April 09, 2012

POPは生きている、心の生鮮食品、C-POPに挑もう!

   ID-POS分析時代になって、劇的な変化をもたらすもののひとつにPOPがある。POPとはPoint Of Purchaseの略であるが、このPOPがID-POS分析と連動すると予想外のことが起こる。これまでPOPは本部が作成し、店舗に頒布され、店舗が貼付するという流れが一般的であり、チェーンオペレーションの一環として、企業の全体イメージの統一、価格の統一、作業の軽減等として、位置づけられてきた。もちろん、これに、店舗内でも独自にPOPが、POPマシーン等で作成され、特に店内特売商品等に貼付されてはいるが、そのPOPの作成にID-POS分析が絡むことはほとんどなかったといえる。

   ところが、ここ最近、ID-POS分析が食品スーパーマーケットに普及しはじめ、商品1品1品の顧客の購入履歴が把握できるようになり、しかも、リフト値の活用により、その商品の購入顧客が様々な商品を高頻度で購入している商品が把握できるようになったことにより、POPの役割が大きく見直され始めてきている。POPは第2の生鮮食品、いわば物に対して、心の生鮮食品として捉えられるようになり、あたかも水産物、畜産物、そして農産物を素材から、包丁、スライサー等で店内加工し、付加価値を引き上げるように、POPを商品の購入顧客の履歴をもとに、顧客とのコミュケーションをはかるために店内で加工され、POPの付加価値をつけるような工夫が見られるようになった。

   POPはまさに心の生鮮食品ともいえ、ID-POS分析をもとに、商品を通じて、顧客とのコミュニケーションはかってゆくことができ、しかも、誰でも自由に加工でき、様々な言葉で語りかけることができる顧客とのコミュケーション手段として見直されつつあるといえる。これを最近ではC-POP、すなわち、Communication-POPと呼び、商品を通じて、ID-POS分析をもとに、顧客とコミュニケーションをはかるPOPであるが、いま、食品スーパーマーケットの売場において、ID-POS分析ができる環境にある店舗では、様々な商品に貼付されはじめている。

   このようなPOP、すなわち、C-POPはもはや本部で統制することは意味をなさなくなり、POPの言葉は商品担当者がID-POS分析をどう解釈し、その商品の顧客1人1人にどのように働きかけるかで決まる。また、その人のセンスとこれまで培ってきた教養で決まるため、ひとつとして、同じC-POPはなく、また、同じC-POPがいつまでも掲げられ続けることもない。なぜなら、商品と顧客との関係は次々に変化し、状況が変わってゆくからである。また、ID-POS分析の解釈も、S顧客(毎週)、その商品を購入いただいいる顧客へ対してのC-POPに照準を充てるか、Z顧客(0)に照準を充てるかにより、同じ商品でもC-POPが違い、慣れてくると、双方に照準を当てる超高度なC-POPすら可能となるからである。ここまで来ると、本部が各店舗の各商品の各顧客の購入状況をID-POS分析すれば分かるとしても、きめ細かな対応をすることは不可能であり、現場の商品担当者の能力に委ねる以外に方法はない。

   したがって、現場の担当者はあたかも、水産物、畜産物、農産物の生鮮食品の加工を現場のバックヤードで行い、付加価値の高い商品づくりに日々努力しているように、C-POPも各商品担当者が、心の中で、ID-POS分析をもとに、顧客との対話を繰り返し、自らの言葉を加工し、独自の言葉で、独自の色を使い、独自の文字でC-POPとして表現することになるといえる。まさに、Only Oneの独自の世界観がそこには表現される。これがC-POPであり、このようなPOPが、いまや、食品スーパーマーケットでは重要な顧客とのコミュニケーション手段となりつつある。

   ちなみに、当然のことであるが、これはfacebookと実に相性が良い。facebookはSNS(social networking service)の代名詞ともなっており、顧客とのコミュニケーションンをはかってゆくICT(Information and Communication Technology)だと位置づけられている。実は、facebookにはグループ機能というものがあり、ここに秘密のグループをつくることができ、これを活用すると、いわゆる、グループウェアとしても活用できる。しかも、無償での活用が可能である。この機能を活用し、C-POPを携帯で写真撮りし、店舗内での活用をはかることにより、各商品担当者どうしがC-POPの情報共有が可能となり、お互いが切磋琢磨し、お互いの言葉、お互いの表現を磨き、C-POPの技術を高めてゆくことが可能となる。当然、、ID-POS分析の状況報告も可能となり、ID-POS分析のノウハウもお互い学ぶこともできる。さらに、ここに、本部、他の店舗も加われば、facebookがグループウェアに生まれかわることになり、C-POPがどんどん進化してゆくことになる。

   このように、POPはID-POS分析の時代になり、C-POPとして新たな生命が吹き込まれ、生まれ変わろうとしている。C-POPは顧客とのコミュニケーションを商品の代わりに、商品管理担当者が置き換わって行うものである。すなわち、商品=商品管理担当者となり、自らがあたかも商品そのものとなり、商品の気持ちを代弁し、顧客とのコミュニケーショをはかるものであるといえる。したがって、そこには、商品管理担当者の個性がそのまま表れ、ID-POS分析を勉強すればするほど、顧客との深いコミュケーションが可能となり、センスを磨けば磨くほど、POPの質が高まり、教養を身につければ身に着けるほど、POPの内容が豊かになるといえる。

   今後、店舗は、ID-POS分析の時代となり、POPから活性化がはじまるのではないかと予想される。たかがPOP、されどPOP、POPはID-POS分析の時代になって、C-POPとして再生、ID-POS分析時代の新たな幕開けとなろう。

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April 9, 2012 in CRM、FSP | | Comments (0) | TrackBack (0)

April 02, 2012

マーチャンダイジングからマーケティングへ

   食品スーパーマーケットもいよいよマーケティングを実践する時が来たといえよう。これまで食品スーパーマーケットでは、マーケティングを実践したくともできなかった決定的な理由があった。それは顧客を見ようとしても、見えなかったからである。食品スーパーマーケットでは毎日、約2,000人近くの顧客に来店いただいているが、その顧客を見るというよりも、把握する方法がなかった。技術的にはポイントカードをやっていれば、顧客を見る、すなわち、顧客の購入履歴をつぶさに把握することは可能である。ただ、そのためには、DWHを導入し、ID-POS分析のチームをつくり、経営幹部、従業員研修を実施し、本部、店舗一体となった活用の仕組みをつくる必要がある。

   たとえ、そのような体制ができたとしても、それを顧客との最前線にいる店舗の商品担当者1人1人が、ID-POS分析の結果を活用し、顧客へ働きかけるマーケティングを実践するには、いくつも越えなければならないハードルがあり、ポイントカード=マーケティングとなることは極めて難しい状況であったといえる。したがって、ポイントカードはちらしを補強する販促ツールとして位置づけられ、本来、マーケティングとして活用し、顧客とのコミュニケーションを通じて、顧客へのサービスを充実し、顧客との絆を強固にし、結果、顧客の来店頻度を引き上げ、売上げ、利益につなげるという一連のマーケティング政策を実施することができなったといえる。

   また、これまで長く、約30年近く、単品管理の呪縛にあい、商品分析、すなわち、マーチャンダイジングが食品スーパーマーケットの基本政策として掲げられ、実践されてきたために、その頸木(くびき)から逃れることができなかった。結果、ID-POS分析を実践しても、マーチャンダイジングへの補強でとどまってしまい、マーケティングへと転換することができなかったといえる。したがって、POSは商品を分析するためのものであり、商品と商品との関係をもとに、ABC分析を行い、売れ筋を強化し、死筋を排除することにもっぱら活用されてきたといえる。

   その最たる象徴的な言葉がクロスマーチャンダイジングであろう。クロスマーチャンダイジングは一般にはID-POS分析の結果、クロスする商品が見つかると思われている。実は、クロスマーチャンダイジングの発祥はウォルマートの「おむつとビール」からはじまったといわれているが、ID-POS分析の結果生まれた訳ではなく、通常のPOS分析の結果生まれたものであり、そこにはID、すなわち、顧客はいない。専ら商品と商品の関係を膨大なレシートから見つけ出し、そこからクロスマーチャンダイジングすべき商品を見つけ出しているに過ぎない。いわば、商品と商品の関係を見ているわけである。

   本来、クロスマーチャンダイジングは商品を見るのではなく、顧客を見るべきであり、顧客と顧客との関係、これがクロスマーチャンダイジングの真の姿であるといえる。したがって、クロスマーチャンダイジングといよりは、クロスマーケティングというべきものであろう。分析手法もレシートを分析するのではなく、1人1人の顧客の購入履歴を分析すべきであり、その結果、顧客が購入したこれまでの全商品の購入履歴の中に頻繁に他の商品を購入していれば、それをクロスマーチャンダイジングにかけるべきであり、クロスマーチャンダイジングは本来、顧客1人1人の中に存在しているといえる。したがって、クロスマーチャンダイジングではなく、むしろ、クロスマーケティングが相応しい言葉といえよう。

   こう見ると、マーチャンダイジングは商品と商品の関係を見る上では最適な言葉ではあるが、顧客と顧客の関係を見る上ではかなり無理があり、これはマーケティングとすべきであろう。マーケティングの目的は需要創造であるが、それは顧客1人1人の購入金額を増やすと同時に、新たな顧客を1人でも増やし、そこに新たな市場を作り上げることであるといえる。

   これまで食品スーパーマーケットはこのようなマーケティングを実践したくとも、顧客が把握できなかったので、できなかったが、ここへ来て、その環境が急激に整備されつつある。かつてのような莫大な費用と分析体制、そして、研修体制をつくらなくとも、クラウドの活用、SNS(Social Networking Service)の導入等を通じ、極めて簡単に安価に、しかも、短時間でポイントカードさえ導入していれば可能な環境が整ったからである。こんな時代が来るとは、約30年前の単品管理からはじまり、現在も続いている商品分析中心のPOS活用の中では想像もできなかったことであるが、これが2012年4月、いまでは、全く可能となったといえる。

   これからの食品スーパーマーケットは、その意味でマーチャンダイジングの時代からマーケティングの時代へと新たな時代に突入することになろう。マーケティングはアメリカの1929年の世界大恐慌以来、メーカー主体に学問として確立され、今日まで日本はもちろん、世界中で綿々として研究されてきたが、やっと、食品スーパーマーケットをはじめ、小売業でも本格的に研究し、活用される環境が整ったといえよう。まさに、新たな時代の幕開けといえる。食品スーパーマーケットのマーケティング、今年は、このテーマを掲げ、顧客1人1人の購入履歴をつぶさにみつめ、商品と顧客との絆をいかに深められるか、その深奥に迫ってみたい。

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April 2, 2012 in CRM、FSP | | Comments (0) | TrackBack (0)

April 01, 2012

アジパンダ、facebook、SNS、温故知新!

   3/30の日経MJで、アジパンダのSNS、facebookの記事が取り上げられた。見出しは、「味の素、老舗ブランド若返り法」であり、1909年という、何と約100年前のブランド、うまみ調味料「味の素」がSNSを活用し、ブランドイメージを刷新、アジパンダというかわいらしいキャラクターを打ち立て、売上増につなげつつあるという内容である。実際、facebookのhttp://www.facebook.com/ajipandaを見ると、赤と白の味の素カラーのパンダ、アジパンダがウォール全面に登場する。

   ウォールとはホームページでいうホームのことあり、facebook特有の言葉である。このウォールにアジパンダの基本情報と、SNSであるので、顧客とのやりとり、アジパンダと顧客とのコミュケーション内容が掲載されている。基本情報では、ミッションとして、「みんなが、おいしくて笑顔になっちゃうような世界にすること」という言葉が掲載され、その説明として、次のような解説がある。「うま味調味料「味の素®」のキャラクター「アジパンダ」の公式ファンページです。商品にもなっている赤いパンダです。ますますのグローバル化に対応すべく、facebookを始めて1年がたちました。オール日本語でお届けしています。」とのことである。まだ、このページができて、わずか1年であり、これが公式ページとのことである。そして、グローバル化に対応すべくとのことであるので、日本だけではなく、世界に向けて、このfacebookを活用してゆこうという意図が感じられる。

   さらに、このアジパンダのキャラクターも、顧客からの投票で選ばれたとのことで、別途ホームページへのリンクがあり、それを見ると、24の候補があり、この中から6番目のパンダのキャラクターが顧客からの投票で選ばれ、「ぱちくりん」との名のもとで35gビンで実際に商品化、発売されたとのことである。そして、facebook特有の「いいね」は3/31時点で8,437人である。

   facebookはざっと、以上のような内容であるが、ここで、日経MJにもどると、サブ見出しは、「「総選挙」で消費者を巻き込む」、「参加型SNSで調理の発想広げる」、「販促色を薄め、ファン増加に力点」の3つである。先に見たように総選挙では24の候補から6番の候補が選ばれたが、この手法はAKB48の「選抜総選挙」の手法を取り入れたとのことであり、2011年7月から8月の間に18万6,000票の投票があったとのことである。そして、その結果、35g入りの新キャラクター、アジパンダの商品がリリースされたという。

   このアジパンダキャラクターの歴史であるが、2005年からスタートしたとのことで、すでに7年目となるが、当時はテレビCM主体の販促方法であったという。それが、2010年、一昨年からSNSを活用した顧客との双方向のコミュニケーションに着手し、顧客とのコミュニケーションをはかる体制に切り替えたという。特に、味の素のメニューサイト、「AJIテク」との連動をはかった結果、1万件の投稿が集まり、これが消費者同士の交流の基盤になっていったという。そして、まずはtwitterをはじめアジパンダが返事をする仕掛けを作った結果、約30,000人のフォロワーを獲得したという。その後、facebookを開始し、facebookを通じての顧客とのコミュニケーション体制を確立したという。

   結果、この日経MJの記事の結論としては、「消費者の手に委ねる形の味の素ブランド再構築」、「SNSを介して消費者と企業が新しい関係を築けるかの実験例ともいえる。」とまとめており、SNSを通じて、ファン増加に力点を置いたブランド構築の模索に、老舗ブランド「味の素」が入ったとのことである。

   それにしても、100年以上続いている老舗ブランドが、ここへ来て、SNSを本格的に組み込み、これまでのようにメーカー主体の商品の販促から、消費者とのコミュニケーションを通じて、販促というよりも、ファンづくりに焦点を当てた試みは興味深いものがある。販促という概念そのものを大きく変える試みであるといえ、それが、100年以上続いているブランドだけに、よく、その経営決断ができたといえよう。温故知新という言葉があるが、まさに、この言葉を具現化した試みといえ、消費者の声をダイレクトに取りいれ、経営に活かす、このようなことが、理念ではなく、実際に、しかも、簡単に実現できる時代に入ったといえる象徴的な事例であるといえよう。

   このように、SNS、その代表格ともいえるfacebookが現在、すごい勢いで日本の社会に浸透しつつあるが、その流れに、100年も続いている老舗ブランドも乗らざるをえないほど、企業と消費者の関係を根底から変えつつあるといえよう。これまで企業が消費者の声を取り入れるにはアンケート調査、マーケティング調査等、調査専門の企業が膨大な時間をかけ調査した膨大なデータを分析し、その結果をもとに判断するということが長らく続いてきたといえる。ところが、SNSは、その消費者1人1人とコミュケーションをはかることができ、消費者の声をダイレクトに聞くことができる。しかも、facebookは原則、企業も消費者も無料で活用できる仕組みである。こんな時代が来るとは、数年前までは想像もできなかったといえるが、それがわずか、ここ数年で現実の世界となったといえる。次の100年、というよりも、次の10年、どのような時代となるのか、企業と消費者、改めてその関係を根本から見直すべき時が来たといえよう。

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April 1, 2012 in CRM、FSP | | Comments (0) | TrackBack (0)

March 31, 2012

リフト値の意味、単位は倍、そこまで売れるかも?

   リフト値の単位は何だろう。意外ではあるが、食品スーパーマーケット業界では統一されているようで統一されていない単位のひとつである。これはPI値も同様であり、その単位が統一されているようで統一されていない。PI値に関しては、私は原則%を単位として使っているが、RDSだけはメーカーが主体なので、1,000人当たり何個と個を使っている。したがって、マーチャンダイジングの単位の使い方、捉え方、認識のされ方はまちまちであり、これが食品スーパーマーケット業界でマーチャンダイジングがいまひとつ共通理解として、進まない理由のひとつであろう。結果、マーチャンダイジングが個人個人のノウハウとして密かに伝承される武術の秘伝みたいなことになってしまったのでないかと思う。

   そこで、敢えて、ここでは、リフト値の単位を「倍」にしようと提案したい。なぜ、「倍」か。リフト値のリフトとはliftのリフトであり、フォークリフトのリフト、持ち上げるという意味である。したがって、ある商品が何か別の商品の購入顧客から持ち上げられるという意味であるので、持ち上げるのであれば、いまの顧客数なり、レシート枚数なり、売上金額なり、売上数量が何倍になるかが知りたいところであろう。したがて、「倍」を単位とすれば、直観的にわかりやすいといえ、リフト値が身近になるといえる。

   もちろん、リフト値がたとえば、10.0倍になったからといって、その2つの商品にクロスマーチャンダイジングをかければ、商品がすぐに10倍になるというわけではない。ただ、リフト値が10倍になる可能性は全くないわけではなく、可能性としてはわずかではあるが残っており、理想的にクロスマーチャンダイジングが浸透し、対象商品の購入顧客が店舗全体にまで広がり、しかも、同じ強さで発展すれば、ありうる話である。実際にはそこまでは難しいといえるが、ただ、クロスマーチャンダイジングをかけない時より、少なくとも10.0倍以下のリフト値の商品とクロスマーチャンダイジングをかけるよりは、はるかに売上げがあがる可能性は高いといえる。

   そこで、あらためてリフト値であるが、以前、本ブログでも取り上げたように、リフト値はたった4つの数字で決まる。この4つの数字が分かれば、リフト値は誰でも電卓ひとつで計算できる。その4つとは、全体のID客数、たとえば白菜のID客数、豚肉しゃぶしゃぶのID客数、そして、最後、白菜と豚肉しゃぶしゃぶのID客数である。よく、リフト値というとレシート枚数を連想するが、それでは、顧客が見えないため、リフト値の本質からはずれ、誤ったリフト値感をもってしまうので、リフト値はまずはID客数、それから、その顧客が購入したレシート枚数へと入るべきである。

   なぜなら、リフト値は商品が商品を持ち上げるのではないからである。持ち上げるのは商品ではなく、顧客である。顧客が商品を持ち上げるのであり、顧客なくして商品は1ミリたりとも持ち上がらない。豚肉しゃぶしゃぶの顧客が白菜を持ち上げ、白菜の顧客が同時に豚肉しゃぶしゃぶの顧客を持ち上げるのであり、(商品A←顧客A)=(商品B←顧客B)の関係にあり、結果、顧客Bが商品Aを持ち上げ、顧客Aが商品Bを持ち上げる、ここにリフト値の原点があるからである。

   そこでリフト値であるが、白菜の購入顧客が全体の顧客の中でどのくらいの割合を占めているかと、豚肉しゃぶしゃぶの顧客の中で白菜の購入顧客がどのくらいの割合を占めているか、このたった2つの指標が分かれば良い。だから、先の4つの数字が必要だったわけである。そして、この2つを割算、すなあち、豚肉しゃぶしゃぶの顧客の中で白菜の顧客が占める割合を、白菜の購入顧客が全体の顧客の中でどのくらいの割合を占めるかで割ればよい。これがリフト値である。

   したがって、リフト値とは、白菜を白菜売場で普通に展開した場合と、豚肉しゃぶしゃぶの世界に飛び込んでいった場合では、豚肉しゃぶしゃぶの顧客が白菜を購入する顧客より、顧客の割合が多い場合には、通常よりも白菜の顧客が増える可能性があるということである。しかも、その増え方は、リフト値が10.00倍となれば、仮に、豚しゃぶしゃぶの購入顧客が店舗全体にまで浸透してゆき、その割合が同じ比率で続けば、白菜の顧客はいまの10倍に増える可能性もあるということである。計算上、理屈では、ありうるという話であり、そこにはロマン、夢があるといえる。

   現在の白菜の顧客が100人であり、豚肉しゃぶしゃぶとのリフト値が10.00倍であった場合には、白菜は豚肉しゃぶしゃぶを店舗全員の顧客が購入した場合には10倍、顧客が1,000人まで増える可能性を秘めているということである。特に、リフト値は双方同じ数字となるため、豚肉しゃぶしゃぶが白菜をリフトしているだけでなく、白菜も豚肉しゃぶしゃぶをリフトしているため、リフト値が高いものはクロスマーチャンダイジングをかけることによって、相乗効果で双方の顧客数を増やしてゆくことになり、夢が一歩近づくことになる。

   このようにとらえると、リフト値の単位は「倍」がふさわしいのではないかと思う。実際は、豚肉しゃぶしゃぶを店舗全体の顧客が1年かけても購入することはないし、同様に白菜を店舗全体の顧客が購入することもないが、リフト値を「倍」と単位をつけて表現することにより、そこまで上がる可能性を秘めていることがわかるだけでもマーチャンダイジングに弾みをつけることになろう。また、「倍」という単位そのものに、夢とロマンを持たすことも可能となる。リフト値をこのようにとらえ、「倍」を単位として使っていただき、現場で、どんどん実践活用して欲しいところだ。

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March 31, 2012 in CRM、FSP | | Comments (0) | TrackBack (0)

March 27, 2012

スーパーバリューのポイント還元!

   通常、食品スーパーマーケットのポイントカードは購入金額に応じて0.5%から1.0%のポイント還元がなされ、1ポイント0.5円から1円で現金ないしは商品券などと交換される。ほとんどの食品スーパーマーケットがこの範囲内に入り、食品スーパーマーケットの間では、全国的にさほど大きな差はないといえる。ところが、首都圏でスーパーセンターを展開するスーパーバリューは、このポイント還元のレンジを大きく超え、何と15段階、Aから0までのレンジがあり、その還元率も0.50%から10.00%まであり、さらに、別途、個人事業主、まとめ買購入者用に得々ポイントが還元される。

   まさに、スーパーセンターならではのポイント還元の事例であるといえ、これだけ幅広く、しかも個人事業主、まとめ買購入者にまで対応したポイント還元は稀であり、今後、食品スーパーマーケットとしても、ポイント還元方法を再検討する上で参考になる事例といえよう。ポイント還元はお客様にとって重要な還元政策であるにも関わらず、食品スーパーマーケットのポイント還元はかなり大ざっぱであるのが実態である。本来、還元の背景には顧客の購入履歴の分析、すなわち、ID-POS分析があってはじめて、ポイント還元政策が戦略的に決定できるはずであるが、残念ながら、顧客の購入履歴をつぶさに見ることなしに、ポイント還元がなされているのが実態といえる。

   このスーパーバリューの事例では、店舗と顧客との関係をつぶさに分析した上での還元がなされているといえ、これまでの食品スーパーマーケットのポイントカードにはない顧客の購入実態をよく分析した上でのポイント還元政策がなされているといえよう。そこで、もう少し、詳しく、スーパーバリューのポイント還元の現状を見てみたい。

   まずは、基本のポイント還元であるが、月間お買い物金額に応じて翌月からその金額に応じた還元率が付与される。最小のお買い物金額はA、100円から5,000円であり、0.5ポイント還元である。これがB、5,000円を超えると、1.0%になり、さらに、C、2,0000円を超えると1.5%になり、D、30,000円を超えると2.0%となり、というように、お買いもの金額に応じて、ポイント還元率が上昇して行き、最後、15段階目、Oとなると、300,000円以上で10.0%となる。結果、これを累積すると、最大7.58%のポイント還元となる。

   通常の食品スーパーマーケットの顧客の月間購入金額は20,000円前後であるので、このAから0までの15段階の中ではA、B、Cの0.5%、1.0%、1.5%となるので食品スーパーマーケットの顧客層だけであれば、3段階で十分ともいえるが、これが15段階まで5倍となるきめ細かいレンジをとったのは、それだけ、スーパーバリューというスーパーセンターの顧客が食品はもちろん、それ以外のホームセンター用品をも購入する顧客であるがゆえの結果であるといえよう。

   スーパーバリューは、この基本のポイント還元に加え、さらに、スーパーバリューならではのポイント還元、個人事業主、まとめ買購入者への別途ポイント還元もある。これは、6段階の得々ポイントとなっており、100円から30,000円まで450ポイントがプラス、30,001円から100,000円まで2,450ポイント、と続き、6段階目、300,001円から320,000円までが2,000ポイントとなる。結果、最終段階までゆくと、19,900ポイント、6.22%のポイント還元となる。まさに、スーパーバリューならではのポイント還元であるといえ、スーパーセンターであるがゆえに、いかに、個人事業主、まとめ買いのお客さまが多いかが伺われるといえよう。

   ポイント還元は、これまで、食品スーパーマーケットの顧客はほぼ消費状況が均一の顧客層で占められ、その購入実態には、あまり大きな差はないだろうという想定のもとで、その政策が決定されてきたといえる。しかも、単純に購入金額でばっさり切って顧客ランクをつくり、対応してきたのが実態である。ところが実際は、このスーパーバリューのポイント還元政策が示しているように、スーパーセンターという業態の特殊性ももちろんあると思われるが、それを加味しても、この事例はより顧客の購入事態の現実に踏み込み、購入金額をベースにはしているが、顧客を均一な実態でとらえず、様々な顧客を想定してのポイント還元に踏み込んでいるといえる。

   こう見ると、今後、食品スーパーマーケットとしても、ポイント還元を改めて見直し、まずは、自社のID-POS分析をしっかり実施し、顧客の購入実態がどのようになっているのか、また、顧客層はどのような構造になっているのか、さらには、単純な店舗全体の購入実態だけでなく、農産、水産、畜産、惣菜、日配、グロサリーなど、各部門ごとにはどのような構造になっているのかなどを改めて見直し、自社の購入顧客にとって最大限のサービスが可能なようなポイント還元政策を検討すべきではないかと思う。そして、そのためにも、ポイントカードを通じて得られるID-POSデータをしっかり分析し、最終的には単品、そして、単品間の関係に至るまでの実態を考慮した総合的なポイント還元戦略をつくる段階に来たのではないかと思う。ポイントカードも、ID-POS分析の本格的な展開が進んでゆくことにより、新たな展開を検討すべき時が来たように思う。

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March 27, 2012 in CRM、FSP | | Comments (0) | TrackBack (0)

March 25, 2012

小さくても暖かい店づくり、優しい店づくり!

   食品スーパーマーケットの中で品揃えが豊富なカテゴリーのひとつに菓子パンがある。どんな小さなお店でも菓子パンは約100種類ぐらい品揃えされているのが実態であり、菓子パン売場に立つと、その品数の多さに圧倒される。実際、RDS、(財)流通システム開発センターの地域POSデータを見ると、菓子パンは月間1,000種類近い商品が各地で販売されているのが実態である。しかも、RDSの約300の食品スーパーマーケットのカテゴリーの中でもトップクラスの品揃えの多さであり、菓子パンの品揃えがいかに多いかがわかる。したがって、菓子パンは大きい店の方が有利にマーチャンダイジングが展開できると思われ、小さい店は菓子パンには十分なスペースが取れないということで、菓子パンの品揃えを絞り込み、重点商品中心の売場になってしまう場合が多い。その結果、菓子パンの売上げが芳しくなくなり、本来、菓子パンがもっている菓子パンのパワーを小さい店では半減させてしまうことが多い。

   菓子パンがなぜ100種類も品揃えが必要であり、月間約1,000種類にも及ぶ菓子パンがメーカーから発売されているのか、それはひとえに顧客が菓子パンの品揃えを切実に望んでいるからである。顧客のニーズがないのにメーカーが菓子パンを製造するはずがないし、顧客のニーズがないのに、食品スーパーマーケットが100種類もの菓子パンを品揃えするはずがない。実際に顧客は菓子パンの品揃えを強く望んでおり、これはID-POS分析をするまでもなく、通常のPOS分析でも、菓子パンを分析すると、その実態が如実に浮かび上がる。

   菓子パンをPOS分析すると、重点商品10品を見ると、わずか30%前後の構成比であり、残り90品で約70%ぐらいの構成比となる。しかもこの90品は際だった商品がなく、PI値の低い商品のオンパレードとなる。ただ、このPI値の低い商品を90品、揃えないと、残り約70%の売上げはとれなく、菓子パンの売上げ下がってゆくのが実態である。そして、これをID-POS分析すると菓子パンはかなり、広い顧客へ購入者が広がっており、顧客の輪を広げてゆく上においても重要な商品であることがわかる。したがって、店舗と顧客との関係、すなわち、店舗と顧客とのコミュケーションをはかって行く上にも重要な商品であり、菓子パンの売上げという観点からだけではなく、店舗の売上げ、店舗と顧客とのコミュニケーションをはかるという観点からも、菓子パンは重要な商品であることがわかる。

   ところが、これだけ菓子パンは重要な戦略商品であるにも関わらず、特に小さい店は販売スペースが取れないということで、品揃えを絞り込むケースが多い。一方、大きい店でも初期の品揃えを決め、その棚割りを死守することを優先し、新たな商品の導入に消極的になるケースも見受けられる。菓子パンは約1,000種類もあるにも関わらずである。特に、小さい店は品揃えに関してはあきらめムードが漂い、大きい店舗に対して、戦闘意欲をなくしてしまう場合も多い。

   ではどうすれば良いか。特に、小さい店が大きい店なみの品揃えを確保し、豊富な品揃えを達成するにはどうしたら良いか、その答えは発想の展開にある。小さい店は、空間ではなく、時間が勝敗を決める。時間は店舗の大小にかかわらず、平等に存在している。したがって、この時間を有効に使いこなすことが小型店が大型店にも勝てる秘訣であり、結果、お客さまの菓子パンへ対する満足度があがり、菓子パンの売上げだけでなく、広く顧客とのコミュニケーションがはかれ、店舗全体の売上げにまで波及することになる。

   時間を活用するとは、先の約1,000SKUの品揃えの菓子パンを可能な限り、一辺にではなく、時間をかけて取り扱ってゆくことである。仮に1週間に売場にある約100品全部を入れ替えれば、1,000SKU/100SKU=10週間で全品を売場展開できる。実際にはこれは難しいといえるので、そこで、20品づつ入れ替えると、1,000SKU/20SKU=50週間であり、年間52週であるので、ほぼ1年で完了、世の中の菓子パン全部を理論的には小さな店舗でも扱うことができる。これが平等に与えられた時間の活用ポイントであり、この時間をうまく活用することによって、どんな小さな食品スーパーマーケットでも、お客様のご要望にじわじわとではあるが、お応えすることができる。

   このように、小さい店舗がお客様にとって、暖かく、優しい店づくりをしてゆくには、品揃えスペースがないからあきらめるのではなく、大きい店も小さい店も平等に与えられた時間を積極的に活用し、品揃えを増やしてゆく方法を取り入れることにより、解決の糸口が見えてくるといえよう。これまでのマーチャンダイジングは一瞬の違いにあまりにこだわりすぎたきらいがあり、誰にも共通、平等の時間という要素をうまく活用できなかったといえる。今後のマーチャンダイジングは瞬間のマーチャンダイジングから、顧客の購入履歴を加味したID-POS分析の時代に入り、ますます、時間が重要な要素となってゆく。大型店だから顧客の支持を得られるわけではなく、小型でもこの時間を駆使することにより、空間では絶対に勝てない品揃えですら勝つことも可能となる。菓子パンのマーチャンダイジングを通じ、是非、この時間の大切さを体感し、小型店でもお客様にとって、暖かく、優しいて店づくりに挑戦して欲しい。

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March 25, 2012 in CRM、FSP | | Comments (0) | TrackBack (0)

March 24, 2012

マーチャンダイジングの3つの段階!

   これまで20年以上に渡ってマーチャンダイジングについて取り組んできた。マーチャンダイジングとは直訳すれば商品政策であり、商品をいかに顧客に販売するか、その販売政策のことを指す言葉である。そして、その理論的な根拠となっているのが需要供給の法則といってよい。需要供給の法則は商品を2軸、数量と価格の関係から需要面と供給面から分析し、その均衡点を見つけ出すことである。これがマーチャンダイジングと関連してくるのは、この均衡点を通る需要曲線をいかに右上にもってゆき、新たな需要を作り出すかにあるといえるからである。

   そして、その結果、数量も価格も引きあがり、企業に大きな利益をもたらすことにつながってゆく。この均衡点を右上にもってゆくための商品政策、これがマーチャンダイジングそのものであるといえる。したがって、すべてのマーチャンダイジング政策は、結果、需要創造につながることが目的であるといえ、需要創造ができればマーチャンダイジングは成功、需要創造ができなければ、マーチャンダイジングは失敗といえる。

   これまで取り組んできたマーチャンダイジングは、このような流れであり、この需要供給の法則を原則とし、数量と価格の関係を追究してきたといえる。特に、食品スーパーマーケットでは、この数量をPI値に置きかえ、マーチャンダイジングをPI値と価格、さらに、掛けた均衡点を金額PI値とみなし、この金額PI値をいかに右上に引き上げるかがマーチャンダイジングの目的そのものであったといえる。これは需要供給のグラフを全体としてみるのではなく、たった1人の平均顧客で見たときにはどう見えるかという観点が導入されており、その意味で一歩、マーケティングからマーチャンダイジングへ前進したといえる。   

   ところが、ここ最近、ID-POS分析に取り組み、商品1品1品と顧客1人1人の関係を深く分析するようになり、これは第1段階のマーチャンダイジングであるに過ぎないことが判明しつつある。マーチャンダイジングには次の段階がある。実は、もともと、先に見たように数量と価格の関係をPI値と価格の関係に置きかえ、均衡点を金額PI値とした時点で次の段階がほぼ示唆されているといえる。それは、数量と価格は純粋に商品の動きを追ったものである。ところが、PI値は商品の動きを純粋に追っているわけではなく、レシート客数で数量を割るため、一歩、商品から顧客に踏み込んでいるからである。

   レシート客数は顧客かというと、まだ、この時点では顧客ではないが、商品から顧客に一歩踏み込んでおり、顧客志向が芽生えはじめているといえる。したがって、もう一歩踏み込めば、当然、これは、マーチャンダイジングが商品と顧客との関係となり、商品の動きだけを追うのではなく、商品と顧客との関係をいかに深く築くかに視点が移ってゆくことになる。これが第2段階のマーチャンダイジングである。いわばz軸の登場であり、平面が立体化され、顧客1人1人のレイヤーが見え、その透視図が需要供給の数量と価格に帰着するイメージである。

   この時点ではすでに、マーチャンダイジングは商品だけの問題ではなくなり、商品と顧客、それもレシート客数ではなく、ID客数との関係になる。そして、この時点での売上げアップ、すなわち、需要曲線と供給曲線の均衡点を右上にもってゆこうとするマーチャンダイジングは商品と顧客との関係に転嫁され、いかに、商品を購入する顧客を増やしつつ(z軸を伸ばす)、一方で、その顧客に繰り返し、その商品を購入してもらう(ひとつひとの顧客の平面を大きく広げてゆく)かが決め手となる。すなわち、マーチャンダイジングの根幹が商品の数量と価格の関係から、商品と顧客の関係に置き換わるといえる。これがマーチャンダイジングの第2段階である。いわゆる、ID-POS分析であり、新たなマーチャンダイジング戦略となる。

   そして、さらに、次のマーチャンダイジングが自然生まれる。それは、その商品を購入している顧客が当然のことであるが、他の商品も購入している。これは同時に購入する場合もあれば、ある一定期間の間に他の商品を購入する場合もある。これがわかってくると、当然、その商品とその購入顧客が購入する他の商品との関係をどうマーチャンダイジングに組み込むかがポイントとなり、これが、第3段階のマーチャンダイジングといえる。

   すなわち、商品と顧客との関係から、さらに、その顧客が購入する商品との関係を考慮したマーチャンダイジングであり、商品=顧客=他の商品という図式である。この商品と他の商品はその商品の購入顧客が明らかになってはじめてわかる関係であり、第1段階はもちろん、第2段階でも踏み込めない新たなマーチャンダイジング領域といえ、まさに、第3段階のマーチャンダイジングといえる。

   このように、マーチャンダイジングにはこの3つの段階がある。商品のみの動きを追っていた需要供給の法則を前提とした第1段階のマーチャンダイジング、商品と顧客の関係に踏み込んだ第2段階のマーチャンダイジング、そして、さらに、商品と顧客、その顧客が購入する他の商品を加味した第3段階のマーチャンダイジングがあるといえる。マーチャンダイジングには、この3つの段階があるといえ、いかに、この3つのマーチャンダイジングを駆使して、マーチャンダイジング戦略を構築してゆくかがポイントといえよう。特に第2段階以降は通常のPOS分析では不可能であり、ID-POS分析が不可欠であるといえる。その意味で、この第2、第3のマーチャンダイジングはID-POS分析が可能となったことにより、新たに生じた次世代のマーチャンダイジング戦略であるといえよう。余談だが、マーチャンダイジングにはこの先もある。第4段階であり、これは時間という4次元が加わることになるが、いずれ、稿を改めて取り上げたい。

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March 24, 2012 in CRM、FSP | | Comments (0) | TrackBack (0)

March 18, 2012

リフト値、どんどん使いこなそう、誰でもできる!

  リフト値はよく難しいし、わかりづらいと言われるID-POS分析特有の指標のひとつである。ただ、実際には、その本質をつかんでしまえば、けっして難しいものではなく、誰でも、簡単に、たった4つの数字で、電卓ひとつで計算できる。また、リフト値はよく誤解され、同時購買、すなわち、バスケット購入、顧客がいっしょに商品を購入する時の数値だと思われているが、それはリフト値のほんの一部を示しているにすぎず、しかも、それは別にID-POS分析でなくても算出でき、リフト値の壮大な体系の中ではごく一部、しかもリフト値の本質を見誤る恐れがあり、これで終わっては実にもったいない話である。

   リフト値の本質はID客数からはじまる。これがリフト値理解の第1歩であり、これができて、次が、先の同時購買等のリフト値の算出となるのが手順である。したがって、集合論からいえば、ID客数の中に同時購買が包み込まれているといえ、これが通常のPOS分析とID-POS分析との関係、すなわち、ID-POS分析が通常のPOS分析を100%包み込んでいるのと同じ構図である。ちなみに、ウォルマートからはじまったといわれる「おむつとビール」の関係は前者であり、その意味で「おむつとビール」のリフト値はID-POS分析ではなく、データウェアハウスを駆使し、膨大なレシートの山からマイニング、すなわち見つけだしたに過ぎず、実にもったいない話であるといえる。だから、ID-POS分析をやっていないウォルマートができたといえ、その影響がいまでも色濃く残り、リフト値は簡単には算出できない膨大なデータウェアハウスでの分析の世界であり、結果のみを見れば良いように思われている。

   では、リフト値の本質とは何かであるが、そもそも何でリフト値、なぜliftなのかであるが、liftとは持ち上げるという意味であり、商品が商品を持ち上げるという意味から来ている。実はこれがリフト値混乱のもとであり、ID-POS分析の本質から離れてしまった要因のひとつである。リフト値のliftの本質は商品ではない。顧客である。顧客が商品を持ち上げるのであって、商品が商品を持ち上げるわけではない。そんなこと実際にもできるはずがない。ところが、同時購買ではレシート、すなわち、バスケットの中身を見てリフト値を算出するため、商品と商品の関係で見ざるをえなくなり、あたかも商品が商品を持ち上げているように見えてしまう。

   ところが、これをID-POS分析、すなわち、商品と顧客の関係で改めて洗い直してみると、全く違った世界が見える。商品1品1品の購入履歴を分析して見れば明らかなことではあるが、その商品を購入している顧客の何割かが別の商品を購入している実態が見えてくる。この瞬間にリフト値が生れるわけである。すなわち、別の商品の購入顧客が、その商品もいっしょに買っている実態がまのあたりに見える。したがって、この商品は別の商品の購入顧客も購入していることが明らかになり、その顧客からも支えられていることがわかるわけである。

   これがリフト値の本質であり、顧客が別の商品を購入した瞬間にその関係はできあがり、ここからリフト値が生れる。しかも、これはその後も当然続く、極論すれば一生涯続く関係であり、リフト値はどんどん変化するのである。これはまさに人間同士のコミュケーションと同じであり、コミュケーションが深まれば深まるほど、お互いが親密になり、絆が強固になると同じように、双方のコミュケーションを深めれば良いのである。結果、クロスマーチャンダイジングが生れ、POPへとつながってゆくことになり、このようなアクションを起こすことでお互いの商品の顧客同士の交流がはじまり、リフト値はどんどん高まってゆくことになる。むしろ高めることができるのである。

   そこで、4つの基本数字であるが、白菜と豚小間肉で考えた場合、まずは白菜の年間顧客数、次が豚小間肉の年間顧客数、そして、クロス、双方を購入している顧客数、最後が全体の顧客数である。この4つで必要十分であり、あとは電卓の世界である。計算式であるが、これも割算のみですべて解決する。まず、白菜、豚肉のPI値、この場合は白菜の顧客数/全体の顧客数、豚小間肉の顧客数/全体の顧客数を計算する。次が白菜から見た豚小間肉のクロスのPI値を計算する。双方を購入している顧客数/豚小間肉の顧客数である。豚小間肉で割ることがポイントである。なぜなら、豚小間肉の顧客のどのくらいの割合の方が白菜を購入しているかが知りたいからである。要は豚肉が白菜をliftしているかどうかを知りたいということである。

   さて、結論、リフト値であるが、(双方を購入している顧客数/豚小間肉の顧客数)/(白菜の顧客数/全体の顧客数)となる。これがリフト値であり、この数字が1.0倍以上になれば、豚小間切れが白菜をliftしているということになる。逆に1.0倍以下であれば、無関係とみなし、相性が悪いと判断する。これだけである。そして、応用問題。では豚小間肉のリフト値はいくつになるでしょうか。白菜よりも高い、低い、同じ、計算してみてください。答えが分かった方はPI研から待ち受け画面、「商品を洗え、磨け、輝かせ!」を差し上げます。ご連絡ください。

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March 18, 2012 in CRM、FSP | | Comments (0) | TrackBack (0)

March 15, 2012

商品を洗え、磨け、輝かせ、墨字、昇龍!

   facebookがタイムラインになるのにちなみ、ウォールを新しい写真に変えた。ウォールとは自分のfacebookのホームページのまさにホームにあたる場所であり、写真は、その真上に掲載されるパノラマのような大きな写真のことである。いろいろ悩んだすえ、書家の黎明さんに頼んで、「商品を洗え、磨け、輝かせ」を力強い墨字で、たたみ大の大きさで書いてもらい、その題字の横で私が「いいね!」をしている写真を撮影し、それを公開することにした。

   ただ、今回公開した、この墨字(すみ字)の構図になるにあたっては、黎明さんと綿密な打ち合わせを行った。当初は単純な縦に、商品を洗え、磨け、輝かせを考えていたが、ひとつひとつの意味を知りたいとのことで、ID-POS分析について数時間に渡ってプライベートセミナーを行った。まず、この3つの言葉の背後にあるのは顧客であり、「洗え」とは、商品を顧客の海の中で洗い直すところからはじまるという話をした。これまでの商品政策、すなわち、マーチャンダイジングをすべてID-POS分析を通じて、顧客から見直すという意味であると説明し、ここが最初のステップ、ホップであると話した。

   これまでのマーチャンダイジングは商品と商品の関係を見るものであり、棚割、すなわち、カテゴリーの中での商品の関係、部門の中での商品の関係、店舗の中での商品の関係、さらには、競合店との商品の関係を見るものであった。そこには顧客が存在せず、いかに商品間の優位性、特に価格が安いかどうかが中心になってマーチャンダイジング戦略が組立てられていた。これに対して、ID-POS分析は商品と商品の関係ではなく、商品と顧客との関係を見るものであり、いかに顧客との絆を深めるかがポイントであると、手振り、身振り、さらには、数式をホワイトボードいっぱいに使い一生懸命解説した。その中で、これまでのマーチャンダイジングとID-POS分析のマーチャンダイジングとはどんな関係にあるのかと質問をうけたので、その関係はID-POS分析が100%これまでのマーチャンダイジングを包み込む関係にあると話した。

   この解説でわかっていただけたのかどうか、わからないが、何か、イメージは少しできあがったようなので、とりあえず、ホップの次、ステップ、「磨け」はどのような意味かということになった。そこで、これについては、商品を洗い終わった後には、ID-POS分析の基本が理解できるようになり、これまでの商品と商品の関係から商品と顧客との関係が数字でも見えるようになるので、実際に顧客と様ざまなコミュケーションをとり、その絆を深めることだと解説した。

   コミュニケーションとはどんなことかと質問されたので、ID-POS分析におけるコミュニケーションとは、商品と顧客との接点すべてにかかわることであり、商品を通じて顧客とのコミュニケーションが図られるということを話した。具体的には、ポイント、クーポン、DM、チラシはもちろん、棚割、フェイシング、エンド展開、レイアウト改善など、ありとあらゆるコミュニケーションがあると解説した。特に、POPは最大のコミュニケーション手段であり、ID-POS分析ではまず、誰に向けてのPOPなのか、何を訴えているPOPなのかを、実際の数値で検討する必要があるとし、無限のコミュニケーションPOPがあると解説した。

   そして、最後、ホップ、ステップの次、ジャンプ、「輝かせ」であるが、これは当然、商品を顧客の海の中で洗い、顧客とコミュニケーションをとることで磨かれるので、磨かれれば磨かれるほど、商品が輝いてゆき、顧客によって輝かされることになると解説した。黎明さんが、どこまで理解されたかどうかわからないが、かなりイメージができあったようで、次のようなことを提案された。ということは、商品を玉(ギョク)にたとえ、龍が玉を大事に抱え、その玉が顧客の海の中で洗われ、磨かれ、結果、輝き、龍とともに天に昇ってゆくイメージはどうかということになった。

   「いいね!」ということになり、そのイメージができあがると、黎明さんが一瞬の内に書き上げたのが今回の「商品を洗え、磨け、輝かせ」である。ちょうど真ん中に商品があり、品の字は丸味をおび、玉のようなイメージが醸し出されており、その商品を左から「洗え」、下に来て、「磨け」、特に「け」が右上に向かいかけ、その右上に「輝かせ」、この「せ」が大空に突き抜けんばかりのかすれ文字となった。全体を遠くから見ると、龍が玉(ギョク)をかかえ、天高く勢いをつけて昇龍してゆくような墨字となっており、「商品を洗え、磨け、輝かせ」のまさに本質を射抜き、スカッとした書画ができあがったといえる。

   今年はこれで決まり、このテーマ、「商品を洗え、磨け、輝かせ」を1年かけて、じっくりと取り組み、ID-POS分析を極め、これまで約20年に渡って取り組んできたマーチャンダイジングをすべて洗い直し、商品と商品の無味乾燥な関係から、商品と顧客とのコミュニケーションを通じ、いかにその絆を深めるマーチャンダイジングを構築してゆくかに全力を傾けたいと思う。写真撮影後、黎明さんに、この書を関係者に差し上げたいとお願いしたら、これ以上の書は書けないとお断りされた。そこで、黎明さんとも相談し、著作権フリーとした。この書、欲しい方、デジタルですが、ご自由にお使いください。

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March 15, 2012 in CRM、FSP | | Comments (0) | TrackBack (0)

March 14, 2012

卸売業とID-POS分析、ここがポイント!

   ID-POS分析はこれまでのPOS分析に代わるというよりも、これまでのPOS分析を100%包み込む分析手法であり、小売業はもちろん、メーカー、卸にも、今後、活用が広がってゆくことになろう。特に、今後、流通業界でID-POS分析の普及の鍵を握っているのは卸の動きであろう。なぜなら、卸は様々な小売業と直接取引をしており、同時に、数多くのメーカーとも取引をしている。したがって、ID-POS分析の大本、小売業で取り組んでいるID-POS分析の動向に触れる機会が多いといえ、ID-POS分析を活用した小売業へのリテールサポートはもちろん、メーカー同士のID-POS分析を活用してのクロスマーチャンダイジング等を企画しやすい位置にいるからである。

   特に、クロスマーチャンダイジングは小売業界では盛んに取り組まれている販促手法のひとつである。ここ最近ではメーカーも積極的に取り組み始めており、クロスマーチャンダイジングは食品スーパーマーケットの中では完全に定着しつつあるといえる。特に、メーカーにおいては、いまや実証実験を超え、新たなキャンペーン手法として確立されつつあり、食品スーパーマーケットへの企画提案も数1,000店舗の規模での展開がなされつつある。当然、この数1,000店舗への物流を担うのは卸であるといえ、メーカーが直接数1,000店舗へ一斉に物流を行うのは難しく、卸の役割が重要な位置を占める。

   ところが、現時点では、このクロスマーチャンダイジングにID-POS分析がまだまだ十分に活用されているとはいえず、せいぜい、同時購買による単品と単品の組合せで終わっているケースが多いのが実態である。クロスマーチャンダイジングは本来、商品を単独で販売しているよりも、何らかの別の商品といっしょに販売した方が、さらに売上げがあがる可能性のある場合に実施されるものであるが、その商品を見つけ出すにはかなり苦労する。

   いわゆるリフト値の問題であり、どの商品とどの商品がどのような関係にあるか、特に、いっしょに販売することにより、その商品がリフト、引き上げてくれるかどうかがポイントとなる。これは単に同時購買だけではなく、いわゆる期間併売をも見る必要がある。期間併売とはレシート内の商品間を見るだけでなく、同じ顧客が同時を含めて一定期間内に併売しているかを見ることであるが、これはID-POS分析以外に見つけ出すことができない見方であるといえる。したがって、クロスマーチャンダイジングを本格的に進め、その結果を検証し、次につなげてゆくにはID-POS分析が不可欠である。

   このようなID-POS分析のノウハウを卸がもつことにより、小売業内でのID-POS分析の活用を促し、活性化、すなわち、リテールサポートにつながるだけでなく、ID-POS分析から様々なメーカー同士の組み合わせを発見し、メーカー、小売業双方への企画提案が可能となるといえよう。特に、食品スーパーマーケットのクロスマーチャンダイジングのポイントはグロサリー同士の組合せにとどまらず、生鮮食品との組み合わせ、惣菜との組み合わせ、日配食品との組み合わせ等がポイントであり、2重、3重、4重、5重のクロスマーチャンダイジングを同時に実施することが食品スーパーマーケット全体の活性化につながる。これはまさに、卸の今後のリテールサポート業務につながる課題であるといえ、小売業にとっても店舗の活性化をはかって行く上においては重要な販促手法であるといえ、自店だけでなく、様々な成功事例を知りたいところであろう。

   卸は、このようなトータルなクロスマーチャンダイジングを数店舗ではなく、数1,000店舗で実施するにはメーカーだけでは当然なしえることではなく、卸の役割が実に大きいといえよう。したがって、今後、卸がID-POS分析を修得することは小売業のリテールサポートに役立つだけでなく、メーカーにとっては様々なクロスマーチャンダイジングを食品スーパーマーケットで検証できるだけでなく、その結果を大規模に、全国的に実施できる環境が整うということになり、卸の役割は極めて重要であるといえよう。

   これまで卸は通常のPOSデータについては独自に入手し、分析し、小売業へのリテールサポートに活かしてきたといえるが、今後はID-POSデータを入手し、分析し、クロスマーチャンダイジング等の企画提案をする時代に入るのではないかと思う。しかも、様々な小売業の様々なID-POS分析の実情に触れる機会は今後ますます多くなり、メーカーへのクロスマーチャンダイジングを提案しやすい環境が整うといえる。恐らく、今後のクロスマーチャンダイジングは、数1,000店舗単位という大規模なクロスマーチャンダイジングの時代に入ると思われ、これをスムースに動かすには卸の役割が極めて重要といえる。

   このように、ID-POS分析がここ最近、小売業界はもちろん、メーカーにも急激に浸透しはじめつつあるが、今後、その普及にあたって大きな鍵を握るのが卸にあるのではないかと思われる。卸はこれまで通常のPOS分析でのリテールサポート、メーカーへの企画提案を実施してきたとはいえるが、ID-POS分析での本格的な提案はまだまだ糸口についたばかりといえ、今後、卸がID-POS分析を修得することで、食品スーパーマーケット、メーカー双方の活性化につながるのではないかと思われる。卸には是非、ID-POS分析をマスターし、ダイナミックな企画を食品スーパーマーケット、メーカー双方に提案して欲しいところである。

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March 14, 2012 in CRM、FSP | | Comments (0) | TrackBack (0)

March 05, 2012

ID001:2012年4月スタート、ID-POS協働研究フォーラム!

  「まだ、間に合いますよ。メーカーの方、ID-POS分析での実証実験、協働研究をしませんか。」ということで、これまで約1年に渡って、関係各社と準備してきたID-POS分析の詳細な実証実験可能なプラットフォームが完成しました。そのプラットフォームの実験店舗は、生活協同組合連合会コープネット事業連合の3店舗、コープとうきょうのコープ上井草店、さいたまコープのコープ武蔵浦和店、ちばコープのコープ鎌ヶ谷店となります。実証実験に必要なID-POSデータは上記3店舗の生鮮食品、惣菜、日配、グロサリーを含む全カテゴリー、全単品の過去2年間の全会員の顧客の購入履歴をもとにスタートします。その後、丸1年間、来年の3月までの詳細なID-POSデータが随時インターネットに接続できる環境にあれば、、ID、パスワードで閲覧でき、エクセル等へのダウンロードも可能となります。

   今回のID-POS協働研究フォーラムのために、新たなID-POS分析用の新MD評価表、クロスマーチャンダイジングの仮説検証に活用する最新のリフト値分析帳票等もご用意しています。また、自由に商品、顧客グループをつくれますので、独自の分類でID-POS分析が随時可能です。もちろん、私自身も個別のコーチングを含め、全力で支援します。上記3店舗は、移動時間がそれぞれ1時間、最短距離で3時間かかりますが、毎月、店舗へのコーチングも実施します。私だけではありあせん。このID-POS協働研究フォーラムのプラットフォームを支える事務局には(株)スーツジャパン、(株)ダイヤモンド・フリードマン社が入り、メーカー、小売業を強力に支援します。

   さて、今回のID-POS協働研究フォーラムのテーマですが、「商品を洗え、磨け、輝かせ!」となります。商品を洗えとは、ID-POS分析の詳細な顧客の購入履歴をもとに、これまでのマーチャンダイジングをすべて洗い直しましょうというものです。ID-POS協働研究フォーラムは1年ですが、はじめの半年は、ここにじっくり時間を費やしていただき、ID-POS分析を基礎からしっかり勉強していただければと思っています。ID-POS分析はこれまでのPOS分析を100%包み込んでいます。したがって、これまでのマーチャンダイジングはすべてID-POS分析で再解釈が可能です。さらに、これまでのPOS分析では、全く見えなかった世界、顧客の購入履歴が見え、把握できることにより、新たなマーチャンダイジング戦略を生み出すことも可能です。このID-POS協働研究フォーラムでは、まずは、この商品を顧客の海の中で洗っていただく、過去2年間の詳細なデータをもとに、6ケ月間、じゃぶじゃぶと洗っていただく、こここらスタートします。

   次に、商品を磨け、これは、商品を実証実験の中で磨くという意味です。商品が顧客の購入履歴の中で洗われ、ID-POS分析の基本が理解できるようになったら、当然、ID-POS分析を駆使し、様々な仮説立案が可能となるはずです。その仮説を、実験店舗の実際の売場で検証して欲しいと思います。詳細なID-POS分析の検証結果が得られますので、そこから、再度、仮説を見直し、何度も何度も実験し、仮説検証を繰り返し、商品を磨き上げて欲しいと思います。ぴかぴかになるまで商品を徹底的に磨いていただければと思います。

   そして、最後は、その結果、商品が輝くはずですので、その輝いた商品をまずは、今回、プラットフォームに参加していない生活協同組合連合会コープネット事業連合の各店舗へ随時企画提案をしていただければと思います。これだけではありません。今回は、この磨き上げ、輝いた商品を全国の営業活動、今後、予想されるであろう各食品スーパーマーケットからのID-POS分析の開示に対しての、マーチャンダイジング企画提案にどんどん活かして欲しいと思います。日経MJ 2/27で、アサヒビールとエバラのメーカー同士のクロスマーチャンダイジングの事例が取り上げられていました。見出しは、「5000店でクロスMD」です。いまやクロスマーチャンダイジングも、成功事例は5000店舗への企画提案となる時代です。是非、このような成功事例をこのプラットフォームを活用し、作り上げていただければと思います。

   なお、詳細は、2012年3月1日号の最新のチェーンストアエイジ誌の128ページ、そして、本ブログにも別途ID-POS協働研究フォーラムのホームページを左上にリンクをはりましたので、ご確認ください。「ぼくLunaです!」の小犬の写真をクリックください。お気軽に、事務局にお問い合わせいただければと思います。また、facebookでも私のウォールで情報発信を徐々にしはじめています。今後は、さらにfacebook上に様々なフォロー体制をつくってゆく予定です。facebook上にID-POS分析の様々なプライバシー設定の高い秘密のグループも立ち上げる予定です。

   ID-POS分析はまだまだ食品スーパーマーケット業界でもはじまったばかりといえます。これまでのPOS分析とはどこが違うのか、何ができるのか、流通業界ではまだまだ未開拓、未開発の領域といえます。また、ここ最近では、カスミがSNSの活用に本格的に動くなど、SNSとID-POS分析との関係も、食品スーパーマーケットでは、今後重要なテーマとなります。この機会に、是非、ID-POS分析を体験し、実践し、自社の商品を洗って、磨いて、輝かせて欲しいと思います。  

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March 5, 2012 in CRM、FSP | | Comments (0) | TrackBack (0)

March 03, 2012

食堂と食品スーパーマーケット、びっくり!

   これまで、食堂、喫茶店、ファミリーレストラン等、いわゆる外食と食品スーパーマーケットとはノウハウは別であり、あまり連動性が図れないのではないかと思ってきた。ただ、メニュー分析へのPI値活用、マテハンなどによる作業効率の改善については共通性が多く、相互に応用が可能であり、実際、そのようなケースはあった。特に、メニューについては、PI値分析することにより、メニューの人気度を判断し、メニュー改善に活かしたり、さらには、販売数量を予測し、食材の調達、調理手順の改善などにつなげるといったことが可能であり、その点ではPI値は様々な活用が外食でもなされてきた経緯はある。

   それ以外となると、なかなか共通に活用できるノウハウはあまりないのではと思っていたが、この間、東京汐留ビルディングでソフトバンクの方と昼食をする機会があった。その25階にある見晴らしのよい食堂で昼食をし、私は焼き魚定食を食べたが、これが食品スーパーマーケットそのものであり、その思想をしっかり受け継いでおり、さらに、発展させていたのには驚いた。思わず、携帯で写真をとり、facebookに投稿したくなったが、残念ながら、その機会を逸した。

   食品スーパーマーケットの基本思想はセルフ販売とワンウェイコントロールにある。この2点が50年以上に渡って貫かれてきた基本思想であり、この2点が貫かれたことで、食品スーパーマーケットが流通産業の中で確固たる地位をしめるようになったといっても過言ではない。セルフ販売はいわゆる対面販売を排すというところから発展し、それまでの商売は顧客=対面=商品であり、商品は対面の背後に隠れ、顧客の要望を聞いて手渡しで販売するという手法が主流であった。いまでも、八百屋、魚屋、肉屋などには、この手法が残っており、商店街では少なくなったとはいえ、よく見かける光景である。食品スーパーマーケットの中でも、ここ最近、加わった部門、OTCは、Over the Counterの略が示すとおり、対面販売といって良い。

   食品スーパーマーケットはこの対面販売に対して、顧客=商品とし、対面を抜き、まさに、顧客がセルフ、みずから商品を購入する仕組みを構築することで対面販売の限界を打破し、大量の顧客との販売を可能にしたといえる。この発明によって、セルフ販売が可能な部門はすべて対面販売からセルフ販売へと置き換わり、今日の食品スーパーマーケットにつながっていったといえる。ちなみに、その着想は、フォード、トヨタ等が当時採用していた自動車工場のベルトコンベアーにあったといわれている。ベルトコンベアーに部品が乗って移動し、作業員がそれをピックアップし、最終的に自動車ができあがってゆく流れを、逆転させ、顧客がカゴをもって動き、商品をピックアップして、レジで精算するという発想を取り入れたとのことである。

   そして、もう一点、ワンウェイコントロールであるが、これはこのベルトコンベアーを考えて見ればわかるように、セルフ販売で購入する顧客が最短距離で購入するには、一歩たりとも無駄な歩数をかけず、さらに、必要な食材をすべてカゴにピックアップできることが望ましく、そのためには、ワンウェイコントルールが最適であり、これはセルフ販売を採用した時点で結論がでていた答えであるともいえるが、いまでも、食品スーパーマーケットを貫く基本思想であるといえる。

   では、なぜ、この2つが重要な食品スーパーマーケットの販売方法になっていったかであるが、その答えは客数にある。食品スーパーマーケットは100人、200人と100人単位の顧客商売ではなく、1,000人、2,000人の1,000人単位の顧客商売であり、1,000人単位の顧客との商売をしようと思うと、必然的に、この2点、セルフ販売とワンウェイコントロールが絶対条件となるからである。

   さて、ソフトバンクの食堂であるが、この2点が見事に実現されており、社員は食品スーパーマーケットのカゴの代わりに、トレーを持ち、食品スーパーマーケット同様、10部門ぐらいに分かれた部門の中から、昼食に必要なお皿をピックアップしてゆく。麺類、和食、洋食、牛丼、サラダ、デザート、ほぼ全部門揃っており、しかも、そのつくりは、カフェテリア、バイキング等とちがい、食品スーパーマーケットそのものといってよく、四角形でメイン通路を広く取り、通路の両側に各メニューが展開されており、ワンウェイの流れが実現されている。しかも、精算までセルフであり、お皿ひとつひとつにICチップが埋め込まれでいるので、食べ終わった後は、自動精算、社員カード決済となり、食品スーパーマーケットでもここ最近はセルフレジが普及しはじめているが、精算も100%セルフを実現していた。12時になると食堂は満杯、この仕組みで、短時間に1,000人単位が食事をしており、まさに、食品スーパーマーケットの外食版ともいえる光景がそこにあった。

   このように、これまで外食と食品スーパーマーケットは業態が違い、ノウハウの共通性が薄いのではないかと思っていたが、このソフトバンクの食堂を見ると、1度に1,000人単位の多岐多様にわたるニーズを満たすには、食品スーパーマーケットの基本思想、セルフ販売とワンンェイコントロールにたどり着くということがわかり、実に貴重な体験をした。気になったのは、ID-POS分析をしているのかどうかであるが、ここにID-POS分析が入れば、さらに、様々な改善が可能であり、何よりも、社員の満足度につながる、もっと優しい食堂になるのではないかと思った。

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March 3, 2012 in CRM、FSP | | Comments (0) | TrackBack (0)

March 02, 2012

クロスマーチャンダイジング、今年の主役か!

   今年のマーチャンダイジング戦略の主役となるのでないかという勢いで各社、クロスマーチャンダイジングへの取り組みが活発である。日経MJ、2/1号では小売業のクロスマーチャンダイジングが、そして、2/27号ではメーカーのクロスマーチャンダイジングの記事が取り上げられた。クロスマーチャンダイジングは何と何を組み合わせるか、それにより、効果が大きく違うが、ここ最近ではID-POS分析が浸透しはじめたこともあり、クロスマーチャンダイジングの精度が上がりつつあるといえる。

   まずは2/1の日経MJの特集記事であるが、見出しは、「クロスMD、需要深掘り」、「異分野の商品並べ販売」、「POSデータ、メーカーと共有」、「カン頼み脱却、精度向上」であり、POSデータをメーカーと共有することにより、クロスマーチャンダイジングの精度が向上していることを伺かがわせる内容である。この特集記事の冒頭の事例では、ライフコーポレーションと日清オイリオとのクロスマーチャンダイジングの事例が取り上げられている。

   その中身は、日清オイリオがPOSデータを分析したところ、ごま油とレトルトのおかゆを一緒に購入している顧客がいることに着目し、ライフコーポレーションにクロスマーチャンダイジングを提案したとことが発端だという。これを受けて、ライフコーポレーションでは、「中華風のおかゆに商機がある」とみて、七草がゆに合わせたクロスマーチャンダイジングを実施したところ、売場の関連商品の販売量が前年比2倍以上に伸びたという。まさにクロスマーチャンダイジングの典型的な事例であるといえる。

   特に、この「一緒に購入」は、リフト値の活用であるといえ、今後、このリフト値がクロスマーチャンダイジングの仮説構築、そして、検証における基本指標となってゆく可能性が高いことが示されたといえよう。ちなみに、リフト値はID-POS分析では標準的な分析となっているが、通常のPOS分析でも十分とはいえないが、実務上は活用可能な指標である。この場合でいえば、ごま油の購入レシート、レトルトの購入レシートをすべて抽出し、その中から、ごま油とレトルトを同時に購入しているレシートを抜出し、そこからリフト値の数式にあてはめ計算すれば、リフト値は算出される。

   要は、ごま油の客数PI値よりも、レトルトの購入レシートあたりの、ごま油の同時購入の客数PI値とを比べた時、後者が前者よりどのくらい高いかを見て、それが1.0倍以上であれば高い、1.0倍以下であれば低いと判断し、高い場合はレトルトがごま油を押上げる(リフト)と判断し、クロスマーチャンダイジングをかければ効果が期待できるというロジックである。恐らく、今回のケースは、このようなことが背景にあり、ごま油とレトルトとのクロスマーチャンダイジングが実現したのではないかと思う。

   このように、クロスマーチャンダイジングはリフト値が決め手となるといえ、これがID-POS分析になれば、同時購入に加え、期間購入も判断できるので、同時には購入していないが、ある一定期間内では購入していることもわかり、より、精度の高いクロスマーチャンダイジングの実践が可能となる。

   記事では、これに加え、コープさっぽろの事例も取り上げられているが、この事例はまさにID-POS分析での事例であり、スープとウィンナーの同時購入が高いことを発見し、双方の製品をクーポン発券機のモニターに同時に表示したところ、双方の売上げが伸びたという。これはクロスマーチャンダイジングといっても、実際の売場をつくることではなく、バーチャル上でのクロスマーチャンダイジングであり、今後、このようなクロスマーチャンダイジングも増えてゆくことになろう。

   そして、2/27の日経MJであるが、アサヒビールとエバラ、メーカー同士のクロスマーチャンダイジングの事例が取り上げられている。見出しは、「5000店でクロスMD」、「アサヒとエバラ、3ケ月に期間延長」である。内容は、ビールと焼肉のたれをスーパーの売り場で一緒に並べるクロスマーチャンダイジングの実施店を今年は過去最高の5000店に増やすとのことである。このクロスマーチャンダイジングの企画は2009年から実施してきたとのことで、2010年には2800店、2011年は4000店で実施したとのことである。しかも、酒、調味料売場だけでなく、精肉や野菜売場でも展開するという。店舗全体をつかった大型企画であり、店舗も5000店と莫大な数である。これまでの大陳コンテストのクロスマーチャンダイジング版ともいうべき企画であり、メーカーだけでなく、食品スーパーマーケット側にとっても大きなメリットのあるクロスマーチャンダイジングであるといえよう。

   このように、クロスマーチャンダイジングは食品スーパーマーケットだけでなく、ここ最近は食品スーパーマーケットがPOSデータを開示しはじめ、さらに、ID-POSデータの開示もはじまったことにより、その精度が上がり、メーカーが積極的に取り組みはじめたことが、その普及に拍車をかけているといえよう。今後、ID-POS分析の技術も向上し、より効果のあるクロスマーチャンダイジング手法が次々に開発されることも考えられ、今年は、クロスマーチャンダイジングが流通業界全体を巻き込み、本格化するのではないと思われる。食品スーパーマーケット、メーカー、双方のクロスマーチャンダイジングの動きに注目である。

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March 2, 2012 in CRM、FSP | | Comments (0) | TrackBack (0)

March 01, 2012

チェーンストアエイジ3/1号、バナナPI値分析、投稿!

