあるケースが、どちらかに一本化しようという場合である。これは喧々諤々の議論となり、中々、結論が出ない場合が多い。その結果、通常は全体の客数で割ったPI値を採用することが多い。なぜなら、PI値はある意味構成比と同じであり、分母が同じであれば、それぞれのPI値を足せば合計が簡単に算出でき、すべての商品のPI値を足せば、チェーン全体のPI値となるからである。逆に、売上が上がった店舗のみの客数で割ったPI値の場合、分母がばらばらとなり、それらを足しても、全体のPI値を算出することはできず、チェーン全体のPI値と全体のPI値は整合性が取れなくなってしまう。このようなことを考えると、整合性が取りやすい、全チェーンの客数で割ったPI値を採用したくなるのは当然といえば当然である。

   そこで、客数PI値の登場である。この2つのPI値は実は密接な関係があり、客数PI値で結ばれている。ここでいう客数PI値とは分母はチェーン全体の客数であり、分子が売上が上がった店舗のみの客数である。数式にすれば、売上が上がった店舗の客数÷チェーン全体の客数である。これが客数PI値であるが、この客数PI値を算出することにより、一見結び付きそうにない2つのPI値が、チェーン全体のPI値=客数PI値×売上が上がった店舗のみのPI値、となり客数PI値を媒介にして関係づけられることになる。

   ここがポイントであり、客数PI値とは分母の違う様々なPI値を結びつけてしまう役割を果たす指標であることがわかる。この客数PI値の出現により、チェーンストア全体のPI値は理想的には2つ必要であり、双方のPI値を示した上で、その関係を客数PI値で結びつければ良いことがわかる。これにより、売上が上がった店舗のPI値が客数PI値を見た場合、小さけれ、店舗数が少ないことがわかり、逆に多ければ、店舗数が多く、全店で売上が上がれば、客数PI値は1となり、全チェーンの客数を使ったPI値も、売上が上がった店舗だけのPI値も同じ数字になる。すなわち、客数PI値は0から1までの数字となり、その度合いを見ることによって、双方のPI値の関係をつかむことができ、より、チェーンストアの商品展開の実態を理解することが可能となる。

   客数PI値については、さらに、理論的な展開、実践的な使い方がたくさんあるがそれについては、また、稿を改めて取り上げてみたい。

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April 9, 2008 in 経済・政治・国際, PI値 | | Comments (0) | TrackBack (0)

February 25, 2008

PI値1%の意義、その2!

   前回のブログでPI値1%の意義をまとめようとしたが、優に2,000字をオーバーし、少し長くなってしまった。そこで、今回は、その続編として、PI値1%の意義について、別の角度から取り上げてみたい。前回はID-PI値=購入頻度×PI値というCRMの場合の基本公式を示したが、CRMの醍醐味は、実はもう1点ある。これまでの、客数がID数×購入頻度に分解できるだけでなく、IDの消費行動を分析し、段階的にID客数を把握することが可能なことである。

   段階的とは店舗全体、大分類、中分類、小分類などの商品グループごとに客数が把握できることであり、さらには、商品分類にこだわらない、自由な顧客グループをつくり、顧客グループごとに客数を把握できることである。もうひとつ、踏みこめば、その顧客グループを購入状況に応じて、初回購買、リピート購買等に分けて顧客グループ化をはかることも可能である。実は、このリピート購買の把握が、IDの把握ができなければ絶対に把握できない指標であり、CRMの目的はこのリピート購買の実態を把握することにあるともいえる。本ブログでは、PI値1%の意義を考えてみることが主眼であるので、これについては、これまでも取り上げてきたが、今後も必要に応じて本ブログでは別稿で取り上げてゆきたい。

   さて、この段階的な客数の把握であるが、最もマクロな把握は店舗全体の客数の把握である。次が、棚割とも連動する場所の客数の把握であり、いわゆるカテゴリー、小分類の客数がポイントであろう。そして、最後が単品、SKUの客数の把握である。商品分類では大分類、中分類等もあり、それぞれの客数を把握することも可能ではあるが、実務上は、この3つの客数をつかめば十分であろう。少なくとも、本ブログではこの3つの客数で考えてみたい。この3つの客数がIDレベルで把握できると何が便利かであるが、それは、PI値1%の商品がどの段階で1%の数字に貢献しているかが、より明確になる点である。

   たとえば、PI値1%の場合、客数が1日1,000人であれば、10個売れる商品であるが、この段階でもIDが把握できれば、ID-PI値=購入頻度×PI値となるので、IDが何人であり、そのIDが何個平均購入し、購入頻度はID当り、何回であるかがわかる。これがカテゴリーになると、カテゴリー客数が把握でき、それが同様に、IDと購入頻度に分けることができ、さらに、全体客数とカテゴリー客数との関係も明確になる。

   例を示せば、カテゴリー客数が300人であれば、その300人はIDと購入頻度に分かれ、全体との関係は300人÷1,000人という客数PI値を掛けることにより、カテゴリーPI値も全体のPI値と一致することが可能となる。数式で表せば、PI値1%=10個÷1,000人が全体から見た時のPI値1%であるが、カテゴリーで見れば、カテゴリーPI値は10個÷300人で3.33%となり、全体との関係はPI値1%=客数PI値(300/1,000)30%×カテゴリーPI値(10個÷300人)3.33%となり、全体のPI値が客数PI値とカテゴリーPI値に分解できる。

   同様に、単品の場合も単品客数が30人の場合は、カテゴリーとの客数PI値は30人÷300人=10%、単品PI値は10÷30人=33.3%となる。客数PI値を全体との関係で考えれば、30人÷1,000人=3%となり、単品と全体とはPI値1%=客数PI値3%×単品PI値33.3%となる。そして、それぞれ、IDと購入頻度に分解できるので、どの段階でもID-PI値=購入頻度×PI値がなりたち、単なる客数だけではなく、IDとの関係も導くことが可能となる。

   こう考えると、PI値1%は全体、カテゴリー、単品とそれぞれ段階的に落して見てみると、いままで見えなかった全体客数1,000人がどのように単品に結びついてくるかがわかるようになる。このケースの場合は、まず、1,000人が入店し、その内、カテゴリーへは300人が何らかのカテゴリーを購入し、さらに、その内の30人が目的の単品を購入し、PI値1%、10個を購入したことがわかり、しかも、IDまで落してみると、同じIDの方が10個買ったのか、10人のIDの方が1個づつ買ったのか、あるいは、どのような消費状況であったのかがかなり鮮明に把握することが可能となる。

   したがって、PI値1%の単品が当初は1,000人の客数が入店し、10個売れたということしか把握できなかった消費状況が、各カテゴリーとの関係、そのカテゴリー内の単品との関係も明確になることにより、マクロからミクロまで消費状況が把握できるようになる。これまでは、PI値1%をとにかく強化しましょうということが限界であったが、このように、CRMが結びつくと、各カテゴリー、各単品までの消費状況が浮かび上がってくるので、その状況に応じた強化の仕方を開発し、対応してゆくことができ、PI値1%の商品を様々な切り口で強化してゆくことが可能となろう。その意味でも、CRMデータの活用はまず、この最重点商品であるPI値1%から取り組んでみると理解しやすく、即効性があるといえよう。PI値1%も再度、CRMデータをもとにその強化方法、場合によっては再定義が必要な状況が来たように思う。

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February 25, 2008 in 経済・政治・国際, PI値 | | Comments (0) | TrackBack (0)

February 24, 2008

PI値1%の意義、その1!

   食品スーパーマーケットのコンサルティングをはじめてもう20年になるが、この20年間一度も反証されなかった事実がある。それは、PI値1%以上の単品はどんな食品スーパーマーケットでも約200品ぐらいしかないということだ。PI値1%とは、1日の客数が1,000人であれば、1日10個以上、2,000人であれば、20個以上売れる単品、SKU(Stock keeping Unit)のことである。実際、現場で活用するには、月間PI値1%以上の単品を見てみるのがわかりやすいと思う。POS端末をたたき、数量順に並び変え、月間客数が、1日1,000人であれば約30,000人になるので、月間300個のところでラインを引けば、それ以上の単品がPI値1%以上の単品である。1日2,000人であれば、月間60,000人であるので、600個のところでラインを引けば良い。これで、PI値1%以上の単品が見えるはずである。

   これを部門別で見ると、最もPI値1%以上の単品が多いのが野菜と日配であることがわかる。この2つで70品から80品近くになる。いかに、この2つの部門がお客さまの食生活をささえている部門であるかが改めて認識できる。極論すれば、食品スーパーマーケットはこの2つの部門をしっかり確立することがお客さまから信頼を売るための最優先課題であり、この2つの部門が弱い食品スーパーマーケットは競争には絶対に勝てないともいえよう。なぜなら、お客さまの食品生活を根幹から支える商品がぐらついていることになり、そんな食品スーパーマーケットにお客さまが安心して来店するはずがないからである。この2大巨頭についで、鮮魚、精肉、デリが続く。それぞれ、20品前後のPI値1%の単品がピックアップされる。そして、果物、食品、菓子、酒、雑貨、その他となり、5品からせいぜい10品程度となる。

   以上がPI値で見た時の1%以上の食品スーパーマーケットの単品であるが、食品スーパーマーケットには約10,000の単品があるが、PI値1%の水準を超える単品はこれら、約200品ぐらいしかないのが実態であり、この事実が、いまだかつて反証されたことがないことである。

   そして、この事実を発見した当時、いまから優に10年以上も前になるが、その時は、このPI値1%以上の単品の欠品を徹底的に防ぐことがマーチャンダイジング政策の根幹であった。そのために、毎月、赤丸シールをはるなりし、いまでいう「見える化」をし、店内の誰でもが一目でわかるようにし、最新の注意を払うようする体制をつくった。また、発注についても、販売点数=客数×PI値であるので、これらは客数予測を100人以内の誤差にとどめるように訓練し、PI値が1%であるので、100人につき、×1%=1個であり、客数に応じて1個づつ発注数量を調整し、絶対に欠品のない発注に心がけるような体制をつくっていったことがなつかしく思い出される。

   いまでも、このようなことをコンサルティングをスタートさせる時には、はじめに話し、本部、特に店長には徹底してこの約200品の単品に細心の注意を払うようにしてもらっている。最近では、CRMデータを分析するようになり、このPI値1%以上の約200品の位置付けがより、明確になりつつある。それは、CRMの極意でもあるが、IDが把握できるようになり、顧客の消費動向が段階的に理解できるようになったことである。IDが把握できない場合は、客数が全体客数のみでの把握しかできないので、PI値は販売点数÷全体客数でしかとれない。ところが、IDが把握できるとPI値1%はまず、ID-PI値=購入頻度×PI値となり、ID-PI値は同じPI値1%でも購入頻度によって様々に変化するのである。たとえば、PI値1%で、客数が1,000人、買上点数が10個の場合であっても、ID-PI値は購入頻度が2.0回の場合は2%、1.0回の場合は1%となり、倍も違う。購入頻度2.0回とは、客数は1,000人であるので、ID数が500人の場合である。同様に、購入頻度が1.0回という場合は、客数は1,000人であるので、ID数が1,000人の場合である。

   このような事実がCRMによってわかると、同じPI値1%でもID-PI値が大きく違うため、PI値の中身がよく見えるようになり、より多くのIDを獲得している単品と、限られたIDしか獲得していない単品を比較することにより、激しく購買頻度を引き上げている単品が見えるようになる。そのため、PI値1%の強化を考える場合、より、消費実態にあった手が打ち安くなったことである。そして、PI値1%も大事であるが、もうひとつ、ID-PI値1%も重要ではないかと最近では思うようになったことである。ただ、まだ、完全な検証はしていないので、現段階では何ともいえないが、ID-PI値1%は極端な話、ID数が1の場合は、先の計算式から10個÷1IDとなるため、1,000%となってしまうので、1%は無限に存在する可能性があり、100%水準ぐらいがもしかすると最適かもしれない。近い将来、この検証はしてみたいと思うが、その意味でPI値1%も新たな次元に入ってきたといえる。

   実は、もうひとつ、CRMでPI値1%を検討しなければならないテーマがある。それは、PI値1%をCRMでひもといてゆくと、段階的にPI値が深まってゆくことである。これは、単純な客数ではなく、IDが把握できるために、部門、カテゴリー、単品段階でもIDを把握することができるために、PI値1%の構造がさらに階層的に把握できることである。これについては、稿を改めて、後日のブログにしたい。いずれにせよ、PI値1%がCRMと結びつき、何か、おもしろくなってきたように感じる。

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February 24, 2008 in 経済・政治・国際, PI値 | | Comments (0) | TrackBack (0)

December 27, 2007

メーカーの方、必見、PI値の解釈、基礎講座!

   ここ最近、メーカーからの依頼、相談が増えている。いずれも、POSデータの解析方法、活用の仕方についての内容が多い。小売業がPOSデータの公開を積極的に進め、そのデータにもとづいた提案を求められるようになったことがその背景にあるようである。そこで、ここでは、POSデータを解析し、小売業に提案をする際の最も重要な解析のポイントについてまとめてみたい。

   小売業のPOSデータ活用の基本は顧客1人当りの指標、PI値にもとづいて解析し、その解析数値をもとに顧客に対して支持の高い商品づくり、店作り(棚割、レイアウト)を目指すのが一般的な手法である。PI値が大切な理由は、小売業の売上は、売上=客数×客単価で分析され、売上を上げるためには客数を上げるか、客単価を上げるかの2者択一のアプローチをしてゆくからである。そして、客数はチラシ政策が基本のアプローチ手法となり、客単価はマーチャンダイジングの強化、すなわち、欠品、過剰在庫を排除し、鮮度アップをはかったり、価格政策、POP等の販促、棚割、レイアウトの改善等をはかってゆく。そして、その時、客単価をさらに分解し、客単価=売上÷客数=(買上点数×平均単価)÷客数=(買上点数÷客数)×平均単価=PI値×平均単価と展開し、客単価アップをPI値アップと平均単価アップの観点から改善してゆくことがポイントとなる。

   この客単価=PI値×平均単価がマーチャンダイジングの基本数式であり、この数式にもとづいて、すべての商品が分析され、いかに客単価アップをはかるかが小売業の最も重要なマーチャンダイジング政策となる。ところが、ここで、よく誤解が発生する。この数式からもわかるとおり、小売業のマーチャンダイジングの目的は客単価アップにあるわけであるが、なぜか、小売業界ではPI値が先行して普及したため、PI値アップがマーチャンダイジングの決め手であり、目的と勘違いされることがよくある。PI値アップを目的としてしまうと、PI値さえアップすればマーチャンダイジングは成功したと判断され、それが成功事例として水平展開されてしまうことになる。ただ、よくこの数式を見ればわかるように、客単価=PI値×平均単価であるため、PI値がアップしても、それ以上に平均単価がダウンしてしまえば、結果、客単価は下がってしまい、客数が横ばいであれば、売上まで下がってしまう。

   典型的なケースが、バラ売りとまとめ売りのケースである。PI値アップをはかるにはバラ売りが最適な手法であるが、まとめ売りが併売されないと、PI値のみあがり、平均単価がさがり、結果、全体の客単価がダウンしてしまう。もちろん、逆のまとめ売りだけでは、今度は平均単価がアップし、PI値がアップせず、結果、客単価が落ちる結果となる。客単価アップはPI値と平均単価の微妙なバランスをとることがポイントであり、PI値アップはかならずしも、客単価アップにはつながらないということであり、マーチャンダイジングの改善にもならない場合があるということである。

   これは、目的と手段、結果と原因を取り違えたことから起こるものであり、客単価=PI値×平均単価の数式が示すように、PI値は目的でもなく、結果でもない。PI値は手段であり、原因なのである。目的は客単価アップであり、結果も客単価アップである。したがって、マーチャンダイジングが改善されたかどうかは、客単価で判断すべきであって、客単価が上がった場合はマーチャンダイジングが改善され、下がった場合はマーチャンダイジングがうまくいかなかったと判断するのがマーチャンダイジングを理解する上でのポイントである。

   仮説検証も同様、仮説の目的は客単価アップであり、その手段はPI値をアップさせるか、平均単価をアップさせるか、双方をアップさせるかの3択しかない。検証も客単価がアップした場合は成功、ダウンした場合は失敗と見なし、その原因をPI値に問題があったのか、平均単価に問題があったのか、それとも双方に問題があったのかの3択の判断となる。ちなみに、客単価のことを金額PI値、売上PI値ともいい、PIがついた場合は常に顧客1人当たりの指標となる。粗利PI値、経費PI値、人件費PI値、純資産PI値、負債PI値、総資産PI値、出店関連資産(土地、建物、保証金等)PI値など、PI値は工夫次第でいくらでもつくることが可能となる。

   このように、POSデータを活用するには、顧客1人当りに直したPI値で見ることが基本であり、その際、客単価(金額PI値)=PI値×平均単価の基本数式をもとにすべての単品、小分類、中分類、大分類等を解析し、客単価アップを目的に、PI値、平均単価の改善の仮説をたて、マーチャンダイジングの改善に取り組むことがポイントである。今後、メーカーにはPOSデータが当たり前のように小売業から開示されるようになると思うが、その際、客単価(金額PI値)=PI値×平均単価の数式をもとに、客単価アップの仮説をPI値と平均単価の改善を前提に小売業へ提案してゆくことがポイントとなるので、POSデータを解析する際には目的と手段、結果と原因を取り違えないように注意が必要である。

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December 27, 2007 in 経済・政治・国際, PI値 | | Comments (0) | TrackBack (0)

December 05, 2007

PI値の高い商品の活性化手法について

   食品スーパーマーケットの各商品を丹念に調べてみるといくつかの特徴が浮かび上がる。その特徴のひとつに明らかにPI値が高い商品群が存在することである。食品スーパーマーケットには約10,000品の商品があるが、その中でPI値が高い商品は約200品ぐらしかない。高いというのはどのくらいかというと、PI値1%である。PI値1%は1日1,000人の来店客数で1日10個、2,000人の来店客数で20個以上売れる商品のことである。この水準をクリアーできる商品はどんな食品スーパーマーケットでもせいぜい200品ぐらいである。ちなみに、PI値10%以上の商品はわずか数品しかない。したがって、この200品をしっかり強化することが食品スーパーマーケットではすべての経営戦略の中でも最優先課題であり、店長のはじめの仕事は自店のPI値1%以上の商品をすべて覚え、毎日、しっかりチェックすることに尽きるといっても過言ではない。また、それが顧客満足度を高める最初の一歩ともいえる。では、このPI値の高い商品を活性化するポイントは何かを考えてみたい。

   食品スーパーマーケットのマーチャンダイジングは売上=客数×客単価であるので、客数のアップではなく、客単価のアップが通常はポイントとなる。それは商品を通じて客単価に対しては打つ手がたくさんあるが、客数に関しては、ちらし以外に決め手に欠き、打つ手が限られているからである。ただ、最近では、ID-POSデータが解析できるようになり、客数へのはたらきかけも可能となりつつあり、ID-POSデータが活用可能であれば、テスコのように客数へもはたらきかける方法はいくらでもあるので、マーチャンダイジングに客数を加えることも可能となりつつあるが、まだまだといえよう。
   
   そこで、ここでは客単価に絞って考えてみたい。客単価を分解すると以下のような数式となる。金額PI値(客単価)=PI値×平均単価=客数PI値×PPI×平均単価となる。従来のPOS分析では金額PI値(客単価)=PI値×平均単価までが限度であったが、最近ではレシートの活用が進みつつあり、PI値×平均単価=客数PI値×PPI×平均単価まで分解ができるようになった。ここで、客数PI値はグルーピング客数÷全体客数であり、商品を1品買おうが、2品買おうが純粋に商品を購入した客数に焦点を当てた客数のみの指標である。PPIはPersonal Purchase Indexのことであり、買上店数÷グルーピング客数のことである。これにより、PI値を客数PI値とPPIに分解することが可能となり、PI値アップのためには、客数PI値をあげるか、PPIをあげるかというアプローチが可能となる。
   
   このアプローチが可能となることで、PI値の高い商品のPI値を維持し、さらには限界まで上げる手順が明確になる。PI値=客数PI値×PPIであるので、まず、客数PI値を引きあげることが課題となる。客数PI値はグルーピング客数÷全体客数であるので、入店客に対してどれだけその商品へ顧客を誘導できるかである。そして、そのための最も重要な政策がレイアウトである。客動線と商品との関係を最高にもってゆくといいかえてもよく、ごく単純化すれば、客動線最高の場所にPI値最高の商品を配置するという売場づくりが第一であり、第二がその場所へ顧客を誘導するPOP、プレゼンテーション、価格訴求などのアクションである。
 
   そして、2番目の課題はPPIを引き上げることである。これは、買上店数÷グルーピング客数であるので、まずは絶対に欠品を出さないことであり、次に、裏腹の関係になるが鮮度を引きあがることである。欠品を追求すると過剰在庫となり、鮮度が劣化しがちになり、鮮度を追求すると在庫が薄くなり、欠品しがちになるが、この2つの最適バランスをたもつことがPPIを引き上げる最優先課題となる。ついで、品揃えを充実させたり、価格政策を工夫し、買いやすい商品化、商品開発を行ったりすることがポイントとなる。ID-POSデータが分析できるのであれば、さらに、初回購買を促す政策を打ち出したり、リピート顧客に対して、さらなるリピート購買をしてもらう特典を考案したりすることも可能となる。ここまでくると、顧客の来店頻度アップにもつながり、客数アップにもつながってゆく。

   このように、PI値の高い商品は、まず、PI値を限界まで高めることが最優先課題であり、そのためには、PI値=客数PI値×PPIの原則にもとづき、手順を踏んで、PI値アップに取り組むことがポイントである。そして、PI値が限界に達したなら、次に平均単価の改善に入り、品揃えの見直しに着手し、客単価アップに入るのが手順といえよう。PI値の高い商品は改善効果も高く、仮に、客単価で1円の改善ができれば、約100店舗クラスのチェーンストアでは年間1億人の延べ客数が来店しているので、1円=1億円となり、効果は絶大といえる。また、結果、それが顧客満足度を高める第1歩となり、経営そのものがスムースに回ってゆくことになる。まずは、PI値の高い商品を抽出し、手順を踏んで活性化に取り組んでゆくことがポイントである。

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December 5, 2007 in 経済・政治・国際, PI値 | | Comments (0) | TrackBack (0)

November 23, 2007

ID-POSの時代、真近?

    最近、POS分析があらたな時代に突入したように肌で感じる。POS分析はこれまで、生データで分析、PI値で分析、客単価3Dで分析、ID-3Dで分析と変遷してきたが、ここへきて、大手チェーンストアがPOSデータをメーカーに公開しはじめ、メーカーを含めたPOS分析が本格化しはじめた。ただ、現段階では、生データとPI値による分析が主な分析手法であり、客単価3D、ID-3Dに踏み込んだ分析も一部にはあるが、まだまだ本格化しているとはいえない。ただ、ポイントカードは急激に大手チェーンストアに普及しはじめており、今後のPOS分析は客単価3D、ID-3D分析に移行することは必至といえる状況となりつつある。

    ここで、上記4つのPOS分析を整理しておくと、以下のような違いがある。生データ分析は文字通り、売上の原型となる分析であり、売上金額と売上数量の2つの指標のみの分析である。ここから、売上金額÷売上数量で平均単価を算出できるので、基本指標は、売上金額、売上数量、平均単価の3つとなる。通常、POSデータの公開というと、この段階での公開がこれまでは主流であった。ところが、ここ最近ではもうひとつの指標、客数、店舗全体のレジ通過客数(店舗全体のレシート枚数)も公開されるようになり、次のPOS分析手法であるPI値分析が可能となった。これは、生データに加え、全体客数が公開されるため、顧客一人当たりの指標、PI値の算出が可能となり、生データを客数で割った指標が算出可能となる。売上金額÷客数=金額PI値(客単価)、売上数量÷客数=数量PI値(PI値)が加わることとなる。これにより、売上は、売上=客数×客単価(金額PI値)=客数×PI値×平均単価となり、客単価(金額PI値)=PI値×平均単価の客単価2D分析が可能となる。現在のPOSデータ公開はここまでは、ほぼ可能となり、この分析手法が現在では主流のPOS分析手法といえる。

   そして、最近では、突然、IDデータの公開がはじまりつつあり、客単価3D分析を通り越して、いっきに、ID-3D分析の時代に突入しつつある。そこで、まず、客単価3D分析をおさらいしておくと、PI値分析とどこが根本的に違うかであるが、それは、客数の把握の仕方の違いにある。通常のPI値分析では、客数は全体客数であるが、客単価3D分析では客数が細分化されたり、自由に組み合わせて新たな顧客グループをつくるなどが可能となるため、客数を無限につくることが可能となる。したがって、PI値が客数PI値とPPIに分解され、PI値=客数PI値(グルーピングされた客数÷全体客数)×PPI(売上数量÷グルーピングされた客数)となる。PPIはPersonal PI値のことであり、より、顧客一人一人に近づいてゆき、最後は顧客一人のPI値になってしまうので、Personalとなる。これが可能になるのはレシート枚数を1枚1枚数え、客数を自由にくることができるからである。ここまでは、技術的には通常のPOS分析で、プログラムさえ開発すれば十分に可能な話である。ちなみに、併売分析もこの段階で十分に可能となる。

   ただ、最近では、このレシート分析を通り越して、いきなり、ID-POS分析に入りつつあるといえる。それは、ポイントカードの普及が大きな影響を与えており、ポイントカードを導入していれば、レシート1枚1枚にIDを付けることが容易であり、レシート分析をするのであれば、レシートID分析をしてしまった方が一石二鳥であるからであろうと思われる。

   では、恐らく、今後、主流となるID-3D分析はとなどのような分析となるかであるが、これは、レシート1枚1枚にIDがついた分析となるため、客単価3D分析では踏み込めかった客数をID数と総レシート枚数に分解できるようになることである。この一点が客単価3D分析とID-3D分析の違いである。これにより、頻度を算出することが可能となる。頻度とはある一定期間にレシート枚数が何枚であり、そのレシートのIDがいくつであるかが把握可能となり、レシート枚数÷ID数でID当たりの頻度の把握が可能となることである。レシートにIDがついていないと、これは絶対に不可能なことであり、頻度はIDの把握ができてはじめて算出できる指標となる。

   したがって、ID-POS分析は客単価3D分析で可能となった、客数を細分化したり、自由に組み合わせて新たな顧客グループをつくったりした客数そのものをさらに頻度という指標で分解可能となり、客数の把握が一次元から2次元、3次元と無限分化してゆくことになる。ここまで来ると、想像力で無限にマーチャンダイジング指標をつくることが可能となり、基本の分析手法は客単価3D分析となるが、指標そのものはざっと数えても40から50はあり、どの指標が現状のマーチャンダイジングの課題を解決するかを見つけられるかが勝負となる。また、これはマーケティング調査データとも連動させることが容易となり、マーケティングの仮説をマーチャンダイジングの分析で検証するとも可能となり、このID-POSデータは小売業のみで活用するのではなく、まさに、メーカーに公開し、共同で仮説検証を実施してゆくことが望ましいし、その方がより、小売業にとってもメーカーにとっても商品を通じて、顧客満足度を高めてゆくための共通のベクトルを生み出すことになる。時代はどうも、このID-POS分析にいっきに突き進むように感じる。

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November 23, 2007 in 経済・政治・国際, PI値 | | Comments (0) | TrackBack (0)

August 28, 2007

PI値を改めてまとめてみた、PI値理論の概要固まる!

   PI値の説明を10項目に渡ってまとめてみた。数年前に一度、一覧表を作る機会があり、まとめて以来であり、前回は9項目であったが、今回は1項目増やして、10項目にしてみた。前回との最大の違いは、この数年間で客単価3D分析が固まり、ID-3D分析も理論的にほぼ完成し、新たな発展を入れたPI値理論そのものの体系化がほぼ固まったことである。また、前回はPI値導入の効果について入れてなかったが、今回は、その効果として、客単価1円の重みを入れ、チェーンストアにおける導入の効果を明確にしたことである。このように、PI値を現時点で説明すると、ほぼ10項目にまとめることができ、今後、この10項目の内容をさらに見直しながら、より、わかりやすくまとめていきたい。

   さて、実際、今回のPI値のまとめの第1項目目であるが、「PI値、PPIは何の略?」からはじまる。時々、PI値のつづりを忘れたり、PPIのはじめのPを忘れたりするので、改めて、第1項目目にもってきた。特に、PI値は日本固有の指標ではなく、米国生まれであり、PI研が独自に発展させたものであるので、補足でそのことを明記した。第2項目から第4項目までは、「PI値とは?」、「PI値の種類は」、「PI値の特徴は?」という内容であり、これらは、これまでのPI値の説明とほぼ同じであるが、ひとつ、違いを上げれば、PI値の活用場面を3つにまとめたことである。まず、マーチャンダイジング指標としては、数量PI値と金額PI値、マネジメント指標としては、粗利PI値と経費PI値、そして、新たにマーケティング指標として、PPIと客数PI値を取上げた。

   第5項目では、「PI値の数式は?」を示し、これまで数量PI値から粗利PI値までのマーチャンダイジング、マネジメント指標のみを示してきたが、今回は、新たにマーケティング指標としてのPPI、客数PI値をいれ、特に客数PI値が入ったことにより、PI値の指標は無限に拡大したことを示した。第6項目では、「PI値活用のポイントとは?」であり、これはこれまでの内容と同じ、時間(期間、移動平均など)、空間(全店平均など)、目標(自己最高など)の3つの基準値をしっかり設定し、PI値を活用することがポイントであることを示した。

   第7項目は今回最も改訂内容が多かったところであり、「PI値と売上の関係は?」と題し、従来の初期のMD方程式に加え、最新のID-3D分析までを網羅し、通常のPOSデータからのPI値と売上との関係、レシートデータからのPI値と売上との関係、そして、IDデータからのPI値と売上との関係を改めてまとめ直してみた。最近、ブログでも、左上のPI研究所という社名の横に「売上を科学する!」というキャッチフレーズを付け加えたが、まさに、PI値は売上を科学したものであり、この3つの段階でPI値と売上を見てゆくことにより、より、売上の本質に迫ってゆけることを明らかにしようとした項目である。PI値が単なる指標から、PI値理論といってよい、理論、体系化ができたのではないかと思う。ここではごく簡単にまとめているが、その本質は充分に説明できたのではないかと思う。

   第8項目は、「PI値と商品分類は?」であり、ここでは以前からの主張どおり、単品管理ではなく、小分類管理、すなわち、カテゴリーマネジメントがポイントであることを示した。第9項目では、「PI値導入のステップとは?」であり、7段階のステップにもとづいて、PI値を導入していゆけば、無理なく、PI値を各企業へ導入できることを示した。ここは以前とほとんど同じ内容である。そして、最後の10項目では、「PI値導入の効果は?」を新たに追加し、以前は9項目でPI値を説明していたが、今回からは、この10項目目が新たに加わった。効果のポイントは客単価1円の重みであり、約100店舗クラスのチェーンストアであれば、年間延べ1億人の客数となり、客単価1円の改善が年間では1億円の売上改善につながり、その改善のポイントが重点商品の欠品をなくすことであり、フェイスを見直すことであり、品揃えを見直すことであり、レイアウトを見直すことであり、販促を見直すことであり、それらの現場での小さな改善が大きな成果を生み出すことを示した項目である。

   以上、ひさしぶりに、PI値の説明を改めて見なしてみて、これまで、初期のMD方程式にとらわれすぎており、最近の最新の研究成果が充分に盛り込まれていなかった点と、その効果が項目になかったことに気付き、改めてPI値の説明をまとめ直してみた。実際、まとめ直してみて、以前からPI値理論という言葉をつかってはいたが、PI値理論という言葉に文字通り相応しい体系化ができあがったといえるのではないかと思う。少なくとも以前の説明よりも分りやすく、体系化できたのではないかと思う。今後は様々な場面で、PI値って何?という場面に出くわした時には、この新しくできたPI値10項目の説明をまずはじめに示してゆきたい。

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August 28, 2007 in 経済・政治・国際, PI値 | | Comments (0) | TrackBack (0)

August 24, 2007

顧客の購買行動の先行指標を読み取る、PI値理論!

