アルバートソン、1/23に売却を発表!!
1/23、アルバートソンの売却がついに決まった。売却先は3社、スーパーバリュー、CVS、サーベラスである。総額174億ドル(約2兆円)での売却である。現在、アルバートソンの株価は今年始めは約20ドルであったが、ここへきて急上昇し、25ドルを越えている。今後、アルバートソンの株主は1株につき、26.29ドルを受け取ることになるという。アルバートソンを買収する3社はスーパーバリューが卸売業と食品スーパーマーケット、CVSがドラックストア、サーベラスは、日本では、あおぞら銀行、国際興業、西武ホールディングスの筆頭株主となった投資ファンドである。
具体的な売却内容であるが、まず、スーパーバリューは1124店舗のアルバートソンの食品スーパーマーケットを買収する。これにより、既存店と合わせて2656店舗を全米48州に展開することとなり、年商は440億ドル(約5兆円)の食品スーパーマーケットが誕生することになるという。全米食品スーパーマーケット業界ではクローガーにつぎ、2番目の売上規模となる。
CVSは日本ではあまりなじみが無いが、全米37州に5461店舗を展開するドラックストアである。アルバートソンは食品スーパーマーケットに加え、ドラックストアも展開しており、そのフリースタンディングタイプの700店舗と物流・配送センターすべてを買収するという。
そして、サーベラスであるが、655店舗の食品スーパーマーケットとドラックストアと食品スーパーマーケットの融合したコンボを買収するという。ただし、この655店舗は地域が限定されており、ダラス・フォートワース地区、フロリダ、北カリフォルニア、ロッキーマウンティンと南西地区であるという。しかも、スーパーバリューからも26店舗のシカゴ地区で展開しているカブストアを買収するという。
ここで改めて、アルバートソンの歴史を振り返ってみたい。アルバートソンの1号店は1939年7月21日、今から約65年前に、ジョー・アルバートソンがアイダホにグロサリーストアをオープンしたのが始まりである。その基本理念は「お客さまが欲しい商品を、お客さまがお支払いいただける金額で、あふれるやさしさと愛をもって提供しなさい」というものであった。
その後、第2次世界大戦をはさみ、1950年代に入り、アメリカの景気が回復し、車社会の出現とともに、郊外型食品スーパーマーケットの展開が大当たりし、アルバートソンは急成長することになる。1951年には早くも売場面積2000坪弱の食品スーパーマーケットとドラックストア併合の新業態店舗を開発している。1950年代半ばになると、アイダホ州に加え、オレゴン州、ユタ州、ワシントン州の4州へ出店を広げ、この頃、本格的なチェーンストアの本部が創設され、総店舗数が1950年代末で62店舗、売上は7000万ドル(100億円弱)の年商となった。
1963年には記念すべき100店舗目の店舗をワシントン州のシアトルにオープンさせた。翌、1964年にはカルフォルニアにも出店地域を広げ、1960年末には総店舗数200店舗、年商42000万ドル(約500億円)となり、店舗面積も平均約600坪となり、念願のニューヨーク証券取引所への上場を果たす。この時点で、アルバートソンは全米の売上高38番目の小売業となった。1970年代に入ると、ドラックストアのノウハウを持つスカッジカンパニイと提携し、本格的な食品スーパーマーケットとドラックストアの融合業態であるコンボストアの開発出店がはじまる。また、この頃にはチェーンストアの核ともいうべき10000坪の物流センターが構築されるなど、本格的な全米へ配送するための物流体制が整ってゆく。
1975年にははじめて10億ドル(約1200億円)を越え、1970年末には、365店舗、年商20億ドル(約2500億円)となった。1980年代に入り、POSをはじめ、情報システムの整備も進み、1980年代末には、全米17州に523店舗となった。1993年には、創業者のジョー・アルバートソンが83歳で亡くなるという不幸もあったが、この時期はM&Aを積極的に展開し、アメリカンストア、セイブオン、ラッキー、ジュエル・オスコ等を吸収合併し、1990年代末には、全米38州に2400店舗を展開するまでになった。
そして、2006年、次の10年を待つことなく、1/23にアルバートソンは3つに分割され、完全売却された。
« 野菜、果物、水産、大田・築地市場速報! | Main | 食品スーパーマーケット、売上ランキング! 2005年12月度!! »
« 野菜、果物、水産、大田・築地市場速報! | Main | 食品スーパーマーケット、売上ランキング! 2005年12月度!! »
Comments