アークス、増収総益、2006年2月度決算短信!
4月中旬に入り、続々と2月度決算企業の決算短信が公表されはじめた。速いところで、4月のはじめ、遅い企業でも4月下旬には公表されるものと思う。増収増益の企業、増収減益の企業、減収増益の企業、減益減益の企業等様々である。食品スーパーマーケット業界では2極化が進んでおり、決算内容も、増減がはっきりでているようだ。また、3月度決算企業の発表は5月に入ってからとなるため、ゴールデンウィーク明けぐらいからとなろう。
さて、北海道のアークスであるが、2006年度2月期の決算短信が公表され、増収増益であった。売上は2228億円(108.9%)、営業利益63億円(103.8%:売上対比2.8%)、経常利益71億円(103.6%:売上対比3.1%)、当期利益40億円(110.3%:売上対比1.7%)となった。アークスは経常利益ベースでは過去5年間増収増益を続けており、順調な経営数字である。いまから3年前の平成14年にラルズと福原の経営統合ではじまったアークスであるが、ここまで順調に進んできたといえよう。
アークスは現在、主要な子会社10社とその他6社の16社からなる企業グループであり、主な企業はラルズ、福原、フジ、道東ラルズ、道北ラルズ、ホームストア、道南ラルズの7社が食品スーパーマーケットである。アークスのキーワードはクリティカル・マスにある。クリティカル・マスとは企業が存続してゆくために最低限必要な事業規模のことであり、アークスはこのクリティカル・マスを追求して、企業の特大化を図かっているという。それがひいては、企業価値を向上させ、北海道で生活するお客様のライフラインを守る道であるという認識である。そのために、この3年間M&Aを繰り返してきたといえる。
そして、アークスという持株会社の企業形態をとることによって、アークスのもとに統合された企業が戦略的、機動的に動けるように、特に、戦略面をアークスが担うという。アークスでは、そのため、執行役員制度を導入し、権限と責任を明確に分け、特に3つの委員会を設定し、傘下の企業の戦略的な支援体制をつくっている。3つの委員会とは、業務改善委員会、人事制度委員会、システム委員会である。業務改善委員会ではグループ各社のオペレーション部分の統合と業務改善を担い、人事制度委員会ではグループ共通の人事制度と人材開発の運用と設計を担い、システム委員会では情報システムに関する課題の遂行を担うという。
これらの戦略的な取組みの結果、今期のアークスの営業状況は粗利率が22.3%と、昨年より0.2ポイント改善が見られたが、残念ながら販売管理費が19.5%と昨年に比べ0.4ポイント上昇し、営業利益率は2.8%と0.2ポイント下がった。増収増益になったのは新規出店11店舗、閉店8店舗、改装11店舗の効果により、売上が108.9%となったからである。ただ、依然として既存店は厳しい状況にあり、固定費の増加が経費を圧迫している状況といえる。特に水道光熱費が117%、宣伝装飾費が115%、人件費が111%等の経費が売上の伸び率以上となったため、販売管理費の上昇が大きかったといえる。
来期に関しては、新規6店を予定しており、売上は2315億円(103.9%)、経常利益74億円(104.2%)、当期利益13億円(32.5%)を見込んでいる。当期利益が大幅に減少するのは減損会計が適用されるためである。
現在、アークスは164店舗、2000億円を越えた。これは北海道の食品スーパーマーケット業界としては、イオングループ、生協グループと並び、3大グループの一角を占め、アークスのめざすクリティカル・マスに近づいているといえる。今後ともアークスの動向には注目である。
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