   Aという商品があったとする。この商品は将来伸びるのか、伸びないのか、それを見極める方法をPOS分析から探ることは簡単なようで難しい。もっとも簡単な方法は単純に売上を時間軸でみることであろう。年、月、週、日、時間と徐々に時間の範囲をせばめてゆき、数字が伸びていれば、伸びる可能性が高く、数字が下がっていれば、伸びる可能性は低いという判断である。また、この時間軸に移動平均を、年、月、週、日で当てはめれば、傾向値がより鮮明になり、株価分析のように、ゴールデンクロス、デットクロスなども見え、より、その商品が伸びるか、伸びないかが明確になろう。そして、さらに、この時間軸の伸び率の傾き、すなわち、伸び率の変化率をみれば、その商品の伸び方が急激に伸びているのか、伸びていないのかがわかり、ちょうど、加速度を見るような形で、その商品の勢いが見え、急激に伸びているのか、それとも、ゆるやかに伸びているのかがつかめよう。ただ、これは、あくまで売上の推移であり、売上というトータルな結果を見ているに過ぎない。

   売上は結果であり、最終的には売上で判断されるが、そのためには、売上の中身をさらに見て、その原因を特定することが、より、売上を上げるための重要なテーマである。原因がつかめないと、さらに伸び続ける可能性が高いのか、それともこの辺が限界に近いのかの見極めがつきにくくなり、さらに、その商品にパワーをかけるべきか、パワーをかけるにはどこに重点を置くかがつかめないからである。

   原因をつかむには当然、売上を分解する必要がある。ここに、理論と実践が絡んでくる。POSデータではどこまで分解が可能なのか。理論的には売上はほぼ解明しつくされているが、実践が追いついていないのが実態である。売上の理論は従来絶対数字を使っての分解であったため、限界があった。売上=買上点数×平均単価までしか落とすことができなかったからである。ここにPI値、すなわち、客数が入ることによって、売上は無限な要素での分解が可能となる。これがPI値理論である。PI値理論とはひとことでいえば、売上に客数という概念を導入し、売上を無限に分割し、売上の変化する要因を明らかにするための理論といえる。実際、単純な客数で売上を分解すれば、売上=客数×客単価=客数×PI値×平均単価となり、これが初期のMD方程式であり、売上を3次元で分解し、売上の変化する要因を3つの角度から考察し、これに、時間軸を入れ、単純比較、移動平均比較、加速度分析を行い、売上をさらにあげるためには、どこにパワーをかれば良いかを導きだすことが可能となる。ここまでは、実践も追いついてきており、スマーツジャパンがほぼ完璧な形でシステム化をはかっている。

   ただ、PI値理論はここからが真骨頂であり、PI値をさらに、分解することによって、客単価3D分析が生まれる。売上=客数×客単価=客数×PI値×平均単価=客数×客数PI値×PPI×平均単価となり、客単価=PI値×平均単価=客数PI値×PPI×平均単価となる。この段階になると現状のPOS分析がついてこれなくなり、実践が遅れ始める。なぜなら、この客数PI値を算出するためには、レシート分析が必要となるからである。レシート分析が可能となって、はじめて、PI値が客数PI値とPPIに分解でき、はじめて、売上を顧客という概念、点数という概念、そして、価格という概念で見ることが可能となり、売上の変化の要因が客数を様々な角度から細分化することによって把握することが可能となる。これに関してはインテックが挑戦しているが、まだ、完全なところまではいっていない。

   実はこの客数PI値が顧客の購買行動の先行指標として、最もふさわしい指標であるといえる。なぜなら、売上が変化した時には、この方程式が示すように、必ず3Dのどれかの軸か、複数の軸が上昇しているからであり、その内、客数軸の変化は顧客が増えていることであり、それ以外の軸の変化は顧客は増えているとはいえないからである。PPIは顧客一人当りの点数が、平均単価は顧客の購入商品の平均単価が増えているのであって、客数の変化ではない。

   そこで、当然、次のテーマが発生する。では、客数PI値が増えた場合、純粋に客数が純増しているのか、それともある特定の顧客が繰り返し購入回数を増やしているのか、すなわち、リピートが増えているかである。ここまで来ると、PI値理論はもう一歩進み、単に客数をみるだけでなく、その客数の中身を求めるようになる。これがID-3D分析である。この分析を実践に移すためには、レシート分析では不可能であり、IDデータが必要となる。カスタマーコミュニケーションズなど一部でシステム化されつつあるのみであり、まだ、完璧にPI値理論に対応しているシステムは世の中にはないといえよう。顧客の先行指標はこの段階でかなり、確からしい指標となる。すなわち、その商品の客数がIDレベルで純粋に増えているかを指標化することにより、その商品の可能性がみえるからである。さらに、その後の追跡調査をすることで、加速度を増し、顧客が純増しているのか、それとも、特定顧客がリピートし始めたかがわかり、その度合い、すなわち、加速度を見ることによって、かなり、顧客の購買行動の先行指標として活用可能となるからである。

   少なくとも、単純な売上よりも、PI値、PI値よりも客数PI値、客数PI値よりもID客数PI値の方が顧客の購買行動の先行指標となりうるといえ、PI値理論は、基本原理は初期のMD方程式に集約されるが、この段階では、顧客の購買行動の指標は無限となり、というよりも、自由に最もその目的に相応しい指標を理論的に作り出すことが可能となるのである。いずれ実践がついてくると思うが、PI値理論は顧客の購買行動の先行指標を求めて、ほぼ理論は固まったといえるが、まだ終わりではなく、実践と相まってまだまだ変化しそうな予感がする。

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August 24, 2007 in 経済・政治・国際, PI値 | | Comments (0) | TrackBack (1)

July 30, 2007

政治もPI値からPPIへ、自民大敗、民主大躍進!

   7/29、注目の第21回参議院選挙が行われた。結果は自民党が惨敗、民主党が大躍進となり、非改選を含め、野党が過半数を占めることとなった。私の選挙区、東京でも大激戦となり、当選者は民主党、大河原雅子氏1,086,354票(18.4%)、公明党、山口那津男氏793,579票(13.5%) 民主党、鈴木寛氏779,429票(13.2%)、自民党、丸川珠代氏 689,026票(11.7%)、無所属、川田龍平氏682,655票(11.6%)の5人が当選し、次点は自民党、保坂三蔵氏650,124票(11.0%)という結果であった。特に、興味深い結果となったのは、当選した丸川珠代氏と落選した現職の保坂三蔵氏であり、両者とも自民党であり、明暗がわかれた。保坂氏は自民党得意の組織選挙を実施し、丸川氏は非組織選挙、いわゆる空中戦を展開した。その結果、組織選挙が破れ、空中選が勝つという結果となった。

   実はこのような現象は今回の参議院選挙ではいたる地区で起こっており、特に、今回勝敗を決した1人区では29選挙区の内、組織選挙を展開した自民党は6議席、空中戦を展開した民主党が23議席という結果となり、民主党の圧勝となった。これまでは自民党の組織選挙が機能していたが、前回ぐらいから、徐々に機能しなくなり、今回は空中戦が強い民主党が圧倒的に勝つ結果となった。

   これは食品スーパーマーケットの商品群でいえば食パンと菓子パンの違いに良く似ている。通常、食パンの活性化のやり方をそのまま菓子パンに適用しても効果がでないが、逆に、菓子パンのやり方を食パンに適用するとこれまで以上に効果がでることがある。どういうことかというと、食パンは重点商品の売上構成比が60%から70%になる商品であり、重点商品の強化が食パンの活性化の鍵を握っている。ところが菓子パンは重点商品の構成比は食パンとはまったく逆になり、30%から40%であり、どんなに重点商品を強化しても、全体の活性化にはつながらない。むしろ、菓子パンは重点商品以外の60%から70%の商品に手を打たないと、全く効果がでない商品である。

   組織選挙とは食パン型の選挙区には絶大な効果を発揮するが、菓子パン型選挙区には機能せず、むしろ、このような選挙区では非組織選挙を徹底することがポイントとなるが、この非組織選挙に対して今回は自民党が充分な対策が立てられなかたっために、今回の結果となったといえよう。特に、今回は、これまで食パン型の選挙区に近い状況であったところも、年金問題、閣僚の不適切な言動等により、重点商品が弱くなり、菓子パン型の選挙区に急激に変貌してしまい、これまで通用した組織選挙が効力を発揮できなくなったことも大きかったといえよう。

   丸川珠代氏 689,026票と保坂三蔵氏650,124票は分解すると、丸川氏の場合は、丸川氏を支持する無数の小さな塊の中の支持者からの票で成立っているが、保坂氏の場合は大きな塊の中の支持者からの票で成り立っており、その大きな塊を全部集めても、当選ラインまではいかなかったといえる。丸川氏の場合は、大きな塊はほとんどなく、はじめから小さな塊に照準を合わせ、徹底して小さな塊を東京都という広大な選挙区の中からたくさん集めることができ、結果として当選ラインまで票を獲得することができたといえよう。選挙戦後半で丸川氏は選挙権がないという痛恨のミスを犯すが、これが組織選挙であれば大敗していたと思われるが、はじめから組織がなかったゆえ、小さな無数の塊の中では比較的軽微なダメージとなり、それでも支持してくれる小さな塊を無数に集めた結果当選ラインまで何とか票を伸ばせたのではないかと思う。

   これをPI値、PPIで表すと、保坂氏はPI値の高いもののみに注力したのに対し、丸川氏はPI値の高いものはあきらめ、PPIの高いものを徹底して取り組んでいったことが明暗を分けたように思う。PI値=客数PI値×PPIであり、PI値は買上点数÷全体客数、客数PI値は部分客数÷全体客数、PPIは買上点数÷部分客数である。これを、選挙に置き換えれば、PI値に着目するとは、全体の有権者の中での大きな塊に注力することであり、PPIに着目するとは、客数PI値は低く、たとえ小さな塊でも、その中での支持を確実に獲得することであり、このようなPPIの高い小さな塊を、無限に拾い上げてゆくことである。要は全体の選挙区は大きな塊と無数の小さな塊が集まってできあがっており、大きな塊だけを制すれば選挙に勝てる選挙区と大きな塊にどんなに取り組んでも、けっしてそれだけでは勝てない選挙区があるということである。また、たとえ大きな塊だけで勝てる選挙区であっても風、天候などによっても変化するということである。良く、投票率が上がると組織選挙は弱いといわれるが、これは食パン型選挙区から、菓子パン型選挙区に急激に変化するからであるといえよう。

   このように、政治もいよいよPI値からPPIの時代に入ったといえ、選挙区、情勢によってはいかに無数の細かい塊のニーズに着目した対策が必要であるかを、特に今回はそれにより明暗が分かれたように思う。ちなみに、菓子パンの活性化のポイントは、考えられる様々な菓子パンのニーズを考え、そのニーズにあった菓子パンを限界まで品揃えすることがもっとも大きな効果を発揮する。菓子パンの場合は重点商品だけをどんなに強化しても、菓子パン全体の売上は上がらないことがほぼ実証されている。今回の選挙結果を受け、自民党がどのように変わるかに注目である。

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July 30, 2007 in 経済・政治・国際, PI値 | | Comments (0) | TrackBack (0)

May 25, 2007

3つのPI値と客単価分析の4つの側面、頻度が今後のポイント!

   約20年前、PI値にはじめて出会った時、PI値はひとつしかなかった。また、その時には客単価とPI値の関係も明らかではなかった。PI値とは商品の買上点数を客数で割って算出する指標であり、Perchance Index(incidence)の略であり、日本語では客数比率、顧客支持率などと呼んでいる。その後、客単価(金額PI値)との関係が明らかになり、PI値は飛躍的な発展を遂げる。ちょうどPOSレジが食品スーパーマーケット業界に本格的に普及し、単品管理がはやり始めた頃であった。ただ、PI値のみが先行し、客単価とPI値の関係をしっかり理解し、実務に活かしている事例は意外に少ないのが実態である。

   客単価は単純分解すると客単価(金額PI値)=PI値×平均単価に分解でき、これにより、PI値は客単価をアップさせるための1指標であることがわかり、しかも、平均単価との関係でのみPI値は変化し、双方のバランスをとりながら客単価を引き上げてゆくことがポイントであることがわかる。PI値だけ、平均単価だけをいくら引き上げても、片方が落ち込めば、客単価は上がらないことがわかる。この2つの指標をグラフ化すると双曲線、反比例の関係となる。すなわち、客単価アップとは直線的な思考では絶対に不可能なことであり、2次元の双曲線的な思考がポイントであり、この双曲線をバランスよくひきあげてゆくことが求められる。

   その後、PI値はいきなり、カード化の時代を迎える。いまから10年ぐらい前のことである。これはたまたま、ポイントカード関連の依頼が飛び込んで来たことによる。ポイントカードに対するPI値の活用はどのような方法が最適かが問われ、その結果、PI値-ID分析が生まれた。これはPI値をIDにより初回購買とリピート購買に分けて算出し、IDが取得可能である場合の新たな分析手法として結実する。ただ、当時は客単価との因果関係が明確でなく、PI値が先行したID分析となってしまったが、当時としては、画期的なリピート購買分析によるOne To Oneクーポンを開発するなど、PI値-ID分析がポイントカード分析に大いに役立った。

   そして、最近では、再度、PI値、PI値-IDの課題を改めて整理し、客単価との因果関係を明確にし、客単価1D分析、客単価2D分析、客単価3D分析、客単価3D-ID分析と4段階での客単価の分析を理論的に解明し、現在にいたっている。また、客単価分析のPI値と平均単価の関係をPI値と時間に置き換えることにより、時間という概念を組み込んだ客単価、というようりも客時間分析も応用編として開発し、こちらは、特にWebの世界での活用を目指している。これも客単価同様、客時間1D、2D、3D、3D-IDと分析内容を深めてゆくことが可能であり、次世代型のPI値の活用方法のひとつとなるのではと思っている。

   さて、客単価分析であるが、客単価1D、2Dまでは比較的単純であるが、客単価3D分析は少し複雑になる。何が最も違うかというと、客数が細分化されることである。通常の客単価は全体客数を基に算出するが、客単価3D分析は客数を自由に細分化し、様々な客単価を導き出すところに特徴がある。したがって、客単価2D分析では、客単価=PI値×平均単価であったが、これが客単価3D分析では、客単価=客数PI値×PPI×平均単価となり、3Dとなる。PPIは細分化された客数における買上点数であり、客数PI値は細分化された客数の割合となる。実務的にはレシートデータを分析する時にこの客単価3D分析が適用されることとなる。

   一例をあげれば、バナナの客単価=バナナを購入している顧客の割合×バナナの購入顧客のみのPI値(PPI)×バナナの平均単価となる。客単価2D分析ではバナナの客単価=全顧客のバナナのPI値(バナナの購入顧客+未購入顧客)×バナナの平均単価となる。レシート分析により、バナナの購入レシートのみを数えて算出すると客単価3D分析が可能となる。

   そして、客単価3D-ID分析であるが、この分析手法がここへきて注目される時代が近づいているように思える。それは、セブンイレブンにおいて本格的な電子マネーカードnanacoがはじまったからだ。追随する形でイオンもワオンをスタートさせた。これにより、小売業界は一気に電子マネーによるポイントカードの時代を向かえることとなり、これまでのPOS分析からIDカードを含めたPOS-ID分析の時代に突入した。そして、その有力な分析手法が客単価3D-ID分析である。

   客単価3D-ID分析の特徴は顧客一人一人の購買行動にもとづく客単価分析であるところに特徴がある。顧客一人一人の購買状況がわかるがゆえに、客単価3D分析では把握できなかった購買頻度の分析が可能となる。購買頻度はIDなしにはできない分析であり、IDが把握できてはじめて可能な分析となる。これにより、客単価を初回購買、リピート購買に分けることも可能になり、先ほどのバナナでいえば、バナナの購入顧客を頻度によって把握し、バナナの初回購買顧客とバナナのリピート購買顧客を分けて客単価を算出できるようになり、その割合も客数PI値で算出できるようになる。すなわち、バナナの客単価=バナナの初回購買客単価+バナナのリピート購買客単価となり、=バナナの初回購買客数PI値×バナナの初回購買PPI×バナナの初回購買平均単価+バナナのリピート購買客数PI値×バナナのリピート購買PPI×バナナのリピート購買平均単価となり、さらに、購買頻度ごとに細分化することも可能となる。

   このように、PI値には通常のPI値、細分化PI値(PPI)、そして購買頻度を考慮したPI値(PPI)-IDがあり、それに応じて、客単価も2D、3D、3D-IDと1Dをいれて4つの側面がある。今後、時代はいっきに3D-IDへと向かいそうであり、POS分析もその意味で新たな分析の時代の幕開けといえよう。

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May 25, 2007 in 経済・政治・国際, PI値 | | Comments (0) | TrackBack (2)

April 06, 2007

PI値とプライスライン、PI値の本質を理解しよう!

   PI値(Purchase Index)は買上点数÷客数で表す指標であり、顧客一人当りの買上点数のことである。指標としては極めて単純な指標であり、目の前の商品と客数がわかれば、誰でも簡単に計算することができ、しかも、顧客の声をダイレクトに反映している指標であるため、比較的いろいろな場面で使うことができる。ただ、PI値がPI値のみで一人歩きするケースが多く、PI値の本質をつかんだ使い方をしているケースは意外に少ないのが実態である。

   その理由は、PI値はそもそも、売上を分解して導かれる指標のひとつであるということが認識されていないことによるといえよう。売上は客数で割れば、客単価となり、この客単価を平均単価で割ればPI値となるが、この関係、すなわち、売上=客数×客単価=客数×平均単価×PI値という方程式が理解されていないことによると思われる。この方程式が理解できれば、PI値は売上の一構成要素であることがわかり、さらに、突き詰めれば、客単価の一構成要素であることがわかる。すなわち、PI値とは客単価の一指標であり、さらには、売上の一指標であるといえる。

   したがって、PI値はPI値だけでは存在しえず、常に、客単価、ひいては売上と連動して考えることが、PI値を根本から理解するポイントである。PI値があがっても、客単価が落ちてしまえば、元も子もなくなる。同様に、PI値があがり、客単価があがっても、売上が落ちてしまえば、折角のPI値アップが報われないこととなる。PI値に取り組むときには、常に、客単価、売上を意識することがポイントである。

   そこで、このPI値の考え方を最も簡単に、現場で無理なく理解し、実践するには、プライスラインという考え方を取り入れると良いと最近気がついた。食品スーパーマーケットでは、あまり強く意識されることがないのがプライスラインである。それは、食品スーパーマーケットの平均単価はほぼ200円に集約し、平均単価が倍の400円、さらに倍の800円、そのさらに倍の1,600円、逆に、1/2の100円、その1/2の50円、その1/2の25円という商品もあるにはあるが少ないのが実態であり、ほとんどは200円に集約してゆくのが実態であるからである。実際のマーチャンダイジング政策でも明確にプライスラインを決めて、品揃えをするというケースは少なく、プライスラインを意識してのマーチャンダイジングはあるにはあるが、少ないのが実態である。

   ただ、PI値を真に実践的に理解するには、プライスラインを意識することが最も分り易いといえる。なぜなら、PI値は客単価の一要素であり、客単価=平均単価×PI値となり、平均単価を高めることは客単価のアップをはかる重要な戦略であるからである。一般的に平均単価を高めるというと、すぐに値上げとなってしまうが、平均単価を高めるとは、プライスラインを高めに誘導することである。もっと、端的にいえば、より上位のプライスラインのPI値をアップさせることである。プライスラインは通常、平均、ワンランク上、ワンランク下の3つが考えられ、平均単価アップとは平均単価よりも、ワンランク上のプライスラインのPI値を高めることであり、それによって、平均単価アップの客単価アップが実現することとなる。もちろん、平均よりもワンランク下のプライスラインを高めても客単価はアップするが、この場合は、平均単価は下がってしまい、PI値がアップして、客単価がアップすることになる。

   客単価=平均単価×PI値であるので、この平均単価をいくつかのプライスラインに分け、それぞれのプライスラインごとのPI値を算出し、より平均単価の高いプライスラインのPI値を高める努力をすれば、PI値のアップが単にPI値のアップに留まらず、平均単価を意識し、客単価アップをはかってゆくことが理解できるようになる。

   まずは、目の前の商品にプライスラインをつくり、プライスラインごとに品揃え、売場をつくり、プライスラインごとのPI値を算出し、1歩1歩、より高いプライスラインのPI値を高めてゆく努力をすれば、自然にPI値と平均単価の関係が認識でき、客単価アップにつながってゆくことになるといえよう。ただ、一方で、平均よりも下のプライスラインの商品のPI値を落とすと、折角、プライスラインを高めても客単価は下がってしまうので、その点の注意は必要である。

   このように、プライスラインを意識し、プライスラインごとのPI値を算出し、それぞれのプライスラインのPI値をバランスよくたかめ、徐々に平均単価を引きあげてゆくことにより、PI値の本質が自然に、実践的に理解できるようになるといえよう。PI値だけでものごとを判断するのではなく、プライスラインを意識したPI値アップ、ひいては客単価アップにしっかり取り組んでみて欲しい。PI値の本質が理解できるはずである。

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April 6, 2007 in 日記・コラム・つぶやき, 経済・政治・国際, PI値 | | Comments (0) | TrackBack (0)

March 29, 2007

目の前の商品の客単価、パーソナルベストを更新せよ!

  3/24のフィギュアスケートの世界選手権で安藤美姫が逆転で優勝、金メダルを獲得した。浅田真央もショートププログラムでは5位と出遅れたが、フリーではトリプルアクセルを成功させ、2位となり銀メダルを獲得した。このフィギュアスケートをテレビで見ていたが、妙に浅田真央のインタビューが気になった。それは、試合を振り返ってのインタビューの中で、「ノーミスでパーソナルベストを出すしかないと思っていた」と言ったことだ。浅田真央以外にもほとんどのフィギュアスケートの選手は、よくパーソナルベストという言葉を口にする。フィギュアスケートは得点の世界での勝負であり、勝つためには誰よりも高得点を獲得することが必須であり、ライバルの演技、得点を気にすることよりも、自分の演技、得点を気にかけ、自己最高の得点、すなわち、パーソナルベストをめざすことが結果的にライバルに打ち勝つことになるからであろう。

  実際、ショートプログラムが終わった時点では、1位は71.95点のキム・ヨナ、2位が67.98点の安藤美姫、そして、5位が62.32点の浅田真央であり、安藤美姫は1位のキム・ヨナと3.97点、5位の浅田真央は9.63点という大差であり、特に浅田真央は得点差から見るとかなり厳しい局面にいたといえよう。この時、浅田真央は「ノーミスでパーソナルベストを出せば」と考えていたというが、この時点での浅田真央のフリーのパーソナルベストは2006年NHK杯(長野)での130.02点であり、キム・ヨナは2006年のトロフィーエリックボンパール(パリ)での119.32点である。単純合計すると、浅田真央は192.34点であり、キム・ヨナは191.27点であり、確かにパーソナルベストを浅田真央が出せば逆転のチャンスが残っていた。ちなみに、安藤美姫のこの時点でのパーソナルベストは2006年グランプリ(USA)での125.85点であり、単純合計では193.83点となり、1位となる得点である。

  そして、実際は浅田真央は見事パーソナルベストを更新し、133.13点を獲得し、キム・ヨナを逆転し、トータル194.45点で2位、安藤美姫は127.11点と同じくパーソナルベストを更新し、合計195.09点で浅田真央をも最終滑走で僅かに上回り、優勝した。ちなみに、キム・ヨナはジャンプに失敗し、115.56点とパーソナルベストを更新できず、合計186.14点で3位となった。このように、フィギュアスケートは、パーソナルベストを更新しつづけることが、優勝につながり、結果としてライバルに勝ってゆくことになるという自己との戦いがその本質であることがわかる。

  実は、客単価アップもフィギュアスケートのパーソナルベストを更新しつづけることが結果として、商品を活性化させ、店舗を活性化させ、顧客の来店頻度を上げ、売上が上がるという構造がある。そして、結果として、競合店に打ち勝ち、地域No.1の食品スーパーマーケットとなってゆく。パーソナルベストはその意味で食品スーパーマーケットにとっても重要なキーワードである。

  では、食品スーパーマーケットにおけるパーソナルベストの客単価はどのように把握するか。それは自ら取り組んでいる商品の売上と点数と店舗全体の来店客数を調べ、電卓で計算すれば良いのである。PI値は点数÷客数(%)、平均単価は売上÷点数、金額PI値はPI値×平均単価、ないしは売上÷客数で算出する。電卓ひとつで簡単に算出できるのである。あとは、金額PI値=PI値×平均単価であるので、この客単価、すなわち、パーソナルベストを更新すべく、PI値アップ、平均単価アップの様々な仮説を立て、その結果を毎日、電卓で計算し、パーソナルベストが更新されたかどうかを検証すれば良いのである。

  これを自らの商品で毎日毎日、電卓で客単価を計算し、パーソナルベストを更新しつづけてゆけば、結果として、顧客の信頼を勝ち取り、売上があがり、気付いてみると全店No.1の客単価を達成することになる。そして、それが結果的に競合店に打ち勝ち、地域No.1の店舗となってゆくのである。

  このように、フィギュアスケートのトップスケーターが実践している極意、パーソナルベストの更新を目指すということは、食品スーパーマーケットの客単価アップにも応用できる極意である。そして、それが、結果として全店No.1、地域No.1の店舗をつくってゆく早道であるといえよう。まずは、各自、自ら取り組む目の前の商品において、客単価のパーソナルベストへ挑戦してみて欲しい。

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March 29, 2007 in 日記・コラム・つぶやき, PI値 | | Comments (1) | TrackBack (0)

February 23, 2007

売れ筋とは何か、客単価の視点がポイント!

