February 26, 2012

ウォルマート、2012年1月、第4四半期、EPS1.51ドル!

   ウォルマートが2/21、2012年1月度の第4四半期決算を公表した。ウォルマートの決算は日本の小売業の決算と違い、まずは、冒頭にEPSがくる。今回の決算でも、「・・earnings per share from continuing operations (EPS) of $1.51,・・」であり、EPSがこの四半期のみで1.51ドルになったことをはじめに報告している。さらに、これは四半期であるが、通年については、第4四半期決算の様々なコメントの後であり、ここでも、「Full year EPS was $4.54, compared with last year’s EPS of $4.18. EPS included approximately $0.05 in net benefits this year and $0.11 last year.」と、EPSの報告が先である。いかに、決算とは株主に対してのものであるかが、よくわかる決算発表であり、日本とは決算の意義、位置づけが違うといえ、改めて、株式会社の決算とは何かを考えさせる。

   さて、ここからは日本式、ウォルマートの通年の決算結果であるが、まずは、売上高であるが、ウォルマート全体では4,438.54億ドル(5.9%増)であり、堅調な伸び率である。その中身であるが、ウォルマートは3つの部門に分けて、売上高を管理しているが、米国のスーパーセンター、ディスカウントストア、食品スーパーマーケット等のウォルマート部門は1.5%増(構成比59.52%)と伸び悩んだ。伸びたのは海外部門であり、15.2%増(構成比28.35%)と2桁の伸びである。いかに、ウォルマートが海外に支えられているかがわかる。もちろん、この中には、日本の西友も含まれている。そして、もうひとつ、サムズクラブ部門であるが、8.8%増(構成比12.11%)であり、会員制ホールセールクラブも好調な結果であった。

   では、利益はどのような結果であったかを原価、経費面から見てみたい。まずは、原価であるが、75.50%(昨年75.17%)と、0.33ポイント上昇しており、結果、売上総利益は24.50%(昨年24.83%)と下がった。日本同様、アメリカでも価格競争は激化しているものと思われる。これに対し、経費の方であるが、19.21%(昨年19.42%)と0.21ポイント減少した。原価の上昇を経費の削減で補おうという意識が感じられる。それにしても、これだけ巨大な小売業であるにもかかわらず、経費比率を20%以下に抑え、しかも、昨年よりも下げており、驚異的なコストコントロールといえる。これがウォルマートのEDLP(Everyday Low Price)を支えるEDLC(Everyday Low Cost)であるといえよう。

   結果、商品売買から得られる利益、マーチャンダイジング力は5.29%(昨年5.41%)と、若干下がった。そして、これに会員収入として、その他営業収入が0.69%(昨年0.69%)加わり、営業利益は5.98%(昨年6.10%)と率では若干下がった。ただ、高では、5.9%増という堅調な売上高の伸びに支えられ、4.0%増となり、増収増益の好決算となった。

   やや気になるのは原価の上昇が経費の削減を上回っていることであり、ウォルマートにとっては、今後、さらにEDLPを世界中で推し進めてゆくためにも、経費の削減を一層、推し進める必要があろう。EDLPは商圏内で最も低い価格を維持し続けるため、売価が徐々に徐々に下がって行く。したがって、原価上昇の圧力がかかり、それ以上に経費を下がるか、物流改善等を踏まえ、原価交渉を通じてメーカー、卸との原価交渉が課題となる。ウォルマートがPOS開示をしているのも、ここがその目的であるといえるが、今期の決算では原価の上昇が見られることから、原価交渉は限界に近いのではないかと思われる。したがって、今後は、一層経費削減が課題となろう。

   では、この決算結果を受けて、ウォルマートが今後どのような経営戦略を描いているのかをキャッシュフローをもとに占ってみたい。まずは、営業活動によるキャッシュフローであるが、242.55億ドル(昨年236.43億ドル)、約2兆円であり、すごいキャッシュである。そして、このキャッシュの投資への配分であるが、投資活動によるキャッシュフローは-166.09億ドル(昨年-121.93億ドル)であるので、約70%弱を配分しており、しかも、昨年よりも36.21%増やしており、積極的な投資を図っているといえる。

   一方、財務活動によるキャッシュフローであるが、-84.58億ドル(昨年-120.28億ドル)であり、営業活動によるキャッシュフローの約35%弱であり、しかも、昨年よりも減少しており、財務改善への配分を削減、特に、自社株買への配分が大きく減少しているのがその要因である。したがって、このキャッシュの配分を見る限り、ウォルマートは攻めを重視した積極的な経営戦略を打ち出しているといえ、今期は守りよりも攻め重視に動くのではないかと推測される。

   このように、ウォルマートの2012年1月度の決算が公表されたが、増収増益の好決算であり、特に、国内が伸び悩む中、海外部門に支えられたことが大きいといえよう。やや気になるのは原価の上昇が見られることであり、ウォルマートはEDLPを経営戦略に採用しているため、売価を下げ続けざるをえない宿命にあるといえ、やむをえないともいえるが、現状の原価交渉等が厳しい状況にあるものと推測される。したがって、今後、PB等を強化し、原価を維持するか、経費削減を一層すすめることが課題となる。このような中、キャッシュフローを見ると、攻めの意思が鮮明であり、今期ウォルマートは、攻撃は最大の防御、攻めに活路を見出すのではないかと予想される。ウォルマートが今後、どのような積極的な経営方針を打ち出すのか、注目である。

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February 26, 2012 in ウォルマート、海外情報 | | Comments (0) | TrackBack (0)

November 23, 2011

クローガー、2012年1月期、中間、増収増益!

   ここ最近、ブログで海外企業の決算を取り上げている。すにで、ウォルマート、ホールフーズマーケット、そして、テスコを取り上げたので、もう1社、食品スーパーマーケット業界の雄、全米No.1の売上高を誇るクローガーの2012年1月期、中間決算を取り上げてみたい。クローガーは現在、全米で約2,500店舗を展開する食品スーパーマーケットであるが、これにコンビニエンスストア約800店舗、ドラックストア約400店舗をかかえており、合計、総店舗数では約3,700店舗となる巨大チェーンストアである。食品スーパーマーケットには、日本でよく知られたラルフス、スミス、フード4レス、フレッドマイヤ、キングなどが傘下に入っており、ほぼ全米に展開されている。主要ドミナントは、カリフォルニア、アリゾナ、ワシントン、コロラド、テキサス、オハイオ、インディアナ、ジョージア、テネシー、ミシガン、ケンタッキーなどであり、これらの州では、いずれも100店舗以上を展開している。

   上記いずれの地区でも、シェアNo.1か、No.2であるが、これ以外にもクローガーが展開している地域では、そのほとんどの州でウォルマートのスーパーセンターと激しいシェア争いをしているのが実態であり、クローガーがウォルマートと真っ向から戦う食品スーパーマーケットの代表格であるといえる。ウォルマートのスーパーセンター以外では、シアトルではセイフェイ、コストコ、サンディアエゴではボンズ、アルバートソン、リッチモンドではフードライン等と激しシェア争いを繰り広げている。

   さて、2012年1月期の中間決算の結果であるが、売上高483.74億ドル(昨対11.20%増)、営業利益12.99億ドル(昨対6.73%増)と、増収増益の好決算となった。売上高の伸び率に比べ、営業利益の伸び率がやや低いのが気になるが、その要因を見てみたい。アメリカの小売業のP/L(損益計算書)は企業により、各項目、形式がまちまちであり、クローガーもウォルマート、ホールフーズマーケットと比べ、大分、形式が違い、独特である。

   まず、売上高から引かれるのは、Merchandise costs, including advertising, warehousing, and transportation, excluding items shown separately belowであり、マーチャンダイジングコスト、すなわち、商品の販売に直接かかわるコストを差し引いている。この中には原価も含まれていると思われ、これに経費の一部、広告宣伝費、物流費なども含まれている。したがって、日本のように純粋な原価という数字がないのが特徴である。その結果であるが、売上高対比で78.92%(昨年77.48%)と、1.44ポイント上昇しており、結果、マーチャンダイジング利益は21.08%(昨年22.52%)と、この時点では大きく減益となった。

   次に、Operating, general and administrative、いわゆる販売管理費であるが、15.86%(昨年16.96%)と、1.10ポイント削減した。したがって、この時点での利益は5.22%(昨年5.56%)と、依然として減益が続いている。そして、次がRent、家賃であろう、0.71%(昨年0.80%)と、0.09ポイント削減した。結果、この時点での利益は4.51%(昨年4.76%)と、まだ、減益が続く。最後がDepreciation and amortization、減価償却費であり、1.80%(昨年1.94%)と、0.14ポイント削減しており、結果、この時点での利益は2.71%(昨年2.82%)であり、結果、いずれの段階でも減益であり、この中間決算時は利益は厳しい結果であったといえる。特に、マーチャンダイジングコストの上昇が大きかったといえよう。ただし、率では減益となったが、高では売上高が11.20%増となったため、6.73%増の増益となった。

   マーチャンダイジングコストが上昇しているということは、それだけ競争が厳しい状況にあるといえ、ウォルマートも国内は思わしくない状況であるので、アメリカ全土でウォルマートと食品スーパーマーケットとの激しい競争が繰り広げられているものといえよう。それにしても、クローガーのP/Lも独特な計算となっており、ここでは、各経費段階で利益を独自に計算したが、P/Lでは、すべての経費が縦に羅列され、営業利益は売上高から一辺に引かれており、利益の状況を知るためには、ひと工夫必要な決算書であるといえる。

   一方、クローガーのこの中間決算時の純資産比率であるが、B/S(貸借対照表)は、P/Lと違い、ほぼ、日本の決算書と同じ形式であり、計算がしやすい。B/Sはバランスシートの略だが、何と何をバランスさせるかは、日本では資産と負債+純資産をバランスさせるが、すでに本ブログでも取り上げたテスコは資産-負債と純資産をバランスさせており、このような考えもあるのかと興味深いものである。さて、クローガーの純資産比率であるが、純資産52.10億ドル、総資産233.98億ドルであるので、22.26%(昨年22.53%)であり、比率も低く、さらに昨年より下がっており、かなり、苦しい財務状況にあるといえる。

   このように、全米No.1の規模を誇る食品スーパーマーケット、クローガーの2012年1月期の中間決算は増収増益とはなったが、その中身は、率では減益、高で増益という決算であり、特に、マーチャンダイジングコストが上昇しており、厳しい結果といえる。また、純資産比率も20.26%と、約80%を負債に追う財務構造となっており、負債が経営に重くのしかかっており、厳しい状況にあるといえる。今後、後半にかけて、より、厳しい経営環境が続くと思われるが、クローガーとしては利益と財務、双方の改善をはかる必要があるといえ、どのような経営戦略を打ち出すか、その動向に注目である。

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November 23, 2011 in ウォルマート、海外情報 | | Comments (0) | TrackBack (0)

November 22, 2011

テスコ撤退に対してのイギリス人のコメント!

   前回、本ブログでテスコの中間決算について取り上げたが、その数字を調べている中で、おもしろいブログを見つけた。「とりいそぎ」というブログであるが、その中で、様々なトピックについて、海外の新聞記事の一部を翻訳する中で、テスコ撤退について取り上げていた。なかなか興味深い内容であるので、そのブログの翻訳元となった新聞記事、および、コメントをもとに、今回のテスコ日本撤退のイギリスでの反響を見てみたい。新聞は3紙、デイリーテレグラフ(約60万部)、ガーディアン(約25万部)、インデペンデント(約20万部)であり、いずれもイギリスの新聞である。

   まずは、記事の内容であるが、デイリーテレグラフは「Tesco pulls out of Japan(2011年10月31日)」という見出しであり、テスコ撤退が、アメリカのFresh & Easyに波及するのではないかという観点で取り上げられていた。これに対するコメントは30件である。次に、ガーディアンであるが、「Tesco to exit Japan after eight-year struggle(2011年10月31日)」という見出しであり、日本での8年間のテスコの苦闘について取り上げ、ただ、日本市場はテスコにとって影響を与えるほど大きくない点を強調した内容である。また、テスコの買い手が中途半端な大きさの店が多く交渉が難航している様子とのことである。コメントは98件であり、関心の高さがうかがえる。

   そして、インデペンデントであるが、「Tesco pulls out of Japanese market(2011年10月31日)」との見出しのもと、日本市場の攻略の難しさをウォルマートも2002年以降苦闘していることを引き合いに出しながら、解説しており、それでも、テスコ本体に与える影響は小さいとの内容である。コメントは14件であり、最も少ない。この3紙はいずれも、イギリス国内で激しい競争をしており、このテスコ日本撤退の記事も、10/31と、同日であり、記事の内容もそれぞれ工夫がみられる。

   さて、そのコメントの内容であるが、まずは、デイリーテレグラフのコメントであるが、「何年か前に、テスコのCEO、デビット・リーヒーが、日本は世界でも参入するのが難しい市場であるので、テスコの水準を上げないと難しいといっていたと思う。」、「日本の市場への独自参入は難しいので、日本の大手小売業とパートナーシップを結ぶべきだったのでは、・・」、「これで、次は、アメリカのブラックホールに落ちたFresh & Easyだな。」などのコメントがある。また、日本人のコメントもあり、「日本では誰もが朝食にシリアルやミューズリーを食べているわけではない。 日本の小売業は、世界で最も競争の激しい市場であり、消費者を喜ばすのが難しい市場である。」とのことである。

   次に、ガーディアンのコメントであるが、「イギリスの小売業は過去に学んでいない。セインズベリーはかつてイギリスで1番だった。でもアメリカで展開すると、イギリスで3番目になった。マークス&スペンサーも2000年以降、イギリス以外の各国で展開したが、撤退した。」、「カルフールが去って、今度はテスコか、いずれも関東での展開だ。自分は関西に住んでいるから、買い物するチャンスがなかった。ただ、このような状況でも、コスコは力をつけている。誰でも会員になれるし、日本の小売業にないビックサイズを得るなど差別化している。」、「私は東京に住んでいるが、テスコのことをほとんど知らなかった。」とのことである。

   そして、インデペンデントでは、「日本のツルカメが、イギリスのテスコのような洗練されたイメージがなかったのではないか」というコメントがあり、それに対して、すかさず、「イギリスでテスコが洗練されているとは思えないが、・・」と反論が寄せられている。また、「コスコ、スターバックス、マクドナルドなど成功した海外企業もあるのだから、テスコやカルフール、ウォルマートが成功しなかったのは、ビジネスモデルが日本に合わなかったのだろう。日本の小売業は強いので、テスコの市場調査、立地等が問題なのではないか」とのコメントもある。

   ここでは、テスコの日本撤退に関してのコメントについて絞ってみたが、大半はイギリスのテスコについてのものが多く、いかに、イギリスではメジャーな小売業であるがかがうかがわれる。また、今回の日本撤退よりも、むしろ、アメリカのFresh & Easyに関するコメントが多いといえ、次はアメリカ市場からテスコが撤退するのではないかと読者は見ているといえる。

   このように、前回のテスコの2012年2月期の中間決算のブログに続き、その関連でイギリスの3大紙、デイリーテレグラフ、ガーディアン、インデペンデントのテスコ日本撤退にたいするコメントを見てみたが、日本の新聞と違い、読者がWEB上にどんどん自由にコメントしており、報道といよりも、読者を取り込んだ仕組みができているといえ、興味深い仕組みであり、その中身もおもしろい内容である。全体的には日本市場はテスコにとっては、わずかなシェアを占めているにすぎず、驚きよりも、安堵感、やっぱりというニアンスが感じられるコメントが多かったといえる。現時点ではテスコの売却先が決まったという報道はないが、年内には何か動きがあるかもしれず、どこが買収するか、その動きが気になるところである。

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November 22, 2011 in ウォルマート、海外情報 | | Comments (0) | TrackBack (0)

November 21, 2011

テスコ、2012年2月期、中間決算、増収増益!

   テスコが2012年2月期の中間、8/27までの26週間の決算結果を10/14に公表した。テスコはイギリスに本社を置き、ヨーロッパ、アジア、そして、アメリカへとグローバルに展開している、世界第3位の規模を誇る小売業であるが、残念ながら、日本からは今年撤退を表明しており、現在、売却交渉に入っている。また、アメリカでの事業も中々軌道にのらず、苦戦を強いられている。ただ、ヨーロッパ、アジアは好調であり、この中間決算も、ヨーロッパ、アジアが寄与し、グループ全体では増収増益となった。

   そこで、各地域の結果を見てみると、全体の売上高は355.30億ポンド(8.8%増)であり、その内訳は、イギリス234.29億ポンド(7.1%増:構成比65.94%)、ヨーロッパ56.73億ポンド(12.4%増、構成比15.96%)、アジア56.02億ポンド(11.7%増、構成比15.76%)、アメリカ3.04億ポンド(23.1%増、構成比0.85%)、そして、テスコ銀行5.22億ポンド(10.1%増、構成比1.46%)である。アメリカは伸び率こそ高いが、構成比は1%にも満たず、全体を牽引しているのは、ヨーロッパ、アジアである。なお、この数字は、Value-Added Tax 、いわゆるVAT、付加価値税込みの数字であり、後で見るP/L(損益計算書)では、VAT抜きで計算している。

   一方、営業利益の方であるが、全体は17.73億ポンド(売上対比5.5%、昨対3.7%増)であり、結果、増収増益と好決算となった。その内訳であるが、イギリス12.73億ポンド(売上対比6.01%、昨対4.5%増)、ヨーロッパ2.37億ポンド(売上対比4.81%、昨対11.8%増)、アジア2.92億ポンド(売上対比5.59%、昨対18.7%増)、アメリカ-0.73億ポンド(売上対比-24.33%、昨対23.2%増)、そして、テスコ銀行0.44億ポンド(売上対比8.43%、昨対-65.9%増)である。アメリカが赤字、テスコ銀行が減益であり、利益についてもヨーロッパ、アジアの貢献度が高いといえる。なお、「Continuing operations exclude the results from our operation in Japan which have been treated as discontinued following our decision to sell the business.」とのことで、日本の数字は除外されているとのことである。

   こう見ると、テスコは、イギリス本体の安定的な収益に加え、売上高、利益ともに成長著しいヨーロッパとアジアが増収増益を支えているといえ、まだ全体へのインパクトは薄いがアメリカは苦戦しているといえる。結果、増収8.8%、増益3.7%の増収増益となり、好調な決算ではあったが、やや利益が厳しいといえ、特に利益の改善を後半にかけては重視したいところであろう。

   そこで、その利益について、P/L(損益計算書)をもとに、原価、経費面から、やや苦戦したとはいえ、増益となった要因を見てみたい。なお、P/Lでは、売上高、Revenue (sales excluding VAT)であり、税抜きの数字で計算されており、先ほどの数字とは若干違ってくる。まずは、売上高であるが、318.12億円(7.8%)であり、先の税込の売上げと比べると、10.46%となり、いわゆる消費税率は10.46%、日本の約2倍であることがわかる。

   さて、原価であるが、92.22%(昨年92.10%)と、0.11ポイント上昇している。結果、売上総利益は7.78%(昨年7.90%)となった。一見、日本のP/Lとよく似ているが、この数字を見ると、ここには仕入れ原価と店舗段階での経費が含まれているものと推測され、これだけ、原価が大きくなるのではと思う。これは日本のP/L、ウォルマートのP/L、ホールフーズマーケットのP/Lとも違い、独特な計算方法である。そして、経費の方であるが、2.45%(昨年2.58%)と、0.13ポイント改善した。これは恐らく、経費といっても本部経費と思われる。言葉としても、Administrative expensesとしており、General and administrative expensesのGeneralが抜けているので、本部経費と推測される。

   結果、営業利益は5.33%(昨年5.32%)と、わずかな伸びにとどまっており、やや厳しい利益構造であったことがわかる。売上高が好調であったことにより、高では好調な数字となったが、率では原価高が響いたといえよう。それにしても、小売業のP/L(損益計算書)は様々であり、日本、ウォルマート、ホールフーズマーケット、テスコ、皆違いびっくりである。中でもホールフーズマーケットは独特であり、最も詳細なP/Lであるといえる。

   一方、テスコのB/S(貸借対照表)であるが、これも独特な計算方法であり、自己資本比率が計算しにくい。その理由は、資産と負債+純資産と左右にわかれてのバランスをとっておらず、資産-負債と純資産でバランスをとっているため、資産の合計、負債と純資産の合計が計算されていないためである。そこで敢えて、自己資本比率を計算してみると、資産の合計は492.93億ポンド(昨年472.06億ポンド)、純資産が170.33億ポンド(昨年166.23億ポンド)であるので、34.55%(昨年35.21%)と若干下がっており、しかも、30%台と厳しい財務状況といえる。日本ではイオンが32.30%、セブン&アイHが47.60%であるので、イオンとほぼ同じ数字である。

   このように、テスコの2012年2月期の中間決算は増収増益とはなったが、利益は原価の上昇がみられやや厳しい結果であったといえる。また、自己資本比率も下がっており、しかも、その数字も低い状況にあり、財務の改善も課題といえる。こう見ると、売上げ、利益ともに伸び悩む日本からの撤退もやむをえないといえよう。テスコとしては、利益を引き上げ、財務の安定化をはかることが先決といえ、売上げ、利益ともに比較的好調なヨーロッパ、アジアへの投資を優先することも理解できるといえる。すでに、後半戦に入っているが、テスコがヨーロッパ、アジアでどのような成長戦略を打ち出すか注目である。

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November 21, 2011 in ウォルマート、海外情報 | | Comments (0) | TrackBack (0)

November 20, 2011

ホールフーズマーケット、2011年9月本決算、増収増益!

   ホールフーズマーケットが11/2、2011年度、9月期の本決算を公表した。ウォルマートの2012年度、第3四半期決算の発表ではEPSを冒頭に取り上げていたが、ホールフーズマーケットの冒頭のコメントは、「results for the 12-week fourth quarter ended September 25, 2011. Sales for the quarter increased 12% to $2.4 billion.」であり、第4四半期の売上高を取り上げている。そして、「Comparable store sales increased 8.7%,or 17.4% on a two-year stacked basis. Identical store sales, excluding six relocations and one expansion, increased 8.4%,or 17.1% on a two-year stacked basis.」と、既存店と全店の数字を取り上げており、日本の決算発表に近いコメントの仕方である。

   また、P/L(損益計算書)についても、まずは売上高、そして、原価、次が、売上総利益であり、日本の決算書と同じ並びであり、ここでもウォルマートとは異なり、日本の決算書と同じである。ただ、次が、ウォルマートにも、日本の決算書にもない、ホールフーズマーケット独特の項目、店舗のみの経費があり、そこから店舗貢献利益が算出されている。すなわち、経費項目が、まずは2つに分かれ、店舗のみの経費を算出し、それを売上総利益から差し引いた利益が計算される。そして、そこから、2つ目の経費、一般管理費があり、これを差し引いた利益が計算される。ただし、この経費には新規出店のプレオープン経費、閉店の経費等は省かれており、この利益から、さらに、プレオープン、閉店費用が差し引かれ、営業利益が計算される。したがって、これを入れれば、経費が3つに分かれ、それぞれの利益を算出しており、ウォルマートにも、日本の決算書にもない、ホールフーズマーケット独特の決算書となっている。

   ホールフーズマーケットにとっては、営業利益までに、結果、経費が3つ、利益は4つあることになる。売上高から原価を差し引いた利益、いわゆる粗利、そこから、店舗段階での経費を差し引いた利益、店舗貢献利益、さらに、そこから一般管理費を差し引いた利益、運営利益、そして、ここが独特であるが、新規出店、閉店等の経費を差し引いた営業利益であり、それぞれの利益が明示されており、投資家にとっては、営業利益がどの段階が貢献しているのか、あるいは、課題があるのかが判断できるようになっており、経営、特に、営業段階でのディスクローズが徹底しているといえる。

   さて、その結果であるが、52週間の売上高は101.07億ドル(112.23%)と増収となり絶好調である。そして、利益であるが、まずは、原価であるが、65.01%(昨年65.17%)と、0.16ポイント改善している。結果、差し引き、売上総利益は34.99%(昨年34.83%)と増益となった。それにしても、これだけ原価が低い、すなわち、粗利が高い食品スーパーマーケットは稀であり、ここがホールフーズマーケットの最大の強みといえよう。自然食品、有機食品に徹した商品構成であるがゆえの、ウォルマートですら追随できない独特の強みといえる。

   そして、店舗段階の費用であるが26.00%(昨年26.38%)となり、0.38ポイント改善した。ただ、原価も低いが、店舗段階で26.00%と経費も十分にかけているといえ、典型的な低原価(高粗利)、高経費の利益構造であるといえる。結果、店舗段階での利益は8.99%(昨年8.45%)と増益となった。ついで、一般管理費、ここでは、本部経費と見た方が良いといえるが、3.07%(昨年3.02%)と、0.05ポイント削減した。結果、運営利益は5.92%(昨年5.43%)と、ここでも増益となった。最後に、新規出店、閉店経費であるが、0.48%(昨年0.54%)と、ここでも0.06ポイント削減しており、結果、営業利益は5.44%(昨年4.89%)と、増益となった。したがって、原価はもちろん、その後の3段階に渡る経費、店舗段階、本部段階、新規出店、閉店段階、すべて改善し、結果、増益となったといえ、増収に加え、増益と好調な決算であったといえる。

   さて、この好調な決算を活かし、ホールフーズマーケットがどこにキャッシュを配分したかであるが、営業活動によるキャッシュフローは7.54億ドル(5.85億ドル)と、大きく増加している。そして、投資活動によるキャッシュフローであるが、-4.50億ドル(昨年-7.15億ドル)と、大きく削減している。ただ、その中身を見ると、新規出店関連への投資は-3.64億ドル(昨年-2.56億ドル)とむしろ増加している。違いは、有価証券の売却益が今期11.55億ドル(昨年6.46億ドル)あり、これを加味すると、成長戦略を強化しているといえる。そして、財務活動によるキャッシュフローであるが、-2.23億ドル(昨年-1.68億ドル)と、増加しており、財務の改善にもキャッシュを昨年以上に配分している。結果、キャッシュが0.80億ドル(昨年-2.98億ドル)と増加しており、財務の強化が図られている。実際、B/S(貸借対照表)の資産の現金も2.12億ドル(昨年1.31億ドル)と増加している。結果、自己資本比率も69.68%(昨年59.53%)と大幅に改善した。

   このように、ホールフーズマーケットの2011年9月期の決算は増収増益と絶好調であり、原価が改善し、経費は、いずれの段階でも削減され、結果、すべての段階で利益が改善している。しかも、その結果、得られた利益に有価証券を売却した収入も加え、成長戦略と財務の安定の二兎を同時に追い、双方を強化したといえる。結果、自己資本比率も大きく改善し、約70%となり、小売業としては、限界に近い数字といえよう。来季、ホールフーズマーケットが、この好調な決算をもとに、どのような経営戦略を打ち出すか、その動向に注目である。

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November 20, 2011 in ウォルマート、海外情報 | | Comments (0) | TrackBack (0)

November 17, 2011

ウォルマート、2012年度決算、第3四半期、好調!

   ウォルマートが11/15、2012年度の第3四半期決算を公表した。第1声は、「Walmart announces FY12 Q3 EPS from continuing operations of $0.97、・・」であり、EPS、すなわち、1株当たり利益が0.97ドルとなったとのことである。日本の決算発表では、増収増益が第1声となるが、ウォルマートの決算における最重要情報は、このEPSにあり、いかに、株主に対して、利益を生み出すことができたかを報告するのが、決算の目的であるといえる。そして、その次のアナウンスが売上高であり、「Net sales for the third quarter were $109.5 billion, an increase of 8.2 percent from last year.」であり、増収となったとのことである。

   そして、3番目が、「Both Walmart U.S. and Sam's Club exceeded comparable ("comp") sales、・・」既存店、4番目が、「Walmart International increased net sales approximately 20 percent to $32.4 billion for the quarter,・・」と、貢献度の高い海外の状況、5番目が、「・・、operating expenses for the quarter.」と、営業費用、そして、最後、6番目に、「During the third quarter, the company returned $2.7 billion to shareholders through dividends and share repurchases.」と、再度、株主への貢献、すなわち、配当と自社株買いのコメントをしており、日本の決算とは異質な着眼ポイントといえよう。

   特に、6番目の株主への貢献は、1番目がEPSで直接利益に加え、そこからの配当、さらには、自社株買いも株主還元であるとの明確な認識であり、特に、この3つの数字が決算にとっていかにウォルマートにとって重要な数字であるかが、鮮明な決算発表といえる。日本では、ここまで決算の冒頭で株主へ、決算結果がいかに貢献しているかを強調することはないといえ、興味深い、決算の認識の違いである。ちなみに、ウォルマートの株価であるが、10月までは53ドル前後でほぼ横ばいで推移していたが、10月に入り、株価は上昇、ほぼ右上がりとなり、11/8には60ドル寸前まで急上昇した。この11/15の第3四半期決算時には57.55ドルであり、高値を維持しており、投資家はウォルマートを買いと判断しているといえよう。

   さて、ウォルマートの、この第3四半期のP/L(損益計算書)であるが、日本のP/Lとは違い、原価と経費が並列で記載され、売上高+その他営業収入から、同時に差し引き、営業利益を算出しているのが特徴である。そして、この営業利益から、資本関連の収益を差し引き、当期純利益を算出しており、いわゆる経常利益がなく、営業利益からストレートに当期純利益へと直結する。したがって、原価率、経費比率等が算出されていないので、独自に計算し、ウォルマートのマーチャンダイジング力を算出する必要がある。

   そこで、そのマーチャンダイジング力を算出してみると、まずは、原価は75.42%(昨年75.11%)と、0.31ポイント上昇しており、原価は残念ながら改善できていない。結果、売上総利益は24.58%(昨年24.89%)となった。日本の食品スーパーマーケットとほぼ同じ数字である。一方、経費の方であるが、19.61%(昨年19.80%)と、0.19ポイント改善している。それにしても、以前と比べると経費比率は上昇しているとはいえ、20%を切る低い数字であり、これが、ウォルマートの強さといえ、EDLP(EveryDay Low Price)を支えるまさに、EDLC (EveryDay Low Cost)であるといえよう。日本の決算公開企業約50社でも20%を切る経費比率の食品スーパーマーケットはわずか5社であり、小売業にとって、20%の経費比率を下回ることがいかに至難の技であるかがわかる。ちなみに、イオンは35.11%、セブン&アイHは33.37%であり、異次元の世界である。

   結果、差し引き、商品売買から得られる利益、マーチャンダイジング力は4.97%(昨年5.09%)となり、下がった。原価が経費削減以上に上昇したのが要因といえ、今後、ウォルマートとしては、いかに、原価を引き下げるかが課題といえよう。そして、これに、その他営業収入が0.68%(昨年0.70%)加わり、営業利益は5.65%(昨年5.79%)と、率では減益となった。ただ、売上高が6.0%上昇しており、結果、営業利益高では3.5%の増益となり、営業利益段階では増収増益の好決算となった。その売上高の上昇要因であるが、ウォルマートの既存店は0.0%と厳しい状況であるが、新店を含めたウォルマート全体は2.6%増、サムズクラブが9.6%増、海外が8.4%増であり、サムズクラブと海外に支えられた増収といえ、今後、米国内、特に、既存店の活性化が課題といえよう。

   さて、このような状況の中、ウォルマートの経営戦略はどこを向いているかであるが、キャッシュフローを見ると、営業活動によるキャッシュフロー129.14億ドル(昨年122.65億ドル)と若干増加したが、そのほとんどを投資活動によるキャッシュフローに配分している。その金額は128.14億ドル(昨年92.89億ドル)であり、中身は新店開発に加え、M&Aへの投資である。財務活動によるキャッシュフローはわずか2.84億ドル(昨年3.30億ドル)であり、いかに、成長戦略を重視したキャッシュの配分であるかがわかる。

   このように、ウォルマートの第3四半期決算は増収増益とはなったが、原価の上昇が響き経費の削減で補うことができず、マーチャンダイジング力は厳しい結果となった。ただ、それを補う売上高を達成したため増収増益を確保したといえる。そして、それを後押しするかのように、キャッシュフローの大半を成長戦略に投資しており、ウォルマートはここへ来て、強気の攻めの経営に転じたといえよう。今後、残された四半期、年間最大の収入が得られる年末年始に向けて、ウォルマートがどのようなキャッシュの獲得に打って出るか、その動向に注目である。

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November 17, 2011 in ウォルマート、海外情報 | | Comments (0) | TrackBack (0)

March 03, 2011

ウォルマート、2011年1月期決算、売上高3.4%、微増!

   ウォルマートが2/22、2011年1月期の本決算を公表した。結果は売上高が4,189.52億ドル(約34兆円)となり、昨対では3.4%増となった。現在、円高であり、1ドル80円強であるので、円換算では約34兆円となるが、仮に1ドル100円であれば、円換算では40兆円を超えるので、為替相場がいかに海外との関係ではインパクトがあるかがわかる。気になるのはウォルマートの株価であるが、2/22の前営業日である2/18(55.38ドル)、そして、2/22(53.67ドル)、2/23(53.03ドル)、2/24(52.09ドル)、2/25(51.75ドル)と決算発表以降、株価を下げている。チャートを見ても2月までは順調に株価を上げていたが、2月に入り株価は反転、下がりはじめ、決算発表後もほぼ右下がりになっており、投資家はウォルマートの決算を厳しく見ているといえよう。

   それにしても、ウォルマートの決算公表資料を見ると、冒頭に、1株当たりの利益 EPS(earnings per share)が示され、いかに、上場企業は投資家を配慮しているかがわかる。EPSは1株当たりの利益であるので、ウォルマートは決算において、この投資家の1株の価値を最も重視している指標としているということであり、日本の決算発表ではみられない光景である。そのEPSであるが、「Walmart reports fourth quarter EPS from continuing operations of $1.41、・・」とのことであり、1.41ドル、これは公約の1.34ドルを上回ったとのことで、投資家に対して、1株の価値を下げてはいないという点が冒頭の決算発表で示されている。

   日本の上場企業では、増収増益かどうかが、とにかく先に示され、決算発表の場でもこの点を強調するが、ウォルマートのこの本決算の公表の仕方を見ていると、全く発想が違い、for the投資家であり、びっくりである。ただ、このEPSがプラスになった結果を強調しても、株価は事実上下げており、投資家は、ウォルマートの今回の決算に不満をいだいているといえ、シビアな反応である。

   そこで、改めて、ウォルマートの本決算のP/Lを見てみたい。まずは、売上高は先に見た通りであり、3.4%の増加である。これに、サムズクラブの会員収入が28.97億ドル(売上対比0.69%、昨対-1.9%)加わり、営業収入は4,218.49億ドルとなり、伸び率は売上高と同様3.4%増である。そして、ここからcostが引かれるが、日本の食品スーパーマーケットの決算とはかなり内容が違い、まずはCost of salesというcostが差し引かれる。その数字は3,152.87億ドル(売上対比75.25%、昨対3.6%)である。Cost of salesは経費のように思えるが、この売上対比を見る限り、あきらかに原価である。ここでも日本の会計基準とは違い、とまどうところであるが、結果は昨対3.6%であり、原価の上昇が見られる。

   一方経費であるが、この経費が原価と同じ場所に表示されており、これもとまどうところである。Operating, selling, general and administrative expensesであるが、結果は、810.20億ドル(売上対比19.3%、昨対1.7%)である。ここでも上昇が見られ、原価、経費ともに上昇しており、この数字を単純に評価すると、売上高は3.4%増となったが、原価、経費は上昇しており、厳しい結果となっているといえる。でも、EPSは増加しており、解釈が難しい決算である。日本ではこれで、営業利益となるが、そうならないところがアメリカである。

   それにしても、日本でいう原価と経費は全く同じ範疇となっており、これを足して、Costs and expensesでくくる。日本では原価と経費はきっちり分けで計算するが、ウォルマートの決算書では、一緒であり、双方合わせて、コスト(Cost of sales)と経費(Operating, selling, general and administrative expenses)に分かれており、足して、Costs and expensesとなる。単純に、日本流に評価すると、原価、経費の上昇が見られるので、問題ではないかと思われるが、この時点では利益はまだ確定されない。営業利益がないともいえる。

   さらに、P/Lは続き、なぜかOperating incomeが加わる。これは、Interestとして、Debt 19.28億ドル、Capital leases 2.77億ドルのプラス、Interest income -2.01億ドルが加わり、結果、Interest, net 20.04 億ドルがプラスとなり、さらに、ここから税金関連が続き、最終的にはIncome from continuing operations attributable to Walmartとして、153.55億ドル(6.3%)の増益となる。実にわかりにくいP/Lであり、結果、増収増益となり、EPSはプラスということであろうが、原価、経費、双方が上昇しており、日本流に見れば、増収減益であり、厳しい決算であるといえよう。

   また、全体が3.4%の売上高になった要因も、その中身を見ると、ウォルマート本体は0.1%の増加であり、海外が12.1%、サムズクラブが3.5%と、海外事業に支えられた増収であるので、アメリカ国内は厳しかったといえる。

   こうみると、EPSは確かに上昇しているが、売上高もアメリカ国内は厳しい状況であり、海外事業に支えられての好調さといえる。また、利益の方も、原価、経費、双方の上昇が見られ、マーチャンダイジングの観点から見ると、極めて厳しい結果であったといえよう。したがって、EPSが上昇したのは、その他収入が押し上げたといえ、ウォルマート本来の営業状況はどう見ても好調であるとはいえず、株価が下がるのは納得がゆく評価であるといえる。この本決算を見る限り、ウォルマートの今後が実に気になる結果であり、今後、ウォルマートがどのような経営方針を打ち出すか、その動向に注目である。

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March 3, 2011 in ウォルマート、海外情報, 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

November 25, 2010

ウォルマート、第3四半期、売上高3.8%増!

   ウォルマートが11/16、2011年1月度の第3四半期決算を公表した。決算期間は2/1から10/31までの9ケ月間であり、ウォルマートの本決算は2011年1月、あとわずかであり、今期最終の四半期決算である。結果は、売上高$ 303,352(昨年$ 292,306:3.8 %)となり、単位は100万ドルであるので、1ドル83円で計算すると約25兆円となった。昨対が3.8%と微増であり、やや、売上高は伸び悩んだといえよう。一方、営業利益であるが、$17,538(昨年$16,544:6.0%)となり、増益、売上高比率で5.78%と堅調な数字となり、増収増益の好決算となった。

   そこで、まず、売上高が3.8%増となった要因を事業構造から見てみたい。ウォルマートの事業構造は大きく3つに分かれており、米国内ウォルマート部門、サムズクラブ部門、そして、ウォルマートインターナショナル、すなわち、国際部門である。この内、最も伸びたのは国際部門13.5%である。少し前までは、ドル高が国際部門の売上を引き下げていたが、ここ最近は一転、ドル安になり、ウォルマートの国際部門の売上を押し上げており、この為替相場も好調な要因のひとつといえる。たとえば、1ドル100円の為替相場が現在1ドル83円の円高、すなわちドル安となっており、100円の売上げが現在は1.20ドルとなり、ドル安がウォルマートの国際部門の売上げを押し上げるためである。余談だが、セブン&アイHはアメリカのセブンイレブンの売上構成比が高いために、ドル安、すなわち、円高は不利に働き、このまま円高が続くと、決算にも影響が生じかねないといえよう。

   では、アメリカ国内の状況はどうであったかであるが、ウォルマート部門は0.4%と微増であり、厳しい結果であった。ウォルマート全体の売上構成比が62.35%であるので、国際部門のドル安ばかりに頼っているわけにはいかず、今後、国内部門の活性化が課題といえよう。また、サムズクラブ部門は3.1%と堅調な数字であったが、売上構成比は11.98%とウォルマート全体への影響度は低く、これを見ても、ウォルマート部門の重要性がわかる。

   次に、利益面を原価、経費面から見てみたい。まずは原価であるが、75.20%(昨年75.04%)と0.16ポイント上昇が見られる。結果、売上総利益は24.80%(昨年24.96%)となった。日本の食品スーパーマーケットの決算公開企業約50社の平均が25.0%であるので、ほぼ同じ数字であり、25.0%の粗利率は食品スーパーマーケットでは世界標準値ともいえよう。一方、経費の方であるが、19.72%(昨年20.03%)と、0.31ポイント改善しており、20%を下回る経費比率である。これも、日本の食品スーパーマーケットの決算公開企業約50社で見ると、25.6%であり、約5%経費比率が低く、ここがウォルマートの真骨頂、ローコストオペンレーションであるといえよう。約25兆円の規模で20%を下回る経費比率であり、驚異的な数字といえよう。

   結果、差し引き、商品売買から得られる利益、マーチャンダイジング力は5.08%(昨年4.93%)となり、昨年を上回った。原価の上昇を経費の削減でカバーしており、これが好調な決算の要因といえよう。そして、これにその他営業利益が0.70%(昨年0.73%)のり、営業利益は5.78%(昨年5.66%)と、わずかではあるが、増益となった。

   この好調な決算を受けて、ウォルマートのキャッシュフロー、特に、今後の成長にかかわる投資活動によるキャッシュフローを見てみたい。今期は9,289百万ドル(約7,700億円:昨年8,661百万ドル)と昨年以上の投資をしており、その大半が新規出店がらみといえ、昨年以上に積極的な投資であるといえる。また、財務活動によるキャッシュフローでは、10,972百万ドル(昨年5,105百万ドル)を自社株買いに配分しており、実質、株主還元といえる。

   これを受けて、ウォルマートの株価であるが、ここ数ケ月は株価が右上がりに上昇している。ちょうど5ケ月前の7/1に47.77ドルの底値を付けて以降、株価は上昇、8月には50ドルを超え、9月には54ドルを超えた。そして、11月には55ドルを超え、現在、54ドル前後で推移している。その背景には、この第3四半期決算が好調であったことに加え、先にあげた約100億ドルの自社株買いも効いているといえ、株主還元が徹底しているといえよう。

   結果、この第3四半期のEPS(一株当たり利益)は増加している。ウォルマート自身もこの決算の冒頭で、「Walmart reports third quarter diluted earnings per share (EPS) of $0.95, compared to an adjusted $0.82 per share last year. 」とコメントしているように、0.95ドル/株(昨年0.82ドル/株)への増加を最も重要な決算結果として掲げており、いかに、株主還元がウォルマートの経営にとって重要事項であるかがわかる。

   このように、ウォルマートの第3四半期決算が公表されたが、結果は増収増益の堅調な決算となった。ただ、売上高は国際部門によるところが大きく、利益は原価よりも、経費削減に負うところが大きく、やや気になる決算結果である。ウォルマートとしては、大黒柱の国内のウォルマート部門の売上、そして、EDLPの前提となる原価改善による増収増益を目指したいところであると思われ、今後、どのようにウォルマートが、この決算結果を受け、経営改善に踏み切るか注目である。

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November 25, 2010 in ウォルマート、海外情報, 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

May 25, 2010

ウォルマート2011年度、第1四半期決算、増収増益!

   5/18、ウォルマートが2011年度、第1四半期の決算を公表した。公表の冒頭の数字は0.88ドルという数字である。日本の決算発表では、冒頭ではまず見られない数字である。この0.88ドルは1株当たりの利益であり、しかも、この数字の発表にあたって、直近に予想した数字を上回ったという言葉を付け加えている。それだけ、株主に対しての責任を重視しているといえ、改めて、株式会社は株主に対しての責任が決算では問われ、決算に当たっては最初に報告すべき数字が株主の利益が確保できたかどうかであるということが再認識されるウォルマートの決算報告である。まさに、資本主義のメッカ、アメリカの決算発表である。

   これについで、ウォルマートの決算発表数字は売上高である。「Net sales for the quarter were $99.1 billion, an increase of 6 percent.」とのことで、106%の増収であったという。金額は99.1ビリオンドルであり、ビリオンが10億円であるので、991億ドル、現在、1ドル90円ぐらいであるので、日本円では約8兆9,000億円となる。アメリカでは、桁が3桁づつ繰り上がるので、この10億の下がミリオン、100万となり、その下が千、サウザンドとなる。ここも日本と違うところである。結果、106%の売上であるので、堅調な数字といえる。

   そこで、その中身を見てみると、ウォルマートは売上げを3つに分けて管理している。ひとつは文字通りウォルマート、これは全米のウォルマート、スーパーセンター、ネバーフッドマーケット(食品スーパーマーケット)等の合計である。2つ目は海外部門であり、日本の西友もここに入る。そして、3つ目がアメリカのサムズクラブである。それぞれの売上高と伸び率、そして、全体における構成比であるが、ウォルマート62.324十億ドル(1.1%、売上構成比62.89%)、海外部門25.030十億ドル(21.4%、売上構成比25.25%)、そして、サムズクラブ11.743十億ドル(4.6%、売上構成比11.85%)という結果である。

   こう見ると、売上構成比約60%のウォルマートの伸び率は1.1%であり、プラスになったとはいえ、わずかな数字であり、厳しい結果であるといえよう。全体を押し上げたのは売上構成比25.25%の海外部門であり、何と21.4%の伸びである。昨年が極めて厳しい結果であったので、その反動もあると思われるが、この伸びはウォルマート自身も、「almost 9 percent on a constant currency basis.」といっているように、ドル安の影響が大きいといえよう。ちょうど、日本のセブンイレブンが円高でアメリカのセブンイレブンの数字が下がったのと逆のパターンであり、ドル安はウォルマートの海外の売上げを実態以上に押し上げることになる。ただ、この押し上げ効果を引いても海外の数字は高く、いまや、海外部門はウォルマートの大きな柱となったといえよう。

   もう少し、詳しく、この第1四半期決算のウォルマートの結果を見てみたい。特に、営業利益、原価、経費の状況であるが、営業利益は5.772十億ドル(売上対比5.82%)であり、昨対10.6%と好調であった。その中身であるが、まず、原価は75.38%(昨年75.30%)と、若干であるが、原価の上昇がみられる。したがって、売上総利益、すなわち、粗利は24.62%(昨年24.70%)と下がった。一方、経費比率であるが、19.54%(昨年19.93%)と、約0.4ポイント下がっており、経費の削減が進んでいる。この19.54%は日本の食品スーパーマーケットと比べると低い方であり、これがウォルマートのEDLPを支える原動力といえよう。

   したがって、ここから、差し引き、商品売買から得られる利益、マーチャンダイジング力を計算すると、5.08%(昨年4.77%)と大きく改善している。原価の上昇を経費の削減でカバーした構図であり、今期は、経費の削減が大きく利益に貢献したといえよう。そして、これに、その他営業収入が0.75%(昨年0.82%)のり、結果、営業利益が5.82%(昨年5.58%)と増益となった。

   この営業数字を見る限り、ウォルマートのこの第1四半期の決算結果は海外部門の好調さに支えられ、さらに、経費削減効果が営業利益を押し上げたといえ、ウォルマート本体が好調であった訳ではないといえる。それにしても、海外も含め、ウォルマート全体の経費比率が20%を切り、19.54%である点はすごい数字だと思う。以前の15%前後の数字と比べると、高いように感じるが、日本の食品スーパーマーケットでも経費比率が20%を切るのはわずかであり、年間約40兆円近い規模の数字の小売業としては、すごい数字である。

   このように、ウォルマートの今期、2011年度の第1四半期の決算が公表されたが、増収増益の好調な決算であった。特に、海外部門がドル安等の為替相場による貢献があったことが大きいといえる。すでに、ウォルマートの海外比率は約25%となっていることからも、海外動向はウォルマートに大きく影響するといえる。ただ、ウォルマート本体は伸び悩んでおり、気になるところである。ちなみに、この決算を受けての株価の動向であるが、5/18(53.705ドル)、5/19(53.04ドル)、5/20(51.30ドル)、5/21(51.37ドル)という状況であり、やや下げ気味である。投資家は厳しい目でウォルマートを見ているといえよう。次の第2四半期、中間決算へ向けてウォルマートがどう動くか注目である。

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May 25, 2010 in ウォルマート、海外情報, 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

January 04, 2010

クローガー株価急落、2010年、第3四半期、赤字決算!

   全米No.1の食品スーパーマーケット、クローガーの株価が12/8、急落した。この日、クローガーの2010年1月期の第3四半期の決算が公表され、その結果が赤字決算となったため、一斉に株が売られ、急落した。それまでは、23ドル前後で推移していた株価であったが、12/07(22.85ドル)、12/8(20.13ドル)と、約12%株価が下がり、しかも、売買高も通常500万株前後であるが、この日、12/8は7,700万株と、10倍以上の大商いとなった。それにしても、これだけ、決算発表に、株価がドラスチックに反応するのは、日本とは違い、いかに、アメリカにおいては、株主と経営とがダイレクトにつながっているかがわかる。

   そのクローガーの決算結果であるが、赤字になった最大の要因は、クローガー傘下のカルフォルニアのラルフスの営業権の評価損を計上したためである。金額は11.12億ドル(約1,000億円)であり、これが赤字になった最大の要因である。

   アメリカのP/Lは日本とは大分違い、営業利益に至るプロセスがかなり複雑である。この第3四半期のクローガーの営業利益までのプロセスを見ると、まず、売上げが来る。売上高176.69億ドル(約1兆6,000億円)である。ここから様々な費用を引いていくが、はじめに引かれるのが、マーチャンダイジングコストであり、この中には、原価、広告費、物流費等が入る。日本の原価と経費の一部、マーチャンダイジング関連を含んだ費用である。これが、136.66億ドル(売上対比77.3%)である。次に、一般管理費、日本でいう経費が差し引かれる。これが31.39億ドル(売上対比17.7%)である。これをとって、クローガーの経費が17.7%であるとすると、経営の実態を見誤ることになる。先に示したように、この中にはマーチャンダイジングコストが入っていないからである。したがって、日本の食品スーパーマーケットとはかなり違い、一概にP/Lの比較ができないといえよう。

   そして、次に、rent(賃貸)が1.52億ドル(売上対比0.8%)、減価償却費が3.56億ドル(売上対比2.0%)と引かれてゆく。さらに、今回、赤字となった最大の要因である営業権の評価損が11.12億ドル(売上対比6.3%)引かれる。その結果、営業利益が算出され、今回の場合は-7.58億ドル(売上対比-4.3%、約700億円)となる。

   こう見ると、利益、営業利益の計算方法が日本とは大分違い、一概に食品スーパーマーケットだからとって、P/Lをそのまま比較できないといえよう。日本の食品スーパーマーケットのP/Lは単純であり、売上高、原価、経費、営業利益が基本であり、売上高から営業利益に至るには、原則、2つ、原価と経費しかない。これが、クローガーでは、原価という概念がなく、マーチャンダイジングコストとして、原価と経費の一部が加えられ、費用として引かれ、それ以外の経費も、一般管理費、rent(賃貸)、減価償却費が分離されており、さらに、営業権の評価損までが引かれ、営業利益が算出されるという計算方法である。これを複雑と見るか、より、利益構造が分かりやすくなったと見るか、意見がわかれるところであるが、実に興味深いP/Lである。

   ここでクローガーの現状であるが、創業は1883年であり、現在、全米に2,481店舗を展開している食品スーパーマーケットグループである。中核の食品スーパーマーケットはクローガーであるが、クローガー以外にもRalphs、 Fred Meyer、 Food 4 Less、 King Soopers、 Smith’s、 Fry’s、 Fry’s Marketplace、 Dillons、 QFC and City Market等があり、食品スーパーマーケット以外にも、ガソリンスタント781店舗、コンビニ771店舗、宝石店385店舗等の他業態、他業種をも持っている小売業である。昨年の売上高は582.03億ドル(約5兆3,500億円)であり、食品スーパーマーケットとしては、全米No.1である。

   もう少し、この第3四半期決算を見てみると、気になるキャッシュフローであるが、営業キャッシュフローは、営業赤字となったが、23.74億ドル(約2,100億円)であり、昨年が23.55億ドルであるので、ほぼ昨年と同様のキャッシュを確保している。これは、赤字の原因が営業権の評価損であるため、実質、当期純利益のマイナスは1.94億ドルであり、営業権の評価損はキャッシュフロー上ではプラスとなるからである。したがって、今回のP/L上の赤字はキャッシュフロー上では、影響がなく、昨年同様の営業キャッシュフローを確保できた。また、投資キャッシュフローも-17.95億ドル(昨年16.51億ドル)と、昨年以上の投資を行っており、フリーキャッシュフローは5.79億ドル(昨年7.04億ドル)と、プラスである。そして、財務キャッシュフローであるが、-3.24億ドル(昨年-7.31億ドル)であり、結果、トータル2.53億ドル(昨年-0.27億ドル)と、今期はむしろプラスとなっている。

   このように、クローガーの第3四半期決算はP/L上では赤字になり、株価が急落するという厳しい状況になったが、その最大の原因は先に見たように、営業権の評価損であった。したがって、キャッシュフロー上は、大きな影響はなく、ほぼ昨年と同様の営業キャッシュフローを確保し、投資もしっかり行い、財務キャッシュフローも借入に依存することなく、抑えており、結果、キャッシュが増加している状況である。経営的にはキャッシュは回っており、今期のP/Lは厳しい予想となろうが、来期はその反動で大きく回復する可能性も高いといえよう。ただ、ラルフスの営業権の評価損が出るくらい、消費環境は厳しさを増しているといえ、今後、営業利益が十分に確保できるかは未知数である。今期、そして、2月からは来期に入るが、当面、どのような消費環境が続くか、予断を許さない状況といえ、クローガーの今後の経営の推移が気になるところである。


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January 4, 2010 in ウォルマート、海外情報, 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

November 17, 2009

ウォルマート、2010年、第3四半期決算、EPS増益!

