December 09, 2007
PPIを用いた新製品ランキングの試み!
本ブログでは毎週金曜日に発売される日経MJの新製品週間ランキングについて書き続けているが、新商品の評価は単純POSデータで評価するよりも、ID-POSデータで評価する方がより有効性が高いといえる。その理由は単純POSデータには、売上金額、売上数量での単純分析の段階、次に、総客数が加わり、PI値分析ができる段階、そして、レシート枚数を把握し、グルーピング客数が加わり、PPI分析ができる段階と3段階ある。2段階目までは、完全ではないにせよ、日本のほとんどの小売業界で現在活用が進んでいるが、レシートを活用した、PPI分析に関しては、現状のPOSシステムで、ちょっと無理すればできるが、ここに真剣に取り組み、マーチャンダイジングの改善を図っている小売業はほとんどないのが実態である。
新商品ランキングについても、当然、この3段階があるが、日経MJは2段階目でのランキングを中心に、一部、カバー率を算出することによって、3段階目を含むランキングを算出しているといえる。カバー率は新商品の導入店舗の割合いを示しており、日経MJの客単価は全体客数で割った客単価ではなく、カバー率の店舗のみの客単価を示しているので、全体客数、このケースの場合は対象チェーン全体の客数ではなく、導入店舗のみのグルーピング客数を使っているからである。
実はこの日経MJのデータでももう一歩、あるいは2歩踏み込んだ分析も可能である。それは、導入店舗の対象商品の購入客数のみを抽出し、客数をグルーピングし、それを分母にし、客単価を算出することにより、より、顧客の消費実態に近い客単価でランキングをつけることである。あるいは、逆に、その新商品が属する小分類の客数を分母にしてカテゴリー内での消費実態を見ることも可能となる。
ただ、これらのデータはどこまで精度を上げていっても、あるいはあらゆるアイデアを導入しても限界がある。けっして越えられない質的な壁が存在する。それが頻度である。頻度に関しては、現状の単純POSデータでは算出不可能な指標であり、概念である。どんなにレシートをひっくり返しても不可能な指標であり、この頻度を算出するには、唯一、ID-POSデータを活用する以外に方法がない。逆にいえば、ID-POSデータが優位性を持ち、世の中に貢献できる存在意義は、唯一、この頻度を算出できるということにあり、これ以外はないといっても過言でない。
したがって、新商品ランキングについても、日経MJのようなランキングにもうひとつ今後必要な新商品ランキング分析はID-POSデータからしか算出できない、頻度を加えることが大きなポイントとなる。
では、頻度とは何かであるが、それはID数と回数とを区別し、ID数当たりの回数のことである。通常のレシート分析では、レシートにIDがついていないため、ID数を把握することができず、回数しかわからない。したがって、レシートが2枚あった場合、1IDのみのレシートか2IDのレシートかの区別ができず、1ID当たり1回なのか2回なのかが区別されず、レシート2枚=2回しか把握できず、そこには頻度が存在しない。頻度はレシートにIDがついた時のみ把握が可能な指標であり、ここが単純POSデータとID-POSデータの唯一の違いといって良い。
この頻度を活用した新商品ランキングとはどのようなものになるかであるが、単純POS分析のレシート枚数に加え、頻度ごとのレシート枚数を数えることが可能となるため、初回購買のみの場合、2回以上の頻度の場合、さらに、それを小頻度、中頻度、高頻度と分けるなど様々な頻度分析が可能となる。このように自由に頻度をもとに商品の分析が可能となるのがID-POSデータの最大の特徴といえる。
ちなみに、客単価とは何かであるが、客単価は回数(客数)当たりの売上金額のことであり、ここには頻度が一切入っていない指標である。これに頻度が入ると、ID当たりの売上、ある期間当たりのID客単価が算出可能となる。数式的には、客単価=総売上÷総回数であり、来店頻度=総回数÷総IDとなるので、この2つを掛け合わせると総回数が相殺され、総売上÷総ID=ID客単価となる。したがって、総売上=ID客単価×ID数であり、IDが把握できない場合は総売上=客単価×総回数となるので、総売上=客単価×総回数=ID客単価×ID数=客単価×頻度×ID数となる。
したがって、新商品のランキングもこの数式を活用すれば、客単価だけで見るのではなく、頻度を加えることにより、ID客単価での分析が可能となり、より消費実態に迫る分析ができる。また、頻度×ID数=総回数÷ID数×ID数であるので、=総回数となり、総売上をID客単価=客単価×ID数と客数=頻度×ID数に分けてもよく、IDにより、客単価を掘り下げるか、客数を掘り下げるか双方が可能となり、客単価、客数双方のアプローチがIDを把握することによってはじめて可能となる。あとは、ここから様々な応用が可能となり、アイデア次第で様々な評価指標をつくることが可能である。
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December 9, 2007 in 客単価3D分析, 経済・政治・国際 | Permalink
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November 23, 2007
ID-POSの時代、真近?
最近、POS分析があらたな時代に突入したように肌で感じる。POS分析はこれまで、生データで分析、PI値で分析、客単価3Dで分析、ID-3Dで分析と変遷してきたが、ここへきて、大手チェーンストアがPOSデータをメーカーに公開しはじめ、メーカーを含めたPOS分析が本格化しはじめた。ただ、現段階では、生データとPI値による分析が主な分析手法であり、客単価3D、ID-3Dに踏み込んだ分析も一部にはあるが、まだまだ本格化しているとはいえない。ただ、ポイントカードは急激に大手チェーンストアに普及しはじめており、今後のPOS分析は客単価3D、ID-3D分析に移行することは必至といえる状況となりつつある。
ここで、上記4つのPOS分析を整理しておくと、以下のような違いがある。生データ分析は文字通り、売上の原型となる分析であり、売上金額と売上数量の2つの指標のみの分析である。ここから、売上金額÷売上数量で平均単価を算出できるので、基本指標は、売上金額、売上数量、平均単価の3つとなる。通常、POSデータの公開というと、この段階での公開がこれまでは主流であった。ところが、ここ最近ではもうひとつの指標、客数、店舗全体のレジ通過客数(店舗全体のレシート枚数)も公開されるようになり、次のPOS分析手法であるPI値分析が可能となった。これは、生データに加え、全体客数が公開されるため、顧客一人当たりの指標、PI値の算出が可能となり、生データを客数で割った指標が算出可能となる。売上金額÷客数=金額PI値(客単価)、売上数量÷客数=数量PI値(PI値)が加わることとなる。これにより、売上は、売上=客数×客単価(金額PI値)=客数×PI値×平均単価となり、客単価(金額PI値)=PI値×平均単価の客単価2D分析が可能となる。現在のPOSデータ公開はここまでは、ほぼ可能となり、この分析手法が現在では主流のPOS分析手法といえる。
そして、最近では、突然、IDデータの公開がはじまりつつあり、客単価3D分析を通り越して、いっきに、ID-3D分析の時代に突入しつつある。そこで、まず、客単価3D分析をおさらいしておくと、PI値分析とどこが根本的に違うかであるが、それは、客数の把握の仕方の違いにある。通常のPI値分析では、客数は全体客数であるが、客単価3D分析では客数が細分化されたり、自由に組み合わせて新たな顧客グループをつくるなどが可能となるため、客数を無限につくることが可能となる。したがって、PI値が客数PI値とPPIに分解され、PI値=客数PI値(グルーピングされた客数÷全体客数)×PPI(売上数量÷グルーピングされた客数)となる。PPIはPersonal PI値のことであり、より、顧客一人一人に近づいてゆき、最後は顧客一人のPI値になってしまうので、Personalとなる。これが可能になるのはレシート枚数を1枚1枚数え、客数を自由にくることができるからである。ここまでは、技術的には通常のPOS分析で、プログラムさえ開発すれば十分に可能な話である。ちなみに、併売分析もこの段階で十分に可能となる。
ただ、最近では、このレシート分析を通り越して、いきなり、ID-POS分析に入りつつあるといえる。それは、ポイントカードの普及が大きな影響を与えており、ポイントカードを導入していれば、レシート1枚1枚にIDを付けることが容易であり、レシート分析をするのであれば、レシートID分析をしてしまった方が一石二鳥であるからであろうと思われる。
では、恐らく、今後、主流となるID-3D分析はとなどのような分析となるかであるが、これは、レシート1枚1枚にIDがついた分析となるため、客単価3D分析では踏み込めかった客数をID数と総レシート枚数に分解できるようになることである。この一点が客単価3D分析とID-3D分析の違いである。これにより、頻度を算出することが可能となる。頻度とはある一定期間にレシート枚数が何枚であり、そのレシートのIDがいくつであるかが把握可能となり、レシート枚数÷ID数でID当たりの頻度の把握が可能となることである。レシートにIDがついていないと、これは絶対に不可能なことであり、頻度はIDの把握ができてはじめて算出できる指標となる。
したがって、ID-POS分析は客単価3D分析で可能となった、客数を細分化したり、自由に組み合わせて新たな顧客グループをつくったりした客数そのものをさらに頻度という指標で分解可能となり、客数の把握が一次元から2次元、3次元と無限分化してゆくことになる。ここまで来ると、想像力で無限にマーチャンダイジング指標をつくることが可能となり、基本の分析手法は客単価3D分析となるが、指標そのものはざっと数えても40から50はあり、どの指標が現状のマーチャンダイジングの課題を解決するかを見つけられるかが勝負となる。また、これはマーケティング調査データとも連動させることが容易となり、マーケティングの仮説をマーチャンダイジングの分析で検証するとも可能となり、このID-POSデータは小売業のみで活用するのではなく、まさに、メーカーに公開し、共同で仮説検証を実施してゆくことが望ましいし、その方がより、小売業にとってもメーカーにとっても商品を通じて、顧客満足度を高めてゆくための共通のベクトルを生み出すことになる。時代はどうも、このID-POS分析にいっきに突き進むように感じる。
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November 23, 2007 in 客単価3D分析, 経済・政治・国際, PI値 | Permalink
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August 10, 2007
ブランドスイッチを考えてみる!
以前からの研究テーマのひとつであるが、ブランドスイッチを指標化できないかという課題をずっと追いかけている。約10年ぐらい前に一度取組み、そのままになっていた課題のひとつである。ただ、これまで何もしなかったわけではなく、ブランドスイッチの指標化への理論はずっとあたためていた。ほぼ、これでいけるのではというところまではきたが、肝心の生データが思うように入手できず、中々、実践に投入できなかったというのが実状である。また、私の専門は小売業へのコンサルティングが主であり、ブランドスイッチはどちらかというとメーカー側の方が関心が高い問題であるので、優先順位が低かったことにもよる。ところが、ここへ来て、メーカー、卸の方との接点が増えはじめ、生データも入手可能な環境が整いはじめてきたので、あらためて、ブランドスイッチに取り組むべき状況になったといえる。
まず、ブランドスイッチを指標化するには現状のPOSデータでは不可能である。現状のPOSデータでは点数と金額しか把握できず、そこから金額÷点数で平均単価を算出するまでが限界であるからである。ブランドスイッチを指標化するにはAブランドの顧客とBブランドの顧客を算出し、Aブランドの購入顧客がいつ、どのくらいBブランドに移動したかを算出することが必要であり、そのためにはブランドごとの顧客を正確に把握することが必要であるからである。この顧客の把握が現状のPOSでは不可能である。現状のPOSでも稀に全体の客数以外に部門客数、場合によっては単品客数まで算出しているものもあるが、これはレシート枚数を数えている客数である。したがって、Aブランドの客数はAブランドのレシート枚数を単純に数えただけであるので、その時点でAブランドを購入している客数は確かに把握できるが、Bブランドからスイッチしてきたどうか、あるいは他のブランドからスイッチしてきたかどうかは皆目わからないのが現状であり、ここまでが、現状のPOSデータの限界である。ただ、それでもAブランドとBブランドのデータをしっかり追いかけていけば、ある程度の推測はできるが、精度が低いので、それをもとにマーチャンダイジング政策を立案するには危険である。
ではブランドスイッチを正確に指標化するには何が必要かであるが、それはAブランドの購入客数だけではなく、Aブランドの顧客IDが必要となる。顧客IDが把握できてはじめてブランドスイッチを計算できる条件が整うといえる。現在、食品スーパーマーケットで顧客IDを把握し、ブランドごとに顧客ID分析を行い、それをマーチャンダイジング政策に活用している企業は皆無といってよく、とりあえず、顧客に単純にポイントを付与するために顧客IDを活用しているのがせいぜいであり、限界であるといえる。
そこで、この顧客IDをブランドごとに把握できた場合、どのようにブランドスイッチが指標化できるかであるが、いくつか考えられる。最も単純な方法はAブランドの顧客IDを購入回数ごとに分け、初回購買顧客、リピート購買顧客、さらには、リピート購買顧客を2回、3回、・・たくさんと分類し、それぞれの購買状況ごとにBブランドを購入した顧客IDを算出し、その購入率を算出する方法である。もっと単純にAブランドの購入IDが次の購入時にBブランドに移る購入率を算出することもひとつの方法である。これだけを追いかけるだけでも、Aブランドの購入者がどのようなタイミングでBブランドに移るかが把握でき、その時、何が起こっていたか、CM、ちらし、棚割り、価格訴求などの推測が成立つ。
あるいは少し複雑になるが、AブランドとBブランドを購入するIDをひとつのカテゴリーととらえ、その合計IDを分析し、Aブランドだけを購入しつづける顧客ID、Bブランドだけを購入しつづける顧客ID、さらに、どちらも購入しなくなった顧客ID、両方購入する顧客ID、AブランドないしはBブランドをリピート購買する顧客のなかで、どのくらいの比率でブランドスイッチがどのようなタイミングで起こるかを算出することもひとつの方法である。
そして、ここまで顧客IDが把握できれば、あとは、ID-3D分析を適用すればよく、客単価=客数PI値×PPI×平均単価の公式を顧客IDごとに当てはめてゆけば、ブランドスイッチの指標化が客単価3D分析の応用範囲で可能となる。顧客IDだけであると顧客数のブランドスイッチのみであるが、客数PI値×PPIで点数となり、顧客ID当り何個ブランドスイッチされたかがわかり、PPI×平均単価で金額PPIとなり、その時の客単価はどのくらいかがわかり、客数PI値×平均単価で、その時の一品客単価がどのくらいかがわかる。
このように、ブランドスイッチの指標化も顧客IDが把握できる環境がととのいつつある現状では、そろそろ実践投入も可能な段階に近づいたといえ、今後、食品スーパーマーケットだけでなく、メーカーも加わることにより、より実践的なマーチャンダイジング政策を立案できるのではないかと思う。顧客IDの活用はマーチャンダイジングの新次元を開拓してゆくような予感がする。
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August 10, 2007 in 客単価3D分析, 経済・政治・国際 | Permalink
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August 09, 2007
時代は3次元へ、客数軸がポイント!
8/8の日経新聞に連載記事、「新・産業連関図、ヒットは部品で創れ」の第2回目が掲載され、家庭用ゲーム機「Wii」が取上げられた。見出しは「3次元センサーの変革」というもので、Wiiの人気の秘密を「ゲームを操作する棒状のリモコンをテニスラケットやゴルフクラブのように振ったり、ひねったり、新しい楽しみ方を提示した点にある」と説明している。そして、その背景には「三軸加速度センサー」の存在があるといい、この技術がWiiのヒットにつながったという内容である。
「三軸加速度センサー」とは左右、前後、上下の三次元にかかる圧力を立体的な動きとして機器に認識させるセンサーであり、原子の直径の十分の一ほどの動きでも検知できる精度であるという。ちなみに、2006年の家庭用ゲーム機市場は昨対146%で伸びており、2,665億円であるという。Wiiの国内累計販売数は360万台(ゲーム雑誌、エンターブレイン)であり、ソニーのプレイステーションは106万台であるので、3倍強の差であるという。家庭用ゲーム機市場では確実に3次元が浸透し、時代は2次元から3次元の時代となったといえよう。
本ブログでも政治もPI値からPPIの時代へという内容を取上げたが、PI値は2次元、PPIは3次元であり、あらゆる場面で3次元がキーワードとなりつつあるといえよう。これも以前、本ブログで取り上げたが大リーグではすでに3次元の時代に入っており、打率が従来のPI値からPPIを重視するようになり、テレビ画面にも最近では通常の打率に加え、得点圏打率が提示されるようになっている。打順の組み方にもこの指標が応用されているようで、1番、2番はPI値、3番、4番、5番、6番は平均単価、7番、8番、9番はPPIという流れで組まれているように思える。平均単価とは長打率のことであり、PI値は低いが、長打率は高いということである。PPIとはPI値も、長打率も低いが、得点圏打率は高いということであり、このように、PI値、平均単価、PPIを駆使して打順を組んだ時に最も得点をとる確率が高くなり、チームが勝てるというものである。
ひるがえって、食品スーパーマーケット業界にも3次元センサーが生まれつつある。従来、食品スーパーマーケットでは、客単価をPI値、平均単価に分解し、2次元でマーチャンダイジング政策を立案してきたが、ここへ来て、もうひとつの軸、客数PI値が算出できる土壌が整いつつあり、3次元でのマーチャンダイジング政策へ移行することは時間の問題のような状況となりつつある。Wiiのように3次元センサーをつくる本格的なメーカーがまだ現れていないので普及にまではいたっていないが、食品スーパーマーケット用の3次元センサーの理論は本ブログでも何回も取り上げているので、ほぼ完成しており、あとは、3次元センサーを誰がつくり、どう普及されるかにかかってきたといえよう。
では、食品スーパーマーケットに3次元センサーが活用されるとどのようなことが実現されるかであるが、まず、変わるのはレイアウトであり、品揃えであり、販促であろう。この3つが根本的に変わる可能性がある。なぜかというと、3次元の3つ目の軸は客数軸であり、現状の食品スーパーマーケットでは、客数軸を数値化することが不可能であり、客数という観点からのマーチャンダイジングの構築の視点が欠けているといえる。店は客のためにある、客は商品にしかつかないという様々な格言はあるが、その肝心な客を表す指標が正確に把握できていないのである。現在、把握可能な指標は点数とこれに単価を掛けた売上であり、客数に関しては全体客数までがせいぜいであり、そこから先の世界を認識することができない状況といえる。
仮に客数が細かく認識できたらどうなるか。ある商品は全体客数で見ればNo.1であるが、60歳以上の方のみで見た場合はワーストかもしれない。逆に60歳以上の方から圧倒的な支持を受けるNo.1の商品は全体客数から見ればワーストかも知れない。これはひとつの例だが、客数はこのように年代別、男女、住んでいる場所などどこまでも細かく細分化ができる。また、ある商品を1回だけしかかわない顧客、2回以上購入した顧客、2回以上購入した顧客でも毎回購入する顧客、数回に1回、数10回に1回購入した顧客など、全く別の角度からも客数が把握できれば、マーチャンダイジングへの応用は無限といってよい。
これによって、野球の打順のように客動線に沿ってどのように商品を配置すれば客単価が上がるかの仮説が立案でき、ある特定の客層における商品のコーナー化が生まれ、ほんとうにその商品をカットすべきかどうかも検証でき、さらにはメーカーのCMと連動させた商品の仮説検証が可能となり、その後のリピートがなされているかの追跡も可能となる。このように客数軸を加えた3次元分析は食品スーパーマーケットの次の時代のマーチャンダイジングをリードしてゆくといえ、食品スーパーマーケット業界にも3次元センサーの開発が待たれるところである。
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August 9, 2007 in 客単価3D分析, 経済・政治・国際 | Permalink
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June 06, 2007
家計調査データ速報、2007年4月度、食品100.5%!