   チェーンストアエイジ、最新号、2012年3/1号に、バナナのPI値分析を投稿した。バナナは食品スーパーマーケットの中では極めて重要な商品であり、年間を通じて、果物のトップクラスを走り続ける最重点商品である。ところが、このバナナが顧客から人気があるがゆえに、再三、特売に入ることが多く、食品スーパーマーケットのちらしにバナナが登場しないことはないくらい、バナナは特売商品の代名詞ともなっているのが現状といえる。実際、食品スーパーマーケットで、バナナのPI値分析をすると、大半は、平均単価が下がり、逆にPI値は上がるが、その結果、金額PI値が上がる場合もあれば、下がる場合もあり、不安定な売上げとなるケースがほとんどである。

   食品スーパーマーケットのバナナの売場を見ても、100円、150円クラスのバナナが売場を占拠し、そこに大きなPOPが貼られ、いかにバナナが安いかを強く訴えているケースが多い。したがって、バナナはいかに安く売るかがバナナのマーチャンダイジング戦略そのものとなっており、そのためにバイヤーはいかにバナナを安く仕入れ、量を確保するかに必至となっている場合が多い。

   このようなバナナの惨状を踏まえ、今回のチェーンストアエイジのバナナの記事では、この正反対、対極を目指したバナナの実証実験を実際の食品スーパーマーケット、広島のフレスタで実施し、そして、その結果の検証、PI値分析を試みた。その対極のバナナのマーチャンダイジングとは、PI値に着目するのではなく、PI値とペアを組んでいるもう一方の指標、平均単価に着目し、平均単価アップで金額PI値を目指そうという試みである。いわば、逆バリのマーチャンダイジング戦略である。

   その検証に使われたバナナはドールの極撰であるが、平均単価298円と、これまでの主力のバナナ100円、150円と比べると2倍、3倍の平均単価の付加価値の高いバナナであり、この極限ともいえるバナナ、極撰を強化した場合、バナナ全体がどのような結果となるのかを数週間に渡って検証し、冷静にPI値分析でその結果を見極めようという試みである。今回のチェーンストアエイジで掲載された分析結果は、広島県のフレスタ、上天満店のみであるが、この平均単価アップのバナナの検証は全国的に試みられており、その中の典型的なケース、検証結果である。

   さて、その結果であるが、詳細な数字はチェーンストアエイジ誌で確認して欲しいが、ここでは、ポイントをあげると、バナナ全体の週間の検証結果は金額PI値(前週比113.0%、昨年比107.5%)、16,310.9円(1,000人当たり)となった。その中身であるが、PI値(前週比105.8%、昨年比97.9%)と、特に昨年比は下がり93.8個(1,000人当たり)となったが、平均単価(前週比106.8%、昨年比109.8%)と174.0円と上昇し、これが金額PI値を押上げ、売上アップにつながったといえる。

   その要因が、今回、戦略的に展開した平均単価の高い極撰にあったかどうかであるが、極撰の検証結果を見ると、週間の金額PI値が5,993.2円(バナナ全体の36.7%)となり、明らかに、バナナ全体の金額PI値を押しあげたことがわかる。しかも、そのPI値は20.1個と21.4%のバナナ全体のPI値の構成比であり、PI値の貢献も金額PI値ほどではないが高い結果となった。特にPI値20.1個は1,000人当たりであり、%換算、すなわち100人当たりでは2.01%となる。食品スーパーマーケットでは全商品約10,000SKUの中でも、PI値1.0%以上の商品はわずか200品ぐらいであり、2.0%以上となると、数10品となる。したがって、バナナはもちろん全商品の中でも298円と高額な商品であるにもかかわらず、これだけ高いPI値を示すのは驚異的な数字といえ、いかに、極撰がお客様から高い支持を得たかがわかる。

   今回は実証実験でもあることであり、この極撰の売場での面積を、チェーンストアエイジの写真に掲載されているように50%確保したこともあり、極撰のS顧客(毎週)購入している顧客だけに支持されたのではなく、Z顧客(0、未購入)、B顧客(年間1個)やA(毎月)の顧客にも支持ささたことが大きかったとは思うが、それでも、このような平均単価アップの絵にかいたような検証結果が出るとは驚きである。

   これまでPI値戦略は金額PI値=PI値×平均単価であり、PI値のみに焦点が当たり、ペアとなっている平均単価にはなかなか焦点があたらず、平均単価はむしろ下げ、PI値さえあげれば良いという風潮があった。ところが、今回のバナナの検証結果のように、平均単価に焦点を当て、PI値は下がっても、金額PI値を高めるマーチャンダイジング戦略がPI値分析で実証されたことは、今後のバナナのマーチャンダイジングに活用できるだけでなく、デフレに陥り、価格競争がより激しくなり、平均単価の下落に歯止めがかからない現状を食い止めるためにもひとつの朗報、新たなマーチャンダイジングの可能性を示したといえよう。マーチャンダイジングはPI値アップは、もちろん重要な戦略課題ではあるが、実は、平均単価アップも同様に重要な戦略課題であるといえ、マーチャンダイジング戦略を検討する際は、PI値、平均単価、双方から検討して欲しいところだ。

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March 1, 2012 in CRM、FSP | | Comments (0) | TrackBack (0)

February 29, 2012

マトリックスの本質を考えて見る!

   これまで、POS分析、ID-POS分析で、様々な分析を行ってきた。いずれも、売上げを上げるための分析であり、そのために様々な工夫を凝らしてきた。その様々な分析手法の中に、マトリックス分析がある。一般に、マトリックスというと2次元の分析であり、縦と横、2つの軸で主に商品の位置を明確にすることが、その目的である。このマトリックス分析には様々な分析事例があるが、いずれも、基本方程式に則って自然に2つの軸が生じたものであり、これが、さらに、方程式によっては、もうひとつ軸が加わり3次元となることもある。いずれも、売上げを分解したものであり、売上げを上げるために、必要な要素を方程式にそって導いたものである。

   したがって、2次元のマトリックス、そして、それが3次元に発展しても、その本来の意義、なぜ、1次元よりも2次元か、さらに3次元かが理解できていたようで、意外に、理解できていなっかたように思える。方程式で見れば、売上高=客数×客単価(金額PI値)であるので、この時点では、売上高は1次元であったものが、客数と客単価(金額PI値)に分解され、2次元のマトリックスとなる。そして、縦軸と横軸の直角に交わった面積が売上高であり、売上高を引き上げるには縦軸の客数を引き上げるのか、横軸の客単価(金額PI値)を引き上げるか、2つの方向があり、どちらか、ないしは双方を引きあげることがポイントであるととらえてきた。

   これがさらに、客単価(金額PI値)が分解され、客単価(金額PI値)=PI値×平均単価に分解されると、売上高=客数×客単価(金額PI値=客数×PI値×平均単価となるため、2次元のマトリックスにもう1次元加わり、3次元となり、売上高が立方体で表されることになる。これが売上高の3次元分解であり、結果、売上げを上げるには、客数、PI値、平均単価のどれか、ないしは、その2つ、ないしは、3つすべてとなり、その組み合わせによって売上げは上がるということになる。

   これは、ID-POS分析になっても同様であり、ID-POS分析になると、売上高=ID客数×ID金額PI値=ID客数×ID客数PI値×金額PI値=ID客数×ID客数PI値×PI値×平均単価となり、さらに次元が増え、4次元となる。こうなると、図解ができなくなり、直観的な理解が不能、次元を減らし、3次元、さらに減らし2次元で見て理解ができるということになり、完全に論理の世界での売上げとなる。

   こう考えると、売上げとは様々な要素に分解することによって、その本質に迫り、結果、売上げアップを目指してゆくための優先順位、着眼点を見つけだし、実際のアクションにスムースにつなげてゆくことを目指しているといえる。ところが、その本来の意味、あるいは意義、すなわち、なぜ、1次元を2次元、そして、2次元を3次元に分解するのか、そうすることによって、何が得られるかについては、方程式がなりたつからそうなったとしかいいようがなく、そうすることによって、より、売上げの本質に迫ることができそうだという以外になかったといえる。

   これが2次元のマトリックスであり、さらに3次元、4次元への拡張であると、方程式から当たり前のように、自然に、あまり疑問を感じることなくとらえてきた。ところが、実は、2次元のマトリックス、3次元、4次元は、方程式が成り立つ、成り立たないにかかわらず、絶対的に必要な必然的な場面に、思いもかけないところで出くわすことになった。大学の同窓会、129期の記念行事の準備会でのことである。

   目的は1年後に迫ったこの記念行事に、実行委員会として、いかに人数を集め(客数)、旧友を温める機会を作りあげるか(客単価)、とりあえずは、まずは人数をどう集めるかが議論になった。この時、まず当時、25年前の24クラス、それぞれから、代表、副代表を選び、クラスごとの結束をたかめてゆく方法が議論された。ところが、実際に代表、副代表を選んでみたが、さすがに25年前のこと、クラスの旧友を覚えているものはほとんどなく、また、大学であるのでクラスの仲間がそれほど親しい関係にあったわけではなく、なかなか、クラスごとにまとめてゆくことが難しいということになった。

   そこで、ここに、このクラスを前提としつつも、もうひとつの軸を入れたらどうかという案が検討された。ゼミという軸である。大学で最も深い絆はクラスではなく、ゼミであるといえ、この軸を加えることよって、クラスではまとめにくかったことがゼミを軸とし、2次元のマトリックスをつくることによって、より人数が集まり、結束する方向が見えてきた。さらに、これにサークルという軸を加えると、より結束する可能性が高まり、これ以外にも高校、予備校、帰国子女、女子会など様々な軸が考えられ、これらの軸を加え、その軸ごとに結束を高めてゆけば、クラスだけの1次元よりは、はるかに集客がしやすくなり、また、25年前の同窓生全体を結束できるのではないかということになった。

   これはひとつの軸を基準に、別の軸を、さらに、別の軸と次々にマトリックスをつくることにより、何重にも同窓生全体の結束がはかられ、その結果、本来の目的である25年前の24クラス個々人の参加率(PI値)が増してゆき、最終目標129期の記念行事が盛大なものとなってゆくのではないかとイメージできた。

   このように、マトリックス、さらには、3次元、4次元と元の軸に新たな視点を導入することは、1次元では十分に目的を達成しえない可能性の高いことでも、別の角度、さらには、そのまた別の角度とあらゆる方向から考えてみることにより、より、目的達成につながる可能性が高まるということが理解できた。当たり前のことのようであるが、意外に新鮮な気づきであった。その結果、1年後、129期が何人集まるか楽しみである。

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February 29, 2012 in CRM、FSP | | Comments (0) | TrackBack (0)

February 28, 2012

サービスって何だ、メーカーって何だ?

   ここ最近、ID-POS分析漬けの日々が続いている。おそらく、今年は丸1年間、ID-POS分析と真正面から向き合い、格闘することになろう。ID-POS分析のポイントは、これまでの分析が商品の動きしかみえなかった世界から、その商品を購入する顧客が見える世界が出現することであり、商品=顧客、すなわち、Brand=People (Customer)が鮮明に把握できることである。その結果、商品が売れる、売れないから、誰がどのように購入し、しかも、その商品以外どのような商品を購入しているかまでわかり、商品と商品との関係も、顧客の購入履歴により把握することができるようになる。したがって、戦略もマーチャンダイジング戦略よりも、マーケティング戦略といった方がふさわしく、まさに、顧客1人1人に向けたマーケティング戦略、対象商品だけでなく、その商品と関係の深い商品にも目を向けたマーチャンダイジング戦略を構築することができる。

   ID-POS分析は、このように、これまでのPOS分析を一変させるものであり、これまでのあらゆるマーチャンダイジング政策が、今後、ID-POS分析によってすべて洗い直されてゆくことになろう。

   ひとつだけ、その例をあげれば、現場の誰もがかかわっているマーチャンダイジング政策のひとつ、POPで考えてみればわかりやすい。これまでのPOPは商品を訴求するためのPOPであった。ただ、誰に何を訴求するかが不明確であり、価格を基本に、商品の説明を不特定多数に発信してきたに過ぎない。ところが商品をID-POS分析すると、どんな商品にもStrong ties(強い絆)、Weak ties(弱い絆)、Temporary ties(一時的な絆)があることが判明している。したがって、POPは本来、「誰に」を明確にすべきであり、その「誰に」対してのコミュニケーションツールがPOPそのものであるといえる。そして、コミュケーションは本来一方通行ではない、双方向である。ここ最近のSNS、Facebookの最大の発明、「いいね!」はまさに双方向の最もシンプルなコミュニケーションであるといえ、このようなことが本来、POPには組み込まれるべきであり、それを実現するのがID-POS分析から生まれるPOPであるといえる。これについては、いずれ、稿を改めてじっくり解説したい。

   このように、ID-POS分析では商品だけでなく、その商品を購入する顧客1人1人の購入履歴が一生涯に渡って把握できることが、最大のポイントであり、しかも、その顧客がその商品以外に購入している全商品を把握することもできる。そこで、今回のテーマ、サービスであるが、サービスも商品であり、サービスにも当然、顧客がおり、その1人1人の顧客を把握し、その顧客が、そのサービス以外にどのようなサービスを購入しているかを把握することができる。この点では何ら通常の商品とかわならい。したがって、サービスも当然、ID-POS分析が可能である。

   ところが、このサービスをID-POS分析する上では1つだけ大きな違いがある。それは商品が見えない点である。通常、商品は誰でも見ることができる。触ることもできる。試すこともできる。当然、購入することもできる。ところが、サービスは通常の商品のように誰もが見ることはできず、触ることもできず、試すこともできず、当然、購入することも、価格が明示しにくく、実際にはしづらいのが特徴である。

   なぜか。それは商品=顧客とならず、商品=人=顧客となり、商品を人を介して間接的に購入するからである。この人を介するという点が決定的に違い、同じ商品でも人が介することによって、様々に変化する。なぜなら、人は学習するので、サービスレベルが時間とともに、その人の研究熱心さに応じて変化するからである。したがって、同じサービスでも人によって、全く違うサービスとなり、やり方、時間、訴求ポイント、皆違い、ひとつとして同じサービスは存在しないといっても良い。

   さらに、この人が単なる人ではなく、名人になると、商品をどんな顧客にもたちどころにアレンジしてしまい、商品と顧客をまるで千手観音のようなイメージで結び付け、たちまち、顧客を商品のとりこにしてしまう。商品そのものが千変万化し、商品が人によって磨きあげられるだけでなく、顧客に応じて変化することになる。これがサービスを捉えにくくしている要因であり、商品が分析しにくい理由であるといえよう。

   ただ、よく考えると、商品には、その背後に様々な研究開発があり、ある商品が登場すると、その商品の購入顧客を分析し、その商品を基点にした商品開発が次々になされ市場に投入されてゆく。これはまさにメーカーのそのものであるといえ、その意味でメーカーは、この商品=人=顧客の人の位置に存在しており、実際は人=商品=顧客という関係にありながら、実はメーカーは人、サービスそのものであるともいえる。

   その意味で、ID-POS分析は、単に商品を顧客によって分析するだけではなく、本来、商品がもっているサービス機能、サービスをも分析し、商品そのものを顧客にアレンジし、あるいは、顧客の潜在ニーズを引出し、商品そのものを磨きあげるためのサポートをしてゆくことが重要なのではないかと思う。サービスはなかなかとらえどころがない概念であるが、このように考えると、サービスもとらえやすくなり、実は、メーカーそのものの本来もつ機能そのものであるといえる。メーカーの使命が商品開発にあるというのは、サービスの観点からいっても本質を射ているといえる。

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February 28, 2012 in CRM、FSP | | Comments (0) | TrackBack (0)

February 23, 2012

カスミ、SNS(Social Networking Service)へ動くか?

   食品スーパーマーケットで異変が起きつつある。2/22の日経新聞、電子版で、「ソーシャルメディアで経営改革、老舗食品スーパーの決断」という見出しの記事が掲載された。すでに、私のFacebookのウォールにも、「いいね!」を入れているので、ご存知の方も多いと思うが、興味深い内容である。特に、この経営決断をしたのが、茨城県の老舗の食品スーパーマーケット、カスミであり、しかも、その経営者、71歳の小浜裕正会長であるとのことで、2重の驚きである。これまで、SNS(Social Networking Service)と食品スーパーマーケットとはあまり関係がないのではないかと思われていた。さらに、70歳を超えたご高齢の方が、SNSに関心を示し、しかも、食品スーパーマーケットの経営戦略に組み込もうという発想自体がなかったといえる。仮に、これが何らかの形になり、さらに、カスミの経営改革につながってゆけば、画期的なことであるといえ、今後の動向が気になるところである。

   記事の中では、冒頭に小浜会長のインタビュー内容が紹介されている。特に、印象深いのは、「ツィッターやフェイスブックでお客様や社員の声に耳を傾け、対話し、真の顧客志向の経営へと変革する。「ソーシャルシフト」に書かれている事例を知り、カルチャーショックを受けた。何を言ってるんだと思われるかもしれないけれど、それほど立ち遅れていた。地べたに這いつくばって汗水垂らし、お客様に頭を下げていればいいんだと、ずっと思ってやってきたから」とのことで、71歳の小浜会長がカルチャーショックを受けたとのことである。

   そして、「我々はお客様の声を聴くといいながら、じつは何も聞いていないに等しかった。本質も捉えることができていない。地域の生活者との接点のあり方を根本から変えないと、過去の経験との積み上げだけではこの先、生き残るのは難しい。ただ分かってはいるけれど、どうすればいいのか。悶々(もんもん)としていたというのが正直なところです」と述懐している。カスミという食品スーパーマーケットだけでなく、日本の食品スーパーマーケットの歴史そのものともいえる71歳の小浜会長の言葉だけに、重みがある。

   そして、ここからがすごい。経営者としての矢継ぎ早のアクションを起こす。「僕はフェイスブックもツイッターもやっていない。その世界はまったく疎い。けれども、本の内容が、カスミの目指すべき方向と同じだとはわかった」とのことで、社内での読書勉強会を小浜会長が先頭にたって毎週火曜日、朝7時、定例役員会の前に開いたという。参加者は定例役員会議に参加する執行役員以上の16人だという。昨年12月から、今年1月まで計7回開いたという。その時の第2回目の読書勉強会の写真が、日経新聞に掲載されているが、この時はカスミのロジステックとSNSを議論したもののようであるが、資料への熱心なメモ書きがあり、SNSを必死で理解しようとしている気迫が伝わり、臨場感あふれる写真である。

   では、小浜会長は、何を狙って、カスミの全役員にSNSを勉強させたかであるが、日経新聞によれば、その狙いは2つあるとのことである。「思想を共有すること」と「役員に現場の邪魔をさせないこと」であるという。

   はじめの「思想を共有すること」とは、「生活者の知識、知恵との「交流」をいかに工夫して実践するか。双方の知恵の交流からしか、新しい価値は想像できない。そのために、生活者との新しい関係を作り上げることが「ソーシャルシフト」だと思っている。何も道具を勉強したいわけじゃない。思想を勉強したかった。」とのことである。

   そして、もうひとつ、「役員に現場の邪魔をさせないこと」については、「何が世の中で起きているのか。どういう手段があるのか。我々経営層が最も疎い。せいぜいメール。自分の物差しで物事も見ているから、フェイスブックの認識すらない。だから、若手がソーシャルメディアを活用した取り組みを提案しても、上層部が否定して潰しにかかる。少なくとも理解をし、邪魔をしてはならないという気持ちを役員に持たせたかった。」とのことである。そして、現在、この2月中旬、「ソーシャル推進室(仮称)」の設置を決め、具体的にソーシャルメディアをどう活用するか。社員にどう浸透させ、顧客とどう向き合うべきかを、数人のメンバーを軸に3月から検討してゆく。」とのことである。

   このように71歳の小浜会長率いる、老舗の食品スーパーマーケット、カスミがこの3月からソーシャル推進室を立ち上げ、本格的にSNS(Social Networking Service)に取り組むとのことである。奇しくも、食品スーパーマーケット業界はPOSからID-POS分析の時代へと大きく舵を切り、顧客IDの購入履歴にもとづいた真の顧客の声に耳を傾けたマーチャンダイジングの構築に入りはじめている。その意味で、カスミの今回のSNSへの取り組みが、いずれ、ID-POS分析と融合し、顧客の声に基点をおいた真のマーチャンダイジングの構築、そして、経営改革につながってゆくかのではないかと思われる。カスミには、是非、SNSをとことんつきつめ、食品スーパーマーケットにとっての新たなパラダイムを切り開いて欲しいところだ。


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February 23, 2012 in CRM、FSP | | Comments (0) | TrackBack (0)

February 22, 2012

顧客満足度って何だ?

   前回のブログで、Facebookのリスクファクターを取り上げ、これがID-POS分析と密接な関係があることを解説した。特に、Fecebookの掲げるリスクファクターのNo.1は、ID-POS分析の根幹指標のひとつ、ID客数を表している内容であるが、実は、ここには、さらに重要な課題が潜んでおり、改めて、このリスクファクターのNo.1の項目を取り上げてみたい。その重要な課題とは顧客満足度にかかわることであり、それが経営と直結する強い因果関係があるという点である。

   そこで、改めて、Facebookの掲げるリスクファクター、No.1であるが、「If we fail to retain existing users or add new users, or if our users decrease their level of engagement with Facebook, our revenue, financial results, and business may be significantly harmed. 」というものである。

   読めば読むほど、含蓄のある文章であり、これひとつで、ID-POS分析の本質が語れる内容といえよう。通常、食品スーパーマーケットで顧客満足度というと漠然としており、具体的な数字を示すことはあまりない。実際、顧客満足度を数値化するには難しい面があり、最後は顧客に聞けということになりかねない。しかも、もっと漠然としているのは、顧客満足度と経営との関係である。だから、何だとなりかねず、顧客満足度と経営との関係はあやふやな場合がほとんどである。 

   仮に、顧客満足度を通常のPOS分析から導こうとうすると、恐らく、PI値が最も近い数字となろう。PI値は金額PI値=PI値×平均単価であるので、さらに、平均単価との関係もあり、PI値を顧客満足度として捉えた場合は、当然、上の式から平均単価との関係も検討せざるをえなくなる。以前、私自身もPI値を顧客満足度の指標のひとつとして、本を出版したことがあるが、その時は、まだ、ID-POS分析の時代に入っていなかったため、ここまでが限界であったが、当時、このPI値を活用して、どこまで顧客満足度に迫ることができるかに挑戦した。

   そして、10年、時は流れ、いまやPI値もID-POS分析、ID-PI値の時代に入り、改めて、この顧客満足度に対して真剣に向き合う場面に出くわしたといえる。それが、このFacebookのリスクファクター、No.1である。このFacebookの提示したリスクファクターは明確に顧客をIDとして捉えており、しかも、それは実際に把握可能であり、数値化できるといえる。はじめのif文で、ID客数を既存顧客IDと新規顧客IDとの2つに分けており、ID客数としての認識が明確である。これは、ID-POS分析特有の購入頻度、リピート概念がすでに組み込まれているといえる。単に顧客とした場合は、これまでのPOS分析と区別がつかなくなりかねないが、既存と新規に顧客を分けることにより、この時点で頻度が発生し、ID-POS分析となり、Facebookでは明確にID-POS分析を志向していることがわかる。

   そして、次のif文でfacebookと顧客との関係をいっており、これこそ、頻度そのものといえよう。Facebookの最大の売りは訪問頻度である。全世界8.5億人の莫大な数に注目が集まるが、実はもっとも重要な数字は、その中の約60%のdailyユーザーであり、いかに訪問頻度が高いかが最大の売りであるといえる。したがって、この訪問頻度が落ちた時、Facebookの魅力、すなわち、顧客満足度が落ちるといっており、結果、既存顧客が離れ、新規顧客獲得もできなくなる懸念を述べているといえよう。

   これが、まさに、Facebookでは顧客満足度の指標といってもよく、顧客とFacebookの訪問頻度、そして、それがもたらす既存顧客IDの数、新規顧客IDの獲得の数である。したがって、Facebookにおいては、顧客満足度は、まずはFacebookとの訪問頻度に表れ、それが、既存顧客のID数に反映され、さらに、新規顧客獲得のID数に影響するという図式であり、明確な顧客満足度の指標として数値化ができていることになる。ID-POS分析でいえば、レシート客数=ID客数×ID客数PI値となり、さらに、このID客数を既存顧客と新規顧客に分け、正確にはレシート客数=(既存顧客ID+新規顧客ID)×(ID客数×ID客数PI値)となろう。

   そして、後半の文では、いったいこれがどのようなリスクになるかを明示している。すなわち、収入、財務、ビジネスに重大な影響を与えかねず、経営全体をゆるがしかねないと、経営との関係を明確にしている。したがって、顧客満足度そのものが経営と直結していることをはっきり述べており、しかも、ここでの顧客満足度は、ID-POS分析でいうID客数であり、その中身、頻度であり、さらに、既存顧客IDと新規顧客のIDであると明確に定義しているといえる。

   ID-POS分析はその意味で、顧客IDを基点に置く分析であり、実は、これまでのあいまいであった顧客満足度をID客数で指標化し、さらに、その中身を既存顧客ID、新規顧客ID、そして、頻度とに分けることによって、経営と直結することが可能となる指標であるといえよう。今回、Facebookのこのリスクファクター、No.1では、まさに、このことが数式は使っていないが、ID-POS分析の基本方程式どおりに論じられており、しかも、これが経営と直結し、ここをしっかりおさえないと顧客満足度が単に落ちるだけでなく、それがそのまま経営危機に陥ることを示しているといえる。ID-POS分析もその意味で、今後はID客数をしっかりととらえなおし、経営との関係、経営へ与えるインパクトを正確に推し量り、そのインパクトを認識した上で活用してゆくべきものであるといえよう。

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February 22, 2012 in CRM、FSP | | Comments (0) | TrackBack (0)

February 21, 2012

FacebookのリスクファクターとID-POS分析!

   現在、食品スーパーマーケット最新情報のプレミアム版で新たな連載をはじめた。テーマは「ID-POS分析で店舗をSNS化、PeopleとBrandを融合せよ!」であり、ID-POS分析の活用方法の恐らく、今後決め手となるであろう「店舗のSNS化」を目指して、その課題の整理をしているところである。その中で、前回の回、その2から、いまや、SNSの代名詞ともいうべきFacebookを取り上げている。そこで、取り上げた内容の中で、Facebookのリスクファクターについて解説したが、ID-POS分析を理解するには、極めて重要な内容であるので、改めて、その一部であるが、ここで取り上げてみたい。

   以前、本ブログでもソフトバンク、ドコモ、auがすでにID-POS分析を実施しており、ARPU(Average Revenue Per User)という指標が経営指標として活用されており、それがID-POS分析ではID金額PI値、すなわち、顧客ID当たりの売上高であることを解説した。そして、現在、スマートフォンの急激な普及により、音声ARPUからデータARPUの時代へと移り、ここへの経営資源の集中が今後の各社の盛衰を握るということを解説した。

   ところが、さらに、ID-POS分析に特化し、それを経営戦略にまで組み込んでいるのが、Facebookであることが、Fecebookの上場申請書を丹念に読みこんでみてわかった。FacebookというよりもSNSそのものがそうであるといえ、SNS=ID-POS分析であるといえる。したがって、今後、SNSの経営戦略を理解することは、ID-POS分析を通じて経営戦略を構築してゆくことにつながる課題であるといえ、この点からもSNSとID-POS分析は実に相性がよく、食品スーパーマーケットとしても、SNSの動向、経営戦略を真摯に学ぶ必要があろう。

   では、それがFacebookの上場申請書のどこに隠されているかであるが、リスクファクターである。Facebookが上場申請にあたり、自らリスクを開示しているが、数10項目に渡るリスク開示であり、その中に、ID-POS分析と直接関係するものがある。No.1、No.2のまさに冒頭のリスクファクターである。

   その第1番目に掲げているNo.1のリスクファクターであるが、「If we fail to retain existing users or add new users, or if our users decrease their level of engagement with Facebook, our revenue, financial results, and business may be significantly harmed. 」というものである。ここでは、既存客の維持と新規顧客の獲得ができない場合は、ビジネスそのものに直結する大きな打撃となるといっており、顧客を最も重要な要素と位置づけている。これは、食品スーパーマーケットと全く同じ構造であるといえ、まさに、ID-POS分析のテーマ、既存顧客の活性化と新規顧客の獲得が最優先での経営課題であることと同じ認識といえる。

   ID-POS分析は通常のPOS分析と違い、レシート客数ではなく、ID客数が基点となる分析であり、既存のID客数の動向と新規のID客数の獲得が明確に把握できることが最大の特徴といえる。SNSの世界は、これを見る限り、はじめからID-POS分析を実施しており、しかも、ID-POS分析のはじめの数字、ID客数の動向を最も重視していることが、リスクファクターのNo.1に掲げていることからもわかる。

   次に、No.2であるが、「We generate a substantial majority of our revenue from advertising. The loss of advertisers, or reduction in spending by advertisers with Facebook, could seriously harm our business. 」とのことである。広告がFacebookの収益源であるので、ここに何らかのダメージがあると、Facebookそのものに大きな影響があるとのことである。Facebookの売上高は、すでに、本ブログでも解説したが、37.11億ドルであり、日本円では、約3,000億円ぐらいとなる。その大部分が広告収入で賄っているので、ここがまさに、リスクファクターそのものとなる。

   ちなみに、顧客数が8.5億人であるので、いわゆるID金額PI値は約350円となる。Facebookの広告収入は顧客1人当たり約350円であり、ID-POS分析で見ると、売上高=ID客数×ID金額PI値であるので、約3,000億円=約8.5億人×約350円となる。したがって、これまでの2つのリスクファクターは、まさに、このID客数とID金額PI値のことをいっているといえ、どちらにダメージがあっても売上高が減少し、経営に大きな影響を与えるリスクが高いということになる。

   それにしても、ここでFacebookが掲げたNo.1、No.2のリスクファクターが、ID-POS分析では売上高=ID客数×ID金額PI値のID客数とID金額PI値にあたり、まるで、ID-POS分析のレクチャーを受けているような印象である。将来、食品スーパーマーケット業界は、ID-POS分析が主流の経営分析手法となってゆくものと思うが、その時、まず、学ぶべきは、このFacebookの事例のように、はじめからID-POS分析で経営のリスクファクターを認識しているSNS業界ではないかと思う。

   Facebookとしては、いかにFacebookそのものの価値を上げられるか、その価値を上げることで、顧客は離れず、新たな顧客を生み出し、結果、広告収入が増えることになるといえる。まさに、ID-POS分析そのものといえ、ID客数とID金額PI値で売上高が決まる世界といえる。

   こう見ると、SNSは、もはや食品スーパーマーケットとは別の世界、ヴァーチャルとリアル、対極の世界ではなく、ID-POS分析を共有する同士であるといえ、双方がお互いにノウハウをID-POS分析を通じて交換でき、ともに発展してゆける経営構造であるといえよう。残念ながら、現段階ではID-POS分析に関しては、SNSの方がはるかに進んでいるといえるので、食品スーパーマーケットとしては、SNSから謙虚に学び、来るべきID-POS分析の時代に備えることが現実的であるといえよう。ただ、一旦、食品スーパーマーケットもID-POS分析を修得すれば、SNSへ逆輸出も可能であり、将来は相補いながら、ともにリスクを認識し、発展してゆくべき関係となるといえよう。

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February 21, 2012 in CRM、FSP | | Comments (0) | TrackBack (0)

February 15, 2012

物語りとID-POS分析、Facebook!

   ここ最近、ID-POS分析を関係者にいかに理解していただくかを考えている。それには、様々なアイデアがあるが、ここ最近のおすすめはSNS(Social Networking Service)を体感すること、これがID-POS分析を理解する上で早道に思えるようになった。実際、私自身も、ここ最近Facebookをはじめたが、これまでコミュニケーションをあまりとれなかった友達とFacebookでとれるようになり、その後、実際に会う機会も増えている。また、思いもかけなかった友達からのリクエストがくるなど、まさに、友達の輪が広がりつつあるのが現状である。

   余談だが、ITとICTという言葉がある。ITはInformation Technology であり、ICTはI、informationとT、Technologyの間にC、Communicationが入ったものであるが、SNSはこのC、Communication がむしろ本命であるといえ、ITよりもICTの方がぴったりくる感じである。ITは本来、人間の手助けをするツールであり、人間は突き詰めれば、Communication を通じて絆を深めてゆくものであるので、Communication が間に入ったICTの方がITよりも深みがあるといえよう。実際、すでに、総務省などもITからICTという使い方を意識的に使用していることからも、今後、SNSはITではなく、まさに、ICTそのものとなってゆくのではないかと思える。

   さて、今回のテーマ、物語とID-POS分析であるが、ここ最近、Facebookでもタイムラインが登場し、Facebook上の友達が使い始めている。この発想はびっくりした。これまで、Facebookは空間をひたすら追いかけるICTであるといえ、実際、Facebookの上場申請書を見ても、845milion(8億4,500万人)が月間アクティブユーザーであり、地球全体を包み込む勢いで、空間が広がっているといえる。個人で見ても、友達が数人の時から、数10人となり、50人、そして、100人を超え、300人、500人、中には1,000人近い友達もいる。全世界 845milion(8億4,500万人)の平均の友達が100人ぐらいとのことであるので、誰でも、100人ぐらいまでは空間が広がってゆくといえよう。

   問題は、その後、どうなるかである。当然、Facebookが空間を制すると、これは個人でもそうだが、一通り100人ぐらいの友達がFacebook上にできると、そこで拡大はとまり、恐らく、Facebook自体の成長もとまる可能性が高いといえよう。

   こう考えると、タイムラインの機能は、空間に対して、時間という概念を入れた新たな機能であり、一通り友達をつくり、これ以上、あまり、友達が増えなくなった時に、次に何を求めるかに応えた機能であるといえよう。これまでのFacebookの画面をタイムラインに切り替えることで、自分の物語りがはじまるからである。生れてから、現在までの友達関係、発言、実績、軌跡が時間ごとに整理され、現在と過去がつながり、そして、未来へつながってゆくことになる。当然、過去を振り返らない場合は、現在から未来へ向けてのタイムラインができ上がり、それはそれで、これまでの空間の拡大を追い求めていたことから、時間、中身、すなわち、その履歴を追い求めるようになり、より、自分を友達とのコミュニケーションの中で磨いてゆくことになろう。

   実は、これこそ、ID-POS分析を理解する鍵であるといえ、ID-POS分析を理解するには、これまで、なかなか一筋縄ではいかなかったが、このような空間の広がり、そして、時間の深さの違いを理解することが分かりやすいのではないかと思った。ID-POS分析は瞬間の分析ではない。時間の分析、1人1人の商品の購入履歴の分析であり、しかも、少なくとも過去1年、できれば、過去数年は顧客の購入履歴を洗い直したいところであり、これは、まさに、Facebookのタイムラインに切り替えることと同じことであるといえる。

   1つ1つの商品には、1人1人の購入顧客がおり、その1人1人の購入顧客には、その商品と出会い、次に、またその商品を購入し、さらに、購入をつづけてゆき、現在にいたるという歴史、物語りがある。すべての商品、1品1品、それぞれの購入顧客1人1人にその物語が存在しており、この物語りを理解し、これを前提に商品1品1品と顧客1人1人の絆をいかに深められるかがID-POS分析の目的そのものであるといえよう。

   そして、その結果、商品と顧客との絆が深まり、売上げが上がり、利益が顧客1人1人によって、商品1品1品からもたらされることになる。これがID-POS分析を理解するポイントではないかと、Facebookをやってみてわかってきたことである。Facebookでは売上げも利益もない、逆に、これを持ち込むことはご法度である。Facebookの目的は、友達とのコミュケーション、これ以外にないといえよう。そして、そのコミュニケーションを通じて自分をいかに磨き、輝かせるかである。

   ID-POS分析も全く同様、商品1品1品と顧客1人1人との絆を、ダイレクトに顧客に働きかけたり、商品を通じて、POP、クロスマーチャンダイジングなど間接的に働きかけたりしながら、商品を磨いてゆき、商品を輝かせてゆくことであるといえる。そのためにも、ID-POS分析を通じて、まずは、顧客の物語り、購入履歴を少なくとも過去1年は振り返って、耳を傾け、商品との絆をいかに深めてゆくかを考えてみたいところだ。ID-POS分析はその意味で、瞬間を見るのではなく、顧客の物語り、時間を追いかけ、顧客の購入履歴、すなわち、深さを追究してゆくことに、その本質があるといえよう。

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February 15, 2012 in CRM、FSP | | Comments (0) | TrackBack (0)

February 14, 2012

Facebook、上場申請書を見る、財務健全!

   845milion(8億4,500万人)、2.7bilion(27億回)、250milion(2億5千万回)、そして、100bilion(1,000億人)、これがFacebookが上場申請した冒頭の数字である。はじめの845milion(8億4,500万人)が月間アクティブユーザー、すなわち、月1回はFacebookを利用している世界の人数である。次の2.7bilion(27億回)が1日当たりのいいね!と、コメントを入れている人数、250milion(2億5千万回)が1日の写真のアップロード数、そして、100bilion(1,000億人)が友達の数である。そして、もうひとつ、次にあるのが、世界地図であり、そこにOUR MISSIONとして、「To make the world more open and connected.」と掲げられている。もっとオープンでつながりのある世界を創ること、ということになろうか、この2つのスライドを掲げ、次から本論となる。

   ちなみに、月間のアクティブユーザーが8億4,500万人であるので、この数字を100bilion(1,000億人)の友達数から除すと、PI値が算出されるが、118.34人となり、これが全世界平均のFacebookのアクティブユーザー当たりの友達の数に近いといえよう。私も最近、Facebookを始めたが、まだ、100人まで友達はいっていないので、平均以下であり、平均100人を超えるのはすごい数である。それだけ、Facebookに、世界中の人々がしっかり向きあっているといえよう。さらに、目次の後になるが、過去12年間のFacebookの月間アクティブユーザーと毎日Facebookを見ているデイリーユーザーのグラフが掲載されているが、デイリーユーザーは4億8,000万人であるので、月間アクティブユーザーから割ると、56.80%、約6割がデイリーユーザーである。いかに頻度が高いかがわかる。私も、ここ最近はデイリーユーザーとなっているが、いまや、Facebookが日課となっている人々がいかに多いか、それだけ、いまでは魅力的な存在となったといえよう。

   さて、では、FacebookのP/L(損益計算書)であるが、まずは営業収入、2011年12月決算時であるが、37.11億ドル(昨対187.99%)である。その内訳であるが、84.99%が広告収入であり、それ以外が約15%となる。ビジネスの中身は、google同様、FacebookもWebでの広告代理店であるといえよう。そして、経費であるが、19.55億ドルであるので、営業収入比は52.68%であるので、結果、営業利益は47.32%となる。すごい利益率である。ちなみに、経費は大きく4つに分かれており、営業費用23.38%、マーケティング費用11.50%、研究開発費10.45%、そして、一般管理費7.54%となる。したがって、マーケティングと研究開発費が21.95%、8.14億ドルと莫大な金額を成長戦略に配分しているといえる。

   そこで、FacebookのCF(キャッシュフロー)であるが、まずは営業活動によるキャッシュフローは15.49億ドル(昨年6.98億ドル:221.91%)であり、大きく増加している。そして、この増大したキャッシュをどう配分しているかであるが、投資活動によるキャッシュフローを見ると、-30.23億ドル(昨年-3.24億ドル:933.02%)と、急増し、営業活動によるキャッシュフローを大きく上回っている。なぜ、これほどキャッシュを投資したかであるが、その中身は有価証券の購入であり、これに-30.25億ドル(昨年0)と、これが大きい。小売業であれば、投資活動によるキャッシュフローの大半は新規出店をはかるために土地、建物、敷金保証金等に配分するが、FacebookはWeb広告事業であるといえ、M&A等の有価証券への投資が大きいのが特徴であり、逆に、これが、小売業の新規出店の役割、成長戦略を支えているといえよう。

   結果、フリーキャッシュフローは差し引き-14.74億ドル(昨年3.74億ドル)とプラスからマイナスへと転じた。したがって、このキャッシュを埋めるために、財務活動によるキャッシュフローを見ると、11.98億ドル(昨年7.81億ドル)を調達しているが、それでも足りず、結果、内部留保、キャッシュを取り崩している。ただ、キャッシュは17.85億ドルと豊富にもっているので、-2.73億ドルの取り崩しであり、結果、15.12億ドルのキャッシュが残ったといえる。なお、財務活動によるキャッシュフローの中身では9.98億ドルの株式の収入が大きかったといえる。

   そこで、B/S(貸借対照表)であるが、キャッシュは15.12億ドル(昨年17.85億ドル)と総資産が63.31億ドル(昨年29.90億ドル)であるので、23.88%とかなりの比率である。また、純資産は48.99億ドル(昨年21.62億ドル)であるので、総資産に占める割合は77.38%(昨年72.30%)となる。しかも、現金比率も高いといえ、有利子負債も0であり、超健全な財務状況にあるといえる。ちなみに、資産は何かであるが、最大の資産は有価証券であり、23.96億ドル(昨年23.96億ドル)であり、これについで、先のキャッシュ、そして、土地、建物14.75億ドル(昨年14.75億ドル)となる。

   このように、Facebookの上場申請書を見ると、Facebookの実像がはじめて公になったといえ、改めて、Facebookとはビジネスとしては、Web広告事業であり、極めて成長性も高く、財務状況も超健全であることがわかる。そして、その豊富なキャッシュの大半を有価証券、恐らくWeb事業会社と思われるが、それが資産となると同時に、次の成長戦略をもたらしていると思われる。今後、今年5月前後には上場申請が通ると思われるが、その後、Facebookが「To make the world more open and connected.」へ向けてどのような方向性を打ち出すか注目である。

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February 14, 2012 in CRM、FSP | | Comments (0) | TrackBack (0)

February 08, 2012

クックパッド、日経ヴェリタス2/5で特集、ID-POS分析!

   2/5の日経ヴェリタスでクックパッドが特集された。興味深い内容であり、食品スーパーマーケット業界とも、ここへ来て、密接な接点が発生している。特に、記事の中で興味深いのは、昨年12月から食品スーパーマーケット7社と共同でID-POS分析を用いて、クックパッドの会員と食品スーパーマーケットの会員とのIDを通じて連携をとり、クックパッドの会員にその食品スーパーマーケットで購入した顧客限定のレシピを提供するサービスをはじめたとのことである。

   これにより、食品スーパーマーケット側は、これまでのように顧客の購入履歴がわかるだけでなく、その顧客とクックパッドの会員が共通の場合は、その会員の購入属性が把握でき、様々な販売促進に活用ができるようになるとのことである。さらに、特別のレシピをその会員限定で提供ができるため、ポイント、キャッシュバックに加え、会員への新たな限定サービスが可能となり、食品スーパーマーケットにとってはひとつ会員にとっての価値が加わるサービスとなろう。

   もちろん、食品スーパーマーケットの顧客とクックパッドの会員とがどのくらい重なっているかにより、サービスの効果が違ってくるが、恐らく、食品スーパーマーケット内でクックパッドの告知をすることにより、食品スーパーマーケットの顧客がクックパッドの会員になってゆくことが容易に想像できる。数年後にはかなりの食品スーパーマーケットの顧客がクックパッドの会員となり、サービスレベルが飛躍的に改善してゆくことも考えられよう。

   ちなみに、この食品スーパーマーケットとはオークワ、関西スーパー、東急ストア、サニーマート、にしてつストア、ヤマナカ、たいらやであり、合計店舗数は462店舗となるという。実は、この業務提携が実現した背景には、日経ヴェリタスでは触れていないが、もう1社キーカンパニーがある。アイディーズである。アイディーズは文字通り、ID-POS分析に特化したIT企業であり、全国の食品スーパーマーケット33チェーンと提携し、そのID-POS分析をもとに様々な販促サービスを提供している。

   その中で、この7社がクックパッドとの提携に踏み切ったといえる。よく見ると、首都圏から東急ストア、たいらや、近畿圏から関西スーパー、オオクワ、中京圏からヤマナカ、九州圏からにしてつストア、四国圏からサニーマートが入っており、東北、北海道、北陸はないが、全国の消費者を視野に入れた食品スーパーマーケットの選定となっており、クックパッドの会員の多い地域でもあると思われるが、お互いが今後の全国へ向けてのマーケティング戦略を強く意識しているといえよう。

   そこで、改めてクックパッドの経営の現状を見てみたい。まず、ここ最近の動向であるが、「平成9年10月の設立から約12年を経た平成21年7月17日に東京証券取引所マザーズ市場に上場し、この度設立15周年という節目に東証第一部への市場変更をすることができました。」と、昨年の12/15に東証一部への上場を果たしている。では、最新の決算結果はどうかであるが、昨年の12/2に公表された2012年4月期の中間決算であるが、売上高18.17億円(17.6%)、営業利益8.78億円(1.5%)、経常利益8.46億円(-1.2%)、当期純利益4.62億円(0.6%)となり、営業段階では増収増益、特に、売上高が大きく伸びている。

   クックパッドは、事業を大きく3つに分けて経営管理しており、その中身を見ると、クックパッドの根幹事業である会員事業が売上高11.00億円(構成比60.53%:44.5%増)、その中でも、「スマートフォン向けサービスを中心としたモバイルサービス強化に注力しております。」とのことで、スマートフォン関連が会社全体を牽引しているとのことである。iPhoneアプリ300万ロード、Android端末向けアプリ150万ロードとのことで、すごい勢いである。次がマーケティング支援事業部門であり、5.34億円(構成比29.38%:5.7%減)であるが、ここが今回の食品スーパーマーケット7社との新たな販促を担う事業部である。やや厳しい状況といえ、今後、この事業が成長の鍵を握っているといえよう。そして、3つ目が広告事業部門であり、1.81億円(構成比9.96%:16.2%減)と、ここは苦戦している。

   また、日経ヴェリタスによれば、クックパッドは月間1,575万人が活用し、その主要顧客は20代から30代の女性であるという。したがって、食品スーパーマーケットの中でも比較的若い世代へのマーケティングが中心となるといえ、今回、大都市圏で展開している食品スーパーマーケットが選ばれたともいえよう。食品スーパーマーケットの客層は40代、50代、60代の主婦であるので、ややズレがあるといえるが、このギャップをどう埋めるかが課題となろう。

   このように、クックパッドというIT企業、インターネット事業、日経ヴェリタスでは知識共有サイトという位置づけとなり、オウケイウェイヴ、ロケットスタート、オールアバウト、ぐるなび、カカクコム等が主な企業であるというが、食品スーパーマーケットというリアルの企業と提携するということが実現した。しかも、そのポイントはID-POS分析の専門企業アイディーズが仲介しているといえ、ID-POS分析はその意味で、ヴァーチャルとリアルを結びつける大きな可能性を秘めているといえよう。改めて、ID-POS分析の可能性を感じる興味深い記事である。

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February 8, 2012 in CRM、FSP | | Comments (0) | TrackBack (0)

February 05, 2012

ID-POS分析における顧客の切り口を考えて見る!

   ここ最近、ID-POS分析にかかわる機会が増え、様々な商品を分析している。ID-POS分析の分析期間は基本1年である。なぜなら、商品の購入顧客は大きく3つに分かれ、weekly顧客、monthly顧客、yearly顧客に分かれるからである。yearly顧客があまり多くなければ期間は数ケ月に絞っても良いと思うが、食品スーパーマーケットのほとんどの商品では50%から60%を占めるケースが多く、この顧客も商品の売上げを形成する上で重要な顧客だからである。そこで、ここでは、この顧客の切り口について、改めて、ID-POS分析ではどのような切り口が分析しやすいかを考えて見たい。

   これまで、ID-POS分析では、顧客については、トライアル、リピートという切り口が主な捉え方であり、その商品をトライアルした顧客と、その後、リピートに入った顧客とに分け、商品を分析してきた事例が多い。ここには、分析期間はあまり意識されず、数週間の場合もあれば、数ケ月の場合、そして、時には1年の場合もあったが、主な期間は数ケ月であったといえよう。要は、その商品のトライアル顧客であるか、リピート顧客であるかが分かればよく、結果、トライアルをいかに発生させるか、そして、トライアルをいかにリピートにつなげ、さらには、リピートをよりリピートにしてゆくかという、商品中心のマーチャンダイジング戦略を考えてきたといえる。

   ところが、実際に様々な商品で分析して見ると、このトライアル、リピートだけでは顧客の購買動向を捉えきれない面があることが分かってきた。トライアル、リピートは確かに商品を分析するためのひとつの切り口であるが、顧客を分析するにはそれだけでは不十分であり、もうひとつ、切り口を追加する必要があるということである。その切り口が、さらに顧客の購買行動に踏み込んだ、顧客1人1人の購入履歴をつぶさに把握する視点である。当然、これは一瞬の分析ではなく、それなりの長い期間を見る必要がある、すなわち、時間という視点である。この時間を組み込むことにより、トライアル、リピートはID-POS分析に新たな世界をつくり、商品から顧客、すなわち、マーチャンダイジングからマーケティングへと戦略転換が可能となる。

   このように、これまでのID-POS分析の戦略転換ができることにより、本ブログでも取り上げたSNS(Social Networking Service)の世界とのリンクが可能になると同時に、店舗、そのものもSNS化してゆくことにより、顧客と商品との接点が広がり、かつ、その接点をもとに、顧客と商品とのコミュニケーションが広がってゆくことになる。これが、ID-POS分析がもたらす新たな顧客の切り口といえよう。

   ただ、現時点では、SNSは店舗外、イネターネット上にバーチャルで行われており、リアルの店舗との接点は薄いといえる。最近、食品スーパーマーケットが本格的に取り組みはじめたネットスーパー、あるいは、生協が以前から取り組んでいる宅配にしても、リアルの店舗との融合はなかなかうまくいっていないといえる。また、SNSの代表格ともいうべき、facebookにしても、google+にしても、リアルの店舗との連動は大きな課題となっており、ここ最近、様々な試みがはじまったに過ぎない。

   したがって、ID-POS分析が深化し、マーチャンダイジングからマーケティングが可能となり、顧客1人1人の購入履歴が商品ごとに把握できるようになってきているにも関わらず、店舗とSNSとの連動が中々うまくはかれず、現時点では、平行線となっており、顧客との接点、そして、コミュケーションがうまくはかれないのが実態といえる。

   そこで、解決方法がないかであるが、そのひとつの可能性が、店舗をSNS化することであろう。逆に、SNSに店舗を出店することも、もちろん考えられるが、これは店舗に実際に来店している顧客をSNSに誘導し、そこで、密なコミュニケーションをとり、結果、店舗の売上げを上げてゆこうということである。実際に、ウォルマートが全米の店舗の1店舗1店舗、全店のfacebookをつくり、現在、試みられているが、これも確かにひとつの方法であろう。ただ、そうするのであれば、先に、店舗をSNS化した方が早いといえ、その方が、ID-POS分析を縦横無尽に活用することができ、店舗そのものの活性化にもつながり、さらに、活性化を超え、店舗そのものが大きく変わってゆき、より、顧客にとって心地よい快適な店舗になってゆくのではないかと思う。

   これまでのPOSデータだけでは、結果、売れた、売れないしか把握できず、もっと売ろう、売り込もうという発想になってしまったといえるが、ID-POS分析では、商品ごとに年間の購入顧客すべての詳細な履歴が把握できるために、少なくともweekly顧客、monthly顧客、yearly顧客の3つに分けて顧客に対してどのように継続購買をしていただくかという発想になり、無理に売り込むことが顧客にとって、けっして快適なことではないことが明らかになる。したがって、自然に顧客が店舗で快適に買い物ができ、気づいたら商品、そして、店舗のファンとなり、yearlyがmonthlyに、monthlyがweeklyになってゆくような、様々な試みがSNSの世界のように、実際の店舗で具現化されることが、ID-POS分析時代の新たな切り口であり、それが結果的に店舗の活性化につながってゆくことになろう。

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February 5, 2012 in CRM、FSP | | Comments (0) | TrackBack (0)

February 01, 2012

People=Brand、時間=価格を考えて見る!

   ここ数日、SNS(Social Networking Service)とID-POS分析について取り上げているが、前回までの結論は、People=Brandであり、SNSは人を中心に友達の輪がいくつかのグループをつくりながら広がってゆき、その輪の広がり方は、Strong ties(強い絆)、Weak ties(弱い絆)、Temporary ties(一時的な関係)と同心円状に広がってゆくということであった。これに対して、ID-POS分析は、Brandを中心に顧客の輪が同じように同心円上に広がってゆき、その輪の広がりは、weekly ties(週間の絆)、monthly ties(月間の絆)、そして、yearly ties(年間の絆)となることを解説した。

   そこで、今回は、このPeople=Brandとの関係について、もう少し、掘り下げてみたい。この関係が概念上だけでなく、実際に=(イコール)、ないしは、→(方向)を示すことができれば、これは、ビジネスに活用できることであり、SNSからリアルビジネスへ、逆にリアルビジネスにSNSを融合させることで、より、リアルビジネスが活性化することになる。ただ、残念ながら、現時点では、この2つの関係、すなわち、People=Brandは概念上のつながりに過ぎず、論理的に結びついているわけではない。その証拠に、facebookもgoogl+も基本、収入源は広告であり、SNSを通じて、企業から得られる広告収入がその大半を占めているといえる。ただ、google+は現時点では、広告は一切ないようで、Googleの広告収入で運営されているようである。

   一方、Brandも購入顧客の履歴を把握できるところまで、ID-POS分析ではできるようになったが、Peopleとの関係がまだまだわからないことが多く、どのように顧客に働きかければ、Brandの購入につながってゆくのかが不明確である。特に、SNSとの関係になると、やっと、ここ最近、各小売業がネットスーパー等に取り組みはじめたことにより、徐々にその関係が明らかになりつつあるが、決定的な決め手があるわけではない。ネットスーパーのサイトが受注窓口となっているのが実態といえ、SNS的な要素は弱いといえる。

   では、この2つの関係、People=Brandを結びつけるキーはどこにあるかであるが、その答えは、時間と価格が鍵を握っているといえよう。これまで、SNSを分析する手法はいろいろ検討されてきたが、SNSをはじめ、インターネットのWebの分析ポイントは時間が鍵を握っているといえる。時間はこれまで、概念としては、マーケティング戦略にも組み込まれてきたが、実際の様々な時間を正確に測定することはできなかったため、理論にまで組み込むことは難しかった。ところがWebの世界では、ほぼ正確に閲覧時間がサイトごとに把握することができる。

   たとえば、Google Analyticsを使うと、サイト1ページごとに平均閲覧時間がわかり、これに、訪問数、ページビュー数を組み合わせれば、時間そのものを、注目度、頻度、滞在時間等に分解でき、あたかもBrandを購入しているような感覚で、時間を購入しているような方程式をつくることができる。これは、Brandを購入する時の売上げにかかわる方程式と全く同じ数式であるが、その違いは、Brandを購入する場合は価格がキーとなるが、時間を購入する場合は、文字通り、時間がキーとなり、この価格と時間を入れ替えるとどちらも、同じ方程式が成立することになり、時間と価格はシンクロナイズしていることがわかる。

   しかも、ID-POS分析では、1回当たりの購入金額、いわゆる客単価は売上げをあげるための手段であり、むしろ重要なのは、頻度であり、この頻度がともなって売上げがあがることが方程式上でも立証されている。これは、時間におきかえれば、1回あたりの友達との関係よりも、むしろ、友達とのコミュニケーション頻度が重要であるといえ、結果、Brandでは売上げがあがり、Peopleでは時間が増大することになる。

   したがって、PeopleからBrandへという流れを作り上げるには、PeopleとBrandとの時間を増大させる仕組みをいかにつくるか、それは、あたかもSNSが取り組んでいる友達を増やし、コミュニケーションを活発にし、結果、1人1人の人間関係が洗われ、磨かれ、輝いてゆくことに他ならないといえる。そして、この輝きの先に、Brandへとつながってゆくのではないかと思われる。

   ちなみに、時間を増やすことは、方程式上からは3つのポイントがある。まずは、1回当たりの滞在時間を増やすことである。次に、頻度をあげることである。そして、注目度をあげることである。ただ、注目度を上げても、先の2つ、滞在時間が短いものや、次にまた来ようとならないものであれば、結果、Temporary ties(一時的な関係)となってしまい、次につながらないので、Brandの価値をいかに高く保てるかが、大前提ではあるといえよう。

   このように、People=Brandは今後、SNSが普及し、当たり前の世界となった場合は、この融合は避けて通れないテーマとなるといえ、PeopleをいかにBrandにつなげてゆくかが重要な課題となろう。その際、キーとなるのは、Peopleは時間、いかに、時間を科学できるかであり、Brandは価格、価格をいかに科学できるかであり、その結果、時間を価格に転嫁できるかがBrand確立の最大のポイントとなろう。SNSのいまの勢い、そして、ID-POS分析の深化を見ていると、この2つ、People=Brand(時間=価格)は、そう遠くない将来に実現するのではないかと思う。

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February 1, 2012 in CRM、FSP | | Comments (0) | TrackBack (0)

January 31, 2012

Google+とPaul Adams氏、そして、 ID-POS分析!

   Google+のサークルという概念は実にユニークであり、この基本概念をもとに、SNS(Social Networking Service)では、Facebookに大きく後れをとっているGoogleが反転攻勢にでたといえる。では、Googleがこのサークル概念の確立、そして、SNS、google+への実現に至る上でのキーパーソンは誰かであるが、Paul Adams氏であるといえよう。彼が、2010年6月にサンフランシスコで開かれたVoices That Matter Web Design Conferenceでのプレゼンテーション資料がネット上に公開されているが、全部で224枚ある。テーマは、「THE REAL LIFE SOCIAL NETWORK」である。この辺の事情は、ITジャーナリスト、大元隆志氏が詳しく報じているので、ここでは、その中身について見てみたい。

   この224枚の中身を見て、感じたことは、SNSは、ID-POS分析と実に共通点が多く、ID-POS分析を理解するには、SNSを理解することが速く、そのためには、体験することが速いということである。特に、google+は現時点では、最もID-POS分析の基本概念に近いSNSであり、これを使いこなすことにより、ID-POS分析を理解し、活用できるのではないかと思った。もちろん、Facebookも、ここへ来て、タイムライン等、対抗策を打ってきており、恐らく、双方が競い合いながら、SNSの世界を極めてゆくことになるので、双方を使いこなし、SNSを実生活で活かしながら、ID-POS分析の基本を学んでゆくのがひとつの方法であろう。

   そこで、まず、ここでは、Paul Adams氏の224枚の中で、ID-POS分析に共通する内容をいくつか取り上げてみたい。Paul Adams氏は、はじめに、「People have multiple independent groups of friends.College friends(life stage),New York friends(Shared experience),Surfing friends(Hobby),Family」と、友達は、いくつかの独立した複数のグループで構成されているというところからスタートし、その事例を、大学の友達、ニューヨークの友達、サーファーの友達、家族などの例をあげている。

   そして、「How real world social networks work.」と、この現実の世界をどのように、ソーシャルネットワークに落とし込むかがポイントであるといい、特に、「People tend to have 4 and 6 groups.」、「Each of which tends to have 2 and 10 people.」、通常、友達は、4から6グループぐらいに分かれ、それぞれは2人から10人で構成されると、分析結果を提示する。さらに、このそれぞれのグループに、Strong ties(強い絆)とWeak ties(弱い絆)があり、さらに、その外にTemporary ties(一時的な関係)という、3つの集合関係が見られるという、google+そのものの基本コンセプトがここで提示される。

   また、この中で、実際の調査結果から、友達の12%がterm friends(言葉上の友達)であり、たった3%がfriends(本当の友達)であり、残り、85%がfriendsとは呼べないと結論づける。そして、特に、この friendsであるStrong tiesは1週間以内にあっているか、電話等で話を交わしているという間柄であるという。

  google+は、この基本概念とそれを裏付ける調査結果をもとに組み上げられたSNSであるといえ、サークルそのものが、個人個人のStrong ties(強い絆)、Weak ties(弱い絆)、Temporary ties(一時的な関係)を自由にくくることができるようになっており、まさに、real worldがsocial networksで実現されつつあるといえる。

   さて、問題は、ID-POS分析との関係であるが、この中のPeopleをBrandに置きかえると、そのままID-POS分析となる。ID-POS分析はまさにBrandを中心において、そのBrandを購入している全顧客の購入履歴を分析し、そこから、Brandの確立をどうはかるかが課題となるが、それは、Paul Adams氏がとなえるSNSの世界と全く同じ構造であり、ほぼシンクロナイズしているといっても良い。

   実際、様々なBrandをID-POS分析にかけて見ると、どんなBrandにも必ず、Strong ties(強い絆)、Weak ties(弱い絆)、Temporary ties(一時的な関係)があり、しかも、Strong ties(強い絆)は、昨年のID-POSセミーでも事例として取り上げたように、約1万人のバナナの購入者を調査した結果、わずか3.5%、しかも、この3.5%は1週間に1回、バナナを購入していることが判明している。また、Temporary ties(一時的な関係)である年間1回しかバナナを購入しない顧客は約60%であり、残りが、Weak ties(弱い絆)、40%弱という結果であった。ほぼ、Paul Adams氏がGoogleで実施したSNSの調査結果と近い構造となっており、ID-POS分析で明らかになりつつあるBrandと顧客の関係は、People個々人の人間関係と同様な関係にあることがわかる。

   したがって、SNSを通じて、人間関係が洗い直され、Strong ties(強い絆)、Weak ties(弱い絆)、Temporary ties(一時的な関係)とのコミュニケーションが磨かれることにより、個人個人が輝きを増すことになろう。これをID-POS分析で見れば、Brandが購入顧客によって洗い直され、Brandと顧客の関係がweekly ties(週間の絆)、monthly ties(月間の絆)、そして、yearly ties(年間の絆)によって磨かれ、輝きをまし、Brand確立が成されてゆくことになろう。まさに、People=Brandであり、SNSをBrand確立に応用でき、同時に、Brandの世界をSNSに応用することもできよう。

   このように、一見、対極にあるSNSとID-POS分析の世界であるが、実は、PeopleとBrandとの違いであり、これを入れかえてもわからないくらい良く似た構造の世界であったといえ、その本質は同じもの、限りなく近い世界であるといえよう。したがって、この両者は今後、ITという共通の技術で双方の研究成果を交換しあいながら、それぞれを高めてゆくことが可能であるといえ、SNSはID-POS分析をID-POS分析はSNSを、お互いに研究しあい、ノウハウを交換し、最終的には融合してゆくことになるのではないかと思う。ちなみに、Paul Adams氏は、昨年1月に、GoogleからFacebookへと活動の拠点を移しており、今後、google+だけでなく、Facebookの動向にも注目といえよう。

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January 31, 2012 in CRM、FSP | | Comments (0) | TrackBack (0)

January 30, 2012

Google+の可能性、AKB48、ID-POS分析とよく似ている!

   ここ最近、Facebookを活用しはじめ、船井総研時代の同僚、慶応大学の村田ゼミの同僚、先輩、後輩、友人、そして、クライアント関係など、様々な方と友達となり、コミュニケーションをはかりはじめた。また、ここ最近では、Facebookのグループ機能を使い、コーチング等にも活用しはじめた。いわゆる、いまはやりのSNS(Social Networking Service)であるが、意外に、日常生活、そして、ビジネスにも活用できるのではないかと実感した。

   このSNSの世界は日進月歩であり、Facebookが先行してはいるが、昨年の6月からスタートしたGoogleが満を持してといって良いと思うが、google+の動きも見逃すことはできない。数日前から、Facebookと並行して使いはじめたが、直観的におもしろいと思った。Facebookを使っていると、どこかのテーマではないが、「友達の友達は皆友達、世界に広げよう、友達の輪」がぴったりのイメージである。とにかく、まずは、友達を広げることが大前提であり、この点ではすごいパワーがあり、圧倒される。ただ、その友達を関係づけるには、グループという機能はあるが、そのグループは友達との共通のグループとなり、グループを自由に作り替えたり、変更したりするのは、グループを作った本人のみであり、意外に使いづらい面があるといえる。

   Google+は、その意味でまさに、この点に戦略を絞っており、グループに対して、サークルという概念を導入し、まさに、Social Networking Serviceの極限を追究したようなつくりとなっているのが特徴である。このサークルは個人個人で自由につくることができ、しかも、誰をサークルに入れるかは個人の自由であり、自分のサークルは自分で管理するので、共有者がわかるが、自分がどのサークルに入っているかはわからない仕組みになっている。したがって、共有したいものとのみ情報を共有すればよく、自らの発言は、自らが作ったサークルの共有者にしか伝わらない仕組みとなっている。極論すれば、共有する相手とサークル名を同じにする必要は全くなく、共有人数も同じにする必要がない。

   ひとつ事例を示せば、仮に友人というサークルを作った場合、Aさんの友人のサークルではBさんがおり、Bさんの友人のサークルではAさん以外にCさんがいてもよく、さらに、サークル名をAさんは友人、Bさんはfriendsとしても、問題ない。要は、Aさんが誰を友人とし、情報を共有するか、Bさんが誰を友人として情報を共有するかが重要であり、サークルは、このように、自由に情報共有をしたい友人とのみ作ればよいといえる。google+には様々な有名人がすでに活用しているが、たとえば、勝間勝代さんのgoogle+を見ると、勝間さんのサークルには1/30現在343人がいるが、勝間さんをサークルに入れている人数は33,903人であり、100倍の違いがある。これは勝間さんと一般公開の情報共有はできるが、親密な情報交流は343人のみであるということであり、これがサークルの最大の特徴といえる。

   では、google+は何で、ここ、すなわち、サークルに照準を絞って、SNSを満を持してスタートしたか、さらには、これがfacebookへ対してのキラーコンテンツとなるかであるが、そのなぞを解く鍵を握っているのがAKB48である。AKB48は、google+の象徴的な存在となっており、googl+とシンクロしており、google+の力強い推進役となっている。すでに、AKB48をサークルに入れている人数は1/28現在65,212人であり、さらに、1/27には、「これまで13歳以上18歳未満のメンバーは「部屋っ子」ページにて投稿を行ってきましたが、 AKB48/SKE48/NMB48/HKT48 合わせて “総勢109名” のメンバーが、本日1/27より新たに個人プロフィールを開設します。」とのことで、それぞれのメンバーがgoogle+を使い始めることになる。その結果、109名のそれぞれのメンバーをサークルに加えるgoogle+のユーザーが増え、AKB48全体ではサークルへ入れる人数は、現在の65,212人から、10倍、20倍と増加してゆくのではないかと想定される。

   ここがgoogle+のポイントであり、恐らく、はじめから、AKB48全員にgoogle+をつくることを想定し、AKB48をgoogle+の推進役にしたのではないかと思う。これまでのSNSはどちらかというと個人個人のあらゆる関係者を一堂に集め、その中でコミュケーションをはかってゆくスタイルであったといえるが、google+は全く正反対であり、個人個人のコアな関係者、ないしは、今後関係を築きたいと強く望むあこがれの存在を、まずはサークルとしてバーチャル上で関係づけ、その中でのみ、コミュニケーションをとってゆく仕組みであり、先に、サークルありきである。

   まさに、AKB48のコンセプトそのものであるといえる。これまでは、スター、アイドルといわれた巨大な存在感のあるタレントのもとにファンを一堂に集めることにより、ビジネスを展開してきた。ところが、AKB48には、巨大なスター、アイドルは存在しない。センターポジションをじゃんけんで決めてしまう訳であり、48人、それぞれにコアなファンが存在しているといえる。神7といわれる不動のトップグループはいるが、これまでのスター、アイドルとは、全く違う存在といえる。そして、この48人のコアなファンが集まると、結果、スター、アイドルを凌ぐビジネスにつながるという結果となる。

   google+はまさに、このAKB48そのものとビジネスコンセプトが同じといえ、シンクロしているといえる。今後、google+がどこまで日本、そして、世界で広まってゆくか、現段階では未知数である。が、SNSとしては、これまでの延長ではなく、新たなサークルという概念を導入しており、日常生活にぴたりはまる可能性は高く、理に適った仕組みを追究しているといえる。しばらくは、facebookと並行して使い、その可能性を探ってみたい。

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January 30, 2012 in CRM、FSP | | Comments (0) | TrackBack (0)

January 28, 2012

来店動機を考えて見る!