   ウォルマートが11/12、2010年、第3四半期の決算を公表した。日本の決算では、まず、増収増益が最初に問われるが、ウォルマートは、EPS(1株当たりの利益)を見出しにも、決算発表の冒頭の文書にももって来ており、株主に対しての経営責任を明確にしているのが特徴である。この第3四半期のEPS(1株当たりの利益)は0.84ドルであり、これは、期初に株主に約束した0.78ドルから0.82ドルを上回り、さらに、昨年の0.77ドルを上回る結果であり、率にして昨対109.0%であり、増益となった。日本の上場食品スーパーマーケットでEPSを冒頭に示し、株主にアピールする企業はまずないといえ、いかに、アメリカ、特に、ウォルマートが株主へ対しての責任を強く意識しているかがわかる。

   これひとつをとっても、日本の西友を完全子会社化し、ウォルマート自ら改革に邁進し、復活しつつある西友がいかに本気であるかがうかがわれる。仮に西友から利益が上がらず、EPSに影響があるようであれば、株主から圧力がかかり、日本市場からの撤退もありうる話であり、ウォルマート経営陣は不退転の決意で、西友の改革に取り組んでいるのではないかと思う。

   さて、ウォルマートの売上げであるが、この第3四半期の累計は2,922.20億ドル(約26.2兆円)となり、昨対では-0.3%と若干のマイナスとなった。ただ、第3四半期のみでは1.1%の上昇であり、第3四半期に入って売上げの回復が見られる。特に、海外部門の回復が目覚ましく、累計では-4.8%と厳しい状況であるが、第3四半期のみでは1.6%と、プラスに転じており、懸案の為替レートも落ち着きつつあり、今後はウォルマート全体の売り上げに貢献してくるものと思われる。ただ、サムズクラブ部門は累計-1.8%、第3四半期のみでも-0.7%と厳しい状況にあり、若干回復が遅れつつあるといえよう。また、既存店についてであるが、ウォルマート部門は0.5%、サムズクラブ部門は-2.3%となり、合計0.0%という状況であり、堅調な売上げとなった。

   では、この第3四半期のウォルマートのP/Lを見てみたい。売上げは先にみたとおりであるが、累計の原価は75.06%(昨年75.75%)と下がっており、結果、売上総利益、粗利は24.94%(昨年24.25%)と、0.69ポイント上昇した。日本の食品スーパーマーケット、決算公開企業約50社の平均が25.2%であるので、ほぼ近い数字といえよう。これに対し、経費は20.02%(昨年19.47%)と、0.55ポイント上昇しており、20%を超えた。本来、ウォルマートはEDLPに加え、EDLC(EveryDay Low Cost)を徹底し、それが最大の武器となっていたが、ここへ来て、コスト上昇が見られるのが、やや気になるところである。結果、差し引き、マーチャンダイジング力は4.92%(昨年4.78%)と、プラスになり、これに、その他営業利益が0.80%(昨年0.82%)のり、営業利益は5.72%(昨年5.60%)と、プラスになった。結果、売上げの若干のマイナスをカバーし、増益となっており、減収増益という決算結果となった。

   これを受けて、キャッシュフローであるが、営業キャッシュフローは124.40億ドル(約1兆1,196億円、昨対119.3%)と、大きく増加した。それにしても、営業キャッシュフローが第3四半期累計で1兆円を超えており、すごい金額である。この内、当期純利益が100.63億ドル(80.8%)、減価償却費が52.55億ドル(42.24%)を占めている。日本の決算公開企業約50社の平均が51.7%対42.7%であるので、減価償却費はほぼ同じであるが、当期純利益が極端に高いのが特徴といえよう。

   これに対して、投資キャッシュフローであるが、-86.61億ドル(約-7,800億円、127.4%)であり、今期は積極的な投資がなされている。その中身は、出店関連の投資が-88.85億ドル(昨年-81.74億ドル)と、ほぼすべてであり、今後とも、積極的に新規出店を図ってゆくものと思われる。結果、差し引き、フリーキャッシュフローは37.79億ドル(約3,500億円、昨年36.29億ドル)となり、営業キャッシュフローの約30%となる。したがって、営業キャッシュフローの約70%を新店開発に振り向け、約30%を財務キャッシュフローに振り向けたことになる。

   その財務キャッシュフローであるが、-49.26億ドル(約-4,400億円、161.6%)となり、トータルでは-12.72億ドル(昨年3.51億ドル)と内部留保を取り崩している。中身であるが、配当が31.79億ドル(昨年28.14億ドル)と、配当を増加させている。売上対比では1.08%であり、日本の決算公開企業約50社の平均が0.28%であるので、約5倍、No.1のオオゼキが0.73%であるので、いかに、ウォルマートが株主に厚く配当をしているかがわかる。また、自社株買いが51.05億ドル(昨年35.21億ドル)であり、これも株主還元といえ、増益による利益を株主に厚く還元しているといえよう。これに対して、有利負債は差し引き、若干プラスとなっており、返済が進んでおらず、気になるところである。ウォルマートの今期の純資産比率は40.27%であり、昨年が40.25%であるので、ほぼ同じで数字であり、今期の増益が財務の改善にはつながっておらず、今後の課題といえよう。

   このように、ウォルマートの第3四半期決算は若干減収とはなったが、増益となり、EPS(1株当たりの利益)が上昇し、利益は回復基調といえよう。特に、これまで、為替の影響で海外部門が厳しい状況であったが、ここへ来て回復基調となっており、これも大きいといえよう。残すところ、あと四半期であるが、減収幅はわずかであり、年間最大の売上となるクリスマス、年末セール次第で、今期決算が決まるといえ、次の第4四半期のウォルマートのマーチャンダイジング戦略に注目である。

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November 17, 2009 in ウォルマート、海外情報, 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

August 19, 2009

ウォルマートCEO、マイクデゥーク氏の経営者心理を探る!

   前回のブログで、ウォルマートの第2四半期決算について取り上げた。特に、P/L面からの分析を主に解説した。そこで、今回は、CF、キャッシュフローに焦点を当て、ウォルマートのCEO、マイクデゥーク氏の経営者心理を探ってみたい。どこまで真相に迫れるかわからないが、無味乾燥な数字の羅列のような決算書から、可能な限り、実際の数字にもとづいて、経営者心理に迫ってみたい。

   まず、経営者が気になるキャッシュフローの最初は、営業キャッシュフローである。この数字が経営のすべてを決めるといえ、ここから、投資、財務キャッシュフローがどのくらい可能かの大枠が決まるので、大事な数字である。今期、第2四半期累計のキャッシュフローは、98.95億ドル(約9,400億円)である。日本円にして、約1兆円であり、すごい金額である。売上げではなく、営業キャッシュフローであるので、この約1兆円をどう投資に振り向け、配当に回すかなど、想像もつかない世界である。ただ、デゥーク氏は恐らく、この金額に満足していないと思われる。昨年が101.64億ドルと100億ドルを上回っていたので、若干であるが、減少しているからだ。

   特に、営業キャッシュフローの70%近くを占める当期純利益が昨年の67.23億ドルから66.88億ドルと減少しており、これは、まさに、マーチャンダイジング力にかかわる数字であり、四半期では、微増であったが、四半期累計は微減となっている。しかも、コスト増が鮮明であり、これが営業キャッシュフローの減少の大きな要因となっているからである。特に、経費比率は長年ウォルマートがこだわってきたマネジメント指標であり、デゥーク氏としては、ここだけは死守したかったのではないかと思う。営業キャッシュフローが増加していれば、まだしも、減少しているので、かなり心理的なインパクトがあるのではと想像される。ついで、減価償却費であるが、34.57億ドル(約3,200億円)であり、これは昨年の3,366億円よりも増加しており、ひと安心というところであろう。この減価償却費を含めると、営業キャッシュフローの大半を占め、あとはここから、その他のマイナスを引けば、結果、98.95億円の営業キャッシュフローとなる。

   次に、投資キャッシュフローであるが、今期は57.48億ドルを投資しており、この金額は昨年の45.27億ドルよりもかなり多く、積極的な投資である。その中身を見ると、出店にかかわる資産への投資が57.44億ドルと、ほぼすべてといえ、昨年が50.74億ドルであるので、113.2%と積極的な投資を行っている。これは営業キャッシュフローの58.0%であり、昨年の49.9%と比べてもかなり多めであり、デゥーク氏が積極策に打って出たといえよう。

   昨年は結果論かも知れないが、出店関連への投資は営業キャッシュフローの50%以内と決めていたのではないかと思われる49.9%という数字であり、絶妙な配分金額である。一般に、営業キャッシュフローの50%を超えた場合はかなり、積極的な投資を行っているといえ、デゥーク氏はここで、積極策に打って出、減収を増収に変えようという心理が強く働いたのではないかと思われる。

   結果、財務キャッシュフローへ回せるフリーキャッシュフローは41.9%となり、昨年の55.4%と比べ、かなりの配分の違いである。金額でも41.47億ドルと56.37億ドルの違いがあり、約15億ドル、1,500億円弱の金額の差となる。当然、財務キャッシュフロー上で何かを圧縮せざるをえなくなり、ここは、悩むところであろう。

   そこで、キャッシュフローの核心ともいうべき、財務キャッシュフローを見てみると、最も重要な配当は21.29億ドル(約2,000億円)と昨年の18.78億ドルと増やしており、しかも、自社株買いも27.92億ドル、昨年の21.84億ドルと増やしている。フリーキャッシュフローが減少したにも関わらず、増やしており、びっくりである。配分を見ると、営業キャッシュフロ-の21.5%であり、自社株買いも入れると、株主へは49.7%と約半分である。ちなみに昨年は39.9%であるので、積極的な株主への配分である。

   何でこんなことが可能となったかであるが、答えは、長期借入を29.56億ドル(約2,800億円)行い、返済をほとんどしなかったためである。昨年は46.48億ドルの長期借入を行い、40.61億ドルの返済をし、差し引き、若干の借入だったが、今期は大きく借入を増加し、結果、配当などの株主対策に充てることができたことになる。デゥーク氏の苦渋の決断といえよう。ウォルマートは現在416.60億ドルと約4兆円近い有利子負債があり、総資産の24.6%にも及ぶ。できれば、負債を削減したいところであろうが、逆に増やしている。そうまでしても、投資家への配分を優先したといえるデゥーク氏の経営決断といえ、改めて、株主重視が最優先となった今期のキャッシュフローであるといえよう。

   今回のウォルマートの第2四半期決算の冒頭が0.88ドルとEPS(一株当たりの利益)からはじまり、昨年の0.86ドルを上回ったことを強調しているのは、このキャッシュフローを見ると、デゥーク氏のまさに、叫びともいえ、経営者の心理が強く表れた結果といえよう。ただ、これほどまでに、株主を重視せざるをえないのかと、あらためて、経営者の心理、デゥーク氏の心痛が偲ばれる。

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August 19, 2009 in ウォルマート、海外情報, 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

August 18, 2009

ウォルマート、第2四半期決算を公表、減収微増益!

   ウォルマートが8/13、2010年度の中間決算を公表した。アメリカの決算は日本の決算とはいくつか違う点があるが、そのひとつが四半期の結果重視であり、中間決算の公表の場合もまず四半期の結果を示し、その後、累計を示すという特徴がある。日本の場合は累計を重視し、四半期を最優先で報じる決算書は少なく、いかに、スピード、いまの経営状況を重視しているかがわかる。

   また、それ以上に大きく違うのが、結果の評価である。日本では、増収増益、すなわち、P/Lが重視されるが、ウォルマートの今回の中間、すなわち、第2四半期決算で示される冒頭、はじめの数字は0.88ドルという数字である。これは何かというと、1株当たりの利益、すなわち、EPS(earnings per share)である。昨年が0.86ドルだったので、今年は頑張ったと、株主に主張しており、これがトップメッセージであり、びっくりである。日本の食品スーパーマーケットでEPS(1株当たりの利益)をはじめに示す決算書の説明書は皆無といえ、いかに、ウォルマート(アメリカ?)が株主を重視しているかがわかる。そして、その後に、P/Lの結果が示される。

   さて、その結果であるが、売上高は1,008.2億ドル(約9兆5,700億円)となり、-1.4%の減益となった。6ケ月間の累計も-1.0%となり、この第2四半期はやや厳しい売上高の伸び率であたった。その要因であるが、国内のウォルマート部門は0.3%(累計2.0%)と、ぎりぎり昨対を超えたが、海外部門が-5.1%(累計-8.0%)と、やや改善傾向は見えるものの、依然として、ドル高による為替の影響が大きく、売上高が伸び悩んでいるためである。

   この第2四半期の海外の売上高は2,396.5億ドル(約2兆2,700億円)と、全体の23.9%と約1/4の売上構成比であるため、全体への影響が大きかったといえよう。ウォルマートは、もし、為替の影響がなければ、海外部門は11.5%の成長であったと試算しており、いかに、海外の為替の影響が大きかったかがわかる。また、サムズクラブ部門も-3.2%(累計-2.4%)と、全体の売上構成比は11.9%とそれほど大きくはないが、不振であり、結果、売上高が伸び悩んだ結果となった。ちなみに、アメリカ国内の既存店であるが4.9%(累計3.7%)と堅調な数字となっており、これを見ても、海外部門の為替の影響がいかに大きかったかがわかる。

   これに対して、利益の方であるが、営業利益は58.82億ドル(約5,500億円)であり、昨年対比101.2%とわずかではあるが、増益となった。ただ、26週累計では99.7%の減益となり、依然として、厳しい状況であるといえよう。ちなみに、売上げ対比では5.8%と、高い数字を示しており、当期純利益も3.4%(累計3.3%)と堅調な数字である。

   ここで、ウォルマートの原価、経費、そして、マーチャンダイジング力を見てみたい。まず、原価であるが、75.09%(昨年75.94%)であるので、原価が下がっており、結果、売上総利益は24.91%(昨年24.06%)と、0.85ポイント改善している。ここへきて、原価の改善に力を入れ、粗利の改善を図っているといえよう。一方、経費、すなわち、販売費及び一般管理費であるが、19.85%(昨年19.11%)と0.74ポイント上昇しており、やや気になる兆候である。

   本来、ウォルマートのビジネスモデルは経費比率を極限まで下げ、そのマネジメント力を武器に、粗利を下げ、結果、売価を下げ、地域一番のEDLP戦略で競争に打ち勝ってゆくというものである。ところが、その原点の経費比率が20%弱まで上昇しつつあり、このままでは売価が上昇する可能性が高く、結果、競争力を落としかねない。経費比率19.85%は日本の食品スーパーマーケットでもオーケーの14.9%を見るまでもなく、もはや低いとはいえず、日本の主要食品スーパーマーケットでもウォルマート以下の経費比率は11社ある。今後、ウォルマートとしては、再度、この経費比率の見直しは、重要な経営課題といえよう。

   結果、差し引き、マーチャンダイジング力は5.06%(昨年4.95%)と昨年を上回ったが、経費比率の上昇はやはり気になるところである。ちなみに、マーチャンダイジング力5.06%は日本の食品スーパーマーケットでは3番目に入り、オオゼキ6.7%、アークランドサカモト5.3%の次となり、オーケーの5.0%の上となる位置である。そして、これに、その他営業収入が0.82%(昨年0.78%)のり、営業利益は5.8%となり、この第2四半期は微増であるが、増益となった。ただ、いま見たように、その要因は原価とその他営業収入の伸びで、経費比率の上昇をカバーしている構図であり、経営内容としては、また、本来のウォルマートのビジネスモデルからしても、やや気になる状況である。

   このように、2010年度、第2四半期のウォルマートの決算状況は、海外部門が経営の撹乱要因となり、ドル高による為替の影響が大きく、減収となる厳しい数字となった。また、利益は増益とはなったが、その幅はわずかであり、しかも、経費増を原価とその他営業収入の改善でカバーしての増益であり、厳しい経営状況である。今後もドル高基調は続くと思われ、当面、ウォルマートにとっては、海外部門の影響による厳しい経営状況が続くと思われ、いかに、国内部門でカバーするかが課題といえよう。次の第3四半期、ウォルマートがどこまで、売上を改善できるか、その動向に注目である。

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August 18, 2009 in ウォルマート、海外情報, 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

June 09, 2009

ホールフーズマーケット、最新決算、第2四半期を見る!

   すでに、本ブログでも取り上げているが、ウォルマートの最新決算、2009年度、第1四半期は海外部門が為替変動の影響で、減収減益となったが、ここ数年、好調を維持していた自然食品専門の食品スーパーマーケット、ホールフーズマーケットのここ最近の動向はどうであるかを、この第2四半期決算をもとに見てみたい。そのホールフーズマーケットの結果であるが、ウォルマート同様、この第2四半期、4/12までの12週間は減収減益の厳しい決算となった。28週累計では、売上はわずかにプラスとなったが、利益は減益となり、増収減益となるやはり、厳しい決算である。ホールフーズマーケットもここへきて、成長がストップしたといえよう。

   ホールフーズマーケットは、この5年間、自然食品専門の食品スーパーマーケットとして、急成長を遂げた企業である。その推移をみると、2003年(117.0%:既存店108.6%)、2004年(122.8%:既存店114.9%)、2005年(121.6%:既存店112.8%)、2006年(119.3%:111.0%)、2007年(115.3%:既存店107.1%)、2008年(123.6%:既存店104.9%)と、急成長を遂げてきた。しかし、直近を見ると、2009年第1四半期(100.4%:既存店96.0%)、2009年第2四半期(99.5%:既存店95.2%)という結果となり、今年に入り、急に売上が下がったことがわかる。アメリカにおける金融不安による消費環境の悪化をもろに受けた結果といえよう。

   そこで、この第2四半期の経営状況をより、詳しく見てみたい。まず、売上は先に見たように、第2四半期は全体が99.5%、既存店は95.2%という状況である。では、原価はどうであったかであるが、65.3%であり、これは、通常の食品スーパーマーケットではありえない高い数字である。結果、売上総利益、粗利は34.7%となり、ウォルマートの24.7%と比べても10%も違い、日本の食品スーパーマーケットでもここまで高い粗利の企業は皆無であり、極めて高い数字であるといえよう。逆にいえば、この粗利の高さが自然食品を扱う食品スーパーマーケットの最大の強みともいえよう。

   一方、経費であるが、ホールフーズマーケットは通常の小売業と違い、経費を細かく細分化しており、大きくは店舗段階での経費、本部経費、改装、店舗移転等の経費に分けている。したがって、それぞれの段階で利益が計算されており、利益を生み出す要因を特定することができるようになっている。まず、店舗段階であるが、26.9%であり、粗利も高い分、店舗段階でも相当の経費をかけていることがわかる。ここで一旦利益が確定され、店舗貢献利益は、7.8%となる。次に、本部であるが、3.1%であり、ここまでの累計で30.0%となり、利益は4.7%である。通常はここで終わるが、さらに、開発関連が別に計上され、プレオープン費用、移転、閉店、リースなどの費用は別計上であり、1.00%となり、結果、営業利益は3.7%となり、減収の上に、昨年が4.0%であったので、減益となった。それにしても、ここまで、経費を段階的に分けて、利益を算出している企業は、管理会計ではあっても、決算での公表では珍しいといえる。

   結果、3.7%という営業利益であるが、粗利が34.7%に対し、31.0%の経費であり、経費も十分にかけ、特に店舗段階での経費が26.9%と高く、逆にいえばそれだけ、自然食品であるがゆえの商品管理、顧客サービスに費用がかかるのであろうと思われる。ウォルマートと対極の経営戦略であり、コストをあげて、その分、粗利を確保し、結果、利益を生み出すという利益構造であり、ホールフーズマーケット独特の商いといえよう。

   では、財務面はどうかを見てみたい。まずは、自己資本比率(ここでは純資産比率)であるが、42.1%である。したがって、約60%弱が負債であり、その最大の項目を見ると、有利子負債が743億円であり、総資産の20.3%である。これを昨年、2008年度と比べると、昨年は総資産の27.3%であったので、削減されており、有利子負債の削減が進んでいる。余談だが、このB/Sを見ると、負債の項目において、流動負債の合計はあるが、固定負債の合計はなく、流動負債+固定負債の総合計があるだけであり、流動負債を重視しているこがわる。ちなみに、流動負債は総資産の17.9%である。

   一方、資産の方であるが、出店にかかわる資産である土地、建物等は51.6%であり、これに在庫8.7%を加えると、60.3%となり、ここから出店余力を計算すると、差し引き、-18.2%となる。負債にかなり依存した財務構造といえ、今後、安定した成長を目指す上にももう少し、自己資本比率を引き上げたいところであろう。

   また、キャッシュフローであるが、投資キャッシュフローは-185億円(昨年-111億円)と増加しており、特に、新規出店への投資が昨年よりは控え目であるが、大半を占めている。営業キャッシュフローは315億円(昨年161億円)と大幅に増加しており、結果、フリーキャッシュフローは130億円と大きくプラスとなった。そして、財務キャッシュフローであるが、205億円(昨年10億円)となった。これは有利子負債が増えたわけではなく、むしろ、長期借入金を返済しており、投資関連の収入があったためである。結果、トータルのキャッシュフローが大きく増加しており、キャッシュフローは極めて良い流れであったといえよう。

   このように、この直近、2009年度の第2四半期の決算は減収減益となる厳しい決算となったが、意外に、財務内容は安定しており、特に、キャッシュフローは昨年と比べ大きく改善している。今後、アメリカの消費環境がどう変化するかにもよるが、当面は低成長が続くと思われ、今回の決算のように、財務の改善をはかりつつ、成長の機会を狙うという経営が続くのではないかと思われる。今後のホールフーズマーケットの動向に注目である。

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June 9, 2009 in ウォルマート、海外情報, 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

June 01, 2009

ウォルマート、2010年、第1四半期決算、減収減益!

    ウォルマートが5/14、2010年度の第1四半期決算を公表した。結果は、減収減益と厳しい決算となったが、その最大の要因は海外部門にある。昨年後半の金融危機以来、ドル高が進んでおり、その為替変動の影響が大きく、現地通貨では好調な海外部門の数字が、ドル換算では減収となり、ウォルマート本体へ大きなインパクトを与えているためである。ウォルマートの海外依存度はこの四半期ベースでは22.7%であり、約1/4の売上構成比である。この売上が激減したため、相乗積から見ても全体への影響は大きく、ウォルマート本体ではカバーができなかった状況である。

    その売上であるが、全体が-0.6%となった。ウォルマートは売上を3つの部門に分けて集計しているが、最も売上構成比の高い部門はウォルマート部門であり、65.5%である。このウォルマート部門が、3.8%とプラスになったが、22.7%の売上構成比の海外部門が-11.1%と、2桁のダウンにより、カバーできず、減収を余儀なくされた。また、もうひとつの部門サムズクラブも売上構成比は11.8%であるが、-1.4%と減収となったこともその要因である。

   ちなみに、既存店であるが、2.9%とプラスとなっており、内訳は、ウォルマート部門が3.6%、サムズクラブ部門が-0.5%であった。この数字にはガソリン等のエネルギー関連が入っての数字であるが、これを除いた場合は、ウォルマート部門3.6%、サムズクラブ部門4.2%となり、全体も3.7%へ跳ね上がる。したがって、サムズクラブ部門のマイナスはガソリン等のエネルギー関連に負うところが大きかったといえよう。

    一方、営業利益であるが、-1.9%と減益となった。売上同様、海外部門の影響が大きく、海外部門が-16.2%となったことによる。ウォルマート部門は3.3%、サムズクラブ部門は0.0%であったので、海外部門がウォルマート全体の利益へも大きな影響を与えたといえる。海外部門は売上-11.1%に対し、営業利益が-16.2%であるので、売上よりも、営業利益の方が大きくマイナスとなっており、この第1四半期は厳しい決算となった。

    ここで、ウォルマートのP/Lを見てみたい。まず、原価であるが、75.3%(昨年75.8%)と昨年よりも、0.5ポイント下がっており、原価の改善が進んでいる。結果、売上総利益は24.7%(昨年24.2%)と、粗利の改善が進んだ。一方、経費であるが、販売費及び一般管理費は19.9%(昨年19.4%)と、逆に0.5ポイント上昇しており、この四半期決算では、経費の上昇がみられる。ただ、これだけの売上規模(934.71億ドル:約9兆円)で、19.9%と20%を下回る経費比率は極めて低い数字といえよう。結果、差し引き、マーチャンダイジング力は4.8%(昨年4.8%)と、昨年同様の数字となった。これに、その他の営業収入が0.8%(昨年0.9%)のり、営業利益が5.6%(昨年5.7%)となり、わずかではあるが、減益となった。

    これに対して、財務面であるが、ウォルマートの純資産比率は39.4%(昨年38.9%)とほぼ昨年同様の数字であるが、負債に約60%負う財務構造であり、やや重い状況といえよう。その負債の中の有利子負債の状況であるが、667.52億ドル(約6.3兆円:昨年672.70億ドル)と、総資産1,620.90億ドル(約15兆4,000億円)の41.1%とかなり重くのしかかっており、財務的には大きな負担といえよう。一方、資産面に目を転じてみると、出店にかかわる資産である土地、建物等であるが、933.27億ドル(約8兆8,700億円)と、総資産の57.5%であり、純資産比率を大きく超える数字である。したがって、差し引き、出店余力は-18.1%となり、負債に大きく依存する出店構造であり、今後、ウォルマートが安定的な新規出店を果たしてゆくには、財務の改善が課題といえよう。また、在庫であるが、343.91億ドル(3兆2,700億円)と、総資産の21.2%となり、スーパーセンターという非食品の構成比が高い業態を主力としているだけに、かなり、重い、在庫負担であり、これも出店にかかわる資産に加えると一層、出店余力が厳しい状況である。

    この時点でウォルマートを日本の食品スーパーマーケットと同様に独自格付けしてみると、マーチャンダイジング力はAであるが、出店余力はC、有利子負債はCとなるので、ACCとなる。こう見ると、減収減益というP/L上の問題よりも、B/S上の問題の方が大きいといえよう。

    さて、もうひとつの財務諸表、キャッシュフローをざっと見てみると、営業キャッシュフローは35.71億ドル(約3,400億円:昨年37.79億ドル)であり、ほぼ、昨年並みの数字である。投資キャッシュフローであるが、-31.19億ドル(約-2,900億円:昨年-22.33億ドル)であり、結果、フリーキャッシュフローは4.52億ドル(昨年15.46億ドル)となった。今期は新規出店投資は昨年並みであるが、海外投資が一段と進んだことが大きいといえよう。そして財務キャッシュフローであるが、-10.67億ドル(約-1,000億円:昨年7.91億ドル)となり、トータルでは-6.97億ドル(約-660億円:昨年25.03億ドル)となった。キャッシュフローがマイナスとなり、現金及び現金同等物が減ったことがやや気になるところである。

    このように、ウォルマートの2010度の第1四半期の決算は、海外部門の為替変動の影響が大きく響き、減収減益となる厳しい決算となった。ただ、気になるのは、それ以上に、財務面の改善が進んでおらず、出店余力が厳しい状況にあり、さらに、キャッシュフローもトータルのキャッシュが減るなど、気になる数字となったことである。当面、アメリカ経済はもちろん、世界経済も厳しい状況が続くと思われ、今後、ウォルマートにとっても厳しい経営環境が続くと思われる。次の中間決算までに、営業数値はもちろん、財務の改善がどこまで進むか、ウォルマートの今後の動向に注目したい。

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June 1, 2009 in ウォルマート、海外情報, 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

May 11, 2009

ウォルマート売上速報、2009年4月度、102.4%!

   ウォルマートが5/7、2009年4月度の売上を公表した。前月の3月度がイースター祭が今月へずれたため、昨対では-1.9%(98.1%)となり、厳しい売上となった。その翌月、この4月度の売上がどのような数字となるか注目されたが、結果は102.4%と、伸び率は低く、わずかな伸びにとどまった。ちょうど、この4月で、13週、第1四半期を終えるが、13週累計では100.9%であるので、ここ数ケ月の中では、この4月度は伸び率が大きかったといえるが、まだ、回復とまではいかず、依然として厳しい売上が続いているといえよう。

   ただ、ウォルマート本体は107.7%と、前月の102.6%と比べ、上昇幅が大きく、回復基調といえ、アメリカ国内の動向は堅調であったといえよう。問題は海外部門とサムズクラブ部門であり、特に、この4月度は、この両部門の落ち込みが大きかった。その海外部門であるが、93.0%と、依然として、厳しい状況が続いている。それでも、13週累計では88.8%であるので、やや上向きにはなっているようであるが、この海外部門は現在、売上構成比が23.6%と約1/4であるので、7%の落ち込みは全体への影響も大きいといえよう。ウォルマートの海外部門は、実際の数字は113%と好調であるが、為替変動の影響が約20%あり、差し引き、7%の影響が生じたと説明しており、需要が下がっているのではなく、為替の問題であると強調している。

   実際のこの4月度の海外状況であるが、イギリスのアズダは好調であり、イースター祭の影響もあり、既存店の客数が特に伸びたという。精肉、グロサリーの数字が特に良かったとのことで、また、ジョージブランドなど衣料品も、特に女性関連が良かったという。また、新型インフルエンザ、H1N1が猛威をふるっているメキシコでは115.8%の売上となり、既存店も107.8%と好調であったという。客数だけでなく、客単価の伸びも見られたという。ただ、この2週間は、メキシコのウォルマートもメキシコ政府と協力し、H1N1対策に奔走し、メキシコシティの店舗40ケ所の駐車場に移動式の臨時医療センターを設置するなどしたという。また、ウォルマートカナダ、そして、ブラジルは堅調な伸びにとどまったという。カナダに関しては今後スーパーセンターに力を入れて行くという。

   そして、日本であるが、既存店は伸び率は低いが堅調な数字であったという。西友のEDLPの商品が好調でありジョージブランドも良かったという。ただ、衣料品、住関連用品が、消費者の節約志向の中で苦戦しているという。最後に、中国であるが、海外部門の中では最も苦戦しているという。デフレの影響がでており、客単価のダウンが見られ、客数もかんばしくなく、厳しい状況であるという。

   このように、ウォルマートの海外部門は一部、中国などを除き、売上は好調ないしは、堅調な数字であり、為替変動の影響が極めて大きく、この4月度は93.0%となった状況である。今後、世界経済がどこまで回復するかにもよるが、当面は、このドル高基調が続くと思われ、ウォルマート全体は低成長が続くのではないかと思われる。

   さて、もうひとつの今月の課題となったサムズクラブ部門であるが、全体の売上構成比は11.5%と海外部門の23.6%の約半分であるが、この4月度は95.7%と約5%落ち込んでおり、13週累計が100.4%であるので、気になるところである。その最大の要因は、ガソリンである。昨年は、サムズクラブはガソリン等、エネルギー関連の売上貢献度が、資源エネルギーへの投機が起こり、相場が暴騰し、大きく寄与しており、今期は、一転、金融不安により、相場が下がり、ガソリン等、エネルギー関連の売上貢献が大きく下がったからである。

   実際、サムズクラブとウォルマートの既存店のガソリン等、エネルギー関連の売上貢献度を見てみると、サムズクラブのこの4月度は-5.4%であり、これを抜いた売上は100.3%とわずかであるが上昇している。これに対して、ウォルマート本体であるが、貢献度は0.0%と、0であり、ガソリン等、エネルギー関連には影響されない売上構造である。サムズクラブは逆に、この影響をもろにうける売上構造であるため、このような大きな影響が生じたものといえよう。

   さて、これに対し、ここ数日のウォルマートの株価の動きであるが、5/7(48.89ドル)、5/8(50.14ドル)と上昇気味に推移しており、概ね、投資家は買いと見ているようである。ただ、ここ数ケ月のウォルマートの株価は4月はじめには54ドル弱まで上昇し、その後、4/27には47ドルまで下げており、そこからじわじわと上昇し、この数日は50ドル近辺でもみ合っていた状況であるので、今後、この売上速報を契機に上昇するか見極めがつきにくい状況である。また、そろそろ、第1半期決算が公表されるので、その結果を待っている状況ともいえよう。

   このように、ウォルマートのこの4月度の売上速報は102.4%と堅調な数字となり、先月の98.1%のマイナスからはプラスに転じ、ひとまず、息をついた数字といえよう。イースター祭のずれによる売上増もあったが、海外の売上が為替の影響で売上は厳しい状況にあるが、現地は概ね好調であり、13週累計と比べでも下げ幅がせばまりつつある。今後はメキシコだけでなく、アメリカでも新型ウィルス、H1N1の影響が懸念されるが、5月以降、ウォルマートの売上がどのような数字で推移するか気になるところである。

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May 11, 2009 in ウォルマート、海外情報, 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

April 15, 2009

ウォルマート、2009年3月売上、-1.9%、海外失速!

   ウォルマートの売上が、この3月度、-1.9%(98.1%)となり、昨対をわずかではあるが、下回った。原因はウォルマート本体は2.6%(102.6%)と堅調な売上であったが、海外の売上が-14.8%(85.2%)と大きく失速したためである。昨年9.15のリーマンブラザーズショック以来、アメリカ初の金融不安が世界中にひろがり、その結果、各国通貨に対し、ドル高が発生し、為替レートの関係で、ウォルマートのドル換算での売上が激減しているためである。ウォルマートは、「海外の売上は-22.6%の為替の影響が出ており、実質、7.8%の海外部門は増収ではあるが、差し引き-14.8%のマイナスとなる」とコメントしており、いかに為替の影響が大きいかがわかる。

   ウォルマートの海外事業は、「Argentina, Brazil, Canada, Chile, China, Costa Rica, El Salvador, Guatemala, Honduras, India, Japan, Mexico, Nicaragua, Puerto Rico and the United Kingdom.」の15ケ国であり、これら海外事業の売上は、この3月度の数字を見ると、80.74億ドル(約8,000億円)となり、ウォルマート全体の売上に占める比率は22.3%である。したがって、10%の為替の影響で、相乗積をとると、約2%、20%で約4%、全体への影響がでることになり、この3月度は、この為替変動がウォルマート全体に大きく影響し、全体の売上が-1.9%(98.1%)となったものといえよう。

   その海外の状況であるが、イギリスのアズダはこの3月度は国内シェアを拡大し、好調であったという。メキシコのウォルマートも堅調な動きであり、特に客数が伸びたという。カナダはやや苦戦しているという。特に、既存店が厳しいとのことで、これは、アメリカのウォルマートも同様であるが、イースター祭が今年は3月から4月にずれ込み、この影響が衣料品などで見られるという。ブラジルも同様にイースター祭の影響があるといい、客単価は上がったが、客数がダウンし、やや厳しい状況であるという。

   一方、アジア地区では、中国はデフレが影響し、消費が慎重となっているという。客数はあがったが、客単価の落ち込みがみられるという。そして、日本の西友であるが、既存店が5ケ月連続で堅調な推移であるという。やはり、昨年来のKY(価格安く)キャンペーンが効いているようで、特にグロサリーの日配、冷凍食品、パンが好調であるという。また、酒部門でイギリスのアズダから輸入したワインが好調であり、全体を底上げしているという。ただ、衣料品、住関連用品は軟調であり、やや厳しい状況であるという。

   これを受けて、ニューヨーク株式市場も反応しており、ウォルマートの5/8のこの売上速報直前の株価は52.61ドルであったが、4/9の売上速報が公表された日には、50.66ドルと下落した。通常は2,000万株前後の売買高であるが、この日は倍の4,000万株を超える大商いとなり、売りが先行した。ただ、ここ最近のウォルマートの株価は3月に入り、上昇気味で推移しており、2月は46ドル近辺で推移していた状況を考えると、4/9の50.66ドルはまだ高め水準といえ、投げ売りという状況ではなく、しばらく、様子を見る必要があろう。

   一方、ウォルマート本体の方であるが、ウォルマート部門は、237.50億ドル(約2兆4,000億円)となり、昨対では102.6%と堅調な数字であった。ただ、9週間累計では105.0%であるので、2月度と比べると、海外部門ほどではないが失速ぎみといえよう。ウォルマート部門はサムズクラブを除くすべての業態が入っており、主力のスーパーセンター、ディスカウントストア、そして、食品スーパーマーケット等であり、全体の売上構成比は約65%である。そして、全体の約12%を占めるサムズクラブ部門であるが、43.82億ドル(約4,400億円)となり、伸び率は102.2%であった。9週間累計でも、102.6%であるので、ほぼ横ばいで推移しているといえよう。

   これに対して、ウォルマートの既存店の数字であるが、ウォルマート部門、サムズクラブ部門合計で100.7%とぎりぎり昨対を超えた状況である。その内訳は、ウォルマート部門が100.6%、サムズクラブ部門が101.3%であった。この数字はガソリンなど燃料を含んでのトータルな売上数字である。昨年は資源、エネルギー価格の高騰により、ガソリンが値上げし、ウォルマート、特にサムズクラブにとっては燃料の売上がそのまま売上増につながったが、今年に入り、相場が下がり、サムズクラブには逆風が吹いており、燃料のインパクトは-4.9%(95.1%)となっている。

   このように、ウォルマートのこの3月度の売上はイースター祭の4月へのずれ込みもあるが、海外部門の為替の影響があまりに大きく、全体の数字を押し下げ、マイナス成長となった。また、ウォルマート本体に関しても、2月度と比べると、イースター祭を考慮しても、数字が失速気味で推移しているといえ、やや、ここへきて、ウォルマートも売上を確保するのに苦労しているようである。ただ、イースター祭が加わる4月度は、反動で売上がはね上がる可能性もあり、次回、4月度の数字が、イースター祭のプラス分を含め、どこまで改善するかを見る必要があろう。海外部門に関しては、依然として厳しい数字が予想され、その動向も気になるところである。しばらくは、ウォルマートも売上の安定しない推移となりそうである。

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April 15, 2009 in ウォルマート、海外情報, 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

March 09, 2009

ウォルマート、2009年2月度売上速報、既存店104.5%!

   ウォルマートが今期最初となる2009年2月度の売上速報を3/5公表した。2月期は1/31(土)から2/27(金)までの4週間の売上集計であり、2010年1月期決算の最初の売上速報となる。結果は全体の売上が102.8%と1月度の101.8%を上回り、堅調な数字となった。これに対して既存店は104.5%(燃料費を抜くと105.1%)と好調な売上となり、日本以上に節約志向が厳しい状況のアメリカの消費環境の中で、消費者から強い支持を得た結果といえよう。既存店に関しては1月度が101.5%(燃料費を抜くと102.1%)であったので明らかに、この2月度は数字が改善しており、ウォルマートの強さが際立った数字となった。

   全体の数字の中身であるが、ウォルマートは大きくウォルマート部門、海外部門、サムズクラブ部門と3つに売上集計を分けているが、この中で、売上構成比66.8%と約70%%を占めるウォルマート部門が108.1%と2桁近い伸びを示しており、この数字がウォルマート全体を大きく牽引した結果となった。

   これに対して、全体の21.5%を占める海外部門はドル高により、大きな影響を受け、89.2%となり、1月度が92.7%であるので、さらに数字が悪化しており、厳しい状況である。ウォルマートによれば、ドル高の影響を除けば、海外部門は109.9%であるとのことであり、ドル高は差し引き20.7%の売上のマイナス要因となっており、いかに、世界経済の金融不安の影響で各国がドル買いに走っているかが顕著に表れているかがわかり、当面、この影響が継続するのではないかと思われる。余談だが、今回のアメリカの金融不安の世界経済の影響を知るには、このウォルマートの海外部門の状況がひとつのバロメーターともいえ、この数字が改善した時、世界経済も改善の方向に動き出したといってもよいといえよう。今回1月度よりも、この2月度の数字がさらに悪化しているので、まだまだ、今回の金融不安による世界経済は厳しい状況にあるといえよう。

   海外部門については、これまであまり言及がなかった日本の西友について、この2月度はかなり踏み込んだコメントをウォルマートが公表している。それによれば、日本では既存店が堅調であり、EDLPの効果が表れ始めたと見ているようである。約100のカテゴリーの47%をEDLPでカバーしたといい、特にグロサリー(加工食品)が好調であるという。世界中からの商品調達、たとえばイギリスのASDAからのワインなどが好調であるという。実際、西友は昨年の年末頃から本格的なKY(カカクヤスク)キャンペーンを展開しはじめており、その成果が、この2月度くらいから顕著になってきたと思われ、ウォルマートもこれまでとはうって変わり、日本の状況についてのコメントを増やしたものと思われる。その意味で、西友に関してはウォルマート本体もその動向に注目しはじめたといえよう。

   そして、サムズクラブ部門であるが、全体の売上構成比は11.5%と3部門の中では最も小さいが、伸び率は103.1%で堅調な数字となった。ただし、既存店は燃料の影響が相場の影響もあると思われるが、-3.8%もあり、これが全体へ影響し、102.1%と伸び悩んだ。燃料を除けば、105.1%であるので、この金融不安によるアメリカの経済情勢の悪化がもろに自動車、ガソリンに現われたものといえよう。ウォルマートもコメントの中で、「stay at home」という言葉を使っているが、アメリカの消費者の節約志向が鮮明となっており、車を買わないだけでなく、車に乗らないという生活パターンが定着しつつあるようである。これは1月度の数字を見ても燃料の影響は-3.9%であるので、2月度も状況は変わってはおらず、サムズクラブにとっては厳しい状況が続いているといえよう。

   ちなみに、3/6の日経新聞に「米小売売上高、小幅減に、安売り店持ち直す」という記事が掲載され、ウォルマートを含めた主要なアメリカの小売業の2月度の売上速報の一覧が公表された。これを見ると、百貨店関係は全滅であり、サックス-26.0%、ニーマンマーカス-20.9%であり、衣料品のギャップも-12.0%、ドラックストアのウォルグリーンも-1.9%、そして、ディスカウントストアのターゲットも-4.1%という状況である。一人、ウォルマートのみ104.5%というプラスであり、アメリカではウォルマートの一人勝ちという状況であるといえよう。この104.5%はウォルマートの既存店の燃料を入れた数字であり、サムズクラブを抜いたウォルマートのみでは、105.0%とさらに高い売上の伸び率である。
 
   これを受けてウォルマートの株価の推移であるが3/4(48.49ドル)、3/5(49.75ドル)、3/6(48.91ドル)とほぼ横ばいであり、投資家は冷静にウォルマートの株価を見ているといえよう。ウォルマートの株価は今年に入り、49ドル近辺で推移をしており、あまり大きな変化がない状況が続いている。
 
   このように、ウォルマートのこの2月度の売上は既存店が104.5%と大きく伸び、全体でも海外部門の-10.8%という厳しい状況があるにもかかわらず、102.8%と堅調な数字となっており、既存店が全体を押し上げているといえよう。ウォルマートの以外のアメリカの小売業は非常に厳しい状況の中で、まさに、ウォルマートの一人勝ちの状況といえ、ウォルマートの強さが際立った2月度であったといえよう。当面、このウォルマートの好調さは続くと思われ、来月以降、どこまで数字を伸ばすかに注目である。

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March 9, 2009 in ウォルマート、海外情報, 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

February 09, 2009

ウォルマート売上速報、2009年1月度、101.8%!

   ウォルマートの今期最後の売上速報、2009年1月度が2/5公表された。ウォルマート全体の数字は101.8%と12月度の99.9%と2ケ月連続でのマイナス成長にはならなかったが、依然として、昨対ぎりぎりという厳しい状況が続いている。累計ではちょうど52週目に当たり、106.2%という数字となり、いかに、この数ケ月が厳しい数字であったかがわかる。ただ、国内のウォルマートの数字は回復基調にあり、約20%弱のドル高による海外部門の影響があまりにも大きいといえ、当面、この傾向は続くものと予想されよう。

   全体の数字をもう少し掘り下げてみると、全体の売上金額は277.42億ドル(約2.5兆円)となり、101.8%となったが、要因は海外の売上が66.47億ドル(約0.6億円)となり、92.7%となったことが大きい。52週累計では106.6%であるので、いかにここ数ケ月の海外状況が厳しいかがわかる。特に、ウォルマートの海外依存度は全体の23.9%と約1/4となっているので、この海外部門の失速がウォルマート全体を直撃しているといえよう。

   これに対して、アメリカ本土のウォルマート本体は179.64億ドル(約1.6兆円、全体の約65%)となり、106.1%と52週累計が106.2%であるので、回復基調であるといえるが、海外部門がここまで後退すると、さすがに全体も厳しいものがあったといえよう。また、国内のサムズクラブ部門も31.31億ドル(約0.3億円)となり、99.2%となり、52週累計が105.1%であるので、厳しい状況となった。ちなみに、海外部門の中の日本、西友であるが、既存店の数字が好調であるとのことで、消費者に特に食品のeveryday low price政策が浸透しつつあるとのことである。ただ、食品以外の衣料品、住関連用品等は経済情勢の悪化により、やや厳しい状況にあるという。

   ウォルマートはこの1月で累計52週となり、今期決算となるが、この時点での速報値の売上は3,982.61億ドル(約35兆8,434.9億円)であり、昨対106.2%である。ウォルマート部門は2,538.95億ドル(約22兆8,505.5億円)、106.2%、サムズクラブ部門は465.19億ドル(約4兆1,867.1億円)、105.1%、問題の海外部門も978.47億ドル(約8兆8,062.3億円)、106.6%となり、52週累計では、いずれの部門でも堅調な数字となった。

   では、国内の既存店の状況はどうかを見てみたい。まず、ウォルマート部門であるが、102.1%と堅調な売上であった。昨年が100.2%であったので、昨年の1月度よりも、高い伸びを示しており、100年に1度といわれるアメリカの未曾有の経済危機の中では、健闘しているといえよう。52週累計も102.7%とほぼ同じ伸び率であり、この1年間、ウォルマート全体を大きく支えてきたといえよう。ウォルマート自身もこの数字は、ウォルマートが今期掲げた、ウォルマートでお買い物をすることによって、顧客の節約志向に応え、その結果、顧客のより豊かな生活をもたらすというスローガンを実践した結果であるとしており、この厳しい経済情勢の中でも消費者の支持を得たと述べている。

   これに対して、サムズクラブの既存店であるが、102.4%、52週累計でも103.1%とウォルマート部門同様、堅調な数字ではあるが、これにはガソリンなど燃料関連が加えられていない数字である。ウォルマート部門はガソリンなど燃料関連の影響がほとんどないが、サムズクラブ部門はこの影響が大きい部門である。したがって、このガソリンなど燃料部門を加えた数字は98.5%と昨対を割ってしまった。実に、ガソリンなど燃料部門のインパクトが-3.9%もあり、サムズ部門にとっては大きな痛手となった。52週累計では、104.3%であり、インパクトは1.2%あり、この1年間、サムズクラブ部門にとってはガソリンなど燃料部門の貢献がいかに大きかったかがわかる。

   この結果について、投資家は、ウォルマートをどう見ているかであるが、この売上速報が公表された2/5前後の株価を見てみると、2/2(46.57ドル)、2/3(47.81ドル)、2/4(46.42ドル)、そして、2/5(48.56ドル)、2/6(49.63ドル)と株価は上昇に転じている。ただ、今年に入ってウォルマートの株価は下げに転じている。年末には56ドル近辺であった株価が、徐々に下がり、オバマ氏が大統領に就任直前の1/8には、通常の3倍近い9,000万株を超える大量の売りが出て、51.38ドルまで売られた。その後、1/12には、51.39ドルとほぼ横ばいであったが、株価は下がりはじめ、2月はじめには46ドル近辺にまで迫っていただけに、この1月度の売上速報が堅調な数字であっただけに、一息ついた状況といえよう。今後、株価がどこまで回復するかが課題といえよう。

   このように、ウォルマートが今期最後の月別売り上げ、2009年1月度を公表したが、先月よりは回復基調での数字であり、52週の年間の売上も堅調な数字となった。問題は、今後、公表されるであろう今期決算数字であり、売上は堅調な結果となったが、利益が最終的にどのような数字となるかが待たれるところである。そして、今期以上にアメリカ国内はもちろん、世界全体が厳しい経済情勢になりつつある厳しい経営環境の中で、来期、ウォルマートがどのような経営戦略を打ち出すかが注目といえよう。

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February 9, 2009 in ウォルマート、海外情報, 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

January 13, 2009

ウォルマート売上速報、2008年12月、マイナス成長!

