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November 23, 2005

客単価が正式に知的資産経営報告書の根幹指標に!

 本ブログで11/2に取り上げた経済産業省が提唱していた知的資産経営報告書策定にあたってのガイドラインが、実は、先月、正式に公表されていた。年末かと思っていたが、意外に早い公表だった。6月の中間報告段階では51の指標が公表され、今回、35の指標に絞り込まれたが、その中の重要指標として客単価の変化が正式に取り上げられた。客単価の変化以外にも小売業界として関係の深い指標としては、新規顧客売上高比率及び新規顧客会員数の対前年伸び率もあり、来期の決算から、財務諸表とともに上場企業をはじめ、非上場企業にも知的資産経営報告書の公開を促してゆくという。

  知的資産経営の開示ガイドラインでは知的資産経営を次のように定義している。すなわち、「知的資産経営は、経営の一側面というよりも経営そのものであり、利益の追求を基本としつつ、多くのステークホルダーを視野に入れ、自らの有する固有の能力を活かして持続的な利益の発展を目指すことにより、企業価値を高める経営のやり方である」とし、知的資産経営=経営そのものという考え方である。今後、この知的資産経営報告書が様々な企業で公表されることにより、財務諸表のみでは表現できない知的資産や知的資産経営の内容を知ることができるようになるものと思う。また、このガイドラインでは知的資産経営報告を行う目的として、①企業が将来に向けて持続的に利益を生み、企業価値を向上させるための活動を経営者がステークホルダーにわかりやすいストーリーで伝え、②企業とステークホルダーとの間での認識を共有することにあるとしている。ここでいうステークホルダーとは株主だけではなく、従業員、取引先、債権者、地域社会等のことを指している。

 さて、肝心の客単価の変化について、ガイドラインでは次のように指標解説がなされている。「同一の購買顧客や販売取引先との間で、繰り返し取引がある場合、その取引先の満足度が高ければ、次の購買における単価は増大する可能性がある。逆であれば、より安く買おうとする可能性が高いので、減少する可能性が高い。また、それによって取引先が変わる場合には、新規の取引先の購買単価の方が高い可能性は低いので、この場合にも客単価は下落するであろう。したがって1回当りの購買単価(いわゆる客単価)が増大していることは、継続的な顧客への説得力が増加しているか、極めて高い信頼を寄せてくれる新規取引先・顧客を開拓したことを示唆する。」と客単価をこのように知的資産経営の重要指標であると定義している。また、指標解説では、平均単価が外的要因により下がった場合には一定の補正を行う必要があるともいっているので、客単価=PI値×平均単価を意識していると見えるが、その場合は、一般にはPI値がアップし、客単価が大きく落ちることはないのが現状であるので、平均単価のみで客単価をとらえるには少し無理があるが、客単価を慎重に評価しようという配慮がされている。

  このように今後、知的資産経営報告書を作成する際には、客単価の変化の指標が必然的に公開されることになり、小売業界はもちろんであるが、各企業が客単価を知的資産経営の管理指標として位置づけることになるものと思う。来期は決算書とともに知的資産経営報告書が各企業で公開されてくるものと思うが、是非、小売業界では進んで公開して欲しいと願う。

 今回、11/10に久しぶりに産業構造審議会、新成長政策部会、経営・知的資産小委員会が開かれたが、その会議の席で、日本政策投資銀行が作成した「サステナブルな社会づくりレポート社会環境・知的資産報告2005」が公表された。その中で、報告書をつくる上において苦労した点と良かった点は何かという質問に対し、「苦労した点として、行内で知的資産に対する認識ギャップがあったこと、積極的に「強み」をPRしていくことに慣れていないこと、知的資産を数値で裏付けることが難しいことがある。一方、良かった点として、行内を中心に反響が大きかったこと、CSR報告書や環境報告書を作成している人にとって、それらを広い視点で捉える上で知的資産という概念が一助になっているとの回答があった。また、知的資産経営報告は、企業と投資家との情報ギャップを埋める働きがあるので、間接金融を通じて社会貢献する際に大いに役立つとの意見があった。」とのことである。

  まだまだ、スタートしたばかりの知的資産経営報告書であるが、徐々に各企業に浸透してゆくものと思う。この委員会は傍聴もゆるされ、議事録、資料等すべて公開であるので、もし、時間がゆるせば、次回の委員会は来年早々ということでもあるので、傍聴にいってみようかと思う。

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