イズミ、丸久と提携し、NSCの本格展開へ!!
12/16の日経MJによると、イズミが丸久を核テナントにNSC(ネバーフッドショッピングセンター)の本格展開に入るといういう。イズミはこの10/11に丸久と業務・資本提携を結んでおり、その戦略目標がNSCの開発、出店にあったことが明確になった。
NSCはスーパーセンターに対抗する食品スーパーマーケットの新業態として各社が取組み、東北ではヨークベニマルが、関東ではヤオコーが先行しており、最近ではカスミ、エコス、バローも本格的に取組み始めた。スーパーセンターがどちらかというと中から大商圏をめざしているのに対し、NSCは小から中商圏をめざすという業態であり、食品スーパーマーケットにとっては非常に相性のよい新業態といえる。
イズミはこれまで、大商圏業態であるSC(ショッピングセンター)の「ゆめタウン」を主力業態に取組んできたため、中小商圏対応型の業態開発は遅れ気味であったが、今回、食品スーパーマーケットの丸久と提携したことにより、丸久を中核とするNSC開発が可能となる。今後、丸久の地元山口、イズミの地元広島はもとより、中国地区、九州地区、四国地区等への出店に本格的に取組むものと思う。
ところで、イズミと丸久の提携についてであるが、大きく業務提携と資本提携にわかれた内容である。業務提携については、①開発物件の紹介、②人材の相互交流、③地場商品の共同仕入れ、④電力、什器・備品、消耗資材等の共同調達、⑤店舗の譲渡、⑥システムの共同化、⑦物流拠点の共同利用の7つが主な内容である。一方、資本提携は、①イズミが丸久の60万株を取得し、現在の取得分と合わせ、発行済み株式の6.48%を所有する。②丸久がイズミの6万7千株を取得し、現在の取得分と合わせ、発行済み株式の0.27%を所有する。という内容であり、資本提携に関しては相互株式の持合いに現在はとどまっているが、今後の状況次第では、新潟の原信、ナルスの事例のように共同持ち株会社へ発展することもないとはいえない。このような中での、今回のNSCの共同開発は双方にとって、強みをいかし、弱みをカバーする最良の業態開発といえ、スーパーセンターの出店が中国、九州地方へも展開がはじまりつつある現在、時期的にもベストタイミングといえる。
ここで、イズミ、丸久についての、最新の経営数値である2005年8月の中間決算をみてみると、イズミは売上105.7%、経常利益103.2%と増収増益であり、2006年2月期予想も売上102.8%、経常利益114.1%と好決算が期待される。一方、丸久は、売上105.9%、経常利益121.9%と増収増益であり、特に、経常利益が大幅増益であった。また、2006年2月期予想も、売上102.8%、経常利益102.4%と増収増益予想である。
また、双方の現状の店舗展開状況については、イズミは中国地方に55店舗、九州地方に14店舗、その他に2店舗の合計71店舗を展開している。その内、約50店舗がSCのゆめタウンであり、売上ベスト10は、7店舗が九州、2店舗が広島、1店舗が香川である。ちなみに、No.1は香川のゆめタウン高松店であり、年商100億円を越える。最近は地元広島よりも、九州地方に力を入れているのが特徴である。一方、丸久は50店舗の食品スーパーマーケットを山口に集中展開しており、他県は広島、島根に数店舗のみである。特に、AJSグループに入り、アルクという約500坪強の食品スーパーマーケットへの転換を急激にすすめており、現在21店舗がアルクでの展開である。
このように、イズミは大商圏業態のSC、ゆめタウンが主力業態であり、丸久は食品スーパーマーケットのアルクが主力業態であり、イズミは中国地方全域、九州地方、そして四国への展開を図っているのに対し、丸久は約90%が山口県に集中した小商圏業態の食品スーパーマーケットである。今後はイズミのゆめタウン周辺に丸久の食品スーパーマーケット、アルクを核とした、イズミがデベロッパーとなったNSCが展開され、中国、九州、四国地方のNSCによるドミナント化が急激に進むものと思う。
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