   これまでのPOS分析では、顧客の来店動機を押しはかる方法はなかった。その理由は、POS分析の基本指標が商品ごとの販売金額、販売数量、購入回数の3つの情報しかとれなかったからである。この3つの基本指標をどう組み合わせても、ここから顧客の動機を探るとことは不可能であったといえる。ところが、ID-POS分析では、これにIDが加わるため、ID及び商品ごとの販売金額、販売数量、購入回数が把握できるため、これまで押しはかることができなかった来店動機を推測することが可能となる。

   来店動機とは、顧客がなぜ、その店に来店するかの理由である。もちろん、顧客は様々な理由でその店に来店していると考えられるが、ここでは、あくまで、ID-POS分析から、数値で推し量ることができるものについて考えてみる。当然、ID-POS分析では推し量れない理由もあると思われるが、ひとつの有力な動機を導くことはできるのではないかと思う。

   では、どのように、ID-POS分析を通じて、顧客の来店動機を数値化するかであるが、そのポイントは、先の3つの要素、ID及び商品ごとの販売金額、販売数量、購入回数の内、3つ目、ID及び商品ごとの購入回数に着目することである。ID-POS分析とは、ひとことでいえば、単品「顧客」管理のことであり、これまでのPOS分析が単品管理を推し進めてきたのに対し、単品ごとの「顧客」管理を推し進めることができるのが最大の特徴である。

   実際、これまで、様々な商品でID-POS分析を実施してきたが、それを見ると、これまで想像もできなかった事実が次々と判明している。ID-POS分析ではよく、リピート、トライアルが注目され、商品ごとのリピート、トライアル分析が試みられ、そこから、これまでの単品管理を補強し、単純な商品のABC分析から、これに、リピート指標を加え、C商品でもリピート指標が高ければ、その商品をカットせずに、品揃えに加えることが、売上げを引き上げる秘訣であるといわれる。 

   確かに、その通りであり、これがこれまでの単純な単品管理の限界を超える新たな試みであるといえ、ここから再度、商品の品揃えを見直そうという試みがなされているのが実態である。まさに、ID-POS分析がもたらしたひとつの成果といえよう。ただ、ID-POS分析はここで終わっては実にもったいない。もう一歩踏み込み、顧客の来店動機にまで迫ることが可能であり、そこまで分析を進めた方がID-POS分析の醍醐味を味わうことができるといえる。

   そこで、ID-POS分析を通じて、来店動機にどう迫るかであるが、ポイントは2点である。ひとつは、分析期間をできるだけ長く、できれば1年以上に広げることである。そして、もうひとつは対象商品のみに分析をとどめず、全体の商品にまで分析対象を広げることである。この2つが、来店動機を探る鍵といえる。

   なぜなら、これまでのID-POS分析はどちらかというと、期間は月度、ないしは数ケ月での分析が通常であった。ところが、実際、ID-POS分析を実施し、様々な商品の購入履歴をとってみると、商品購入者の50%から60%は年間1回しか購入実績のない顧客で占められているのが実態である。したがって、これらの顧客も対象とするには、少なくとも1年間の分析期間が必要であるといえる。

   そして、もうひとつのポイント、全体の商品にまで分析対象を広げることであるが、来店動機とはまさに、対象商品が店舗の来店との関係を見ることにあるといえるので、ここを分析することが重要である。ID-POS分析では、IDを基点に商品を分析することができるため、対象商品のみではなく、IDが購入している全購入商品を分析することができる。したがって、分析対象を全商品に広げることが可能となり、この関係を組み込むことで来店動機に迫ることができるからだ。

   これで、来店動機を推し量る前提が整ったといえ、後は、ここから、実際の来店動機を推し量る指標をつくることである。その指標とは、ある顧客が対象商品を購入する回数が全体の商品を購入する回数と比べ、どのくらいの比率となっているかである。この比率がまさに来店動機を表している指標であるといえ、この指標が高ければ高いほど、その顧客はその商品を購入するために店舗に来店していると推測することができよう。

   実際、様々な商品で、この来店動機を算出して見ると、100%の顧客が存在する商品もあり、びっくりする。通常は30%から40%を超えれば、その商品は、顧客にとって十分来店動機となっているといえ、このような商品を顧客ごとに見つけ出し、その顧客にその商品を通じてコミュニケーションをとることにより、より、商品はもちろん、店舗との絆を強くすることが可能となる。また、商品ごとに来店動機の高い顧客を見つけ出すこともでき、その顧客と特にコミュニケーションをとることにより、対象商品のブランド確立にもつながってゆくといえる。

   このように、ID-POS分析の特徴のひとつはID-POS分析を通じて、顧客1人1人の来店動機を推し量ることができることであり、どんな商品にも、その商品を来店動機にしている顧客が存在すると同時に、顧客が店舗に来店している限り、その顧客は何らかの来店動機となる商品をもっているといえ、ID-POS分析は、その答えを見つけるための有力な分析手法のひとつであるといえよう。

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January 28, 2012 in CRM、FSP | | Comments (0) | TrackBack (0)

January 17, 2012

ID-POS時代の商談、顧客からのキャッシュ最大を目指せ!

   ID-POS分析時代の食品スーパーマーケットの商談はどのようになってゆくのかを考えて見た。恐らく、大きく変わる点が2つ考えられる。ひとつは、商談の目的である。そして、もうひとつは商談のスタイルである。この2点がID-POS分析時代になると、大きく変化してゆくのではないかと思われる。なぜなら、ID-POS分析時代の商談は、大前提に、商談する商品の詳細なID-POS分析の結果があらかじめ、小売業、メーカー、卸との間で共有されている可能性が高いからである。これまでの商談でもPOSデータの共有はあったが、ID-POS分析データではなく、通常のPOSデータでの共有であり、そこには、顧客1人1人の購入履歴が共有されてはいなかった。したがって、商品が売れる、売れないを商談することになり、顧客へ対しての戦略は、CM等、マーケティング面からの商談は可能であったが、こと、小売業の個々の店舗の顧客への戦略は描きようがなかったからである。

   したがって、ID-POS分析時代の商談は、仕入れ原価を決めることよりも、ID-POS分析の結果を共有し、先に、どこまで顧客からのキャッシュを増やすことができるのか、その結果、そのキャッシュを双方でどう分配するかが、商談の最大のテーマとなると思われる。そして、そのためには、商談のスタイルも、ID-POS分析の結果をもとに、どのようなマーチャンダイジング戦略を構築すれば、顧客からの最大のキャッシュが得られるのかを、小売業、メーカー、卸、すなわち、販売、製造、配送の観点から見直し、検討することになろう。こうなると、あらかじめ、原価を決めることは、あまり意味がなく、せいぜい、初期原価は決めておきながら、あとは、キャッシュの量に応じて、その配分を検討するということになるのではないかと思う。

   実は、ID-POS分析になると、そもそも、価格に意味があるかどかも怪しくなる。通常、商品の価格は原価をもとに決めるか、小売業が競合店を意識し、戦略的に相乗積を駆使して決めるかにより決定される。ところが、ID-POS分析の時代になると、価格は顧客にとって、初回のみの価格となり、その後、その商品の購入履歴が進んでゆくと、ポイント、あるいは、キャッシュにより、購入金額に応じた価格還元がなされ、初回の購入価格よりも徐々に安い価格での商品の購入が可能となってゆく。

   百貨店のカード戦略などを見ると、単品ごとの価格ではないが、年間購入金額がトータルで100万円を超えると、すべての商品が10%引きで購入できたり、さらに、購入が進むと、外商がついたりし、もはや、店頭価格そのものが意味をなさなくなる世界となる。このようなことが、ID-POS分析の時代になると、食品スーパーマーケットでも単品レベルで、顧客ごとに可能になるといえ、結果、店頭価格が一見さん用の初回購入価格でしかなくなる。あとは、顧客、個々人の購入履歴に応じた還元価格となってゆくことになり、価格そのものの概念が変わることになろう。よく言う、Everyday Low Priceの時代から、Everyday Your Priceの時代へとなろう。

   したがって、ID-POS分析時代の商談も、この流れを前提として、実施されることになるといえ、単なる原価交渉がその目的ではなく、まずは、ID-POS分析を共有し、双方が知恵を出し合うことにより、どこまで顧客からキャッシュをいただけるかの限界へ、双方が挑戦し、結果、得られたキャッシュをどう配分するかが商談の最優先事項となろう。商品の価格が顧客の購入履歴に応じた還元価格となってゆくように、小売業、メーカー、卸、双方のID-POS分析を前提とした顧客へ対しての販促企画次第で、原価が大きく変化してゆくことになろう。

   販売促進そのものも、価格訴求中心の世界から、顧客還元重視の政策へと転換し、いかに、顧客個々人の購入頻度を引き上げ、顧客ごとの価格、見方を変えれば、顧客ごとの原価設定がID-POS分析時代の課題となろう。そして、そのために、小売業、メーカー卸、双方が納得のゆくシミュレーションが前提となろう。したがって、必然的に、商談スタイルも、紙ベースから、その場でID-POS分析の結果を共有し、その場でシミュレーションができる体制が前提となり、おそらく、タブレット、ないしは、スマートフォンを通じての商談となってゆくのではないかと思う。さらに、双方の背後には、それぞれ、ID-POS分析の部隊が控え、商談担当者である小売業のバイヤーとメーカー、卸の営業担当者を背後で支えることになろう。

   このように、ID-POS分析時代になると、商談そのものが大きく変化し、特に、商談の目的が原価交渉から、顧客からのキャッシュをいかに大きくするかの企画の妥当性を交渉することになるのではないかと思う。そして、それにともない、商談スタイルも、ID-POS分析データを共有し、双方が商談前に様々な企画立案を済ませ、実際の商談では、さらに、細部をつめ、その場で様々なシミュレーションを実施し、企画内容の完成度を上げ、初回の原価交渉とその後のキャッシュに応じた配分を決定することになるのではないかと思う。ID-POS分析はまだまだはじまったばかりではあるが、商談そのものも大きく変える可能性が高いといえ、今後、商談がどのように変化してゆくのか、興味深いところである。

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January 17, 2012 in CRM、FSP | | Comments (0) | TrackBack (0)

January 15, 2012

ID-POS分析で、商いの原点、顧客志向を目指せ!

   ID-POS分析は小売業が自社の顧客の詳細な購入履歴を分析し、マーチャンダイジング戦略に活用すると同時に、マーケティング、すなわち、顧客創造につなげてゆくことが可能な手法であるといえる。特に、食品スーパーマーケットはこれまで、対面販売からセルフ販売へ、そして、ここ最近ではセルフレジ、さらには、ネットスーパーへまで進み、販売に関して自動化が推進されてきた。また、業務面でも自動発注と自動棚割と自動化をめざし、企業経営そのものの完全自動化に突き進んできた歴史がある。ある意味、このID-POS分析は、セルフから対面へ、自動化から人海戦術へと、一見、歴史が逆行するような流れであるが、大きな違いが一点ある。

   それは、ITの飛躍的な進歩である。そして、その背景には、理念、理論、技術の3つのポイントがある。この3つの中でも特に、理念については、実は進歩はしておらず、「店は客のためにある」、あるいは、近江商人の「三方よし」に象徴されるように、その理念は一貫して変わっておらず、いわゆる顧客志向が、恐らく、江戸時代から現在まで日本の商いでは大原則となっているといえる。

   ただ、その顧客を把握するための理論、そして、その技術の進歩が遅れたために、誰もが口にし、実践しようとしてきた理念そのものが実現できなかったといえよう。特に、POSシステムは小売業に販売革命を引き起こし、ほとんどの商品にJANコードがソースマーキングされたことにより、単品管理が名実ともに可能となった。この流れは、コンビニ、食品スーパーマーケット、GMS、ホームセンター、専門店へと、この数10年間で飛躍的な普及が進んだ。当然、理論も従来の売上金額、売上数量から、レシート客数を活用したPI値が生れ、商品の評価も構成比、全体の割合から、PI値、レシート客数当たりの売上げへと変化していった。

   PI値はレシート客数当たりで商品を評価することに関しては、構成比に比べ、一歩、顧客志向の理念に近づいたといえるが、残念ながら、顧客1人1人の購入履歴を把握する指標ではなく、その点では課題を残しているといえる。したがって、そこに、もう一歩、顧客志向を組み込んだ理論へと発展させる必要があり、そこに応えるのがID-PI値の理論である。ID-PI値はレシート客数を基点にするのではなく、ID客数を基点するため、文字通り、顧客1人1人を分析できる理論であり、しかも、商品分析も可能、いわば、「単品顧客管理」を目指している。なおかつ、これまでのPI値の理論はすべて包み込んでいるので、矛盾なく、誰でも、簡単に、直観的に理解することができる。

   そして、最後のポイント、技術であるが、MGI(McKinsey Global Institute)の「Big data: The next frontier for innovation, competition, and productivity」のレポートに象徴されるように、まさに、ビックデータの時代に入ったといえよう。この1/12の日経新聞でも「IT各社、大量データ分析、人材育成に注力」との記事が掲載された。これを見ると、日本でも、NTTデータは「BIラボ」、日本IBMは「ビックデータ、タイガーチーム」、CTC(伊藤忠テクノソリューションズ)は「ビックデータビジネスタスクフォース」、富士通は「インテリジェントコンピューティング室」を通じて、ビックデータの人材育成、研究開発に本格的に取り組むという。市場規模も2015年には1,500億円となり、実際、IDCジャパンでは、国内のストレージの総出荷容量が、2015年には、2010年の5倍、5,000ペタバイト(ペタは1,000兆、テラが1兆)になる予想を立てている。小売業、特に、食品スーパーマーケットがこの流れの中で、どこまでかかわってゆくのかは現時点では未知数であるが、技術的な問題は数年でほぼ解決されるといえよう。

   また、1/11の日経流通新聞では、1面で、「化粧品売り場、NY発で刷新」、「買い方選べるクリニーク流」、「iPadで肌を自己診断、お薦め商品、90秒で」という特集記事が掲載された。これは、まさに、セルフ販売と対面販売を最新のIT技術をもとに融合した販売手法であるといえ、アメリカの百貨店、ブルーミングデールズのニューヨーク59丁目店で実施されているという。日本でも大丸梅田店、伊勢丹新宿本店で導入されているという。顧客のクリニークを選ぶための質問の組み合わせは、5,200万パターンあるというが、ここから90秒でお薦め商品を画面に表示するために質問を12問に絞り、必要最小限度のパターンに絞ったとのことである。

   こう見ると、ID-POS分析は、理念、理論、技術ともに、特に、小売業の基本理念、顧客志向を実現するために必要な条件が全部整ったといえ、これまでの完全自動化の歴史を否定することなく、むしろ、その流れの中で、理論とIT技術が加わることで発展してゆける可能性が高いといえよう。食品スーパーマーケットにとって、顧客の詳細な購入履歴が把握できる時代はすでにはじまっており、それをどうID-POS分析の理論にあてはめ、ITを駆使し、直接、顧客1人1人に働きかけるマーケティング、さらには、一旦商品を介して、顧客1人1人に働きかえるマーチャンダイジング、どちらも、究極の顧客志向を目指した戦略であり、これが次世代の食品スーパーマーケットが目指すべき、経営戦略ではないかと思う。

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January 15, 2012 in CRM、FSP | | Comments (0) | TrackBack (0)

January 09, 2012

ID-POS分析におけるマーチャンダイジング戦略!

   ID-POS分析におけるマーチャンダイジングは従来のマーチャンダイジングとは、基本コンセプトが大きく変わる。その理由は、マーチャンダイジングの基本方程式が変化するからである。基本方程式が変化することにより、当然のことではあるが、戦略も変わる。そこで、ここでは、ID-POS分析の時代になると、どのようにマーチャンダイジング戦略が変わるのかを、マーチャンダイジングの基本方程式にそって解説してみたい。

   マーチャンダイジングの従来の基本方程式は、売上高=客数(レシート客数)×客単価(金額PI値)であり、さらに、客単価(金額PI値)はPI値×平均単価に分解できる。ここでは、より戦略性を重視し、売上高=客数×客単価(金顔PI値)をもとに検討する。一方、ID-POS分析におけるマーチャンダイジングの基本方程式は、売上高=ID客数×ID金額PI値であり、ID金額PI値=ID客数PI値×客単価(金額PI値)に分解できる。したがって、客単価(金額PI値)はどちらも共通の指標であり、ここでの違いはない。違いがあるのは、客数(レシート客数)にあり、ここがID-POS分析では、2つの指標、すなわち、ID客数×ID客数PI値に分解されることである。

   ただ、ID-POS分析のマーチャンダイジングを理解するには、これはひとつの見方にすぎず、実は、もうひとつ重要な観点がある。それは、ID金額PI値=ID客数PI値×客単価(金額PI値)という数式であり、これがID-POS分析の本質を理解する基本数式である。客数(レシート客数)=ID客数×ID客数PI値もID-POS分析特有のマーチャンダイジングを理解する上でポイントとなるが、この方向でID-POS分析を捉えると、ID客数が主体ではなく、客数(レシート客数)が主体となってしまい、従来のマーチャンダイジングからID-POS分析のマーチャンダイジングを理解する上ではわかりやすいが、ID-POS分析から、従来のマーチャンダイジングを理解する上では、逆に理解しにくくなる。

   なぜなら、従来の客数(レシート客数)をID-POS分析で説明し、客単価(金額PI値)は、そのままであるので、客数アップ戦略を2つの角度から検討しているに過ぎず、マーチャンダイジングという本来、商品そのものに働きかける戦略性が薄れるからである。もちろん、これもID-POS分析の一面を示しており、この見方も重要ではあるが、ID-POS分析の本質を理解するには、もう一方の数式、ID金額PI値=ID客数PI値×客単価(金額PI値)の方がID-POS分析特有のマーチャンダイジングをダイレクトに表現しているといえる。

   ID金額PI値は、IDを基点にした客単価(金額PI値)のことであり、従来の客単価(金額PI値)、客数(レシート客数)を基点にした客単価(金額PI値)とは違い、まさに、ID-POS分析のための客単価(金額PI値)である。そして、このID金額PI値はID客数PI値×客単価(金額PI値)と分解できるので、従来の客単価(金額PI値)を完全に包み込んでおり、しかも、ID客数PI値が掛かっているために、客単価(金額PI値)とは反比例の関係にある。この数式をグラフにすれば一目瞭然であり、横に客単価(金額PI値)、縦にID客数PI値をとれば、掛けた面積がID金額PI値となり、同じ面積、すなわち、ID金額PI値の同じ数値を結ぶと、きれいな反比例曲線、y=1/xのグラフができあがる。

   したがって、客単価(金額PI値)が高くとも、ID客数PI値が低い場合も、逆に、客単価(金額PI値)が低くともID客数PI値が高い場合もあり、どちらも、ID金額PI値は変わらない。ID金額PI値を高めるには、客単価(金額PI値)を高めることが必ずしも正しいことではなく、ID客数PI値をも考慮する必要があり、この2つの指標のマトリクスでマーチャンダイジングを判断することがポイントとなる。ここが、従来のマーチャンダイジングと決定的に違うところであり、そのために、マーチャンダイジング戦略が大きく変化することになる。

   必然的に商品分析は、すべてがID金額PI値=ID客数PI値×客単価(金額PI値)と分解でき、さらに、その商品を購入している顧客1人1人の購入履歴を分析し、ID客数PI値順に並べた顧客明細が加わることになる。そして、マーチャンダイジングはこれまでの客単価(金額PI値)アップに加え、新たに、ID客数PI値のアップ戦略が加わり、そのためには、顧客1人1人の購入履歴をもとに、顧客構造を変化させることが課題となる。そして、そのための具体策として、ダイレクトに顧客に働きかけたり、商品を介して、間接的に価格、POP、棚割り、レイアウト、ちらし、クロスマーチャンダイジング等を実施し、顧客構造を変化させ、ID客数PI値を引き上げてゆくことになる。

   このように、ID-POS分析時代のマーチャンダイジングとは、ID金額PI値=ID客数PI値×客単価(金額PI値)が基本数式となり、これまでのマーチャンダイジングで培われた客単価(金額PI値)のアップを図ることに加え、ID客数PI値を引きあげる戦略をつくりあげることであるといえる。そして、そのためには、必然的に商品からのアプローチに加え、顧客からのアプローチが課題となり、顧客1人1人のID客数PI値、すなわち、購入頻度を直接、そして、商品を介して間接的に引き上げてゆくことがポイントとなる。その意味で、ID-POS分析は従来のPOS分析を100%包み込み、これまでのマーチャンダイジング戦略をIDという顧客視点から転換させる新たなマーチャンダイジングの構築につながってゆくことになる。

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January 9, 2012 in CRM、FSP | | Comments (0) | TrackBack (0)

January 08, 2012

マクドナルド、客数アップ戦略、鮮明!

   1/5の日経新聞に、マクドナルドの原田泳幸CEOのインタビューが全面広告で掲載された。マクドナルドは12月決算であるので、2012年度決算が終了したタイミングでの全面広告であり、その結果を踏まえての原田CEOのインタビューであると思われる。実際、冒頭では、「3月の東日本大震災とその後の連鎖的な環境変化で、顧客の動きをつかむのが本当に難しい1年になりました。」と、決算が終了しての感想であることがわかる。続けて、「それでも、9月以降急激に盛り返し、私がマクドナルドに移って以来、8年連続で既存店売上高が前年を上回ることがほぼ見えてきました。・・、当社にかかわるすべての人にとって自信と手ごたえを感じた年になったと思います。」とコメントしており、好決算を示唆する内容である。

   実際、マクドナルドの2012年度の既存店の売上高の推移を見てみると、1月2.2%(客数2.4%、客単価-0.2%)、2月 4.3%(客数14.0%、客単価-8.5%)、3月-7.2%(客数-6.7%、客単価-0.4%)、4月3.9%(客数3.8%、客単価0.1%)、5月1.2 %(客数-0.9%、客単価2.0%)、6月1.2%(客数1.1%、客単価0.1%)、7月-3.6%(客数-0.8%、客単価-2.9%)、8月-7.9%(客数-5.7%、客単価-2.4%)、9月5.0%(客数2.8%、客単価2.2%)、10月1.7%(客数1.9%、客単価-0.2%)、11月8.7%(客数13.5%、客単価-4.2%)、12月5.0%(客数3.3%、客単価1.6%)である。

   こう見ると、1月、2月は客数アップ、3月の東日本大震災で大きく客数が落ち込んだために、戦略転換、客単価アップ、そして、インタビューでのコメントを裏付けるように、9月以降、客数アップに大きく舵を切り、「急激に盛り返す」ことになる。いかに、マクドナルドにとって、客数アップ戦略が重要な転機となったかがわかり、実際に、数字がそれを裏付けているといえよう。

   また、10/28に公表されたマクドナルドの2012年12月期、第3四半期決算を見ると、「Big America2(テキサスバーガー、アイダホバーガー、マイアミバーガー、マンハッタンバーガー)をはじめ、イタリアンハーブ、カリフォルニアコブといったアイコンチキンシリーズや、メガマック、チキンタツタなど魅力ある商品を継続的に展開し、東日本大震災の影響による顧客数の落ち込みを最小限にとどめました。」とのことで、東日本大震災による客数の落ち込みをカバーする対策として、積極的な魅力的な商品投入により、客単価アップに走ったことがわかる。さらに、7月、8月に関しては、「夏場には炭酸ドリンク全サイズを100円で提供する等、節電要請に対応する中で売上高を確保するための施策を積極的に展開いたしました。」とのことで、客数アップも打ち出したとのことである。

   こう見ると、マクドナルドは客数アップ戦略と客単価アップ戦略を意図的に打ち出しており、その結果が既存店の客数、客単価にそのまま表れており、今回の東日本大震災という経営環境が激変する中でも冷静に状況に応じた対応がなされ、それが、9月以降の好調な要因を作り出したといえよう。

   一般に、小売業の売上高は、売上高=客数×客単価と分解でき、売上高を上げるには客数アップ戦略か、客単価アップ戦略かがポイントとなる。ただ、これがID-POS分析になると、売上高=ID客数×ID金額PI値となり、ID金額PI値=ID客数PI値×金額PI値(客単価)となるので、ID-POS分析では、実は戦略が3つとなる。そして、共通するのは金額PI値(客単価)であるので、ここは変わらないが、客数がID客数とID客数PI値に分化し、より、深い戦略構築がポイントとなる。ちなみに、客数(レシート客数)=ID客数×ID客数PI値であり、ID客数PI値=ID客数/客数(レシート客数)となる。したがって、従来の客数アップにはID-POS分析から見ると、2つの戦略が存在することになる。ひとつは、ID客数アップ戦略、すなわち、絶対客数を増やすこと、そして、もうひとつは、そのID客数のID客数PI値アップ戦略、すなわち、購入頻度を増やすことである。

   これがID-POS分析の時代の基本戦略であり、恐らく、今後は、客数アップ戦略をID客数とID客数PI値とに分けて検討してゆくことになろう。実は、マクドナルドでは、今回の原田CEOのインタビューを見ると、このことが示唆されている。「時間帯ごとの人員配置では、従来は30分単位で店舗ごとに来店客数の想定に基づいて、クルーの必要人数を定めていました。」とのことで、これは客数を前提としているが、それが、「新たに取り入れるシステムではもっときめ細かく、「何アイテム買うお客様がいつ、何人来店されるか」、という予測から必要になるクルーの数をはじき出します。」とのことで、予測ではあるが、ID-POS分析を示唆し、ID客数を想定しているといえよう。

   このように、マクドナルドは客単価アップ戦略よりも、客数アップ戦略を得意とするといえ、その効果が、東日本大震災以降如実に表れたといえよう。また、今期も全体的には客数アップ戦略が功を奏しているといえ、さらに、ここ数年も、その傾向が強いといえる。その意味で、今後、ID客数に踏み込むことで、ID客数とID客数PI値の戦略も必然的に構築してゆくことになるといえ、今後のマクドナルドの客数アップ戦略に注目である。

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January 8, 2012 in CRM、FSP | | Comments (0) | TrackBack (0)

January 07, 2012

キャッシュの源泉は、顧客にあり!

   キャッシュの源泉は通常、商品にあると認識されているが、実はその大本は当然のことながら顧客にある。直観的には誰もがわかっていることではあるが、その実態を正確に確認したものは少ない。なぜなら、現在の食品スーパーマーケットのPOSシステムがPLU(Price Look Up)を基本技術とした商品の売上げ、キャッシュを管理する仕組みになっているからである。したがって、キャッシュの管理は、商品の単品管理が基本であり、商品1品1品の売上げからキャッシュを把握することになる。商品分析とはつまるところ、どの商品からどれだけキャッシュが獲得できるかを分析し、その結果から、いわゆる売れ筋、死筋を見つけ、死筋をカットし、売れ筋を強化し、新たな売れ筋となる可能性の高い新商品を導入することに他ならない。

   では、その商品の大本が顧客にあることを直感どおり、正確に把握する方法があるかであるが、そのためには、キャッシュを商品からではなく、顧客1人1人から把握する仕組みを導入することが必要である。そのひとつの技術がID-POS分析である。ID-POS分析から顧客1人1人から得られるキャッシュを把握するには大きく、2つの段階がある。ひとつは、既存のPOSシステムに何らかの顧客を識別できるポイントカードなどを導入し、顧客ごとにキャッシュを把握することである。実際、これは広く普及しており、現在では大半の食品スーパーマーケットで活用されている。

   ここから、いわゆるFSP(Frequent Shoppers Program:フリークエント・ショッパーズ・プログラム)が生れ、数多くの事例ができた。最も成功した事例は、残念ながら食品スーパーマーケットではなく、航空業界であり、いわゆるマイレージが、まさに、FSPの典型的な成功事例といえる。この成功事例を食品スーパーマーケットにも導入を図ったが、残念ながら決定的なインパクトを与えるまでにはいっていないといえよう。FSPが効力を発揮するには、いくつかの条件がある。その条件とは商品数が少ない、商品単価が高い、顧客属性が比較的把握しやすい、この3つが大きなポイントとなる。

   なぜなら、FSPは顧客1人1人の購入金額を把握し、その購入金額に応じてキャッシュバック(ポイントバック)を行い、そこにインパクトを与え、顧客を囲い込むのが目的であるからである。さらに、その後、顧客1人1人の顧客属性を分析し、キャッシュをより多くもたらす可能性の高い顧客へのマーケティングを実践し、新規顧客獲得を目指すことにある。これをキャッシュの動きで見ると、既存顧客からの最大のキャッシュを引出し、その結果をもとに、新たなキャッシュを獲得できる可能性の高い新規顧客獲得を目指すことにあるといえる。実に、理にかなったキャッシュ獲得手法であり、航空業界にピタリはまるのは当然といえる。

   航空業界は食品スーパーマーケットと比べ、圧倒的に商品数が少なく、商品単価はおよそ100倍、顧客属性は安全性のためもあり、食品スーパーマーケットと比べ数倍詳細なデータが把握できる。したがって、1%の顧客還元でもインパクトが大きく、10%還元ともなれば、食品スーパーマーケットの想像を絶するインパクトとなる。また、その結果を顧客属性ごとに分析でき、マーケティングへ活かすこともできる。食品スーパーマーケットとは対照的なビジネスモデルであるといえよう。

   したがって、食品スーパーマーケットが航空業界のようなFSPを実施しても、それなりのインパクトはあるが、食品スーパーマーケットの経営構造を変えるようなインパクトは難しいといえ、食品スーパーマーケットとしては、ID-POS分析を実施するにはもうひとつの段階に踏み込む必要がある。それが、食品スーパーマーケットの取扱商品、何万という商品1品1品と顧客1人1人をリンクさせ、これまでの商品の単品管理をID-POS分析の観点から、顧客視点にもとづき全面的に見直し、商品ごとに顧客1人1人のキャッシュを正確に把握することである。

   いわば、食品スーパーマーケットが何10年にもわたって積み重ねてきた単品管理の技術とID-POS分析により新たに可能となった顧客1人1人からのキャッシュを把握する技術を融合させた、新マーチャンダイジングともいうべき、単品「顧客」管理手法を開発することである。そして、これが可能になることにより、キャッシュを商品からのみでなく、顧客1人1人から把握することが可能となり、キャッシュの源泉が顧客1人1人にあり、それは商品1品1品を通じてもたらされていることがはじめて明らかになる。

    今後、食品スーパーマーケットは恐らく、このような方向に進んでゆき、これまでのようにキャッシュを商品からのみ把握するのではなく、顧客1人1人から、商品1品1品を通じて把握することになり、単品管理から単品「顧客」管理の時代へと入ってゆくことになろう。それが、ID-POS分析の役割であるといえ、目指すべき方向であるといえる。ID-POS分析は、その意味で、顧客をキャッシュという観点から捉えなおし、最終的には食品スーパーマーケットのキャッシュフローを顧客を通じて改善する強力な武器となり、同時に、新たなマーチャンダイジング戦略を構築してゆくことになろう。

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January 7, 2012 in CRM、FSP | | Comments (0) | TrackBack (0)

January 01, 2012

あけましておめでとうございます!

   あけましておめでとうございます。今年も、食品スーパーマーケット最新情報をよろしくお願いします。このブログも足かけ6年、昨年の12/31で2,255件となり、文字数にして、約500万字、累計アクセス数も350万件を超えました。ブログがスタートして3日間はアクセス数が0、4日目に31件、5日目に42件と初アクセスがはじまり、200本目ではじめて1,000件のアクセスを超え、2,000件を超えたのが605本目でした。その後、昨日まで、安定して、日々2,000件前後でアクセスが続いています。

   これまで取り上げたブログの主なテーマですが、食品スーパーマーケットの最新情報というブログの趣旨にそうように、食品スーパーマーケットの決算速報、新規出店速報、売上速報、株価速報を中心に、マーチャンダイジング、マネジメントに関するテーマ、特に、ここ最近はID-POS分析に関する最新の研究成果について、いち早く本ブログで取り上げています。

   さて、1/1、2012年度、新年ということで、今年の抱負から入りたいと思います。今年は何といっても、ID-POS分析が食品スーパーマーケット業界にとって新たなマーチャンダイジング戦略を確立する上で、最も重要な課題になると思いますので、このテーマを積極的に取り上げたいと思います。すでに、12/12、2011のブログで「商品を洗え、磨け、輝かせ!」というテーマでID-POS分析の実践活用方法、製配販、協働マーチャンダイジング戦略について取り上げました。ID-POS分析は食品スーパーマーケットにとって極めて重要なマーチャンダイジング戦略を構築する上でなくてはならない技術となると確信していますが、これは、食品スーパーマーケットだけでは、実現が不可能といえ、メーカー、卸の協力を得て、進めてゆくべきものであると思います。

   これまでも通常のPOS分析でMD研究会などを通じて製配販の協働マーチャンダイジングに取り組んだ経緯はありますが、通常のPOS分析でマーチャンダイジングを検証しようとすると、売れた、売れないまではわかりますが、その中身が良く見えず、売れた原因、売れなかった要因をつかむことができなかったといえます。ID-POS分析はその原因、要因を顧客1人1人の購入履歴からつかむことが可能となり、マーチャンダイジングの検証はもちろん、仮説づくりにも大いに役立つ分析手法といえます。

   ただ、これまでのPOS分析と全く違う分析なのかというと、そうではなく、ID-POS分析はこれまでのPOS分析を100%包み込み、なおかつ、これまでのPOS分析では見えなかった顧客の購入履歴という世界を見せてくれる分析であるといえ、新たなマーチャンダイジング、顧客という視点を持ち、そこからこれまでのマーチャンダイジングをも捉え直すことができる分析であるといえます。したがって、環境が整っているのであれば、はじめに、ID-POS分析の視点をしっかり身に着け、その後、これまでのマーチャンダイジングを洗い直すことが、マーチャンダイジングそのものを大局的に理解することになるといえます。その意味で、「商品を洗え、磨け、輝かせ!」の順にID-POS分析を通じて、食品スーパーマーケット、メーカー卸が協働で取り組んでゆけば、無理なく、マーチャンダイジングの本質をつかむことができるものと思います。

   マーチャンダイジングは商品の動きだけから見ていたのではその本質がつかめません。顧客の視点が先であり、顧客視点からマーチャンダイジングを捉え直し、それがどう商品の動きに影響を与えているのかをつかむ必要があり、これがID-POS分析の役割といえます。したがって、ID-POS分析は商品と顧客との関係を、顧客視点から見直す分析であるといえ、食品スーパーマーケットにとっては、これまで見えなかった顧客の姿を、メーカー、卸にとっては、自ら開発した、あるいは取り扱っている商品がどのような顧客に、どのように購入されているのかを見ることができる分析といえます。

   そして、ID-POS分析の目指すべきものは、昨年の象徴的な漢字、「絆」、すなわち、商品と顧客の「絆」を、食品スーパーマーケットとメーカー、卸が協働して深めることであるといえ、これがID-POS分析におけるマーチャンダイジングの本質であるといえます。今年は、この「絆」をテーマにID-POS分析のさらなる研究開発を行い、食品スーパーマーケットのマーチャンダイジングはもちろん、メーカー、卸の食品スーパーマーケットへの支援、マーケティングの強化につながる仕組みづくりに取り組んでゆきたいと思います。

   ID-POS分析は日進月歩、世界中で次世代のマーチャンダイジング戦略の決め手として取り組まれている分析手法ですが、現時点ではイギリスのテスコが確かに先行しているとはいえますが、日本には、江戸時代以前から綿々と続いている商いの歴史があります。ID-POS分析は商いのノウハウだけでは成り立たず、最新のIT技術との融合が必須となります。日本にはその双方があるといえ、その意味で、本来、ID-POS分析は日本での研究開発が最も適しているといえます。テスコのID-POS分析を参考にしつつも、日本独自のID-POS分析を作り上げる、今年はこのテーマに全力を挙げて取り組んでゆきたいと思います。

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December 27, 2011

ID-POS分析でMDがどう変わるか、その2!

   前回は、ID-POS分析とこれまでのPOS分析とのマーチャンダイジングにおける違いを新MD方程式とMD方程式にもとづいて解説した。その結果、金額PI値(客単価)=PI値×平均単価については、すべて、ID-POS分析が筒み込んでおり、これまでのマーチャンダイジング戦略をID-POS分析が100%踏襲できることを示した。そして、ID-POS分析では、これに加え、ID客数、ID客数PI値(頻度)、そして、ID金額PI値がID-POS分析ならではの独特な指標であり、この観点からマーチャンダイジング戦略を構築することにより、新たな世界が開けることを示唆した。今後、恐らく、ID-POS分析が実践投入されることにより、これまでにないマーチャンダイジングのノウハウが開発されてゆくことになろう。

   ちなみに、ID金額PI値=ID客数PI値×金額PI値であるので、これまでのマーチャンダイジングはID客数PI値を媒介にして、ID金額PI値へとつながっており、その意味で、ID客数PI値がこれまでのPOS分析の世界とID-POS分析の世界をつなぐ架け橋となり、ID客数PI値がちょうど翻訳機の役割をはたすことになろう。ID-POS分析でのマーチャンダイジング戦略はID客数PI値をいかに理解し、これを使いこなし、実践するか、ここが最大のポイントといえる。

   実は、このID客数PI値はID客数、すなわち、ID-POS分析特有の顧客1人1人を分析する際の最も重要な基本指標ともなっており、ID-POS分析のマーチャンダイジングはまさに、このID客数PI値からはじまるといっても過言ではない。通常、顧客1人1人を分析する際には売上高の高い、低いを用いる場合が多い。ところが、売上高は、前回解説したように、従来のPOS分析、MD方程式では3D、ID-POS分析の新MD方程式では4Dとなっているため、複雑な要素が絡み、総合的な判断となり、顧客1人1人の分析には曖昧さが残る。顧客の分析はID客数が把握できてはじめてできる分析であるので、当然、ID-POS分析特有の指標で分析することが望ましいといえる。こう考えると、顧客1人1人の分析もID-POS分析特有のID客数PI値が望ましいといえ、これで顧客を分析することにより、ID-POS分析ならではの顧客ランクをつくることができる。

   実際、ID客数PI値で顧客ランクをつくると、商品の全購入顧客、1人1人が見事に分類できる。毎週その商品を購入する顧客、毎月その商品を購入する顧客、そして、毎年(年1回)その商品を購入する顧客である。その結果を見ると、驚くべきことに、ほとんどの商品で毎年(年1回)の顧客が圧倒的に多いことが判明し、マーチャンダイジングとは年間1回しか購入しない顧客を結果的には焦点を当たてていたことが判明する。ある意味、これが従来のマーチャンダイジングの限界であるといえよう。したがって、ごく単純化すれば、ID-POS分析のマーチャンダイジングとは、だまって毎週その商品を購入していただいている顧客に焦点を当て、全体の顧客の購入頻度(ID客数PI値)を引き上げ、そこに導いてゆく導線をつくることに他ならない、これがID-POS分析のマーチャンダイジングの本質である。

   売場づくり、すなわち、棚割、レイアウトの最優先事項は客導線と作業導線のバランスであり、特に、マーチャンダイジングでは客導線をどうひくか、極論すれば、客導線の良し悪しで、売上げの70%から80%を決めてしまう。ところが、顧客1人1人に対しては客導線をひきたくても、これまでひく方法がなかったが、ID-POS分析が可能になったことで、ID客数PI値にもとづいて、顧客1人1人の導線をひくことが可能となった。したがって、ID-POS分析のマーチャンダイジングとは売場の客導線と並行して、顧客1人1人の客導線をどのようにつくり、どう導いてゆくか、これが最大のポイントである。

   これまでのPOS分析にもとづくマーチャンダイジングでも52週、52回、あるいは52週、104回のマーチャンダイジングをつくることにより、客導線らしきものはあった。ただ、これは、商品のライフサイクルにもとづいて、売上げの山と谷を分析し、最大の山づくり、最小の谷づくりを特に旬、社会行事などをもとに販促をかけるという手法であった。これはこれで売上げを商品面から引き上げるには有効な手法といえるが、ID-POS分析では、これに加え、顧客(ID客数)の導線を基盤にすえるため、毎週、毎月、毎年(年1回)の顧客のどこにリーチし、どのくらいの時間をかけて、どのような方法で顧客の構造変化をもたらすのかを重視する。したがって、山でのリーチ、谷でのリーチ、この場合、どの顧客に、どのような働きかけを、どのくらいパワーをかけるかがポイントとなり、その結果をしっかり数値で検証し、次にいかす、これがID-POS分析特有のマーチャンダイジングといえる。

   そこで、もうひとつ、重要なポイントがある。これまでのPOS分析では、対象商品の商品売上げを分析するのみで、他の商品との関係を分析することは、同時購入を除いてできなかった。同時購入だけは、レシート客数のレシートを分析すれば可能であるので、ここまでが限界であった。ところが、ID-POS分析ではID客数に基点を置くため、ID客数が購入している全商品をほぼ永遠に分析することが可能となる。したがって、商品同士の関係をより深く把握することが可能となり、これまでのPOS分析では見えなかった新たな領域のマーチャンダイジングの世界を見ることができる。

   なお、これについては、来年以降、食品スーパーマーケット業界で本格化するであろうID-POS分析の実践事例をもとに、本ブログでも優先的に取り上げてゆきたい。ID-POS分析はまだまだはじまったばかりであり、今後、様々なマーチャンダイジングが食品スーパーマーケットの中で創意工夫され、生れてくることになると思う。まずは、これまでのマーチャンダイジング戦略をすべてID-POS分析で洗い直すところからスタートすると、スムースにID-POS分析特有のマーチャンダイジングへの移行が可能となろう。

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December 27, 2011 in CRM、FSP | | Comments (0) | TrackBack (0)

December 25, 2011

ID-POS分析でMDがどう変わるか、その1!

   ID-POS分析がいよいよ実戦段階に入りはじめた。今後、食品スーパーマーケット業界では、これまでのPOS分析に加え、ID-POS分析が、特に、マーチャンダイジングの基本分析となってゆくことになろう。ID-POS分析は理論的にはこれまでのPOS分析を100%包み込む分析であり、これまでのマーチャンダイジング戦略はすべてID-POS分析で説明が可能である。さらに、これまで見えなかった観点から、従来のマーチャンダイジングを見ることができ、新たなマーチャンダイジング戦略の構築につながってゆくことになろう。

   では、なぜ、ID-POS分析がこれまでのPOS分析を理論的に包み込んでいるかであるが、それは、どちらの分析も、売上げの原因を追究してゆくことになるが、これまでのPOS分析で解明できる売上構造はすべて、ID-POS分析で解明できるが、逆に、ID-POS分析で解明できる売上構造はこれまでのPOS分析では解明できない部分があるからである。この解明できない売上構造の部分がID-POS分析特有の分析であり、これが、今後、これまでのマーチャンダイジングを変革してゆくことになる起爆剤となる。

   そこで、その売上構造の違いであるが、これまでのPOS分析で、最も単純な分析は、売上高=売上数量×平均単価である。この平均単価は売上高/売上数量であり、双方が成り立っていることがわかる。そして、これがもう1歩発展したものが、レシート客数が入った分析となる。この場合のPOS分析は、売上高=レシート客数×金額PI値(客単価)となる。金額PI値は売上高/レシート客数であるので、双方が成り立っていることがわかる。この金額PI値はさらに、金額PI値=PI値×平均単価と分解でき、PI値は売上数量/レシート客数であるので、売上数量×平均単価=売上高であるので、双方が成り立っていることがわかる。したがって、売上高=レシート客数×金額PI値=レシート客数×PI値×平均単価となり、これが、これまでのPOS分析の基本方程式である。

   そして、この基本方程式、いわゆるMD方程式に従い、すべての商品の売上げを分解し、その商品の売上げをあげるための様々な仮説検証がマーチャンダイジング戦略そのものであったといえる。したがって、これまでのマーチャンダイジングをごく単純化すれば、レシート客数を増やす、PI値を増やす、平均単価を増やす、あるいは、これら、いずれか、ないしは、すべてを増やす政策であったといえる。ここからも、わかるように、従来のマーチャンダイジングは、徹底的に商品こだわった政策が基本であり、しかも、レシート客数、PI値、平均単価の3つの要素が基本指標となっている。

   これに対して、ID-POS分析はどうか。ID-POS分析も売上げを商品から見る点は同じであるが、その基点をレシート客数に置くのではなく、ID客数に立脚することに最大の特徴がある。これまでのPOS分析同様、商品を分析してはいるが、単に商品が売れた、売れないではなく、まず、その商品を購入しているID客数がいったい何人いるかが最初の出発点となる。レシート客数の場合も同じように思えるが、実はID客数とは決定的な違いがある。ID客数は時間とともに増加するが、その伸びはどこかで落ち着き、限りなく一定の数字に近づいてゆく。これに対して、レシート客数は時間とともに増え続け、ID客数の収束とともに伸び率は小さくなるが、ほぼ永遠に増加してゆくことになる。

   したがって、ID-POS分析の次の関心事は、そのID客数がいったい何回商品を購入するか、すなわち、購入頻度、ID客数PI値が次の重要指標となる。ID客数PI値=レシート客数/ID客数であり、まさに、ID客数が時間とともに、どのくらいの頻度で購入しているかを表す、ID-POS分析特有の指標である。そして、当然、次のID-POS分析の関心事は、そのID客数が1回当たりいくらその商品の購入しているか、何個購入しているか、いくらで購入しているかとなり、これは、これまでのPOS分析の金額PI値、PI値、平均単価そのものであり、ここから先は、これまでのPOS分析の領域となる。

   まとめると、ID-POS分析は、売上高=ID客数×ID客数PI値×金額PI値=ID客数×ID客数PI値×PI値×平均単価となる。また、ID客数PI値×金額PI値は約分すると、売上高/ID客数となるので、これをID金額PI値とすることができる。したがって、売上高=ID客数×ID金額PI値=ID客数×ID客数PI値×金額PI値=ID客数×ID客数PI値×PI値×平均単価となり、これが新MD方程式である。

   さて、こう見ると、これまでのPOS分析はID-POS分析を完全に包み込んでいるといえ、さらに、これまでのPOS分析ではなかったID客数とID客数PI値、さらには、ID客数PI値×金額PI値=ID金額PI値が加わっており、ここがID-POS分析特有の新たなマーチャンダイジング戦略を構築してゆく鍵を握っているといえ、同時に、これまでのマーチャンダイジングでは説明不能であった、新たに判明したマーチャンダイジングの世界であるといえる。

   マーチャンダイジングとは、レシート客数と金額PI値、そして、PI値、平均単価からのみ見るのではなく、ID-POS分析が可能となった場合は、まず、ID客数、そして、ID客数PI値、さらには、1回当たりの売上げ、金額PI値ではなく、ID客数、1人1人が購入している売上げの中身を見ることがポイントであり、この数字の変化をもたらすことが、ID-POS分析特有のマーチャンダイジング戦略であるといえる。

   なお、ID-POS分析のマーチャンダイジング戦略は、これに加え、ID客数が基点となったことにより、さらにダイナミックに変化してゆく。これについては、稿を改めて解説したい。
   

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December 25, 2011 in CRM、FSP | | Comments (0) | TrackBack (0)

December 20, 2011

これまでのPOS分析とID-POS分析の役割分担!

   12/19の日経MJに、「自動発注の導入加速、食品スーパー」、「東武ストア、小型店に生活用品向け」、「いなげや、数年以内、EDLP全店に」という記事が掲載された。食品スーパーマーケットが自動発注への取り組みを強化しはじめたという内容であり、今後、食品スーパーマーケット業界へ急速に広がってゆくことになろう。この自動発注にはPOS分析が不可欠であり、POS分析は、今後、この自動発注をはじめ、いわゆる、食品スーパーマーケットの基幹業務、SCM(サプライチェーンマネジネント)の方へより活用が進んでゆくことになろう。したがって、ここ最近、食品スーパーマーケット、メーカー、卸で関心の高いID-POS分析はマーチャンダイジング、販売促進、個店対応へと、役割分担が分かれて行くことになると思われる。

   一般に、自動発注の仕組みの根幹はPOSデータが鍵を握っている。自動発注に必須の安全在庫の算出にはPOS分析が前提となるからである。自動発注は安全在庫の水準を在庫量が切った時点で自動に発注がかかる仕組みであるので、その安全在庫の基準設定にPOSデータが活用される。実際のPOSデータの活用は、基準在庫量、そして、標準偏差等を用いて安全在庫量が決定され、その安全在庫量を切った時点で自動発注がかかることになる。したがって、自動発注の対象商品のPOS分析にもとづいた、需要予測、基準在庫の設定、安全在庫の設定は一連の流れであり、ここにPOS分析が必要不可欠の仕組みとなる。

   当然、その延長上には、同じ商品でも店舗ごとに売上げが違う場合もあるので、店舗ごと、商品ごとに需要予測、基準在庫、安全在庫が異なり、必然的に店舗別の品揃え、店舗別の棚割へと発展してゆくことになる。さらに、店舗数が増えると、在庫の確保、物流センターとの連動、メーカー、卸との連携が必要となり、自然、SCMへとつながってゆく。その意味で、自動発注は、POSデータを活用しての仕組みのひとつではあるが、その延長線上には自動棚割、物流センター、メーカー、卸との連携、すなわち、SCMにつながるテーマがあるといえる。

   ちなみに、この日経MJの東武ストア、いなげやの記事の内容であるが、東武ストアは、「2012年2月期から、売場面積1000平方メートル前後の小型店を対象に衣料品と生活用品の2分野で自動発注システムの導入を始めた。基準在庫量を下回ると、自動的に商品を発注する仕組み。」とのことである。一方、いなげやは、「現在、EDLP(エブリデー・ロー・プライス=毎日安売り)業態の「いなげや、ina(いーな)21」の10店舗に導入しているが、これを数年以内にいーなの全27店舗に拡大する方針。いーなでは特売をしないため、需要予測が立てやすい。冷凍食品を中心に販売の波が小さい商品群が対象。」とのことである。

   このような動きは、今後、食品スーパーマーケットの小型店では必須の仕組みとなってゆくことになるといえよう。すでに、マルエツの小型食品スーパーマーケット、マルエツプチでは加工食品に自動発注が導入されており、イオングループのすでに首都圏で200店舗を超えた「まいばすけっと」も自動発注を取り入れている。いずれもPOS分析をもとにした発注点管理による自動発注であり、POS分析が不可欠なシステムとなっている。

   では、ここ最近、食品スーパーマーケット、メーカー、卸の関心の高いID-POS分析は、今後、どのような役割を担ってゆくことになるかであるが、ID-POS分析は食品スーパーマーケットの全顧客の約70%前後の販売データであるので、全顧客の販売データではない。その意味で、食品スーパーマーケットの基幹業務と連携させるには無理のあるデータである。ただ、顧客1人1人の全購入履歴を把握できるので、商品の販売動向を顧客面から捉え直すことができ、商品ごとの顧客構造の変化と商品どうしの関係、つながりを顧客面から分析することが可能となる。さらに、これまでのPOS分析は理論的にも、ノウハウとしてもすべて包み込むことができ、新たなマーチャンダイジングのノウハウの開発も可能である。

   したがって、ID-POS分析はこれまでのPOS分析で取り組まれたマーチャンダイジング関連、特に、販売促進にかかわる分析、ノウハウ等を吸収し、新たなマーチャンダイジング戦略を創ってゆく役割を担うことになろう。しかも、ID-POS分析は、顧客の購入履歴に立脚したPOS分析であることから、これまでの本部中心のPOS分析から、店舗に基点をおいたID-POS分析へと転換が進み、文字通り、本部が店舗の個店対応を全面支援する組織改革にもつながってゆくことになろう。

   このように、今回取り上げた自動発注は、これまでのPOS分析を用いて構築する食品スーパーマーケットの基幹業務の一環であり、SCMへとつながってゆくことになる仕組みといえる。これまでのPOS分析は、今後、ますます、食品スーパーマーケットの基幹業務の根幹に位置づけられることになると思われるが、一方で、ID-POS分析は、これまでのPOS分析が担ってきたマーチャンダイジング、特に、販売促進、個店対応の仕組みづくり等への置き換え、活用、新たなノウハウづくり、そして、組織改革へと、その活用がなされてゆくことになろう。来年度は、その意味で、ID-POS分析の食品スーパーマーケットでの役割が、より明確になり、一層高まることになろう。

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December 20, 2011 in CRM、FSP | | Comments (0) | TrackBack (0)

December 13, 2011

ポイントカード、プリペイド、ハウスカードの時代へ!

   12/11の日経MJで「ナナコ」が取り上げられた。見出しは、「「ナナコ」利便性を向上、セブン&アイ」であり、小見出しは、「入金上限5万円に」、「ベニマルも導入」、「ポイント交換、手数料廃止」である。現在、食品スーパーマーケット業界ではポイントカードが急激に普及しているが、その大半は、決済機能のないポイントカードである。今回、ヨークベニマルが採用する「ナナコ」は決済機能、それも、プリペイドでの決済機能付きのポイントカードであり、しかも、すでに、導入しているセブン&アイHのグループのクレジットカード等とのポイント交換も視野に入っており、利便性の高いポイントカードとなる。

   このようなプリペイドのポイント、かつ、ハウスカードは、食品スーパーマーケット業界では、すでにイオングループがマックスバリュ等でWAONの普及を積極的に進め、先行しており、イオンの独壇場であったといえる。それが、日経MJの記事では、来春から、セブン&アイH傘下のヨークベニマル、ヨークマート、合計240店舗での使用が可能になり、流通業界、2大グループにおいて、本格的に食品スーパーマーケットでプリペイドカードが使えるようになる。食品スーパーマーケット業界へ与えるインパクトは大きいといえ、今後、全国の食品スーパーマーケットが、プリペイドのポイント、かつ、ハウスカードの検討を余儀なくされることになろう。

   ちなみに、一般に、ポイントカードは大きく決済機能があるかないかで、2つに分かれる。そして、決済機能がある場合、先に決済するか、後に決済するかで、さらに2つに分かれる。現在、食品スーパーマーケットで主流のポイントカードは決済機能がない単純なポイントカードある。そして、決済機能が先にあるポイントカードの代表的なものがクレジットカードであり、決済機能が後にあるポイントカードが、今回のナナコ等のプリペイドカードである。さらに、その中でも、ポイントカード全般にもいえることであるが、ハスカードか汎用カードかがあり、汎用カードの代表的なポイントカードがedy、SUICA等である。その意味で、今回のヨークベニマルへのナナコの導入はプリペイドのポイントカード、かつ、ハウスカードであり、現時点では食品スーパーマーケット業界は後塵を拝しているといえ、この点で2大流通グループに大きく後れを取ることになる。

   では、プリペイドのポイントカードがなぜ食品スーパーマーケットにインパクトを与えることになるかであるが、その兆候を示す、まさにポイントが、この日経MJで確認することができる。

   その1つ目が、今回、ナナコはヨークベニマル、ヨークマートへの導入に際して、「ナナコにチャージできる金額を引き上げる。従来の上限金額は29,999円だったが、来年3月13日から5万円にする。同時に買い物でナナコを利用してたまったポイントを電子マネーに交換する際の手数料を無料にする。」とのことである。その背景には、「利用者からチャージ金額の引き上げを求める声が増えていた。」とのことある。

   実際、ID-POS分析を実施すると、食品スーパーマーケットのS顧客は週数回買い物をしており、1回当たり、3,000円前後の買い物となる。したがって、月間では5万円を超える買い物となるのが実態であり、29,999円のチャージではA顧客までの対応となり、S顧客へのサービスが十分でないといえる。本来、ポイントカードの最大の目的はS顧客を特定し、S顧客へのきめ細かな対応を徹底させ、S顧客との強固な絆を築くことにある。ところが、チャージ29,999円では、食品スーパーマーケットのプリペイドカードとしては十分とはいえない。ここを改善に入ることにより、ヨークベニマル、ヨークマートが今後、S顧客へのサービスレベルを向上させることができ、競合する食品スーパーマーケットにとっては少なからぬ影響が生じるものと予想される。

   そして、もう1点、「ヨーカ堂やそごう・西武が発行しているクレジットカードのポイントをナナコポイントに交換できるサービスを始めたことが追い風となり、10月の決済件数は5,300万件と前年同月に比べ23%拡大した。」とのことである。この時点ではナナコの主要顧客はセブン・イレブンのコンビニであるといえるが、これは食料品への潜在ニーズを示しているといえ、ヨークベニマル、ヨークマートでも同様な効果が生れると予想される。

    このように、ナナコが来春から、食品スーパーマーケット業界の雄、ヨークベニマル、そして、首都圏のヨークマートに本格導入されることにより、先行するイオングループのWAONと激突、いっきに、プリペイド、かつ、ハウスカードのポイントカードの時代に食品スーパーマーケット業界が突入することになる。残念ながら食品スーパーマーケット業界は、大半が決済機能のないポイントカードであるので、特に、S顧客へのサービスで大きな差が生じる可能性が高いといえる。したがって、現状のポイントカードの機能強化に入るか、自らプリペイド、かつ、ハウスカードのポイントカードを導入するかの選択となり、いずれにせよ、S顧客への対応如何が、食品スーパーマーケットの明暗を分けることになろう。

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December 13, 2011 in CRM、FSP | | Comments (0) | TrackBack (0)

December 12, 2011

商品を洗え、磨け、輝かせ!

   来年度のID-POS分析のキャッチフレーズを決めた。「商品を洗え、磨け、輝かせ!」である。来年度はID-POS分析が食品スーパーマーケット業界に急速に広がってゆくと予想されるが、それにともない、メーカー、卸にもID-POSデータが数多くの食品スーパーマーケットから大量にもたらされることになろう。なぜなら、ID-POSデータはこれまでのPOSデータと違い、食品スーパーマーケットとメーカー、卸が一体となった協働での実践が必須となるからである。特に、ID-POS分析は顧客1人1人の購入履歴を1年以上に渡って中長期的な観点から分析することが原則となるので、その量は膨大、まさにビックデータとなり、そこから何を読み取り、どのような仮説をつくり、どのようなアクションを起こし、その結果をしっかり検証し、次の仮説づくりにつなげることが求められる。これは食品スーパーマーケット側だけでできる話ではなく、メーカー、卸の全面協力なくしてできないといえ、まさに、製販配の協働事業となるからである。

   このような中で、大量のビックデータに惑わされることなく、溺れることなく、泳ぎ切るには、ID-POSデータを活用する羅針盤が必要であり、その羅針盤を活用するための指針が必要である。すでに、羅針盤についてはIT技術の急速な発展により、その環境は整いつつあるが、肝心の指針については、様々な方向が示されており、あいまいなものが多い。

   そこで、現時点で、今後、数年間を見通し、独自に考えた羅針盤の指針となるID-POS分析におけるキャッチフレーズが、「商品を洗え、磨け、輝かせ!」である。ID-POS分析は、古くて新しいテーマではあるが、その実践的な活用は、まだまだはじまったばかりといえる。このキャッチフレーズをもとに、ID-POS分析に取り組んでゆけば、恐らく、1年でID-POS分析の本質が理解でき、このビックデータを誰でも実践の中で使いこなせるようになろう。

   さて、ID-POS分析のキャッチフレーズのはじめの言葉、「商品を洗え!」であるが、これは、これまでのPOS分析で取り組み、慣れ親しんできた商品からの売上げという概念を顧客1人1人の購入履歴をもとに洗い直し、売上げを顧客概念から改めて捉え直すという意味である。すべての商品は顧客1人1人の購入履歴により成り立っており、通常、食品スーパーマーケット1店舗当たり、年間1,000人に及ぶ購入顧客が存在することがID-POS分析では確認されている。したがって、ID-POS分析に取り組む大前提は、この約1000人の少なくとも丸1年間のID-POSデータを1人1人確かめ、その顧客構造をつかむことが出発点となる。売上げとは単に数が増えるとか、価格が変化することではなく、顧客構造が変わることによりもたらされるものである。この事実を、ID-POS分析により、商品1品1品の丸1年間の全購入顧客の購入履歴を分析し、まさに、商品を洗い直すことが、ID-POS分析における最初の課題といえる。

   次に、「商品を磨け!」であるが、商品を洗い終わると、商品1品1品の顧客構造が、1人1人の顧客の購入履歴により、鮮明になる。そこで、次のアクションは当然、商品の売上げをあげるために何をするかとなるが、ここでのポイントが食品スーパーマーケット、メーカー、卸が協働で仮説をつくり、その仮説を実際の食品スーパーマーケットで取り組んでゆくことである。まさに、顧客の海の中に商品を投げ込むことになるが、むやみやたらに投げ込むのではなく、ID-POS分析により慎重に仮説をつくり、海原に入ってゆくこととなる。まさに、これは、商品が顧客によって磨かれることであるといえ、しかも、食品スーパーマーケットだけではできず、メーカー、卸の全面協力が必須となる。すなわち、製販配一体となった顧客からの仮説検証であるといえ、これが商品を磨きが上げることにつながってゆくといえよう。

   そして、「商品を輝かせ!」であるが、商品を洗い、磨き終われば、自然、その商品の独自固有のID-POS分析におけるノウハウが確立される。これはまさに、商品の輝きそのものであるといえ、食品スーパーマーケットのどのような経営環境にも応じることができるフレキシブルな応用範囲の広い独自固有のノウハウの確立を目指して欲しいところである。これができることによって、まさに、商品が輝くことになろう。この独自固有のノウハウは食品スーパーマーケット、メーカー、卸、製販配の協働事業による成果であるといえ、顧客1人1人の購入履歴により商品が輝き、ID-POS分析が目指す、現時点でのゴールとなろう。

   このように、来年度以降、食品スーパーマーケット業界では、ID-POS分析の本格導入が進み、メーカー、卸に、まさにビックデータが大量に多方面からもたらされることになろう。このような中で、このキャッチフレーズ、「商品を洗え、磨け、輝かせ!」を合言葉に、製販配が一体となって取り組んでゆけば、大きな方向を誤ることなく、顧客1人1人の購入履歴に裏付けられた独自固有のノウハウを商品1品1品で作り上げることが可能となろう。来期、2012年度は、まさに、ID-POS分析の新たな時代の幕開けとなろう。

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December 12, 2011 in CRM、FSP | | Comments (0) | TrackBack (0)

December 10, 2011

メーカーとID-POS分析、何ができるか!

   ID-POSデータは小売業からのみ生まれる販売データであり、現時点では消費者、すなわち、顧客1人1人の購入履歴の把握が可能な唯一のPOSデータであるといえる。通常のPOSデータも顧客への販売データを把握することができるが、あくまでサマリーの数字であり、顧客1人1人の購入履歴にまで踏み込むことはできない。したがって、ID-POSデータをメーカーが小売業から入手することで、これまでのPOSデータでは見えなかった世界、メーカーが開発した商品の購入顧客1人1人の購入履歴を把握でき、その商品の売上構造を顧客面から正確に把握することが可能となる。また、現時点ではあまり精度は高くはないが、顧客の属性をもつかむことができ、どのような顧客が商品を購入しているかがつかめる。さらに、ID-POSデータは顧客が購入している対象商品以外の全商品の購入履歴まで把握することが可能となるので、メーカーが開発した商品と相性の良い商品が何かをつかむことも可能となる。

   このように、ID-POSデータはメーカーにとって、これまでのPOSデータではけっしてつかむことのできなかった3つの大きなメリットがあるといえる。まとめると、1つ目がメーカーが開発した商品の全購入顧客の詳細な購入履歴が把握でき、売上構造を顧客面から捉えることができることである。2つ目がその購入顧客の様々な属性が把握できることである。そして、3つ目が、その商品と相性の良い商品を見つけ出すことができることである。

   では、このID-POSデータの3つのメリットを実践でどう活かすかであるが、まずは最初のメリット、1つ目であるが、商品の全購入顧客の購入履歴が把握できることであるが、これは、これまで、商品の販売促進を考えた場合、商品の売上高の多寡を分析し、売れている時期に商品をさらに売り、売れない時期には何らかの底上げをはかることや、売れている店舗の成功事例を他の店舗へ水平展開したりしてきた。これに対して、ID-POS分析では、その状況も分析するが、それ以上に、売上高の多寡を顧客構造にまで踏み込み、高頻度の購入顧客、低頻度の購入顧客、そして、残りの中頻度の購入顧客に分けてとらえ、販売促進の目的を、商品の顧客構造の変化をもたらし、顧客全体の購入頻度を引き上げることに主眼を置くことになる。

   したがって、ID-POS分析おいては、売上げがあがるとは、商品の数が結果としては増えたり、価格が結果としは改善されたりするが、ここを見るのではなく、顧客1人1人の購入履歴がどのように変化したかを見ることになる。すなわち、高頻度の顧客がどのように変化し、どのくらい増えたのか、低頻度、中頻度の顧客はどう変化したかを読み解き、さらに、新たな商品の購入顧客が増えたのかどうかを見ることになる。そして、この購入顧客の構造変化をもたらすためには何が有効な政策かを、中長期に渡って仮説を立てて検証してゆく、これがID-POS分析の1つ目のメリットである。

   次に、2つ目のメリットであるが、ID-POS分析によって顧客属性を把握できることであるが、これは、現時点では、食品スーパーマーケットのポイントカードの属性把握の精度は必ずしも高いとはいえず、しかも、その情報も限られているのが現状であり、課題が残るメリットではあるが、それでも、傾向値を読み取ることは可能であり、これまでのPOS分析では見ることのできなかった領域に踏み込むことが可能となる。現状、実務的に共通に活用できる顧客の属性は性別、年齢別、住居別、そして、購入ランク別までのデータであるといえるが、これらをID-POS分析で見ることにより、メーカーの開発した商品のコアの顧客や何らかの販売促進において、強く反応した顧客などの把握が可能となる。当然、これは今後の商品開発や、販売促進の改善にもつながってゆくことになろう。また、一方でメーカーはマーケティング調査を様々な角度から実施しており、その調査データとID-POS分析結果を比較することにより、精度の高いマーケティング調査データができあがるといえよう。

   そして、3つ目のメリットが、相性の良い商品を見つけ出すことであるが、これは、これまでのPOS分析でも同時購入をしている相性の良い商品を分析することはできたが、その同時購入をしている顧客がどのような顧客か、さらには、その顧客がその後その商品を購入しているのか、過去はどうであったか、また、同時購入はしていないが、ある期間の中では購入しているかなどにまで踏み込むことができ、幅広く相性の良い商品を探し出すことができると同時に、その顧客の購入状況をもつかむことができる。商品の動きだけではなく、顧客面から商品の相性を見極めることが可能となることがメリットといえる。これによって、商品ごとの顧客層を把握することができ、重なっているのか、独立しているのか、その程度はどのくらいかがわかり、次の販売促進につながる。特に、最近はやりのクロスマーチャンダイジング戦略には必須の分析といえよう。

   このように、メーカーから、ID-POS分析を見た場合、大きく、3つのメリットがあるといえ、これら3つのメリットを享受するためにも、小売業から可能な限り、長期かつ継続的なID-POSデータを入手し、新たな商品開発、そして、今後の販売促進につなげてゆくことが、メーカーにとってのID-POS分析のメリットといえよう。この3つのメリットはいずれも、これまでのPOS分析では踏み込むことができなかった領域であり、メーカーとしては、ここまで踏み込み、小売業とのID-POS分析での協働研究を通じて、商品の活性化をはかって欲しいところだ。

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December 10, 2011 in CRM、FSP | | Comments (0) | TrackBack (0)

December 08, 2011

ちらし、POPを科学する!