   ウォルマートの2008年12月期の売上速報が1/8、公表された。結果は、マイナス0.1%(99.9%)となる厳しい数字となり、さすがのウォルマートも、未曾有の金融危機による経済情勢の悪化には勝てなかったといえよう。特に、海外部門が約20%近いドル高になり、これが急激にドル換算ベースでの売上を悪化させたのが主な要因である。では、国内はどうかというと、サムズクラブ部門もマイナスとなり、主力のウォルマート部門はさすがにプラスにはなったが、48週累計と比べると、この12月度は数字が下がっており、明らかに失速気味であるといえよう。

   これを受けて、ウォルマートの株が1/8以降、異常な投げ売りをされており、株価がストンと落ち、投資家もこの売上速報を売りと判断したようである。この売上速報が公表されたのが1/8であるので、その前後のウォルマートの株価を見てみると、以下の通りである。1/2(57.18ドル)、1/5(56.52ドル)、1/6(56.02ドル)、1/7(55.54ドル)、そして、1/8(51.38ドル)、1/9(51.58ドル)という状況であり、1/8、約10%の株価の下落である。しかも、この日、商いが約9,300万株の大商いとなり、通常が約3,000万株前後の商いであるので、投げ売りに近い状況であったことがわかる。

   1/8、恐らく、このウォルマートの失速を、全米の急激な消費後退に陥らない歯止めを掛けなければならないとの強い意志で打ち出されたのが、オバマ次期大統領の経済対策であろう。日経ヴェリタスによれば、「勤労者世帯の95%を対象に、1000ドルの減税を実施する。オバマ次期米大統領は8日、昨年から検討を続けてきた大型景気対策を発表した。減税以外に雇用創出策なども盛り込む幅広い内容で、総額は当初段階で年間7750億ドル規模に上るとみられ、・・」という、日本円に換算して約70兆円の日本の国家予算なみの経済対策である。ウォルマートの失速は、投資家だけでなく、アメリカ経済をも左右する衝撃とオバマ次期大統領は見たのではないかと推測される。

   では、1/8に公表されたウォルマートの売上速報をじっくり見てみたい。まず、全体売上であるが、465.09億ドル(約4.2兆円)であり、昨年対比99.9%とマイナス0.1%となった。48週累計が106.5%であるので、明らかに、この12月度は失速といえ、厳しい売上であった。その内訳をみえると、海外が-10.4%と大きく落ち込んだのが大きく、海外部門は現在107.06億ドル(約1兆円弱)、ウォルマート全体の12月度の売上が465.09億ドル(約4.2兆円)であるので、約25%弱の構成比であり、海外部門の失速はウォルマート全体に大きな影響を与えたといえよう。48週累計の海外部門は107.8%の成長であるので、いかに、サブプライムローンの影響がここ数ケ月急激にウォルマートへの影響が大きかったかがわかる。

   では、ウォルマート全体の65%強を占めるアメリカ国内のウォルマート本体はどうであったかを見てみたい。売上は309.69億ドル(約2.8兆円)であり、104.3%であった。これは、48週累計が106.3%であったので、やはり、ここへきて、失速感が否めない状況といえよう。また、既存店の売上を見ると、101.9%であり、48週の既存店の売上累計が102.8%であるので、既存店も全体もこれまでよりは、明らかに売上が失速しており、さすがのウォルマートもここへきて厳しい状況に追い込まれつつあることが明らかである。

   ちなみに、サムズクラブ部門であるが、-2.1%(97.9%)であり、48週累計が105.6%であるので、ウォルマート部門以上に厳しい状況である。既存店については、さらに厳しく、-3.2%(96.8%)であり、48週累計の既存店が104.7%であるので、この12月度はサムズクラブ部門も苦戦したことがわかる。

   問題は、このウォルマートの厳しい状況が、年末年始の12月特有の売上の失速であるか、それとも、今期はウォルマートも厳しい状況となり、ひいては、アメリカの消費環境がより一層悪化し、比較的不況に強い、低価格戦略を強く打ち出しているウォルマートすらも厳しい状況に陥るほど、消費環境が悪化するのではないかという懸念であろう。

   1/8のウォルマートの株価、投資家の反応、そして、オバマ次期大統領の経済対策を見る限りでは、これは、短期的な現象としてとらえているのではなく、中長期的な観点から、アメリカの経済、そして、消費環境の悪化をとらえていると判断して良いと思われるので、今期のアメリカは新年早々ではあるが、今後、厳しい状況になることが確実な情勢になったといえよう。

   このように、ここ数ケ月、売上が失速してきたウォルマートであったが、ついに、マイナスという衝撃的な数字となり、この状況を投資家、オバマ次期大統領も深刻に受け止め、投資家は投げ売り、オバマ次期大統領は大型経済対策を、この1/8のウォルマートの12月度の売上速報の公表に合わせて行っており、いかに、ウォルマートがアメリカ経済にとって象徴的な企業であり、しかも、実際、強い影響があるかが改めて明らかになったといえよう。ウォルマートの決算も残すところ、あと1ケ月であるが、問題は、今期の決算ではなく、今後、ウォルマートがこの状況を踏まえ、どのような経営戦略を打ち出すかにあり、ウォルマートの来期の経営戦略に注目である。

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January 13, 2009 in ウォルマート、海外情報, 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

December 15, 2008

ウォルマート、ドル高直撃、国内堅調、11月度売上!

   ウォルマートの2008年11月度の売上速報が12/4、公表された。アメリカの金融不安によるドル高が直撃、海外売上が-11.0%となり、全体がわずか1.6%プラス、101.6%となる厳しい数字となった。先月、10月度は102.3%であり、海外売上は-5.9%であったので、さらに、売上が落ち込んだことになる。当然、これは利益にも跳ね返り、年間最大の売上の季節であるクリスマス商戦、年末商戦を直撃することは必至となり、今期は厳しい決算となりそうである。

   ウォルマートの海外依存度はこの11月度の売上で見ると、70.64億ドル(約6,300億円)であり、全体が322.13億ドル(約3兆円弱)であるので、21.9%である。先月の海外依存度は23.6%、先先月は25.8%であったので、この数ケ月で急速に落ち込んだ。これは43週累計の海外の売上高を見ると、さらにその傾向は鮮明であり、この間の売上累計は110.7%であり、いかに、この数ケ月、ドル高が急激に進んだかがわかる。ちなみに、ウォルマートの海外展開はアルゼンチン、ブラジル、カナダ、中国、コスタリカ、エルサルバドル、グアテマラ、ホンジュラス、日本、メキシコ、ニカラグア、プエルトリコ、イギリス、そして、ジョイントヴェンチャーのインドである。

   では、国内のウォルマートはどうであったかであるが、スーパーセンター、ディスカウントストア、ネイバーフッドマーケット(食品スーパーマーケット)を集計したウォルマート部門では、106.5%と好調な数字であった。46週累計でも106.6%であるので、この1年間、ほぼ順調に売上を維持してきたといえ、金融不安の影響はほとんどなかったといえる数字である。しかも、既存店の数字は103.4%と昨年の101.0%と比べ、伸びており、既存店はさらに好調な数字である。いま、アメリカの小売業はウォルマートの独り勝ちといわれているが、まさに、それを表すかのような既存店の好調さであるといえよう。ウォルマート部門のこの11月度の売上は214.77億ドル(約1兆9,000億円強)であり、全体の66.7%であり、このウォルマート部門の好調さが、海外のドル高による影響を相殺し、全体をプラスにもっていった要因であるといえる。

   そして、ウォルマートのもうひとつの部門、会員性ディスカウントストア、サムズクラブ部門であるが、101.4%とやや厳しい数字となった。43週累計が106.6%であるので、この11月度は厳しい数字であったといえよう。その要因は既存店にあり、これまでの資源高の高騰による石油等の価格が急激に下がったため、これまで、サムズクラブの売上を牽引してきた石油をはじめとする燃料需要が急激に落ち込んだためである。また、アメリカの消費不況により、車での買い物も抑制されたことも大きいようである。実際、燃料等の売上はこれまでのプラスから一転、マイナスとなり、この11月度は-3.0%となり、全体でも既存店は100.5%とわずかな伸びにとどまってしまった。ちなみに、この燃料等の数字を引いた場合には103.5%とサムズクラブ部門は堅調な数字であり、いかに、燃料等への依存度がこれまで大きかったかがわかる。

   それにしても、ウォルマートが今年のスローガンとして掲げた、「Saving People Money So They Can Live Better」は、ここへ来て、ぴたりはまり、全米でウォルマートが独り勝ちの様相を呈しており、ウォルマートの経営陣に先見の明があったといえよう。日本の西友もやっと、このスローガンのもとに動き始めたが、いまや、全世界のウォルマートが目指すスローガンとなったといえよう。ウォルマートもこの言葉が、創業者、サム・ウォルトンがウォルマートの1号店をオープンした時の目標であったといっており、今後、一層、ウォルマートにとって、重要なスローガンとなろう。

   これを受けて、ウォルマートの株価であるが、12/12の株価は54.63ドル(-0.29%、-0.16ドル)と堅調な数字であった。ウォルマートの株価は、9/15のリーマンブラザーズの破綻以降、アメリカの金融不安が本格化し、それまで一時は64ドルまで上昇していた株価が10月初旬には45ドルまで下降した。ただ、その後は株価をもどし、10月、11月と55ドル前後で推移してきた。そして、12月に入り、国内のウォルマートの好調さが明確になると株価は上昇、ちょうど、この11月度の売上速報が公表された12/4以降には一時は60ドル近辺にまで上昇した。その後、また、やや値をもどしたが、現在は55ドル前後で推移しており、ウォルマートの株価は堅調な動きであるといえよう。

   このように、12/4、ウォルマートの11月度の売上速報が公表されたが、数字は海外部門が急激なドル高により、-11.00%となる大幅な減少となったが、国内部門、特に、ウォルマート部門は堅調であり、既存店が昨年と比べ好調に推移し、全体を牽引し、わずかではあるが、101.6%というプラスとなった。今後、ウォルマート最大の年間売上となるクリスマス商戦、年末商戦を迎えることになるが、国内部門の好調をどこまで海外部門のドル高による減収を補えるかがポイントであるといえ、ウォルマートにとって、次の12月度は重要な月となる。ウォルマートの来月度の売上速報がどのような数字となるか、注意深く見守りたい。

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December 15, 2008 in ウォルマート、海外情報, 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

November 29, 2008

日経MJで、アメリカ小売業の8-10月期決算特集!

    11/28の日経MJでアメリカの小売業の8-10月期決算の概況が特集された。ちょうど、この期間は、9/15のリーマンブラザーズ破綻後のアメリカの金融不安をもろに受けた最初の四半期決算でもあり、注目の決算である。結果は、ウォルマートの一人勝ちという状況となった。売上に関しては、掲載された約10社の内、ウォルマートの107.4%、ターゲットの101.9%、ロウズの101.4%以外、すべて減収となり、最終損益に関してもウォルマートの109.8%、ギャップの103.3%以外、すべて減益となる厳しい決算となった。日経MJの見出しも、「米小売り8-10月期決算、ウォルマート一人勝ち9.8%増益、低価格戦略に軍配、ターゲット23%減益、サックスは赤字転落」という見出しである。また、関連記事でも、「カード消費、逆回転、価格競争負担重く」という見出しでの特集があり、アメリカの消費構造が根底から変わり始めたことが浮き彫りになったといえよう。
   
   記事の中では、ウォルマートと同じ、ディスカウントストア、ターゲットについても言及しているが、ターゲットもわずかではあるが、売上はプラスであったが、利益は厳しいものとなった。その要因はクレジットカード事業が足を引っ張ったという。クレジットカードは、これまで、アメリカではクレジットで借金を膨らませ、それが消費に転じ、好景気を生み出していたが、これが、サブプラムローンの崩壊で一転、いまや消費者は借金の返済に精いっぱいで、消費にお金がまわらない状況であるという。
  
   この決算でホームデポも減収減益の厳しい決算となったが、記事の中で、ホームデポのフランク・ブレーク最高経営責任者(CEO)は、「顧客がローンを組むのが難しくなったことで、高単価商品の売れ行きが著しく落ち込んだ」という。特に500ドル以上の商品が2桁以上の落ち込みであるといい、高額商品の消費が急減しているという。また、百貨店はさらに厳しい状況であるといい、数字で見ても、高級店のサックス、そして、メーシーも赤字転落となり、ノードストロームも減収減益、特に利益は半分以下となる厳しい状況であるという。衣料品、雑貨の強いJCペニーも減収減益、減益幅は50%を割っており、厳しい状況である。
  
   アメリカではこれから年間最大の売上となるクリスマス商戦、年末年始を迎えることになるが、厳しい状況となりそうである。ウォルマートと競合しているディスカウント業態のターゲットのグレッグ・スタインハフェルCEOは、「今年の年末商戦に向けて価格訴求力を最大の武器として、目玉商品は一番安い、ということを徹底して周知させる。過去に経験のないことだが、この環境ではやむを得ない。」と、コメントしており、今年の年末商戦はウォルマートも含め、空前の価格競争となる様相を呈しており、厳しい年末となりそうである。
   
   さて、ここで、この四半期決算後のここ最近の主要小売業の株価の状況を見てみたい。まずは、ウォルマートであるが、リーマンショック後、46ドル近辺にまで落ち込んだ株価は、徐々にもどし、現在55ドル近辺で推移しており、小売業の中でも最も安定している株価といえよう。同じくディスカウトストアのターゲットであるが、リーマンショック後、株価は下げ止まらず、厳しい株価が続いている。9月上旬には55ドル近辺で推移していたが、その後、ほぼ右下がりに株価が落ち、11月に入り、やや持ち直したが、その後、また反転、現在35ドル近辺で推移しており、厳しい状況であるといえよう。ホームデポについては、もともと上がり下がりが激しい株価ではあったが、リーマンショック前は 一時は30ドル近辺まで株価が上昇したこともあったが、その後、株価は急落、10月に入ると、20ドルを割るところまで落ち込み、現在、22ドル近辺で推移しており、これまでにない低水準の株価である。
   
   一方、百貨店業界では、サックス(サックス・フィフス・アベニュー (Saks Fifth Avenue))であるが、本当に厳しい株価である。現在、わずか4ドルとなっており、この1年間ほぼ右下がりで下げ続けており、昨年は20ドルを超えていたので、1/5となる落ち込みようである。メーシーズも、サックス同様、厳しい株価であり、現在5ドル前後で推移しており、昨年は30ドルを超えており、ほぼ1年に渡っての段階的な右下がりの株価であり、1/6となる株価である。そして、ノードストロームであるが、リーマンショック前までは比較的堅調な株価であり、35ドル前後で推移していたが、その後、株価は急落、10月に入ると20ドルを割り込み、11月に入ると15ドルを割り込み、現在、10ドル前後で推移している。百貨店業界はいずれも厳しい株価であり、まだ、底が見えない状況といえよう。
   
   このように、アメリカのリーマンショック後のはじめての小売業の四半期べースでの決算数値が明らになったが、特に、クレジット関連での消費構成比の高い業態、高額商品関連の業態、特に百貨店は厳しい状況である。また、それを見越すかのように、株価も急落しており、投資家も売り一色となる様相である。ただ、その中でも、ウォルマートは独り勝ちであり、株価も下げたとはいえ、安定しており、改めて、ウォルマートの強さが浮き彫りになった結果となった。今後、クリスマス、年末年始後のアメリカの小売業の状況がどのような結果になるか、注意深く見守る必要があろう。

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November 29, 2008 in ウォルマート、海外情報, 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

November 17, 2008

ウォルマート1兆円、潤沢なCF、第3四半期決算!

   11/13、ウォルマートが2009年、第3四半期の決算を公表した。まず、驚くのは、キャッシュフローである。ウォルマートの今期、第3四半期までの合計の営業キャッシュフローは101.73億ドル(昨対105.7%、約1兆円)となり、この内、純利益からのキャッシュフローが94.64億ドル(約9,000億円)と90%を占めた。いかに営業活動によるキャッシュが大きいかがわかる。それにしても、四半期で約1兆円のキャッシュフローであり、途方もない金額である。

   この潤沢なキャッシュフローを投資に充てるわけだが、今期の投資キャッシュフローは-67.97億ドル(昨対60.5%、約6,000億円強)にとどめており、今期は昨年に比べ、控え目な投資である。ただ、それでも約6,000億円と莫大な投資であり、しかも、これが営業キャッシュフローの範囲内であるので、典型的な順流のキャッシュフローである。その中身であるが、81.74億ドル(約8,000億円)が新規出店関係等の土地、設備に充てられている。結果、フリーキャッシュフローは33.76億ドル(約3,000億円)である。それにしても、営業キャッシュフローが約1兆円あり、その内、約8,000億円を成長戦略にあてられるのであるから、すごい、数字である。そして、財務キャッシュフローであるが、-27.94億ドル(約2,500億円)であり、その中身は借入金の返済、配当、株式購入などである。結果、今期のトータルのキャッシュフロー、資金は5.82億ドル(約500億円)となり、為替変動の影響もあり、最終的には3.51億ドル(約350億円弱)となった。

   この潤沢なキャッシュフローを生み出した今期の営業状況であるが、累計ではなく、四半期のみでの営業収益は986.42億ドル(約10兆円弱、昨対107.3%)である。ちなみに、純粋な売上のみでは107.5%であり、その中身はウォルマート部門が106.1%(昨年107.1%)、サムズクラブ部門が11.22%(昨年107.7%)、海外部門が107.4%(昨年116.5%)であり、この10月度の失速、特に海外部門が響いた結果となったが、依然として、四半期ベースでは堅調な売上といえよう。ここから販売コスト、販売費及び一般管理費を引いた営業利益は52.92億ドル(約5,000億円、昨対106.6%)となり、さらに、税金等引いた当期純利益は31.38億ドル(約3,000億円、昨対110.2%)と2桁の増益となり、増収増益となった。純利益はこの四半期で約3,000億円であり、累計で見ると、96.08億ドル(約9,500億円)と、途方もない金額となり、これがまさに、キャッシュフローの源泉である。これを見ても、小売業はいかに、キャッシュフローを生み出せるかが成長の源泉であることがわかる。

   では、その成長戦略を占う、出店余力について、今期、第3四半期の累計で見てみたい。まず、ウォルマートの自己資本比率であるが、39.0%である。総資産は1,678.43億ドル(約16兆円)である。出店にかかわる資産である土地、建物の合計は937.06億ドル(約9兆円)であり、総資産の55.8%であるので、自己資本比率39.0%から引くと、出店余力は-16.8%である。したがって、負債に依存する出店構造となっており、その負債の主要項目である長短借入金等の合計は、355.56億ドル(約3.5兆円)であり、これは総資産の21.1%である。出店余力の-16.8%とほぼ一致するので、70%は自己資本、負債には約30%依存する出店構造といえよう。ちなみに、ウォルマートの在庫であるが、404.16億ドル(約4兆円)であるので、総資産の24.0%であり、衣食住すべての商品在庫であり、かなり大きな負担であるといえる。ただ、これは、買掛金で大部分が相殺されると思われ、買掛金の数字を見ると、307.82億ドル(約3兆円)であるので、実質、100億ドル(1兆円弱)、総資産の約6%ぐらいの負担といえよう。
 
   これを受けて、ウォルマートの11/13前後の株価を見てみたい。11/13(54.93ドル)、11/14(52.71ドル)であり、やや下げぎみに動いているのが気になるところである。ウォルマートの株価は、リーマンブラザーズショック前の9月上旬は62ドルまで上昇する好調な株価であったが、その後、株価はさすがに下がりはじめ、10/10には50.95ドルまで下がった。ただ、ここを底として、株価は上昇ぎみに動きはじめ、11月はじめには56ドルまで上昇した。そして、11/6の10月度の厳しい売上速報の公表後、株価がやや下がり気味で推移し、この第3四半期決算、公表後も先に見たように、やや株価が下がり気味の動きとなっている。このように、ウォルマートの株価は11月に入ってやや下がり気味であるが、大きく下げているわけではなく、投資家は冷静にウォルマートの株価を見守っているようである。

   このように、ウォルマートの第3四半期決算が11/13に公表されたが、四半期を昨年と比べると増収増益の好決算であるが、9ケ月累計と比べるとやや伸び率が下がっており、ここへきて徐々に金融不安の影響がさすがのウォルマートにも出始めたといえよう。ただ、他の小売業等と比べると、好業績であり、改めて、ウォルマートの強さが際立っているといえよう。特に、キャッシュフローは現時点で、営業キャッシュフローが1兆円を超えるなど、抜群の財務安定感であり、きれいな順流となっている。残り、今期もあと、クリスマス、年末、年始を残すのみとなったが、景気後退の中でウォルマートがどこまで業績を維持できるか、その動向に注目といえよう。

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November 17, 2008 in ウォルマート、海外情報, 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

November 11, 2008

ホールフーズマーケット、2008年9月決算、増収減益!

  オーガニック食品スーパーマーケット、ホールフーズマーケットが11/5、2008年9月度の本決算を公表した。売上高79.53億ドル(約8,000億円、120.6%)、営業利益2.36億ドル(約230億円、79.4%:売上対比2.9%)、当期純利益1.14億ドル(約110億円、62.8%:売上対比1.4%)となる増収減益となり、厳しい決算となった。アメリカの損益決算書は日本とは若干違い、経常利益がなく、営業利益と当期純利益のみでの数字であり、すっきりした決算書である。さらに、営業利益を算出する上において、段階を分けて、利益が計算されており、利益がどのような要因で生じたのかが分かりやすくなっている。
 
  順にその構造を見てみると、売上高79.53億ドル(約8,000億円)であり、原価は52.47億ドル(約5,200億円:売上対比65.9%)となり、結果、売上総利益は27.06億ドル(約2,700億円:売上対比34.0%)となる。この数字は日本の食品スーパーマーケットと比べると極めて高い数字であり、オーガニック食品スーパーマーケットがいかに高粗利であるかがわかる。ちなみに、原価65.9%は昨年と比べると、昨年が65.1%であるので0.8ポイント上昇しており、やや原価があがっている。

  そして、この売上総利益から、何段階かに渡って経費が差し引かれるが、まずは、店舗経費が差し引かれ、店舗貢献利益が算出される。今期は5.98億ドル(約600億円弱)であり、7.5%である。日本にはない利益の算出方法であり、本ブログで取り上げているマーチャンダイジング力の概念に近い数字であるといえ、店舗段階での貢献利益が計算されることになる。そして、ここから、販売費及び一般管理費が引かれ、今期は3.28億ドル(約330億円弱)となり、売上対比4.12%となる。これで終わりではなく、さらに、ここから、出店、閉店コストを差引き、営業利益2.36億ドル((約230億円、79.4%:売上対比2.9%)となる。日本では、ここまで費用を分けて計算し、経費に明示し、しかも、分けて利益を算出することはないので、営業利益の中身が特に店舗動向を起点にきっちり計算され、小売業特有の利益構造をしっかり説明しており、びっくりである。
  
  さて、このように、今期は、ホールフーズマーケットも売上こそ順調であったが、利益が厳しい状況であり、来期へ向けての新たな経営戦略を、この決算公表の中で提示している。資本調達である。今回、4.25億ドル(約400億円)をレオナルド・グリーンパートナーズから出資(議決権の17%)を受けたという。これに対して、CEOのジョン・マッケイ氏は、流通業界への投資で経験豊富なレオナルド・グリーンパートナーズから出資を得られ感謝しているとの談話を出し、特に、経済情勢が不安な中、今後の長期的な成長への資金としたいとのことである。実際、今後の出店計画を見ると、今期は20店舗(前期21店舗)を新規出店したが、2009年度は15店舗、2010年度は17店舗、2011年度は19店舗、2012年度は19店舗と、今後4年間で合計70店舗の新店開発を計画しており、その資金への活用であろう。
  
  では、実際、今期、ホールフーズマーケットがどのような財務状況にあったかを、キャッシュフローで見てみたい。まず、営業活用によるキャッシュフローであるが、3.25億ドル(約300億円強)であり、投資活動によるキャッシュフローは-3.65億ドル(約-360億円)のマイナスであり、結果、フリーキャシュフローは-0.4億ドル(約40億円弱)のマイナスとなり、逆流となっている。新店投資への資金が3.57億ドル(約350億円)と多額の負担となったためである。そして、財務活動によるキャッシュフローであるが、0.6億ドル(約60億円弱)であり、結果資金は0.3億ドル(約30億円弱)のプラスとなるが、長期借入金を3.17億円ドル(約300億円)借り入れるなど、厳しい状況といえる。ホールフーズマーケットがレオナルド・グリーンパーナーズから4.25億ドル(約400億円)の出資を受けるのもうなずけるキャッシュフローの流れである。
   
  では、出店余力はどうかを見てみたい。ホールフーズマーケットの今期の自己資本比率は44.5%(昨年45.4%)であり、出店にかかわる資産である土地、建物等の合計は19.00億ドル(約1,900億円弱)であり、これは総資産33.80億ドル(約3,300億円)の56.2%であり、ここから出店余力を計算すると-11.7%となる。当然、この分を負債に依存していることになり、その主要項目である長短借入金の合計を見ると、9.28億ドル(約900億円)であり、これは総資産の27.4%となり、かなり財務負担の大きい状況であるといえよう。結果、成長戦略を負債に頼らざるをえない財務構造となっており、今回、新たな出資をレオナルド・グリーンパーナーズから受け入れた状況がこの台所事情にあるといえよう。成長を止めるて、リストラに入るか、資金調達して、さらに成長を目指し、活路を開くか、CEOのジョン・マッケイ氏の経営決断の難しさが推し量れるといえよう。
   
  このように、2008年9月期のホールフーズマーケットの本決算が公表されたが、積極的な新規出店、M&A等により増収とはなったが、利益が厳しい状況であり、しかも、その新規出店、M&Aをささえる財務状況が特に、キャッシュフローが逆流するなど厳しい状況であるといえる。ただ、今回、資本増強ができ、自己資本比率が向上し、出店余力があがるので、来期以降の出店も可能となると思われるが、現在、未曾有の金融危機のさなか、アメリカの消費者が今後ともオーガニック商品を買い続けるかどうか、予断を許さない状況が続くものと思われる。ちなみに、ホールフーズマーケットの現在の株価であるが、11/7現在、10.05ドルと厳しい株価が続いている。昨年後半は50ドル近い株価であったので、1/5となる状況であり、チャートはまさに、右下がりの状況であり、底が見えない厳しい状況といえよう。今後のホールフーズマーケットの動向を注意深く見守りたい。

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November 11, 2008 in ウォルマート、海外情報, 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

November 10, 2008

ウォルマートに異変、金融危機直撃、10月度売上失速!

   ウォルマートに激震が走った。2008年10月度の売上速報が11/6、公表されたが、これまでの堅調さが一転、売上が大きく減少した。その売上であるが、この10月度は102.3%という信じられない数字である。10月までの累計が108.3%であるので、5ポイントも下がるという失速である。前月の9月度も105.8%とそれまでの8月108.7%、7月109.4%、そして6月度110.1%と比べても下げ気味で推移していたが、それを上回る大きな下げであり、ウォルマートに異変が起こったといえよう。

   その中身を見てみると、ウォルマート部門105.3%(累計106.6%)、サムズクラブ部門104.5%(累計107.2%)、海外部門-5.9%(累計113.3%)であるので、国内部門も不振であったが、海外部門がこれまで2桁以上伸びていた数字がいきなり、マイナスとなり、これが大きく響いた結果といえよう。海外部門は67.60億ドル(約6,500億円)であり、全体の売上が285.65億ドル(約2兆8,000億円)であるので、23.6%と約1/4の売上構成比であり、この部分が大きく失速すると全体への影響も大きく、今回、大きな失速となったといえる。ウォルマートはこれについて、「On a constant currency basis -- without the effect of foreign exchange rate fluctuations -- total International sales increased 8.9 percent for the four-week period.」と、コメントしており、為替変動によるものであり、実質、海外部門は108.9%であったとしている。ただ、108.9%でも累計の113.3%と比べると大きくダウンしており、国内部門も失速気味であるので、これを加味しても、この10月度は厳しい結果であったといえよう。

   ウォルマートは日本でいえば、トヨタ、ソニーのように円高による為替差損が損益に大きく響くほど、海外部門を、ここ数年2桁を優に超える勢いで伸ばし続けてきた。全体に占める売上構成比もほぼ1/4となり、全体に対するインパクトも大きく、海外の貢献度がウォルマート全体の成長を支えていたといっても過言ではない状況であった。ところが、このサブプライムローンの問題が表面化し、9月のリーマンブラザースの破たん後、金融問題に転嫁してから、為替が激しく変動をはじめた。現在、世界通貨では円が無敵となり、ほぼすべての通過に対し上昇を続けており、ドルに対しても100円を切り、98円前後で動いている。ところが、そのドルがユーロ、ボンドなどではのきなみ、ドル高となっており、ここ数ケ月の動きを見ると、ユーロもボンドも20%から30%下落しており、海外での2桁以上の売上の伸びが、帳消しになり、それ以上にマイナスになってしまう状況であるといえる。金融不安のあおりを海外部門が直撃したという状況である。

   これを受けて、ウォルマートの株価であるが、この10月度の売上速報のあった翌日11/7現在54.39ドルである。ここ数日の株価を見てみると、11/6(53.49ドル)、11/5(54.13ドル)、11/4(56.13ドル)、11/3(55.97ドル)であるので、さほど、株価は下がっておらず、投資家は冷静にこの数字を受け止めているといえよう。ただ、ウォルマートのここ数ケ月の株価の状況を見てみると、9月中旬までは、ウォルマートの株価はこの1月からほぼ右上がりで順調に株価を上げており、一時は、年初来最高値の63.85ドルを付けており、投資家から高く評価されていた。ただ、さすがに、9月中旬の金融危機以降は株価が下がりはじめ、10月に入ると55ドルとなり、一時は50ドルを切り、47ドルまで下がった。その後、株価はやや持ち直し、11/7現在54.39ドルである。

   では、この10月度の国内のウォルマートの既存店の状況を見てみると、トータルでは102.5%と堅調な数字で推移している。昨年同時期が100.7%、39週累計が103.4%であるので、累計と比べると若干下がっているが、昨年よりは回復しており、既存店自体は大きなダウンとはなっていず、落ち着いた数字といえよう。この数字はガソリン等のエネルギー関連の売上を加えた数字であるが、さすがに、アメリカでも原油価格が下がったことにより、そのインパクトはほとんどなく、0.1%である。その中で、ウォルマート部門であるが、102.2%であり、累計が102.9%であるので、ほぼ横ばいといえよう。サムズクラブは104.0%であり、累計が106.4%であり、エネルギー関連のプラス効果がなくなった分、若干、伸び率が下がったが、堅調な数字であるといえよう。特に、エネルギー関連を抜いた場合は、累計の103.5%に対し、この10月度は103.6%と唯一、累計の数字を上回ったのが、このサムズクラブ部門であり、ウォルマートの中では最も貢献度の高い部門であったといえよう。そのサムズクラブ部門については、ウォルマートは特に、生鮮、グロサリー、消費材が特に良かったとコメントしている。特に、その中でも、青果、精肉、ペットフードが絶好調であり、逆に苦戦したのは、家電、宝石、住関連分野だったという。

   このように、この10月度のウォルマートの売上が為替レートにより、海外の売上がドルベースでは激減し、これに加え、国内の売上も失速気味で推移したため、今期、最大の売上ダウンとなり、伸び率が102.3%まで下がった。為替に関しては、まだ、金融不安は始まったばかりであり、今後、これが実態経済に波及することは必至の情勢となり、当面、円以外でのドル高基調が続く懸念があり、それに加え、国内経済も失速感が出はじめており、厳しい状況が続くものと予想される。今後、年間最大の売上の時期、クリスマス、年末、年始の商戦を迎えるが、どのような数字になるか、当面、ウォルマートの動向には注目である。

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November 10, 2008 in ウォルマート、海外情報, 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

October 13, 2008

ウォルマート、売上速報2008年9月度、売上失速!

   2008年9月度のウォルマートの売上速報が10/8、公表された。この9月度の集計は8/30から10/3までの5週間の売上集計であり、9/15のリーマンブラザーズ倒産ショック後の数字も含まれているだけに、どのような結果となるかが世界中から注目されたウォルマートの売上速報といえよう。結果は105.8%と厳しい売上となった。8月が108.7%、7月が109.4%、そして6月度が110.1%であったので、明らかに売上が失速したといえよう。特に、9/15後は相当の売上が落ち込んだと予想され、深刻な状況であるといえよう。ただ、ウォルマート自身は、サブプライムローンの暴落による金融不安の問題もあるが、この9月度は台風の影響も大きく、期間中、地域によっては341店舗の閉店もあるなど、その影響も大きかったとしており、もうしばらく様子を見る必要があろう。

   ウォルマートは売上を3つの部門に分けて集計している。ディスカウントストア、スーパーセンターなどのウォルマート部門、会員性ディスカウントストアのサムズクラブ部門、そして、西友を含む海外部門である。この内、この9月度、売上が最も落ち込んだ部門は海外部門である。ウォルマートの海外部門はイギリス、ブラジル、カナダ、中国、日本、メキシコ等であるが、35週の累計115.7%に対し、107.3%とこれまで、2桁を優に超える成長を続けていたが、この9月度は1桁台となる失速である。海外部門のこの9月度の売上は90.35億ドル(約9,000億円)であり、全体の売上が360.22億ドル(約3兆6,000億円)であるので、ちょうど25%、1/4の売上規模である。したがって、相乗積から10%売上が落ち込めば2.5%の全体へのインパクトがあり、20%では5.0%のインパクトとなり、海外部門はもはやウォルマートにとっては大きな成長の柱といえる規模となった。その海外部門がこのように、この9月度落ち込んだことが大きかったといえよう。

   海外部門についで、売上が落ち込んだのは大黒柱のウォルマート部門である。9月度の売上は224.82億ドル(約2兆2,500億円)と全体の60%強である。35週累計が106.7%であり、9月度が104.8%であるので、約2ポイントダウンといえる。ただ、既存店は102.0%と堅調な数字であるが、これも35週累計の102.8%と比較するとややダウンぎみであり、気になるところである。この時点では金融不安の影響が判然としないが、今後、時間がたつにしたがい、結果が表れるといえ、ウォルマートにとって、プラスとなるか、マイナスとなるか、予断をゆるさいない状況が続くものといえよう。

   そして、サムズクラブ部門であるが、ここは108.0%と35週累計の107.5%と比べ0.5ポイント上昇しており、好調である。既存店も107.4%と昨年の104.1%と比べても明らかに高い数字であり、絶好調といえよう。特に、サムズクラブはガソリンの数字が大きく、その影響が3.2%売上を押し上げており、この面もプラスになった要因といえよう。ウォルマート部門はガソリンのインパクトは0.0%であるので、サムズクラブ部門特有の売上であり、ちょうど、日本のコンビニのtaspo効果によるたばこの売上のような効果といえよう。ただ、サムズクラブ部門は全体の約10%強であるので、ウォルマート全体へのインパクトは弱く、何といっても、ウォルマート部門、そして伸びていた海外部門の失速がこの9月度は大きかったといえよう。

   これを受けて、ウォルマートの株価の動向であるが、株価はこの売上速報があった10/8以降大きく下げている。ウォルマートの10/8前後の株価の動きを見てみると、10/6(月)57.90ドル、10/7(火)54.84ドル、10/8(水)54.55ドル、10/9(木)51.39ドル、10/10(金)50.95ドルと、わずか数日間で10%以上株価を下げており、特に、10/10は一時は47ドルまで売り込まれおり、しかも、売買高も通常数千万株の商いが、5,000万株以上の大商いとなり、株価の下げが止まらない状況である。来週以降、ウォルマートの株価がどの辺で落ち着くか読めない状況といえよう。

   ちなみに、リーマンブラザーズショックの9/15前後のウォルマートの株価を見てみると、9/11(木)63.17ドル、9/12(金)62.41ドル、9/15(月)61.63ドル、9/16(火)62.14ドル、9/17(水)59.64ドル、9/18(木)61.48ドル、9/19(金)59.70ドルであるので、さほど、影響は受けておらず、むしろ、堅調な株価の推移であったといえよう。サブプライムローンの影響はウォルマートにはあまりないと投資家は踏んでいたような動きである。むしろ、この10/8の9月度の売上速報が、これまでの推移と比べると失速したことが、投資家には大きなインパクトであったといえよう。

   ウォルマートの株価は、この1年ほぼ右上がりで推移してきており、昨年12月頃は45ドル前後で推移していたが、1月に入り、株価が上昇に転じ、2月には50ドルを超え、4月に入ると55ドルを超え、5月以降は60ドル近辺に迫る勢いで上昇を続けてきた。そして、9月にはとうとう60ドルを超え、9/15のリーマンブラザーズショック以降も60ドル近辺でもみ合い、10月前半まで、60ドル前後の株価が続いていた。そして、ここへきての失速であり、まさに、株価は今後の売上動向にかかっているといえよう。

   このように、2008年9月度のウォルマートの売上速報が公表されたが、明らかに失速の兆候が表れており、特に、海外部門の高成長が止まり、国内の主力部門ウォルマートの伸びも成長が抑制されており、今後、ウォルマートがどのような成長戦略を打ち出すかが注目される。このまま低成長高収益路線をとるのか、それとも、再度、高成長路線を打ち出すのか、成長著しかった海外部門の伸びが止まり始めた現在、難しい経営の選択となったといえよう。もうしばらくするとウォルマート最大の年間売上となる年末商戦を迎えるが、今年は前倒しで勝負するとのことであるが、その動向に注目といえよう。

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October 13, 2008 in ウォルマート、海外情報, 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

September 10, 2008

ウォルマート売上速報、2008年8月度、108.7%!

   ウォルマートが2008年8月度の売上速報を9/4公表した。8月度は8/2(土)から8/29(金)の4週間であり、累計ではちょうど30週間となる。ウォルマートを含め、アメリカの小売業は週間での管理が基本であり、ウォルマートは土曜始まり、金曜終りが1週間の売上管理の期間となっている。年間を4週、4週、5週の13週の四半期に分け、中間は13週、13週の26週、年間を26週、26週の52週に分けて管理してゆくことになる。したがって、30週は26週+4週=30週となり、ちょうど後半スタートのはじめの月が今月、8月度となる。全体の売上は108.7%と堅調な数字であるが、30週累計が109.5%であるので、やや、8月度は売上が伸び悩んだといえよう。

   ウォルマートは売上を3つの部門に分けて管理しており、主力業態のスーパーセンター、ディスカウントストアを中心としたウォルマート部門、業務筋向け会員スーパーのサムズクラブ部門、そして、カナダ、南米、イギリス、アジアのウォルマートの海外部門である。この8月度、やや数字を落とした要因をこの3部門の状況から見てみると、ウォルマート部門が107.0%(30週累計107.0%)、サムズクラブ部門が108.7%(30週累計107.4%)、海外部門113.3%(30週累計117.2%)であるので、海外部門の落ち込みが全体へ響いたといえよう。したがって、国内部門は依然として好調に推移しているといえ、既存店合計では103.5%(30週累計103.7%)という数字で推移している。

   ウォルマートの海外部門はこの8月度76.14億ドル(約8,150億円)であり、ウォルマート全体の売上が306.67億ドル(約3兆2,800億円)であるので24.8%となり、約1/4を占め、インパクトは大きい。したがって、海外部門の落ち込みは、即、ウォルマート全体へ響くといえる規模となっており、ウォルマートにとって、海外戦略は重要な位置を占めているといえよう。ちなみに、昨年は67.21億ドル(約7,200億円)であり、全体に占める割合が23.8%であるので、売上金額で約1,000億円、構成比で1.0ポイント上昇しており、海外部門の重要性が大きな比重を占めているといえよう。

   その海外部門の動向であるが、イギリスのアズダは好調に推移したが、為替相場がポンドに対してドル高となり、ドルベースの売上では数字が伸び悩んだという。海外戦略の場合、為替相場が売上に影響するため、このようなことが起こることもあり、考慮する必要があろう。南米ではブラジルのハイパーマーケット、スーパーマーケット、キャッシュ&キャリーが好調であったという。カナダは横ばいであり、中国ではオリンピックで客数はやや減ったが、客単価は伸びたという。日本の西友は依然として厳しい数字がつづいているという。

   これに対し、国内は依然として好調さが続いており、既存店合計で103.5%(30週累計103.7%)という状況であるが、その中身は、ウォルマート部門が102.8%(30週累計103.1%)であり、サムズクラブ部門が107.5%(30週累計106.4%)であり、特に、サムズクラブ部門の伸びが大きい。また、この売上の中にはガソリン等のエネルギー関連の数字が含まれているが、その影響はウォルマート部門では0.0%と影響はないが、サムズクラブ部門が3.3%(30週累計3.1%)と大きなインパクトがあり、サムズクラブ部門の好調さはこのガソリン等のエネルギーによる底上げが大きいといえる。
 
  これを受けてウォルマートの株価であるが、9/7現在、62.00ドル(+1.26ドル、+2.07%)という状況であり、株価水準は過去5年間で最高水準で推移している。ウォルマートの株価は2004年前半に60ドル台に達したが、その後株価は下落し、2005年には50ドルを割り込み、2008年まで約3年間45ドルから50ドルの間を推移していた。ところが、2008年に入ると株価は上昇に転じ、5月までほぼ右上がりに上昇を続け、60ドル近辺にまで迫った。その後、6月、7月、8月と60ドル近辺で推移し、9月に入ると、60ドルを超えはじめ、株価は好調に推移している状況である。ウォルマートは上場以来最高の株価水準は1999年12月31日の70.25ドルであるので、まさに最高値を狙う勢いが今期はあり、今後のウォルマートの株価には注目といえよう。昨年は一時40ドル近辺にまで株価が急落した状況を考えると、今期の株価は60ドルを超え、まだ上昇しそうな勢いがあり、投資家はウォルマートを買いと判断しているといえよう。

   このように、2008年8月期のウォルマートの売上速報は海外部門にやや陰りがみられるものの、国内部門は堅調な数字で推移しており、好調な売上であるといえよう。アメリカではサブプライムローンの問題に加え、日本同様、資源エネルギー高が家計消費に影響を与え、小売業は厳しい環境にあるといえるが、ウォルマートが今期掲げたスローガン、Saving People Money So They Can Live Betterがまさに消費者の支持を得、これが売上に反映されているといえよう。ひところの、EDLP(Everyday Low Price)政策による価格重視の政策から、生活重視、すなわち、節約により、より良い生活をという政策がウォルマート全体に浸透しはじめたものといえよう。今月でちょうど、中間の26週を超え、後半はじめの月、30週目となったウォルマートであるが、今期も堅実な成長を維持できるのではないかと予想される。今後のウォルマートの動向に注目といえよう。

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September 10, 2008 in ウォルマート、海外情報, 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

August 18, 2008

ウォルマート売上速報、2008年7月度、109.4%!

   ウォルマートの2008年7月度の売上速報が8/7、公表された。7月度は7/5(土)から8/1(金)までの4週間の集計である。ウォルマートの1週間は金曜はじまり、土曜終わりの1週間であり、日本では月曜ははじまりが多いが、ウォルマートはスーパーセンターが主力業態であり、週末が重要な曜日となるので、はじめに週末の金土日をもってくるのは理にかなった管理といえよう。また、累計では26週、半期となるが、半期は26週を4週、5週、4週に分けて13週の四半期となり、この四半期が2サイクルで26週、半期となる。

   そのウォルマートの2008年7月度の売上速報であるが、ウォルマートは売上管理を3部門に分けて管理している。ウォルマート部門とサムズクラブ部門と海外部門である。まず、全体だが109.4%と7月度の売上も好調であった。金額でも301.59億円ドル(約3.3兆円)であり、これだけで日本のGMSクラスの年商であり、いかにウォルマートの売上が巨大かがわかる。ただ、26週累計は109.6%であるので、若干下がってはいるが、ほぼ、横バイといえよう。金額では1,964.76億ドル(約21.6兆円)であるので、今期も年商40兆円は超えてくるものといえよう。

   ウォルマートの各部門の内訳であるが、主力のウォルマート部門は106.7%であり、26週累計の107.0%と比べるとやや下がっているが、依然として好調さをキープしている。既存店の数字も103.0%と堅調な数字であり、昨年の101.3%と比べると高い伸び率であることがわかる。26週の既存店は103.2%であるので、これは若干下がってはいるが、ほぼ横バイといえ、7月度の主力部門、ウォルマート部門も好調であるといえよう。ウォルマート部門の柱はスーパーセンターであり、スーパーセンターがここ数ケ月、調子が良いといえ、アメリカでも日本同様、資源エネルギー高に加え、サブプライムローンの問題もあり、厳しい消費環境の中、ウォルマート、特にスーパーセンターが消費者の支持を獲得し、好調な売上に結びついているといえよう。ちなみに、ウォルマート部門のウォルマートの売上全体に占める数字は62.1%であり、文字通り、大黒柱である。

   ウォルマート部門についで、サムズクラブ部門であるが、107.7%と7月度も好調である。26週累計が107.2%であるので、累計を上回っており、ウォルマート部門以上に好調な売上である。既存店も107.3%と昨年の104.9%と比べ、大きく数字が伸びている。ウォルマートは既存店の売上集計は、ガソリンなどの燃料関連の売上への影響を見るために、燃料関連の影響を入れた場合と入れなかった場合に分けている。これを見ると、ウォルマート部門はほとんど影響がないが、サムズクラブ部門は燃料関連の影響が大きく、107.7%は燃料関連の売上が含まれた数字である。含まれない場合は、103.5%であり、影響度は3.8%といかに燃料関連の貢献が大きいかがわかる。ちなみに、ウォルマート部門は0.0%の影響度であり、燃料関連のインパクトはこの7月度の売上に関しては、全くない状況である。26週累計を見てもウォルマート部門は影響度が0.0%であるので、燃料関連はスーパーセンターへはほとんど売上への貢献がないといえよう。

   そして、いま、最も伸び率の高い海外部門であるが、117.1%と依然として高い成長を続けている。26週累計は117.9%であるので、この7月度は若干伸び率が下がっているとはいえ、ほぼ横バイの状況といえよう。海外部門はここ数年急成長を遂げており、この7月度のウォルマート全体の中での売上構成比は26.1%であり、昨年の24.3%と比べ高い成長であり、ついに25%、1/4を超えるまでになった。ウォルマートにとってはスーパーセンターにつぐ、成長の柱といえ、今後、この海外部門がウォルマート全体の成長の柱となってゆくことになろう。

   この海外部門の好調さについて、ウォルマートは、海外でのeveryday low price政策が各国で受けいれられ、しかも様々な業態での展開が功を奏しているとの評価をしている。特に、イギリスのアズダが好調であり、日本では各社苦戦している衣料品も好調であり、しかも、新店も6店舗出店したという。これについで、ブラジルも好調であるという。既存店の伸びも高く、キャッシュ&キャリー、ハイパーマーケットなどの業態も好調であるという。さらに、カナダ、中国、メキシコも好調であるという。また、日本についてははじめてコメントが公表されたが、7月度の既存店は厳しい状況であるが、年間で見ると堅調であるという。また、食品は好調であるが、衣料品が厳しい状況であるという。ただ、PB(プライベートブランド)の消費者からの反応はよい感触であり、期待がもてるという。

   このように、2008年7月度のウォルマートの数字は全体では109.4%と好調な数字を維持しており、日本以上に消費環境が厳しい状況の中で、ウォルマートが消費者から強い支持を受けていることがうかがわれる強い数字である。また、海外部門も依然として絶好調であり、とうとう1/4、25%の売上構成比を超えてきており、今後、海外部門の重要性がますます増してくるものといえよう。

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August 18, 2008 in ウォルマート、海外情報, 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

August 17, 2008

ホールフーズ、業績悪化、2008年9月期第3四半期決算!

   自然食品に特化したオーガニック食品スーパーマーケットを全米で展開するホールフーズマーケットが8/5、7/6までの12週間、2008年9月期の第3四半期決算を公表した。売上は1 8.41億ドル(約2,000億円:昨対121.5%)、営業利益0.64億ドル(約70億円:昨対80.5%:売上対比3.47%)、当期純利益0.33億ドル(約36億円:昨対61.9%:売上対比1.47%)と増収減益の厳しい決算となった。また、ホールフーズマーケットは、同時に40週累計の決算も公表しているが、同様に、増収減益の決算であり、破竹の勢いで成長を続けていたホールフーズマーケットも、いよいよ転換期に来たといえよう。

   これを受けてホールフーズマーケットの株価であるが、この1年株価は急落しており、この第3四半期の増収減益の決算が公表された8/5以降も株価は下がりつづけている。ホールフーズマーケットの株価は昨年10月には50ドルを超えていたが、その後、今年、2008年に入ると、35ドル台になり、5月になると30ドルを割り込み、6月、7月と株価はさらに下がり続け、25ドル台となる。その後、8月に入り、とうとう20ドルを割り込む展開となり、今後、どこまで株価が下がるか予測ができない状況となっている。ホールフーズマーケットも、今回の減益は深刻に受けとめており、当面、配当も凍結とのことである。投資家は明らかに売りと判断しており、ホールフーズマーケットの株がどこまで売られるか、ここ数週間が山であるといえよう。

   現在のホールフーズマーケットは、1980年、アメリカのテキサスで設立された食品スーパーマーケットであり、世界をここ数年リードしてきた自然食品、オーガニックに特化した食品スーパーマーケットである。店舗数は272店舗、年商7,200億円であり、1店舗当たり約26億円である。出店地域はアメリカだけでなく、カナダ、イギリスへも展開しており、海外戦略にも力を入れ始めている。

   では、ここまで急激に営業利益が悪化した要因を粗利、経費の面から見てみたい。ただ、アメリカの会計制度は日本と少し違うため、必ずしも日本の営業利益とアメリカの営業利益とは同じ計算式ではない面があり、ダイレクトに比較するのは無理がある。そこで、ここでは、アメリカの会計に即して数字をみることにする。まず、粗利であるが、これをGross profitとして見ると34.3%(昨年35.5%)であるので、約1ポイント減少しており、粗利率が下がっていることがわかる。ただ、この中には、Direct store expenses(店舗関連経費)が入っているので、これを際し引いた、粗利を見てみると、7.7%(昨年9.48%)であるので、この段階の粗利は2ポイント弱減少しているのがわかる。逆に見ると、店舗関連経費が今期は大きかったということである。

   アメリカの会計では、ここから、販売費及び一般管理費を差し引き、さらに、プレオープン費用と店舗移転費用を差し引き、その結果、算出された利益をOperating incomeとし、これを営業利益と呼んでいるようだが、この数字は3.48%(昨年5.25%)であり、大幅に営業利益も落ち込んでいることがわかる。ということは、経費が大きく上昇したことになるので、どの経費かを見てみると、店舗関連経費は124.1%、一般管理費は123.8%、プレオープン費用は114.9%、リロケーション費用157.3%であり、経費関連も大きく増加していることとがわかる。さらに、この営業利益に、営業外費用、税金、金融収支等を差し引いた純利益は69.1%となり、大幅な減益となっている状況である。

   こう見ると、ホールフーズマーケットの減益となった要因は粗利が減少したことに加え、販売費及び一般管理費、店舗関連経費、プレオープン経費、リロケーション費用などの諸経費が増加したことが大きいといえ、ダブルでの営業利益ダウンという厳しい経営状況にあるといえよう。

   ホールフーズマーケットも当面、どう、粗利率の低下に歯止めをかけ、様々な経費の削減に取り組んでゆくかが大きな経営課題となりつつあるといえる。当然、ホールフーズマーケットも当面の対策として、重点項目を公表しているが、それを見ると、最も大きなテーマは新規出店の抑制であり、これまでの計画を大きく修正し、2009年9月期、すなわち、来期は15店舗にするとのことである。現在、全店272店舗であるので、年間15店舗は約5%強であり、今期も全体の売上は120%近い成長であるが、これでは新店効果は約105%しか計算できないこととなり、ホールフーズマーケットが来期以降、急激に売上縮小に入ることになり、利益だけでなく、売上の低迷にもつながる重点課題であり、厳しい経営決断であるといえよう。

   このように、ホールフーズマーケットの2008年9月期の第3四半期の決算が公表されたが、増収減益の、特に利益が厳しい決算となり、今後、経営の本格的な改革に入らざるを得ない状況に入ったといえよう。当然、この背景にはアメリカの資源・エネルギー高による消費環境の悪化があるといえ、ホールフーズマーケットが今後、どのような経営改革に入るか注目である。一方、ライバルともいえるウォルマートは逆に絶好調であり、アメリカの小売業界もこの消費環境の急激な変化により、追い風を受けている小売業と向かい風を受けている小売業に2極化した動きとなっているといえよう。その意味でも、ホールフーズマーケットの今後の動向が気になるところである。

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August 17, 2008 in ウォルマート、海外情報, 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

July 17, 2008

ウォルマート売上速報、2008年6月度、絶好調!

