アオキスーパー、売上昨年対比110.9%と好調な数字で推移!
愛知県に41店舗の食品スーパーマーケットを展開するアオキスーパーの数字が堅調に推移している。2006年2月期の決算は、売上高が726億円となり、昨年対比110.9%、営業利益117.4%(売上対比:2.85%)、経常利益118.6%(売上対比:2.91%)、当期利益102.1%(売上対比:1.26%)と増収増益であった。売上に関しては、昨年も107.0%、一昨年も106.2%と食品スーパーマーケット業界の中でも安定した成長を維持している。収益性もほぼ食品スーパーマーケット業界の平均2~3%と安定し、経常利益ベースで見る限り、5年間、増収総益を維持しており、上場食品スーパーマーケットの中でも成長性、収益性ともにバラスンのとれた経営であるといえる。
株価も昨年の5月は800円であったが、現在、1,300円とほぼこの1年間右上がりにあがってきている。特に、ここ数日は株価が上昇しており、2月以降、若干、低迷していた株価もほぼ値をもどし、売買高も増え気味といえる。
アオキスーパーの強さは、食品スーパーマーケット業界の中でも粗利率を低く抑え価格訴求を得意とする営業スタイルである。今期、2006年2月期の粗利率を見ると、20.1%であり、前期の19.6%比べると若干アップしているが、それでも食品スーパーマーケット業界平均の25%前後と比べるとかなり低目の粗利率といえる。したがって、経費比率も17.3%と食品スーパーマーケット業界の中でもかなり低い経費比率である。昨年が17.0%であるので若干上がっているが、荒利率も0.5ポイントアップしているので、営業利益は、2.6%から2.8%とアップした。この経費比率を低く抑えるマネジメントに支えられた低粗利率による価格戦略がアオキスーパーの強さの源泉といえよう。
アオキスーパーの経費比率17.3%の中身であるが、広告宣伝が売上対比1.40%、人件費が賞与、福利厚生費等すべていれて、売上対比8.18%(粗利高対比で40.7%)、地代家賃が売上対比2.16%、水道交熱費が売上対比で1.37%と販促も、人件費も売上げ対比で見る限り、けっして低く抑えているわけではない。
そして、もうひとつ、アオキスーパーの強さは、生鮮3品の中で、水産の構成比が18.6%と最も高く、青果14.8%、畜産13.4%に比べ、格段に高いことである。ここがアオキスーパーのもうひとつの強さのポイントである。デイリー、一般食品に関しては一緒に集計されているため、構成比はわからないが、粗利率からいってもこの2部門も価格訴求による強い部門といえよう。昨年対比では111.6%と全体の110.9%を上回っており、水産と並び重要な戦略部門といえよう。
さらにもうひとつが愛知県の尾張地区を中心にしたドミナント戦略である。2006年2月期も新規出店を6月に富吉店、7月に碧南店、8月に大高店と3店舗を出店しており、昨年も新規3店舗と、ここ数年確実にドミナントを強化している。現在、名古屋市内に12店舗、尾張地域に22店舗、そして三河地域に7店舗と尾張地区を中心に出店し、今後ともこの地区でのドミナントを強化してゆくという。また、既存店の活性化にも力を入れており、特に、最近は積極的に大型化をはかっているという。昨年も大治店・甚目寺店・武豊店を改装オープンしており、新店と合わせ、6店舗が実質上、新規にオープンしたことになる。
このようにアオキスーパーは食品スーパーマーケット業界の中でも自らの強みである経費比率17.3%のマネジメント力を武器に、生鮮、特に水産、デーリー・グロサリーを強化し、尾張地区を中心にドミナント展開を深め、高い成長性と堅実な収益性を確保している。食品スーパーマーケット業界でも今後注目企業の1社といえよう。
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