  売れ筋とは何かをつきつめてゆくと中々難しい問題に突き当たる。一般的には売れ筋、死に筋という言葉があるように、売れ筋をどう定義するかによって、その選定は一筋縄ではいかない問題がここには潜んでいる。売れ筋を売上の高いものと考えた場合、売上=客数×客単価であるので、単に売上が高いものを選定すると、その中に客数が入ってしまうため、客数の多い店舗と客数の少ない店舗を比較すると客数の多い店舗の商品が優先されてピックアップされてしまう。あるいは、客数の多い日、多い週などが優先的にピックアップされてしまう。したがって、売上が高いもの=売れ筋と見なすには無理があり、客数を除外した客単価=顧客1人当りの売上でみることが順当といえる。ところが、客単価で売れ筋を見た場合、今度は客単価=PI値×平均単価であるのでPI値か平均単価かどちらが優先されるかがまた問題となる。

  このように売れ筋とは言葉では簡単であるが、つきつめてゆくとなかなか難しいものがあり、売れ筋を売場の商品から見つけ出すことは実は簡単な話ではなく、よくよく考えた上で、慎重に選定しなければならないことがわかる。

  そこで、発想を変えて、売れ筋を選定することをあきらめ、死に筋を見つけ出し、その商品をひたすらカットすることに徹し、結果として、売れ筋を残してゆくという方法がある。いわゆる単品管理である。単品管理の極意は売れ筋を見つけ出すことをあきらめ、死に筋を徹底して排除することにあるといえる。死に筋はとりあえず、一定期間0個の売上の商品を見つけ出しカット、1個の売上の商品を見つけ出しカット、・・と売上の低いものから順にカットしてゆき、結果として、売れ筋を残してゆくことを目指すことがポイントである。したがって、売場からベスト10を選べというときは、売場の死に筋のカットを繰り返し、残りが10個になったところでやめることとなる。ただ、ここまでゆくと、始めに述べた売上=客数×客単価の問題にぶつかり、ある一定以上の死に筋は客単価が高いのか低いのかが判別つかないため、両方カットしてしまうことが起こり、結果売れ筋カットになってしまうことが起こる。死に筋カットは0個から数個までが最も効果を発揮するが、それ以降はだんだん怪しくなってゆくという限界がある。

  そこで、やはり、売れ筋は売れ筋として客単価から理論的に導く必要があり、客単価=PI値×平均単価であるので、PI値か平均単価のどちらかを優先して売れ筋を選定してゆくことがポイントとなる。具体的にはまず、客単価の高い商品を選定する。そして、次に、その商品のPI値と平均単価を算出し、双方の高いものを最優先、PI値か平均単価の高いものを準優先にしてゆけば良い。どちらを準優先にするかは商品特性によろう。仮にPI値が限りなく低ければ、PI値は意味がなくなり、平均単価=プライスライン政策が有効になり、平均単価優先となろう。PI値が大きければ、PI値の大小によって客単価が左右されることになり、PI値優先となろう。このように、客単価を最優先、PI値か平均単価を準優先にして商品をピックアップしてゆけば売れ筋をはずさずに、優先度の高いものから商品選定が可能となる。すなわち、売れ筋選定のポイントは客単価にあるといえよう。

  さて、そこで応用問題であるが、通常の客数は商品の購入者も未購入者も含まれての客数であるが、この客数から商品の購入客数のみを抽出し、購入顧客の客数がわかった場合はどのように売れ筋を選定したらよいだろうか。

  この場合は客単価は客単価=購入顧客における全顧客の割合(客数PI値)×購入顧客のみの客単価となり(客単価PPI)=購入顧客における全顧客の割合(客数PI値)×購入顧客のみのPI値(PPI)×平均単価となるため、やや複雑な売れ筋の選定となる。すなわち、まず、客単価の高い商品をピックアップし、次に購入顧客における全顧客の割合(客数PI値)でピックアップし、そして購入顧客のみの客単価(客単価PPI)でピックアップし、さらに、購入顧客のみのPI値(PPI)、最後に平均単価という順序となろう。もちろん、商品特性により、優先順位が変わる場合もあるが、売れ筋商品選定の流れはこのような流れとなる。注意点としては、客単価が高い場合が、理論的につきつめてゆくと16パターンが確認されているので、厳密には商品特性により、1番から16番目までの優先順位を決める必要があるが、購入顧客のみの客単価を優先するのであれば、上記のような流れで売れ筋を選定すれば良いといえよう。

  このように売れ筋という言葉はよく話題になるが、つきつめると中々やっかいな言葉であり、ポイントは客単価という視点で考えることである。そして、商品1品1品がいかに客単価への貢献度が高いかを念頭に置きながら、商品特性により、優先順位を決めて選定すれば良いといえよう。そして、後は、選定した売れ筋が正しいと信じて、限界まで客単価アップをはかってゆけば良い。

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February 23, 2007 in 経済・政治・国際, PI値 | | Comments (0) | TrackBack (0)

February 16, 2007

刺身盛合せに見るプライスラインと顧客ターゲット!

  食品スーパーマーケットは平均単価が約200円の商品を取り扱う業態であるといえる。売場にある約10,000の商品の全売上高を全買上点数で割ってみると、ほぼ200円となる。最も高いもので10倍の2,000円、安いもので1/10の20円ぐらいであり、200円を平均に価格が正規分布しているといえる。したがって、ほとんどの商品群はその品揃えが200円を中心に、その標準偏差に近い、せいぜい倍の400円から1/2の100円ぐらで価格レンジがおさまってしまうが、いくつかの商品群は極端な価格レンジを描くものがある。たとえば、今回のブログのテーマである刺身盛合せ、それに米、果物、焼肉、酒などである。これらの商品群はいわゆる高額商品と呼ばれるものであり、通常のマーチャンダイジングでは簡単には解けない、発想の転換が必要な商品群である。

  これらの商品を客単価3D分析すると、PPIが100%=1に近くなるために客単価アップをはかろうとすると、客数PI値と平均単価の軸がクローズアップされ、いかに購入顧客を増やすか、いかに平均単価をアップさせるかの、一品客単価アップがテーマとなる。したがって、価格帯ごとの客数PI値、すなわち、購入客数をいかに増やすかがマーチャンダイジングの決め手となる。これはいいかえれば、プライスラインごとの顧客ターゲットを明確にしたマーチャンダイジングを実践することであるといえ、プライスラインの設定と顧客ターゲットの選定が極めて重要なテーマとなるということである。

  ちなみに、客単価3D分析とは客単価=客数PI値(顧客)×PPI(点数)×平均単価(価格)と客単価を3つの軸、すなわち、3次元の立法体でとらえる分析手法であり、その立方体のそれぞれの面は、客数PI値×PPI=PI値、PPI×平均単価=客単価PPI、客数PI値×平均単価=一品客単価という3つの面で構成される。食品スーパーマーケットのほとんどの商品群はPI値か客単価PPIの面で解けるが、先にあげた高額商品群はPPI=100%=1に近くなるため、PI値、客単価PPIでは解けにくく、一品客単価でマーチャンダイジングを解いてゆくことがポイントとなる。

  そこで、その代表的なケースである刺身盛合せのマーチャンダイジングであるが、この客単価アップをはかるためには、一品客単価を引き上げることがポイントとなり、まず、平均単価、すなわち、プライスポイントの設定が最優先で決めるべき課題となる。そこで、中心プライスであるが、仮に980円とすれば、プライスラインを3本もつとすれば、上が1280円、下が780円となろう。4本もつとすれば、さらに上を1580円、5本もつとすればさらに下を580円となろう。このように、まず、中心プライスとプライスラインを何本もつかがはじめに決めるべき課題である。

  次に、それぞれのプライスラインごとの顧客ターゲットを決めることである。この刺身盛合せのケースでいえば、中心プライスが980円であるので、980円の刺身盛合せの顧客ターゲットを明確にすることが最初である。理想は全需要対応であろうが、現実的には優先順位を明確にして顧客ターゲットを絞り込むことがポイントなる。たとえば、1人用を最優先にするとか、2人用を最優先にするとか、あるいは3人以上を最優先にするとかである。あるいは男性、女性、子供、大人、年配の方、さらには、まぐろ好きな方、ぶり好きな方、貝好きな方や、それぞれの組み合わせなど、顧客ターゲットは無限に考えられる。

  そして、最後にネタの組み合わせ、すなわち、商品化である。これは原価も絡むのでできるることとできないことを見極めながら取り組んでゆく必要がある。刺身盛合せであるので、2つ以上のネタの組み合わせとなるが、2つの場合であれば、まぐろとぶり、まぐろといか、まぐろとサケ、まぐろとたこ、まぐろとえび、ぶりとえび、ぶりといかなど、さらにはまぐろを生か冷凍か、黄肌かバチか本まぐろか、赤身か中とろかなど、これも無限の組合わせがあり、3つになればさらにバリエーションが増える。

  そして、この3つの角度からプライスラインごとに商品化を行い、どのラインにいくつのSKUを投入し、プライスラインごとの顧客ターゲットにもとづく客数PI値を想定し、刺身盛合せ全体の客単価を導き出し、イメージを固めてゆき、納得ができるまでシミュレーションを繰り返すのである。

  このように刺身盛合せのような高額商品に関してはプライスラインごとの顧客ターゲットを明確にし、その商品化を行い、実際に取り組んでゆくことがマーチャンダイジングのポイントである。そして、あとは、マーチャンダイジングを実践すれば、おのずから結果が返ってくるので、その結果を修正しながら、客単価=一品客単価アップをはかってゆけばよい。

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February 16, 2007 in 経済・政治・国際, PI値 | | Comments (0) | TrackBack (1)

February 14, 2007

曲線的思考を身につけよう!

  食品スーパーマーケット最新情報、週間版、まぐまぐでは、ここのところ連載記事として、「コンサルティング、現場からのミニレポート」を掲載しているが、今週は第18回目となり、テーマは「直線と曲線の考え方」について取り上げてみた。この曲線の考え方はPI値を理解する上で重要な考え方であり、PI値の極意といってもよいものであるので、改めで、本ブログでも加筆修正して再掲してみたい。

  現場で飛び交う改善数字の中で代表的なものとして、売上、粗利、客単価、在庫、交叉比率などがある。これらは、どれも数字にすると1つに定まるため、考え方も直線的となり、売上であれば上げるか下げるかとなり、直線的に考えがちだ。しかし、実際は、売上は客数と客単価、客単価はPI値と平均単価、PI値はPPIと客数PI値とから成立っており、2つないしは3つの要素の組み合わせである。

  客単価を例にとると、客単価=PI値×平均単価であるので、客単価を上げるためには、PI値を上げるか、平均単価を上げるか、双方を上げるかの3択問題であるが、双方を上げる場合は理解しやすいが、PI値をあげる場合は平均単価を下げてPI値をそれ以上に上げることであり、平均単価を上げる場合も、同様に、PI値を下げてそれ以上に平均単価を上げることであり、これは簡単には理解しにくい。

  グラフにすると横軸にPI値、縦軸に平均単価をとった場合、客単価はPI値と平均単価の掛け算なので、双曲線となり、客単価を上げるとは、この双曲線を右上にあげることだからだ。したがって、ここには直線は存在せず、存在するのは曲線、双曲線であり、この双曲線が理解できないと、偶然で客単価は上がっても、理論的に客単価を上げることは絶対にできないからだ。したがって、こと、客単価のような指標の数字改善には直線的思考から曲線的思考に考え方、イメージを展開する必要があり、これが理解できないとPDCAの仮説検証サイクルをつくることも不可能なこととなる。

  このような指標は現場には客単価以外にも在庫と粗利との関係等あふれており、数字改善を行う場合には、まず、思考方法を転換することが必要となる。直線的な思考では数字改善は難しく、曲線的な思考でバランスよく数字を改善してゆく手法を理解することがポイントとなる。以前、本ブログでも。客単価振り子の原理を取り上げたように、まさに、客単価は振り子の軌跡のように曲線、正確には双曲線になっており、そこには直線は一切存在していない。PI値も平均単価もこの曲線上を動くだけであり、客単価が上がるとは、この曲線そのものが上に移動するだけである。ちょうど、振り子が振動しながら、その糸が短くなってゆくイメージであり、これが客単価アップの本質である。

  客単価以外にも、典型的な曲線的思考が必要な指標として、本ブログでも取り上げた在庫と交叉比率も全く同じ関係である。これも、粗利PI値=在庫PI値×交叉比率という公式からわかるように、在庫PI値と交叉比率は直線の関係ではなく、曲線の関係となっており、粗利PI値を改善しようとすると、在庫PI値を増やしても、交叉比率が下がってしまったら、粗利PI値は下がってしまい、逆に交叉比率を引き上げても、在庫PI値が下がってしまったら、粗利PI値は思うように改善できない場合が多い。

  交叉比率の高い店舗は粗利PI値が引く、同時に客単価、売上が低い店舗が多いのが実態である。交叉比率、在庫PI値ともに直線で考えると、粗利PI値の改善ができない場合が多い。粗利PI値を改善するのには、在庫PI値と交叉比率のバランスをとりながら、ちょうど振り子を揺らしながら、その糸をひきあげてゆくことがポイントであり、曲線的な思考方法が客単価同様、ポイントとなる。

  このように、実はものごとの本質は、ちょうど易の陰陽のような太極図のようなイメージであり、陰と陽が合いまみれて円を形づくり、生成発展してゆくようなイメージがものごとの本質のように思える。客単価を上げる場合も、在庫管理の場合も、直線的に考えるのではなく、曲線的に考え、バランスよく数字を改善してゆくことがポイントといえよう。これを機会に、曲線的思考をしっかり身につけて欲しい。
 
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February 14, 2007 in 経済・政治・国際, PI値 | | Comments (0) | TrackBack (0)

February 11, 2007

売上、利益、在庫バランス、在庫PI値に着目せよ!

  小売業は突き詰めると在庫との戦いとみることができる。売上をあげるためには、在庫を極限まで投入する必要があるが、これが行き過ぎると、在庫過剰となり、鮮度劣化を起こし、値引きにつながり、利益が減り、さらには、在庫処分へとつながり、特別損失の発生となり、利益を大きく落とす結果となる。逆に、在庫が少ないと、利益率は高まるが、客単価が下がり、利益高も少なくなり、欠品が生じ、顧客満足度を下げ、それが客離れにつながり、売上減となる。このように、在庫は多くても、少なくても問題であり、在庫問題は、どこでバランスをとるかが、最も重要なテーマとなる。また、在庫にかかわる指標のひとつとして、交叉比率があるが、これは投入在庫当りの粗利額のことであるので、在庫が多ければ、分母が大きくなり、低くなる傾向があり、逆に、在庫が少なければ、分母が小さくなり、高くなる傾向があるので、在庫の持ち方に反比例する傾向が強い。したがって、交叉比率も在庫に大きく左右されるので、小売業の経営の最大のテーマは在庫管理にあるといっても過言ではない。

  では、小売業、とりわけ、食品スーパーマーケットでは在庫管理をどのようにすすめていったらよいのかを考えてみたい。在庫にかかわる食品スーパーマーケットの基本指標は交叉比率と在庫PI値である。そして、この2つの指標は粗利PI値=交叉比率×在庫PI値という数式で関係づけられる。粗利PI値は粗利高÷客数、交叉比率は商品回転率×粗利率であるので、(売上÷在庫)×(粗利÷売上)=粗利÷在庫となり、在庫PI値は在庫÷客数であるので、粗利PI値=交叉比率×在庫PI値=(粗利÷在庫)×(在庫÷客数)=粗利÷客数=粗利PI値となる。したがって、在庫問題とは、この式から、在庫PI値=粗利PI値÷交叉比率となり、在庫問題を解決するには、在庫PI値が高くなると交叉比率が低くなる傾向となり、在庫PI値が低くなると交叉比率が大きくなる傾向になるという反比例の関係にある。また、同様に、粗利PI値を上げればあげるほど在庫PI値は高くなる傾向になり、逆に粗利PI値が下がると在庫PI値は低くなる傾向にある。したがって、在庫PI値は交叉比率との微妙なバランスをとりながら、粗利PI値を可能な限り高めてゆくことが望ましいことがわかり、一概に在庫PI値を増やすことも、減らすことも正しい方向ではなく、適正値、黄金比率を求めるテーマであることがわかる。ここが在庫問題の難しいところで、在庫問題は直線で思考することではなく、曲線、しかも反比例の双曲線で思考することがポイントであることが、小売業の経営を舵取りする上で特殊な問題であることがわかる。

  では、このような在庫問題を食品スーパーマーケットでどのように解決していったらよいのだろうか。その解決方法はまず、在庫PI値に焦点を当て、全店の平均値を算出することからはじまる。全店の平均値はけっして黄金比率ではないが、少なくとも全顧客と全従業員の発注とのバランスで決まった数字であるので、この値が出発点となる。この全店平均の在庫PI値をもとに、在庫問題を解決することがスタートであり、この数字を次の3つのステップで改善してゆくことが売上、利益のバランスを保ちながら在庫を削減し、交叉比率を向上させ、粗利PI値、ひいては客単価をアップさせてゆくポイントとなる。
 
  その3つのステップとは在庫PI値の低い店舗群をピックアップし、在庫PI値をアップさせることである。これにより、全体の在庫PI値がアップし、交叉比率が減少するが、それ以上に粗利PI値がアップすれば、粗利は増化する方向に向う。次に、できれば同時に、在庫PI値の高い店舗群に着目し、在庫PI値を下げることである。これにより、交叉比率が格段とアップし、粗利PI値は下がる傾向になるが、第1ステップの在庫PI値を上げた店舗群と相殺され、全体のバランスは保たれる。この2つのステップにより、全体の在庫PI値は個々の店舗では変化が激しく起こるが、全体はバランスが保たれ、全店の標準化が進む。そして、3つめが、全店の平均在庫PI値をステップ1、ステップ2を微妙に調整してゆきながら下げてゆくことである。ステップ1、ステップ2で在庫PI値の基準値=全店平均値を把握し、在庫PI値のバランスが取れるようになれば、ステップ3では意識的に在庫PI値を調整することができるようになり、全店レベルで在庫の削減を粗利PI値、交叉比率のバランスをとりながらすすめてゆくことができるようになる。

  このように、在庫問題はバランスの問題であり、振り子を左右に振りながら、振り子の糸を縮めてゆき、振り子を速く振るようなイメージで取り組んでゆくことがポイントであり、本ブログでも以前取り上げた、客単価振り子の原理と同じテーマであることがわかる。小売業は客単価問題と在庫問題を振り子のイメージで解決することが顧客満足度を高め、経営の質を高めるポイントであるといえよう。まず、在庫PI値を算出し、全店の在庫基準をつかむところからスタートするとよいと思う。

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February 11, 2007 in PI値 | | Comments (0) | TrackBack (0)

January 25, 2007

PPIって何?

  最近、PPIについて聞かれることが少しつづ増えてきた。そこで、ここではその質問に答える意味も含めて改めてPPIについて解説してみたい。PPIは(Personal PI値)のことで、PI値との関係はPI値=PPI×客数PI値という関係になる。ここからもわかるように、PPIは客数PI値と対になる指標であり、客数PI値という指標と対になって存在している。したがって、PPIを理解するには、まず、客数PI値を理解することが先決である。

  では、客数PI値とは何か。PI値は買上点数を客数で割って算出する顧客一人当りの買上点数のことである。ここで客数とはその商品を購入している顧客も購入していない顧客も含んだ総客数のことである。そこで、この客数に着目し、その商品を購入している顧客のみに着目して算出した客数の割合が客数PI値である。客数PI値とはその商品の購入客数を全体客数で割った指標であり、その商品の購入客数の割合を示している。従来の客数の概念は常に全体の客数を前提としていたが、客数PI値という指標が生まれたことにより、客数はその商品の購入顧客の客数を把握することにより、様々な客数PI値が算出できるようになる。それだけではなく、客数をつきつめてゆくと、男女で分けるとか、年齢で分けるとか、地域で分けるとか、購入時間で分けるとか、さらには、リピート購買で分けるとか、ありとあらゆる考えられる客数、すべてに客数PI値が算出できる。

  これまでこのように客数PI値が活用されなかったのは、理論、ノウハウの問題よりも小売業界におけるIT、システムの問題の方が大きかったように思う。客数PI値を算出するためには、単なるレジ通過客数では当然不十分であり、商品ごとの客数を把握する必要があり、そのためにはその商品の購入レシートを1枚1枚数える必要がある。現在レシート分析をしている小売業はほとんどなく、現時点で客数PI値を算出することは困難な状況であるといえる。また、男女別、年齢別客数を把握するには何らかのID管理が必要であり、ID識別の方法がないとできない。コンビニではレジで店員が独自に判断して入力しているのでそれなりの客数PI値は把握できるが、食品スーパーマーケットではそのような仕組みを導入しているケースは少ない。また、購入動機別客数の把握に関しては顧客IDの把握に加え、購入シーンの設定も必要であり、ここまで来ると、一筋縄ではいかず、かなりの工夫が必要になり、そこまでやっている小売業は皆無であろう。ただ、最近ではレシート分析までは可能となった小売業が増えつつあり、購入商品当りの客数PI値の算出が可能となりつつある。

  さて、そこでPPIであるが、PPIとはこの客数PI値の分母におけるPI値のことであり、客数PI値が存在するところにはすべて、対となってPPIが存在する。もう一度基本公式にもどるとPI値=PPI×客数PI値であり、PI値=買上点数÷総客数(購入客数+未購入客数)に対して、PPI=買上点数÷購入客数、客数PI値=購入客数÷総客数(購入客数+未購入客数)となる。実は、このPPIは小売業以外では意外に活用されていることが多く、思わぬPPIを見つけることが多い。本ブログでも以前取り上げたが、大リーグでは有名なPPIとして得点圏打率がよく活用されている。これは、全体の打率に対し、得点圏の打席の時のみの打率のことであり、チャンスに強い打者を選び出す指標のひとつである。カージナルスの田口選手は大リーグでも屈指の得点圏打率の高さを誇っている。いわゆるしぶといバッターである。

  このようにPPIは客数PI値と対になって活用される指標であり、客数を細分化した時のPI値のことである。また、公式が示すようにPI値=PPI×客数PI値となるため、PI値とPPIとの関係は比例よりも、どちらかというと反比例の関係の場合が多いのも特徴である。PI値が高いからといって、PPIは高くならず、逆にPI値が低いからといってPPIが低くならず、むしろ逆に、PI値が高いものはPPIが低く、PI値が低いものに、むしろPPIが高いものが潜んでいることが多く、実践に活用するときには注意が必要である。さらに、客数PI値をつきつめてゆくと、最後は個人個人の来店回数となるため、PersonalのPI値算出へとつながってゆく。PPIの研究はかなりすすんでいるが、どちらかというと実践が追いついていない状況であり、今後の実践的な活用が待たれるところである。

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January 25, 2007 in 経済・政治・国際, PI値 | | Comments (0) | TrackBack (0)

January 22, 2007

チェーンストアエイジでPI値にもとづく商品ランキングを特集!

  チェーンストアエイジ1/15号で恒例のPOWER CATEGORY 2007においてPI値にもとづく重点カテゴリーの2006年度上半期の特集が組まれた。今回の重点カテゴリーとは食品(菓子、日配の一部を含む)、酒類、雑貨の3つの部門であり、食品ではドレッシング、マヨネーズ、チョコレート、ガム、漬物など19カテゴリー、酒類は発泡酒、ビールなど9カテゴリー、雑貨はヘアカラー、乾電池など13カテゴリーの合計41カテゴリーのランキング特集であり、中々興味深い内容である。PI値算出の根拠となったデータは凸版印刷のTOPNAVI-NETが提供しているPOSデータであり、全国主要チェーンストア約100社、約400店舗から収集したものである。凸版印刷では、流通システム開発センターが運営管理しているPOSデータを全国9地区、5業態に分け、月次単位で集計しているが、今回のチェーンストアエイジでは、そのPOSデータをPI値をもとに独自に集計している。

  チェーンストアエイジではPI値の説明を「パーチェス インシデンスの略。点数PIはレジ通過客1000人当たりの販売数量を指す。金額を見る場合には、金額PIという。点数PIを出すことにより店舗規模、曜日などにより来店客が異なる場合でも、商品の売上を同列に比較することが可能となる。POSデータを見る際には必須の指標の一つである」と定義しているので、本ブログで使用しているPI値よりも1桁多く、100人当たりではなく、1000人当たりではあるが、同じPI値での比較である。

  では実際にどのようにPI値が活用されているかであるが、例えばインスタントカップめんの特集を見てみると、まず、売上構造として、点数PI上半期対前年月別推移のデータと地域別点数PIのデータをもとにまとめている。これにより、インスタントカップめんが昨年と比べどの月の点数PIが高かったのかがわかると同時に、全国9地区ではどの地区の点数PIが高かったのかがわかるようにグラフで示している。ちなみに、インスタントカップめんはこの6ケ月では4月がもっとも高く1000人当りでは125.71(100人当たりでは12.71%)であり、地域別では東北が最も高く157.03(15.03%)である。

  次に直近のトレンドとして、過去6ケ月間のカテゴリー内売上シェアトップ20の単品ランキングを示し、どの商品のランキングがどのくらいの数字かを示している。これについてはPI値ではなく、売上構成比であり、直接PI値は関係ないが、結果的には金額PI値(客単価)ランキングに近い数字である。インスタントカップめんの事例で見れば、No.1は日清カップヌードル77g、売上シェア7.01%、No.2日清シーフードヌードル75g、売上シェア5.19%、No.3日清焼きそばU.F.O.129g、売上シェア3.75%であり、日清食品の強さが際立っている。

  そして、最後に、成長のための視点として、様々な課題と対策をあげている。インスタントカップめんの事例でいえば、価格プロモーションから、利益商材へ育成するためにテーマプロモーションを強化してみてはどうかという提案である。

  ほぼこのような形式で食品、酒、雑貨の3部門、41カテゴリー、約800SKUがまとめられており、この6ケ月間の各カテゴリーの動向を把握するには貴重な生データといえよう。また、PI値がこのように活用され始めたことも興味深いといえよう。

  ただ、少しもったいないと思ったことは、PI値は金額PI値(客単価)=PI値×平均単価であるので、金額PI値=客単価の視点を入れると食品スーパーマーケットのマーチャンダイジングに直結することが可能となるため、もう一歩掘り下げると、小売業側の現場のニーズにより近づいた内容になるのではないかという点である。また、PI値は現場では在庫管理と直結する指標でもあり、平均的な食品スーパーマーケットの客数2000人/日でどのくらいの在庫が必要かという数字も逆算してみると、在庫管理、発注支援、棚割り、レイアウトへとつながるため、この辺への落とし込みへ活用してみてはどうかとも思った。

  その意味で今回はPI値を視点にすえたチェーンストアエイジのPOWER CATEGORY 2007の特集であるが、これそのものが充分に価値ある情報ではあるが、今後、小売業側のマーチャンダイジングの視点が入ることにより、より、実践的なランキングへもつながる可能性が秘められており、その意味でも大変興味深い内容であるといえよう。

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January 22, 2007 in 経済・政治・国際, PI値 | | Comments (0) | TrackBack (1)

January 18, 2007

単品管理は3つある、商品、在庫、売場の単品管理を徹底せよ!

  単品管理というと一般的にはPOSデータにもとづく商品の単品管理が思い浮かぶかも知れないが、マーチャンダイジングを完結するためには商品の単品管理だけでは充分ではなく、在庫の単品管理、売場の単品管理との連動が今後の食品スーパーマーケットの大きな課題であるといえよう。ただ、現在、商品の単品管理はほとんどの食品スーパーマーケットでPOS分析が可能となったため、生データかPI値を活用して、実践にいかされているが、在庫の単品管理、売場の単品管理にいたっては皆無に近い状況である。今後のシステムの開発はもちろん、ノウハウの開発が待たれるところである。そこで、本ブログでは商品の単品管理に在庫の単品管理、売場の単品管理をどう連動させればマーチャンダイジングの改善が可能かを考えてみたい。

  在庫の単品管理については本ブログで何回か取り上げているが、基本は単品ごとに粗利PI値=在庫PI値×交叉比率の公式を適用し、商品の単品管理から得られる粗利PI値と連動させることである。粗利PI値は金額PI値(客単価)×粗利率、ないしは、PI値×粗利高で計算可能であるので、PI値か金額PI値(客単価)がわかれば、すぐに算出できる。粗利PI値が算出できれば、あとは在庫の単品管理ができ、単品ごとの在庫が把握できれば、客数で割ることによって在庫PI値が算出できる。在庫PI値が算出できれば、交叉比率は、粗利PI値=在庫PI値×交叉比率から粗利PI値÷在庫PI値で算出可能となる。交叉比率というと、これまでは在庫回転率×粗利率で計算し、しかも単品ではなく、全体か大分類のグロスで算出していたかと思うが、実は商品の単品管理と在庫の単品管理ができれば、粗利率を商品に掛けて簡単に、単品ごとに算出可能となる。そうすることによって、単品ごとに交叉比率をチェックし、投入在庫当りの利益の薄い問題の単品をすぐに発見でき、その単品の在庫PI値か粗利PI値を改善すれば、さらに交叉比率を改善することが可能となる。

  在庫の単品管理はその意味で粗利PI値と連動させることによって、交叉比率の算出に発展し、売上の改善だけでなく、投入在庫効率の改善に結びつけることが可能となる重要な課題であることがわかる。もちろん、単純に在庫の単品管理をPI値の高い商品は在庫PI値を高く設定し、逆にPI値の低い商品は在庫PI値を低く設定することによって、欠品、鮮度を改善し、結果的にPI値アップにつなげることも可能であり、これは自動発注にも結びつくことにもなる。

  一方、売場の単品管理については、売場ごとに商品の販売個数と販売金額を把握することであり、尺数当りの数量、金額を店舗のあらゆる販売場所で明確にすることである。これにより、尺当りの効率が明確になり、どの場所が効率的に商品が展開されているか、逆に、どの場所が非効率的に商品が配置されているかが一目瞭然となり、それを改善することによって、売場に無駄なスペース、無理なスペースがなくなり、売場の活性化が進んでゆく。この売場の単品管理と商品の単品管理を連動させると、一般的には無駄なスペースの場所は鮮度劣化を起こす商品が多く、逆に無理なスペースには欠品を起こす商品が多くなることがあり、これらは売場の単品管理を見直さないと解決できないといえる。すなわち、無駄なスペースは縮め、その開いたスペースに無理なスペースを広げ、全体の最適化をはかることが売場の単品管理のポイントである。

  そして、この3つの単品管理、商品、在庫、売場の単品管理が最適な指標で管理されたときに、商品の欠品、鮮度が改善され、無駄な在庫が減り、収益が改善し、無駄なスペース、無理なスペースが改善され、顧客にとってもっとも満足度の高い食品スーパーマーケットに近づいてゆくことになる。単品管理は商品からはじまるが、商品の単品管理が一段落したら、在庫の単品管理、売場の単品管理に踏み込み、マーチャンダイジングの改善を行い、顧客満足度の高い食品スーパーマーケットを目指して欲しい。

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January 18, 2007 in 経済・政治・国際, PI値 | | Comments (0) | TrackBack (0)

December 14, 2006

客単価と振り子の原理、売場で振り子を振ってみよう!