   ウォルマートの2008年6月度の売上速報が7/10公表された。6月度は5/31から7/4までの5週間の売上速報であり、累計では22週となるが、数字に異変が起きている。先月度とくらべ、また新規に入り、急激な売上増となっていることである。特に、柱のスーパーセンターの売上が絶好調であり、全体の売上を大きく牽引した形である。ウォルマートは売上の集計をウォルマート部門、サムズクラブ部門、そして、海外部門の3つに分けているが、この内、スーパーセンターが中核となるウォルマート部門の6月度の売上が110.1%となる2桁の伸びである。22週累計が107.1%であるので、6月は際立った伸びとなったといえよう。アメリカのサブプライムローンの問題、ガソリン価格の高騰、資源高、食料高がウォルマートに追い風となったようである。

   サムズクラブ部門もウォルマート部門ほどではないが、同様に好調な売上の伸びであり、108.9%と22週累計の107.1%を上回る伸びである。ただ、サムズクラブ部門はガソリン等のエネルギー関連の貢献が極めて大きく、この6月度の貢献度を見ても3.7%もあり、昨年の0.7%と比べると、ガソリン等のエネルギー関連の貢献度が極めて大きいことがわかる。アメリカの消費者が安いガソリンをもとめて、サムズクラブに殺到し、しかも、そこで、超お買い得な商品をしっかり、まとめ買いしているという構図である。

   また、これまで絶好調であった海外部門も依然として、116.9%と高い伸びを続けている。ただ、22週累計では118.0%であるので、やや伸びが鈍化したが、それでも116.9%は高成長といえる。金額面でも98.82億ドル(約1兆500億円)と全体が399.39億ドル(約4兆2,700億円)であるので、売上構成比は24.74%とほぼ1/4となり、海外部門はウォルマートにとって重要な成長部門であり、すでに、スーパーセンターに次ぐ第2の柱となったといえよう。今後、インド、ロシアでの展開も予定されており、この急成長は当面勢いが継続するものといえよう。

   その海外部門の中で、特にこの6月度、好調な地域はイギリス、ブラジル、そして、中国であるという。残念ながら、ここ最近、日本という言葉が全くでてこないが、今月も日本には全く言及がなかった。イギリスではアズダが打ち出している低価格路線が受け入れられ、好調な数字であるという。また、ブラジルではハイパーマーケット、キャッシュアンドキャリーが好調であるという。そして、中国では、5/12の地震により、まだ、1店舗が閉鎖したままであるというが、それ以外は全体的に売上は好調であるという。今後も、この3つの地区がウォルマートの海外部門を牽引してゆくことになろう。

   この好調な売上に関して、ウォルマート自身は「All six merchandise units (grocery, entertainment, health and wellness, apparel, home and hardlines) achieved comparable store sales increases・・」というようにすべての部門で既存店が好調な数字であったという。その既存店の動きであるが、ウォルマート部門は106.1%、昨年は101.6%の伸びであったので、大幅な伸びである。22週累計が103.2%であるので、この月が急激に数字が伸びたことがわかる。同様にサムズクラブ部門も既存店が伸びており、108.3%とウォルマート部門以上に伸びている。しかも、22週累計も106.1%であり、やはり、この6月度が特に高い伸びであることがわかる。その結果、ウォルマート部門、サムズクラブ部門の合計の既存店は106.4%となり、極めて高い既存店の売上の伸びといえよう。

   ウォルマートについては、7/11の日経新聞に、「米ウォルマート、青果調達、国内にシフト、燃料高騰、輸送費削減狙う」という記事が掲載された。これによれば、現在、ウォルマートの取り扱う生鮮食品が生産地から消費者の口に入るまでの平均距離は2,400キロであるという。今後、商品ごとに距離を自動計測できるフードマイルズカルキュレーターを導入し、仕入担当者の意思決定の参考にするという。実際、過去2年で契約農家は50%増えているといい、今後、経費削減にもつながり、日本でいうところの地産地消ともなり、売上、利益に貢献してゆくことになろう。

   また、その横の記事で、「店舗ロゴすっきり、ウォルマート、イメージを刷新、清潔感アピール」という内容が載っているが、これまでの、Everyday Low Price政策が店舗のロゴから消え、Save Money. Live better.のスローガンが掲げられたロゴとなったということである。つい最近、実施された株主総会でも取り上げられたが、今後のウォルマートの基本政策でもあり、いよいよ、新たなウォルマートのスローガンが確定したといえよう。時代は安さから、節約、生活がアメリカではキーワードとなったという象徴的な出来事である。

   このように、この6月度のウォルマートの売上速報は絶好調であり、ここへきて、アメリカの消費者がウォルマートでの買い物を確実に増やし始めたことを示しているといえよう。当面、ガソリン価格は下がる気配がなく、原料の値上がりも続いており、物価は上昇気味で推移しており、ウォルマートの存在感がアメリカでは一層重くなった事を示しているといえる。来月以降、ウォルマートの数字がどのように変化してゆくか注意深く見守ってゆきたい。

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July 17, 2008 in ウォルマート、海外情報, 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

June 20, 2008

ウォルマート、2008年5月度売上速報、109.8%!

   ウォルマートの2008年5月度の売上速報が6/5、公表された。前日の6/4にはウォルマートの株主総会が朝7:00から地元アーカンソー州で開催されており、6月第1週はウォルマートにとって年間でもっとも重要な月であるといえよう。その株主総会で、ウォルマートは、これまでスローガンとしてきたEveryday Low Price(Always Low Price)政策を進化させたSaving people money so they can live better政策を新たなスローガンとして公表した。すでに、ウォルマートのホームページのトップからはEveryday Low Price(Always Low Price)という言葉はなくなり、かわりに、Saving people money so they can live betterが打ち出されている。株主総会当日のCEOのリー・スコット氏のスピーチを見ると、この言葉を何度も繰り返し、説明しており、今後のウォルマートの新たな経営理念として、全社をあげて打ち出してゆく方針といえよう。

   日本ではすでに、同様なスローガンをベルクがBetter Life with Communityという言葉で表現し、それを社名としているが、今後は、「And among retailers … we are the best positioned to lead in the world of tomorrow.」という自負をもつウォルマートが打ち出したことにより、このスローガンが全世界の小売業界のスローガンとなってゆくのではないかといえよう。小売業もいよいよ、顧客の生活を根底からささえ、ライフラインの一角を担う生活産業といえる段階に入ったといえよう。

   さて、そのウォルマートのこの5月度の数字であるが、109.8%と17週累計の109.1%を若干上回り好調な売上となった。特に、国内の数字が好調であり、ウォルマート部門が107.8%(17週累計106.2%)、サムズ部門が107.3%(17週累計106.6%)といずれも17週累計を上回っており、堅調な伸びであるといえる。一方、これまでウォルマートの成長を牽引してきた海外部門は116.6%と高い伸びを維持してはいるが、17週累計の118.3%と比べると若干鈍化しており、気になるところである。

   5月度の売上速報は5/3(土)から5/30(金)の4週間の売上であるが、全体では310.36億ドル(約3兆2,500億円)であり、海外部門は77.40億ドル(約8,000億円強)と24.9%を占め、ほぼ1/4となっており、いまや海外部門はウォルマートにとって最重要成長部門となっている。その海外部門でも、この5月はイギリスとブラジルが特に好調であったという。ウォルマートはイギリスではアズダをM&Aにより参入しており、そのアズダがこの5月度は暖冬のためか、季節商品や食品が良く売れたという。また、ブラジルではハイパーマーケットが好調であるといい、この2カ国が海外部門を牽引したという。また、中国では四川省の地震の影響が20店舗近くであり、現在でも2店舗が店舗を閉めているというが、中国全土では好調な売上であったという。残念ながら、日本の西友についての言及がないが、この5月度のウォルマートの海外部門は好調であり、今後、インド、ロシアへも参入が決まっており、ますます、海外部門の重要性が増してゆくものといえよう。

    一方、ウォルマートの既存店の数字であるが、全体ではガソリン等の燃料が入った数字では104.4%と昨年の101.3%と比べ好調であり、17週累計の102.8%と比べても高い数字であり、この5月の既存店の売上は絶好調であったといえよう。ちなみに、燃料を抜いた数字は103.9%(17週累計102.4%)であるので、燃料のインパクトは0.5%といえる。ただ、ウォルマート部門はほとんどプラスマイナス0であり、燃料はサムズクラブ部門の伸びがほぼすべてである。ウォルマート部門は104.0%(昨年104.0%)であり、サムズクラブ部門が106.5%(昨年103.6%)であるので、いかに、サムズクラブ部門は燃料の影響が大きいかがわかる。ウォルマート全体では0.5%であるが、サムズクラブだけを見ると2.9%もあり、極めて大きな数字であるといえよう。

    これを受けてのウォルマートの株価であるが、今回は前日が株主総会ということもあり、株価の動向が気になるが、6/18現在、57.67ドルと高値水準で推移している。ウォルマートの株価を5年間のロングスパンで見ると、60ドル近辺にまで株価が上昇したのはまさに5年ぶりといえ、5年前の2003年当時が60ドル前後での株価であった。その後、2004年、2005年と株価は下がり続け、一時は40ドル近辺にまで下がった。そして、2007年、2008年となると、若干株価は上昇するが、48ドル近辺でほぼ横ばいで推移していた。そして、2007年後半から株価は再び、上昇に転じ、前期決算の2008年1月以降はほぼ右上がりで株価は推移し、55ドルを超え、6月に入ると58ドルまで上昇する。そして、株主総会のあった6/4の翌日、6/5の株価は60ドル手前の59.8ドルまで跳ね上がった。その後も60ドル弱の58ドル近辺で横ばいで推移しており、投資家は、ウォルマートの新スローガンSaving people money so they can live betterを好意的に受け止めたといえよう。

   このようにウォルマートの恒例の株主総会において新たなスローガンが披露され、その翌日、5月度の売上速報が公表され、堅調な成長が持続していることが明らかになった。特に、好調な海外部門に加え、5月に入り、国内部門、ウォルマート部門、サムズ部門も好調に推移しており、さらに、既存店も104.4%と順調であり、ウォルマートの売上は極めて良好な状況にあるといえよう。今後、新たなスローガンSaving people money so they can live betterを掲げたウォルマートが、どのようにこれまでの経営戦略を再構築してゆくかに注目したい。

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June 20, 2008 in ウォルマート、海外情報, 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

June 06, 2008

ウォルマート、200801決算、スーパーセンターへ集中!

   海外最新決算動向、前回のテスコに続き、第2弾、ウォルマートを取り上げてみたい。ウォルマートの決算は1/31であり、1月期決算となる。まず、売上であるが、3,745.26億ドル(39.37兆円)となり、昨年対比108.6%、既存店は102.0%の成長である。年商約40兆円にもなってまだ成長を続けており、限界がまだまだ見えない状況といえよう。ただ、成長の牽引役となっているのは海外部門に負うところが大きく、前回、本ブログで取り上げたテスコとよく似た状況である。

   この時点でのウォルマートの国内、海外を合わせての総店舗数は7,262店舗であり、海外の店舗数がその内、3,121店舗と約40%強となり、しかも、昨年が2,757店舗であったので、113.20%の成長であり、国内は4,141店舗、昨年は4,022店舗と102.9%であるので、いかに海外の成長が高いかがわかる。ただ、国内4,141店舗の内訳は、スーパーセンターが2,447店舗(昨年2,256店舗:108.4%)、ディスカウントストア971店舗(昨年1,075店舗:90.3%)、サムズクラブ591店舗(昨年579店舗:102.0%)、ネバーフッドマーケット132店舗(昨年112店舗:117.8%)であり、スーパーセンターに成長戦略を絞っているのが特徴といえる。国内全4,141店舗の内、スーパーセンターは2,447店舗であるので、約60%近い構成比となり、ウォルマートは以前のディスカウントストアというイメージではなく、スーパーセンターを主力業態としたチェーンストアというイメージに生まれ変わったといえよう。

   その意味で、なぜ、西友ではGMSをスクラップし、スーパーセンター戦略を全面に押し出した成長戦略をとらなかったか不思議である。情報システム、物流センター、財務上の問題等課題は多々あったとは思うが、アメリカでのこのスーパーセンターへの経営資源の集中度合いを見ると、西友は逆の戦略をとり、結果的に苦戦してしまったように思える。

   ちなみに、ウォルマートがスーパーセンターへ戦略をいつシフトしたかを、ディスカウントストアとの対比で見てみると以下のようである。1998年(スーパーセンター441店、ディスカウントストア1,921店)、1999年(564店127.8%、1,869店97.2%)、2000年(721店127.8%、1,801店96.3%)、2001年(888店123.1%、1,736店96.3%)、2002年(1,066店120.0%、1,647店94.8%)、2003年(1,258店118.0%、1,568店95.2%)、2004年(1,471店116.9%、1,478店舗94.2%)、2005年(1,713店116.4%、1,353店91.5%)、2006年(1,980店115.5%、1,209店89.3%)、2007年(2,256店113.9%、1,075店88.9%)、そして、2008年(2,447店108.4%、971店90.35)である。

   この10年間の推移を見ると、10年前はまだスーパーセンターの方がディスカウントストアより圧倒的に少なかったが、その後、毎年、120%以上の成長をつづけ、6年後の2004年には拮抗し、7年後の2005年にはとうとう店舗数が逆転し、この時点でスーパーセンターがウォルマートの主力業態となった。さらに、その後もスパーセンター主体の成長戦略がとられたことがわかる。その意味でウォルマートは2005年がチェーンストア経営の転換点といえよう。

   ちなみに、ウォルマートのEDLP(エブリデイロープライス)を支えるコスト構造であるが、この10年間の経費比率の推移を見ると、2008年(18.76%)、2007年(18.55%)、2006年(18.04%)、2005年(17.82%)、2004年(17.35%)、2003年(17.29%)、2002年(17.03%)、2001年(16.81%)、2000年(16.42%)、1999年(16.62%)、1998年(16.81%)という推移であり、スーパーセンターへ出店戦略を集中させることにより、経費比率が約2ポイント上昇していることがわかる。それでも18%台で経費が回っているので、かなりのローコスト経営ではあるが、かつてのイメージの16%台というウォルマートの経費比率はもはや不可能となっており、今後は19%台まで上昇すると予想される。いかにディスカウントストアの経費比率が低いか、逆にスーパーセンターの経費比率が意外に高いかがわかる。

   ここで直近、2008年度決算の財務面を見てみたい。ウォルマートの自己資本比率は39.5%(昨年40.6%)であり、意外に低い数字といえる。その要因を出店にかかわる資産面と負債面から見てみると、土地、建物等の出店にかかわる資産は75.5%(昨年72.4%)であり、自己資本ではまかなえない構造となっており、これを負債の主要項目である借入等で賄っており、借入れ比率が21.8%(昨年21.5%)であり、自己資本と合わせると61.4%(昨年62.2%)であり、まだ約10%強、その他の負債で賄っている構造である。今後、さらなる安定成長を目指すためにも、もう少し、自己資本比率を引き上げる必要がありそうである。また、ウォルマートは業態特有の在庫も多く、総資産の21.5%(昨年22.2%)あり、テスコは8.1%であるので、在庫負担も食品スーパーマーケット以外の商品が多いため大きいのが特徴である。

   このように2008年度のウォルマートの決算をみると、年商約40兆円と世界最大の企業となっても依然として成長を続けているのに驚かされる。その最大の要因は成長業態であるスーパーセンターへ経営資源をシフトしたことに加え、同様に成長市場である海外へも積極的に経営資源をシフトしていることにあるといえよう。ただ、その結果、コストが上昇し、自己資本比率がやや厳しい状況にあることが気にかかるが、当面、この方向でさらに成長は可能といえるが、伸び率は鈍化傾向にあり、次の一手がそろそろ必要な時期に来たようにも思える。ウォルマートの次の成長戦略がどのような形で、いつ打ち出されるか、次の一手に注目したい。

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June 6, 2008 in ウォルマート、海外情報, 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

June 03, 2008

テスコの決算を見る、2008年2月期、海外が牽引!

   日本の食品スーパーマーケットの2008年度の決算発表がほぼ終了した。本ブログでも速報値を随時取り上げてきたが、ここで番外編として、海外の小売業の今期決算を取り上げてみたい。海外の小売業は寡占化が進んだため、成長戦略が自国から海外へと移りつつある。今回はその中でも海外の売上比率が約25%を超えたテスコの最新の決算状況を見てみたい。テスコは、自国イギリスの売上比率が73.7%であり、ヨーロッパ14.5%、アジア11.7%という状況であるが、伸び率で見ると、アジアが125.6%でトップである。ついでヨーロッパが123.6%、イギリスは106.7%であり、アジアの比重が増しているのが実態である。いまや、成長戦略には海外、特にアジアは不可欠であることがわかる。

   そのテスコの今期、2008年2月期決算の状況であるが、グループ全体の売上は税込みで51,773百万ポンド(約10.78兆円)である。イギリスはいわゆる消費税が高いために、売上も税込み、税抜き両方で公開している。テスコは海外展開もあり、税率がそれぞれ違うが、全体の消費税を単純計算すると109.4%となり、約10%近い消費税である。ちなみに、ここ5年間の税込みの売上推移は昨年、2007年が46,611百万ポンド(約9.7兆円:111.0%)、2006年が43,137百万ポンド(8.9兆円:108.0%)、2005年が36,957百万ポンド(約7.7兆円:116.7%)、そして、2004年が33,557百万ポンド(6.9兆円:110.1%)とほぼ2桁の成長を続けている。特に、5年前と直近とを比較してみると、イギリスは140.8%、ヨーロッパは203.0%、アジアは208.0%とヨーロッパ、アジアが倍増しており、成長戦略の重点がイギリスから、ヨーロッパ、アジアへシフトしつつあることがわかる。

   また、テスコの営業利益を、今度は税抜きで見ると、全体では2,791百万ポンド( 約5,800億円:5.9%)であり、日本の食品スーパーマーケット業界と比較するとトップクラスの収益率である。ヨーロッパは400百万ポンド(約830億円:5.8%)、そして、アジアは294百万ポンド(約600億円:5.3%)であり、営業利益ではややアジアが苦戦しているといえよう。

   一方、テスコの財務状況であるが、今期の自己資本比率は39.5%(昨年42.6%)と若干、下がっているのが気になるところである。その要因を資産と負債面から見てみると、出店にかかわる資産である土地、建物の合計は20,899百万ポンド(約4.3兆円)で総資産の69.3%(昨年71.9%)を占めており、自己資本比率の39.5%を大きく超える構造となっている。ちなみに、これをテスコの海外を含めた全3,729店舗で割ると、約11.5億円であり、日本の食品スーパーマーケットの平均と比べると約2倍ぐらいの出店にかかわる資産であり、ほぼ、スーパーセンタークラスに近い数字といえよう。また、負債については、長短借入金額の合計が8,056百万ポンド(約1.7兆円)となり、総資産の約26.7%(昨年23.0%)である。したがって、自己資本比率39.5%にこれを加えると66.2%となり、ほぼ、バランスがとれ、約40%を借入に依存した出店構造といえる。また、在庫に関しては、2,430百万ポンド(約5,000億円)であり、総資産の8.1%(昨年7.8%)である。テスコの主力業態は食品スーパーマーケットであるが、日本のように生鮮、デリ、日配等の構成比は低いといえ、やや、在庫資産も日本の食品スーパーマーケットよりも大きめといえよう。

   さて、ここで、テスコの成長著しいアジアについて、見てみたい。アジアの成長を牽引しているのは韓国とタイであるという。この2つの国が現在、テスコのアジアの成長の拠点となっているという。そして、今後、マレイシア、中国へ力を入れて行くという。特に中国については、主導権をとるべく、各都市へハイパーマーケットを中心に展開しているという。上海、北京、深圳、広州を拠点とし、すでにハイパーマーケットを56店舗展開しているという。一方、日本につてだが、残念ながら、日本はアジアの中でも重点エリアはなっておらず、依然として難しい状況であるという。テスコエクスプレスに絞り、現在、ビジネスを展開し、7店舗を出店したが、今期は再度マネジメント体制を見直し、成長戦略を練り直すという。

   これに対し、今期、最も力を入れた海外戦略がアメリカであるが、アメリカでは昨年の11月に小型食品スーパーマーケットのFresh & Easyを出店し、この決算期内の2月末までに60店舗を出店したという。今後、アメリカ市場がアジアについで、重要な成長市場となる可能性が高くなってきたといえよう。

   最後に、テスコのここ最近の株価であるが、5/30現在417.80ポンド(約86,900円)であり、この決算後の3月以降株価は上昇気味で推移している。ただ、昨年末は490ポンド前後で推移しており、その時から、ちょうど決算月の2月まで株価は下がり続けており、ここへきての反転であり、今後、近々に第1四半期決算が公表されるであろうが、それを受けて株価がどの変で落ち着くかが気になるところである。

   このようにテスコの今期2008年2月期の決算は増収増益の好決算となり、特に、アジア地区がヨーロッパ以上に伸びているのが特徴といえよう。今後、今期、参入したアメリカが貢献してくれば、テスコにおける海外市場は現在の約25%から、さらに比率を増してくるものといえ、海外市場がテスコにとって成長戦略にとって重要な地位をしめつつあるといえる。ただ、日本は苦戦しているようであり、今後、抜本的な見直し、場合によってはM&Aに踏み切る可能性もあり、テスコが今期、日本でどのような立て直しをはかるかも注目である。今後のテスコの日本を含む、海外戦略に注目したい。

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June 3, 2008 in ウォルマート、海外情報, 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

May 15, 2008

ウォルマート、売上速報、2008年4月、109.8%!

   ウォルマートが5/8、2008年4月期の売上速報を公表した。4月度は4/5(土)から5/2(金)までの、土曜始まり、金曜〆の4週間の集計であり、今年度の累計では13週となり、ちょうど、第1四半期となる。アメリカでは一般的に、月度は4週か5週となり、四半期が4週、4週、5週の13週で集計し、売上速報を公表しているが、日本では月末締めがほとんどである。その4月度のウォルマートの売上速報であるが、全体では109.8%と好調な売上であった。伸び率では海外部門に負うところが大きかったが、13週累計と比べると、この4月度は国内部門の顕著さが目だった。

   その内容であるが、ウォルマート部門が13週累計105.6%に対し、106.5%、サムズクラブ部門が13週累計106.4%に対し、110.4%と大幅な伸びとなった。これに対し、海外部門は118.9%に対し、118.4%と伸び率は依然120%近い伸びであるが、累計を下回っており、今月は国内部門が絶好調であったことが大きかったといえよう。

   特に数字で見てもサムズクラブ部門が2桁の伸びと好調であったが、これは、石油相場の上昇によるガソリンを含めた燃料の売上が好調であったためである。ウォルマートは、既存店の売上集計には燃料部門の数字が入った場合と入らなかった場合に分けているが、これを見ると、サムズクラブ部門は燃料を入れた場合の既存店の伸びは109.5%であり、昨年の102.3%と比べ大幅な伸びを示している。燃料を入れない場合も106.6%と既存店は大きく伸びているが、燃料を入れた場合はそれ以上の伸びてであり、そのインパクトは2.9%あり、特にこの4月度の燃料の貢献が大きかったかがわかる。

   逆に、ウォルマート部門の既存店は102.6%と燃料を入れた場合も、入れなかった場合も同じであり、燃料のインパクトは0%である。燃料はサムズクラブ部門に大きくプラスに表れるといえ、今後の石油相場の動向次第では、さらに上ぶれもあるといえ、ここ最近の石油をはじめとする資源高が思わぬところで現れた現象といえよう。

   ウォルマートの既存店の数字を全体として見てみると、103.8%と堅調な伸びを示している。燃料を除いても103.2%であり、全体としては0.6%のインパクトである。その内訳はウォルマート部門が102.6%、サムズクラブ部門が109.5%であり、13週累計が全体では102.4%、ウォルマート部門が101.8%、サムズクラブ部門が105.2%であるので、既存店に関しても、この4月度は好調であったことがわかる。ウォルマート自身はこの好調さの要因については、特に、この4月度は、薄型テレビが絶好調であり、これに加え、ビデオゲーム関連が好調であったという。また、食品も堅調な動きであったという。逆に伸び悩んだ部門は衣料品、住関連用品であったという。

   一方、ウォルマートの海外部門であるが、依然として、高い伸びを示しており、ウォルマートの牽引役となっている。全体では118.4%であり、金額ベースでも76.09億ドル(約8,000億円弱)となり、4月度ウォルマート全体の売上が約300億ドル(約3兆円)であるので、優に全体の25%を超え、ウォルマート部門の大きな柱となったといえよう。日本ではイオンが今後海外部門に本格参入することが決まったが、その決断のひとつに、このウォルマートの海外部門の好調さもあるのはないかと思う。ただ、残念ながら、海外部門の牽引役には日本の西友は入っておらず、今回の4月度の売上速報のコメントの中にも西友には言及がなかった。

   ウォルマートの海外部門で特に好調な部門はイギリスのアズダ、カナダのウォルマート、ブラジル、中国であったという。特にアズダは、EDLPの低価格戦略が効を奏し、生鮮関連などが好調であったという。カナダではスーパーセンターが好調であったといい、ブラジル、中国でもこの4月度は既存店が好調に推移したという。

   この流れを受けて、ウォルマートの株価は絶好調であり、今年に入り、この5月までほぼ右上がりで株価は上昇をつづけている。今年初めの株価は45ドル前後であったが、2月に入り50ドルを突破し、その後、3月は50ドル前後でもみあっていたが、4月に入ると再び株価は上昇に転じ、4月の後半には60ドル近辺にまで株価は上昇した。そして、5月に入ると57ドル前後でもみあっているが、今後、60ドルを超えるかどうかが焦点になってきたといえ1月の45ドルと比べると、130%以上の上昇といえ、投資家の関心が現在ウォルマートにあつまり始めているといえよう。ウォルマートの過去3年間の株価の動きの中でも60ドル台は一度もなく、50ドル強が最高であるので、60ドル近辺の株価は極めて高い水準であるといえよう。

   このようにウォルマートの4月度の売上は絶好調であるといえ、スーパーセンターを中心としたウォルマート部門、サムズクラブ部門、そして、海外部門、すべてがバランスよく売上を伸ばしている。近々、第1四半期の決算が公表されると思うが、その結果にも期待が高まり、株価の動きを見ても、いま、ウォルマートの動向に注目が集まりつつあるといえよう。この第1四半期決算、そして、次回、5月度の売上速報に注目である。

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May 15, 2008 in ウォルマート、海外情報, 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

April 15, 2008

ウォルマート売上速報、2008年3月度、107.9%!

   ウォルマートが4/10、2008年3月度の売上速報を公表した。海外を含めたウォルマート全体の売上は、369.73億ドル(3兆7,000億円)、107.9%となる堅調な売上の伸びであった。ウォルマートの3月度は3/1(土)から4/4(金)の5週間の売上である。累計では9週間となる。ウォルマートは年間を13週づつ、4半期に分け、月度は13週を4週、4週、5週の3つに分けて管理している。前月の2月度は4週間、今月の3月度は5週間であるので、累計が9週間となる。その9週間の売上は108.4%であるので、2月度は若干下がってはいるが、ほぼ横ばいといえよう。
  
   さて、その中身であるが、ウォルマートは売上を3つに分けて管理しており、ウォルマートの中核業態であるスーパーセンター、ディスカウントストア、ネバーフッドマーケット(食品スーパーマーケット)等をウォルマートストアーズ部門でくくり、サムズホールセールクラブ(会員性業務スーパー)をサムズクラブ部門でくくり、そして、西友を含む海外を海外部門でくくっている。まず、ウォルマートストアーズ部門であるが、売上は232.13億ドル(約2.3兆円)となり、105.0%の伸びであった。9週間累計では105.3%であるので、ほぼ2月度と同じ伸び率である。サムズクラブ部門は42.87億ドル(約4,300億円)で103.2%、9週間累計が104.6%であるので、やや3月度は伸び悩んだといえよう。そして、ここ数年、絶好調の海外部門であるが、94.73億ドル(約9,500億円)となり、118.7%と依然として高成長が続いている。ただ、9週間累計が119.2%であるので、若干伸び率が下がっているのが気になるところだ。全体の構成比も25.62%といよいよ、1/4を超え、ウォルマートにとって、海外部門は経営の根幹を担う重要な部門となったといえよう。イオンが海外に活路を求めるのも、この数字を見るとよくうなずける。

   では、海外を抜いた国内の既存店はどうかというと、全体では101.1%となり、昨対はクリアーしたものの、やや厳しい結果であった。アメリカではサブプライムローンによる影響により、消費環境が厳しさを増しており、その影響が徐々にウォルマートに表れつつあるといえよう。ウォルマートは既存店をウォルマートストアーズ部門とサムズクラブ部門の2つに分け、さらに、それを全体とガソリン等の燃料が加わった場合と加わらなかった場合とに分けて管理している。以前と比べ、燃料の貢献は少なくなっているが、サムズクラブ部門は貢献が大きく2.8%ほど、売上に貢献した。ただ、この燃料を抜くと、99.7%と昨対割れとなり、燃料の貢献度を入れて102.1%という結果であった。ウォルマートストアーズ部門であるが、全体では100.9%と昨対ぎりぎりとなる厳しい伸び率であった。燃料の貢献は0.0%と全くない状況であり、消費の落ち込みがじわじわと表れつつあるといえよう。9週間累計は101.9%であるので、やや、既存店の伸び率も下がりつつあり、来月以降の数字が気になるところである。

   ウォルマートはこの売上速報について、ウォルマートストアーズ部門は、グロサリー、健康関連、そして、娯楽関係は力強い伸びがあったということであり、特にイースター祭での食品は好調であったという。逆に、この時期、不調だったのは衣料品であり、天候不順によりアパレル関係が、Tシャツ、ブランドものを除き、厳しいものがあったという。サムズクラブ部門は、イースター祭での生鮮、グロサリーの好調さに加え、ガソリンが昨年に比べ、約28%上がり、これが、売上に2.8%貢献し、売上を伸ばした要因であるという。そして、ウォルマートの成長を支えている海外部門であるが、現在、ウォルマートが重視している海外はイギリス、カナダ、ブラジル、中国であるという。残念ながら、日本が出てこないが、この4つの地区が、海外最重点地区であるという。イギリスではアズダが好調であったといい、カナダも好調が続いており、特に、家電関係がよく伸びているという。ただ、アパレル、靴は厳しかったという。また、ブラジルではハイパーマーケットが好調であるといい、中国も好調に推移しているという。

   これを受けて、ウォルマートの最近の株価の動きであるが、ここ最近絶好調であり、右上がりの株価が続いている。今年に入り、一時は43.11ドルまで下がった株価が、2月に入ると50ドル台を回復し、3月に入り、52ドル、53ドルと1ドルつづ株価が上昇し、この売上速報のあった4/10は54.66ドルとなり、翌日の4/11は54.80ドルとさらに上昇した。当然、年初来最高値となり、この1年間でも最高の株価で推移している。過去3年間で見ても株価は最高水準であり、投資家はウォルマートを買いと判断したようである。

   このように、ウォルマートの3月度の売上速報が4/10に公表され、107.9%と堅調な売上となり、特に、海外が絶好調でウォルマート全体の伸びを支えている状況が鮮明である。ただ、ウォルマートの既存店は101.1%とやや厳しい状況といえ、今後、燃料、原料の値上げ、サブプライムローンの影響等を考えると、消費は不透明な状況が増すことになるが、投資家は、このような中で、ウォルマートを買いと判断したようであり、厳しい消費動向の中で、ますますウォルマートの強さが際立つのではないかという期待の表れともいえよう。今後、ウォルマートの動向に注目である。次回は、第1四半期決算も公表される月でもあり、ウォルマートの売上だけでなく、利益にも注目したい。

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April 15, 2008 in ウォルマート、海外情報, 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

March 11, 2008

ウォルマート、2008年2月度、売上速報108.9%!

   ウォルマートが3/6、2008年2月度の売上速報を公表した。ウォルマートの2月度は2/2から2/29までの4週間の売上速報であり、土曜はじまり、金曜終わりとなる集計である。ウォルマートの本決算は1月であるので、この2月度が新年度の初め、スタートの月であり、どのような数字でスタートするかが注目されていたが、全体では108.9%、既存店も103.0%と好調なスタートを切ったといえよう。特に、既存店は昨年が100.8%という厳しいスタートであったので、今期は順調なスタートである。

   なお、既存店については、ウォルマートは、石油等の燃料の数字を入れた場合と入れなかった場合の双方を公表しているが、この数字は入れた場合の数字である。石油等の燃料の数字を入れない場合は102.6%であるので、石油等の燃料の貢献度が若干あるが、中身を見ると、ウォルマート部門は数字の影響度はほぼ0%であるが、サムズクラブの方は2.4%ほど底上げされ、石油等の燃料の売上への貢献度が大きいので、全体としても差がでる傾向となる。昨年のサムズクラブは石油等の燃料を入れても-0.6%とマイナスとなっていたので、この2月度は、サムズクラブに関しては、石油等の燃料の売上へのインパクトが大きかったといえる。

   既存店が103.0%となった要因はサムズクラブの石油等の燃料の貢献もあるが、最も大きな貢献はウォルマートの数字が昨年の100.4%から102.5%へと回復したことが大きかったといえる。ウォルマートとサムズクラブの売上構成比は6倍近い差があるので、ウォルマートの数字が回復すると当然全体への影響も大きく、今回はまさにウォルマートの既存店の回復が大きかったといえよう。

   その中身であるが、ウォルマートでは、特に、グロサリー関係と健康関連、それにエンターテイメント関連がよく売れたという。その中でもキーカテゴリーは、食品、薄型TV、デジタルオーディオ、ビデオゲーム、ファーマーシー等であったという。また、2月はバレンタインデーも重なり、数字が良かったという。

   このように、この2月度のウォルマートの既存店が好調に推移したことに加え、ウォルマートを力強く牽引している海外部門も絶好調であったため、ウォルマート全体もこの2月は好調な数字となり、108.9%となった。その好調な海外部門であるが、何と119.8%の伸びであり、まさに絶好調であるといえよう。売上構成比を見てみると、24.88%(昨年22.62%)と、昨年と比べ、さらに構成比をあげており、ほぼ1/4となった。金額では72.62億ドルであるので、約7,500億円というボリュームとなり、ウォルマートの成長を力強く牽引している。特に、イギリスのアズダ、ウォルマートブラジル、カナダの数字が良かったという。残念ながら、日本の西友への言及はなかったが、今後、完全子会社化した西友へウォルマートがどのような思い切った改革をはかるかが注目である。

   ちなみに、この絶好調のウォルマートの海外部門は、Mexico 1,023店舗 (November 1991)、Puerto Rico 54店舗(August 1992)、Canada 305店舗(November 1994)、Argentina 21 店舗(November 1995)、Brazil 313店舗(May 1995)、China 202 店舗(August 1996)、United Kingdom 352店舗(July 1999)、Japan 394店舗(March 2002)、Costa Rica 149店舗(September 2005)、El Salvador 70店舗(September 2005)、Guatemala145店舗(September 2005)、Honduras47店舗(September 2005)、Nicaragua 46店舗(September 2005)の13ケ国3,121店舗である。日本の西友もメキシコにつぎ、2番目の規模であるので、有力な海外部門の一角を占めているといえよう。

   全体のウォルマート部門であるが、この部門には中核のスーパーセンターを含め、ディスカウントストア、ネバーフッドマーケット(食品スーパーマーケット)を含む部門であるが、105.6%と堅調な伸びを示した。売上金額は185.63億ドルであるので、約2兆円弱となり、ウォルマート全体の売上構成比は63.5%と依然として中核を占めているが、昨年は65.58%であったので、海外部門に押され、若干構成比が下がってはいるが、依然としてウォルマートの中核部門である。また、サムズ部門もこの2月度は106.5%と好調であり、既存店で見たように石油等の燃料の貢献も大きく、売上の伸び率は高かったといえよう。金額ベースでは33.63億ドルであり、約3,500億円であった。
 
   これを受けて、といっても、まだ、この2月度の売上速報が公表されたばかりであるが、ウォルマートのここ最近の株価の動向を見てみると、今回の数字と同様好調な株価となっており、この数ケ月間、ほぼ右上がりの株価となっている。3/7現在49.99ドルであるが、この数日は50ドル前後で推移している。ウォルマートの株価は昨年の9/10に42.27ドルの底値をつけて以来、ほぼ、最近まで、日々では上がり下がりはあるにせよ、全体としては、右上がりで推移しており、約6ケ月間で10ドル近く、120%近く株価を上げており、好調な株価であるといえる。投資家はウォルマートを買いと見ているといえよう。

   このように、この2月、ウォルマートの今期のスタートの初めての月となる売上は昨年と比べ極めて順調な伸びとなった。これまでの好調な海外部門だけでなく、ウォルマートの中核のスーパーセンター等の数字も堅調な伸びを示し、サムズクラブも石油等の燃料の貢献もあった。アメリカでは大統領候補者選びがヒットアップする中、経済はサブプライムローン、原油高、原料高が異常な状況であるが、そのような中でこのウォルマートの数字は好調といえ、改めて、ウォルマートの強さが示された2月度の売上速報といえよう。3月以降もこの好調さが続くかどうかに注目したい。

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March 11, 2008 in ウォルマート、海外情報, 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

February 11, 2008

ウォールマート、売上速報、1月度及び52週累計、108.5%!

   ウォールマートが2/7、2008年1月度及び年間52週の売上速報を公表した。今月は、ウォールマートの決算月であり、年間52週累計の売上速報も同時に公開した。52週は、昨年、2007年2月2日から、今年、2008年2月1日までの1年間、52週の累計である。まず、先に、1年間、52週の累計の売上速報を見てみると、全体では108.5%と2桁には届かなかったが、堅調な伸びといえよう。全体の売上金額は3,754.08億ドル(約40兆1,600億円)となり、年商が40兆円を超えた。ただ円の場合は為替レートで大きく変動するため、本ブログでは直近に近い1ドル107円で換算している。

   この年商をもう少し詳しく見てみると、ウォールマートの中核であるスーパーセンターとディスカカウントストア、ネバーフッドマーケット(食品スーパーマーケット)を含めたウォールマート部門の合計は2,389.73億ドル(約25兆5,700億円:構成比63.6%)で、昨対105.8%であった。会員制ホールセールクラブのサムズ部門は442.54億ドル(約4兆7,350億円:構成比11.7%)で昨対106.6%であった。そして、最も伸び率の高い日本の西友も含まれるインターナショナル部門は921.81億ドル(9兆8,600億円:構成比24.2%)で昨対117.5%であった。

   インターナショナル部門はこのように絶好調であり、特に、日本以外のイギリス、カナダ、ブラジル、中国が好調であり、メキシコは軟調であったという。その中でも1月はカナダでのスーパーセンターの展開により、食品が絶好調であったという。残念ながら、この売上速報のコメントの中に日本の西友への言及がなかったが、今後はアジアが中国、日本、そして、今後最も力を入れて開拓してゆくインドの3極構造での展開となるとのことで、アジア全体の視点で日本の戦略的位置付けが決まるといえ、どのような思い切った政策が打ち出されてくるかが注目といえよう。

   以上が、52週、年間の売上速報であるが、これに対して、この1月度はどのような数字であったかを見てみると、全体としては107.9%となり、52週が108.5%であるので、1月度はやや伸び悩んだ数字となった。その内訳であるが、ウォールマート部門は103.5%(52週105.8%)とやや厳しい数字であった。サムズ部門は106.0%(52週106.6%)であり、堅調な数字といえよう。そして、インターナショナル部門は何と120.8%(52週117.5%)と絶好調であり、ここ数年ほぼこのような状況であり、ウォールマートの成長は、インターナショナル部門に支えられているといえる。今後もますます、ウォールマートにとって海外部門は重要な成長戦略の要となろう。

   一方、既存店について、この1月度を見てみると、既存店トータルでは101.8%とわずかな伸びであり、その内訳はウォールマート部門が101.8%、サムズ部門が101.6%とほぼ同じ伸び率である。52週については、全体では102.0%であり、ほぼ1月度と同じ数字であるが、若干ではあるが、やや1月は伸び率が下がったといえる。その内訳はウォールマート部門が101.9%、サムズ部門が102.5%であるので、サムズ部門が1月度は苦しい数字であったといえよう。

   これを受けて、ウォールマートの株価であるが、この売上速報が公表された2/7(49.84ドル)、2/8(48.76ドル)とやや下がったが、大きな下げではなく、堅調な株価であり、投資家は冷静に相場を見ているように思える。ウォールマートのここ最近の株価の動きであるが、1月に入り、株価は上昇気味で推移している。1月始めは46ドル近辺で推移していたが、1月中旬になると50ドルを超えるようになり、株価の上昇が続いた。一時は2/1に51ドルをも超え、ほぼ1年ぶりの安定した50ドル台の株価となった。その後、株価がやや下がり、この2/8は49ドルを切ったが、ここ最近は50ドル近辺で推移しており、当面、50ドル前後がウォールマートの現在の株価水準といえよう。

   このように、ウォールマートの1月度の売上速報及び年間52週の売上速報を見てみたが、アメリカ国内はいま政治は大統領選の真っ最中であり、経済はサブプライムローンの激震が走っており、消費に関してはけっしてよい状況とはいえない。実際、このウォールマートの数字を見ると、これまでのように2桁を超える伸び率は厳しい状況であり、1月度107.9%、52週累計108.5%と堅調な数字ではあるが、この数字の伸びは、絶好調な海外部門に支えられた数字での伸びといえ、ウォールマートの中核のスーパーセンターを含むウォールマート部門はこの1月度103.5%、52週105.8%と厳しい状況が続いており、スーパーセンターの勢いが感じられなくなった。今後、ウォールマートは絶好調な海外戦略により力を入れてゆく方針であるといい、海外戦略がますますウォールマートの成長には重要なテーマとなりつつある。来期はウォールマートが国内の要であるスーパーセンターをどのように立て直し、成長著しい海外戦略をどのように展開してゆくかに注目したい。

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February 11, 2008 in ウォルマート、海外情報, 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

January 16, 2008

ウォールマートの海外部門の最新状況を見る!

    前回、ウォールマートの2007年12月度の売上速報を取り上げたが、その中で、ここ最近ウォールマートの成長分野は海外に重点が移っていることを示した。この12月度も全体が108.4%に対し、海外は118.4%という高い伸びを示している。そこで、ここでは、ウォールマートの海外部門の最新の現状を見てみたい。1/14、まさにウォールマートから、その最新の情報が公開された。海外、アジア部門のトップが、現在、ウォールマート、ブラジルの社長兼CEO、Vicente Trius氏がウォールマートの上級副社長兼海外部門のアジアの社長兼CEOに昇進したというニュースである。今後、中国の101店舗の直営と関係先102店舗、日本の西友の394店舗、それに、今年参入するインドを統括するという。Vicente Trius氏はこれまでウォールマートでサムウォルトン賞を受賞するなど、優秀な方でDarden School of BusinessでMBAを取得し、ハーバートビジネススクールでも学んだ秀才であるという。今後のウォールマート、アジアは彼にかかっているといえ、西友もどのように変わってゆくかが楽しみでである。ただ、成長著しい中国、インドと成熟市場である日本をアジアという地域性で一緒に統括することが良いのかどうか何ともいえないところではある。

   さて、ウォールマートの海外部門の現状であるが、展開地域は2008年1月現在、メキシコ(1020店舗、1991年)、プエルトリコ(54店舗、1992年)、カナダ(298店舗、1994年)、アルゼンチン(21店舗、1995年)、ブラジル(313店舗、1995年)、中国(203店舗、1996年)、イギリス(352店舗、1999年)、日本(394店舗、2002年)、コスタリカ(149店舗、2005年)、エルサルバドル(70店舗、2005年)、グアテマラ(145店舗、2005年)、ホンジュラス(47店舗、2005年)、ニカラグア(45店舗、2005年)と13ケ国、3,111店舗である。これに今年、アジアではインドが加わることになる。

   この中で最も早くに海外展開をはじめ、現在、店舗数の最も多いメキシコについて見てみると、スーパーセンターが134店舗、サムズクラブ83店舗が直営であり、残りの約800店舗は現地の子会社の様々な業態で構成されている。たとえば、Bodegaという店舗名で241店舗、Mi Bodegaで58店舗、Mi Bodega Expressで4店舗、あるいは、レストランが335店舗など、多彩な業態展開である。これはウォールマートがはじめに現地企業とのジョイントベンチャーから入ったためである。

   海外の店舗数で次に多いのが日本の西友であるが、西友の業態もウォールマートは西友スーパーマーケット276店舗、西友GMS114店舗、西友GM4店舗とGMSとGMを分けている。また、西友について、ウォールマートは環境をリードする小売業として著名であるとコメントしている。ついで、店舗数が多いのがイギリスであり、子会社化したアズダでの展開がほとんどであり、主な業態は、アズダスーパーストアが258店舗、アズダスモールタウンが42店舗等であるが、ウォールマートスーパーセンターも27店舗展開している。イギリスでもスーパーセンターが展開されていることがわかる。

   もう、数ケ国、特徴的な国を見てみたい。ウォールマートの海外部門でも最も注目されている国のひとつがブラジルであるが、そのブラジルでは1995年にスーパセンターとサムズクラブを2店舗づつオープンしたのが最初であるが、その後、店舗数を増やし、スーパーセンターは29店舗、サムズクラブは20店舗になった。これに加え、現地の企業を子会社化し、2004年にはBompreço stores 118店舗を、Sonae storesを140店舗を加え、300店舗を超えるまでになった。さらに、もう1ケ国300店舗近い店舗数を展開しているのがカナダである。カナダではアメリカ国内と反対に圧倒的にウォールマートのディスカウントストアが多く272店舗であり、スーパーセンターはわずか20店舗しかない。サムズクラブもわずか6店舗であり、現在のカナダではディスカウントストア中心の展開といえる。

   また現在、日本と並びアジアで海外展開しているのは中国だけであるが、その中国では圧倒的にスーパーセンターが多く、88店舗展開している。サムズクラブはわずか3店舗であり、食品スーパーマーケットのネバーフッドマーケットも2店舗である。これに加え、現地企業を子会社化(35%の出資)しており、Trust-Mart Hypermarketsが102店舗が加わり、さらに、この1月に8店舗増え、200店舗を超え、203店舗となった。

   これ以外の海外展開の特徴としては、ここ最近南米に力を入れており2005年に一気に5ケ国(コスタリカ、エルサルバドル、グアテマラ、ホンジュラス、ニカラグワ)へ参入した。これらは現地企業や現地にすでに参入していたヨーロッパの小売業から買収をするなどし、その後、子会社化しているのが特徴である。

   このように、いま最も成長著しいウォールマートの海外展開の状況をみると、初期のころは独自に展開し、軌道に乗ったところで現地企業の買収が多かったが、最近ではいきなり、現地企業を買収するケースが増えており、M&Aがウォールマートの海外展開の基本戦略となりつつある。また、現在の海外展開は南米が主力であり、ヨーロッパ、アジアはまだまだ本格化しているとはいえず、急激な海外の成長を支えているのも南米といえよう。ただ、今後、その南米からアジア統括のCEOとしてがVicente Trius氏が選ばれたことから、インドを含め、どのようにアジアへの展開が進んでゆくか注目といえよう。

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January 16, 2008 in ウォルマート、海外情報, 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (1)

January 15, 2008

ウォールマート、売上速報、2007年11月度、108.4%!

   ウォールマートが1/10、2007年12月度の売上速報を公表した。12月度は12/1(土)から1/4(金)までの5週間の売上速報であり、ウォールマートは年間を4週、4週、5週と分けて管理しているため、12月度は5週間となり、年間では、48週目となる。残りあと、4週間で年間52週となり、次回売上速報で1年間52週となる。さて、その売上速報の数字であるが、12月度は108.4%と48週累計の108.6%とほぼ同じ数字となり、年間平均に近い売上伸び率であった。

   ウォールマートは売上を3つの部門で管理しているが、最も伸び率の高い部門は海外部門であり、118.2%と48週累計の117.3%を上回り、ウォールマート全体への売上に貢献したといえる。金額は119.70億ドル(約1.3兆円)となり、全体の25.6%と1/4を超えた。海外部門はここ数年ウォールマートの売上を力づよく牽引しており、2桁以上の伸びで急拡大している。この11月には海外店舗の累計がとうとう3,000店舗を超えており、海外戦略がウォールマートにとって最重要な成長戦略となってきたといえる。ウォールマートは1991年にメキシコに1号店を出店して以来16年目での3,000店舗の達成であり、年間平均200店舗弱の店舗数の増加であり、この中には日本の西友390店舗も入っており、まさに急成長といえよう。ちなみに、記念すべき3,000店舗目は現在370店舗展開しているブラジルのスーパーセンターの店舗である。また来年にはインドへもサムズクラブタイプで参入することも決まっており、海外部門は当面、高成長が続くものと予想される。

   海外部門についで、伸び率の高かった部門は2つ目の国内のウォールマート部門であり、ここには成長著しいスーパーセンターを含め、ディスカウントストア、食品スーパーマーケットのネバーフッドマーケットが入る。この12月度の成長率は105.6%であり、48週累計の105.9%をわずかに下回ったが、ほぼ年間平均の成長率を維持しており、12月度も国内は堅調な売上推移であったといえよう。売上金額は296.89億ドル(約3.2兆円)である。これは月間であり、3兆円は日本のイオン、セブン&アイの年収に匹敵する売上規模であり、いかに、ウォールマートの売上が巨大かがわかる。全体の構成比は63.7%となり、ウォールマートの中核部門である。ついで、3つ目のサムズクラブ部門であり、104.3%であった。48週累計では106.7%であるので、やや成長が鈍化しているが、12月度も堅調な成長を維持したといえよう。金額は49.38億ドル(約5,000億円)であり、売上構成比は10.5%である。

   一方、ウォールマートの既存店であるが、既存店は海外が抜け、ウォールマート部門とサムズクラブ部門の2部門であるが、トータルでは102.4%(昨年102.6%)と漸増であったが、この中でもウォールマート部門が102.6%、サムズクラブ部門が101.3%であり、ややウォールマート部門の方が伸び率が高かった。48週累計では、全体が101.5%、ウォールマート部門が101.0%、サムズクラブ部門が104.4%であるので、ウォールマート部門がこの12月度は好調であり、サムズクラブ部門が厳しい売上であった。

   これを受けて、ウォールマートは、「この12月度は既存店が好調に推移し、特にグロサリー、医薬品、家電が良かった」というコメントを出しており、12月度の既存店は好調であったという。この12月度はクリスマスに加え、年末年始のイベントが入っており、これについてもウォールマートは「私どものプライスリーダーシップがこの一連のイベントではいかんなく発揮された」と総括しており、Everyday Low Price政策への自信を覗かせるコメントである。

   さて、ウォールマートの株価であるが、この売上速報が公表された1/10は48.4ドルと前日の46.9ドルから約2ドル上昇しており、投資家は買いと判断したようである。翌日の1/11は47.72ドルとやや値を下げたが、ウォールマートの株価は今年に入って上昇気味で推移しており、今週の株価がどのように推移するかが気になるところだ。ここ最近のウォールマートの株価であるが、9月前半に40ドル近辺にまで一時下がったが、その後、株価は上昇に転じ、10月中旬には47ドルまで回復した。ただ、その後、また株価が下がり、11月の前半には42ドル前後まで下がった。そして、また反転し、12月前半には49ドル台まで上昇を続け、ここから一転、下げに転じ1/4には45ドル台まで下がり、その後、この近辺でもみ合っていたが、1/10また上昇気味で推移しているという状況である。

   このように、この12月度のウォールマートの売上速報は既存店が好調に推移し、全体としても108.4%となる堅調な売上となった。12月度は年間最高のイベントであるクリスマスに加え、年末年始と大イベントが重なる年間最高の売上となる季節であり、ウォールマートの低価格政策、Everyday Low Price政策の強みが発揮されたといえよう。ただ、ウォールマートの現在の成長を大きく牽引しているのは、3,000店舗を突破した海外部門の貢献が大きいといえ、12月度は国内が確かに好調ではあったが、伸び率は鈍化しており、今後、絶好調な海外に比べ、国内、特にスーパーセンターの既存店をどう活性化するかがポイントであろう。今後のウォールマートのスーパーセンターの動向に注目したい。

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January 15, 2008 in ウォルマート、海外情報, 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

December 11, 2007

ウォールマート売上速報、2007年11月度、108.4%!

