注目株!! 11/4、オオゼキが大商い!
今週の食品スーパーマーケットの注目株は何といってもオオゼキである。来週以降の株価から眼が離せない。
11/4、株価上昇率、食品スーパーマーケットNo.1のオオゼキ
オオゼキの株が11/4、大きく動いた。前日比275円高の3,270円となり、9.18%の株価上昇率で食品スーパーマーケットの中でNo.1となった。ちなみに、2位はイズミの5.61%、3位はオオクワの5.08%、4位はマックスバリュ東海で5.07%であり、5位以下は2%台と、11/4は、この4社に買いが集中した。オオゼキはひさびさの大商いであり、通常は20,000株前後の取引だが、11/4は59,200株とおおきく買われた。年初来高値の3,430円を6/10につけて以来、徐々に株価が落ち込んでいたが、10月下旬に入り、ゆるやかに上昇に転じ、11/4、一気に跳ね上がった。
スーパーマーケット業界最高の収益率をほこるオオゼキ
オオゼキは食品スーパーマーケット業界の中で断トツNo.1の収益率の高い企業であり、経常利益率が何と7.9%、業界平均が2%強であることを考えると驚異的な数字である。ヨークベニマルが4.2%、大黒天物産が5.2%であり、いかに高収益かがわかる。ちなみに、以前注目されたPLANTは今期は不振で経常利益率は0.7%である。この収益率の高さに加え、成長率も昨年対比109.3%の伸びである。また、PBRは2.45倍と高めであるが、PERは15.8倍と食品スーパーマーケットの中では高いとはいえず、今後、年初来高値を越える可能性もある。
オオゼキの高収益を支える背後の仕組みと戦略
オオゼキの食品スーパーマーケットとしての特徴は、高収益にも係わらず、正社員比率が約70%と高く、通常の食品スーパーマーケットがパート比率約70%と比べ、全く逆の構造になっている。それにもかかわらず、収益率が高い理由は集客力の高さであり、通常の食品スーパーマーケットが平均2,000人/日の客数が4,000人/日と約2倍あり、しかも、平均店舗面積が200坪前後と小さく、圧倒的な坪効率にささえられているため、高人件費を粗利額で充分に補ってしまうからである。ちなみに、直近の年間の坪効率は優に1000万円/坪を越えており、業界平均の約3倍近い数字である。また、当然、正社員比率70%の強みをいかした仕組みが背後にはある。それは、通常の食品スーパーマーケットが採用している仕入れと販売を本部と店舗に分けて機能分担するチェーンオペレーションを廃し、仕入れと販売を一体化させ、店舗に仕入れ権限を与え、生鮮商品の仕入れはもちろん、グロサリーの品揃えまで店舗が責任をもつという、いわば、商いの原点を追及した仕組みを作り上げたことだ。これは首都圏の人口密集地にドミナント展開するという戦略に徹しているからこそできたオオゼキ独特の仕組みといえよう。そのため商品戦略も明確で、オオゼキのトップ3は青果、日配、一般食品であり、いずれも20%の売上構成比である。鮮魚、精肉が10%強であることを考えると、生鮮食品の中でも青果の強い商品戦略がとられている。これはPI値理論から見ても、全く理にかなったことであり、オオゼキの客数の多さの理由は立地にもあるが、それ以上にPI値の高い3大商品を正社員のもとで徹底強化する戦略に支えられているともいえる。また、オオゼキのもうひとつの特徴としてキャッシュバックカードがあり、何と現在70万枚弱発行されている。店舗数が25店舗であるので、1店舗当たり、3万枚弱、買上比率も約90%とキャッシュバックカードを通じての顧客との関係を強める仕組みも確実に定着している。
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