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June 25, 2006

食品スーパーマーケット売上速報、2006年5月度!

  食品スーパーマーケット上場企業約20社の売上速報が明らかになった。総店舗数は2000店舗強であり、その単純平均は107.8%、既存店は97.6%であった。この中で客数、客単価まで公表している企業は約10社であるが、これも単純平均では客数が114.8%、既存店は98.5%、客単価が98.2%、既存店が99.5%であり、新店の客数による売上アップが鮮明である。実際、110%以上伸ばしている企業のほとんどは新店による客数アップが売上を力強くひっぱっており、新店をしっかり展開している企業が売上を伸ばしている。ちなみに、PI値、平均単価まで公表している企業が数社あるが、今年に入ってはじめて、平均単価が100%を上回り、PI値の方が100%を割るという結果となった。また、アメリカのウォールマートは全体の売上が112.2%、既存店は102.3%と依然として好調を維持しているといえよう。

  このような状況の中で、5月度、120%以上売上を伸ばした企業が4社あり、その中でもNo.1は133.5%のPLANTである。昨年6月にオープンしたPLANT-6の瑞穂店(岐阜)、同じく、昨年11月にオープンしたPLANT-5の横越店(新潟)、今年2月にオープンしたPLANT-5の大玉店(福島)等の売上が全体を押上げているといえる。また、PLANTは今後のまちづくり3法対策として10,000平米以下のスーパーセンターの開発にも着手しており、特に今後は2000坪クラスのPLANT-2の出店に力を入れてゆくという。

  No.2は大黒天物産であり、125.9%であったが、少し、異変が起きている。これまで、順調に新店を出店し、全体の売上高が150%近い数字で推移していたが、5月度は125.9%と、伸び率がペースダウンした。しかも、ここ最近では既存店が93.1%と最も低い伸び率となり、厳しい状況といえる。実は、全く同じ傾向を示しているのが、No.4の九九プラスであり、全体の売上は122.6%であるが、既存店は93.4%と厳しい状況である。これまで、この2社が食品スーパーマーケット業界の売上の伸びをリードしてきたが、5月度に入って、既存店の落ち込みが大きくなり、今後、当面、この2社は既存店の活性化が急務とあろう。

  No.3はマックスバリュ東海であり、全体の売上が122.6%、既存店も105.4%と理想的な数値で推移している。マックスバリュ東海は先月ぐらいからこのような理想的な数値となり、今月も好調である。しかも、客数、客単価ともに全体、既存店ともにすべて100%を越え、新店による客数アップだけでなく、既存店の客数、客単価も引き上げており、今回の全食品スーパーマーケットの中でも際立った数字である。

  以上が売上を120%以上伸ばした食品スーパーマーケットであるが、約110%、売上を伸ばした食品スーパーマーケットは6社ある。116.5%のアークランドサカモト、112.5%のオオゼキ、110.1%のバロー、109.8%のヤオコー、108.9%のハローズ、107.0%のカスミである。特に、アークランドサカモトとバローは既存店も100%をわずかではあるが、越えている。オオゼキ、ヤオコーはわずかに、既存店が昨年を下回り98%台で推移している。ただ、どちらの食品スーパーマーケットも客単価は100%を越えており、今後の課題は既存店の客数アップにあるといえよう。

  では、逆に、5月度、昨年対比を下回った食品スーパーマーケットを見ると、5社であった。95.3%のオリンピック、95.6%のエコス、96.0%のいなげや、96.8%のマックスバリュ北海道、99.3%のトーホーである。この中でもいなげや、エコスは既存店が95%と、既存店も厳しい状況にあり、新店が充分に出店できていないという課題もあるが、既存店の活性化が当面の最大のテーマであろう。

  これ以外の食品スーパーマーケットで気になる企業はヨークベニマルである。全体の売上が103.7%であるが、既存店が95.1%と厳しい状況であり、しかも、既存店は客数、客単価ともに97%台と、両方の数字が落ちており、既存店の競合状況の激しさを反映してるといえよう。当面、既存店の活性化がヨークベニマルの最優先課題といえよう。

  このように、2006年5月度の食品スーパーマーケット上場企業約20社の売上速報を見ると、全体としては110%近く伸ばしている企業が多いが、残念ながら、既存店の数字が伸び悩んでおり、既存店をいかに活性化するかが、食品スーパーマーケット全体としても当面の課題といえよう。また、今月度はマックスバリュ東海が際立ってよい、理想的な数値で推移しており、今月度のベスト企業といえよう。

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Comments

ヨークベニマル。「既存店が95.1%と厳しい状況であり、しかも、既存店は客数、客単価ともに97%台」とのこと。
ホームページを見ましたが、もう1年以上も既存店売上がマイナス。ここ数ヶ月は特に悲惨で時々95%を下回っている。強力な総菜コーナー、売り切れなしの品出し、こうした強みが専売特許ではなくなってしまっているのでしょうか。
個社レポートの名誉挽回で、ヨークベニマルについて書いてください。

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