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January 06, 2006

魚力、魚喜にみる鮮魚専門店の経営最新状況!!

  鮮魚専門店は食品スーパーマーケットと直接競合することが多い業種であるが、時には食品スーパーマーケットのテナントとして入店することもあり、関係の深い業種である。ひところはやったパワーセンターはまさに鮮魚専門店が食品スーパーマーケットの鮮魚売場にテナント入店した事例である。現在でもユーストアや一部食品スーパーマーケットは鮮魚、精肉、惣菜等をテナントで構成している例がある。また、駅ビル、百貨店などには食品スーパーマーケットよりも専門店の単独入店が多いのが特徴である。

  現在、上場している鮮魚専門店は魚力と魚喜2社である。この2社の最新の中間決算数字を見ると、魚力は2005/09の売上は109.9億円(昨対98.25%)、経常利益は5.0億円(昨対153.6%)で減収大幅増益であった。経常利益率は4.6%である。一方、魚喜の2005/08の売上は120.2億円(昨対91.35%)、経常利益は0.79億円の赤字で、減収大幅減益であった。どちらの鮮魚専門店も共通して売上が厳しい状況であるが、収益については魚力は大幅改善、魚喜は大幅悪化と結果が分かれた。

  さらに、もう少し、中身を見てみると、魚力の粗利率は40.9%、販管費率は38.3%、営業利益率は2.6%、経常利益は4.6%となった。特に経常利益が高かった理由は営業外収益(余資の運用)がよかったためであり、経費比率、粗利率が大きく改善したわけではない。一方、魚喜については、粗利率は41.2%、販管費率は41.7%、営業利益率は-0.5%であり、さらに営業外費用がかさみ、経常利益率が-0.79億円となった。食品スーパーマーケット業界と大きく違う点は粗利率と販管費であり、食品スーパーマーケットの鮮魚は25%~30%であるが、鮮魚専門店は40%を越える高さである。ただ、販管費率も約40%弱と高く、営業利益、経常利益は食品スーパーマーケットと大きな差はない。このように、粗利率が高い理由としては、食品スーパーマーケットと違い仕入れルートが多岐に渡り、いわゆる原価ミックスをかけている点である。魚力の場合、市場からの仕入れは約50%であり、水産業者からの仕入れが約25%、商社からの仕入れが約15%、そして、約10%が生産者直からの仕入れとなっている。当然リスクもあるが、中間マージンがない分、原価がさがることになる。

  さて、この中間決算数値を受けて、魚力の株価は12/30、1391円と上場来最高値をつけ、1/5現在では、1383円である。中間決算が発表された12月中旬以降は一本調子で上がりつづけている。魚力の株価は今年の9月以降上昇基調であり、注目株といえる。一方、魚喜の株価は12/30、419円と低迷しており、1/5現在では420円である。特に中間期の8月以降、株価が急落、10/28には年初来最安値をつけ、その後は420円前後で推移している。時価総額が49億円と魚力の203億円と比べても極端に低く、非常に厳しい経営が続いている。

  魚力は東京(21店舗)を中心に埼玉(9店舗)、神奈川(3店舗)、千葉(3店舗)、愛知(3店舗)の計39店舗を展開している。年商約200億円であるので、1店舗当りは約5億円である。また、これら40店舗の出店業態は百貨店(8店舗)、駅ビル(15店舗)、テナントビル(6店舗)、スーパーマーケット(8店舗)、パワーセンター(2店舗)と駅ビルを主体に展開している。中間決算では、特に駅ビルの数字が94.1%と落ち幅が大きい。また、売上の70%は鮮魚の売上であるが、寿司が約20%、その他が10%の売上であり、寿司が以外に大きな売上構成比となっている。

  これに対して魚喜は神奈川(19店舗)を主体に、首都圏(15店舗)、中部(29店舗)、近畿(22店舗)、中国・四国(8店舗)、北陸(1店舗)と合計94店舗を関東から西日本へかけて幅広く展開しているのが特徴である。このため、大型物流センターも東西に2箇所構えている。年商は約250億円であるので1店舗当り3億円弱といえる。

  今後の課題としては、食品スーパーマーケットと比べ粗利率がどちらも約40%と極めて高いが、そのメリットをいかせず、経費比率も高く、結果、営業利益率の収益性はあまり大きくは変わらない数値である。今後、いかに販管費を抑える仕組みをつくれるかが大きな課題であろう。また、そのためにも、魚力、魚喜ともに駅ビル、百貨店、テナントビルへの出店以外に、ユニクロのような単独での鮮魚専門店展開のためのフォーマットづくりも課題となろう。

January 6, 2006 in 経済・政治・国際 |

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