クイーンズ伊勢丹、営業利益ベースで増収増益!
5/8、クイーンズ伊勢丹の決算が公表された。クイーンズ伊勢丹は伊勢丹の100%子会社であるため、伊勢丹の連結決算として、その数字が公表される。伊勢丹には連結対象の企業が30社以上あるが、その中でも岩田屋につぎ、3番目の売上貢献度の子会社である。伊勢丹の売上は約4,500億円であるが、その1割強にあたる480億円の売上をクイーンズ伊勢丹が占め、伊勢丹グループの中では中核企業である。今期の売上であるが480.39億円(昨年対比102.3%)、営業利益3.59億円(133.4%:売上対比0.74%)、経常利益3.52億円(134.8%:売上対比0.73%)、当期利益-2.05億円であった。
残念ながら当期利益はマイナスであったが、営業、経常ベースでは増収増益であり、営業ベースでは売上、収益ともに昨年対比を上回った。ただし、営業利益は売上対比では1%をきっており、食品スーパーマーケット業界の平均2~3%と比べると収益性は高いとはいえない。クイーンズ伊勢丹はポイントカード戦略を武器に、顧客サービスに力を入れ、商品面ではデリカという粗利の高い高収益部門を最強化部門としているが、これらの強みが収益性に直接結びついているとはいえず、今後の課題といえよう。来期予想は新店が今年11月に横浜に1,000坪、年商45億円の目標でオープンする予定であり、増収にはなるが、増益になるかどうかは微妙な状況という。
クイーンズ伊勢丹は現在17店舗を東京(13)、埼玉(3)、千葉(1)に展開しており、1店舗当りの平均年商は28.2億円と売上規模は通常の食品スーパーマーケットと比べても極めて高く、同じ、首都圏で展開しているオオゼキに匹敵する年商である。その中でも、ベスト5が仙川店39.1億円(昨対98.8%)、笹塚店38.4億円(97.3%)、錦糸町店34.2億円(98.3%)、小石川店34.0億円(101.8%)、杉並桃井店28.4億円(321.3%)である。残念ながら、ベスト3の既存店の売上が昨対を割っており、既存店は厳しい状況といえる。クイーンズ伊勢丹はここ数年、毎年1店舗から2店舗を出店しており、2005年度は11月に白金高輪店を、2004年度は12月に杉並桃井店を、3月には品川店を、2003年度は7月に本八幡店をオープンしており、この新店により増収をつづけている状況といえる。
さて、クイーンズ伊勢丹No.1の売上を誇る仙川店であるが1999年10月にオープンした店舗であり、今年7年目を迎える店舗である。売場面積は約700坪であり、1階を食品、2階をドラック、100円ショップとした2層タイプの店舗である。実質上、都心型NSC(近隣型ショッピングセンター)といってもよい業種構成であり、立地も仙川駅のほぼまん前という好立地である。レイアウトもきれいなワンウェイコントロールであり、壁面は青果、鮮魚、精肉、そして最終壁面でデリカとなり、しかも、和洋日配をデリカ、加工肉、菓子、飲料等と融合させ、素材と加工度の高い商品とを分離したゾーン展開となっており、都市型の食生活にあったレイアウトである。また、インストアベイカリーと酒をレジ両サイドに配置し、ショップ化しており、特に、インストアベイカリーは2階へ上がるエスカレーターのそばにあり、ついで買いにもよい場所である。クイーンズ伊勢丹の中でもNo.1の売上である工夫が随所に見られる。
残念ながら、クイーンズ伊勢丹の店舗はこの仙川店のようにNSCタイプかつ都心型の700坪を確保できる店舗は少ない。No.2の笹塚店、希望が丘店、石神井公園店が仙川店に近いレイアウトであるが、その他の店舗は都心立地であるがゆえの、1階、2階層、地下、縦長、横長、数ケ所のゾーン展開となる出店を余儀なくされ、標準的なレイアウトがなかなかつくれないのが現状といえる。今後、この笹塚店タイプの標準店舗をどれだけ多店舗展開できるかが今後の課題といえよう。
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