総務庁統計局から2007年4月度の家計調査データが5/29公表された。家計調査データは約1ケ月遅れで公表されるため、現在6月に入っているが、最新のデータは4月度のデータである。本ブログでは、このデータを食品スーパーマーケットの商品分類と連動させ、客単価と比較しやすいようにするために、月間の支出金額を1日当りに直し、さらに、全体世帯のみではなく、購入世帯の割合、そして、その支出金額をも算出し、客単価3D分析を試みている。客単価3D分析は客単価=客数PI値×PPI×平均単価=客数PI値×客単価PPIとなるが、家計調査データではPPIの集計が十分でないため、客数PI値(購入世帯の割合)と客単価PPI(購入世帯のみの支出金額)を算出している。これにより、支出金額の中身が、購入世帯が増えたのか、購入世帯のみの支出金額が増えたのかがわかり、より、家計調査データを実戦にいかすことが可能となる。
一例をあげると、酒の全体の購入世帯(購入世帯+購入していない世帯)の支出金額は2007年4月度の最新のデータでは112.77円であるが、購入世帯のみの支出金額は180.24円と高くなる。これは購入世帯の割合(客数PI値)が62.6%であり、約40%の家計では1ケ月に1回も酒を購入しなかったからであり、購入した世帯だけで、見ると、高くなるのである。ちなみに、酒の分類は清酒、焼ちゅう、ビール、ウイスキー、ぶどう酒、発泡酒、他の酒の7分類であるが、全世帯での支出金額No.1はビールの41.55円であり、ワーストはウィスキーの4.13円と10倍の差であるが、購入世帯のみの支出金額で見るとウィスキーが130.67円とNo.1となり、ビールは122.02円とNo.2となり、逆転現象が起こる。
これは、購入世帯の割合がビールは34.1%であるが、ウィスキーはわずか3.2%であるためである。全体の数字だけを見ていると、ウィスキーは縮小あるいはカットしてしまえということになるが、これをカットすると、3.2%のウィスキーを特に好んで購入している優良顧客のカットにつながり、これがその他の商品へも波及し、売上を落とす結果を招くこともあり、縮小、カットには慎重さが必要な商品であることがわかる。むしろ、ウィスキーに活路を求めた方が、ウィスキーNo.1の店づくりにつながり、酒全体の活性化、ひいては、店舗全体の活性化につながる可能性もあり、このような、全体ではわずかな支出額でも、購入世帯のみで見た場合、大きな支出額になる商品には注意が必要である。
ちなみに、このようなウィスキー型の消費傾向を示す商品群は大分類では酒が購入世帯数の割合で62.6%と突出しており、それ以外の項目はほとんどが90%を越え、1ケ月に1回はその大分類の中の何らかの商品を購入していることがわかる。その意味でも酒は、食品スーパーマーケットのマーチャンダイジングにとっては特別な商品であり、従来のマーチャンダイジングの発想では溶けない問題がここにはあるといえよう。
ついでに、少し特徴的な商品を見てみると、米77.03円=54.4%×141.73円、貝類12.48円=52.0%×24.02円、合いびき肉5.06円=26.6%×19.03円、バター1.74円=16.3%×10.70円などがあり、丹念にみてゆくと意外な商品が浮かび上がってくる。今後、POS分析でもこのような分析が主流となろうが、最近の電子マネーによるポイントカードの急速な普及を見ると、これに、さらにIDが加わり、ID-3D分析に一気に飛ぶ可能性もあり、POS分析は、約20年前の単品管理の時代からやっと脱却でき、新たな分析の時代となる可能性が大きいといえよう。
さて、2007年4月度の概要であるが、食品全体では1,892.97円(100.5%)である。家計調査データの食品の合計には外食の消費データも入っているため、本ブログでは食品スーパーマーケットでの取扱い商品と連動させるためには外食を抜いた数字で見ている。それぞれの大分類を見てみると、穀類204.00円(100.7%)、魚介類234.94円(99.6%)、肉類197.23円(101.7%)、乳卵類 104.23円(97.8%)、野菜・海藻277.97円(99.3%)、果物84.55円(104.5%)、油脂・調味料98.77円(101.6%)、菓子類195.06円(99.3%)、調理食品264.03円(100.4%)、飲料119.42円(104.3%)、酒類112.77円(99.5%)であり、好調な部門は果物、飲料であり、逆に厳しかった部門は強いてあげれば乳卵類ぐらいであり、この4月度は全体も100.5%であり、堅調な消費支出額であったといえよう。
このように2007年4月度の家計調査データは食品の全体が100.5%と堅調な数字となり、ここ数ケ月、ほぼ、同様な傾向が続いており、景気の回復が消費に僅かではあるが、及んできたような兆候が見られるようである。ただ、その数字は大きな変化ではなく、当面、注意深く消費動向をみてゆく必要がありそうである。
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June 6, 2007 in 客単価3D分析, 経済・政治・国際 | Permalink
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May 25, 2007
3つのPI値と客単価分析の4つの側面、頻度が今後のポイント!
約20年前、PI値にはじめて出会った時、PI値はひとつしかなかった。また、その時には客単価とPI値の関係も明らかではなかった。PI値とは商品の買上点数を客数で割って算出する指標であり、Perchance Index(incidence)の略であり、日本語では客数比率、顧客支持率などと呼んでいる。その後、客単価(金額PI値)との関係が明らかになり、PI値は飛躍的な発展を遂げる。ちょうどPOSレジが食品スーパーマーケット業界に本格的に普及し、単品管理がはやり始めた頃であった。ただ、PI値のみが先行し、客単価とPI値の関係をしっかり理解し、実務に活かしている事例は意外に少ないのが実態である。
客単価は単純分解すると客単価(金額PI値)=PI値×平均単価に分解でき、これにより、PI値は客単価をアップさせるための1指標であることがわかり、しかも、平均単価との関係でのみPI値は変化し、双方のバランスをとりながら客単価を引き上げてゆくことがポイントであることがわかる。PI値だけ、平均単価だけをいくら引き上げても、片方が落ち込めば、客単価は上がらないことがわかる。この2つの指標をグラフ化すると双曲線、反比例の関係となる。すなわち、客単価アップとは直線的な思考では絶対に不可能なことであり、2次元の双曲線的な思考がポイントであり、この双曲線をバランスよくひきあげてゆくことが求められる。
その後、PI値はいきなり、カード化の時代を迎える。いまから10年ぐらい前のことである。これはたまたま、ポイントカード関連の依頼が飛び込んで来たことによる。ポイントカードに対するPI値の活用はどのような方法が最適かが問われ、その結果、PI値-ID分析が生まれた。これはPI値をIDにより初回購買とリピート購買に分けて算出し、IDが取得可能である場合の新たな分析手法として結実する。ただ、当時は客単価との因果関係が明確でなく、PI値が先行したID分析となってしまったが、当時としては、画期的なリピート購買分析によるOne To Oneクーポンを開発するなど、PI値-ID分析がポイントカード分析に大いに役立った。
そして、最近では、再度、PI値、PI値-IDの課題を改めて整理し、客単価との因果関係を明確にし、客単価1D分析、客単価2D分析、客単価3D分析、客単価3D-ID分析と4段階での客単価の分析を理論的に解明し、現在にいたっている。また、客単価分析のPI値と平均単価の関係をPI値と時間に置き換えることにより、時間という概念を組み込んだ客単価、というようりも客時間分析も応用編として開発し、こちらは、特にWebの世界での活用を目指している。これも客単価同様、客時間1D、2D、3D、3D-IDと分析内容を深めてゆくことが可能であり、次世代型のPI値の活用方法のひとつとなるのではと思っている。
さて、客単価分析であるが、客単価1D、2Dまでは比較的単純であるが、客単価3D分析は少し複雑になる。何が最も違うかというと、客数が細分化されることである。通常の客単価は全体客数を基に算出するが、客単価3D分析は客数を自由に細分化し、様々な客単価を導き出すところに特徴がある。したがって、客単価2D分析では、客単価=PI値×平均単価であったが、これが客単価3D分析では、客単価=客数PI値×PPI×平均単価となり、3Dとなる。PPIは細分化された客数における買上点数であり、客数PI値は細分化された客数の割合となる。実務的にはレシートデータを分析する時にこの客単価3D分析が適用されることとなる。
一例をあげれば、バナナの客単価=バナナを購入している顧客の割合×バナナの購入顧客のみのPI値(PPI)×バナナの平均単価となる。客単価2D分析ではバナナの客単価=全顧客のバナナのPI値(バナナの購入顧客+未購入顧客)×バナナの平均単価となる。レシート分析により、バナナの購入レシートのみを数えて算出すると客単価3D分析が可能となる。
そして、客単価3D-ID分析であるが、この分析手法がここへきて注目される時代が近づいているように思える。それは、セブンイレブンにおいて本格的な電子マネーカードnanacoがはじまったからだ。追随する形でイオンもワオンをスタートさせた。これにより、小売業界は一気に電子マネーによるポイントカードの時代を向かえることとなり、これまでのPOS分析からIDカードを含めたPOS-ID分析の時代に突入した。そして、その有力な分析手法が客単価3D-ID分析である。
客単価3D-ID分析の特徴は顧客一人一人の購買行動にもとづく客単価分析であるところに特徴がある。顧客一人一人の購買状況がわかるがゆえに、客単価3D分析では把握できなかった購買頻度の分析が可能となる。購買頻度はIDなしにはできない分析であり、IDが把握できてはじめて可能な分析となる。これにより、客単価を初回購買、リピート購買に分けることも可能になり、先ほどのバナナでいえば、バナナの購入顧客を頻度によって把握し、バナナの初回購買顧客とバナナのリピート購買顧客を分けて客単価を算出できるようになり、その割合も客数PI値で算出できるようになる。すなわち、バナナの客単価=バナナの初回購買客単価+バナナのリピート購買客単価となり、=バナナの初回購買客数PI値×バナナの初回購買PPI×バナナの初回購買平均単価+バナナのリピート購買客数PI値×バナナのリピート購買PPI×バナナのリピート購買平均単価となり、さらに、購買頻度ごとに細分化することも可能となる。
このように、PI値には通常のPI値、細分化PI値(PPI)、そして購買頻度を考慮したPI値(PPI)-IDがあり、それに応じて、客単価も2D、3D、3D-IDと1Dをいれて4つの側面がある。今後、時代はいっきに3D-IDへと向かいそうであり、POS分析もその意味で新たな分析の時代の幕開けといえよう。
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May 25, 2007 in 客単価3D分析, 経済・政治・国際, PI値 | Permalink
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April 16, 2007
チェーンストアエイジ4/15号にビールのPOS分析記事を投稿!
チェーンストアエイジの最新号、4/15号、109ページにビールのPOSデータ分析の記事を投稿した。「ビールのPOS分析に基づく最重点商品の選定とその活性化手法について」というタイトルの記事である。TOPNAVI-NET(凸版印刷)の顧客延べ約2000万人のビールのPOSデータを客単価2D分析で解析、最重点商品29品を抽出し、そのデータをもとにビールの活性化手法を論じた内容である。約3ページに渡る内容であるが、そのままビール売場の活性化につながると同時に、基本的なPOS分析の仕方をコンパクトにまとめたので、参考にしていただければと思う。本ブログでは、この3ページで書ききれなかった内容について、少し補足してみたい。いわば番外編である。
まず、意外だったのは、金額PI値(客単価)、PI値が2つに区別してデータ化されていたことである。金額PI値でいえばひとつは金額PI総店という対象店舗約400店舗の金額PI値であり、もうひとつは金額PI扱店という各ビールを取り扱っている店舗のみの金額PI値である。これは当初データを見るまでは、全体の金額PI値のみと思っていたが、両方算出されていたので、今回は客単価3D分析の分析手法を応用した最新のPOS分析手法でビール全約400品の単品データを分析することができた。客数が導入店舗の客数であり、購入者のみの客数ではないので、厳密には客単価3D分析ではないが、分析手法、考え方は同じである。本ブログでも恒例の日経MJの新製品ランキングも金額PI値を使用しているが、これがどちらの金額PI値かいまいち不明だが、恐らく、家庭用品の異常値を見ると、取り扱い店舗のみの金額PI値であろうと思われる。
もうひとつ意外だったのは対象約400店舗の内、何%の店舗が導入しているかを示す指標であるカバー率が算出されていたが、その客数が明示されていないことであった。全体客数はあるので、それにカバー率を掛ければいいかというと、実はそうではない。約400店舗の規模はまちまちであり、客数は各店平均しておらず、ばらばらだからだ。客単価3D分析を活用するためには、基本の数式が金額PI総店=客数PI値×金額PI扱店となるため、正確な扱い店舗の客数が必要となる。そこで、今回の記事では、客数PI値=金額PI総店÷金額PI扱店となるので、逆算して、客数PI値を算出して、記事の中では取扱店客数比率として明示した。したがって、これはカバー率ではなく、純粋なビールの取り扱い店舗の客数を全体客数で割った指標となっている。
このように基本指標を一部独自に算出することにより、今回は客単価3D分析の考え方を取り入れたビールの最新のPOS分析となった。基本数式は、金額PI総店=取扱客数比率(客数PI値)×金額PI扱店=取扱客数比率×数量PI扱店×平均単価であり、この数式にもとづいて、ビール全品の分析を行った。実はチェーンストアのMD評価表を作る際もこの基本数式の活用が望ましく、金額PI総店=全店だけではなく、金額PI扱店=導入店舗も算出すると、より精度の高いPOS分析が可能となる。
今回、ビールのPOS分析に取り組んでみて感じたことは、プレミアムビールが確かに伸び率は高いがビールの中では約10%の構成比であり、最重点商品の条件に1品もあがってこなかったことである。ビールは実態としてはこの10年間定番中の定番であるアサヒスーパードライ、キリン一番絞りが突出しており、ここをしっかり売らないと数字がとれないことがあらためて浮き彫りになった。ただ、意外だったのはケース販売の健闘である。取扱客数比率は50%を割るが、扱っている店舗では金額PI扱店は全商品の中でNo.1であり、最重点商品の中ではケースをしっかり売り込むことが明暗を分けるといえよう。
また、アサヒのスーパードライへの偏りが発泡酒、第3のビールの最重点商品を見ると改めて鮮明に浮かび上がった。この2分野では圧倒的にキリンの淡麗、のどごしが支持されており、アサヒは明らかに劣勢である。しかも、この2分野の最重点商品は売上出現日がキリンの淡麗を除き、ここ数年のものがほとんどであり、いかに新商品開発、CMの激しい競争が繰り広げられているかも伺いしれる。
そして、もう一点、金額PI総店の昨対比較を見てみると、ビール、発泡酒は120%以上で伸びているが、第3のビールはあれだけ激しい宣伝をしているにもかかわらず、意外に伸び率が低く、100%強という点である。感覚的にはもっと第3のビールが伸びているのかと思っていたが、今回の結果はビールがNo.1(約125%)であり、発泡酒がNo.2(約120%)、第3のビールはNo.3(約100%)という伸び率であった。これは食品スーパーマーケットにやっと酒売場の本格的な導入がはじまったので、ビール、発泡酒を限られた尺数の中で優先的に導入している面もあるのではと思う。
このように、この最新号4/15号のチェーンストアエイジの109ページから3ページに渡って、客単価3D分析の考え方を取り入れた最新のビールの生データのPOS分析結果と活性化手法をまとめてみたので、本ブログの過去の客単価3D分析の記事とともに参考にしていただければ、今回の記事がよりわかりやすくなると思う。
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April 16, 2007 in 客単価3D分析, 経済・政治・国際 | Permalink
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April 03, 2007
POPの目的とその理論的根拠を考えてみる!
食品スーパーマーケット最新情報は日刊版と週間版があり、週間版は毎週月曜日の午前12時00分にまぐまぐから購読者にとどけられる。そのまぐまぐでここのところ毎回掲載している記事の中に、コンサルティング、現場からのミニレポートというコーナーがあり、直近の4/2号は、第25回目となり、2つのPOPについてというテーマをとりあげた。POPには理論的には2種類あり、それをいかに使い分け、目的の客単価アップへ結びつけるかがポイントであることを解説した。ただ、若干、補足したい面もあるので、本ブログでは、再度、内容を加筆修正し、改めて、2つのPOPについて取り上げてみたい。
POP(Point Of Purchase)は直訳すれば購入(購買)ポイントであり、顧客と商品との接点における商品訴求ということになるかと思う。したがって、その目的は商品の売上、すなわち、客数と客単価を増やすことにあるといえる。客数は新規顧客の増加と既存顧客の来店頻度アップであるので、POPの役割は、既存顧客の来店頻度を増やし、かつ、既存顧客からの口コミにより、新規顧客をいかに増やすかにあるといえよう。一方、客単価については、客単価を3D分析すると、客数PI値(商品購入客数÷店内総購入客数)×PPI(商品購入点数÷商品購入客数)×平均単価=客数PI値×金額PPI(PPI×平均単価、ないしは、商品購入金額÷商品購入客数)となる。したがって、POPを通じて客単価アップをはかるには、ひとつは客数PI値アップ、そして、もうひとつは金額PPIアップと2つの指標のアップが考えられる。
ここでは、客数アップについては別の機会に譲るとして、客単価アップに焦点を当て、POPの役割を考えてみると、POPは理論的には2つの目的があることがわかる。ひとつは客数PI値アップである。これは店内総購入客数の中からいかにその商品の購入顧客を増やすかが目的となり、主通路を通っている顧客をひきつける、あるいは誘導するPOPとなる。商品説明よりも、キャッチコピー、色、におい、大きさなど五感に訴えるPOPが主となる。いわゆる、AIDMAのAttention(注意)、 Interest(関心)にあたる部分であり、主通路を買い物籠、カートで購入している顧客の注意を引き、関心をもってもらうPOPのことで、これにより客数PI値=商品購入客数÷店内総購入客数をアップさせるための第一歩となるPOPである。
そして、もうひとつは、金額PPIアップであり、これはPPIアップと平均単価アップが目的となる。客数PI値-POPで顧客が商品の近くまで来るので、今度はそこでその商品を選んでもらい、さらにできれば、より平均単価の高い商品を購入してもらうように誘導するPOPである。また、次回来店時にもリピートしてもらえるようなPOPもポイントである。これは、客数アップのPOPとも結びつき、実は、客単価アップをつきつめてゆくと、必然的に客数アップにもつながってゆく。この金額PPIアップのPOPは、客数PI値-POPとは違い、商品説明、解説、他の商品との違いなど、細かく、深い内容が訴求ポイントとなる。
特に、平均単価アップについては、プライスポイント政策が前提となる。最重点商品よりも、プライスラインが上、下、そして、最上級のできれば、4つのプライスラインが欲しいところである。プライスラインがこれだけ整備されていれば、いつも購入いただくプライスラインの商品を購入しようとする顧客に対して、ワンランク上のプライスラインの商品へ誘導できれば、その瞬間に、平均単価があがり、PPI×平均単価=金額PPIがアップすることになる。このようなプライスラインをワンランクあげるPOPが実は最も重要な金額PPIアップのPOPといえる。
このように、POPは客単価アップという目的を持たせると、重要なマーチャンダイジング戦術となり、ひとこと、ひとことに意味をもたせ、その大きさ、デザインにこだわることにより、実際に客単価アップをもたらすこととなる。POPはその意味で、実は創造的なものであり、無限の創意工夫がいかせるマーチャンダイジングツールといえる。チェーンストアでは、本部集中が原則であり、POPも本部が企画を統一し、印刷物のみしか掲示できないようになりつつあるが、本来、POPの意義、Point Of Purchaseを考えれば、現場が客単価アップの理論にもとづいて、創意工夫して検証されたものを本部が吸い上げ、水平展開した方が効果が高いといえる。再度、POPの原点にもどり、POP政策を根本的に見直してみてはどうだろうか。
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April 3, 2007 in 客単価3D分析, 経済・政治・国際 | Permalink
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March 15, 2007
客動線を意識し、客単価アップのレイアウトを目指せ!