   ちらし、POPは食品スーパーマーケットにとって販売促進の最大の武器であり、各社各様、様々なノウハウが開発され、実践されてきた。ところが、その効果を測定する方法は意外なほど開発が進んでいない。その要因はその目的が当然のことではあるが、客数アップ、すなわち、集客にあり、ついで、売上げアップにあったからであるといえる。この2つを追い求めると、自然、売上高=客数×客単価になり、ちらし、POPの目的が客数が上がったか、または、客単価を必要以上に落とさずに、客数アップとなり、売上高もアップしたのかが問われ、そこで、終わってしまい、次の展開が難しくなる。

   この方程式をさらに、売上高=客数×PI値×平均単価、あるいは、ここにID客数を導入し、売上高=ID客数×ID金額PI値=ID客数×ID客数PI値×PI値×平均単価と3D分析、4D分析に入ったとしても、これは商品の販売にかかわる指標であるので、商品の動きが変わったか、否かを見ており、ちらし、あるいは、POPが評価されているわけではないといえる。

   本来、ちらしもPOPも、それそのものは売上げには直接関係はなく、商品を引き立てる間接的な役割であり、いかに商品を引き立てているかを評価しなければならないはずであるが、それが、商品を通じた客数、ないしは、売上げで評価されると、そこには大きなズレが生じる。このズレを解消しない限り、ちらしとPOPはいつまでも正当な評価が得られず、結果、確かに、これまで様々なノウハウが開発されてきたが、今後の発展、新たなノウハウ開発にはつながりにくいのではないかと思われる。

   では、どうしたらよいか。その答えは、ちらしに載った商品、POPを貼った商品の客数、売上げでちらし、POPを評価するのではなく、ちらし、POPそのものを評価するような評価指標を開発し、その指標にもとづき、ちらし、POPを改善してゆくことにあるといえよう。

   その評価指標とは何か、現時点では、客数、売上げではなく、時間での評価がふさわしいように思える。顧客の時間をいかに獲得するか、これを、ちらし、POPの新たな評価指標とすることにより、特に売上げとは一線を画した評価が可能となるからである。そもそも、ちらし、POPは商品ではなく、商品を顧客に伝える媒体であり、媒体の評価は売上げではなく、時間の方がふさわしいように思える。ただ、現状の食品スーパーマーケットでは、この時間を正確にはかる仕組みはないが、理論の構築は可能であり、仮説を作ることは、検証が不十分とはなるが、可能である。また、ここ最近は食品スーパーマーケットがWEBを活用してネットスーパーを併設するケースが増えているので、このWEBでは時間を正確にはかることが可能であり、このWEBを解析して、現状のちらし、POPに応用することは、すぐにでも可能である。

   ちなみに、ネットスーパーは、今後、ID-POS分析の時代になると、同じ会員カードを使い、ポイント、キャッシュバックなどの特典もつけることが可能となるので、実際の店舗と顧客IDで融合され、同時にID-POS分析を実施することが可能となる。時代とともに、ネットスーパーの売上げ構成比も増え、顧客によっては店舗よりも、ネットスーパーの方が利用割合が高まることもあるといえ、ネットスーパーの役割は、食品スーパーマーケットにとっては、ますます重要になってゆくことになろう。そうなれば、ちらし、POPもネットスーパーから時間測定が類推できるようになり、より、時間の測定精度が増してゆくと思われる。

   さて、時間の理論、基本方程式であるが、ID-POS分析の基本方程式を応用することによって、次のように、時間を分解することが可能となる。時間=ID客数×ID-TI値=ID客数×ID客数PI値×PI値×平均時間である。ここで、ID-POS分析では平均時間の代わりに、平均単価を入れており、価格を掘り下げるか、時間を掘り下げるかの違いである。また、この数式から、ID-TI値=ID客数PI値×PI値×平均時間となる。

   この方程式の意味するところであるが、時間とは、大きく4つ、すなわち、ID-POS分析同様、4Dで分析ができ、4つの角度から顧客の時間最大をめざすことがポイントであるということになる。すなわち、ちらし、POPを見る顧客を増やすこと、その顧客当たりのちらし、POPを見る時間(ID-TI値)を増やすことである。そして、そのためには、3つのポイントがあり、まずは、ちらし、POPを見る頻度(ID客数PI値)を増やす、すなわち、何度も見てもらえるちらし、POPをつくることである。次に、ちらし、POPの注目度(PI値)を引き上げること、すなわち、価格が最も大きい要素であるが、これ以外にも写真(動画)、キャッチコピー、色、文字の大きさ、書体などを工夫することも重要である。そして、最後が、ちらし、POPを見る時間(平均時間)を増やす、すなわち、商品の説明、メニュー提案、産地の表示など、顧客が欲しい、知りたい情報をふんだんに提供することである。

   おそらく、この3つは数値、そして、概念として意識してはいなかったとは思うが、ちらし、POPをつくる時は自然、無意識に検討し、実践してきたことではあると思うが、実際、時間を科学すると、このような方程式ができあがり、3つのポイントがクローズアップされる。実際のちらし、POPで、これらを正確に測定することは難しいが、WEBでは正確に測定できるので、ネットスーパーを併設しているのであれば、是非トライし、リアルの店舗に応用して欲しいところだ。また、実際にこのような数値が測定できなくとも、理論としては成立しているので、仮説をつくり、取り組むことは可能であるので、この3つのポイントを意識してちらし、POPづくりに取り組むと、高い効果が期待できよう。

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December 8, 2011 in CRM、FSP | | Comments (0) | TrackBack (0)

December 06, 2011

リフト値を科学する!

   リフト値はID-POS分析の世界では広く使われている指標であるが、意外に、その本質は未解明な部分が多い。そもそも、その発祥段階がID-POS分析ではなく、通常のPOS分析であることもあり、ID-POS分析でのリフト値との区別がつかなくなり、混同されている点もあると思われる。そこで、ここでは、ID-POS分析の観点から、改めてリフト値を再検討し、その本質を掘り下げてみたい。結論からいえば、従来のリフト値はID-POS分析のリフト値にすべて包み込まれる関係にあり、リフト値の本質を理解するには、ID-POS分析のリフト値を理解することが先決である。

   リフト値がID-POS分析以前に活用された要因は、データウェアハウスの時代が先に到来したためであるといえる。時期は1990年代、いまから約20年前ぐらいとなるが、この頃、ウォルマートが本格的にデータウェアハウスの導入に踏み切り、膨大なPOSデータの分析に着手する。その大量データ分析の一環として、併売分析なども行われ、あの伝説ともなった「ビールとオムツ」の話が生れることになるが、これが恐らく、リフト値が小売業で注目される最初のキッカケといえよう。もちろん、この時代にID-POS分析が本格化していたわけではなく、ウォルマートはいまでも、本格的なID-POS分析はしていないので、ID-POS分析のリフト値ではなく、通常のPOS分析のリフト値、すなわち、レシートのリフト値であるといえる。

   では、レシートのリフト値とIDのリフト値とはどう違うかであるが、すべての分析をID客数で見るか、レシート客数で見るかの違いである。さらに、リフト値は双方から分析することにより、新たなリフト値が生れる。通常リフト値というと、併売分析をもとに同時購買のリフト値を算出するが、この時点でレシートのリフト値が前提となっている。なぜなら、同時購買は1つのレシートに同時に対象商品と関連商品が入っているレシートのことであり、ID客数では把握できない分析であるからである。ID客数では、レシートにかかわらず、購入全レシートの全購入商品を見るために、同時購買されているかどうかは判断がつかないからである。したがって、ID客数では、同時併売も含む、期間併売が分析対象となる。一方、レシート客数では、期間併売がID客数が把握できないため、判別が不能であり、レシート客数からは、期間併売が全く把握できない。

   したがって、同時併売と期間併売はレシート客数とID客数、双方の分析を通じて得られる指標であるといえ、あい補い合う関係にあるといえる。そして、この2つのリフト値を分析することで、双方のリフト値に同時購入の場合のリフト値、期間購入の場合のリフト値の2つのリフト値、合計、4つのリフト値を算出することが可能となる。これが、ID-POS分析時代のリフト値であり、この4つのリフト値は、ID客数だけからでも、レシート客数だけからでも算出することはできず、双方があいまってはじめて算出される、まさに、ID-POS分析ならではのリフト値といえる。

   そして、リフト値は、これで終わらない。まだ先がある。売上金額、売上数量への拡張である。これは、レシートの中身をさらに掘り下げ、対象商品、関連商品の売上金額、売上数量の同時併売、期間併売の数値を算出し、そのリフト値を算出することである。これにより、ID客数のリフト値2つ、レシート客数のリフト値2つに加え、売上金額のリフト値2つ、売上数量のリフト値2つが算出でき、合計8つのリフト値が算出される。

   では、ここから何をリフト値に期待するかであるが、従来のPOS分析ではリフト、すなわち、対象商品を持ちあげるために、どの関連商品が最も効果があるかを見ているが、何を持ち上げるかが不明確であった。それが、ID客数のリフト値により、顧客IDを増やす商品の選定、レシート客数のリフト値により、購入回数を増やす商品の選定、同様に、売上金額を増やす商品の選定、売上数量を増やす商品の選定へと、何がを特定できることになる。また、同時か期間かが判別でき、同時購入していない関連商品でも期間購入している商品であるかもしれず、同時購入だけでは見えない領域をもマーチャンダイジングの対象とすることができる。

   さらに、これをID客数の属性、すなわち、性別、年齢、顧客ランクなどに分割すると、関連商品との関係を掘り下げることが可能となり、特に、Sランクの顧客のみのリフト値を算出することにより、A、B顧客と明らかに有意差があれば、S顧客特有のマーチャンダイジング戦略を構築することもできる。

   このように、リフト値はまだまだID-POS分析の中でも研究開発が未開拓の分野であるといえ、基本は同時、期間の2つであるが、これが、ID-POS分析になると、ID客数、レシート客数、売上金額、売上数量の4つに分かれ、2×4=8個となる。さらに、これがIDの属性にまで踏み込めば、2倍、3倍と増えてゆくので、いくらでも、自由にリフト値をつくり上げることができ、それぞれのリフト値を応用したマーチャンダイジング戦略をつくることが可能となる。また、ここでは言及しないが、通常リフト値は割って算出する指標であるが、これを引き算で算出するリフト値もあり、単に深めるだけでなく、次元の違うリフト値をつくることもでき、リフト値は今後、ID-POS分析の新たな研究領域を広げ、新たなマーチャンダイジング戦略をつくってゆくことになろう。

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December 6, 2011 in CRM、FSP | | Comments (0) | TrackBack (0)

December 05, 2011

RDS-POS、協働MD研究委員会、経過速報!

   12/1、(財)流通システム開発センター主催、RDS(全国地域POSデータ)を活用した小売業側のマーチャンダイジング研究委員会の第2回目が終了した。この委員会は、今期は私が委員長をさせていただき、RDS-POSデータを最新のMD評価表に落とし、実際に食品スーパーマーケットでどのようにRDS-POSデータを実践的に活用できるかを見極めることが課題となる。そして、来期はその研究成果を活かし、現在RDSに参加している約400店舗の食品スーパーマーケットにWEBを通じて、無償で最新のMD評価表を提供し、日々のマーチャンダイジング、特に、現場の方の営業活動に役立てていたくことを目的としている。ちなみに、RDSへの食品スーパーマーケットの入会は無料であり、全国、企業規模に関係なく、1店舗から参加可能であり、現時点でもPOSデータをRDSに送信すれば、その地域のPOSデータと自店のPOSデータとの比較が、WEBで可能である。現時点でも、最新のMD評価表ではないが、客数PI値、金額PI値、PI値、平均単価で比較可能である。

   今回の協働MD研究委員会の正式委員は、RDSに加盟している食品スーパーマーケットを中心に構成されており、東北から1社、首都圏から1社、近畿から1社の3社の食品スーパーマーケットが中核となり、これにIT、システム開発、コンサルティング会社などが加わっている。また、オブザーバーとして、RDSを支えているIT企業、RDSのデータをメーカーに販売している企業、そして、食品スーパーマーケットの業界誌も参加しており、総勢約20名となる。来春には、今回の委員会での研究成果を報告書に取りまとめる予定である。その後、まずは、現在の約400店舗の食品スーパーマーケットの方に最新のMD評価表をWEBでお使いいただき、随時、新たな参加企業を募ってゆく予定である。

   前回、第1回目の研究委員会は10/5に開催されたが、この時は、初回ということでもあり、食品スーパーマーケットがRDS-POSデータをどう最新のMD評価表を通じて活用するか、また、どのようなカテゴリーから協働MD研究をはじめるか、今後、どのように現場での活用を行ってゆくかなどであり、具体的な協働MD研究にまでは踏み込めなかった。

   これに対して、今回、第2回目は前回決定した研究課題カテゴリーに、実際のRDS-POSデータをもとに各委員の食品スーパーマーケットが取り組んでいただき、さらに、その売場写真も研究課題に加えたので、直近のRDS-POSデータと迫力満点のアップでの各カテゴリーの売場のカラー写真が連動した、まさに、協働マーチャンダイジングの研究会となり、現場の生々しいやりとりが交わされ、臨場感のある研究委員会となった。各委員の食品スーパーマーケットはRDS-POSを通じて、自店と地域とのPOSデータを比較検討するだけでなく、この研究委員会で、東北地区、首都圏、近畿地区のRDS-POSデータをも比較検討し、さらに、各地区の店舗の売場写真もお互いに比較しあい、加えて、参加メンバー間の議論がなされ、2重、3重、4重のRDS-POSデータの活用につながったといえる。

   あとは、これを各食品スーパーマーケットが、現場に持ち帰り、現場でRDS-POSデータを実践活用できるかが、今回の協働MD研究委員会の目的であり、次回までの課題といえる。RDS-POSデータは食品スーパーマーケットとしては、本部が活用することはもちろんであるが、それ以上に、1店舗1店舗の現場担当者が活用することが、さらに重要なポイントであり、今回は、そこに照準を合わせている。

   さて、研究課題カテゴリーであるが、菓子パン、ヨーグルト、カップ麺、スナック、豆腐、牛乳、加工肉であり、これに、参考カテゴリーとして、生鮮食品から、その他農産、そして、つゆ、焼酎(乙類)が加わり、このカテゴリーの自店のPOSデータとRDS-POSデータを最新のMD評価表で、客数PI値、金額PI値、PI値、平均単価、そして、SKU数で比較し、合わせて、実際の売場の写真と連動しながら、議論してゆくという流れが、今回、できあがったといえる。次回は、今期、最後となるが、今回の2回目、全参加メンバーで議論した内容を踏まえ、委員である東北、首都圏、近畿の食品スーパーマーケットがどこまで現場に落とし込み、結果、その数字がどのように変化したかを、RDS-POSデータと改善後の売場写真で検証する予定である。

   今回、研究委員会を通じて、改めて感じたことであるが、現場のマーチャンダイジングの理解を深めるには、数字だけの検証ではなく、写真、すなわち、イメージを連動させることが、いかに重要かがわかった。しかも、映像は小さくてはだめであり、カラーで可能な限り、大きく、鮮明なものが良いといえる。今回も、写真はパワーポイント1枚に写真1枚としており、これとRDS-POSデータを同時に見ることによって、各委員、オブザーバーの方からも様々な意見がもらえ、食品スーパーマーケットの各委員もすぐに改善できる課題、中長期的に改善すべき課題が鮮明になったのではないかと思う。

   このように、第2回目のサプライチェーン、協働MD研究委員会が無事終了し、残すところ、あと1回となったが、何とか、最新のMD評価表も食品スーパーマーケットの現場で実践的な活用が可能であるようであり、これに迫力のある売場写真が加わることにより、より、現場での実践活用が進んでゆくのではないかと思う。また、参加しているIT企業では、今後、このシステム開発を本格的に進め、いずれ、RDS加盟約400店舗でのWEBでの閲覧が可能なような仕組みを作ってゆくことになろうが、これまで、最新のMD評価表がうまく動き、実際、東北、首都圏、近畿の食品スーパーマーケットの各委員が活用できはじめているので、この点も乗り切れるのではないかと思う。次回の委員会は3月の予定であるが、食品スーパーマーケットの各委員が、RDS-POSデータを現場にしっかり落とし込み、数字が改善していることを期待したい。

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December 5, 2011 in CRM、FSP | | Comments (0) | TrackBack (0)

December 04, 2011

クロスマーチャンダイジングを考えてみる!

   ここ最近、食品スーパーマーケットの新たなマーチャンダイジング戦略のひとつとして、クロスマーチャンダイジングが定着しつつある。これは食品スーパーマーケット側だけの動きではなく、メーカー側も企業の枠を超えて、連携がはじまり、共同で食品スーパーマーケットへ提案することがはじまったことにもよる。今後、これに、食品スーパーマーケット側からID-POSデータがメーカー側に提供され、生鮮食品、惣菜等がクロスマーチャンダイジングに加われば、強力なマーチャンダイジング戦略の構築につながる可能性を秘めているといえよう。

   ちょうど、12/2の日経流通新聞にクロスマーチャンダイジングの記事が掲載されている。これを見ると、今年の冬は鍋をキーにクロスマーチャンダイジングが全国的に展開されるようである。記事の見出しは、「クロスMD、冬の「家ナカ」に的」、「メルシャン、ワインと鍋提案」、「サントリー、ミツカンと連携」であり、本格的に、この冬、鍋商材を通じたクロスマーチャンダイジングを展開するとのことである。特に、今年は、3/11の東日本大震災という大惨事があったことにもより、「絆」需要を掘り起こすことが、クロスマーチャンダイジングをよりクローズアップさせているという。

   記事の内容を見ると、まず、メルシャンであるが、昨年もこの時期にワインとカレー鍋、トマト鍋との好相性をうたい同時陳列をし始めたとのことで、今年は昨年の3.5倍に対象店舗数を増やすとのことである。特に、メルシャンの主力商品である「「フロンテラ」、「フランジア」といった約15種類のブランドのワインを販促対象に設定。」とのことで、これをもとに、「甘口や辛口など味わいが豊富なワインが、和・洋・中でバリエーションが広がっている鍋料理に合わせやすい点をアピールし、家庭内需要の拡大を図る。」とのことである。

   一方、サントリーは、「金麦」がクロスマーチャンダイジングの中核商品となるとのことで、クロスマーチャンダイジングのための販促費を昨年より1割増やしたとのことである。特に、サントリーは、「金麦で、鍋料理に使われる酢じょうゆのミツカンと連携。全国のスーパー約4000店舗で、鍋料理との組み合わせを提案する。」とのことである。「もともと金麦は家族だんらんの場で飲むコンセプトで開発した商品。」とのことで、サントリーとしては、「鍋を囲んで絆を確かめ合うケースも増える。」との読みがあるとのことである。「出荷数量は2000万ケースと例年にないペースで売れていることから、販促費を上積みして販促拡大を狙う。」とのことである。

   また、見出しにはないが、記事の中ではキリンビールのクロスマーチャンダイジングについても触れている。「キリンビールが照準を合わせるのは12月に多く開かれるホームパーティ。江崎グリコと初の共同販促に乗り出し、ウイスキーと菓子の組み合わせを提案する。」とのことである。「スーパー数百店の酒類売り場や催事場に共同販促コーナーを設置。「富士山麓」などのウイスキーで、江崎グリコ「ポッキー」との組み合わせを訴求する。」とのことである。

   こう見ると、今年の冬は、メルシャン、サントリーを軸に、ミツカン、江崎グリコが加わり、様々なクロスマーチャンダイジングが全国の食品スーパーマーケットで展開されるといえよう。一方で、食品スーパーマーケット側も生鮮食品、豆腐、こんにゃく、ちくわ、かまぼこ、牛乳、チーズなどの日配食品を中心に独自にクロスマーチャンダイジングが進んでいる。特に、生鮮食品の野菜、果物、牛肉、豚肉、鶏肉、鮮魚では様々なクロスマーチャンダイジングの展開がなされているのが実態である。

   したがって、今後、食品スーパーマーケット側がID-POSデータをクロスマーチャンダイジングの検証指標として活用、公開が進んでゆけば、クロスマーチャンダイジングの精度が上がり、きめ細かい対応が可能となり、あらゆるメーカーを巻き込んでのクロスマーチャンダイジングの展開も可能となろう。特に、ID-POS分析特有の指標のひとつIDリフト値を活用すれば、同時購買だけでなく、期間併売もリフト値で確認でき、クロスした商品同士の相性が正確に把握でき、次のクロスマーチャンダイジングの展開につながってゆくことになる。

   このように、クロスマーチャンダイジングは今年の冬、例年になく、メーカー各社が本腰を入れて食品スーパーマーケットに提案がなされ、この年末は、日本全国の食品スーパーマーケットの売場がクロスマーチャンダイジングの実践の場と化すのではないかと思われる。食品スーパーマーケットとしても、これに生鮮食品、惣菜、日配食品をいかにからめ、さらに強力なクロスマーチャンダイジングを実践できるかが、問われている年末であるともいえる。そして、そのためにも、ID-POS分析ができる環境にある食品スーパーマーケットは、今回のクロスマーチャンダイジングの結果をしっかり分析し、来期のマーチャンダイジング戦略に活かして欲しいところだ。

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November 30, 2011

バナナをID-POS分析で見てみる!

   バナナは果物の中でも年間を通じて安定した売上げを誇り、顧客からの支持が極めて高い商品のひとつである。今回、実施した食品スーパーマーケット向けのID-POS分析セミナー、in東京、in大阪、in福岡でもID-POS分析の実践事例のひとつとして、バナナを取り上げたが、興味深い分析結果であり、今後、マーチャンダイジングを大きく改善してゆく可能性の高い商品といえる。そこで、ここでは、このバナナのマーチャンダイジングは何がポイントとなるかについて、先のID-POS分析セミナーでのバナナの実践事例を踏まえ、改めて考えてみたい。

   バナナ、ここでは代表的な商品の1つとしてスィーティオについて取り上げてみたい。まずは、スィーティオを購入している顧客がどのくらいいるかであるが、今回の分析対象の食品スーパーマーケットでは、約10店舗で年間1万人を優に超える顧客が購入している実態が浮かび上がった。ID-POS分析の分析期間は基本1年であるが、これは、1年間の購入顧客の購入履歴を見ないと、顧客の全体像を把握することができないからである。実際、スィーティオの約1万人の購入顧客を購入頻度ごとにランク付けすると、毎週スィーティオを購入しているS顧客が3.5%、年間2ケ月以上購入しているA顧客が39.4%、年間1回しか購入しないB顧客が57.1%という結果がでており、圧倒的に、年間1回の購入顧客、いわゆるトライアルが多いのが実態である。したがって、これら約60%のトライアル顧客がどのように発生するかは重要なテーマであり、ここに踏み込み、このトライアルのB顧客を毎月購入してもらえるA顧客にランクアップできるかどうかが問われるからである。

   ちなみに、スィーティオに限らず、生鮮食品を含め、多くの商品で同様な顧客構造であることが実証されており、グロサリーになると、さらに、B顧客の比率が上がるのが実態である。したがって、ID-POS分析の分析期間は原則1年が望ましいといえ、当然、販売促進も1年を単位に検討し、年々、顧客ランクを引き上げてゆく、顧客導線をつくり上げることがID-POS分析では要諦となる。

   さて、その中身であるが、S顧客はスィーティオを平均、年間24回購入しており、年間6,000円を超える売上げとなる。A顧客は平均、年間4回購入しており、年間1,000円弱の売上げとなる。そして、B顧客は平均、年間1回の購入であり、年間200円強の売上げとなる。また、1回当たりでは、いずれのランクの顧客も、ほぼ、毎回1房であるが、平均単価はS、A、Bの順に低くなるのが実態である。したがって、B顧客は特売等で発生しているといえ、S顧客になると特売以外も当然購入されているので、平均単価が高くなるといえる。

   この時点で、スィーティオの年間の販売促進計画、特に顧客のランクアップの観点からつくることができるが、ID-POS分析は、ここからが真骨頂であり、この顧客がスーティオ以外にどのような商品をどのように購入しているかを分析することができる。まずは、S顧客であるが、スィーティオは年間24回購入しているが、店舗には平均150回以上来店しており、年間40万円以上購入している。A顧客はスィーティオは年間4回であるが、店舗には、平均100回以上来店しており、年間20万円以上購入している。そして、B顧客はスィーティオは年間1回の購入であるが、店舗へは平均100回弱来店しており、年間20万円弱購入している。興味深いことに、S顧客は店舗にとってもS顧客が多いといえるが、A、B顧客は極端な差がないのが実態といえ、スィーティオのB顧客だからといって、ないがしろなマーチャンダイジングを実施すると、顧客カットになりかねず、店舗にとっては、スィーティオのB顧客にも重要な顧客が数多く存在するといえる。したがって、ここから、B顧客のスィーティオ以外のS商品を突き止めることも次の課題となろう。

   ちなみに、この顧客をばらして、店舗貢献度順に並び替えて、店舗のS顧客を見てみると、S顧客のスィーティオの年間購入回数は平均5回程度であり、年間売上げは1,500円弱、スィーティオのみのS顧客と比べると、圧倒的な差があり、スィーティオのS顧客=店舗のS顧客とは、必ずしも、ならないことがわかる。これ以外にも、性別、年齢別など、いわゆる顧客属性で分析すると、男性、年配の方の支持が高いことがわかる。さらには、リフト値で分析すると、他のバナナとの同時購入はほとんどないが、期間併売は極めて高いなどの分析結果が得られる。また、他の果物、生鮮食品、惣菜、日配、グロサリーとの関係も明らかになる。

   実は、これが、まさに、商品DNAの根幹指標であるといえ、ID-POS分析でスィーティオを様々な角度から分析することにより、スィーティオを中心にまさにDNAの2重螺旋構造のような様々な関係を導くことが可能となり、この実態をもとにマーチャンダイジングを検討することが、新たな視点であるといえる。また、ここから導きだれた仮説を実際に売場で実践し、その検証結果を見ることにより、スィーティオと顧客との関係を店舗を通じて、時間とともに深めてゆくことが可能となり、これがまさにID-POS分析を通じてのマーチャンダイジング戦略であるといえよう。ID-POS分析が可能であれば、是非、新たな視点でのマーチャンダイジングに挑戦して欲しいところだ。

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November 30, 2011 in CRM、FSP | | Comments (0) | TrackBack (0)

November 27, 2011

店舗DNAと商品DNA、何ができるか!

   ID-POS分析特有の分析、テスコ流として日本で広く取り入れられている分析に、商品DNAがある。チェーンストアエイジの11/15号でも、テスコの商品DNA事例として、その一端が紹介されている。これは商品1品1品の特徴を1、0、-1で表し、様々な角度から新たな商品分類を構築してゆく手法である。たとえば、容量大中小1、0、-1、健康に良い1、0、包装品である1、0、鮮度が高い1、0、日持ちする1、0、調理が簡単1、0、インスタント製品でない1、0、NBvsPB、1、0、子供向け1、0、お買い得品1、0、最高級品1、0、高価格商品vs低価格商品1、0、ベジタリアン1、0、新しい商品1、0、伝統的な商品1、0、環境配慮型商品1、0というような分類である。

   そして、ここから、因子分析を行い、いくつかの決定的な軸を抽出する。テスコでは価格重視派(経済的に豊かでない)、主流派(平均的顧客)、保守派(外見保守的で高齢者)、利便性追求派(総菜好きで、若いカップル)、健康志向派(健康的なライフスタイル)、美食派(経済的に豊か)などである。そして、このセグメントにそって、顧客をグループ化し、顧客ごとに四半期に一度ダイレクトメールを発送し、その中に、顧客グループ特有のクーポン、あるいはイベントの紹介、銀行ローンへの勧誘などを行ってゆく。これがいわゆる、テスコ流のID-POS分析の根幹である。

   このように顧客グループをつくる点がID-POS分析につながる課題であるが、実は、以前も本ブログで取り上げたが、この方向以外に、通常のPOS分析でも十分に活用できる商品DNAの活用の仕方がある。その方法とは顧客を店舗と考え、顧客分類の代わりに店舗分類を実施し、店舗ごとに商品の品揃えを決定する方法である。商品DNAに対して、店舗DNAをつくることがポイントとなる。実は、この方がはるかに歴史は古く、ウォルマートがDNAではなく、商品トレートと店舗トレートという概念を提唱し、実践している。その意味でテスコの手法はウォルマートの応用、店舗トレートを顧客セグメントに活用したに過ぎないといえる。しかも、ウォルマートはテスコのDM発送の代わりに、自動発注を作り上げ、クーポン、イベントの変わりに自動棚割り、ちらし、POP等へ応用しており、店舗の活性化につなげ、さらに、SCM、サプライチェーンマネジメントを強く意識した仕組みを作り上げているといえ、実用性が高い。

   したがって、日本においても、まずは、ID-POS分析以前の問題として、商品DNAと店舗DNAをつくり、店舗タイプ分けを行い、店舗ごとの品揃えの見直し、そして、重点商品の発注管理への応用が先決であるといえよう。そして、そこからSCMを構築し、その後に、ID-POS分析を活用したCRM、カスタマー・リレーションシップ・マネメントへ踏み込むことが自然の流れのように思う。

   実際、現状のPOS分析で商品DNAも店舗DNAも十分に構築が可能であり、しかも、商品DNAに関しては、商品を開発したメーカーのほとんどが、何らかのマーケティング調査を実施したデータを保有しており、小売業よりも幅広い情報収集ができているのが実態である。そのマーケティング調査データをもとに、商品DNAを1か0で分類し、精緻なものをつくり上げてゆけば完成度の高い商品DNAが得られる。そして、ここに通常のPOS分析、さらには、ID-POS分析を加えてゆけば、そのデータも取り込むことにより、販売実績、顧客の購入履歴、顧客の属性を加味した精度の高い商品DNAができあがるといえよう。ウォルマートよりも、テスコよりも決め細かい商品DNAが完成するのではないかと思う。

   そして、店舗DNAについても、ここ最近成長著しいGISデータを加え、これに、通常のPOS分析、ID-POS分析を加味すれば、日本独自の店舗DNAができるものと思われる。はじめは単純なモデルをつくり、それをもとに検証を繰り返すことにより、おそらく、時間とともに、かなり商圏構造を反映した店舗DNAができあがるものといえよう。

   あとは、この2つのDNA、商品DNAと店舗DNAを合体させ、店舗DNAから導きだされた店舗タイプごとに、品揃えを決定し、重点商品を明確にし、棚割りを作成し、年間52週のマーチャンダイジングを計画し、POP、ちらし等で販売促進を行い、さらに、限りなく自動発注の仕組み、サプライチェーンの適正化を図ってゆけば、適正品揃え、適正在庫、適正物流に限りなく近づいてゆくことになろう。そして、これにID-POS分析のきめ細かい顧客への対応がなされてゆけば、最強の店舗、最強のチェーンができあがるのではないかと思う。

   このように、商品DNAと店舗DNAは、実は、ID-POS分析以前の問題であり、通常のPOS分析でもメーカーの協力が得られればすぐに実現可能なテーマであるといえ、チェーンストアであれば必須のマーチャンダイジングの課題であるといえよう。そして、これにID-POS分析が加われば、さらに、精度の高い商品DNAと店舗DNAが構築でき、店舗に加え、顧客へのアプローチが可能となる。さらに、マーチャンダイジングも顧客を意識した、顧客ランクごとの政策の立案が可能になるといえよう。店舗数が50店舗、100店舗、1,000店舗となったチェーンは、商品DAN、店舗DNAの構築は必須の課題であるといえ、店舗数が少ない段階でも、チェーンストアであれば、是非、トライして欲しいテーマといえよう。

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November 27, 2011 in CRM、FSP | | Comments (0) | TrackBack (0)

November 19, 2011

POSデータの開示を考えてみる!

   ここ最近、POSデータの開示が食品スーパーマーケットからメーカーに盛んに行われており、ほぼ日本全国で見られる動きである。この傾向は、まさに、ここ数年の動きであるといえ、いっきにここへ来て広まったといえよう。もともと、このPOSデータの開示の先駆者はウォルマートであり、ウォルマートがいまから10年以上前にメーカーへPOSデータを公開したところからはじまる。日本でもこの流れを受けてPOSデータの開示がなされているように思えるが、よく見ると、ウォルマートのPOSデータの開示とは雲泥の差がある。というよりも、異質といえ、日本独自のPOSデータの開示文化が開きつつあるといえる。

   そもそも、ウォルマートが10数年前にPOSデータの開示をはじめるきっかけとなったのは、巨大なデータウェアハウスを導入し、POSデータの分析に着手したことがきっかけである。この話はすでに、出版物、WEB等で何度も取り上げられているが、特に、「ウォルマートに学ぶデータ・ウェアハウジング(翔泳社)」に詳しい。それを見ると、POSデータの開示の目的が自動発注、自動棚割りに結びつけることにあることがわかる。ここが日本のPOSデータの開示と決定的に違う点であろう。日本の場合は、POSデータの開示の目的の大半が、販売促進にあるといえ、メーカーからの効果的なマーチャンダイジングの改善提案をもらうことに主眼が置かれているといえる。したがって、メーカー側の負担があまりに大きく、現状のPOSデータを分析し、そこから、販売促進の仮説をつくり、提案書にまとめ、小売業のバイヤーに提案する。そして、さらに、その後、検証が行われ、再度、提案が求められるという、本来、バイヤーがやるべき業務のかなりの部分を代行するようなことになっているといえる。

   これに対して、ウォルマートの場合は、POSデータの開示には、日本ではほとんど見られない在庫情報の開示がなされており、しかも、この在庫情報の開示がPOSデータの中ではメインともいえる。なぜなら、この在庫情報とPOSデータをもとに、自動発注の仕組みをつくり、さらに、その発展系として自動棚割りまでつくるからである。したがって、メーカーは、その発注数量にもとづき、物流管理、さらには、生産管理を徹底することが求められ、これに自動棚割が加わり、店舗ごとの適正在庫管理が求められ、結果、在庫改善を通じてキャッシュフローの改善につなげることが期待される。

   余談だが、実は、テスコのID-POS分析もこの点に注目しており、商品からのキャッシュフローの改善を顧客からのキャッシュフローの改善に置き換えたところにポイントがあるといえる。したがって、エンド展開ひとつをとって見ても、テスコの場合は、ID-POS分析にもとづき、キャッシュフロー最大を期待できるロイヤルカスタマーの重点商品を優先し、陳列するが、結果、顧客からのキャッシュフローが商品を通じて改善されることになる。

   ちなみに、テスコとウォルマートの仕組みはPOSとID-POS分析との違いはあるが、よく似ている。いまはやりのテスコ流の商品DNAはウォルマートでもすでに通常のPOSデータで構築されており、商品トレイトという名称で商品をきめ細かく分類している。さらにウォルマートの場合は店舗トレイトも同時に作っており、この商品トレイトと店舗トレイトをもとに、自動棚割りを作成し、品揃えの適正化をはかっている。したがって、その後、自動発注につなげてゆくので、テスコのID-POS分析の原型がすでにウォルマートででき上がっていたといえる。

   こう見ると、日本のPOSデータの開示は、在庫情報が不十分、というよりも、企業規模が小さく、センター機能等が十分でないため、店頭在庫管理までが限界といえ、メーカー在庫、センター在庫、店頭在庫を一気通貫で管理する必然性が薄いといえ、POSデータの開示にそぐわなかったといえよう。したがって、自動発注、自動棚割り、商品トレイト、店舗トレイトという一連のPOSデータの開示、さらには、テスコのような、ID-POS分析にもとづく、顧客面からのキャッシュフローの改善という方向にPOSデータの開示があわなったのではないかと思う。そして、残されたPOSデータの開示機能としては、日本特有のEDLPではない、ちらしを多用するHigh-Low-Price政策を前提とした販売促進への活用に集中してしまったのではないかと思われる。

   今後、POSデータの開示がどのような方向に進んでゆくかであるが、日本特有の販売促進に徹すのであれば、当然、POSよりも、ID-POSデータの方が、顧客属性、顧客の購入履歴が把握できるため、はるかに価値のあるPOSデータであることから、ID-POSデータの開示に集約されてゆくことになろう。そして、これまでのPOSデータの開示は、原点にもどり、自動発注を視野に入れた発注改善、自動棚割りを視野に入れた店舗ごとの品揃えにもとづく棚割り提案による在庫管理に収斂されてゆくのではないかと思う。

   時代は、前回のブログでも取り上げたテーマ、電子マネー、プリペイドカードとなりつつあり、POSデータがID-POSデータに置き換わってゆくことは必然といえる。POSデータの活用は全顧客のデータが把握できるがゆえに、機関システムともいえる物流、発注等に重点を置き、ID-POSデータは会員のみのデータであるが、販売促進には十分に活用できると同時に、キャッシュフローの大きいロイヤルカスターへのきめ細かい顧客サービスの充実、そして、特に、顧客ランクごとの販売促進政策の構築が可能であり、顧客からのキャッシュフローの改善へとつなげてゆくことができる。その意味で、これまでのPOSデータの開示は、ID-POSデータの開示がはじまることで、無理のない本来の役割にもどってゆくのではないかと思う。

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November 19, 2011 in CRM、FSP | | Comments (0) | TrackBack (0)

November 18, 2011

Suica10年、日経新聞で特集、プリペイドカードの時代!

   11/15、11/16、2日間に渡り、日経新聞が「Suica10年」のテーマのもとに電子マネー、プリペイドカードについて特集記事を組んだ。11/18で、Suica登場からちょうど10年になるとのことで、この特集記事が組まれたといえる。見出しは、11/15の(上)では「駅ソトに勢力拡大」、「電子マネー普及けん引」、11/16の(下)では、「流通系、店舗網競う」、「ポイント武器に連携加速」であり、Suicaを含め、電子マネーのこれまでの状況と現状を幅広く特集した内容である。

   まずは、日経新聞11/15の(上)であるが、鉄道系、流通系を含めて現状の電子マネーの一覧表が掲載されているが、これを見ると、鉄道系では、Suica 3,746万枚、PASMO 720万枚、ICOCA 342万枚、TIICA 31.6万枚であり、Suicaが群を抜く発行枚数である。これに対して、流通系であるが、Edy 6,660万枚、Suica 3,513万枚、WAON(イオン)2,180万枚、iD (NTTドコモ、三井住友カード)1,643万枚、nanaco(セブン&アイH)1,532万枚であり、Edyが圧倒的な枚数であり、現時点では電子マネー最大のカード会員数を誇っている。

   単純合計で2億枚を超える発行枚数であり、Suica10年目、電子マネーがいかに日本全国に普及したかがわかる。日経新聞の推計では、鉄道系、流通系の主要電子マネーの決済総額(4月から9月、交通機関の利用分を除く)は、前期比14%増の約9千億円に達し、通期では2桃円台に乗せる見通しとのことである。

   一方、Suica登場以来、鉄道では駅の風景が一変したという。「首都圏のJR駅の改札の風景を変えた。首都圏のJR駅の改札を通過する客の今や8割以上がスイカを使う。東京23区内の券売機はスイカ導入以前より4割減った。」という。駅を小売業の店舗にたとえれば、ほぼ、小売業のポイントカード利用率に使い数字であり、いかに、電子マネーが鉄道という一連のシステムを変革しているかがわかる。さらに、「財務省によると、2011年度の1円玉の製造枚数は100万枚で、ピークの1990年の約2,700分の1。極端な減少は、鉄道会社がIC乗車券に電子マネーを組み合わせたことによるところが大きい。」とのことである。鉄道だけでなく、国家の貨幣システムそのものも変革したといえ、電子マネー恐るべしである。

   ついで、11/16(下)であるが、11/15の特集記事とは一転、流通に焦点が当てられており、特に、見出しにもあるように、「ポイント武器に連携加速」と、ポイントが電子マネー普及の原動力になってきたとの内容である。特に、この特集ではイオンのWAONとセブン&アイHのnanacoを中心に取り上げており、これに対抗する形で、Edyを取り上げている。

   これまで、流通系では通常のポイントカードは、先に解説したように店舗の全顧客の70%から80%が活用しているが、電子マネーは、鉄道系の駅では同様な数字となっているが、流通系の店舗では数10%と低いのが現状であった。ところが、この記事ではWAONは、「平均決済率は2割を超え、5割に達した店舗もある。会員数は約2,200万人と、SCやスーパーの買い物客はおおかた獲得した。」とのことであり、急激に利用件数を増やしているとのことである。記事の中では交通系、流通系電子マネーの利用件数のグラフが時系列で取り上げられているが、流通系の伸びが、交通系を圧倒しており、電子マネーが流通系の中で浸透しているのがわかる。そして、WAONに対抗し、nanacoも、そして、Edyも独自の領域で利用件数を伸ばしているとのことである。

   記事の中では、「金融庁によると、電子マネーや商品券など前払い式支払い手段の発行額は10年度で約18兆2,000億円、この中で電子マネーは今後、さらに存在感を増しそうだ。」とのことであり、まさに、電子マネー、プリペイドカードの時代の到来といえよう。

   こう見ると、電子マネー、プリペイドカードは大手流通業のみのように見えるが、11/16の日経MJでは、「電子マネー事業、イズミ拡大」、「周辺店舗開拓、利用者100万人めざす」とのことである。広島のGMS、SC、そして、食品スーパーマーケットを展開するイズミが独自の電子マネー、「ゆめか」事業の拡大に入り、「現在30万人の利用者を2013年2月期までに100万人に増やす。」とのことである。そして、「将来的には電子マネー決済システムの外販にも乗り出す考え・・。」とのことである。恐らく、今後、WAON、nanaco、そして、Edyに対抗し、独自のハウスカードの電子マネーを各食品スーパーマーケット、ドラックストア等が本格導入する時代も近いといえよう。

   このように、Suicaが登場して、10年、電子マネーが鉄道の決済システムを変革しただけでなく、国家のお金のしくみそのものも変革し、さらに、WAON、nanaco、そして、Edyの登場は流通システムの変革を迫っており、今後、鉄道、流通だけでなく、日本全体の産業構造、国家のお金の仕組みまで変革してゆくのではないかという予感がする。Suicaのこれまでの10年、そして、次の10年、どのような時代となるのか、食品スーパーマーケットは、ドラックストアはどのような戦略眼をもつべきか、各社、まさに、いま何をすべきかが、問われているといえよう。

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November 18, 2011 in CRM、FSP | | Comments (0) | TrackBack (0)

November 15, 2011

商品DNAとID-POS分析について

   Chain Store Age 11/15号でID-POS分析の特集が組まれた。表紙は、「特集、小売業のマーケティングが変わる!」、「POSデータ最新活用法」である。ID-POS分析を真正面から取り上げた特集となっており、興味深い内容である。テーマが、マーチャンダイジングではなく、マーケティングとしているところが、ID-POS分析を示唆したPOSデータの活用法であるといえ、マーチャンダイジングからマーケティングへという流れを感じさせる構成となっている。また、13年前に一世風靡したブライアン・ウルフ氏のコメントもあり、あれから13年もたったのかと感慨深いものがある。

   私自身、当時、ブライアン・ウルフ氏の講演に参加し、当時はIDではなく、レシートを活用したFSPを研究していたので、ブライアン・ウルフ氏が提唱していたOne To Oneマーケティングは参考になった。そのブライアン・ウルフ氏が、来日し、このChain Store Ageの特集の中で「過去10年間、進化が止まってしまったのではないか」とコメントしており、彼が見た日本のFSPは13年前の状況、すなわち、1%のポイントプログラムと変わっていないと嘆いている。その意味で、ID-POS分析がこの1%プログラムをどう変革するのかが問われているといえ、今回のChain Store AgeのID-POS分析の特集はそこに焦点を当てたものであるといえよう。

   その回答となるのが、今回のChain Store AgeのID-POS分析の特集では、テスコ、オギノ、そして、最近、ID-POS分析に本格的に参入したコープさっぽろの事例にみられる商品DNAであろう。いわゆる、テスコ流ともいえるID-POS分析の実践手法であり、オギノもコープさっぽろも、この流れを汲んだものであり、今後の日本におけるID-POS分析の研究に一石を投じることになろう。

   ちなみに、今回のChain Store AgeのID-POS分析の特集記事であるが、POSからID-POS(小売業のMD変革をもたらすデータ活用の深化と進化)、英テスコの「ライフスタイル」による顧客分類手法、コープさっぽろ(マーケティング室を新設し、ID-POS分析・活用に本腰)、オギノ(今年11月、POSシステムを入れ替え、200種類のプログラムが実行可能に)、ローソン(「ポンタ」利用客の売上比率35%、顧客データを品揃え・商品開発に生かす)、ライフコーポレーション(2007年からPOSデータを開示、メーカーとの協働MDを推進)、あらた(分析の専門組織を新設、小売業への売場提案を強化)、会員カード活用で本当に効果を上げるための方法、ビックY(世界で最もクリエイティブなプログラムを展開する食品スーパー)、協働MDの課題(企業間でデータ分析・活用のサイクルをどう定着させるか)、ビックデータは活用できるか(POSデータ、ツィッター、ブログ、大量データ解析から見えてきた法則性)の約30ページに渡る特集である。

   この内、大半がID-POS分析の記事であり、特に、前半部分で事例として取り上げられているテスコ、コープさっぽろ、オギノのID-POS活用のポイントは商品DNAにかかわる内容であり、これを活用していかに、顧客にアプローチするかに焦点が当てられている。その意味で、表紙のテーマ、「特集、小売業のマーケティングが変わる!」と、マーチャンダイジングではなく、マーケティングというキーワードを使った意図がわかる内容といえよう。

   では、商品DNAとは何かであるが、テスコでは売れ筋の約8,500品、1品1品に健康に良い、ナショナルブランド、ベジタリアン、伝統的な商品などの数10項目に渡る商品分類をYESは1、Noは0と番号を振る。これは通常の商品マスターとは別に新たな顧客の購入視点から商品分類を行うことであり、これをID-POS分析に組み込み、顧客グループをつくる。そして、そのセグメントされた顧客グループへ直接アプローチをしたり、その結果をもとにマーチャンダイジングの改善につなげたりする。通常のID-POS分析は顧客属性については様々な角度から分析するが、商品属性は価格、容量、NB、PBなどまでであり、ライフスタイルに関するものは、客観性がなく、排除されがちとなるが、あえて、それらを組み込むことにより、商品から顧客の購買行動を深く探ろうとする試みといえる。

   このようなID-POS分析へのアプローチはまだまだ日本では一般化されておらず、その仕組みも十分に開発されているとはいえない。したがって、この手法でID-POS分析を実施してゆくには少し時間がかかろう。ただ、今後、食品スーパーマーケットが、ID-POSデータをメーカー、卸等へ開放し、協働研究体制をつくることにより、メーカー、卸側から、マーケティング調査にもとづいた商品DNAを構築してゆくことにより、完成度の高い日本独自の商品DNAが作れるのではないかと思う。そして、その商品DNAを実際のID-POS分析で検証し続けることにより、まさに、マーケティングとマーチャンダイジングの融合が進んでゆくのではないかと思う。

   今回のChain Store AgeのID-POS分析の特集は、ID-POS分析の中では、商品DNAをクローズアップし、マーチャンダイジングよりも、マーケティングを重視しており、その意味で興味深い内容であるといえる。一方で、ID-POS分析はマーチャンダイジング面でも13年前にブライアン・ウルフ氏が来日した当時の日本と比べ、格段の進化を遂げており、次回は、是非、「特集、小売業のマーケティングが変わる!」の続編として、「特集、小売業のマーチャンダイジングが変わる!」のテーマのもと、ID-POS分析を取り上げて欲しいところだ。

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November 15, 2011 in CRM、FSP | | Comments (0) | TrackBack (0)

November 14, 2011

ID-POS分析セミナー、in東京、終了、来期は?

   11/10、ID-POS分析セミナー、in東京が終了した。in福岡(10/28)、in大阪(10/21)に続く、今年度、最後のID-POS分析セミナーであり、これで、今期のID-POS分析に関するセミナーは終了である。これに先立つ、10/6にはin東京でメーカー向け、ブランド育成のID-POS分析セミナーも実施しており、ここへ来て、ID-POS分析の時代の到来が真近に迫っていることを強く感じる。特に、今回のID-POS分析セミナーでは、食品スーパーマーケットだけでなく、ドラックストアも対象としており、さらに、今後の戦略カード、プリペイドポイントカード、そして、ID-POS分析の大量のデータを支えるIT、クラウドについても取り上げた内容であり、多角度からID-POS分析の最前線の状況をお伝えすることができたと思う。

   ID-POS分析を実践するには原則3つの技術が必要である。顧客識別、商品識別、そして、大量のデータ分析である。そして、これに加え、この大量のデータを分析する上においては、ID-POS分析の理論、さらには、理念も必須であるといえ、これらがあいまって、ID-POS分析が推進されてゆくことになる。今回のセミナーでは、商品識別以外は、網羅した内容であり、しかも、食品スーパーマーケットでのID-POS分析事例、ドラックストアでのID-POS分析事例も取り上げ、そのまま、食品スーパーマーケット、ドラックストアへのID-POS分析での支援が可能な体制ができあがっているといえ、実践的なセミナーとなった。

   今回取り上げなかった商品識別についてであるが、現状の13桁のJANコードでも当面は問題ないが、将来を考えた場合は、世界的な趨勢がGS1データバーの新バーコードの方向に動いており、これを検討することが必要といえよう。恐らく数年以内には、この新バーコードをID-POS分析の新たな商品識別コードとして活用してゆく時代になると思われる。特に、食品スーパーマーケットの中核商品である生鮮食品や日配、ドラックストアの中核商品である医薬品には必須のバーコードとなるものといえる。今回のセミナーでは、この点については十分に触れることができなかったので、次回、すなわち、来年については、この商品識別についても、ID-POS分析セミナーの中で取り上げてゆきたい。

   さて、in東京のセミナーの内容であるが、これまでの2回のin大阪、in福岡の内容を踏まえ、ID-POS分析とこれまでのPOS分析との違い、すなわち、ID-POS分析はこれまでのPOS分析を100%包み込み、さらに、これまで分析できなかった顧客1人1人の購入明細、そして、購入履歴が分析可能となることにより、売上げを商品面からではなく、顧客面から引き上げてゆくことができることに力点をおいて解説した。

   ちなみに、ID-POS分析とこれまでのPOS分析とを比較すると、いくつかキーワードがある。顧客(商品)、還元(値引き)、マーケティング(マーチャンダイジング)、永遠(瞬間)、ID(レシート)、店舗(商品部)、顧客での検証(商品での検証)、IDリフト値(レシートリフト値)等、その違いは明確である。ただ、いずれもID-POS分析を理解すれば、これまでのPOS分析はすべて理解できるため、ID-POS分析の時代となった場合は、これまでのPOS分析を理解し、その後、ID-POS分析を理解するのではなく、はじめに、ID-POS分析を理解し、その後、これまでのPOS分析を理解する方が、ものごとの本質をつかめるといえる。数年後の小売業はID-POS分析が当たり前の分析となっていると思われ、その時の新入社員ははじめからID-POS分析から入ることになろう。

   したがって、現状でも、ID-POS分析が可能な環境となった場合は、いち早く、ID-POS分析の世界を理解し、これまでのPOS分析で得られた検証結果、ノウハウ等をすべて、ID-POS分析の観点から洗い直すことが最初のアクションとなろう。ここに十分時間をかけるべきであるといえ、その中で、ID-POS分析特有の新たなノウハウを構築してゆくことが望ましいといえよう。

   今回は、前回までのセミナーでは、事例として掲載できなかったIDのリフト値についても取り上げたが、レシートのリフト値と比較すると、全く正反対の結論が算出されており、改めて、IDのリフト値の必要性が鮮明になったといえる。本来リフト値もIDでのリフト値が先であり、その中で、レシートのリフト値を取り上げるべきであるが、一般にリフト値というと、レシートのみ、しかも、同時購買のみに焦点が当たり、そこで終わってしまうケースがほとんどであるが、リフト値もID-POS分析とこれまでのPOS分析の関係と同様、まずはIDのリフト値、そして、次がレシートのリフト値であり、in東京では事例をもって解説でき、新たなリフト値の活用方法を提示できたのではないかと思う。

   このように、in東京は今年最後のID-POS分析セミナーであり、一連のセミナーのまとめの意味も含め、論点を絞り、できるだけわかりやすくID-POS分析の全体像を解説したつもりである。そこで、来年度であるが、来年度は、引き続き、セミナーも実施してゆく予定であるが、さらに、一歩、大きく踏み込み、食品スーパーマーケット、ドラックストアとメーカー、卸、双方がID-POS分析を実際に体験でき、さらに、実践できる場としての協働研究フォーラムが実現できればと思う。ID-POS分析の時代は、すぐそこまで来ているといえ、来年度はまさにID-POS分析の実践元年となろう。

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November 14, 2011 in CRM、FSP | | Comments (0) | TrackBack (0)

November 10, 2011

ID-POS分析で、これまでのノウハウをリニューアル!

   ID-POS分析は従来のPOS分析を100%包み込み、さらに、従来のPOS分析では見えなかった新たな視点を提供する。したがって、これまで開発されてきたマーチャンダイジングのノウハウはすべて、一度、ID-POS分析をもとに洗い直す必要がある。おそらく、今後、数年をかけて、ID-POS分析が可能になった食品スーパーマーケットから、これまで培われてきたマーチャンダイジングのノウハウの検証がなされ、ノウハウのリニューアル、さらには、新たなノウハウの構築がなされてゆくことになろう。そして、その先頭を切って走るのが食品スーパーマーケットの組織の中核をなす商品部であろう。

   商品部はこれまで、自ら仕入れた商品、最近では自ら開発したPBを含め、様々な販売促進のノウハウを開発してきたといえる。特に、POSデータをもとに、価格訴求(値引き)、POP、ちらし、さらには、棚割り、レイアウトの変更という一連の販売促進の黄金の連鎖ができ上がっているといえ、この5つを組み合わせることにより、商品の圧倒的な売上げアップをはかってきたといえる。結果、POSデータで検証すると、平均単価は下がるが、PI値がその下げ率をはるかに上回り、結果、金額PI値(客単価)を引きあげ、さらには、客数もアップさせ、売上げの大幅アップをもたらしてきたといえる。

   この黄金の連鎖で、キーとなっているのは価格であり、この価格設定(値引率)がこの一連の販売促進では最重要指標であるといえる。実際、POSデータからは、PI値と価格との需要曲線を導き出し、いわゆる価格弾力性を見極め、価格をいくら下げれば、どのくらいPI値が上がり、同時に、金額PI値を引き上げられるかを予想し、そのぎりぎりの価格設定(均衡価格)を見極めるのが商品部の価格設定であるといえる。さらに、これに、競合店の価格が加味され、少なくとも、競合店の価格を上回らないように調整が加わる。特に、ちらしとの連動が入るので、過去に競合店がいくらでちらしに掲載されたかが、重要な情報となり、POSデータに、競合店のこれまでのちらし価格も加味されることになる。

   したがって、ちらしに掲載される商品は、圧倒的な売上げアップが図れる商品であり、なおかつ、競合店に打ち勝つことができる商品であることが原則となる。もちろん、ちらしと連動しない4つの連鎖の場合もあり、これは競合店を強く意識することはなく、中期的に価格訴求をするもの、長期的、いわゆるEDLPに近い価格訴求をするものもあり、いずれも、これまでのPOS分析から導かれた販売促進のノウハウであるといえる。

   そこで、ID-POS分析が可能となった場合であるが、まず、はじめの課題は、これらの一連のノウハウをID-POS分析で検証することが先決である。これまでPOS分析での検証は売上げが上がったか否かを最終目的として、その中で客数、PI値、平均単価、すなわち、3Dの推移を見て、昨年と比較したり、店舗間を比較したり、さらには商品どうしを比較したりして、検証をしてきたといえる。これに対して、ID-POS分析の検証はもちろん、その数字も検証するが、これに加え、まずは、期間内にID客数PI値、すなわち、購入頻度が上がったか否かを検証することになる。さらに、客数、これまでのPOS分析ではレシート客数を見たが、ID-POS分析ではID客数、すなわち、顧客がどう変化したかを見ることになる。いわゆる4Dでの検証である。特に、IDの属性を可能な限り見極めることもポイントとなる。

   さらに、これに加え、ここがID-POS分析の要諦であるが、顧客構造がどう変化したか、すなわち、商品全体の数字だけではなく、その商品の顧客明細、顧客個々人がどう反応したかを見ることがポイントである。商品の動きだけでなく、顧客の動きも合わせて見ることになる。そこで、さらに、ポイントとなるのが期間の問題がここで重要なキーとなる。これまでのPOS分析では、販促期間内の数字の変化を中心に見ていたが、ID-POS分析では、販促期間は単にきっかけをつくったにすぎず、いわば、ベクトル、力の方向を変えたに過ぎない。目的は顧客の構造変化をもたらすことにあるので、少なくとも数ケ月、できれば、過去1年間の顧客の構造変化を見ることが望ましいといえる。そして、その後、構造変化が定着したのか、一時的なものであったのかを見極めることがポイントとなる。

   こう考えると、ID-POS分析における販売促進は、顧客全体に対して打ち出すものではなく、顧客構造を変化させるために、対象顧客を明確にして打ち出すことがポイントであるといえる。したがって、価格訴求(値引き)も、売上還元という観点から見直すべきであるといえよう。特に、還元という観点でみると、購入頻度ごとに購入商品の価格が存在すべきであり、さらに、キャッチコピーもそれに応じたものが必要であるといえよう。したがって、答えは1つではなく、無限に存在し、POPひとつとってみても、まず、どの顧客に向けたものか、その顧客にとって、適正な還元率となっているか、その顧客が還元金額を享受するに、十分な期間設定となっているかなどが考慮されることになろう。極論すれば、1つの商品にいくつものPOPがあっても良いといえ、商品はひとつだが、顧客は無限であり、それに応じた販売促進があるといえよう。ID-POS分析が可能であれば、販売促進もこのような観点からまずは再検証し、同時に、新たなノウハウの構築にも取り組んで欲しい。

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November 10, 2011 in CRM、FSP | | Comments (0) | TrackBack (0)

November 06, 2011

商品から見た売上げと顧客から見た売上げ!

    ID-POS分析が可能となるまでの売上げは商品から見た売上げしか存在していなかった。商品から見た売上げとは、商品とお金との関係を数式にしたものであり、初期の段階は売上金額と売上数量の世界しかなかったといえる。そして、ここから、売上金額÷売上数量を計算し、平均単価を算出し、売上金額=売上数量×平均単価として売上げを捉えていたといえる。この数式が示す売上げは、まずは売上数量をいかに伸ばすか、あるいは、平均単価をいかに引き上げるか、ないしは双方をアップさせるかが課題となり、そのためのノウハウづくりが進んだといえる。特に、売上数量を伸ばすために、敢えて、平均単価を下げ、結果、平均単価の下げ率よりも、売上数量の伸び率を伸ばし、売上金額を引き上げる方法が考案され、いわゆる、価格訴求、POP、ちらしの3点セットが最高のノウハウとして確立されていったといえる。

    食品スーパーマーケットも、店舗数が少ない場合はそれでもよかったが、その後、チェーンストアが確立され、店舗数が10店舗、50店舗、そして、100店舗を超えてくると、店舗間の売上げの比較が必要となり、必然的にレシート分析が、これに加わることになる。レシート分析が加わることにより、売上金額も売上数量もレシート1枚当たりの数値を算出することが可能となり、ここにPI値が生まれることになる。PI値は、原則分母がレシート枚数となる指標であり、レシート1枚当たり、すなわち、購入回数1回当たりの売上金額(金額PI値)、売上数量(数量PI値)が店舗ごとに算出可能となり、これでチェーンストア各店の商品の売上げの比較検討ができ、売上げの違いを数値で検証できるようになった。

    数式では、売上金額=レシート客数×PI値×平均単価となる。初期の頃の数式との違いはレシート客数が加わり、2Dから3D、すなわち、レシート客数、PI値、平均単価で売上げを捉えられるようになり、しかも、チェーンストア全店の商品ごとの売上げの比較が容易になったことである。この時点で、商品から見ら売上げの仕組みがほぼ完成されたといえ、売上げを上げるには、従来の売上数量と平均単価の2つの要素から、レシート客数、PI値、平均単価の3つの要素で売上げアップをはかってゆくことが課題となった。そして、この中でも、PI値と平均単価、すなわち、掛けた金額PI値(客単価)の改善が売上げアップの決め手となり、いかに、金額PI値アップをはかるか、そのためには、PI値、平均単価をどう改善するかが課題となってゆくことになった。

    以上が商品から見た売上げの概要であるが、その後、ID-POS分析が登場することになり、新たに顧客から見た売上げの把握が可能となる。これまでの商品から見た売上げでは把握できなかった顧客個々人の売上げが見えるようになり、商品1品1品に顧客が数10人、数100人、さらには、数1,000人、購入していることが確認され、その顧客1人1人の売上げが明らかになって行くことになる。しかも、この顧客1人1人の売上げが明らかになると、どんな商品にも、その商品をよく購入する顧客とあまり購入しない顧客が存在している事実が明確になり、しかも、日々、新たな購入顧客が生まれていることも明らかになって行く。

    これを数式で表現すると、ある顧客が、ある期間に、その商品を何回購入し、1回当たり何個購入し、いくらで購入したかとなるので、ここから、売上金額=ID客数×ID客数PI値×PI値×平均単価という数式が誕生する。すなわち、売上げを4Dで表すことが可能となる。ある1人の顧客だけに注目すれば、ID客数は1人となるので、実は、売上金額=レシート客数×PI値×平均単価となり、レシート分析の数式と基本は同じ数式となる。ID客数が2人以上となった時、はじめて、3Dから4Dとなり、IDが何人でも、この4Dで顧客から見た売上げを分析することが可能となる。

    こう見ると、商品から見た売上げと顧客から見た売上げは全く同じであり、角度を変えて見ていることに過ぎないことがわかる。商品の購入顧客の明細まで見るのが顧客から見た売上げであり、顧客から見た売上げの統合数値を見るのが商品から見た売上げであり、どちらも、最終的には売上金額で統一されることがわかる。しかも、顧客個々人に落ちた場合は、顧客IDが1人となるため、従来の商品から見た売上げと全く同じ数式で分析できることになり、従来の売上げアップのノウハウがそのまま活用できることになる。ただし、新たに、ID客数PI値が登場するので、いわゆる、頻度を引き上げるノウハウが追加されることになるといえる。

    このように、商品から見た売上げと顧客から見た売上げとは最終的には同一、売上金額で統一されるものであるといえる。したがって、売上げアップとは、商品からも、顧客からも可能であり、どちらからアプローチしても良いといえる。実際、ID-POS分析が可能となる以前は、商品からのアプローチしかできなかったわけであり、専ら、商品の売上をいかに引き上げるかのノウハウをつくってきたいといえる。そして、ID-POS分析の時代になると、これに、顧客からのアプローチが可能となり、顧客1人1人の売上げをいかに引き上げるかのノウハウづくりが加わったといえる。その意味で、ID-POS分析はこれまでアプローチができなかった顧客からの売上げアップを可能としたといえ、この観点からいかに、売上げアップをはかってゆくかが、ID-POS分析時代の大きな研究課題といえよう。

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November 6, 2011 in CRM、FSP | | Comments (0) | TrackBack (0)

November 01, 2011

ID-POS分析、小売業向けセミナーin福岡、終了!

   10/28、ID-POS分析、小売業向けセミナーin福岡が無事終了した。10/21のin大阪についでのセミナーであり、次は、11/10のin東京を残すのみとなった。今回のセミナーは食品スーパーマーケットに加え、ドラックストアも対象となっており、in福岡では、ドラックストアも比較的多く参加していた。ちょうど、私の次の講師がドラックストア関係の方でもあり、ドラックストアのID-POS分析についても触れることができ、興味深く、私にとっても、今後、ID-POS分析を研究開発してゆく上で、様々な知見を得ることができた。特に、セミナー終了後、将来の九州のドラックストア業界を担う若き経営者の方との交流会にも参加することができ、ID-POS分析はまさに次世代の経営者が活用してゆくことになるであろうと確信した。

   以前、本ブログにおいてもドラックストアで、いま最も注目されている商品、ロキソニンについて取り上げたが、本セミナーでも、ドラックストア関係の方が講演でロキシニンについて取り上げていた。それによると、ロキシニンは、スイッチOTC、第1類の商品であり、薬剤師のみが販売可能な商品であり、今年、スイッチ、すなわち、処方箋薬から、OTC医薬品、第1類に移ったとのことである。OTC医薬品の第1類はもともと医者が処方していた薬を、薬剤師が販売できるように、まさにスイッチした医薬品であり、第2類、第3類の医薬品は登録販売者でも販売できるが、この第1類は薬剤師しか販売ができない医薬品である。

   このロキソニンが注目されているのは、短期間で第1類のNo.1リアップに次ぐ、No.2に躍り出たことである。これは以前のブログでも月刊マーチャンダイジングで公表されたCCLのABCL分析でも触れたが、今回のセミナーでは、このロキシニンを様々な角度からID-POS分析した結果が公表された。

   その結果、ロキソニンは他の既存の鎮痛剤とブランドスイッチが極めて少なく、鎮痛剤というカテゴリーの中では、独自に顧客を育成してゆく商品であるとのことである。したがって、鎮痛剤全体の売上げアップに貢献しているという。また、誰がロキソニンを購入しているかを見ると、他の第1類の医薬品が比較的高齢者が多いのに対し、ロキソニンは比較的若年者が多いとのことで対照的な顧客層を形成しているとのことである。結果、ロキソニンをしっかり販売してゆくことにより、ドラックストアの客層を若返らせる効果が高いとのことであり、ここ最近のID-POS分析により、ロキソニンの独自性が次々と明らかになってきているという。

   実際、ロキソニンは医療現場では普通に使われているとのことで、医師だけでなく、歯科医師も処方している医薬品であり、これがドラックストアの第1類にスイッチしたわけである。これまで病院、歯医者に行かなければ処方されなかったのが、普通にドラックストアで購入できるわけであるので、短期間でドラックストアの戦略商品になったこともうなずける話である。

   私自身はこれまでドラックストアのID-POS分析はほとんどトライする機会がなかったが、今回のセミナー、そして、この福岡では、若手ドラックストアの経営者の方とも交流を持つことができ、これを機会に、今後は、ドラックストアのID-POS分析を本格的に取り組んでみたいと思う。医食同源という言葉があるが、食品スーパーマーケットとドラックストアのID-POS分析を同時に実施することで、まさに、これが実証できるのではないかと思う。特に、OTC医薬品と食品との関係は今後の食品スーパーマーケットのあり方を変える可能性も秘めているといえ、ID-POS分析が必須の業態ではないかと思う。

   今回のID-POS分析、小売業向けセミナーは、期せずして、食品スーパーマーケットのID-POS分析とドラックストアのID-POS分析を取り上げており、さらに、今後、ID-POS分析の戦略カードとなる可能性の高いプリペイドポイントカード、そして、小売業がID-POS分析を実施する上で、なくてはならないクラウド化、WEB化のIT技術をもテーマとしており、in大阪、in福岡を終えて、ID-POS分析の最新動向を探るための一体感のあるセミナーとなったといえる。次のin東京11/11は、この一連のセミナーの〆となり、私にとっては、今年度、最後のID-POS分析セミナーとなるので、この2回の内容、そして、他のテーマも踏まえ、ID-POS分析の本質について講演できればと思う。

   来期もID-POS分析については、今期以上に力を入れ、様々なID-POS分析関連の企画を検討している。セミナーはもちろん、それ以上に、小売業、メーカー、卸がID-POS分析を実際に体験できる場が必要であるので、何らかの形で、協働実証の場を設けたいと思う。ID-POS分析の理念、理論、分析フォーマットはほぼ固まったといえるので、あとは、実践し、ノウハウを蓄積してゆく段階に入ったといえる。恐らく、ID-POS分析は、日本では、数年以内に食品スーパーマーケット業界、そして、ドラックストア業界の標準分析となってゆくものといえ、それを前提に各業界関係者も取り組んでゆくことが経営戦略上、重要な課題となろう。

   なお、今回のセミナーは、Twitter、フェイスブック、そして、このブログ、さらには、まぐまぐ有料プレミアムでの紙上セミナー等、ITを駆使して実施しており、リアルセミナーへ参加された方のフォローはもちろん、参加できなかった方もバーチャルでセミナーに参加できるので、ご利用いただければと思う。

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November 1, 2011 in CRM、FSP | | Comments (0) | TrackBack (0)

October 29, 2011

顧客面から見た売上げの本質に迫る、その2!

