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February 17, 2006

仮説づくりの難しさ!!

  先日、まだ雪深い東北の食品スーパーマーケットで、PI値にもとづく仮説づくりに挑戦した。この日は久しぶりに暖かい日であり、街中に高く積もった雪も大分とけはじめていた。この地区は日本でも有数の激戦地区であり、イオンのスーパーセンター、地元スーパーセンター、イオンの24時間マックスバリュ、地元SSM、さらに地元食品スーパーマーケット数店舗が乱立している状況である。当然、これら競合店舗と直接、間接に影響を受けるため、バイヤー、店長も必死である。

  そのような中で、今回、取組んだ商品は、日配、鮮魚、精肉、惣菜、青果から重点商品を数品選定し、バイヤー、店長双方が討論しながら、仮説づくりに取組んだ。タイミングよく、3月の食品商業の最新号に発注マネジメント特集が組まれているが、まさに、仮説にもとづく発注数量の確定が最大のポイントである。

  今回仮説づくりに使用したデータは3つである。ひとつ目は先週の客数、重点商品の販売数量、PI値、2つ目は過去4週間の重点商品の販売数量、PI値、そして、3つ目が全店の過去1ケ月間の重点商品のMD評価表である。この3つのデータを参考に来週1週間の発注数量を仮説にもとづき確定した。発注数量確定にあたって最も時間をかけ、気をつけたポイントは来週の週間予想PI値である。ここに最大の時間をかけ、充分に議論した。そして、そのために、各重点商品の全店の平均PI値、取組む店舗の先週の平均PI値、最高PI値、最低PI値を考慮し、予想される販売状況に応じて来週の週間平均PI値を算出した。

  そして、慎重に決めた週間平均PI値にもとづき、来週の販売状況を検討し、1週間の各曜日別のPI値を決め、店長が予想する曜日別客数に掛け合わせて、発注数量を確定していった。当初はかなりの時間がかかったが、慣れると、1つの商品が数10秒でできるようになり、各部門の重点商品の仮説にもとづく発注数量の確定が30分以内にできるようになった。従来、この企業では、発注は当然、現場が忙しい作業の中で締め切り時間に追われながら、ぎりぎりの中で行われていた。しかも、重点商品もその他の商品も一緒に発注数量を決めざるをえず、毎日、ほとんど7個づつの発注が繰りかえされるなど、結果として欠品、過剰在庫が頻繁に発生していた状況といえる。今回、このように、とりあえず、重点商品だけは週間発注数量案を本部が立案し、現場が修正するだけでよいという流れをつくったことにより、少なくとも、これまでのように、とりあえず重点商品に関しは欠品、過剰在庫は改善されるものと思う。まず、この流れを時間をかけてもしっかり確立し、次へつなげてゆければと思う。

  さて、ほぼ、今回、このような仕組みがこの企業においては動きはじめたわけだが、この仕組みづくりで、最も課題になったことはバイヤー、店長の仮説に関する思考方法であった。バイヤーも店長も現場上がりであるため、どうしても、仮説を立てる際、自らの経験に縛られ、その思考方法がぬけず、先週の数字にとらわれてしまい、先週の数字+αの発注数量をまず考え、それに天候、時間、ちらし、現場の状況等を考慮し、きめ細かな予測をしようとしてしまう。これでは、先週の数字を越えることは難しく、また、時間がどんなにあっても発注数量がなかなか決まりにくい。

  仮説とは自分の経験から導くのではなく、実はひらめきが最も重要な要素であり、自分の経験よりも他人の経験である全店の数字の方がはるかに重要な数字である。また、先週の数字よりは過去数週間の数字の方がより重要な重みをもつ。したがって、仮説づくりの最大のポイントは一旦自分の経験を捨て、全店および過去数週間のデータを睨み、そこからひらめきに応じて来週のPI値を独断で確定することである。そして、そのひらめきによって得られたPI値を再度、先週のデータと照合し、来週の数値を予測し、あとは、様々な状況を考慮し、数値を確定すればよい。

  今回、あらためて仮説づくりのポイントは、ものごとの本質的な考え方にその答えがあることがわかった。自らの経験にもとづく仮説をつくっていては、いつまでたっても自分を越えることはできない。自分を越えるには、過去最高の数字を踏まえ、全店最高の数字を目指した時にはじめて越えることができるのである。

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