まちづくり3法の1つ、都市計画法改正法案が可決!
5/24、まちづくり3法のひとつ都市計画法の改正法案(都市の秩序ある整備を図るための都市計画法等の一部を改正する法律案)が参議院本会議で全会一致で可決され、成立した。まちづくり3法は流通業界注目の法案であり、今回可決、成立した都市計画法に加え、中心市街地活性化法、大規模小売店舗立地法の3つを総称した法案のことである。今回の第164回国会には、内閣から都市計画法と中心市街地活性化法の2つが提出され、大規模店舗立地法の提出は見送られた。今回審議された2つの法案の内、特に流通業界の出店戦略にかかわる法案が可決成立したとにより、今後の流通企業各社の出店戦略の見直しが急務となった。また、もう一方の、中心市街地活性化法も早ければ今週中、遅くとも来週には可決成立の見通しである。
今回の第164回国会は会期が1月20日から6月18日までの150日であり、本法案以外にも教育基本法の改正案、共謀罪の審議など重要法案が目白押しである。このような中で今回可決、成立した都市計画法の改正案も5/10に衆議院国土交通委員会に付託され、5/11から審議に入り、5/16、5/18、5/23の3回の審議を経て、5/23、国土交通委員会で可決、翌5/24、参議院本会議で可決されるという約2週間のスピード審議であった。
一方、同じく5/10に参議院経済産業委員会に付託された中心市街地活性化法は5/16から審議がはじまり、5/18には参議院国土交通委員で審議している都市計画法の改正案との連合審査会も開かれ、まちづくり3法という観点から2つの法案を同時に審議した。その後、5/23には日本チェーンストア協会会長の佐々木孝治氏(ユニー㈱代表取締役社長)、熊本市長、幸山政史氏(5/10、イオンの開発計画を不許可にし、話題となった)等を参考人として招き、質疑応答を行った。早ければ次回の委員会で可決されるか、遅くとも、その次の委員会では可決されるものと思う。
今回、参議院本会議で可決、成立した都市計画法改正案は、法案の施行は来年末となる予定であり、約1年半の猶予があるが、つい最近の熊本市、福島市の法案先取の事例等もあり、法案が成立した現在、実質上、今後、大型店の郊外への出店は大きな規制がかかるものといえよう。具体的には、1万㎡(約3000坪)以上の大型店が規制対象となり、これまでのようにほぼ自由な出店は不可能となり、商業地域、近隣商業地域、準工業地域の三用途地域に出店が縮小されることとなる。さらに空白地、農地への出店も制限が加わり、実質上、法律施行後は今後の大型店の出店は凍結せざるをえないといえよう。
したがって、今後、流通業界がとるべき出店戦略は1万㎡以下の業態での郊外への出店か、逆に、都心部への小型店の出店となり、今後少なくとも5年間はこれまでの10年間とは全く違った出店戦略を各社検討せざるをえなくなった。
食品スーパーマーケット業界にとっては、出店戦略の柱はスーパーセンター、NSC(近隣型ショッピングセンター)、食品スーパーマーケットであり、いずれも1万㎡内での出店が可能であり、むしろ、競争が一層激しくなることが予想される。7&Iホールディングスがヨークベニマルを完全子会社化する理由も、ここにあるといえ、今後、GMSから食品スーパーマーケットの出店に一層経営資源を投入し、さらなるM&Aも充分に考えられる。
今後、今回の都市計画の改正案、近々に可決される中心市街地活性化法案により、食品スーパーマーケット業界では、一層、出店競争、M&Aが進み、むしろ、ますます競争の厳しい環境が続くものと思う。
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