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December 14, 2005

ネスカフェに見るアイテム分割の事例!!

 ほとんどの食品スーパーマーケットで特売ちらしに頻繁に入る典型的な商品の1つがインスタントコーヒーのネスカフェだ。あまりに特売に入るために定番がよくわからなくなり、価格体系が完全に崩れさってしまった売場が多いのに驚く。これではコーヒーを特売に入れたときはそれなりに売れるだろうが、コーヒーコーナーの定番では全く売上がとれなくなり、コーヒーコーナーが在庫置き場になってしまう。

  そこで、再度、コーヒーの原点にもどり、インスタントコーヒーの圧倒的なシェア誇るネスカフェを事例にインスタントコーヒーのマーチャンダイジングを考えてみたい。インスタントコーヒーの一般的な客単価はおよそ10円である。PI値が1.5%強、平均単価が600円強であり、その内のネスカフェが約60~70%ぐらいのシェアを占めているのが実態である。ちなみに、スイスのネスレの世界全体の総売上高は約8兆円である。そのネスレが世界戦略の一環として、日本のインスタントコーヒー市場に取り組んだのは、約90年前の1913年のことである。その後、1961年には日本ではじめてのテレビコマーシャルを実施し、現在では、食品スーパーマーケットのインスタントコーヒー売場をほぼ独占し、年商約3000億円となった。

  では、そのネスレがどのような商品体系を現在確立しているのかを改めて見てみたい。まず、ネスカフェの中心となる商品がエクセラ100g(6.0円/100g)の定価598円である。これが容量分割され、大が200g(5.7円/100g)1134円と特大の250g(5.4円/100g)1344円、小が50g(5.2円/100g)258円と30g(5.2円/100g)157円である。食品スーパーマーケットで頻繁に特売に入るのは250gか200gであり、これが250gの場合は780円(3.1円/100g)、200gの場合は580円(2.9円/100g)であり、どちらも定番価格の約50%offが多い。したがって、100gが定番の場合は200gの特売が100gよりも安くなり、100gの価格体系がこの時はふっとんでしまう。また、小サイズは微妙に価格を下げており、50gを2つ購入した価格516円の方が100gの598円よりも安くなり、100gの価格が微妙な価格となっている。したがって、まず、はじめに確立しなければならない商品は100gのエクセラであり、200g、250gが特売の時の価格、小サイズとの関係等をしっかり確立することがインスタントコーヒーのマーチャンダイジングの最初である。

  ではアップグレードはどうか。エクセラのワンランク上がゴールドブレンドであり、基本は100g(7.9円/100g)787円であり、大が150g(7.6円/100g)1144円、小が30g(8.2円/100g)であり、エクセラではなかった150gが登場する。また、小は微妙に高めとなり、100gに値頃感を出している。エクセラの100g(6.0円/100g)598円と比べるとゴールドブレンドは100g(7.9円/100g)787円であるので、その差131.6%であり、30%のアップグレードの商品である。最近の食品スーパーマーケットではこのゴールドブレンドの100gを398円で特売に出すケースも増えており、398円の場合は3.9円/100gとなるため、約50%offとなる。マーチャンダイジングとしては、エクセラからいかにゴールドブレンドへつなげるかが鍵となる。

  さらにアップグレードの商品としては香味焙煎があり、これはやわらかモカ、爽やかキリマンジャロ(30gのみ)が加わり3種類の商品がいずれも80g(9.8円/100g)787円、30g(8.9円/100g)268円で販売され、30gの方に値頃感を出している。ちなみに、エクセラの100g(6.0円/100g)598円と比べると30g(8.9円/100g)268円は170%のアップグレード商品である。そして、最高グレードの商品がプレジデントであり、90g(11.8円/100g)1060円であり、小のみ24g(12.4円/100g)298円で販売している。さすがに最高グレードだけあって、エクセラの100g(6.0円/100g)598円と比べると、約200%のアップグレード商品となる。

  このように、ネッスルはネスカフェを4段階のグレードに分け、主力のエクセルを大小5SKU、130%アップグレードの準主力のゴールドブレンドを大小3SKUを基本に、さらにアップグレードの香味焙煎を小を含め3種類5SKU、そして200%アップの最高グレードのプレジデントを小を含め2SKUでアイテム分割をはかっている。これをグレードと容量を軸にグラフをつくってみると、y=1/x上にきれいに全商品が並び、主力の容量分割が明確で、グレード対応がはっきりし、さらに、小容量はすべてのグレードをそろえたきれいなグラフとなる。

  したがって、インスタントコーヒーのマーチャンダイジングのポイントは、再度エクセラ100gを中心にすえることからはじまる。そして、容量分割とアップグレードが価格差として矛盾なく、顧客に一目で明確になるような品揃えを実施し、それを棚割りにしっかり落とし込むことである。また、比較購買を促すために、日本のライバルメーカー数社の主力、準主力商品のエクセラ、ゴールドブレンドと併売することもポイントである。そして、特売としてはエクセラの200gないしは250g、ゴールドブレンドの100gを定期的に実施し、インスタントコーヒー全体の消費を促すことがポイントとなろう。

  インスタントコーヒーは商品のアイテム分割の基本である容量とグレードを理解する上で最も典型的な商品であり、特売に惑わされることなく、品揃えと価格体系、および販促サイクルを確立し、他のグロサリー商品や生鮮食品等への活性化につなげて欲しい商品である。

December 14, 2005 in 経済・政治・国際 |

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