    ウォールマートの最新の売上速報、2007年11月度が12/6、公表された。11月度は11/3(土)から11/30(金)までの4週間であり、累計では43週目となる。ウォールマートの会計年度は1月決算であるので、残すところあと2ケ月(9週間)となった。今月からはいよいよ、年間最大の売上となるクリスマス商戦、年末、年始となるため、この11月度はそれを占う上でも重要な月となる。海外を含めた全体の数字は108.4%となり、43週累計は108.6%であるので、ほぼ、今年の平均的な伸びを示しており、2桁には届かなかったが堅調な伸びといえよう。特に、海外部門が絶好調であり、43週累計の117.1%に対し、この11月度は118.6%と累計を上回っており、ウォールマート全体を海外部門が牽引しているといえる。この12/4には西友のTOBも終了し、ほぼ100%に近い株式の買付となり、約1,000億円で完全子会社となる予定であり、日本の西友も今後は海外部門としての貢献度がますます問われることとなる。

    さて、その海外部門であるが、この11月の末でとうとう海外店舗が3,000店舗を達成し、3,4010店舗となった。ウォールマートの海外戦略は1991年、いまから約15年前にメキシコに海外1号店を作ったのがスタートであり、この約15年で3,000店舗を達成したことになる。その内訳であるが、メキシコ 975店舗(1991年11月から)、プエルトリコ54店舗(1992年8月から)、カナダ293店舗(1994年11月から)、アルゼンチン17店舗(1995年11月から)、ブラジル299店舗(1995年5月)、中国192店舗(1996年8月から)、イギリス347店舗(1999年6月から)、日本(394店舗、2002年3月から)、コスタリカ144店舗(2005年9月から)、エルサルバドア66店舗(2005年9月から)、グアテマラ140店舗(2005年9月から)、ホンジュラス45店舗(2005年9月から)、ニカラグア44店舗(2005年9月から)となる。

    現状、11月度のこの約3,000店舗の売上金額であるが79.33億ドル(約9,000億円)であるので、1店舗当たり3億円となる。単純年商では36億円となるので、年商36億円の店舗を海外に3,000店舗展開しているといえよう。この海外部門のこの11月度の全体売上の構成比であるが、25.01%となり、ちょうど1/4となった。昨年は22.8%であるので、ウォールマートにとっては海外部門は成長の源泉となりつつあり、経営戦略での最重要部門となったといえよう。

    この好調な海外部門以外では、ウォールマート部門が104.8%と低調な伸びとなり、43週累計の106.0%と比べても厳しい状況である。既存店の数字もウォールマート部門は101.0%と低調な数字であり、アメリカ国内のウォールマートは低成長となる厳しい状況であるといえ、ますます、海外部門の成長への貢献度が高まっているといえよう。一方、サムズクラブ部門については、逆に108.7%と43週累計の107.0%を上回った好調な数字である。既存店に関しても、104.3%、昨年は101.4%であるので、成長性が高まっており、これにガソリンなどの燃料を加えた数字では107.1%となり、昨年の100.3%と比べると好調な成長率である。

    ちなみに、ウォールマートの株価であるが、11月に入り、好調な株価で推移しており、ほぼ、右上がりの株価となっている。ウォールマートの株価は11/9に42.9ドルというここ最近では低い株価となったが、その後、株価は上昇し、11/15には46.2ドルまで回復した。しばらく、この近辺でもみあった後、再び株価は上昇しはじめ、11/28の47.23ドルとなり、その後はほぼ右上がりで株価が推移している。この11月度の売上速報が公表された12/6は49.27ドル、12/7、49.02ドル、12/10、49.37ドルと50ドルにちかづきつつある。ここまでの年初来最高値は4/7の51.21ドルであるので、このままの推移で株価が上昇すれば、年初来最高値の更新も可能があり、投資家は、この11月度を含め、ウォールマートの経営状況をプラスと見ているようである。

    このようにウォールマートの2007年11月度の売上速報は108.4%と43週累計の108.6%とほぼ同じ堅調な売上となり、株価も上昇気味で推移しており、全体としては安定した数字であるといえよう。ただ、その要因は海外部門の好調さに支えられた数字であるといえ、アメリカ本土のウォールマート部門は低成長となり、苦戦している状況である。すでにクリスマス商戦まっただ中であり、このまま年末、年始へと流れてゆくものといえるが、ウォールマート本体の動向が、この11月度の数字を見る限りでは気になるところである。来月、クリスマス終了後の12月度のウォールマート、特に、既存店の数字がどのような伸び率になるかに注目したい。

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December 11, 2007 in ウォルマート、海外情報, 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

December 06, 2007

テスコ、Fresh&Easyを考えてみる!

   テスコが満を持して、アメリカに食品スーパーマーケットをオープンした。ちょうど、チェーンストアエイジの最新号、12/1号で特集を組んでいるが、非常に興味深い店舗である。店舗名はFresh&Easyであり、テスコの現地法人、Fresh & Easy Neighborhood Marketが公表しているニュースリリースを見ると、11/8に1号店と同時に6店舗をカルフォルニアに同時オープンし、その後、ネバダ、アリゾナに1店舗づつ、現在、計8店舗を新規オープンしている。日本では考えられないスピードである。しかも、当面の計画は50店舗を来年の2月までにオープンさせることであるといい、さらに、翌年、2009年度末までには200店舗オープンさせる計画であるという。そのための投資も5年で20億ドル(約2,200億円)を計画しているという。

   テスコ経営陣は、このFresh&Easyという食品スーパーマーケットがアメリカでは成長性の高いビジネスになるとの経営判断を下したといえる。順調に出店が進めば、2年で200店舗、1店舗10億円で見積もっても年商2,000億円、15億円で年商3,000億円のビジネスボリュームとなる。テスコ本体のニュースリリースを見ると、このFresh&Easyの1号店をオープンさせるために、約2年間、アメリカでの現地調査と経営計画づくりをじっくり行ったという。すでに、現時点で122店舗の出店候補地も決まっているといい、まさに一気呵成にカリフォルニアを中心に食品スーパーマーケットのドミナント展開が進んでゆくことになる。特に、今回の店舗は、チェーンストアエイジによれば、はじめから約3,500品目に絞りこまれた商品の内、約半分がPBのFresh&Easyであるといい、テスコのPBではなく、独自のPBで展開しており、年商100億円、200億円のビジネスではなく、ごく短期間に1,000億円、2,000億円のビジネスボリュームであることがここからもわかる。

   また、イギリスでは大成功したクラブカードも導入しておらず、逆に、ウォールマートの得意とし、イギリスでも最競合となっているウォールマート傘下のアズダの採用するEveryday Low Priceを全面的に採用している。Fresh&Easy Neighborhood Marketのティム マーソンCEOが「徹底的にシンプルにすることで、すべての商品のEveryday Low Priceが可能となる」といっているように、イギリスのテスコとは全く違うコンセプト、アメリカの食品スーパーマーケット、そして、消費者を徹底的に研究した結果の現時点での結論といえよう。そして、これらを実現するための工夫としてあげられているポイントが4点ある。ひとつは、先にもあげたがPBであるFresh&EasyとNBをうまく使い分けていること、ふたつめは、棚の工夫をし、在庫管理をしやすくしたこと、3つめは商品化した生鮮食品を毎日配送、店内加工を極力減らしたこと、そして、4つめは環境にも配慮し、LED(発光ダイオード)を多用し、約30%のエネルギーを節約できたことなどである。

   さらに、Fresh&Easyのもうひとつのアメリカの食品スーパーマーケットと消費者の研究成果として最も如実に表れているのが、レイアウトといえよう。非常にユニークな約300坪のレイアウトであり、シンプルな中にも明確なコンセプトがいくつか感じられる。そのひとつは、店舗のネーミング、Fresh&Easyを表したゾーンとして、入口近辺のゾーニングである。店頭に入ると、正面に平台なしの青果が左右に配置され、右側エンドにはサラダコーナー、裏側には精肉、そのエンドはサンドイッチ、そして、ゴンドラはデイリー、飲料ゾーンが配置され、さらに店頭右がレジとなっている。すなわち、この入口近辺ですぐに食べたい商品がコンパクトに配置され、レジでの精算もすぐにできるように工夫されており、コンビニのようなゾーンといえよう。

   青果を抜けると正面に惣菜、プリペアードフードとなり、そこから壁面に牛乳、飲料、そして、パンが壁面展開となる。店頭から斜めに切って、左下半分がすべて即食ゾーンとなっているソーニングである。日本では、むしろ生鮮食品を重視するので、この斜めに切った左下は生鮮、グロサリーゾーンとなり、逆に右上が即食ゾーンとなるが、全く逆のレイアウトである。恐らく、アメリカでPI値分析をしてみると、この方が理にかなっているのかもしれないが、日本でも、今後、研究の余地が特に小型店ではあるといえよう。そして、青果と反対側の壁面は冷凍食品とアイスクリームとなっており、レジ側壁面は日用雑貨と薬、HBCとなっている。内側のグロサリーゾーンもこれらと連動する形で、青果側から、菓子、日用雑貨、グロサリーとなっており、エンドも主通路沿いにしっかりとったオーソドックスなレイアウトである。

   このようにテスコがアメリカで本格展開に入る食品スーパーマーケットの全貌が明らかになりつつあるが、きわめてユニークな約300坪タイプの即食、生鮮、惣菜、日配重視の商品構成であり、Everyday Low Priceを全面的に打ち出した食品スーパーマーケットであるといえる。これを数百店舗、わずか数年という短期間で全米に展開してゆく方針であり、スピード重視の経営戦略である。イギリスのテスコの最大の強みであるクラブカードの採用も当面はないといい、ここまで、過去の成功体験をスパッと切り捨て、アメリカというはじめての立地で、一から食品スーパーマーケットビジネスを組み上げた形であり、テスコの経営陣は実に懐が深いと思う。

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December 6, 2007 in ウォルマート、海外情報, 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

November 26, 2007

テスコの競合店価格調査データを見る!

   食品スーパーマーケットにとって競合店調査は日常的に行われているといえるが、テスコほど徹底的に価格調査を毎週実施している企業は珍しいといえる。私も約20年前に船井総研に入社した当時は、ほぼ毎日依頼された食品スーパーマーケットの競合店の価格調査を行い、膨大なレポートを作成していたが、テスコの調査内容を見ると、さすがに圧倒される。しかも、テスコはその調査データをすべて、検索できる形でホームページ上に毎週公表しているのである。従来、競合店の価格調査データは原則、内部で活用され、密かに自店の価格を調整したり、商品力グラフをつくり、競合店の強み、弱みを分析し、自店の商品の価格はもちろん、品揃え、棚割、レイアウトの改善、販促の見直しに活用するのが主な目的である。ところがテスコは、このデータを消費者に競合店よりも価格の高い商品もふくめ、すべてつつみかくさず公開している点が通常の競合店調査との大きな違いである。

   目的が従来の自社の戦略の見直しにとどまらず、調査データをあえてすべて公開することで、消費者からの信頼を勝ち得ようとしているといえよう。その最大の理由は、ウォールマートの傘下に入ったテスコの最大の競合店アズダのEDLP(Every Day Low Price)への対抗、というよりも、EDLPを打ち消すことであろう。ウォールマートをはじめEDLPを自社の戦略とする企業はその地域で一番安い価格で商品を販売していることを標榜し、消費者に様々なメディアを活用してアピールする。したがって、その競合店はあたかも、EDLP戦略を採用した企業に対して、イメージとして高いのではという疑問を消費者に与えてしまい、価格政策では不利な状況に陥りがちとなる。

   テスコはこれに対抗し、そのイメージを打消すことが大きな目的で、毎週この徹底した価格調査をホームページを通じて消費者に公開していると思われる。もちろん、テスコはその背後に、クラブカードにもとづくID-POSデータの分析結果があるので、テスコの自社の顧客の最もリピートの激しい商品はあらかじめおさえていると思うので、その商品は優先的に価格対抗策を打ち、自社の顧客の固定客化をはかっていると思われる。

   では、そのテスコが毎週どのような価格調査を実施しているかであるが、テスコの競合店として、3社を毎週チェックしている。アズダ(340店舗)、セインズベリー(788店舗)、モリソンズ(368店舗)である。この直近の調査は11//19から11/21の間での調査データであり、約10,000品を調査している。正確にはアズダの7,047品、セインズベリーの8,423品、モリソンズの6,125品であり、この商品1品1品とテスコの商品を比較し、その結果を公表している。その総数を見ると、テスコがアズダに対し、安かった商品数は1,801品(26%)、高かった商品は1,268品(18%)、同じだった商品は3,978品(56%)である。同様にセインズベリーに対しては、3,474品(41%)、752品(9%)、4,197品(50%)、モリソンズに対しては、1,997品(32%)、1,264品(21%)、2,864品(47%)となる。したがって、対アズダで見ると、安い商品の数の方が、高い商品よりも多く、全体としてみれば、アズダのEDLPはことテスコに対しては機能していないといえ、見事にEDLPを打ち消しているといえよう。

   そこで、ここでは、さらに代表的な単品に絞って実際の価格調査の結果を見てみたい。ちなみに、テスコは13分類で商品を管理している。ベイカリー、青果、精肉と魚、グロサリー、冷凍食品、花、日雑、デリとデイリー、美容、酒、ペットフード、飲料、その他である。その中で、日本では青果のPI値最高のバナナを見てみると、テスコがkg0.68ポンドに対し、アズダを含め、すべて同じ価格である。イギリス産リンゴ9個パックは1.49ポンドで最安値である。精肉のフィレステーキがkg18.97ポンドで、すべて同じ価格である。アラスカのサケがkg11.95ポンドでアズダの11.98ポンドよりも安く、モリソンズは同じであり、セインズベリーは商品がなかったという。

   デリとデイリーを見てみると、卵6Pが1.84ポンドですべて同じ価格である。牛乳も0.40ポンドですべて同じ価格である。デリとデイリーは生活必需品が多く、主要品目については価格がお互い調査しあい、同じ価格に収斂されていくようである。

   グロサリーについて見てみると、ハインズのスパイダーマンパスタが0.32ポンドでアズダの0.35ポンド、セインズベリーの0.44ポンドよりも安いが、モリソンズは0.32ポンドと同じ価格である。ネスレのキットカット5パック225gは1.00ポンドで他の競合店はすべて1.28ポンドとテスコが最安値である。飲料ではエイビアンの水500mlが0.42ポンドで他の競合店も同一価格である。750mlは0.75ポンドでモリソンズのみ0.72ポンドであるが、他は同じ価格である。

   という具合に、13の大分類でそれぞれが数十の中分類、さらに数10の小分類に分かれ、そのもとで各単品がテスコと他の3店舗との価格比較表ができあがっており、その数がざっと10,000品の価格比較となり、これが毎週調査され、更新されていく。日本でも軌道に乗り始めたテスコエクスプレスが当初から主要品目の競合店調査にもとづく価格対策を打ち出していたが、その原型はここにあったといえよう。価格は顧客にとってもっとも重要な購買動機となる指標のひとつであるが、テスコがここまで価格にこだわった経営を徹底して実践しているとは驚きである。テスコのカード戦略はもちろん、価格政策を主体にしたマーチャンダイジング政策にも注目といえよう。

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November 26, 2007 in CRM、FSP, ウォルマート、海外情報, 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

November 19, 2007

ウォールマート、2007年10月度、売上速報、108.4%!

   ウォールマートが2007年10月度の売上速報を11/8、公表した。ウォールマートの10月度は10/7(日)から11/2(土)までの4週間の数字であり、日曜はじまり、土曜終わりとなる。また、累計では、39週目となる。年間は52週であるので、39週目は13週ごとの四半期、13週×3となり、第3四半期でもあり、11/13には、第3四半期決算速報も公表している。そこで、まず、10月度の売上であるが、全体では108.4%となった。39週累計が108.6%であるので、わずかではあるが、累計を下回ったが、堅調な売上であったといえよう。ただ、その中身をみると、海外部門の貢献度が大きく、海外部門は39週累計の116.9%を大きく上回り119.2%となり、ウォールマート部門105.0%(累計106.1%)、サムズクラブ部門105.3%(累計106.8%)と累計を下回った数字をカバーしたといえ、アメリカ本国の数字は10月度は厳しかったといえる。

   これを裏付けるように、既存店の売上は、100.4%と昨年対比ぎりぎりであり、特に、スーパーセンター、ディスカウント等のウォールマート部門は100.0%と厳しい状況であった。サムズクラブ部門は102.4%と健闘したが、39週累計でみると、104.8%であるので、サムズクラブ部門もこの10月度は苦戦したといえよう。

   この10月度の売上は、上記のように、海外部門が全体を支えたという構図となり、海外部門の重要性がますます高まったといえよう。特に、イギリスのアズダ、中国、ブラジルのウォールマートが貢献したといい、その中でもブラジルの貢献度は大きかったという。ウォールマートの海外部門の10月度の売上は71.86億ドル(約9,000億円)であり、年間10兆円を超える規模となってきている。ウォールマート全体の構成比も25.73%と1/4を超え、ウォールマート全体をまさに牽引するまでになったといえよう。この12月には日本の西友もウォールマートのTOBにより、完全子会社となるので、西友も年間約1兆円の貢献となるので、海外部門はウォールマートにとって、ますます重要な部門となってゆくことになろう。

   これを受けて、ウォールマートの第3四半期の決算速報結果であるが、11/13に公表され、売上は9ケ月累計で2,682.57億ドル(約32兆円)であった。これに会員カードその他の収入31.14億ドルが加わり、営業収入は2,713.71億ドル(約32.5兆円)である。ここから先の決算速報の各指標の算出の仕方は日本と若干違うので、ウォールマートが公表しているそのままの数字を見てみる。販売コストは2,051.92億ドル(約25兆円弱)であるので、76.4%であるので、逆算すると粗利率は24.3%となる。これに販売および一般管理費が510.64億ドル(約6兆円)、営業収益比18.8%が差し引かれ、営業利益は151.15億ドル(約1.8兆円)となり、営業収益比で差し引き5.5%となる。以前のウォールマートと比べると、粗利、経費があがっているが、依然として、低粗利、低コスト、高利益体質であるといえよう。

   一方、ウォールマートの財務の方であるが、自己資本比率は38.21%であり、意外に低い自己資本比率である。昨年は38.8%、前期の決算では40.7%であるので、若干下がっているところが気にかかるところである。この要因は、負債の主要項目である長短借入金が436.08億円(約5兆円強)あり、総資産の26.4%と大きな比重を占めていることによる。また、資産の主要項目である出店にかかわる資産を見ると、土地、建物が930.04億ドル(約11兆円)であり、これは総資産の56.3%である。したがって、単純計算では、自己資本38.21%では賄うことができず、出店戦略は借入等により、約20%補っていることになり、出店コストが経営を圧迫しはじめているといえよう。

   さて、これらの数字を受けての、現在のウォールマートの株価であるが、10月度の売上速報の公表の時はそれほど変化がなかったが、11/13の第3四半期決算速報の公表の時は株価が大きくではないが、跳ね上がっており、投資家はこの決算結果を好意的に評価しているといえよう。ウォールマートの株価は、この数ケ月間では、10/11の46.9ドルがピークであり、その後、徐々に下がり、この10月度の売上速報の公表がなされた11/8には43.62ドルまで下がった。その後、しばらく、その近辺で低迷していたが、11/13に45.97ドルまで跳ね上がり、現在、46ドルから47ドルの間で推移している。

   このように、ウォールマートの10月度の売上は108.4%と堅調な推移となり、その後、公表された第3四半期決算も堅調な数字であったため、株価も低値を脱し、上昇気味で推移している。すでに、ウォールマート年間最大の売上となるクリスマスシーズン、年末、年始を含む第4四半期に突入したが、この堅調な数字を受けて、売上、利益をどこまで上乗せできるかが課題といえよう。サブプライムローンの問題もどこまで消費に影響がでるか、読みにくい状況ではあるが、この11月の売上速報が今期を占う上で重要な月といえ、次回、11月度のウォールマートの売上速報に注目したい。

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November 19, 2007 in ウォルマート、海外情報, 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

October 31, 2007

ウォールマート、2007年9月度売上速報、109.7%!

   ウォールマートが10/11、2007年9月度の売上速報を公表した。9月度は10/5、金曜日までの5週間のデータであり、9/1の土曜日からはじまっている。累計では35週間となり、ウォールマートの売上速報は土曜始まり、金曜終わりが原則であり、これをもとに1ケ月を4週、4週、5週と切り、13週間で四半期となり、年間、52週を四半期、中間期に分けて売上速報を集計している。さて、この9月度の売上であるが、全体では109.7%と好調な売上をキープしている。35週累計では108.7%であるので、9月度は1ポイント平均を上回っており、サブプライムローンを抱え、消費が冷え込んでいる時期とは思うが、こと、9月度の売上は順調であったといえよう。ただ、10/30の日経新聞にウォールマートでの家電のシェアが大きい船井電機の中間決算がまさに北米での不振が原因で最終赤字が43億円になるとの報道が載っていたので、今後のウォールマートの動向には注意が必要であろう。

   ちなみに、ウォールマートの現在の株価であるが、ニューヨーク証券取引所の状況を見ると、10/29現在、45.01ドルである。この9月度の売上速報が公表された10/11は46.9ドルであったので、やや下がり気味であり、ここ最近は45ドル近辺でもみあっている状況といえる。この数ケ月のウォールマートの株価の推移を見てみると、かなり激しく動いており、6/4に年初来最高値の51.21ドルをつけて以来、株価は下がりはじめ、7月には48ドル台、8月には43ドル台、そして9月は年初来最安値となる9/10には42.27ドルまで下がった。そして、その後、再び株価は上昇に転じ、10/11の46.9ドルまで上がるが、ここが山となり、また株価は下がり始め、10/29現在、45.01ドルとなっている。

   このようにウォールマートの株価は不安定な状況であるが、これはサブプライムローンによる消費の先行きが読みにくい状況に加え、ウォールマートが公表した今後3年間の出店計画が徐々に縮小されていく計画であるためと思われる。この2007年度はトータル店舗数で340店舗(内スーパーセンター281店舗)となる予定であるが、2008年度は250店舗(同195店舗)、2009年度は220店舗(同170店舗)、2010年度は190店舗(同140店舗)と徐々に出店ペースを下げてゆく出店計画となっている。ただ、逆に、インターナショナル、海外投資はこの2007年度は35億ドル(約4,000億円)、2008年度約45億ドル、2009年度約50億ドル、2010年度約55億ドルと増やしてゆく予定であり、最終的にはウォールマート全体の総投資額の約40%近い数字となる。したがって、今後、数年間はウォールマートは国内戦略から海外戦略を積極的に展開してゆく計画であるといえよう。先の西友へのTOBもこのような流れの一環であるといえよう。

   ウォールマートの9月度の売上速報をもう少し詳しく見てみると、この3ケ年計画が裏付けられるような数字となっており、109.7%となった最大の原動力はインターナショナル部門が120.1%となったことである。売上構成比も25.38%と約1/4となり、この数年確実に伸ばしている。国内のウォールマート部門は106.4%、サムズクラブ部門は106.8%であるので、全体が109.7%となったのは、明らかにインターナショナル部門の伸びに負うところが大きいといえよう。

   既存店の状況であるが、101.4%と昨対ぎりぎりの状況となりつつある。35週累計が101.5%であるので、若干、9月度は下がったといえ、既存店は厳しい状況であるといえよう。特に、ウォールマート部門が100.8%と昨年の101.5%と比べても落ち込んでおり、スーパーセンターの既存店が厳しい状況といえる。サムズクラブ部門は35週累計の104.9%と比べるとやや下がり、104.1%であるが、既存店としては顕著な伸びであるといえよう。既存店に関しては、石油高の影響を考慮し、ガソリン等燃料の売上の影響を加えた数字と外した数字が掲載されているが、影響度は0.0%台であり、ここへ来て、石油高のウォールマート既存店への影響はほとんどなくなったといえる。

   このようにこの9月度のウォールマートの全体の売上は109.7%と好調に推移してはいるが、既存店は101.4%、特に、スーパーセンターが厳しい状況となっており、サブプライムローンの影響が出始めているといえよう。これから、アメリカでは年間最大の売上のシーズであるクリスマス商戦に入ることになるが、今期のウォールマートの数字がどのようになるか読みにくい状況といえ、当面、この10月度、11月度の売上速報がどのような数字になるかがポイントといえよう。

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October 31, 2007 in ウォルマート、海外情報, 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (2)

October 29, 2007

テスコに注目してみる!

    最近、テスコに注目している。関係先で紹介されたテスコの本を八重洲ブックセンターで手にいれ、いま熟読しているが、実に興味深い内容である。いずれ、あらためて本ブログでも取り上げてみたいが、本のタイトルは「Tesco、顧客ロイヤルティ戦略:海文堂」であり、定価3,000円の本であるが、それだけの価値はあると思う。テスコのクラブカードについてまとめたものであるが、約10年前にここまで、全英規模で取り組んでいたとは驚きである。内容と感想については後日取り上げようと思うが、ここでは、テスコについて、企業概要を改めてみてみたい。これまで、本ブログでは、海外情報はそれほど多くはないが、アメリカ、特にウォールマートを中心に見てきたが、これを機会に、ヨーロッパ、特に、イギリスのテスコについても見てゆきたいと思う。
 
   まず、まさに、テスコの最新情報、株価であるが、ロンドン証券取引所の10/28現在の株価は、464.750ポンドである。この3ケ月間の株価の推移を見てみると、3ケ月前の8月は410ポンド付近で推移していたが、9月に入り、430ポンド近辺に上昇し、10月に入るといきなり460ポンド台へ跳ねあがり、ほぼ、この10月は460ポンド前後で動いている。まさに、この3ケ月は上昇基調の株価であり、日本のマルエツの株価によく似た動きをしている。ただ、この1年の動きを見ると、実は株価のピークは5月初旬であり、この頃、年初来最高値の470ポンドをつけている。そして、この7月まで株価が下がり続け、8月が底となり、ここから株価が反転した形である。また、5月までの株価の推移は、昨年暮れからほぼ上昇傾向であり、この1年間では5月、そして、この10月が山、昨年暮れ、7月が谷という状況であり、大きくはふた山目に入った株価の動きといえる。

   次に、テスコの最新の決算数値であるが、2007年2月期の決算数値を見てみると、過去3年間のテスコグループの売上は2007年2月期466.11億ポンド(約11兆円弱:108.0%)、2006年2月期 431.37億ポンド(102.6%)、2005年2月期420.16億ポンドであり、昨年はやや厳しい成長であったが、今期は108.0%と好調な伸びであったといえる。テスコはイギリスが本拠地であるが、ヨーロッパ各国、そして、アジアにも参入しており、日本ではシートゥーネットワークを買収し、つい最近、社名をテスコジャパンに変えた。ここ最近ではテスコエクスプレスを出店しはじめているが、10/15には、埼玉県新座市に新店をオープンし、すでに6店舗となった。テスコ全体では約11兆円の年商であるが、その内訳は、イギリス本土で約75%の売上、ヨーロッパ各地で約13%、アジアで約12%という売上構成であり、圧倒的にイギリス本土の売上が大きいといえる。ちなみに、店舗数はグループ全体で2,672店舗、内イギリス本土で1,898店舗であるので、店舗構成比は約71%である。グループ全体の総従業員数は273,024人である。

   利益の方も見てみると、日本の小売業と計算方法が違うと思われるが、粗利率が8.12%、販売費が2.12%、営業利益、その他利益が若干あり、6.20%、税前利益が6.22%である。粗利率、販売費が極端に少ないのは、販売原価に経費のかなりの部分が入っているためと思われる。したがって、日本の小売業と比較するには、営業利益6.20%が良いと思われる。日本の食品スーパーマーケットの営業利益は3%前後であるので、テスコは極めて収益性が高いといえよう。

   さらに、テスコの2007年2月期の資産と負債及び資本を見て見ると、これも日本の貸借対照表とは表現の仕方に違いがあり、ある意味、合理的な表現となっているともいえ、そのままテスコの表現方法どおり見てみる。まず、固定資産であるが、202.31億ポンド(約4.7兆円)、流動資産が45.76億ポンド、流動負債が81.52億ポンドであり、ここで差引き小計、166.55億ポンドとなり、ここから、固定負債60.84億ポンドを差引いて、純資産を導き出し、105.71億ポンドとなる。日本では、左に資産、右に負債と資本を記入するが、テスコは一列に記入し、しかも、一度、総資産から流動負債を差引き、小計を出し、ここから、さらに固定負債を差引き、純資産を導いている。流動負債を総資産から引いた小計をわざわざ計算しているので、意味があると思うが、この書き方を見る限り、より確かな純資産を確定するために、ワンクッションおいて、不安定な流動資産を引いた数字も企業の財務を見る上で重要な数字と見ているのかもしれない。ちなみに、ここから、自己資本比率を計算すると、42.61%であり、逆算すると、57.39%が負債であり、小売業としてはやや投資が重く、負債がやや多いといえよう。

   このように、今回のブログではテスコの現状を株価と財務指標をもとに見てみたが、テスコはグローバル小売業のようであるが、約75%の売上は依然としてイギリス本土での売上げであり、アジアはまだ12%程度である。ただ、現在のウォールマートも海外比率は約25%であるので、この25%はグローバル小売業としては低くはないかもしれないが、イメージよりも低いように感じる。逆に考えると、自国内で確実なシェアをとり、その余力で海外へ参入することを考えるとすると、25%はバランスが良いのかもしれない。今後、本ブログでは今回を機にテスコについても可能な限り、最新情報をおっかけてゆく予定である。次回は、テスコのクラブカードの実態に迫ってみたい。

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October 29, 2007 in ウォルマート、海外情報, 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (6)

September 20, 2007

ウォールマート、売上速報、2007年8月度、109.3%!

   ウォールマートが9/6、2007年8月度の売上速報を公開した。8月度は8/4から8/31までの土曜始まり、金曜終わりの4週間の集計であり、年度では30週間目となる売上である。年間は52週であるので、ちょうど26週の中間を過ぎ、1ケ月、4週間後の後半はじめての売上速報である。全体では109.3%、30週累計では108.5%であるので、年間の推移よりも8月度は伸び率が高く、好調な売上であったといえよう。既存店も103.0%、昨年が102.7%であったので、8月度は、やや、数字が上向きはじめたといえ、幸先のよい、後半戦へ向けてのスタートをきったといえよう。

   少し中身を細かく見てみると、最も伸び率の高かった部門は国際部門であり、特にブラジルのウォールマートとイギリスのアズダが好調であったといい、昨対115.1%であった。売上は60.72億ドル(約7,000億円)であり、ウォールマート全体の23.8%となり、ウォールマートを力強く牽引している。昨年の構成比が22.6%であるので、さらに1ポイント上昇しており、ウォールマートの約1/4は国際部門の貢献となった。残念ながら、苦戦している西友へのコメントはなかった。西友は9/19の日経新聞に記事が載っていたが、いよいよ、早期退職者450人を受け入れることを発表しており、今期赤字幅がさらに増え、100億円を越える赤字となりそうである。ウォールマートの決算は来年1月であるが、国際部門は全体としては貢献度は高いが、西友にどのような経営判断を下すか注目である。

   国際部門についで、貢献度の高い部門はウォールマート部門である。この中には中核のスーパーセンターに加え、ディスカウントストア、ネイバーフッドマーケット(食品スーパーマーケット)が入り、昨対は107.8%であった。全体が109.3%であったので、それを下回っており、これを見ても国際部門の貢献度の高さがわかる。売上は180.15億ドル(約2兆円)であり、構成比64.3%であり、約2/3の割合である。そして、サムズクラブ部門は昨対106.2%であった。売上は30.34億ドル(約3,500億円)であり、構成比は11.8%であった。ちなみに、30週累計では国際部門は116.0%、サムズクラブ部門も107.0%であったので、8月度は少しダウンしたが、ウォールマート部門は106.3%であったので、8月度は好調であった。

   この好調なウォールマート部門について、ウォールマートは、Back-to-schoolカテゴリーが貢献したといっており、家電、学校用品、子供服などが好調な数字で推移したという。特に、他の週よりも遅れてスタートするフロリダ、テキサスなどでは貢献度が高かったという。これらの週はウォールマートのドミナントが強い地区でもあり、全体への貢献度が大きかったといえよう。

   これを受けて、ウォールマートの既存店の数字を見てみると、103.0%と昨年の102.7%と比べても好調であった。特に、既存店では、サムズクラブ部門が104.0%と昨年の101.4%と比べ改善しており、ウォールマート部門は102.8%と昨年の102.9%と比べるとほんのわずかではあるが下がったが、全体が103.0%であるので、ウォールマート部門も好調に推移したといえよう。また、30週累計の既存店全体では101.5%、ウォールマート部門は100.8%、サムズクラブ部門は105.0%であるので、特に、ウォールマート部門がこの8月度は好調であったことがわかる。

   さて、これを受けて、ウォールマートの株価であるが、現在、サブプライムローンが全米を直撃しており、消費動向が今後、どのような状況になるか読めないところであるが、この8月度の売上速報の公表があった9/6以降のウォールマートの株価は、9/6の株価は42.76ドルとこの3年間で最安値であり、その後、9/7、42.39ドルとさらに値を下げ、明けて9/10、42.27ドルとさらに値を下げた。ところが、9/11になると42.94ドルと株価は反転し、9/12、42.71ドル、9/13、43.06ドル、9/14、43.32ドル、明けて今週、9/17、43.32ドル、そして、9/18、44.44ドルと株価は回復しつつある。サブプライムショック以前は47ドルから48ドルでの推移であったので、まだ、そこまではいっていないが、株価はもどしつつあり、今後の推移に注目である。

   このように、2007年8月度のウォールマートの売上は全体が109.3%、既存店も103.0%と好調に推移しており、株価も戻し始めたといえ、8月度に関しては、これまでの累計30週間の108.5%、既存店の101.5%と比べても、明らかに売上は上向いており、今後、9月度、10月度の売上がどのような数字となるかが注目される。また、いよいよ、経営が待ったなしとなってきた西友へウォールマートがどのような経営判断を下すかも注目である。ここ数ケ月はウォールマート本体の動き、そして、西友の動向を注意深く見守る必要があろう。

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September 20, 2007 in ウォルマート、海外情報, 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

August 15, 2007

ウォールマート、2007年7月度売上速報、108.8%!

   ウォールマートが8/9、2007年度の売上速報を公表した。海外部門を含むウォールマート全体では108.8%となり、26週累計の108.4%をわずかに上周り、堅調な伸びであった。既存店に関しても今月は101.9%、26週累計では101.3%であったので、若干であるが売上が上向いたといえる。ウォールマートの7月度の売上集計は2007年8月3日(金)までの4週間と累計26週間の集計結果である。アメリカの小売業は通常、売上は週別管理を行っており、ウォールマートの場合は月間を4週間か5週間に区切り、さらに13週ごとに四半期にまとめ、そして、26週で半期、52週で1年として売上を管理している。7月度は第1四半期の13週と第2四半期の13週とが合わさり、ちょうど中間の26週目となる節目である。週のはじまりが月曜日ではなく、土曜日からはじまるのもユニークである。

   さて、全体の売上が108.8%となった中身であるが、ウォールマートは売上を大きく3つに分けて管理している。ひとつは、スーパーセンター、ディスカウントストア、食品スーパーマーケットのネバーフッドマーケットを含めたウォールマート部門である。もうひとつは会員性ホールセールのサムズ部門、そして、日本の西友も含まれる海外部門である。この中で、ウォールマートを最も力強く牽引しているのは海外部門であり、昨対115.9%であった。全体売上の構成比は24.39%とほぼ1/4となるボリュームであり、構成比も昨年の22.90%と比べても上昇しており、海外部門の比重がどんどん重くなっている状況である。ただ、26週累計では116.2%であったので、7月度は若干伸び率が下がっているところが気になるところである。

   一方、主力のウォールマート部門であるが、昨対106.7%と堅調な伸びである。26週累計は106.0%であったので、7月度はこれまでよりも、伸び率が若干改善されたといえよう。売上構成比も63.70%であり、文字通りウォールマートの柱である。金額ベースでは175.68億ドルであるので、約2.12兆円であり、年商ではなく、月商であるので、創造もつかない金額である。累計では1,151.40億ドルであるので、約14兆円であり、このままのペースでいけば、年商30兆円近い数字となり、構成比が63.70%であるので、ウォールマートの年商予想は50兆円弱となる計算である。そして、サムズ部門であるが、106.7%とウォールマートと部門と全く同じ数字であり、26週累計は107.1%であるので、若干伸び率が落ちたといえるが、依然として堅調な伸びといえよう。

   これに対して、既存店の動向を見てみると、全体では101.9%と26週の累計の101.3%と比べ若干上向いたが、中身を見てみると、ウォールマート部門は101.3%と26週累計の100.6%と比べの伸びており、サムズ部門は逆に104.9%と26週累計の105.3%と比べ下がったが、売上構成比の大きいウォールマート部門が延びたので、全体がプラスになったといえよう。ウォールマートは特にグロサリーの動きがよく、生鮮食品に加え、日配、ベイカリーがドラック同様、堅調な数字であったことが大きかったとコメントしている。アメリカの小売業の集計はここ最近ガソリンが高騰しているので、ガソリンなど燃料のあるなしで既存店の数字を公表しているが、ここへきてガソリンの影響はそれほどなく、ウォールマートでも0.1%程度の影響となっている。

   これらの動きを踏まえて、ウォールマートのここ最近の株価であるが、ニューヨーク証券取引所の株価の動きを見ると、この発表のあった8/9の株価は46.45ドルであり、翌日8/10(金)は46.07ドルと若干下がり、週明けの8/13は46.17ドルとほぼ横ばいであったが、8/14は44.13ドルと株価を大きく下げており、年初来最安値となった。それまでの今年の最安値は3/14の45.73ドルであるので、それを1ドル以上下回っており、今週の株価がどの辺で落ちつくかが読めないところである。ただ、売買高が通常の約2,000万株の1/5の約400万株であるので、売りが殺到したというわけではない。

   このようにウォールマートの2007年7月度の売上は108.8%、既存店も101.6%と堅調な数字ではあるが、ひところの2桁成長の勢いはない。ウォールマートも成長戦略の再検討が必要な段階に入ったといえそうである。折りしも、日本の西友が2007年12月期の本決算が6年連続の赤字決算となることがほぼ確実となったようであり、海外部門に関してもひところの伸び率が維持できなくなり、安定成長に入ったといえよう。この7月でちょうどウォールマートの半期が終了したが、後半、ウォールマートが海外戦略を含め、どのように成長戦略を立て直してくるかかについて注目したい。

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August 15, 2007 in ウォルマート、海外情報, 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

July 27, 2007

全米、食品スーパーマーケットNo.1はウォールマート、Wスコア!

   アメリカの業界誌、Retaling Todayの最新号、7/16号でカテゴリーセンサスの特集を組んでおり、その中でFood、食品についても最新のデータをもとに全米のランキングを公表している。ランキングは3つに分かれており、ひとつは、食品全体の売上ランキング、2つ目は食品スーパーマーケットの売上ランキング、そして、3つ目はスーパーセンターの売上ランキングである。特に食品全体の売上ランキングについては、業種、業態を問わずのランキングであり、文字通り、全米の食品を取扱っている小売業の全社のランキングである。そのランキングのNo.1はウォールマートであった。売上1,113.70億ドル(約13.5兆円)である。No.2がクローガーであり、577.12億ドル(約7兆円)であるので、ウォールマートは全米で圧倒的な食品のシェアを占めているといえよう。ウォールマートの年商は約40兆円であるので、食品の構成比は逆算すると約35%となる。

   しかも、ウォールマートのこの数字は昨対109.25%であり、No.2のクローガーの107.93%、その他のベスト店舗の伸び率と比較しても、伸び率が高く、今後、その差はさらに開くものと予想される。No.3はスーパーバリュであり、374.06億ドル(約4.5兆円)であり、伸び率は107.60%である。スーパーバリュは経営危機に陥ったアルバートソンの一部を買収しており、その数字が貢献しているといえよう。No.5はセイフウエィであり、スーパーバリュとほぼ同じ347.21億ドル(約4.2兆円)であり、昨対103.43%である。そして、No.5には日本へも参入したコストコであり、やや数字は下がるが、261.72億ドル(約3兆円強)であり、昨対は101.32%である。

   ウォールマートがここまで高い食品のシェアを急速に拡大している要因はスーパーセンターの急成長にあり、そのスーパーセンターのみの全米での売上ランキングを見てみると、No.1のウォールマートのスーパーセンターは1,895.44億ドル(約23兆円)であり、伸び率は何と119.51%である。スーパーセンターの売上げが、食品の売上を越えているが、これはスーパーセンターは衣食住すべてを扱っているからである。このスーパーセンターの急成長とともに、ウォールマートは全米の食品のシェアを急拡大し、今後もさらに高まると予想される。

   全米ではスーパーセンターはウォールマートだけかというと、売上のシェアはウォールマートのスーパーセンターほどではないが、No.2は日本ではほとんど知られていないがメイジャーであり、141.00億ドル(約1.7兆円)であり、伸び率は100.57%と低成長であるが、約170店舗のスーパーセンターを中西部に展開している老舗である。No.3は復活著しいスーパーターゲットであり、102.34億ドル(約1.2兆円)であり、伸び率は急成長であり、ウォールマートのスーパーセンターを越え、121.40%である。そして、No.4はフレッドメイヤー/マーケットプレイスであり、77.21億ドル(約1兆円弱)であり、昨対106.66%である。スーパーセンターは全米ではウォールマートがほぼ独占しているといえるが、スーパーターゲットがまだウォールマートのスーパーセンターの5%強の売上規模ではあるが、急激に店舗数を拡大しており、No.2のメイジャーとともに今後どこまで成長するかが気になるところである。

   そして、もうひとつのランキングである食品スーパーマーケットであるが、No.1はクローガーであり、544.46億ドル(約6.5兆円)であり、昨対109.42%である。食品スーパーマーケットではこのNo.1のクローガーが頭ひとつ抜け出ており、No.2はセイフウェイの401.85億ドル(約5兆円)であり、昨対は104.60%、約1.5兆円の差である。そして、No.3以下は混戦であり、No.3がスーパーバリュのスーパーマーケットであり、280.16億ドル(約3.5兆円)、昨対は何と163.43%である。これは先ほども触れたように、吸収合併したアルバートソンが新たに加わったためである。No.4はアホールドであり、224.37億ドル(約2.7兆円)であり、昨対99.51%であり、伸び悩んでいる。そして、No.5はパブリックスであり、216.55億ドル(約2.5兆円)であり、昨対105.18%と安定した成長である。

   このように全米の最新の食品スーパーマーケットの状況はRetaling Todayの最新号によれば、ウォールマートのスーパーセンターの急成長に支えられ、ウォールマートが圧倒的な食品市場を制しており、依然として、高い成長を維持しており、当面、この構造が続くものといえよう。また、食品スーパーマーケット業態ではクローガーが抜け出した状況といえ、成長率も2桁に迫る勢いであり、今後、全米の食品スーパーマーケット業界はクローガーを中心に動いてゆくものといえよう。全米の食品市場は、ウォールマートのスーパーセンターと食品スーパーマーケットのクローガーとの2大業態の対峙が鮮明になりつつあるといえる。

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July 27, 2007 in ウォルマート、海外情報, 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

July 10, 2007

ウォールマート、2007年6月度、売上速報、全体110.4%!

   ウォールマートの2007年6月度の売上速報が7/6公表された。6月度は5/27(日)から6/30(土)までの5週間の集計であり、累計では22週間となる。アメリカの売上は週別管理が基本であり、1ケ月を4週間か5週間でとらえ、第1四半期を4週、4週、5週の13週間で区切り、この6月度は累計では4週、5週の9週が加わり、22週間となる。来月、7月度は4週間の集計となり、累計は26週となり、第2四半期と同時に年間52週の中間、26週となる。また、ウォールマートは売上分類を3つに分けており、ウォールマート部門、サムズ部門、国際部門である。スーパーセンター、ディスカウントストア、ネバーフッドマーケット(食品スーパーマーケット)はウォールマート部門である。国際部門には日本の西友も連結で加わっている。また、既存店に関しては、ウォールマート部門とサムズ部門の2つである。

   さて、ウォールマートの全体の2007年6月度の売上であるが、110.4%と2桁の好調な伸びであった。ただ、22週累計では111.8%であるので、これまでの伸び率と比べると若干下がったが、依然2桁を維持し高い伸び率である。特に、この6月度は国際部門が好調であり、129.5%の伸びである。22週累計が126.3%であるので、さらにこの6月度の国際部門は伸びが高かったといえる。金額は75.96億ドル(約9,115億円)であり、全体が331.20億ドル(3兆9,744億円)であるので、構成比は22.9%と昨年の19.55%と比べさらに重みを増したといえよう。主力のウォールマート部門は106.1%と堅調な伸び率である。ただ、22週の累計108.6%と比べると若干下がっている。金額は214.70億ドル(2兆5,764億円)であり、構成比は64.8%である。そして、サムズ部門であるが、104.0%とウォールマート部門同様堅調な伸びである。ただ累計の106.1%と比べると若干下がっている。

   これに対し、ウォールマートの既存店の数字であるが、101.2%と昨対は越えたが伸び率はわずかであり、厳しい数字であったといえよう。昨年が104.7%、22週累計も102.7%であるので、この6月の既存店は厳しい結果であった。主力のウォールマート部門は101.1%、昨年は104.9%であったので、昨年と比べると既存店の伸びが大きく落ちているのが気になるところである。22週累計は102.6%であるので、この6月のウォールマートの部門は伸び率が少なかったといえよう。サムズ部門も101.3%であり、昨年が103.8%、22週累計では103.5%であるので、やはり、この6月度はサムズ部門も伸び率が少なかったといえる。

   ウォールマートはこの6月度については、食品部門と日雑部門が好調であったという。特にロールバックを中心とした低価格政策が効果を表し、食品全般、飲料、ヘルス&ビューティエイドが全体の数字を押上げたという。ただ、一部地域では涼しい気候により、消費全体が軟調であったともいう。

   ちなみに、ウォールマートの株価であるが、この売上速報が7/6(金)に公表されたので、投資家からの反応は7/9となるので、現時点では、投資家がどのような反応を示すかわからないが、ここ最近のウォールマートの株価は48ドル近辺で横ばい状況である。ウォールマートの株価は6月に入り一時は51ドルを越えたが、その後は徐々に株価を下げ、6月の下旬には48ドル付近で落ちつき、7/6(金)現在48.43ドルである。来週以降の株価がどのようになるか注目である。

   このように2007年6月度のウォールマートの売上は全体としては110.4%、既存店は101.2%と堅調な数字であったが、22週累計と比べると全体は111.8%、既存店は102.7%と伸び率は若干下がっており、特に、既存店の数字が気になるところである。今後、ウォールマートは新店を抑制し、既存店に力を入れた経営に舵を切るというが、今後、どのように数字が変わってくるのかに注目したい。特に、次回、7月度は26週となり、中間決算の時期とも重なるので、次回はウォールマートの売上速報だけでなく、経営数値全体の動向にも注目である。

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July 10, 2007 in ウォルマート、海外情報, 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

June 14, 2007

ウォールマート、5月度売上、107.7%、既存店101.1%!

   ウォールマートが2007年5月度の売上速報を6/7公表した。5月度は5/5(土)から6/1(金)までの4週間の集計であり、土曜日始まり、金曜日〆である。アメリカの小売業の売上速報は週別管理が基本であり、年間52週を、13週づつの四半期に分け、さらに、13週を4週、4週、5週の月度に分けて管理している。ウォールマートも同様に週別管理であり、次の6月度は5週間の売上速報となる。さて5月度であるが、全体の売上は107.7%で2桁を切ったが、好調であったといえよう。特に、既存店が101.1%と昨対を上回った。4月度は96.5%と昨対を切ってしまい、厳しい結果であったが、この5月度は回復し、堅調な数字で売上が推移した。

   全体が107.7%となったその中身を見てみると、ウォールマート部門(ウォールマート、ディスカウントストア、ネバーフッドマーケット)が105.5%と堅調な伸びを示した上に、国際部門の114.2%、そして、サクムクラブも108.1%と好調であった。17週間累計の数字も108.0%であるので、ほぼ累計並となり、この5月で売上が回復基調になりつつあるといえよう。累計と5月度を比較すると、ウォールマート部門は累計105.5%に対し、105.5%と同率、サムズクラブ部門は累計106.5%に対し、108.1%と5月度の伸びの方が高く、好調であった。そして、国際部門は累計116.4%に対し、114.2%であるので、やや伸び率が落ちたが、依然として高い伸び率を維持している。国際部門の構成比も全体売上の23.4%となり、ウォールマートの柱に成長したといえよう。

   既存店については全体が101.1%となったが、その中身はウォールマート部門が100.3%とわずかに昨年を上回り、累計17週間の既存店の100.1%よりも若干であるが、伸び率が向上した。ただ、昨年は103.1%でウォールマート部門は伸びていたので、既存店の売上が回復基調になったとはいえ、まだまだわずかな伸び率であり、依然として厳しい状況は続いているといえよう。サムズクラブ部門は好調であり、105.4%と昨年の104.4%を上回って売上が伸びている。17週間累計でも104.9%と昨年の104.3%を上回っており、サムズクラブ部門は既存店が好調に推移した。

   ウォールマートはこの結果について、特に、食品部門の伸びが大きかったとコメントしている。生鮮のパン部門と日配部門の伸びが堅調であり、既存店の売上を押上げたという。また、ガーデニング、アウトドア関連も5月度は良かったという。逆に、アパレル、住関連は軟調であったという。

   ウォールマートは6/1に昨年10月に公表した強気の成長戦略を軌道修正した新たなプランを発表した。それによると、前回の計画ではスーパーセンターを年間265店舗から270店舗出店する計画であったが、これを年間190店舗から200店舗に圧縮し、既存店の改装等に力を入れるというものである。既存店については、この190店舗から200店舗の新店の内、70店舗は立地移転、40店舗はディスカウントストアからの業態変更であるという。また、このスーパーセンターの出店計画の修正と同時に、自社株買を150億ドル(約1.8兆円)行うと公表しており、財務体質の改善も同時にはかるという。

   これを受けて、ウォールマートの株価は急騰しており、6/1の株価はこれまで47ドル付近であったが、いっきに50ドル弱の49.47ドルまで上昇した。そして、土日をはさみ、月曜日の6/4は50ドルを越え、51.21ドルとなった。しかも、売買高も大商いであり、6/1は4,910万株と通常の4から5倍となり、6/4はさらに売買高が増え、5,468万株となった。その後、売買高は落ち着き、株価は50ドル前後で推移している。投資家は、今回のスーパーセンターの新規出店抑制、既存店強化、自社株買政策を評価しているといえよう。

   このようにウォールマートの2007年5月度の売上は昨対107.7%、既存店も101.1%と昨対をわずかではあるが上回り、堅調に推移しているといえよう。しかも、ここへきて、スーパーセンターの新規出店戦略を見直し、既存店重視へ戦略を切り替え、同時に自社株買いにより、株の価値を引き上げる政策を打ち出した。結果、株価も堅調に推移しており、投資家からの評価は好意的であるといえよう。ウォールマートは高成長から安定成長へと経営戦略の転換をはかり、経営の質を高めてゆく方向に舵を切ったといえ、ここしばらくは、ウォールマートの新たな動きに注目である。

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June 14, 2007 in ウォルマート、海外情報, 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

May 16, 2007

ウォールマート、売上速報、2007年4月度、既存店96.5%!