客動線は食品スーパーマーケットのレイアウトの設計、改善にとって非常に重要な概念であるにもかかわらず、データでの解析が困難なため中々実務に活用されてこなかったといえる。レイアウトはほとんどが経験と勘によるところが大きく、設計にあたっての数値目標、改善にあたっての数値検証がなされることはほとんどなかった。ただ、費用と時間をかけて人海戦術をつかえば、数年に1回ぐらいは数値化することもできるが、毎月、毎週、毎日、瞬時となると客動線の検証は難しいといえる。ただ、ここ数年、発展著しいRFID(Radio Frequency Identification)の進化により、いずれ、簡単に安価な費用で客動線を数値で検証することができるようになろう。すでに、いくつか商品化された仕組みもあるので、今後はこの技術の活用が客動線の検証の鍵を握っているといえる。RFID(Radio Frequency Identification)とはICタグのことで、これを買い物カートや買い物カゴ、あるいは顧客にもってもらい、そのデータを店内いたるところに設置したアンテナで解析すれば技術的には、客動線の検証は可能である。
客動線がレイアウトにとって重要な理由は、レイアウトの良し悪しによって客単価を決定づけてしまうからである。客単価の公式は2D分析では客単価=PI値×平均単価であり、PI値は買上点数÷客数であり、この時点では客動線と一見関係ないように見える。が、これを3D分析すると客単価は客単価=客数PI値×PPI×平均単価となり、客数PI値=部分客数÷全体客数、PPI=部分買上点数÷部分客数であるので、客数PI値を算出することにより、純粋に顧客だけの指標を導くことができ、この部分客数にレイアウト上の商品、あるいは商品群の客数を入れれば、実質上そのレイアウトにおける商品、商品群の購入客数が算出できる。購入客数がわかれば、入店客数で割った客数PI値を客動線の強弱と見なすことにより、レイアウトの解析が大きく前進することとなる。
厳密には客動線の解析には未購入客の商品、商品群への立ち寄りも必要となる数値であるが、その一歩手前の購入顧客の行動がわかるだけでもレイアウトの設計、改善にいかすことが可能となろう。そのためにはPOSデータをレシート分析まですすめればよく、これが現時点で可能な客動線の解析といえよう。将来的にはRFID(Radio Frequency Identification)と連動させれば、客数PI値の部分客数を時間解析により立ち寄り客数を算出すれば、客動線指標として、立ち寄り客数PI値を購入顧客÷立ち寄り顧客で算出でき、文字通り客動線の解析が可能になり、それと客数PI値を連動させればPOSデータとも融合し、客動線から客単価アップへ結びつけることが可能となろう。
この場合の客単価3D分析の方程式は、客数PI値が分解され、全体顧客が立ち寄り顧客と非立ち寄り顧客に分れ、商品購入顧客÷(立ち寄り顧客+非立ち寄り顧客)となろう。そして、この分母が立ち寄り顧客÷全体顧客=立ち寄り率と非立ち寄り顧客÷全体顧客=非立ち寄り率に分解され、全体顧客の内、いかに立ち寄り顧客を増やし、購入顧客を増やすかが客動線を通じて客単価アップをはかる目的となろう。したがって、あるレイアウトにおける商品、商品群の場合の基本公式は、客単価=立ち寄り顧客の客数PI値×立ち寄り顧客のPPI×平均単価となり、この立ち寄り客数PI値を増やすことと立ち寄り顧客のPPIを引き上げることが客動線の解析にもとづくレイアウトの設計、改善にとっては重要な政策となる。
ただ、現段階では客数PI値が限界であり、したがって、客数PI値を高める手法が客動線を解析し、レアウトを設計し、改善してゆくための現実的な指標といえよう。実際、客数PI値を高めたレイアウトを工夫することで驚くほど客単価がアップする事例があり、現時点では客数PI値をいかに高めるかがレイウアウト改善を通じて客単価をひき上げてゆくポイントといえる。ひとつの簡単な事例であるが、トマトのPI値の高いバラ売りの位置を客動線のはじめにもってくるだけで、客数PI値が大きく変わり、トマト全体の客単価がアップすることもあり、このような事例は売場のいたるところで見出すことができる。これを商品群、大分類まで広げるとレイアウトの改善につながり、店舗全体がガラッと変わり、客単価の高い売場に生まれ変わる。
このように客動線の解析はレイアウトの設計、改善と直結しており、非常に重要な客単価アップの戦略であり、現状では客数PI値、客数PI値がとれない場合はPI値で代用し、どんどん見直しをかけてゆきたいところである。
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March 15, 2007 in 客単価3D分析, 経済・政治・国際 | Permalink
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February 28, 2007
客単価3D-ID分析について
昨日、2/27のブログ「フレスタに見る食品スーパーマーケットの顧客データ活用!」つながりとして、顧客データの活用のポイント、リピートという概念について考えてみたい。客単価3D分析はレシートデータがあれば、客単価を顧客面=客数PI値、数量面=PPI、金額面=平均単価の3D、3つの次元で分析でき、客単価=客数PI値×PPI×平均単価の基本公式にもとづいて分析し、客単価アップ、客数アップをはかってゆくことが可能となる。レシートデータがない場合は、顧客面=客数PI値が算出できないため、客単価は2次元止まりとなり、客単価=PI値×平均単価という2D分析が限界となる。客単価3D分析と2D分析の違いは、客数PI値にあり、顧客の本当に望んでいる商品を数量で判断するか、客数で判断するかを区別することができるようになり、数量よりも、顧客に視点をおいた客単価の分析が可能となることにその違いがある。
では、この客単価3D分析に、さらに顧客IDが結びついた場合は何が分析可能となるかを考えてみたい。言い換えれば、レシートデータにIDがついた場合、新たにどのような分析が可能になるかである。一般的には顧客IDにかかわる顧客属性と商品データのリンクが可能となり、通常の分析に加え、顧客属性にもとづく商品データの分析が可能となり、男女別、年齢別、職業別、地域別、収入別、・・など取得できる様々な属性別の商品分析が可能となるということが最大のメリットであると言われている。ただ、これは顧客の申告が正しいという判断のものとに成立つ分析であり、しかも、客単価3D分析の観点から見た場合は、客数PI値を顧客属性にもとづいて単純分類したに過ぎず、分析が深まったというよりも、分析の幅が広がったというニアンスに近い。
レシートデータに顧客IDがつくメリットとは何か、それはレシート分析では把握できなかった顧客一人一人の購買履歴の把握が可能となることである。レシート分析ではAというレシートとBというレシートがあった場合、この2つはどの顧客が購入したレシートかが区別がつかないため、仮に顧客AがレシートAを、顧客BがレシートBの場合でも、これらは顧客の区別なしに一緒に集計されてしまい、商品分類別の分析以外に分析は不可能となる。ところが、このレシートに顧客IDがついた場合にはレシートAは顧客Aのレシート、レシートBは顧客Bのレシートとなり、この2つのレシートは厳密に区別され、レシートAは顧客Aの購買履歴とし把握され、同様にレシートBは顧客Bのレシートとして把握される。このようにレシートを顧客IDごとに把握することが可能となることにより、すべての商品とすべての顧客との関係が明らかになり、商品の本当の購入実態が明確になる。
そして、この時、ポイントとなる新たな概念が時間である。レシート分析までは時間という概念は商品にのみ存在したが、レシートにIDがリンクした途端、顧客にも時間が生まれ、商品1品1品と顧客1人1人の時間分析が可能となる。これにより、商品Aが顧客Aからどのくらいの頻度で購入されているかが明確になり、商品分析では限界であった顧客、数量、金額に加え、時間という概念での分析が可能となり、新たなマーチャンダイジング分析に発展する。頻度とはある一定期間における購入回数のことであり、まさに、時間分析そのものである。レシート分析では、この顧客ごとの時間の把握ができないため、どの商品の一定時間当りの購入頻度が高いかという分析ができなかったのである。
これはリピートという言葉に置き換えてもよく、レシートデータに顧客IDがリンク可能となった時の最大のメリットは時間という概念を加えたリピート分析にあるといえる。基本の数式は客単価3D分析と全く同じ公式でよく、客単価=客数PI値×PPI×平均単価となる。ただし、この客数PI値、すなわち、客数のとらえ方に時間という概念が入るため、客数を初回購買、リピート購買、さらにはリピート購買を2回、3回、…というように分解し、初回購買顧客の客単価=初回購買顧客の客数PI値×初回購買顧客のPPI×初回購買顧客の平均単価、リピート購買顧客の客単価=リピート購買顧客の客数PI値×リピート購買顧客のPPI×リピート購買顧客の平均単価というように、時間軸で分解してゆくことがポイントなる。
これをイメージ化するとちょうどダルマのようなイメージになり、ダルマの胴体は初回購買顧客のみであり、その中から、ふとしたきっかけでリピート購買である頭が生まれ、時間=購買履歴が進むにしたがって、頭が徐々に、あるいは急激に大きくなり、最後は頭でっかちのダルマとなってゆく場合もある。このように、すべての商品はレシート分析にIDがリンクするとこのダルマのようなイメージでとらえることが可能となり、リピートという概念を取り入れた新たな商品分析が可能となり、これがOne to Oneマーチャンダイジング、One to Oneマーケティングへの道を切り開くことになる。
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February 28, 2007 in 客単価3D分析, 経済・政治・国際 | Permalink
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December 13, 2006
客単価3D分析の視点について
客単価3D分析を実施するには、大前提としてレシート分析が必要である。レシート分析により、はじめて、単品ごとの客数が把握でき、これまでのPOS分析ですでに把握可能な単品ごとの売上金額、売上数量に加え、購入客数の把握が可能となり、金額、数量分析の2次元分析に加え、新たに客数という1次元が加わり、客単価が単品ごとに3次元で分析できるようになる。しかし、現在のPOSシステムでは中々ここまで分析できるようにはなってなく、しかも、客単価3D分析用の分析フォーマットが一般化していないため、仮に、レシート分析が可能であっても、客単価を3次元で分析し、マーチャンダイジングに活かすという食品スーパーマーケットはまだまだ少ないのが実態である。そこで、ここでは客単価3D分析の視点から見ると、これまでの分析と比べ、どのような違いがあるのかを、現在、活用可能な公開データで体感してみたい。
まず、だれでも、自店のPOSデータで分析可能であれば、それに越したことはないが、残念ながら、現段階のPOSシステムで客単価3D分析ができる体制にはなっておらず、様々な工夫が必要となる。そこで、ここでは誰でも客単価3D分析が可能な公開データを活用することにする。これまで、本ブログでも取り上げてきた、家計調査データと日経MJの新製品週間ランキングである。この2つのデータは家計調査データは毎月、総務庁統計局から公開されている。また、日経MJの新製品週間ランキングは毎週金曜日にデータが公開されるので、誰でも活用することが可能である。
では家計調査データに客単価3D分析の視点を加える方法であるが、家計調査データには10,000分比という購入世帯数の割合がすべての項目ごとに算出されている。これを活用すると、それぞれの購入世帯の割合がわかり、ここから、客単価3D分析を行うことができる。たとえば、直近の10月度の米の1世帯当りの家計消費額は4,125円であるが、これは米を購入している世帯も、していない世帯も含めての平均消費額である。したがって、ここに米の10,000分比5,511世帯を適用すると、この数字は5,511/10,000=55.1%の消費額であることがわかる。したがって、購入世帯のみでみた米の消費額は4,125円÷55.1%=7,486円である。このように、米の消費額=客単価に相当は、実は2種類あり、ひとつは米の購入世帯、未購入世帯を含めた平均1世帯当りの消費額であり、もうひとつは、米の購入世帯のみの消費額である。もちろん、対象全世帯が米を購入すればこれらは一致する。直近の米は、米の購入世帯が約50%であるため、4,125円と7,486円とになった。
そして、ここから、4,125円=7,486円×55.1%という公式、すなわち、客単価=客単価PPI×客数PI値が成立し、米の客単価が4,125円をアップさせるめには、米の購入世帯の消費額、客単価PPIを上げるか、米の購入世帯を増やすかという課題が見えてくるのである。
一方、日経MJについては、前回のブログもぜひ、参照して欲しいが、カバー率を活用することによって、現状の客単価を家計調査データと同様に、新製品の導入店舗と未導入店舗の平均客単価と導入店舗のみの客単価に分けて算出することが可能となる。ひとつ、12/8の直近のデータで示すと、飲料トップの新製品はヤクルト本社のヤクルト65ml×10本であり、客単価289円である。この289円の客単価はヤクルトの導入店舗も見導入店舗も含めての客単価である。他方、この新製品のカバー率を見ると46.7%であり、導入店舗のみでの客単価は289円÷46.7%=618.8円であり、このヤクルトの新製品の導入店舗のみでみた客単価は618.8円であることが計算できる。これは、客単価=客単価PPI×客数PI値の応用であり、ここからヤクルトの客単価289円を上げることは、導入店舗のみの客単価、客単価PPIを引きあげるか、カバー率を引き上げればよいことがわかる。また、この応用としては、チェーンストアであれば、全店の客数と導入店舗のみの客数を分けてみることにより、客単価を全体と導入店舗のみで分けて見ることも可能となる。
このように、これら2つの公開データは現段階では客単価3D分析の数字は示されていないが、電卓で確認することが可能であり、このデータをさらに時間軸で比較すると、客単価があがった理由が、購入世帯のみの客単価があがったのか、購入世帯が増えたのかがわかり、これまでの全体客単価よりも深く、顧客の購買行動を把握することが可能となり、マーチャンダイジングへの様々な仮説を立てることが可能となる。日経MJは毎週、家計調査データは毎月データが更新されるので、是非、電卓で計算し、客単価3D分析を体感して欲しいと思う。
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December 13, 2006 in 客単価3D分析 | Permalink
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December 11, 2006
日経MJ新製品週間ランキングを客単価3D分析で見る!
これまで、毎週金曜日の日経MJの新製品週間ランキングについて、本ブログでは、何度も取り上げてきたが、今回は直近の12/8のデータをもとに、客単価3D分析の視点を取り入れ、新たな解釈で、新製品をとらえ直してみたい。現状の日経MJの新製品週間ランキングで公表されている指標は首都圏34チェーン、195店舗のPOSデータである。このPOSデータをもとに毎週、客単価(1,000人当り)、平均単価、カバー率を公表し、客単価でランキングランキングをし、公表しているのが現状である。では、これに客単価3D分の視点を導入すると、このランキングはどのように変動するのかを見てみたい。
客単価3D分析を正式に導入するには、レシート分析が前提となり、このPOSデータでは不十分であるが、客単価3D分析の視点を導入することは、現状のカバー率を活用すれば可能である。日経MJで活用しているカバー率はその商品が1つでも売れた店舗の比率であり、これが100%であれば195店舗全店で販売されている新製品であり、50%であれば、半分の約100店舗弱で販売されている新製品である。したがって、導入店舗のみの客単価を逆算することによって、客単価PPI=新製品の購入者のみの客単価に近い数値を算出することができる。この日経MJが公表している客単価を含め、一般的な客単価は売上を入店客数で割って算出するため、新製品を購入している顧客も購入していない未購入顧客も含めて一人当りの平均売上、すなわち、客単価を算出している。客単価3D分析とはこの客数に着目し、新製品の未購入客を除外し、純粋に購入客のみで客単価を算出する考え方であり、これによって、新製品の購入顧客のみの客単価=客単価PPIが算出でき、より、新製品の購買状況の実態をつかむことが可能となる。もちろん、客単価PPIに客数PI値を掛ければ、客単価になるので、客単価との関係も明確であり、逆に、客単価がなぜ高いか、あるいは低いかの理由を顧客の購買動向を購入金額か購入客数かに分けて分析できることになり、次の客単価アップへの実践的な仮説がより立てやすくなる。
今回の日経MJではここまでの精度の高い客単価3D分析は残念ながら、現データではできないが、その一歩手前の新製品の導入店舗のみでの客単価を算出することは、可能であり、その客単価=導入店舗のみの客単価を見ることにより、より、新製品の購買行動の実態に迫ることができ、なおかつ、新製品が今後どのくらい売れる可能性があるかの推測が立てやすくなるものと思う。
とりあえず、12/8の直近の日経MJの新製品週間ランキング表で、いくつか実際に客単価3D分析の視点を導入し、その実態を見てみたい。たとえば、その他の食品の中のNo.1は丸大食品のブロックベーコン180gであり、その客単価は288円、カバー率は65.6%である。したがって、客単価3D分析の視点を入れ、導入店舗のみの客単価を逆算すると288円÷65.36%=439.0円となる。同じ計算を、ベスト5で実施してみると、No.2の日清食品カップヌードルみそ81gが460.5円、No.3の丸大食品のあらびきロングウィンナー230gが393.1円、No.4のグリコ乳業のとろーりクリームonプリン3個パック85g×3が500円、そして、No.5の日本ハムの若鶏てりやき4個240gが423.7円となる。したがって、No.4のグリコのとろーりプリンが購入者のみの客単価で見た時には500円とNo.1であり、現在カバー率がNo.1の65.6%に対し、28.2%であり、各店での導入が進んでくると、逆転する可能性もある新製品であるといえよう。もちろん、導入店舗が増えるにしたがい、落ちることも考えられるので、この時点での判断は難しいものがあるが、可能性はないとはいえない。
また、No.5未満の商品でも、同様に客単価3D分析の視点を入れて逆算してみると、導入店舗のみの客単価で見たときに、500円を越える新製品はNo.7の森永乳業のクラフトカマンベール入り切れているチーズが600円、No.11の明治乳業のほほえみ特別2缶パックディズニータオル付が842円、男前豆腐店の京都湯豆腐(マサヒロ)350gが731円、No.17の伊藤ハムの味健気、あらびきポークウィンナーが669円とカバー率が低いがゆえに全体の客単価では下位の商品を見出すことができる。これらは、導入店舗のみの客単価はNo.1以上の客単価であるため、今後、導入店舗が増えてくれば、No.1になる可能性があるといえ、注目の新製品といえよう。
このように、日経MJの新製品週間ランキングに客単価3D分析の視点を入れることにより、全体ランキングでは見えなかった将来ランキングが高くなる可能性の高い、有望な新製品の候補を電卓ひとつでいち早く見抜くことが可能となる。その意味で、ここに公開されている情報は加工の仕方次第では、さらに貴重な情報となり、新製品の自店への導入の可否、売上予測などに活用可能であると思う。
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December 11, 2006 in 客単価3D分析, 経済・政治・国際 | Permalink
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November 13, 2006
家計消費状況調査に見る高額商品とIT消費の実態!
11/10、総務省から家計消費状況調査結果が公表された。この調査は家計調査の姉妹版ともいうべきもので、家計調査では充分に把握できない、高額商品とIT消費の実態に絞って調査したものであり、4年前の平成14年5月からはじまった新しい家計調査である。特に、高額商品の定義を「家計調査の結果から1購入頻度当たり支出金額が3万円以上を基準とし、その中から、購入頻度が年間1世帯当たり1回未満の品目と年間消費支出に占める割合が0.01%以上の品目について選定」としており、まさに、客単価3D分析の定義そのもので高額商品がピックアップされている。すなわち、客単価が0.01%以上(年間消費支出に占める割合)、客単価PPIが3万円以上(1購入頻度当たり支出金額が3万円以上)、客数PI値が年間1回未満(購入頻度が年間1世帯当たり1回未満)としており、客単価=客単価PPI×客数PI値の数式にもとづいて、客単価PPIが高く、客数PI値の低い商品で、しかも、客単価が高い商品を高額商品と定義し、ピックアップしている。残念ながら、公表データは消費金額のみであり、客単価PPI、客数PI値が公表されていないので、その要因を分析することはできないが、高額商品の動向を把握するには大変参考になる調査データである。
さて、11/10公表の最新のデータは9月度の集計値ということになるが、9月度の高額商品の中で、昨年9月度と比べ最も伸び率の高かったものは、デジタル放送チューナー内蔵テレビ9960.0%(1,494円)、ビデオデッキ(DVDレコーダー・プレーヤーなどを含む)926.3%(352円)、応接セット217.9%(377円)、葬儀・法事費用160.5%(4,614円)、インターネット接続機能付カー・ナビゲーション159.4%(153円)、挙式・披露宴費用157.7%(3,101円)、楽器(部品を含む)155.7%(123円)であった。これらが150%以上伸びた商品である。特に、昨年はまだ出初めであったデジタル放送チューナー内蔵テレビの伸びがすさまじく、昨対で見ると100倍となり、関連商品として、ビデオデッキ(DVDレコーダー・プレーヤーなどを含むも10倍の伸び率であり、これらが1、2位を独占した。No.1のデジタル放送チューナー内蔵テレビについてを、さらに地域別に落として見ると、No.1は四国の4,215円で断トツであり、No.2の中国地方の2,732円を大きく引き離している。No.3が関東の1,590円であり、四国、中国地方はこの9月度は異常な消費額である。ちなみに、ワーストは近畿の912円であり、近畿はもっと安くなるを待っているかのような動向である。高額商品の場合は、このように地域差も鮮明にでるという特徴がある。
ついで、消費額の大きいものの上位を見てみると、私立授業料等(幼稚園~大学、専修学校) 15,970円(106.0%)、自動車(新車)14,520円(110.6%)、移動電話(携帯電話・PHS)使用料8,773円(100.5%)、家賃8,392円(96.2%)、家屋に関する設備費・工事費・修理費(外装) 7,522円(139.4%)がベスト5である。教育、自動車、携帯電話、家賃、リフォームが高額商品の5大商品であることが浮かびあがる。
逆に伸び率が最も低いものを見てみると、デジタル放送チューナー内蔵テレビ以外のテレビ15.3%(209円)、デジタル放送用チューナー・アンテナ21.8%(69円)、デジタルビデオカメラ56.1%(198円)、たんす56.1%(133円)、信仰関係費67.4%(2,463円)である。当たり前だが、デジタルテレビは内蔵でないとだめなようである。また、消費額の小さいものをみて見ると、インターネット接続機能付テレビゲーム機15円(115.4%)、インターネット接続機能付固定電話機16円(133.3%)、デジタルビデオカメラ以外のビデオカメラ26円(78.8%)、デジタルカメラ以外のカメラ51円(145.7%)、デジタル放送用チューナー・アンテナ69円(21.8%)、ファクシミリ付固定電話機87円(73.1%)、ステレオセット87円(93.5%)であり、これらが1世帯当たり消費金額100円をきった商品である。アナログビデオカメラ、FAX、ステレオなどが伸び率も低い商品であり、デジタル化が急激に進んでいる様子が浮かびあがる。
ちなみに、IT関連では移動電話(携帯電話・PHS)使用料100.5%(8,773円)、固定電話使用料91.8%(3,350円)、インターネット接続料(プロバイダー料と通信料)118.7%(1,416円)、インターネット接続料(プロバイダー料)111.6%(125円)である。携帯電話の使用量が横バイとなり、固定電話の伸びは落ち、インターネット関連はまだ伸び続けているという状況が続いている。
このように、家計消費状況調査は高額商品とIT関連の動向を見るには参考となる統計資料である。ただ、購入頻度が極めて低いことから、いつ、購入が集中するかが最大のポイントであり、一旦、購入が発生すれば、その後はしばらく、消費が起らないため、それを見極めるのが難しいところである。今後、昨対比較だけでなく、数ケ月間の推移もみながら消費動向を追って行く必要があるといえ、本ブログでも、今後、様々な分析方法を試み、実務にいかに結び付けてゆくかを検討してゆきたい。
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November 13, 2006 in 客単価3D分析 | Permalink
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November 09, 2006
客数と顧客IDとの違い、ポイントはリピート!