  客単価はPI値と平均単価の掛け算であり、客単価を上げるためには、PI値をアップさせるか、平均単価をアップさせるか、それとも双方をアップさせるかの3択問題となる。また逆に、平均単価がダウンした場合も、PI値がダウンしたか、平均単価がダウンしたか、それとも双方がダウンしたかの3つに原因が特定できる。すなわち、客単価とはアップした場合は3パターン、ダウンした場合も3パターンあり、合計6つに評価が分かれる。これが客単価の6段階評価法であるが、一般的には4つはすぐにわかるのだが、残りの2つが中々理解しにくい場合が多く、特に、これらを図解した場合、客単価=PI値×平均単価となるため、客単価はy=1/xのグラフの双曲線になり、この双曲線が客単価だと説明しても、中々ピンくる人は少ない。また、これは経済学の需要供給の法則と同じ、需要曲線のことだといっても、そもそも需要曲線事態が一般にはわかりにくいので、経済学のテキストを見てもよくわからないという場合もあり、結局、客単価がなかなかイメージできないということになり、これが客単価の科学的解明を遅らせてしまったともいえる。

  ところが、最近、ひょんなきっかけから、これらの説明よりもはるかにわかりやすい客単価の説明ができるようになった。まだ100%固まったわけではないが、これまでの客単価の説明に比べると、少なくとイメージしやすい客単価として説明することができるので、本邦初公開となるが、このブログで、客単価の新しいイメージを解説してみたい。先ほどパワーポイントで客単価の新しいイメージ図を作ってみたが、まあまあのできであり、もう少し工夫をするともっとわかりやすくなるかなというところまできた。

  さて、その新しい客単価のイメージ図であるが、それは客単価を振り子にたとえてみたイメージ図である。まず、一本の糸に錘(おもり)をつけ、まっすぐたらし、振り子をつくる。そして、この振り子を静かに、左右に揺らすと錘(おもり)の軌跡がちょうど扇形の狐を描き、左右に揺れ続け、振動を繰り返す。この錘(おもり)そのものが客単価であり、この錘(おもり)の振動の軌跡が客単価曲線である。客単価とは振り子が静止している時は錘(おもり)そのものであり、振動しはじめると客単価は錘(おもり)の軌跡となる。そして、振り子に向って、左側が平均単価の領域であり、右側がPI値の領域とみれば、振り子=客単価は、平均単価とPI値の領域へ入ったり、出たりしながら振動する。これが客単価の大まかなイメージ図である。

  そして、客単価がアップするとは、この振り子の糸を上にひっぱり上げることであり、逆に客単価がダウンするとは、この振り子の糸が下に垂れることである。すなわち、客単価アップとはこの振り子を揺らしながら、振り子を引き上げてゆく行為であり、逆に客単価が下がるとは振り子が揺れながら、下にさがってゆく行為のことである。このように客単価を振り子でイメージすると、客単価が2次元であることも理解しやすい。すなわち、客単価=PI値×平均単価であるので、客単価の錘(おもり)を中心に平均単価とPI値へ垂直に線を引いた正方形の面積が客単価であり、平均単価の方にゆれた時には、その錘(おもり)を中心に平均単価とPI値に直角に線をおろしたその長方形が客単価であり、同様に、PI値の方にゆれた時には、その錘(おもり)からPI値側と平均単価側に直角に線をおろしたその長方形が客単価である。錘(おもり)を支える糸の長さが同じであれば、真ん中の正方形も平均単価よりの長方形も、PI値よりの長方形も全部面積が同じになり、客単価は同じ大きさ、すなわち、この扇形の軌跡をゆれている間はどこに錘(おもり)が移動しても、その面積は一緒になる。ただ、厳密には双曲線と円弧との違いがあり、一緒にはならないが、イメージとしては、理解しやすいと思う。

  また、ここから、客単価をアップさせるとはその面積を大きくすることでもあるので、糸の長さを短くすることであり、それは錘(おもり)の軌跡が少し上にあがることでもあることがわかる。当然、逆に糸の長さが短くなった時が客単価の面積が小さくなり、客単価がダウンすることである。さらに、平均単価側にゆれた時、少しでも糸が短くなれば、PI値のみがアップして客単価がアップし、PI値側にゆれた時に少しでも糸が短くなれば、平均単価のみがアップして客単価がアップする。逆に糸が長くなった場合はダウンである。これに、糸が短くなってPI値も平均単価もあがった場合、糸が長くなって、PI値も平均単価も下がった場合を加えれば、客単価がアップする、すなわち糸が短くなる場合は3パターン、長くなる場合も3パターン、合計6パターンとなり、客単価の6段階評価も、振り子でたとえるとイメージしやすくなる。

  このように、この振り子の原理で客単価を説明すると客単価が振り子の軌跡のイメージとして理解しやすくなる。実務的にも売場に立ったらまず振り子をイメージし、トマト、マグロ、リンゴ、豆腐、豚肉、牛乳の前で振り子を振ってみて、バランスが悪ければ、その商品の客単価は低いと判断すれば良く、バランスのよい商品構成、売場であれば、客単価は高いと判断すれば良い。是非、売場に立ち、振り子を頭の中でふりながら客単価のチェックをしてみて欲しい。客単価の高い売場、低い売場が瞬時に判断できるものと思う。

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December 14, 2006 in 経済・政治・国際, PI値 | | Comments (0) | TrackBack (0)

December 09, 2006

過剰在庫、過小在庫を徹底排除せよ!

  12/8の日経に、「トイザらス赤字25億円、今期単独最終」、「過剰在庫の評価損計上」という記事が載った。最近、PI値も客単価アップへの活用だけでなく、在庫PI値を算出し、在庫削減にも取り組みはじめているので、この記事が気になってじっくり読んでみた。内容を見てみると、トイザらスの2007年1月度の単独最終損益が25億円の赤字になるという見通しであり、その理由は過剰在庫の棚卸し資産評価損を20億円特別損失に計上することにあるという。過剰在庫の中でも、今回の評価損に計上する在庫は、不稼働在庫のことで、今後、一定期間に販売が見込めないと判断した玩具に適用し、来期以降値下げ販売するという。金融機関でいえば、不良債権のことであり、一定期間内に回収見込みがたたない債権と同じことであり、今回のトイザらスの在庫はまさに、金融機関における不良債権といえよう。ちなみに、トイザらスは前期も長期借入金の前倒し返済に伴なう清算金を約15億円を計上し、最終損益が赤字になっており、2期連続の赤字という、厳しい決算予想といえよう。

  さて、今回のトイザらスの事例のように、過剰在庫は、最終的には評価損を計上せざるをえなくなり、特別損失が発生し、営業利益、経常利益が好調であっても、最終利益が圧迫され、あまりに過剰な場合は、今回のトイザらスのように、赤字になってしまう場合もある。過剰在庫はできるだけ速く見つけ出し、速く手をうつことが経営にとっては最優先課題のひとつといえよう。また、過剰在庫は、一定期間、資金が、商品販売によって回収されないまま、寝てしまうため、資金繰りの点から見ても、経営を圧迫することになる。今回の、トイザらスの事例では赤字は25億円であるが、過剰在庫の資産評価損はその内の20億円であるといい、この20億円が、本来、販売されれば、資金として使えるキャッシュであるが、これが寝てしまうわけであり、20億円はけっして小さい額ではない。このように、過剰在庫は、利益面から見ても、資金繰り面からみても問題であり、古くて新しい重要な経営課題のひとつといえよう。

  今回のトイザらスの事例は過剰在庫の問題であり、評価損という形で表面化し、それが特別損失に計上され、最終赤字という厳しい結果となり、過剰在庫が経営問題として認識された。しかし、在庫問題はもうひとつあり、過小在庫という問題も実は存在する。これは評価する仕組みがほとんどなく、表面化することがないため、経営への影響も不明確であり、実際問題として手が打たれることがほとんどないのが実態といえよう。仮に、過小在庫を測定できたとすると、これも過剰在庫と同様、経営に深刻な影響を与えていることが容易に想像できる。たとえば、過小在庫は、端的にいえば欠品を引き起こし、それが客単価ダウンにつながり、さらには、その商品の購入者が減り、客数ダウンをもたらすことになるといえよう。過剰在庫は評価損いくらと算定できるが、過小在庫は、客単価ダウンいくら、客数減何人、最終的に売上減いくらと評価できるのであれば、すべきであろう。今回、トイザらスの過剰在庫の評価損の金額が20億円であり、これは年商約2,000億円の1%にあたるので、過小在庫は過剰在庫の裏腹の関係であるので、年商の1%はあると推測できる。このように、本来、在庫管理は、過剰在庫だけでなく、過小在庫も同時に手をつけることがのぞましいといえよう。

  では、過剰在庫、過小在庫をどのような基準で判断したらよいだろうか。それが、まだ取り組み始めたばかりであるが、在庫PI値という指標でみるとわかりやすい。この在庫PI値で単品ごとに基準値をつくることにより、過剰在庫と過小在庫を同時に徹底的に排除してゆくことが可能となる。在庫PI値とは店内在庫÷客数のことであり、単品、小分類ごとに算出する。そして、この在庫PI値の全店平均をもとめ、在庫PI値が全店平均よりも異常に高い店舗は過剰在庫と見なし、即在庫削減を実施し、逆に、全店平均よりも異常に低い店舗は過小在庫と見なし、在庫を増やすように促してゆく。これを一定期間ごとに行うことによって、全店平均に在庫PI値を近づけてゆく。そして、ある程度の方向性が見えた段階で、今度は全店平均の在庫PI値の削減目標をつくり、在庫PI値の平均そのものも徐々にさげてゆけば、全店の在庫PI値も下がり、より、過剰在庫、過小在庫が減ってゆくことになる。また、この在庫PI値の良いところは、基準値が全店平均値をもとに決めれば、各店は各自、電卓ひとつで自分の店舗が過剰在庫か過小在庫かが在庫を数えて、客数で割ればわかることになり、過剰在庫の場合は削減のためのアクションプランをつくればよい。逆に過小在庫の場合は、発注を増やせばよいのであり、各自が単品ごとに適正在庫へのアクションが可能となる。

  実務上は細かい点が多々あるが、概ね、このように在庫PI値で単品ごとに過剰在庫か過小在庫かを各自が各店で見てゆけば、自然、過剰在庫も過小在庫も排除されてくるものといえよう。仮に現在、在庫を把握する仕組みがない場合は重点商品だけでも、各店から報告してもらい、その一覧表をつくり、在庫PI値で基準を示すだけでも、各店は過剰在庫、過小在庫対策が打ち易くなり、会社全体の過剰在庫、過小在庫を減らしてゆけるはずである。ちなみに、粗利PI値=在庫PI値×交叉比率であるので、粗利率が一定であれば、在庫PI値が減れば、理論的には交叉比率は上昇するので、在庫効率は格段とよくなるはずである。PI値もここへきて、やっと在庫管理への活用が見えてきたといえる。

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December 9, 2006 in 経済・政治・国際, PI値 | | Comments (0) | TrackBack (2)

November 22, 2006

PI値の将来について

  最近、PI値の奥の深さを改めて感じています。基本原理は極めて単純なのですが、突き詰めてゆけばゆくほど先があり、どの時点で実践投入するか、なかなか難しいものがあります。基本はMD方程式にもとづき、マーチャンダイジングを支援することにありますが、ここへ来て、様々な依頼をいただいたり、自らへ課題を設定して、勝手に挑戦をしたりしている中で、PI値がいくつかの方向に結実しつつあるのを感じています。ひとつは、利益改善の方向です。もうひとつは、客数アップの方向です。そして、もうひとつはwebへの応用です。この3つの方向が当面のPI値のすすむべき方向かなと、最近、感じるようになりました。

  まず、最初のひとつ、利益改善の方向ですが、これは結構やってみるとおもしろいです。即効性があり、数字がわかった瞬間、勝手に体が動いてしまうという感じです。PI値の活用は、客単価=PI値×平均単価からはじまりますが、この客単価に粗利率を掛けると粗利PI値となり、この指標を使うことによって、客単価アップから、粗利改善にテーマが変わります。客単価×粗利率=PI値×平均単価×粗利率、粗利PI値=PI値×粗利高となるわけです。さらに在庫が把握できると、在庫PI値が算出可能となり、この在庫PI値に交叉比率を掛けると粗利PI値になってしまい、粗利PI値を活用しての利益改善が、在庫PI値を活用することによって、在庫改善にも連動してしまうのです。在庫PI値=在庫高÷客数、交叉比率=商品回転率×粗利率=(売上高÷在庫高)×(粗利高÷売上高)=粗利高÷在庫高となり、これに在庫PI値=在庫高÷客数を掛けると交叉比率×在庫PI値=(粗利高÷在庫高)×(在庫高÷客数)=粗利高÷客数となり、=粗利PI値なのです。在庫PI値をもとに現場の在庫を確認してゆくと、即、交叉比率アップへとつながり、ひいては、粗利PI値、利益改善の流れをスムーズにつくることが可能となります。特に、在庫PI値で全店の平均を算出し、過剰在庫、過小在庫を把握すると、その数字がわかったとたん、現場へ飛んでゆきたくなる衝動がわくようです。先日もある責任者の方が、その場で電話を掛け、なぜ在庫が多いのかを現場に確認していました。現場の方もびっくりしたようで、いきなり、在庫多くない?ときかれ、とまどっていたようです。このように、在庫PI値は即効性があるPI値のひとつです。

  もうひとつはレシートデータ活用の方向です。これはPI値からPPIへという流れです。これまで、PI値は客数を細分化して活用することはまだまだ一般化していなかったのですが、ここへきて、レシートデータを活用しはじる企業が増えはじめたことです。また、レシート分析がもう一歩進み、レシートIDデータの活用も一部の企業で始まりました。この段階になるとリピートという概念が新たに加わり、これまでのPI値の指標がPPIとなり、ざっと数えただけでも数10種類に細分化され、しかもいくらでも新たな指標を作り出すことができるのです。これもほぼ理論的には完成の域に来たかと思いますので、どこかで、機会があれば本格的に実践投入してみたいと思います。特に、これまでの客単価アップから客数アップ、販売促進への活用が決め手になりそうです。

  そして、ごく最近取組みはじめたもうひとつのPI値はWebのPI値です。これまで詳細なアクセス解析ログが手に入らなかったので、中々WebPI値の開発が進まなかったのですが、ここへきてほぼ欲しいレベルの詳細なアクセス解析ログが手に入り、飛躍的に研究開発が進みはじめました。これもPI値、PPIの応用+αでほぼ解けそうなところまできました。特にWebの世界では、原則、平均単価という指標がありませんので、客単価という概念が存在しません。そのための、あらたな概念をつくり、指標化する必要があります。その基本概念が時間です。Webは時間というアナログをデジタル化し、金額のかわりに、時間を活用することがポイントなのですが、このデータが入手できなくて実は数年悩んでいました。やっとごく最近入手できましたので、PI値の時間への活用が可能となり、現在、鋭意研究開発中です。そう遠くない将来に研究成果を何らかの形で公表できるのではないかと思います。

  ということで、PI値も基本の客単価アップの支援から、粗利、在庫改善の方向、レシートデータ、レシートIDデータ活用によるPPIにもとづく客数アップの方向、そして、近未来のweb-PI値、時間のマーチャンダイジングへの応用が見えてきたといえます。本ブログでも、今後、食品スーパーマーケット最新情報に加え、PI値の研究成果も順次取り上げてゆきたいと思います。

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November 22, 2006 in 日記・コラム・つぶやき, PI値 | | Comments (0) | TrackBack (1)

November 18, 2006

経費PI値という概念、オオゼキの強さを見る!

  PI値という概念は様々な応用があり、これまで、ユニークなPI値を作ってきた。いずれも基本は顧客一人当たりの指標である。現在、食品スーパーマーケットで活用している主なPI値は、数量PI値、金額PI値が一般的であり、最近、粗利PI値が活用されはじめた。また、顧客をさらに細分化し、PPIという概念にもとづき、PPIの開発もここ最近では注目されつつある。食品スーパーマーケット業界も約60社が上場し、現在ではIRが進み、様々な経営指標が公開され、PI値を公表する企業も増えているのが実情である。そこで、ここでは原信ナルスホールディングス、関西スーパーマーケット、オオゼキの最新の中間決算数字をもとに、経費PI値での比較を試み、食品スーパーマーケットにおいては顧客一人当たりどのくらいの経費が何に使われているかの実情を見てみたい。

  先ず、経費PI値の考え方であるが、PI値はすべて、顧客一人当りの数値である。したがって、算出方法は、経費PI値=経費÷客数であり、経費金額と客数がわかればすぐに算出が可能となる。一般的に食品スーパーマーケット業界では経費の比較は売上構成比によって比較し、高いか低いかを比較するのが実態であるが、顧客満足度という観点から見ると経費PI値で見た方がその実態が実際の数字で明確になる。また、企業間比較もその方が分りいのではないかと思う。

  さて、今回は費用項目の公表の仕方が若干各社で違いがあるが、概ね、傾向はつかめるかと思う。まず、販売費および一般管理の総合計の経費PI値であるが、原信ナルスホールディングスが442.1円、関西スーパーマーケットが429.0円、オオゼキが293.9円であり、オオゼキの経費PI値が300円を切るという低さが際立っている。顧客が1人来店すると約300円の経費がかかるという数字である。原信ナルスホールディングスも関西スーパーマーケットも約400円強であるので、一般的な食品スーパーマーケットの経費PI値は約400円と見てよさそうである。ちなみに、粗利PI値であるが、原信ナルスホールディングスは518.2円、関西スーパーマーケットは417.3円、オオゼキは389.9円であり、原信ナルスホールディングスの500円強が最も高い数字である。この粗利PI値は商品の原価のみの数字で計算したため、不動産収入等は抜いた純粋な商品売上から得られる粗利PI値である。関西スーパーマーケットは粗利PI値が417.3円、経費PI値が429.0円であるので、不動産収入等を足して経費を補い、今期黒字を達成している。

  次に、各経費項目を比較して見ると、3社共通の人件費PI値であるが原信ナルスホールディングスは238.2円、関西スーパーマーケットは208.5円、オオゼキは165.8円であり、顧客一人当りの人件費も同様オオゼキが最も低いことがわかる。さらに、これを従業員1人当たり何人の顧客をカバーしているかを見てみると正社員1人当たり年間換算すると原信ナルスホールディングスが51,223人、関西スーパーマーケットが51,244人、オオゼキが38,637人とオオゼキの正社員比率が33%であるので、正社員の顧客フォロー人数が圧倒的に高いことがわかる。ちなみに、パートでみると、原信ナルスホールディングスが27,844人、関西スーパーマーケットが26,854人、オオゼキが78,464人であるので、当然であるが、逆の結果となる。

  このように、原信ナルスホールディングスと関西スーパーマーケットは極めてよく似た経費PI値であるが、オオゼキは正社員を中心に顧客への手厚いフォローを実現させつつ、人件費PI値も低く抑え、全体の経費PI値も300円を切る数字であることがわかる。ごく単純化すれば、オオゼキの経営は正社員を中心に顧客への手厚いサービスを行い、顧客の来店頻度を高め、客数アップを実現し、結果、全体の経費PI値を引き下げ、高い収益性を実現したといえよう。ちなみに、3社の長短借入金額のPI値を算出してみると、原信ナルスホールディングスが106.9円、関西スーパーマーケットが238.1円、オオゼキが8.8円であり、顧客一人当たり関西スーパーマーケットは200円を越える借入金があり、3社の中でも顧客一人当たりに対し、やや重い借入金額であることがわかる。

  経費PI値は顧客一人当たりの経費金額であり、この指標で経営を見直して見ると、顧客から得られた客単価をどのように配分して、最終収益につなげているかが絶対額で分り、各社との比較、過去との比較も明確であり、便利な指標のひとつである。顧客満足度を上げることは食品スーパーマーケットにとっては永遠のテーマであるが、そのためにも客単価と同様、顧客一人当たりの経費、すなわち経費PI値の活用は、顧客に基点を置いた経営を実践する上において重要な指標のひとつといえよう。

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November 18, 2006 in PI値 | | Comments (1) | TrackBack (0)

August 26, 2006

日別MD評価表の活用方法

  MD評価表はマーチャンダイジング(MD)を評価するための数表のことであるが、その評価のポイントは客単価である。客単価=PI値×平均単価であるので、MD評価表を見て、客単価が上がっている場合、下がっている場合を見比べ、その原因をPI値か平均単価で見極めてゆく。そして、その商品のマーチャンダイジングの検証をすると同時に、次の仮説構築へとつなげてゆくのがMD評価表の活用方法である。MD評価表には様々な帳票があるが、大きく分ければ、全店舗の商品を店舗ごとに評価する各店舗比較のMD評価表と商品を時系列で評価する時系列比較のMD評価表とに分かれる。その中で最も検証に適したMD評価表が時系列比較のMD評価表の中の日別MD評価表である。特に、店舗ごとに日別MD評価表を作成し、チェックすることにより、その店舗におけるマーチャンダイジングの実態をつぶさにつかむことができ、精度の高いマーチャンダイジングの検証が可能となる。

  一般に日別MD評価表とは横軸が日別、曜日別に客単価、PI値、平均単価が並び、縦軸に評価対象の個々の商品の一覧が並ぶ帳票である。1商品につき、評価、客単価、PI値、平均単価の4つの枠で構成され、個々の商品の合計にはさらに客数の枠が加わる。評価については客単価の6段階評価を使ってもよいが、最近わかりやすい評価としては、評価対象期間の平均値に対しての乖離率、すなわち、その日、その日が平均値の何倍になっているかを表すという帳票なども工夫されており、検証しやすい評価指標をつくると良い。一枚の帳票は最低4週間は欲しいところだ。5週間あればなお良いが、帳票を印刷した場合、文字が小さくなりすぎ、実務上使えなくなってしまう。また、日別MD評価表はマーチャンダイジングの精度の高い検証を目的としているため、商品も小分類で見ることがポイントである。たとえば、刺身盛合せという小分類でいえば、縦軸に各刺身盛合せの単品が並び、一番上に刺身盛合せの合計が来るという帳票となる。

  では、この日別MD評価表からどのようにマーチャンダイジングが検証できるかをみてみたい。まず、はじめに目をつけるのは、商品の合計の客単価の推移である。刺身盛合せであれば、刺身盛合せ全単品合計の客単価の推移である。この時、評価が平均客単価との乖離率になっていればその判断も早い。ざっと見て、150%以上の日、100%以上の日を瞬時につかむことがポイントである。もちろん商品によっては120%、100%等となるが、刺身盛合せの場合は、極端な日別曜日別格差が生じる傾向の高い商品であり、150%、場合によっては200%ということが頻繁に起る傾向がある。逆に150%以上の日を作れなければ、それだけで刺身盛合せのマーチャンダイジングは失敗しているといってもよい。

  そして、次のチェックポイントは合計が150%以上、100%以上の日に貢献した個々の商品を抽出することである。実際に日別MD評価表を見てみると、その日の縦軸の商品を追っていくと一目瞭然である。これも平均値と比べ、150%、場合によっては200%の商品が次々にピックアップされる。刺身盛合せでいえば、全体の平均単価に近い商品から数品、平均単価よりも高い商品が数品、逆に低い商品から数品とピックアップされることが多い。PI値を横軸、平均単価を縦軸にしてグラグをつくれば、右下の○○ゾーンから数品、左上の○ゾーンから数品、真ん中の○○○ゾーンから数品がピックアップされることになる。逆に言えば、この領域からピックアップされなければ、客単価が150%を越えることはまずないといってもよい。

  このように150%以上の時の全体に貢献度の高い商品を次々にピックアップすると全体の数字を150%にするためにはどのような商品をどのような数字にもっていかなければならないかが明確になる。そして、今度はその全体に貢献度の高い商品を横軸に見ることによって、その商品の日々の管理状況、販促状況が一目瞭然となる。当然であるが、全くデータが上がってこない0の日は欠品というとになるし、100%を優に越えた日、逆に100%を大きく下回った日等がわかってくる。そして、そのような時の全体合計を見るとその商品の数字が全体の数字にどのように貢献しているかがわかってくる。

  このように、日別MD評価表をじっくり見ることにより、マーチャンダイジングの本質が鮮明に浮かびあがり、マーチャンダイジングを改善するとはどのようなことかが、個々の商品そのもので明確になり、逆に、マーチャンダイジングがうまくゆかない時も個々の商品がどのような状況の時かが明確になる。日別MD評価表はこのようにマーチャンダイジングの本質を理解するには最適な帳票のひとつといえる。

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August 26, 2006 in PI値 | | Comments (0) | TrackBack (0)

August 21, 2006

水道事業でPI値を活用!

  食品スーパーマーケット最新情報の週間版「まぐまぐ」で連載している客単価3D分析ミニ講座で水道事業のPI値活用の実態を取り上げた。水道事業では、昨年の10月に社団法人日本水道協会が日本水道協会規格として「解説水道事業ガイドライン(JWWA Q100)」を公表したが、その評価指標としてPI値が採用された。PI値といっても、Performance Indicatorの略であるが、実は、その中に正真正銘のPI値(Perchase Index)も2つほど使用されている。2001 給水人口一人当たり貯留飲料水量と2002 給水人口一人当たり配水量の2つであり、この2つは給水人口を分母にした指標であり、まさにPI値そのものである。水道協会が昨年からこのような指標をつくり、公表に踏みきったかについては、ガイドラインの中で、次のように述べている。PI値を活用することにより、「水道事業体は自らの状況を客観的に判断し、課題を分析して、その課題の解決を目指すことにより、水道事業を更に発展させることができるようになったといえる。そして、水道事業ガイドラインを広く水道事業体が理解して活用できるようにすることが求められている。」としており、PI値は水道事業発展のための根幹指標と位置付けているという。

  では、水道事業が掲げるPI値、Performance Indicatorとはどのような指標であるかを見てみたい。PI値の指標は現在、全部で49種類公表されており、随時見直し、名称変更、追加削除等が行われている。そして、この49のPI値の指標は5つの分類に分けられて整理されている。その5つとは、安心、安定、持続、環境、管理である。安心が3指標、安定が12指標、持続が29指標、環境が3指標、管理が2指標であり、合計49指標である。この中にPI値(Perchase Index)の2指標は安定の基本指標となっており、水道給水者=顧客に水道水を安定供給できるかいなかの判断の基本指標として位置付けられている。また、それぞれの指標は参考指標として全水道事業体を5%、20%、50%、80%及び95%に分割し、PI値ごとにどのくらいの事業体が占めているかを分りやすく数値とグラフにしている。また、参考数字として、10の事業体の実際の数字が掲げられており、PI値を算出した場合、自らはどのあたりに属しているかがわかやすくまとめられている。

  実際、この代表的なPI値指標である、まさにPI値(Perchase Index)、給水人口一人当たり貯留飲料水量を見てみると、200立方メートルで約2,000の水道事業所の約60%が入ってしまう現状であり、平均は150立方メートルであることがわかる。ちなみに、東京都は138.8立方メートルであり、ほぼ平均値であるが、坂出市は326.3立方メートルであり、貯留飲料水量が豊富に蓄えられているといえる。このようにPI値が活用しやすいようにまとめられており、水道事業を評価する上で参考となる貴重な資料である。

  PI値(Performance Indicator)にはこれ以外におもしろい指標もいくつかある。もっとも多い持続29指標の中には料金回収率があり、供給単価÷給水原価でPI値を計算しているが100%を切る事業体もあり、名古屋市の93.2%、豊中市の92.0%などがある。また、技術職員率、水道業務経験年数度、職員1人当りメーター数などというユニークなPI値もある。また、通常の経営指標もそのままPI値に取り入れられており、流動比率、固定比率、自己資本構成比率等もある。

  このように、水道事業では昨年度から本格的にPI値(Performance Indicator)として5分類49の指標を作成し、各水道事業体のPI値を算出し、それぞれの水道事業体が簡単に計算でき、自らの事業体がどの位置にいるかが判断できるような体制が整った。そして、その中にPI値(Perchase Index)も2つであるが採用され、活用がはじまった。まだ、はじまって1年を経過していないが、水道事業が顧客の声を考慮して経営を考えてゆく方向が打ち出された意義は大きいといえ、今後、様々な行政活動にもPI値を活用することができることを示したといえよう。水道事業のPI値が今後どのように発展してゆくかが楽しみである。

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August 21, 2006 in PI値 | | Comments (0) | TrackBack (0)

August 06, 2006

黒烏龍茶(サントリー350ml)に注目!

  8/4の日経MJで恒例の週間売れ筋ランキングが公表された。本ブログでも何度か取り上げているが、黒烏龍茶(サントリー350ml)が客単価787円、カバー率99.5%という驚異的な数字を維持し、13週以内に発売された全商品の中でも断トツのトップであった。しかも平均単価が158円という高目の価格であり、価格訴求がかかっていない中での数字である。客単価787円という数字はグロサリー全商品の中でもトップクラスであり、食品スーパーマーケットで取り扱う生鮮、日配を含む全商品約10,000品目の中でも500位以内には入る超売れ筋といってよい。日経MJのランキングの中では7週連続1位を維持しているという。発売が5/14であり、日経MJの新製品の定義は13週間以内ということであるので、そろそろランキングから外れる時期であるが、この時期でも1位をキープするのは並大抵なことではない。しかも、カバー率が99.5%とこれも全売れ筋商品の中で一番である。各食品スーパーマーケットも最重点商品として取り組んでいるということであろう。ひさびさの本格的なヒット商品といえよう。

  実際、この客単価787円という数字を食品スーパーマーケット各社の売場で活かすには、どうしたらよいだろうか。そのためには、まず、通常の客単価に換算することと、この数字からPI値を逆算し、発注、棚割り、フェイシングに結びつけることがポイントである。今回のデータは首都圏の食品スーパーマーケット約33チェーン、約200店舗、しかも、カバー率が99.5%のデータであることから、ほぼ全店で導入された商品とみてよい。したがって、平均客数を2000人/日で見れば、5/14から今日までおよそ100日であるので、延べ20万人の消費者のデータといえる。したがって、信頼度はかなり高いといえよう。

  まず、客単価であるが、この787円は1,000人当りであるので、通常の客単価は1/1,000となり、0.78円となる。0.78円は店舗全体の客単価が食品スーパーマーケットでは約2,000円であるので、その中の0.78円が黒烏龍茶(サントリー350ml)の客単価ということである。平均単価が158円であるので、PI値は逆算すると0.78円÷158円で0.49%=約0.5%である。これで、黒烏龍茶(サントリー350ml)の基本数字が算出できた。すなわち、黒烏龍茶(サントリー350ml)の客単価は0.78円、PI値は0.5%、平均単価は158円という基本数字である。

  では、この基本数字から実際の販売に活かす方法を考えてみたい。まず、1日どのくらい売れるかであるが、PI値が0.5%であるので、平均的な食品スーパーマーケットでは客数が2,000人/日であるので2,000人×0.5%=10本と見てよい。先にも言及したが、平均的な食品スーパーマーケットで1日10本以上売れる商品は生鮮、日配を含めても500品もないのが実態であり、この10本という数字は新商品としては驚異的な数字である。したがって、欠品を起こす可能性が高く、お客さまに迷惑がかかるだけでなく、チャンスロスを発生させ、売上に大きく響く可能性が高い。ここまでPI値が高い商品はこの商品の売上だけではなく、その商品と同時購買をする残り10品近くの売上にも影響し、商品だけの問題ではなく、顧客カット、すなわち、顧客を失いかねない最重点商品といってもよい商品である。したがって、棚割の中でも最優先、最大フェイシングが必要な商品といえる。週2回程度の発注であれば、5日在庫ぐらいは確保したいところで50個は売場に在庫を確保したい商品といえよう。冷蔵ケースの奥行きをおよそ10本とすれば、5フェイスは確保したいところである。当面、エンドの積みっぱなしでもよいくらいだ。

  このように、発売以来10週間近く経過し、客単価が500円(0.5円)以上を維持し、カバー率が90%を越える商品は即、自店に導入し、最重点商品として、発注、棚割、フェーシングを充分に確保し、最優先で取り組んでよい商品である。今回の黒烏龍茶(サントリー350ml)はその意味でひさびさのヒット商品といえよう。

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August 6, 2006 in PI値 | | Comments (0) | TrackBack (0)

July 29, 2006

日経POS、週間売れ筋ランキング発表!