   レッドソックスの松坂投手が9回を投げぬき、5勝目をあげた。課題の高速スライダーが良く決まり、四死球0、失点1というすばらしい内容であった。特に、三振が5ということで、今回は速球で三振をとりに行くというピッチングは封印し、ストレートも時速150キロを越える球はほとんどなく、高速スライダーを多用し、カーブ、フォークも織り交ぜながら、打たせてとるピッチングであった。しかし、松坂投手の武器である課題の高速スライダーが決まるとこうもピッチングが安定するのかと、ストレートと高速スライダーの組み合わせの妙が見られ、改めて、プライスラインと購買の関係を考えさせられた。

   さて、今回のテーマ、ウォールマートの4月度の売上速報であるが、5/10に公表された。特に、既存店が96.5%という落ち込みであり、気になる数字である。4月度の売上は5/4(金)までの4週間のデータであり、ウォールマートは土曜日はじまり、金曜日しめ、年間を4週、5週、4週に分け、四半期を13週ごとに集計して、売上を公表している。今回は13週の第1四半期の売上速報も同時に公表した。

   既存店の96.5%の中身であるが、サムズクラブ部門は102.3%であり、ウォールマート部門(スーパーセンター、ディスカウントストア、ネバーフッドマーケット)が95.4%に落ち込んだことが大きかった。昨年はウォールマート部門は105.4%であり、今期の13週累計は100.7%であるので、明らかにこの4月のウォールマート部門の既存店は厳しい結果だったといえよう。

   これについて、ウォールマートはいくつかその要因をあげている。最も大きな要因は天候、全米の気温が上がらず、涼しい気候であったことが売上不振につながったという。特に、アパレル(衣料品)とホームアンドハードライン(住関連)が伸び悩んだという。住関連ではさらに、いま全米を騒がせているペットフードによるペット死亡事故があいつぎ、ペットフードの回収騒ぎ、代替ペットフードの手配等に追われたことも売上不振を招いた一因であるという。さらに、昨年と比べ、年間の大きなイベントであるイースター祭が例年より、前倒し気味となり、売上が前倒しになったことも4月の売上不振につながったという。ただ、住関連の中でもエンターテイメント分野の薄型テレビ、特にウォールマートでは松下のプラズマテレビに力を入れているが、これが好調で、さらに、デジタル家電、ラップトップパソコンなども良く売れたという。食品も好調であり、パン、青果、日配、冷凍食品も良かったという。

   また、全体の売上も103.7%と昨対100%は越えたが、13週累計では108.1%であるので、伸び率が落ちており、4月は特に既存店が厳しかったため、全体も厳しい売上であったといえよう。部門別に見てみると、ウォールマート部門は100.4%、13週累計では105.5%であるので、やはり、4月のウォールマートは既存店同様、新店を加味しても厳しい数字であった。逆に絶好調な部門は海外部門であり、113.0%と依然、2桁の伸びを続けている。ただ、13週累計では117.1%であるので、やや4月度は好調な海外部門も伸び率が下がったといえよう。海外部門の売上は64.26億ドル(7,711.2億円)であり、全体の24.1%であり、ウォールマートも1/4は海外の売上で占めるようになった。この海外部門が順調に成長しているので、4月度も全体の売上が103.7%となったといえよう。もうひとつのサムズクラブ部門であるが、104.0%と13週累計も105.9%であり、この部門は安定した売上で推移している。

   さて、気になるウォールマートのニューヨーク証券取引所の株価であるが、この売上速報のあった5/10の株価は47.75ドルで終えた。前日の5/9が47.93ドルであったので、ほんの少し、ダウンしたがほぼ横ばいである。5/11は47.78ドル、市場が休み明けの5/14は47.84ドルであるので、ほぼ横バイの状況で推移しており、売買高もほぼ平均の1,500万株前後の取引であり、今回のウォールマートの4月度の売上速報は市場へのインパクトはあまりなかったといえよう。

   ウォールマートのここ最近の株価は50日平均が47.77ドル、200日平均が47.42ドル、52週最高が2006/10/30の52.15ドル、最低が2006/07/18の42.31ドルであるので、比較的なだらかな推移であり、株価は47ドル前後で安定している。また、現在の資産効率はROA7.50%=ROE18.30%×自己資本比率40.98%であり、昨年の決算期のROA8.80%と比べると、若干下がっており、気になるところである。

   このように、ウォールマートの2007年4月度の売上速報は既存店が96.5%と厳しい結果であったが、市場は一時的な状況と受け止めたようで、冷静に反応しているといえよう。次回5月度は6月はじめに公表予定であるが、今後、しばらくは、ウォールマート、特に既存店がどのような売上の推移を示すかに注目である。

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May 16, 2007 in ウォルマート、海外情報, 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

May 14, 2007

ウォールマートの2007年1月期のアニュアルリポートを見る!

    ここ最近、本ブログでは、食品スーパーマーケットの2007年2月期決算、そして、先週からは3月期決算の食品スーパーマーケットの速報を主に取上げているが、今回は、ウォールマートの2007年1月度の決算を見てみたい。ウォールマートの決算は2006年2月1日から2007年1月31日までの1年間の決算となる。まず、概要であるが、2007年1月期の売上は3,449.92億ドル(41.39兆円)であり、約40兆円の売上である。昨対111.7%(既存店102%)であり、昨年の伸び率109.8%を除き、この10年間2桁の成長を続けている。2001年の売上が1,780.28億ドルであったので、この6年でほぼ2倍の売上であり、急成長である。

   その原動力となったのは何といってもスーパーセンターであり、スーパーセンターの店舗数はこの10年間をさかもどると、2007年(2,256店舗)、2006年(1,980店舗)、2005年(1,713店舗)、2004年(1,471店舗)、2003年(1,258店舗)、2002年(1,066店舗)、2001年(888店舗)、2000年(721店舗)、1999年(564店舗)、1998年(441店舗)であった。この10年でちょうど5倍の店舗数となっており、ウォールマート急成長の大きな柱であった。ただ、全米の出店状況を見ると、アラスカ、ハワイ、ヴァーモントは0店舗、10店舗以下もニュージャージイ(1店舗)、ロードアイランド(2店舗)、マサチューセッツ(3店舗)、コネチカット(4店舗)、デラウェア(4店舗)、マリーランド(9店舗)、モンタナ(9店舗)、ニューハンプシャー(7店舗)、ノースダコタ(7店舗)、ワイオミング(10店舗)とまだまだ出店余力があるといえ、当面、この高成長が続いてゆくものといえよう。

   また、ウォールマートの高成長の背景にはスーパーセンター以外にも海外部門の急成長もあった。2007年1月期の海外部門の売上は771.16億ドル(9.25兆円)であり、売上構成比は22.3%にもなる。この中には日本の西友392店舗も含まれており、昨対130.2%の高成長である。海外店舗数はスーパーセンターの店舗数を越え、2,757店舗であり、メキシコ889店舗、中央アメリカ413店舗、そして、日本(西友)392店舗、イギリス335店舗、ブラジル299店舗、カナダ289店舗、中国73店舗、プエルトリコ54店舗、アルゼンチン13店舗であり、ウォールマート全体では国内4,022店舗を加えると、6,779店舗となる。

   そして、これら高成長を支えたウォールマートの粗利率であるが、2007年1月期は23.4%であり、販売費及び一般管理費が18.55%であるので、差引き、営業利益は4.85%となる。また、当期純利益は3.27%の112.84億ドル(1.35兆円)である。ちなみに営業利益は168.39億ドル(2.02兆円)であるので、ちょうどトヨタの2007年3月期の決算と同じ2兆円の営業利益高といえよう。

   一方、ウォールマートのROAであるが、ROA=自己資本比率×ROEであるので、2007年1月期は、ROA(8.8%)=自己資本比率(40.0%)×ROE(22.0%)であり、ROA、ROEは高いが、意外に自己資本比率が低いといえよう。自己資本比率40.0%の中身であるが、純資産は615.73億ドル(7.38兆円:昨対115.8%)であり、総資産の40.0%である。負債面では長短借入金が326.50億ドル(3.91兆円:昨対105.2%)であり、総資産の21.5%、売上の9.46%である。また、資産面では、特に出店にかかわるものとして、建築物640.52億ドル(7.68兆円:昨対116.0%)、土地186.12億ドル(2.23兆円:昨対115.0%)と、合計が826.64億ドル(9.91兆円:昨対115.8%)であり、総資産の54.6%である。また、営業にかかわる資産としては、在庫が336.85億ドル(4.04兆円:昨対105.5%)であり、総資産の22.2%、売上の9.7%である。したがって、ウォールマートの自己資本比率が40%となる要因は、借入金が総資産の21.5%であることに加え、出店にかかわる資産である土地、建物54.6%、そして、営業にかかわる資産である在庫が9.7%となり、出店、営業にかかわる資産の合計が64.3%となっていることが大きいといえよう。

   ウォールマートのここ5年間のROA、ROE、そして、自己資本比率の推移を見ると、2007年(8.8%、22.0%、40.0%)、2006年(9.3%、22.9%、40.6%)、2005年(9.8%、23.1%、42.4%)、2004年(9.7%、22.4%、43.3%)、2003年(9.6%、21.8%、44.0%)であるので、ROAがここ最近、徐々に下がっているが、その要因は自己資本比率が徐々に下がってきたことにあるといえよう。今後、ROAをさらに引き上げ、経営効率を上げてゆくには、収益の改善以上に自己資本比率の向上が課題であり、そのためには負債の一層の削減と出店および営業にかかわる資産の圧縮が当面の課題といえよう。

   このように2007年1月期のウォールマートの決算はスーパーセンターと海外部門が全体を牽引して、好調な決算となったが、その反面、若干、自己資本比率が下がり、ROAが下がり気味で推移していることが気になるところである。ただ、スーパーセンター、海外ともに成長余力を残しているといえ、当面は2桁の高成長と約5%の高い営業利益率が経営全体の好循環につながり、年間2兆円以上の営業利益を生み出して行くものといえよう。2008年1月度のウォールマートの経営動向にも引き続き注目してゆきたい。

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May 14, 2007 in ウォルマート、海外情報, 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

April 17, 2007

ウォールマート、2007年3月度売上速報、111.7%!

   ウォールマートの2007年3月度の売上が4/12に公表された。昨対111.7%の伸びであり、依然として2桁の成長を続けている。この3月度は、3/3(土)から4/6(金)までの5週間の売上である。アメリカのチェーンストアは原則週別管理であるため、月度という場合はぴったり、30日、31日となることはなく、週の最終曜日での比較となる。1年は52週であるので、月度は4週間か5週間となり、4週、4週、5週で13週となり、これが四半期となる。今回のウォールマートは3月度であるが、5週間の売上であり、土曜始まり、金曜終わりの週別管理であるため、4/6(金)までの5週間となった。累計では9週間となり、2月度が4週、3月度が5週となったので、次の4月度は4週となり、同時に13週の四半期の売上速報が公表されることになる。

   その内訳であるが、主力のウォールマート部門は109.6%、9週間累計では107.8%であるので、この3月度は好調な伸び率であったといえよう。特に、既存店の伸びが103.4%と昨年の101.6%と比べ回復しているのが特徴である。9週間累計でも102.1%となり、2月度の不振を払拭する3月度は既存店の伸びといえよう。ただ、昨年の9週間累計の既存店は102.5%であったので、次回も既存店が好調に推移するかがポイントである。今回このようにウォールマート部門の3月度は好調に推移したが、その原因をウォールマートは食品にあると分析している。特に、加工食品、農産、日配、ベイカリーが好調であったという。また、食品以外ではおもちゃ、園芸も好調であったという。逆に、衣料品は暖冬の影響で苦戦したという。

   次にサムズクラブ部門であるが、全体では108.9%と9週累計の106.8%と比べ伸びており、3月度はサムズクラブ部門も好調であったといえよう。特に既存店は107.4%と大きく躍進しており、昨年の104.8%と比べても大きく伸ばしているといえる。9週間累計の既存店も105.7%と昨年の104.7%を上回っており、高い伸び率である。そして、西友を含む国際部門であるが、119.3%と依然として高い伸び率を維持している。9週間累計でも119.1%であり、この2ケ間安定した高い伸び率が続いている。国際部門のウォールマートにおける売上構成比は23.3%となっており、昨年が21.8%であったので、じわじわとその構成比を高めており、国際部門はウォールマートにとっても成長の大きな柱となったといえよう。

   これを受けて、ウォールマートの株価であるが、4/12の公表の翌日、4/13は0.15ドル(0.32%)アップの47.41ドルとわずかな伸びであった。売買高も約1億2,000万株であり、通常の商いとほぼ同じであり、投資家は静かな動きであるといえよう。ウォールマートの株価は2月後半には一時50ドルの大台を超えた日もあったが、3月に入り48ドルまで下がり、その後、47ドル前後での安定した商いが続いていおり、4月度も47ドル前後での商いである。今回の3月度の売上速報は株価には大きな影響はなかったといえよう。

   ウォールマートは2008年度の成長戦略を昨年10月に公表しているが、それによるとスーパーセンターは265から270店舗の新規出店、ディスカウントストアは5から10店舗の出店、サムズクラブは20から30店舗の出店、ネバーフッドマーケット(食品スーパーマーケット)は、5から20店舗の出店とスーパーセンターシフトへの出店戦略を鮮明にしている。また、既存店の改装もスーパーセンターとディスカウントストア合計で145店舗を計画している。さらに国際部門も320から330店舗の新規出店、190店舗の改装を計画している。現在9週間目となったが、順調な成長を続けており、この2008年度もこれだけの規模の新規出店、既存店の改装を前提に今後とも成長が続いてゆくものといえよう。来月以降のウォールマートの売上の伸び率にも注目したい。

   余談だが、ウォールマートは最近、環境問題に本格的に取組みはじめている。ホールフーズマーケットが先行している有機食品の品揃えを増やすなどの商品への取り組みはもちろんだが、店舗そのものを省エネタイプの店舗とすることへも挑戦している。この1/17にオープンしたカンザスシティのスーパーセンターがその第1号店であり、従来のスーパーセンターに比べて20%の省エネが実現したという。ただ、CEOのリー・スコット氏は2009年までには25%から30%の省エネを実現したいとのことで、一層の省エネタイプのスーパーセンターの開発が今後進んでくるものといえよう。この点についてもウォールマートの最新店舗には注目である。

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April 17, 2007 in ウォルマート、海外情報, 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (1)

March 14, 2007

ウォールマート、2007年2月度、売上速報、108.1%!

  ウォールマートが3/8、2007年2月度の売上速報を公表した。全体では108.8%、既存店は100.9%であり、前月の1月度が全体では108.8%、既存店101.6%であったので、ほぼ、前月に近い伸び率で推移しているといえよう。ただ、これまで、ここ数年、110%以上の2桁の高い伸び率を維持し続けてきた点を考慮すると、やや成長率が下がり気味であるといえる。特に、既存店は昨年が103.7%であったのに比べ、ここへ来て伸び悩んでいるといえよう。ウォールマートの売上集計は年間を4週、4週、5週と分け、四半期を13週づつにわけて公表しているが、この2月は3/2までの4週間であり、昨年との比較は3/3までの4週間である。今年の3/2が土曜日であるので、週間は日曜日始まり、土曜日締めという期間であるのが特徴である。

  まず、2007年2月度の全体の売上速報であるが、全体では108.1%であるが、最も伸び率が高かった部門は日本の西友を含む国際部門であり、118.7%であった。金額では51.07億ドルから60.63億ドル(約7,000億円)へと約10億ドルの売上増であった。これに加え、ウォールマート部門(ディスカウントストア、スーパーセンター、ネバーフッドマーケット)が105.6%の伸びであり、金額では166.39億ドルから175.72億ドル(約2兆円強)と約10億ドル強伸びた。また、サムズクラブ部門は104.2%であったが、金額では30.32億ドルから31.59億ドル(約3,500億円)と約1億ドル強のアップであった。全体としては247.78億ドルから267.94億ドル(約3.1兆円)と約20億ドルのアップであるが、国際部門の約10億ドルとウォールマート部門の約10億ドルのアップと見てよく、いかに、ウォールマートにとっての国際部門のウェートが大きいかがわかる。

  一方、既存店であるが、100.9%、昨年が103.7%であっただけに、今期は厳しい伸び率であり、特にウォールマート部門(ディスカウントストア、スーパーセンター、ネバーフッドマーケット)が100.4%と厳しい状況であったといえよう。昨年のウォールマート部門は103.5%であったので、伸び率が昨年と比べても厳しい状況である。既存店のサムズクラブ部門は103.9%と昨年104.6%よりはやや下がってはいるが、順調といえよう。

  これを受けてのウォールマートの株価の推移であるが、3/12現在47.26ドル(-0.16ドル:-0.34%)の若干のダウンである。3/9(金)が47.42ドル、3/8(木)が47.88ドルであるので、若干下がり気味ではあるが、ほぼ横ばいで推移している。ここ最近のウォールマートの株価は2/21に50.42ドルの高値をつけて以来、下がり気味であるが、今年に入ってからは、ほぼ平均が48ドル前後であるので、現在は、今年の平均に近い株価水準であり、若干下がり気味のところは気になるが、ほぼ平均値に近い株価の推移といえよう。

  ちなみに、ウォールマートの発行済株式数であるが、4,168,025,000株、約40億株強であり、これに約50ドルの現在の株価を掛けると、2,000億ドルとなり、これが現在のウォールマートの時価総額である。1ドルを117円で計算すると23.4兆円となり、とてつもない時価総額であることがわかる。ちなみに、日本の小売業で最も高い時価総額の企業は7&Iホールディングスであるが、発行済株式数は967,770,983株、約10億株であるので、現在の株価3600円を掛けると時価総額は約3.6兆円となり、その差6.5倍である。イオンは発行済株式数が800,208,044株、約8億株であり、現在の株価が2,300円であるので、時価総額は約1.8兆円であり、その差は13倍である。さらに、日本の食品スーパーマーケットで最大の時価総額はイズミであり、発行済株式数は123,117,420株、約1.2億株であり、現在の株価は約2,100円であるので、時価総額は約2,500億円であり、その差は93.6倍である。ウォールマートの時価総額がいかに大きいかがわかり、この5月から解禁となる外資企業による三角合併をウォールマートが西友を通じて本格活用すると、業界再編が起こっても不思議ではなく、その可能性はけっして低くはないといえよう。

  ウォールマートの現在の成長の実態は国際部門の貢献度がここ数年ますます重くなり、今後のウォールマートのさらなる成長を考えた場合、国際部門の重要性は高まると思われる。ドイツ、韓国からは撤退したが、中国、インドへの投資は強化する方向であり、それに加え、日本への投資もこの5月の三角合併解禁後は重要な成長戦略の選択肢となろう。今後のウォールマートの日本での動きには注目である。

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March 14, 2007 in ウォルマート、海外情報 | | Comments (0) | TrackBack (0)

February 22, 2007

ウォールマート、第4四半期売上を公表、110.9%、株価上昇!

  ウォールマートが第4四半期の売上を2/20公表した。1月度単月の売上は2/8に公表しており、本ブログでも詳細を取り上げたが、今回公表した売上は1月を含め、12月、11月を合計した直近3ケ月分の売上であり、今期、最終の四半期の売上である。それによると、全体では110.9%と2桁を維持し、好調な推移であったといえる。特に、1月度は怒涛の新規出店も寄与し、2桁の売上となった。累計では111.7%であるので、第4四半期は若干、他の四半期と比べ伸び率が減ったが110.9%と好調な売上であったといえよう。 

  特に、国際部門が好調で、129.6%と最も伸び率が高く、累計では130.2%となり、ウォールマート全体を牽引した形である。売上構成比も23.2%であり、昨年の19.8%と比べ、ウォールマート全体への貢献度が増している。累計でも22.4%、伸び率は30.2%であるので、年間でも国際部門の貢献度は大きく、ウォールマートにとって国際戦略は大きな柱となったといえよう。今期はドイツと韓国からの撤退があったが、西友の連結に加え、ブラジル、中央アメリカの売上が大きく貢献した。

  一方、ウォールマートの中核、スーパーセンターとディスカウントストアであるが、積極的な新店戦略が寄与し、106.7%と好調な数字をキープした。累計では107.8%とさらに伸び率が高かった。売上構成比は65.5%であり、累計でも65.5%となり、文字通りウォールマートの中核部門である。サムズクラブも104.4%、累計では104.5%とまずまずの伸びであり、ウォールマート3部門とも依然成長が続いているといるといえよう。

  これに対して、既存店の第4四半期の売上であるが、101.6%と低い伸び率であった。全体が110.9%、スーパーセンターとディスカウトストアが106.7%であるので、新店の売上貢献度がいかに大きかったがわかる。その中でも、スーパーセンターとウォールマートが101.3%、サムズクラブが103.1%とサムズクラブの方が既存店では伸び率が高かった。これは特に、ガソリンなどの燃料のプラスの売上が大きかったことによるという。

  このような今回の第4四半期の結果を受けて、ウォールマートのCEO、リー・スコット氏は、「顧客の家計を助け、生活を豊かにするという、1962年のサム・ウォルトンのウォールマート創業以来の単純明快な理念を全世界に広げてゆくことが我々の使命である」というメッセージを出している。今期のウォールマートの既存店の伸び率が下がってきたところは、少し気になるところであるが、来期も積極的な新規出店が予定されており、また、国際部門の好調さがプラスに寄与し、ウォールマートの成長は当面続いてゆくものといえよう。

  さて、この結果を受けて、ニューヨーク証券取引所のウォールマートの株価の現況であるが、2/20、久しぶりに50ドルの大台を回復し50.26ドルとなった。前日比は48.48ドルであるので、103.7%(+1.78ドル)であり、売買高も3,650万株と通常の3から4倍の大商いとなった。投資家はウォールマートの第4四半期の数字を好感しているといえよう。ウォールマートの株価は今年に入り、48ドル付近で一進一退を繰り返していた。ほぼこの1ケ月は47ドルから49ドル、プラスマイナス1ドルの推移であり、売買高も1,000万株前後の商いであったが、この2/20は久しぶりの大商い、しかも、ここ最近では50ドルを越えられなかった株価が50ドルをあっさり越えた。

  ちなみにウォールマートの過去5年間の株価の推移を見ると2002年3月14日の63.75ドルが最高の株価であり、その後3年間は上下に大きく変動しながらも55ドル前後で推移していた。しかし、2005年度のハリケーンの影響等により2005年9月21日には42.49ドルとこの5年間で最安値となったが、その後、徐々に株価が持ち直し、46ドル前後で推移していた。怒涛の出店計画が公表された10月に一時的に51.75ドルまで上がったが、これを除いてはこの約2年間50ドルの壁を越えることはなかった。しかし、2/20、50.26ドルと50ドルの壁を大商いとともに、久しぶりに越えた。この株価が今後上昇の方向で動いてゆくのか、この数日のウォールマートの株価に注目である。

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February 22, 2007 in ウォルマート、海外情報 | | Comments (0) | TrackBack (3)

February 09, 2007

ウォールマート、2007年1月度売上110.7%、年間40兆円を突破!

  ウォールマートが2/8、2007年1月度および53週間の年間累計売上の速報を公表した。それによると、1月度の全体の売上は110.7%で2桁を維持し、年間53週累計でも111.5%となり、2桁の成長であった。また、既存店の1月度も102.2%と、昨年を上回っており、既存店の53週の累計では102.0%であったので、1月度の既存店はわずかではあるが、年間平均をも上回った。ウォールマートの会計年度はこの1月が決算月であり、売上の速報値は確定したが、今後、本決算が待たれるところである。ちなみに、53週とは2006年2月3日から2007年2月2日までの53週間であり、1月度は2007年2月2日から5週間前の2006年12月30日からの35日間である。ただし、ウォールマートの会計年度は2006年2月1日から2007年1月31日まであり、会計年度と売上速報とは若干期間に違いがある。売上速報は年間を4週、5週、4週の13週を四半期として、13週×4=52週を基本としている。そして、最後の週が会計年度と重なる場合は今回のように1週追加され、53週となり、新会計年度に若干ずれこむこととなる。
 
  さて、まず、1月度の全体の売上であるが、316.93億ドル(約3.8兆円)であり、昨対110.7%であった。最も伸び率の高かった部門は約24%の売上構成比の国際部門であり、117.6%であった。この国際部門には連結となった日本の西友も含まれている。ついで、伸び率の高かった部門は、約65%の売上構成比を占めるウォールマート部門であり、昨対109.6%であった。そして、残り10%強の売上構成比を占めるサムズクラブ部門であり、昨対104.0%であった。また、国際部門は伸び率は最も高かったが、53週累計では129.3%であり、この1月度はやや成長率が下がったといえる。逆にウォールマート部門は53週累計が107.7%であるので、この1月度は好調に推移したといえる。サムズクラブ部門は53週累計は104.5%であるので、若干、1月度は伸び率が低かったといえる。このようにウォールマートの1月度の全体は好調に推移し、特にウォールマート部門が延びたことが大きかったといえよう。なお、53週累計の全体売上は3,156.98億ドルであり、約38兆円という途方もない売上であった。なお。ウォールマートは会計年度である1月31日までの売上はおおよそ3,440億ドルと公表しているので、約41兆円となり、年商40兆円を越えた模様である。
  
  一方、2007年1月度の既存店の売上であるが、昨対102.2%であり、ウォールマート部門が101.9%、サムズクラブ部門が103.4%であった。53週累計の年間売上では全体が102.0%、ウォールマート部門が101.9%、サムズクラブ部門が102.9%であり、サムズクラブ部門が全体の売上増に若干貢献したといえよう。また、昨年と比べてみると昨年の1月度は104.0%、53週累計でも103.6%であったので、昨年度よりも、既存店の数字の伸びが低かったといえよう。
 
  この既存店の1月度が102.2%であるにもかかわらず、全体が110.7%と2桁となった最大の要因はウォールマートはじまって以来の怒涛の出店にある。何と、スーパーセンター64店舗、食品スーパーマーケット2店舗、ディスカウントストア4店舗、そして、サムズクラブ4店舗+移転オープン2店舗と合計76店舗が1月に新規オープンした。ウォールマートにとっても、1ケ月以内にこれだけの新店をオープンしたのははじめてであるという。

  ウォールマートは今期も積極的な新店を出店してゆく意向であるといい、当面、高成長は続くものと思われる。ただし、既存店の伸び率は下がりつつあり、今後、既存店をいかに活性化してゆくかが課題といえよう。第4四半期決算は2/20に公表する予定であるというが、今期の積極的な新店戦略と既存店の伸び悩みがどのように決算数値に反映されるかが注目である。ちなみに、2/8の株価は43.88ドルであり、この数日ほぼ43ドル付近で株価が安定している。近々に公表されるであろう決算を投資家は待っているといえよう。今期ウォールマートの売上はこれでほぼ確定したが、利益がどのような数字になるかが注目される。

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February 9, 2007 in ウォルマート、海外情報, 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (3)

January 06, 2007

ウォールマート、2006年12月度売上速報、既存店101.6%!

  ウォールマートが1/4、2006年12月度の売上速報を公表した。注目された既存店の売上高が101.6%と昨対を僅かに上回り、11月度の99.9%から、再びプラスに転じた。12月度は11/26から12/29までの5週間の数字であり、年間では48週目となり、残すところあと1ケ月である。前回、ウォールマートは既存店の回復は昨対のハリケーンの影響により、今後とも厳しいというコメントを発表していたが、予想に反し、既存店が昨対を越え、好調に推移しはじめたといえよう。ただし、全店の数字では108.8%であり、これまで2桁の成長を維持していたが、若干成長が鈍化しており、気になるところである。

  これを受けて、ウォールマートのニューヨーク証券取引所の株価であるが、1/4、47.8ドルで引けた。ウォールマートの株価は11月に入り、株価は下げに転じ、既存店の昨対割れが公表された12月前半以降も下げ基調であり、一時45ドルを割り込むところまで下げた。昨年最後の相場の12/29は46.2ドルであったが、1/3新年初の相場では一転上場基調に転じ、1/3、47.09ドル、そして、1/4、47.8ドルと上昇し、1ケ月ぶりの48ドル台へと上げつつある。投資家は今回の数字に一定の評価を下したといえよう。次回の2007年1月度の公表は決算ともからむため、どのような数字になるかが注目である。

  さて、まず、ウォールマートの2006年12月度の既存店の数字であるが、トータルでは101.6%であるが、昨対は102.5%であり、48週累計では102.0%であるので、けっして安心できる数字とはいえない。特にウォールマート部門が101.3%と伸び悩んでおり、昨年のハリーケーンの影響があったとはいえ、48週累計の101.8%と比べても低く、今後、既存店のウォールマート部門、特に主力業態であるスーパーセンターの活性化が最大のポイントであるといえよう。これに対し、サムズクラブ部門は103.5%と昨年が103.2%、48週累計が102.9%であるので、絶好調であり、ウォールマートの既存店全体に大きく貢献したといえよう。特に、今年は、ガソリンスタンドを含めた燃料が好調であったといい、石油の高騰が、そのままウォールマートの特にサムズクラブ部門の既存店に好影響を与えたといえよう。ウォールマートも0.3%から0.5%ぐらいの好影響があったとコメントしている。

  次に、全体の数字であるが、108.8%とやや成長率が鈍った感じである。既存店が昨対を越えたにもかかわらず、全体の数字がやや鈍った点はスーパーセンター、ディスカウントストア、ネバーフッドマーケット(食品スーパーマーケット)のウォールマート部門にあるといえる。昨対103.1%であり、48週累計では107.6%であるので、大きく伸び率を落としているのが原因である。ウォールマート部門は全体の65.4%を占め、全体への影響が大きいといえる。また、12月は11月に21店舗の新規出店をしたため、新規出店がほとんどなかったことも大きかったといえよう。全体の数字は既存店+新店の数字であるので、新規出店が鈍化すると全体の数字に大きく影響がでるが、この12月は新店の影響が大きかったといえよう。一方、国際部門は順調であり、130.5%で推移している。48週累計でも130.6%であり、安定した高い伸び率である。全体の構成比も23.5%を占め、サムズクラブ部門の11.1%の2倍以上であり、ウォールマートの成長を支える大きな柱となったといえよう。この中では日本の西友も入っており、ブラジル、中南米のウォールマートの貢献度も高い。また、構成比11.1%のサムズクラブ部門は、既存店の好調もあり、105.6%、48週累計が104.5%であるので、順調な数字で推移しているといえる。

  この12月は家電製品も好調であったといい、特に、デジタルテレビ、オーディオ、コンピュータ、ゲイムの価格の安さに関しては消費者の認知を得たとウォールマートの首脳も自信を深めている。そのデジタルテレビでいえば、ちょうど、シャープの亀山工場の液晶アクオスと松下電器のプラズマテレビが世界的に激しいシェア争いをしており、その松下電器がこれまでウォールマートには卸していなかったプラズマテレビをかなりの安さで卸しはじめたといい、これもウォールマートの既存店の数字に影響を与えたといえよう。これ以外にも、DVD、食品、雑貨も好調であったという。

  このように、ウォールマートの2006年12月度の既存店は101.6%と復調し、これに恐らく、1月はかなりの新店がオープンするものといえ、今期のウォールマートは前期同様の高い伸び率で着地するのではないかと思われる。来期以降は、ウォールマートは短中期的に積極的な新規出店戦略を掲げているので、ハリーケーンの影響がなくなり、既存店が安定成長路線に乗れば、引き続き、2桁台の高成長が来期以降も期待できるものといえよう。次回はウォールマートの決算時期であり、売上の推移に加え、利益の動向も気になるところである。

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January 6, 2007 in ウォルマート、海外情報, 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (2)

December 06, 2006

ウォールマート、2006年11月度、売上速報、既存店-0.1%!

  ウォールマートの2006年度、11月度の売上速報が公表された。今回、はじめて、既存店が-0.1%になり、とうとう、昨対を割ってしまった。昨年同時期は104.2%の伸びであり、これまでの43週の累計は101.9%であるので、11月度の数字は厳しいものであったといえよう。ウォールマートはこれについて、昨年のハリケーンの影響が大きかったことが最大の原因であると説明し、さらに、アパレル、住関連が厳しかったとしている。また、この既存店-0.1%の中身は、サムズクラブは102.0%で伸びており、スーパーセンター、ディスカウントストア、ネバーフッドマーケットの合計が-0.5%であったことにある。ウォールマートは今後もしばらく、昨対のハリケーンの影響が続き、12月度も100%から101%ぐらいの既存店の低成長がつづくと予想しており、当面、ウォールマートの既存店は厳しい数字が続くものといえよう。

  これを受けて、ウォールマートの株価は、この数字の公表が行われた11/30の週のはじめの月曜日、11/27頃から、株価がさがりはじめ、それまで、48ドル付近であった株価が、11/27、46.61ドル、11/28、46.71ドル、11/29、46.89ドル、そして、11/30、46.1ドル、12/1、45.87ドルとじりじり下げている状況といえる。売買高も通常の約2倍の2,500万株と増えており、今後、どの辺で株価が落ち着くかが焦点である。ただ、比較的、市場はこれまで冷静に反応しており、12/4以降の週明け、日本時間で12/5以降の株価が注目されるところである。今年のウォールマートの最高株価は約52ドル、最低株価は42ドルであるので、この42ドルを切るかどうかがひとつのポイントであろう。

  では、ここで、もう少し、2006年11月度の数字を細かくみてみたい。既存店に関しては既に解説した通りであるが、全体では国際部門の伸びとスーパーセンターの新店が順調にオープンしていることがあり、111.9%と依然として好調であり、43週累計でも112.1%である。今期も残すところ約10週間であり、このまま2桁の成長は維持できるものといえよう。この好調の原因のひとつは、全体の22.7%の売上構成比を占める国際部門が132.7%の伸びを示しているところが大きい。昨年は19.17%の売上構成比であったので、国際部門の貢献はウォールマートにとって成長戦略の柱となりつつあり、今後も、110%以上の成長を維持するには重要な部門であるといえよう。この国際部門には、経営統合した西友を含め、ウォールマート中央アメリカ、合併したウォールマート南アメリカ等がある。

  また、スーパーセンター、ディスカウントストア、ネバーフッドマーケットのウォールマート部門もスーパーセンターの新規出店が好調であり、昨対107.9%という伸びであった。43週累計でも108.3%であり、11月度も高い成長が続いているといえよう。そして、サムズクラブについては、102.1%と既存店がほとんどで、新店が少ないため、既存店とほぼ同じ伸び率である。ただし、43週累計は既存店の102.7%に対し、累計では104.4%であるので、11月以前の新店分だけ累計では高い伸びであったといえよう。

  ただ、今回、ウォールマートにも明るい材料もあり、4ドルのジェネリック薬品が全店導入になり、順調な数字を上げ始めたという。また、エレクトロニクス部門のDVDは良く売れており、それに加え、売れ筋のプレイステーション3や任天堂のwillの在庫確保は難しいものがあるが、クリスマスシーズンまでには在庫を確保したいと期待を寄せている。さらに、不振のアパレルと住関連品については、来春までに改善をはかる方針であり、これらの数字を加え、既存店の底上げをはかってゆくという。

  ウォールマートの新店については、11月度もスーパーセンターを中心に21店舗オープンしており、引き続き、新店戦略は順調といえよう。特に、11/8、オハイオ州に91店舗目のスーパーセンター、フロリダ州に141店舗目のスーパーセンター、ルイジアナ州に65店舗目のスーパーセンター、ニューヨーク州に40店舗のスーパーセンター、ジョージア州に106店舗目のスーパーセンター、ウィスコンシン州に45店舗目のスーパーセンター、ネヴァダ州に18店舗のスーパーセンター、というようにこの日は全米でスーパーセンターの同時オープンが相次いだ日であり、スーパーセンターの新規出店は今後とも急成長の勢いが続いてゆくといえよう。

  このように、ウォールマートの既存店は今期はじめて昨対を割ったが、全体としては、国際部門の好調さに加え、スーパーセンターの新規出店がものすごい勢いですすんでおり、これらが寄与し、110%の高成長はつづいてゆくものといえよう。ウォールマートはハリケーンの影響が年末から来年早々まで続くとみており、今期は引き続き厳しい既存店の数字と予想されるが、ハリケーンの影響がなくなる来期のはじめから来春にかけての既存店の数字がどのように推移してゆくかが当面の注目点であろう。

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December 6, 2006 in ウォルマート、海外情報, 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (2)

November 20, 2006

ウォールマート、第3四半期累計決算、増収増益、売上112.0%!

  ウォールマートの第3四半期決算が11/14に公表された。第3四半期の期間は、10/31までの9ケ月であり、残すところ、あと3ケ月、1月末がウォールマートの本決算となる。この第3四半期累計の売上は2469.02億ドル(28.88兆円:112%)、営業利益は140.65億ドル(1.64兆円、109.71%:売上対比5.7%)と増収増益であった。ちなみに、粗利は、24.4%であり、販売管理費および一般管理費は18.8%であるので、日本の食品スーパーマーケットと比べると粗利構造は良く似た数字であるが、経費比率が低く、高収益を生み出しているという構造である。ただ、10年前のウォールマートと比べると、粗利も経費も高くなってきており、ディスカウントストアを主力業態とした時代とスーパーセンターが主力業態になった現在との経営構造の違いを反映しているといえよう。変わらないのは営業利益5%以上の構造であり、主力業態の転換はあっても収益はしっかり出し続けるというマネジメントの強さを感じる数字である。

  この第3四半期累計の売上の部門別の内容であるが、ウォールマートは3つの部門で売上を管理しており、ひとつはスーパーセンター、ディスカウントストア、ネバーフッドマーケットの合計であるウォールマート部門、会員性ディスカウントストアのサムズクラブ部門、そして、西友を含む国際部門である。それぞれを見てみると、ウォールマート部門は108.3%であり、売上構成比は65.6%の中核部門である。サムズクラブは104.5%とやや伸び率が低かった。売上構成比は12.3%である。そして、ここ数年重要度を増しつつある国際部門であるが、130.4%と大きく躍進し、売上構成比も22.1%と20%越えてきており、いまや、ウォールマートの成長戦略の中核を担う重要な部門となったといえる。売上金額では543.82億ドルであるので、日本円で約6兆円強であるので、西友の売上は国際部門全体の単純計算では約15%を占めるので、西友の貢献もウォールマートにとって重要な存在となったといえよう。

  また、既存店の第3四半期累計の売上であるが、102.3%であり、既存店の売上も昨対を上回り成長を続けているといえる。ウォールマート部門は102.2%、サムズクラブ部門も102.8%であった。ただ、第3四半期単独でみると、全体では101.5%、ウォールマート部門は101.5%、サムズクラブ部門は101.8%とやや厳しい数字であり、第3四半期に入り、既存店の成長が少し、低調な点が気になるところである。

  さて、これを受けて、ウォールマートの株価の動きであるが、11/13が46.32ドルからこの第3四半期決算が公表された11/14は47.66ドルと株価は上昇、その後47.5ドル付近でもみ合っているので、投資家の評価はまずまずの評価とみているようである。ただ、ウォールマートは10/23に来期のスーパーセンター300店舗の新規出店を含む大成長戦略を公表した時に異常な株価の高騰を招き、51.28ドルとここ数ケ月では最高株価を更新し、売買高も大商いであったが、その後、株価はこの11/13まで下降線をたどっていたので、久々に株価が上昇したという状況ではある。残すところあと3ケ月であるが、業績も含め、株価の動きも気になるところである。

  ちなみに、ウォールマートの長短借入金はどのくらいあるかであるが、短期借入れ金が54.90億ドル、長期借入れ金が241.54億ドル、合計296.40億ドル(3.46兆円)である。これは日本のビックストアの年商に匹敵する巨大な金額であるが、年商売上対比では10%弱となり、日本の上場食品スーパーマーケット約50社の平均が約15%であるので、借入依存度はむしろ低いといえよう。ウォールマートはすべての数字が桁違いなので、絶対額で見るとびっくりするが、比率に直すとその実態がよくわかる。

  このように、ウォールマートの2006年10月末時点の第3四半期決算の内容は増収増益の好調な決算であったといえ、既存店の売上もやや下がり気味ではあるが、昨対を越え、成長を続けており、順調な経営状況であるといえよう。残すところ、あと3ケ月であるが、スーパーセンターを中心に新店の出店は順調であり、ドイツ、韓国からの撤退はあったにせよ、海外事業も好調であり、今期決算も、この第3四半期決算を見る限り、好調な決算が期待されよう。

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November 20, 2006 in ウォルマート、海外情報 | | Comments (0) | TrackBack (0)

November 04, 2006

ウォールマート2006/10、売上速報、既存店100.5%!

  11/2、2006年10月度のウォールマートの売上速報が公開された。最も気になる数字は既存店の売上が100.5%、特に、スーパーセンターとディスカウントストア、ネバーフッドマーケットの合計では100.3%と昨対ぎりぎりの数字であり、ここ最近では最も低い既存店の伸び率であったことである。ウォールマートはこれについて、昨年度はハリケーンの影響と改装の遅れがあり、既存店の売上伸び率が低くなったと説明しているが、次月、11月度以降の動きがどうなるかが注目であろう。ただ、新店に関しては順調に推移し、ウォールマート全体では111.7%と依然として高い成長が続いている。特に、西友を含む国際部門の伸びが著しく、国際部門だけで見ると、132.1%と高い数字で推移している。

  気になるウォールマートの株価であるが、10/23にウォールマートは来期の成長戦略を公表している。何と新店約650店舗、改装約200店舗の大計画であり、スーパーセンターだけでも300店舗弱の出店計画である。株価はこれに敏感に反応し、10/23は前日比103.8%の51.28ドルと今期最高値を更新した。しかも、売買高は5,000万株と通常の約5倍の大商いとなった。ただ、これがピークで、その後は株価が徐々に下がり、10月度の売上速報の発表がなされた11/2の株価は48.29ドル、前日比98.85%であった。売買高は約2,500万株とやや強い商いであったが、今回の数字を市場は冷静に受けとめているといえよう。来週以降の株価がどう動くかが気になるところだ。ちょっと気になるのは、10/23のインパクトがあまりに大きかったがゆえに、11/2の10月度の既存店の厳しい数字公表による株価ダウンを少しでもやわらげるためのものであったようにも受け取れ、ウォールマート自身もこの数字は厳しい結果と受けとめているように見える。

  さて、2006年10月度の全体の数字であるが、ウォールマートの売上部門は大きく3つに分かれている。スーパーセンター、ディスカウントセンター、ネバーフッドマーケットのウォールマート部門(64.6%)、サムズクラブ部門(12.0%)、国際部門(23.4%)であり、ウォールマート部門が全体の約65%を占める。ここ最近は国際部門の構成比が上がってきており、ウォールマートへの貢献度が高くなりつつある。まず、ウォールマート部門であるが、昨対107.7%と新店が寄与し、好調であった。39週累計では108.3%であるので、好調ではあるが既存店の影響で若干伸び率が低くなったといえよう。サムズクラブ部門は101.2%と伸び率が低く、39週累計では104.6%であるので、やはり10月度は厳しい数字であったといえよう。一方、国際部門は132.1%と好調を維持しており、39週累計が130.4%であるので、この10月度はさらに高い伸び率であり、いまや、国際部門のウォールマート全体への貢献度がますます増してきているといえよう。

  これに対して、既存店に関しては、トータルで100.5%、昨年が104.4%の伸びであり、39週トータルでも102.3%であるので、10月の既存店はハリケーン等の影響もあったかと思うが、厳しい数字であったといえよう。既存店の中身であるが、ウォールマートの既存店は2つに部門が分れ、ウォールマート部門とサムズクラブ部門である。ウォールマート部門は100.3%であり、39週累計が102.2%であり、さらに昨年の39週累計が103.5%であるので、やはり、この10月度は累計と比べても、昨対で見ても落ち込みが大きいのが実態である。逆にサムズクラブは102.0%と検討しているが、39週累計で見ると102.9%、昨年の39週累計が103.6%であるので、やはりウォールマート部門同様、厳しい既存店の数字であるといよう。

  ウォールマートはこの既存店の厳しい結果に対し、その原因を、特に、昨年のハリケーンの影響が大きいとしており、約1.7%程度の影響と見積もっている。特に、ハリケーン後に買い込み需要が長く続いたと見ており、今期の既存店に今後とも影響がでる可能性が高いと判断している。したがって、今期、ウォールマートが高い成長を維持してゆくためには、新店による成長と、既存店の改装が大きなポイントとなる。現在、スーパーセンターを主体にした新規出店が好調であり、さらに、国際部門も好調であるので、全体としては、今期、110%以上の成長は固いと思われる。また、来期に関しても、10/23に公表された2008年度の成長戦略が確実に実行に移されるか否かがウォールマートにとっては大きな成長の鍵を握っているといえよう。その意味で、今後、そして来期のウォールマートの課題は既存店の活性化に絞られてきたといえよう。

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November 4, 2006 in ウォルマート、海外情報 | | Comments (0) | TrackBack (1)

October 08, 2006

ウォールマート、9月度売上速報、111.8%で推移!

  ウォールマートの9月度の売上速報が10/5、公表された。9月度は9/29までの5週間の数字であり、今期、第31週から第35週までの期間である。それによると、全体は111.8%となり、依然として2桁の高い伸び率で推移している。ただ、既存店は101.3%と、9月度は低い成長率となり、これまで102%強で推移していた既存店が101%台となった。これについて、ウォールマートは昨年はハリケーン(台風)の特需があったためであり、10月度は再び102%から104%の間になるだろうという見通しを示している。

  これを受けて、10/5のウォールマートのニューヨーク証券取引所の株価は-1.14ドル(-2.30%)ダウンの48.41ドルで引けた。やはり、既存店の伸び悩みが懸念されたようだ。ただ、ウォールマートの株価は7月、8月と約2ケ月続いた底値を脱し、9月度はほぼ一本調子で上がり続けていた。8月後半は44ドルから45ドル付近であったが、9月に入り、前半には47ドル、中旬には48ドル、そして、後半にはついに50ドルとなり、今期、最高値となる勢いであった。10月に入り、やや、下がり気味となり、現在、49ドル前後でもみ合っているという状況である。次の10月度は、第39週となり、第3四半期の決算も公表されるので、10月度の数字が予想通り、既存店が102%から104%の間に治まるかが注目である。

  ウォールマート全体の数字を細かく見てみると、西友を含む国際部門が132.0%で依然好調であり、35週累計が130.2%であるので、9月度はさらに数字が延びているのが特徴である。国際部門は全体の構成比が23.3%と20%を越え、昨年の19.7%と比べても構成比が上がっており、ウォールマート全体の貢献度がましており、重要な部門となりつつある。前月から韓国、ドイツの数字は撤退したことにより、昨年対比には含めていないという。ついで、スーパーセンター、ディスカウントストアを含むウォールマートストアズ部門であるが、昨対107.9%の伸びである。35週累計では108.4%であるので、既存店の伸びの影響が出ているといえよう。そして、サムズクラブ部門であるが、101.2%と、この部門が35週の累計105.0%と比べても大きく落ち込んでおり、9月度最も厳しかった部門である。ちなみに、サムズクラブ部門の構成比は12.2%、昨年が13.5%であり、年々縮小している部門である。このように、全体としては、国際部門が牽引役となっており、ウォールマート全体を支える重要な部門へとなりつつある。

  一方、9月度は厳しい数字であった既存店であるが、実際の数字を見てみると、サムズクラブ部門の落ち込みが特に大きかったといえる。9月度は101.1%であり、昨年は106.4%と昨年の35週累計の103.5%と比べでも9月度は大きく成長していたことがわかる。ウォールマートのコメントにもあった通り、まさにハリケーンの特需が昨年はあったといえ、今年はもろに反動がサムズクラブ部門に来ているといえよう。ただ、スーパーセンター、ディスカウントストアを含むウォールマートストアズ部門も101.3%と昨年の102.9%と比べると落ち込んでおり、35週累計も102.4%であるので、9月度はサムズクラブ部門ほどではないが、厳しい数字であった。

  以上が9月度のウォールマート売上速報であるが、全体数字が依然として111.8%を維持している背景には、積極的な新規出店が9月度もなされており、主力業態であるスーパーセンターを20店舗以上出店している。また、10/6の日経MJでもこれまでのウォールマート出店の空白区であったシカゴへ1号店出店の記事が載っていたが、今後はウォールマート空白区へも出店が広がる可能性があり、当面、高成長が維持されるものといえよう。特に、シカゴ1号店は日経MJによれば、商圏人口の40%が黒人、ヒスパニック系であり、しかも失業率が40%という厳しい地区であるという。求人400人の募集に15,000人の応募があったということからも、今後のウォールマートの出店戦略の方向性を占う試金石ともなる店舗であるといえよう。

  このように、9月度は既存店が昨年のハリケーン特需との関係で落ち込んだ数字となったが、全体は依然好調を維持しており、新規出店、特にスーパーセンターの出店が旺盛であり、しかも、全米の空白区への対応も着々と進んでおり、次回、10月の売上速報がポイントとなろうが、当面、高成長が続いてゆくといえよう。

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October 8, 2006 in ウォルマート、海外情報 | | Comments (0) | TrackBack (0)

September 16, 2006

ウォールマート、全米でのスーパーセンター、最新出店状況!

  ウォールマートの2006年8月度の売上は112.5%と好調に推移しているが、その牽引役を務めているのはスーパーセンターの新規出店である。8月だけでも、スーパーセンターは新規、業態転換を含め、約20店舗近く出店し、現在、全米に2,097店舗を展開している。ディスカウントストアは現在1,147店舗であり、ほぼ、ダブルスコアとなった。昨年1月はじめてスーパーセンターがディスカウントストアの数を上回り、10年前は全く逆、わずか300店舗程度であったことを思うと、隔世の感である。いかに、急激にウォールマートが体質改善、業態転換を図っているかがわかる。現在、ウォールマートの業態構成比はスーパーセンターが2,097店舗で53.5%、ディスカウントストアが1,147店舗で29.3%、サムズクラブが567店舗で14.5%、そして、ネバーフッドマーケット(食品スーパーマーケット)が107店舗で2.7%の割合であり、店舗数、伸び率からいっても、スーパーセンターの存在感がズシリと重くなったといえる。

  そのスーパーセンターの全米での出店状況であるが、単純に全米50州で割ると、1州40店舗の割合であるが、よく見ると、スーパーセンターが出店していない地区、出店していてもまだまだ数が少ない地区がかなりあるのが実態である。出店0の地区は、アラスカ、ハワイ、ヴァーモントの3州あり、5店舗以下の州も、ニュージャージー、ロードアイランド、マサチューセッツ、コネチカット、デラウェア、ノースダコタと6州あり、0州と合わせると9州、約2割の州はスーパーセンターが0かほとんど出店していない州である。この多くの州がニューヨーク州周辺のアメリカ東部であり、こちらは未開拓の地区といえる。仮に、この州に40店舗近くのスーパーセンターが出店すると、約400店舗増えることになり、まだまだ、全米にはスーパーセンターの出店余地が残っているといえよう。

  逆に、スーパーセンターの出店の多い地区であるが、100店舗以上出店している州は3州であり、テキサス(262店舗)、フロリダ(136店舗)、ジョージア(105店舗)であり、いずれもウォールマート本部のあるアーカンソー州の周辺の州であり、地元をしっかりと固め、スーパーセンターのドミナント展開をはかっている。ちなみに、地元アーカンソー州にはスーパーセンターを62店舗展開している。ついで、スーパーセンターの出店が多い州は15州あり、オハイオ(87店舗)、テネシー(87店舗)、ミズーリー( 81店舗)、ノースカロライナ(81店舗)、アラバマ(77店舗)、ペンシルベニア(71店舗)、インディアナ( 66店舗)、ヴァージニア( 64店舗)、ルイジアナ(63店舗)、アーカンソー(62店舗)、ケンタッキー(60店舗)、オクラホマ(56店舗)、イリノイ(55店舗)、ミシシッピー(55店舗)、サウスカロライナ(50店舗)である。これらも、見事に、アーカンソー周辺の州であり、全米の南部、ニューヨーク州より東部にあたるエリアである。

  意外にスーパーセンターの出店が少ない州は西部地区であり、カリフォルニア(19店舗)、ネバタ(18店舗)、オレゴン(12店舗)、ワシントン(21店舗)、アイダホ(14店舗)、モンタナ(7店舗)、ワイオミング(8店舗)であり、まだまだ、スーパーセンター未開拓の州であるといえよう。

  また、スーパーセンターの出店には必然的に物流センターが伴なうが、ウォールマートは現在、全米に物流センターを129箇所もっており、これをスーパーセンターの店舗数に割り当てると、16店舗となる。すなわち、スーパーセンター16店舗ごとに物流センター1ケ所をつくってゆくことになる。もちろん、すべてがスーパーセンター用の物流センターとは限らず、16店舗はあくまでも目安である。このような観点から見ると、物流センターが0の州が13州もあり、1カ所の州が9州であり、合わせて22州がスーパーセンターを16店舗以上出店するには不十分な州であると考えられる。ちなみに、物流センターの数が最も多い州はテキサスであり、15カ所である。スーパーセンターも最も出店が多く262店舗であり、1物流センター当り、17店舗となる。

  このようにウォールマート、スーパーセンターはウォールマートの中では圧倒的な主力業態となり、全米への出店が本格化しているが、よく見ると、ほとんど出店していない地区が9州、物流センターがまだ1箇所以下の地区が22州あることをみても、まだまだ、スーパーセンターの出店余地は全米には数多く残されているといえ、今後のウォールマートのスーパーセンターを主力業態とした成長は当面続くものといえよう。

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September 16, 2006 in ウォルマート、海外情報 | | Comments (0) | TrackBack (0)

September 06, 2006

ウォールマート、2006年8月度売上速報、昨対112.5%!

