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December 05, 2005

株式交換によるM&Aが食品スーパーマーケット業界へ波及!!

  食品スーパーマーケット業界にも株式交換によるM&Aが本格的にはじまった。そして、その先には持ち株会社設立による業界再編が見えてきた。すでに、北海道ではアークスが持ち株会社としてスタート、株式交換により次々に食品スーパーマーケットを傘下におさめ、北海道全域に商圏を広げつつある。ほぼ、同様の構図が来年4月には新潟でもはじまる。原信がナルスを株式交換で吸収し、新たに原信ナルスホールディングスという持ち株会社を設立し、そのもとに原信とナルスを完全子会社とする新体制に切りかわる。この新体制が軌動に乗れば、他の食品スーパーマーケットもこの持ち株会社のもとに吸収し、甲信越全域に商圏を広げてゆくことになろう。これまでは、持ち株会社制度は金融機関の専売特許のような制度であったが、ここへきて、食品スーパーマーケット業界にも波及し、今後各地で株式交換を前提とした持ち株会社が設立される可能性が高い。

  では実際に、株式交換がどのように食品スーパーマーケット業界において行われているのかをヨークベニマルを事例にみてみたい。この9月1日にヨークベニマルは、茨城県の食品スーパーマーケット、カドヤを株式交換により完全子会社化した。茨城県へはこの4月に、茨城県初出店となるNSCのヨークベニマル赤塚店を出店した。そして、ほぼ、同時期、6月6日にはカドヤと株式交換書の締結を行い、7月には2号店のNSCである坂東店を出店、そして、9月1日にはカドヤと正式に株式交換を行い、完全子会社化を実施した。さらに、9月23日には、3号店のNSCである中郷店を出店した。4月から9月までの、わずか、6ケ月間で茨城商圏内に年商ベースでNSC3店舗、合計で約100億円、カドヤが約200億円、総合計約300億円の売上を確保したことになる。しかも、カドヤの約200億円は株式交換による完全子会社化であるため、実質、資金は大きくかからずに成し遂げられている。ちなみに、株式交換比率はカドヤの株式1に対し、ヨークベニマルの株式21を割り当てるというものである。現在のヨークベニマルの株価で単純計算すれば、約3500円×21株=73500円がカドヤ1株に割り当てられることになる。カドヤは発行済株式が80000株であるので、ヨークベニマル株、168万株と交換されることになり、単純計算すれば、約60億円ということになる。仮に、株式交換という手法でなく、株式の取得という方法をとったとすると、単純に同額の価値と考えた場合は、約60億円近くの資金が必要となり、こんなにスムーズに、しかも、短期間に完全子会社化ができるかどうかは難しい問題である。いかに、株式交換という手法がM&Aを促進するための重要な手法であるかがわかる。ヨークベニマルはこの手法をミックスさせ、いち早く、茨城商圏に約300億円という大きな橋頭堡を築いたことになる。

  ヨークベニマルは小売業界で持ち株会社の先鞭をつけた7&Iホールディングス(イトーヨーカ堂グループ)の関連会社(約35%)であることから、今後、ヨークベニマルが持ち株会社となって、東北、北関東に商圏を広げてゆくことは、すぐにはないと思うが、今回のように株式交換による完全子会社化は今後もつづく可能性が高い。なぜなら、ヨークベニマルの時価総額は食品スーパーマーケット業界でトップクラスだからである。

  実は、この株式交換の成否の最大のキーポイントは時価総額である。時価総額が高い企業が、時価総額の低い企業を完全子会社化することは容易であるからである。したがって、今後の食品スーパーマーケット業界の動きは、時価総額の高い企業が株式交換という手法を通じて、場合によっては持ち株会社を設立し、業界再編をはかってゆくことが増える可能性が高い。今後、時価総額の高い食品スーパーマーケットの動向がますます注目される。

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