  7/25の本ブログで2006年の上半期の新製品売れ筋ランキングを取り上げたが、7/28、日経MJで週間の新製品売れ筋ランキングが特集された。週間売れ筋とは13週間以内に調査対象の食品スーパーマーケットに登場した商品であり、その商品の中から、今週のランキングを客単価(1000人当り)で算出したものである。そこで、本ブログでは、2006年上半期の新製品の売れ筋と今週の新製品の売れ筋ランキングを比較しながら、いま、食品スーパーマーケットで導入すべき新製品候補を取り上げてみたい。なお、週間版の公表データは上半期版と若干異なり、PI値が算出されていない。そのため、本ブログでは客単価と平均単価から逆算して、参考数字としたい。また、上半期版にはなかったデータとしてカバー率が算出されている。これは、調査対象店舗、約30チェーン、約200店舗の中で何%の店舗がすでに新製品を導入しているかの割合を表したものである。

  なお、日経MJの新製品売れ筋ランキングをみる場合のひとつの目安であるが、1000人当りの客単価の場合は、500円以上(客単価0.5円)が超売れ筋Aランク商品とみてよい。200円~300円以上(客単価0.2円~0.3円)がBランク、それ以下がCランクとみてよい。通常のグロサリーは300円以上を売れ筋とみてよいが、日経MJで取り上げている商品群は冷凍食品、菓子などの客単価の低い商品群も取り上げているので、200円までランクを下げた方がよいかもしれない。

  では、まず、飲料の今週の新製品売れ筋ランキングをみてみたい。上半期ランキングで0.5円を越えた商品はサントリーの黒烏龍茶PET350mlと花王のヘルシアウォーターPET500mlのグレープフルーツ味の2品であったが、今回の週間売れ筋ランキングではこの2品に加えて、緑茶伊右衛門、濃いめ、500mlペットが加わった。何と702円である。7/15に登場したばかりの新製品であるため、販促がかかったものとみえ、平均単価が93円であり、PI値も0.77%である。カバー率も92.7%と高く、注目度も高いといえよう。ただし、いまは初回購買が進んでいる状況であるといえ、今後、数週間たってリピート購買に入った場合をみてみないと、現時点では何ともいえないが、現時点では非常に高い支持を受けているといえよう。

  次に、菓子であるが、上半期のランキングでは200円を越える新製品はなかったが、今週のランキングでは3品入ってきている。7/15に登場したロッテ商事のコアラのマーチ牧場ミルク242円、上半期No.2であった鶴田食品工業のマンナンライフ蒟蒻畑ぶどう味25g×12 229円、カルビー夏ポテトこだわり浜御塩85g224円である。いずれもカバー率が約90%、夏ポテトは98.4%と菓子の中ではカバー率No.1である。

  そして、その他の冷凍食品、その他食品、家庭用品であるが、500円を越えた新製品は上半期にも登場したカネボウ化粧品のブランシールホワイトニングコンクルージョン40mlの美容液824円、1品のみである。これ以外の新製品では、ユニリーバー・ジャパンのラックススーパーダメージぺアシャンプー&コンディショナー&ヘアパックセットであり、398円である。また、その他商品の中で、日清食品、カップヌードル夏の辛口、スパイシーチリ76gが294円、明星食品の一平ちゃん香ばしネギ醤油味86gが216円と検討している。残念ながら冷凍食品ではNo.1が121円のアイスクリームの森永乳業のエスキモー、ピノミント10ml×6粒であり、200円を越える商品は1品もない。また、これら商品群はこのように売れ筋がはっきりしないため、新商品であってもカバー率も50%前後であり、単品でヒット商品を生み出すのは至難の業である。なお、週間版では酒のデータは公表されていないのが残念である。今後、酒は自由化が決まっており、ほぼ100%の食品スーパーマーケットで取り扱われる商品となるため、この秋以降は注目の商品群である。

  このように、食品スーパーマーケットとしては、日経MJの新製品売れ筋ランキングの週間版をチェックするポイントとしては、客単価500円以上でカバー率が90%以上、かつ、登場日が5週以上のものは即導入すべき商品とみてよい。また、次のBランク、200円から300円が次にチェックすべき新製品といえよう。そして、その中でも先週比が横ばいか伸びている商品は特に要チェックである。今回、本ブログで取り上げた10品はまだ未導入の店舗は即導入を検討してよいといえよう。

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July 29, 2006 in PI値 | | Comments (0) | TrackBack (1)

July 27, 2006

コンビニ業界と食品スーパーマーケットの客数と客単価の違い!

  7/26の日経MJで第27回コンビニエンスストア調査の結果が公表された。この調査は全国のコンビニエンスストア56社に日経MJが調査表を送付し、有効回答のあった52社の様々な数字のランキングをまとめたものである。今回の調査の結果、日経MJでは現在のコンビニ業界を象徴するキーワードをいくつかあげている。主な見出しを拾ってみると、「コンビニ全世帯対応へ」、「停滞打破、中高年など開拓」、「セブンやファミマ業態転換には慎重」、「既存店不振、成長鈍る」、「セブン、際立つシェア」等である。

  ここから浮かび上がるコンビに業界の現状は、既存店が伸び悩み、成長が鈍り、厳しい経営環境にある。そして、その停滞を打破するために全世帯への需要開拓が課題となっており、新業態の開発に取り組みはじめた。ただし、最大手のセブンイレブン、ファミリーマートは業態転換には慎重であり、特にセブンイレブンは既存の業態での全国展開に力を入れ、際立ったシェアを獲得しつつある。今回の調査結果から読み取れる現状のコンビニの概況は以上のようにまとめることができよう。

  では、コンビニとは食品スーパーマーケットと比べどのような特徴があるのかを、今回の調査データの中の客数と客単価に着目してみてみたい。日経MJで公表されたデータにもとづき、コンビニ主要20社の客数と客単価との相関図をつくってみると、見事にy=1/x上にすべての店舗が並ぶ。全体の平均値は客数が約900人/日、客単価が約500円、売上が45万円/日である。セブンイレブンはこのグラフの中では見事に真ん中のゾーン、客数も客単価も高いゾーンであり、客数985人/日、客単価636円であり、真ん中よりやや客単価の高めの位置にある。

  一方、客数が高く、客単価の低いゾーンには東日本キオスクが位置し、客数1730人/日、客単価342円である。このゾーンには他に小田急電鉄、客数1473人/日、客単価377円や阪急電鉄、客数1260人/日、客単価336円が入っており、見事に電鉄系のコンビニが固まっている。いわゆる駅のホームでのコンビニはいかに客数をさばくかが売上の決め手となっており、客単価はコンビニ業界最低でも、客数を最高にもってゆくことにより経営のバランスをとっているといえよう。ちなみに、このゾーンのコンビニで客単価の高い企業は一社もない。

  もう一方の客数が低く、客単価の高いゾーンには北海道のセイコーマートのハセガワストアが18店舗という店舗数ではあるが、客数633人/日、客単価852円である。また、北陸酒有連がやはり店舗数は10店舗と少ないが客数235人/日、客単価850円と、今回の調査の中では最も客数が少ないコンビニである。このゾーンにはもう1社、千葉県で67店舗を展開しているコスモスジャパンがあり、客数405人/日、客単価705円である。ちなみに、このゾーンのコンビニで客数の高い企業は1社もない。

  そして、残りのコンビニチェーンはほとんど真ん中に固まっているが、さらに細かくみると、真ん中のゾーンの中でも、y=xの傾向があり、客単価の高い企業ほど、客数も多いという傾向のように見える。

  これを食品スーパーマーケット業界と比べてみると、食品スーパーマーケットの客数と客単価のほぼ平均値は客数2000人/日、客単価2000円であり、ちょうど、セブンイレブンの数字の約2倍強となる。コンビニの商品構成は食品スーパーマーケットと比べ、決定的に違う点は生鮮3品であり、食品スーパーマーケットの生鮮3品の売上構成比は40~50%であることを考えると、食品スーパーマーケットから生鮮3品を引くと、客単価は約半分になり、当然、生鮮3品を購入する顧客も半分と考えると、客数も半分になる。

  このように考えるとコンビニの業績改善は食品スーパーマーケットに近づき、客単価、客数を無理に増やしてゆくよりも、現状の客数、客単価の最適バランスをとり、客数、客単価を微妙に改善しながら、店舗数を極限まで増やしてゆくセブンイレブンのような手法がコンビニの本質に沿った無理のない経営戦略のように思える。セブンイレブンの全国シェアが際立つ傾向が今回の調査では鮮明になりつつあることが、このことを裏づけているといえよう。

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July 27, 2006 in PI値 | | Comments (0) | TrackBack (0)

July 24, 2006

視聴率とGRPについて

  今週の食品スーパーマーケット最新情報の客単価3D分析ミニ講座の中で視聴率についてとりあげ、視聴率はPI値そのものであるが、最近では個人視聴率という指標が活用されはじめ、これが、PPIのことであることを解説した。今回、改めて、視聴率について調べてみたが、実はその中で、客単価3D分析ではないが、客単価そのものと同じ数式であらわされる指標をみつけた。GRPである。GRPは以前から気になっていたが、あまり深く調べてみることはなかった。改めて調べてみると、GRPは客単価そのものといってもよい指標であることがわかった。そこで、ここでは、GRPについて、客単価との関係を取り上げてみたい。

  GRP(Gross Rating Point)は一般には広告効果の測定指標のひとつとして開発された指標であり、1分ごとの視聴率の番組時間当りの総和を表したものである。数式では、視聴率=GRP÷番組時間であり、これを変形すると、GRP=視聴率×番組時間となる。たとえば、ビデオリサーチのホームページをみると、様々な番組のGRPが公表されているが、日本テレビ開局50年金曜特別ロードショー・千と千尋の神隠しのGRPは7460%であり、視聴率は46.9%、番組時間は159分である。したがって、千と千尋の神隠しは7460%=46.9%×159分と表すことができる。客単価の基本公式は客単価=PI値×平均単価であるので、視聴率をPI値とすれば、番組時間は平均単価となり、GRPは7460%となる。すなわち、千と千尋の神隠しの客単価は7460%で、PI値は46.9%、平均単価は159分と見ることもできる。ここで、7460%は74分と置き換えても同じであり、千と千尋の神隠しの客単価(客時間?)は74分ということになる。すなわち、千と千尋の神隠しを見た人も見ない人も含め、千と千尋の神隠しを平均74分は見たということである。

  実際、視聴率は対照番組視聴世帯数÷テレビ視聴世帯数で割って算出し、これに対照番組時間を掛けると、(対象番組視聴世帯×対照番組時間)÷テレビ視聴世帯数となり、テレビ視聴世帯数1世帯当りの対象番組の総視聴時間となる。これはまさに客単価そのものであり、さらにこれに、テレビ視聴世帯数である総客数を掛けると、売上、すなわち、対象番組視聴世帯の総視聴時間となる。これまで、視聴率には平均単価がないと思っていたが、実はテレビ業界は金額よりも時間がキーワードであり、平均単価ではなく、番組時間が決め手であることがわかる。このように考えると、GRPは客単価そのものといってもよく、客単価の金額の変わりに、時間で置き換えたものといえよう。したがって、GRPを算出することにより、視聴率の世界も客単価2D分析のノウハウを活用することが可能となり、今後、さらに、一部始まっているが、客単価3D分析のノウハウを入れることにより、視聴率も様々な活用が可能となろう。

  ビデオリサーチのGRPの公表データを見るとおもしろいことがわかる。先ほどの千と千尋の神隠しは2003年度の関東地区の年間No.1の視聴率であり、46.9%であったが、GRPで見ると、千と千尋の神隠しを越える番組がいくつもあることがわかる。視聴率では31.5%と年間No.5の新春スポーツスペシャル・第79回東京箱根間往復大学駅伝競走・復路はGRPではNo.1の12,461%(124時間)である。PI値では15%も差があるが平均単価である番組時間が千と千尋の神隠しが159分であるのに対し、東京箱根間往復大学駅伝395分と2倍以上の時間であるため、客単価であるGRPでは勝ってしまったのである。客単価6段階評価をすると、千と千尋の神隠しは○○○の真ん中に位置するのに対し、東京箱根間往復大学駅伝は○の左上に位置し、しかも、客単価は極めて高いという結果である。

  このように視聴率もGRPという平均単価である番組時間という概念を加えることにより客単価分析ができるようになり、番組の評価を単純な視聴率だけでみる見方から、時間という概念を加えた2次元分析でみることができるようになった。今後、GRPという客単価分析が視聴率の世界でもますます重要な指標となってゆくものと思う。

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July 24, 2006 in PI値 | | Comments (0) | TrackBack (0)

June 17, 2006

POSデータ共有による小売とメーカーとの協業状況を見る!

  最近、小売業がPOSデータをメーカーに開示し、そのデータにもとづく、小売業とメーカーとの協業活動が活発になりつつある。すでに、アメリカではウォールマートがリテールリンクという仕組みを完成させており、様々な成功事例があるが、日本では、ウォールマートの傘下となった西友が全面的に採用し、商品開発、売場づくりなどマーチャンダイジングに活用がはじまりつつある。また、以前からセブンイレブンのチームマーチャンダイジングは有名であり、セブンイレブンの新商品開発にはPOSデータが活用されている。食品スーパーマーケットでも、最近では様々な仕組みが開発され、バローをはじめ有力食品スーパーマーケットがメーカーへのPOSデータ開示を始めた。

  このような動きの中で、ユニークなPOSデータの開示を行っているのがコープ札幌である。コープ札幌では、数年前から、メーカーにPOSデータを開示し、POSデータに基づいたメーカーと共同でのマーチャンダイジング勉強会を開催している。その名も「コープ宝箱」というユニークなネーミングであり、最近では「コープ玉手箱」も開発され、ここではちらしの情報を開示しはじめた。特に、ちらしに関しては、コープ札幌はもちろん、北海道の有力企業である北雄ラッキー、札幌東急ストア、イオン、アークス(ビックハウス)、イトーヨーカ堂の店価格別チラシ掲載件数、産地別チラシ掲載件数、週別品目価格産地別掲載件数などを指定すればデータが簡単に集計され、グラフにもなるという。実際、これらの企業のちらしが北海道で頒布されるとすぐにデータが入力され、閲覧可能になるという。このように、POSデータをメーカーと共有する試みは大変ユニークであり、今後の食品スーパーマーケット業界にとっても大変参考になる試みである。

  では、「コープ宝箱」では、実際、どのようにPOSデータが開示され、それをもとに協業するメーカーがどのような提案を行い、また、共同のマーチャンダイジングの勉強会をどのように開催しているのかを見てみたい。

  まず、POSデータの開示内容であるが、まず基本データとしては、日別1095日、週別156週、月別36ケ月と3ケ年のデータをもとに分析が行われる。これらが、大きく商品売上分析と店舗係数分析に分かれる。商品売上分析ではベスト分析、アクト分析、単品照会に別れ、それぞれ地区別、店舗別に単品の日別、週別、月別に商品が見れるという内容である。また店舗係数に関しては、売上、数量、平均単価、客数が店舗ごと、部門ごとに見れるという内容である。したがって、客単価2D分析が可能であり、実際、メーカー側の提案にはPI値はもちろん、金額PI値(客単価)も活用されている。

  次に、この詳細なPOSデータをもとにメーカがどのような提案をしているかであるが、今年の春にハウス食品から提案された「生鮮PI値と洋風スパイスPI値を絡めて検証」という内容が興味深い。ハウス食品では、コープ札幌のPOSデータをもとに、精肉と洋風スパイスのPI値にもとづく相関図を作成し、精肉と洋風スパイスが正の相関になることを実証した。そして、この検証結果にもとづき、精肉の強い店で洋風スパイスの弱い店に洋風スパイスの強化を提案するなどを行ったという。

  このような提案をもとにしたマーチャンダイジング勉強会をコープ札幌では年5~6回、畜産、水産、農産、日配で開催しており、毎回、数社がコープ札幌のPOSデータをもとにプレゼンを行っている。既に、今年のスケジュールも決まっており、農産は4回、水産は5回、畜産は6回、日配は6回の予定である。

  コープ札幌では最近、この延長として、さらにユニークな試みとして、電子商談もはじまっている。各バイヤーが逆オークションで商品を指定し、メーカが応札し、最も安い値をつけたところが落札するというネットを活用した仕組みである。すでに、383社が参加し、414回の逆オークションが開かれ、30億円以上の商談が成立したという。

  このように、最近では、日本独自のIT活用のユニークな仕組みが生まれつつあり、食品スーパーマーケットでもPOSデータが自社のマーチャンダイジングへの活用だけでなく、メーカーとの協業体制構築への活用がはじまりつつあるといえよう。

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June 16, 2006

重点商品を考える!

  客単価3D分析の基礎理論が完成し、最近では、実際のデータを分析する機会が増え、いよいよ、客単価3D分析も実践段階に入りつつあるといえる。その中で、客単価3D分析がこれまでの、客単価1D分析、2D分析と決定的に違う点が浮かび上がりつつある。それは、重点商品という考え方の違いであり、また、その考え方にもとづき実際に選定された重点商品の違いである。結論からいうと、客単価2D分析で重点商品を選定した場合、どこまでいっても、何度やっても客単価3D分析で選定した重点商品と比べると、10~15%ぐらいすり抜けてしまう商品がでてくる。客単価2D分析の網の目をすり抜けてしまうのである。そして、この10~15%の商品が実は決定的な商品である場合が多く、これを何とか客単価2D分析でカバーしようとすると、今度は余計な商品が入り込んでしまい、重点商品の純度が落ちてしまうのである。

  ではなぜ、このようなことが起るのか。それを突き詰めてゆくと、答えは、重点商品とは何かという根本的な問題に突き当たる。根本的な問題とは重点商品の選定根拠である。従来、重点商品というと単に売れている、顧客から支持がある、儲かる、あるいは売れて儲かるなど様々な定義があり、それぞれの考え方にもとづき重点商品を選定してきた。たとえば、売れているというと売上金額ベスト、売上数量ベストにもとづき重点商品を選定することになる。顧客から支持があるというと、PI値ベストにもとづき重点商品を選定することになる。売れて儲かるというと、売上金額ベストと粗利金額ベストの組み合わせで重点商品を選定することになる。ちなみに、客単価2D分析の場合は、客単価ベストでまず選定し、次にPI値を優先してどこまで追加するかを決めて重点商品を選定するのが一般的である。

  しかし、これらどの方法で選んだにせよ、決定的に欠けているものがある。それは顧客の視点という考え方である。顧客の視点とは、選ばれた重点商品が本当に顧客が買っているのかどうか、いったい何人の顧客が買ってくれたのかという視点である。これは本当に商品1品1品を調べてみなければわからない数字であり、上記にあげたどの方法でも顧客が何人買ってくれたのかはつかめないのである。これを知るには、商品1品1品の顧客の数を数えるしかない。たとえば10個売れた商品があった場合、1人が10個買った商品も、10人が1個づつ買った商品も同じ10個売れた商品である。これをPI値で算出した場合も、同じ店舗であれば、全体客数で割るためPI値が全く同じになってしまう。でも10人が1個づつ買った商品の方が明らかに顧客の支持は高く、顧客の視点という観点から見た場合は、こちらが重点商品であり、1人が10個買った商品は顧客の視点という観点で見る限り重点商品とするには無理がある。

  すなわち、顧客の支持があるとは売上金額が大きい、売上数量が多いではなく、顧客の数が多い、これが顧客の本当の支持であり、本来、重点商品とは顧客の数で決めるべきものである。商品の本質とは、金額の大きいものを追いかけると、数量が見えなくなり、数量の多いものを追いかけると、顧客が見えなくなる。顧客の多いものを追いかけた時、はじめて商品の本質が見えるのである。また、金額と数量を組合わせても、顧客の多いものが浮かび上がるわけではなく、顧客の多いものをつかもうとすれば、それは商品1品1品の顧客の数を本当に数えるしかないのである。

  これが客単価3D分析を実践してみてつかんだ商品の本質であり、このように商品を顧客という視点から見直してみたとき、重点商品も顧客の視点から選定が可能となり、「重点商品=購入顧客の多い商品」と改めて定義することができる。仮に商品の購入顧客の数がつかめない場合でも、その商品は本当に顧客から支持されているのかを問い直して欲しい。繰り返し問い直し続けることによって商品の本質がつかめてくるはずである。

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June 16, 2006 in PI値 | | Comments (0) | TrackBack (0)

May 09, 2006

客単価は単品からはじまる!

  一般に客単価というとお店全体の客単価というイメージが強く、客単価は大分類にも、中分類にも、小分類にも、そして、単品にまで算出できるという認識がないのが現状である。食品スーパーマーケットでいえば、お店全体の客単価は約2,000円であることは誰でも知っているが、では、野菜全体の客単価は、牛乳の客単価は、豆腐の客単価は、トマトの客単価は、さらには、QPマヨネーズ500gの客単価はとなると、えっ、と詰まってしまう場合が多い。客単価とはお客さま1人当りの売上であるので、数式上は、客単価=売上÷客数で表されるので、どんな商品にも理論上は客単価は存在することになる。

  したがって、野菜の客単価は、野菜の売上÷客数であり、牛乳の客単価は牛乳の売上÷客数であり、トマトの客単価はトマトの売上÷客数であり、そしてQPマヨネーズ500gの客単価はQPマヨネーズ500gの売上÷客数である。ここで、よく混同されるのは、この客数は全体客数のことであり、その商品を購入している客数ではない。その商品を購入している人も、購入していない人も一緒にした全店の客数である。QPマヨネーズ500gでみれば、QPマヨネーズ500gの売上が5,000円/日であり、店舗全体の客数が2,000人/日の店舗であれば、5,000円÷2,000人で2.5円となり、これがQPマヨネーズ500gの客単価である。そして、これが客単価1D分析(1次元)である。

  このように客単価は単品にも存在し、この単品の積み重ねが、最終的に客単価2,000円となる。QPマヨネーズ500gの客単価2.5円からはじまり、トマト、豆腐、牛乳、青果というように1品1品が積み重なり、客単価が2,000円にまでなってゆくのである。したがって、客単価2,000円を2,001円、2,002円、・・2,500円にするには、商品1品1品の単品管理がポイントであり、QPマヨネーズ500gの客単価2.5円を2.6円、2.7円、3.0円と限界まで客単価アップをはかり、他の単品も同様に客単価アップをはかっていったとき、はじめて、全体の客単価がアップするのである。しかも、よくあることだが、単品同士は競合しあい、Aが伸びても、Bが落ちれば、A+Bは伸び悩んでしまう。単品の客単価アップだけに着目するのではなく、単品群、小分類に着目し、小分類の中のそれぞれの単品ごとの関係を把握しながら、小分類全体の客単価をのばしてゆくことが、全体の客単価アップのポイントである。QPマヨネーズ500gだけを伸ばすのではなく、マヨネーズ全体に着目し、マヨネーズ全体を伸ばすためにQPマヨネーズ500gをどこまで伸ばせばよいかを考えることである。

  このように、客単価が単品にまで存在していることが分ったなら、客単価をさらに深く落としこむと次のような数式で客単価を把握することができる。売上とは商品の点数と価格の掛け算であり、これを客単価の数式に当てはめると、客単価=売上÷客数=(点数×価格)÷客数となる。さらに、=(点数÷客数)×価格と置き換えると、客単価は、客単価=(点数÷客数)×価格となる。(点数÷客数)を一般的にはPI値とよぶ。これで、客単価は客単価=PI値×平均単価の2D分析(2次元)となった。QPマヨネーズ500gでいえば、(QPマヨネーズ500gの点数÷客数)×価格であり、先ほどの事例でいえば、(30個÷2,000人)×167円=2.5円となり、この場合、QPマヨネーズ500gは2000人/日の店舗で30個、167円平均で売れたという数字であり、その時の客単価は2.5円ということになる。

  さらに、このPI値をQPマヨネーズ500gのみを買った顧客だけでみた場合、PI値=(QPマヨネーズ500gの購入顧客÷全体顧客)×(QPマヨネーズ500gの点数÷QPマヨネーズ500gの購入顧客)と分解することができ、(QPマヨネーズ500gの購入顧客÷全体顧客)を客数PI値、(QPマヨネーズ500gの点数÷QPマヨネーズ500gの購入顧客)をQPマヨネーズ500gのみを買った顧客のみのPI値であるので、PPIとすれば、客単価は、客単価=PI値×価格=客数PI値×PPI×価格となり、3D分析(3次元)となる。QPマヨネーズ500gでいえば、QPマヨネーズ500gの客単価(2.5円)=PI値(1.5%)×価格(167円)=客数PI値(20人÷2000人)×PPI(30個÷20人)×価格(167円)=客数PI値(1%)×PPI(150%)×価格167円となる。すなわち、QPマヨネーズ500gは1%=20人の顧客に平均167円で、1.5個ずつ売れたということであり、これを25人、30人にしてゆくか、167円を170円、175円にしてゆくか、1.5個を1.6個、1.8個にしてゆくかにより、QPマヨネーズ500gの客単価2.5円をあげることができる。

  このように客単価は店舗全体だけではなく、単品にまで存在し、すべてにおいて、1D、2D、3D分析が可能となる。ただし、3Dはレシート分析が前提であり、全体客数のみの場合は2D分析までの客単価分析となる。

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週間!食品スーパーマーケット最新情報:まぐまぐ!スタート

May 9, 2006 in PI値 | | Comments (0) | TrackBack (0)

May 02, 2006

貝、海草にみる全国の消費実態の違いに驚き!

  食品スーパーマーケットにおける貝、海草は鮮魚部門が管理している商品であるが、加工がほとんどいらず、発注、仕入れによる商品であるため、中々しっかりした管理ができていない企業が多い。また、年間、カキのシーズン、ひなまつりのはまぐり、たけのこのシーズンにおけるわかめ、寒シジミのシーズン等の一部の期間を除けば、あまり大きな変動がなく、鮮魚部門としてもあまり力が入らない商品群といえよう。しかし、逆に、精度の高い発注、売上に応じたフェイスどりにもとづく棚割り、効果的な販売促進、健康・品質の違いを強調するPOPでの訴求等をしっかりかければ、貝、海草の数字は驚くほど改善するものである。そこで、貝、海草の客単価はどこまで改善できるのかを、最新の家計調査月報をもとにみてみたい。

  家計調査月報は1世帯当りの1ケ月間の消費金額が商品分類ごとに調査されたデータであるので、まず、食品スーパーマーケットの客単価と比較するために、1日当りの数字に返還することがポイントである。また、貝、海草については、かなり細かい商品分類になっており、貝では、あさり、しじみ、かき、ほたて貝、その他と別れ、海草では、わかめ、こんぶ、他の野菜・海草加工品と分類されている。ほぼ、食品スーパーマーケットの商品分類に近く、この家計調査月報の1日当りのデータと客単価を比較することにより、現状の客単価が高いのか低いのかの目安になるものと思う。

  実際、2006年3月度の全国の貝、海草の消費金額を算出すると28.4円である。貝が15.4円、海草類が13.0円となり、ほぼ半々というところである。貝の内訳は、あさりが4.2円、しじみが1.8円、カキが2.7円、ほたて貝が3.9円、その他となる。この時期、ほたてがかなり高い数字となるのが特徴である。もちろん、ほたては地域性があるので、一概にこの数字となるとは限らない。海草の内訳はわかめが6.1円、こんぶが3.2円、海草加工品が3.7円となり、海草加工品が高いのが特徴といえる。このように、全国の数字で見る限り、貝、海草は約30円と、3月度はかなり高い数字といえる。2000人/日の食品スーパーマーケットで1日60,000円ということになり、月間180万円、年間換算では2000万円を越える数字であり、貝、海草は重点管理商品といえよう。

  では、各地区での違いはどのくらいあるかを見てみたい。家計調査月報では県庁所在地別のデータも公表されており、そのデータをもとに貝、海草の実態をみると、貝、海草に関しては地域により大きな違いがあることがわかる。貝、海草の総合計のNo.1は松江市であり、全国平均28.4円のほぼ倍の43.2円である。No.2は青森市の40.2円、No.3は盛岡市の40.2円、No.4は徳島市の36.1円、No.5は金沢市の35.5円である。逆に、ワースト1は宮崎市の15.2円、ワースト2は熊本市の16.9円、ワースト3は那覇市の17.4円と九州、沖縄地区がワースト群となる。東京は12位の31.8円、大阪市は38位の24.0円である。

  また、この違いは何によるかをさらに細かく見てみると、松江市の強さは、わかめにあり、わかめが全国No.1の消費額であり、わかめだけで19.6円という異常値である。また、No.2の青森市はほたてが異常に高く、全国No.1であり、ほたてだけで13.9円の消費額である。この2つの都市をみただけでもわかるが、貝、海草は地域により消費額が全く違い、大きな地域差があることがわかる。

  たとえば、貝の強い地域はこの時期ほたて派とカキ派にわかれ、ほたて派は東北に多く、青森市、札幌市、山形市等であり、カキ派は新潟市、高松市、千葉市、広島市等である。さらに、あさり派としじみ派もあり、あさり派は佐賀市、甲府市、大分市であり、しじみ派は松江市、鳥取市、水戸市である。同様に海草についてもわかめ派とこんぶ派があり、わかめ派は松江市、徳島市、金沢市であり、こんぶ派は大津市、富山市、大分市である。

  このように貝、海草は消費実態が全国全くといってよいほど違い、地域性の非常に高い商品であり、しっかり顧客のニーズをつかみ、商品管理を徹底するとが客単価アップのポイトである。

May 2, 2006 in PI値 | | Comments (0) | TrackBack (0)

April 01, 2006

マックスバリュ東海のマーチャンダイジング戦略!