  ウォールマートの2006年8月度の売上が8/31公表された。8月度は7/29(土)から8/25(金)までの4週間の売上であり、累計では30週間の売上となる。中間決算が26週であるので、ちょうど、中間決算後のはじめの1ケ月後の売上となる。全体としては好調に売上が推移し、8月度は112.5%であった。30週累計では112.2%であるので、8月度は累計を若干上回った数字であった。この昨対には既に撤退したドイツ、韓国の数字は除いた集計であるという。また、既存店の8月度は102.7%であり、30週累計も同じく102.7%であった。昨年同時期の数字は8月度が103.1%、30週累計が103.4%であるので、若干であるが伸び率が下がったといえる。8月度の数字を受けてウォールマートの9/1の株価は0.73ドル(1.63%)アップの45.45ドルとなり、若干上昇した。8月後半は厳しい株価であったので、今回の8月度の数字に関しては投資家は一定の評価をしたといえよう。

  では、さらに内容を見てみると、まず全体であるが、ウォールマートの売上は3つの部門に分かれている。スーパーセンター、ディスカウントストア、ネバーフッドマーケットを含むウォールマートストアズ部門、サムズクラブ部門、そして、西友を含む国際部門である。ウォールマートストアズ部門は昨対108.1%であった。ウォールマート全体の約65%の売上構成比の部門であり、ウォールマートの中核部門である。30週累計では108.5%であるので、若干伸び率は下がったがほぼ同じ数字といえよう。サムズクラブ部門が全体の売上構成比が約12%であり、昨対は104.2%であった。30週累計では105.7%であるので、やや伸び率が8月は下がったといえよう。そして、国際部門であるが、全体の売上構成比は約25%の部門であり、今回ドイツ、韓国からの撤退はあったが、以前として急成長部門であり、8月度は134.3%とウォールマート全体を引っ張っているといえよう。30週累計では129.9%であるので、8月度はさらに伸び率が高くなった部門である。 

  一方、既存店については、部門は2つに分かれており、スーパーセンターとディスカウントストア、ネバーフッドマーケットを含むウォールマートストアズ部門とサムズクラブ部門である。ウォールマートストアズ部門の8月度は102.5%であった。昨年同時期が102.9%であるので、若干下がったがほぼ同じ伸び率といえよう。30週累計では102.6%であり、昨年同時期は103.6%であったので、1ポイント累計では下がったといえる。サムズクラブに関しては8月度は103.4%、昨年同時期は103.7%であるので、ほぼ昨年並みの伸び率であった。30週累計では103.4%と同じであり、昨年同時期は102.8%であるので、昨年よりも伸び率はアップしている。

  このように、ウォールマートの8月度は全体としては112.5%と依然として高い成長率を維持しているといえるが、既存店が少し、下がりぎみであるところが気になるところだ。そして、この全体の高い成長を支えているのはスーパーセンターの新規出店であり、最近ではオーガニック食品も強化し、8月度も高水準で出店している。

 そのスーパーセンターの最新店舗であるが、8/30にワイオミング州に新規オープンした。ワイオミング州はまだスーパーセンターの出店が少なく、今回の新店を含め8店舗である。スーパーセンター以外にはディスカウントストア1店舗、サムズクラブ2店舗と全米の中ではまだまだスーパーセンターの出店が少ない州である。店舗面積は約5500坪の最新店舗である。同じく、8/30にはオレゴン州にディスカウントストアの業態転換のスーパーセンターがオープンした。オレゴン州もまだまだスーパーセンターは少なく、12店舗目である。スーパーセンター以外にはディスカウントストアが17店舗とこの州はディスカウントストアの方が多く、今回のように、ウォールマートはディスカウントストアからの業態転換も積極的である。さらに、8/30、カルフォルニア州にスーパーセンターがオープンしている。カルフォルニア州もディスカウントストアがまだ多い地域であり、144店舗展開している。今回の新店でスーパーセンターは19店舗目であり、今後、カルフォルニア州ではスーパーセンターの出店がさらに加速されるものと思う。これ以外にも8月度は8/16にフロリダ州に136店舗目のスーパーセンターを新規オープンするなど、8月だけで約20店舗のスーパーセンターを新規、ないしは業態転換して、オープンしている。

  当面、ウォールマートはスーパーセンターを軸に新規出店を加速させるとともに、ディスカウントストアの業態転換も積極的にすすめ、現状の110%以上の成長は維持してゆくものといえよう。上記を見ても明らかなようにまだまだ全米にスーパーセンターの出店余地はあり、今後数年間はスーパーセンターの時代が続きそうである。

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September 6, 2006 in ウォルマート、海外情報 | | Comments (0) | TrackBack (0)

August 25, 2006

オーガニック食品スーパー、ホールフーズマーケット!

  前回のブログでウォールマートのオーガニック食品への本格的な取り組みについて取り上げたので、今回は、オーガニック食品のスーパーマーケットの本家本元のホールフーズマーケットについて見てみたい。ホールフーズマーケットは現在全米、一部カナダとイギリスに合計約180店舗を展開する、彼ら自身、leading retailer of natural and organic foods(自然およびオーガニック食品を販売するリーティング企業)といっているように、自然食品とオーガニック食品専門の食品スーパーマーケットである。日本のイメージでいうと紀ノ国屋が近いといえよう。企業の成長率もこの5年間平均120%の成長をつづけており、急成長企業である。年商は2005年9月期で47.01億ドル(約5,500億円)であるので、1店舗当り平均30億円、1日800万円強という食品スーパーマーケットである。店舗面積は平均約1,000坪弱である。ただ、標準化されているわけではなく、2,000坪の店舗もあれば、500坪の店舗もあり、ロンドンの店舗は都市型であり、100坪の店がほとんどである。

  ここ最近の急激な成長といい、店舗面積の各店のバラツキといい、標準化ができていないのはM&Aで成長している面が大きいからである。全米のオーガニック市場は成長しているとはいえ、パイは限られており、いかに速く市場を制せられるかがポイントであり、ホールフーズマーケットは現在あらゆる手段を使って、まず市場シェアの確保を優先しているといえよう。ただ、現在は新規出店およびM&Aによる市場シェア獲得が経営の最優先課題ではあるが、既存店の売上も順調であり、やはり、この5年間の数字を見ると、ほぼ平均110%と安定した高い伸びを示している。現在、ウォールマートの既存店は100%強と以前と比べ落ち気味であることと比較すると、オーガニック市場はまだまだアメリカでは成長市場であるといえよう。ウォールマートが本格的にスーパーセンターでオーガニック食品を強化しはじめたことも納得できる。しかも、ホールフーズマーケットの粗利が一般の食品スーパーマーケットと比べて格段に高く、約35%という粗利率である。

  直近の数字、この7月に公開されたホールフーズマーケットの第3四半期の決算数字を見てみると、売上13.3億ドル(約1500億円:昨対118.1%)、粗利4.7億ドル(約540億円:売上対比35.3%)、税引き後利益0.5億ドル(約57億円:売上対比3.7%)であり、通常の食品スーパーマーケットと比べても粗利率が極めて高い業態であることがわかる。ちなみに税前利益は0.9億ドル(約103億円:売上対比6.7%)であるので、収益性も高い業態といえよう。ただ、ちょっと気になるのは、8月に入り株価が急落したことである。これまで65ドル前後で推移していた株価が、7月以降、徐々に下がり、8月に入り、大量の売りがでて、50ドルまで下げた。その後、少し買い戻す動きはあるが8/23現在、52.64ドルと低値が続いている。

  では、ホールフーズマーケットの主な自然およびオーガニック食品とは具体的にどのような商品かをみてみたい。たとえば、りんごは数10種類のリンゴが年間産地をかえながら展開されてゆくが、日本のフジ、サンフジも季節によってはしっかり品揃えされる。また、パスタのコーナーにはソバやうどんも品揃えされ、日本の商品もしっかり品揃えに取り入れられている。また、最近、ホールフーズマーケットが最も力を入れているのがアボガドであり、アボガドについては、以下のように詳細に商品紹介がなされている。

  アボガドの説明成分表示
    レシピ1:アボガドサルサ、レシピ2:アボガドサラダ、レシピ3:アボガドスープ・・

というように、ほぼ上記のような形でオーガニック商品を次々に紹介しているのが特徴である。商品分類も、グロサリー、畜産、デリ、農産、水産、ボディケア、ワインと分類され、その詳細が紹介されている。

  このようにホールフーズマーケットは最近の株価が気になるが、現在、急成長をつづける全米注目のオーガニック食品専門の食品スーパーマーケットである。今後、この高成長がどこまでつづくかが読みにくいところであるが、現時点では毎年約15店舗の新店をつくり、既存店を10%伸ばし、成長軌道に乗っており、オーガニック市場は拡大しているとみてよさそうである。ウォールマートと同様、ホールフーズマーケットの動きにも注目してゆきたい。

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August 25, 2006 in ウォルマート、海外情報 | | Comments (0) | TrackBack (2)

August 24, 2006

ウォールマート、オーガニック商品を本格的に強化!

  8/21、ウォールマートが今後のオーガニック商品への取組みに関しての内要を公表した。以前からウォールマートではオーガニック商品を取り扱ってはいたが、認知度が低く、充分な効果を出していなかったとのことで、ここへきて、本格的にオーガニック商品のキャンペーンをはじめるとのことである。ウォールマートでは今回のオーガニック商品のキャンペーンには自信をもっており、競合企業と比べても充分ベターな価格であり、しかも、スーパーセンター、ネバーフッドマーケット等で、オーガニック商品を購入できれば、ワンストップショッピング性も高まり、ガソリンが高騰している中、節約にも役立つということである。

  オーガニック商品に関しては、特に、この3/22にオープンしたテキサス州プラノのアップスケール型のスーパーセンターで本格的な品揃えへを実現し、様々な試みがなされた。そして、その流れを受け、今回、オーガニック商品を明確にし、各店で展開してゆくという。オーガニック商品には顧客が一目で見てわかるようにグリーンの棚札が貼られ、わかりやすくするという。ちなみに、スーパーセンター、プラノ店は、ウォールマートも自らSelective female Shopperを意識したといっているように、高額所得者向けのアップスケールの試みが数多く取り入れられている。特に、これまで、スーパーセンターでは取り扱ってこなかった2,000品目にもおよぶプレミア商品、たとえば、オーガニック商品を含むワイン、グロサリー、肉、チーズ、青果などである。ワインだけでも1,200種類を越え、この中に700のプレミアワインがあるという。高級チーズ、オーダーメードのサンドイッチ、ホットピザ、そして寿司バーもあるという。また、レジについても全25台の内、8台が特急レジで、8台がセルフレジであり、レジにもこだわっている。また、レイアウトの中でもペットフードとヘルス&ビューティーケアを雑貨コーナーから分離し、グロサリーと一緒にコーナー化する試みも行ったという。
 
  ウォールマートは今回のオーガニック商品の強化により、顧客にこれまでよりも安全、健康、そして環境によい商品を提供でき、顧客に商品選択の幅を広げられるものと自信を深めているようだ。特に、全米のオーガニック商品の基準であるUSDA基準を徹底的に遵守とのことである。また、現在でも全米でNo.1の農産物の購入者であり、今回のオーガニック商品をウォールマートが本格的に取り組むことにより、地域の地場の農業関係者からも直接仕入れが可能となり、地域社会との関係もよくなり、オーガニック商品の物流コストも下がり、結果として顧客に利益がもたらされると、ウォールマートは見ている。

  では、実際、どのようなオーガニック商品を現在ウォールマートのスーパーセンター、ネバーフッドマーケットで取り扱っているのかを実際の売場写真で見てみたい。この売場写真はウォールマート自らが公表しているもので、本ブログでは直接、ウォールマートの公開写真にリンクを貼ったので、クリックして確認してみて欲しい。
   ・オーガニック-野菜、果物:りんごとオレンジレタス
   ・オーガニック-デリ、日配:サラダパン豆乳牛乳チーズ
   ・オーガニック-食品:アイスクリームシリアル調味料ベビーフード
   ・オーガニック-衣料:子供服

  このように、ウォールマートがこの8月から上記のような商品をコーナー化し、グリーンの棚札で他の商品と区別し、オーガニック商品の強化に入った。アメリカでは現在、オーガニックをコンセプトにした、ホールフーズマーケットが強い支持を受け、店舗網を広げているが、ウォールマートも多分にこの市場を意識した今回のオーガニック商品強化の試みであろう。日本でも中々育成が難しい商品群であるが、今後のウォールマートの展開に注目したい。

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August 24, 2006 in ウォルマート、海外情報 | | Comments (2) | TrackBack (0)

August 17, 2006

ウォールマート、第2四半期、中間決算を公表、株価は冷静!

  8/15、ウォールマートの第2四半期の決算が公表された。ウォールマートは2/1から1/31までが会計年度であるので、8/15に公表した第2四半期決算は5/1から7/31までの3ケ月間の決算数値である。8/15のニューヨーク証券取引所のウォールマートの株価は前日比55セントダウン(-1.22%)の44.55ドルで引けた。取引高は1,858万株であり、通常よりも若干多めの取引高であったが、大きな変化はなく、今回の第2四半期の決算結果を投資家は売りとも、買いとも判断つきかねているような静かな反応といえよう。ウォールマートの株価は7/18に一時42.76ドルまで下がり、昨年の9月以来の底値をつけたが、その後、徐々に株価は上がり続け、ここ1週間45ドル付近でもみあっている。この8/15の第2四半期決算の日の株価も44.55ドルであり、現在45ドルが攻防戦といえよう。

  では、ウォールマートの第2四半期の決算はどのような数字であったかというと、8/15の日経でも報じられていたが、実は、ウォールマートの観点と日経の観点は微妙な違いがある。日経では売上を854.3億ドル(約9兆9千億円)と報じていたが、ウォールマートは845.2億ドルと報じており、どの売上でこの第2四半期決算を判断するかが分かれた。ウォールマートは純売上を見ており、日経はその他の売上を足した全売上を見ている。売上の伸び率はどちらも11.3%であるので前期対比は同じである。そして、日経ではすぐに純利益26%減と記事をつなげ、ドイツ事業の売却に伴なう損失が響き、10年ぶりの減益を強調している。これに対し、ウォールマートは日本でいう営業利益に言及し、営業利益が29.8億ドル(約3,500億円)と前期の285.3億ドルに比べ4.6%増加したと、むしろプラス面を強調しているのが特徴である。そして、損失について言及し、韓国とドイツで企業売却を行い、ドイツで8.6億ドルの損失を出した事実を述べて、第2四半期の数字を淡々と説明している。日経とは対照的な見方であり、ウォールマートは売上も利益も営業に徹した営業数字の評価をしているのに対し、日経は営業外の損失等を含むトータルな売上、利益の評価をしているのが特徴である。したがって、日経の見出しは「ウォールマート26%減益、四半期で10年ぶり」となるが、ウォールマートはCEOのリー・スコット氏がコメントしているように、「営業面ではこの第2四半期は売上、利益ともに上がった・・」とアップしたことを強調するという、正反対の見方となる。株価を見る限りでは、投資家はドイツでの損失をあまり、重視していないようだ。

  日経の記事はこの第2四半期のみであるが、ウォールマートはこの後、すぐに、中間決算に言及する。中間決算でも、見方は同様であり、売上は純売上であり、1633.5億ドル(18.8兆円)の売上となり、前期比111.9%であった。利益についても、四半期と同様に損失等を含まない営業面での利益であり、56.4億ドル(約6,500億円)であり、前期比105.2%であった。ちなみに、中間決算の最終利益は46.9億ドルとなり、前期の52.6億ドルと比べると89.1%と、10.8%の減益であった。

  また、事業別の利益については、これも、ウォールマートは営業面に焦点を当てた利益で公表しているが、スーパーセンターとディスカウントストアは第2四半期は104.2%の増益、中間決算では111.6%の増益であった。サムズクラブについては第2四半期108.4%の増益、中間決算では108.1%の増益、そして、西友を含む国際部門では第2四半期124.8%の増益、中間決算では115.5%の増益であった。

  このように、ウォールマートの第2四半期決算も中間決算も営業面での純売上、営業利益に関しては増収増益であったといえる。ただ、ドイツ事業の損失がこの第2四半期では最終利益には響いており、第2四半期で約26%、中間決算で約10%の最終利益の減益といえよう。

  今回、たまたま、日経の記事とウォールマートの発表と同時に内容を見ることができた。日経は全体売上、経常利益でウォールマートを評価したのに対し、ウォールマートは徹底的に純売上、営業利益で全体も個々の事業も評価しており、同じ決算資料でも見方により評価が正反対となった。小売業を評価する場合はやはり、本業の営業面に絞った見方が第1優先であり、それを前提として、その他の売上、収益、損失等を加味した方がよいように思う。今回のウォールマートの第2四半期決算、中間決算はこのような観点から見ると、まずまずの評価といえよう。

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August 17, 2006 in ウォルマート、海外情報 | | Comments (1) | TrackBack (0)

August 13, 2006

ウォールマート、2006年7月度、112.5%で好調をキープ!

  ウォールマートの2006年7月度の売上速報が公表された。7月度は7/1(土)から7/28(金)までの4週間の集計である。基本的にアメリカの小売業の売上の集計は週別であり、月の場合は4週か5週で集計を出し、13週(4週+4週+5週)で四半期を集計し、そして、52週で1年を集計するのが通常である。その方が、週ごとの昨年対比の比較が明確であり、週末のずれがおこらず精度の高い昨年対比が算出できる。今回、7月度は4週間の集計であるが、昨年対比では112.5%であった。既存店は102.4%とやや苦戦した売上であった。特に、この次期は、アメリカでは学校がはじまる次期も近く、スクール用品が売上に貢献したという。特に、クレヨン、鉛筆、ノートなどが好調であったという。

  昨年対比112.5%の内訳であるが、最も伸びた部門は、ここ数ケ月同じ傾向であるが、国際部門の130.8%である。すでに、サムズクラブを抜き、ウォールマートの中でも重要な部門となった。売上構成比は23.5%であり、金額では60.4億ドル(約7,000億円)である。この中にはもちろん連結となった西友、ウォールマート中央アメリカ、吸収合併した南ブラジルが含まれる。ついで伸びた部門はスーパーセンターとディスカウントストアであり、108.4%である。全体との構成比64.5%であり、金額は165.4億ドル(約2兆円弱)である。そして、もうひとつの部門がサムズクラブであるが、こちらも105.0%の伸びであり、金額では30.7億ドル(約3,500億円)、全体との構成比は12.0%である。ウォールマートは今月で26週目、半期となるが、半期累計では111.9%であるので、この7月度は伸び率が高かっかたといえる。

  既存店については102.4と昨年同時期の104.4%と比べると、やや苦戦した売上であった。26週累計でも102.7と昨年同時期の103.5%と比べてもやはり、やや苦戦しており、さすがのウォールマートも既存店に関してはこれまでの高い伸びをキープするのは厳しいといえる。既存店の内訳であるが、スーパーセンターとディスカウントストアが102.3%、昨年は104.5%であり、サムズクラブが103.1%、昨年が103.7%とスーパーセンターとディスカウントストアの方が伸び悩んだといえる。ただ、サムズクラブには石油高騰の影響によるガソリンの売上が特に貢献し、既存店の売上を押上げているという。

  ウォールマートの7月度の新規出店および既存店の移転、増床店舗は、合計32店舗であり、これが、特に全体の売上に大きく貢献したといえる。現在、ウォールマートの主力業態であるスーパーセンターは13店舗の新店と12店舗の移転および増床の計25店舗のスーパーセンターの実質上の出店であった。32店舗のうちの25店舗約80%がスーパーセンターへの新規投資であり、いかにスーパーセンターがウォールマートの主力業態としての地位を獲得したかがわかる。ついで、3店舗のサムズクラブ、1店舗が新規出店、2店舗が移転増床である。3店舗のネバーフッドマーケット(食品スーパーマーケット)、そして、1店舗のディスカウントストアである。

  また、現在のウォールマートの株価であるが、45ドル近辺でもみ合っている状況である。ウォールマートの株価は6月度は49ドル近辺で高値であったが、7月に入り下げはじめ、7月中旬には一時43ドルまで下がった。しかし、その後、やや持ち直し、現在の45ドル付近まで上昇している。来週にはウォールマートの中間決算の公表が予定されているが、収益がどの程度になるかが当面の株価の動きを決めるものといえよう。

  このように、ウォールマートの7月度の売上は全体としては好調であるが、既存店はやや伸び悩んでいるといえる。また、スーパーセンターの出店はあいかわらず好調であり、当面、ウォールマートはスーパーセンター主体に全体の売上を伸ばしてゆくものといえるが、今後の課題は既存店をいかに活性化してゆくかも大きなテーマである。

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August 13, 2006 in ウォルマート、海外情報 | | Comments (0) | TrackBack (1)

July 28, 2006

ウォールマート新店情報、2006年7月度!

  ウォールマートの新店が7月度も順調にオープンしている。7/26現在、スーパーセンターが22店舗、ディスカウントストア2店舗、サムズクラブ1店舗、そして、食品スーパーマーケットであるネバーフッドマーケットが3店舗と合計28店舗をこの7月にオープンさせた。依然、スーパーセンターの出店が好調であり、まだまだ全米には出店余地があるといえ、今後の旺盛な出店がつづくものと思う。また、7月度は、食品スーパーマーケットであるネバーフッドマーケットも3店舗出店しており、ウォールマートが最近力をいれはじめたオーガニック、自然食品等の品揃えも強化され、アップスケール型の食品スーパーマーケットを模索し始めたといえよう。本ブログでは、最新店舗のネバーフッドマーケットとスーパーセンターの現状を取り上げてみる。

  7/18、ウォールマートの食品スーパーマーケット、ネバーフッドマーケットがフロリダ州のオーランドにオープンした。24時間オープンの食品スーパーマーケットであり、最近、ウォールマートも取り組み始めたオーガニックと自然食品も充実させたという。主な商品としては、コーヒー、紅茶、パスタ、ビーナッツバター、ソース、チーズ、リンゴ、オレンジ、キウイ、ハーブ、ジャガイモ、苺などであるという。売場面積は約1000坪であり、取扱い商品はグロサリー、ベイカリー、冷凍食品、畜産、日配、農産、そして、惣菜、飲料である。これらの食品群に加え、酒、ペットフード、雑貨等も取り扱ったという。また、レジは12台であるが、6台はセルフレジを導入したという。アメリカでもセルフレジが定着しつつあるといえよう。また、最近、ネバーフッドマーケットで力を入れている新しい売場、Grab-It-And-Go(つかんでGO)、というコーヒーとドーナッツなどの軽食がすぐに買える売り場を店頭に置いてコンビニエンス性を強化したという。また、コンビニエンス性の強化に関しては、このコーナー以外にも30分で写真が仕上がり、買い物がてらに現像写真を受け取れるミニラボの導入、ドライブスルーのドラック売場も併設されているのが特徴である。今回のネバーフッドマーケットのオープンにより、フロリダ州におけるウォールマートグループの店舗は、スーパーセンターが136店、ディスカウントストア46店、ネバーフッドマーケット10店、サムズクラブ39店、そして、物流センター6ケ所になるという。

  一方、スーパーセンター最新店舗は、7/14、オークランド州のオクラホマシティにオープンした。これまでのスーパーセンターよりも通路幅を広くとり、ディスプレイを充実させ、床もコンクリートと木製にするなどハード面の充実もはかったという。また、マーチャンダイジングにも改善を行い、現在36の部門に分け、アパレル、アクセサリー、宝石、園芸、健康・衛生、家電などの部門として展開されているが、今回の新店にはこれらに加え、ベイカリー、デリカ、冷凍食品・冷凍肉、デイリー食品、ビール、カー用品、レストラン、写真、薬局、ヘアーサロン、ガソリン、携帯電話なども展開されるという。さらに、写真館、病院、ガソリンスタンド、銀行も併設されるという。ちょうど日本のNSC(近隣型ショッピングセンター)の各業種が付け加わるイメージであり、スーパーセンターを補完する業種の強化といえよう。店舗面積は約5500坪であり、日本のPLANTの最大規模、PLANT6とほぼ同じ面積といえる。24時間オープンであり、レジ台数は通常の20台に加え、エクスプレスレジが8台増設されているという。ちなみに、オークランド州のウォールマートグループは、今回の新店がプラスされ、スーパーセンターが54店、ディスカウントストア28店、ネバーフッドマーケット15店、サムズクラブ8店、そして、物流センター2ケ所になるという。

  このようにウォールマートの最新店舗の食品スーパーマーケットであるネバーフッドマーケットはオーガニックと自然食品の強化によるアップスケールとコンビニエンス性を強化しはじめたのが特徴である。また、最新のスーパーセンターはNSC型になりつつあり、既存のマーチャンダイジングの領域を広げる一方、新業態を併設し、スーパーセンターを補完する動きが打ち出されつつあるといえる。ウォールマートの既存店はやや成長に陰りが見られるが、新店に関しては絶好調であり、ウォールマート全体の成長は今期も好調が続くといえよう。

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July 28, 2006 in ウォルマート、海外情報 | | Comments (0) | TrackBack (1)

July 10, 2006

ウォールマート2006年6月度110.4%、既存店は101.2%!

  ウォールマートの2006年6月度の売上速報が公表された。それによると、全店の売上は110.4%と順調な伸び率であったが、既存店の売上が101.2%と伸び悩んだ。既存店の売上は22週累計では102.7%、昨年は104.7%の伸びであったので、6月度の既存店は厳しいものがあったといえよう。6月度の売上集計は、先月度が4週間であったため、今月度は5週間の集計である。アメリカでは一般的に、年間を13週づつ4つに分け、四半期決算を行い、その13週を、4週、4週、5週で月別の集計を行うのが通常である。したがって、6月度は、第1四半期の13週に加え、5月度の4週、6月度の5週がたされ、累計では22週累計となる。

  さて、全店110.4%の中身であるが、インターナショナル部門が129.5%と大きく貢献し、ウォールマート全体の数字を押上げたことが大きかった。この部門には、今年から連結決算となった日本の西友に加え、ウォールマート中央アメリカ、南ブラジルが入る。22週累計では126.3%であるので、6月度はさらに数字が伸びた部門であった。

  一方、ウォールマート本体であるスーパーセンターとディスカウントストア合計は106.1%と順調な数字であったといえよう。ただし、22週累計では108.6%であるので、若干ではあるが伸び率が落ちたといえる。これはサムズホールセールクラブも同様な傾向であり、6月度は104.0%であり、22週累計では106.1%であったので、やはり若干伸び率がダウンしたといえよう。

  売上金額全体では331億ドル(約3.7兆円)であり、昨年と比べ30億ドル(3500億円弱)の売上高のアップである。日本の食品スーパーマーケットのトップクラスのイズミ、平和堂、ライフ等の年商に匹敵するプラス分であるので、いかに巨額な数字かがわかる。また、年商に換算すると30兆円を優に越える数字であり、日本の全小売業の中でNo.1のイオンの年商約4兆円の約10倍弱であり、年商でみるとさらに巨額な売上であるかがわかる。また、この3部門の売上構成比であるが、ウォールマート本体のスーパーセンターとディスカウントストアが64.8%であり、圧倒的なウォールマートの主力部門であることがわかる。ついで、22.9%のインターナショナル部門であり、残りがサムズホールセールクラブ部門の12.2%である。インターナショナル部門が構成比でも伸び率でも、ウォールマートへの貢献度が増しているのがわかる。

  既存店については、全体では101.2%であり、昨年同時期が104.7%、22週累計が102.7%であるので、6月度はやはり、既存店は厳しい月であったといえる。ウォールマートの主力部門、スーパーセンターとディスカウントストアは101.1%、サムズホールセールクラブは101.3%とほぼどちらの部門も伸び率は低く、全体同様、前年同期比、22週累計ともに低い伸び率であった。

  これらの数字を支えた6月度のウォールマートの新店であるが、やはり、圧倒的にスーパーセンターの新規出店が多く、18店舗をオープンしている。スーパーセンター以外はディスカウントストア1店舗、サムズホールセールクラブ1店舗であるので、いかに、スーパーセンターがウォールマートの主力業態であるかがわかる。また、このうち、数店舗はディスカウントストアからの業態転換であり、スーパーセンターは新店のオープンだけでなく、ディスカウントストアからの業態転換もあり、店舗数が加速して増えているといえる。

  このように、6月度のウォールマートは全体としては、積極的なスーパーセンターの新規出店に加え、インターナショナル部門が牽引し、依然として高い成長性を維持しているが、既存店がここへきて厳しい状況であることが気がかりである。次月度以降の既存店の動向が今後とも高い成長性を維持できるかいなかの鍵となろう。

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July 10, 2006 in ウォルマート、海外情報 | | Comments (0) | TrackBack (0)

June 10, 2006

ウォールマートの出店戦略を見る、2006年度前半!

  全米おいてウォールマートのスーパーセンターの店舗数がディスカウントストアを越えたのは2005年1月度であった。この時、前年の2004年1月度のスーパーセンターの店舗数が1471店舗、ディスカウントストアの店舗数が1478店舗であり、わずか7店舗の差であった。それが2005年1月度になるとスーパーセンターの店舗数が1713店舗となり、ディスカウントストアの店舗数が1353店舗とスクラップ、あるいはスーパーセンターへの業態転換により減少し、この年を境にウォールマートの主力業態はスーパーセンターへと入れ替わった。そして、2006年1月度はその差がさらに開き、スーパーセンターの店舗数が1980店舗、ディスカウントストアの店舗数が1209店舗となる。ウォールマートの成長戦略の柱は完全にスーパーセンターに切り替わったといえる。

  いまから10年前の1996年にはスーパーセンターはわずか239店舗であった。これが、344、441、564、721、888、1066、1258、1471、1713、1980店舗とこの10年間で驚異的な成長を遂げたといえる。一方、ディスカウントストアは、1996年には1995店舗であり、この時の主力業態は圧倒的にディスカウントストアであった。それが、その後、1960、1921、1869、1801、1736、1647、1568、1478、1353、1209店舗と毎年毎年スクラップを続け、10年前の約60%となり、主力業態の座をスーパーセンターに明け渡した。このような激しい業態転換がこの10年で起っていたにもかかわらず、ウォールマート全体の成長率は当初の115%という急成長率を除くと、ほぼ毎年平均110%の成長率で、今日まで推移している。これほど見事に企業全体のバランスを崩さずに、主力フォーマットの業態転換をわずか10年で、年商20兆円以上の規模で成し遂げたことはすごいの一語である。

  ただ、全世界でのスーパーセンターの店舗数は2396店舗と現段階ではディスカウントストアの店舗数の2640店舗と、わずかではあるが、まだ少ない状況であり、全世界でスーパーセンターがウォールマートの主力業態となるのは2007年1月度、今期であろう。また、全米でみた場合、出店0の州が、アラスカ州、ハワイ州、ヴァーモント州と3州あり、さらに1桁台の州がこの3州を除き10州もあるので、スーパーセンターの成長はまだまだ数年は続くものと思う。

  では、今年に入っての全米でのスーパーセンターの出店状況はどうであろうか。まず、1月であるが、1/23には18店舗を同時オープン、1/27には20店舗を同時オープン、そして、1/31には13店舗を同時オープンし、1月だけで41店舗のスーパーセンターをオープンしている。これは、決算が1月31日であるため、駆け込み出店といってもよい怒涛の出店であったといえる。その後は出店ペースも落ち着き、2月は2/1の6店舗の同時オープンのみであった。そして3月、記念すべき2000店舗目のスーパーセンターの新店が3/22、カルフォルニアのビューモントにオープンする。3月はこの店舗を含め3/22に5店舗同時オープンのみであった。4月は4/5に1店舗、4/19に5店舗の同時オープン、4/26に3店舗の同時オープンと合計8店舗をオープンした。5月は5/3に1店舗、5/10に1店舗の2店舗のみであり、総計、1月からは60店舗強の新店オープンである。ちなみに、ディスカウントストアはわずか4店舗、サムズホールセールクラブは3店舗、ネーバーフッドマーケット(食品スーパーマーケット)は2店舗であり、いかに、スーパーセンターの出店がメインであるかがわかる。

  このように、ウォールマートは全米では完全にスーパーセンターが主力業態となり、不動の地位を確立しつつある。また、出店余力のある州が10州以上あることに加え、海外ではスーパーセンターはまだまだ主力業態ではなく、今後の成長業態といえ、スーパーセンターを中心としたウォールマートの成長戦略は当面続くものといえよう。ただし、スーパーセンターにつぐ次世代の成長業態といわれるネバーフッドマーケット(食品スーパーマーケット)がまだ育成状態であり、今後のウォールマートの成長の鍵を握っているといえる。その意味でも西友の食品スーパーマーケットの活性化が成功するか否かは今後のウォールマートにとっても大きな意味をもつものといえよう。

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June 10, 2006 in ウォルマート、海外情報 | | Comments (0) | TrackBack (0)

June 08, 2006

ウォールマート、5月度も順調に推移、昨対112.2%!

  ウォールマートの2006年5月度の数字が明らかになった。それによると、全体は112.2%、17週累計では112.2%と順調に売上が推移している。既存店は102.3%、17週累計では103.3%であり、既存店も100%を越え、順調といえよう。また、昨年に比べ、5月度は28億ドル(約3,000億円)、17週累計では117億ドル(約1兆3,000億円)の売上金額がプラスになったという。すでに、今期1兆円のプラスオンの売上高である。日本の売上速報では、売上伸び率を最優先で公表するが、ウォールマートは、このように売上伸び高を最優先で公表し、この数字が重要数字であることを示している。今月約3,000億円のプラスということは、日本の食品スーパーマーケットではちょうどマルエツの年商に当り、いかに、ウォールマートの数字が巨額であるかがわかる。毎月毎月、マルエツがまるまる増えてゆくイメージである。

  さて、5月度の詳細であるが、最も伸び率の高かったのは国際部門であり、131.0%であった。17週累計では125.3%であるので、国際部門のウォールマートへの貢献度が高くなりつつある。この国際部部門には日本の西友、ウォールマート中央アメリカ、吸収合併した南ブラジルの数字が大きく貢献しているという。金額では約60億ドル(約6,500億円)と全体の約20%強、サムズホールセールクラブの約2倍となり、ウォールマート本体につぐNo.2の部門となり、貢献度がぐっと重くなりつつある。ウォールマート全体の構成比はディスカウントとスーパーセンターが約70%、国際部門が約20%、サムズホールセールクラブが約10%であり、成長率では国際部門が断トツトップである。

  ついで、伸び率が高かった部門はウォールマート本体、ディスカウントストアとスーパーセンターである。昨対107.7%であり、17週累計では109.4%と若干成長率は落ちたが、依然として高い伸び率である。既存店も102.0%と昨対を越えたが、17週累計では103.1%やや成長率が下がった。そして、サムズホールセールクラブであるが、昨対107.1%であり、17週累計では106.7%と5月度は高い伸びを示している。特に、既存店が絶好調であり、104.0%であり、17週累計も104.2%とここのところ絶好調である。これは、特に、世界的な原油高により、サムズホールセールクラブに併設しているガソリンスタンドの売上が好調であり、既存店の売上の数字を大きく押上げているという。ここしばらくは、このような数字が続くものと思う。

  一方、ウォールマートの新店であるが、5月度のスーパーセンターの出店はやや少なく2店舗であり、5/3のカルフォルニア州のデニューバ、5/10のアイオア州のグリンネルである。ディスカウントストアは1月以降新店はなく、5月度も0である。スーパーセンターが今年に入り既に約70店舗の新店を出しているの対し、ディスカウントストアはわずか2店舗であり、いかにスーパーセンターがウォールマートの柱となったかがわかる。また、サムズホールセールクラブについては5月度は2店舗、ネイバーフッドマーケット(食品スーパーマーケット)については5月度は0店舗と、食品スーパーマーケットもまだ軌道に乗っているとはいえない状況である。ウォールマートの柱は明確にスーパーセンターとなったといえよう。

  これを受け、ウォールマートの株価は5月に入り、4月度の46ドル付近から上昇に転じ、ほぼ5月一杯値をあげつづけ、一時は50ドルを越えた。しかし、6月に入り、値を下げ、現在は47ドル近辺で推移している。全体としては順調な数字であるが、スーパーセンターの出店ペースがややにぶり、また、既存店の伸びもややにぶったことが原因かと思われる。

  今後、スーパーセンターの新規出店がどのように推移するかがウォールマートの成長の大きな鍵を握っているが、逆にいえば、スーパーセンターに依存しすぎる経営体制ともいえ、次の業態開発が当面の課題といえよう。

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June 8, 2006 in ウォルマート、海外情報 | | Comments (0) | TrackBack (1)

May 18, 2006

全米、食品スーパーマーケット、ランキング2006年度!

  日本、同様、アメリカでも2006年度の小売業の決算がほぼ出揃い、食品スーパーマーケットのランキングがアメリカのスーパーマーケットニュースで公表された。食品スーパーマーケットといっても、厳密な食品スーパーマーケットからスーパーセンター、ホールセール(業務スーパー)等、食料品を扱う小売業を含めてのランキングであり、やはり、No.1はウォールマートである。ウォールマートの決算数字は約35兆円であるが、その半分が食品の売上という。したがって、食品だけの売上金額は約17兆円となる。2位はクローガーであるが、クローガーの決算数字は約6.6兆円であるので、ウォールマートはアメリカで圧倒的に食品市場を制し、2位以下に大差をつけ、さらにその差をひろげつつあるといえる。

  さて、まず、2006年度の食品スーパーマーケットのベスト5であるが、1位はウォールマート(約17兆円)、2位はクローガー(約6.6兆円)、3位はコストコ(約5.7兆円)、4位はアルバートソンズ(4.5兆円)、そして、5位がセイフェイ(4.2兆円)である。この中には純粋な食品スーパーマーケットがクローガー、アルバートソンズ、セイフウェイの3社であり、食品スーパーマーケットだけでみた場合は、クローガーが全米No.1=世界No.1の食品スーパーマーケットといってよいかと思う。食品スーパーマーケットの2位、3位のアルバートソンズ、セイフェイは肉薄しており、ほぼ同じ売上である。食品スーパーマーケット以外では2000店舗を越えるスーパーセンターを展開するウォールマートと業務用食品を433店舗展開するコストコが上位に来ている。ただし、コストコも純粋に食品の売上だけをみると全体の約60%といい、金額では3.4兆円となるので、食品だけで見るとクローガー、セイフウェイの方が売上が大きいといえる。

  次に、6位から10位を見てみると、6位はロブロー(約2.6兆円)である。この企業はカナダを中心に北米に展開する共同組合658店舗とフランチャイズ400店舗の合計1058店舗を展開する食品スーパーマーケットである。7位はアホールド(2.4兆円)、8位はパブリックス(2.2兆円)、9位はスーパーヴァリュー(2.1兆円)、そして、10位はデルファイズ・アメリカ(1.8兆円)である。この中で、純粋なアメリカの食品スーパーマーケットはパブリリックスとデルファイズ・アメリカといえよう。パブリックスは875店舗を展開し、デルファイ・アメリカはフードライオン1223店舗を核にその他を合わせ1542店舗を展開している。

  11位から15位は、11位がC&Sホールセール(1.6兆円)、12位が7-ELEVEN(1.4兆円)、13位がメイジャーインク(1.3兆円)、14位がH.E.Butt(1.2兆円)、15位がソーベイズ(1.2兆円)と続く。この中には日本でもおなじみのH.E.Buttが14位で入っている。店舗数は304店舗である。アメリカではベスト10に入るには年商約2兆円、約1000店舗以上の展開が分岐点といえる。15位以内で約1兆円、約500店舗といえる。

  15位になると、年商も約1兆円を切り、店舗数も500店舗以下となってくる。20位はメトロ(約6500億円)、30位はパスマークストア(約4400億円)となり、この辺のクラスになると店舗数も数100店舗となり、日本ではライフストア、マルエツ、イズミヤ、平和堂、イズミ等が入るランキングゾーンである。アメリカにも100店舗、50店舗クラスもまだまだ沢山あり、トップ10が全米、あるいは数州に展開し、あまりに巨大化しているが、各地区ではしっかりとドミナント展開を行い、堅実な経営の食品スーパーマーケットもたくさんある。

  ただ、全体としてはここ数年ますますウォールマートの寡占化が進みつつある印象が強い。実際、ウォールマートの主力業態であるスーパーセンターは今年に入っても新規出店が順調であり、ウォールマート全体の成長率も直近の4月度でも昨年対比116%であり、今後、まだまだ売上を伸ばしてゆくものと思う。一方、食品スーパーマーケットではクローガーが検討しており、アメリカの食品スーパーマーケット市場においては、ウォールマート対食品スーパーマーケットという激しい競争がここしばらくはつづいてゆくものといえよう。

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May 18, 2006 in ウォルマート、海外情報 | | Comments (0) | TrackBack (0)

May 12, 2006

ウォールマート、4月度売上速報、昨対116%で絶好調!

  ウォールマートの4月度の数字が公表された。4月度は4/28までの4週間の集計であり、4/28が金曜日であるので、ウォールマートは土曜日から金曜日までが1週間となる。4月度の総売上は昨年対比116.0%であり、絶好調といえる。特に、3月度は集計に入っていなかったイースター祭が今月にづれたこともあり、特に高くなっているという。また、石油の値上がりでガソリン代も高くなり、サムズホールセールクラブなどではガソリンの売上も貢献したという。また、特に国際部門の数字もよいが、これは連結した西友も大きく貢献している。第1四半期(13週間)も112.2%であり、今期もウォールマートは、高い成長が期待できそうである。

  4月度116.0%と高い成長率となったそれぞれの業態の数字であるが、スーパーセンターとディスカウントストア、ネバーフッドマーケト(食品スーパーマーケット)の合計の伸び率は113.7%であった。13週合計でも109.9%と依然としてスーパーセンターが2桁の伸び率で成長している。4月度にオープンしたスーパーセンターは4/5のネバダ州ラスベガス店にはじまり、4/19にはテキサス州サントニオ店をはじめ5店舗を同時オープン、4/26にはニューヨーク州のフレドニア店をはじめ3店舗を同時オープンさせ、4月度は合計9店舗のスーパーセンターの新店をオープンさせた。なお、ディスカウントストアは4月度は1店舗も新店がなく、今年に入ってもわずか4店舗であり、ネバーフッドマーケットの新店は4月度2店舗であり、この113.7%の伸び率はスーパーセンターによるものが大きいといえよう。

  サムズホールセールクラブは106.1%であり、13週合計でも106.6%と安定的な成長を続けている。新店は2月、3月、4月となかったが、1月に10店舗新店をオープンしており、これが数字を押し上げているといえよう。また、併設したガソリンの売上貢献度も高いという。国際部門については、ウォールマート全体の約20%の売上構成比を占めるが、伸び率では最高の伸び率であり、4月度も129.9%と大きく伸ばしている。13週でみても123.5%であり、国際部門は西友の連結売上に加え、ブラジルの数字および中央アメリカの数字も貢献して高い成長率が続いている。

  一方、既存店の数字を見てみると、全体としては4月度はディスカウントストア、スーパーセンター、ネバーフッドマーケットの伸び率は107.3%であり、13週合計でも103.4%であり、既存店も安定した伸び率であるといえる。日本の食品スーパーマーケット業界がまだまだ既存店の昨対を越えられない現状であるが、ウォールマートは安定した既存店の成長といえる。サムズホールセールクラブについても4月度は103.8%、13週合計でも104.3%とむしろスーパーセンターよりも既存店に関しては高い成長を13週では維持している。既存店に関しても4月度はまずまずの数字であったといえよう。

  余談だが、4月度はウォールマートはイースターの関係もあり、おもちゃが強いという。人形、ボール、アウトドアの電動おもちゃなどだという。特にイースター祭用の袋にビデオゲームや音楽や映画のCD、DVD、それにキャンデーなどをつめた光景がよく見られるという。

  これを受けてのウォールマートの株価だが、5月に入り急上昇している。4月に公表された3月度の数字がイースター祭の数字が今月にづれ込んだ関係もあり109.4%とやや成長率が下がったこともあり、株価は49ドルから45ドル近辺まで落ち込んだが、ここへきて5/10現在、47.78ドルとほぼ右上がりに上がっている。

  ウォールマートは、この4月度で第1四半期の13週間も終わり、売上は既存店を含め順調に推移している。特にスーパーセンターの依然として高い成長率に加え、海外戦略の数字貢献も高く、今期も高成長率を維持しそうな勢いである。

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May 12, 2006 in ウォルマート、海外情報 | | Comments (0) | TrackBack (0)

April 10, 2006

クローガー、昨対107.5%、順調に売上をキープ!

  全米をウォールマートのスーパーセンターが席巻する中、食品スーパーマーケット業界No.1のクローガーが第4四半期、107.5%と、順調に売上をキープしている。売上高は四半期のみで147億ドルというので、日本円でおよそ1兆7000億円強である。今回公表されたクローガーの第4四半期は1/28までの数字であり、現在、公表しているものとしては最新の財務データである。クローガーは食品スーパーマーケット以外にもドラックストア、宝石専門店など、様々な業種をもっているため、純粋な食品スーパーマーケットとしての数字だけでみると、106.2%であり、ガソリン等の燃料を除くと、104.7%である。したがって、純然たる食品スーパーマーケットとしては104.7%、企業全体としては107.5%で推移しているといえる。

  この結果には、クローガーの経営陣も自信をもっているようで、1999年にフレッドマイヤーを合併して以来の数字であるという。純利益についても、2.82億ドル、約300億円以上となり、前年の第4四半期は赤字であったことを考えると、売上だけでなく、利益も順調に推移したといえる。

  最近のアメリカの食品スーパーマーケット業界ではガソリンスタンドの数字がよくでてくるが、これはここ数年、食品スーパーマーケットにガソリンスタンドを併設することにより、急激に売上が増え、食品スーパーマーケットの全売上の5%近くを占めるようになったからである。そのため、各社が競ってガソリンスタンドを併設し、新たな売上の柱にしはじめているのが現状である。

  この数字を受けて、クローガーの株価も回復基調にあるといえ、2月はじめにはここ数ケ月では底値の18ドル付近であったが、それ以降、株価は上昇しはじめ、特に、この数字が公表された3月始めから、中旬にかけては21ドル付近まで株価があがった。その後、もみ合いが続き、4月に入ってからは20ドル強で推移している。 

  2005年末時点のクローガーは、食品スーパーマーケットとGMSタイプの店舗を全米31州に2507店舗を展開している。店舗名はクローガーだけではなく、M&A以前のブランドをそのまま残しているため、ラルフ、フレッドマイヤー、フード4レス、キングスーパー、スミス、スミスマーケットプレイス、フライ、フライマーケットプレイス、ディロンズ、QFC、シティマーケット等である。それ以外にも791店舗のコンビニエンスストア、428店舗の宝石専門店、579箇所のガソリンスタンド等を展開している流通小売企業である。

  州別に見ると、最もドミナント展開をしている地域はカリフォルニアであり、400店舗以上をラルフ、フード4レス等として出店している。ついで、オハイオ州、テキサス州、ジョージア州の約200店舗であり、ここはほとんどクローガーで出店している地域である。その他の地域で100店舗以上展開している地域はインディアナ州、コロラド州、ワシントン州、ミシガン州、テネシー州、アリゾナ州、ケンタッキー州であり、その他の州では50店舗前後の展開である。

  このようなドミナント展開をしているクローガーは現在も各地でウォールマートのスーパーセンターと激しく競合している。ジョージア州アトランタ地区、テキサス州フューストン地区、インディアナ州インディアナポリス地区、ネバダ州ラスベガス地区、テネシー州ナシュビル地区、ケンタッキー州ルイスビレ地区、ユタ州ソルトレイクシティ地区等では互角以上のシェア争いをしている。逆に、テキサス州フォートウォース地区、インディアナ州フォートウェイン地区、ジョージア州アウガスタ地区ではウォールマートのスーパーセンターに苦戦を強いられている。
 
  クローガーはこのように全米に展開する食品スーパーマーケットとしては真っ向からウォールマートのスーパーセンターに対抗し、挑戦している企業であり、今回の第4四半期の決算を見限り、今後とも期待がもてる数字といえよう。

April 10, 2006 in ウォルマート、海外情報 | | Comments (0) | TrackBack (0)

April 09, 2006

ウォールマート、3月度、売上速報!

  4/6、ウォールマートの3月度の売上が公表された。3月度は5週間の売上であり、既に、新会計年度に入っているウォールマートにとっては9週間目の売上にあたる。一般的にアメリカの小売業の月間集計は日本と違い、週別を基本とするために、年間を13週づつ、四半期に分け、さらに、13週を4週と5週を組み合わせ、4週、4週、5週や4週、5週、4週と区切り、月度集計をしているのが通常である。3月度のウォールマートの売上も5週間の売上であり、累計は、3月度が4週間であったので、3月度累計は9週間となる。

  さて、まず、全体の3月度の売上であるが、109.4%と好調であった。特に、インターナショナル部門が120.1%と絶好調であり、これは、日本の西友が連結されたことに加え、ウォールマート中央アメリカの連結、ブラジルの企業を合併したことによる。業態別では、ウォールマートのスーパーセンターとディスカウントストアが106.8%、サムズホールセールクラブが106.2%であり、インターナショナル部門の貢献度が大きかたっといえる。9週間の累計についても、全体は110.5%好調であった。

  これに対して、既存店ベースでは、101.4%と3月度は伸び悩んだ数字ではあった。特に、スーパーセンターとディスカウントストアの合計数字が100.8%と大きく伸び悩んだのが原因である。これに対して、ウォールマートの財務責任者のシューウィ氏は、大きなイベントである復活祭が昨年は3月度の集計に入ったが、今年は4月度にずれこむということで、4月度の数字は5%前後になるという見通しを示している。これが事実とすれば、一時的な問題といえよう。ちなみに、復活祭は、3/21以降の最初の満月につぐ日曜日に行われるということであり、この日曜日が4月度にずれるということであろう。また、サムズホールセールクラブの既存店は逆に104.5%と好調であったが、これは燃料、特にセルフのガソリンスタンドの売上が大きく寄与したということである。9週間累計の既存店もしたがって、102.2%と低調な数字であった。

  また、ここ最近のウォールマートの株価は3/28に48.5ドルをつけてから、下げ基調となり、4月に入っても下げ基調が続いている。3月度の売上速報が公表された翌日の4/7には46.2ドルまで下げ、来週の株価が注目されるところである。

  一方、ウォールマートの3月度の新店であるが、スーパーセンターが3/22、同時に5店舗オープンした。カルフォルニアのビューモント(2000店舗目のスーパーセンター)、オハイオのマリースビラ、ロス案ジェルスのニューオリンズ、テキサスのプラノ、アリゾナのクイーンクリークスである。2月度も6店舗と少なかったが、1月度は51店舗と、今年に入り、62店舗目のスーパーセンターの出店である。すでに、2000店舗を越え、ウォールマートの主力業態としての位置を不動のものとしつつある。

  ディスカウントストアについては、2月、3月度は新規出店がなく、1月の4店舗のみである。サムズホールセールクラブについても2月、3月度は新店がなく、やはり、1月の10店舗のみである。同様にネバーフッドマーケット(食品スーパーマーケット)につても、2月、3月度は新規出店はなく、1月の1店舗のみであり、次期の主力フォーマットである食品スーパーマーケットもまだまだ軌道に乗っているとはいえいない状況といえよう。

  このように、ウォールマートの3月度は既存店の数字が伸び悩んだというものの、復活祭の関係もあり、4月度と合わせてみてみないと、既存店が伸び悩み始めたかどうかは、判断が早いといえよう。また、新店戦略は明確にスーパーセンターにシフトしており、今後のウォールマートの成長はスーパーセンターと西友をはじめ海外の数字が大きな鍵を握り始めたといえる。ウォールマートは国内ではスーパーセンターを柱にシェアを拡大し、海外ではM&Aによりシェアを拡大するという2極化戦略が当面の経営戦略といえよう。

April 9, 2006 in ウォルマート、海外情報 | | Comments (0) | TrackBack (0)

April 08, 2006

ウォールマートの陰、日経で3回に渡って連載!