   前回は、「顧客面から見た売上げの本質に迫る」と題し、従来の商品面からの売上げのとらえ方と対比し、顧客面から見た売上げのとらえ方を解説した。そこで、今回は、さらに一歩踏み込み、どのように顧客面から見た売上げの本質をつかんだ上で、売上げアップをはかるか、そして、その時の管理フォーマットはどのようなイメージになるかを解説してみたい。こう見ると、従来の商品から見た売上げアップのノウハウが無駄になるのではないかと思われるかもしれないが、実は逆で、顧客面からの売上げの本質がつかめると、これまでの商品面からの売上げアップのノウハウがすべて、この観点から検証でき、より、精度の高いノウハウへと生まれ変わってゆくことになる。さらに、それ以上に、顧客面から見たこれまでは想像もできなかった世界から売上げを見ることができるようになるため、新たな売上げアップのノウハウの構築へとつながってゆくことになる。

   では、顧客面から売上げを見るとはどのようにとらえたらよいかであるが、ここでポイントとなるのが、対象商品の顧客の分析対象の課題、分析期間の課題、分析指標の課題の3つである。この内、分析対象の課題については、前回詳しく解説したので、ここでは、分析期間の課題、分析指標の課題について触れたい。まずは、分析期間であるが、ここは従来の商品分析と大きく異なる点であり、従来は週別、月別管理が基本であったといえる。特に、販売促進との連動もはかるために年間52週のマーチャンダイジングをどう構築するかが課題であった。

   商品面から売上げを捉える場合は、このように週別、月別の数字の変化を捉え、検証することができたといえる。特に、商品面からアクションを起こす場合は大抵の場合、価格政策が全面に出る場合がほとんどであり、いわゆる値引きに対して、商品の売上げがどのように変化したか、すなわち、売上数量はどのくらい伸び、結果、売上金額はどのくらい上がったかを見れば良かった。これに対して、顧客面から見た売上げは商品の売上数量、売上金額の変化を見るのではなく、その商品の購入顧客、個々人の売上数量、売上金額を見ることになる。

   特に、顧客面から見た場合、売上高=ID客数×ID客数PI値×PI値×平均単価と分解できるため、売上げの構成要素に沿い、顧客個々人のID客数PI値(購入頻度)、PI値(売上数量)、平均単価を見ることになる。問題はこのID客数PI値にあり、これが商品面からでは見えない、顧客面から見た場合のみに見える指標であり、この数字を判断する必要がある。極論すれば、顧客の売上げは、PI値、平均単価よりも、ID客数PI値の方が圧倒的に重要であり、決定的な指標であるといえる。

   そこで、このID客数PI値で見た場合の顧客面からの分析期間を見てみると、驚くべきことに、年間1回しか購入実績のない顧客がかなりの人数に、どのような商品でも発生していることがわかっている。同様に、毎月、購入実績のある顧客もかなりの人数発生しており、週1回、購入実績のある顧客はごくわずかであるのが実態である。このような事実が浮かびあがると、顧客面から分析期間を捉えるには、年間1回しか購入しない顧客も無視することはできず、このいわゆるトライアル顧客へのアプローチもマーチャンダイジングの課題となる。また、それ以上に、いかに、未購入顧客をトライアルに誘導するかも、マーチャンダイジングの課題といえる。したがって、自然、顧客面から売上げを見る場合の分析期間は1年が原則となり、できれば、数年は欲しいというのが現実的な期間設定といえよう。

   そして、もうひとつの課題、分析指標であるが、これは、すでに見たように、顧客面から見た場合の売上げを分解すると、売上高=ID客数×ID客数PI値×PI値×平均単価となるので、この中のID客数PI値が中心となる。さらに、統合指標として、PI値×平均単価=金額PI値、金額PI値×ID客数PI値=ID金額PI値となるので、ID金額PI値、金額PI値、数量面ではPI値×ID客数PI値=IDPI値となるので、IDPI値等が分析指標の中心となる。

   ここまで顧客面からの売上げの本質に迫ることができると、後は、これをどうフォーマットに落とし、顧客面から売上げをいかに引き上げるマーチャンダイジングを実践するかとなる。そのポイントは、従来の商品ごとのMD評価表に、ID、ID客数PI値を加えた帳票になることに加え、従来の商品面からでは踏み込めなかった全顧客の購入実態を組み込むことが課題となる。いわば、商品面からの売上管理帳票に、顧客面からの売上管理帳票が融合したものであり、商品のサマリーの数字がいつでも、商品面、顧客面の各指標に落とし込むことができ、かつ、全顧客、個々人の購入実態も同時に見える帳票であり、さらに、分析期間は原則1年で判断する帳票である。当然、顧客数は年間であると1店舗1単品数千人となるため、顧客ランクをつけ、ランクのサマリー、そして、いつでも、顧客明細に落とせるようなフォーマットが課題といえよう。

   売上げとは、商品の売上げが出発点ではあるが、その本質は本来、顧客から発生するものであり、顧客1人1人の購入履歴がその原点にあるといえる。したがって、商品面からだけでなく、顧客面からの売上げをとらえることが、売上げの本質であるといえ、その意味で売上げアップとは、商品の動きを追うことはもちろん、同時に、顧客構造の変化を読み解き、ここにどのようなアクションを起こすかがポイントである。

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October 29, 2011 in CRM、FSP | | Comments (0) | TrackBack (0)

October 28, 2011

顧客面から見た売上げの本質に迫る!

   ID-POS分析を深く研究するようになり、売上げの本質が見えるようになった。従来、売上げは商品の金額面と数量面からしか把握することができなかったが、ID-POS分析を実施すると、これに顧客面が加わることになる。従来でも顧客に近い概念、レシート(購入回数)という把握の仕方があり、ここからPI値、金額PI値を算出することにより、売上げをある程度、顧客面からとらえることはできた。ただ、これはある程度であり、本質ではない。顧客面のほんの一部を捉えているにすぎず、その本質に迫りつつあるが、実際は、かなり、遠いところにあるといえる。

   顧客とはレシートではなく、IDそのものであり、実際の個々人であるので、顧客個々人の購入履歴を把握して、はじめて、顧客面からの売上げを把握することができる。顧客面からの売上げとはまさに、売上げを顧客個々人から把握することであり、レシートのように、誰がを特定できない売上げは、顧客面に近づきつつあるが、顧客個々人の売上げとは違うといえる。

   では、顧客面からの売上げとは、どう捉えれば良いだろうか。その第1歩は、対象商品の全購入顧客の全明細を把握することが先決である。全明細とは、対象商品の購入履歴だけでなく、対象商品以外の商品の購入履歴もすべて把握することである。ID-POS分析の事例を見ると、対象商品のみの購入履歴だけでID-POS分析を実施し、そこで止まっている場合があるが、ID-POS分析は顧客個々人のIDを基点に分析するのであるから、当然、その顧客が購入している対象商品以外の購入商品についても分析の範囲を広げ、顧客の購買行動を俯瞰する必要がある。

   したがって、商品面から見た場合の売上げは対象商品のみの売上げを見れば良かったが、顧客面からの売上げを見る場合は、対象商品の売上げはもちろんであるが、対象商品以外の顧客の売上げをも見る必要があり、その意味で、売上げは、顧客面から見た場合2つあるといえる。対象商品と全商品の売上げであり、この2つの売上げが存在する。ここから、売上げを上げるとは、対象商品の売上げを上げるだけでなく、その顧客の全購入商品の売上げを上げることも重要なテーマであるといえる。

   この2つの関係は一見関係ないように思えるが、実は、密接に絡んでいる。たとえば、対象商品の売上げを上げるためには、対象商品だけを見るのではなく、その顧客が他に何を購入しているか、特に、来店動機となっている商品は何か、また、対象商品とよく一緒に買うものは何か、さらには、同時ではないが、ある一定期間内において、よく購入する商品は何か等を把握することにより、大所高所から、対象商品の売上げアップをはかる仮説をつくることができるからである。

   たとえば、よく一緒に購入する商品、ある一定期間内でよく購入する商品が明確である場合には、期間購入も踏まえ、同時購入した場合は、価格還元がなされる仕組みを入れるとかがポイントとなる。また、仮に、対象商品が来店動機となっている場合は、その顧客のみに、対象商品を大幅還元、場合によっては、10回に1回無料贈呈(10%還元)するなどのサービスを行うことにより、対象商品の売上げはもちろん、来店頻度が増加し、対象商品以外の商品の売上げが上がり、結果、顧客の総売上げを大きく引き上げることもできる。一方、対象商品が来店動機となっていない場合は、来店動機の商品の価格還元を行い、来店頻度を増やし、結果、対象商品を購入する機会を増やすこともできる。あるいは、来店動機の商品とクロスマーチャンダイジングをかけることもひとつの方法である。

   こう見ると、売上げとは商品面から見る売上げはこれら顧客面から見た売上げのサマリー(総合計)でしかないといえ、その背後にはID-POS分析が可能であれば、必ず、顧客個々人が購入しており、その購入履歴が存在しているといえる。しかも、その顧客は当然、対象商品以外にも数多くの商品を購入しているのが実態であり、そこまで、分析の範囲を広げることによって、顧客面から見た売上げの全体像をつかむことができる。これは、すべての商品1品1品に存在している事実であるといえ、ここまで分析して、はじめて、売上げの本質がつかめるといえよう。

   ID-POS分析が明らかにしなければならない課題はまさにここにあるといえ、これまでは商品面からしか、売上げをとらえることができなかったので仕方ないことであるが、ID-POS分析ができる状況になった場合は、すべての商品の売上げを顧客面からとらえ直し、対象商品だけでなく、対象商品を購入している顧客のすべての購入商品の分析にまで踏み込み、売上げの本質を極めて欲しいところである。

   このように、売上げの本質は、ID-POS分析が可能になったことにより、はじめて、顧客面から本格的にアプローチができるようになったといえ、これがID-POS分析がもたらした最大の売上げへの貢献であるといえよう。当然、売上げアップもこれまでの商品面からのアップローチだけでなく、顧客面からのアプローチがむしろ本質であるといえ、ID-POS分析が可能な環境にあるのであれば、ここを突き詰め、これまでの売上げアップの仕組みをすべて検証し、さらに、顧客面から見た新たな売上げアップの仕組みを構築して欲しいところである。

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October 28, 2011 in CRM、FSP | | Comments (0) | TrackBack (0)

October 24, 2011

ID-POS分析、小売業向けセミナーin大阪10/21、終了!

   10/21、ID-POS分析、小売業向けセミナー、in大阪が終了した。ご参加いただいた方にはご清聴いただき、ありがとうございました。私の持ち時間は50分でしたので、十分にID-POS分析についてお伝えできなかった面、もっと掘り下げて解説すべき面、質疑応答の時間等十分とれなかった面等あったかと思いますが、それについては、このブログ、Twitter、フェイスブック、そして、同時にスタートした、まぐまぐプレミアム版での「紙上セミナー、ID-POS分析に挑む!」にてフォローさせていただきますので、これらを通じて補っていただければと思います。

   ちなみに、大阪での私の講演テーマは、「ID-POS分析、究極の目的、購入頻度のアップにせまる!」であり、サブタイトルは、「顧客を増やし、顧客の購入履歴を把握し、顧客本位のマーチャンダイジングをどう確立するか。」でした。主な講演項目は、1.ID-POS分析と通常のPOS分析との関係、2.これまでのPOS分析と今後のID-POS分析の方向、3.現時点の具体的なID-POS分析帳票、4.効果検証をどう行うか、5.来季へ向けて、ID-POS研究フォーラムを企画!の5つの項目を解説させていただきました。次回、福岡10/28、そして、今年はこれでID-POS分析セミナーは打ち止めとなる東京11/10となりますが、今回の大阪での講演内容を踏まえ、さらに、充実したセミナーを目指したいと思います。

   特に、東京会場は、巨大液晶画面、大パノラマ画面でのプレゼン資料の掲示をもとに講演させていただく予定ですので、テキストでは見にくい細かい数字も迫力ある画面でご確認いただけるのではないかと思います。このID-POS分析セミナーをフォローする「紙上セミナー、ID-POS分析に挑む!」も、すでに第2回目を終え、11/10には第4回目が終了しているものと思います。予定では10回以上となるものと思いますので、実際のセミナー50分間をあますところなくフォローできるのではないかと思います。

   さて、ID-POS分析セミナーin大阪ですが、テーマは「ID-POS分析、究極の目的、購入頻度のアップにせまる!」ですが、最もお伝えしたかったことは、ID-POS分析はこれまでのPOS分析の延長では解けないということであり、ID-POS分析を理解し、実践するためには、はじめからID-POS分析に入り、その本質、購入頻度を極めてしまった方が早いということです。

   通常、ものごとを学んでゆくプロセスは、基本から応用、そして、実践へとなってゆくわけですが、ID-POS分析も当然、この流れにそって学んでゆくことになりますが、一般的には通常のPOS分析が基礎、ID-POS分析が応用と理解されているきらいがあることです。その背景には、ID-POS分析は通常のPOS分析の延長にあり、通常のPOS分析を理解しないと、ID-POS分析は到底理解できない。ID-POS分析は、大量のデータを取り扱い、複雑な数式を駆使し、難解な専門用語がたくさん登場し、とっつきぬくいものであり、覚悟してとりくまなければならないと思われているからかと思います。

   ところが、実際は真逆です。基礎が通常のPOS分析ではなく、ID-POS分析であり、むしろ、応用、正確にいえば、通常のPOS分析は100%、ID-POS分析に包み込まれており、ID-POS分析のほんの一部分が通常のPOS分析という関係になります。したがって、ID-POS分析は通常のPOS分析ではどう逆立ちしても、全く見えない世界が広がっており、通常のPOS分析をどんなに極めてもID-POS分析へたどり着くことはけっしてありえないからです。むしろ、ID-POS分析の世界を先に理解し、通常のPOS分析をそこから俯瞰した方がPOS分析そのものを大局的につかむことができます。

   したがって、これまで通常のPOS分析で実践されてきたすべてのマーチャンダイジング戦略はID-POS分析の視点からすべて再解釈する必要があり、再解釈することによって、これまでのマーチャンダイジングを改善し、さらに、新たなマーチャンダイジング戦略を生みだすことが可能になります。ID-POS分析と通常のPOS分析はこのような包含関係にあり、どちらかが、どちらへと発展してゆく関係ではなく、ID-POS分析が通常のPOS分析を完全に包み込む関係にありますので、ID-POS分析を先に学び、これまでのPOS分析でのすべての結果を洗い直すということが本筋といえ、これがID-POS分析の本質といえます。

   そして、その本質がまさに、購入頻度であり、この購入頻度がID-POS分析の象徴的な指標であり、ここをいかに理解し、使いこなせるかがポイントであるといえます。今回のセミナーでは、ここに焦点を当て、ここを可能な限り、詳しく解説させていいただいたセミナーであるといえます。ID-POS分析の数式も、フォーマットも、仮説づくりもすべて、この購入頻度が基盤になっており、そこをご理解いただけるかが、本セミナーの趣旨といえます。特に、ID-POS分析特有の顧客ランクもこの購入頻度をもとに算出することが合理的であり、通常のID-POS分析のデシル分析、RFM分析では理解できない世界がそこにはあるといえます。

   このように、まずは、ID-POS分析セミナー、in大阪が終了し、次のin福岡、そして、in東京へ向けてさらに内容を充実させるべく準備に入っていますので、大阪でのセミナーを踏まえ、より、充実した内容をご提供できるのではと思います。なお、来期も、有料、無料、様々なセミナー、そして、ID-POSの研究会等企画してゆくべく、準備を進めていますので、ご期待いただければと思います。

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October 24, 2011 in CRM、FSP | | Comments (0) | TrackBack (0)

October 21, 2011

客数とID客数の違い!

   ID-POS分析と通常のPOS分析の最大の違いは客数のとらえ方にあるといえる。通常のPOS分析における客数は来店回数、いわゆるレシート枚数のことであるが、ID-POS分析における客数はID、すなわち、ID客数のことである。ID客数とは文字通り、顧客に振られたIDごとの客数のことであり、ここが通常のPOS分析との決定的な違いである。そして、この2つの客数の関係は、客数(レシート枚数)=ID客数×ID客数PI値という数式で結ばれることになる。ID客数PI値はレシート枚数/ID客数であり、ID客数が約分され、もとの客数となる。

   したがって、小売業の活性化の根幹となるMD方程式も、ID-POS分析では、新MD方程式となり、3Dから4D分析となる。具体的には、従来のPOS分析では、売上高=客数×客単価=客数×PI値×平均単価であり、売上高を3Dに分解し、活性化を図ってきた。これが、ID-POS分析となると、客数がID客数×ID客数PI値となるため、売上高=ID客数×ID客数PI値×PI値×平均単価となり、4Dとなる。そして、これが、ID-POS分析におけるMD方程式、すなわち、新MD方程式となる。

   では、3Dが4Dとなったことにより、小売業の活性化にどのような変化が生じるかであるが、その最大のポイントは、客数へのアプローチが大きく違ってくることである。MD方程式では客数はレシート枚数であり、しかも、大抵の場合、総レシート枚数であり、ここへのアプローチは至難の技である。一歩踏み込み、総レシートから商品ごとの購入レシート枚数まで落とし込めれば、客数、すなわち、レシート枚数の多い商品をピックアップし、客数アップへのアプローチも可能となるが、これは、ほぼPI値とほぼ同じ動きを示すため、結果、PI値アップと何らかわらないアプローチとなり、客数よりも、客単価アップをはかることになり、客数アップにダイレクトに働きかけることは難しいといえる。

   一方、新MD方程式となると、すべての単品の4D分析が可能となるため、客数、すなわち、レシート枚数をID客数とID客数PI値に分解することが可能となる。しかも、ID客数が何人で、それぞれのIDごとのレシート枚数が何枚かが明らかになり、ここから、IDごとのID客数PI値によるランクづけが可能となる。ここがID-POS分析のID-POS分析たるゆえの分析であるといえる。通常のPOS分析ではこの顧客明細を見ることができない。いわば、たった一人のIDが膨大なレシートをもっているような状況といえ、ID客数の明細はもちろん、顧客のランクづけを行うこともできない。

   ちなみに、顧客をランクづけるには、このID客数PI値以外に、レシートの中身に踏み込み、PI値、平均単価を用いることもできる。さらに、ID-POS分析特有のレシート変換により、商品の購入レシートからID客数の全購入レシートをもとに、そのID客数PI値でランクづけすることも、その購入レシートからPI値、平均単価からランクづけを行うことも可能であり、顧客ランクづけも様々な角度から可能となる。

   したがって、顧客をここまで正確に単品ごとに把握できるのが新MD方程式の特徴であるといえ、ここから、MD方程式ではできなかった顧客へのアプローチが可能となる。顧客へのアプローチとは、具体的には客数(レシート枚数)=ID客数×ID客数PI値にもとづき、総レシート枚数を増やすことである。そして、そのためには、ID客数PI値を増やし、同時に、ID客数PI値を増やしてゆく仮説をつくり、アクションを起こすことである。特に、ID客数PI値は重要な指標であり、ID客数ごとに把握でき、しかも、これで顧客ランクを作成できるので、いかに、ID客数の顧客ランクを引き上げるかが課題となる。

   通常、ID客数PI値は1年を基本とすることが望ましく、1年を基本とすると、どんな商品も年間1回しか購入しない顧客がかなりの数にのぼり、1ケ月に1回程度の購入顧客もかなりの数となる。そして、1週間に1回以上の購入顧客はほとんどいない事実も明確になる。したがって、この実態が鮮明になれば、ここから、客数を増やすには、1週間に1回の超高頻度顧客をしっかりフォローし、年間1回しか購入しない顧客を年間2回購入してもらうような販促を検討し、さらに、月間1回購入している顧客を月間2回購入してもらうようなマーチャンダイジング戦略をつくることがポイントなる。これが、新MD方程式が明らかにした売上アップのメカニズムであり、結果、客数の増加をもたらし、売上高を客数面から引き上げることが可能となる。

   このように、従来、客数へのアプローチはなかなか容易ではなかったといえるが、ID-POS分析の時代となり、MD方程式が新MD方程式へと進化し、3D分析から4D分析が可能となったことにより、客数アップへのアプローチが可能となったといえる。ID-POS分析の本質はここにあるといえ、これまでのように客単価アップがPI値、平均単価から図れるのはもちろんであるが、これに、新たなアプローチ、客数アップがID客数、ID客数PI値から可能になったことが大きいといえる。ID-POS分析が可能であれば、どこまで単品ごとの客数アップがはかれるか、是非、取り組んで欲しい。

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October 21, 2011 in CRM、FSP | | Comments (0) | TrackBack (0)

October 18, 2011

いよいよ、ID-POS分析セミナー、スタート、東京11/10!

   ID-POS分析セミナーがいよいよ今週からスタートする。10/21大阪、10/28福岡、そして、11/10東京と続く一連のセミナーである。テーマは、「売場の最適化!、ショッパーを捉える効率的な販売計画づくり」、サブタイトルは、「ID-POS分析で店舗力を上げる」である。詳細は、本ブログ記事の下に、ご案内があるので、そちらでご確認いただくとして、私の担当は冒頭の50分、テーマは、「ID-POS分析、究極の目的、購入頻度の本質に迫る!」、サブタイトルは、「顧客を増やし、顧客の購入履歴を把握し、顧客本位のマーチャンダイジングをどう構築するか!」である。

   本来、3時間から4時間は欲しい内容であるが、50分に圧縮するために、かなり密度の濃い内容となる予定である。先ほどセミナー用のテキストが完成したが、優に数時間はかかる内容を盛り込んでいるので、当日は、どこを重点に解説させていただくかを明確にし、メリハリのあるセミナーにしたいと思う。また、このセミナーの開催を機に、このセミナーを補う意味で、本ブログ、まぐまぐ、そして、Twitter、フェイスブック等でも可能な限り、フォローして行ければと思う。また、同時に、食品スーパーマーケット最新情報、有料版プレミアムでも紙上セミナー、「ID-POS分析に挑む!」をスタートしたので、こちらでも今回のセミナーの内容を補ってゆければと思う。特に、この有料版は、10回シリーズぐらいになる予定であるので、今回のリアルなID-POS分析のセミナーを補い、さらに、新たなID-POS分析の研究成果を解説してゆければと思う。

   さて、10/21からスタートする当日の冒頭50分の内容であるが、まずは、通常のPOS分析とID-POS分析との関係を明確にするところからスタートしたいと考えている。多くの食品スーパーマーケットですでに、ポイントカードを入れ、ID-POS分析の分析体制は整っているにも関わらず、ID-POS分析を活用した店舗の活性化、全店への成功事例の水平展開の仕組みができているケースは極めて少ないのが現状といえる。大抵の食品スーパーマーケットはFSP(Frequent Shoppers Program:フリークエント・ショッパーズ・プログラム)に終始しており、ID-POSデータの原票を見られた方は皆無に近いのではないかと思う。

   ID-POS分析とは通常のPOS分析の延長ではなく、ID-POS分析が100%通常のPOS分析を包み込むため、通常のPOS分析では見えない世界が見え、これまで想像もつかなかった分析、というよりも、本来直観ではわかっていた分析が数字で検証できるようになる。したがって、まずは、通常のPOS分析とID-POS分析は何が違うのか、実際にID-POS分析で分析した具体的な分析データとはどのようなものなのか、ここからセミナーをスタートさせたいと思っている。

   また、ID-POS分析には、すでに様々な、すぐれた分析フォーマットが開発されているが、現時点での最新フォーマットについても時間が許す限り解説したいと思う。ID-POS分析は日進月歩であり、日々進化している。通常のPOS分析ではわずか数指標ぐらいしかないので、その組み合わせもさほど多くはないが、ID-POS分析は基本指標だけでも、数10種類、細かく見てゆくと数100種類作ることも可能であり、その組み合わせは無限といえる。したがって、フォーマットも無限といえるが、いかにわかりやすく、活用しやすく、しかも、効果が得られるものかが開発ポイントとなる。さらに、ID-POS分析は商品部が商品分析に活用することもさることながら、その本質は顧客ID、特に、今回のテーマ、購入頻度に基点があるため、店舗が活用できなければ意味がないといえる。したがって、現場、特に、店舗が活用しやすいフォーマットをつくることも課題となる。

   当然、ID-POS分析の分析フォーマットと連動し、検証フォーマットも課題であるが、意外に、ID-POS分析では、この検証フォーマットが十分に研究されているとはいえず、ここも今後のID-POS分析の大きな課題であるといえる。今回は、この検証フォーマットのあるべき姿についても、セミナーで解説する予定である。特に、購入頻度をいかに組み込んだ検証をするかがID-POS分析では要諦といえる。

   そして、これらの解説を踏まえ、実践事例をも解説してゆきたいところだが、さすがに、50分の中で何もかもは難しいといえ、事例に関しては、私の担当の中では、必要最小限に留めて、ID-POS分析の本質、購入頻度を中心に、今回のセミナーでは取り組んでゆく予定である。そして、時間があれば、すでに、準備がはじまっている来季のID-POS分析の取り組み、研究課題等についても解説できればと思う。

   まずは、10/21の大阪、翌週、10/28の福岡、そして、来月11/10の東京と連続してID-POS分析のセミナーが続いてゆくが、私に与えられた貴重な時間を参加された小売業、メーカー、卸の方がID-POS分析の本質をご理解いただき、自社でID-POS分析が可能となり、実践に活かしていただけるような内容にできればと思う。今期のID-POS分析関連のセミナーはこれで終了であるが、来期も今期以上に回数も、そして、内容も充実させ、ID-POS分析関連のセミナーを実施してゆきたいと思う。ご期待ください。

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October 18, 2011 in CRM、FSP | | Comments (0) | TrackBack (0)

October 16, 2011

OTC医薬品のID-POS分析、ロキソニン健闘!

   月刊マーチャンダイジング、2011年10月号にOTC医薬品のID-POS分析が取り上げられた。この記事は6回シリーズの連載であり、これが最終、タイトルは、「データの読み方、生かし方」、サブタイトルは「店長&売場スタッフのための考えるヒント」である。そして、この6回目は、「解熱鎮痛剤、小容量で即効性の高い「ロキソニン」は来店きっかけ商品」がテーマであり、これに、ID-POS分析の図表が8つ掲載され、2ページにまとめられた記事である。

   ID-POS分析にあたっては、カスタマー・コミュニケーションズが協力しており、独自の開発指標ABCL分析をメインに取り上げている。ABCL分析は、カスマー・コミュニケーションズによれば、「通常の「ABC分析」に商品ロイヤルティ(L)して「リピート率」を加えた分析手法です。「買上点数構成比」によるABC判定と「リピート率」をあわせて見ることによって「絶対に欠品させてはいけないアイテム」や「売込めばリピーターがついて伸びてくる商品」を発見することが可能です。」という分析指標である。ABCまでは通常のPOS分析でも可能であるが、LはID-POS分析なくして算出することは不可能であり、その意味で、通常のPOS分析とID-POS分析を組み合わせたところがミソといえ、ユニークな指標である。ID-POS分析は、このように、通常のPOS分析と組みわせることにより、このABCL以外にも、様々な指標をつくることができる。また、ID-POS分析のみの指標も当然つくれ、この逆、ID-POS分析に通常のPOS分析を組み合わせることもできる。

   余談だが、通常のPOS分析とID-POS分析は密接な関係があり、ID-POS分析が通常のPOS分析を100%包み込んでしまう、いわば部分集合の関係にある。したがって、ID-POS分析から通常のPOS分析はすべて可能であるが、通常のPOS分析からはID-POS分析へは一部のみ分析が可能であり、大分部は分析不能となる。したがって、ID-POS分析を理解するには、まずは、通常のPOS分析の延長として考えるのではなく、いきなり、ID-POS分析から入り、ID-POS分析の世界観を理解することが早いといえる。そうすると、通常のPOS分析が、POS分析のほんの一部であり、しかも、通常のPOS分析には、存在しない世界観があることが理解でき、POS分析の全体像がつかめるはずである。

   ひとつ例をあげると、通常のPOS分析では客単価(金額PI値)をあげることがマーチャンダイジングの根幹であるが、ID-POS分析では客単価(金額PI値)をあげることは必ずしも正しくない。客単価(金額PI値)を下げても、売上げを上げることはでき、むしろ、その方が良い場合もある。このような事例はID-POS分析を実施すると、いくらでも実証されることであり、この瞬間に、通常のPOS分析では理解できない世界がID-POS分析には広がっていることがわかる。また、ID-POS分析の指標は無限といってよく、通常のPOS分析は数種類しかないので、ID-POS分析の世界に入ると、圧倒される。ただ、本質はたったひとつ、頻度のみであり、この頻度を理解できれば、その他の指標も理解でき、新たな指標を誰でも生み出すことができる。その意味で、ABCLのLは頻度のひとつであり、ID-POS分析の本質をついたすぐれた指標であるといえる。

   さて、この記事の中で、注目の分析は、ABCL分析でOTC医薬品の第1類医薬品の分析結果である。ABC、すなわち、通常のPOS分析でベスト20を算出し、これに、L、リピート率を付与したものである。結果を見ると、2011年5月から7月までの期間であるが、No.1は大正製薬のリアップX5-60mlであり、購入金額構成比38.49%(昨年41.40%)、リピート率37.36%(39.51%)であり、圧倒的なNo.1である。そして、No.2が今回の記事の対象商品、第一三共ヘルスケア、ロキソニンS-12錠であり、購入金額構成比9.94%(昨年なし)、リピート率16.91%(昨年なし)である。以下、大正製薬、リアップ120ml、第一三共ヘルスケア、トランシーノ360錠、第一三共ヘルスケア、トランシーノ180錠、大正製薬、リアップレディ60ml、第一三共ヘルスケア、ガスター10<錠>12錠、・・と続く。

   さらに、これ以外も、解熱鎮痛剤の性年代別購入状況、売上金額上位50SKUの錠剤数別売上構成比、錠剤数別購入間隔、錠剤数別購入者の同時購入状況、ロキソニンのカテゴリー新規顧客獲得率、2011年7月の解熱鎮痛剤購入者の前月来店状況の7つの図表が掲載されており、ロキソニンを様々な角度から分析している。そして、結論であるが、ロキソニンは小容量でも即効性が高く、来店のきっかけをつくる「コンビニ型」医薬品であり、既存解熱剤からのブランドスイッチも起こっている可能性が高いとのことである。

   このように、ID-POS分析でOTC医薬品を見ると、通常のPOS分析における単なる売れ筋だけでなく、ID-POS分析特有のリピート率、トライアル等の指標を通じて、新たな商品の購入状況が理解でき、奥の深い考察が可能となる。今回の記事ではリフト値の活用には言及していなかったが、さらに、リフト値等を活用すると、よりOTC医薬品内の関係、雑貨、食品等との関係も導き出すことができ、新たな仮説づくりにつながってゆくものといえよう。なお、すでに、カスタマー・コミュケーションズはプラネットと組み、ドラックストアのABCL分析をバイヤーに公表している。ドラックストア業界の方が食品スーパーマーケット業界よりもID-POS分析は一歩進んでいるといえよう。今後、食品スーパーマーケットにおいても、急速にID-POS分析が浸透してゆくのではないかと思う。

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October 16, 2011 in CRM、FSP | | Comments (0) | TrackBack (0)

October 14, 2011

ついに、アクセス(Access)!

   これまで、どんなに大量のPOSデータを分析するにも、基本はExcelでこなしてきた。アクセスの方が便利なような気がしてはいたが、限界までExcelを使いこなそうとしてきた。実際、これまで取り組んできたPOS分析はExcelで可能であったし、手間を惜しまなければ、Excelでも、アクセスのような分析も可能であったからである。ちょうど、掛け算を足し算、ないしは、割り算を引き算でやるような感じでExcelをアクセスのように使えば、かなりの程度までExcelでPOSデータを分析することが可能であった。また、アクセスは何か、手が出しにくい感じがしており、通常の思考では理解しにくいものがあり、Excelのように気軽に使おうという気になれなかった面もある。

   ところが、ここへきて、ID-POS分析の時代になり、Excelではにっちもさっちもいかなくなり、とうとう、先日からアクセスを使い始めた。まだ使い始めたばかりであり、自由自在に使いこなすところまでは程遠いが、約500ページの入門書と格闘しながら、何とかデータの分析ができるまでになった。今回のID-POS分析のケースも、これまでのように、当初はExcelで分析が可能だと思っていたが、どう考えてもできない、というより、莫大な時間、少しトライしてみたが、ざっと計算しただけでも100時間ぐらいかかりそうなので、さすがにあきらめた。

   Excelでの分析をあきらめたこのID-POSデータであるが、縦が約1万行、すなわち、顧客約1万人のデータである。以前のExcelではこれだけでも不可能な分析であったが、最近のExcelでは、1万行でも問題なく分析が可能であり、当初はExcelで可能だと思っていた。ところが、その顧客データをもとにID-POS分析に入るわけであるが、ID-POS分析の基本は期間に関しては年間、月別が原則であり、これをもとに、状況に応じて、年間を数年に拡大したり、月別を週別、日別、時間にまで落とし込んだりする。したがって、今回のケースも月別での顧客データであり、1月度から12月度までの分析となる。

   ポイントはこの時、月々の顧客の数が大きくばらつくことである。ある月はたとえば2,000人の月があり、ある月は4,000人の月があり、ある月は1,000人の月があったりする。そして、この顧客を合計すると、年間では約1万人の顧客となる。何でこんなバラつくかというと、ID-POS分析を実施してみれば一目瞭然のことであるが、どんな商品も年間1回しか購入しない顧客が大量に発生しているからである。今回のケースは生鮮食品の最重点商品であるが、それでも、5,000人以上、すなわち、50%以上が年間1回しか、この商品を購入しない顧客であることが判明している。ちなみに、グロサリー商品ではさらに、多くの顧客となるのが通常である。

   このような、いわゆるBランクの顧客は分析しなくともいいのではないかとも思われるが、ID-POS分析のもうひとつの分析のポイントは、レシート変換、すなわち、対象商品の購入顧客の全購入レシートまで分析することが課題となる。実際に、今回も、この約1万人の顧客の全レシートを分析してみると、対象商品はBランクであるが、全商品では、Sランクの顧客がたくさんいることがわかる。すなわち、対象商品をSAB、全商品をSABに分けて見ると、SS、AA、BBとならず、SB、BSの顧客が確実に存在しているといえる。したがって、対象商品がBランク、すなわち、年間1回しか購入しない顧客であっても、店舗にとってはSランクの顧客もおり、この顧客をID-POS分析から外すわけにはいかないからである。また、ID-POS分析の要諦は、顧客のランクアップの導線をつくることが重要であり、さらに、Cランク、いわゆる未購入顧客からBランクへ誘導することも課題である。そのためにはBランクのID-POS分析も無視できないからである。

   こうなると、この場合のID-POS分析は縦約1万行、横対象商品12ケ月、全商品12ケ月、そして、それぞれの月、および、年間合計のID-POS分析の基本分析指標が約10列づつ入るので、完璧に分析すると、数百列となる。そして、これを縦約1万行の顧客IDで一覧表にするわけであるが、月々では当然購入が発生しない顧客が大量に発生するので、空白行が発生する数百万件の巨大な一覧表を作り上げなければならなくなる。もちろん、Excelでも可能であるが、問題は縦約1万行の顧客順に横の列すべてを統一することであり、ここで挫折し、アクセスを使ってしまった。入門書を見ながらの作業であったが、テーブルをつくり、このテーブル間をクエリーで顧客IDを基点にすべてむすびつけ、購入のない顧客IDの月は空白にする指示を与え、何とか、巨大な一覧表をつくりあげることができた。そして、ここから、再度Excelに落とし、ID-POS分析の計算式を入れ、顧客約1万人のランクづけも行い、ID-POS分析の基本帳票がやっと完成した。

   このように、やむにやまれず、今回はアクセスを使わざるをえなくなってしまったが、まだ、アクセスのほんのわずかな機能をつかっただけであるが、今回のように顧客IDを基点に各月のデータを連結するには、必須であるといえ、力づくではどうにもならないことがわかった。ただ、Excelもいったん基本帳票ができてしまえば、分析するには便利であり、双方の組合せがポイントといえよう。今回は苦労したが、今後は、ID-POS分析の流れができあがったので、さらに、アクセスももう少し勉強し、ID-POS分析の基本帳票を短時間で作り上げ、中身の分析に時間をかけられるようにしてゆければと思う。   
   
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October 14, 2011 in CRM、FSP | | Comments (0) | TrackBack (0)

October 10, 2011

顧客IDから見える!ブランド育成の最前線セミナー終了!

   10/6、株式会社マーケティング研究協会主催、私が講師を務めさせていただいた「顧客IDから見える!「ブランド育成の最前線」」と題し、メーカー向けのブランド育成のセミナーが無事終了した。サブテーマは、「頻度と時間がブランド育成のポイントの決め手」であり、ID-POS分析を通じて、どのようにメーカーの方が小売業と協業し、ブランドを育成してゆくのかを、実際のID-POS分析をもとにじっくりと解説した。13時からスタート、途中、休憩を入れ、17時までの約4時間のセミナーであり、質疑応答も含め、ほぼ時間通りのセミナーとなった。

   前半は理論編であり、ID-POS分析特有の基本方程式、売上高=ID×ID客数PI値×PI値×平均単価の4D分析をもとに、1.ブランド育成に絶対必要なID-POSの基本データとは何か、2.ID-POSデータをどのように、ブランド育成用に加工するか、3.ID-POS分析の結果から、ブランド育成の仮説検証体制をつくるの3章構成で、約150分ぐらいの解説となった。

   特に、2のID-POSデータをどのように、ブランド育成用に加工するかについては、1)ブランドの全購入顧客IDの購入履歴を最低1年以上を把握、2)頻度を期間購入頻度(相対)と月頻度(絶対)に分解、3)購入頻度別にブランドの全購入顧客IDを整理、4)S顧客IDとAB顧客IDを頻度別に整理、5)レシート変換により、ブランド以外の商品の購入履歴を把握、6)リフト値により、商品、カテゴリー、部門間の関係を分析の6つのポイントを解説した。また、3.ID-POS分析の結果から、ブランド育成の仮説検証体制をつくるについては、1)ブランド購入IDをどう獲得するか?、2)S顧客のPI値、平均単価をどうアップさせるか、3)AB顧客の頻度(ID客数PI値)アップをどうはかるかの3つのポイントを解説した。

   前半の要点はいくつかあるが、まずは、ブランド育成に当たって、ID-POSデータを取得する時は、必ず、過去1年間、ID-POSデータをもとに分析することが大前提であり、しかも、ブランド購入レシートだけでなく、ブランド購入顧客が店舗で購入する全商品の購入レシートも取得することが必須であることである。ここから、自然、ブランド育成の検証に当たっても、1年間のデータで検証することが前提となることを解説した。その理由は、顧客をSABに分け、特にB顧客、今回の場合は、年間1回しかブランドを購入しない顧客がグロサリーの場合は70%前後、生鮮食品でも約40%おり、数ケ月のID-POSデータでは、これらの顧客がカットされてしまうためである。ブランドの育成には、このB顧客も重要な顧客であり、この顧客の動向を把握するためにも、最低、1年のID-POSデータが必須となるからである。

   そこで、ここから、次の要点は、顧客ランクである。通常顧客ランクは売上げで作るが、ID-POS分析では、頻度の方が、理論的にも、実務的にも正しいことを実際のID-POS分析をもとに、詳しく解説した。これは、ブランド購入レシートにおいても、全商品の購入レシートにおいても全く同じであり、頻度によってランクづけをすることがブランド育成の決め手になることを解説した。そして、もうひとつ、リフト値の活用に当たっては、IDを基点に見てゆくことが、ID-POS分析では基本であり、ここから、クロスマーチャンダイジング、棚割、誘導POP、ちらし等へ落とすことが重要であることを実際の数値をもとに解説した。

   以上が前半の内容であり、後半は約90分、実践編と題し、質疑応答を含め解説した。実戦事例としては、事例研究1とし、グロサリー食品、特にワイン等について、ワインの購入顧客の新規IDを増やす、棚割、レイアウト、誘導POP、ちらし活用のポイント、ワインのS顧客とAB顧客の購入実態を把握し、頻度に着目した段階的な顧客ランクアップづくりのポイントについて解説した。さらに、事例研究2とし、生鮮、日配食品、特に、牛乳、豆腐等について、ブランドごとの顧客ロイヤリティーの違いを把握し、ブランドスイッチと価格政策との関係をつかむポイント、ブランドの品揃えの原則を理解し、ブランド育成をはかるポイントについて、じっくり解説した。

   ブランドをID-POS分析を通じて、育成してゆくということは、ブランドを構成している、1人1人の顧客の詳細な購入履歴をもとに、購入頻度を前提に、顧客のランクづけを行い、顧客のランクアップを1年かけて実施してゆくことであり、見方を変えれば、顧客構造をS顧客に誘導してゆく流れをつくることに他ならない。この流れ、すなわち、S顧客への導線ができていれば、トライアルが発生した瞬間に、その導線にのり、顧客が時間とともにランクアップしてゆくことになり、顧客の構造変化が起こり、ブランドと顧客との関係が時間と共に深まってゆくことになる。

   今回は、このような観点から、「顧客IDから見える!「ブランド育成の最前線」」をテーマに、セミナーにて詳細な解説をしたが、まだまだ、ID-POS分析の実戦事例は通常のPOS分析と比べた場合、圧倒的に少ないといえる。さらに、その理論、基本フォーマット、検証の方法等は十分に確立されているとは言い難いのが現状である。恐らく、数年以内には、ID-POS分析は食品スーパーマーケットの標準分析となってゆくことは必至であるので、メーカーとしても、そろそろ、本格的な受け入れ態勢の準備が必要といえよう。ブランド育成にID-POS分析をどう取り入れるか、メーカーにとってもブランド育成には、ID-POS分析は不可欠な要素となってゆくのではないかと思う。

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October 10, 2011 in CRM、FSP | | Comments (0) | TrackBack (0)

October 08, 2011

商品の購入履歴をどうMDに活かすか?

   商品には1品1品、必ず、その背後に顧客の購入履歴が存在している。実際の売場で商品を見る限り、フェイスとプライスカートがあるだけで、そこから、その商品の背後に存在する顧客の購入履歴を読み取ることは難しいが、実際には、日々商品は顧客が購入しており、その顧客の購入履歴は日々蓄積されてゆく。したがって、その蓄積された商品の購入履歴を分析すれば、その商品の様々な特徴が浮かび上がり、マーチャンダイジングの改善につなげることが可能なはずである。

   ところが、商品の購入履歴はデータとしては存在していても、実戦に活かすことは中々難しいのが実態である。その最大の要因は、実際に商品の購入履歴をつぶさに分析してみると、どんな商品も売上げの大半が年間1回しか購入しない顧客で占められているのが実態であり、購入頻度が高い生鮮食品の中の売れ筋商品でも30%から40%はあり、グロサリーになると、50%を優に超え、70%から80%の商品が大半を占めるといえる。この膨大な、いわゆるトライアル顧客も含めて、商品の売上げは成り立っており、マーチャンダイジングは、このトライアル顧客への政策なくして、成立しないからである。したがって、この顧客をどうマーチャンダイジングに活かすかが大きな課題となる。

   一方、商品にはその反対、ファンも確実に存在しており、この顧客は年間1回どころか、月1回、さらに、熱狂的なファンになると週1回購入する顧客も存在する。しかも、この顧客の比率はわずかであるにもかかわらず、売上構成比では、50%以上を超えることもあり、この顧客なしでは、商品の存在そのものが成り立たないといえ、マーチャンダイジング政策でも最優先で最大級の政策を打ち出す必要があるといえる。

   そして、これ以外の顧客も当然存在しており、この顧客はマーチャンダイジング政策次第で、どちらにも動きかねない顧客層であるといえる。しっかりフォローができれば、ファンへとつながって行く可能性も高いが、何もしないと、トライアル顧客へと移ってしまい、やがては、未購入顧客にもなりかねない不安定な顧客であるといえる。

   通常のマーチャンダイジングではこれらの顧客の実態をつかむことができないため、日々の売上げを追いかけ、週別にチェックし、さらに、月別の販売方針を検討するということになるが、そもそも、商品の背後に、顧客の購入履歴を分析すると、このような実態があるわけであるので、この実態がつかむことができるのであれば、この実態にあったマーチャンダイジングの検討が必要といえよう。しかも、実際の商品の購入履歴を見ると、かなりの顧客が年間1回しか購入しない顧客が存在することは事実であるので、この顧客の動向もフォローできるように、少なくとも、購入履歴の把握は1年は欲しいところである。

   通常の商品の売上げの評価は1日1日で評価してゆくが、顧客の購入履歴は、今日、顧客が何人購入したかではなく、過去1年の購入履歴の中から、ファンの顧客がどう動いたか、トライアルの顧客がどう反応したか、それ以外の顧客がどう動きはじめているのか、ここを評価する必要がある。したがって、マーチャンダイジングのテーマも、瞬間の売上げを上げることから、顧客の購入構造を変化させ、全体をファン、そして、熱狂的なファンへと導くことがテーマとなる。

   従来のマーチャンダイジングでは、どうしても、価格政策が中心となり、可能な限り、価格訴求をかけることがマーチャンダイジング戦略の中心的な課題であったといえる。実際、大半の商品の売上げは需要供給の原理に従っており、価格と売上げとは反比例の関係にあり、価格を下げれば下げるほど売上げは上がり、逆に価格を上げれば上げるほど、売上げは下がるという関係にある。

   では、顧客の購入履歴が把握でき、先のような構造が明確になった時、この問題をどうとらえるかである。一般に顧客はファン、そして、熱狂的なファンほど価格はいわゆる値頃感があれば、購入が継続するが、トライアル、未購入顧客はかなり思いきった価格政策を打たないと反応しないといえる。また、その期間もファンであれば短くても購入機会は得られるが、トライアルは長期間でないと購入の機会は得られないといえる。したがって、価格政策ひとつとっても、購入履歴を前提とした場合は、その価格訴求の大きさと期間により、顧客の対象が変わるといえ、何パターンも存在することになる。

   このように、顧客の購入履歴をマーチャンダイジングに活かすためには、まずは、商品の顧客の購入履歴をしっかり分析し、その構造を理解することが大前提である。そして、ここから、これまでのような価格政策中心のマーチャンダイジングにおいても、顧客ごとに価格と期間を慎重に選定する必要があり、かつ、その検証も瞬間の売上げではなく、常に、年間の顧客構造の変化で検証すべきであるといえる。価格ひとつとっても、様々なバリエーションが年間を通じて組むことができ、さらに、これ以外の従来のマーチャンダイジングの手法もすべて、この観点から見直す必要がある。また、顧客IDを把握できることから、ポイント、クーポン等の独自のマーチャンダイジング政策も可能になるといえる。顧客の購入履歴が把握できるのであれば、是非、独自のマーチャンダイジングに挑戦して欲しいところである。

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October 8, 2011 in CRM、FSP | | Comments (0) | TrackBack (0)

October 02, 2011

ID-POS分析における仮説の検証とは?

   食品スーパーマーケットにおいて、マーチャンダイジングの仮説検証のPDCAのサイクルをつくることは重要なテーマであり、ある意味、インフラをつくることに近い。ここ最近、POS分析においても、このインフラ整備が進んでおり、通常のPOS分析では月間をベースに、週間、日別、そして、四半期、年間、10年、・・と、様々な集計方法が考案され、PDCAサイクルが確立されつつある。では、ID-POS分析ではどうか、これは、まだまだ模索段階といえ、試行錯誤が続いているといえよう。そこで、ここでは、ID-POS分析の仮説検証におけるPDCAのサイクルについて考えてみたい。

   ID-POS分析において、PDCAのサイクルが決まらないのは、マーチャンダイジングは日々実戦しているのに対し、その検証の評価期間が中々決めにくいからである。答えが1日で出るものもあるが、ID-POS分析は、週間、月間では目に見えた効果が出にくいといえ、数ケ月単位、場合によっては年間単位で、評価する必要があるからである。その最大の要因は、通常のPOS分析が商品の売上げを評価しているのに対し、ID-POS分析は顧客の売上げを評価しており、顧客の売上げは瞬間で決まるものではなく、長い時間をかけて、顧客との関係を築き、その絆を強固にする、ID-POS分析風にいえば、顧客ランクを安定させ、顧客のランクアップをはかることであり、これは一朝一夕ではなしえない課題であるからである。

   どんな商品にも、必ず、その背後には顧客明細が存在する。商品でみると、単純な売上高であっても、その売上高を支えている顧客が必ず存在しており、売上高が上がった場合、逆に下がった場合は、その背後で顧客の変化が起こっている。したがって、売上高を上げるとは、顧客構造を変えることに他ならず、この顧客構造を変化させない限り、売上高の変化はないといえる。

   では、その構造とはどのようなものか。これはID-POS分析を丹念に実施すれば明らかになることであるが、通常の商品の場合、大きく、SAB、そして、Cに分解することができる。Sとは、その商品のロイヤルカスタマーであり、定義にもよるが、ほぼ毎月商品を購入している顧客である。Aとはレギュラーカスタマーであり、年数回、すなわち、数ケ月に1回程度購入している顧客である。B顧客とはトライアルカスタマーであり、年1回購入している顧客である。そして、C顧客とは、未購入カスタマーであり、IDは把握できているが、年1回も購入していない顧客である。

   このように大抵の商品は顧客を年間で見て、SAB、そしてCにランク分けることが可能であり、しかも、期間、いわゆる購入頻度で見ると、1年というサイクルで購入しているトライル顧客が購入頻度が高い生鮮食品でも30%から40%を占め、加工食品においては、その倍60%から80%を占めるのが実態である。したがって、商品の売上げを上げるとは、ID-POS分析では、この顧客の構造を理解し、その顧客構造を変化させることであるといえる。しかも、年間1回しか購入しない顧客がかなりの比率を占め、この顧客のランクアップがはかれなければ、顧客構造の変化は望むべくもなく、ここがID-POS分析が通常のPOS分析と決定的に違う点である。

   したがって、仮説検証は、当然、週、月ではなく、1年を前提とすべきであり、どんなマーチャンダイジングの仮説検証も年間の顧客構造の変化を前提に検証すべきであるといえる。仮に月間で検証すると、S顧客は問題ないが、B顧客は大半が漏れ、A顧客もかなりの顧客が対象外となるからである。そう考えると、これまでの、マーチャンダイジングはあまりにも顧客に配慮が欠けていたといえ、大雑把なマーチャンダイジングであったことがわかる。商品の瞬間的な売上げを上げることが前提となっていたといえ、顧客との関係を築き、顧客との絆を深める配慮が欠けていたいといえよう。

   では、ID-POS分析の検証とは、どのようにすべきか。まずは、常に、12ケ月、1年を前提として顧客構造の変化を見るべきである。したがって、数字は毎月毎月算出しても、その評価期間は常に12ケ月、1年の移動平均を使って評価してゆくことが望ましい。これによって、SAB顧客の顧客構造の変化が鮮明に読み取ることができ、マーチャンダイジング政策がS顧客にリーチしているのか、それとも、AかBかが判断でき、特に、C顧客が反応した時、どのようなマーチャンダイジング政策が実施されたのかなどが検証できる。そして、この検証結果が積み重なってゆくと、当然、仮説づくりにつながってゆき、これまでのマーチャンダイジング政策がすべてID-POS分析の観点から検証し直されることになる。恐らく、このPDCAを繰り返せば、数ケ月以内には、ID-POS分析の新たなマーチャンダイジング政策が完成することになろう。

   このように、仮説検証はこれまで通常のPOS分析をもとに、商品の売上高を前提に検証してきたが、ID-POS分析の時代になると、商品の売上高から、顧客の売上高へと検証の内容が転換することになり、マーチャンダイジング戦略が知らぬ間に、自然と顧客に目が向くようになり、マーチャンダイジングの戦略転換が促されることになる。その意味で、ID-POS分析を理解する最善の方法は、ID-POS分析の検証体制の確立にあるといえよう。

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October 2, 2011 in CRM、FSP | | Comments (0) | TrackBack (0)

February 22, 2011

ARPU(ID金額PI値)が示す携帯海外戦略!

   2/21の日経新聞1面トップに、「携帯、海外へ再進出」という見出しの記事が掲載された。サブ見出しは、「スマートフォンで開拓」、「NEC、豪など400万台」、「富士通、欧中印に供給」である。残念ながら、この記事の中ではARPU(アープ)については触れていないが、この戦略を決めた背景にはARPUが存在するといえる。携帯電話会社の今期の第3四半期決算の状況を見ると、たとえば、ソフトバンクでは総ARPUが4,310円であるが、その中身はデータARPUが2,330円、音声ARPU(音声+基本料金)が1,980円とデータが音声を逆転しており、恐らく、今季本決算では世界中の携帯電話会社ではじめて、ソフトバンクのデータARPUが音声ARPUを上回ることが確実となったといえ、携帯電話の歴史を変える可能性が高まったためである。

   ソフトバンクがここまで他者に先駆けてデータARPUの構成比が高まった要因はiPhoneにあるといえ、すでに、ソフトバンクの携帯電話の売上げは、約80%がiphoneで占められており、このデータARPUに経営資源を集中的に投入してきたことによる。問題は、これがソフトバンクだけなのかというと、ここまで極端ではないが、ドコモもauもほぼ同様な傾向が出ており、最近のドコモのコマーシャルを見れば明らかなように、渡辺謙=スマートフォンというイメージを強く押し出し、データARPUを意識的に高める戦略が打ち出されているといえる。

   そして、さらに、問題は海外市場であるが、今回の日経の記事は、「携帯、海外へ再進出」という見出しであり、「再」がポイントといえる。 記事の中にも「2001年に日本が先駆けて導入した第3世代携帯電話の世界での普及をにらみ、相次ぎ海外進出したが、・・」とのことで、ちょうど10年前のことであるが、簡単にいえば、早すぎたということである。なぜ早かったか、携帯電話の世界では、ARPUがごく当たり前に使われており、しかも、これは日本だけの話ではなく、世界の携帯電話会社すべてが共通の指標となっている。したがって、ARPUの国内比較だけではなく、国際比較ができるのがポイントであり、携帯電話市場はARPUを共通指標として、世界中がつながっているといえ、同時に、この指標をもとに、各社の経営戦略の違いを読み取ることができるといえる。

   そこで、世界中のARPUを見ると、興味深いことに、日本だけがなぜか、突出したデータARPUの比率であり、アメリカも中国も韓国も、さらには欧州各国をも圧倒的に上回る比率であり、音声ARPUが極めて低い国である。こんな国は世界中日本だけであり、10年前に携帯が第3世代携帯に置き換わった時に、日本の時代が来たと思うのは自然な発想だったといえよう。ただ残念なことに、早すぎたといえよう。当時世界は音声ARPUが厳然として強く、その時代の勝者、ノキアが圧倒的な海外市場を制しており、つけいる隙がなかったといえる。そのノキアが、10年たったいま、苦境に陥っている。データARPUへの対応が後手に回り、独自開発にこだわる余り、携帯市場のシェアを落としはじめており、つい最近も、Google、アップルではなく、マイクロソフトと業務提携をしている。

   さて、現在、国内では、データARPUが音声ARPUをソフトバンクだけでなく、恐らく近々にはドコモもauも上回ることになろう。しかも、この趨勢はいまや世界中の流れであるといえ、フェイスブック、ツイッターの普及、特に、これがアフリカ、中東では政治の変革、革命の武器にまでなっており、当然、パソコンから携帯でフェイスブック、ツイッターを見る時代に世界中がなってゆくことは容易に想像できる。まさに、データARPUの時代の到来といえ、世界で先駆けて、データARPUの国となった日本のハード(技術)、そして、ソフト(使い方)が受け入れられないはずはないといえよう。

   日経が1面トップにこの記事を月曜の朝にもってきたのも頷ける話である。ちなみに、携帯電話は世界では10億台を超える販売台数であるとのことで、家電でも、自動車でもこれを超える販売数量の商品はこの世の中に存在しないといえる。したがって、日本の携帯電話が、今後海外市場で受け入れられれば、日本経済全体へ波及する効果が期待でき、その意味でも、日経がこの記事を1面にもってきたと思われ、日本経済活性化への期待を込めた記事であるといえよう。

   このように、ARPUから携帯電話市場を見ると、いま起こっている世界中の携帯電話会社の現状と今後の戦略が見え、なぜ、ここへきて、日本の携帯電話会社が一斉に海外へ「再」進出するのかも理解できる。10年前はハード(技術)先行型で海外への進出を図った感が否めないが、今回はソフト(使い方)も伴い、世界全体がデータARPUの上昇が起こっており、世界に受け入れられる可能性が極めて高いといえよう。したがって、ARPUが今後、ますます重要な経営指標となるものといえ、大いに研究してゆくべき指標であるといえよう。

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February 22, 2011 in CRM、FSP, 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

February 21, 2011

DRUGSTRE NEWSでアルフェネオのID-POS分析!

   DRUGSTRE NEWS(ダイヤモンド・フリードマン社)の最新号、2011年2月号でドリンク剤、アルフェネオの特集記事が掲載された。その中で、アフェネオのPOS分析、ID-POS分析をもとに、商品の評価を行った。特に、ID-POS分析での評価では、3本パックの重要性が改めてクローズアップされた結果となり、中々興味深い内容となった。これまで、主に食品スーパーマーケットでID-POS分析を実施してきたが、ドラックストアにおいても、ID-POS分析が商品評価の決め手になることが実証されたといえ、今後、機会があれば、さらに、様々な商品に取り組んでゆきたい。

   さて、アルフェネオは大正製薬が女性向けに開発した栄養ドリンク剤であるが、特に鉄分やビタミン補給の栄養ドリンク剤である点が特徴といえる。大正製薬といえば、リポビタンDがあまりに有名であり、男性の栄養ドリンク剤としては定評がある。実際、ドラックストア、食品スーパーマーケット等の栄養ドリンク剤の売場を見ると、男性用の栄養ドリンク剤中心の売場が多く、まだまだ女性用をメインにしている売場は少ないといえる。

   今回は、このような現状を踏まえ、敢えて、女性用栄養ドリンクの売場を強く打ち出したドラックストア2社、ドラックスギヤマとサンキュードラックの売場を実際のPOSデータ、ID-POSデータで検証したものである。誌面では、実際に女性用栄養ドリンクの強化に取り組んだ事例の売場写真と、対象店舗の店長さんの声、そして、その結果のPOSデータ、ID-POSデータを提示しており、最後に、これらの総括を特にID-POS分析を中心に行った内容である。

   今回、アルフェネオのID-POS分析を行ってみて、特に感じたことは、1本、3本、10本のそれぞれの位置付けが、明確になった点である。サンキュードラックではアルフェネオだけでなく、リポビタンファインも同時に分析しており、その違いも明らかになり、同じ栄養ドリンクでも、商品により、どこをメインに打ち出すかが違うといえ、興味深い結果となった。

   実際のサンキュードラックのID-POS分析の結果であるが、アルフェネオについては、昨年は1本が1,677人、3本が1,395人、10本が180人の購入IDがおり、1本がメインとなっていたが、今年は、1本が1,851人(110%)、3本が1,915人(137%)、10本が302人(168%)となり、何と3本が1本を抜き去り、3本がメインに躍り出た結果となった。しかも、この時の3本のID金額PI値、ID数量PI値を見ると、どちらも約95%へ下がっており、これは、購入頻度がやや下っていると思われ、リピーターよりも、トライアルが増えていると推測できる。

   一方、1本のID金額PI値、ID数量PI値は102%前後上昇しており、3本とは対照的な動きとなっており、ここではトライルアルよりも、むしろリピーターが増えていると推測できる。したがって、1本は定着しつつあるのに対し、3本は逆に、トライアルを力強く獲得しつつあり、3本がアルフェネオのマーチャンダイジングの基点となりつつあるという結果が得られたといえる。これは、ドラックスギヤマのPOSデータでも裏づけられ、3本の伸びが著しいことからも、3本が明らかに、マーチャンダイジングの基点となっていることがわかる。

   同じ売場で展開したリポビタンファインと比較すると、その違いがよくわかる。リポビタンファインは1本が2,466人(昨対121%)であるのに対し、3本は1,196人(昨対133%)、10本は276人(昨対117%)であり、3本の伸び率は高いといえるが、1本の方が購入IDは圧倒的に多く、3本よりも1本がマーチャンダイジングの基点となっており、アルフェネオとの違いは鮮明である。

   これだけ、特に1本と3本の違いが対照的になるのは珍しいといえ、通常の商品では、1本がトライアルを誘発し、3本、10本へと顧客が移ってゆくと思われるが、アルフェネオは、当初はそのような傾向があった形跡はあるが、今年のID-POS分析の結果を見る限り、1本よりも、むしろ3本がトライアルを生み出しているといえ、3本がマーチャンダイジングの基点となっていると読み取れることである。それだけ、顧客にとって、継続的に飲み続ける動機が強い商品であると思われ、ID-POS分析をして見て、はじめて明らかになった検証結果であるといえる。

   このように、今回は食品スーパーマーケットではなく、ドラックストアでのID-POS分析となったが、結果は実に興味深い内容となり、特に、1本、3本がどのように顧客に受け入れられてゆくのかが、明確になったといえる。通常は1本がトライアル、3本がリピートと思いがちであるが、アルフェネオは今回の結果を見る限り、3本がトライアルを誘発しているといえ、商品によっては、1本よりも3本がマーチャンダイジングの基点となることもあるということが実証できたのではないかと思う。今回はID-POS分析の基本の部分だけの分析となったが、さらに、掘り下げてゆくと、次のマーチャンダイジングの展開にもつながるものが得られるといえ、次回、機会があれば、さらに、ID-POS分析を深め、マーチャンダイジングの様々な仮説構築を試みたい。
 
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February 21, 2011 in CRM、FSP, 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

September 19, 2010

ID-POSの原データをどう落とし、分析するか?

   通常のPOSデータの分析は比較的簡単にできる。基本データが売上金額、売上数量、そして、客数(レシート枚数)の3つのみであるからだ。ただ、この3つも、客数が全体客数のみの場合は比較的簡単だが、部門客数、カテゴリー客数、さらには単品客数となるとやや複雑になる。それでも、何とか力仕事で、ほぼ、分析が可能である。ところが、ID-POSデータとなると、これにIDが加わるために、一筋縄ではいかなくなる。まず、データをどう落とすかが問題になる。さらに、その落としたデータをどう分析するかが課題となる。当然、この2つはリンクしており、どのように分析するかにより、落とし方が違ってくるので、落とすことが先ではなく、分析が先となるので、ID-POSデータは、分析イメージをどう描くかが最大の課題である。

   ところが、ID-POS分析は食品スーパーマーケット業界ではまだまだ一般化しているとはいえず、分析手法はまちまちであり、しかも、日進月歩、分析手法も新たなものが日々開発されている状況であり、これが定番というものがないといえる。PI研では、通常のPOS分析で活用しているMD方程式にIDを加えた新MD方程式をベースにID-POS分析を実施しており、ほぼ、ID-POS分析の手法は固まっている。しかも、この2つの関係は新MD方程式>MD方程式という関係になり、MD方程式は新MD方程式の特殊な場合の方程式であると関係づけている。したがって、ID-POSデータの落とし方は、自然、新MD方程式に当てはまるような落とし方が基本となり、その結果、その集計表である新MD評価表に自然集約されることになる。また、この範疇に入らないID-POSの分析手法、集計表があった場合には、そのまま、その分析手法、分析数値、集計表を付け加えて対応している。

   そこで、まず、MD方程式と新MD方程式との違いであるが、新MD方程式は売上高=ID×ID金額PI値=ID×ID客数PI値×金額PI値が基本である。これを売上高=ID×ID客数PI値×数量PI値×平均単価まで落とし、さらに、売上高=ID×ID客数PI値×客数PI値×数量PI値(客数)×平均単価へと落とすこともあるが、基本は売上高=ID×ID金額PI値=ID×ID客数PI値×金額PI値である。したがって、ここからMD方程式が自然導かれ、ID×ID客数PI値はID客数PI値が客数(レシート)/IDであるので、客数となり、新MD方程式は売上高=客数×金額PI値となる。これをさらに展開すれば、売上高=客数×数量PI値×平均単価となるので、これがオリジナルのMD方程式であり、もとにもどったことになる。したがって、MD方程式は、新MD方程式の特殊な形態であるともいえる。要は、IDが1の場合がMD方程式であり、IDが1以上の場合が新MD方程式といっても良く、ID=1かID>1で使う数式が違うということである。

   さて、問題の原データの落とし方であるが、IDが1の場合は縦に商品、横に指標、すなわち、客数(レシート枚数)、売上金額、売上数量の3つで良かった。これ1枚でMD方程式に落とし、数表化することが可能であった。また、複数店舗の時は、店舗番号を新たに加えることでPOSデータの分析がいかようにも可能であった。こう考えると、ID-POSデータに関しても同様に基本はID>1であることを考えると、通常の場合の店舗番号をIDの代わりにし、店舗が数千、数万店舗増えたと考えれば、ほぼ同じフォーマットに落とせば良いことがわかる。すなわち、縦に、商品、横に指標、そして、縦の商品の横に店舗番号ではなく、IDが来れば良いといえる。当然、店舗ごとに分析したい場合はIDの横にさらに店舗番号を振れば良く、横軸が置き換わる、あるいは加わるだけのフォーマットで良いといえよう。

   また、月別に関してはどうするかもあるが、これはこれまでの分析の経験上、横に月があった方が分析しやすいので、縦に並べるよりも、横の指標ごとに月を並べた方があとあと分析しやすいといえ、横に付け加えれば良いといえよう。したがって、原則、ID-POS分析の場合も、これまでの通常のPOS分析の場合も、データをどう落とすかに関しては、ほぼ同じフォーマットで対応が可能であるといえ、増えたIDを縦にあたかも店舗が無限に増えたと見なせば、可能といえよう。MD方程式自体が新MD方程式の部分集合であるので、当然、その分析フォーマットも拡張できるといえ、落とし方もMD評価表も原則ほぼ同じイメージでできるはずであり、実際に可能である。

   このように、良くID-POS分析になった時にはどのようにデータを落とし、どう分析すれば良いかが問われるが、ここで見たように、こと、MD方程式、新MD方程式を活用し、分析するのであれば、ほぼ、これまでのイメージでデータを落とすこともでき、その分析もこれまでのMD評価表のイメージで可能といえ、全く別の次元に入るわけでなく、むしろ、分析の精度が高まり、IDという新たな分析軸が増えたと見れば良く、それも、すでに取り組んできた店舗数が増加した時のイメージを考えれば良いことがわかる。その意味でチェーンストアのPOS分析がしっかりできていれば、ID-POS分析は難しい話ではなく、ほぼ、同じイメージで分析が可能といえよう。

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September 19, 2010 in CRM、FSP, 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

July 07, 2010

ID-POS分析を活用した実務研修のポイント!

