ウォールマート、5月度も順調に推移、昨対112.2%!
ウォールマートの2006年5月度の数字が明らかになった。それによると、全体は112.2%、17週累計では112.2%と順調に売上が推移している。既存店は102.3%、17週累計では103.3%であり、既存店も100%を越え、順調といえよう。また、昨年に比べ、5月度は28億ドル(約3,000億円)、17週累計では117億ドル(約1兆3,000億円)の売上金額がプラスになったという。すでに、今期1兆円のプラスオンの売上高である。日本の売上速報では、売上伸び率を最優先で公表するが、ウォールマートは、このように売上伸び高を最優先で公表し、この数字が重要数字であることを示している。今月約3,000億円のプラスということは、日本の食品スーパーマーケットではちょうどマルエツの年商に当り、いかに、ウォールマートの数字が巨額であるかがわかる。毎月毎月、マルエツがまるまる増えてゆくイメージである。
さて、5月度の詳細であるが、最も伸び率の高かったのは国際部門であり、131.0%であった。17週累計では125.3%であるので、国際部門のウォールマートへの貢献度が高くなりつつある。この国際部部門には日本の西友、ウォールマート中央アメリカ、吸収合併した南ブラジルの数字が大きく貢献しているという。金額では約60億ドル(約6,500億円)と全体の約20%強、サムズホールセールクラブの約2倍となり、ウォールマート本体につぐNo.2の部門となり、貢献度がぐっと重くなりつつある。ウォールマート全体の構成比はディスカウントとスーパーセンターが約70%、国際部門が約20%、サムズホールセールクラブが約10%であり、成長率では国際部門が断トツトップである。
ついで、伸び率が高かった部門はウォールマート本体、ディスカウントストアとスーパーセンターである。昨対107.7%であり、17週累計では109.4%と若干成長率は落ちたが、依然として高い伸び率である。既存店も102.0%と昨対を越えたが、17週累計では103.1%やや成長率が下がった。そして、サムズホールセールクラブであるが、昨対107.1%であり、17週累計では106.7%と5月度は高い伸びを示している。特に、既存店が絶好調であり、104.0%であり、17週累計も104.2%とここのところ絶好調である。これは、特に、世界的な原油高により、サムズホールセールクラブに併設しているガソリンスタンドの売上が好調であり、既存店の売上の数字を大きく押上げているという。ここしばらくは、このような数字が続くものと思う。
一方、ウォールマートの新店であるが、5月度のスーパーセンターの出店はやや少なく2店舗であり、5/3のカルフォルニア州のデニューバ、5/10のアイオア州のグリンネルである。ディスカウントストアは1月以降新店はなく、5月度も0である。スーパーセンターが今年に入り既に約70店舗の新店を出しているの対し、ディスカウントストアはわずか2店舗であり、いかにスーパーセンターがウォールマートの柱となったかがわかる。また、サムズホールセールクラブについては5月度は2店舗、ネイバーフッドマーケット(食品スーパーマーケット)については5月度は0店舗と、食品スーパーマーケットもまだ軌道に乗っているとはいえない状況である。ウォールマートの柱は明確にスーパーセンターとなったといえよう。
これを受け、ウォールマートの株価は5月に入り、4月度の46ドル付近から上昇に転じ、ほぼ5月一杯値をあげつづけ、一時は50ドルを越えた。しかし、6月に入り、値を下げ、現在は47ドル近辺で推移している。全体としては順調な数字であるが、スーパーセンターの出店ペースがややにぶり、また、既存店の伸びもややにぶったことが原因かと思われる。
今後、スーパーセンターの新規出店がどのように推移するかがウォールマートの成長の大きな鍵を握っているが、逆にいえば、スーパーセンターに依存しすぎる経営体制ともいえ、次の業態開発が当面の課題といえよう。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
週間!食品スーパーマーケット最新情報:まぐまぐ!スタート
客単価3D分析 基礎講座CD発売!
« 99プラス、100円ショップが客単価アップ戦略を模索! | Main | 5/1、新会社法施行により、各社内部統制の基本方針を公表! »
« 99プラス、100円ショップが客単価アップ戦略を模索! | Main | 5/1、新会社法施行により、各社内部統制の基本方針を公表! »
Comments