まちづくり3法改正案、衆議院で審議始まる、その1!!
4/5、衆議院、経済産業委員会でいよいよ、まちづくり3法改正案の審議がはじまった。正式名称は「中心市街地における市街地の整備改善及び商業等の活性化の一体的推進に関する法律の一部を改正する等の法律案」という異様に長い法案である。この法案は、2/8に内閣から提出され、3/16、衆議院経済産業委員会に付託され、4/5、正式に審議に入った。
4/5の衆議院経済産業委員会では、まず、はじめに、二階俊博経済産業大臣から提案理由が述べられ、ついで、趣旨説明がなされた。提案理由のポイントは、中心市街地の衰退が目立ち、少子高齢化をむかえる中で、コンパクトでにぎわいあふれるまちづくりが求められている中、中心市街地の活性化を推進することは、喫緊の課題であることを踏まえ、法案を提出したという。また、異様に長い法案名を「中心市街地の活性化に関する法律」と短くするという。
そして、提案趣旨には2つのポイントがあり、1つは、中心市街地の活性化に関する施策を総合的かつ一体的に推進するために、内閣に中心市街地活性化本部を設置し、内閣総理大臣が認定した基本計画に各種支援措置を講じ、政府主導のまちづくりを行ってゆくという。そして、民間事業者等が協議を行う場として、中心市街地活性化協議会を設置するための規定を設けるという。2つめは、主に郊外の商業施設に対しての「特定商業集積の整備の促進に関する特別措置法」を廃止するというものである。
以上の法案提案理由と趣旨説明の後に、公明党の石田委員長より、国土交通省から連合審査会開会の申し入れがあったので、それを受諾することを委員会に諮り、賛成を得て、この日の経済産業委員会は終了した。
ついで、4/12、第2回目のまちづくり3法の審議が衆議院の経済産業委員会でなされた。この日からが審議の本番で、順次、各党の委員が質疑にたった。まず、自民党の山本委員が経済産業省としてまちづくり三法、中心市街地活性化のためにどれほどの予算が使われたかを質問した。それに対し、二階経済産業大臣は、平成10年度から17年度までの間に約1千億円強が使われたという回答であった。同じ質問を山本委員が国土交通省にぶつけたが、国土交通省は複雑な予算であるので、よくわからないという奇妙な答弁であった。次に中心市街地は各市町村1ケ所であるが、第2、第3の中心市街地についてはどうなるのかとの質問をした。これに対して、政府は各市町村で戦略的に判断して決めてもらうという自主的判断に委ねるという答弁であった。ついで、中心市街地活性化協議会とはどのような組織なのかという質問をした。それに対し、政府は、従来のTMOの商工会や商工会議所に加え、開発業者、地権者、そして、市町村も含めた幅広いメンバーで構成されるという答弁であった。また、この組織で駐車場の管理とか空き店舗に食品スーパーマーケットをつくって運営するとかの収益事業も可能だという答弁であった。次に、なぜ、1万㎡なのかという質問をした。これに対し、政府はこれ以上規制を小さくすると、食品スーパーマーケット等の日常生活に必要な店舗まで規制してしまう可能性があり、1万㎡にしたという答弁であった。以上が、この法案の最初の質問者である山本委員の質問であった。
ついで、公明党の高木委員が質問にたった。まず、既に郊外型のまちに対してはどのような施策をとるのかという点と郊外に住んでいる方が不便にならないかという質問をした。これに対し、政府は、地域が適切に判断して欲しいという答弁であり、また、郊外は1万㎡以下の店舗は規制されないので、郊外の生活者も日常生活には問題がないという答弁であった。次に、まちづくりの人材をどうするかという質問をした。これに対し、政府としても人材育成の措置を充分にとってゆくとの回答であった。また、法案の趣旨が充分に国民に伝わっていないのではという質問をした。これに対し、今後、充分に周知徹底をはかりたいとの回答であった。そして、最後に、中心市街地に大型店を誘致した場合、既存の商店街とどのようにうまくやってゆくのかという質問をした。これに対し、政府は、大型店を中心市街地の活性化に積極的いかして欲しいとの回答であった。
以上が、与党の第1回目のまちづくり3法の衆議院経済産業委員会での質疑応答の要約である。基本的に賛成の立場からの質疑応答であり、食品スーパーマーケット業界、小売業界の立場からの質問はないといえよう。この後、野党の民主党の質疑に移るが、それについては次回に譲りたい。
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