   最近、ID-POS分析を活用したコンサルティングをする機会が増えた。これまでは通常のPOS分析をもとにコンサルティングを実施する機会が多く、ID-POS分析を併用することはなかったが、ここ最近は、ID-POS分析の普及も進み、まだまだ、不十分な分析結果である場合も多いが、徐々に、マーチャンダイジングの改善に実践投入されはじめ、双方のデータが現場に飛び交う場面が見られる。そこで、ここでは、過渡期ともいうべき、通常のPOSデータとID-POS分析との併用をどのように実践的に活用すべきかを実務に即して考えて見たい。

   将来的にはマーチャンダイジングの仮説づくりは、ID-POS分析に一本化され、通常のPOS分析はID-POS分析に吸収されてしまうことになると思うが、それまでは、恐らく、通常のPOS分析が主体でID-POS分析が従、その後、この関係が逆転し、ID-POS分析が主体となり、通常のPOS分析が従となり、そして、最終的にはID-POS分析が通常のPOS分析を吸収してしまうという流れで進んでゆくのではないかと思う。現在は、まだまだ通常のPOS分析が主体の時期であり、ID-POS分析は従という関係であるといえる。

   実際、現状のコンサルティング先を振り返っても、通常のPOS分析がまだまだ大半であり、ID-POS分析が可能となった食品スーパーマーケットはわずかである。また、可能となった食品スーパーマーケットでも、ID-POS分析を駆使しているところはなく、従として活用している食品スーパーマーケットがほとんどといえる。

   ちなみに、この2つの分析はどこが決定的に違うかであるが、以前も本ブログでも取り上げたようにID=1と見るか、ID>1の違いである。通常のPOS分析はID、すなわち、個人の把握ができないために、レシートのみの情報でPOS分析を行うことになる。そこには、ID、個人が見えないので、あたかも、巨大なたった1人のIDがいるかのように見立てて、POS分析をしてゆくことになる。したがって、そこから導かれる分析は全体の平均像の分析となり、どんなに顧客が多い食品スーパーマーケットでも、その平均像を追い掛けるマーチャンダイジング分析となる。

   ここから、ゆらぎ、すなわち、顧客の多様性を分析するには、ひとつは時間軸で見て、過去のデータと比較し、変化している商品を見つけ出し、全体をプラスに誘導するように仮説をつくることである。そして、もうひとつは、チェーンストアの場合に限るが、各店を仮想ID、すなわち、店舗=IDとして、店舗の数だけIDが存在すると想定し、店舗間のゆらぎを分析し、そこからマーチャンダイジング改善の仮説をつくることである。この場合、主に活用する分析手法は成功事例、すなわち、ベストプラクティスを見つけ出し、それをいち早く全店に普及することで、各店のレベルを引き上げ、結果、全体の数字を引き上げることになる。

   以上が通常のPOS分析のマーチャンダイジングへの活用方法であるが、これでも十分に実践には活用が可能であり、70%から80%は問題をえぐり出し、改善することができる。ただ、残り20%から30%はけっして踏み込めない領域が存在し、それがID-POS分析の独壇場となる分析、すなわち、IDに着目した分析である。

   IDに着目するとはどういうことか。それは、通常のPOS分析がレシートに着目せざるをえないのに対して、レシート1枚1枚に割り振られたIDを主体に分析が再構築されることである。具体的には、IDごとにレシートが分類され、IDの数だけ、商品分析が生まれ、これまで把握できなかったIDの商品購入状況がつぶさに見えるようになる。ちょうど、これまでのチェーンストアの分析では、店舗の数だけ商品分析が見えたように、ID-POS分析では、それが、IDに置き変わるイメージである。

   したがって、通常のPOS分析をより深く分析できるようになることはもちろん、それ以上に、レシートの組み変え、すなわち、IDごとにレシートが整理されての分析となるため、顧客の真の購買イメージに近づくことになり、これまでの巨大なたったひとりの顧客の分析から、何千、何万人の顧客1人1人の消費者像に迫り、マーチャンダイジングの仮説が真の購入実態にもとづいて立案可能となる。

   では、ここからすぐに活用できるID-POS分析の応用可能なものは何かであるが、通常のPOS分析を補い、かつ、ID-POS分析でなければできない点を優先的に組み込んでゆくことがポイントとなろう。現在、実践していることでは、まずは徹底して、商品ごとの商品購入関係をIDでチェックすることである。たとえば、AとBの商品のID数、両方購入する重なったID数はどのくらいかである。これを見るだけで、これまでは思いもしなかった関係があることが多々見つかっており、実に有益である。

   そして、もうひとつは、徹底して、ロイヤルカスタマーの購入商品を見ることである。これまでのPOS分析ではレシートしか見ることができず、同時購入商品の分析しかできなかった。ここにIDがふられることにより、過去のIDの購入履歴がすべて把握でき、特に、ロイヤルカスタマーの購入商品は即、重点商品として検討すべきであるといえる。

   このように、ID-POS分析はIDに視点を置いた分析であるがゆえに、これまでのPOS分析では見えなかった世界が見えるようになるので、これを通常のPOS分析に加えてゆくことからはじめるのがID-POS分析のスタートといえよう。その時、まずは、先に上げたように、商品間の関係とロイヤルカスタマーの分析から加えてゆくと、比較的無理なく、スームズに通常のPOS分析に融合することが可能となるので、この辺からはじめてみるのもひとつの方法であろう。

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Mixi(ミクシィ)版にMD力って何?のトピックをつくりました!

July 7, 2010 in CRM、FSP, 経済・政治・国際 | | TrackBack (0)

July 04, 2010

Chain Store Age、2010/07/01、PBとブランドを寄稿!

   Chain Store Age、2010年07/01号で、PBとブランドの関係についてのコラムを寄稿した。このコラムは、第2特集、人口動態マーチャンダイジングの「少人数世帯をねらえ!」の中の「少人数、有力メーカーの世帯対策」におけるポッカコーポレーションの事例のコーナーに掲載されたものである。テーマは、「ブランド併売が少人数世帯増加時代のMD戦略の決め手!」というタイトルであり、裏付けデータもID-POS分析の事例を活用した内容である。ちなみに、このChain Store Age、2010年07/01号の第1特集は「決算2010ランキング」であり、これはこれで読みごたえがあり、後日、改めて取り上げたい。また、現在、PI研でも独自に財務3表連環分析2010を集計しているが、集計でき次第、本ブログでも様々な角度から取り上げてゆく予定であるので、もう少しお待ちください。

   さて、コラムの内容であるが、ポイントはこの図表につきる。ここ最近、様々な食品スーパーマーケットでID-POS分析に携わる機会が増えており、実際、いろいろな商品を分析すると、これまで見えなかった世界が見えてくることが多い。今回の場合もそうであるが、このケースの場合は、重点商品が3つある。商品A、PB、そして、商品Bである。ID-POS分析ではじめに検討してみたい分析としては、いろいろあると思われるが、ある一定期間において、顧客IDの購入実態がどのようになっているかであろう。

   これを見ることによって、今回のケースの場合は3つの重点商品、すなわち、商品A、PB、商品Bの関係が明らかになる。特に、今回のケースは商品群にPBを導入しており、しかも、この期間では、PB=1,400人+2,500人+100人+50人=4,050人、商品A=1,400人+2,000人+50人+100人=3,550人、商品B=100人+50人+50人+500人=700人となり、PBが最大の顧客を獲得していることがわかる。

   そして、商品AとPBとの併売者は1,400人+100人=1,500人となり、かなりの人数が重なっている。この1,500人は同時購買もしていると思われるが、ここでは、それも含め、商品Aを購入した顧客がある期間内にPBを1回でも購入した経験の方が1,500人いたということである。実際のID-POS分析では、さらに、同時購入の人数をとったり、ここではIDであるが、レシートを数えたりし、ID-POS分析をより深く落としてゆくことになるが、ここでは、ごく単純な分析に留めている。

   ちなみに、ID関係のID-POS分析の指標がID客数PI値であり、レシート関係のID-POS分析の指標が単純な客数PI値である。また、この客数PI値はレシートの分析であるので、少し苦労するが、通常のPOS分析でも算出可能であり、海外、国内でもこれを併売分析としている場合もある。したがって、レシートの併売であれば通常のPOS分析で可能であるが、ここでは、純粋にIDのみに絞って、顧客の人数を算出しており、これは通常のPOSでは分析不可能であり、ID-POS分析特有の分析となる。

   また、この2つの関係はID金額PI値=ID客数PI値×金額PI値となっており、この金額PI値をさらに分解すると、金額PI値=客数PI値×特定商品の金額PI値となり、IDの世界とは別の世界、レシート内の分析の中でぐるぐる回ることになる。したがって、今回の単純な図表であるが、これはIDの世界での話であり、ID-POS分析でなければできない顧客の本当のニーズに迫った分析である。

   話をもとにもどすと、結論としては、ブランド併売がこのケースの場合は実に重要な役割を担っており、PBは明らかに、商品Aとの連動が高く、商品Bとの連動は少ないといえよう。単純計算をすると、商品Aの商品Bへの連動率は、この期間内では、1,500人/3,550人=42.2%であり、PBの商品Aへの連動率は1,500人/4,050人=37.0%となり、商品AとPBは互いに強く引っ張られているといえよう。正確を期すには、リフト値、どちらがどちらを支えているかを算出するなど、様々な検算が必要であるが、単純に見るとこのような結果となる。

   同様に、商品Bと商品Aの関係であるが、150人/700人=21.4%であり、逆に商品Aから商品Bを見ると、150人/3,550人=4.2%となる。こう見ると、商品Aと商品Bとの連動は極めて薄いといえ、PBと商品Bもさほど高いとはいえない。商品Bは極めて独自性が強い商品であるといえ、PBの安さにさほど影響を受けず、独自の世界感をつくっているといえよう。コラムでも触れたが、商品をAとPBに絞り込めば、当然、商品Bの顧客を逃すことになり、品揃えが弱くなることになる。実は、今回は言及しなかったが、少量パックも商品Bのような場合が数多く見つかっており、今回のテーマ、小人数のマーチャンダイジングには、ブンランド併売と同様、少量パックも改めてID-POS分析をかけてみて欲しいところである。

   このように、このコラムでは、ID-POS分析を用いて、真の顧客の声はいかにあるかを検証してみたが、PB、商品A、商品Bの関係は実に複雑であり、品揃えの奥の深さを垣間見せてくれたように思う。ID-POS分析ではさらに、購入者の店舗貢献度、すなわち、ロイヤルカスター度に踏み込むことができるが、ID-POS分析を行うのであれば、これまでのPOS分析の延長ではなく、想像力を縦横無尽に働かせ顧客の真の声にもとづいたマーチャンダイジング分析を工夫して欲しいところだ。

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July 4, 2010 in CRM、FSP, 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

May 29, 2010

IDとレシートの併売について

   併売分析には大きく分けて2つある。ひとつはレシート併売であり、もうひとつはID併売である。この2つは、実務ではあまり区別されずに、いずれも併売分析としてとらえられている場合があるが、その中身はかなり違う。またその目的は、いわゆるリフト値を算出し、併売する商品が併売される商品をいかに引きあげるかを見極め、併売するかしないかを決定することになるが、このリフト値も当然、レシートリフト値とIDリフト値がある。そこで、ここでは、レシート併売とID併売の違いを考えてみたい。

   まず、分かりやすくするために、計算しやすい数字の事例で考えて見たい。そこで、ここでは、バナナとりんごの併売分析を考えて見る。バナナが20人のID、りんごが10人のIDの場合を考えて見る。この時、バナナもりんごもともに購入している顧客が5人のIDであったとする。これがまず、基本であるが、さらに、リフト値を算出するために、全購入顧客が100人のIDであったとする。これで、ID併売の基本数字が出揃ったので、まずはID併売を計算してみる。

   まず、ID併売率であるが、バナナから見たリンゴは5/20で25%であり、りんごから見たバナナのID併売率は5/10で50%である。したがって、りんごから、バナナへの顧客の方が強く流れていることがわかる。そこで、全体の顧客から見たバナナとりんごのIDのPI値を見て見ると、バナナは20/100で20%、りんごは10/100で10%である。したがって、リフト値を算出すると、バナナとりんごを併売することによって、バナナのIDでのPI値は20%、併売は25%であるので、バナナは併売した方が25%/20%=125%のリフト値、すなわち、りんごが押し上げることになり、併売が望ましいといえよう。同様に、りんごを見ると、りんごのIDでのPI値は10%であり、併売は25%であるので、この場合もリフト値は25%/10%で250%となり、極めて高い数字となり、併売した方が、併売しないより、はるかに、高い数字になるといえよう。

   したがって、この場合は、バナナとりんごを併売しないで販売した場合と、併売して販売した場合では両方とも併売した方がリフトされることになり、しかも、バナナよりもりんごの方がリフト値が高く、りんごにとっては、バナナとの併売を望みたいところであろう。これがIDにおける併売であり、このように、顧客がどちらをどのくらい押し上げるかのリフト値を算出するところが併売分析のポイントであり、ここから、相性の良い併売商品を見つけだすことが課題となる。

   では、レシート併売はどのような数字になるかを同様に、計算しやすい数字をもとに考えてみたい。まず、バナナのID、20人のレシート枚数であるが、200枚であるとする。同様に、りんごのID10人のレシート枚数であるが、100枚であるとする。また、バナナとりんごの併売のID、5人のレシートを50枚とする。そして、全購入顧客100人のIDのレシート枚数であるが、1,000枚であったとする。これが基本数字であるが、実は、通常のレシート併売は、ここからは計算できない。なぜなら、バナナのレシート200枚、りんごのレシート100枚の中には、それぞれ、バナナ、あるいは、りんごの未購入レシートが含まれているからである。

   したがって、レシート併売を算出するには、この中から純粋に、バナナを購入しているレシートとりんごを購入しているレシートを差し引く必要がある。同様に、バナナとりんごを購入しているレシートからも同時購入をしていないレシートを差し引く必要がある。この時点で、レシート併売は、純粋な顧客IDの併売実態から離れ、レシートのみの数値計算となり、シミュレーションの世界となる。そこには、顧客の購買行動をイメージすることはできず、バナナとりんごのレシートの計算式に基づく、併売分析となる。

   その数字であるが、バナナの200枚のレシートの内、バナナの購入レシートを40枚とし、りんごの購入レシートを10枚であったとし、同時購入をしているレシートが5枚であったとする。この時、先程のID併売同様に併売分析をしてみると、バナナとりんごの併売はバナナが5/40で12.5%、りんごの併売が5/10で50%となる。また、レシートのPI値はバナナが40/1,000で4%、りんごが10/1,000で1%、したがって、リフト値はバナナが12.5%/4%で312.5%、りんごが50%/1%で5,000%となり、異常値となったが、やはり、どちらも併売した方が押し上げられるといえ、特に、リンゴがバナナに強く押し上げられるといえよう。

   このように、併売はIDで見る併売とレシートで見る併売があり、どちらも、併売を計算できるが、IDの方は顧客のまさに購買行動がイメージできるが、レシートの方は、顧客から離れ、購入顧客の未購入レシートは無視され、商品購入時のみのレシートを分析するだけになるので、顧客の併売の購入実態の中の併売状況の一部を切りとったものであるといえる。本来は、IDの購入実態があり、そのIDは併売対象の商品を購入する場合もあれば、購入しない場合もあり、また、どのくらいの割合で購買するかも考慮して見るべきであると思うが、レシートになると、顧客というよりも商品の動きのみの分析となり、顧客の実態とは離れてしまいがちとなる。その意味で併売を分析するのであれば、まずは、顧客IDの併売分析を行い、次に、そのレシートに踏み込む、購入レシートだけでなく、未購入レシートも加味した併売分析を行うべきであろうと思う。併売分析をする際は、このようなIDとレシートをしっかり対応させ、顧客の購買行動をトータルに分析したいところだ。

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May 29, 2010 in CRM、FSP, 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

May 18, 2010

ID-POS分析の目的、その帳票と手段とは?

   ここ最近、にわかにID-POS分析の依頼が増えつつある。食品スーパーマーケットでもID-POS分析に取り組み始めたことに加え、メーカーでもID-POS分析による結果を営業活動に活かしはじめたことが、その背景にあると思われる。そこで、ここでは、ID-POS分析、特に、PI値を活用したID-POS分析について、その目的と手段について解説してみたい。

   まずID-POS分析の目的であるが、従来のPOS分析が金額PI値(客単価)アップであったことに対し、ID-POS分析はID金額PI値(ID単価)を引き上げることである。その手段は無限にあるといえ、どのような手段を使おうが、結果として、ID金額PI値が上がれば成功であり、下がれば失敗である。

   では、ID金額PI値とは何かであるが、ID金額PI値とは、ID当たりの売上金額のことであり、売上金額をIDで割って算出される指標のことである。さらに、この指標は単なる指標に留まらず、必ず、ID明細が同時に付随することになる。したがって、分析帳票としては、単純な2次元分析、縦と横の数表ではなく、奥行きが入り、3次元の立方体となる。本来、このように3次元分析となるが、実際のID-POS分析に当たっては、3次元で表せるソフトの活用が難しく、excelを使わざるをえないので、3次元を2次元の帳票に2つに分けて、分析するのが通常である。

   簡単な帳票イメージを示すと、初めの2次元帳票は縦軸に商品、横軸にID-POS分析の各指標が来る。この指標もIDの取り方、レシートの取り方により、無限につくることができるが、代表的な指標は、ID金額PI値=ID客数PI値×金額PI値のみである。当然、金額PI値は従来のPOS分析の金額PI値と同じ概念であるので、金額PI値=PI値×平均単価に分解することができる。また、食品商業の5月号でも解説したが、PI値を客数PI値×購入PI値に分解することもできる。すると、金額PI値=客数PI値×購入PI値×平均単価ともなる。ここでは、最も単純、シンプルな指標として、ID金額PI値=ID客数PI値×金額PI値の例で解説する。

   ちなみに、ID金額PI値、ID客数PI値はID-POS分析ならではの指標であり、金額PI値は従来のPOS分析でも算出可能な指標である。したがって、ID-POS分析と従来のPOS分析との違いは、このID客数PI値が加わったことが最大の違いといってもよく、数式では、ID客数PI値=レシート/IDであるので、要は、ID当たりのレシート枚数、すなわち、購入頻度(来店頻度)がわかることがID-POS分析と従来のPOS分析との決定的な違いである。

   そして、もうひとつの2次元の帳票は縦軸に顧客ID、横軸に、ID-POS分析の各指標である。この指標は、先のID-POS分析の各指標と全く同じであり、ID金額PI値=ID客数PI値×金額PI値となるが、当然、IDが1となるので、ID金額PI値は売上金額/1=売上金額となり、ID客数PI値はレシート/1=レシート枚数となる。そして、このIDが縦に多い場合に数万人の明細表となる。

   さらに、この2次元帳票は応用範囲が広く、はじめの2次元帳票の商品のみで見る場合もあるが、発展帳票としては、IDそのものの消費行動に踏み込む場合もあり、IDを起点にそのIDが購入している全商品を一覧にすることもある。これは、この2次元帳票の発展形ではあるが、これこそ、ID-POS分析の醍醐味といってもよく、まさに商品分析と顧客分析の融合ともいえる。

   したがって、ID-POS分析の基本帳票は、この2次元帳票が2つ重なった帳票、すなわち、3次元帳票が基本分析帳票であり、縦軸に商品、横軸にID-POS分析の各指標、奥行きに、顧客IDということになり、商品が縦に数万、横にID-POS分析各指標が数十、奥行きに顧客が数万という3次元帳票になり、ここから商品をどうグループ化するか、顧客をどうグループ化するかにより、様々な分析をしてゆくことになる。ただ、横軸の指標を1つに絞れれば、3次元は2次元となり、縦軸商品、横軸顧客となり、数万×数万の巨大マトリックスとなる。そして、この巨大マトリックスがID-POS分析の指標分重なっていると見ることもできる。

   これが、ID-POS分析のマクロの帳票イメージであるが、実際の実務では商品カテゴリーのみとなる場合が多く、縦軸の商品は数十から数百行、横軸のID-POS分析の指標は数指標、奥行きの顧客はランクづけし、数百という限定した帳票になることが多く、excelでも十分に分析が可能である。

   そして、この帳票から、様々な仮説をつくってゆくことになるが、その目的は先に上げたようにID金額PI値を引き上げることであり、そのために、ID-POS分析の各指標、ID客数PI値、金額PI値等を引き上げるマーチャンダイジング戦略をつくることと、同時に、顧客IDに踏み込み、顧客IDのID金額PI値(この場合は売上金額)を引きあげるために、顧客をどうグループ化し、顧客IDのID客数PI値(この場合はレシート枚数)、金額PI値を引き上がるかのマーケティング戦略をつくることである。特に、顧客IDについては、既存顧客への働きかけも重要であるが、新規顧客獲得も重要であり、いわゆる、トライアル、リピートID戦略、さらには、リピートのヘビーリピートID戦略など、顧客IDの購入度合いに応じたマーケティング戦略づくりが課題となる。

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May 18, 2010 in CRM、FSP, 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

March 25, 2010

顧客からの損益計算書を考えてみる!

   損益計算書、いわゆるP/Lは商品からの損益計算書のことである。食品スーパーマーケットでいえば、すべての商品、約1万品の商品の売上高を求め、そこから、その約1万品の原価を計算し、差し引き、約1万品の売上総利益、いわゆる粗利を計算する。そして、そこから、その約1万品の商品を販売する上にかかった経費を差し引き、利益を算出する、これが、営業利益である。損益計算書はこのように、商品にはじまり、商品に終わるという構図であり、商品を中心に損益を考えてゆくことが原則である。

   したがって、マーチャンダイジングとは、商品の売上げを上げることであり、一方で、その原価を下げることであり、さらに、その経費を下げ、結果、営業利益を最大にする取り組みであることがわかる。マーチャンダイジングに経費まで入れるか、入れないかは議論が分かれるところであるが、そもそものマーチャンダイジングの最終目的をキャッシュの獲得という観点におけば、経費までいれるのが本来は筋であろう。ただ、経費はどこまでがマーチャンダイジングにかかわるもので、どこまでがかかわらないものであるかの選別が難しい面もあり、人件費等、管理可能な経費のみ入れて考える方が現実的には、マーチャンダイジングの改善につながるものといえる。

   こう見ると、損益計算書(P/L)とマーチャンダイジングとはほぼ連動しており、マーチャンダイジングの改善は損益計算書(P/L)の改善につながるといえ、そのために、食品スーパーマーケットでは、約1万品の商品の売上げをいかに上げるか、その原価をいかに下げるか、そして、その経費を可能な限り削減できるか、この3つの最適バランスを追求し、結果、企業にいかにキャッシュをもたらすかにあるといえよう。

   そして、そのために、食品スーパーマーケットではPOSを導入し、約1万品の単品管理を行い、その売上、在庫をしっかりとつかみ、最適価格、最適在庫の管理を最小の経費で行う仕組みを作り上げたといえよう。また、バイヤーはその約1万品の原価交渉をメーカー、卸と行い、極限まで原価を下げ、売上総利益(粗利)を引き上げることに取り組んでいるといえる。

   では、これに対して、全く視点を変えて、顧客からの損益計算書を考えてみたい。マーチャンダイジングの最終目的がキャッシュの獲得にあるとすると、そのキャッシュを商品から獲得することも、顧客から獲得することも実は同じはずである。したがって、本来、商品約1万品の積み上げから成り立っている損益計算書(P/L)は、同時に、顧客1人1人の売上、原価、経費を積み上げることにより、作り上げることができるはずであり、最終結果は同じ数字になるはずである。

   どこが違うのか、商品1品1品を積み上げてゆくか、顧客1人1人を積みあげてゆくかの違いである。では、顧客と商品ではどっちが多いであろうか。実際にポイントカードを作って見ればわかるが、食品スーパーマーケットでは顧客の方が多いのが実態である。商品は先に見たように、約1万品であり、年間全部が入れ替わっても約2万品であるが、顧客は、一例を示せば、オオゼキのポイントカードホルダーがつい最近90万人を突破しており、オオゼキは約30店舗であるので、1店舗あたり3万人となる。したがって、顧客は少なくとも1店舗あたり食品スーパーマーケットでは、3万人は利用しているといえるので、顧客の方が商品よりも圧倒的に多いのが実態といえよう。

   したがって、顧客の損益計算書(P/L)は、この約3万人の1人1人の顧客の個別管理を行うことから始まるといってよく、そこから、顧客1人1人の売上、原価、経費を計算し、積み上げることがポイントとなる。食品スーパーマーケットでは、商品を約10分類に分け、それぞれバイヤーと店舗運営部を置き、マーチャンダイジングの改善をはかっているが、同様に、顧客も約10分類し、顧客マネージャーと顧客運営部を置くべきであろう。ただ、2つの組織をつくるとそれだけで経費が倍増するので、縦横のマトリクスの組織づくりが望ましいといえ、商品がバイヤー中心に組織をつくってきた歴史があるので、顧客は当然、店長を中心に店舗と全社の顧客管理にもかかわる組織が望ましいといえよう。

   そして、ここから、顧客の損益計算書をつくり、できれば、顧客の貸借対照表(B/S)、すなわち、顧客の生涯の購入履歴を整理し、いつでも、短期的な顧客の損益だけでなく、蓄積された購入履歴を組み込んだ顧客の1人1人へのマーチャンダイジング(マーケティング)政策が検討できるようにすべきであろう。

   本来、ポイントカードはここら辺を最終到達系にしながら、そのシステム構築を目指してゆくべきものであると思う。また、このような管理体制を作り上げないと、せっかくポイントカードを通じて得られる顧客1人1人の購入履歴を活かした顧客へのポイント還元を通じて、顧客の来店頻度を引き上げ、最終目的であるキャッシュの獲得に十分に結び付けることができない。ポイントが顧客の購入履歴を充分に活かせず、単なる商品値引きに近い活用方法になってしまいかねないといえよう。ポイントカードを導入したら、まずは、顧客の損益計算書を工夫して作ってみて欲しい。そこから、新たなマーチャンダイジング(マーケティング)政策が生まれるのではないかと思う。

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March 25, 2010 in CRM、FSP, 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

March 13, 2010

花王、ID-POSに本腰!

   日経新聞、3/12に花王のID-POS分析の記事が掲載された。見出しは、「購買履歴小売りと共有、花王」、「顧客層別に動向を把握、売り場提案に活用」というもので、花王が本格的にID-POS分析をもとにしたリテールサポート、小売業への支援に乗り出すとの記事である。以前から花王は通常のPOS分析については様々な取り組みがなされ、定評のある小売業への支援をしてきていた。今回は、次世代のPOS分析、ID-POS分析へも、本格的に取り組むとのことで、花王はもちろん、小売業界にとっても新たなマーチャンダイジングの時代が到来することになろう。

   記事の内容を見ると、2011年度から、ドラックストア、スーパー、ホームセンターなど小売り大手約30社と組み、ID-POS分析を活用した新たな販促策を構築し、小売業へ提案してゆくという。すでに、実証実験を行っており、売上げが7から8%程度伸びたケースもあったという。2010年度も引き続き、実証実験を行い、ノウハウを蓄積するという。

   ID-POS分析はそのデータ量が通常のPOS分析と比べ膨大な量となり、分析も無限といって良いくらいあり、複雑である。したがって、ハード、ソフト、そして、ノウハウと、3拍子そろわないと、提案書ひとつつくれないのが現状である。花王が2011年度から本格展開、2010年度は実証実験といっているのも、それだけ、時間と労力、ノウハウ、そして、費用もかかるがゆえのスケジュールであるといえよう。

   通常のPOS分析は原則、商品別の売上金額、売上数量を把握し、ここから様々な商品分析を行うことになる。これにPI値を活用する場合は、さらに、レシートの総枚数が加わり、売上金額、売上数量をレシート1枚当たりに直して商品分析することになる。いずれも、総分析量はさほど多くはない。

   ところが、これにIDが加わると、レシート1枚1枚にID番号がふられ、レシートがIDごとに整理され、そのIDをもとに、商品分析が行われることになる。したがって、単純な商品分析から、IDを前提とした商品分析となり、ID×商品の数だけ、売上金額、売上数量、そして、レシート枚数が発生し、それを前提に様々な分析がなされる。分析も1次元から2次元となり、飛躍的に質の上昇、量の増大が起こる。しかも、IDの属性ごとに分析することもできるし、商品の購買状況、たとえば、トライアル購買、リピート購買ごとに分析するなども可能となり、3次元、4次元と次元をいくらでも増やすことも可能である。PI値分析も、様々な指標を作ることができ、少なくとも数10種類は増えることになり、どのPI値をどう実務に活かすかが課題となる。まるで、調味料のさじ加減のように様々なPI値を適宜に活用することになる。

   花王はこれを大手30社に対して、同時並行で取り組むことになると思われるが、その体制づくりに、実証実験を含め、まるまる1年がかかり、結果、2011年度と来春からの本格的なID-POS分析への対応ということになるのではと思われる。ちなみに、記事の中身を見ると、花王が取り組もうとしているのは、売場(マーチャンダイジング)と接客(マーケティング)であり、IDごとの購入履歴を分析し、IDの属性に基づき、プロファイリングを行い、同様の購買傾向を示すIDに直接接客したり、品揃え、棚割を変えたりと売り場変更を行うという。

   記事の中に事例が載っているが、それを見ると、入浴剤の20から30歳代の購入履歴が洗顔料や美容液をよく購入する傾向がある場合、それらの商品を同時購買しやすい棚割をつくったり、店頭で直接すすめるなどするという。同様に40から50歳代には、肩凝りや腰痛を緩和する温熱シートを棚割に組み込んだり、直接すすめたりするという。まさに、ID-POS分析ならではの取り組みといえよう。

   興味深いのは、花王の商品はPI値で見ると限りなく低く、見えないくらいの商品が多いのが特徴であり、PI値を100倍しても、1,000倍しても見えにくい商品が多い。10,000倍ぐらいがぴったりかもしれない。その花王が恐らく、人、物、金を投入し、メーカーでは本格的にID-POS分析に取り組むことになる。ID-POS分析は花王の商品のようにPI値の低い商品ほど効果が出る可能性が高いともいえよう。PI値が高い商品はある意味、黙ってでも売れてゆく商品であり、そこにマーチャンダイジング、マーケティングはあまり必要ではなく、PI値が低く、なかなか売れず、売りにくいがゆえに、マーチャンダイジング、マーケティングの必要性があるともいえる。

   もうはるか昔になるが、慶應義塾大学の村田ゼミでマーケティングの手ほどきを受けた時、マーケティングの発生が1929年のアメリカに端を発した大恐慌と密接な関係があり、そこでの実践事例が学問として成立してゆく契機となったということをふと思い出した。そう考えると、ID-POS分析はPI値の低い、まさに、売りにくい、放っておけば売り場から消えゆく商品をいかに売るかの救世主となる可能性が高いといえ、新たなマーケティング分野を切り開く可能性を秘めた分析手法ともいえよう。花王には、その先陣を切って、日本のマーケティング、そして、マーチャンダイジングをリードしていって欲しいと思う。

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March 13, 2010 in CRM、FSP, 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

March 10, 2010

ロイヤルカスタマーを考えてみる!

   最近、ID-POS分析にかかわることが多くなり、様々な商品に関して、ID-POS分析をいろんな角度から分析するようになった。分析してゆく内に、ID-POS分析の最終目的とでもいうべき、どうやってロイヤルカスタマーへ顧客を導いてゆくかが課題となるのだが、そもそも、そのロイヤルカスタマーとは何かを定義することが、実はかなり難しく、一筋縄では定義できないといえる。ロイヤルカスタマーをひとつの指標で決定できれば、これほど簡単なことはないが、どうもそうはいかない。これは、通常のPOS分析の時も、売れ筋をどう定義するかで論争があったように、ロイヤルカスタマーも同様に、今後、一大論争に発展することは必至であろう。
 
   ちなみに、通常のPOS分析の時の売れ筋は、スタート時点は単純な売上金額でのABC分析であった。その後、単品管理が全盛となると、売上数量が重要な要素として浮上し、売れ筋の定義となり、売上数量でのABC分析となっていった。ところが、売上数量のABC分析と売上金額とのABC分析が一致しない商品が多々登場し、どちらを優先すべきか判断が難しい場面が起こり、その後、その折衷案が生まれ、どちらかを第1優先にし、双方でのA商品を売れ筋とするというものになっていった。
 
   そして、その後、PI値分析が確立されると、売れ筋は2次元で定義され、金額PI値を前提に、数量PI値を第1優先、平均単価を第2優先として、売れ筋を定義し、結果、6象限の商品の評価が生まれ、今日に至った。その6象限とは、金額PI値が高く、PI値、平均単価が高い場合、PI値のみが高い場合、平均単価のみが高い場合であり、金額PI値が低く、PI値、平均単価が低い場合、PI値のみが低い場合、平均単価のみが低い場合である。

   では、ロイヤルカスタマーとはどう定義したらよいだろうか。これは、IDが絡み、分析手法もより複雑になる分、簡単に定義するのが難しいといえる。商品分析の結果定義された売れ筋を購入する顧客=ロイヤルカスタマーと定義できれば単純明快であり、それが単純な売上金額、売上数量、その折衷案、あるいは、PI値分析でもいいが、どれかと一致すれば定義できる。ところが、実際に、ID-POS分析を実施してみると、まず一致しない。ごく単純化すれば、ロイヤルカスタマーは売れ筋を買う場合もあれば、買わない場合もあり、逆に、いわゆる死に筋の方にロイヤルカスターの売れ筋が潜んでいることが多く、どうも、商品分析と顧客分析は正の相関ではなく、負の相関と考えた方が近いように思える事実が次々に発見される。

   したがって、従来のPOS分析でどのように売れ筋を定義しても、その売れ筋をロイヤルカスタマーが好んで購入していることは少なく、ロイヤルカスターの定義は従来の単純なPOS分析からは定義できないという結論になる。ロイヤルカスタマーは当然のことであるが、ID-POS分析で定義すべきであり、従来のPOS分析で定義し、その商品を強化するとロイヤルカスタマーが店舗から離れてゆき、顧客離れ、しかも、ロイヤルカスタマーの顧客離れを起こしかねないという結果になる可能性が極めて高いといえる。

   では、ID-POS分析でどのようにロイヤルカスタマーを定義すれば良いかであるが、これが実はなかなか難題である。最も定評があり、分析の歴史もあるのがRFM分析であり、R(recency)、 F(frequency)、M(monetary)からみる見方である。ただ、そもそもの出発点は通販業界であり、その目的は多額の費用のかかるダイレクトメールの顧客を絞り込むことにあり、食品スーパーマーケットのように、商品の絞り込みとは逆の発想、顧客の絞り込みである。

   RとFという概念を組みいれたことはまさに、これがID特有の分析であり、学ぶべき点がある。そこで、ロイヤルカスタマーの定義であるが、ID-POS分析の分析対象は顧客ではなく、あくまで商品であり、商品ごとのロイヤルカスタマーを分析することが目的となる。したがって、IDを加えた商品分析としては、ID金額PI値を活用するのが合理的といえ、ID金額PI値=ID客数PI値×金額PI値=ID客数PI値×数量PI値×平均単価でロイヤルカスタマーを、商品、あるいは商品群ごとに見つけ出すのがIDを組み込んだロイヤルカスタマーの抽出方法としては良いように思う。すなわち、まずは、商品、あるいは、商品群ごとにID金額PI値の高い顧客を抽出し、そこから、ID客数PI値、金額PI値の高い顧客を抽出し、その後、金額PI値をさらに落とし込み、数量PI値、平均単価の高い顧客を抽出することが良いといえよう。

   まとめると、まずは対象商品、商品群を決め、ID金額PI値をもとに、ID客数PI値、金額PI値で分析し、次に、金額PI値をもとに、数量PI値、平均単価で分析をするという2段階選抜が良いように思う。いきなり、3次元、ID金額PI値をもとに、ID客数PI値、数量PI値、平均単価で分析に入っても良いが、パターンが複雑すぎて、袋小路に入ってしまいかねない。優先度はID金額PI値、金額PI値であるといえ、この2点からロイヤルカスタマーを抽出してゆくことが無理のない方法ではないかと思う。食品スーパーマーケットのカテゴリーは約300であるので、まずは、この約300の優先順位の高いカテゴリーから、ロイヤルカスタマーを選定し、すべての顧客をロイヤルカスタマーへ誘導するマーチャンダイジングを確立することが先決といえよう。

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February 09, 2010

フローとストック

   最近、ID-POS分析が急激に食品スーパーマーケット業界に浸透しつつあるのを感じる。本ブログでもID-POS分析に関しては、様々な角度から取り上げており、また、プレミアム版では、現在、ID-POS分析をテーマにした「ID-POS分析実践シリーズ、ここがポイント!」で、ID-POS分析を真正面から取り上げている。また、その効果としても、本ブログでも取り上げた「January 15, 2010NHK、クローズアップ現代、1/13、消費者つかむ新戦略!」は、まさに、ID-POS分析の実践成果ともいえる内容であり、ID-POS分析が食品スーパーマーケット業界で実践されはじめたことがわかる。

   そこで、今回は、ID-POS分析の本質をつかむ上での重要なキーワード、ストックについて取り上げてみたい。ID-POS分析が従来のPOS分析と比べて分かりにくいのは、顧客をフローではなく、ストックとして捉えるからである。しかも、そのストックの期間を1日なのか、1週間なのか、1ケ月なのか、1年なのか、期間があいまいであり、さらには、一生涯という捉え方もある。このストックという考え方がID-POS分析そのものともいえるが、ここが十分に理解されていないために、ID-POS分析が理解されないという面が強いといえよう。

   まず、ストックを理解するために、その対極にあるフローを考えてみたい。フローとは売上げを瞬間、瞬間に捉える考え方であり、食品スーパーマーケットでは客単価(金額PI値)のことである。客単価(金額PI値)は売上げ÷客数(総レシート枚数)で表される指標であり、要は、レシート1枚当たりの売上げである。これは、1日でも、1週間でも、1ケ月でも、1年でも、さらには、一生涯でもレシート1枚当たりとなる。通常の食品スーパーマーケットは客数(レシート枚数)が1日約2,000人(レシート枚数)であるので、レシートが、1週間で約14,000枚、1ケ月で約60,000枚、1年で約730,000枚となる。この場合、客単価(金額PI値)は、どの場合でも、客数(レシート枚数)当たりであるので、季節、特売等により多少の差はあるが、ほぼ、2,000円前後となる。

   これが売上げをフローで捉えた考え方であり、従来のPOS分析の基礎となっている、重要な基本概念である。従来のPOS分析は、このフローの考え方をもとに、いかに、客単価(金額PI値)を引き上げるかを考えることであるといえ、この約2,000円という客単価(金額PI値)をいかに改善できるかがマーチャンダイジングの本質といえる。

   これに対し、ストックとは何かであるが、ストックは瞬間、瞬間の売上げで捉えるのではなく、1日の蓄積、1週間の蓄積、1ケ月間の蓄積、1年間の蓄積、そして、一生涯の蓄積と売上げを蓄積して捉える考え方である。ただ全部のレシート枚数当たりの売上げを蓄積するのではなく、IDという顧客ごとの売上げを蓄積してゆくことがポイントである。全レシート枚数を蓄積すれば、それは単純な売上高となり、ID-POS分析をわざわざ行う意味はない。ID-POS分析はID、すなわち、顧客ごとの売上げを蓄積してゆくことにその本質があり、そこが、従来のPOS分析と決定的に違うところである。

   具体的には、1日のIDの売上げで見ると、平均1人、1回の買い物であれば、この時点では従来のPOS分析と変わらない。これが1週間となると、平均3回ぐらいの買い物をしているとすると、先のフローの場合の1回約2,000円の買い物を前提とすれば、2,000円×3回=6,000円となり、これが、ストックの場合の考え方である。1日ではほとんど差がでないが、1週間では買い物の回数分、売上げがストックされるので、差がでる。さらに、1ケ月では、仮に12回買い物をすると、2,000円×12回=24,000円となる。

   このように計算してゆくと、IDという顧客を基盤にしたストックで売上げを見ると、1年で144回買い物をしたとすると、288,000円となり、10年で2,880,000円となり、約300万円近くになるのがストックという考え方である。ID-POS分析はまさに、このストックという考え方を前提にマーチャンダイジングを考えようということであり、このストックをどこを目標に置くかにより、マーチャンダイジング政策がダイナミックに変化してゆくことになる。

   通常は、1ケ月、約20,000円前後をストックの基本にすえる場合が多いが、ここで見たように、ストックのマーチャンダイジングは長ければ長い方がより、顧客指向もとづいたマーチャンダイジングが可能といえ、1年約30万円や10年約300万円も、検討するに値する重要な数字といえよう。

   さて、ここで、フローとストックの関係であるが、回数がフローであるので、ストックは回数当たりの売上げ、すなわち、フローに回数を掛けたものであるといえ、ストックはフロー×回数と捉えることができる。この2つの概念は全く別の、合い交わらないものではなく、フローを起点にして、回数、すなわち、ID当たりの回数であるので、実は来店頻度を掛けたものがストックになるといえ、ストック=フロー×頻度という関係であることがわかる。その意味で、ID-POS分析は従来のPOS分析を前提としてできあがっているといえ、全く別物ではなく、進化系ととらえるべきものであるといえよう。

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February 9, 2010 in CRM、FSP, 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

February 04, 2010

ID=1、ID>1、ID-POSを極める!

   通常のPOS分析とID-POS分析の決定的な違いは何かをつきつめてゆくと、ID=1かID>1に突き当たる。従来、この2つの分析の捉え方は、これまで把握できなかったIDを把握できるようになったことがID-POS分析の特徴であり、IDが把握できることによって、従来のPOS分析ではできない様々な分析が可能になるということであった。確かにその通りであるが、では、ID-POS分析と従来のPOS分析はどのような関係にあるのかが、いまひとつ不明確であったといえる。ここ最近、というよりも、この数年、この問題について、いろいろ研究してみたが、答えは、ID=1かID>1の違いであり、双方は全く同じ分析であるという結論に達した。

   これまではレシート分析が従来のPOS分析、ID分析がID-POS分析とし、この2つを融合する指標がID客数PI値であり、その2つの分析をID客数PI値で関係づけてきた。数式にすると、ID金額PI値=ID客数PI値×金額PI値となり、左辺のID金額PI値がID-POS分析であり、右辺のIDのない金額PI値が、従来のPOS分析であると捉えて来た。したがって、金額PI値を活用する従来のPOS分析は、この金額PI値をさらに分解し、金額PI値=PI値×平均単価とし、金額PI値アップのために、PI値アップ、平均単価アップ、ないしは、双方のアップを目指し、取り組んでゆくことがマーチャンダイジングそのものであったといえる。

   これに対し、ID-POS分析は、この金額PI値にID客数PI値を掛け合わせることによって、ID金額PI値を導きだし、ID金額PI値アップを目指すことになる。従来のPOS分析にID客数PI値が加わったことにより、金額PI値がアップしても、ID客数PI値が下がってしまえば、ID金額PI値は下がる場合もあり、逆に、金額PI値が下がっても、ID客数PI値が上がれば、ID金額PI値は上がる場合もある。金額PI値にダイレクトに左右されない指標がID金額PI値であり、ID客数PI値がその決め手となる指標として、ID-POS分析特有の指標であった。

   このID客数PI値は、レシート÷IDであるため、1ID当たりのレシート枚数、すなわち、来店頻度を表すことになるが、突き詰めれば、ID-POS分析と従来のPOS分析の違いは、このID客数PI値にあるというのが、これまでの結論であった。

   そこで、ID=1、ID>1であるが、ID-POS分析の基本方程式、ID金額PI値=ID客数PI値×金額PI値は、IDが把握できてはじめて生まれる基本方程式である。では、ここに、ID=1を導入するとどうなるであろうか。ID客数PI値=レシート÷ID=レシート÷1となり、ID客数PI値はレシートとなり、これは客数となる。金額PI値はそのままであるので、右辺は客数×金額PI値である。一方、左辺、ID金額PI値であるが、ID金額PI値=売上÷IDであるので、ID=1を入れると、売上となる。したがって、ID金額PI値=ID客数PI値×金額PI値にID=1を入れると、売上=客数×金額PI値となり、これは、客数(レシート)×客単価(金額PI値)となり、従来のPOS分析、金額PI値の分析にもどることになる。

   ということは、従来のPOS分析はID-POS分析の特殊なケースであるということであり、ID-POS分析がID>1以上の世界を扱う分析であるのに対し、従来のPOS分析はID=1、すなわち、IDが1に限定された特殊なケースを扱うPOS分析であるということになる。したがって、従来のPOS分析を勉強して、ID-POS分析に入ってゆくよりも、いきなり、ID-POS分析を理解し、ID=1の特殊なケースとして、従来のPOS分析を勉強した方が実践的であり、理解が速いのではないかと思える。

   ID-POS分析は複雑で分かりにくいので、あとでいいやという方が多いが、いま、まさに、従来のPOS分析を理解し、スキルをあげるためにも、いきなりID-POS分析に取り組み、顧客の購買実態の本質に迫った方が、POS分析の全体像の理解が早いのではと思う。

   ここで、イメージとして、この2つの関係を示してみる。目の前にレシートの山があったとする。従来のPOS分析では、何枚レシートがあろうが、そのレシートをあたかも1人の顧客のレシートであるとみなし、レシートの売上金額、売上数量をレシート枚数(客数)で割って、その数字をいかに引き上げるかを必死で考える。これが従来のPOS分析である。レシートが1枚でも、10枚でも、・・1億枚でも同じである。

   これに対して、ID-POS分析は、その山のレシートから、同じIDのレシートをまとめ、IDの数だけレシートの山をつくる。そして、そのレシートの山ひとつひとつの売上げを従来のPOS分析と同じ方法でレシート1枚当たりの売上げを上げてゆくことになるが、その山のレシート枚数をどう増やすかも同時に考えてゆく、ここが最大の違いである。さらに、各山の特徴を様々な角度から比較検討し、高い山(レシート枚数)の順に並び替えてみたり、山の合計金額の高い順に並び替えてみたり、特定商品のレシート枚数の多い順に並び替えてみたり、さらには、山の特徴(属性)にまで違いを求め、様々な並び替えをしてみたり、これがID-POS分析であるといえる。

   こう見ると、従来のPOS分析とID-POS分析の違いは、レシートの山をひとつ、ID=1と見るか、IDの数、ID>1と見るかの違いであり、顧客のよりリアルな購買実態は当然、ID>1の中にあることを考えると、ID>1を研究し、その特殊なケースとして、ID=1へ落とし込んだ方が、POS分析を体系的、実践的に理解し、活用できるのではないかと思う。 

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February 4, 2010 in CRM、FSP, 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (1)

January 15, 2010

NHK、クローズアップ現代、1/13、消費者つかむ新戦略!

   NHKのクローズアップ現代、1/13で、「激安に異変?消費者つかむ新戦略」と題し、食品スーパーマーケットを真正面から取り上げた。サブタイトルでは、「デフレに陥り、消費不況に直面している小売業界。今、商品の種類を豊富にするなど価格以外の特徴を出し、客の心を掴むスーパーが注目を集めている。その最前線に迫る。」というものであり、ハローディ、オギノ、オオゼキについて取り上げていた。それぞれ、テーマが絞られており、ハローディは品揃え、オギノはID-POS、オオゼキは人間力であるが、その本質は、優良顧客(ロイヤルカスター)へのきめ細かな対応により、顧客の心をつかむことが、デフレ克服の決め手であるという結論であったように思う。

   番組冒頭のナレーションで、NHKの国谷キャスターが、「安売りではない、次の一手を打ち出したスーパーに客が集中している、・・」と解説し、さらに、「従来のビジネスモデルにこだわらないスーパー、・・」、「ものが売れない時代に消費者の心をつかむ戦略、・・」等、重要なキーワードが語られ、番組がスタートする。特に、国谷キャスターが消費者物価指数のグラフを示し、デフレの中で、売上げをのばしているスーパーがあると紹介し、冒頭にあげた3社が紹介されてゆき、合間合間で国谷キャスターからゲストの中央大学ビジネススクール教授の中村博氏へのインタビューが入るという番組構成である。

   はじめに登場したのが、ハローディであり、テーマは圧倒的な品揃えである。事例として紹介されたが、味噌500種類、しょうゆ500種類であり、その映像が流れるが、確かに圧倒される品揃えである。ハローディでは、客が欲しいという商品をすべてそろえるという。毎月、500商品の要望が寄せられ、通常1週間以内に入荷されるという。番組では、バイヤーが通常、店では売られていない宅配の商品を顧客が欲しいと要望を出し、それにこたえるシーンもあり、いかにハローディが、顧客の声に耳を傾けるかを追っていたが、確かに、徹底しているといえよう。

   番組は切り替わり、次に、登場するのが、オギノであるが、テーマは、客層ごとに店舗の品揃えを変えるというものである。オギノは以前からポイントカードを導入していたが、番組では、客が大幅に減り、特に、買上点数が減ったという。そこで、ポイントカード戦略を転換、ついで買いを増やすために、ポイントカードの購入履歴を調べ、顧客の好みに応じた品揃えを店ごとにしてゆくという対応をはじめたという。その結果、番組の中では、すぐ食べられる商品をよく買う顧客が多い店舗では、惣菜が良く売れるが、そのようなタイプの店で思い切っておでんを大量陳列してみたという。その結果、おでんが良く売れるようになり、これまでの30個平均から150個も売れるようになったという。惣菜のついでにおでんを買ってもらうという、ついで買いの新戦略であるという。

   ここで、番組はスタジオにもどり、国谷キャスターから、中央大学ビジネススクール教授、中村博氏へのインタビューがはじまる。その中で、中村教授が語っていたハローディに関して、なぜ、品揃えが大事かという点について、店に要望を出す顧客は優良顧客(ロイヤルカスタマー)であり、通常、小売業では3割の顧客が7割の売上げをつくるというが、その3割の顧客の要望すべてに答えているのがハローディの強さだという。一見、在庫が増え、利益がでないように思えるが、優良顧客をつなぎとめる最良の戦略のひとつというような趣旨のコメントであったと思うが、ズバリだと思う。

   実際、ID-POS分析を行うと、優良顧客と売れ筋は一致しないケースの方が多く、むしろ死に筋に優良顧客の支持の高い商品が見つかることが頻繁であり、ハローディの品揃え戦略は、中村教授が指摘するように、まさに、優良顧客へ焦点を当てた品揃え戦略であるといえよう。だから客数が増え、同時に客単価、金額PI値もアップするといえよう。

   3つ目の事例がオオゼキであったが、オオゼキのケースは人間力に焦点が当てられていた。少しわかりにくかったのが、1平方メートル当たり、通常のスーパーの5倍の売上げがあるとはじめに紹介されるが、それと人間力との関係がいまひとつわかりにくかった。オオゼキの坪売上げが高いのは、都心部の人口密集地に通常の食品スーパーマーケットの1/3の小型店舗を展開していることが最大の理由である。仮に店舗面積が通常の食品スーパーマーケット並みとなった場合は、いくら正社員を増やしても、店独自の仕入れをしても、坪売上はあがらないからである。坪売上げは原則店舗面積に反比例し、オオゼキはまさに、あの品揃えとあの客数ではありあえない限界に近い小さな店舗面積であり、結果、異常な坪効率となるのが実態といえよう。

   むしろ、オオゼキを取材するのであれば、オギノとはまた違ったポイントカードの活用がはじまっており、そこに焦点をあててもよかったように思う。オオゼキは、ハローディに通じる優良顧客への対応を会社をあげて取り組みはじめており、最近では、ポイントカードの購買履歴から、独自に定義した優良顧客の大切さを実証している。そして、そのための戦略商品がPI値No.1の青果であり、そこに、店別仕入れを採用し、社員の力を存分に引き出している点を強調したらもっと本質に迫れたように思う。それにしても、入社8年目で、青果部門No.2になった近藤さんのがんばりにはびっくりである。

   今回の番組の共通点はいずれも優良顧客(ロイヤルカスタマー)であり、3社とも、ここに焦点を当てた取り組みに、結果として、経営資源を最大限に投入し、様々な対応をしているといえる。改めて、これまでの商品戦略最優先の時代が、顧客に立脚した、優良顧客を大切にする新たな仕組みづくりの時代に入り始め、デフレがそれを押し上げているように感じる。ID-POSの時代が予想よりも早く動きはじめたようだ。

Special thanks to Fukaisan!

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January 15, 2010 in CRM、FSP, 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

January 12, 2010

レシート(客数)とIDの売上げを考えてみる!

   売上は客数と客単価の掛け算であるが、ID-POS分析に取り組むようになり、売上にはもうひとつ別の世界が存在することが明らかになった。同じ客数、客単価であるが、IDとIDの客単価である。客単価は金額PI値のことでもあるので、数式でいえば、売上=客数×金額PI値であり、もうひとつの世界が売上=ID×ID金額PI値である。ここから、客数も、金額PI値(客単価)も、2つ存在することがわかり、この2つの世界は交わることがなく、パラレルで存在しているのが実態である。なお、IDに対して、従来の客数は、中身はレシートのことであり、すなわち、2つの世界とはIDとレシートの世界のことであるといえる。

   通常のPOS分析では、IDの世界を見ることができないので、もっぱら、レシート(客数)の世界のみの分析となる。どこが違うかであるが、ひとつ例を示すと、バナナの売上げが1,000円であった場合、この時、客数、すなわち、レシートが10枚であった場合、売上=レシート(客数)×金額PI値であるので、1,000円=10枚×(1,000円÷10枚)=10枚×100円となる。これは、1,000円のバナナの売上げはレシート(客数)1枚当たり100円の売上があり、そのレシート(客数)が10枚あるということである。

   この1,000円の売上をIDでみたらどうなるであろうか。ここで、IDを5人とした場合、IDの世界では、売上=ID×ID金額PI値であるので1,000円=5人×(1,000円÷5人)=5人×200円となる。これは何を意味しているかであるが、同じバナナの売上げのIDから見た中身は、5人のIDが平均200円分バナナを購入し、結果、1,000円の売上げになったということである。

   全く、同じバナナ1,000円の売上げであるが、2つの見方が存在するということである。ひとつはレシート(客数)から見たバナナの売上げであり、もうひとつはIDから見たバナナの売上げである。この2つは同時に存在しており、どちらも正しいバナナ1,000円の売上げの分解である。バナナの売上げをレシート(客数)で見るか、IDで見るかの違いである。

   そこで、もう一歩進め、レシートと、IDの関係を作ってみたい。売上=レシート(客数)×金額PI値=ID×ID金額PI値であるので、ここから、ID金額PI値を求めてみると、ID金額PI値=(レシート÷ID)×金額PI値となる。この( )、レシート÷ID=ID客数PI値とすると、この数式は、ID金額PI値=ID客数PI値×金額PI値となり、IDとレシートの関係が生まれる。これまで並行して走っていたレシートとIDが交わった瞬間である。これにより、レシートとIDの関係が導かれ、ID金額PI値は金額PI値にID客数PI値を掛けて結ばれることがわかり、ID客数PI値が2つの世界を媒介していることがわかる。このID客数PI値はレシート÷IDであるので、これは、ID当たりのレシート枚数、すなわち、頻度を表しているともいえる。

   これで、さらにレシートとIDの関係がはっきりしたといえる。すなわち、ID金額PI値は金額PI値に頻度を掛けたものであり、レシートの中から同じIDのレシートを集め、集計したものであることがわかる。わかりやすくするために、先のバナナの事例で考えてみる。バナナの売上げは1,000円であった。この時、レシート枚数は10枚、IDは5人であった。したがって、ID金額PI値=ID客数PI値×金額PI値であるので、ID金額PI値(1,000円÷5人)=ID客数PI値(10枚÷5ID)×金額PI値(1,000円÷10枚)となり、200円=2枚/ID×100円となり、この数式が成り立っていることがわかる。これは、何を意味しているかであるが、バナナのID当たりの売上げ200円は、バナナの100円のレシートが2枚/IDとなり、結果、1ID当たり200円の売上げとなっているということである。

   すなわち、バナナ1,000円の売上げが上がった場合、今回の事例でいえば、顧客が5人(ID)いて、その顧客が平均2枚のバナナのレシートをもっており、その金額がレシート当たり100円であるということである。したがって、バナナの売上げ1,000円はレシートのみで見た場合、IDのみで見た場合、そして、レシートとIDを融合して見た場合の3つの見方が存在するということである。実際に計算するかどうかは別として、すべての商品において、売上げが1円でもあがった場合は、必ず、レシートから見た売上げ、IDから見た売上、双方を融合させた場合のキー指標、ID客数PI値から見た売上げと3つに分解することができるということである。

   そして、売上げをそれぞれの指標に分解し、それぞれの角度から見ることによって、売上を引き上げるヒントがつかめ、新たな仮説づくりにつながってゆくことになる。同時に、売上げはこの3つの角度から、検証することができ、レシートに問題があるのか、IDに問題があるのか、ID客数PI値に問題があるのかがつかめ、次の一手につながってゆくことになる。

   バナナに戻れば、バナナ1,000円の中身は、ID(5人)、ID金額PI値(200円)、レシート(客数)(10枚)、金額PI値(100円)、そして、ID客数PI値(2枚/ID)の3つの角度、5つの指標が基本であり、これらを数字で検証するかどうかは別として、バナナのマーチャンダイジング改善の仮説を考える上には、思い浮かべて欲しいイメージである。バナナの売上げに変化があった時には、必ず、この5つの指標のいずれかが変化しているはずであり、どの指標改善を強く打ち出すかがマーチャンダイジング戦略そのものといえる。

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January 12, 2010 in CRM、FSP, 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

December 12, 2009

ID-POS分析、その本質!

   ここ最近、ID-POS分析に取り組む機会が多い。ID-POS分析は従来のPOS分析と比べ質、量ともに格段の違いがあり、これまでできなかった様々な新たな分析が可能となる。そこで、ここでは、何が決定的に違うのかを考えてみたい。

   まず、最も大きな違いは購入者の属性が把握できることであろう。これまでは何が買われたかは把握できたが、誰が買ったかは把握できなかった。誰とは、男性、女性、年齢、職業、年収、住所、家族構成など、様々な属性情報である。もちろん、この情報が正確に申告されていればということが前提となるが、少なくとも、これまでのPOS分析よりは一歩進んだことは確かであろう。ここから、商品を購入する顧客像が浮かび上がり、その結果から、新たな仮説をつくることができ、これまでにない仮説にもとづくマーチャンダイジングの改善が可能となる。 

   ただ、この分析は質の違いというよりも、どちらかという量の違いに近いといえ、商品の分析手法が根本的に変わったというよりも、商品を購入する顧客像が鮮明になったといえ、従来の分析手法を変えるまでにはなっていないといえよう。商品の分析手法は、この段階では、あまり大きく変化しているとはいえず、従来の単純な売上金額、売上数量、もう一歩進んで、金額PI値、PI値、平均単価を使って分析していることが多いのが実態といえよう。

   では、質的な違いとは何であるかであるが、それは、新たな指標が生まれ、その結果、新たな分析が可能となることであるといえる。従来のPOS分析では分析することができなかった分析手法が生み出されることであり、その結果、従来の分析では把握できなかった本質が見えることである。先にあげた属性はその意味で、分析手法そのものに質的な変化をもたらすというよりも、従来の分析手法をそのまま使い、ID-POS分析で得られる、属性という新たな切り口を提示しているといえる。したがって、従来の分析よりは一歩進んだといえるが、質的な段階が上がったとはいえない分析といえる。

   そこで、質的な違いとは何かを考えてみたい。ID-POS分析が世の中で注目された時、質的な違いで脚光を浴びたのは併買分析であろう。いまでも併買分析はID-POS分析特有の分析手法として様々な場面で活用されており、クロスマーチャンダイジングという形で実践に応用されている。最近では、クロスマーチャンダイジングが進化し、コラボ商品まで登場しており、実践事例は豊富である。

   ただ、この併買分析は、従来のPOS分析ではけっしてできないかというと、ある程度までは従来の分析でも可能である。併買とはAという商品とBという商品をどのくらい同時購買するかを指標化したものであるが、これは、レシート分析でも精度は低いがある程度まで把握することは可能である。AとBを同時に購入しているレシートを数え、全レシートで割れば、同時購入率が計算できる。数式では、客数PI値がまさにこれに当たり、併買客数PI値=同時購入レシート枚数÷全レシート枚数として、計算可能である。もちろん、ある特定IDがAとBの商品を同時購入しているかどうかは、IDを把握しないとできないので、ここまで分析するにはID-POS分析にまで踏み込まないと無理であるが、ある程度までは、併買分析も従来のPOS分析で可能といえる。

   では、ID-POS分析の決定的な質的な違いは何であろうか。それは、ずばり、頻度である。頻度、これが、従来のPOS分析では、けっして得られない指標であり、ID-POS分析特有の独特な指標であるといえる。従来のPOS分析はつきつめれば、レシート分析であり、レシートを基本単位として分析をしてゆくことになる。ID-POS分析は、このレシート1枚1枚にIDを付けたところが決定的に違うところであり、言い換えれば、IDレシート分析といえよう。したがって、レシートにIDがついたことにより、はじめて分析が可能になる指標がID-POS特有の分析といえる。
   
   そこで頻度の登場である。頻度とは、誰が何回買ったかであり、これが頻度である。レシート分析では何回までは把握できるが、誰が何回、すなわち、頻度を把握することはできない。指標ではID客数PI値であり、ID客数PI値=レシート÷IDとなる。このID客数PI値=頻度がID-POS分析特有の指標であるといえ、この頻度を駆使することがID-POS分析といえる。
   
   おもしろいことに、この頻度、ID客数PI値が加わると、従来の金額PI値(客単価)も、ID金額PI値=ID客数PI値×金額PI値という数式で説明できるようになり、レシート分析(金額PI値)がID分析(ID金額PI値)とID客数PI値で結ばれ、双方の分析を融合することが可能となる。したがって、頻度、ID客数PI値を理解し、その本質をつきつめてゆくことがID-POS分析ならではの醍醐味といえ、これが従来のPOS分析と決定的な違い、質的な違いといえよう。

   ID-POS分析もようやく、食品スーパーマーケット業界でも活用がはじまりつつあるが、属性、併買分析も重要な分析のひとつではあるが、その本質は頻度、ID客数PI値にあるといえ、ここをしっかり押さえ、マーチャンダイジングの改善につなげて欲しいところだ。

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December 12, 2009 in CRM、FSP, 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

December 05, 2009

ID客数PI値って何?

   前回、客数PI値について解説したので、今回は、もう一歩踏み込み、ID客数PI値について考えてみたい。ID客数PI値は客数PI値にIDがついたものであり、ID-POS分析には必須の指標である。ID-客数PI値なくして、ID-POS分析は成り立たないといえる。その意味では、客数PI値よりも、メジャーな指標となる可能性が高く、ID-POS分析が普及すればするほど、ID客数PI値は一般化することになろう。そこで、ここでは、ID客数PI値とは何か、客数PI値とはどう違うのか、ID客数PI値の将来展望を解説してみたい。

   まず、ID客数PI値とは何かであるが、これは、客数をIDで割ったものである。一般的に小売業では客数のことをIDとは捉えていない。それは長らく、IDそのものを正確に把握することが技術的にできなかったため、IDを数字で捉えることができなかったからである。したがって、IDの研究は小売業ではまだまだ一般化しておらず、実際の小売業でIDを分析し、その数字を現場に活かし、実績を上げている企業はごくわずかといえ、特に、食品スーパーマーケットではまだまだごく限られた企業のみのといえよう。

   では、小売業における客数とは何かであるが、これはレシートのことである。レシート=客数ととらえているのが小売業の客数の実態である。したがって、IRなどで公表されている年間客数はレジ通過の総レシート枚数のことである。これを客数として捉え、1店舗およそ100万人近い客数となり、100店舗で1億人の年間客数となる。セブンイレブンやウォルマートの客数も同様であり、すべて、客数というと、通常はレシート枚数のことである。

   もちろん、ポイントカードを導入している小売業はすべて何らかの形でIDを把握しているので、最近ではIDで客数を把握できるようにもなり、ほぼ正確なIDの客数もわかるようになってきた。そこで、登場するのが、ID客数PI値である。ID客数PI値とは、これまでの客数=レシートとIDとを結びつるける根幹指標のことであり、数式ではID客数PI値=客数(レシート)÷IDとなる。このID客数PI値が生まれたことにより、はじめて、これまでの客数(レシート)の世界がIDとつながることになり、ID-POS分析が飛躍的に進むことになったといえる。

   なぜなら、これまでのマーチャンダイジング理論の根幹、金額PI値をID客数PI値を通じて、ID金額PI値と結び付けることが可能となったからである。これも本ブログでは何度も取り上げているが、ID金額PI値=ID客数PI値×金額PI値であり、まさに、右側は客数(レシート)の世界、左側はIDの世界であり、この2つの世界がID客数PI値を通じて結びつき、様々なID-POS分析が可能となる。しかも、これまでは金額PI値の分析が主なマーチャンダイジング理論を形作っていたが、ID客数PI値を通じて、IDの世界とつながることにより、IDと結び付いたマーチャンダイジング理論の構築が可能となったことである。

   この数式が示すように、ID客数PI値は1ID当たりのレシート枚数であるので、これは、ある購入期間におけるIDの購入頻度を表しており、IDの世界では、マーチャンダイジングに頻度という概念が必然的に組み込まれることになり、頻度分析が可能となる。さらに、商品をIDから見ることが可能となり、これまでの特定レシート(商品分類など)のマーチャンダイジングを取り上げるだけでなく、IDの総レシートを分析対象とすることも可能となり、併売分析や、最近の最先端のマーチャンダイジング理論であるファイナンス、特に、キャッシュフロー分析への応用も可能となりつつある。本来、小売業におけるキャッシュフローは商品から見るよりも、実は、顧客から見た方がはるかに実務的であり、キャッシュフローの増大につながるはずである。ただ、これまでは、顧客、すなわち、ID分析ができなかったがために、このようなアプローチができなかったが、今後は、これに限らず、IDの世界から見ることにより、様々な展開が可能となろう。

   次に、ID客数PI値と客数PI値の違いであるが、これは、ID客数PI値がIDと客数(レシート)を結びつける指標であるのに対し、客数(レシート)同士を結び付ける指標が客数PI値である。分母、分子双方が客数(レシート)となり、すべて、客数(レシート)の世界だけで活用される指標である。これは、ID金額PI値=ID客数PI値×金額PI値の右側の世界である。では、左側の世界、IDに客数PI値はないのかという疑問がわくと思うが、これも当然ある。ID客数PI値IDである。数式はID÷IDとなり、左の世界、すなわち、IDの世界だけで活用される客数PI値である。

   このように、客数PI値はID-POS分析の時代となり、3つに分化し、客数(レシート)のみの世界で活用する客数PI値、客数(レシート)とIDの世界を結びつけるID客数PI値、そして、IDの世界のみで活用するID客数PI値IDがある。ID-POS分析とは、この3つの客数PI値を縦横に駆使し、マーチャンダイジングの本質に迫ると同時に、経営の根幹キャッシュフローにも迫ってゆくことになる。その意味で、いずれ、客数PI値はマーチャンダイジング、そして、経営の根幹指標となる日が来るのではないかと思う。

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December 5, 2009 in CRM、FSP, 経済・政治・国際, PI値 | | Comments (0) | TrackBack (0)

November 13, 2009

POS分析、レシートとID分析の違いは?

