原信ナルスホールディングス、スタート!
4/1、原信ナルスホールディングスが持株会社として、原信、ナルスを傘下にスタートをきった。初年度(2007年3月)目標売上を1000億円に設定し、営業利益28億円(2.8%)、経常利益29億円(2.9%)、当期利益15億円(1.5%)を目標としてのスタートである。会長にはナルス社長の山崎軍太郎氏が就任し、社長には原信の原信一氏が就任した。4/3には早くも格付投資情報センター(R&I)からBBB(Bトリプルフラット)を取得しており、財務面からも順調なスタートをきったといえよう。ちなみに、格付投資情報センターの小売業界の格付けを見ると、No.1の格付けは7&IホールディングスでAA(ダブルAフラット)であり、A以上の格付けの企業は伊勢丹(A-)、丸井(AA-)、イオン(A+)、平和堂(A-)、マツモトキヨシ(A-)である。
それにともない、株価も3/30から上昇しはじめ、3/30、前日の1550円から1589円、3/31、1617円、4/3、1645円と売買高は大きく増えてはいないが、確実に上昇基調となっている。原信がナルスとの経営統合を発表した当時は株価が下がり気味になるという、けっして好意的な評価ではなかったが、今回の株価上昇は、投資家から一定の評価を受けたといえよう。
また、新会社の経営方針であるが、大きく3つに分かれており、商品戦略、店舗戦略、環境対策とからなっている。1つ目の商品戦略であるが、キーワードは生活シーンである。生活シーンに応じた商品作りを行い、あらゆる生活シーンに対応した商品展開を実施してゆこうとしている。特に、手軽でおいしい食卓のお手伝いというコンセプトのもとに、「買ってすぐに食べられる商品群」、「少し手を加えるだけで食べられる商品群」の開発強化がポイントであり、食品スーパーマーケットの基本商材である素材から半加工、加工へと商品群を充実させ、家庭での調理時間を省く商品への開発強化といえる。実際、この商品群は食品スーパーマーケット業界でも現在注目されており、素材と惣菜を結ぶラインの商品群として、生鮮食品からのアプローチ、惣菜からのアプローチ、日配からのアプローチがなされ、、様々な商品開発が行われており、しかも、その客単価、粗利率は高く、いわゆる粗利PI値は最高の商品群、売れて儲かる商品といえる。これ以外にも、商品戦略としては「おいしさへのさらなるこだわり」、「ちょっとした豊かさ、楽しさへの提案」も新会社のキーワードであり、商品戦略を重視した経営戦略が原信ナルスホールディングスの特徴といえる。
2つ目の店舗戦略であるが、このキーコンセプトは「日本一のサービス」実現を目指す店舗オペレーションがポイントである。原信時代から続いているレジの袋詰めが、その象徴的な取り組みであり、新会社でもサービスの最優先項目として取組んでゆくという。また、24時間対応、SSMへの挑戦もサービス強化の一貫として取組まれ、スクラップ&ビルドにも積極的に取組んでゆくという。さらに、生鮮訓練センターをつくり、生鮮食品の技術者の能力アップにも積極的に取組むという。もう1つ、パート、新会社ではパートナー社員と呼び、約2000名のパートタイマー社員に対し、「パートナー社員監督職登用制度」や「技能検定制度」を導入し、能力アップ支援体制も整え、目標の日本一のサービスを目指し、さらに充実させるという。
3つ目は環境対策であるが、原信時代から環境対策には積極的であり、2000年には、環境マネジメントシステムの国際規格である「ISO14001」を原信全事業所で取得し、店内だけでなく、バックルームから、物流センター、本部に至るまで環境に配慮した活動を全員参加で取り組んでいるという。
このように新会社、原信ナルスホールディングスも4/1、順調にスタートしたといえ、今後は、今年度目標売上1000億円へ向けて、新体制で取組んでゆくことになる。今回の原信ナルスホールディングスに限らず、今後の食品スーパーマーケット業界は持株会社が軸となり、業界の再編成が原信ナルスホールディングスも含め大きく進んでゆくことになろう。
« 3月度、経済月例報告、景気は回復している! | Main | 平和堂、2006年2月期決算、営業、経常ベースで増収増益に! »
« 3月度、経済月例報告、景気は回復している! | Main | 平和堂、2006年2月期決算、営業、経常ベースで増収増益に! »
Comments