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March 12, 2006

日本版フューチャーストア実証実験が終了!!

  経済産業省が主体となり、昨年の6月にスタートしたフューチャーストア推進フォーラムのICタグを活用した日本版フューチャーストアプロジェクトの実証実験が3/12、一区切りがついた。このプロジェクトは、①効果的な来店喚起、②効果的な購買喚起、③的確な品揃えと商品情報提供、④在庫可視化と物流管理の高度化、⑤精算処理スピード化、⑥CSR(社会的企業責任)の6つの基本方針のもとで、ICタグ活用によるよるフューチャーストアのサービスのあり方を探ることが目的であった。

  検討課題としては、スマートカート、スマートシェルフ、アパレル試着時情報提供、エクスプレスレジの4つの課題を実際の店舗において、ICタグを用いての実証実験することであった。今回は5つの小売業で昨年11月から今年の3月まで行われた。特に食品スーパーマーケットと関係の深いものは、昨年11/14から今年の1/10まで行われたクィーンズ伊勢丹品川店のワイン売場での実証実験、今年2/6から3/12までジャスコ八千代緑が丘店での実証実験、今年1/30から2/24までファミリーマート伊藤忠商事店での実証実験であろう。これ以外にも、三越銀座店、丸井新宿店でも実証実験が行われ、全部で5つの実証実験が行われた。この内容については、3/7~3/10まで、東京ビックサイトで開催されたRETAILTECH JAPAN 2006でもかなりのスペースを割いて紹介されていた。

  さて、まず、クィーンズ伊勢丹品川店のワイン売場での実証実験の内容であるが、ワインの陳列棚にICタグを検地する微小なアンテナを立て、顧客がワインを棚から取り出した瞬間にそのワインの商品情報を棚のディスプレイに表示するという、スマートシェルフの実証実験である。また、店頭のキオスク端末にワインをかざせば、その生産情報や薀蓄が見れるという。さらに、ワイン1本1品にICタグをつけ、店内在庫とバックヤード在庫を瞬時に把握し、店舗の補充業務と発注業務の効率化をはかる実証実験も行った。

  次にジャスコ八千代緑が丘店では、ICタグによる微小なPOPを商品陳列棚につけ、その情報読み取り用のディスプレイを付けた買い物カート(スマートカート)を導入し、顧客がそのカートで買い物をする時にICタグの微小なPOPの前を通ると、買い物カートのディスプレイに販促情報(お買い得情報、タイムサービス情報等)が次々と写し出されるというものである。実際、このスマートカートは人気があったようで、使いたくても使えない人が続出したということである。

  そして、ファミリーマート伊藤忠商事店では弁当、おむすび、パン、ペットボトル飲料当の全商品にICタグを貼り付け、レジの横の精算台にICタグリーダーを埋め込み、その上に商品を載せた瞬間に売上を計算し、ICカード(スイカ)で決済も瞬時に行うというエクスプレスレジの実証実験を行ったという。RETAILTECH JAPAN 2006の会場のブースで実際に商品に貼られたICタグを見たが半径1cmぐらいのシールのようなものであり、この中に商品情報が書かれており、その書き換えも簡単にできるものであった。ただ、実証実験とはいえ、約20日間、ほぼすべての商品にICタグを貼ったとのことで、ざっと計算してもコンビンの客数は約1000人、PI値は約500%であるので、1000人×500%×20日=10万個となり、延べ、10万個の商品にICタグを貼るのは大変だったと思う。実際、倉庫で人がICタグを貼ったというので、この実証実験が恐らく一番人件費がかかったものと思う。

  このように、フューチャーストアを目指したICタグの実証実験がつい最近まで行われたが、今後、この成果が実際の店舗で活用されるまでにはもうしばらくかかりそうである。技術的な問題はともかくとして、ICタグの費用が普及を前提にしても1個5円から10円はかかるとのことで、食品スーパーマーケットの平均単価100円、200円の商品では費用が大きすぎる点である。また、通常の食品スーパーマーケットの客数は約2000人、PI値は約1000%であるので、1日当り2万個の商品が売れるが、その1品1品へICタグを付けるにはメーカーの協力、生鮮食品等のバックヤードの仕組みの改善等が必要となり、一丁一石には進まないものと思う。したがって、ジャスコの実証実験のスマートシェルフ、スマートカート等を用いた販売促進、また、商品1品1品ではなく、工場出荷段階のある程度まとまった商品の物流、在庫管理等からICタグは普及してくることになるものと思う。

  フューチャーストア推進フォーラムはこの実証実験で今年度の活動は終えるが、4月以降の今期の活動はこの実証実験を踏まえ、現在、課題抽出が行われている最中であり、今後の活動に注目したい。

March 12, 2006 in 経済・政治・国際 |

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