   ここ最近POS分析が急速に食品スーパーマーケット業界、およびメーカー、卸で注目されつつある。その背景にあるのは、消費環境の厳しさが増す中、小売業側の収益が落ち、その対策のひとつとして、食品スーパーマーケットとメーカー、卸と一体となった取り組みが求められ始めたことがあるといえよう。特に、ここ最近、食品スーパーマーケット側のIT化が進み、webを通じて、POSデータを公開する仕組みがあいついで開発されたことも、この状況に拍車をかけているといえよう。そこで、ここでは、この注目されつつあるPOS分析において、2大潮流となりつつある分析手法、レシート分析とID分析の違いについて考えてみたい。

   POS分析には、大きく分けて2つの分析手法が存在する。ひとつはレシート分析であり、もうひとつはID分析である。では、この2つの分析手法の決定的な違いは何かを考えてみたい。まず、共通点であるが、どちらも、売上げと連動しており、売上げを起点に捉えることができる。レシートの場合は、売上=レシート枚数×レシート1枚当たりの売上げであり、IDの場合は、売上=ID数×1ID当たりの売上げとなる。したがって、ここから売上を起点に両者を関係づけることが可能となる。売上=レシート枚数×レシート1枚当たりの売上げ=ID数×1ID当たりの売上げとなる。そして、これを変形すると、レシートとIDの関係が明らかになる。すなわち、レシート枚数×レシート1枚当たりの売上げ=ID数×1ID当たりの売上げとなり、これをレシートから見ると、レシート1枚当たりの売上げ=1ID当たりの売上げ×(ID数÷レシート枚数)であり、IDから見ると、1ID当たりの売上げ=レシート1枚当たりの売上げ×(レシート枚数÷ID数)である。

   すなわち、レシートとIDの関係は、この数式によって関係づけられ、どちらを起点にしても、売上げを説明でき、売上げを媒介にして、この両者を関係づけることが可能となる。通常は、この2つの数式の内、後者、すなわち、1ID当たりの売上げ=レシート1枚当たりの売上げ×(レシート枚数÷ID数)を活用し、これをさらに整理し、ID金額PI値(1ID当たりの売上げ)=ID客数PI値(レシート枚数÷ID数)×金額PI値(レシート1枚当たりの売上げ)として、活用している。

   したがって、レシートとIDの関係は、ID金額PI値=ID客数PI値×金額PI値で関係づけられ、この両者は無関係ではなく、この数式により、売上げを媒介にして、密接な関係にあるといえる。そこで、この数式をもとに、レシートとIDの違いを改めて考えてみたい。

   まず、レシートであるが、決定的な違いは、レシートにはIDがないため、ID客数PI値が存在しないことである。数式の右半分の金額PI値だけの世界での分析となる。したがって、売上げをあげるには、レシート枚数を増やすか、金額PI値(レシート1枚当たりの売上げ)を増やすかということになる。特に、金額PI値の高い商品が重視され、この商品のレシート枚数をいかに増やすかが最重点課題となる。

   これに対して、IDは、数式が示すように、金額PI値にID客数PI値がかかっているため、ID客数PI値、すなわち、頻度が重要なキーワードとなる。したがって、この頻度次第で、金額PI値が高いものでも、ID金額PI値は低くなることもあり、逆に、金額PI値が低いものでも、ID金額PI値は高くなることもある。これは、レシートの世界では想像もつかなかった事実であり、IDを見ることによってはじめて明らかになった事実である。したがって、ID客数PI値、すなわち、頻度分析が可能なことが、決定的な違いのひとつである。

   次に、その延長となるが、頻度分析、すなわち、リピート分析が可能となることである。単純なID客数PI値の頻度だけでなく、売上げの中身が、トライアルIDが多いのか、リピートIDが多いのか、さらには、ヘビーリピートか、ライトリピートかなど、様々な頻度分析が可能となる。また、IDの属性と絡めれば、属性ごとの頻度分析も可能となり、売上げの中身がより深く分析できることがポイントである。

   そして、もう1点、IDで売上げが見えるので、対象商品だけでなく、そのIDが購入している全商品を見ることもできることである。これもレシート分析では逆立ちしても把握できない実態である。これによって、併売分析も可能となり、さらには、そのIDがどれだけ、店舗に貢献しているか、いわゆるロイヤルカスタマー度の判別も可能となる。これは、財務との連動も視野に入る課題であり、特に、キャッシュフローと密接に絡むテーマでもある。

   このように、レシートとIDは密接に関係しており、しかも、その本質は、決定的な違いがあるといえる。さらに、この両者は従属関係にあるともいえ、ID客数PI値を介することによって、金額PI値の世界をID金額PI値の世界に変換することが可能である。金額PI値の世界はすべてID金額PI値で説明することができるが、ID金額PI値の世界は、IDの把握ができない限り、金額PI値では説明できないという関係である。その意味で、POS分析は、その歴史はレシートからIDへという流れであるが、本質を理解するには、IDからレシートへの方が速く、しかも深く理解でき、広がりも大きいといえよう。

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November 13, 2009 in CRM、FSP, 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

September 12, 2009

CRMデータのみの広告登場!

   日経MJには、様々な商品の広告が掲載されるが、9/11にも、ヤクルトの番爽麗茶の全面広告が掲載された。通常、この種の広告の場合は、何らかの検証データが提示され、その数字を根拠に、強く、消費者、小売業に訴えることが多いが、このヤクルトの全面広告では、その検証データに、CRMデータがメインで取り上げられた。しかも、対象は小売業への訴求であり、そのCRMデータを根拠の一つとして、棚割の提案、売場づくりへの提案も写真入りで、提示されており、CRMデータを全面に出した広告としては、かなり思い切った試みであるといえよう。

   現在、商品の検証には通常のPOSデータが活用されることがほとんどである。その背景には、CRMの研究開発は進んでいるが、小売業側に、CRMデータを検証する仕組みが十分でないことが大きいといえよう。通常のPOSデータは、小売業、特に、食品スーパーマーケットでは、ほぼ100%、自店で検証ができるため、メーカーが広告に、通常のPOSデータを検証結果として掲載した場合、そのデータが正しいか、正しくないかの判断を、自ら、追検証できるため、数字の客観性が確認できる。ところが、CRMデータの場合は、小売業側に自社で十分に分析できる体制がほとんど確立されていないために、自社での検証は難しいものがあり、広告に掲載されたCRMのデータの数字をそのまま受け入れることが難しいのが現状である。

   今回のヤクルトの広告では、番爽麗茶の小容量と大容量のユーザー、及び、両ユーザーの割合を数字と円グラフで示し、大容量のユーザーは51%、小容量のユーザーは35%、両ユーザーは14%、合計100%という検証結果を提示している。さらに、そのグラフの上に、アンケート調査結果として、番爽麗茶を飲むユーザーの91.8%が毎日飲むとの円グラフを掲げており、シンプルな数字の提示である。また、CRM特有の解説として、小容量はトライアルユーザーが多く、大容量はロイヤルユーザーが多いと付け加えており、まさに、CRMデータを全面に押し出した広告である。

   ここで、提示されたデータ、解説は、すべてCRMデータに基づくものであり、通常のPOSデータ分析からはけっして得られない数字であり、恐らく、ほとんどの食品スーパーマーケットでは、いずれのデータも検証することができない数字である。

   一見すると、大容量51%、小容量35%は売上構成比とどこが違うのかと思ってしまうかもしれないが、これは、IDの数を表しており、数字の算出過程が全く違う。売上は、売上金額=ID数×ID金額PI値と分解でき、ID金額PI値=ID客数PI値×金額PI値と、落とし込むことができる。したがって、売上金額とID数とは正の相関関係にはならず、ID数が少なくても、ID金額PI値が高い場合もあり、逆に、ID数が多い場合でも、ID金額PI値が低い場合もあり、売上金額とID数とは正の相関というよりは、むしろ、逆相関となることすらあるといえる。一方、通常のPOS分析で可能な金額PI値は、客数を一定とした検証の結果は、売上げ構成比そのものを表しているといえ、直感的に理解しやすい数字である。

   その意味で、今回のCRMデータで最も大事な数字は、両ユーザー14%という数字であろう。この数字も、CRM特有の数字であり、これは、小容量と大容量との相関性は弱く、容量の違いが、客層の違いになっている可能性が高いことを表しており、双方の品揃えが必要であるという根拠を示す数字ともいえ、容易にイメージができるからである。また、今回、ヤクルトでは、新たに、中間の1000mlの中容量を新発売したということであるが、これは、1000mlが、小容量、大容量と違う新たな客層をつかむ可能性が高いという仮説の提示といえ、小容量、大容量と、ユーザーがどう重なるか、その結果、総ユーザーが拡大するのかが、今後の検証ポイントといえよう。

   今回、この広告の主要なテーマが、ロイヤルユーザーの囲い込みと新規トライアルユーザーの獲得を目指すということであるが、CRM分析を全面に出すのであれば、さらに、店舗のロイヤルユーザーの囲い込みと新規トライアルユーザーの獲得を目ざすための、検証データを示しても良かったのでは思う。ロイヤルユーザーはメーカーにとっては、その商品のヘビーユーザーであるが、食品スーパーマーケットにとっては、店舗に貢献度の高いユーザーのことであり、必ずしも、メーカーのロイヤルユーザーと重ならない面がある。番爽麗茶がどれだけ、店舗貢献度が高いか、すなわち、商品はもちろん、店舗のロイヤルユーザーをつかんでいるかを示せたら、より、この広告はCRMデータを駆使し、食品スーパーマーケットに強く訴えることができたように思う。

   このように、今回のヤクルトの番爽麗茶の日経MJでの全面広告は、CRMでの検証データをメインにした内容となっており、これまでの通常のPOSデータでの検証ではなく、非常に興味深い内容であり、新たなCRMデータの検証結果を広告に活かす可能性を示したものといえよう。CRMデータの検証は、まだまだ始まったばかりであり、特に、食品スーパーマーケット側ではこれから検証体制が構築される段階といえ、今後、有望な検証データとなってゆくものといえよう。今回の広告はその意味で、今後につながる試みであり、次の、第2弾に期待したいところである。

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September 12, 2009 in CRM、FSP, 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

September 09, 2009

品揃えをどう評価するか?

   これまで、品揃えの数字評価は、POSから上がってくるデータをもとに、様々な分析を行い、その結果をもとになされてきた。基本はABC分析であり、売れ筋をA、死に筋をCとし、A商品を強化し、C商品をカットし、新商品と入れ替えることによって、結果、品揃えが改善されるという考え方が基本にあった。ただ、売れ筋、死に筋を数量で見るか、金額で見るかは長い間、論争が繰り広げられ、中々、決着がつかず、多くの場合、両方を見比べながら、バランスをとるという形で、売れ筋、死に筋を判断してきたといえる。

   その後、PI値分析が普及しはじめてからは、売れ筋、死に筋を金額PI値で判断し、さらに、その中身をPI値(数量)と平均単価、双方から判断するようになり、売れ筋の中にも、PI値の高い商品、平均単価の高い商品、PI値、平均単価、双方が高い商品を区別するようになった。同様に、死に筋も、PI値が低い商品、平均単価が低い商品、PI値、平均単価双方が低い商品を区別し、この死に筋の中でも、PI値、平均単価双方が低い商品を、品揃えの優先度が低いと判断し、カット対象とし、新商品と入れ替えるという流れができあがった。

   従来の売上金額、売上数量だけでは、単純な判断しかできなかった売れ筋、死に筋も、PI値分析ができるようになってからは、少し、顧客の購買実態に踏み込むことができ、品揃えを以前よりは、深く考えることができるようになったといえよう。ただ、どちらも、基本は2元論の域を出ず、高いか低いかを1次元で見るか、2次元で見るかの違いであり、2次元で見た方がやや深く、高いか低いかを判断できるというにすぎない。

   本来、品揃えは、売れ筋、死に筋という2元論的な捉え方ではなく、必要か必要でないかという観点が先にあるはずであり、この点を最優先に考えて品揃えを決めるべきであるといえる。ところが、現状のPOSからは、必要であるか、必要ないかの判断に足るデータはあがってこないため、極論すれば、売れ筋は必要、死に筋は必要ないと同義語となり、品揃えの基準が本来の必要、必要ないから、売れ筋、死に筋に置き換わってしまっているのが現状であるといえる。

   よく、コンビニなどでは経験することであるが、いつも、いきつけのコンビニで買っていた商品が突然なくなってしまうということが起こる。これは、まさに、売れ筋、死に筋のことであり、自分にとっては売れ筋でも、コンビニにとっては死に筋であると判断され、カットされてしまうケースである。A商品を残し、C商品をカットすれば、C商品をよく買っていた顧客のA商品は当然カットされてしまう。この背景には、A商品は売れ筋であり、誰でもが買う商品であり、誰でも必要な商品であるという暗黙の了解があり、同様に、C商品は誰も買わない商品であり、必要ない商品であるという無意識の認識があるからであろう。

   ここ最近、CRM分析に取り組むようになって、どうも、この暗黙の了解、無意識の認識がおかしいのではないかと思うようになった。すでに、約20年に渡って、PI値分析をあらゆる商品で行ってきたが、金額PI値の高いもの、すなわち、A商品である売れ筋を強化しても、売上げが上がらない商品群が厳然としてあり、しかも、A商品を強化して売上が上がった商品群でも、ある段階に来ると、限界が訪れ、そこから先にゆくには、C商品を強化することが決め手となる場合が多々発生している。

   ところが、C商品の評価は従来の売れ筋、死に筋論では歯がたたず、全く、別の角度、次元の違う分析が必要といえ、どうも、その決め手として、CRM分析が有力な手法であることが、わかってきた。CRM分析には様々な方法があるが、品揃えを評価する方法としては、相関分析、ID金額PI値分析が有効である。

   いくつか事例を上げると、たとえば、牛乳の売れ筋は1,000mlであるが、500ml、200mlの品揃えは必要か必要でないか、また、同じ1,000mlの中でも、ABCがあり、C商品の品揃えは必要か必要でないかをどう判断するかである。この時、同じメーカーの同じ牛乳の1,000ml、500ml、200mlの相関分析をしてみると、当然、価格は大容量がお買い得であり、小容量が高めであるが、CRM分析で相関関係を見ると、あまり高い相関関係がないことが多い。それぞれが、独自の顧客を獲得し、相互交流があまり起こっていないことが見られる。このようなことが明らかになれば、いずれも、しっかり品揃えすべきであることが明らかになる。また、同じ、1,000mlのAとC商品のID金額PI値分析を試みると、C商品の方がA商品よりもID金額PI値の高い商品、すなわち、優良顧客がしっかり購入している商品がたくさん見つかる。これを果たしてC商品というのか、ID金額PI値で見れば、むしろ、A商品と定義でき、これまでのAとCが逆転する商品が見つかる場合が多い。

   このように、品揃えとは、本来、商品の単純な売上金額だけで判断できない要素が厳然として存在しているといえ、CRM分析は、これまでの分析では見えなかった判断基準を新たに提示する分析手法であり、特に、品揃えの評価には、必須の分析手法といえよう。CRM分析はまだ始まったばかりともいえるが、まずは、品揃えの再評価に活用してゆくところから入ると、実践的で、わかりやすく、また、効果も期待できるのではと思う。

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September 9, 2009 in CRM、FSP, 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

September 06, 2009

商品には2つの売上げがある!

   従来、売上げというと、商品の売上げをさし、商品ごとの売上金額を分析し、その結果をマーチャンダイジングに活かしてきたといえる。たとえば、豆腐の売上といえば、豆腐に分類される全商品の個々の売上げを合計したものであり、通常は約50種類ぐらいで構成されている。その約50種類の豆腐の中から、売上げの高い商品を重点商品とし、まずは、その重点商品の鮮度を高め、いかに欠品させないかを最優先に取り組み、豆腐全体の売上げアップを図ってきたといえる。これが、豆腐で最初に取り組むマーチャンダイジング政策といえよう。ついで、その他の商品をつぶさに調べ、商品の品揃えを見直し、豆腐全体の最適な品揃えに取り組むというのが次のステップである。

   このように、豆腐のマーチャンダイジングを考える時は、まず、豆腐の売上げを把握することがそのスタートとなる。ところが、ここ最近、CRM分析が導きだした答えは、豆腐の売上げにはもうひとつの売上げがあるということを発見したことである。通常、CRM分析を行うには、すべての商品をID金額PI値=ID客数PI値×金額PI値で分解し、従来の商品分析から得られる売上げに対して、IDから得られるID金額PI値を基盤にすえる。すなわち、商品からの売上げに対し、ID金額PI値は、ID、すなわち、顧客からの売上げを表していることになる。

   具体的な数字を当てはめてみると、豆腐の売上げが10万円であった場合、これを従来のPOS分析で見ると、豆腐の価格が100円とすると、点数は1,000個となり、10万円=1,000個×100円となる。これに対して、CRM分析を行うと、ID、すなわち、顧客という概念が入り、たとえば、豆腐を100人(ID)が購入した場合、顧客1人(ID)当たりの売上げ、ID金額PI値は、10万円÷100人(ID)=1,000円となり、さらに、この100人が1,000枚のレシートをもたらしているとすると、ID客数PI値は、1,000枚÷100人(ID)=10枚/IDとなる。まとめると、CRM分析では、ID金額PI値(1,000円)=ID客数PI値(10枚/ID)×金額PI値(100円)ということになる。

   この時、豆腐の売上げ10万円はどうなったかであるが、ひとつは、従来のPOS分析の商品そのものの販売数とその価格とを掛けた、1,000個×100円=10万と、まさに商品の売上げでとらえることができる。そして、もうひとつは、CRM分析を行い、ID、1人当たりの売上げに着目し、ID金額PI値1,000円×ID数100人=10万円としてとらえることができる。これは、豆腐には2つの角度から売上げをとらえることできるということであり、ひとつは、商品そのものの売上げ、そして、もうひとつは豆腐を購入する顧客の売上げということである。CRM分析が確立される以前には、顧客の売上げが存在せず、売上げといえば、商品からの売上げしかなく、顧客からの売上げという概念も、計算もできなかったのが実情である。

   なお、初期のPI値分析は、商品の売上げから、一歩、顧客の売上げに近づいたものであり、ID金額PI値=ID客数PI値×金額PI値の金額PI値で商品の売上げ把握するものであり、その意味で、CRMの一部、範疇とみることができよう。IDではなく、レシートまでが限界ではあるが、従来の商品からの売上げに対して、一歩、顧客からの売上げに近づいたのが初期のPI値分析といえよう。

   さて、最近のCRM分析は、さらに、もう一歩踏み込み、ID金額PI値を豆腐だけにこだわらず、豆腐以外の商品にも広げた分析にも入りつつある。いわゆる、商品変換といわれる視点の転換である。これは、豆腐を購入している10人のIDが豆腐以外に何を買っているかまで、踏み込む分析であり、ここまで踏み込むと、豆腐の購入IDが店舗全体にもたらす売上げへの貢献分析が可能となる。一見、デシル分析に似ているが、店舗全体ではなく、豆腐、しかも、最終的には豆腐の単品、1品1品にまで分析対象を広げるので、単純なデシル分析とは違い、CRM分析の商品変換といった方がわかりやすいかと思う。

   先のID金額PI値(1,000円)=ID客数PI値(10枚/ID)×金額PI値(100円)の同じIDの購入商品を豆腐以外の全品に広げたものである。たとえば、1レシート当たり、2,000円の買い物をしていたとすれば、ID金額PI値はID客数PI値(10枚/ID)×金額PI値(2,000円)となり、20,000円となる。この20,000円とは何か、これが豆腐の購入顧客10人(ID)がもたらす、店舗全体へのID当たりの売上げである。

   ということは、豆腐の売上げには、豆腐からのみ把握できる10万円という売上げと、ここで導きだしたように、豆腐の購入顧客10人(ID)が店舗全体にもたらす、20,000円×10人=20万円という売上が存在しているということであり、豆腐にはこの2つの売上げが存在しているということである。

    そして、この2つ目の売上げがCRM分析のみで得られる独特な売上げであり、しかも、この2つ目の売上げはすべての商品に存在している。この観点からマーチャンダイジングを再構築した時、これまでの商品の売上げをもとにしたマーチャンダイジングから新たなマーチャンダイジングの世界をつくることができ、豆腐の新マーチャンダイジングを新たに作り上げることが可能となる。また、これは、P/Lそのものを見直し、CRMのP/Lを要求しているともいえ、マーチャンダイジングだけでなく、経営そのものへの変革につながる力を秘めているといえよう。まだまだ、CRM分析は始まったばかりといえるが、今後、どのように発展してゆくか楽しみである。

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June 18, 2009

ID-POSデータ、客は商品にしかつかない!

   時代は明らかにID-POSデータの活用に動き始めている。現在、POSデータには大きく2種類のデータがある。ひとつは純粋な商品販売データであり、これは商品ごとの販売金額と販売点数のデータであり、通常のPOS分析で、一般に活用されているデータである。そして、もうひとつは、IDがついた商品販売データであり、ID-POSデータといわれるものであり、いま最も小売業界、メーカー等で注目されているPOSデータである。どこが違うのか、ひとことでいえば、商品ごとにIDが付与されているか否かであるが、IDが付与されると、そんなに違いがあるのかということになるが、実際に使ってみると、違いというよりも、次元が違うという印象であり、単純に比べること自体が難しいといえよう。

   なぜか。通常のPOSデータは商品の売上金額、売上数量までしか把握することができないので、そこから判断できるのは、商品の売上金額、売上数量の大小である。いわゆるABC分析の延長となり、ごく簡単にいえば売れ筋、死に筋の判断が最大の活用方法といえよう。ここから、死に筋、いわゆるZ商品をカットし、新商品と入れ替えることによって、売れ筋だけを残そうというのが単品管理の極意といえる。また、PI値を活用したPOS分析では、逆に売れ筋を重点商品としてピックアップし、この商品に経営資源を集中し、限界まで重点商品を伸ばそうというのがPI値分析の極意といえる。この場合、死に筋は、放っておくか、勝手に消えるのを待つことになる。ひょっとすると、いつか重点商品に転換するかもしれないからである。

   いずれにせよ、従来のPOS分析ではこの辺までが限界といえ、商品の販売動向を売上金額と売上数量から判断し、マーチャンダイジング、マーケティングへ活用してゆくことがポイントとなる。

   では、その商品にIDが付与された場合はどうなるかであるが、商品の見方が売上金額、売上数量から見るのではなく、まず、その商品の購入IDがどのような購買をしているのかを最初に見ることになる。そして、次に、可能な限り、そのIDにどのような特徴があるかを明らかにしてゆくことになる。したがって、単純な商品の売上金額、売上数量はあまり意味がなく、重視するのは、IDから見た場合という、必ず、枕詞にIDから見た場合という言葉がつくことになり、視点が商品からID、すなわち、顧客に移ることになる。

   余談だが、小売業の格言のひとつに、「店は客のためにある」という言葉がある。また、私が約20年前にコンサルティングをスタートした時に、当時の上司から、「客は商品にしかつかない」という言葉を教わり、いまでも、これは大切にしている。いま、思えば、どちらも、顧客と商品の関係を端的に表しており、まさにID-POSのテーマであるといえよう。ところが、これまで小売業が活用してきたデータは商品からの一方通行のものだけであり、顧客からのという視点が欠けていたといえる。商品の売上金額、売上数量は詳細なデータが把握できるが、肝心のその商品を購入している顧客、すなわち、IDデータはつい最近まで実践に活用されることはごく一部の企業を除き、ほとんどなかったといえよう。

   これは、日本中の小売業の中核組織が商品部にあり、その延長線上に店舗があり、店長をはじめ、各従業員が商品部の延長となっていることからも明らかである。現段階では小売業の組織上に、顧客、IDを管理する部門がほとんど存在しないのが実態である。本来、その最前線に店長がいて、店長と店舗スタッフが一丸となって、その店舗の来店顧客へ、商品を通じて最大のサービスを提供すべく、動くことが小売業の本質であり、商売の原点であると思われるが、どうも、そうならかなったところに、小売業の格言とのずれが生じているように思える。

   その意味で、ID-POSは本来の小売業の原点にもどるための手段のひとつであり、商品を売上金額、売上数量からだけで見るのではなく、まず、その商品の購入IDの視点にたって見直し、その商品の購入IDにとって、もっとも購入しやすい、できうる限りの最高のサービスをもって、その商品を提供し、また、そのような商品を提供する環境、空間を作ることを、店長を中心に店舗スタッフ全員で議論し、実践してゆくことが本質であるように思える。

   ID-POSはまだはじまったばかりといえ、今後、取り組みはじめた小売業、そして、そのデータを活用するメーカーで、様々な創意工夫がなされ、徐々に実践投入され、完成度を増してくるものと思われる。ただ、最も大切なことは、顧客からの視点にたった商品の分析を行い、その結果を顧客に返し、それを繰り返すことによって、顧客と商品の関係を強固なものとし、顧客にとって、その商品を購入するには最適な環境、空間となる店舗を作り上げることであるといえよう。

   電子マネーも急激な勢いで普及しはじめており、さらに、食品スーパーマーケット各社も、この数年で独自のポイントカードを本格導入しはじめ、ID-POSデータを分析する環境は整いつつあるといえる。今後、このID-POSを活用し、顧客と商品との関係が見直され、どのように小売業、そして、メーカーが新たなマーチャンダイジング、マーケティング戦略を打ち出すかに注目したい。

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June 18, 2009 in CRM、FSP, 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

April 26, 2009

オオゼキにみる常連客の経営的な意義を考えてみる!

   「お父さん、お父さん、今のお客さん、明日もまた来てくれるかね?」、オオゼキの創業者、佐藤達雄夫妻の言葉であり、オオゼキの創業の精神を象徴的に表した言葉であるが、この言葉ほどCRMの本質をついている言葉はないといえよう。オオゼキは早くから、ポイントカードを導入し、商品の値引きだけでなく、顧客に対していかに利益を還元するかに取り組んできた。その理由は、恐らく、この創業の精神を具体的に商売に活かす手段のひとつがポイントカードの活用であると判断したためと思われる。

   これまで、各食品スーパーマーケットでは、この顧客への還元政策、すなわち、ポイントカードを活用したCRMが経営に対してどのようなインパクトがあるかが、中々実証できずに、理念先行型でポイントカードを導入したり、競合店への対抗策としてやむをえず導入したりしてきたのが実態かと思う。この疑問に答える実証結果のひとつが、今期のオオゼキの決算で、明らかになった。

   オオゼキはこれまで、決算書ないしは決算説明会資料の中で、ポイントカードの活用事例と効果について、その一部を公開してきたが、今期の決算説明会の資料の中では、もう一歩踏み込んだポイントカードの実証結果が公表された。まさに、オオゼキの創業の精神が正しかったことを実証する結果となっており、改めて、ポイントカードを活用したCRMの目的、経営的な意義が明確になったといえよう。

   その内容であるが、オオゼキのポイントカードの顧客と各店舗の利益との相関関係を分析した結果、常連客と店舗営業利益率との間には、明らかな正の相関があったという今期の決算結果である。ここで常連客とは、買上頻度が週1回以上の顧客のことであり、新マーチャンダイジングでいえば、ID客数PI値が週1.0回/IDの顧客のことである。

   今回の公表内容では、まず、この常連客がレジ客数とどのような関係にあるかが分析されている。これも新マーチャンダイジングでいえば、IDとレシートとの関係であり、まさに、ID客数PI値を算出していることになるが、その結果は、28%の常連客が77%のレジ客数の構成比であったとのことである。これを新マーチャンダイジングの観点から、再解釈すると、全レシート枚数の77%は常連客28%のレシートであるということであり、23%が非常連客72%のレシートであるということである。

   仮に、レシート枚数が1,000枚発生すると、その内の770枚が常連客のレシートであり、その常連客は1,000枚のレシートをもたらした顧客の内、わずか28%であるという事実である。仮に、カード使用者が100人であったとすると、28人が770枚のレシートをもたらし、72人が230枚のレシートをもたらしていることになる。ID客数PI値を計算すると、常連客は770枚÷28人=27.5枚/人であり、非常連客は230枚÷72人=3.19枚/人ということになり、約10倍、ID客数PI値が違うことがわかる。常連客はこの期間に27.5回平均して来店しているが、非常連客は3.19回来店しているということになる。期間を約3週間と考えるとほぼぴたりであり、常連客は1週間に平均27.5÷3=9.1回、非常連客は3.19÷3=1.0回となり、これがかなり実態に近い数字ではないかと思われる。

   これは実証データであるので、オオゼキの常連客は非常連客の約10倍来店回数が多かったということであり、しかも、この28%の常連客の平均は1週間に約10回来店される顧客であることになる。そして、各店舗の常連客の人数と営業利益率の相関図を作成してみたところ、全29店舗がy=xの直線上に並ぶという結果になったという。常連客の高い店舗ほど営業利益率が高く、常連客の少ない店舗ほど営業利益率が低い結果となったという。

   まさに、オオゼキの創業の理念が実証されたけ結果であるといえ、常連客を大切にし、常連客を増やした店舗がオオゼキに結果的に利益をもたらしたといえる今期の決算結果となったことになる。CRMは、これまで、その目的がいまひとつ明確にならなかった点に加え、その実証事例があまりに少ないという問題もあり、単なるポイントカードで留まってしまった感がいなめないが、今回のオオゼキの実証結果は、CRMは常連客を大切にし、増やすことであり、その結果、企業に大きな利益をもたらすものであるということを明確にしたといえよう。

   これを新マーチャンダイジングの方程式に当てはめれば、ID金額PI値(粗利)=ID客数PI値×金額PI値(粗利)の中で、金額PI値よりも、ID客数PI値がCRMではより重要な指標であり、いかに、ID客数PI値を高めることが、ID金額PI値を高めることだけでなく、利益率をも高めることになるということが実証されたといえよう。

   当然、次のテーマとしては、ID客数PI値の高い顧客、すなわち、常連客の好みの商品は何かを見つけ出し、その商品を通じて、個別に還元してゆくなど、もう一歩踏み込んだポイントカードの政策も考えられることである。以前から、オオゼキは個店主義が徹底しており、常連客の要望する商品に対し、店長権限でその店舗だけ品揃えに加えることも実施していたが、まさに、これは常連客の来店動機を促し、ID客数PI値を引き上げる政策のひとつでもあったといえる。オオゼキが今回の実証結果を受け、今後、どのようなCRM戦略を打ち出すかに注目である。

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April 26, 2009 in CRM、FSP, 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

March 12, 2009

ID-POSの新マーチャンダイジング、実践はじまる!

   食品スーパーマーケット最新情報、有料版プレミアムでは、新マーチャンダイジングと称し、ID-POSのマーチャンダイジングについての解説を様々な角度から取り上げているが、いよいよ、その新マーチャンダイジングがクライアントでも実践段階に入りはじめた。新マーチャンダイジングの基本方程式は、ID金額PI値=ID客数PI値×金額PI値、ただひとつであり、この基本公式をもとに様々な角度から、ID、すなわち、顧客の購買実態を掘り下げ、マーチャンダイジングの改善につなげてゆくことが新マーチャンダイジングの目的である。

   この基本公式は実によくできており、また、応用範囲も広く、従来のマーチャンダイジングでは見えなかった世界が見え、これまでのマーチャンダイジングの常識が時にはくつがえされたり、時には、ますます深められたりし、日々、新たな発見がある。ここ最近、これまでのマーチャンダイジングの常識がくつがえされた事例としては、従来のマーチャンダイジングでは金額PI値を最大にすることが目的であり、正しい方向にマーチャンダイジングが進んでいると思っていたが、新マーチャンダイジングから見た場合は、必ずしも正しいとは限らなかったということである。

   これは新マーチャンダイジングの基本公式が示すように、新マーチャンダイジングの目的は金額PI値を引きあげることではなく、ID金額PI値を引き上げることであり、金額PI値は、ID客数PI値とともに、目的ではなく、手段のひとつであるからである。したがって、金額PI値が下がっても、ID客数PI値がそれ以上に上がれば、ID金額PI値は高くなり、従来のマーチャンダイジングでは失敗とみなされた結果が、新マーチャンダイジングでは成功とみなされるからである。

   これは、金額PI値がレシート当たりの売上を見ているのに対し、ID金額PI値がID当たりの売上を見ており、ID当たりの売上は、ID当たりのレシートの枚数、すなわち、ID客数PI値で決まるからである。従来のマーチャンダイジングはレシートの世界しか見ることができず、そのレシートが誰のレシートかはけっして判別がつかなかった。ところが、新マーチャンダイジングではID管理が前提であり、レシート1枚1枚にID番号がふられ、レシート1枚1枚が誰のレシートかが分かるようになり、商品の購入状況が何個と個数しかわからなかった情報が、商品の購入状況が回数、誰が何回買ったかまでわかるようになった。その何回を表す新たな指標がID客数PI値(レシート枚数÷ID数)であるが、このたったひとつの指標が見えるようになったことにより、これまで見えなかった顧客の購買実態の細部が見えるようになったことが大きいといえる。

   つきつめれば、従来のマーチャンダイジングと新マーチャンダイジングとの違いはID客数PI値にあるといっても過言ではなく、このたったひとつの指標が生まれたことにより、新たなマーチャンダイジングの世界がはじまったともいえる。しかも、この新マーチャンダイジングの基本公式は応用範囲が広く、たったひとつの公式が様々に変化し、次々と顧客の購買実態を掘り下げてゆくことができる。

   たとえば、ID金額PI値=ID客数PI値×金額PI値のID客数PI値のレシートに着目し、このレシートをIDの全レシートで見た場合、購入レシートのみで見た場合、さらには、購入点数が多い場合で見た場合など様々なレシートで見た場合の購買状況に分解することができる。これがレシート変換である。また、今度はIDに着目し、ID客数PI値のIDをその商品の全購入ID、リピート購入ID、男女別、年齢別など様々なIDで見ることもできる。これがID変換である。さらには、IDの購入商品に着目し、特定商品のみで見た場合、あるいは購入全商品で見ることもできる。これが商品変換である。新マーチャンダイジングは基本公式はひとつであるが、顧客の購買実態をこのように、レシート変換、ID変換、商品変換という様々な角度から掘り下げることが自由自在にできるので、これまでのレシートのみでの断片的な顧客像から、ほぼ、等身大の顧客像を描くことができるようになるのが最大の特徴といえる。

   実際、この新マーチャンダイジングが現在、メーカー、小売業等で徐々に実践投入が始まっており、これまでのマーチャンダイジングでは得られなかった結論をもとに新たなマーチャンダイジングの仮説を立案し、検証に入りはじめている。特に、いま最も注目されているのが、商品変換であり、ある特定の商品を購入されている顧客がその商品以外にどのような商品、まずは、買い物かご全体の商品をどのような頻度で、どのくらい購入しているか、そして、その特定の商品と他の特定商品との関係はどのような構造になっているかである。これがわかることにより、その商品の購入顧客の店舗全体への貢献度、他の特定商品との購入実態がつかめ、これまでのマーチャンダイジングでは踏み込めなかった領域へ踏み込むことができるようになり、マーチャンダイジング戦略そのものの再構築につながってゆく。まだまだ、はじまったばかりの新マーチャンダイジングの実践ではあるが、時々、本ブログでもその成果を取り上げてゆきたい。

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March 12, 2009 in CRM、FSP, 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

January 27, 2009

ID-POS時代のMD評価表とは?

   MD評価表とは、POS分析におけるマーチャンダイジング(MD)を評価するための基本フォーマットである。通常、POS分析では商品1品1品を金額PI値=PI値×平均単価に分解し、この商品を小分類、中分類、大分類などにまとめ、マーチャンダイジング改善の仮説を立ててゆくことになる。この時、マーチャンダイジングの仮説を立てやすくするために、一目でわかりやすくまとめた一覧表がMD評価表である。当然、評価をすることになるが、金額PI値=PI値×平均単価であるので、評価は金額PI値で評価される。その際、金額PI値がアップする場合がPI値だけ、平均単価だけ、双方となるので3パターン、ダウンする場合もPI値だけ、平均単価だけ、双方となるので、3パターン、合わせて6パターンとなる。
  
   これが通常のPOS分析におけるMD評価表であり、基本は商品を評価することがポイントとなる。では、ID-POSの場合はどうか。ID-POS分析の場合はIDが主体となり、客数は以前、本ブログでも解説したように6パターンある。会員、非会員、そして、この会員が購入会員、未購入会員に分かれ3パターン、さらに、会員は購入、未購入がID、レシートに分かれ、非会員が購入、未購入に分かれ、全部で6パターンである。したがって、ID-POS分析を行う場合は、客数が基本6パターンとなり、しかも、IDが把握できる会員とIDが把握できない非会員とに分かれる。通常のPOS分析が原則、客数は総レシート枚数のみであったことを考えると、客数が6パターンあり、金額PI値ひとつとっても様々な金額PI値が存在し、よく整理して活用しないと、袋小路に陥ってしまい、収集がつかなくなってしまうので、気をつけける必要がある。
  
   ただ、基本方程式はひとつであり、通常のPOS分析が金額PI値=PI値×平均単価であるのに対し、ID金額PI値=ID客数PI値×金額PI値のみである。もちろん、金額PI値=PI値×平均単価であるので、ID金額PI値=ID客数PI値×金額PI値=ID客数PI値×PI値×平均単価となる。さらに、ID客数PI値×PI値=IDPI値であるので、IDPI値を付けくわえても良い。ちなみに、粗利まで把握するのであれば、金額PI値×粗利率=粗利PI値となるので、ID客数PI値×粗利PI値=ID粗利PI値ともなり、これらを必要に応じて追加し、マーチャンダイジングを売上面だけでなく、粗利面からの評価を入れても良い。
   
   さて、ここからが本論であるが、この基本方程式、ID金額PI値=ID客数PI値×金額PI値をもとに作成されるマーチャンダイジングの評価表がID-POS分析におけるMD評価表である。基本はこの式だけであるので、あとは、縦軸、横軸、そして、客数変換が新たに加わり、ID-POSのMD評価表ができあがる。

   まず、基本フォーマットであるが、縦軸がID、横軸がID金額PI値、ID客数PI値、金額PI値となる。これが基本形である。あとは応用で、金額PI値の次に、PI値、平均単価、粗利率、粗利PI値、ID客数PI値などの関連指標をつけておくと便利である。さらに、その指標のもととなった、総ID数、総レシート枚数、売上金額、売上数量、粗利高、売上構成比、ID構成比などをつけておくとさらに、活用しやくなろう。
  
   そして、客数変換であるが、これは、まず、全体の会員を基本にしたもの、購入IDのみに絞ったもの、特定IDに絞ったものなど、様々な客数を分母にしたものが考えられるので、これは目的に応じて客数を自由に変換すれば良い。通常は、ID-POS分析であるので、購入IDを基本形にした方が良いかもしれない。たとえば、青果でいえば、青果購入IDであり、バナナであれば、バナナの購入IDである。
  
   ここまでできれば、あとは縦軸であり、この縦軸がもうひとつのID-POS分析ならでの軸となる。まず、基本はID分類となる。分類ができなければ、全IDをそのまま縦一直線に並べれば良い。1,000行でも、2,000行でも、10,000行でも、100,000行でも並べれば良い。そして、これを様々な角度から顧客分類を考え、3パターン、5パターン、10パターン、100パターン等に分類し、意味のある顧客グループをつくることがポイントである。
  
   統計学的には因子分析をもとにデンドログラムをつくるなどもひとつの方法である。あるいは、単純に年齢別、男女別、地域別、家族構成などで分類してみることも良いと思う。さらには、各指標で分類し、ID金額PI値の高いグループ、低いグループ、ID客数PI値の高いグループ、低いグループなどである。これ以外にも、RFM分類、単純な売上金額によるデシル分類など様々な分類が考えられる。そして、もう一点、この縦軸を商品分類とすることもありである。これは、通常のPOS分析の応用系であり、縦軸を顧客分類で見るのではなく、商品分類に転換して見てみることである。
  
   このように、ID-POS分析におけるMD評価表はダイナミックに変化するフォーマットであり、客数によるパターン、縦軸を顧客IDにしたパターン、商品分類にしたパターンなど同じフォーマットが次々に七変化してゆき、ひとつのフォーマットでマーチャンダイジングが判断されるわけではなく、様々な変化の中でマーチャンダイジングの仮説をつくことがポイントであるといえよう。まずは、縦ID、横指標、客数は購入IDでつくり、様々な商品のMD評価表をじっくり見てみることからはじめると良いと思う。それだけでも、これまでのマーチャンダイジングの固定観念が大きく変わり、思いがけない発見があると思う。

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January 27, 2009 in CRM、FSP, 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

January 21, 2009

ID-POS時代の客数、どうとらえたら良いのか?

   ID-POS分析が即実践に応用しにくい大きな要因のひとつに客数という問題がある。一般的にPOS分析では客数というとレジ通過客数、すなわちレシート枚数のことであり、しかも、来店総客数、総レシート枚数のことである。この客数を分母にし、売上金額、売上数量、粗利金額など様々な営業数値を分子にし、算出するのがPI値であり、POS分析はPI値分析のことといっても過言ではない。では、ID-POS時代の客数はどう考えたらよいだろうか。これがなかなか共通認識がなく、様々な客数が使われ、ID-POS分析に混乱をきたしているといえる。そこで、ここでは、ID-POS時代の客数をどうとらえたら良いかをまとめてみたい。

   まず、ID-POSで抑えなければならない最も重要な客数は総ID数である。この総ID数はある一定期間に1度でも来店されたIDの総数であり、この客数がID-POS分析では基本になる。そして、これに対応する客数がそのIDの総レシート枚数である。通常のPOS分析の時のレジ通過客数のように思えるが、少し、違うのは、この総レシート枚数はあくまでも、IDのレシート枚数であって、IDとして把握できていない、いわゆる非会員のレシート枚数は含まないので注意が必要である。ID-POSの場合は、必ず、IDが把握できる会員、IDが把握できないレシートのみの非会員とに大きく分かれ、レシート枚数も会員のIDが把握できるレシート枚数とIDが把握できないレシート枚数に分かれる。この2つを足したものが、レジ通過客数であり、従来のPOS分析の客数のことである。

   したがって、ID-POSの場合は会員比率が重要であり、売上金額、売上数量、粗利などすべて会員と全体、そして、非会員とに分けることがポイントとなる。ちなみに、会員比率といった場合、IDの比率は非会員のID数が把握できないので、算出は不可能である。可能な会員比率はレシート枚数、売上金額、売上数量、粗利などである。一般的な食品スーパーマーケットでは大体会員比率は80%から90%ぐらいになるのが通常であり、残り10%から20%は会員化は難しいのが現状である。

   このように、まず客数といった場合、会員、非会員を含めた総レシート枚数、これが、従来のPOS分析の客数であり、ID-POSになると、これに、会員ID数、会員レシート枚数が加わり、基本の分析は、会員ID数となり、分析が進んでゆく。たとえば、会員のレシート枚数÷ID数をID客数PI値といい、ID1人当たりのレシート枚数を表し、購入頻度分析などが可能となる。このID客数PI値がID-POS特有の指標のひとつであり、この指標がID-POSでは縦横無尽に活躍することとなる。

   この3つの基本客数に加え、ID-POSではさらに、一歩踏み込んで、購入客数と未購入客数とに分けるのが一般的である。この分解は従来のPOS分析でもレシートだけであれば可能ではあったが、そこまで分析し、実践に活用していた事例は皆無に近いといえ、ほとんどのケースが総客数、すなわち、総レシートどまりであったといえよう。

   通常のPOSの時代ではあまり実用性がなかった客数の分類であるが、ID-POSの時代には必須の分析ともいえ、購入と未購入に分けて客数をとらえることは実践面でも重要な分類である。では、どのように購入と未購入を分けるかであるが、まず、ID全体を購入IDと未購入IDに分けることができる。そして、さらに、購入IDのレシート枚数、未購入IDのレシート枚数を算出することが可能となり、客数は先ほどの3つの客数、総レシート、総ID、総IDレシートが購入、未購入に分かれ、全部で3×2=6通りの客数が理論的には区別することができる。これがID-POS時代の客数の基本である。

   整理すると、客数はまず、総レシート枚数からはじまる。そして、IDの把握ができるようになると、ID客数の把握が可能となる。これがID-POS分析の第1歩となる。そして、そこから、IDのレシート客数が生まれ、客数は総レシート枚数、ID数、IDのレシート枚数と3つの基本客数ができあがる。これが基本である。そして、ここから応用となるが、今度はこの3つの客数それぞれを購入客数と未購入客数に分けることがポインとなる。まず、総レシート枚数であるが、購入レシートと未購入レシートである。次に、IDであるが、購入IDと未購入IDである。そして、最後が、購入IDのレシート枚数と未購入IDのレシート枚数である。これで全部で6つの客数ができあがる。

   このように、ID-POSの時代の客数はこの6つの基本客数が存在し、顧客の購買行動をより深く分析することができ、ここから様々なマーチャンダイジングの仮説をつくることが可能となり、検証の精度も向上する。また、通常のPOS分析では、顧客を細分化できなかったため、顧客分析よりも商品分析が重点となったが、ID-POS分析では、商品分析に加え、顧客分析が重要な分析手法となり、マーチャンダイジングもより顧客起点のものとなってゆく。また、工夫次第では、さらに、購入者IDをつきつめ、リピート分析に踏み込むことも可能となる。POS分析もIDを把握できたことにより、これまで見えなかった、また、踏み込むことができなかった領域に踏み込むことが可能となり、様々なマーチャンダイジングの可能性を広げることができるようになる。ID-POSはまだまだ始まったばかりであり、今後より実践的な研究開発に踏み込んでゆきたい。

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January 21, 2009 in CRM、FSP, 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

December 09, 2008

ID-POS時代のマーチャンダイジングとは?

   いま、POSからID-POSへと急激に変化が生じている。それにともない、マーチャンダイジング手法にも変化が生じ、これまでの手法に新たな手法が開発されつつあり、数年後には、ID-POSのマーチャンダイジングがこれまでのマーチャンダイジングを凌駕し、新時代を築くのではないかと予想される。そこで、今回は現時点で、ID-POSにおける将来の新たなマーチャンダイジング手法を予想し、今後の動向をうらなってみたい。

   まず、最も変化するのはマーチャンダイジングの目的であろう。通常のPOS分析はレシート分析までが限界であり、レシート1枚当たりの売上をいかにあげるかがマーチャンダイジングの目的であった。いわば、微分の世界であり、レシート1枚当たりの瞬間的な数字を引き上げ、将来の数字を変化させることに主眼があったといえる。レシート1枚当りはわずかな変化であるが、そのわずかな変化でも、レシートが1億枚になれば、大きなボリュームとなり、莫大な利益をもたらすことになる。そのため、1円にこだわるマーチャンダイジングが基本となり、レシート1枚当たり1円をいかに上げるかが重要なマーチャンダイジングの目的であったといえる。

   これに対して、ID-POSの目的はレシートにもこだわるが、それ以上にIDにこだわるマーチャンダイジングであり、ID、すなわち、顧客一人当たりの売上をいかにあげるかが、その目的となる。微分に対して、積分の世界であるといえる。なぜなら、IDは時間とともに、レシート枚数が増加し、IDの売上をあげるとは、レシート当りの売上をあげつつ、それ以上にレシート枚数を増やすことにが目的となるからである。しかも、この時間がくせもので、1秒、1分、1時間、1日、1週間、1ケ月、1年、・・100年、・・と無限に続く時間があり、最終目的は、ID、すなわち、その顧客の一生涯となるからである。ID-POSの目的はその意味で、瞬間的なマーチャンダイジングを考えるのではなく、顧客の一生涯のマーチャンダイジングを考え、いかに顧客当りのレシート枚数を増やすかが、その目的であるといえる。これは、逆転の発想でもあり、仮に、レシート当りの売上が落ちたとしても、レシート枚数を増やせばいいではないかという発想も成り立ち、POSの世界の最重要目的であったレシート当りの売上をあげることは主目的ではなくなり、むしろ、レシート枚数を増やすことが重要な目的となる。  

   ここから、小売業の常々提唱してきた顧客志向の理念がマーチャンダイジングの目的と一致することになる。よくいう、FSPではなく、CRMという言葉の方がぴったりくることもわかる。FSPは政策的な要素が強いが、CRMは理念を示しており、いかに顧客との関係を良好に保つかがポイントであり、まさに、ID-POSの一生涯の顧客との関係を考えたマーチャンダイジングを実践するという手法と合致し、CRMの方が、ID-POSのマーチャンダイジングに近い言葉といえよう。

   では、POSとID-POSではその目的の違いが、これまでのマーチャンダイジング政策をどのように変えるかを考えてみたい。最も大きく変化するのが、価格政策であろう。これまでの価格政策はレシートに記載された商品に対する値引きしかできなかったが、ID-POSではIDへの値引き(還元)が可能となり、理論的にはIDごとの値引き(還元)が可能となる。いわゆる、PLU(プライスルックアップ)というPOSレジの基本技術である商品1品ごとの価格設定により、商品のバーコードをスキャンした瞬間に価格がルックアップする仕組みが、ID-POSではIPLU(IDプライスルックアップ)という仕組みが基本となり、IDコードをスキャンした瞬間にその顧客への特別還元の価格がルックアップする仕組みになることである。当然、粗利管理も商品ごとの粗利管理ではなく、顧客ごとの粗利管理となり、しかも、瞬間的な粗利管理ではなく、IDごとの一生涯を想定した粗利管理となり、顧客と商品との関係が深まれば深まるほど(レシートの枚数が増える)その商品の価格はその顧客特有のお得な価格となり、しかも、全体の粗利率は落ちないという結果になる仕組みといえよう。

   これ以外にも通常のマーチャンダイジング政策もこれまではレシート1枚当たりの売上をあげることにが目的であったが、今後はむしろレシートの枚数を増やすことが目的となるため、顧客が再度その商品を購入していただくにはどのようなマーチャンダイジング政策を考案すれば良いかを考えるようになり、プライスライン、品揃え、棚割、レイアウト、商品プレゼンゼンテーション、そして、POP、ちらし等の販促、すべてID-POS分析指標で再検証されることになり、何が最もレシートの枚数を増やすことに効果があったのかを競いあい、顧客との良好な関係を現場がID-POSデータを見ながら取り組んでゆくことになろう。

   このように、ID-POSの時代はまず、マーチャンダイジングの目的が根本的にかわり、レシート管理からID管理へと転換し、価格政策、粗利管理も180度変化し、さらには、これまでのマーチャンダイジング政策が全面的に再検証されることになるといえよう。数年後にはおそらく、現在の情勢を見るとID-POSの時代になると思われ、ID-POSが普及することにより、真の顧客指向を小売業が追い求める時代になるのではないかと思う。

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December 9, 2008 in CRM、FSP, 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

November 20, 2008

ID客数PI値(来店頻度)、到来の予感!

   以前、本ブログでも解説したが、PI値には3つある。金額PI値、PI値、そして、客数PI値である。通常のPOS分析では、この内、金額PI値、PI値を活用し、客数PI値はあまり活用することがない。まれに、支持率という指標で、客数PI値を使うこともあるが、参考指標として、活用するのが実態であるといえよう。この時の客数PI値は、たとえば、青果の支持率を青果のレシート枚数(客数)÷全体のレシート枚数(客数)とし、レシート÷レシートで算出するのが実態である。ただ、この支持率を活用して、金額PI値、PI値との関係を導き、マーチャンダイジングへ活用した事例はほとんどなく、通常は金額PI値、PI値で留まっているのが実態といえよう。

   仮に、現在のPOSデータでもレシートの客数PI値を自由に算出できることができれば、PI値分析はもっと進歩したと思うが、現状のPOS分析ではレシートの客数PI値を自由に算出できるシステムは稀であり、参考に算出することはあっても、活用するところまではいっていなかったというのが実態である。

   では、レシートの客数PI値が算出できていたら、どのようなことが可能となったかであるが、それはこれまでの、金額PI値=PI値×平均単価に客数PI値が加わり、金額PI値=客数PI値×グループのPI値×平均単価という数式が可能となった。ここで、客数PI値とは、グループの客数(レシート)÷全体の客数(レシート)であり、グループのPI値とは、グループの買上点数÷グループの客数(レシート)である。青果でいえば、青果の金額PI値を青果の客数PI値(レシート)、青果のみのPI値、青果の平均単価に分けて考えることができるということである。

   これで、何が便利になるかであるが、これまで金額PI値=PI値×平均単価から、PI値が青果の客数PI値と青果のみのPI値に分けることが可能となり、PI値アップを客数(レシート)と青果のみのPI値に分けて分析ができ、これまでの買上点数アップだけでなく、青果の客数(レシート)アップを目指すマーチャンダイジングを検討し、検証することができるようになるということである。特に、青果のレイアウトの改善、検証には青果のPI値よりも、青果の客数PI値(レシート)の方が、より精度の高い仮説検証が可能となる。販促も同様、客数(レシート)を増やしたのか、点数を増やしたのかの分解ができ、より明確な意図をもった販促を行うことができるようになる。
  
   このように、これまでのPOS分析でも客数PI値(レシート)を導入することで、マーチャンダイジングの仮説検証の精度は飛躍的にアップするが、残念ながら、ここまで客数PI値(レシート)を算出でき、MD方程式を活用できる仕組みがなかったので、POS分析は、金額PI値=PI値×平均単価で止まってしまっていたのが実態といえよう。
  
   ところが、突然、ここ最近、IT技術の発展によって、新POSが旧POSに変わり、各食品スーパーマーケットで導入されるようになって、ポイントカード対応のPOSシステムが一般化しはじめ、いきなり、ID-POS分析が可能となるケースがではじめている。私のクライアントでも、ここ最近、規模の大小を問わず、ID-POS分析対応の新POSを導入する食品スーパーマーケットが増えはじめているのが実態である。こうなると、従来のレシート分析から、いきなり、ID-POS分析へと発展し、これまで、ほとんど活用されなかった客数PI値が脚光をあびはじめている。びっくりである。ただ、POSメーカーにしっかりした理論展開ができていない場合が多く、現場では、せっかく算出された標準帳票を、ID-POS分析用に再度、作り直すケースもままある。
   
   ではID-POSとこれまでのPOSとは何が違うのかであるが、決定的な違いは、レシートで見るか、IDで見るかの違いである。先に、POS分析では、金額PI値=客数PI値(レシート)×グループPI値(レシート)×平均単価(レシート)として説明したが、これが、ID-POSになると、金額PI値(ID)=客数PI値(ID)×グループPI値(ID)×平均単価(ID)となり、レシートを客数として分析したものが、すべてIDに置き換わる分析となることである。すべてのPOS分析の指標にIDがつき、レシートの世界とIDの世界が併存して、パラレルで走り始め、この2つは交わることがなく、どこまでも並行線で分析が突き進み、その世界の中で完結することになる。したがって、ID分析がはじまると、これまでのレシートの世界から別の世界に移ってしまうので、戸惑ってしまうのが実態であり、導入初期の頃は様々な混乱が起こる。
   
   ただ、この2つの世界を翻訳するキーがないのかというと、それが、たったひとつだけ存在する。ID客数PI値である。ID客数PI値はレシート枚数÷ID数のことであり、レシートとIDの関係を決定づける唯一の指標である。これは一般には来店頻度ともいわれる指標であり、たとえば、1週間にAさんが3回来店しているとすると、ID客数PI値は3回÷1IDとなり、3がAさんの1週間におけるID客数PI値であり、来店頻度である。
   
   このID客数PI値という指標を活用することによって、レシートの世界とIDの世界を結びつけることが可能となり、ID金額PI値(ID)=ID客数PI値(レシート/ID)×金額PI値(レシート)、IDPI値=ID客数PI値×PI値とレシートの世界の金額PI値もPI値もIDの世界のID金額PI値、IDPI値と関係づけることが可能となり、2つの世界の翻訳が可能となる。ID-POS分析が可能となったら、このID客数PI値を存分に活用し、新たなマーチャンダイジングの世界をぜひ切り開いて欲しい。

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November 20, 2008 in CRM、FSP, 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

October 15, 2008

レシート3枚でわかるID分析とレシート分析の違い!

   最近、ID分析とレシート分析の話をする機会が多くなった。また、実際、私のクライアントの小売業、メーカーでもID分析がはじまりつつある。そこで、改めて、ID分析とレシート分析の違いとその関係を整理しておきたい。最近よくこの違いを説明するために使う事例がレシート3枚による説明である。恐らく、ID分析とレシート分析を理解するには、たった3枚のレシートで説明できるのではないかと思う。2枚でも説明は可能だが、ID特有の分析を説明するには不十分であり、やはり最低3枚は必要かと思う。
   
   その3枚であるが、1枚はaさんがトマト1個を買ったレシートである。実際には購入数量と購入金額などのデータも入るが、ここでは話をわかりやすくするために、購入数量のみでレシートを示す。2枚目はaさんが1枚目のレシートの次に、トマト2個を購入したレシートである。一応、ここでは時間を定義する。1枚目と2枚目のレシートは購入順序があり、1枚目が先であり、2枚目が後とする。実は、ID分析では時間がレシート分析よりも決定的に重要な要素となる。これで2枚のレシートの定義ができた。そして、3枚目のレシートがbさんがトマトを購入しなかったレシートである。いわゆる0レシートであり、これはトマトを0個購入したレシートとする。要するに、その店舗に来店し、何かを購入したのだが、トマトは購入しなかったというレシートである。
  
   これですべてである。ID分析とレシート分析を理解する上では、この3枚のレシートがあれば、恐らく、すべて説明できると思う。さて、まず、レシート分析について説明する。ここで、分析ということで、最も一般的なPOS分析、PI値分析で、この3枚のレシートを分析してみたい。PI値とは、購入数量÷客数(レシート枚数)で定義する指標であり、食品スーパーマーケットでは最もメジャーな指標であり、この20年間で日本中の津々浦々の食品スーパーマーケットに普及した指標のひとつといえよう。ここでは、私が使うPI値として、%、すなわち、100倍でPI値を表現することにする。一般的には小売業は100倍、メーカーは1,000倍を使うケースが多いが、小売業の実務では100倍、%がおすすめである。
   
   さて、まず、レシート分析であるが、通常のトマトのPI値はトマト3個÷レシート3枚=100%となる。これが最もメジャーなPI値算出方法であり、恐らく、PI値を算出する場合はこのPI値となる場合がほとんどであろう。ただ、よく見ると、このPI値は少し違和感がある。それは、トマトのPI値を算出しているのに、トマトを購入しないbさんのレシートもカウントしているからである。いわゆる0レシート問題である。実は、この0レシート問題はPI値分析では重要なテーマであり、0レシートを含めるか含めないかは議論が分かれるところである。

   当然、0レシートを排除して算出するPI値もあり、この場合はトマト3個÷レシート2枚=150%となる。どちらがトマトのPI値をよりよく反映しているかであるが、技術的には、0レシートを区別することがむずかしく、単純に0レシートを含め、すべてのレシートで割ってPI値を算出する場合がほとんである。区別できる場合は、両方を算出し、使い分けることになるが、そこまでレシート分析を行っているケースは現実的には極めて少ないのが実態である。また、この2つのPI値の関係は、0レシートを含めてのPI値(100%)=(トマトの購入レシート÷全レシート)×0レシートを含めないPI値(150%)となり、(トマトの購入レシート÷全レシート)が2枚÷3枚=2/3となり、双方がイコールになる。この(トマトの購入レシート÷全レシート)のことを客数PI値という。

   以上がレシート分析の基本である。これに対して、ID分析であるが、ID分析の場合をPI値に対してID-PI値とする。したがって、トマトのID-PI値はトマト3個÷ID2人=150%である。これは0レシートを含めているので、レシート分析同様、0レシートを含めない場合もあり、その場合のID-PI値はトマト3個÷ID1人=300%となる。ここで、この2つのPI値の関係は、レシート分析同様、0レシートを含めたID-PI値(150%)=ID客数PI値(1人÷2人)×0レシートを含まないID-PI値(300%)となり、双方がID客数PI値で関係づけられることになる。

   このように、レシートの世界もIDの世界もその中で、同じ概念のPI値が走ることになり、双方の中で分析が完結し、進んでゆくことになる。いわば、閉じた空間での分析であり、交わることがない世界である。したがって、ID分析というと、IDの中だけで分析しがちとなるが、実は、ID分析と並行して、レシート分析も走っており、独自の空間を形成していることがわかる。

   では、この2つの世界をつなぐことはできないかと考えてみると、それが実は可能であり、そのポイントが先ほどから何度も登場している客数PI値である。実際に、つないでみると、ID-PI値=ID客数PI値×レシートPI値となる。ここでID客数PI値とはレシート数÷ID数であり、いわゆる来店頻度のことである。実際、0レシートを含めた場合で計算して見ると、ID-PI値=150%、ID客数PI値=150%、レシートPI値=100%であるので、150%=150%×100%となり成り立つことがわかる。0レシートを省いた場合でも300%=200%×150%となり、成立する。

   この研究はまだまだ初歩的な研究段階であり、今後、様々なPI値が創意工夫され、マーチャンダイジングの解明が進んでゆくものと想像される。実際、ここでは言及しなかったがリピートの問題なども、研究テーマであり、まだまだ、レシート分析もID分析も研究途上の分析であるといえよう。マーチャンダイジングは実に奥が深い!

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October 15, 2008 in CRM、FSP, 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

September 23, 2008

現場のためのID-POS活用のポイント!

   食品スーパーマーケット業界のID-POSの時代が真近に迫ってきたように感じる。来月から、私のクライアント、数店舗の食品スーパーマーケットチェーンであるが、ID-POSの運用がはじまる。これまでもポイントカードは導入していたが、そのデータをマーチャンダイジングに活用することができない状況であったが、今回、システムを一新して、ポイントカードのIDデータとPOSデータとのリンクが可能となり、ID-POS分析が可能となった。いま、そのシステムの最終調整に入っているが、恐らく、この10月からはID-POS分析が可能となろう。

   POS分析とID-POS分析では何が決定的に違うかであるが、最大の違いはレシート1枚1枚にIDが振られることである。この1点がPOS分析とID-POS分析の決定的な違いであり、これによって分析の幅が広がり、これまで見えなかった世界が見えるようになり、新たなマーチャンダイジングの政策が企画立案できるようになることである。当然PI値分析もこれまでの金額PI値=PI値×平均単価から、この金額PI値そのものをより深く分析することができるようになる。金額PI値はそもそも、レシート1枚当たりの売上金額である。金額PI値=売上金額÷客数であり、この客数がPOS分析ではレシート枚数であるので、金額PI値=売上金額÷客数(=レシート枚数)となるので、金額PI値はレシート1枚当たりの売上金額ということになる。

   では、この金額PI値にIDがつくとどうなるかであるが、レシート1枚1枚にIDが振られるので、これまで、あるIDのレシートがある期間に2枚、3枚あってもこれを区別することができなかったため、金額PI値を掘り下げることは、ID、顧客視点という観点からはできなかった。ただ、商品視点という観点からであれば、金額PI値を掘り下げることはできたが、そこまで掘り下げているPOS分析は皆無に近い状況であったのが実情である。実は、商品視点から金額PI値を掘り下げるのも、顧客視点、すなわち、ID視点から金額PI値を掘り下げるのも、理論的には全く同じであり、POS分析から、金額PI値を掘り下げる仕組みがもっと実用化されてもよかったと思うのだが、現実は、単純な金額PI値止まりであるのが実状である。恐らく、今後もこの商品視点からの金額PI値の掘り下げはなかなか進まず、一気に、顧客視点、すなわち、ID視点からの金額PI値の掘り下げが先行し、これが、商品視点を包み込んでしまうのではないかと思う。実際、今回、私のクライアントで起こっている現実はまさにこの方向である。

   そこで、この顧客視点、すなわち、ID視点からの金額PI値の掘り下げのポイントであるが、結論からいえば、金額PI値とIDの関係を導くことにあり、数式ではID金額PI値=ID客数PI値×金額PI値となる。この数式がID-POS時代の新たなマーチャンダイジング方程式の基本となる。ここで、ID客数PI値は、ID数÷客数(レシート枚数)であり、ID金額PI値は売上金額÷ID数である。したがって、これまでの金額PI値の研究成果が無駄になるわけではなく、むしろ、ID客数PI値によって、ID-POS分析に組み込まれることになる。
   
   この数式の重要性は、これまで、マーチャンダイジングは金額PI値を引きあげることが重要なテーマであった。そして、そのためには、金額PI値=PI値×平均単価であるので、PI値を引き上げるか、平均単価を引き上げるか、あるいは双方を引き上げるかが重要な課題であった。これが、ID金額PI値では、それにもうひとつの指標、ID客数PI値をひきあげることが、さらに、マーチャンダイジングにとって重要であるということを示していることである。数式からもわかるように、金額PI値だけがあがっても、ID客数PI値が下がってしまったら、ID金額PI値は落ちる場合があるからである。あるいは、逆に、金額PI値が下がっても、ID客数PI値が上がれば、ID金額PI値はあがるということであり、必ずしも金額PI値のアップだけにこだわる必要はなく、場合によっては金額PI値を落として、ID客数PI値を引き上げる戦略的なマーチャンダイジングもありということなる。
   
   ここで重要なことは、ID客数PI値であり、この指標がID-POS分析の最重要指標であるということである。したがって、ID-POS分析にあたっては、まず、IDを把握し、そのIDのレシートが何枚であるかを、正確に把握することが最重要課題であり、それが把握できたならば、そのIDのレシート枚数を増やす、すなわち、来店頻度を引きあげることに全力を傾け、その後、そのレシート当りのPI値(購入点数)と平均単価(購入単価)を引き上げる金額PI値アップへ取り組むということがポイントとなることである。
   
   したがって、現場がID-POS分析ができるようになったならば、まず、取り組むべきは、自分の担当する商品のID数とそのレシート枚数の把握であり、それを把握したら、各IDのレシート枚数をいかに増やすか、すなわち、ID客数PI値(来店頻度)を引きあげるかを必死で考え、その次に、これまでどおり、金額PI値=PI値×平均単価にそって金額PI値アップに取り組むことがポイントとなる。また、ID金額PI値が上がってきたら、IDそのものも増やすことも、現場の課題である。これまでは客数を増やすことがなかなかイメージできなかったが、自分の管理する商品のIDを増やすことは誰でも可能であり、結果、これが、店舗全体の来店頻度アップにつながり、客数アップにつながってゆく。ID-POSはその意味で、金額PI値を包み込み、新たに、客数をも増やす戦略的なマーチャンダイジングが可能になる分析とえいよう。来月以降のこの食品スーパーマーケットでの取り組みが楽しみである。

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September 23, 2008 in CRM、FSP, 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

July 27, 2008

0レシートはいかに、行方不明、IDかレシートか?

   ID-POS分析に取り組んでいると思わぬことが起こる。特に、指標が通常のPOS分析の10倍ぐらいの数になるため、その指標の計算の根拠となるID、レシートがどれとどれを計算しているがわからなくなり、検算をしてみると、合わなかったり、あるレシートが抜けていたりすることが時々起る。たいがいの場合は、算出された数字に違和感を感じ、気づくが、時には、根拠となるID、レシート、その計算式が合っていても、何かおかしいと感じ、あらためて、考え方、すなわち、定義をかえなければならないこともある。その典型的なひとつが0レシートの問題である。
  
   0レシートは、通常、その商品の売上が発生しないため、捨てられてしまい、計算に組み込まれないことが多い。そのため、ID分析では矛盾をきたさないが、レシート分析になると0レシートが除外されるため、矛盾を起こすことがある。たとえば、あるカテゴリーのID-POS分析を行う時、カテゴリーの客数を算出する場合、IDからのアプローチの場合と、レシートからのアプローチの場合で、ID分析結果が違った数字となる場合がある。ID分析からアプローチすると、ある期間にそのカテゴリーを買ったIDをすべて抽出し、当然、そのIDのレシートもすべて抽出される。これを計算式に示せば、ID=ID客数PI値×客数となる。ID客数PI値は客数(レシート枚数)÷ID数、客数はレシート枚数のことである。そして、このレシートは、ある期間にIDが1回でも購入した場合、そのIDのレシートがすべて集計されるので、その期間に2回目に来店し、その商品を購入しなかったレシート、いわゆる0レシートも含まれることになる。

   すなわち、各IDはその期間に様々な購買行動をするが、その対象商品を購入することもあれば、購入しないこともあり、この購入しない、0レシートもそのIDの0回買ったという購買行動であり、これも含めて、ID客数PI値、レシート数÷IDを算出しないと、購入頻度が正確に算出できないといえる。0レシート除いたID客数PI値はIDの正確な購入頻度を表しているとはいえず、購入した時のみの購入頻度を表していることとなる。これはこれで、意味のある分析ではあるが、IDのトータルな分析としては、少し違和感のある分析である。

   IDを起点にしてレシートを収集すればこのことは避けられるが、これが、レシートを起点にしてレシートを収集すると変なことが起こる。すなわち、ある期間に分析対象の商品を購入したレシートのみを抽出し、ID-POS分析をかける場合である。この場合は当然、その期間のその商品の購入レシートのみとなるので、0レシートが除外され、その除外されたレシートからID分析を試みるため、その期間、IDが来店して、その商品を購入しなかったIDがふられた0レシートが行方不明となり、IDがふられた0レシート以外の購入実績のあるレシートのみでの分析となる。したがって、ID=ID客数PI値×客数がIDを起点にした場合と同じ数字にならず、ID数は同じであるが、客数、すなわちレシート数に違いが生じ、それがID客数PI値、すなわち、購入頻度の違いとなって表れてしまう。同じID数でありながらも、ID客数PI値、客数に違いが生じてしまうのである。

   要は、0レシートを客数、すなわち、レシート数に入れるか入れないかの違いであり、これが0レシートの問題である。本来、その商品の購入頻度といえば、ある期間にそのIDがその商品を購入した場合も、しない場合も含めてどのくらいの頻度でその商品を購入するかが自然な購入頻度といえ、購入しない時のレシートを引いてしまうと正確な購入頻度ではなく、購入した時の購入頻度という限定付になってしまい、ID-POS分析としては消費行動を正確に表しているとはいえない分析であるといえよう。

   これを避けるためには、まず、基本概念として、0レシート、すなわち0回購入も重要な顧客の購買行動であり、これも含めてID-POS分析を行うことが顧客の消費実態を正確に表すことであるとの共通認識が必要である。そして、このようなことが起こらないようにするには、分析手順をレシートから分析するのではなく、常にIDから分析することを第1とすることを徹底することである。まず、IDを抽出し、次に、そのレシートすべてを抽出すれば、0レシートが必然的に含まれるからである。これが逆になると、その商品の購入レシートのみが抽出され、その中のIDを抽出した場合、0レシートがどこかへ消えてしまうからである。

   このように0レシートはインドの0の発見ではないが、ID-POS分析にとっては重要な基礎概念であり、顧客の購買行動として0回も、0回買ったという認識し、特に、客数PI値には絶対に入れるべきレシートであるといえよう。おもしろいことに数量PI値、金額PI値は0の場合は存在しないが、客数PI値は0回の場合も存在し、重要な意味をもつので、ID-POS分析にとっては、客数PI値が命であるので、0レシートは必須のレシートである。なお、この0レシートがもたらす、ID-POS分析の意義については、稿をあらためて、本ブログで取り上げてみたい。

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July 27, 2008 in CRM、FSP, 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

July 20, 2008

金額PI値かID金額PI値か、それが問題!