  4/4から4/6まで、日経新聞で、「巨人ウォールマート、独り勝ちの代償」と題して、3回に渡ってウォールマートが取り上げられた。1回目は、「大量出店・戦略に変調、効率経営に批判」、2回目は「手薄な医療保険やり玉、社員冷遇の代名詞」、そして、3回目は「民主、選挙戦の標的に、介入する政治」という記事であった。ウォールマートの陰の部分に光を当てた記事であり、今後のウォールマートの行方をうらなう上で参考になるので、再度、いま、何が問われているのかを確認してみたい。

  1回目の記事では、ウォールマートが「医療費の公的負担が増える」、「米製造業の空洞化を招いている」という批判を地方自治体や労働組合が浴びせているという内容である。3月下旬には、ウォールマートの出店規制をメーン州の自治体が可決、昨年11月にはオハイオ州で労働組合が中心となり、住民投票でウォールマートの出店にまったをかけたという。また、メリーランド州では、企業に一定の医療費を義務づける「ウォールマート法案」を制定したという。

  これは、ウォールマートは現在でも労働組合の活動を拒否しており、労働組合と激しい対立関係にあることが背景にある。特に、労働組合は世界中から商品を大量に輸入するウォールマートが米国製造業の職を奪うと主張しており、いわゆるEveryday Low Price政策が根本から問われているといえよう。また、ウォールマートの社員がウォールマートの医療保険ではなく、公的保険に頼ることが多く、納税者の負担になるという。これは、ウォールマートの福利厚生が不十分であるという主張であり、いわゆるEveryday Low Cost政策が問われているといえよう。

  2回目の記事では、1回目の医療保険の問題をさらに掘り下げ、今年1月に成立した「対ウォールマート法案」の審議の過程で開かれた公聴会でのウォールマートの社員の証言を掲載し、ウォールマートの医療保険の問題を取り上げている。ウォールマートの医療保険は小売業界平均の本人負担3割ではあるが、大企業と比べると本人の負担割合が高いという。そのため、多くの社員やその家族が公的制度に頼らざるをえないという。この2月にはウォールマートも新型医療保険を打ち出したが、その評価はまだ定まらないという記事であった。

  このように2回目の記事ではウォールマートの医療保険の問題に終始した記事となっており、ウォールマートの医療保険は小売業水準ではあるが、全米の大企業と比べるとまだまだ水準が低いという。世界有数の大企業となったウォールマートが、今後、従業員の福利厚生をどう取組んでゆくが問われているという記事であった。

  そして、3回目の記事では、ウォールマートと政治との関係を取り上げ、大統領選挙に向けた民主党が反ウォールマート的な動きに出ているという内容である。ウォールマートもここ数年、政治献金が急速に増えており、特にブッシュ大統領が再選をめざした2004年には2億円強の政治献金を共和党にしたという。民主党にも政治献金はしているが、その比率は小さく、最近では民主党が医療費の増大、対中貿易赤字の象徴としてウォールマートを標的にしているという。また、つい、最近では将来の大統領選を睨んで、民主党のヒラリー上院議員がウォールマートの政治献金を返還したという記事であった。

  このように、3回目の記事では、経済問題から、政治問題にもウォールマート問題は発展しているということであり、特に、民主党が医療費の増大と貿易赤字問題の象徴としてウォールマートを標的にしはじめということである。いまや、ウォールマートは政治対策も避けて通れないほど巨大な企業となったといえよう。

  日経の記事はこのように3回に渡ってウォールマートの陰、医療費の増大と貿易赤字についてのものであったが、特に、医療保険の問題を中心に労働組合、政治との軋轢に焦点を当てた記事っであった。これはウォールマートの経営理念ともいえるEveryday Low PriceとEveryday Low Costが真正面から問われている問題であり、今後のウォールマートのゆくえが注目される。

April 8, 2006 in ウォルマート、海外情報 | | Comments (0) | TrackBack (0)

March 19, 2006

ウォールマート、スーパーセンター2000店舗達成!!

  ウォールマートのスーパーセンターが3/22、2000店舗目をカルフォルニアにオープンする。昨年、ウォールマートの主力業態はディスカウントストアからスーパーセンターへ大きく転換したが、今期はさらにスーパーセンターの店舗数が増え、とうとう2000店舗となる。これを記念して、3/18には、ライアン・キャブレアのコンサートとレセプションが開催される予定という。ウォールマートのスーパーセンターは1988年に1号店がオープンして約20年弱での大台の達成である。

  ウォールマートは自らスーパーセンターについて「グロサリー(食品等)とジェネラルマーチャンダイズ(総合商品群)を融合した新業態が、小売業の歴史上最も成功したコンセプトのひとつであることを示し、全国の顧客にワンストップショッピングの便利さをもたらした。」といっている。

  スーパーセンターの歴史は確かにウォールマートが作ってきたといってよく、1988年の1号店のオープン以来、異常な速さで店舗数を増やし、またたくまに全米を制してしまった。100店舗目のスーパーセンターは1994年のわずか6年後のことであり、コロラドにオープンしている。この店舗の大きさは約5500坪であり、従業員は約500人であったという。500店舗目のスーパーセンターは、4年後の1998年、ニューメキシコのコロバスにオープンした店舗で、約5500坪、従業員数は約400人であったという。1000店舗目は、2001年、ミズーリー州にオープンしたスーパーセンターであり、約5000坪の店舗であり、従業員は約450人であったという。そして、2000店舗がはじめにも記したようにカルフォルニアのビューモントのスーパーセンターである。この店舗は約116,000の商品が品揃えされた最新のスーパーセンターであるという。売場面積が約6000坪弱であり、従業員は約600人であるという。

  また、スーパーセンター2000店舗に至るウォールマートの歴史をざっとたどってみると、創業はサム・ウォルトンにより、1962年にアーカンソーである。その後、1970年にはウォールマートはじめての物流センターができた。1972年にはニューヨーク証券取引所に上場した。1983年にはサムズホールセールクラブの1号店がオープンし、1988年にはスーパーセンターの1号店がオープンした。1995年には全米50州への出店をはたし、1997年には週9000万人の延べ客数となった。1988年にはネイバーフッドマーケット(食品スーパーマーケット)の1号店をオープンした。2002年にはフォーチュン500社の売上No.1企業となり、そして、2006年、2000店舗目のスーパーセンターのオープンとなる。

  3/2に発表された2月度のウォールマートの数字も絶好調であり、ディスカウントストとスーパーセンターの合計売上は昨年対比110.0%であり、サムズホールセールクラブは107.6%であり、インターナショナルは121.2%であり、ウォールマートトータルでは111.9%である。同様に既存店売上に関しては、ディスカウントストとスーパーセンターは102.9%であり、サムズホールセールクラブは103.1%であり、ウォールマートトータルでは104.1%と既存店も昨年対比をクリアーし、今期も順調な推移であるといえよう。

  これらの動きを受け、現在のウォールマートのニューヨーク証券取引所の株価であるが、46ドル強で推移している。ウォールマートの株価は今年に入り45ドル付近で推移していたが、3月に入り、少し値を戻し、この数日はやや上昇気味で推移しているといえる。

  投資家もウォールマートのスーパーセンター2000店舗の達成への関心を示し、今後のウォールマートへの動向に注目しているというところか。スーパーセンターの出店は今後も急速な勢いで推移するものといえ、もう数年間は高成長が維持されるものといえよう。ひるがって、日本でも、西友が現在急ピッチで建設を進めている物流センターが来年中には2箇所で稼動の予定であり、現在進めている情報システムの導入等の内部体制が固まり次第、スーパーセンターの出店攻勢がはじまるものと思う。

  今回のウォールマートのスーパーセンターが2000店舗目を達成したことは、小売業の歴史においても、ひとつの時代を築いたといえ、アメリカはもちろん、日本をはじめ世界の小売業界は新たな時代に突入したといえよう。

March 19, 2006 in ウォルマート、海外情報 | | Comments (0) | TrackBack (0)

February 25, 2006

ウォールマートの海外戦略の現状!

  ウォールマートの海外戦略は1991年に始まる。サムズホールセールクラブがメキシコにオープンしたのが最初である。現在、ウォールマートは世界15ケ国に展開するインターナショナル企業となった。その15ケ国とは、アルゼンチン、ブラジル、ニカラグア、プエルトリコ、ホンジャラス、エルサルバドル、グアテマラ、コスタリカ、メキシコ、カナダ、ドイツ、イギリス、中国、韓国、そして、日本である。

  この中で、日本については次のように紹介されている。2006年1月現在、西友は、スーパーマーケット305店舗、GMS83店舗、LIVIN12店舗、スーパーセンター2店舗、その他6店舗を展開し、アソシエイトは35,426人である。西友は、現在、日本では4番目のスーパーマーケットのチェーンストアであり、1963年4月19日に設立された企業である。2002年5月ウォールマートが6.1%の株式を取得し、その後、2005年12月には西友の53.34%の株式を取得し、ウォールマートの傘下に入った。現在、ローコスト、ロープライスの小売業への改革に取組んでいる。西友の売上は2004年95億ドル(約1兆円)であり、営業利益は460万ドル(約5億円)、純損失は11200万ドル(約120億円)である。現在、西友はウォールマートの最新テクノロジーを導入し、2つの物流センター構築に取り組んでおり、2007年と2008年に稼動の予定である。西友の最新モデル店舗は2005年4月に平塚に2層タイプでオープンプしたスーパーセンターである。このように、2005年12月以降、西友が本格的にウォールマートインターナショナルに組み込まれ、他の14ケ国の企業とともに歩んでゆくことになった。

  では、日本以外のアジアの状況をみると、まず、中国については、1995年にシンセンにスーパーセンターとサムズホールセールクラブを出店したのが最初であり、現在ではウォールマートとスーパーセンターを51店舗、サムズホールセールクラブを3店舗、ネバーフッドマーケット(食品スーパーマーケット)を2店舗展開しているという。アソシエイトは27,000人である。また、逆に、中国からは180億ドル(約2兆円)の輸入をウォールマートが行っているということで、中国は輸入基地としての役割も大きいという。韓国については1998年にビジネスをスタートさせ、現在16店舗のウォールマートとスーパーセンターを展開しているという。このように、まだまだ、アジア戦略は本格的に展開しているとはいえず、今後、日本の西友が基点になって、アジア全域へ出店してゆくことも将来は考えられよう。

  一方、ヨーロッパについては、ウォールマートは1999年にイギリスのアズダを傘下に治め、現在、イギリスの2番目の小売業となった。店舗展開については、ウォールマートのスーパーセンターが21店舗、アズダのスーパーセンターが236店舗、ジョージが10店舗、リビングが5店舗、スモールタウンが43店舗、アソシエイトは140,000人である。ドイツでは1998年にベルトカーフのハイパーマーケットを21店舗合併したのがスタートである。現在、ウォールマート、スーパーセンターをドイツ全土に88店舗展開し、アソシエイトは12,000人である。このように、ヨーロッパはまだドイツとイギリスのみであるが、この2ケ国で成功事例ができつつあり、今後、さらに他の国へ参入してゆくものと思う。

  さて、最後に、北米、南米であるが、まず、ウォールマートインターナショナルのスタートとなったメキシコでは、1991年に地元企業と合弁でスタートし、現在ではウォールマート、スーパーセンターを105店舗、サムズホールセールクラブを69店舗、その他数100店舗を展開している。アソシエイトも112,000人である。カナダには1994年に地元のウールコカナダチェーンを買収し、現在、ウォールマートを272店舗、サムズホールセールクラブを6店舗、アソシエイトは70,000人である。

  一方、南米では、ブラジルが中心であり、1995年にスーパーセンターの出店から始まり、その後地元企業を買収し、現在数100店舗を展開している。アソシエイトは50,000人である。アルゼンチンはまだウォールマート、スーパーセンターは11店舗であり、今後、ブラジルを基点に南米の各国へ展開してゆくことになるものと思う。

  このように、ウォールマートインターナショナルはメキシコ、カナダの北米、ブラジル、アルゼンチン他南米、ドイツ、イギリスのヨーロッパ、そして、日本、中国、韓国のアジアの4大拠点を構築しつつあり、海外戦略も着々と進みつつある。そして、これら海外展開においてもスーパーセンターが主力業態になりつつある状況といえ、当面、ウォールマートの戦略はスーパーセンターを全世界に展開することにあるといえよう。

February 25, 2006 in ウォルマート、海外情報 | | Comments (0) | TrackBack (1)

February 24, 2006

ウォールマート!1月の売上高も順調に推移!!

  ウォールマートの1月度の売上速報が2/2に公表された。速い!アメリカは時間の管理の基本が週別管理であり、年間を52週に分け、さらに四半期を13週にわけ、月度は、4週、4週、5週の13週で管理している。日本のように1/31、2/28、3/31という管理や、20日〆という時間概念は基本的にない。今回のウォールマートも1月度であるが、2006/1/1から2006/1/28までの4週間の数字であり、昨年は27日が土曜日であったので1/27までの4週間との比較である。週の初めは日曜日であり、週の終わりは土曜日で管理している。しかも、1/28〆の数字を2/2に公表するのであるから、正味5日間であり、いかに公表が速いかがわかる。現在、日本の食品スーパーマーケットの1月度の売上速報?の集計をしているが、今日現在(2/23)でマルエツとイズミの数字が公表がなされていない状況であり、日本の食品スーパーマーケットの集計がいかに遅いかがわかる。

  さて、ウォールマートの1月度の数字であるが、昨年対比114.5%、累計109.9%で好調な推移である。その中身は、スーパーセンターを含むウォールマートが110.5%、サムズホールセールクラブは110.0%、そして、海外が好調で130.0%であった。この中には、1月から日本の西友も含まれるということであり、西友はこの月から本格的にウォールマートの一角を占めるようになったといえよう。西友の売上は現在約1兆円であるので、ウォールマートの約3%強の売上構成比となる。また、ウォールマートの既存店は102.5%、累計103.4%であり、既存店も好調に推移した。特に、スーパーセンターを含むウォールマートが103.3%で全体を引っ張っており、サムズホールセールクラブは99.2%でわずかに昨年を下回った。
 
  ウォールマートの1月度の売上は約28億ドル(3.2兆円強)、累計約280億ドル(約32兆円強)となった。しかも、この月は69店舗の新店をオープンさせたという。これは1ケ月の新店オープン店舗数としてはウォールマートの歴代最高記録であるという。日本の食品スーパーマーケットは1月、2月はほとんど新店がなかったことと比較すると対照的な新店戦略である。そして、その69店舗の内訳であるが、スーパーセンターが51店舗、サムズホールセールクラブが10店舗、ディスカウントストアが5店舗、そしてネイバーフッドマーケット(食品スーパーマーケット)が3店舗であった。ウォールマートは2005年、スーパーセンターがディスカウントストアの店舗数を抜き、主力業態が完全にスーパーセンターに移ったが、その勢いは止まらず、この1月度も69店舗のうち、51店舗、70%以上の新規出店がスーパーセンターであり、逆にディスカウントストアの新規出店はわずか5店舗であり、今後、ますます、スーパーセンターがウォールマートの主力業態の地位を固めてゆくことになろう。

  ちなみに、1/5に発表された前月、すなわち、12月度(12/30)までの5週間の売上は昨対106.3%、48週の累計109.5%、既存店の売上昨対は103.2%、48週の累計は103.5%であった。12月度もけっして悪くは無いが、この1月の最新の数字が際立ってよかたったことがわかる。1月は4週間の集計、12月は5週間の集計であり、4週、4週、5週の管理で集計されていることがわかる。

  ウォールマートの2/23現在の株価は45.66ドルであり、1月の売上速報を受けた2月のはじめはやや株価を上げたが、今年に入ってからは46ドル付近でもみ合いが続いている。ハリケーンのカトリーナの時が40ドル付近まで落ち込んだのが、ここ数年では最安値であったが、その後は値を上げ、50ドルを越えた。そして、12月中旬頃からやや値を下げ、1月に入ってからは、現在の46ドル付近で推移している。

  当面、ウォールマートの成長はスーパーセンターが絶好調であり、今年も続くものと思う。さらに、徐々にではあるがネイバーフッドマーケットも出店を増やしはじめており、将来は食品スーパーマーケットに大きくシフトする時期も来る可能性も高く、これが軌道に乗れば、海外戦略と合わせ、あと10年は成長可能な戦略が着々と築かれつつあるといえよう。

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January 26, 2006

アルバートソン、1/23に売却を発表!!

  1/23、アルバートソンの売却がついに決まった。売却先は3社、スーパーバリュー、CVS、サーベラスである。総額174億ドル(約2兆円)での売却である。現在、アルバートソンの株価は今年始めは約20ドルであったが、ここへきて急上昇し、25ドルを越えている。今後、アルバートソンの株主は1株につき、26.29ドルを受け取ることになるという。アルバートソンを買収する3社はスーパーバリューが卸売業と食品スーパーマーケット、CVSがドラックストア、サーベラスは、日本では、あおぞら銀行、国際興業、西武ホールディングスの筆頭株主となった投資ファンドである。

  具体的な売却内容であるが、まず、スーパーバリューは1124店舗のアルバートソンの食品スーパーマーケットを買収する。これにより、既存店と合わせて2656店舗を全米48州に展開することとなり、年商は440億ドル(約5兆円)の食品スーパーマーケットが誕生することになるという。全米食品スーパーマーケット業界ではクローガーにつぎ、2番目の売上規模となる。

  CVSは日本ではあまりなじみが無いが、全米37州に5461店舗を展開するドラックストアである。アルバートソンは食品スーパーマーケットに加え、ドラックストアも展開しており、そのフリースタンディングタイプの700店舗と物流・配送センターすべてを買収するという。

  そして、サーベラスであるが、655店舗の食品スーパーマーケットとドラックストアと食品スーパーマーケットの融合したコンボを買収するという。ただし、この655店舗は地域が限定されており、ダラス・フォートワース地区、フロリダ、北カリフォルニア、ロッキーマウンティンと南西地区であるという。しかも、スーパーバリューからも26店舗のシカゴ地区で展開しているカブストアを買収するという。

  ここで改めて、アルバートソンの歴史を振り返ってみたい。アルバートソンの1号店は1939年7月21日、今から約65年前に、ジョー・アルバートソンがアイダホにグロサリーストアをオープンしたのが始まりである。その基本理念は「お客さまが欲しい商品を、お客さまがお支払いいただける金額で、あふれるやさしさと愛をもって提供しなさい」というものであった。

  その後、第2次世界大戦をはさみ、1950年代に入り、アメリカの景気が回復し、車社会の出現とともに、郊外型食品スーパーマーケットの展開が大当たりし、アルバートソンは急成長することになる。1951年には早くも売場面積2000坪弱の食品スーパーマーケットとドラックストア併合の新業態店舗を開発している。1950年代半ばになると、アイダホ州に加え、オレゴン州、ユタ州、ワシントン州の4州へ出店を広げ、この頃、本格的なチェーンストアの本部が創設され、総店舗数が1950年代末で62店舗、売上は7000万ドル(100億円弱)の年商となった。

  1963年には記念すべき100店舗目の店舗をワシントン州のシアトルにオープンさせた。翌、1964年にはカルフォルニアにも出店地域を広げ、1960年末には総店舗数200店舗、年商42000万ドル(約500億円)となり、店舗面積も平均約600坪となり、念願のニューヨーク証券取引所への上場を果たす。この時点で、アルバートソンは全米の売上高38番目の小売業となった。1970年代に入ると、ドラックストアのノウハウを持つスカッジカンパニイと提携し、本格的な食品スーパーマーケットとドラックストアの融合業態であるコンボストアの開発出店がはじまる。また、この頃にはチェーンストアの核ともいうべき10000坪の物流センターが構築されるなど、本格的な全米へ配送するための物流体制が整ってゆく。

  1975年にははじめて10億ドル(約1200億円)を越え、1970年末には、365店舗、年商20億ドル(約2500億円)となった。1980年代に入り、POSをはじめ、情報システムの整備も進み、1980年代末には、全米17州に523店舗となった。1993年には、創業者のジョー・アルバートソンが83歳で亡くなるという不幸もあったが、この時期はM&Aを積極的に展開し、アメリカンストア、セイブオン、ラッキー、ジュエル・オスコ等を吸収合併し、1990年代末には、全米38州に2400店舗を展開するまでになった。

  そして、2006年、次の10年を待つことなく、1/23にアルバートソンは3つに分割され、完全売却された。

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January 17, 2006

ウォールマート 食品スーパーマーケット100店舗を達成!!

  ウォールマートが食品スーパーマーケットの出店を本格化させはじめた。2005年1月段階では85店舗であったが、この1年間に19店舗新規オープンし、1999年に1号店を地元アーカンソー州にオープンして以来、7年で、ついに100店舗を越えた。ただ、まだまだ、出店ペースは慎重であり、年間20店舗ペース、スーパーセンターの年間200店ペースの10分の1のスピードである。

  直近、5年間の食品スーパーマーケットの新規出店状況は以下の通りである。なお、ウォールマートは、食品スーパーマーケットのことをNFM(ネバーフードマーケット)と呼んでおり、日本でいうSSMにあたる。約1000坪、約40000SKUの品揃えの店舗であり、生鮮、惣菜、グロサリー、酒、雑貨等を販売している。

  さて、過去5年間の出店状況であるが、2001年、4月(1)、6月(2)、7月(1)、8月(2)、10月(3)の計9店舗、2002年、1月(5)、5月(2)、7月(1)、8月(1)、9月(2)の計11店舗、2003年、1月(10)、3月(1)、4月(1)、5月(1)、7月(1)、8月(3)、10月(4)の計21店舗、2004年、1月(4)、3月(3)、5月(1)、7月(3)、8月(3)、9月(1)の計15店舗、そして、2005年、1月(9)、5月(3)、6月(3)、8月(3)、11月(1)の計19店舗をオープンさせ、現在、累計100店舗を越えた。このように、出店ペースは2001年9店舗、2002年11店舗、2003年21店舗、2004年15店舗、2005年19店舗と慎重な出店ペースである。

  その中でも、現時点で最新店舗の2005年11月30日の7時30分にグランドオープンしたネバダ州ラスベガスのハリウッドの店舗についてみてみたい。なお、この店舗については食品商業(商業界)の2005年11月号に特集記事が売場写真入りで掲載されている。

  ウォールマート食品スーパーマーケット、ラスベガス店の店長パトリック・グラディ氏によれば、この店舗は面積が39,690スクウェアフィート(約1000坪弱)であり、大変便利なワンストップショッピングの店舗であるという。商品構成は、ベイカリー、冷凍食品、精肉、日配、青果、惣菜を含むフルラインのグロサリー構成であるという。また、雑貨としても、化粧品、衛生用品、ペットフード等も扱っているという。24時間365日の店舗であり、6台のレジといまはやりの6台のセルフレジを配置したという。それに加え、写真の焼き増しが30分でできるため、その間に買い物ができるし、薬についてはドライブスルーもあるという。さらに、新しい試みとして、「Grab-It-And-Go」(さっと買い物ができる)という、入口近くにファーストフードのドーナッツ、ペストリー、コーヒー、ジュース等を配置し、会計もすぐにできるコーナーをつくったことが自慢だという。また、このラスベガス店には1000人の求人があり、80人を採用し、時給10.28ドルで働いてもらっているという。

  ほぼ、ウォールマートの食品スーパーマーケットはこのようなイメージの店舗であり、まさに日本の食品スーパーマーケットとほぼ同じイメージである。実はこのプロジェクトをウォールマートの経営幹部として軌道に乗せた責任者が、現在、西友のCEOになったカレッジェスキー氏である。西友はすでに食品スーパーマーケットを数100店舗営業しており、今期はその大半を改装するという。したがって、ウォールマートは今後、西友としっかり連携をとりながら食品スーパーマーケット戦略を日米同時にすすめてゆくものと思う。

  その意味で、当面はスーパーセンターがウォールマートの柱であるが、スーパーセンターの出店が止まった後の柱はこの食品スーパーマーケットがウォールマートの本命であり、ウォールマートの成長は当分勢いは止まらないものと思う。

January 17, 2006 in ウォルマート、海外情報 | | Comments (0) | TrackBack (0)

January 07, 2006

ウォールマート、スーパーセンター全米での競合状況を見る!

  全米食品スーパーマーケットの売上No.1はクローガーであるが、アメリカの食品スーパーマーケット業界に大きな脅威を与えているのがウォールマートのスーパーセンターである。食品以外の衣料、住関連を含めた総売上は10兆円を越えており、食品の構成比は約30%強であるので、まだクローガーの約6兆円には及ばないが、年々シェアを上げており、食品においても全米No.1の売上になるのは時間の問題といえよう。すでに、アラスカ、ハワイ等、数州を除き全米にスーパーセンターは展開されている。

  ウォールマート、スーパーセンターの全1713店舗の中でNo.1の出店地域はテキサス州であり、219店舗を出店している。この地区は競合も激しく、クローガーが205店舗、アルバートソンも148店舗展開している。さらにHE-BATはこの地区にドミナントを敷いており、隣のルイジアナ州を含め約300店舗展開している。全米の中でも大激戦州のひとつである。次にスーパーセンターの多い州はフロリダであり、116店の出店である。この州にはクローガーはまだ出店がないが、アルバートソンが124店舗出店し、スーパーセンターと真っ向からぶつかっている地区である。全米の各州で100店舗以上スーパーセンターが出店している地区はこの2地区のみである。

  次に、スーパーセンターが70店舗以上出店している地区をみてみると、ジョージア州の88店舗である。この地区はクローガーが173店舗出店している地区であり、他に地元食品スーパーマーケットのパブリックス、フードライオン等も展開している。また、約70店舗展開している州はテネシー州の75店舗、アラバマ州の71店舗、ミズーリー州の70店舗の3地区である。テネシー州にはクローガーが118店舗に加え、地元フードライオンも展開している。アラバマ州はクローガーは11店舗であり、スーパーセンターが圧倒的なシェアを誇っている。ミズーリー州ではクローガーが23店舗であり、この地区には地元ウィンディキシーも展開しているが、やはり、スーパーセンターが強い地区である。

  上記地区以外にスーパーセンターが50店舗以上出店している州はノースカロライナ州に65店舗、ペンシルベニア州に60店舗、バージニア州、ルイジアナ州、インディアナ州にそれぞれ56店舗づつ、アーカンソー州に54店舗、ケンタッキー州に52店舗、ミシシッピー州に51店舗である。これらの地区でクローガーが重点展開している地区は、アーカンソー州に42店舗、ケンタッキー州に102店舗、ミシシッピー州に30店舗である。またこれらの地区にはアルバートソンズはペンシルベニア州に56店舗ぐらいであり、あとの地区にはほとんど出店していない。

  上記、ウォールマートが展開している地域はすべて、ウォールマート本部のアーカンソー州周辺の地区であり、まず、地元周辺をしっかりスーパーセンターで固めようという戦略が明確である。

  では、全米No.1の食品スーパーマーケット、クローガーの重点展開地区ではどうであろうか。クローガーの最重点地区はカリフォルニア州であり、ここに全2532店舗の内、442店舗を展開している。また、このカルフォルニア州はセイフェイの最重点地区でもあり、セイフウェイは全1581店舗の内、535店舗を展開している。また、アルバートソンも全米最多の331店舗を展開している。このように有力な食品スーパーマーケットは各社このカルフォルニア州を最重点地区として出店しているのが実態である。

  これに対して、ウォールマート、スーパーセンターはどうか。何とわずか3店舗である。カルフォルニアの近隣州のネバタ州でも12店舗、オレゴン州7店舗、アリゾナ州33店舗とカリフォルニア周辺の州では合計55店舗である。ただ、ディスカウントストアは全1353店舗の内、カリフォルニア州が全米最多の149店舗の展開であり、この地区はディスカウントストアを意識的に食品スーパーマーケットにぶつけてきた州といえる。ただ、最近ではディスカウントストアをスーパーセンターに業態転換するケースが増えており、今後、スーパーセンターがカルフォルニア州においても最重点地区となり、おそらく、100店舗以上出店するであろう。その時には全米有力食品スーパーマーケットと本格的な競合となり、アメリカの食品スーパーマーケット市場そのものがスーパーセンターを中心とした、大再編が起こるものと思う。

  全米の各州にはスーパーセンターが10店舗以下の地域が大市場カルフォルニアを含め16州もあり、今後4~5年はスーパーセンターの大量出店がつづきそうである。

January 7, 2006 in ウォルマート、海外情報 | | Comments (0) | TrackBack (0)

January 03, 2006

全米No.1食品スーパーマーケット!クローガーの現状!

  アメリカの食品スーパーマーケットの売上No.1はクローガーである。2005/12/15に第3四半期の決算数字が発表されたが、売上は約140億ドル(昨対109.1%)、営業利益約4億ドル(昨対123.1%)、税引き後利益2億ドル弱(129.4%)と増収大幅増益だった。第3四半期累計では458億ドル(107.2%)で走っているので、今期は増収増益となろう。日本円にすると、年商約6兆円の食品スーパーマーケットである。

  ちなみに、2位以下はアルバートソンズ、セイフウェイ、アホールド、スーパーバリューがベスト5である。日本で人気のHE-BAT は全米の食品スーパーマーケットでは10番目ぐらいである。ただし、食品を扱っている小売業までランキングを広げると、何とNo.1はウォールーマートのスーパーセンターであり、約10兆円とダントツであるが、食品の売上構成比は約30%強であるので、食品だけで見ると、やはり、クローガーがNo.1といえよう。

  このようにクローガーの今期決算は増収大幅増益になりそうであるが、クローガーは、2004年度の決算はこの数年間ではじめて税引き後利益が1億ドルの赤字に転落した。過去4年間の売上、利益、税引き後利益の推移をみると売上564億ドル(104.9%) 537億ドル(103.9%)、 517億ドル(103.3%)、500億ドルと微増であった。税引き前利益は約2.9億ドル(37.7%)、7.7億ドル(39.0%)、19.7億ドル(115.3%)、17.1億ドルと年々減収がつづいていた。そして、税引き後利益は-1億ドル、3.1億ドル(25.5%)、12.3億ドル(118.2%)、10.4億ドルと昨年赤字に転落してしまった。その意味で、今期は、増収増益の見込みであり、若干回復の兆しがみえてきたというところか。

  さて、これにともないクローガーの株価は、現在12/30現在18.88ドルであり、ここ数日は20ドル前後で推移している。この5年間の株価の動きを見ると、2002年度の増収大幅増益の時は約25ドル強であったが、2003年度の増収大幅減益の状況になると株価が急降下し、12ドルまで落ち込んだ。その後、やや持ち直し、約18ドルまで上昇したが、2004年度決算が最終赤字となり、株価が15ドル弱まで落ち込んだ。そして、2005年度に入り、業績が回復基調となり、それを受けて株価も上昇2005/05当たりから上昇に転じ、2005/09には20ドルを越えた。そして、最近では20ドル近辺でもみあっている状況である。

  クローガーは1883年創立、オハイオ州のシンシナシティに本部を置く食品スーパーマーケットである。食品スーパーマーケットが2532店舗(売上構成比94%)、コンビニエンスストア795店舗、宝石店436店舗、合計3763店舗である。年商約6兆円、従業員数約30万人である。クローガーの強みは、3つの業態をバランスよく全米に展開しているところである。3つの業態とはコンビネーションストア(2245店舗)、マルチデパートメントストア(147店舗)、そして、プライスインパクトウエアハウスストア(140店舗)である。コンビネーションストアはフード&ドラックのクローガーはもちろん、クローガー傘下のラルフ、スミスなど約10数の店舗名で展開している。マルチデパートメントストアは文字通り、百貨店のことで、約15000坪に食品をはじめ、家具、電化製品等22万の商品を展開する業態である。この業態にはフレッドマイヤー、クローガーマーケットプレイス等がある。そして、プライスインパクトウエアハウスストアは対スーパーセンター対抗のディスカウント業態であり、フード4レス等として展開している。

  また、これら各店舗をささえる食品工場もグロサリー10工場、ベイカリー11工場、日配18工場、精肉3工場を全米に展開し、PBブランドとして、プイラベートセレクション、バナーブランド、FMVのgood、better、bestの3つのタイプを売場に投入している。特に、プイラベートセレクションは約700種類もあり、これらが粗利の改善に寄与しているという。

  クローガーの今後の最大の課題は対スーパーセンター戦略である。2004年度は全米で1020店舗のスーパーセンターと競合したという。そして、競合している全米33州のち17州でシェアを伸ばし、15州でシェアを落とし、1州は変わらずであったという。このようクローガーは現在、スーパーセンターと真っ向からぶつかっており、どう対応するかがクローガーに限らず全米の食品スーパーマーケット業界最大のテーマといえる。

January 3, 2006 in ウォルマート、海外情報 | | Comments (0) | TrackBack (0)

December 31, 2005

ウォールマート! 最新情報!!

  ウォールマートの株価が現在50ドル付近でもみ合っている。昨年後半から今年の3月頃まで53ドル付近の高値で推移していたが、その後やや下げに転じ、2005/05には47ドル付近まで下がった。その後、また上昇に転じ、8月には50ドル付近まで戻したが、8月のハリケーンシーズンに入ると、いっきに下げに転じ、特に東海岸最大の被害がでた8月末のカトリーナ以降、下げ幅が大きくなり、9月後半には今期最安値の43ドル台まで下げた。しかし、ハリケーンによる被害も最小限にとどめ、ウォールマートの献身的な支援活動等も評価され、株価は一転上昇、12月まで急上昇、50ドルを越えた。その後、やや値を下げたが、12/5以降再び上昇に転じ、50ドル目前まで迫った。しかし、12/20以降また下げに転じたが、現在48ドル付近で推移している。

  特に、カトリナー被害にあたっては、ウォールマートはいち早く支援対策を発表している。2005/09/01にはクリントン元大統領と会い、ホワイトハウスにカトリーナ支援対策費として、1500万ドルの支援を発表した。また、災害地にはミニウォールマートを緊急出店し、生活必需品である食料、水、衣料、赤ちゃん用紙おむつ、歯磨き粉・歯ブラシ等を提供した。さらに、現金200万ドルを緊急援助し、同時に、全米約3800店舗、および、インターネットで寄付を募った。

  さて、直近のウォールマートの経営数字であるが、2005/12/02に公表された10/31までの第3四半期の数字は、売上110.1%、累計では109.9%で推移している。営業利益が107.0%、累計107.4%、税引き前利益は104.4%、累計106.4%であり、増収増益であった。なお、粗利は売上対比24.0%(累計24.0%)、一般販売管理費は18.6%(累計18.4%)、営業利益率は5.3%(累計5.6%)であった。安定した経営数字が依然つづいている状況である。特に、売上が110.1%と好調であり、しかも、直近11月度の既存店も104.3%と好調であった。その中でもスーパーセンターは107.0%と今期平均が4%前後であったので、11月度は最高の伸び率であった。日本の食品スーパーマーケットの既存店がほとんどマイナスであることと比較すると、いかに既存店も堅調であるかがわかる。

  そのスーパーセンターの出店状況であるが、新規出店が87店舗、ディスカウントストからの転換が156店舗の合計、243店舗が今期増加した。また、ディスカウントストアは27店舗、食品スーパーマーケットは20店舗の新規出店である。いかに、スーパーセンターへの経営資源の集中が進んでいるかがわかる。注目すべきは、新規出店よりも、ディスカウントストアからの業態転換の方が倍ぐらい多いことである。ウォールマートは主力業態をスーパーセンターに絞り、当面、成長戦略をすすめてゆくものと思う。

  余談だが、西友についてウォールマートのホームページでは、次のように言及している。2005/12/15付けで、ウォールマートが675億円、ミズホ銀行が475億円を追加投資し、ウォールマートが54%の株式を取得し、子会社化した。CEOにはエド・カレッジェスキー氏がつき、「今後の西友の戦略は顧客に対して、適正価格で高品質な商品を提供することであり、それが日本のマーケットの中で成功するものと信じている」というコメントを出したという。また、注目人事として、ワン・リン・ワーテロ氏、リンダ・ディルマン氏の2人の女性が西友のはじめての女性取締役に就任したという。これにより、西友のコア顧客である女性客へより焦点が当たる営業改善につながるだろうということである。そして、最後に、西友全11人の取締役のうち、ウォールマートからは6人となったという。

  西友もこれまでは経営ボードを日本人が握っていたが、今後は過半数の6人がウォールマート側の経営陣となったことから、来期からは、本格的にウォールマートの世界戦略の中に組み込まれることになったといえよう。

December 31, 2005 in ウォルマート、海外情報 | | Comments (0) | TrackBack (0)

December 26, 2005

セイフウェイ、赤字を脱却し、今期も黒字基調!

  セイフウェイの株が25ドル近辺でもみ合っている。ニューヨーク証券取引所、12/23の株価は24.38ドルで引けたが、この数ケ月、株価が上昇基調で推移している。セイフウェイは2002年度に赤字に転落し、それまで40ドル台であった株価が、いっきに15ドル近辺まで暴落した。その後、20ドル強まで値を戻したが、2004年度は値をじりじり下げ20ドルを切る株価がつづいていた。しかし、2005年1月決算で黒字転換の結果となるや、株価が上昇に転じ、この2005/10/04には年初来最高値の26.46ドルをつけた。その後25ドル近辺でもみあっている状況が続いている。セイフウェイの株価は過去最高は1999年と2001年の60ドル台であり、現状の約25ドルはその時と比べるとまだまだであるが、収益の回復基調がみえはじめた現在、今後の成長戦略をどのように構築するかが鍵といえる。

  セイフウェイの過去5年間の財務諸表を見ると、売上、税引き後利益(単位100万ドル)は2004年(35,822.9、560.2)、2003年(35,727.2、-169.8)、2002年(34,917.2、-828.1)、2001年(34,434.5、1,253.9)、2000年(32,103.3、1,091.9)という推移であり、株価が最高であった2001年度は5年間で最高の利益、売上対比約4%を出している。

  ただし、売上は過去5年間ほとんど横ばいである。店舗数は現在1802店舗であるが、2003年(1817店舗)、2002年(1808店舗)、2001年(1773店舗)、2000年(1688店舗)とこの数年間は毎年ほぼ50店舗づつスクラップしているのに対し、新店がスクラップ店舗を大きく上回ることができずに、売上の伸びが止まっているのが原因である。

  一方、収益に関しては、2002年度に赤字に転落し、翌年の2003年度も赤字が続き、株価がいっきに下がったが、赤字の原因は特別償却であり、P/Lの問題ではなかった。過去5年間の粗利率と経費比率の割合を見ると、2004年(29.58%、26.30%)、2003年(30.02%、26.37%)、2002年(31.49%、25.09%)、2001年(31.30%、23.37%)、2000年(30.11%、22.61%)とむしろ20004年度の方が低く、2002年度、2001年度はしっかりバランスがとれているからである。また、この第3四半期(2005/09)までの数字をみても、売上、収益ともに安定しており、今期も好決算が期待できそうである。

  これらの数字をみると、アメリカと日本の食品スーパーマーケットを比べた場合、粗利の高さが際立っていることがわかる。日本の食品スーパーマーケットで平均30%の粗利の企業はまれであり、これが経費比率約25%をささえるポイントである。その背景にあるのは売上の20%強を占めるPBブランド戦略であり、セイフウェイでは何と全米に21の工場を所有し、PBの生産をしているという。牛乳工場が6つ、パン工場が5つ、ドリンク工場が4つ、アイスクリーム工場が2つ、果物・野菜加工工場が1つ、ペットフード工場が1つ、その他が2つである。同様にカナダにも12の工場があり、これら合計33工場でPBブランドが毎日生産され、約1800店舗に配送されている。

  このように、営業面では順調といえ、新規出店戦略が今後の鍵となってきた。セイフウェイはこの数年間新規出店は30~40店舗であるが、スクラップも多く、実質、店舗数の増加は、企業買収であったといえる。1997年にはボンズ320店舗、1998年にはドミニックス116店舗を、1999年にはアラスカのカース49店舗、ランダルス117店舗を、そして、2001年にはゲナーディス39店舗を買収してきた。

  今後はウォールマートのスーパーセンター約2000店舗との本格競争にどう対抗するかが大きな課題である。ウォールマートの経費比率15%強にもとづくEDLPの売価にPBおよび店舗数の拡大による生産コストの引き下げでどこまで売価を引き下げられるかが課題であろう。また、一方でセイフウェイは全米約1600店舗(カナダ約200店舗)のうち約30%の500店舗をカルフォルニアに展開しており、この地域でのさらなるシェアアップも今後の課題となろう。

December 26, 2005 in ウォルマート、海外情報 | | Comments (0) | TrackBack (0)

December 01, 2005

アルバートソンの株価が上昇基調、財務内容は依然厳しい!

 アルバートソン(ニューヨーク証券取引所)の株価が9月に跳ねあがり、その後、乱高下を繰り返しながら推移している。今年のはじめは23ドル付近で推移していた株価が3月に急落、20ドルまで落ち込み、9月までの約6ケ月間、20ドル付近で低迷していた。それが、9月に入り、一機に上昇、9/15には今年最高値の26.51ドルをつけた。10月に入り、少し値を下げ、23ドル付近まで下がったが、11月に入り、また上昇、25ドルまで値をあげた。この数日は少し値を下げているが、11/29現在の株価は23.85ドルである。この200日平均は20ドル強であるが、50日平均では25ドル弱で推移しおり、上昇基調になりつつある。

 アルバートソンは2005年11月現在、全米約40州に2476店舗展開する食品スーパーマーケットである。直近の2004年度の売上は4兆円強であり、昨年対比約114%アップの増収である。2003年度は98.5%、2002年度は97.3%と2年間減収であったが、2004年度は店舗数を200店舗近く増やし、大幅増収となった。ただ、収益の方は厳しい状況であり、2004年度の税引き後利益は400億円強となり、売上対比1.1%となった。特に、収益はこここ数年、低迷が続き、2001年度1.4%、2002年度1.4%、2003年度1.6%とやや改善したが、2004年度は1.1%と過去数年間で最も低い数字となった。ちなみに、ウォールマートは2004年度は3.5%で過去10年間ほぼ3.5%水準で推移している。アルバートソンがいかに収益率が悪化しているかがわかる。では、この収益率の低さは何が原因かをみてみると、アルバートソンはウォールマートとの競争をはじめ、他の食品スーパーマー-ケットとの競争により、粗利が年々落ち、それに応じて販売管理費を抑えることができず、ゆるやかに上昇したことによる。2001年度の粗利は28.5%、販売管理費は24.9%、その差3.6%であったが、2002年は粗利29.1%、販売管理費25.2%、その差3.9%、2003年度は粗利28.6%、販売管理費26.1%、その差2.6%、そして、2004年度は粗利28%と過去最低となり、販売管理費は26.2%と過去最高となり、その差1.8%となってしまったことである。現在、アルバートソンは増収減益という状況であり、収益性をいかに上げるかが大きな課題である。

 それに加えて、現在、長期負債が約6000億円、短期の負債が約2500億円と合計8500億円近くになり、これが大きな負担となっている。税引き後利益が400億円強である点を考えると厳しい財務状況といえよう。また、資産としては土地建物等が何と1兆円を越える。仮に日本のようにバブルがはじけるようなことがあれば、大きな打撃となろう。

 ちなみに、アルバートソンのCEOはどのくらの報酬をもらっているかというと、サラリーが約1億5000万円、ボーナスが3000万円が2004年度の主な報酬である。昨年は特に業績が少しよかったとみえて、サラリーをはるかに越え、ボーナスは約2億円をもらっている。ボーナスの変動幅がいかに大きいかがわかる。その他の取締役は平均サラリーが約5000万円、ボーナスはまちまちであるが1000万円から5000万円というところである。

 さて、直近のアルバートソンはどうであろうか。この11/22に第3四半期の決算が発表された。それによると、売上は約1兆円で、昨年並みという。問題は粗利だが、28.12%と、昨年の第3四半期の27.93%に比べ0.19ポイントアップしたという。価格政策の見直し、薬の原価を見直したことが大きかったようだ。一方、販売管理費は25.57%と昨年より若干アップしたが、粗利との差は2.6%であり、2004年のトータル数字の1.8%を上回り、回復基調というところか。また、第3四半期には新店が7店舗、改装店舗が41店舗、閉店した店舗が18店舗であり、現在、2476店舗となった。

 このように、アルバートソンの業績は回復基調にあるとはいえ、財務状況は依然として厳しい状況であり、今後の厳しい競合状況の中で、どのように収益を確保するかが最大のテーマである。

 最後に、アルバートソンは次の5つの標語を最近では大切にしているという。expects 、plans、believes、 estimate、goal and guidanceである。

参考:アルバートソンのホームーページ

December 1, 2005 in ウォルマート、海外情報 | | Comments (0) | TrackBack (0)

November 29, 2005

スチューレオナルドが近々に4号店をオープン!

 スチューレオナルドが近々に4号店をオープンするという。本日、11/28時点ではまだオープンしていないが、2005年度中ということで、創業が1969年の12月なので、おそらく、来月であろう。スチューレオナルドは現在3店舗で、コネチカット州に2店舗、ダンバリーとノーウォークに、そして、ニューヨーク州のヨンカーズに1店舗である。はじめてスチューレオナルドを見た時、この食品スーパーマーケットがチェーン展開はさすがに難しいだろうと思ったが、すでに3店舗を成功させ、年商300億円近くになり、4店舗目を出店するというので、チェーン展開が軌動に乗りつつあるといえよう。

  アメリカでは食品スーパーマーケットはウォールマートのスーパーセンターとの競争に敗れ、厳しい状況にあるが、スチューレオナルドのような独自固有の長所を極限まで伸ばした業態を開発し、出店戦略を軌動に乗せたことは食品スーパーマーケットの新たな可能性を開くものといえよう。

  スチューレオナルドは入口の店頭の重さ3トンの御影石に彫り刻んだ社訓「Rule 1: The Customer is Always Right」「Rule2:If the Customer is Ever Wrong, Re-Read Rule1」があまりにも有名だが、スチューレオナルド最大のポイントは本ブログでもふれたように、通常の食品スーパーマーケットが約30,000品目の商品の品揃えをしているところを、わずか2,000品目、10分の1以下に絞り込み、しかも、売上が1店舗約100億円という驚異的な数字をあげてしまう点である。私がはじめてスチューレオナルドの売場を見た時の感動はいまでも忘れないが、これこそPI値そのものを実現した売場ではないかと確信したことである。青果(野菜と果物)、日配(牛乳、ヨーグルト、チーズ、パン)、精肉(アメリカでは魚よりも精肉がメイン)主体に売場がつくられ、グロサリーは重点商品のみに絞り込み、ワンウェイコントロールで客単価アップをはかるという、PI値理論の原理原則がいたるところで実現されていたことである。さらに、牛乳は1000頭の牛を実際に飼い、毎日独自に絞りたてを店頭に並べている。しかも、その種類は、Whole Milk、2% Milk、1% Milk、Skim Milk、Low Fat Chocolate Milk、Iced Cappuccino、Dulce de Leche、Lactose Free 100、Soy Milkの9種類である。牛乳のPI値は日本でも最高であるが、アメリカでも恐らく最高のPI値であろう。その品揃えを深く、広く行うという、うわさには聞いていたが、こんな店が現実に存在するのかと心底、驚いたものだ。

  スチューレオナルドがなぜ、出店戦略に踏み出したかは、1987年にCEOが創業者のスチューレオナルド氏から息子のスチューレオナルド-ジュニアにバトンタッチされたことが大きい。初代が約20年かけて、スチューレオナルドの基礎を築き、2代目がそのノウハウをもとにチェーン展開をはかるという理想的な経営の引継ぎができたといえよう。ちなみに、スチューレオナルド-ジュニアはロスアンジェルスのカリフォルニア大学でMBAを取得している。

  さて、スチューレオナルドはこれら2,000品目をどのように商品管理しているのだろうか。スチューレオナルドでは青果部門(ジュース売場もうけもつ)、ミート部門、フィッシュ部門の生鮮3品、デリ部門、キッチン部門、バーベキュー部門、ベイカリー部門、アイスクリーム&コーヒー部門(オリジナル牛乳からつくるアイスクリームにこだわり小さいながらも部門となっている)、デモ部門(試食販売等)のデリカ部門、そして、グロサッリー部門、ガーデンショップ部門(クリスマスチュリーなどの販売)の営業部門に加え、管理部門として、ビルディングサービス部門、フロントエンド部門、レシービング部門(物流、在庫管理等)、セキュリティー部門の全部で15部門で成立っている。

  このように、スチューレオナルドは他の食品スーパーマーケットがけっして真似のできない要素をいくつも持ち合わせているにもかかわらず、基本に忠実な独特な食品スーパーマーケットをつくりあげた。近々オープンするスチューレオナルド4号店に期待したい。


参考:スチューレオナルドのホームページ

November 29, 2005 in ウォルマート、海外情報 | | Comments (0) | TrackBack (0)

November 01, 2005

ウォールマート スーパーセンターが主力業態に!!

 2005年のウォールマートの年次報告書を見ると、ついにウォールマートの主力業態がディスカウントストアからスーパーセンターに入れ替わった。スーパーセンターが1713店舗になり、ディスカウントストアの店舗数1353店舗を約350店舗、上回ったのである。2004年はスーパーセンター1471店舗に対し、ディスカウントストア1478店舗であり、わずかにディカウントストアが多かったのであるが、今年大逆転を果たしたことになる。この時点で、既に、ウォールマートはディスカウント業態ではなく、スーパーセンターを主力業態とする小売業に生まれ変わったといえる。

  一般にウォールマートはトヨタ、GMを抜き、年商約30兆円という世界最大の超安定企業と思われているが、この10年間の軌跡を見ると、ディスカウントストストアからスーパーセンターへの業態展開の苦闘の歴史といってよい。いまから10年前の1995年にはディスカウントストアは何と1985店舗あったが、毎年毎年、5%前後のリストラを繰り返し、先程の数字のように2005年は1353店舗となったのである。これとは反対に、スーパーセンターは1995年にはわずか147店舗であった。まさに、スーパーセンター草創期といえる時期であり、この後、毎年約120%の成長を続け、2005年には1713店舗となり、ディスカウントストアを歴史上はじめて逆転したのである。

  しかも、ウォールマートのすごいところは、企業全体の成長率はこの10年間ほぼ110%を維持し、さらに荒利は22%前後、経費は18%前後、最終利益は3.5%前後を維持しつづけるというマネジメントの強さである。通常なら、これだけ、内部で激しく業態転換が起こっているので、マネジメントがブレてしまいがちだが、それがブレずに10年間続けてきた。経営陣の精神力の強さを感じさせる冷徹な数字管理である。

  ちなみに、ウォールマート経営陣はさらに次の10年後の布石もうちはじめた。食品スーパーマーケットの本格的な開発展開に入りはじたことである。6年前の1999年には、わずか4店舗でスタートした食品スーパーマーケットを慎重に開発展開をはじめ、翌年の2000年7店舗、2001年19店舗と店舗数を徐々に増やし、2005年には85店舗となった。今後、M&Aも含め、10年後は、スーパーセンターに変わる柱にしょうという意図が感じとれる。ウォールマートの成長はどこまで続くのか、この冷徹なマネジメント力をもつ経営陣がいる限り、あと10年は続きそうである。

November 1, 2005 in ウォルマート、海外情報 | | Comments (0) | TrackBack (0)