原信、第3四半期決算、増収増益!!
原信の第3四半期決算数字が2/1、発表された。それによると、売上106.9%、営業利益115.3%、経常利益105.3%、当期利益91.6%と経常利益ベースでは増収増益であった。当期利益が若干下がった理由は、子会社化した企業の株式売買による税金支払い等であり、今期最終決算の当期利益は増収の予定である。今回の第3四半期決算においては、特に、決算時期が4/1から12/31までの数字であるので、新潟の厳しい積雪、PLANT、ベイシア、ウオロクをはじめ地元食品スーパーマーケットとの激しい競合状況の中での増収総益であり、原信の強さを改めて実証した数字といえよう。
この4月からはナルスとの合併による原信ナルスホールディングになり、原信としては最後の決算であり、今期は好決算が期待できそうである。現時点での今期予想も売上高756億円(103.4%)、営業利益27億円(118.5%)、純利益14億円(147.8%)であり、増収大幅増益の予想である。
この第3四半期の好決算を支えた原信の営業数字であるが、最も注目すべきは既存店の売上高が昨年対比で105.9%になったことである。特に、既存店の客数が105.5%、客単価もわずかながらであるが100.4%アップしたことである。特に、平均単価は96.3%とややダウンしたが、PI値が104.1%とアップし、客単価をアップさせたことは、顧客からの強い支持を既存店が勝ち得たということであり、食品スーパーマーケットとしては注目すべき数字である。現在、多くの食品スーパーマーケットが既存店の売上、客数、客単価が昨年を上回れない状況である中、原信の経営理念である「判断基準はお客さま」がまさに実現された数字といえよう。
原信のこの営業数値の強さのポイントは青果、惣菜、グロサリーの強さにある。一般の食品スーパーマーケットと比べ、生鮮・惣菜では青果と惣菜の構成比にウェートがおかれており、青果11.7%、惣菜10.9%(インストアベイカリー含む)であり、精肉の10.2%、鮮魚の9.5%を越え、この2部門が店舗全体をリードいている部門となっている。特に、惣菜の10.9%は通常の食品スーパーマーケットが約8%ぐらいである点を考えると、ヤオコーの12.9%、ヨークベニマルの13.5%には及ばないが、かなり高い数字である。また、グロサリーも他の食品スーパーマーケットと比べた場合はそれほど高いとはいえないが、全体の構成比の中では高めの、26.2%である。この3部門が原信の営業力の強さとなり、既存店の数字改善につながったといえよう。
これらを踏まえ、原信の第3四半期の粗利率は28.4%であり、第1四半期の27.3%、第2四半期の27.1%と比べ粗利率が改善されてきている。また、販売管理費についても、第1四半期の23.7%、第2四半期の24.1%に比べ第3四半期は23.0%と下がっている。したがって、営業利益は第1四半期3.6%、第2四半期3.0%であったが、第3四半期は大きく改善し5.4%となった。着実に第3四半期の数字が改善されており、食品スーパーマーケットとしては理想的な営業数値といえる。
残念ながら、これだけの経営数値であるにもかかわらず、2/20現在の株価は1630円であり、昨年12月には1900円前後の株価が1月に入りやや値を下げ2月以降1600円~1700円で推移している。PBR1.85倍、ROE6.44%、PER23.6倍、時価総額284億円であり、特に、PER23.6倍は食品スーパーマーケットの平均と比べてもやや低めであり、現在株価1630円は低めの評価といえよう。
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