注目株!! マルキョウの株価が今週、急騰!
マルキョウの株価が今週、急騰した。この数ケ月間700円強で推移していた株価が、11月に入り、急騰、11/11には年初来高値をつけ、910円となった。910円は食品スーパーマーケットの平均株価が約1500円であるので、むしろ、低い株価であるが、この1週間で約130%の伸び率であり、急上昇といえる。売買高も約60,000株を越え、この数ケ月は通常10,000株前後での取引であったので、11月に入ってから加熱気味である。マルキョウのここ数年の業績は売上が900億円強で推移し、経常利益は約2%、純利益1%強であり、今期予想も売上はややアップであるが、経常利益はほぼ横バイである。また、PERは16倍と上場食品スーパーマーケットの平均30倍と比べ半分と低く、PBRは何と0.36倍、平均の1.5倍を下回るだけでなく、1.0倍を大きく下回り、企業価値を問われかねない異常な低さである。ちなみに、現在、食品スーパーマーケットでPBRが1.0%以下の企業は約10社ある。カウボーイ(0.41)、MR MAX(0.63)、ダイイチ(0.69)、ポスフール(0.69)、ユーストア(0.73)、OLYMPIC(0.75)、マルヤ(0.78)、ジョイス(0.79)、イズミヤ(0.79)、天満屋ストア(0.87)、関西スーパー(0.95)、ヤマザワ(0.96)である。これらを見ても、マルキョウの0.36倍はPBRが上場食品スーパーマーケットの中でワーストであり、いかに低いかがわかる。
マルキョウは福岡を中心に約100店舗展開する食品スーパーマーケットであり、内分けは福岡55、長崎17、佐賀14、熊本3、大分7、山口1と商圏を徐々に九州広域に拡大しつつある。店舗面積は平均約300坪、年商が約900億円であるので、1店舗当り年商10億円弱となる。直近の決算予想は、売上940億円、経常利益22億円(2.3%)である。ただ、昨年度のBSを見ると、土地(280億円)、建物(156億円)の不動産が多いのが気になるところだ。
マルキョウは、今後、高業績が見込めれば、PBRを上場食品スーパーマーケットの平均1.5倍は無理でも1.0倍の現状910円から2000円になっても決しておかしくはない数字だが、現状の業績を見る限り、高業績になるとはいえず、今週の株価急騰はTOBがかかったかのような加熱ぶりである。ちなみに、現在のマルキョウの時価総額は143億円であり、上場食品スーパーマーケットの平均が約400億円であるので、下位グループである。来週以降、どう動くか予断を許さない。
さて、これ以外の11/11の食品スーパーマーケット上場約50社の株価はあまり大きな動きはなかった。この日の株価上昇率No.1はヤマナカの4.95%、それについで、No.2は今回取り上げたマルキョウの4.59%であり、3位以下は2%台、ベスト10で1%を切り、全体の平均は0.31%と低調であった。No.1のヤマナカは11/11現在の株価が1,249円、ここのところ業績低迷が続き、2000年頃は約2,000円弱で推移していた株価だが、この数年、下がり続け、2003年からは1,200円前後で現在までほとんど変化がない状況である。11/11の売買高も600株と少なく、今後、大きく動く株価ではなさそうである。
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