自民党、まちづくり三法見直し最終案をまとめる!
12/21、自民党政務調査会のまちづくり3法見直し検討ワーキングチームにより、まちづくり3法見直しに関する最終取りまとめが発表された。この中で、中心市街地衰退の原因を、郊外居住の進展、モータリゼーションの進展、公共公益施設の移転、大規模集客施設等の郊外立地などにより、「まち自体の郊外化」が起こった一方、商業者の努力不足、地権者の協力不足、さらには両者の一体的取組み不足により、住民・消費者ニーズからの乖離が原因であったと断定している。そして、再度、中心市街地を活性化させるべく、以下の7つの具体策を実現させるために、予算、税制に反映させ、来年度の中心市街地活性化法及び都市計画法の改正案を次期国会に提出するという。
1.基本理念の創設、責任体制の明確化
ひとことでいうと、ブレーキとアクセルである。ブレーキは拡散型都市構造へ向かうことへの歯止めをかけることであり、アクセルとは中心市街地の再生を促進することである。この一体的推移を目指すことが今回の最大のポイントである。特に、そのために内閣に「中心市街地活性化本部」を設け、責任体制を国として明確化するという。
2.ゾーニング強化と広域規制の導入
今回の最大のポイントである。これまでのゆるい規制を改め、ゾーニングを明確にし、大規模集客施設(1万㎡を越える施設)は商業地域、近隣商業地域のみに限定され、それ以外の地域には原則立地できないことするという。しかも、出店可能な地域の立地についても一市町村の視点からではなく、広域的な観点から適正立地を調整するというものである。
3.農地関連規制の強化
これまで規制のゆるかった農地転用による大規模集客施設の立地を、今後は原則認めないことにするという。
4.「商業空間」から「生活空間」としての中心市街地再生
これは中心市街地の活性化策を「商業空間」=サプライサイドからの発想から、「生活空間」=デマンドサイドからの視点に改めるというものであり、具体的には、中心市街地に住居、病院、福祉施設、大規模店舗の優遇措置にもとづく誘致等を行い、中心市街地を生活の場に作り変えるというものである。
5.予算に関する「選択と集中」の強化
現状、中心市街地関連予算が約1兆円あるが、これが市街地活性化に対し有効に活用されてないとの観点から、内閣総理大臣認定の「基本計画」にもとづき、優先して市街地活性化に活用するようにするというものである。
6.税制等の支援措置
中心市街地活性化に積極的な民間業者、地権者等に所得税、法人税、不動産取得税等の税制優遇措置を設けるというものである。
7.地域における中心市街地活性化の推進
中心市街地活性化協議会を新たに設け、都道府県、市町村の考え方を踏まえつつ、そこが中心となって中心市街地の活性化を総合的に取組む体制をつくるという。
このように、今回のまちづくり三法見直し案は中心市街地を、商業空間から生活空間にするために、郊外への大規模集客施設の立地を規制し、中心市街地に居住、商業(大型店、小型店)、病院・福祉施設、公共施設等を再配置することにある。そして、そのために、市町村から内閣総理大臣に権限を戻し、中央直轄による中心市街地活性化を推進してゆこうというものである。
来年にはこの法案が国会に提出される予定であるので、早ければ来年から、遅くとも再来年には施行となろう。小売業としては1万㎡以上の郊外へのSC等は新規出店が抑制されるので、新たな成長戦略のためには、1万㎡以下の郊外向け店舗開発(スーパーセンター)と中心市街地用の大型小売業(百貨店)と逆に小型店(食品スーパーマーケット)の新業態開発が大きな課題となろう。
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