食品スーパーマーケット売上速報!2006年3月度!
食品スーパーマーケットの2006年3月度の売上速報が明らかになった。現時点でまだ数社が3月度の売上を公表していないが、月次売上を公表している企業約20社の集計である。この食品スーパーマーケット売上速報は昨年の6月から集計をはじめたが、この3月度の売上が過去最高の110.1%となった。これまで1度も集計企業全体の売上が110%を越えたことはなかったが、はじめて110%を越えた。
ただ、残念ながら、既存店の売上は98.6%であり、既存店に関しては、この集計をとりはじめてから1度も昨年対比をこえたことがない。この3月度も既存店で昨年対比100%を超えた企業はわずか4社であり、依然として既存店に関しては厳しい状況が続いている。ただし、既存店に関しても、客数は101.1%と100%を越えてきており、客単価の96.8%が課題といよう。客単価に関しては実は全店も96.8%であり、この問題は食品スーパーマーケット全体の課題でもある。
さて、2006年3月度のNo.1の売上伸び率は大黒天物産であり、150.6%であった。大黒天物産は先月も150%を越えており、高い成長率を維持している。ただし、既存店は99.4%と前月は100%を越えていたので、若干下がったのが気になるところだ。特に、既存店の客数は101.0%と100%を越えてはいるが、客単価が98.7%と下がっている。その原因は平均単価に関しては100.9%であるが、PI値が97.8%とやや伸び悩んでいるところにある。今後、PI値を改善し、客単価アップを図ることが急務といえよう。
No.2はPLANTであり、142.0%である。PLANTは既存店も100%を越え、3月に入り順調な売上である。ただ、やはり客単価が98.2%と客数の102.4%に支えられており、客単価アップが当面の課題である。No.3は九九プラスの132.3%であり、依然として高い成長率である。ただ、やはり、客単価は96.5%であり、客単価アップが課題といえよう。No.4はアークランドサカモトの121.3%である。アークランドサカモトは既存店も111.6%、客数110.2%、客単価101.3%とすべての指標で昨年対比を越えており、今回の集計企業の中では好調な企業といえよう。No.5がマックスバリュ東海であり、115.5%である。既存店は99.4%とわずかに及ばなかったが、客数は既存店も103.2%と検討しており、今後は客単価のアップが課題といえる。そして、No.6がオオゼキであり、113.8%である。既存店は97.6%とやはり、既存店の客数は100.0%であるが、客単価が95.6%と課題といえる。ここまでの6社が、昨年対比110%の売上をこの3月度に達した企業であり、食品スーパーマーケット業界を大きく牽引している実績である。ただし、アークランドサカモトを除き、いずれも既存店に関しては若干苦戦しており、特に、既存店の客単価アップが当面の課題であることが浮き彫りである。
上記以外の企業で100%を超える企業は7社ある。No.7がハローズの109.6%、既存店は97.1%であった。No.8がヤオコーの108.7%、既存店は97.8%であった。No.9はバローの108.4%であり、既存店も101.5%と検討した。バローは特に、客単価も既存店が101.7%と検討しており、既存店の客単価が昨年対比100%を越えた企業はアークランドサカモトと2社のみであった。No.10はヤマザワの104.1%であり、既存店も101.5%と検討した。特に、客数が既存店も102.1%と伸び、客単価の98.2%をカバーした。No.11はヨークベニマルの103.8%であり、既存店は96.6%であった。No.12はマックスバリュ西日本の101.8%であり、既存店は95.3%とやや苦戦ぎみであった。そして、No.13がダイイチの101.2%であり、既存店は98.3%であった。このように、7社が昨年対比100%をクリアーしており、110%以上の企業と合わせて13社が昨年対比を越えた。
これに対し、昨年対比100%を下回った企業は6社であり、エコス99.2%、マルエツ98.8%、いなげや95.4%、CFSコーポレーション94.9%、マックスバリュ北海道94.8%、トーホー94.8%であった。これら企業のほとんどは新店が思うように出店できない点が課題となっている。このように現在の食品スーパーマーケット業界の成長性は新店の有無に支えられている要素が大きく、今回のように明暗がはっきり分かれたといえよう。
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