豆腐の篠崎屋、三和豆友食品(男前豆腐)と業務提携!
豆腐製造業の篠崎屋が、三和豆友食品と5/15、業務提携をした。篠崎屋はここ最近、主に日配の製造小売から、卸小売の強化に入っており、さらに卸小売強化に入るために、食品スーパーマーケットの豆腐売場に新風を巻き込んでいる男前豆腐、風に吹かれて豆腐屋ジョニー等を製造販売している三和豆友食品と提携関係に入った。将来的には財務的な協力体制も積極的にすすめてゆくという。
提携内容は、3点からなっている。第1点目は両社が有する製造ノウハウを共有し、効率的な製造ラインを構築するとともに共同で商品開発を実施し、販売を行うという。第2点目が両社の物流システムを効率的に運用することにより物流コストの軽減をはかるという。そして、第3点目がより具体的な内容については今後両者にてワーキング・グループを組織し協議・検討を実施するという。この3点が業務提携内容であり、今回はこのように業務提携が主であり、資本提携にまでは至っていないが、提携の目的の中では財務協力体制も積極的にすすめるとしており、ごく、近い将来資本提携に発展する可能性がきわめて高いといえよう。
篠崎屋は東証マザーズに上場する豆腐の製造小売業であり、直近2005/09の決算でみると、連結の売上は43.1億円、営業利益は0.88億円(売上対比2.0%)、経常利益3.0億円(売上対比6.9%)、当期利益0.73億円(売上対比1.7%)の企業である。ここ最近、M&Aにより、業容を急激に拡大しており、製造関係では麺類の白石興産、佃煮・昆布のサッポロ巻本舗、中華惣菜の楽陽食品、惣菜のデリカネットワーク、豆腐の篠崎屋天狗を提携ないしは傘下にした。また、販売では業務用食品商社のミズホ、コンビニのタイムズマート、アイスクリームの製造販売のドナテロウズジャパン、中華レストランの大秦がある。売上の構成比は小売事業が35.2%、卸事業が45.1%とすでに卸事業が売上では上回っており、今後、さらに、M&Aにより、卸事業強化をすすめてゆくものと思う。また、篠崎屋は外食も19.7%であり、3つの柱の事業構成である。
一方、三和豆友食品は男前豆腐で最近急激な注目を集めている企業であり、グーグルで「男前豆腐」を検索すると何と100万件近いヒットとなる超有名な豆腐製造企業である。この一連のユニークなネーミングと本格的、かつ、割高な豆腐は三和豆友食品の社長の息子さんの伊藤常務考案という。これまでの価格訴求の豆腐とは全く一線を画す豆腐であり、これが食品スーパーマーケットの中で価格訴求の豆腐と併売され、しかも、現在、圧倒的な人気といってよいスーパー豆腐となっている。PI値も客単価も高い超重点商品である。5月上旬にはバンダイが男前豆腐をミニチュアフィギュア化し、ガチャポンでも販売するというから、一種の社会現象ともいえる状況である。ただし、末端の食品スーパーマーケットではあまりの人気のため品薄状態がつづいているといい、製造物流体制が十分に整っていないうちに販路を広げすぎてしまった感もあり、三和豆友食品としても製造、物流体制の見直しが急務といえる状況ではあった。これに対しての今回の業務提携であるので、三和豆友食品としても安定供給を最優先するための篠崎屋との提携であろう。
ただし、篠崎屋の株価を見てみると、5/16は90,800円、前日比-1,800(-1.94%)と下げ、投資家はこの提携を買いとは読んでいない。篠崎屋の株価は今年初めは130,000円であったが、2/14、2006年9月期の第1四半期の決算短信が赤字決算となると急激に株価を下げ、一時90,000円まで下げた。その後、3月下旬まで株価は低迷していたが、3月の末に一時110,000円まで跳ね上がったが、また、4月いっぱい下げ続け、5月に入ると再び90,000円付近まで下がり、5/15、今回の提携のニュースが流れた翌日の5/15も株価はむしろ下がっている。
今後、異常な人気となっている男前豆腐が篠崎屋との業務提携により、安定供給体制がいち早く築かれ、さらに三和豆友食品から風に吹かれて豆腐屋ジョニー、男前豆腐の次の新商品の企画が打ち出されるかどうかが当面の課題といえよう。
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