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June 02, 2006

食品スーパーマーケット、伸び率(売上高)ランキング2006!

  前回のブログで食品スーパーマーケット上場約50社の2006年度の売上高ランキングを見たので、今回は、売上高伸び率に焦点を当ててみたい。売上高伸び率については、本ブログでは毎月、月別ランキングの速報を公表している。ただし、月別売上速報では、上場している食品スーパーマーケット約50社のうち、公表している企業が約20社であるため、限られた傾向値であり、全体の動向というようりも先行指標的な数値である。今回の数値は全上場企業約50社の決算数値であり、月別よりは、食品スーパーマーケット業界全体の数値を反映しているといえ、かつ、この1年間の総括でもある。なお、売上高の算定に関しては、連結ではなく、単体、すなわち、食品スーパーマーケットの業績にできるだけ近い数値をもとにした。

  まず、全上場食品スーパーマーケット全体の伸び率であるが、単純平均で103.6%であり、全体としては昨年を上回っている。最高152.6%から最低84.9%という数値であり、110%以上が6社、110%~105%が10社、105%~100%が17社、100%未満が22社である。集計したのは全55社であり、そのうち、昨年対比を越えた食品スーパーマーケットが33社、昨年対比を割った食品スーパーマーケットが22社、単純平均が103.6%であるので、食品スーパーマーケット全体としては、2006年度は堅調な数字といえよう。

  この中でNo.1の年間売上高伸び率の食品スーパーマーケットは九九プラスであり、152.6%である。九九プラスは後半少し数字が130%台と落ちたが、前半は新規出店が旺盛であり、150%を優に越えていたため、年間では150%を越える伸び率となり、食品スーパーマーケット業界No.1の伸び率となった。ただし、経営環境も大きく変化しており、後半の伸びをみても、今後はここまで高い成長ができるかどうかは厳しいといえよう。No.2は大黒天物産であり、142.2%であった。大黒天物産は後半も140%台と高い成長が続いており、今期も新店が順調に進めば、高い成長率が期待できよう。No.3はPLANTであり、120.7%である。PLANTは今期新店が寄与し、順調に伸びてきたが、既存店の伸びがもうひとつであり、加えて、まちづくり3法が成立し、今後、PLANT4以上の大型スーパーセンターに強い規制がかかるため、来期以降の成長は厳しいものとなろう。

  No.4はマックスバリュ東海であり、116.7%である。マックスバリュ東海は新店も既存店も好調であり、高い売上高伸び率であったが、来期も新店計画があり、今期のペースを維持できるものと思う。No.5は岡山のハローズであり、114.2%である。ハローズはNSCにも力を入れ、600坪の標準店舗が軌道にのりつつあり、今後、岡山、広島商圏で出店が予想され、今期も高い売上高の伸び率が期待できよう。No.6がアオキスーパーで、110.9%である。アオキスーパーは名古屋市内を中心に約30店舗展開している企業であり、食品スーパーマーケット業界の中でも、売上高伸び率の高い企業である。ここまでの6社が、110%以上の伸びた食品スーパーマーケットである。

  ついで、105%以上伸びた食品スーパーマーケットが10社ある。アークス(108.9%)、バロー(107.9%)、ベルク(107.7%)、アークランドサカモト(107.4%)、イオン九州(107.3%)、オオゼキ(107.3%)、マックスバリュ中部(106.8%)、原信ナルスホールディングス(106.8%)、ヤオコー(106.3%)、マルミヤストア(105.6%)である。このクラスには年商約2,000億円のアークス、バロー、イオン九州、ヤオコーが入っており、伸び率だけでなく、売上規模も大きい食品スーパーマーケットが入ってくる。また、100%を越えた企業は33社であり、105%以上の食品スーパーマーケットを除くと17社ある。

  逆に、今期、昨年を下回り、売上高伸び率ランキングで下位の食品スーパーマーケット10社を見ると、いなげや(-2.9%)、ユーストア(-3.5%)、相鉄ローゼン(-3.5%)、天満屋ストア(-3.5%)、マルエツ(-4.7%)、丸栄(-4.8%)、マルヤ(-7.1%)、OLYMPIC(-9.4%)、丸和(-9.5%)、カウボーイ(-15.1%)であり、他に12社昨年を下回った。

  このように、今期の食品スーパーマーケットは単純平均で103.6%であり、伸び率の高い企業は一部を除き、来期も期待できよう。当面、食品スーパーマーケット業界は全体としては堅調な動きが続くものと思う。

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