  現在、マックスバリュ東海は、食品スーパーマーケット業界の中でも最も元気のよい企業の1社といえる。ここ数ケ月の昨年対比の売上をみても直近の2月度が122.5%、1月度が120.4%、12月度が118.5%と好調であり、既存店も100%を越えている。その背景にあるのは、積極的な新規出店政策であり、昨年度からはじまった3ケ年計画では、スクラップ&ビルドを含め、30店舗の新規出店をめざしており、さらに、今後は、週末集客タイプのNSC(ネバーフッドショッピングセンター:郊外型SC)にも力をいれてゆくという。また、もう一方では、平日強化型のきめ細かなマーチャンダイジング政策を実施し、近隣からの来店頻度を上げ、集客をはかる政策をもめざすという。

  直近のマックスバリュ東海の業績であるが、3/24に2006年2月期の業績修正が公表された。それによると、売上は874億円(116.6%)、営業利益は39.7億円(110.5%)、売上対比4.54%、経常利益40.0億円(112.6%)売上対比4.57%、当期純利益28.5億円(98.2%)、売上対比3.2%と当期純利益は昨年対比で若干のマイナスとなるが、経常利益ベースでは大幅な増収増益とり、2006年2月期は好決算で終わりそうである。それにともない、ここ最近株価も上昇しており、3/31現在、前日比10円高の2310円(0.43%)で引けた。

  さて、マックスバリュー東海のマーチャンダイジング政策であるが、2006年2月期の第3四半期決算の営業数値を見る限りでは、売上116.4%=客数118.5%×客単価98.2%=PI値103.5%×平均単価94.8%であり、平均単価を約5%下げ、PI値を3.5%アップさせ、客単価を前年並みに近づけつつ、客数を大幅に伸ばし、売上を大きく伸ばしていることがわかる。もちろん、客数は既存店が101.7%であるので、新店によるところが大きいが、PI値のアップが客数アップに連動しているといえ、マーチャンダイジング戦略は明確にPI値アップ戦略といえよう。

  では、PI値アップ戦略に取組むマックバリュ東海のマーチャンダイジングのポイントは何かをみてみたい。柱は大きく3つである。1つ目は、火曜市の徹底強化と品切れ対策による客数増加である。2つ目は、生鮮フード部門の強化などによる粗利率の安定確保である。そして、3つ目は、とりわけ新店におけるローコストオペレーション運営の早期軌道化に向けての仕組みづくりである。この3つを柱に様々なマーチャンダイジング政策がとられている。

  特徴的なマーチャンダイジング政策は生鮮強化のために味、鮮度に拘ったいつでも出来たて商品を提供するインストア製造の強化であり、きわめつけが「ワンデー・ファイブ・サイクル」を目指した生鮮重視型のオペレーション体制の確立である。これは夜間営業の標準化と収益向上を目指し、深夜、早朝の品揃え基準を策定し、時間帯毎にタイムリーな商品提供を目指したものである。そして、この仕組みをモデル店で確立し、全店に水平展開をはかり、全店の作業改善と意識改革をはかっていくという。また、商品づくりについても、出来たての追求はもちろん、バラ販売、少量パック化をすすめる一方、「マックスバリュプライス」や「スペシャル月間特値」による価格政策にも力を入れている。平日の客数対策については、均一セール企画の火曜、水曜市の商品の改廃スピードをあげる政策を重視し、新店においてはいち早く、これらのマーチャンダイジング政策を定着させることをすすめているという。

  このようにマックスバリュ東海はPI値アップ戦略による客数アップに照準をあわせたマーチャンダイジング政策を主体に現在取組んでおり、一方で、今後の食品スーパーマーケット業界の今後の成長戦略をささえる店舗フォーマットであるNSC開発も本格化しつつあり、当面、注目企業のひとつといえよう。

April 1, 2006 in PI値 | | Comments (0) | TrackBack (0)

March 28, 2006

検証の決め手は内部要因の特定にあり!

  PI値を活用する時のひとつの壁は検証にある。検証とは、現状の数字が良いのか、悪いのかを判断し、良い場合は、その原因は何かをつきとめることであり、同様に、悪い場合も、その原因を特定することである。原因がわかれば、それに対しての様々な仮説を立て、具体的なアクションにつながり、数字の改善につながってゆくが、逆に、原因がつかめなければ、改善のための仮説が立案できず、何もアクションが打てなくなり、結局、何もせず、次の結果を不安をかかえて待つことになる。

  そこで、検証とはまず何かであるが、これが中々、現場では共通の認識がないのが現状である。検証しましょうといっても、まず、目の前のその数字が良いのか、悪いのかが判断できないことが往々にして起こる。簡単にいえば、判断基準が明確でないのだ。極端な場合、人によって、同じ数字が良いと判断する場合もあれば、悪いと判断する場合もあり、同じ数字なのに判断が全く反対になったりする。そのような場合は、結局、その場の責任者が最終的に判断し、良いか、悪いかを人為的に決めてしまうことが多い。

  PI値を活用する最大のメリットは、PI値で判断すれば、とりあえず、顧客の声にもとづいて良いか悪いかの判断ができることである。PI値は売上、買上点数、粗利、在庫等を客数で割って算出する指標であるため、顧客の声がダイレクトに反映されるからである。したがって、判断を顧客にゆだねることができ、検証において最も重要な良いか、悪いかを、客観的に決めることができる。検証の第一歩は、可能な限り、客観的な指標で判断することであり、その判断にもとづいて原因をつきつめることである。

  さて、判断指標が明確になれば、次は、その指標にもとづく結果の数字が良いか悪いかを判断することであるが、ここが、議論のわかれるところである。良いとは何に対して良いのか、悪いとは何に対して悪いのかである。この基準値の設定が現場ではきわめてあいまいであることが多い。なぜ良いと判断したか、なぜ、悪いと判断したのかの根拠がはっきりしないケースが多いのだ。結論からいうと、判断の根拠には3つの基準が必要となる。1つめはその商品の属するカテゴリーの中での判断であり、2つめはその商品が過去の数字と比べ伸びているのかどうかであり、そして、3つめはその商品が他の店舗と比べて高いか低いかである。概念的にいえば、時間と空間という判断基準である。時間とは過去との比較、空間とは他の商品、他の店舗との比較のことである。このように、時間と空間で比較すれば、その商品、そのカテゴリー、その部門、その店舗の判断が明確になるのである。

  次に、良いか悪いかが判断できた場合に、その原因を特定することが次の大きなポイントとなる。現場でも時間と空間の見方を訓練すれば誰でも良いか悪いかが判断できるようになるが、実は、その判断後、原因特定ができずにアクションが起こせない場合が多い。特定するためには、まず、判断根拠となった商品を特定することであるが、これが中々できない。どの商品に問題があるのか、ないのかを、明確に商品で特定することが最初のポイントなのだが、ここでずれてしまい、せっかく、良いか悪いかが判断できたのに、その原因の特定でつまずき、やはりアクションにつながらないことが多い。良い場合はかならず、伸ばした商品があり、その商品を特定できるはずである。また、逆に悪い場合も下げた原因となった商品を特定できるはずであるが、この商品の特定ができないケースが多い。そして、その場合のほとんどのケースは商品の特定前に外部要因に原因を転化し、納得してしまうことである。外部要因とは天候、競合店などである。こうなると、内部要因であるどの商品に問題があり、その商品の管理状態はどうであったか、棚割りは、フェイスは、販促はきちんとできていたかなどに思考が回らず、すべてを外部要因で説明してしまい、効果的なアクションにつながらないのである。したがって、良いか、悪いかが判断できたら、原因特定はまず、その商品を特定し、内部要因で問題をつきつめることがポイントである。

  このようにまず問題の商品を特定し、その原因を内部要因で究明してゆけば、良い結果になった、あるいは悪い結果となった原因が明確になり、次のアクションにつながってゆく。検証がしっかりできるか否かは、実は思考方法が最大のポイントであり、自分に一旦原因があると判断して、問題点を内部要因でつきつめてゆくことにある。

March 28, 2006 in PI値 | | Comments (0) | TrackBack (0)

March 25, 2006

ダイエー、全店にポイントカードを導入決定!!

  3/24、日経MJに「ダイエー、優良客囲い込み」という記事が掲載された。全店共通ポイントカードを導入し、POSを刷新し、即時データ分析が可能になるという。いわゆるFSP(フリークエント・ショッパーズ・プログラム)の導入である。特に、前期、2006年2月期は販売促進費をつぎ込んだにもかかわらず、売上が改善せず、単体では営業赤字となり、このFSPの導入で今期は黒字転換を目指すという。

  記事の内容を要約すると、来月4月から「ハートポイント」という磁気カードのポイントカードを2店舗で試験導入をはじめ、7月から本格導入に入り、来年8月にはGMS 149店舗、SM60店舗への導入予定という。ダイエーは、このためにPOSシステムを130億円かけて、全面刷新し、顧客分析がリアルタイムで可能な仕組みを構築するという。ポイントに関しては、買い物金額200円ごとに1ポイントがたまり、500ポイントで500円分の買い物ができるというので、0.5%の顧客還元率である。また、利用額が多いほどポイントがたまるという仕組みも導入し、FSP機能も充実させるという。特に、購買履歴分析に関しては、1人ひとりの購入データの分析精度を上げ、きめ細かな商品企画や販促に活かすということで、One to Oneマーケティングを目指すFSPであるという。

  FSPは食品スーパーマーケット各社がここ数年導入しているが、リアルタイムで顧客データを分析できる仕組みはあまり例がない。今回、大手GMSのダイエーが踏みきったことにより、今後、この種のFSPが食品スーパーマーケット業界でも導入され、ポイントカードから、もう一歩進んだ顧客データ活用の時代に突入するきっかけとなる可能性が高まったといえよう。単純なPOSデータ活用から、レシートデータ、そして、顧客IDデータの活用にいっきに突入するかもしれない。

  ところで、今回のダイエーのポイントカードは顧客への還元率が0.5%である。しかも、還元方法は500円分の買い物、すなわち、商品との交換である。通常、ポイントカードの使用率は全顧客の約80%ぐらいであり、商品の粗利率は約25%前後である。したがって、実質の還元率は売上の80%の75%(原価)の0.5%と、0.3%前後の還元であろう。

  一方、現在の食品スーパーマーケット業界のポイントカード還元率はほとんどが1.0%還元であり、しかも、キャッシュバック還元も多い。ポイントカードで最も成功している企業のひとつであるオオゼキのポイントカードの仕組みをみてみると、100円で1点の還元であり、1点で1円、しかも100ポイント単位で現金との換金ができるという仕組みである。もう1社、最近、ポイントカードを導入したサミットであるが、オオゼキと競合している店舗も多いためか、やはり、100円で1ポイント、1ポイント1円で換算し、お買い物もキャッシュバックも100ポイント単位で可能な仕組みである。どちらの企業もキャッシュバックで1%還元のポイントカードである。

  こう考えると、今回のダイエーの仕組みは、こと食品に関しては、ポイントカードの顧客への還元率が0.5%と半分であり、しかも、キャッシュバックがつかない仕組みであり、競合食品スーパーマーケットと比べるとポイントカードの顧客から見た魅力がスタート時点から半減している内容といえよう。

  これは、結果的に、ポイントカードの使用率が通常であれば、80%を越える可能性が60%から70%、あるいはそれ以下になりかねず、今回の目的のひとつであるリアルタイムでの顧客分析への活用の精度が低くなる可能性が高い。また、顧客の囲い込みをするつもりが、競合食品スーパーマーケットの強力なポイントカード戦略によって囲い込まれてしまうという結果にもなりかねないといえよう。

  黒字転換をめざすには、経費削減はもとより、原価改善、客単価アップ、そして客数アップがマーチャンダイジングの観点からは必須であることを考えると、今回のダイエーのポイントカードは顧客への魅力をもっと高めないと期待される効果に結びつかない可能性もある。4月からの実験店舗での検証結果が今後の成否をうらなう上で重要なポイントとなろう。

March 25, 2006 in PI値 | | Comments (0) | TrackBack (0)

March 17, 2006

セブンイレブンをPI値で切る!!

  セブンイレブンをPI値で切ると、どのように見えるかを可能な限り実際のデータで検証してみたい。まず、PI値を算出するには客数が大前提である。PI値=買上点数÷客数であるので、客数がわからなければ、PI値を算出することは不可能である。そこで、まず、セブンイレブンの客数を計算してみたい。

  セブンイレブンのホームページにはセブンイレブンまるわかり豆知識というコーナーがあり、その中のその4に「あなたは??/36億?」という項目がある。それによると、セブンイレブンの1日当りの平均客数は約1,000人であり、店舗数は約10,000店舗であり、1日の客数が約1,000万人、年間では何と約36億人の延べ客数となるという。恐らく、地球上でこれ以上の客数を誇る小売業はウォールマートぐらいであろう。もちろん、日本の小売業の中では最高の客数となろう。

  この瞬間にセブンイレブンの客単価は1円の重みが明確になる。仮に、ある商品のマーチャンダイジングを改善し、昨年よりも客単価を1円アップさせることができた場合は、年間36億円の売上アップになるという計算になる。もちろん、マーチャンダイジングが失敗して1円の客単価を下げた場合には年間36億円の損害を会社にもたらすことになり、マーチャンダイザーは毎日が真剣勝負であり、商品開発者は妥協がゆるされない状況であろう。セブンイレブンが伝統的に単品管理にこだわり、発注精度のアップにこだわるのはこんなところに答えがあるといえよう。

  さらに豆知識のその1を見てみると、セブンイレブンの大ヒット商品、おにぎりが紹介されている。セブンイレブンのおにぎりは年間10億個以上が売れるというから、大変なものである。PI値に換算すると、10億個÷36億人であるので、PI値は27.7%、約30%となる。おにぎりの平均単価は120円ぐらいであろうから、客単価はPI値30%×平均単価120円で36円となる。年間売上に換算すれば、36円×36億人であり、約1,300億円となる。おにぎりだけで年間1,300億円であり、大変な数字である。このおにぎりのPI値が1%改善できれば120円かける1%で1.2円、すなわち、年間1.2円×36億人で約40億円の売上アップとなる。PI値1%はおにぎりの重点商品の発注精度をあげ、欠品をなくし、鮮度を高められれば充分に可能な数字であろう。また商品開発により、PI値1%以上の新商品のおにぎりが投入できれば、その瞬間に、そのおにぎりは年間36億円の売上が読めることとなる。ここまで来ると、セブンイレブンにとっておにぎりは経営の根幹の商品といってもよく、経営資源を充分に投入してもその効果が期待できる商品であるといえよう。

  また、セブンイレブンのコーポレートアウトラインを見ると、おにぎりを含む米飯が年間16億9000万個、惣菜が6億4千万個、調理パンが3億6000万個、焼きたてパンが7億9000万個であるという。これをPI値換算すると、米飯はPI値46.9%、惣菜は17.7%、調理パンはPI値10%、焼きたてパンは21.9%となる。同様に客単価は米飯の平均単価が400円とすれば、187.6円、惣菜が平均単価300円とすれば53.1円、調理パンが平均単価150円とすれば15円、焼きたてパンが平均単価120円とすれば26.2円となる。また、これら、4つの商品群の合計は、PI値は46.9%+17.7%+10%+21.9%=96.5%であり、客単価は187.7円+53.1円+15円+26.2円=282円となる。セブンイレブン全体の年商は約2.5兆円であるので、客単価は約700円であり、この4つの商品の合計の構成比は282円÷700円で、約40%である。

  このようにセブンイレブンの公表資料と若干の推測を交えてPI値で切ってみると、セブンイレブンという小売業の本質がみえてくる。セブンイレブンとは年間36億人の顧客への商売であり、商品としてはおにぎりを頂点として、米飯(おにぎりを含む)、惣菜、パンを主力商品としている業態であることがわかる。また、商品開発と単品管理に徹底してこだわる理由も、客単価1円の重みがあまりにも大きいがゆえに、当然の帰結であることも理解できる。全店1万店舗を越えたセブンイレブンもPI値でみれば、通常の小売業と何らかわることのない、商品1品1品、顧客一人一人を丁寧に積み重ねた結果であることがわかる。

March 17, 2006 in PI値 | | Comments (2) | TrackBack (0)

March 16, 2006

客数アップ戦略が破綻したマクドナルドの決算!!

  週間ダイアモンド3/18号の企業レポートで日本マクドナルドホールディングスが取り上げられている。見出しは「公表資料、内部資料で露呈した売上高至上主義経営の限界」という刺激的なものである。内容は、前年対比106%増の3257億円の売上を達成したにもかかわらず、営業利益は56%減の32億円、最終利益は98%減の6000万円という赤字すれすれになった原因の検証記事である。

  特にこの記事の圧巻は内部資料の客単価と客数の1月から12月までのデータとボトムラインという内部損益を表したデータを詳細に分析し、いわゆるマクドナルドが起死回生の挽回策でうった「バリュー戦略」=客数アップ戦略が破綻したことを検証していることである。バリュー戦略のポイントは、「100円メニューの導入」、「クーポン券(割引券)の乱発」、「営業時間の延長」の3点である。

  まず、バリュー戦略が発動される前の1月は年間最高の客単価であり、客数は月間6000万人には届いていなかったが、ボトムラインは黒字であった。ところが、4月からのバリュー戦略が発動され、その影響が最も現れた6月は客単価が年間最低の400円台となり、ボトムラインが年間最悪の赤字に転落する。その後、バリュー戦略が発動されている11月まで客単価は500円強の低目で推移し、逆に客数は6000万人台を割ることがなかったが、ボトムラインは赤字で推移した。そして、12月、「海老フィレオ(セットは最高価格の580円)がヒットし、客単価が600円弱まで跳ね上がり、ボトムラインが黒字転換したというのだ。確かに、この流れは、日本マクドナルドの公開資料でも、1月の客数は昨対108.5%、客単価は103.3%と特に客単価は年間唯一100%越えた月であった。また、6月は客数120.2%、客単価-82.8%と客数は年間最高の昨対伸び率、客単価は昨対最低の下げ率であった。ただ、12月は客数114.1%、客単価94.2%で客単価が回復するところまではいっていないが、それまでの90%前後と比べると回復基調であるとはいえる。

  このように、ダイヤモンド社の内部資料とマクドナルドの公表資料とを見比べてみると、バリュー戦略にもとづく、客数アップ戦略は、客数大幅アップによる売上アップには成功したが、利益の確保には失敗したといわざるをえない検証結果といえよう。皮肉なことに、日本マクドナルドは全世界119ケ国の中で客数伸び率は世界No.1であったという。

  売上は客数×客単価で決まるが、客単価を大きく落とした客数アップ戦略にもとづく売上げアップは経営戦略としては破綻する可能性が高いことが実証された典型的な事例であるといえよう。

  ひるがえって、食品スーパーマーケット業界でも同様な戦略で現在走っている企業が3社ある。PLANT、99プラス、大黒天物産である。いずれも客数が120%以上の伸びであり、客単価が100%そこそこ、ないしは100%を下回っている。昨年までの決算数字を見る限りでは、大黒天物産、99プラスは利益を出しているが、PLANTはかなり厳しい利益水準となっている。ただし、マクドナルドと違い、新店による客数増であり、客数戦略にもとづく既存店も含めた客数アップ戦略はとっていないという違いがあるので、利益に直接響いてはいないといえる。今後、この3社の新店開発が一段落したあとに、既存店を含めた客数アップ戦略に走るか、客単価アップ戦略に入るかが大きな課題とえいよう。

  経営の基本は客単価をないがしろにした客数アップ戦略はなりたたず、客数の大小にかかわらず、客単価は落とさない、できればアップさせる客単価アップ戦略が大原則である。今回のマクドナルドの事例は再度、客単価の重要性を商品1品1品にまでさかもどり、見直すことが急務であることを示しているといえよう。

March 16, 2006 in PI値 | | Comments (0) | TrackBack (0)

March 03, 2006

在庫PI値という指標について

  PI値は顧客一人当りの買上点数であり、PI値がついたものはすべて顧客一人当りの指標となる。PI値には様々な指標があるが、その中でもユニークなPI値のひとつが在庫PI値である。在庫PI値とは顧客一人当りの在庫高のことであり、数式にすると、在庫PI値=在庫高÷客数となる。実際に在庫PI値をとってみると、在庫PI値が高いと、当然過剰在庫になり、商品の鮮度劣化を起こし、逆に、在庫PI値が低いと欠品し、チャンスロスが発生する。したがって、在庫PI値を適正にたもつことが過剰在庫にもならず、欠品も起こさないポイントであり、実務上は、在庫PI値の適正値をどのくらいにするかが課題となる。

  そこで、まず、PI値との関係をみると、当然、在庫PI値が高い方がPI値が高い傾向にあり、在庫PI値が低い方がPI値が低くなりがちであり、PI値と在庫PI値はほぼ正の相関関係となる。これは客単価(金額PI値)との関係も同様であり、客単価=PI値×平均単価であるので、客単価を高めようとすると、PI値をあげることが第1優先となり、そのためには在庫PI値が高めになりがちとなる。したがって、PI値、客単価を上げるためには在庫PI値は高ければ高いほどよいということになる。もちろん、これが限度を越えると、当然、鮮度劣化を起こし、PI値が下がったり、値引きをせざるを得なくなり、平均単価が下がったりし、客単価をさげてしまうことにつながる。また、それ以上に、平均単価のダウンは粗利率に即はねかえり、経営そのものがたちゆかなかなくなってしまいかねない。したがって、在庫PI値はあるところまでは高い方が望ましいが、あるところを越えると急激に粗利率がダウンするために、その適正値をどこにもとめるかがポイントとなる。

  そこで、登場するのが、粗利PI値であり、交差比率である。一見、この2つの指標は在庫PI値と無関係のように見えるが、実は、切っても切れない関係にある。粗利PI値は顧客一人当りの粗利高のことであり、数式にすれば、粗利PI値=粗利高÷客数となる。PI値との関係は粗利PI値=PI値×粗利高であり、客単価との関係は粗利PI値=客単価×粗利率である。また、交差比率は、在庫当りの粗利高のことであり、もともとの算出式は、交差比率=商品回転率×粗利率で表すが、これは、=(売上÷在庫)×粗利率=(売上×粗利率)÷在庫=粗利高÷在庫のことである。したがって、在庫PI値と粗利PI値、交差比率との関係は、粗利PI値=交差比率×在庫PI値となる。なぜなら、=(粗利高÷在庫)×(在庫÷客数)=粗利高÷客数=粗利PI値であるからである。

  したがって、この関係、すなわち、粗利PI値=交差比率×在庫PI値という関係式が成立つために、在庫PI値が大きくなると、それに伴い、交差比率の分母である在庫高が大きくなり、交差比率が下がる傾向になる。反対に、在庫PI値が低くなると在庫が少なくなるため、交差比率の分母である在庫高が小さくなり、交差比率が高くなる傾向になる。グラフにすると、交差比率と在庫PI値はy=1/xの双曲線となり、反比例の関係となる。そして、この2つの指標を掛けた面積が粗利PI値であり、マーチャンダイジングの最終目的である粗利PI値アップのためには、交差比率と在庫PI値の適正バランスをとりながら、一方または双方を伸ばしてゆくことがポイントとなる。この微妙なバランスがポイントであり、商品ごとの適正値を実際のデータから見つけ出し、粗利PI値最高の在庫PI値を算出することが適正在庫管理につながってゆく。一見、在庫PI値を最大にすればよいように思えるが、そうなると交差比率が単純にさがるだけでなく、過剰在庫が値下げなどにより、粗利高にまで影響を及ぼす場合があり、交差比率をさらに下げてしまい、粗利PI値が予想以上にさがってしまう。したがって、在庫PI値は粗利高に影響をあたえない限界値までが限度となる。

  このように、在庫PI値は粗利PI値との関係でみてはじめて意味をなす指標であり、そのためには交差比率とのバランスがポイントである。以前、粗利PI値は交差比率に限りなく近い概念であると述べたことがあるが、正しくは、粗利PI値=交差比率×在庫PI値という関係であり、在庫PI値という概念を導入してはじめて、粗利PI値と交差比率との関係が明確になる。在庫PI値はその意味で、粗利管理にとってたいへん重要な指標といえよう。

March 3, 2006 in PI値 | | Comments (0) | TrackBack (0)

February 17, 2006

仮説づくりの難しさ!!

  先日、まだ雪深い東北の食品スーパーマーケットで、PI値にもとづく仮説づくりに挑戦した。この日は久しぶりに暖かい日であり、街中に高く積もった雪も大分とけはじめていた。この地区は日本でも有数の激戦地区であり、イオンのスーパーセンター、地元スーパーセンター、イオンの24時間マックスバリュ、地元SSM、さらに地元食品スーパーマーケット数店舗が乱立している状況である。当然、これら競合店舗と直接、間接に影響を受けるため、バイヤー、店長も必死である。

  そのような中で、今回、取組んだ商品は、日配、鮮魚、精肉、惣菜、青果から重点商品を数品選定し、バイヤー、店長双方が討論しながら、仮説づくりに取組んだ。タイミングよく、3月の食品商業の最新号に発注マネジメント特集が組まれているが、まさに、仮説にもとづく発注数量の確定が最大のポイントである。

  今回仮説づくりに使用したデータは3つである。ひとつ目は先週の客数、重点商品の販売数量、PI値、2つ目は過去4週間の重点商品の販売数量、PI値、そして、3つ目が全店の過去1ケ月間の重点商品のMD評価表である。この3つのデータを参考に来週1週間の発注数量を仮説にもとづき確定した。発注数量確定にあたって最も時間をかけ、気をつけたポイントは来週の週間予想PI値である。ここに最大の時間をかけ、充分に議論した。そして、そのために、各重点商品の全店の平均PI値、取組む店舗の先週の平均PI値、最高PI値、最低PI値を考慮し、予想される販売状況に応じて来週の週間平均PI値を算出した。

  そして、慎重に決めた週間平均PI値にもとづき、来週の販売状況を検討し、1週間の各曜日別のPI値を決め、店長が予想する曜日別客数に掛け合わせて、発注数量を確定していった。当初はかなりの時間がかかったが、慣れると、1つの商品が数10秒でできるようになり、各部門の重点商品の仮説にもとづく発注数量の確定が30分以内にできるようになった。従来、この企業では、発注は当然、現場が忙しい作業の中で締め切り時間に追われながら、ぎりぎりの中で行われていた。しかも、重点商品もその他の商品も一緒に発注数量を決めざるをえず、毎日、ほとんど7個づつの発注が繰りかえされるなど、結果として欠品、過剰在庫が頻繁に発生していた状況といえる。今回、このように、とりあえず、重点商品だけは週間発注数量案を本部が立案し、現場が修正するだけでよいという流れをつくったことにより、少なくとも、これまでのように、とりあえず重点商品に関しは欠品、過剰在庫は改善されるものと思う。まず、この流れを時間をかけてもしっかり確立し、次へつなげてゆければと思う。

  さて、ほぼ、今回、このような仕組みがこの企業においては動きはじめたわけだが、この仕組みづくりで、最も課題になったことはバイヤー、店長の仮説に関する思考方法であった。バイヤーも店長も現場上がりであるため、どうしても、仮説を立てる際、自らの経験に縛られ、その思考方法がぬけず、先週の数字にとらわれてしまい、先週の数字+αの発注数量をまず考え、それに天候、時間、ちらし、現場の状況等を考慮し、きめ細かな予測をしようとしてしまう。これでは、先週の数字を越えることは難しく、また、時間がどんなにあっても発注数量がなかなか決まりにくい。

  仮説とは自分の経験から導くのではなく、実はひらめきが最も重要な要素であり、自分の経験よりも他人の経験である全店の数字の方がはるかに重要な数字である。また、先週の数字よりは過去数週間の数字の方がより重要な重みをもつ。したがって、仮説づくりの最大のポイントは一旦自分の経験を捨て、全店および過去数週間のデータを睨み、そこからひらめきに応じて来週のPI値を独断で確定することである。そして、そのひらめきによって得られたPI値を再度、先週のデータと照合し、来週の数値を予測し、あとは、様々な状況を考慮し、数値を確定すればよい。

  今回、あらためて仮説づくりのポイントは、ものごとの本質的な考え方にその答えがあることがわかった。自らの経験にもとづく仮説をつくっていては、いつまでたっても自分を越えることはできない。自分を越えるには、過去最高の数字を踏まえ、全店最高の数字を目指した時にはじめて越えることができるのである。

February 17, 2006 in PI値 | | Comments (0) | TrackBack (0)

February 13, 2006

収益から競争部門に移った日配部門の現状!!