   いよいよ、私のクライアントでもID-POS分析がはじまりつつある。食品スーパーマーケットで数社が取組はじめ、メーカーでも数社が検討に入った。まだまだ、はじまったばかりであり、今後、どのように展開してくのか、楽しみである。そこで、ここでは、ID-POS分析をはじめるにあたって、一番はじめに問題となる金額PI値とID金額PI値の違いとその関係に絞って、実践面も踏まえて解説をしてみたい。

   まず、金額PI値であるが、これは売上金額÷レシート枚数のことである。厳密にいえば、金額PI値は2つあり、全来店顧客を前提にしたレシート枚数とポイントカードなどのIDのみの顧客のレシート枚数を分母にした金額PI値がある。ID数が来店顧客と一致すればこの2つは同じ金額PI値となるが、実際はポイントカードの使用比率は70%から80%、低い場合には50%から60%となるため、まず、一致することはなく、2つの金額PI値が存在することになるが、ここでは、IDのレシートを分母とした金額PI値について取り上げる。したがって、この金額PI値はIDに絞ったレシート枚数を分母とした金額PI値のことである。

   次に、ID金額PI値であるが、これは、売上金額÷ID数のことである。金額PI値との違いは分母がレシート枚数であるか、ID数であるかの違いであり、分母はIDの売上金額であり、同じ数字となる。したがって、どちらも、1人当たりの売上金額といえるが、金額PI値はレシート1枚当たりの売上金額であるのに対し、ID金額PI値はID1人当りの売上金額となる。

   通常、POS分析というと、レシート1枚当りに換算した金額PI値を使用し、この金額PI値を1円でも高めることがマーチャンダイジングの目的となる。そして、そのために様々な仮説をつくり、アクションを起こし、検証し、次の仮説につなげてゆくというPDCAサイクルを繰り返し、金額PI値アップを目指してゆく。ところが、ID-POS分析の場合は、IDを前提したID金額PI値を使用し、ID当たりの売上金額をいかに高めてゆくかが目的となる。金額PI値の場合はIDが把握できないため、すぐに、商品個々の分析に入り、商品からのアプローチしかできないが、ところが、ID金額PI値の場合は、IDが把握できるために、すぐには商品にいかず、IDに直接働きかけることが可能となり、顧客へのアプローチが可能となる。商品個々に落とした場合も同様に、その商品の購入顧客へ直接働きかけることが可能となる。これが金額PI値とID金額PI値の決定的な違いであり、見方を変えれば、IDが把握できるのであれば、ID金額PI値を算出し、直接顧客IDに働きかけるアプローチをすべきといえよう。

   さて、ここからが、今回のブログのテーマであるが、では、この金額PI値とID金額PI値とはどのような関係となっているかである。以前もブログで何回か取り上げているように、この2つは、客数PI値で媒介される。客数PI値にも2つあり、IDを分母とするID客数PI値とレシート枚数を分母とする客数PI値とがあるが、ここでは、ID客数PI値を使い、この2つの金額PI値を結びつけてみると、ID金額PI値=ID客数PI値×金額PI値となる。これがID-POSにおける基本公式である。ここで、ID客数PI値とはレシート枚数÷ID数のことであり、一般には購入頻度といっている指標である。ある期間にある顧客が何回購入したかを表す指標であり、ID-POS分析では実に重要な指標のひとつである。

   したがって、ID-POS分析の最も重要な基本公式はID金額PI値=ID客数PI値×金額PI値といってよく、これが金額PI値とID金額PI値の違いであり、関係であるといえる。この式の意味することは、ID金額PI値を引きあげるには、ID客数PI値を引き上げるか、金額PI値を引き上げるか、ないしは双方を引き上げるかの3択問題となるということである。実はここが重要なポイントであって、これまで、通常のPOS分析で取り組んできた金額PI値アップは、通常のPOS分析では目的であったが、ID-POS分析では手段となってしまうということであり、目的はID金額PI値を引きあげることにあるということである。

   これは頭を柔らかくしないと、理解できないことであり、たとえば、金額PI値を落としても、ID客数PI値(購入頻度)をそれ以上に引き上げてしまえば、ID金額PI値は高くなるということであり、むしろ、現実にはこのようなことがいくらでもあるということである。金額PI値しか把握できなかった時代は金額PI値を下げることは許されないことであったが、ID-POS分析がきで、ID金額PI値が算出可能となった段階では金額PI値を引きあがることは望ましいが、それ以上にID客数PI値を引き上げることが、さらに重要な課題となり、金額PI値だけでなく、ID客数PI値とのバランスをとったマーチャンダイジング政策をIDレベルでつくってゆくことが課題となるということである。

   ID-POS分析はまだはじまったばかりであるが、スタートの時点で、まず、理解しなければならならい基本の基本となる公式は、このID金額PI値=ID客数PI値×金額PI値であり、この基本公式からID-POS分析ははじまるといってよい、極めて重要な公式であり、概念である。

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July 20, 2008 in CRM、FSP, 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

June 19, 2008

ID分析の決定的な違いとは?

    前回のブログで、レシート分析の世界とID分析の世界が互いに客数PI値でつながっていることを解説した。また、基本的にこの2つはレシート分析≦ID分析という関係があり、ID分析はレシート分析の上位概念と捉えられ、レシート分析で可能な分析はID分析ですべて可能であるが、逆にID分析で可能な分析の中にはレシート分析でできない分析があるということも解説した。そのひとつが、ID特有の顧客セグメントであり、たとえば、顧客属性がこれにあたる。ただ、顧客属性は通常のポイントカードでは正確に把握することが難しく、性別はかなり確かな属性として把握できても、年齢、その他は入会時に正確に記入してもらえるかは難しいものがあり、現実の食品スーパーマーケットのポイントカードでは属性の正確な把握はかなり難しいのが実態である。

   そこで、食品スーパーマーケットでID特有の絶対的な顧客セグメントは何かと考えて行くと、現在最も精度の高い顧客セグメントは購買行動によるセグメントであるといえよう。その中でも、ほぼ実用化され、定評のある顧客セグメントは購買頻度による顧客セグメントである。典型的な分析方法が、IDをその商品に購入経験により、セグメントすることである。その商品を購入したか、しなかったかはレシート分析でもできる顧客セグメントできるが、商品を購入した経験があるか、そして、その中でも、複数回購入した経験があるかについては、ID分析以外把握できない顧客セグメントであり、レシート分析では、購入レシートと未購入レシートの区別まではつくが、購入レシートの中で複数回購入しているかを区別することは不可能な話である。また、未購入のレシートにおいても、レシート枚数まではわかるが、そのIDが何人なのかまでは把握ができず、ここでもIDとレシートの差が明確である。

   その意味で、レシート分析とID分析の決定的な違いは、特に食品スーパーマーケットにおいては顧客属性よりも、顧客の購買行動にあるといえ、その観点から顧客セグメントに分けて分析できることにあるといえよう。

   では、この時、売上を分解すると、どのような数式になるかを考えてみたい。数式を簡単にするために、典型的なケースを考えてみる。バナナの購入顧客、すなわち、IDが10人であった場合、このIDを分析してみた結果、はじめてバナナを購入したIDが3人、バナナを複数回購入した経験のあるIDが7人であった場合である。通常のレシート分析ではこれらは区別できないため、10人の総レシート枚数が客数となり、レシート分析が進んでゆく。ID分析の場合は、このような購買行動の区別が可能なため、はじめて購入したバナナの購入顧客3人のIDをセグメント客数にした分析と、バナナの複数購入顧客7人のIDをセグメント客数にした分析とに分けることができ、バナナ全体のID、10人の中身をバナナの購買行動で分けることが可能となる。この時の基本は10ID=3ID+7IDとなり、これがID分析の基本となる。

   すなわち、レシート分析ではひたすらレシートの枚数を増やすか、レシート内の売上金額である金額PI値を引きあげるかにより、バナナの売上を伸ばすマーチャンダイジングのみであった。これが、ID分析では、そのレシート枚数の中身がID10人、さらには、はじめてバナナを購入したID3人、バナナを複数回購入したID7人とに分けられ、それぞれ、そのレシート枚数、レシートの売上、金額PI値が把握できる。したがって、そのマーチャンダイジングは、ID10人を11人、12人とすることであり、そのためには、バナナをまだ購入していない顧客にバナナの購入を促すことであり、さらに、バナナをはじめて購入した顧客に再度購入を促すことであり、理想的には全顧客IDにバナナを購入してもらい、しかも、複数回、バナナを購入してもらうようなマーチャンダイジングの仮説をつくって、商品からのアプローチとID特有の直接何らかの方法で顧客IDに働きかけることにより、バナナの売上をのばすことが、ID特有のマーチャンダイジングといえる。

   このように、ID分析は同じ購入客の購買行動にまで踏み込み、その顧客セグメントにもとづいたマーチャンダイジングを改善することにより、顧客の数を増やしながら、その購買行動にもとづいたマーチャンダイジング政策を検討し、改善することが可能となるのが最大の特徴といえよう。

   実は、レシート分析でもこのような考え方を応用すると様々な分析が可能となる。たとえば、バナナを購入しているレシートと購入していないレシートを分析し、顧客をセグメントする方法である。通常バナナの購入しているレシートはバナナの売上金額、売上数量があがるので、分析対象となるが、バナナを購入していないレシートはバナナの売上金額0、売上数量0であるため、活用されることなく捨てられるが、バナナ以外の購入商品の数字、たとえば、レシート全体の数字であれば、活用可能となり、バナナの購入レシートのセグメントとバナナを購入していないレシートのセグメントに分けて分析するなど、様々な分析が可能となる。顧客セグメントはその意味で実に奥が深いテーマであり、ID分析の醍醐味でもある。

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June 19, 2008 in CRM、FSP, 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

June 18, 2008

金額PI値とID金額PI値について

   前回に続き、レシート分析とID分析の話である。今回はこの2つの世界観をより具体的に理解するために、金額PI値という指標に絞って、見てみたい。ここで、金額PI値といった場合は、これまで、小売業では通常実施してきたレシート分析の指標とし、ID分析の場合はIDを頭につけてID金額PI値というように表現し、金額PI値を区別して使ってゆきたい。

   この2つの世界をわかりやすく理解するために、具体的な数字で見てみたい。ある期間にIDが10人、レシート枚数が100枚、売上金額が100,000円の場合である。この場合、ID分析の場合のID金額PI値は100,000円÷10人であるので、=10,000円となる。同様にレシート分析の場合は、金額PI値=100,000円÷100枚となり、=1,000円となる。同じ金額PI値でも100倍違う数字となり、この瞬間に、レシート分析の金額PI値で数字に慣れてしまった場合は、その桁数があまりに大きくなり、理解ができなくなってしまう。これが、さらに、期間が伸びて、IDは同じ10人、レシート枚数が200枚、売上金額が200,000万円となった場合は、さらに戸惑うことになる。この時のID金額PI値は200,000円÷10人であるので、何と20,000円となり、先ほどのケースの場合の金額PI値が2倍となってしまう。ところが、レシート分析上では、金額PI値は200,000円÷200枚であるので、1,000円となり、金額PI値は同じ数字で変わらないからである。

   ID金額PI値はこのように期間の取り方によって、通常の小売業の数字では倍々ゲームとなり、時間とともに増加してゆく数字となるのが通常であり、一般的に金額PI値は客単価であるので、時間とともに倍々となってゆくなど創造できない世界であり、まず、ここで、ID分析がわかりづらくなってしまう原因がある。まさに世界観が違うといえ、レシート分析では時間というものがさほど意識されなかった世界であったが、ID分析では時間が極めて重要な概念となり、どの期間でのID金額PI値なのかが厳密に問われなければ、比較検討がそもそもできない世界であるといえる。

   一方、客数の方は今度は逆の動きとなる、レシート分析の場合は先ほどの事例では100枚が200枚と倍となったが、ID分析の場合はIDは10人で変わらずであり、変化がない。金額PI値とは対照的な動きであり、レシート分析は期間とともに、客数が増えてゆくが、ID分析の場合は期間とともにIDはあまり増えず、変化が少ないといえる。

   したがって、レシート分析の場合は、売上=客数(レシート枚数)×金額PI値であり、時間とともにレシート枚数が大きく変化し、金額PI値は客数ほど大きな変化はないことがわかる。逆に、ID分析の場合は売上=客数(ID数)×ID金額PI値であり、時間とともにID金額PI値が飛躍的に増大し、客数はあまり大きな変化がないという好対照な結果となる。

   これだけ、世界観が違うと、売上の根幹指標のひとつである客数と金額PI値が全く正反対の動きとなり、実に理解しづらい指標となり、まず、話が通じるはずがなく、これまで、通常取り組んできたレシート分析のマーチャンダイジングがIDの世界では対照的な動きとなり、理解不能となってしまうのが通常である。レシート分析では通常、マーチャンダイジングの改善は変化の起こりにくい金額PI値に焦点を当て、さらに、金額PI値をPI値と平均単価に分解し、単品ごと、カテゴリーごとの課題を抽出し、その解決をはかってゆくという流れになるが、この流れを、ID分析に適用しても、ID金額PI値が時間とともに急激に増大するため、とらえにくい動きとなり、ID分析でマーチャンダイジングを改善するには別のアプローチが必要となる。むしろ、IDに焦点をおき、IDを増やすことにマーチャンダイジングの焦点を当てることが正解といえ、IDの変化をもたらすための仮説検証がID分析では重要な政策といえよう。ID金額PI値については、このまま活用するよりも、一旦、金額PI値との翻訳作業を行い、翻訳後、再度、ID金額PI値を改善するマーチャンダイジングを検討した方がよさそうである。

   実は翻訳作業はさほど難しい作業ではなく、客数PI値ひとつで簡単に双方の世界へは変換が可能であり、その返還を行うことで、レシート分析で培われたノウハウをID分析へ応用することができ、逆に、ID分析で新たに作られるノウハウをレシート分析に翻訳し、活用することもできる。

   たとえば、レシート客数とID客数は客数PI値、ないしは、ID客数PI値で翻訳が可能であり、同様に、金額PI値とID金額PI値も客数PI値とID客数PI値で翻訳ができる。また、この客数PI値とID客数PI値は互いに逆数となっており、双方を掛け合わせると1となる関係であり、客数PI値=1/ID客数PI値という関係である。ここで、客数PI値とはID÷レシート枚数であり、ID客数PI値は逆数のレシート枚数÷IDのことである。

   このようにレシート分析とID分析はあまりに対照的な指標となるため全く別な世界のことのように思えてしまうが、実は密接に関係しているといえ、客数PI値、ID客数PI値を加えることで相互の世界をいったりきたりできるようになる。その意味で、これまで蓄積してきたレシート分析のマーチャンダイジングのノウハウは、ID分析が可能になった場合は一度、客数PI値で翻訳し、棚卸をしてみると良いといえよう。マーチャンダイジングの精度が飛躍的にあがるはずである。

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June 18, 2008 in CRM、FSP, 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

June 17, 2008

レシートの世界とIDの世界!

   もう20年近くPOS分析に取り組んできたが、いまだ極めつくせずに、研究をつづけている。まだまだ先が長そうであるが、ほぼ方向性は見えているので、根気よく、取り組んでゆきたい。この研究に時間がかかるひとつの理由は、理論と実践が裏腹の関係にあり、理論の方は知恵を絞れば、比較的構築しやすのだが、実践の方がIT技術の進化、費用対効果の面で中々追いついてこないということがある。約10年前、1998年頃にID-POS分析にはじめて取り組んだ時には、IT技術もまだまだ発展途上であり、ハード、ソフト両面でかなりの設備投資が必要な時代であったが、最近のIT技術の普及は目覚ましいものがあり、いまでは、技術面はほぼ問題ないところまで来ているといえる。

   その意味でいま、POS分析に問われているのは、ID-POSの時代に相応しいマーチャンダイジング理論の構築であり、それを裏づける費用対効果の高い実践事例であるといえよう。通常のPOS分析とID-POS分析はどこが違うのか、どのような関係にあるのかを明確にし、ID-POSでなければならない独自固有の分析手法とその効果を実証し、費用対効果も含めて、ID-POSの導入が本当に小売業の収益の改善に寄与するかを検証することであろう。今後、数年間は、この模索の時代が続くと思うが、私自身にとっても次世代のPOS分析のテーマ、少し気負っていえば、使命として取り組んでゆきたい。

   さて、そのPOS分析であるが、POS分析には客数のとらえ方により、レシート分析とID分析に大きく分かれ、さらに、それぞれが全体客数とセグメント客数に分かれる。この両者は独自の世界を構築し、その世界の中で交わることがなく、完結することができるのが特徴である。どちらも、売上からはじまるのだが、一旦、その世界に入ってしまうと、その世界の中で分析がはじまり、売上が無限の要素に分解されるが、その分解された要素はその世界の中でのみ回っており、売上を起点に表と裏の世界が出現することになるのが特徴である。

   ひとつ例を示せば、売上をレシート分析の主要指標のひとつレシート客数で分解すると、売上=レシート客数×レシート客数当りの金額PI値となる。このレシート客数は全体客数の場合もあれば、セグメントされた客数の場合もあり、セグメント客数を用いた場合は、さらに、売上は、売上=レシート客数×レシート客数PI値×セグメント客数のレシート金額PI値となる。ここで、レシート客数PI値はセグメント客数÷全体レシート客数のことである。したがって、セグメント客数=全体レシート客数となった時は客数PI値=1となり、レシート全体客数の場合はセグメント客数がレシート客数と一致した特殊な場合であることがわかる。

   これに対して、ID客数の場合であるが、売上をID分析の主要指数のひとつであるID客数で分解すると、売上=ID客数×ID金額PI値となり、セグメントIDの場合も売上=ID客数×ID客数PI値×セグメントIDの金額PI値となる。ここで、ID客数PI値はセグメントID客数÷全体ID客数である。

   そして、この2つはどこまで行っても交わることがなく、レシート客数はレシート客数の中で、ID客数はID客数の中で完結し、ぐるぐる回っているに過ぎない。いわば、独自の世界を構築しており、その独自の世界で動いているといえる。問題は、通常、これまで、小売業ではレシート分析の世界でマーチャンダイジングの仮説検証を実施し、そのノウハウを積み重ねてきたため、ID分析でPOSデータが分析された場合、戸惑ってしまい、思考停止か、全く別の世界のこととして理解しようとしてしまうことである。通常、世界観が2つ出現した場合には、新たな世界観の中で新たな世界観を構築するか、または、過去の世界観で構築されたものを、何らかに方法を用いて翻訳し、新たな世界観を理解するかの方法しかないが、現在のPOS分析の現状は、双方がごちゃごちゃになっており、業界全体が戸惑っているのが現状のように思える。

   そこで、歴史的にはレシート分析がはるかに長い歴史があり、マーチャンダイジングについてはこれまで仮説検証が繰り返され、ノウハウの蓄積も厚いものがあり、ひとつはこれをID分析に翻訳することが早道であろう。また、一方で、ID分析でなければ絶対にできない分析もあり、これについては、IDの世界で新たなにマーチャンダイジングを構築するしか方法がないといえよう。逆に、IDの世界はレシート分析では全く見えない新たな世界であるため、レシート分析に翻訳することは全部は不可能な世界だからである。両者の関係は基本的にレシート分析≦ID分析という関係にあるので、レシート分析はすべてのIDに翻訳可能であるが、ID分析はある部分はレシート分析に翻訳不可能なものもある。

   したがって、ID分析が可能になった場合は、ID分析を主体にマーチャンダイジングを確立し、これまでレシート分析の仮説検証により蓄積されてきたノウハウはすべてID分析に翻訳しなおし、さらに、ID分析特有の分析を用いて、仮説検証を行い、新たなノウハウを加えてゆくことが望ましいように思える。その意味でID-POSの時代はこれまでのマーチャンダイジングのノウハウが無駄になるのではなく、新たな観点から再検討し、必要に応じて新たなノウハウを付け足すことがその本質であるといえよう。

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June 17, 2008 in CRM、FSP, 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

May 20, 2008

客数PI値は奥が深い!

   最近、ID-POS分析に携わる機会が増えた。小売業界はもちろん、メーカーにもここのところ通常のPOS分析はもちろん、ID-POS分析も密かなブームが起こりはじめており、POSデータが小売業の本部、店舗間、小売業とメーカー間、さらには卸との間で、日本中を飛び回っているような活況を呈しはじめた。ただ、大半の小売業は通常のPOS分析主体であり、まだまだ、ID-POS分析まではいたっていないようであるが、ごく一部ではあるが、かなりID-POSの研究も進み始めている動きがうかがえる。

   本ブログでもID-POS分析については何度も取り上げているが、ID-POS分析を研究すればするほど、新たな発見もあり、実に奥が深いといえる。その中でも、ID-POS分析特有の指標のひとつに客数PI値がある。ID-POS分析には指標がざっと数えただけでも30から40はあり、通常のPOS分析が数指標である点と比較すると雲泥の差であり、これは次元が違うと思った方が良いといえよう。つくる気になれば、100指標ぐらいはできてしまい、正直、人間がやるべきかどうか、最近は少し悩んでいる。

   したがって、ID-POS分析の評価も無限大のパターンとなる。通常のPOS分析では、金額PI値=PI値×平均単価の評価であれば、理論的に6つしか存在しないが、ここにID-POS分析特有の客数PI値が入り、金額PI値=客数PI値×PPI×平均単価となったとたんに、金額PI値がアップする場合、ダウンする場合とつきつめてゆくと、ざっと数10パターンとなり、簡単には解けない迷路にはまり込んでしまう。つい最近まで、この評価は18通りだとばかり思っていたが、最近、研究が進み、いまでは30通りをこえており、32パターンまで確認されている。要は、3Dになると2Dの面から立方体になるため、面積ではなく、体積が複雑に変化するためにパターンが増えてしまうのである。

   これが、ID-POSになった場合はさらに複雑な問題が発生し、どう考えても普通の人間が取り組むべき問題とは思えず、これはどこかで、ブラックボックスとしてしまうか、逆に、実践的で効果の高いもの、時間はかかるが効果の大きいものなどに単純化し、誰でもその選び抜かれた指標さえ管理すれば、結果がでるというところまで突き詰めるかのどちらかが選択肢といえよう。

   その中でも恐らく、ID-POS分析の数ある指標の中で、現段階で、最も重要な指標のひとつが客数PI値であろう。客数PI値だけでも、ID-POS分析ではたくさん登場し、様々な活躍をする。また、実践的にも用途が広く、戦略的にも戦術的にも用いることができ、実に重宝な指標である。

   その客数PI値であるが、大きく2つに分けることができる。そもそも、客数PI値とは、客数を客数で割って算出する指標であり、金額PI値が金額を客数で割り、数量PI値が数量を客数で割るのと同様に手軽にひょういひょい作ることができる。大きく2つに分かれるといったのは、分母が客数の場合とIDの場合に分かれるということである。ここで、客数とはレシート枚数のことである。ID-POS分析はIDを前提とした分析となるので、この分析にはレシート枚数、すなわち、客数が使われることはなく、IDの世界で完結してしまう。たとえば、売上=ID×ID金額PI値とか、ID金額PI値=ID数量PI値×平均単価とか、ここには客数=レシートという概念はなく、IDの世界でぐるぐる回っているだけである。

   これに対し、客数=レシートを用いた世界もこれまで通りしっかり存在する。売上=客数×金額PI値であり、金額PI値=数量PI値×平均単価などがそうで、これも、逆に、ここにはIDは存在せずに、客数=レシートの中で回っており、ID-POS分析と平行に走り、ほぼ、ID-POS分析とシンメトリーで分析が展開される。この2つは、かなり、美しい世界であり、売上を媒介にして左右対称、ここに客数PI値が加わると、左右、上下、奥行き対象、ないしは相似形となる美しい世界が展開されることになる。たとえば、金額PI値=客数PI値×PPI×平均単価に対し、金額PI値=ID客数PI値×ID-PPI×平均単価というようにである。

   さて、ここからが本題であるが、では、この客数PI値とID客数PI値はどのような関係にあるのだろうか。そもそも、客数とはIDと来店頻度の掛け算でできあがった世界であり、実は客数とIDははじめから密接な関係があり、客数(レシート枚数)=ID×来店頻度とあらすことができる。本ブログでは、これまではこの来店頻度を逆数にし、客数PI値とし、来店頻度をあえて定義しなかったが、実は、この来店頻度は何をかくそう、ID客数PI値のことであり、客数(レシート枚数)は客数=ID×ID客数PI値とすることができ、この方がすっきりする。同様に、ID=客数×客数PI値となる。したがって、客数PI値はID客数PI値の逆数となり、この2つを掛けると客数PI値もID客数PI値も消滅し、1となる。ちなみに、ここで客数PI値はID÷客数であり、ID客数PI値は客数÷IDのことである。

   このように、客数PI値は大きく2つ存在し、従来の客数=レシート枚数を分母にした客数PI値とIDを分母においたID客数PI値があり、この2つの客数PI値が通常はそれぞれの世界で活躍しているが、時々、この2つがぶつかり、どちらかの世界に転換したり、時には真正面からぶつかり、消えてしまったりする。客数PI値は、このように実におもしろいダイナミックな動きをしており、実に奥が深く、あじわいのある指標といえよう。

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May 20, 2008 in CRM、FSP, 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

May 16, 2008

伊藤忠食品、CRMへ本格参入!

   5/12の日経MJで、「伊藤忠食品、携帯で購買履歴管理」、「スーパー外食向け新システム」、「IT会社と提携10社導入見込む」という記事が掲載された。内容は、伊藤忠食品がスピードパートナーズと資本業務提携を深め、この7/1から食品スーパーマーケット、外食産業向けの携帯電話を活用したCRMシステムの販売をはじめるというものである。すでに、食品スーパーマーケットの大丸ピーコック、ドラックストアのセイジョーがシステムの導入を決定したといい、今後、1年間で10社程度、会員数では500万人を見込むという。

   ここ最近、CRMは日進月歩で進化しており、従来のポイントカードを活用したものから、最近では電子マネーがはやりである。今回、このシステムを導入する大丸ピーコックも電子マネー、Edyをすでに導入しており、この携帯でのサービスが新たに加わることとなるが、Edy利用者は、携帯登録をすると、Edyと携帯双方のポイントが受けられるのか、それとも一方だけなのか、その辺がみえないところであるが、携帯という新たな媒体を活用する本格的なCRMが伊藤忠食品を主体に稼働することになる。

   記事の内容を読むと、今回のCRMサービスは、会員登録から、販促まで一貫して携帯電話でできる仕組みであり、会員には来店時や広告商品受け取りの際にポイントが付与されるという。また、ホームページと連動して、そのポイントも他のポイントに交換できるようにもなったり、メーカーの新製品への意見をきくことができるようになるなど、食品スーパーマーケット側のホームページを活用した顧客とのコミュニケーションもはかり、販促、新商品の評価等にも活用するという。

   ただ、今回の携帯活用の仕組みについてはいくつか課題もあるといえよう。ひとつは、携帯会員と食品スーパーマーケットの利用客の関係である。携帯の普及の速度は目覚ましいものがあり、ほぼ、1人1台の時代に入ったといえるが、今回のように会員カードの代わりに携帯を使える顧客が全体のどのくらいを占めるか、また、ある特定の客層に偏ってしまい、食品スーパーマーケットのマーチャンダイジングに活かせるかどうかである。電子マネーも普及しているとはいえ、食品スーパーマーケットへ導入した事例を見ると数10%という状況であり、マーチャンダイジングに活用するにはまだまだ絶対数が足りない状況であることを考えると、携帯の場合も電子マネーを優に超える会員比率になるかどうかが見えないところである。

   さらに、その中で、食品スーパーマーケットとしては、いわゆる優良顧客に対して扱く還元をすることが本来のCRMの目的であるが、携帯会員のみ厚く還元すると、本来の優良顧客が不満を抱く可能性は否定できないといえよう。いかに携帯会員で食品スーパーマーケット本来の優良顧客に会員になってもらえるかが、CRMを成功に導くためにもひと工夫が必要といえよう。一般的に通常のポイントカードは全顧客の80%前後にまで会員比率があがるので、ほぼ、優良顧客の会員化をはかり、厚く還元することが可能になるが、限られた特定の顧客層のみへの厚い還元は逆効果になる恐れもあり、ここがこの携帯を活用したCRMの課題といえよう。

   そして、もうひとつは、食品スーパーマーケットのCRMで本当に還元しなければいけない商品は生鮮食品、惣菜、日配であり、この部門の売上構成比は60%から70%にもなる。したがって、この部門の優良顧客の会員化を行い、この部門の商品での厚い還元が食品スーパーマーケットにとっては決めてとなる。その生鮮、惣菜、日配のPOSデータをうまく取り込み、顧客データとリンクさせ、何らかのアクションプログラムをつくる必要があるが、このデータの取り込みが至難の技であることである。

   各食品スーパーマーケットによって、これらは商品分類、商品コード、単品管理の仕方が違っており、これらを統一することは不可能に近い作業であり、食品スーパーマーケットごとに対応せざるをないといえよう。今回の日経MJの記事を読む限りでは、この辺がよく見えないところだが、一歩間違えると、食品スーパーマーケットの約30%から40%の部分であるグロサリー主体となったCRMとなってしまい、店舗全体へのインパクトが限定されてしまいかねないことである。

   CRMの目的は食品スーパーマーケットの顧客へ対しての一律還元をやめ、同じ販促費用をかけるのであれば、より、店舗に貢献している顧客に対し、手厚く還元することにより、優良顧客の来店頻度を促し、最終的には顧客のLTV(ライフタイムバリュー)、生涯にわたっての末長いお付き合いをしてもらうことである。そのためには、まず、店舗の優良顧客に確実に会員になっていただき、その優良顧客に最高のサービスを提供できる体制をきづくことである。また、その際、可能であれば、すべてのカテゴリーの優良顧客をも会員化できることが望ましいといえる。そして、その顧客のリピートの高いNo.1商品により厚く還元することがポイントである。今回の携帯CRMがどこまで、この辺をおさえた仕組みとなるかに注目したい。

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May 16, 2008 in CRM、FSP, 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

March 25, 2008

リクルート、ID-客数PI値を活用!

   3/24の日経新聞にリクルートの記事が載った。見出しは、「旅館、ホテルの販促支援、特定客に秘密プラン」である。内容は、この3月末から、旅館、ホテル向けにインターネットを使った新しい販促支援サービスを始めるというものでる。何が新しいかというと、見出しにある「特定客に秘密プラン」、ここがポイントであり、ここには、2つの要素、特定客と秘密プランがからんでおり、この2つの要素を満たす販促がいままで簡単にはできなかったことが、今回のサービスでは簡単にできるようになったということである。

   この背景には、PI値分析が絡んでおり、しかも最新の研究テーマであるID-3D分析がその背景にある。小売業界ではIDの特定、システム開発、投資、顧客のアプローチ方法の開発の遅れなどがあり、理論は先行するものの、実用化が遅れがちであるが、今回のリクルートの仕組みはインターネットを活用するため、システム開発、投資、顧客へのアプローチ方法とすべての面でリーゾナブルであり、実用化にいたったといえよう。

   まず、特定客であるが、今回の仕組みは、リクルートのじゃらんネットを活用するために、すでに約1万7,400件の宿泊施設へ申し込んだ実際の顧客ID、恐らく数10万件以上であると思うが、があるため、このIDを活用することができる。しかも、宿泊経験のあるIDであるため、氏名、住所、性別、電話番号、メールアドレス、年齢、宿泊場所、宿泊料金等、詳細かつ精度の高いID属性、ID履歴データがあるため、これを活用することが可能となる。小売業の場合だと、通常のポイントカードでは、属性データを中々把握するのが難しい。特に、氏名、住所、電話番号、メールアドレス等が把握できないと顧客へ直接アプローチする手段がなく、直接顧客へ販促プログラムを提供することが難しい状況となる。今回のリクルートの場合はじゃらんネットというインターネットを活用しており、かつ、実際の宿泊経験のある顧客であるので、この点は全く問題がないといえよう。

   次に肝心の秘密プランであるが、これは当然、特定客を前提とする内容になるが、基本は値引きであり、ついで、逆の付加価値サービスであり、実質、値引きである。要はディスカウントプランであるが、これまでのプランとの違いは、秘密にある。この秘密がこれまではなかなか難しい課題であったが、今回は顧客を特定化できるので、特定顧客向けのプランをつくることができ、それをその特定顧客のみに伝えることが、メールかダイレクトメールで可能となったことが大きい。

   記事の中でも、これまでのプランの弊害として、誰でも閲覧できるサイトへの掲載の場合とメールでの配信の場合をあげている。サイトの場合だと、「稼働率を上げたい施設が激安プランを誰でも閲覧できるサイト上に掲載すると、安いプランに予約が集中。通常プランで予約していた人がキャンセルして安いプランに乗り換えるケースも想定され、宿泊単価が下落するリスクが高まる。」という。また、メールの場合は、「メールで案内すると、頻度によっては顧客の印象を悪くするリスクがある。」という。どちらの場合もこれまでは、結果として、単価下落につながり、肝心の稼働率の上昇にもなかなかつながりにくかったのではいないかということで、今回の、「特定顧客に秘密プラン」の販促サービスが開発されたという。これにより、単価下落を極力回避し、同時に稼働率を向上できるのではというのが、リクルートの狙いであるといえよう。

   さて、今回の記事では触れられていないが、ここにもうひとつのポイントがある。それはこのような「特定顧客に秘密プラン」を実現するためには、これまでの客数の把握の仕方が根本的に変わったことである。PI値分析でいえば、客数PI値の採用といえよう。これまで客数は全体客数のみであった分析が、客数を自由にグルーピングできるようになり、そのグルーピング客数に合わせた商品開発ができるようになったことである。たとえば、過去2回以上、その旅館に3日以上泊まった顧客をグルーピングし、その顧客を特定し、その顧客特有の秘密プランを立案し、その顧客にみに秘密プランを提供するということが可能となる。しかも、特定顧客のみの金額PI値(客単価)に、客数PI値を掛ければ、全体客数で割った、金額PI値となるため、従来の全体客数を分母とした金額PI値と客数PI値を媒介にして比較可能となり、その特定顧客への秘密プランがどのくらいの効果をもたらしたかについても比較検討が可能となる。今後、つくられる様々な秘密プランについても、客数PI値、金額PI値を算出すれば、それらのプランどうしも比較検討可能となり、より効果的なプランの実現につながってゆくことになろう。

   このように、今回のリクルートの販促プランはインターネットだからでき客数PI値をフルに活用したものであるが、これは顧客のIDの把握が可能であれば、理論的には食品スーパーマーケットでも可能なことである。ただ、食品スーパーマーケットの場合は、プランづくりまではゆけるが、顧客に直接働きかける手段がちらし、DM、レシート等なかなか決め手がないため、これをマーチャンダイジングにどう活かすかがポイントとなろう。いずれにせよ、今回の動きは、顧客IDを本格的に活用する時代がごく身近になったことを示しているといえよう。

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March 25, 2008 in CRM、FSP, 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

February 28, 2008

ID-客数PI値と来店頻度(購入頻度)の違い!

    客数とは奥が深い。最近、IDに触れる機会が多くなり、客数とIDの関係を考えることが多くなった。本ブログでも、すでに何回もとりあげているが、とりあげるたびに新たな発見があるし、IDを把握する意義が明らかになる。IDが把握できなかったときは客数とはレジ通過客数のことであり、レジで発生するレシート枚数のことであった。これ以外に客数を把握する方法がなかったことにもよるが、IDを意識することがあまりなかった。約10年以上も前にポイントカードを活用したOne To Oneマーケティングに取り組んだ時も、IDよりも、客数=レシート枚数を重視していたように思う。

   もちろん、IDを前提としなければ、初回購買、リピートという定義そのものが成り立たないので、IDを活用しなかったわけではないが、感覚としてはIDよりも客数に意識がいっていたと思う。ところが、最近、約10数年ぶりに、ポイントカードを活用したID-POS分析に本格的に取り組むようになって、客数よりも、IDを強く意識するようになった。以前、本ブログでも取り上げたが、PI値もIDとの関係でみれば、ID-PI値=購入頻度(来店頻度)×PI値と定義できる。ID-PI値は買上点数÷ID数のことであり、購入頻度は客数÷ID数のことであるので、購入頻度×PI値は(客数÷ID数)×(買上点数÷客数)となり、=買上点数÷ID数=ID-PI値となる。これがID-POS分析の基本公式のひとつとなるが、実は、この公式は別の角度から見ると、もっとおもしろい式に変形ができる。

   購入頻度とは客数÷ID数のことであり、客数はレシート枚数でもあるので、購入来店回数のことである。したがって、それをID数で割れば、1ID当たりの購入来店回数であり、レシート枚数となる。簡単な事例を示せば、Aさんが1週間に1回の時は購入頻度は1/1=100%であるが、1週間に2回の場合は2/1=200%=2回となる。Aさんが1週間に1回、Bさんが2回であれば、この2人の購入頻度は3/2=150%となる。当然、これにPI値をかければ、ID当りのPI値、ID-PI値となる。

   さて、ここからが、このブログの本題であるが、購入頻度をひっくりかえしたらどうであろうか。すなわち、1/購入頻度である。式では1/(客数÷ID)であるので、=ID÷客数となる。これはいったい何だろうか。意味的には1回当たりのID数であるので、レシート1枚当たりのID数となる。なんだか意味がよくわからない指標であるが、よく見るとこれは客数PI値の一種ともとれる。もともと、客数PI値は(グループ客数÷全体客数)のことであり、分母が全体客数の場合であるので、このID数÷客数も客数PI値=ID-客数PI値と考えれば良いのはないかと思う。

   PI値も分解すれば、PI値=客数PI値×PPIであり、この時の客数PI値はグループ客数÷全体客数、PPIは買上点数÷グループ客数であるので、グループ客数がID数になっても問題ないといえよう。ID-PI値がID数当たりの買上点数であるので、PI値=客数PI値×PPI同様、ID客数PI値を用いれば、PI値=ID-客数PI値×ID-PI値となり、PI値をIDの客数PI値とIDのPI値で説明できるようになり、PI値とIDの関係がより明確になる。

   これまでの、購入頻度を使った場合は、ID-PI値=購入頻度×PI値となり、PI値を説明するよりも、ID-PI値を説明する式であったが、このPI値=ID-客数PI値×ID-PI値はまさにPI値を説明する式であるので、PI値とIDとの関係をより分かりやすく、説明しているように思う。この式を言葉で表現すると、PI値を上げるには、ID-客数PI値をアップさせるか、ID-PI値をアップさせるかがポイントであり、ID-客数PI値をアップさせるには、ID-客数PI値がID数÷客数であるので、ID数を増やすことがポイントであり、ID-PI値を増やすには、ID-PI値が買上点数÷ID数であるので、ID当りの買上点数を増やすことがポイントとなる。

   どちらも、IDに着目し、IDの数かID当たりの買上点数を増やすことがPI値を引きあげる要因となり、マーチャンダイジングを考える際、IDに焦点を絞った対策が明確になり、客数という、ややぼやけた指標からIDという明確な指標に意識が絞られ、場合によっては、IDに直接働きかける、まさにダイレクトマーケティングにもつながるテーマとなり、IDを把握する意義が明確になると思う。

   その意味でこれまで、ID-PI値=購入頻度×PI値を使ってきたが、購入頻度の逆数であるID-客数PI値を用いたPI値=ID-客数PI値×ID-PI値という公式もID-POS分析の中で活用していき、より、PI値とIDの関係=客数とIDの関係をわかりやすく、実践的に活用していけるのではないかと思う。

   ID-POS分析はまだまだ始まったばかりであり、今後、この公式のような数式、指標が無限に登場してくることになると思うが、できるだけ、わかりやすく、実践的な数式、指標を開発してゆきたいと思う。全体客数=レジ通過客数=総レシート枚数しか把握できない時代は単純、シンプルであったが、IDが把握できるようになると、指標、公式が無限となり、どの指標がどの場面に最も有効なのかを見極めながら活用してゆく必要があるといえ、実に客数は奥が深いと改めて感じる。

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February 28, 2008 in CRM、FSP, 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

February 20, 2008

みずほ銀行、CRMに本格着手、ID分析で最適な商品!

   日経新聞2/18に「みずほ銀、営業手法を導入、個人データ分析、最適な商品紹介」、「結婚した→生命保険、子供進学→教育ローン」という記事が掲載された。内容はみずほ銀行がこれまでの経験と勘による営業のやり方を約2,500万人の顧客のデータベースを分析し、最適な金融商品を提案する営業手法を導入するというものである。目的は、みずほグループの大きな課題となっている個人向け金融の強化につなげることにあるという。すでに、アメリカの大手銀行に担当者を派遣し、ノウハウを吸収したということで、この2月にはテストマーケティングも実施したという。

   みずほグループの最新の決算数値であるこの1/31に公表された2008年3月期の第3四半期決算を見ると、みずほグループは、みずほ銀行、みずほコーポレート銀行、みずほ信託銀行の3つに分かれているが、個人の預金は、それぞれ3 2兆2,648億円(60.9%)、68億円(0.07%)、1 兆8,318億円(63.0%)と合計3 4兆1,035億円(52.3%)であるので、この約34兆円、約2,500万人、平均約130万円の個人顧客が対象になる。

   日経新聞の記事を読むと、このような手法は欧米の金融機関では広く活用されているというが、日本の大手銀行が本格的に取り組むのは初めてという。具体的には、みずほ銀行に口座をもつ、約2,500万人の顧客の家族構成や預金残高、ATMの利用状況など約500項目の情報を集計し、分析するという。その分析の中から、名字の変更や使うATMの場所の変化も読み取り、結婚や転居といった生活の変化までをも類推するという。日経新聞では、その具体例として、これまでみずほ銀行では「30代から40代の男性」のように大まかな区分であった顧客分類を「金利が高い時期に現住所に転居した」という新たな顧客分類を作成したり、「同じマンション内にローンを借り換えた顧客がいる」という顧客分類を作ったりし、この絞り込まれた顧客にふさわしい金融商品のDM(ダイレクトメール)を発送するという。実際、このような絞り込まれた顧客にDMを発送したところ、資料請求の件数や説明会への参加率が従来の約3倍になったという。当然、顧客情報も支店、5ケ所のコールセンター、DM担当部で共有し、顧客の反応や契約状況を商品ごとに蓄積し、精度をたかめてゆくという。効率が高まれば営業費用の削減にも結びつけてゆきたいという。

   日経新聞の記事の内容はこのような内容であるが、これはまさに、食品スーパーマーケット業界ではじまったCRMそのものであり、大手銀行業界でも本格的なCRMへの取り組みがはじまったといえ、時代はまさにCRMの時代に突入しつつあるといえよう。ただ、この記事を読む限り、CRMデータの活用方法は顧客に力点をおいたアプローチといえ、もう一方の商品に力点をおいたアプローチが見えてこないのが残念である。銀行の場合は食品スーパーマーケットと違い、預金を預ける際には詳細な個人情報を記入しないと受け付けてくれず、しかも、住所変更、氏名の変更なども比較的最新の情報に更新される頻度が高いために、この極めて信頼性の高い個人情報を起点にCRMを行うことができる。

   食品スーパーマーケットでは銀行ほど詳細な個人情報を把握することは不可能であり、つい最近はじまったセブンイレブンの電子マネー、nanacoをみても、名前だけでカードを発行しており、個人情報はカード活用時に店員が性別、推定年齢等を類推する以外に方法がないといえよう。したがって、小売業が銀行のような詳細な個人情報を活用してのCRMには無理があり、必然的に商品に力点をおいたアプローチとなる。

   ただ、今回の日経新聞の記事を読む限りでは、CRMの醍醐味ともいえる顧客グループを自由につくり、その顧客グループごとに需要を読み、最適な商品を決定し、DMを打つという仕組みである。したがって、どのような顧客グループを作り、その顧客グループがどのような収益を上げるかを検証してゆくので、顧客グループの作り方は商品からのアプローチを考える上でも大いに参考になるといえよう。実際、記事にもあったが、約500項目の切り口で顧客グループを作っており、これだけ切り口があれば、ほぼ無限の顧客グループをつくることが可能となろう。CRMはまさにこのきめ細かな顧客グループづくりが命といえる。同様に、商品も数100項目の様々な切り口で商品グループをつくってゆけば商品を通じた顧客グループを自由に作ることができる。実際、ウォルマートはカードデータは使っていないが、店舗と商品双方を数100項目の切り口で分析し、マーチャンダイジングに活かしており、食品スーパーマーケットとしては、商品からの顧客グループづくりがキーとなろう。

   このように、今回の日経新聞の記事は、大手銀行業界も本格的なCRMの時代がはじまろうとしているという内容であり、今後の食品スーパーマーケットのCRMを考える上においても、特に顧客グループをどう自由につくるかという点では参考になるといえよう。銀行は食品スーパーマーケットと比べ顧客は多いが、商品は少なく、食品スーパーマーケットは逆に商品が多く、顧客も多いというビジネスである。食品スーパーマーケットとしては、顧客からのアプローチだけでなく、商品からのアプローチも重要なCRM戦略となろう。いずれにせよ、CRM戦略は今後の重要な経営戦略のひとつであり、今後、銀行がどこまでCRM戦略に取り組んでゆくかに注目したい。

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February 20, 2008 in CRM、FSP, 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (2)

February 13, 2008

IDにこだわる、IDと客数の違い!

   これまで、POSデータ分析では客数を最重要指標としてとらえ、売上金額を客数で割り、金額PI値(客単価)を算出し、売上数量を客数で割り、PI値(数量PI値)を算出し、チェーンストア全体の各商品の状況、あるいは個々の店舗の状況を見てきた。ここで使用する客数とはレシート枚数のことであり、Aさんが2回来店して買い物をした場合はレシートが2枚発生するので、客数を2人と数え、金額PI値はAさんの売上金額を客数2人で割って算出し、同様にPI値もAさんの売上数量を客数2人で割って算出した。しかし、よく、考えてみると変な話である。Aさんは1人なのに、2回来店すると、レシートが2枚発生するので、客数を2人とし、金額PI値、PI値を計算することになるが、実際はAさんは1人であるので、本来は客数は1人として計算するのが正しいはずである。

   ちなみに、よく支持率という指標があり、部門客数を来店客数で割って算出し、売上金額、売上数量の支持、すなわち、金額PI値、PI値と区別し、客数のPI値としてとらえ、客数の支持率とみる場合がある。実はこれも、先ほどと同じAさんが2回来店した場合は客数が2人と数えるため、純粋な客数とはずれ、レシート枚数をレシート枚数で割っているにすぎない。売上金額、売上数量よりは、真の客数に近いが、純粋な客数とは若干ずれるといえる。

   では、純粋な客数とは何かであるが、これは結論からいえば、IDの数のことである。IDの数とは単なるレシート枚数とは違い、レシート1枚1枚にIDをつけ、先のAさんが2回来店した場合は、そのレシートにAさんのIDをつけ、Aさんが2回来店したと区別し、レシート枚数=来店回数は2回であるが、ID数は1人であるととらえることである。このように客数をとらえることによって、これまでの客数=レシート枚数=回数がID数×来店回数(来店頻度)となる。こうとらえると、先のAさんが2回来店した場合は、客数2人ととらえるのではなく、ID1人×2回来店としてとらえ、客数は1人、その1人が2回来店したと把握し、客数と回数とを厳密に区別し、純粋な客数を明確にすることになる。

   したがって、これまでの客数が増加した場合も、その中身はID数が増えたのか、それとも来店回数が増えたのかを数字で把握し、どちらかを区別し、判断することになる。仮に、IDが増えていなければ、客数増ではなく、当然、来店回数が増えていると判断することになる。逆に、来店回数が増えていなければ、ID数が増えていることになり、この時はじえめて客数が増えたと判断することになる。ここに客数のとらえ方のあいまいさはなくなり、IDを把握することによって、真の客数がみえるようになる。

   では、このように、IDが把握できるようになると何が便利になるかであるが、たとえば、販促を評価する時、IDが把握できない時は、客数=レシート枚数=回数が増えたか否かで判断せざるをえなかった。ここで、IDの把握が可能となれば、何らかの販促の結果、客数が増加した場合、それを客数=ID数×来店回数と分解し、その販促が純粋にIDの数を増やしたのか、それとも来店回数を増やしたのかを区別し、IDを増やした時に、はじめて新規顧客を増やす販促であったと判断し、逆に、IDの数がさほど増えず、来店回数が増加したのであれば、それは新規顧客を増やしたのではなく、既存顧客の来店回数を増やしたと判断することができ、販促の効果がどちらに重点があったかどうかを見分けることが可能となり、販促そのものの見直しにつながってゆくことになる。

   実は、販促とは、本来、このような2つの側面があり、どんな販促を打っても必ず、IDの数の増加か来店回数の増加かが起こっており、IDの把握ができれば、どちらにより重点があるかが数字で判断できる。そして、販促とはまず、IDを増やし、限界まで増やし続け、一方で、既存顧客になったIDに対して、来店回数を増やし続ける販促を新たに展開し、双方をバランスよく実施しながら、客数=ID数×来店回数の双方を引き上げることがその目的となる。

   これはPOPひとつにもいえることであり、POPをつけることによって、客数=レシート枚数=回数が増えた場合は、必ず、ID数×来店回数に分解し、そのPOPによって、ID数が増えたのか、来店回数が増えたのかを区別できるようになる。POPも新規顧客、すなわち、ID数を増やすPOPと既存顧客の来店回数を増やすPOPがあり、双方のバランスをとりながらスパイラル状に客数=レシート枚数=回数を増やしてゆくことがポイントといえよう。

   このように、これまでは単なる客数=レシート枚数=回数しかPOSデータでは客数が把握できなかったが、ポイントカード等を活用することによって、客数を客数=ID数×来店回数という2つの指標に分けることができるようになり、純粋な客数であるIDが増えたのか、それとも既存顧客の来店回数が増えたのかが区別できるようになる。IDが把握可能であるのであれば、ぜひ、ID分析を行い、真の客数=IDの動向を見極め、文字どおり顧客のためのマーチャンダイジングの改善につなげてゆきたいものである。

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February 13, 2008 in CRM、FSP, 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

January 25, 2008

Google Analyticsにはまる、ID-POS分析のモデルがここにある!

   最近、Google Analyticsにはまっている。Google Analyticsは1年前ぐらいから使いはじめたが、つい最近、リニューアルをし、私にとっては実に使いやすくなった。Google Analyticsはホームーぺージの解析ソフトであり、Googleが無料で提供しているものである。使い方は簡単で、ホームページの各コンテンツにGoogleが提供するトラッキイングコードを張り付けるだけでよく、あとはGoogleが独自に集計し、分析をしてくれる。ちょうど、食品スーパーマーケットのバーコードと同じ役割であり、このGoogleのバーコード(トラッキングコード)をつければ、GoogleというPOSレジが、サイト訪問者の履歴を集計分析するという仕組みである。私が、特に、このGoogle Analyticsに興味を持ったのは、ID-POS分析に極めてよく似た分析を提供していたからであり、このGoogle Analyticsを理解することが、ほぼ、イコールでID-POS分析を理解することにつながるように思えたからである。実際に活用して、まさに思った通りであり、Google Analyticsを勉強し、使いこなすことはID-POSを理解し、使いこなすことに通じると確信した。

   ただ、いくつか不満な点があるといえばあり、ID-POSのIDの考え方が、Google Analyticsでは2つにわかれている。技術的には完全なIDでの分析が可能であるはずであるが、必要ないと判断して提供していないか、あえて提供してないかがわからないが、ここが若干不自由なことである。どういうことかというと、Google AnalyticsにはIDにあたる概念として、セッションとユニークユーザーとがある。この2つはページビューに対応する顧客の把握概念であり、セッションがそのサイトに30分以上滞在していたサイト訪問者のIDを表しているのに対し、ユニークユーザーは時間制限がなく、IDそのもののサイト訪問者、まさにIDを表しており、微妙に違いがある点である。全体のサイト分析ではサイト訪問者をこの3つの指標で分析しているが、個々のコンテンツになると、セッション分析まではするが、ユニークユーザー分析はしていないのが実態であり、ID分析が、セッション分析までとなってしまう点である。

   そのため、POS分析でいえば、通常の全体客数のPI値-POS分析、レシート客数のグループ客数のPI値-POS分析まではほぼ可能であるが、ID客数によるID-POS分析が十分にできないため、リピート分析等が十分でない点である。ただ、セッションもユニークユーザーに近い概念であるため、レシート分析よりは、ID-POS分析に近いところまで迫るこができるので、とりあえず、現在はこれで我慢して活用している。将来、ユニークユーザ分析が各コンテンツでもできるようになるとほぼ、POS分析のID-POS分析とイコールになるので、期待している。ただ、Googleの目的は、Google Adwordsの広告収入の不正を見つけるためのIDの把握が目的であるようであり、セッションとべージビューを区別できれば、ある意味十分といえ、ユニークユーザーまで今後把握し、提供するかは何ともいえないといえよう。

   ただ、この時点でも、Google AnalyticsはID-POS分析に極めて近い分析をし、様々な工夫された帳票を公開しているので、ID-POSを個人で勉強するには、このGoogle Analyticsが最適な仕組みといえよう。私個人はこの分析に加え、客単価3D分析のノウハウを導入し、サイト訪問者の時間の3D分析をしているが、独自の工夫を加えなくとも、様々な分析指標、基本帳票が用意されており、十分、実践に活用できる内容であるといえよう。

   実際、どのようなサイト訪問者の分析が行われているかをいくつか見てみると、基本サマリーはセッション、ユニークユーザー、ページビュー、平均ページビュー、平均サイト滞在時間、直帰率、新規セッション率の7項目であり、この7項目すべてが、時系列でグラフですぐに見れるようになっている。しかも、時間の指定は自由に指定でき、初期設定は直近の1ケ月の30日間の日別折れ線グラフである。このグラフが、この7項目をクリックすると、すぐに表示され、時間の指定も自由であり、2つの時間を指定し、重ね合わせ、比較することもできる。実によくできた構造である。この7項目の平均ページビューはページビュー÷セッションとなっており、ユニークユーザー=IDで割っているわけではなく、Google AnalyticsのIDの基本的な把握はセッションであることがわかる。

   Google Analyticsにはおもしろい指標もあり、直帰率、離脱率などというものがあり、各コンテンツごとに表示される。直帰率は、別のサイトからこのサイトに来た訪問者がそのまま他のサイトへ飛んでいった比率であり、離脱率は、同様にこのサイトに来た訪問者がこのサイトのコンテンツをいろいろ見て、どのコンテンツから他のサイトへ移ったかを見る指標であり、よく考えられていると思う。これを食品スーパーマーケットでとろうとしたら、簡単ではなく、ICカードを活用すればできるのかもしれないが、把握できれば、マーチャンダイジングに役立つといえよう。

   このように、Google Analyticsは将来のID-POS分析の先行分析指標、先行帳票を提供しているといえ、使えば使うほど、実におもしろいし、示唆に富む内容である。現在、各食品スーパーマーケットでID-POSデータが算出されつつあるが、まずは、このGoogle Analyticsで慣れた上で、さらに自由に加工ができるので、工夫を加えながら、その結果を参考に取り組んでゆくといいのではないかと思った。ちなみに、以前も本ブログでも触れたが、GoogleはGoogle Adsenceの広告料金算定にPI値、金額PI値を活用し、PI値の概念はすでに取り入れられており、この面でもPI値分析と実に相性が良い。

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January 25, 2008 in CRM、FSP, 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

November 26, 2007

テスコの競合店価格調査データを見る!

   食品スーパーマーケットにとって競合店調査は日常的に行われているといえるが、テスコほど徹底的に価格調査を毎週実施している企業は珍しいといえる。私も約20年前に船井総研に入社した当時は、ほぼ毎日依頼された食品スーパーマーケットの競合店の価格調査を行い、膨大なレポートを作成していたが、テスコの調査内容を見ると、さすがに圧倒される。しかも、テスコはその調査データをすべて、検索できる形でホームページ上に毎週公表しているのである。従来、競合店の価格調査データは原則、内部で活用され、密かに自店の価格を調整したり、商品力グラフをつくり、競合店の強み、弱みを分析し、自店の商品の価格はもちろん、品揃え、棚割、レイアウトの改善、販促の見直しに活用するのが主な目的である。ところがテスコは、このデータを消費者に競合店よりも価格の高い商品もふくめ、すべてつつみかくさず公開している点が通常の競合店調査との大きな違いである。

   目的が従来の自社の戦略の見直しにとどまらず、調査データをあえてすべて公開することで、消費者からの信頼を勝ち得ようとしているといえよう。その最大の理由は、ウォールマートの傘下に入ったテスコの最大の競合店アズダのEDLP(Every Day Low Price)への対抗、というよりも、EDLPを打ち消すことであろう。ウォールマートをはじめEDLPを自社の戦略とする企業はその地域で一番安い価格で商品を販売していることを標榜し、消費者に様々なメディアを活用してアピールする。したがって、その競合店はあたかも、EDLP戦略を採用した企業に対して、イメージとして高いのではという疑問を消費者に与えてしまい、価格政策では不利な状況に陥りがちとなる。

   テスコはこれに対抗し、そのイメージを打消すことが大きな目的で、毎週この徹底した価格調査をホームページを通じて消費者に公開していると思われる。もちろん、テスコはその背後に、クラブカードにもとづくID-POSデータの分析結果があるので、テスコの自社の顧客の最もリピートの激しい商品はあらかじめおさえていると思うので、その商品は優先的に価格対抗策を打ち、自社の顧客の固定客化をはかっていると思われる。

   では、そのテスコが毎週どのような価格調査を実施しているかであるが、テスコの競合店として、3社を毎週チェックしている。アズダ(340店舗)、セインズベリー(788店舗)、モリソンズ(368店舗)である。この直近の調査は11//19から11/21の間での調査データであり、約10,000品を調査している。正確にはアズダの7,047品、セインズベリーの8,423品、モリソンズの6,125品であり、この商品1品1品とテスコの商品を比較し、その結果を公表している。その総数を見ると、テスコがアズダに対し、安かった商品数は1,801品(26%)、高かった商品は1,268品(18%)、同じだった商品は3,978品(56%)である。同様にセインズベリーに対しては、3,474品(41%)、752品(9%)、4,197品(50%)、モリソンズに対しては、1,997品(32%)、1,264品(21%)、2,864品(47%)となる。したがって、対アズダで見ると、安い商品の数の方が、高い商品よりも多く、全体としてみれば、アズダのEDLPはことテスコに対しては機能していないといえ、見事にEDLPを打ち消しているといえよう。

   そこで、ここでは、さらに代表的な単品に絞って実際の価格調査の結果を見てみたい。ちなみに、テスコは13分類で商品を管理している。ベイカリー、青果、精肉と魚、グロサリー、冷凍食品、花、日雑、デリとデイリー、美容、酒、ペットフード、飲料、その他である。その中で、日本では青果のPI値最高のバナナを見てみると、テスコがkg0.68ポンドに対し、アズダを含め、すべて同じ価格である。イギリス産リンゴ9個パックは1.49ポンドで最安値である。精肉のフィレステーキがkg18.97ポンドで、すべて同じ価格である。アラスカのサケがkg11.95ポンドでアズダの11.98ポンドよりも安く、モリソンズは同じであり、セインズベリーは商品がなかったという。

   デリとデイリーを見てみると、卵6Pが1.84ポンドですべて同じ価格である。牛乳も0.40ポンドですべて同じ価格である。デリとデイリーは生活必需品が多く、主要品目については価格がお互い調査しあい、同じ価格に収斂されていくようである。

   グロサリーについて見てみると、ハインズのスパイダーマンパスタが0.32ポンドでアズダの0.35ポンド、セインズベリーの0.44ポンドよりも安いが、モリソンズは0.32ポンドと同じ価格である。ネスレのキットカット5パック225gは1.00ポンドで他の競合店はすべて1.28ポンドとテスコが最安値である。飲料ではエイビアンの水500mlが0.42ポンドで他の競合店も同一価格である。750mlは0.75ポンドでモリソンズのみ0.72ポンドであるが、他は同じ価格である。

   という具合に、13の大分類でそれぞれが数十の中分類、さらに数10の小分類に分かれ、そのもとで各単品がテスコと他の3店舗との価格比較表ができあがっており、その数がざっと10,000品の価格比較となり、これが毎週調査され、更新されていく。日本でも軌道に乗り始めたテスコエクスプレスが当初から主要品目の競合店調査にもとづく価格対策を打ち出していたが、その原型はここにあったといえよう。価格は顧客にとってもっとも重要な購買動機となる指標のひとつであるが、テスコがここまで価格にこだわった経営を徹底して実践しているとは驚きである。テスコのカード戦略はもちろん、価格政策を主体にしたマーチャンダイジング政策にも注目といえよう。

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November 26, 2007 in CRM、FSP, ウォルマート、海外情報, 経済・政治・国際 | | Comments (0) | TrackBack (0)

November 11, 2007

顧客データからのマーチャンダイジングを考えてみる!

   ミクシーの新しいトピックを久しぶりに立ててみた。「ポイントカード、CRM、FSP、顧客データの活用について」というトピックである。現在、食品スーパーマーケット最新情報、ミクシー版は262人が入会しているが、共通の関心事をくくるトピックをつくることはなかなか難しいもので、いろいろ試行錯誤を繰り返している。今回はこれまで、あまり、発言のなかったトピックをばっさり切り、新たな試みとして、このトピックをつくってみた。これまで、あまり、ミクシーでは私も流れにまかせて発言をしてこなかったが、このトピックに関しては、私のクライアントも関心をもっており、また旬な内容でもあることから、積極的に発言をしてゆきたいと思う。

   ちょうど、先週のまぐまぐのコンサルティング、現場からのミニレポートの第56回目で「顧客分析について」を取りあげたが、その内容も踏まえて、ここでは、ミクシーの新トピック、「ポイントカード、CRM、FSP、顧客データの活用について」の問題提起も踏まえて、顧客データからのマーチャンダイジングを考えてみたい。

   顧客データを活用したマーチャンダイジングはまだ始まったばかりといえ、小売業もメーカーもまだまだしっかりと対応できていない状況といえる。その一方で、POSデータの開示はコープさっぽろの事例を出すまでもなく、各社が積極的に取り組み始め、大手食品スーパーマーケットでは対応していない企業はないくらい、ちょっとしたブームとなりつつあるといえる。ざっと、あげただけでも、サミット、コープさっぽろ、ライフコーポレーション、コープこうべ、サンエー、バロー、ユーコープなど目白押しといってよいくらい、ここ最近、急激に増えつつある。サミットに関しては、顧客ID付きPOSデータも開示しており、POSデータだけではなく、本ブログのテーマである顧客データを活用したマーチャンダイジングがはじまったといってよい。もちろん、これ以前には、セブンイレンブンのチームマーチャンダイジングはあまりに有名であり、いずれ、nanacoのデータもメーカーへ公開され、グループマーチャンダイジングへ発展してゆくものといえよう。その意味で、POSデータにもとづくマーチャンダイジングは新たな段階に入ったといえ、小売業内部で活用されていた段階から、メーカーとともに活用する段階に入り、さらに、その中身が単なるPOSデータから、ID付きPOSデータへとかわりつつあるといえよう。

   では、ID付きPOSデータ、すなわち、顧客データを活用したマーチャンダイジングとはまず何から手をつけるべきかを考えてみたい。この分野では、テスコがクラブカードで先行したため、顧客をグルーピングし、そのグルーピングした顧客へ何らかの購入金額に対しての+αの還元を提供することにより、来店頻度をあげる手法が一般化しつつある。ちょうど、食品スーパーマーケットが商品分類をまず、約10ぐらいの大分類をつくり、それぞれを約30から50ぐらいに分け、結果、300から500ぐらいの小分類で管理しているように、顧客もまず、10ぐらいに分け、それをさらに数10に分け、結果、数百の顧客群に分け、分類してゆく方法である。ただ、商品分類と根本的に違うのは、商品分類はほぼ一元的に分類でき、小分類間、大分類間共通の商品は用途分類を採用した場合は発生するが、これを別に集計すれば、ほぼ重ならずに分類が一元的に可能となる。

   ところが、顧客分類は、顧客の好みは千差万別であり、一元的にくくるのはかなり無理がある。そこで、テスコのようにクラスター分析をかけ、何とか意味のある顧客分類を導き出すことになるが、これは、実務としては至難の業であり、うまく分類できるかどうか、かなり難しいといえる。

   そこで、現状はとりあえず、通販で確立されたRFM(テスコはRFV)分析を基本に顧客をデシル、10段階に分け、このデシルを基本に顧客の実態をつかみ、デシル1の最優良顧客(店舗RFM貢献度最高)を維持、発展、そして、増加させるためにどんなアクションを起こすかが中心になりつつある。これはこれで、十分効果のある内容ではあるが、ことマーチャンダイジングという観点から見ると、どのように商品の品揃えが変わり、どのように売場が変わり、どのようにレイアウトが見直され、どのように販促が代わってゆくのかが、いまひとつ、イメージしにくいといえる。徐々にデシル1の方のための売り場に近づいてゆくのであろうが、果たしてそれで、マーチャンダイジングは改善されるかである。しかも、これに関しては、別段、単品データを必要とせず、通常のポイントカードさえ導入していれば、RFM分析にもとづくデシル分類は可能な話であり、ポイントカードの延長線上にある課題であるといえる。

   では、単品データにIDが付与され、さらに、レシートデータにもIDが付与された場合はたして何が可能であるのか、また、これまでのPOSデータと違い何が新たに付加されるのか、あるいは、どのような新たな展開につながるかについて考えてみたい。マーチャンダイジングとは直訳すれば商品政策であり、本来商品の分析から入るべきであると思うが、どうも、いまのCRMは顧客の分析から入りすぎてしまい、一歩間違えると、単品管理で陥った均衡縮小の品揃え同様、顧客の均衡縮小になりかねい危険があり、再度、IDと商品とがリンクした場合のマーチャンダイジングとは何かを明らかにする段階に入ってきたといえよう。

   この続きについては、ミクシーの新トピック「ポイントカード、CRM、FSP、顧客データの活用について」で議論を深めつつ、今後、本ブログでも、そのまとめとして、継続的にとりあげてゆきたい。まずは、「顧客データからのマーチャンダイジングを考えてみる!」の序章ということで、続きは乞うご期待!

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