注目株!! サンエーが上場来高値更新!
サンエーの株が9月中旬以降、右上がりで上昇している。11月に入り、少し値を下げたが、11月の中旬以降また上昇に転じ、11/24にはとうとう上場来最高値を更新し、4490円となった。通常は1万株から2万株の取引が、この日は6万株を越え、大商いだった。11/25は、前日比120円安(-2.7%)とやや値を下げたが、25週の移動平均乖離率(32.8%)、13週(17.32%)、25日(6.22%)、5日(1.40%)と上場食品スーパーマーケットの中で高水準となっている。ちなみに、食品スーパーマーケットの中で現在トップの移動平均乖離率はマルキョウであり、25週(44.96%)、13週(38.28%)、25日(28.57%)、5日(4.65%)であり、現在株価は1080円である。現在25週で10%以上を越える食品スーパーマーケットはサンエー、マルキョウ以外に大黒天物産、アークス、バロー、ヤオコー、オークワ、平和堂、イズミ、ライフコーポ、MV東海、ヨークベニマル、アオキスーパー、アークランドと12社ある。
PERが16.50倍!
サンエーは上場食品スーパーマーケットの中では抜群の収益率であり、経常利益が6.6%とオオゼキの7.93%についで2位である。この数年約6%の経常利益がつづいており、抜群の収益性である。株価は、現在4320円と上場食品スーパーマーケットの中では、九九プラスは別格として、大黒天物産の5500円についで2位と高めである。しかし、PERが16.50倍と低く、上場食品スーパーマーケットの平均30倍と比べ半分である。現在株価が3000円を越える食品スーパーマーケットは九九プラスの39000円は除き、大黒天物産(5500円)、サンエー(4320円)、バロー(3690円)、ヨークベニマル(3620円)、イズミ(3550円)、MV東海(3170円)、オオゼキ(3050円)と7社であるが、この中でPERが15倍前後の企業はサンエーの16.50倍、オオゼキの14.7倍、MV東海の18.00倍といずれも収益性が極めて高い企業である。また、サンエーの売上は1112億円、粗利は32.7%、販管費26.0%であり、営業利益も6.7%である。食品売上構成比約50%強を武器に、衣料15%弱、住関連30%弱でSC、NSC、食品スーパーマーケットを主体に沖縄商圏で確実にシェアを伸ばしている。売上も過去2002年2月(104.6%)、2003年2月(106.5%)、2004年2月(110.3%)、2005年2月(102.5%)そして今期は103.2%を目指している。
サンエーの収益力を支える強さのポイント
サンエーの強みは、沖縄という独特な商圏の中で、食品スーパーマーケットのみの展開だけはなく、全商圏対応型の業態を揃えている点である、ショッピングセンターはもちろん、最近ではヨークベニマルが最も力を入れているNSC(近隣型ショッピングセンター)の出店も意欲的であり、大商圏、中商圏、小商圏への出店をバランスよく行っている点である。そして、既存店の活性化を経営の方針にすえ、大商圏対応型のショッピングセンターをオープンする前には、小商圏対応型の食品スーパーマーケットの改装、活性化を実施し、既存店への影響を最小限にとどめながらの出店戦略をとっていることである。11/24の本ブログでも触れたとおり、現状の食品スーパーマーケットの既存店売上は平均95%であるが、このような政策により、サンエーは中間決算でも101%を越える既存店の売上を確保したという。もうひとつのサンエーの強みは物流センターである。沖縄に約80店舗弱展開するサンエーへのきめ細かな物流を自社でまかない、しかも、DCだけではなく、PC、食品工場まで併設し、徹底的なローコスト、高粗利の仕組みづくりに取組んでいる点である。サンエーの高収益の源泉がこの物流センターの活用によるところが大きいといえよう。さらに商品政策としては、オオクワ、平和堂、ライフ、ヤマザワ等が加盟する日本流通産業(株)、ニチリュウへも加盟しており、収益性の高い独自ブランドを販売するなど、商品力強化にも取組んでいる。
このように、サンエーは沖縄という独特な商圏の中で流通業のトップとなり、食品スーパーマーケット業界の中で、際立った収益力をもつ企業である。既存店の活性化にも積極的に取り組み、さらに、今後の食品スーパーマーケットの主力業態のひとつとなるNSCへの取り組みにも意欲的であり、高い収益性をともなった成長が今後も期待できるといえよう。
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