医療モール併設型NSCをエコスが展開!
日経新聞2/17に、「医療モールを併設、エコスが小型SC展開」という記事が載った。いよいよ、NSCも新たな段階に入り、これまでの、ドラックストア、ホームセンター、カジュアルウェア、100円ショップ等との併設に加え、医療モールも加わる時代にはいったといえる。
記事では、エコスが今期出店するNSC5店舗の大半に医療モールが併設されるという。医療モールを展開するのは、これまで独自に医療モールを展開してきたアイロムであり、今回、エコスと業務提携することが決まった。アイロムは東証1部上場企業であり、医療機関への様々なサポート業務に加え、もうひとつの事業の柱が複合型医療施設をつくり、クリニック開業へのサポート事業である。
両者の業務提携は2/17、ホームページで公開されたが、それによると、エコスとアイロムの提携内容は4つの柱からなっている。1つ目はエコスの展開する店舗内または隣接地でのクリニックモールの開設である。今後、新店だけでなく、既存店についても、地域ニーズに応じてクリニックモールを開設するという。
2つ目はエコスの展開する店舗内または隣接地でのドラックストアまたは薬局の誘致・開設である。アイロムには都内に38店舗のドラックスストアを運営する子会社もあり、ここが中心となってドラックストアの出店ノウハウの提供や薬剤師の派遣を行うという。
3つ目はオーガニック商材・特定保健用食品・健康食品等、PB食品の共同開発及び販売を行うという。まさに、医食同根が実現されることになり、今後、エコスの商品構成の中に、オーガニック商品や健康食品がPBとして品揃えされることになる。
そして、4つ目が販売ネットワークの相互利用である。これはアイロムグループのドラックストアとエコスの展開する店舗を相互に活用し、両者が保管しあいながら販売ネットワークの拡大を図ってゆくという。
以上、4つが業務提携の具体的な内容であり、今後、NSCへの医療モールの出店だけでなく、オーガニック商品や健康食品の共同開発も含まれており、食品スーパーマーケット業界として、はじめての本格的な医療のノウハウの導入となる。
アイロムについては、食品スーパーマーケット業界とは、これまで接点があまりなく、ほとんど知られていなかった企業である。そこで、平成18年3月期の第3四半期決算をもとに企業概要をみてみたい。売上は71.81億円であり、昨年対比171.7%の急成長である。昨年3月の通期の売上が57.73億円であるので、この時点で昨年通期の売上を越えている。経常利益は1.43億円であり、昨年対比-63.7%であり、大幅増収、大幅減益であった。大幅減益になった理由は、M&Aを積極的に展開したため、予想以上の費用がかっかってしまったことに加え、SMO事業(治験のサポート)を早期に全国展開し、販売管理費等がかかりすぎ、収益改善が遅れたためという。アイロムは現在4つの事業の柱があり、SMO(治験のサポート)事業約17億円、医療モールを展開するメディカルサポート事業約4億円強、人材コンサルティング事業約4億円、医薬品等の販売事業約35億円である。
今後、エコスに限らず、このような医療分野と食品スーパーマーケットの融合はますます密接になり、小売業同士だけのNSCから、異業種を加えた、様々なNSCが全国で展開されてくるものと思う。
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