クローガー、昨対107.5%、順調に売上をキープ!
全米をウォールマートのスーパーセンターが席巻する中、食品スーパーマーケット業界No.1のクローガーが第4四半期、107.5%と、順調に売上をキープしている。売上高は四半期のみで147億ドルというので、日本円でおよそ1兆7000億円強である。今回公表されたクローガーの第4四半期は1/28までの数字であり、現在、公表しているものとしては最新の財務データである。クローガーは食品スーパーマーケット以外にもドラックストア、宝石専門店など、様々な業種をもっているため、純粋な食品スーパーマーケットとしての数字だけでみると、106.2%であり、ガソリン等の燃料を除くと、104.7%である。したがって、純然たる食品スーパーマーケットとしては104.7%、企業全体としては107.5%で推移しているといえる。
この結果には、クローガーの経営陣も自信をもっているようで、1999年にフレッドマイヤーを合併して以来の数字であるという。純利益についても、2.82億ドル、約300億円以上となり、前年の第4四半期は赤字であったことを考えると、売上だけでなく、利益も順調に推移したといえる。
最近のアメリカの食品スーパーマーケット業界ではガソリンスタンドの数字がよくでてくるが、これはここ数年、食品スーパーマーケットにガソリンスタンドを併設することにより、急激に売上が増え、食品スーパーマーケットの全売上の5%近くを占めるようになったからである。そのため、各社が競ってガソリンスタンドを併設し、新たな売上の柱にしはじめているのが現状である。
この数字を受けて、クローガーの株価も回復基調にあるといえ、2月はじめにはここ数ケ月では底値の18ドル付近であったが、それ以降、株価は上昇しはじめ、特に、この数字が公表された3月始めから、中旬にかけては21ドル付近まで株価があがった。その後、もみ合いが続き、4月に入ってからは20ドル強で推移している。
2005年末時点のクローガーは、食品スーパーマーケットとGMSタイプの店舗を全米31州に2507店舗を展開している。店舗名はクローガーだけではなく、M&A以前のブランドをそのまま残しているため、ラルフ、フレッドマイヤー、フード4レス、キングスーパー、スミス、スミスマーケットプレイス、フライ、フライマーケットプレイス、ディロンズ、QFC、シティマーケット等である。それ以外にも791店舗のコンビニエンスストア、428店舗の宝石専門店、579箇所のガソリンスタンド等を展開している流通小売企業である。
州別に見ると、最もドミナント展開をしている地域はカリフォルニアであり、400店舗以上をラルフ、フード4レス等として出店している。ついで、オハイオ州、テキサス州、ジョージア州の約200店舗であり、ここはほとんどクローガーで出店している地域である。その他の地域で100店舗以上展開している地域はインディアナ州、コロラド州、ワシントン州、ミシガン州、テネシー州、アリゾナ州、ケンタッキー州であり、その他の州では50店舗前後の展開である。
このようなドミナント展開をしているクローガーは現在も各地でウォールマートのスーパーセンターと激しく競合している。ジョージア州アトランタ地区、テキサス州フューストン地区、インディアナ州インディアナポリス地区、ネバダ州ラスベガス地区、テネシー州ナシュビル地区、ケンタッキー州ルイスビレ地区、ユタ州ソルトレイクシティ地区等では互角以上のシェア争いをしている。逆に、テキサス州フォートウォース地区、インディアナ州フォートウェイン地区、ジョージア州アウガスタ地区ではウォールマートのスーパーセンターに苦戦を強いられている。
クローガーはこのように全米に展開する食品スーパーマーケットとしては真っ向からウォールマートのスーパーセンターに対抗し、挑戦している企業であり、今回の第4四半期の決算を見限り、今後とも期待がもてる数字といえよう。
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