スチューレオナルドが近々に4号店をオープン!
スチューレオナルドが近々に4号店をオープンするという。本日、11/28時点ではまだオープンしていないが、2005年度中ということで、創業が1969年の12月なので、おそらく、来月であろう。スチューレオナルドは現在3店舗で、コネチカット州に2店舗、ダンバリーとノーウォークに、そして、ニューヨーク州のヨンカーズに1店舗である。はじめてスチューレオナルドを見た時、この食品スーパーマーケットがチェーン展開はさすがに難しいだろうと思ったが、すでに3店舗を成功させ、年商300億円近くになり、4店舗目を出店するというので、チェーン展開が軌動に乗りつつあるといえよう。
アメリカでは食品スーパーマーケットはウォールマートのスーパーセンターとの競争に敗れ、厳しい状況にあるが、スチューレオナルドのような独自固有の長所を極限まで伸ばした業態を開発し、出店戦略を軌動に乗せたことは食品スーパーマーケットの新たな可能性を開くものといえよう。
スチューレオナルドは入口の店頭の重さ3トンの御影石に彫り刻んだ社訓「Rule 1: The Customer is Always Right」「Rule2:If the Customer is Ever Wrong, Re-Read Rule1」があまりにも有名だが、スチューレオナルド最大のポイントは本ブログでもふれたように、通常の食品スーパーマーケットが約30,000品目の商品の品揃えをしているところを、わずか2,000品目、10分の1以下に絞り込み、しかも、売上が1店舗約100億円という驚異的な数字をあげてしまう点である。私がはじめてスチューレオナルドの売場を見た時の感動はいまでも忘れないが、これこそPI値そのものを実現した売場ではないかと確信したことである。青果(野菜と果物)、日配(牛乳、ヨーグルト、チーズ、パン)、精肉(アメリカでは魚よりも精肉がメイン)主体に売場がつくられ、グロサリーは重点商品のみに絞り込み、ワンウェイコントロールで客単価アップをはかるという、PI値理論の原理原則がいたるところで実現されていたことである。さらに、牛乳は1000頭の牛を実際に飼い、毎日独自に絞りたてを店頭に並べている。しかも、その種類は、Whole Milk、2% Milk、1% Milk、Skim Milk、Low Fat Chocolate Milk、Iced Cappuccino、Dulce de Leche、Lactose Free 100、Soy Milkの9種類である。牛乳のPI値は日本でも最高であるが、アメリカでも恐らく最高のPI値であろう。その品揃えを深く、広く行うという、うわさには聞いていたが、こんな店が現実に存在するのかと心底、驚いたものだ。
スチューレオナルドがなぜ、出店戦略に踏み出したかは、1987年にCEOが創業者のスチューレオナルド氏から息子のスチューレオナルド-ジュニアにバトンタッチされたことが大きい。初代が約20年かけて、スチューレオナルドの基礎を築き、2代目がそのノウハウをもとにチェーン展開をはかるという理想的な経営の引継ぎができたといえよう。ちなみに、スチューレオナルド-ジュニアはロスアンジェルスのカリフォルニア大学でMBAを取得している。
さて、スチューレオナルドはこれら2,000品目をどのように商品管理しているのだろうか。スチューレオナルドでは青果部門(ジュース売場もうけもつ)、ミート部門、フィッシュ部門の生鮮3品、デリ部門、キッチン部門、バーベキュー部門、ベイカリー部門、アイスクリーム&コーヒー部門(オリジナル牛乳からつくるアイスクリームにこだわり小さいながらも部門となっている)、デモ部門(試食販売等)のデリカ部門、そして、グロサッリー部門、ガーデンショップ部門(クリスマスチュリーなどの販売)の営業部門に加え、管理部門として、ビルディングサービス部門、フロントエンド部門、レシービング部門(物流、在庫管理等)、セキュリティー部門の全部で15部門で成立っている。
このように、スチューレオナルドは他の食品スーパーマーケットがけっして真似のできない要素をいくつも持ち合わせているにもかかわらず、基本に忠実な独特な食品スーパーマーケットをつくりあげた。近々オープンするスチューレオナルド4号店に期待したい。
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