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May 29, 2006

青果市場、鮮度競争の時代へ!

  5/27の日経新聞の東京・首都圏経済版に「温度管理で鮮度競争」、「青果市場、設備刷新相次ぐ」、「場外業者台頭に危機感」という記事が載った。青果市場はここ最近経営環境が厳しくなっている。2009年には卸売の手数料の自由化が決まっており、それに向けて、これから3年の間には統廃合が必至であり、現実的に赤字経営の卸会社もけっしてすくなくないという。特に、最近では市場外流通も増え、以前は80%以上あった市場経由が、最近では大幅に低下し70%を切ったという。そして、その打開策として、産地から市場、店舗のバックヤード、売場、調理場までの低温管理の仕組みづくりに各市場が取り組み始めたという。

  日経新聞の記事では、具体的な事例として、埼玉県の熊谷市場、横浜南部市場、大田市場などを取り上げている。熊谷市場では昨年6月に低温青果センターを開業させたという。びっくりすることに販売量の70%を占める量販店向けの荷捌き場はそれまで常温のままであったという。熊谷は埼玉県の中でも酷暑の地区であり、これまで夏場は大変な状況であったと思われる。今回の低温センターの開業により、今後は10~12度に保たれるというので、量販店も一安心といえよう。

  横浜南部市場では今年3月、つい最近であるが、冷凍、冷蔵、常温の3温度帯を同時に管理できる横浜フレッシュセンターが開業したという。卸売会社や仲卸などが出資し、横浜ロジスティクス社を設立し、ここが15億円を投資して建設したという。しかも、24時間稼動の自動搬送倉庫も備えるというから、いきなり、最先端の鮮度管理の青果市場ができあがったといえる。一方、大田市場では東京青果が保冷機能の整った荷捌き施設を造り、量販店向けに出荷する仲卸業者に貸すという。これにより、現在の日量3,000トンの処理能力が4,000トンになるという。

  そして、日経新聞ではこれらの背景を物流革新を掲げる市場外の業者が青果市場に変革をもたらしていると解説している。特にその中でも、伊藤忠のケーアイフレッシュアクセスをあげ、いわゆる産地から量販店までのコールドチェーンを全国12箇所に拠点を築いたことにより、創業8年で、大手卸売業社に匹敵する規模の年商1,000億円になったという。実際、ケーアイフレッシュアクセスのホームページを見てみると、出資企業は伊藤忠33%、ケーアイフレッシュアクセス33%と伊藤忠が筆頭株主であるが、ドール16.5%、住友商事16.5%と出資しており、商社主導の卸売業といえよう。特に、ドールが出資していることによりバナナをはじめ、輸入品のウェートも今後ますます大きくなろう。ちなみに、最新の数字、2006年3月期では年商が1,500億円を越え、近々には上場も検討しているという。

  現在の青果市場は中小生産者と中小売業者を中心に、全国の都道府県単位で設立された物流システムである。一方、現在、小売業はチェーンストアの台頭により、年商1,000億円を越える企業が全国に出現しつつあり、今後、M&A等により、ますます寡占化の流れが明確である。したがって、今後ともこれまでの青果市場の仕組みが継続する保障はなく、、ケーアイフレッシュアクセスに限らず、今後、チェーンストアを主体とした新たな青果物の流通システムに取り組む企業は増えるものと思われる。

  今回の日経新聞の記事は青果市場に限らず、鮮魚、精肉、花、あらゆる生鮮市場がこの数年間で大きく変わる、流通全体の変革期に入ったといえる出来事といえよう。

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