薬事法改正、ドラックストア24時間営業へ!
薬事法の一部を改正する法律案が6/8、参議院本会議にて可決された。これにより、今後3年以内に施行が決まり、ドラックストア、コンビニ、食品スーパーマーケット等で一部の医薬品の販売が可能となる。今回の薬事法の一部を改正する法律によれば、今後、医薬品を3つに区分し、第一類医薬品は薬剤師により、第二類医薬品及び第三類医薬品は薬剤師または登録販売者により販売が可能になるという。ポイントは登録販売者であり、従来は薬剤師でなければ医薬品を販売できなかったのが、都道府県が試験によって合格をした登録販売者であれば、薬剤師でなくとも第二類、第三類の医薬品が販売可能になるという。なお、現在、想定されている第ニ類、第三類の医薬品にはベンザブロックなどの風邪薬、バンテリンなどの鎮痛剤、アリナミンAなどのビタミン剤が入るという。
これを受けて、6/9の日経新聞には「マツキヨ24時間営業へ、3年間で100店舗を転換」、「コンビニなども意欲、新資格の行方注視」という記事が載った。特にマツモトキヨシは懸案の24時間営業へ向けての準備をはじめ、繁華街や住宅地を中心に約100店舗を切り替える方針という。現在、マツモトキヨシの店舗の閉店時間は20時から21時であり、それ以降は全くの空白時間であり、ここの時間に営業できるメリットは大きいという。特に、今後はコンビニとも競合がはじまり、マツモトキヨシでは逆に弁当、軽食等の品揃えを増やし、コンビニ需要も獲得する方針であるという。
当然、今回の薬事法の改正は食品スーパーマーケットにも大きなメリットがあり、ドラック、栄養食品、雑貨部門の売場の再編成、販売体制の見直しにつながるといえよう。特にこれまで食品スーパーマーケットでドラックを販売するには薬剤師が必須であったため、人件費が一般社員よりも月額10万円は高かったという。それが、第一類以外であれば登録販売業者で営業できるため、大幅な人件費の削減につながるという。組織的にはドラックストア、100円ショップ等の参入により、大幅に縮小されつつある雑貨部門の活性化につながり、店舗全体の客単価アップに5%程度改善できる可能性が高いといえよう。日経の記事でも、マルエツでは「登録販売者を置くことで販売時間を延長できる」、ライフコーポレーションでは「人件費低下で売価が抑えられる」と歓迎しているという。また、セブンイレブンでも「風邪薬や頭痛薬の顧客ニーズは高く、できるかぎり扱いたい」と前向きであるという。さらに、九九プラスでは、中堅医薬品メーカーとPB商品の開発も検討するという。このように、概ね、食品スーパーマーケットをはじめ、ドラックスとア以外の業種も前向きに受け留めているといえる。
ただし、現段階では登録販売業者に関しては不透明な部分が多く、今後、2年かけて厚生労働省がつめてゆくという。法律案では、「店舗販売業の許可は、薬剤師又は都道府県知事が行う試験に合格し、登録を受けた者(以下「登録販売者」という。)を置くこと。その他一般用医薬品の販売又は授与の体制に関する基準に適合すること等を要件として、都道府県知事等が与える。」とあるのみであり、詳細はこれからという。当然、薬剤師に合格するよりは簡単に取得が可能であろうが、仮に何年も勉強しなければならないようであれば、現実的ではなくなり、どの程度の難しさになるかは不透明という。
また、日経の記事では、今回の法改正を見越してエスエス製薬などが第三類にあたる新商品の開発に入り、しみ・そばかす治療薬「ハイチオールCプルミエール」をすでに販売をはじめているという。今後、新商品が続々と開発されるものと思う。
いずれにせよ、食品スーパーマーケットにとってはビジネスチャンスであり、これを機に雑貨部門の再構築を検討する絶好の機会が来たといえよう。
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