食品スーパーマーケット業界では客数という場合、ジ通過客数、すなわち、シート枚数を客数ととらえてきた。平均的な食品スーパーマーケットでは、1日の客数はだいたい2,000人/日であり、これイコール1日のレシート発行枚数である。これ以外に店内の客数を把握する仕組みがなかったため、客数というと、食品スーパーマーケットではこの客数を客数としてとらえ、売上との関係もすべて、この客数を前提としてこれまで考えてきた。売上=客数×客単価であり、この客数がレジ通過客数のことである。しかし、ここ最近、ポイトカードが普及し、IT技術も進化したことにより、ポイントカード使用顧客に限られるが、レジ通過客数=レシート毎数に加え、顧客IDのレジ通過客数=顧客IDのレシート枚数が活用できるようになってきた。それより、これまでの単純な客数から、顧客IDの活用が可能となり、顧客ID活用による新たなマーチャンダイジングへの活用に加え、顧客IDへの直接のアプローチ、ダイレクトマーケティングが可能となりつつある。これまでのレシートを活用したダイレクトマーケティングもいくつか試みられていたが、顧客IDまで把握できると、直接顧客へ情報発信が可能となり、これまでよりも、まさにダイレクトに顧客に購買を働きかけることが可能となる。
では、顧客IDによる客数が把握できるようになると何が違ってくるかであるが、最大の違いはこれまでのレシート客数を2つに分解し、これまでけっして把握することができなかった来店頻度(リピート)を算出することが可能となることである。そして、その応用として、商品ごとの購買頻度(リピート)を把握することもできるようになり、顧客の来店状況および購入状況の詳細が明確に把握できるようになる。ただし、小売業の場合はどんなにがんばっても100%のIDはほとんど不可能であり、80%前後が上限である。ポイントカードの使用率を見ると、高いところでは90%を越える店舗もあるが、だいたい平均が80%前後であるからである。したがって、100%の店舗利用顧客ではない点は注意する必要がある。客単価3D分析については、レシート分析が前提となるので、顧客100%の分析が可能なる。
まず、ここで来店頻度(リピート)について考えてみると、客数を顧客IDで把握できない場合は、来店客数はわかっても、来店されている方が、どのくらいの頻度で来店しているか、すなわち、来店頻度(リピート)はけっしてわからない。来店頻度を出すためには、顧客IDの把握が必須である。顧客IDの把握がわかれば、客数を次のように分解できる。総客数=顧客ID客数×来店頻度(総客数÷顧客ID)、これによって、総客数が増えた場合は顧客IDが増えたのか、それとも来店頻度が上がったのかが明確になり、客数はアップの戦略を絞り込むことができるようになる。実は、インターネットの世界ではすでに100%の顧客でこれが実現されており、たとえば私の食品スーパーマーケット最新情報のブログのアクセス数を見ると、訪問者数とアクセス数でこの2つを区別し、googleでは訪問数とページビュー数で区別し、さらに平均ページビュー数で来店頻度まで算出している。顧客IDが把握できるのであれば、すぐに、客数を顧客ID客数と来店頻度に分け、客数アップの対策を絞り込むべきであろう。
一方、その応用としての商品ごとの購買頻度(リピート)の把握であるが、これは、応用問題であるので、いくらでも数式をつくることができる。代表的なものをひとつあげると、商品ごとの購入客数を、先の客数の分解と同じように、その商品の購入客数=顧客ID客数×購入頻度(購入客数÷顧客ID客数)に分けて見ることである。これによって、その商品の販売状況が、どのくらいの顧客へ広がっているか(広さ)とその商品がどのくらいリピートされているか(深さ)に分けることが可能となる。それにより、その商品のマーチャンダイジング政策のどこを重点的に取り組んでゆけばよいかが明らかになり、次の一手が明確になる。この分析手法が基本であり、これに、数量情報を乗せる、金額情報を乗せれば客単価3D分析のノウハウがそっくり活用できる。また、顧客を購買状況に分けることにより、初回購買顧客だけの分析、リピート購買顧客だけの分析、ある商品から別の商品に乗り換えた顧客の分析など、ちょっと考えただけでも数10種類の分析を行うことができる。
このように、客数は実に奥深いものであり、まさに、神様といっても過言ではない。これまで小売業界では客数というとレジ通過客数のみを活用してきたが、時代はめぐり、顧客ID活用の時代に近づきつつある。そして、そのキーワードはリピートである。もし、顧客IDが活用できるようになったならば、是非、リピートという概念で客数をとらえなおし、新たなマーケティング、マーチャンダイジングの世界に挑戦して欲しい。
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November 9, 2006 in 客単価3D分析 | Permalink
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November 03, 2006
セブンイレブン、98円、500mlペットボトル、茶飲料開発!
11/2の日経新聞の1面に「セブンイレブン独自商品を21日発売」、「500ミリリットル98円低価格飲料」、「スーパーなどに対抗」という記事が掲載された。関連として、12面にも「セブンイレブンが低価格飲料」、「競合スーパー、飲料メーカー、価格戦略に影響も」、「コンビニの追随必至」という記事が掲載され、詳細に内容が報じられている。セブンイレブンはつい最近、調味料の一部を値下げしたばかりであり、昨年9月のペットボトル飲料の一部の15%値下げに続く、ここ最近では、第3弾の価格戦略の発動であり、コンビニエンスストア業界もいよいよ価格競争の時代に突入といえよう。今回の飲料は特に、緑茶、烏龍茶、麦茶の3品目に絞られており、セブンイレブンの独自開発であり、北海道を除く全国のセブンイレブンで展開するという。セブンイレブンの売上全体の1~2%の構成比を占め、その商品群を500ml、98円と大手コンビニエンス業界でははじめての100円を切る価格であるので、大きなインパクトである。しかも、コンビニエンス業界は全国の清涼飲料の出荷量の2割を越えるシェアを占めており、今回の動きは、清涼飲料メーカー、他の小売業態である食品スーパーマーケット、ドラックストア、ホームセンター等へも価格競争が広がる可能性が高いといえよう。
今回、セブンイレブンが緑茶、烏龍茶、麦茶に絞り、500ml、98円という価格を打ち出した背景を家計調査月報の最新データ2006年9月度で確認してみたい。この3つの商品群は家計にとってどのような商品かであるが、家計調査月報では、飲料は大分類に属しており、小分類が3つあり、茶類、コーヒー・ココア、他の飲料と分かれる。飲料全体の消費金額は1世帯1日当たり129.57円であり、食品全体の6.6%にあたる。これら3つに分類がわかれ、それぞれ、小分類があり、全部で約10種類に分かれている。その中でNo.1の飲料は他の飲料の中の果物・野菜ジュースの27.27円であるが、No.2が茶類の中の茶飲料であり16.87円である。ただし、この中には緑茶は含まれておらず、緑茶は10.67円と、コーヒー・ココアの中のコーヒーの10.67円と並びNo.3である。しがたって、今回のセブンイレブンの開発商品の合計は緑茶、茶飲料、その他の茶類を含めると30円以上になり、飲料全体の約25%、食品全体の約1.5%、飲料全体はもちろん、食品全体にも影響をあたえかねない中核の商品に絞った価格戦略であることがわかる。
ちなみに、緑茶は他の飲料と違い際立った特徴がある。2006年9月度の家計調査月報を客単価3D分析にもとづいて分析してみると、緑茶の消費額10.67円であるが、購入状況は全体の約20%が激しくリピートを繰り返しており、緑茶購入世帯だけで見た消費額は53.36円とすべての飲料の中で最高の数字である。カージナルスの田口選手ではないが、得点圏打率が極めて高い商品である。飲料すべての中で消費額の最も高い果物・野菜ジュースの27.27円はこの商品の購入世帯だけでみた場合は39.49円であり、緑茶よりもかなり低いことがわかる。そのかわり、この商品は全体の約70%が購入するという商品であり、その結果、消費額が大きくなる商品であるといえる。このように商品には限られた顧客が激しくリピートして消費額を高める商品とリピートはさほど激しくないが、より多くの顧客に支持され、消費額が大きくなる商品とあり、緑茶は飲料の中ではもちろん、全食品の中でもリピート性の極めて高い商品であることがわかる。
セブンイレブンが今回、この緑茶に照準を絞ったのは、消費動向からみれば、きわめて理にかなったことであるといえよう。小、中商圏から広く集客をし、売上を上げる食品スーパーマーケット、ホームセンターと違い、近隣の限られた顧客からの来店頻度を促し、売上を上げるコンビニエンスにとっては緑茶はその意味で最適な商品であり、その価格を大きく値下げすることは非常にインパクトが強い政策であるといえよう。簡単にいえば、商品の売上を上げることよりも、顧客の来店を促す政策を意識しているといえ、客単価アップよりも、客数アップに重点をおいた政策であるといえよう。今後、セブンイレブンは、今回の試みを充分に検証し、このような商品群をさらに見出し、価格戦略を次々に打ち出してくる可能性が予想される。セブンイレブンの動向には食品スーパーマーケット業界としても、今回は注目である。
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November 3, 2006 in 客単価3D分析 | Permalink
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October 02, 2006
家計調査月報、2006年8月度、相場高の青果が大きく伸びる!
2006年8月度の家計調査月報が総務省、統計局から公表された。家計調査月報は、毎月前月のデータを翌月月末に公表するが、今回は9/29に8月度のデータが公表された。昨年8月度と単純比較すると、全体は99.7%とほぼ昨年並みであるが、青果、特に野菜・海草が107.1%と大きく伸びているのが特徴である。その中でも葉茎菜類のキャベツ、レタスなどの伸びが大きかった。買上頻度はさほど上がっていないので、明らかに平均単価アップ、すなわち、相場高による消費金額のアップといえる。今回の家計調査月報から、少し、データを加工し、客単価3D分析の考え方を入れ、消費金額と購入頻度を全体と購入者のみのデータでも算出してみた。通常の家計調査月報のデータは購入世帯も購入していない世帯も全て含んだ1世帯当りの消費金額であるので、参考に、購入世帯のみでのデータも算出した。家計調査月報には、10,000世帯分率という指標が算出されており、10,000世帯当りどのくらいの世帯が購入したかがわかるようになっているので、このデータを工夫すると購入世帯当りの消費金額、購入頻度を算出することができる。このデータを算出するこによって、全体の消費金額が購入世帯数が増えたのか、購入金額が増えたのかが明確になり、消費金額の中身がよりはっきり見えるようになる。また、今回から2001年8月のデータも同様に参考として算出した。
さて、まず、大分類の昨年8月度、および、5年前の2001年8月との比較であるが、大きく伸びた分類は生鮮野菜の111.9%である。ただ、2001年8月度と比べると99.0%であるので、5年前の消費金額にもどったともいえる。特に、先にも触れた葉茎菜、キャベツ、レタスなどが118.7%、その他野菜、トマト、きゅうりなどが110.7%と大きく伸びたのが特徴である。これ以外には、根菜106.8%、コーヒーココアの105.5%、貝類の105.0%、茶類の104.3%、大豆加工品、豆腐、納豆が104.3%が105%近い伸びを示した大分類である。逆に大きく消費金額を落とした大分類としては米の88.9%、他の魚介加工品、乾物・海草の91.0%、佃煮、缶詰の91.7%、牛乳の94.8%、油脂の94.4%、他の穀類、小麦粉などの95.0%が95%以下の大分類である。
次に、小分類で消費金額が昨年の8月と比べ大きく伸びたものを、全世帯(購入世帯のみの消費金額、購入世帯数の伸び)で見てみると、キャベツ145.0%(150.5%、96.3%)、いわし136.0%(110.0%、123.7%)、レタス130.7%(133.7%、97.7%)、オレンジ128.1%(105.1%、121.9%)、もち127.3%(110.7%、115.0%)、にんじん125.0%(128.2%、97.5%)、きゅうり127.2%(125.7%、101.2%)、プリン127.1%(118.1%、107.6%)、キウイフルーツ125.7%(113.6%、110.7%)、他の茶葉125.0%(117.2%、106.6%)である。特に、キャベツ、レタス、にんじん、きゅうり等の購入世帯数が増えていないので、相場高による消費額のアップが鮮明である。逆に、オレンジ、キウイフルーツは、購入世帯を増やして消費額を高めているといえる。
一方、小分類で消費金額を大きく落としたものを見てみると、そうざい材料セット75.1%(80.9%、92.8%)、発泡酒78.7%(88.8%、88.7%)、粉ミルク78.9%(102.6%、76.9%)、魚介の缶詰81.3%(88.2%、92.2%)、グレープフルーツ81.4%(97.0%、84.0%)、キャべデー81.6%(89.5%、91.2%)、かに84.2%(77.5%、108.7%)、豆類85.0%(97.0%、87.6%)、ココア・ココア飲料85.0%(96.1%、88.5%)、れんこん85.1%(110.8%、76.8%)、ジャム85.7%(86.3%、99.3%)、魚介の佃煮86.2%(89.1%、96.8%)、乳酸菌飲料86.2%(82.4%、104.6%)、食塩87.7%(96.5%、90.9%)、カステラ87.7%(89.5%、97.9%)、風味調味料88.6%(91.0%、97.4%)、米88.9%(92.2%、96.4%)、なし89.8%(102.2%、87.9%)、カツレツ89.8%(91.0%、98.7%)、こんぶ89.9%(90.1%、99.7%)が8月度の昨年対比90%以下の小分類である。特に、粉ミルク、グレープフルーツ、ココア・ココア飲料、なしは購入世帯数が大きく減少しているのが特徴である。
このように、2006年8月度の家計調査月報を見ると、全体としてはほぼ昨年並みの消費金額であったが、個々にみると、野菜が相場高の影響もあり、大きくの伸びたのが最大の特徴である。また、今回から客単価3D分析の観点を入れた分析数値もつくり、消費金額がアップした商品、ダウンした商品の原因を購入世帯数のみの消費額によるものか、購入世帯数そのものの増減によるものかを見れるようにしたので、参考にしていただければと思う。特に、購入世帯数が減っている場合はたとえ、消費金額が上がっていても要注意である。マーチャンダイジングの要諦は、どんな場合にも、まず、購入客数を増やすことが最優先であるといえよう。
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October 2, 2006 in 客単価3D分析 | Permalink
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September 26, 2006
サミット、客単価3D分析可能なPOSデータを有償公開!
サミットストアがこの12月から「(仮称)サミットデータ開示サービス」を開始するという。このPOSデータ開示サービスの最大の特徴はレシートデータの全面公開であり、これまでの単純POSデータの公開ではできなかった客単価3D分析が可能となることである。レシートデータが分析できる最大のメリットは顧客の数が単品ごとに把握可能となることであり、PI値、金額PI値(客単価)はもちろん、客数PI値が算出でき、商品の客単価を顧客からのアプローチを加えた3Dで分析ができるようになることである。実際、サミットも「POSデータだけでは分析できない「同時購買分析」や「新商品の販売動向の予測」などの様々な販売分析が可能となっております。」とデータの価値をアピールしている。また、日経MJで時々、レシートID分析の記事を掲載しているカスタマー・コミュニケーションズ社も一部業務代行するということで、食品スーパーマーケット業界におけるPOS分析はいよいよ客単価2D分析から客単価3D分析の時代に突入することになる。
この12月から提供されるサミットのレシートデータを含むPOSデータの具体的な内容であるが、ポイントは3点である。ひとつめは、POSデータ及びジャーナルデータを、全店舗分、過去13ヶ月に遡って提供するという。13ケ月であるので、昨対が算出可能となる。2つめは、POSデータは全店、既存店別・店舗別・部門別・日別・週別・月別になっており、会員企業のニーズに合わせたレポートの作成も可能だという。これがすべてレシート分析まで可能であるので、店舗別、日別の単品の客数まで把握が可能となる点がこれまでのPOSデータとは決定的に違う点である。そして、3つめが、会員専用のホームページから、簡単な操作で、POSデータや分析レポートを閲覧、ダウンロードできるという。いわゆるWeb対応しており、いつでも、どこでも、簡単にデータの閲覧分析ができるようになる。そして、サミットとしては、これらの貴重なレシート分析可能なPOSデータの開示を通じて、売場作りや販売促進に活かしてゆく予定であるという。
カスタマーコミュニケーションズ社については、すでに、8/31の本ブログでも取り上げたが、主要株主が、旭食品、アルビス、加藤産業、カナカン、JPS、ジャノメクレディア、大日本印刷、中央物産、ティアイエス、ディーシーカード、トーカン、東芝テック、ハリマ共和物産、廣屋、プラネット、マルイチ産商、三菱商事株、ミレニア・ベンチャー・パートナーズ、ヤマエ久野、菱食と主要な卸、メーカー、印刷会社、POSメーカー等である。サミットの加盟しているAJSグループや日本チェーンストア協会、日本マーケティング協会にも加盟しており、今後の食品スーパーマーケットの、特にレシートデータ、さらにもう一歩進めたレシート1Dデータ分析の活用と普及を積極的に推進している会社である。このようにAJSグループとはもともと関係が深い会社であり、AJSグループの副会長を務める有力企業であるサミットが動いたことにより、今後、このようなレシート分析のPOSデータの開示がAJSグループ各社に広まってゆくことになる可能性が高いといえよう。
いつレシートデータが本格的に提供されるようになるかと思っていたが、意外に早く、しかも食品スーパーマーケット業界でも最も先進的な企業であるサミットがはじるめるということで、時代は客単価2D分析から3D分析の時代に入るといえよう。また、サミットはポイントカードも既に導入しており、レシートIDデータの活用も当然可能であり、今後、POSデータ分析も様々な分析手法が開発され、実践に導入されてくることになろう。来年、2007年はその意味で、食品スーパーマーケット業界にとっては情報システムの活用にとっては、新しい年のスタートとなるかもしれない。
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September 26, 2006 in 客単価3D分析 | Permalink
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September 09, 2006
家計調査と家計消費状況調査、IT、高額消費の購入について!
