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March 03, 2006

在庫PI値という指標について

  PI値は顧客一人当りの買上点数であり、PI値がついたものはすべて顧客一人当りの指標となる。PI値には様々な指標があるが、その中でもユニークなPI値のひとつが在庫PI値である。在庫PI値とは顧客一人当りの在庫高のことであり、数式にすると、在庫PI値=在庫高÷客数となる。実際に在庫PI値をとってみると、在庫PI値が高いと、当然過剰在庫になり、商品の鮮度劣化を起こし、逆に、在庫PI値が低いと欠品し、チャンスロスが発生する。したがって、在庫PI値を適正にたもつことが過剰在庫にもならず、欠品も起こさないポイントであり、実務上は、在庫PI値の適正値をどのくらいにするかが課題となる。

  そこで、まず、PI値との関係をみると、当然、在庫PI値が高い方がPI値が高い傾向にあり、在庫PI値が低い方がPI値が低くなりがちであり、PI値と在庫PI値はほぼ正の相関関係となる。これは客単価(金額PI値)との関係も同様であり、客単価=PI値×平均単価であるので、客単価を高めようとすると、PI値をあげることが第1優先となり、そのためには在庫PI値が高めになりがちとなる。したがって、PI値、客単価を上げるためには在庫PI値は高ければ高いほどよいということになる。もちろん、これが限度を越えると、当然、鮮度劣化を起こし、PI値が下がったり、値引きをせざるを得なくなり、平均単価が下がったりし、客単価をさげてしまうことにつながる。また、それ以上に、平均単価のダウンは粗利率に即はねかえり、経営そのものがたちゆかなかなくなってしまいかねない。したがって、在庫PI値はあるところまでは高い方が望ましいが、あるところを越えると急激に粗利率がダウンするために、その適正値をどこにもとめるかがポイントとなる。

  そこで、登場するのが、粗利PI値であり、交差比率である。一見、この2つの指標は在庫PI値と無関係のように見えるが、実は、切っても切れない関係にある。粗利PI値は顧客一人当りの粗利高のことであり、数式にすれば、粗利PI値=粗利高÷客数となる。PI値との関係は粗利PI値=PI値×粗利高であり、客単価との関係は粗利PI値=客単価×粗利率である。また、交差比率は、在庫当りの粗利高のことであり、もともとの算出式は、交差比率=商品回転率×粗利率で表すが、これは、=(売上÷在庫)×粗利率=(売上×粗利率)÷在庫=粗利高÷在庫のことである。したがって、在庫PI値と粗利PI値、交差比率との関係は、粗利PI値=交差比率×在庫PI値となる。なぜなら、=(粗利高÷在庫)×(在庫÷客数)=粗利高÷客数=粗利PI値であるからである。

  したがって、この関係、すなわち、粗利PI値=交差比率×在庫PI値という関係式が成立つために、在庫PI値が大きくなると、それに伴い、交差比率の分母である在庫高が大きくなり、交差比率が下がる傾向になる。反対に、在庫PI値が低くなると在庫が少なくなるため、交差比率の分母である在庫高が小さくなり、交差比率が高くなる傾向になる。グラフにすると、交差比率と在庫PI値はy=1/xの双曲線となり、反比例の関係となる。そして、この2つの指標を掛けた面積が粗利PI値であり、マーチャンダイジングの最終目的である粗利PI値アップのためには、交差比率と在庫PI値の適正バランスをとりながら、一方または双方を伸ばしてゆくことがポイントとなる。この微妙なバランスがポイントであり、商品ごとの適正値を実際のデータから見つけ出し、粗利PI値最高の在庫PI値を算出することが適正在庫管理につながってゆく。一見、在庫PI値を最大にすればよいように思えるが、そうなると交差比率が単純にさがるだけでなく、過剰在庫が値下げなどにより、粗利高にまで影響を及ぼす場合があり、交差比率をさらに下げてしまい、粗利PI値が予想以上にさがってしまう。したがって、在庫PI値は粗利高に影響をあたえない限界値までが限度となる。

  このように、在庫PI値は粗利PI値との関係でみてはじめて意味をなす指標であり、そのためには交差比率とのバランスがポイントである。以前、粗利PI値は交差比率に限りなく近い概念であると述べたことがあるが、正しくは、粗利PI値=交差比率×在庫PI値という関係であり、在庫PI値という概念を導入してはじめて、粗利PI値と交差比率との関係が明確になる。在庫PI値はその意味で、粗利管理にとってたいへん重要な指標といえよう。

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