  前回のブログで食品スーパーマーケットにおける今後の日配について述べたが、今回は現状の食品スーパーマーケットにおける日配の現状について見てみたい。日配は現在、食品スーパーマーケットの最重点部門となりつつあり、特に、ここ最近、スーパーセンターが日配を戦略商品に活用しはじめ、いまや、日配の主力商品の価格が劇的に下落するなど、収益面でも大きな課題となってきている。

  ちなみに、スーパーセンター最大手のベイシアの日配の主力商品の価格であるが、豆腐が300g38円、こんにゃく300g58円、油揚げ3枚38円、納豆3連68円、中華麺38円、牛乳1000g148円、ヨーグルト500g138円と通常の食品スーパーマーケットの約50%から30%でEDLPを展開し、さらにそれぞれのカテゴリーは圧倒的といってもよい品揃えである。これが、グロサリーのEDLPと連動してスーパーセンター、ベイシアの競争力を作り出しているといえる。日配はことスーパーセンターにとっては競争力の源泉といってもよく、競合対策、集客商品と位置づけられているといっても過言ではない。

  では、上場食品スーパーマーケットの日配の平均的な売上構成比はどのくらいであろうか。マックスバリュ東海の日配の売上構成比は23.4%で業界では最高水準である。ついで、エコスの22.9%、マルエツの21.1%、ハローの20.3%、オオゼキの19.6%と続く。生鮮、惣菜の強い、ヨークベニマルは20.9%、ヤオコーは19.7%である。また、日配は前回のブログでも商品構成が発展途上であり、各企業がどこまで日配として扱うかが若干違うため、グロサリー部門に通常の日配の商品群を入れている場合、売上構成比は低くなる傾向があると述べた。代表的な企業はベルクであり、ベルクの日配は15.9%で業界の中では極めて低い数字であるが、その分、菓子の売上構成比が13.7%もあり、ここにかなりの日配部門が入っているものと思う。通常の食品スーパーマーケットの菓子は5~7%ぐらいであり、その差を足せば、ベルクの日配も20%は優に越える数字となるからである。

  このように、食品スーパーマーケットの日配の売上構成比は20%~25%ぐらいが平均であり、日配は生鮮食品、グロサリー以上の戦略部門といってもよい商品群といえる。しかも、この日配部門の粗利率もこれまでは高かったため、収益部門でもあった。それがスーパーセンターの出現により、低価格、低粗利の集客部門になりつつある。その意味でも、食品スーパーマーケットにおける日配は戦略的な構造改革に取組む段階に入ったといえよう。

  さて、その日配の具体的な商品群を最新の家計調査月報から見てみたい。最新の家計調査月報の数字は2005年12月が最新であり、若干、年末の異常値が入るので、異常値を抜いた数字で見てみると、1日当りの売上金額(食品スーパーマーケットの客単価に相当)でNo.1部門は牛乳の44.1円である。44.1円は全食品スーパーマーケットのカテゴリーの中でもトップであり、牛乳は食品スーパーマーケットの最重点商品群といえる。ついで、この時期特有のケーキ37.3円、そして、卵25.8円、食パン22.7円、ヨーグルト20.4円と続く。洋日配が多いのが特徴で、和日配では、やはりこの時期特有のかまぼこが20.1円、そして、豆腐が15.9円、生うどんそばが14.1円であり、生うどん・そばの順位は9番目である。最近、一部の食品スーパーマーケットで日配に扱われるようになった、冷凍調理食品は18.1円で7番目、アイスクリームは12.9円でちょうど10番目である。この時期でもアイスクリームの客単価は高いのが特徴である。

  家計調査月報の日配分類の総合計は479.8円となり、食品スーパーマーケットの平均客単価2000円で割るとちょうど24.0%となり、ほぼ食品スーパーマーケットの客単価と一致しているといえ、家計調査月報の数字は実際の食品スーパーマーケットの客単価に近い、実務的に精度の高い数字といえよう。このように、現状の食品スーパーマーケットの日配は、収益部門から集客部門へと大きな転換点にきており、取り扱いの範囲、品揃えの拡大、価格政策の見直し、販売促進政策の強化、新商品開発への取組み、ITの導入によるシステム化への対応(コストダウン)など大変革期を迎えた最重点改善部門となりつつあるといえる。


February 13, 2006 in PI値 | | Comments (0) | TrackBack (0)

February 12, 2006

日配は食品スーパーマーケットの将来の中核部門!!

  食品スーパーマーケットにおける日配の位置づけは極めて重い。一般には日配といってもピンとこないと思うが、食品スーパーマーケット業界では日配というと、和日配、洋日配、その他の3つに分かれ、売上の20%~30%を担う中核部門である。日配とは毎日配送される商品からきた呼び名であり、和日配の代表的な商品は豆腐、卵、こんにゃく、納豆、漬け者、麺類、練製品である。練製品は企業によっては鮮魚部門の管轄となることもある。洋日配の主な商品は牛乳、ヨーグルト、チーズ、バター、パンである。そして、その他はアイスクリーム、冷凍食品等であり、これらは企業によってはグロサリー部門の管理となることもある。

  食品スーパーマーケットの商品分類は様々な角度からくくることができるが、商品管理上からくくるのであれば大きく2つに分類することができる。2つとは商品を店内加工して売場に出す商品とメーカーで加工された商品をそのまま売場に出す商品である。前者はいわゆる生鮮、惣菜がこれに当り、後者は日配、グロサリーがこれにあたる。生鮮は農産物、畜産物、水産物の3つに別れ、惣菜は、生鮮を火と水と調味料等を用いて加工する部門である。また、日配とグロサリーの大きな違いは鮮度の差といえ、日配は文字通り、1日か数日しかもたない商品であるのに対し、グロサリーは1ケ月から1年も保存が可能な商品である。ここからも分るように、日配は生鮮、惣菜とグロサリーの真ん中に位置する商品といえ、両極の商品からラインロビングを行い、取り扱い商品を拡大してきた総合部門ともいえる。したがって、食品スーパーマーケットの歴史をたどれば、もとは日配部門そのものが存在していなかった時期があり、いまでも、練製品は鮮魚部門、豆腐、こんにゃく、漬物は青果部門、卵は精肉部門、パン、アイスクリームは菓子部門、冷凍食品は一般食品部門という企業は多い。その意味で、日配は食品スーパーマーケットのあらゆる部門から様々な商品群を吸収し、部門を確立してきた歴史といえる。

  将来的に日配とはどうなってゆくか。大胆に日配の将来像を予測すると、日配部門は商品加工以外のすべての商品群を一手に取り扱い、鮮度により2つの部門(1週間以内で管理する商品と1週間以上で管理する商品)を持ち、ITを駆使し、自動発注と仮説検証の仕組みにもとづくマーチャンダイジングをもとに、顧客とのCRM、メーカーとのSCMを担う食品スーパーマーケットの中核部門になってゆくものと思う。

  現実に生鮮部門で加工と発注商品が混在して商品管理をした場合、必ずといってよいほど、付加価値が高い生鮮の商品加工に重点が置かれ、発注商品の管理が疎かになり、欠品しても気にしない生鮮担当者が多いのが実情である。そこに社長がたまたま視察に来た時には必ずといってよいほど生鮮の担当者がしかられるが、そもそも、商品加工と発注商品をいっしょに管理させる企業の商品管理の仕方に問題があるわけであり、生鮮担当者の責任ではない。生鮮担当者はいかに商品加工技術学び、早く、美しく加工ができ、粗利もしっかりとれる付加価値の高い商品化に時間と労力を注ぐような商品管理体制に専念させるべきであり、発注商品のマーチャンダイジングを考えさせてはいけない。

  この領域は日配部門が責任をもって担うべきであり、そのような組織を食品スーパーマーケットは1日も早く作るべきであろう。残念ながら、この領域はいまや、ドラックストア、ホームセンター等が担い始めており、食品スーパーマーケットの方が、遅れを取り始めたといえる。鮮魚の練り製品はもちろん、塩干の大部分、精肉の加工肉、青果の果物のバナナ、かんきつ類等、野菜のもやし、水煮、カット野菜等は日配が担うべき商品であり、日配部門がパートさんを教育研修し、発注とマーチャンダイジングの技術を身につけさせ、パートさんに担当させた方が、欠品が確実になくなり、数字改善も大きく進むものと思う。

  このように、日配は今後の食品スーパーマーケットの中核を担う中心部門といえ、現状の商品管理体制を大胆に見直し、商品分類の変更とITを駆使し、発注とマーチャンダイジングのスペシャリストを養成する組織づくりに入る時が来たように思う。

February 12, 2006 in PI値 | | Comments (0) | TrackBack (0)

February 08, 2006

惣菜強化に取り組む食品スーパーマーケットの現状!

  オリジン東秀へのTOBがドン・キホーテとイオンから同時にかかる中、改めて惣菜が注目されつつある。ドン・キホーテは次世代コンビニエンスストア構想の中核部門としてオリジン東秀との新業態を構築し、惣菜で既存のコンビニエンスストアと決定的な差別化をはかる計画であったという。一方、イオンは惣菜強化が現状の課題ととらえ、オリジン東秀を傘下に治めることにより、他社と惣菜での差別化がはかれるものととらえているといえよう。このように、惣菜の強さは、今後の食品を扱う小売業にとっては、業態の如何をとわず、決定的な差別化につながる可能性を秘めた部門であるといえる。
 
  一般的に食品スーパーマーケットの惣菜の構成比は売上対比で8~10%であるのが実情である。たとえば、マルエツは10.0%、エコスは8.6%、マックスバリュ東海は8.6%、ハローは8.4%という数字である。

  では食品スーパーマーケットで惣菜を強化したらどのくらまであがるのだろうか。日本の食品スーパーマーケットの中でも極めて惣菜が強いヤオコーとヨークベニマルの惣菜の売上構成比を見てみると、ヤオコーが12.9%、ヨークベニマルが13.5%であり、この2社がずば抜けて高いことがわかる。特に、ヤオコーは生鮮3品の中で最も売上構成比の高い青果の12.8%を抜き、惣菜が生鮮4品の中ではNo.1部門となった。また、ヨークベニマルは生鮮3品個々の売上構成比を公開してはいないが、生鮮3品の合計が33.8%であるので、恐らく、惣菜が生鮮4品の中ではNo.1の部門であろう。

  このように、惣菜を本当に強化すると青果、鮮魚、精肉よりも売上が高くなることが食品スーパーマーケットでは実証されたといってもよく、ここまで来ると、惣菜が食品スーパーマーケットの差別化の大きなポイントであるといえよう。この2社以外は、まだまだ、12%~13%という、生鮮3品を越える企業は少ないが、ここまで惣菜を伸ばした両企業は惣菜が圧倒的な差別化部門であり、青果と並ぶ集客部門でもある。しかも、惣菜の粗利は、一般惣菜で約40%、寿司で約50%、インストアベイカリーで約50%と粗利も高いため、食品スーパーマーケットの中では圧倒的な収益部門でもある。

  では惣菜の重点商品とは何であるかを、直近の家計調査月報でみてみたい。家計調査月報は1世帯当り1ケ月の数字での消費金額であるので、これを1日当りに換算して、ちょうど食品スーパーマーケットの客単価に近い数字でみてみると、ベスト3は、すし39.6円、弁当37.7円、天ぷら・フライ30.4円であり、いずれも30円を越える超重点商品である。オリジン東秀が弁当と惣菜に特化した業態開発を行い、ここまで急成長した背景にはこの数字の高さがあったといえよう。この3つを合計すると100円を越えるので、2000人/日の食品スーパーマーケットでは、この3部門だけで、1日20万円は越える計算であり、実際、この3部門は食品スーパーマーケットの惣菜の中核部門となっている。この3部門についで高い商品群はおにぎり他10.0円、サラダ8.8円、ぎょうざ6.3円であり、ついで、やきとり5.8円、コロッケ5.2円、うなぎのかば焼き5.1円、カツレツ4.5円、しゅうまい2.8円、ハンバーグ2.6円と続く。実際、食品スーパーマーケットの惣菜売場をみても、これらの商品は天ぷら・揚物の次に配置され、強化されている商品であり、特に、サラダは他の冷惣菜と合わせ、いまや食品スーパーマーケットの最強化部門といえよう。

  これらすべてを合計すると、約150円となり、これに加え、その他の惣菜、インストアベイカリーを入れると200円を優に越え、食品スーパーマーケットの客単価約2000円の10%強となる。このように、食品スーパーマーケットでは惣菜の売上構成比が年々上がっており、ヤオコー、ヨークベニマルに限らず、近い将来、惣菜が生鮮4品のNo.1部門になる可能性は極めて高い超有望商品群であるといえよう。

February 8, 2006 in PI値 | | Comments (0) | TrackBack (0)

February 03, 2006

いちごの季節に突入!食品スーパーマーケットの最重点商品!!

  いよいよ、いちごの季節に突入した。いちごは食品スーパーマーケットにとってはこの時期の最重点商品であり、いちごの売上は果物全体の30%近くにもなり、いちごのマーチャンダイジングの成否が果物はもちろん、食品スーパーマーケットの経営にかかわるといっても過言ではない。いちごには様々な品種があり、どの品種を主力にすえ、いくらの価格を打ち出すかが、いちごのマーチャンダイジングを左右するので、食品スーパーマーケットではこの時期、最も気をつかう商品のひとつといえる。

  現在、いちごの相場は、東京都中央卸売市場の1/20から1/26の第3週では、ほぼ昨年並みの相場である。とちおとめが0.3kg当り約330円、おまおうが468円、さがほのかが368円で取引されている。全国No.1の生産額を誇るとちおとめに比べ、最近人気の高いあまおうが4割ほど高値で取引されているのが実情である。

  では、いちごの消費額は毎月どのような動きを示すかをみてみたい。昨年の1月から5月および12月の家計調査月報をもとにいちごの1世帯1日当りのデータ(食品スーパーマーケットの客単価に相当)を追ってみると、12月は12.1円、1月は19.4円、2月は23.9円、3月は25.5円、4月は26.1円、5月は11.5円という推移であり、12月から4月まで消費額が上がり続け、5月でほぼ終了となる。いちごは6ケ月間というロングランの商品であり、3月、4月が旬のピークとなる商品であることがわかる。

  食品スーパーマーケットのいちごの実際の客単価もほぼ同様な動きとなり、3月、4月がピークとなり、この時、いちごの強い企業では客単価が40円から50円ぐらいにまで跳ね上がる。平均単価は400円を切り、ピーク時はPI値が10%を越え、超重点商品となる。食品スーパーマーケットの全商品の平均単価は約200円であるので、400円は2倍の価格であり、それにもかかわらず、PI値が10%となる商品は食品スーパーマーケットではいちご以外にありえない商品である。ここまで来ると、いちごに1人担当をつけてもよいくらいである。仮に客単価50円でみた場合、食品スーパーマーケット約2000人/日の場合、1日の売上が10万円となり、いちごマネージャーをつけても充分にみあう金額である。

  最近の食品スーパーマーケットのいちごは、東は「とちおとめ」、西は「とよのか」、それに最近の人気上昇中の福岡の「あまおう」が割って入り、その他、さちのか、さがほのか、章姫など品種が豊富で、2月以降、続々と店頭に並ぶものと思う。

  ここで、いちごの全国の消費額を見てみたい。昨年の家計調査月報のいちごのピーク月である4月度のデータで見てみると、全国のベスト10は、千葉市(39.9円)、京都市(39.5円)、北九州市(38.2円)、東京都区部(37.8円)、川崎市(35.9円)、山形市(37.0円)岡山市(35.6円)、鳥取市(35.0円)、福島市(34.5円)、松江市(34.2円)である。全国ほぼ満遍なくいちごが食べられていることがわかる。ただ、いちごの2大産地、栃木県(27番:28.3円)と福岡県(29番:29.7円)がベスト10に入っておらず、真ん中の30番少し手前のランキングである。

  ちなみに、ワースト5を見てみると、徳島市(21.5円)、熊本市(21.4円)、和歌山市(20.0円)、高知市(19.8円)、那覇市(12.4円)である。九州、四国は気候の関係でわかるが和歌山県が以外に消費額が少ないのが特徴である。

  このように、いちごはほぼ全国的に普及した商品であり、12月から5月まで食品スーパーマーケットの最重点商品となる。今年は相場も現状では落ち着いているので、今月から様々な品種のいちごが食品スーパーマーケットの店頭をにぎわすことになろう。

February 3, 2006 in PI値 | | Comments (0) | TrackBack (0)

January 28, 2006

売上と客単価の本質的な違い!

  売上と客単価は似て非なる数字である。では、どのように違うのか。これが中々難しい。なぜ難しいかといえば、時として、同じ店舗、あるいは同じ商品の評価が、売上げで見た場合と客単価で見た場合とで、全く反対の評価になることがあるからである。このような時、その店舗、その商品をどう判断したらよいか、よく議論になる。

  一例を示せば、客数1000人/日の店舗の客単価が2500円で、客数2000人/日の店舗の客単価が2000円であった場合である。前者の売上は250万円/日であるが、後者は400万円/日である。したがって、売上で見れば後者が良いと判断できるが、客単価で見れば前者が良いと判断できる。さあ、どちらの店舗が良いといえるだろうか。もうひとつ、客数1000人/日の店舗のトマトの客単価が30円で、客数2000人/の店舗のトマトの客単価が20円であった場合である。前者のトマトの売上は30000円であるが、後者のトマトの売上は40000円となり、売上では後者が高いが、客単価では前者が高い。さあ、どちらのトマトが良いといえるだろうか。

  なぜ、このように売上と客単価は評価が反対になる場合があるのか。それは、売上は顧客全員の売上であるが、客単価は顧客一人当りの売上であるため、売上は客数が多ければ多いほど高くなり、客単価は客数が多かろうが、少なかろうが、売上ほどは変わらないからである。これは売上と客単価の関係を示す関係式を見るとよくわかる。すなわち、売上=客数×客単価(=売上÷客数)となるが、この式が示すように売上は客数が多ければ、それに比例して大きくなるが、客単価は客数がいくら増えても、極端に大きくなることはない。したがって、売上の高いものが客単価が高いとはいえず、逆に、客単価の高いものが売上が高いともいえない。

 では、店舗なり、商品なりの判断を売上、客単価のどちらを優先して評価したらよいだろうか。ここで評価が分かれる。

  結論から言えば、売上を優先する場合は経営的判断が優先される場合である。客単価が優先される場合は顧客の視点が優先される場合である。ここに売上と客単価の本質的な違いがある。売上にはそもそも顧客の視点が埋もれているといえ、顧客の視点がボケてしまっている数字であるといえる。逆に、客単価には顧客の視点が明確に反映され、顧客の評価をダイレクトに表現している指標といえよう。したがって、店舗の判断、商品の判断をする場合は、まず、客単価で顧客の声を確認し、その後、経営判断として売上を見て、最終判断をするのが正しいものの見方といえよう。経営判断とはその店舗、商品にさらに経営資源をつぎ込むか、それともやめるかの最後の決断であり、それは顧客志向を極限まで続けた、すなわち、客単価を最高数字にもっていった結果の最終判断ということになる。

  その意味で、店舗なり、商品なりの評価はまず、顧客の視点での評価を最優先に行い、その後、どこまで、客単価を高められるかを判断したのち、最終的にその売上で経営が可能かどうかを判断するのが正しいものごとの見方といえよう。

  よく売上ランキングで各店を競わせ表彰をするということがあるが、売上でランキングを見る限り、客数の多い店舗が勝ち、客数の少ない店舗は客単価がどんなに高くともけっして勝てないことが多い。これは大きな間違いである。客数が少なくとも客単価が高い店舗はこと顧客に対して正しい商売をしているといえ、その店舗をむしろ評価すべきである。成功事例の水平展開にしても、何をもって成功事例とするかは売上ではなく、客単価が優先されるべきである。

  また、よく誤解されることだが、客単価は店舗全体の客単価しかないと思われているが、客単価は商品一品一品に存在し、その積み重ねが、店舗全体の客単価となる。したがって、本当に、顧客満足度の高い店づくりを目指すのであれば、その第一歩は、客単価の高い商品を見つけ出し、客単価を高めてゆく努力を全力を挙げて取組むべきである。

  仮にある店舗で1円の客単価の改善に成功し、そのノウハウを全店に水平展開し、全店の客単価が1円アップすれば、100店舗近くのチェーンストアともなれば、年間延べ1億人の客数となり、売上1億円のアップへとつながってゆく。1億円の売上アップ計画をつくれといわれてもぴんと来ないが、実は、目の前の商品の客単価1円アップの仕組みをつくことが原点である。ウォールマートの創業者サム・ウォルトンは「Think Small!」が合言葉だったが、まさにこれは客単価1円にこだわることに通じ、目の前のその商品1品1品の中に商売の原点があるということをいっているといえよう。

  現在、売上だけで店舗、商品の評価をしている方がいれば、思い切って、顧客の視点をダイレクトに反映した客単価ですべての店舗、商品を見直してみて欲しい。あなたの世界観ががらっと変わるはずである。

January 28, 2006 in PI値 | | Comments (0) | TrackBack (0)

January 24, 2006

粗利PI値、「売れて儲かる商品」としての、最良指標!!

  PI値は顧客一人当りの買上点数であり、客単価(金額PI値)は顧客一人当りの売上金額である。そして、この2つの指標の関係は、客単価(金額PI値)=PI値×平均単価という数式で関係づけられる。この式から、客単価とは、PI値をアップさせるか、平均単価をアップさせるか、双方をアップさせるかにより、高まることがわかる。

  最近、この客単価に加え、関係先で粗利PI値が注目されはじめた。粗利PI値とは顧客一人当りの粗利額であり、顧客が1人来店すると、どのくらい店舗に粗利額をもたらすかを表す指標である。数式にすると、粗利額÷客数のことであるが、客単価(金額PI値)との関係は、粗利PI値=客単価(金額PI値)×粗利率である。客単価(金額PI値)=PI値×平均単価であるので、粗利PI値=客単価(金額PI値)×粗利率=PI値×平均単価×粗利率であるので、粗利PI値=PI値×(平均単価×粗利率)=PI値×粗利高ともなる。すなわち、粗利PI値=客単価(金額PI値)×粗利率=PI値×粗利高である。

  さて、この指標が注目される理由は何か。それは粗利PI値はひとことで言うと、「売って儲かる商品」を見極める最良の指標であるからである。しかも、粗利PI値=客単価(金額PI値)×粗利率なので、客単価(金額PI値)は小売業の営業努力によりアップし、粗利率はメーカー、卸との関係で決まる指標であり、小売業の努力、メーカー・卸双方の協力によってはじめて改善できる指標である。小売業だけの努力でも限界があり、メーカー・卸の協力だけでも粗利PI値はけっしてアップしない。

  さらに、粗利PI値はPI値、平均単価、粗利率の数値が明らかになればすぐに算出が可能な指標であり、単品から小分類、中分類、大分類はもちろん、ちらし、棚割り、レイアウト等の粗利PI値を算出することも可能である。何が、どこで、どのようにして売って、どのくらい儲かっているかが一目瞭然になる指標である。

  また、いわゆる、相乗積をつかわずに、粗利率を簡単に計算でき、どのような商品、あるいは商品群の組み合わせの時が最大の粗利額のアップになるかという、粗利ミックスのシミュレーションがすぐに簡単にできる。具体的にはある商品(商品群)と粗利ミックスをかけたい別の商品(商品群)の客単価(金額PI値)と粗利PI値がわかれば、粗利PI値の合計を客単価(金額PI値)の合計で割れば、簡単に粗利率が算定できるし、粗利額は粗利PI値の合計に客数を掛ければよい。相乗積のように、売上構成比と粗利率を掛け合わせて、合計するような手間はかからず、簡単に粗利率、粗利額が算出できるのである。

  では具体的に粗利PI値、お客さま一人当りの粗利高は商品によりどのような傾向を示すだろうか。実際に各商品の粗利PI値を算出してみるとわかるが、概ね、客単価(金額PI値)の高いものほど、粗利PI値は高くなるが、日配、グロサリー等は客単価(金額PI値)が低くとも、粗利率が高いがために、粗利PI値の高いものがあり、この辺の商品は注意が必要である。

  また、粗利PI値の実務的な活用の方法としては、各カテゴリー(小分類)の単品ごとの粗利PI値を算出し、どの単品が客単価(金額PI値)、粗利率が改善可能なのかを、まず客単価(金額PI値)の限界値への挑戦をし、限界になった時、メーカー・卸の協力をもらい、粗利率をどこまで改善できるかを交渉し、結果として粗利PI値がどこまで改善できるかを見ながら、商品戦略を立案してゆくこと等に活用可能である。

  このように、粗利PI値はやっと実務的に活用されはじめ、客単価(金額PI値)が限界まできたら、是非、粗利PI値の改善に取組んで欲しい。粗利高が飛躍的に改善するはずである。

January 24, 2006 in PI値 | | Comments (0) | TrackBack (0)

December 22, 2005

マグロは鮮魚の最重点商品!!

  食品スーパーマーケットの鮮魚No.1商品は、何といってもマグロである。マグロは東日本が主体の商品であるが、最近では急速に西日本にも普及しており、食品スーパーマーケットの鮮魚売場ではマグロのコーナーが核売場となりつつある。マグロは客単価が15円~20円はあり、青果No.1のトマトとほぼ同じである。しかも、平均単価が約400円と、食品スーパーマーケットの全商品群の中でもトップクラスの平均単価である。

  一般的にPI値と平均単価との関係は逆相関であり、平均単価が低いものほどPI値が高く、PI値が低いものほど平均単価が高いという関係がある。したがって、顧客の支持を獲得するためには平均単価を下げて、PI値アップをはかるというPI値アップ戦略をとることが通常である。しかし、マグロはこれとは全く逆であり、PI値をあげるためには平均単価をあげ、客単価アップをはかる典型的な平均単価アップ戦略の商品である。グラフにすると、PI値と平均単価とは正の相関となり、平均単価の低い店舗ほど、PI値も低く、逆に、PI値の高い店舗は平均単価も高いという傾向がある。

  これはよい店ほどマグロのアップグレードをしっかりと品揃えに活かし、加工度を高め、マグロを好む顧客の嗜好をしっかりとつかんだマーチャンダイジングを実践しているからである。

  通常、食品スーパーマーケットで扱っているマグロは5種類あり、グレード順に本マグロ、インドマグロ、めばちマグロ、きはだマグロ、びんちょうマグロ(加工食品が多い)となり、さらに、それぞれ、赤みから中トロ、大トロまでの部位を柵売りから、スライス、すり身まで加工し、さらに、冷凍と生があり、しかも、これらすべての価格が違う。100g当りの単価でグレード分けすると数10種類にもなり、SKUではマグロだけで100近くつくることができる。したがって、マグロのマーチャンダイジングは100SKUの中から、自店の顧客に対し、どのようなマーチャンダイジングを提案するかが決め手となり、マーチャンダイジングの違いにより、客単価は10円~30円ぐらいまでの3倍以上の開きがでる商品である。マグロにはマーチャンダイジングのすべてが凝縮されているといっても過言ではない。

  一方、マグロの家計消費はどのような状況であるかを家計調査月報でみると、直近の2005年10月度の家計調査月報では全国のマグロの1世帯当りの1日当り消費金額が18.2円と鮮魚のトップである。18.2円は食品スーパーマーケットの客単価15円~20円とほぼ一致している。ちなみに、2番は刺身盛合せであり、15.5円、3番は11.6円のさけである。

  これを都道府県別でみると、ベスト5は、甲府市の39円、静岡市の32円、川崎市の30円、東京都区部の27円、青森市の24円である。ワースト5は、松江市2円、大分市4円、長崎市4円、福岡市5円、北九州市5円、鳥取市5円である。ベストとワーストの差は20倍もあり、マグロがいかに東日本で好まれ、九州・中国地方ではほとんど食べられていないかがわかる。しかし、最近では関西の食品スーパーマーケットではマグロが強化されはじめ、関西地区の数字をみると、和歌山市18円、津市15円、大阪市13円、奈良市13円、京都市10円、神戸市9円、と15円近い数字であり、九州、中国地区と比べると関西のマグロの消費量は格段に高いことがわかる。今後のマーチャンダイジング次第ではまだまだ伸びるものと思う。

  また、日別に見ると平日は15円前後、土日は20円前後と明らかに週末の数字が高い傾向があり、実際、食品スーパーマーケットでも週末の客単価は高く、マグロはPI値よりも平均単価がたかまる傾向があり、中トロ、大トロや本マグロが週末にはよく売れる。

  このような特徴をもった食品スーパーマーケットの鮮魚No.1のマグロのマーチャンダイジングをどう確立するかが、今後の食品スーパーマーケットにとっては極めて重要な課題といえよう。

December 22, 2005 in PI値 | | Comments (0) | TrackBack (0)

December 15, 2005

PI値とレイアウトについて

  PI値とレイアウトは極めて深い関係がある。レイアウトがよければ、PI値は高くなるが、反対にレイアウトが悪ければ、PI値は低いままであり、けっしてあがらない。レイアウト以外のどんな手を打っても、さほど効果がでないことが多い。なぜか、結論から言えば、レイアウトはPI値の初期値を決定してしまうからである。PI値の高い商品をどこに配置するかにより、全体のPI値が決まってしまう。簡単な例を示せば、PI値10%の商品がレイアウトの先頭に配置した場合とレイアウトの最後に配置した場合ではレイアウト全体のPI値は当然、前者の方が客動線が長ければ長いほど高くなる。それは先頭の客数が1,000人いれば、PI値10%の場合は100個売れるが、後方の客数は極端な場合、半分の500人ほどになり、PI値10%の力があっても、50個しか売れないからである。これを全体PI値で換算すると100個/1,000人=10%に対し、50個/1,000人=5%となる。この原理があらゆるレイアウトの中ではたらき、レイアウト上のどこにPI値の高い商品を配置するかにより、全体PI値は大きく違ってくるのである。

  日本中の食品スーパーマーケットがレイアウトの最初に青果をもってくるのは、青果のPI値がすべての商品の中で最高の商品群だからである。実際、食品スーパーマーケットのPI値分析をすると、ベスト商品は青果でほとんどが占められるのが実態である。まず、青果で確実にPI値をアップさせ、そして、鮮魚と精肉で平均単価をアップさせ、客単価の高い売場をしっかりつくることがポイントである。

  たとえ話をひとつ。マリナーズのイチローはなぜ不動の1番バッターか。それはイチローのPI値が世界中の全打者の中でも35%という極めて高い打率だからである。トップバッターのPI値が低い場合はまず得点が入らない。3番、4番がどんなにホームランを打とうが、得点合計が低くなり、結果として、試合に負けてしまう。今期マリナーズが勝てなかったのは、イチローのPI値が30%と予想以上に低くなってしまたうえに、3番、4番が長打をあまり打てなかったからである。マリナーズが勝つ条件は、イチローのPI値と3番、4番の平均単価が最高の数字をたたきだした時である。