数年前から公表が始まった家計調査を補足する家計の統計資料、「家計消費状況調査」について取り上げてみたい。最大の特徴は、ITと高額消費に絞って家計の実態を調査した点である。家計調査にもインターネット接続料やビデオデッキ等の調査品目はあるが、品目数が限られていることと、調査世帯が家計調査では約8000世帯と少ない点である。これに対し、家計消費状況調査は、インターネット関連で19品目、高額消費関連は44品目の合計63品目のITと高額消費に特化した家計調査である点である。また、調査世帯数は約30,000世帯と約4倍弱と多く、より、この品目については家計の消費実態を表しているといえよう。今後、本ブログでも必要に応じて、この家計消費状況調査を取り上げてゆきたい。
実は、この調査に注目したのはごく最近であり、客単価3D分析の理論構築の過程で高額商品をどう分析するかがテーマとなり、これまでの客単価2D分析ではうまく分析できなかった高額商品が客単価3D分析を適用するとうまく説明ができるようになってからである。高額商品の分析事例がないものかと、様々な統計データを探していた時に、この家計消費状況調査を知ることとなった。調べてみると、いろいろ参考になることがあり、まさに、客単価3D分析で取り組んでいる内容と一致することが多いのに驚かされる。
最も、驚いたのは、商品選定のポイントである。現在の44の高額消費の調査品目はどのように選定されるかであるが、原則、「家計調査の結果から1購入頻度当たり支出金額が3万円以上を基準とし、その中から、購入頻度が年間1世帯当たり1回未満の品目と年間消費支出に占める割合が0.01%以上の品目について選定」するという基準にもとづいて選定されるという点である。
ここには3つのポイントがあり、ひとつは、客単価の高い品目(年間消費支出に占める割合が0.01%以上)に着目している点、ふたつめが、客単価PPI(1購入頻度当たり支出金額が3万円以上)に着目している点、そして、3つめが客数PI値(購入頻度が年間1世帯当たり1回未満の品目)に着目している点である。すなわち、客単価=客単価PPI×客数PI値の公式にぴったり当てはまる内容であり、客単価=0.01%以上の年間消費支出の商品、客単価PPI=1購入頻度当り3万円以上の商品、客数PI値=購入頻度が年間1回未満の品目ということになり、これを高額商品と定義している点である。非常に理にかなった選定であり、客単価3D分析を適用すると、客単価の立方体は大きいが、客数PI値が低く、平均単価が高く、PPIはほぼ100%に近い商品ゾーンとなろう。これを高額消費とすれば、まさに、客単価3D分析もPPIは意味がなくなり、客数PI値と平均単価が重要な軸となる面、すなわち、一品客単価がクローズアップされてくる分析であり、理にかなった商品選定といえよう。
では、具体的にどのような商品が調査品目として選定され、その最新のデータである2006年7月度はいくらであったかを見てみたい。まず、家具でたんす、ベッドなど6つ、衣類で背広、婦人用スーツなど3つ、自動車関係で、新車、中古車など6つ、住宅関係で内装、外装など6つ、家電等で冷蔵庫、洗濯機、テレビなど9つ、医療で歯科診療代、出産入院料など4つ、その他で授業料、信仰関係など10の合計44品目である。
この中で消費金額の高いものをピックアップしてみると、自動車(新車)19,516円、家賃12,064円、私立授業料等(幼稚園~大学、専修学校)6,175円、補習教育費5,899円、自動車整備費5,873円、家屋に関する設備費・工事費・修理費(外装) 5,606円、パック旅行費(国内)4,967円、歯科以外の診療代4,799円、自動車(中古車) 4,644円、パック旅行費(外国)4,474円がベスト10である。残念ながら、この数字は客単価2D分析の数字であるので、その商品を購入した家計も、購入しなかった家計も含め、1世帯当りで表しており、購入した家計のみの客単価3D分析が公表されてない点が残念である。
また、ワースス10を見てみると、デジタル放送チューナー内蔵テレビ以外のテレビ201円、ベッド193円、食器戸棚166円、たんす155円、机・いす(事務用・学習用)117円、デジタルビデオカメラ107円、ミシン101円、ステレオセット58円、デジタルビデオカメラ以外のビデオカメラ26円、デジタルカメラ以外のカメラ17円の10品目である。
さらに、高額消費ではないがIT関連に関しては、移動電話(携帯電話・PHS)使用11,368円、固定電話使用料3,183円、インターネット接続料(プロバイダー料と通信料)1,778円、ケーブルテレビ受信料(受信料とインターネット接続料)708円、ケーブルテレビ受信料(受信料)380円、衛星デジタル放送視聴料209円、インターネット接続料(プロバイダー料)146円などがあり、大変興味深い家計調査内容である。
このように、家計消費状況調査は家計調査を補い、ITと高額消費に照準を絞り、調査世帯を約30,000世帯にまで拡大した調査である。客単価3D分析でいえば一品客単価の面を分析する内容であり、これまで家計調査ではどちらかというとPI値、客単価PPIの面が分析対象であったが、その弱点を補い、トータルな客単価分析が可能になったといえ、意義のある家計調査であるといえよう。本ブログでも、今後、家計調査と同様、家計消費状況調査をしっかりフォローしてゆきたい。
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September 07, 2006
家計調査月報と購入頻度について
これまで、本ブログでは家計調査月報を毎月取り上げてきたが、その中身は消費金額に焦点を当て、1日当りに換算した食品スーパーマーケットにおける客単価に近い数字を見てきた。この数字と自店の客単価を比較することにより、自店の強み、弱みを認識し、現状の検証、そして、次月の仮説づくりに活かすことができる。ただ、公表が1ケ月遅れであることから、仮説よりは検証の方に力点があるといえよう。このように家計調査月報は1日当りの数字に換算することにより、自店の客単価と比較することが可能となるが、家計調査月報にはこれ以外にも有効な指標がいくつかある。そのひとつが購入頻度である。また、購入数量、平均単価もあるが、これは食品の場合は1g当りの数量であることが多く、平均単価も同様にg当りで計算される項目となり、この数字を活用するには、もう一工夫必要である。うまく加工できればPI値が算出できるかと思ったが、すぐには難しいといえる。また、購入世帯数10,000世帯当りの世帯数という数字があり、これはそれなりに活用可能かと思う。そこで、ここでは、購入頻度と購入世帯10,000世帯当りの世帯数をもとにこれまで本ブログで取り上げた観点とはちょっと違った角度から家計調査月報の実態を見てみたい。
さて、購入頻度であるが、家計調査月報では100世帯当りの購入頻度がほぼすべての項目で算出されている。文字通り、100世帯が月間何回購入したかの購入回数を示すものであり、いわば、月間の平均購入回数、レシート枚数といえよう。したがって、これを100で割れば、1世帯当りの月間購入頻度が算出でき、各項目ごとの購入頻度分析が可能となる。また、各項目の消費金額をこの購入頻度で割れば、1世帯当りの1回当りの消費金額がわかり、これが1世帯におけるその項目ごとの客単価といえよう。ただし、この客単価はその項目を購入した世帯も、購入しなかった世帯も合わせて、1世帯当りの客単価であり、しかも、食品スーパーマーケットだけではなく、商店街や八百屋、魚屋などの専門店で購入した場合も含まれる。
もう1点、購入世帯10,000世帯当りの世帯数であるが、これを工夫すると、まず、各項目が全体の何%の世帯が購入したか、いわば普及率を算出することができる。当然、全世帯が購入していれば普及率100%、10%の世帯が購入していれば、普及率10%となろう。また、先の購入頻度から、10,000世帯当りの購入頻度を出し、この購入世帯10,000世帯当りの世帯数で割れば、購入している世帯のみの購入頻度も算出することもできる。客単価3D分析でいえば、客数PPIという指標となる。また、この指標から、その項目を買っている世帯のみの客単価を算出することも可能となり、客単価3D分析に一歩近づくことが可能となろう。このように、家計調査月報の、購入頻度と購入世帯10,000世帯当りの世帯数を工夫することにより、家計調査月報も客単価3D分析に一歩踏み込んだ分析が可能となる。
実際、2006年7月度の最新の家計調査月報の数字で見てみたい。まず、特徴的な商品であるが、米の消費金額は2,383円であるが、この購入頻度は、1世帯当り月間0.9回、1回当り2,770円の購入金額であり、購入世帯数のみでは1.6回、4369円購入し、普及率は54.5%である。まぐろについては、消費額は503円であるが、購入頻度は0.9回、1回当り546.7円の購入であり、購入世帯のみでは、2.1回、1,150円購入し、普及率43.7%となる。これをどう解釈するかであるが、米であれば、最終目標は米の消費金額1世帯当り2,383円、購入頻度0.9回、2,770円をいかにあげるかであるが、そのためには、まず、54.5%を60%、65%と購入顧客を増やすにはどうしたらよいか。また、購入客の購買頻度が1.6回であるので、この頻度を増やすためにはどうしたらよいかの仮説をつくり取り組んでゆくことがポイントとなる。いわば、新規顧客の獲得と既存顧客の来店頻度をあげることがポイントである。
そこで、1世帯当りの購入頻度のベスト項目を見てみると、大分類では野菜・海草の51.0回、調理食品の21.0回、魚介類の18.0回がベスト3であり、個々の項目では、豆腐がNo.1の4.8回(普及率95.0%)、豚肉がNo.2で4.6回(92.4%)、ついで、No.3が食パン3.9回(81.1%)、No.4が果物・野菜ジュース3.3回(73.8)、No.5がヨーグルト3.1回(73.1%)No.6がアイスクリーム・シャーベット2.9回(76.1%)、No.7がトマト2.6回(75.3%)、No.8が納豆2.6回(76.9%)、No.9が天プラ・フライ2.5回(73.6%)、そして、No.10が茶飲料2.3回(63.6%)となる。
このように、家計調査月報も一歩客単価3D分析に踏み込むことができ、購入頻度と購入世帯10,000世帯当りの世帯数を活用すると、1世帯当りの消費金額だけの分析だけではなく、より仮説検証に応用可能な指標を作成し、新規顧客と既存顧客へのアプローチを加味した実践的な仮説づくりに活用してゆくことができよう。
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August 31, 2006
日経MJで、カップラーメンの顧客ID-POS分析の特集記事!
8/30の日経MJでカップラーメンの消費分析の記事が特集された。通常、日経MJでは商品動向の分析を日経のPOS分析のデータを用いているが、この記事はカスタマーコミュニケーションズ社のデータを用いての分析であり、日経POSでは踏み込めない、顧客ID分析を基本に分析しているのが特徴である。顧客IDの活用によるPOS分析はまだまだ一般化しておらず、カスタマーコミュニケーションズ社がこの分野では先行しているといえよう。カスタマーコミュニケーションズ社はメーカー、卸、POSメーカー、印刷会社等が共同出資してできた会社であり、ポイントカードなどの顧客IDデータとPOSデータを小売業から入手し、加工し、メーカー・卸等へ販売、コンサルティングをしている会社であり、この分野では大手といえよう。日経POSが商品に着目した分析であるのに対し、カスタマーコミュニケーションズ社は消費者に着目した分析である点が大きく違う。
さて、記事の内容であるが、「ヘルシースープ成長株」、「即席食品、激戦の行方を読む」、「ラーメンは基礎商品、他製品と併売多く」という見出しであり、顧客ID特有の分析である併売分析によりカップラーメンを併売の核であることを導き出している。併売率は何と70%であるという。カップラーメンを購入する顧客はそれ以外のカップシチューやカップスープなどを70%の確率で併売しているということである。そして、これら併売される商品をいくつかのタイプに分け、これも顧客ID分析特有のリピート率とトライアル率に分解し、どのようなタイプの商品が今後の成長が期待できるかをうらなっている。結論は春雨や蒟蒻を使い腹持ちのよいヘルシータイプスープであり、リピート率43%(購入実績のある顧客の内、複数回購入した割合)、トライアル率が13%(一度でも購入した経験がある顧客の比率)でトップであったという。
このように、顧客IDを活用すると、単純なPOS分析ではけっして導き出すことのできない、今回のような併売分析、リピート分析、トライアル分析等が可能であり、これまでの商品分析に加え、顧客により視点を移した商品の分析、この日経MJのタイトルでもある消費分析が可能となる。カスタマーコミュニケーションズ社ではこれ以外にも、直前購入分析、直後購入分析、流入流出分析などユニークな分析がある。
ただ、残念なのは、レシート分析を飛び越して、顧客ID分析に入ったために客単価を平均単価と購入アイテム数とに分けた客単価2D分析の視点で論理が組み立てられるため、もう一段ブレークダウンした顧客に視点をおいた客単価3D分析の視点が十分とはいえない点である。POSデータ分析の流れは、単純分析、レシート分析、顧客ID分析と流れ、その都度、理論も客単価2D、客単価3D、客単価3D-ID分析へと発展してゆくが、この分析は客単価2D-ID分析が主体であり、これにレシート分析の視点をいれるとさらに様々な分析が可能となり、もったいない気がする。
また、もう1点はせっかくの貴重なID-POSデータ分析がメーカー・卸が活用するための視点が強く、小売業側で活用するための視点が弱いのが残念なところだ。事業そのものがメーカー・卸の出資で成立っており、事業構造もメーカー・卸からデータ分析・コンサルティングにより収益をうる構造であることからやむをえない面があるが、すでにいくつか試みられているようだが、小売側に視点を置いた分析を開発するとさらにおもしろい分析が可能となろう。
いずれにせよ、本格的に顧客ID分析が可能となり、そのデータを活用する時代が近づいていることは確かといえ、この日経MJの消費分析は、これまでの日経POS分析と一味違った視点が見え、興味深い内容である。
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August 23, 2006
PI値と客数PI値の違い、着眼大局、着手小局!
PI値と客数PI値はよく似た指標である。どちらも、顧客の数を分母としているため、分子が極端な差がない場合は、ほぼ同じ数値を示す傾向がある。実際、この2つの指標の相関図を様々な商品でつくってみると、多くの商品で似た傾向を示すことが多い。したがって、大雑把にいえば、PI値にせよ、客数PI値にせよ、どちらを使おうが、大局的な判断としては大部分の商品で問題ないともいえる。しかし、小局的な観点ではPI値だけでは限界があり、客数PI値が算出できるのであれば、客数PI値をもとに仮説検証を実践してゆくことが理想的といえよう。経営はよく、着眼大局、着手小局というが、マーチャンダイジングも全く同じであり、着眼はPI値、着手は客数PI値が望ましいといえる。
ここで、PI値と客数PI値について改めて整理しておくと、PI値も客数PI値も分母は同じ店舗全体の客数である。分子がPI値は買上点数であるが、客数PI値は買上客数である点が大きな違いである。この買上客数という指標であるが、実は買上点数の中には買上客数が含まれており、買上点数は顧客と顧客が一人当り商品を何個買ったかを掛け合わせたものであり、数式で表せば、買上点数=顧客の数×顧客一人当りの購入点数となる。これまで、小売業、特に食品スーパーマーケット業界では、この2つを区別することなく(区別できなかった)、買上点数のみを活用し、PI値までは算出し、マーチャンダイジングに活用してきた。しかし、区別できるのであれば、この2つは区別し、より、精度の高いマーチャンダイジングに挑戦した方がよいといえよう。
ではこの2つの指標を区別するとどうなるか。買上点数=顧客の数×顧客一人当りの購入点数となるので、ある商品のPI値=買上点数÷全体客数であるので、PI値=(顧客の数×顧客一人当りの購入点数)÷全体客数となる。これを少し変形すると、PI値=(顧客の数÷全体客数)×顧客一人当りの購入点数となる。そして、この(顧客の数÷全体客数)が客数PI値であり、顧客一人当りの購入点数がPPIである。すなわち、PI値=客数PI値×PPIというPI値の公式ができあがる。これにより、PI値は単に買上点数を上げれば良いということではなく、小局としてみれば、顧客の数を増やす=客数PI値のアップか、顧客一人当りの買上点数を増やす=PPIのアップ=リピート購買を促す(高頻度購買)がポイントであることがわかる。
このPI値=客数PI値×PPIというPI値の公式が生まれたことにより、PI値をあげるために何をやるべきか(仮説)、また、PI値が上がった場合、下がった場合は何が原因であったか(検証)が具体的な数値でわかるようになり、マーチャンダイジングの仮説検証の精度が飛躍的にあがることになる。
たとえば、トマトのバラ100円の商品のPI値が5%であった場合、これをPI値の公式に当てはめた場合PI値(5%)=客数PI値(2.5%)×PPI(200%)となったとする。トマトのPI値がこのようになったということは、現在、この店舗では客数の2.5%の方がトマトを購入しており、その顧客は1人平均100円のトマトを2個づつ買っているということである。したがって、ここからトマトのPI値を6%、7%に引き上げてゆくには、トマトの客数PI値2.5%を3.0%、3.5%へと引き上げる顧客へのアプローチを検討することが政策となる。また一方で、トマトのPPIが200%であるので、トマトの1人当り購入点数を210%、220%へ引き上げる商品へのアプローチを検討することが政策となる。210%、220%とは2.1個、2.2個であるので、顧客一人当り、10回に1回、5回に1回トマトを3個買ってもらうということである。
このように、PI値が客数PI値とPPIに分解できるとトマトのPI値アップの仮説が顧客と商品の2つの角度からアプローチができるようになり、様々な発想が浮かんでくる。そして、実際に、それらの発想を実行に移し、次のトマトの数字をPI値の公式に当てはめて見たとき、その発想が正しかった、間違っていたかが微妙な数字の差で検証できる。この検証をこまめに行うことが、次の大きな飛躍につながってゆくのである。
このように、PI値と客数PI値はよく似てはいるが、その意味、活用方法は着手大局としてPI値を活用し、着眼小局として客数PI値、そして、そのペアの指標であるPPIをもとに、実践することがマーチャンダイジングの精度をあげ、次の飛躍的な改善につながってゆくことになる。その意味で、客数PI値は着手小局の根幹指標のひとつといえよう。
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August 23, 2006 in 客単価3D分析 | Permalink
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August 16, 2006
すぐできるチェーンストアにおける客単価3D分析!
