ヤマザワ、2006年3月期決算短信、堅実な増収増益!
ヤマザワの2006年3月期の決算短信が5/10、公表された。連結ベースでは売上871.6億円(104.9%)、営業利益29.4億円(106.3%:売上対比3.3%)、経常利益29.6億円(107.1%:売上対比3.3%)、当期利益14.7億円(99.5%:売上対比1.6%)であり、単体では売上104.7%、営業利益104.9%、経常利益106.1%。当期利益100.3%と増収増益であった。ただ、当期利益には減損会計が適用され、62.8億円が計上されたため、連結では若干のマイナスになっているが、営業、経常ベースでは堅実な数字を確保した決算となった。
ヤマザワは現在、山形県に41店舗、宮城県に14店舗、計56店舗の食品スーパーマーケットを展開しており、山形県を主要ドミナントとし、第2ドミナントを宮城県に拡大し、この数年間店舗数を堅実に増やしている。一昨年は50店舗であったが、昨年は54店舗、今年は山形県鶴岡市に鶴岡宝田店、山形県山形市に山交ビル店の2店舗を加え、56店舗となった。来期も山形県と宮城県の2店舗の新店計画であるという。
ヤマザワが他の食品スーパーマーケットと比べ、堅実な経営ができる背景のひとつは安定した客数、客単価を維持していることである。今期の客数、客単価の月次の推移をみると、年間合計で全店の売上104.7%に対し、客数104.5%、客単価99.3%であり、新店2店舗が客数増にそのまま貢献しているといえる。また、既存店も売上101.2%、客数101.0%、客単価95.5%と客単価はやや昨年を下回っているが、客数が伸び、既存店の売上もわずかではあるが昨年をクリアーした。他の食品スーパーマーケットのほとんどの企業が既存店の売上がのきなみ昨年対比ではマイナスになるのに対し、ヤマザワは既存店の数字も昨年対比を越える強さをもっており、これが経営を安定させているポイントであるといえる。
そして、この安定した客数と客単価を維持する背景には標準的な店舗を1店舗1店舗つくってゆくという堅実性がある。ヤマザワの平均店舗の面積はほぼ500坪/店であり、売上は約15億円/店である。客単価を約2000円とすれば、客数は約2000人となる。すなわち、約2000人の客数の立地を選定し、約500坪の店舗をつくり、客単価約2000円をめざす食品スーパーマーケットを標準として、つくりつづけているといえる。
さらに、その背景には粗利率28%強、販売管理費25%強、営業利益率3%強を確保するというマーチャンダイジング、マネジメント力があり、この数字がこの数年間ぶれずに維持されつづけている。マーチャンダイジングについては、生鮮28.3%、日配28.8%と安定した粗利が確保されており、加工食品が21.3%と最も粗利の低い部門であるが、食品を総合した粗利率は25.6%であり、この数字は昨年は25.5%、一昨年は25.7%と0.1%の誤差である。また、連結トータルの総合した粗利率も3年間28.7%で0.1%以内の誤差である。このように極めて管理の高いマーチャンダイジングが実践されているといえる。
また、マネジメントについても単独の一般管理費を見ると、一昨年25.5%で、昨年26.1%とやや上昇した感はあるが、今期は26.0%と抑えており、安定した経費管理がなされているといえる。このように、マーチャンダイジング、マネジメントともに大きな数字のブレはなく、堅実な管理ができているといえ、これがヤマザワの強みといえよう。
これらの状況を踏まえ、ヤマザワの株価であるが、決算短信が公表された5/10以降、若干株価が上昇した感はあるが、大きな動きではない。ヤマザワの株は今年はじめは2400円前後の株価であったが、2月に入り下降に転じ、3月上旬には2150円強で推移していた。この状況がしばらく続いていたが4月に入り、上昇に転じ2250円まで上がった。その後、この決算短信の5月中旬まで2200円強で推移している。今回の堅実な決算がどう投資家から評価されるかがポイントである。
ヤマザワの2007年3月期予想は売上106.9%、経常利益106.8%、当期利益110.9%と、今期以上の増収増益であり、今後、年商1000億円へむけての堅実な経営体制づくりがなされてゆくものと思う。
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