注目株!! オオクワが年初来高値を更新!
オオクワが11/18、年初来高値を更新した。この数ケ月1500円弱で推移していた株価が、10月に入り、じりじり株価を上げ、1600円前後まで値を上げた。その後、しばらく、横バイで推移していたが、11/16から上昇に転じ、11/17は1700円弱まで値を上げ、11/18、とうとう年初来高値を更新し、1736円で引けた。上場来、最高値は3830円 (1991/06/14)であるが、過去5年間では最高の株価である。現在のPERは20.60倍、PBRは1.27倍と食品スーパーマーケットの平均PERの約30倍と比べまだまだ低く、またPBRも食品スーパーマーケットの平均約1.5倍に比べ低い。その意味で、現状の株価は高いとはいえない。
オオクワ以外にも、11/18の株価はヨークベニマルが7.87%と食品スーパーマーケットトップの株価上昇率で、3560円の値をつけた。上場小売業約400社の中でも3位の株価上昇率であり、ヨークベニマルが小売業の中でも注目企業となりつつある。また、11/18はイズミヤがヨークベニマルについで食品スーパーマーケットの中で株価上昇率が2位と、4.10%上げ、887円となった。11/23に待望の2号店目となるスーパーセンターのオープンをひかえ、今後、スーパーセンターの新規出店が続き、業績に寄与するものとの期待感が大きかったのでのではないかと思う。これ以外の今週の食品スーパーマーケットの株価は軟調であり、3位以下は2%台の株価上昇率であり、全体平均も1.04%と低調の週であった。小売業全体の株価上昇率の平均も0.48%であり、全体的に小売業も低調な相場であった。
さて、オオクワの業績だが、ここ数年、売上は101%強で推移し、2005/02の売上は2281億円強であり、経常利益率は昨年は3%を越えたが、今期は、2.5%強で、減益であった。しかし、来期の予想は、売上103%強、経常利益も3%弱と増収増益の予想である。食品スーパーマーケット上場企業の平均売上が昨年対比103%強、経常利益率が2.5%強であるので、ほぼ平均に近い数値である。オオクワは財務管理指標の中でも営業利益率を重視する経営方針であり、2005年度の単体の損益計算書を見ると、粗利が25.9%(連結:26.5%)に不動産収入等の3.3%(連結:3.8%)が加わり、29.2%(連結:30.3%)、販売管理費が26.5%(連結:27.7%)、営業利益が2.7%(連結:2.6%)と当面の目標の4.0%にはまだ届いていない。
オオクワは和歌山県(売上構成比:43.0%)を地盤とする食品スーパーマーケットであり、現在、奈良(22.0%)、大阪(18.6%)、三重(16.5%)にも出店を広げ、128店舗を展開している。業態もSSM、SM、SCに加え、最近では、「スーパーセンターオークワ南紀店」を創業の地、和歌山県新宮市に、次世代の主力業態としての1号店を出店した。その後、最新店舗のスーパーセンターオークワコスタモール二色の浜店を大阪1号店としてオープンし、現在、スーパーセンターは4店舗となった。一方、競争の厳しい既存店については、直近では伊勢二見店、伊勢馬瀬店など6店舗をプライスカットのディスカウントストアへ転換するなど、新業態の開発にも力を入れている。既存のSSMについても、泉佐野松風台店、和歌山中の島店など3店舗を新規出店した。また、商品供給も日配などの自社食品工場や加工センターをもち、商品開発から自社の物流センターを経由しての店舗への一貫した物流体制の整備にも努めている。これに加え、平和堂、ライフ、ヤマザワ等が加盟している日本流通産業(株)、ニチリュウのPB商品も販売し、商品力の強化をはかっている。
このように、オオクワは、他県への新規出店、新業態開発、商品政策等様々な手を打ってはいるが、現状ではまだ成長軌道に乗っているとはいえず、今後、成長性、収益性の高い企業に転換するためには、現在の多種多様な業態を整理し、成長性、収益性の高い業態に経営資源を集中し、新規出店戦略を明確にすることが大きな課題となろう。その意味で、直近で4店舗になったスーパーセンターの動向が今後の鍵を握るものと思う。
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