  このように、レイアウト強化のポイントは、まず、PI値最高の商品を動線の最初にもってくることからはじまる。ここで動線の最初とは来店客数が店内で最も多い場所のことであり、これらの場所は店内いたるところで見出すことができる。野球の1番バッターは9回の内で最多の打数が回ってくる位置であり、これが年間160試合となるとその打数はさらに多くなる。実際、今期イチローの打数は679打席であり、2位は600強であるので、1番と2番打者以下では打数に圧倒的な差がでる。すなわち、野球の1番は最多打数の位置であり、ここにPI値No.1のイチローを置くことは極めて理にかなった打順となる。

  このように、レイアウトはPI値の高い商品を客数の多い場所に配置することからはじまる。まず店内の客数の多い場所を再度チェックし、そこにPI値の高い商品が配置されているかどうかをしっかりチェックして欲しい。全体PI値が全然違ってくるはずである。商品力にさほど違いがないのにPI値の差が大きい場合にはまずレイアウトの良し悪しをうたがって欲しい。

  ちなみに、PI値最高のレイアウトはワンウェイコントロール(動線の死角がない)のレイアウトであり、2重動線(客数の分散)をけっしてつくらないことである。


December 15, 2005 in PI値 | | Comments (0) | TrackBack (0)

December 09, 2005

相場安の時のPI値活用のポイント

  ここへきて、今期、2度目の野菜の相場安である。東京中央卸市場の1月から10月までの月間市場統計情報をみると、1月から5月までは昨年対比100%前後で推移していたが、6月に入り、80%台に暴落した。そして、この数ヶ月95%前後でやや持ち直し気味であったが、10月に再び暴落、75%台まで落ちた。11月に入っても前半は厳しく、後半やや上向きになってきたが、依然、昨年対比100%までは解消していない厳しい相場が続いている。

  11/25から12/1の週の個々の商品の状況を見ると、大根75%、人参60%は、まだいい方で、キャベツは57%、レタスは何と41%と大きく値を下げている。これ以外にも、はくさい73%、ほうれんそう85%、ねぎ71%、かぼちゃ66%、ピーマン63%に加え、超主力のトマトも73%と厳しい相場である。これに対し、昨年対比を上回った商品は、きゅうり115%、なす120%、じゃがいも110%、たまねぎ122%、生しいたけ133%とわずかである。単純平均では野菜全体は89%と10月以降、厳しい相場が依然として続いているといえる。

  さて、一般に青果の相場が上がった時には、それに連動して業績がアップする場合が多いが、逆に今回のように、相場が暴落といってよいほど下がった時には、それにともない業績が急落することが多い。特に、前月度は客単価が大幅に減った企業が多かったのではないだろうか。そこで、今回は、このように相場が下がった時のPI値活用の方法を考えてみたい。

  相場に野菜の客単価が左右されてしまうということは、通常の売り方は相場高の時には通用するが、相場安の時は通用しにくい傾向があるということである。では、なぜそういう傾向があるのか。客単価は一般的にPI値×平均単価であるが、相場が下がるとは、通常の商品の全体の平均単価が下がることである。全体の平均単価が下がるとは、トマトでいえば、トマトの中心プライスが下がるといことである。今回は73%であるので、約30%ダウンしたということだ。別の見方をすれば値頃が崩壊したともいえる。値頃とはトマトの全SKUの売上を販売数量で割った平均単価のことである。この平均単価=値頃が相場安によって崩壊するとどうなるか。低価格商品と高価格商品に2極分化され、両極端な価格体系となり、通常の品揃えではこれまでの客単価を確保しえなくなってしまうのである。したがって、相場が下がり、中心プライスが崩壊した時には通常の売り方は通用しなくなり、新たな客単価アップ政策が必要となる。

  では新たな客単価アップ政策とはどのようなものであるか。それは、相場安によって中心プライスが崩壊するので、まず、平均単価を極限まで下げて、PI値を過去最高にもってゆく商品開発、具体的にはバラの徹底強化である。そして、一方、全くその反対の、それまでの平均単価の高い商品が下がり、平均単価が低くなり過ぎることを補う特大サイズ、容量の商品開発である。この特大サイズ、容量の商品開発によって、平均単価のダウンを食い止めることができる。そして、もう一つが、崩壊した中心プライスゾーンに導入する同容量でアップグレードされた、相場安以前の中心プライスを維持した商品開発である。すなわち、PI値アップ商品、平均単価アップ商品、値頃になったアップグレード商品の商品開発を行い、品揃えを変えることがポイントである。

  お客さまから見れば、いままでの商品のグレードがあがり、バラは安くなり、お買い得商品がよりお買い得になる売場ができあがるということである。このように、これら3つの商品開発をトマトで、キャベツで、ねぎでと、重点商品群から見直すことが相場安における喫緊の対策である。相場安の時は、商品の品揃えの全面見直しなしに数字の好転はないといえよう。

December 9, 2005 in PI値 | | Comments (0) | TrackBack (0)

November 28, 2005

PI値1%が食品スーパーマーケットの根幹商品

  PI値は、平均単価とともに客単価アップのための根幹指標ですが、その意義は顧客満足度をダイレクトに表す指標といえます。PI値=買上点数÷客数(%)ですので、PI値は顧客一人当りの買上点数を表し、その商品に対する顧客の支持を表している指標のひとつです。したがって、このPI値を食品スーパーマーケットでつきつめてゆけば、それは、人間の命の原点、すなわち、生きて行くのに必要な商品とは何かを知ることになります。いわば、ライフラインの原点の商品が浮かび上がるといってよいと思います。

  いまから約10年以上前、PI値をはじめて食品スーパーマーケットに適用した時の業績アップ方法はPI値で1%以上の商品を売場から選定し、その商品を重点強化商品として、欠品と鮮度管理を徹底することが主な手法でした。そして、その商品の品質と品揃えの充実をはかってゆくことがポイントでした。これはいまでも生きているノウハウのひとつです。そして、その時からいまにいたるまでかわっていない点はPI値が1%以上の商品は食品スーパーマーケットの中には約10000品(SKU)ある商品の中にわずか、150~200品(SKU)しかないという事実です。この10数年間例外がありません。すなわち、このわずか150~200品の中に人間の生活の原点があり、ひいては食品スーパーマーケットの存在理由があるということです。ちなみにPI値1%とは1000人/日の客数で1日10個、2000人/日の客数で1日20個売れる商品のことです。

  本ブログでも食品スーパーマーケットの売上構成比について触れましたが、その時の結論は農産、日配、食品が最重点部門であるということでした。PI値1%の商品を分析すると、当然のことですが、このことを裏付けることができます。PI値1%の150~200品の中で最も数が多い部門が日配であり、約70品ぐらいあります。ついで、農産であり、約50品ぐらいあります。そして、食品が約20品ぐらいになります。残りの部門は10~20品となります。しかも、PI値1%、約200品を合計すると売上構成比は40~50%、PI値合計は何と500%近くになります。食品スーパーマーケットのPI値は約1000%ですので、顧客はPI値1%の商品の中から5点購入し、残りの9800の商品から5点購入するこということです。これは単に顧客にとって大事な商品であるだけなく、企業経営にとっても大事な商品であり、顧客満足度と企業経営が重なる最重要商品群であることがわかります。ちなみにPI値最高の商品は何でしょうか。食品スーパーマーケットでは牛乳、もやし、麺類などが最上位商品であり、ほぼ10%強という数字になります。したがって、この世の中のすべての商品の中で最高のPI値は約10%であり、その頂点に牛乳、もやし、麺類があるということになります。その意味で、食品スーパーマーケットは世の中のPI値最高の商品を扱う小売業と定義することもできます。

  余談ですが、ウォールマートがデータウェアハウスを構築し、在庫データと融合し、自動発注、バイヤー意思決定サポートシステム(BDSS)、メーカー向けリテールリンク、さらには、自動品揃えシステム等をつくった時に、2.3という数字に驚いたというエピソードがあります。2.3とは1週間に平均2.3回、商品が売れるという数字で、逆にいうと、1週間に2.3回しか商品が売れない、すなわち、1週間に4.7日は商品の売上が全くないということです。この事実に気づき、さらに商品販売動向を分析してみると、毎日売れる商品が約5000、1週間で売れる商品が約20000、1ケ月でやっと売れる商品が40000だったそうです。ウォールマートは食品スーパーマーケットとは対極をなす業態ですが、それでも、顧客にとって本当に必要な商品はごくわずかだけであり、その商品が経営の鍵を握っていたという事実です(ウォールマートに学ぶデータウエアハウジング(翔泳社))。

  ついでにもうひとつ余談ですが、アメリカのコネチカット州のスチューレオナルドは商品を約2000品目に絞った、年商約100億円の食品スーパーマーケットですが、これはまさにPI値の高い商品に絞りきれたからこそできたビジネスといえます。現在、スチューレオナルドはCEOもジュニアに代わり、店舗も3店舗となり、年商は300億円を越えたそうです。

 このように、食品スーパーマーケットにとってはPI値1%の商品が根幹といえ、この商品の重点管理が経営の成否を決めるといえます。

November 28, 2005 in PI値 | | Comments (0) | TrackBack (0)

November 23, 2005

客単価が正式に知的資産経営報告書の根幹指標に!

 本ブログで11/2に取り上げた経済産業省が提唱していた知的資産経営報告書策定にあたってのガイドラインが、実は、先月、正式に公表されていた。年末かと思っていたが、意外に早い公表だった。6月の中間報告段階では51の指標が公表され、今回、35の指標に絞り込まれたが、その中の重要指標として客単価の変化が正式に取り上げられた。客単価の変化以外にも小売業界として関係の深い指標としては、新規顧客売上高比率及び新規顧客会員数の対前年伸び率もあり、来期の決算から、財務諸表とともに上場企業をはじめ、非上場企業にも知的資産経営報告書の公開を促してゆくという。

  知的資産経営の開示ガイドラインでは知的資産経営を次のように定義している。すなわち、「知的資産経営は、経営の一側面というよりも経営そのものであり、利益の追求を基本としつつ、多くのステークホルダーを視野に入れ、自らの有する固有の能力を活かして持続的な利益の発展を目指すことにより、企業価値を高める経営のやり方である」とし、知的資産経営=経営そのものという考え方である。今後、この知的資産経営報告書が様々な企業で公表されることにより、財務諸表のみでは表現できない知的資産や知的資産経営の内容を知ることができるようになるものと思う。また、このガイドラインでは知的資産経営報告を行う目的として、①企業が将来に向けて持続的に利益を生み、企業価値を向上させるための活動を経営者がステークホルダーにわかりやすいストーリーで伝え、②企業とステークホルダーとの間での認識を共有することにあるとしている。ここでいうステークホルダーとは株主だけではなく、従業員、取引先、債権者、地域社会等のことを指している。

 さて、肝心の客単価の変化について、ガイドラインでは次のように指標解説がなされている。「同一の購買顧客や販売取引先との間で、繰り返し取引がある場合、その取引先の満足度が高ければ、次の購買における単価は増大する可能性がある。逆であれば、より安く買おうとする可能性が高いので、減少する可能性が高い。また、それによって取引先が変わる場合には、新規の取引先の購買単価の方が高い可能性は低いので、この場合にも客単価は下落するであろう。したがって1回当りの購買単価(いわゆる客単価)が増大していることは、継続的な顧客への説得力が増加しているか、極めて高い信頼を寄せてくれる新規取引先・顧客を開拓したことを示唆する。」と客単価をこのように知的資産経営の重要指標であると定義している。また、指標解説では、平均単価が外的要因により下がった場合には一定の補正を行う必要があるともいっているので、客単価=PI値×平均単価を意識していると見えるが、その場合は、一般にはPI値がアップし、客単価が大きく落ちることはないのが現状であるので、平均単価のみで客単価をとらえるには少し無理があるが、客単価を慎重に評価しようという配慮がされている。

  このように今後、知的資産経営報告書を作成する際には、客単価の変化の指標が必然的に公開されることになり、小売業界はもちろんであるが、各企業が客単価を知的資産経営の管理指標として位置づけることになるものと思う。来期は決算書とともに知的資産経営報告書が各企業で公開されてくるものと思うが、是非、小売業界では進んで公開して欲しいと願う。

 今回、11/10に久しぶりに産業構造審議会、新成長政策部会、経営・知的資産小委員会が開かれたが、その会議の席で、日本政策投資銀行が作成した「サステナブルな社会づくりレポート社会環境・知的資産報告2005」が公表された。その中で、報告書をつくる上において苦労した点と良かった点は何かという質問に対し、「苦労した点として、行内で知的資産に対する認識ギャップがあったこと、積極的に「強み」をPRしていくことに慣れていないこと、知的資産を数値で裏付けることが難しいことがある。一方、良かった点として、行内を中心に反響が大きかったこと、CSR報告書や環境報告書を作成している人にとって、それらを広い視点で捉える上で知的資産という概念が一助になっているとの回答があった。また、知的資産経営報告は、企業と投資家との情報ギャップを埋める働きがあるので、間接金融を通じて社会貢献する際に大いに役立つとの意見があった。」とのことである。

  まだまだ、スタートしたばかりの知的資産経営報告書であるが、徐々に各企業に浸透してゆくものと思う。この委員会は傍聴もゆるされ、議事録、資料等すべて公開であるので、もし、時間がゆるせば、次回の委員会は来年早々ということでもあるので、傍聴にいってみようかと思う。

November 23, 2005 in PI値 | | Comments (0) | TrackBack (0)

November 21, 2005

トマトは野菜の客単価No.1商品!

  野菜の中でも客単価トップをほこるのはトマトである。トマトはまさに青果部門の最重要商品群のひとつだ。しかも、年間を通じて客単価の高い商品であり、かつ、粗利もかせぐ商品である。旬は5月前後であり、3月から客単価が上昇し、5月にピークを迎え、7月ごろまで続く。その後は客単価は落ちるものの、青果の中では、常に客単価上位をキープする。青果以外の食品スーパーマーケットの商品群の中でもトマトは常にトップクラスの客単価を誇る。ほぼ、客単価20円は狙え、PI値は10%以上の支持の獲得が可能だ。直近の家計調査月報(9月度)でみても、トマトの1日当りの全国平均の支出金額は18.2円で野菜の中でトップである。ただし、都道府県別のデータでみると最高29円から12円までバラツキがあるので、地域特性を見たうえでの目標設定が必要である。全国No.1は京都市の29円、2位が千葉市の27円、3位がさいたま市、東京都区部、横浜市で26円である。ワーストは青森市、和歌山市、那覇市で12円である。

  では、トマトの客単価アップのポイントは何か。それは、次の4点に集約できる。品揃え、商品管理、アップグレード、そして一箇所集中販売である。

  第1の品揃えのポイントはバラとパックを同時強化することと、必ず、大袋、場合によっては箱売りを投入することだ。客単価グラフでみると、○の商品(右下)、○○○の商品(真ん中)、そして○○(左上)の最低3つの品揃えを実践することである。よくある失敗事例は、バラのみ強化した事例で、これはPI値は極限までアップするが、平均単価が極限まで下がり、結果として客単価がアップしない結果となる。トマトは、PI値アップも大事な戦略だが、実は、それ以上に大切な戦略が平均単価アップである。トマトは唯一野菜の中で平均単価200円を越える商品である。野菜の平均単価はほぼ100円前後であるので、トマトは野菜というよりも、むしろ、果物に似た傾向を示す。これは3番目のポイントのグレードアップにもかかわってくるが、トマトは通常の野菜と違い、生でそのまま食べることがほとんどなので、食べた瞬間、その品質を一瞬のうちに顧客が判断する。したがって、おいしいか、鮮度がよいかが購入の決め手となり、時には価格(安さ)さへ越えてしまう。したがって、より、付加価値、グレードの高いトマトの投入が客単価アップには大きなポイントとなる。

  2番目の商品管理は、PI値の高いバラで欠品をださないことはもちろんだが、もうひとつ大事な課題は、品質のバラツキを安定させることがポイントとなる。特にPI値のアップはこれで決まるといってもよく、PI値がアップするかどうかは、より沢山の顧客に買っていただくことも大事だが、一人一人の顧客が継続的にリピートしてもらえるか、また、バラからパックへそして箱へと購入単位をアップしてもらえるかが決め手となる。そして、そのためには品質のバラツキが少なく、いつ、買ってもおいしく、そして鮮度のよい商品管理ができているかが問われるのだ。これが特に、PI値はもちろん、平均単価アップにもつながってゆく。

  3番目はアップグレードだが、これは既に述べたように、同じバラでも、少し高いが、おいしいトマトを投入できるか、そして、そのパック(まとめ売り)への対応ができるかが、決め手となる。これによって、新しい顧客を獲得し、PI値アップへつながるだけでなく、平均単価アップにもつながり、トマト全体の客単価アップに貢献することとなる。したがって、最低限のトマトの品揃えは、通常のトマト3つ+ワングレードアップのとまと2つの合計5つは欲しいところだ。

  また、よくある売場づくりの間違いとして、4番目のポイントとなるが、トマトのバラのみ別の場所で販売するとか、特売商品のみ別の場所で販売するとかを見るが、トマトに限らず、各商品は比較購買されてはじめて全体の数字がアップするので、原則、トマトは一箇所集中販売が客単価アップの決め手となる。

  以上4つの原則を実践すれば、必ず、トマトは野菜NO.1の商品へ育ち、結果として、青果全体、ひいては店舗全体の客単価アップにつながってゆくものと思う。

参考HP:KAGOMEのトマト大学

November 21, 2005 in PI値 | | Comments (0) | TrackBack (0)

November 19, 2005

客単価とは何か?

  客単価というと一般的には、店舗全体の客単価、たとえば、2000円とか、2500円が思い浮かぶ。ほとんどの場合、そこで話が終ってしまい、ではどのように客単価をアップさせるかということになると、なかなか話がすすまないのが実情である。本来、客単価が1500円であれば2000円に、2000円であれば2500円にするためにどのように客単価をアップさせたらよいかの具体的な政策を明確にし、それを実行に移すことが客単価1500円、2000円を把握した時点で問われるはずなのに、それが中々できない。

  なぜか。その最大の理由は、客単価とは何かが、その本質にさかのぼって理解されていないからである。では、客単価の本質とは何か。それは「客単価とは商品1品1品から始まる」という認識である。商品1品1品に客単価があるのかと思われるかもしれないが、客単価は商品1品1品に存在し、その1品1品すべての商品の客単価を足したものが、店舗全体の客単価であり、これが2000円、2500円となるのである。したがって、客単価をあげるということは、商品1品1品にまでさかもどり、どの商品にメスを入れるかがつかめない限り、客単価アップは絶対に不可能なことなのである。

 では、商品1品1品に客単価が存在するとはどういうことか。これを理解するには、売上の基本公式にさかのぼる必要がある。
 売上=客数×客単価
    =客数×(売上÷客数)
この式は小売業で一般的に用いられている売上の基本公式だが、客数で割ってしまえば、売上=売上なので、売上にあえて客数という概念を導入し、因数分解し、客単価という新たな指標を導き出していることがわかる。したがって、客単価とはお客様一人当りの売上であり、これは商品1品1品から存在し、当然、店舗全体にも存在することがわかる。売上を商品1品1品で見るか、店舗全体で見るかの違いである。1例をあげれば、トマトの1日当りの売上が40000円だったとすると、客数が2000人であれば、40000円÷2000人で20円ということになる。すなわち、トマトの客単価は20円である。このように、売上の基本公式の中に、客単価は店舗全体だけではなく、商品1品1品に存在することが実は示されているのである。客単価は商品1品1品から始まるといえる。

  では、客単価をあげるとはどう考えたらよいだろうか。それには、この売上の基本公式をさらに深めて、客単価を因数分解することが必要となる。売上を上げるためには、先の公式が示すように客数か客単価を上げればよいが、客単価をあげるにはどうすればよいか。それは客単価を因数分解して新しい指標をつくることがポイントとなる。客単価=売上÷客数なので、この中の売上を分解し、その原点の指標である買上点数と平均単価に分けて考えるとよい。すなわち、
 客単価=売上÷客数
      =(買上点数×平均単価)÷客数
となり、客単価の分解が一歩進んだことにことになる。さらに、順番を並びかえると、
     =(買上点数÷客数)×平均単価
となり、(買上点数÷客数)=PI値(Perchase Index)とおけば、
     =PI値×平均単価
となり、客単価がPI値と平均単価に分解され、客単価アップの基本公式ができあがる。すなわち、客単価を結果とすれば、PI値、平均単価は原因であり、客単価を目標とすれば、PI値、平均単価は手段となり、客単価アップをはかるためには、PI値と平均単価に着目することがポイントとなる。これが客単価の基本公式である。

  この客単価の基本公式が成り立つことによって、客単価をあげるためには、商品1品1品のPI値と平均単価に着目し、PI値か平均単価、ないしは双方を改善することにより、商品1品1品の客単価はもちろん、結果として、店舗全体の客単価をもアップさせることができるようになる。これが客単価の本質である。

  最近は小売業の上場企業が増え、現在、約400社弱、食品スーパーマーケットは約50社となった。そして、その多くの企業で業績のフラッシュと題して、月次で売上速報を公表している。その中で、目を引いた速報がある。ヤオコーのものだ。月間売上速報を、客数と客単価に分け、さらに、その客単価をPI値と平均単価に分けて公開している。おそらく、食品スーパーマーケット業界でははじめてのことであろう。客単価までは公表する企業は最近増えてきたが、その最重要指標であるPI値までを公表する企業ははじめてみた。客単価の本質を理解し、商品1品1品にまでさかもどって、客単価アップを、PI値と平均単価を用いて、仮説検証しながら取組んでいるのでないかと思う。この事例のように、徐々にだが、食品スーパーマーケット業界でも客単価の本質が解明されつつあり、実務への活用がはじりつつあるといえよう。余談だが、PI値を買上点数と混同し、ホームページで月次売上速報として公表している企業を数社見つけた。PI値は買上点数を客数で割ったものであり、平均単価と掛け合わせて、客単価を導く、最重要指標であるので、買上点数としてしまうと、平均単価をかけた場合、売上に戻ってしまい、客単価にはならない。論理矛盾である。この点もヤオコーのホームページにはしっかり解説が補足としてつけられているので、確認しておいて欲しい。

ヤオコーのホームページの月次売上速報

November 19, 2005 in PI値 | | Comments (0) | TrackBack (0)

November 09, 2005

みちのく通信にみるPI値の実践的活用方法

 私が発行している携帯メルマガの「PI値!実践道場」に掲載している「みちのく通信」が好評の内に終了しました。全22回と特別号1回の計23回に渡っての、みちのくのトマQさんの長期連載です。PI値の実践手法を理解する上で大変参考になりますので、本ブログでも紹介します。第1回のみちのく通信を以下に掲載しますので、ご興味のある方は上記リンクをクリックすると残りの連載記事を読むことができます。また、下記アドレスを携帯にブックマークしていただければ、いつでもどこでも携帯でPI値を勉強することができます。
URL:http://www.picspics.net/pi/pi.html

みちのく通信 

第1回:みちのくのナッパヤがPI値を学ぶ

 私達は、みちのく郡山の地で、12年前からPI値に基づく青果専門店を経営してまいりました。なんの変わり映えもしない田舎の八百屋(みちのく郡山ではナッパヤと言います)が、今では、20坪で日販90万円、坪当たり4.5万円(年間約1600万円)の店にまで成長いたしました。よその店については、寡聞にして多くは知りませんが、多分福島県一、東北でも有数な店に数えられるだろうと思います。
 当初鈴木先生からご指導戴きましたときは、なかなか咀嚼できず、ようやくPI値管理が軌道に乗るようになるには5年かかりました。また、PI値発注法が身につき、安定して粗利益率が25%~27%とれるようになるのに、更に3年かかりました。いま振り返ってみると、技術的な要素よりもPI値理論を信じることができるかどうかという精神的なものの方が、進歩を妨げる要素として大きかったように思います。これからPI値を学ぶ皆さんのために、私達の12年を振り返り、成功失敗の重要なポイントを書き残すことは、皆さんの人生にお役に立つのではないかと思いたちました。もし、仮に私達の試行錯誤の12年を3年でマスターすることができれば、9年間の人生を得することになります。このように考えて、鈴木先生への恩返しの意味もこめて、PI値12年の歩みを、みちのく郡山の地から発信することにしました。皆さまのご商売や人生に少しでもプラスになれば幸いです。
 これからお話することは、みちのく郡山の地でのPI値理論の実践です。また過去12年間におきた事柄です。従って、他地域やこれからの未来に向かって、必ずしもそのまま当てはまるかどうかはわかりません。皆さんが参考にされるときには、地域特性と時代環境をふまえて判断していただければ幸いです。また、文章が拙いので、体系的に書くことができません。その時々のポイントを重点的に通信いたしますので、それぞれの立場で整理分類して下さるようにお願いします。

November 9, 2005 in PI値 | | Comments (0) | TrackBack (0)

November 04, 2005

PI値で見た食品スーパーマーケットの本質

  食品スーパーマーケットの本質とは何か。どのような特徴があるのか。そして、売上の決め手はいったい何かを考えてみたい。そのためには食品スーパーマーケットの商品構成を明確にし、それぞれの商品群と売上との関係を明かにすることがスタートである。

  小売業界が一般的に活用している売上の方程式は売上=客数×客単価であるが、私は、この客単価をさらに分解して、客単価=PI値×平均単価を用いている。客単価は売上÷客数、売上は一方で買上点数×平均単価でもあるので、客単価=(買上点数×平均単価)÷客数となり、買上点数÷客数=PI値とすれば、客単価はPI値×平均単価となるからである。ちなみに、この売上方程式、売上=PI値×平均単価×客数のことを、小売業のマーチャンダイジングの根幹の方程式ととらえ、MD方程式と呼んでいる。特にPI値は式からもわかるように顧客の支持率を表し、顧客の声を代弁する最重要指標といってもよい。

  そこで、売上の根幹である、このMD方程式の客単価に着目し、客単価=PI値×平均単価でみた時、食品スーパーマーケットはどのように見えるかを考えてみたい。ちなみに、一般的には客単価は店舗全体の客単価として認識されているが、この式が示すとおり、客単価はPI値×平均単価で表されるので、店舗全体はもちろん、大分類、中分類、小分類、単品にも客単価が存在する。店舗全体の客単価アップをめざすには、小分類、単品の客単価に着目することが実は最重要課題である。

  さて、食品スーパーマーケットはおおよそ10ぐらいの大分類に分けることができる。主な分類は農産、畜産、水産、惣菜、日配(豆腐、牛乳など)、食品(調味料、乾物、飲料・・)、・・である。この大分類を客単価分析するとそれぞれの特徴が明確に浮かび上がり、食品スーパーマーケットの本質、特徴、売上アップの戦略がはっきりとつかめる。客単価分析とは横軸にPI値、縦軸に平均単価(逆でも良い)を取り、それぞれの大分類をグラフに配置することである。ちなみに、食品スーパーマーケットの平均PI値は約1000%(1人平均10個購入)なので、10分類であれば平均PI値は約100%(1人1個購入)、平均単価は約200円であり、1分類当たりの客単価は掛けて200円となる。したがって、客単価分析のグラフの中心はPI値100%、平均単価200円となる。

  実際に各大分類の客単価グラフを作ってみると、興味深い、特徴的なグラフになる。ほぼきれいに約10の大分類がPI値100%、平均単価200円を通る双曲線上に並ぶのである。y=1/xのグラフである。右下(PI値の高い領域)の典型的な商品が日配(豆腐、牛乳など)、農産、食品(調味料、乾物、飲料・・)の3つであり、左上(平均単価の高い領域)の典型的な商品が水産と畜産の2つである。あとの惣菜、菓子等の商品はおおよそ中心付近にくる。

  実はここに食品スーパーマーケットの本質があり、このグラフこそ食品スーパーマーケットの最大の特徴といえる。右下のトップを走るPI値No.1の商品は日配(豆腐、牛乳など)である。何とPI値が300%(1人平均3点購入)という断トツの商品である。No.2がほぼ同じPI値約200%(1人平均2点購入)の農産と食品(調味料、乾物、飲料・・)である。これに対し、平均単価No.1商品はほぼ同じ300円強の平均単価の水産と畜産である。ちなみに、PI値はどちらも100%弱となる。この数字から食品スーパーマーケットの本質が浮かび上がる。すなわち、人間が生きてゆくのに絶対必要なライフラインとなる商品は日配(豆腐、牛乳など)であり、農産であり、食品(調味料、乾物、飲料・・)であり、その補強商品が水産か畜産のどちらかであるという事実である。食品スーパーマーケットはまさに人間の生命維持に必要なものを販売している小売業であることがわかる。

  では、この客単価グラフから、食品スーパーマーケットの売上アップの決め手は何かを考えてみたい。それはPI値No.1の日配(豆腐、牛乳など)、No.2の農産、食品(調味料、乾物、飲料・・)のPI値を極限までアップさせることである。そのためには、品揃えを充実させ、絶対に欠品を出さないことであり、さらに、お客さまの買い易い場所で販売することである。しかも、この商品こそ、ライフラインの根幹の商品であるので、限界まで価格を下げることもポイントである。スーパーセンターのベイシアがこれらの商品を極限までEDLP戦略をとったことはその意味で理にかなっている。また、これとは逆に平均単価No.1の水産、畜産に関しては平均単価を限界までアップさせることである。これは値上げをすることではなく、容量とグレードのアップを極限まではかることである。実際にこの商品群を100店舗ぐらいで調べてみると、平均単価の高い店舗ほどPI値も高いことがわかる。最終的には、右下、左上の商品群全体を右上にもってゆくような流れを作れたとき、食品スーパーマーケットはバランスよく顧客の支持を得ながら売上を上げてゆくことができる。

  このように、PI値で見ると食品スーパーマーケットの本質と活性化の方向がくっきり浮かびあがる。

November 4, 2005 in PI値 | | Comments (0) | TrackBack (0)