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March 13, 2006

BSEの牛肉消費への影響について

  BSEは食品スーパーマーケットにおいて食の安全性が根本から問われた問題であったといえる。2001年11月19日、北海道のと畜場に搬入された一頭の牛がBSEとの確定診断となったことがその発端であった。

  この年、2001年1月度の家計調査月報の牛肉消費量は1日当り67円であったが、翌年2002年1月度の家計調査月報では何と45円(67.1%)まで落ち込んだことが、その衝撃を表している。この時は畜産品全体にも大きな影響があり、2001年1月度は畜産品全体の家計調査月報は202円であった数字が、2002年1月度は183円(90.5%)となった。その後、牛肉の消費も回復に向い、翌2003年1月度は58円まで上昇したが、それでも、BSE以前の数字と比べると15%弱ほど低い数字である。

  さらに、2003年12月には追い討ちをかけるように、アメリカでBSEが発生し、12/26以降、アメリカ産牛肉が停止されるという事態になった。これを受け2004年1月度の家計調査月報は52円となり、前年の89.6%、BSE以前の2001年1月度の77.6%となった。そして、この時から、直近の2006年1月度まで、牛肉の消費は家計調査月報で見る限り、回復の兆しが見えない状況である。ただし、畜産全体の数字はBSE以前と比べてもさほど大きな影響はなく、特に豚の消費金額が伸びるなど、牛肉の落ち込みを牛肉以外の肉でカバーしてきたのが実情である。

  では、牛肉の消費の地域別の状況はどうであろうか。家計調査月報のBSE以前の2000年1月度と直近の2006年1月度のデータで比較してみる。BSE以後牛肉を日本で一番食べなくなった地域は秋田であり、何と34.7%となってしまった。もともと秋田は牛肉消費額は全国で40番目という、あまり牛肉を食べない地域であったが、それでも34.7%は大きな影響といえよう。ついで、札幌の55.9%であり、札幌も全国で牛肉消費額は45番目であり、牛肉はあまり食べない地域である。そして、3番目が全国でも牛肉消費額が3番目の大阪であり、何と56.1%となった。全国1位の牛肉消費額の和歌山も65.2%と大きな落ち込みであり、牛肉の消費額の大小にかかわらず、BSEは大きな影響であったことがわかる。

  逆にBSE以降牛肉の消費額が伸びた地域もあり、宮崎(109.7%)、山形(114.7%)、川崎(132.0%)、福島(134.2%)、岐阜(135.2%)と大きく消費額を伸ばしている。ただし、いずれも、全国順位は30番から40番の地域であり、もともと牛肉の消費額は大きな地区ではなかったという特徴がある。

  また、参考として、牛丼専門店の吉野家でのBSEの影響をみてみると、日本ではじめてBSEが発生した2001年11月以降である2002年度の数字を見ると、3月度から7月まで昨年対比の客単価が80%前後まで落ち込んだ。吉野家はこの時、客数は約120%へ販促などにより伸ばしたので、売上への影響は軽微であった。その後は、客単価も回復し、売上は昨対並で推移した。しかし、2003年暮れのアメリカ産牛肉の輸入停止は大きな影響があり、2004年度の売上は昨対75%まで落ち込むという厳しい状況となった。客単価は商品開発が進み、昨年並みで推移したが、客離れがおき、客数が昨対75%近くまで落ち込んでしまった。その後、商品開発をさらに積極化させ、2005年度は客単価を110%以上にし、とうとう客数の落ち込みをカバーし、売上は昨対ベースでは、ほぼ100%にまで回復しつつあるといえるが、BSE以前の水準へはまだまだ厳しい状況である。

  このようにBSEの食品スーパーマーケット、外食産業へ与えた影響は特に牛肉では大きかったといえよう。しかし、食品スーパーマーケットでは豚肉、鶏肉等で牛肉の落ち込みをカバーし、外食産業では商品開発により、メニューの多様化をはかり、客数は落としても、客単価を大きく改善し、全体としての売上は上向きの状況にもどしつつあるといえる。

March 13, 2006 in 経済・政治・国際 |

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