客単価3D分析を実践するにはレシート分析が前提となり、商品1品ごとの客数を抽出することが前提となる。したがって、客単価3D分析はそれなりのデータ分析の環境がなければすぐに実践することは難しいといえる。では、それなりの環境がないと、現時点で客単価3D分析を実践することはできないかというと、レシート購入客数ではなく、店舗全体の客数を使っての客単価3D分析であれば、すべてのチェーンストアで実践することが可能である。
本ブログでも何度も取り上げているが、毎週金曜日に公表される日経MJの日経POS分析がまさに店舗全体の客数を使っての客単価3D分析を応用した事例であるが、この事例のように客単価を新製品の導入店舗のみに絞って算出することが、客単価3D分析で算出した客単価にほぼ近い数値となる。ほぼ近いという理由は、厳密には客単価3D分析は、レシート分析が前提となるため、客数は新製品を購入した顧客のみの客数で算出するが、日経POS分析は店舗全体の客数が前提となるため、未購入顧客も含まれた客数となってしまうからである。ただ、この客数を使って、客単価3D分析の公式に当てはめて各指標を算出すれば、従来の客単価よりも、一歩、踏み込んだ、客単価分析が可能となり、客単価3D分析をほぼ実践できることになる。
では、実際、各チェーンストアですぐにできる客単価3D分析について解説してみたい。チェーンストアでは一般的に店舗全体の総客数は把握ができているのが実態であるので、全店の客数は全店の合計客数となる。したがって、全店の客単価の算出は全店の売上総額÷全店の総客数で算出することになる。大分類、中分類、小分類、あるいは単品の場合の客単価についても同様にそれぞれの売上総額÷全店の総客数で算出するのが通常である。たとえば、トマトの客単価は10店舗の合計売上が40万円、10店舗の総客数が2万人であった場合には、40万円÷2万人=20円となり、トマトは20円の客単価となる。これが通常の客単価の算出方法である。
ではこれに、客単価3D分析の考え方を適用した場合はどうなるか。たとえば、先のトマトの事例で、トマトが販売されている店舗が5店舗であり、残りの5店舗はトマトがまだ販売されていない場合を考えてみる。その時、トマトが販売されている5店舗の客数を1万人、トマトの売上を先ほどと同じ40万円とした場合、この時の客単価を客単価3D分析で計算した場合は、客単価=PPI×平均単価×客数PI値=客単価PPI×客数PI値であるので、20円=40円×50%となる。全体の客単価は20円と変わらないが、客単価PPI、このトマトの事例では、40万円÷1万人=40円と客数PI値、1万人÷2万人=50%という指標が算出され、トマトを客単価3D分析で表すことが可能となる。トマトの平均単価を200円とすれば、PPIは40円÷200円=20%となり、これをまとめると、トマトの客単価(20円)=PPI(20%)×平均単価(200円)×客数PI値(50%)=客単価PPI(40円)×客数PI値(50%)となる。
この客単価PPIは野球でいう得点圏打率と同じ指標であり、トマトが販売されている店舗のみの客単価のことである。したがって、この数字が算出されることにより、トマトの全店舗の客単価をあげるためには、まず、トマトの販売店舗の客単価、すなわち、客単価PPIを引き上げることと、トマトの販売店舗を増やしてゆく、客数PI値のアップが決めてとなることがわかる。
このように、これまで、全店の総客数でのみ算出していた客単価にその商品の購入店舗のみの客数を新たに集計することにより、客単価3D分析の適用が可能となり、客単価を購入店舗のみの客単価PPIを上げることと、まだ、購入実績のない店舗へ商品を広げることにより、客単価の改善がきることが可能となり、よりきめ細かいマーチャンダイジングを実践することが可能となる。
もちろん、全店共通な商品ではこの分析は全店の客数も購入店舗の客数も同じになってしまうので、有効ではないが、各カテゴリーの中の各単品の分析、特に、新製品等には効果的な分析手法であるといえる。実際、各企業の数表を見ると、チェ―ンストア全店の客単価の算出方法が客単価であったり、客単価PPIであったりする場合があり、しっかり整理されていないことがある。チェーンストアの数表としては先のトマトの事例のように客単価3D分析が可能であるので、よりきめ細かいマーチャンダイジングを実践する意味でも客単価と客単価PPI、客数PI値、できれば、PPI、平均単価の算出がなされた帳票を活用してゆくことが望ましいといえよう。
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客単価3D分析 基礎講座CD発売!
August 16, 2006 in 客単価3D分析 | Permalink
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August 07, 2006
客単価の評価を32種類まで確認!
小売業にとって最も重要な指標は客単価と客数である。ではその客単価を評価するにはどうしたらよいだろうか。客単価2D分析では客単価=PI値×平均単価ととらえ、客単価がアップした場合は、PI値がアップするか、平均単価がアップするか、双方がアップするかの3つの評価が可能であった。同様に、ダウンした場合にはPI値がダウンするか、平均単価がダウンするか、双方がダウンするかの3つの評価が可能であった。したがって、アップした場合の3つとダウンした場合の3つを合わせ、客単価は6段階で評価が可能となった。そして、PI値に重点を置くことによって、客単価がアップした時も、PI値、平均単価双方がアップした場合は○○○の3重丸の評価、PI値のみがアップした場合を○○の2重丸の評価、平均単価のみがアップした場合を○の1重丸の評価とし、優先順位をつけることが可能となった。同様にダウンした時も、PI値、平均単価双方がダウンした場合を×××の3重罰の評価、平均単価のみがダウンした場合を××の2重罰の評価、PI値のみがダウンした場合を×の1重罰の評価とすることができた。このように客単価を評価することにより、単にあがった、下がっただけでなく、その中身にまで踏み込むことにより、現状の検証、そして、次の客単価アップへの精度の高い仮説づくりにつながってゆくこと可能となった。
では、これが客単価3D分析となった場合はどうなるだろうか。これまで、18パターンまで確認できてはいたが、改めて、客単価がアップした場合、ダウンした場合を確認してみたところ、何と32パターンまで確認できた。客単価3D分析は客単価を3つの軸、すなわち、PPI、平均単価、客数PI値に分けて考え、客単価を客単価=PPI×平均単価×客数PI値という数式で表して、客単価を3次元でとらえる新しい分析手法である。したがって、客単価の評価もこれまでの2次元から、3次元、すなわち、立法体で評価することになる。客単価2D分析の時は面積を大きくすることが客単価アップであり、小さくなることが客単価ダウンであったが、客単価3D分析の場合は、立法体を大きくすることが客単価アップであり、小さくなることが客単価ダウンとなる。したがって、客単価の評価も立方体が大きくなったり、小さくなったりする、あらゆる場合を検討し、整理する必要があり、これは2次元の面積の時のように答えを簡単に出すことは不可能な作業である。じっくり、腰を落ち着けて、慎重に検討する必要がある。以前、検討した時には、18パターン、すなわち、客単価アップが9パターン、ダウンが9パターンまで確認できたので、18パターンかと思っていたが、改めて、確認してみると、32パターンまで確認できた。恐らく、数学の世界ではすでに、立法体の大きくなるケースと小さくなるケースは何パターンあるかという問題はすでに解けているのであろうが、残念ながら、身近に数学者がいないため、自分で確かめてみた。とりあえず、考えられる場合わけと、具体的な数字を代入し、確認しながらパターン分けを行ったので漏れはないかと思うが、100%証明できたわけではないので、もしかすると、まだ検討できてないパターンがあるかもしれない。
客単価3D分析が32パターンの評価になったポイントであるが、指標は3つの軸であるので、PPI、平均単価、客数PI値であり、これだけの組み合わせでは、それぞれが上がった、下がったであり、2×2×2=8パタンしか考えられない。ところが、立方体の場合は、それぞれの指標がつくる面があり、客単価PPI、PI値、一品客単価の面が大きくなったり、小さくなったりし、これが複雑に絡み合い、パターンが増殖する。たとえば、PPIが○で平均単価が×の場合は客単価PPIは○の場合と×の場合があり、さらに、客単価に至ると客数PI値が加わり、客単価も○の場合も、×の場合もある。したがって、単なる3つの軸を単純に考えればよいという問題ではなく、立法体の大きさが変化するあらゆる場合を検討することが必要となる。
このように、じっくり取り組んでゆくと、客単価は32パターン、すなわち、客単価がアップした場合は16パターン、ダウンした場合は16パターンであることが確認できた。これで、客単価3D分析の基礎理論およびその展開パターンがすべて確認できたと思うので、今後は、いよいよ客単価3D分析の実践に入ってゆくことが可能となる。
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August 7, 2006 in 客単価3D分析 | Permalink
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August 01, 2006
客単価3D分析の最先端をゆく大リーグのデータ管理、分析!
以前、本ブログで得点圏打率について取り上げ、得点圏打率は客単価3D分析の応用のひとつであることを示した。得点圏打率は理論面からアプローチして、指標をつくったのではなく、選手個々人を正当に評価するという観点からつくられた指標であるため、充分に理論展開ができていない面もあり、重要な指標が活用されていない面もある。それでも、現状の小売業界の様々なデータ分析と比べてみると一歩リードしているのが現状といえよう。小売業の分析の中には得点圏打率のような指標はいまのところ明確ではないし、また、活用されているという事例は聞かない。
では、大リーグでよく使われる得点圏打率が小売業界の分析手法と比べすぐれている理由は何か。それは小売業界ではまだ充分に活用されていないIDをフルに活用している点である。IDを活用すると何が違ってくるのかであるが、根本的な違いは数式そのものが違ってくる。IDを活用しない客単価の数式は客単価=客数PI値×PPI×平均単価であり、ここまでが限度である。しかし、ここにIDが入ると、客単価は特定IDの客単価=特定条件の下での(客数PI値×PPI×平均単価)+特定条件の下でない場合の(客数PI値×PPI×平均単価)まで分析が可能となり、特定IDにおける、ある条件のもとでの客単価を導き出すことができるようになる。得点圏打率はまさに特定IDの味方が2塁、3塁に出塁している時のヒット率のことであり、ここには、特定IDと特定条件の時という限定が加えられた打率を算出し、通常の打率と区別して活用している。
得点圏打率では本来この数式にもとづいて計算し、正当に選手個々人を評価するのが主な目的であると思われるが、得点圏打率のみに目がいってしまい、残りの要素を切り捨ててしまっている点が残念である。また、本来ヒット率だけではなく、まさに打点率という客単価の平均単価にあたる要素、得点圏打点率などを加味すると、さらに個々人の正当な評価にもつながるのであるが、この点も充分な分析ができていないのがもったいないと思う。
現状の得点圏打率を客単価3D分析の数式で表現すると、打率=得点圏における打席率×得点圏打率+得点圏以外の打席率×得点圏以外の打率となり、得点圏打率とは打率の中身を得点圏における打率のみに注目して、チャンスに強い打者を全選手の中から抽出し、チャンスの場面で、効果的な起用をすることにより、得点率をあげようとする目的であるといえる。したがって、そのためには、得点圏打率とペアとなっている得点圏打席率が鍵を握っており、得点圏打席率の高い打順に得点圏打率の高い選手を配置した時、すなわち、得点圏における代打か、3番以降が最適な打順となり、長打、ホームラン等が多い場合は、3、4、5番優先、ヒットが多い場合は6、7番当りが最適打順となろう。
では、このように大リーグで客単価3D分析の活用がなぜ可能となったのかであるが、いくつかの偶然が重なったものと思われる。それは、野球はチームプレーであり、選手個々人の特徴を正当に評価し、適材適所の人材配置(打順、選手起用)が勝利の決め手となるが、それを実現するためには正確なデータとその分析が不可欠である。小売業界ではこれらのデータは莫大な商品データと顧客データとなってしまう。どちらも膨大であり、この数10年かけてやっと商品データの方はバーコード管理ができ、目処がつきはじめたが、顧客の方はほとんど手つかずの状態といえる。これが、大リーグでは選手も相手も原則9人であり、しかも綿密なデータを記録する仕組みとしてスコアブック(小売業のPOS)が早くから存在していた。これが決定的な違いとなり、あとはその分析手法を開発すれば、選手個々人を正当に評価し、適材適所の配置が可能となる仕組みをつくることができたのであろう。大リーグをはじめ野球界がデータ管理を重視したのはこのような背景があったものと思う。
したがって、今後、小売業がより戦略的に経営を行ってゆくためには、顧客IDを管理し、この分野では先行している大リーグのデータ活用方法を学び、さらに新しい分析手法を開発してゆくことが、厳しい競合状況の中で生き残ってゆくための今後の大きな課題といえよう。
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August 1, 2006 in 客単価3D分析 | Permalink
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July 17, 2006
得点圏打率について
7/17配信の食品スーパーマーケット最新情報のメールマガジンの中で、客単価3Dミニ講座で大リーグでよく活用されている得点圏打率について取り上げた。客単価3Dミニ講座も今回で8回目となり、前回から、日常的に使われている客単価3D分析の事例を取り上げているが、今回は得点圏打率に注目した。その理由は、これはまさに客単価3D分析の初歩的な応用事例ではあるが、核心をついた典型的な指標であるからである。メールマガジンでは最新の得点圏打率のデータとか、今後の方向についての解説が充分でなかったので、あらためて、本ブログでも取り上げてみたい。
最近のデータを改めて調べてみて、びっくりしたのは、2005年、昨年度のナショナルリーグNo.1の選手はカージナルスの田口壮選手であったことである。4割7厘という得点圏打率であり、メジャーリーグ全打者の中でも、No.2である。ちなみに、No.1はブルージェイズのフランク・カタラノ-ト選手であり、4割9厘と、田口選手とはわずかな差である。田口選手の総合打率は3割弱であるので、いかに得点圏打率が高いかがわかる。また2005年のイチローは得点圏打率が3割を切っており、マリナーズの成績に比例して、厳しい年であったことがわかる。それにしても、田口選手の得点圏打率はすばらしい数字であり、カージナルスが重用している理由の一端がここにあったといえよう。
さて、このように得点圏打率は総合打率を補う重要な指標であることがわかるが、この得点圏打率は実は客単価3D分析の応用であり、逆に、客単価3D分析を使うとさらに様々な指標をつくることができる。最近では、この得点圏打率は打順を組む時に監督が重要視する指標のひとつであるといわれ、得点圏打率にもとづく自動打順組み換えソフトなどの試みもなされているという。
一般的に得点圏打率の計算方法は、得点圏、すなわち、2塁か3塁に味方選手がすでに出塁していた時のみのヒット率であらわされる。具体的には、得点圏打率=得点圏におけるヒット数÷得点圏における打席数である。これはまさに客単価3D分析のPPIのことであり、客数を得点圏とそれ以外に分けて考える細分化客数の応用であることがわかる。したがって、この得点圏打率と通常の総合打率との関係は、通常の総合打率=得点圏打率×得点圏打席率+得点圏以外の打率×得点圏以外の打席率となる。これを客単価3D分析に置き換えれば、PI値(通常の総合打率)=得点圏PPI(得点圏打率)×得点圏客数PI値(得点圏打席率)+得点圏以外のPPI(得点圏以外の打率)×得点圏以外の客数PI値(得点圏以外の打席率)となり、客単価3D分析のPI値の分解と全く同じ数式であり、その中の得点圏PPIのみを抽出していることがわかる。
したがって、理論的には得点圏打率は正確には、実は2種類あり、ひとつは、得点圏PPIであり、もうひとつは、得点圏打率×得点圏打席率、すなわち、得点圏PI値である。打席数を得点圏に置くか、全打席に置くかの違いである。また、ヒットの数にかかわらず、得点圏打席数、すなわち、客数PI値もあり、実は、こちらの方が客単価3D理論からいっても、実は重要な指標であり、何度チャンスに打順が回ってくるかを表し、チャンスをつかむ強さをはかるには得点圏打率よりも重要な指標である。
さらに、客単価3D分析を用いると、PI値分解だけではなく、平均単価をも考慮し、客単価に高めた得点圏打率を造ることも可能となる。具体的には平均単価の代わりに、得点、1ベース、2ベース、3ベース等の数字を掛け合わせると、より、得点の獲得率を表す指標となり、単にチャンスの時にヒットを打つか打たないかだけでなく、得点につながったか、あるいはつながる可能性が高かったかを指標化することもできる。先ほどの打順へ応用する場合も、このように、得点圏打率だけでなく、得点圏打席率や得点圏における得点貢献度率などを組み入れるとより、現状の各選手の最適バランスを考えた打順を組むことができるようになろう。
このように、客単価3D分析は意外なところですでにその一端が活用されていることがわかる。今後、客単価3D分析も食品スーパーマーケットをはじめとする小売業界はもちろん、様々な分野での活用も考えてみたい。
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July 17, 2006 in 客単価3D分析 | Permalink
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July 14, 2006
Googleで客単価3D分析、PI値を検索!
Googleで客単価3D分析、PI値を検索してみた。客単価3D分析は487件、PI値は何と564000件の検索結果である。さすがに、客単価3D分析では、本ブログの食品スーパーマーケット最新情報がNo.1であったが、PI値では残念ながら、No.1は本ブログではなかった。PI研のホームページがNo.2であり、No.3が本ブログの食品スーパーマーケット最新情報であった。そこで、今回は、これまでのブログとちょっと趣をかえて、Googleで客単価3D分析を検索してみて、これはっと思う、私なりに推奨できる記事を取り上げてみたい。本来、ブログの極意はトラックバック等に代表されるネットワーク機能にあり、このような今回の試みをもとに、今後、本ブログもブログ本来の醍醐味を考慮しながら、さらに内容を充実させた最新の食品スーパーマーケット情報を発信をしてゆきたいと思う。
参照1:http://park14.wakwak.com/~usj/money.htm:事業分析(マネーのツボ)、ここでの注目は数年前の資料ではあるが、USJ(ユニバーサルスタジオジャパン)とTDL(東京ディスニーランド)の客単価比較である。はじめて私も知ったが、ほぼ客単価は10000円弱であり、リピート率は3年に1回ぐらいという。
参照2: http://plusd.itmedia.co.jp/mobile/news/0110/29/jeans.html:ITmedeiaの携帯クーポンの効果検証の記事である。ジーンズメイトのケーススタディをとりあげているが、携帯に3000円、1500円、500円のクーポンを発信し、その効果を検証したものだが、通常の顧客よりも客単価が1.5倍ぐらいになり、値引き後の粗利高も高いという。今後の携帯クーポンの行方をうらなう意味で興味深い記事である。
参照3:http://news.goo.ne.jp/news/reuters/keizai/20060705/JAPAN-219917.html:通信社ロイターの記事であるが、消費に重点をおき、客単価についても言及された記事である。ロイターが7/5までに、百貨店、スーパー、家電量販店、旅行代理店、衣料専門店、インターネット商店街の各社の販売担当役員らを対象に、この夏の個人消費の動向についてインタビューしたものであるが、価格よりも価値に重点をおいた消費がポイントであるという。
参照4:http://www.sej.co.jp/owner/data/heikin.html:セブンイレブンの客単価について、セブンイレブン自らが公表した数字です。649円だそうです。この数字は、コンビニエンス業界トップだそうで、他のコンビニは600円を切っているとのことです。平均単価が200円とすれば、PI値は300%強といったところでしょうか。ちなみに、客数は986人、約1000人だそうです。
参照5:http://www2a.biglobe.ne.jp/~js88/Bikei/Sihyo/bekei1.html:理美容室の経営指標一覧です。スタイリストのポータルサイトです。一般的な理容室の客単価は5000円強、美容室の客単価は7000円強だそうで、美容室の方が客単価が高い業態といえます。
参照6:http://www.gci-klug.jp/klugview/06/07/03/post_3958.php:吉野家のうな丼導入の考察記事です。マクドナルドの平均単価アップ戦略の成功事例を参考に、うな丼導入がPI値から平均単価アップ戦略への転換であることを示唆した内容です。
参照7:http://www.sc-abeam.com/mailmagazine/otani/otani0106.html:カー用品、イエローハットの客単価アップ戦略についてのメルマガの記事です。平均単価アップ戦略ではなく、ついで買いを促すPI値アップ戦略がポイントだということです。
以上、今回は7つの客単価に関して、参考となると思われる内容をGoogleで検索し、取り上げてみた。食品スーパーマーケットだけでなく、様々な業種業態の客単価のとらえ方、具体的な客単価アップ手法を取り上げてみた。客単価は商品と顧客の接点をとらえた指標であり、この点についてはあらゆる業種業態が共通であるので、今後とも、食品スーパーマーケットの参考となる客単価に関する内容は本ブログでも積極的に取り上げてゆきたい。
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July 14, 2006 in 客単価3D分析 | Permalink
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July 05, 2006
PI値と客数PI値について
客単価3D分析と2D分析の決定的な違いは、根本的な判断基準を数量におくか、顧客におくかである。客単価2D分析の場合は客単価=PI値×平均単価で客単価を分析するため、まず、PI値をアップさせることが第一優先となる。PI値とは買上点数÷全体客数であるので、顧客一人当りの買上点数が高いか低いか、すなわち、点数=数量が決め手となる。これに対し、客単価3D分析は、客単価=客数PI値×PPI×平均単価となるため、まずはじめに、客数PI値をアップさせることが第一優先となる。客数PI値とは商品購入客数÷全体客数であり、顧客一人当りの購入客数であるので、顧客一人当りの購入客数が多いか少ないか、すなわち、客数が決め手となる。このように、客単価3D分析は客数概念を基本にした客単価分析手法であるのに対し、客単価2D分析は数量概念を基本にした客単価分析手法であることが決定的な違いである。
では、この違いが実際のマーチャンダイジングにどのような影響を与えるかを考えてみたい。そのためには、PI値と客数PI値との関係を考えてみるとわかりやすい。PI値は買上点数÷客数であるので、これをさらに分解すると、(商品購入客数÷全体客数)×(買上点数÷商品購入客数)と表すことができる。前者が客数PI値であり、後者がPPIであるので、PI値=客数PI値×PPIとなる。この数式が意味することは、PI値は顧客と数量に分けて考えるべきであり、PI値をあげるためには、顧客を増やすか、数量を増やすかの2つの方法があるということである。逆に考えると、PI値は顧客概念と数量概念が一緒になってしまったトータルな指標であり、顧客概念が未分化なままの指標であるということになる。
具体的な事例を示すと、客数1000人の店で10個売れた商品のPI値は1%であるが、この商品は、何個売れたかはわかるが、何人の顧客が買ったかはわからないということである。もしかすると、1人の顧客が10個買ったかもしれないし、10人の顧客が1個づつ買ったかもしれないからである。客単価3D分析で表せば、前者は、PI値(1%)=客数PI値(0.1%)×PPI(1000%)となるが、後者はPI値(1%)=客数PI値(1%)×PPI(100%)となり、PI値は同じ1%であるが、その購買動向が180度違う商品であることがわかる。PI値では判断できなかったものが、客数PI値では0.1%と1%と10倍の差が発生し、明らかに後者の方が客数PI値が高く、顧客の支持という点では圧倒的な高い数値であることがわかる。
このように、客単価3D分析を行うことによって、はじめて顧客の支持率を目の当たりにすることができ、同じPI値の商品の顧客の支持による違いが一目瞭然となる。グラフにするとy=1/xのグラフになり、縦軸を客数PI値、横軸をPPIとすると、PI値は双曲線となる。したがって、PI値をどんなに分析しても、斜めの双曲線が移動するだけの話であり、客数PI値の高いもの、PPIの高いものがPI値からは漏れてしまい、PI値が高いからといって、顧客の支持が高いのかどうかはPI値では判断がつかない。
これは特に重点商品の選定には決定的な違いが生じ、重点商品をPI値のみで選定した場合には、客数PI値の高い商品、PPIの高い商品が合計で約15~20%近く漏れてしまうということになる。仮にこの商品をPI値で救おうとすると、PI値の低いものから、直観、感覚等で付け加える以外に方法はなく、本当に顧客から支持の高い商品がPI値でだけでは見落としかねない結果となる。
したがって、客単価3D分析で重点商品を分析する場合は、まず、客数PI値で重点商品を選定し、顧客の支持の高いものは最優先でピックアップし、次に、客数PI値は低いがPI値の高いもの、そして、PPIの高い商品をどこまで加えるかを基本に考えることが、商品を購入している顧客にとっては最良の商品選定となる。このように、客数PI値はPI値を補う、というよりも、むしろメインとして、今後ますます商売にとって大事な指標となろう。
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July 5, 2006 in 客単価3D分析 | Permalink
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June 03, 2006
Microsoft ビジネスフォーラム2006、2回目の客単価3D分析講演!
5/18に続き、2回目の客単価3D分析の講演を5/31、Microsoft 社主催のMicrosoftビジネスフォーラム 2006(大阪全日空ホテル)で行う機会があった。今回の講演は前回と同じMicrosoft社のパートナー企業でもあり、客単価3D分析のシステム構築を担当しているインテック社の基調講演であった。当日、会場には約50名の方が熱心に聴講され、あらためて、客単価3D分析の関心の高さを感じた。今回は2回目ということもあり、前回、東京の赤坂プリンスホテルでの経験を踏まえ、いかに短時間で、客単価3D分析を理解していただくかを中心に講演した。
客単価3D分析を理解するための最大のポイントは顧客視点とは何かを理解することである。小売業は、「店は客のためにある」、「The customer is always right!」といわれるように、顧客指向が経営の根幹をささえているといっても過言ではない。では、実際、どのように顧客指向をすすめてゆくのかというと、これがなかなか難しい。なぜなら、顧客の声をもっとも客観的に表している販売データのとらえ方がまちまちであるからである。歴史的に見ると販売データの活用方法はいくつかの変遷がある。
いまから50年ぐらい前かと思うが、ナショナル金銭登録機といわれた「よきみせさかえ」の時代には金額管理のみのデータ活用だった。いくら売れたかを金額で把握し、そこから顧客のニーズをつかみ、経営にいかしてゆくという時代である。この時代が30年ぐらい続き、いまから20年前ぐらいにPOSが登場した。これにより、はじめて販売データに数量管理が加わり、何が何個いくらで売れたかが単品レベルでつかめるようになった。顧客の声を金額だけでなく、数量で、しかも単品レベルで把握できるようになったのである。ちょうどPOSが小売業に少しづつ入りはじめた約15年ぐらい前のことだが、まだ私が駆け出しのコンサルタントだった頃、顧客の声を金額で見るか、数量でみるか大手小売業の経営幹部と熱い論争をしたことを覚えている。当時はPOSを導入した先進的な企業でも、金額管理が主体である場合が多く、ひどい時には、数量情報を捨ててしまい、金額情報のみで帳票をつくっている企業もあった。当然、私はPI値を勉強していたので、数量管理を主張したが、なかなか受け入れてもらえず、苦労したのを思い出す。この数量管理にもとづき、顧客の声を把握する時代が今日までつづいているといってもよい。
そして、この7、8年前から、ITの進化とともに、レシート分析が可能となり、数量管理に加え、顧客管理が可能となり、顧客の声を数量から顧客でとらえられるようになった。これにより、何を何個、いくらでに加え、何人かが単品レベルでもわかるようになり、顧客の声を顧客の数ではじめてとらえることが可能となった。
これが客単価3D分析の根幹であり、ここが理解できれば客単価3D分析は簡単にマスターできる。ごく簡単にいえば、客単価3D分析は金額管理と数量管理と顧客管理の3つを統合した客単価分析手法であり、その中でも顧客に焦点をあてた分析手法である。3Dの3つの軸は金額、数量、顧客の軸であり、この顧客の軸が基点となって立方体が構築され、客単価を3つの角度から分析してゆく仕組みである。
今回の客単価3D分析の講演もここをまずはじめに参加者の方に理解してもらい、そして、基礎理論、具体的な活用方法などを解説した。なお、今回のエッセンスがMicrosoft社のホームページに私の寄稿論文として掲載されたので、是非、ご参照ください。また、来週には、今回、講演に参加できなかった方のために、客単価3D分析のDVD、CDを発売する予定です。現在、撮影中ですが、仕上がり上々です。ご期待ください。
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June 3, 2006 in 客単価3D分析 | Permalink
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May 27, 2006
レシート分析と顧客指向
客単価3D分析に本格的に取り組みはじめて数ケ月が過ぎた。最近では客単価3Dの講演、ブログ、まぐまぐをはじめWeb等への執筆、そして、客単価3D分析の導入を検討する企業への説明等の機会が増えた。その中でよく「通常の分析と何が違うの?」という質問を受ける。そこで、改めて、客単価3D分析の他の分析手法との根本的な違いを明確にしてみたい。
結論からいうと、客単価3D分析が他の分析手法と決定的に違うのは、顧客指向の純度が違うという点である。顧客指向の純度とは、どれだけ顧客の声に忠実に分析しているかという度合いである。
では、なぜ、純度が違うのか。それは、分析の出発点、土台が違うからである。石油にたとえると、原油を使うか、重油を使うか、ガソリンを使うかという違いである。ウィスキーにたとえると、水割りか、オンザロックか、ストレートかの違いといえる。当然、小売業の経営理念は顧客指向、Customer is always right!であり、どれだけ顧客指向を目指した経営ができるかが最大のポイントであり、決定的な差別化となる。そして、そのためには日々発生する販売データをどのように分析するかであるが、実は、その前提は、その分析すべきデータそのものの純度にある。純度が高いとは、分析に用いるデータがどれだけ濃く顧客の声を反映しているかである。
一般的には小売業の販売データも顧客指向を前提とした場合、純度を3つに分けることができる。ひとつは金額に着目した売上金額データであり、2つ目は販売数量に着目したPI値データであり、3つ目は購入顧客に着目した客数PI値データである。この3つは顧客指向の純度が全く違う。どのくらい違うかというと、売れ筋(顧客の欲しい商品)をそれぞれのデータで分析してみれば一目瞭然である。
ひとつめの売上金額データで売れ筋を見た場合、顧客の購買状況がほとんど見えないため、たとえば、1,000円の売上金額の商品が2つあった場合、どちらが売れ筋かがつかめない。これがPI値データで見ると、同じ1,000円の商品が100円のものが10個、200円のものが5個という違いであれば、売上金額のデータでは区別がつかなかったが、その店舗の来店客数が仮に1,000人の場合、それぞれ、PI値=1%(10個÷1,000人)、PI値=0.5%(5個÷1,000人)となり、より顧客一人当りの購入数量、すなわちPI値の高い10個の方が売れ筋と判断できる。
しかし、この場合でも、5/23の本ブログでも触れたように、購入顧客数に着目した場合はどうなるか。たとえば、10個の中身が1人の顧客が10個買っていた場合と、5個の中身は5人の顧客が1個づつ買っていた場合では、同じ来店客が1,000人の店舗の場合は、顧客購入率、すなわち、客数PI値=0.1%(1人÷1,000人)、客数PI値=0.5%(5人÷1,000人)となり、5個の方が実は顧客購入率、客数PI値が高く、より顧客指向の強い商品といえ、こちらを売れ筋と見るべきである。
このように、商品を分析する場合は、どのデータをもとに判断するかが極めて重要な問題である。顧客指向という観点から見た場合、これまで述べたように3つの純度があり、ひとつめ、ふたつめまでは通常のPOSから上がってくる販売データで分析ができる。しかし、3つめの購入顧客に視点をおいたデータ、客数PI値はレシート分析のみから算出される極めて顧客指向の純度の高いデータであり、レシート分析を土台としない限り得られない貴重なデータでもある。
このように、よい分析をするためには、分析の前提となる純度の高いデータが必要といえる。
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May 23, 2006
売れ筋って何だろう!
最近、私のホームページに掲載したものですが、本日、改めて再認識する機会があったので、多少、加筆修正して掲載します。
売れ筋って何だろう。これが実は奥が深い。たとえば、次のような商品があった場合、どちらが売れ筋だと思いますか。
A:10個売れている商品
B:10個売れている商品
通常、このA、Bはどちらも10個売れているので、どちらが売れ筋かわかりません。では、この2つから、売れ筋を見極める方法はないのでしょうか。
それが、あるのです。たったひとつだけ。どのような方法かというと、売上数量ではなく、顧客の数に着目するのです。
Aは10個売れたが、いったい何人の顧客が買ったのか。
Bも10個売れたが、はたして何人の顧客が買ったかを調べるのです。
実際、調べてみたら、A、Bの顧客の数が次のような結果になったとします。すなわち、
A:10個売れている商品⇒10人の顧客が1個づつ買っている商品
B:10個売れている商品⇒1人の顧客が10個買った商品
この場合、どちらを売れ筋と考えたらよいでしょうか。Bは1人の顧客からしか買われていませんが、Aは10人の顧客が買っています。当然、Aの方が売れ筋と考えられます。なぜなら、Aの方がより多くの顧客に買われているからです。
先の例では、売れ筋を、はじめは単に売上数量だけでみていただけでした。しかし、顧客の数がわかってからは、今度は売れ筋を顧客の数でみて判断したのです。すなわち、売れ筋とは売上数量ではなく、顧客の数でみることがポイントだということです。売れ筋とは実は見方、考え方によって変わるのです。
では、もうひとつ、いっしょに考えてみましょう。
C: 5個売れている商品
D:10個売れている商品
この場合はどうでしょうか。当然、Dの方が売れ筋だと誰もが思うと思います。でも、先ほどと同様、Cは5人の顧客が1個づつ買った商品で、Dは1人の顧客が10個買った商品であった場合はどうでしょうか。
C: 5個売れている商品⇒5人の顧客が1個づつ買っている商品
D:10個売れている商品⇒1人の顧客が10個買った商品
それでも、10個売れた、Dの方が売れ筋だといえるでしょうか。顧客の数からいうとCの方がDの5倍で、Dはたった1人です。さあ、どちらが売れ筋でしょうか。顧客の数からみればCの方が圧倒的な売れ筋です。すなわち、
① 売れ筋とは売上数量からみるか
② 顧客の数からみるか
この2通りの見方があるということです。そして、どちらが物事の本質に近いか。これはより数が売れることでしょうか。そうではないはずです。より顧客の数が多いことの方が売れ筋といえると思います。
ここがポイントです。売れ筋の定義が変わったのです。当初は売れ筋を売上数量からみていたのですが、顧客の数が分ったとたんに、売れ筋を顧客の数でみるようになったのです。このように、売れ筋とは本来、顧客の数でみるべきものであり、顧客の数で売れ筋をみたときに、はじめて物事の本質がつかめるのです。
これが客単価3D分析(レシート分析)の本質です。客単価3D分析で商品を分析するとこれまでの世界とは全く違った世界がみえるのです。そして、その世界こそが真の姿だったと改めて理解できるものと思います。
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May 19, 2006
Microsoftビジネスフォーラム2006で、客単価3Dを講演!
5/18に東京の赤坂プリンスホテルで開催されたMicrosoftビジネスフォーラム2006で客単価3Dの講演をする機会があった。この企画は5/31にも大阪で開催される予定であり、そこでも、今回と同じテーマ、客単価3Dでの講演を予定している。今回は約30分という限られた時間でもあったので、客単価3Dの基本概念と活用メリットについて、そのポイントを話した。講演は2部構成であり、私が第1部の客単価3D分析のすすめについて話し、第2部では客単価3D分析をMicrosoftの新製品SQLサーバー2005で開発しているインテックがBIテンプレートを紹介するという内容であった。
客単価3Dを実践に活用するにはレシート分析が前提となるため、創造以上の大容量のデータを分析することになる。数店舗のチェーンストアであれば問題はないが、これが100店舗、200店舗となると、レシート枚数も年間、軽く1億枚を越え、ちょっと分析してみるというわけにはいかず、しっかりしたIT基盤が必要となる。今回はそのIT基盤づくりをインテックが担い、Microsoftの新製品のSQLサーバー2005に客単価3D分析を乗せるということで、この講演が実現した。講演会場とは別の会場にはインテックがMicrosoftのSQLサーバー2005で構築した客単価3D分析の実演デモも用意された。
この客単価3Dの講演は、もう1回、5/31に大阪の全日空ホテルでも予定しているが、残念ながら、今日のMicrosoftのホームページを見ると、登録が締め切られたようだ。運よく参加される機会がある方は是非、客単価3Dの講演をお聞きください。また、客単価3Dに関してはいずれ別の講演の機会もあると思うので、今回、客単価3Dを聞けなかった方、実演を見れなかった方はそれまで少しお待ちください。本ブログでもその時はいち早くお伝えします。
さて、今回の講演のポイントだが、約30分という限られた時間だったので、客単価3D分析にかかわる2つの重要なポイントをまず取り上げた。ひとつは、客単価1円の重みについて、そして、もうひとつはレシート分析についてである。客単価1円の重みについてはすでに本ブログの200号記念に取り上げたが、意外に、小売業の方でも客単価が商品1品1品に存在することを認識されてない方が多い。しかも、客単価1円が自社ではどのくらいの価値があり、客単価1円をあげるためには単品管理、小分類管理によるPDCAが決め手となることが認識されてない場合が多く、これについてあらためて解説した。そして、その効果をさらに大きくするために、精度の高い客単価3D分析がポイントとなる点を説明した。
またレシート分析については、その最大のポイントは細分化客数を導くことができ、これにより、PPI、客数PI値という新たな概念が生じ、その指標を活用することによって客単価3D分析が可能となることを解説した。特に、レシート分析については相関分析が主流となっているが、本来、より精度の高い客単価3D分析が可能となることの方がはるかにメリットが高いことを強調した。さらに、レシートの新しい分析手法である単品ごとの、その単品を購入するレシート顧客はいったいその単品を含め、何品、いくら購入しているかを導き出すことにより、商品カットではなく、顧客カットを防ぐ指標がレシート分析から導かれることもポイントであることを説明した。
これらの前提をもとに客単価3D分析の本題に入った。本題では、レシート分析は客単価分析の究極の分析手法であり、それによって従来の2Dでは対応できなかった様々な業種の客単価アップ支援も可能となり、3DのPPI軸、平均単価軸、客数PI値軸のどれが優先されるかが変わり、さらに、商品によっても軸の優先度合いが変わり、状況に応じた臨機応変の分析により、客単価を引き上げてゆくことがポイントであることを解説し、講演を終えた。
今回は時間が限られていたので、具体的な事例については話す時間がほとんど取れなかったが、次回の機会には具体的なデータにもとづき、客単価3D分析のメリット、各業種による活用方法の違いなどについて取り上げたいと思う。次回に是非ご期待ください。
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May 19, 2006 in 客単価3D分析 | Permalink
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May 16, 2006
客単価1円の重みについて
記念すべき200本目のブログです。
チェーンストアにおける最大のメリットは店舗数の増加にともない、客数が飛躍的に増加し、それにともない売上が急激に拡大することである。一般的な食品スーパーマーケットの店舗数と客数との関係を見ると、まず、客数は1日約2,000人であり、月間約60,000人、年間約720,000人となる。これに対し、店舗数が10店、20店と増え、100店舗を越え、さらに、店舗数が約150店舗になると何と年間客数が延べ約1億人となる。日本の食品スーパーマーケットで年間客数が約1億人を越える企業はまだ7、8社であり、恐らく、この数年でM&Aが進み、20社ぐらいとなるであろう。
では、年間約1億人の客数とは食品スーパーマーケットにとってどのような意味があるのだろうか。その最大の意味は、客単価1円の価値が飛躍的にアップすることである。1店舗の場合は、客単価1円の価値は1日約2,000円、月間約60,000円、年間約720,000円であるが、これが約150店舗となると、1日約300,000円、月間約9,000,000円、そして、年間では約1億円となるのである。
このように店舗数が約150店舗になると、年間延べ客数は約1億人となり、これはイコール客単価1円は1億円に匹敵するといことを意味する。したがって、1店舗当りの客単価が仮に平均2,000円であれば、年間売上高は約2,000億円となる。また、これは、1店舗当りの客単価が仮に平均1円アップすると、その瞬間に全店では年間約1億円のアップが見込まれるということであり、客単価1円の重みが、約150店舗ともなると非常に重い価値となるのである。
ちなみに、全世界で最高の客数をほこるチェーンストアは恐らくセブンイレブンであろう。既に日本で1万店舗を超えた。1店舗当りの1日当りの客数が約1,000人であるので、月間では30,000人、年間では36.5万人、全店合計では、1日1,000万人、月間では3億人、年間では何と36億人となり、客単価1円の重みは36億円となる。以前、本ブログでも何回か取り上げたが、セブンイレブンのおにぎりのPI値が1%、平均単価100円とすると、客単価は1円となり、おにぎりの年間売上はまさに36億円となるのである。アイスクリームを約20SKUに絞り、死に筋を徹底排除し、常にPI値の高いアイスクリームの品揃えを、発注強化により、欠品させずに維持しつづけることにセブンイレブンが執念を燃やす理由はここにあるといえよう。
では、約150店舗の食品スーパーマーケットが1円の客単価をアップさせるには何がポイントとなるのであろうか。そのキーワードは「Think small!」である。ウォールマートの創業者サム・ウォルトンが常々言い続けていた言葉である。ここに真実がある。この言葉は客単価1円の重みと言い換えてもよく、まず、1店舗から、1部門から、1小分類から、1商品からはじめよということであり、その成功事例がやがては全店に波及し、1商品の客単価1円のアップが、約150店舗の食品スーパーマーケットでは1億円の売上になることを象徴的に表している言葉であるといえよう。これが小売業の本質であり、恐らく、サム・ウォルトンはそれが肌で、体の芯からわかっていたのであろう。
したがって、約150店舗の食品スーパーマーケットではまずモデル店舗を設定し、各部門、1商品、1小分類から取組み、確実な成功事例をつくり、全店へ水平展開させてゆくことが食品スーパーマーケット全体の売上アップにつながる大戦略となるのである。逆に、モデル店での、各部門、1商品、1小分類で客単価1円のアップができなければ、全店の売上アップは難しいともいえよう。小売業では、全体の売上あげるためには、モデル店での各部門1商品、1小分類から取組み、確実な成功事例をつくり、全店へ水平展開させることが王道であり、その絶えざる成功事例作りが小売業の業績アップの本質といえよう。
このように客単価1円の重みは、食品スーパーマーケットにおいては、店舗数が約150店舗近くなると、その価値が飛躍的に増し、いかに1円にこだわれるかが大きなポイントとなる。そして、そのキーワードが、「Think small!」あり、これが客単価1円の重みである。
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May 16, 2006 in 客単価3D分析 | Permalink
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April 28, 2006
客単価3D分析の3つの軸と3つのMD評価指標について!
客単価3D分析は3つの軸で成立っている。ひとつはPPIの軸であり、もうひとつは平均単価の軸であり、そして、もうひとつが客数PI値の軸である。おもしろいことに、これまでの2D分析の時は、PI値を最優先の軸とし、平均単価をサブとしてきたが、3D分析の場合は、平均単価の重要性が増し、これら3つの軸の優先軸は商品によって変えるべきであることが明らかになってきた。ある時はPPI軸が最優先になり、ある時は平均単価軸が最優先になり、またある時は客数PI値軸が最優先になるというように、状況に応じて変化するのである。
また、それに応じて、MD評価指標もかわり、3つのMD評価指標が新たに生まれる。2D分析の時は客単価が唯一のMD評価指標であった。すなわち、客単価=PI値×平均単価であり、客単価をアップさせることが目標であり、結果であった。したがって、PI値、平均単価は手段であり、原因であった。
これが、3D分析になるとMD評価指標が3つ生まれる。客単価PPI、PI値、一品客単価である。これは、3Dという立法体のそれぞれの面のことであり、客単価PPIがPPIと平均単価で構成される面、PI値がPPIと客数PI値で構成される面、一品客単価が平均単価と客数PI値で構成される面であり、この3つの面によって、客単価という立法体、3Dが形づくられているのである。
したがって、3D分析のMD評価指標は、客単価PPI=PPI×平均単価、PI値=PPI×客数PI値、一品客単価=平均単価×客数PI値と3つのMD評価指標があり、どのMD評価指標を優先するかは商品、あるいは業種によって違うということになる。また、これに応じて、客単価を評価するMD評価表も3つあり、それぞれが6段階評価で上がった場合、下がった場合を見極め、客単価を検証し、客単価アップの仮説を立案し、仮説検証を繰り返してゆくことになる。
一例をあげれば、100円ショップやショップ99等は平均単価軸が100円に固定されるため、PI値のMD評価指標、PI値=PPI×客数PI値を活用して、客単価の検証、仮説を立案してゆくことになる。食品スーパーマーケット、ドラックストア、ホームセンター、外食等は客単価PPIのMD評価指標、客単価PPI=PPI×平均単価を優先MD評価指標として、客単価を検証し、仮説を立案してゆくことになる。そして、専門店、特に高額商品を扱う衣料品店、家具店、宝石店等は一品客単価のMD評価指標、一品客単価=平均単価×客数PI値を最優先MD評価指標として、客単価の検証をし、仮説を立案してゆくことになる。もちろん、あくまでも優先ということであり、これら3つのMD評価指標は相互に連環しており、優先MD評価指標以外のMD評価指標も適宜活用し、客単価を3つの角度から検証し、そこから仮説を立案し、より、精度の高い客単価アップをめざしてゆくことが望ましい。
また、これら3つのMD評価指標は実は業種によって決まるのではなく、商品によって優先順位が決まるのが実態であり、食品スーパーマーケットの中でも野菜はPPIが優先されるので、客単価PPI、PI値が客単価の優先MD評価指標となり、果物は客数PI値が優先されるので、一品客単価、PI値が客単価の最優先MD評価指標となる。客単価3D分析にあたっては商品ごとに、どのMD評価指標を最優先に取り組むかが大きなポイントといえる。
このように客単価3D分析は、3つの軸で客単価を分析することにより、平面分析から立体分析に分析内容が移り、必然的に3つの面が発生し、3つのMD評価指標、客単価PPI、PI値、一品客単価が生まれた。そして、これにより、客単価の検証、仮説づくりが商品ごとに、その特徴を見極めることが可能となり、より、きめ細かい、精度の高い客単価アップへのアプローチが可能とったといえる。
レシート分析が可能であるなら、是非、この客単価3D分析にトライして欲しい。
April 28, 2006 in 客単価3D分析 | Permalink
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April 14, 2006
客単価3D分析の新たな指標、「一品客単価」に注目せよ!
客単価3D分析が少しづつではあるが、実務に活用され始めた。2D分析の時は、PI値がメインであったため、いかに買上点数を上げるかが客単価アップの最優先事項であったが、3D分析になると、新たな視点である客数PI値の分析が可能となったため、これまで気づかなかった、あるいは、あえて見過ごしてきた点に焦点が当たるようになってきた。
それは、PI値が極めて低く、高額の商品に対しての客単価アップ手法である。この分野の商品に対しては以前から、PI値、PPIからのアプローチでは充分な効果が得られなかったが、客数PI値が分析できるようになって、光が見えてきたといえる。また、それにともなって、これまでのマーチャンダイジングを根本的に見直すことも新たな課題となりつつある。本ブログは、その意味で、私にとってもまだ充分に確立されていないテーマに対しての挑戦でもある。
そこで、まず、次のような極端な客単価3D分析を想定してみたい。
A:購入頻度が高く、小額商品の3D分析
客単価(200円)=PPI(200%)×平均単価(100円)×客数PI値(100%)
=客単価PPI(200円)×客数PI値(100%)
B:購入頻度が低く、高額商品の3D分析
客単価(200円)=PPI(100%)×平均単価(2000円)×客数PI値(10%)
=客単価PPI(2000円)×客数PI値(10%)
この2つの想定3D分析は客単価が同じ200円であるが、その中身が180度違う商品である。Aの客単価アップのアプローチはPPIを最優先に取り組むことが課題となるが、Bに関しては、PPIのアプローチには限界があり、むしろ、客数PI値を最優先で取り組むことが課題となる。
したがって、Bのように本来購入頻度が低く、高額商品の3D分析は、
客単価(200円)=客数PI値(10%)×平均単価(2000円)×PPI(100%)
と、取り組む優先順位をかえ、客数PI値を最優先に取り組むべきである。Aに関しては、PPIと平均単価を掛けた客単価PPIが最重要指標となるが、Bについては、新たな客数PI値と平均単価を掛けた、
=「1品客単価」(200円)×PPI(100%)
という、「1品客単価(仮称)」が最重要指標であり、この指標を極限までアップさせるマーチャンダイジングが最優先課題となる。なぜなら、Aは、客数PI値が100%=1であるので、実質上、PPIと平均単価のみの2Dであり、BはPPIが100%=1であるので、実質上、客数PI値と平均単価のみの2Dだからである。
この「1品客単価」が、購入頻度が低く、高額商品の決めてとなる新指標であり、3D分析のこれまで名前がなかった客単価PPIの面、PI値の面に加わる、新たな面へのネーミングとなる。しかも、この商品群の活性化手法は、縦軸に平均単価、横軸に客数PI値をとり、商品、店舗をプロットすることにより、客数PI値アップと平均単価を改善してゆきながら、「1品客単価」を最高にもってゆくマーケティング戦略が重要なテーマとなり、より戦略的な取組がポイントとなる。客数PI値はさらにレシートのID化ができれば、100%を越え、200%、300%も理論上は可能なマーケティング政策であり、いわゆる来店頻度という時間軸を加える3D+αにも道を開くことになる。また、平均単価も付加価値をあげることにより、宝石のように、理論的には極限までアップすることが可能となり、「1品客単価」も客数PI値を上げるか、平均単価を上げるか、双方をあげるかの3択問題を解くテーマであることがわかる。
今後は、その意味で、購入頻度が低く、高額な商品を扱う分野では、客単価3D分析も、
客単価=客数PI値×平均単価×PPI=「1品客単価」×PPI
という、従来の3D分析の基本公式を180度入れ替え、新たな概念である「1品客単価」という指標をいかに高めるかというアプローチが新たな研究課題となろう。
April 14, 2006 in 客単価3D分析 | Permalink
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April 12, 2006
レシート分析のポイント
一般的にレシート分析というと、商品の関連分析が先行している感があるが、レシート分析の最大のポイントは商品分類ごとの細分化した客数が把握できることにある。大分類、中分類、小分類から単品、そして、単品と単品を自由に組合せた自由分類の客数がレシート分析により可能となることである。逆に、レシート分析ができない場合は、これらの客数は全く把握できず、全体の客数しか算出できない。その商品分類、あるいはその商品を購入した顧客も、購入しなかった顧客も一緒の客数となってしまうため、客数の把握が大雑把になる。より、精度の高い顧客の購買行動をつかむためには、レシートの分析による商品分類ごとの顧客の購買行動をみることがポイントである。
これは、通常小売業界で活用されている客単価にも同じことがいえる。客単価は一般的に売上を全体客数で割って算出し、売上=全体客数×客単価で表し、売上を上げるためには全体客数をアップさせるか、客単価をアップさせるか、双方をアップさせるかという3択問題を解くことである。ところが、全体客数は店舗全体の商品政策や競合状況、社会行事、天候などに左右され、自らの力ではどうにもならない要素が多く、この改善は並大抵のことでは難しく、結局、ちらし政策が唯一といってよい解決策となる。
ところが、レシート分析が可能になると、客単価の全体客数が商品分類で細分化された細分化客数として把握可能となり、売上÷全体客数=(売上÷細分化客数)×(細分化客数÷全体客数)となり、客単価も細分化客数で把握ができる。したがって、ある商品分類の売上をあげるためには、その商品分類の客単価をあげるか、その商品分類の店内客数をあげるか、あるいは双方をあげるかの3択問題となり、これまでのように、客単価だけの改善だけでなく、店内の客数からその商品への集客をはかれば、その商品の売上アップにつながるという、新たなマーケティング政策が導きだされることとなる。
これは、自らの力で店内集客力をアップさせることが可能となるため、ちらしにかわり、POP、棚割り、レイアウト、インプロ、店内クーポンなど様々な政策が重要なテーマとなる。しかも、従来の全体客数では、これらの販促政策の効果を検証することが中々できなかったが、細分化された客数を活用することにより、かなりの精度でこれらの効果を明確な指標で検証することが可能となる。
さらに、従来、客単価は2Dで分析され、客単価=PI値×平均単価であったが、レシート分析による細分化客数を活用することにより、PI値も客単価同様、PI値=買上点数÷全体客数=(買上点数÷細分化客数)×(細分化客数÷全体客数)となり、より精度の高い細分化されたPI値(PPI(Personal PI値))に分解することが可能となり、PI値アップも細分化PI値であるPPIと細分化客数÷全体客数(これを客数PIと呼ぶ)で表すことが可能となる。したがって、客単価は、客単価=PI値×平均単価=PPI×平均単価×客数PIとなり、客単価も3Dで分析が可能となる。
このようにレシート分析ができれば細分化客数を把握することが可能となり、小売業のマーチャンダイジングのこれまでの様々な政策を、より精度の高い指標で検証できるようになるだけでなく、新たなマーチャンダイジング理論である客単価の3D分析に道を開くこととなる。残念ながら、まだまだ、レシート分析は技術的にも理論的にも発展途上であり、今後の研究に委ねる必要があるが、ここで示した、細分化客数に着目した手法は今後の小売業界の新たなマーチャンダイジングを考える上で、参考になるものと思う。
April 12, 2006 in 客単価3D分析 | Permalink
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March 07, 2006
客単価、3Dの時代へ!!
私は、これまで客単価を2次元で分析し、様々な角度から客単価アップへのアプローチを試みてきた。はじめて、この手法を体系化したのは、今から約14年前の1992年10月のことである。いまでも、客単価2次元分析を体系化したその瞬間を覚えている。大阪から東京へ向かう新幹線の中での出来事だった。
さて、客単価の2次元とは、客単価を客単価=PI値×平均単価で表し、横軸をPI値、縦軸を平均単価、掛けた面積を客単価で表現し、客単価アップのためにはPI値をアップさせるか、平均単価をアップさせるか、双方をアップさせるかの3パターンがあり、客単価アップのための戦略、戦術を構築し、仮説検証を繰り返しながら、客単価のアップをはかってゆくというアプローチである。また、客単価がダウンした要因を分析するにも、PI値がダウン、平均単価がダウン、双方がダウンの3パターンがあり、この3つの角度から課題を抽出し、客単価アップの仮説づくりにつなげるというアプローチである。すなわち、客単価とは理論的には6段階での評価となる。しかも、客単価は売上÷客数、PI値は買上点数÷客数なので、単品から小分類、大分類、店舗全体の分析まで可能であり、客数で割っているため、店舗の大小(客数の大小)にかかわらず、1店舗でも100店舗でも、1000店舗でも分析がたったひとつの指標で可能であり、チェーンストアの全社統一の評価指標としては最適な指標となる。特に、小売業にとっては、PI値は客数という指標で割るため、顧客の視点がダイレクトに反映され、顧客指向を目指すという経営理念にも合致し、まさにPI値は経営の羅針盤ともなる最重要指標といえる。
このように、客単価を2次元で分析し、客単価アップへのアプローチ手法の開発、実践に10数年間取組んできたが、今年は客単価の理論をもう一歩すすめ、客単価を2次元から3次元、すなわち、3Dで分析し、さらに精度の高い客単価アップへのアプローチ手法の開発、実践に取組んで行こうと思う。客単価の3D分析の理論事態は、約10年前の1998年にはほぼ完成していたが、3D分析をするためには大前提としてレシート分析が必要となるため、なかなか実践に移すことができなかった。しかし、近年のITの進化により、POS分析も単純な売上分析から、レシート分析も可能な段階に入りつつあり、やっと客単価の3D分析が可能な環境が整いはじめた。
では、客単価の3D分析とは何か。そのキーポイントは客数にある。これまで客単価というと、客数を全体客数で割って算出し、同様にPI値も全体客数で割って算出してきた。3D分析は原則として全体客数は使わず、客数を様々な角度から細分化し、その細分化した客数を使い、客単価、PI値を算出する。したがって、PI値はPPI(Personal PI値)として表し、数式は買上点数÷細分化客数となり、その細分化の極値が最後はIDになるので、PersonalをつけてPPIとしている。同様に、客単価も売上を細分化客数で割るため、客単価PPIとなる。また、客単価PPIは客単価同様、PPI×平均単価で算出することもできる。そして、この細分化の過程でもうひとつの指標、客数PI値が生まれる。実はこれが3Dの3つめの軸となる重要指標であり、数式的には客数PI値=細分化客数÷全体客数で指標化される。これによって、これまでの客単価は、客単価=PPI×平均単価×客数PI値=客単価PPI×客数PI値となり、客単価の3D分析が可能となる。
客単価の3D分析が可能となることにより、客単価アップをPPI(商品政策)、平均単価(価格政策)からだけでなく、客数PI値(店内集客政策)からのアプローチも可能になり、単品、商品分類ごとに顧客個々人の買上点数、平均単価をアップさせるPPI戦略、平均単価戦略に加え、入店客数をその商品に誘導し、購買を促す店内集客政策にもとづく客数PI値戦略を立案実施し、その検証結果を即座にみることが可能となる。また当然、客数PI値の分析により、より効率的な棚割り、レイアウトの構築にもつながってゆく。
このように、客単価分析は2次元から3Dで分析すると、これまで以上の様々な角度からの客単価アップのアプローチが可能となり、より精度の高い仮説検証が可能となる。
なお、3/7~3/10までRETALTECH JAPAN2006が東京ビックサイトで開催されているが、マイクロソフト㈱のブースに出展している㈱インテック コーナーでPI研監修による客単価の3D分析が公開されているので、お時間のある方は是非ご覧ください。
今後、本ブログでも客単価3D分析についても折に触れ、取り上げてゆくつもりである。
March 7, 2006 in 客単価3D分析 | Permalink
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November 07, 2005
野菜ビジネススクールがPPI論議で盛り上がる!
以下は㈱野菜ビジネス主催の野菜ビジネススクールの機関紙に掲載したPPIの実践事例についてまとめたものです。PPIを理解する上において大変参考になると思いますので、先方の許可をいただきましたので、本ブログでも公開します。
野菜ビジネススクールがスタートして、もう少しで1年をむかえるが、PI値もほぼ定着し、毎回の講座でMD評価表をもとに前月の検証と来月の仮説づくりを参加メンバーで議論できるようになってきた。今回、その議論の中で、特に注目を集めたのが、PPIの活用であった。PPIとは次世代PI値のことであり、PostPI値、PersonalPI値、PartialPI値のPをつけてPPIと呼んでいる。通常のPI値は買上点数を客数で割って算出するが、PPIはその客数を細分化して、部分客数で算出、すなわちPartialPI値となる。これをさらに細分化すると個人個人のPI値となり、文字通りPersonalPI値になる。また、客数概念を拡張すると初回購買客数やリピート購買客数でPPIを算出することもできるようになり、これは商売の原点であるリピート購買に注目したPI値の活用へとつながってゆく。
さて、今回、議論になったPPIは、実はこれまで流通業界ではごく自然に活用してきた指標である支持率に注目したことから始まった。一般的に支持率とはPI値とは違い、客数を客数で割って算出する。青果でいえば青果のみを購入した客数を店舗全体の来店客数で割って算出する。野菜ビジネスでいえば野菜の支持率は野菜の購入客数を店舗全体の客数で割って算出し、果物の支持率も同様に、果物の購入客数を店舗全体の客数で割って算出する。PI値理論では、PI値と混同しないように、この支持率を客数PI値として定義している。流通業界ではこれらがよく混在して使われ、支持率というとPI値なのか客数PI値なのかが曖昧につかわれることがしばしばある。また、支持率=客数PI値は実はこれだけでは不完全な指標であり、本来は、PPIと連動してはじめて意味をなすのであるが、なぜか、これについても流通業界では明確になっていない。PI値理論では、支持率=客数PI値は、PI値=客数PI値×PPIとして定義し、支持率=客数PI値はPI値アップのための最重要指標として位置づけている。すなわち、支持率=客数PI値をあげることはPI値アップに直結することであるが、PPI次第では、支持率=客数PI値をあげてもPI値はダウンすることもある。PI値アップのためには客数PI値をアップさせるか、PPIをアップさせるか、双方をアップさせるかの3択問題をうまく解くことがポイントであることが、ここからわかる。では、なぜ、PI値=客数PI値×PPIとなるのか。それは、PI値=買上点数÷全体客数であり、客数PI値=部分客数÷全体客数、PPI=買上点数÷部分客数なので、客数PI値×PPI=(部分客数÷全体客数)×(買上点数÷部分客数)=買上点数÷全体客数=PI値となるからである。
そこで、この考え方を青果ビジネスに当てはめてみたとき、今回、注目すべき数値が浮かび上がり、議論が大いに盛り上がったのである。今回の事例では、野菜の支持率=客数PI値はほとんどが約85%前後であったのだが、PPIが千差万別で最低300%から最高550%までばらついた。また、果物は逆に支持率=客数PI値が最低30%から最高60%までばらついたのに対し、PPIはほぼ200%で、ほとんどばらつきがなかった。これは当たり前のことではあるが、野菜と果物は全く別のMD戦略が必要であることを示し、レイアウト、棚割り、品揃え、販売促進等において根本的に区別しない限り、売上アップは望めないということが数値で理解でき、この数値をめぐって議論が盛り上がったのである。どういうことかというと、野菜はPPIにより差がつく商品であり、顧客が300%=3点買ってくれるか、550%=5.5点買ってくれるかという大きな差がでるということは、品揃えと棚割りが極めて重要な決め手となり、品揃えが弱く、買いにくい野菜売場では売上アップは望めないことを意味している。とまとの一箇所集中はその意味で極めて理にかなった政策である。逆に、果物はPPIでは差がなく、客数PI値で差がつき、30%の顧客が果物を買うか、60%の顧客が果物を買うかで差がでるので、これはレイアウトと販売促進=プレゼンテーションが決めてとなり、旬の商品をはじめに確実に買ってもらえるか否かが決め手になるといってもよい。野球でいえば一番打者ということになろう。PPIが約200%であるので、あと、もう1品年間商品であるバナナかりんごなどを1品買って終了ということになる。
まとめると、野菜はPPIアップ戦略が、果物は客数PI値アップ戦略が第一優先課題であり、そのための具体的政策を重点商品1品1品のレイアウト、棚割り、品揃え、販売促進等をつめてゆくことがポイントとなる。このように、PI値はもちろん、PPI、客数PI値にも焦点をあてることにより、青果ビジネスはさらに顧客満足度の高い確固たるビジネスとして確立することができるという確信がもて、今回は有意義な議論となった。
November 7, 2005 in 客単価3D分析 | Permalink
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