食品スーパーマーケットにビジネスチャンス、酒販9月完全自由化!
第164回、通常国会が閉幕し、これまで酒販売を規制していた特例措置が延長されないことが確定し、この9月から酒販の完全自由化が実現されることになった。これを受けて、食品スーパーマーケットをはじめ、コンビニ、ドラックストア、100円ショップ、ホームセンターなどが一斉に酒販免許の申請をするという。食品スーパーマーケットにとっては大きなビジネスチャンスであり、まだ、2割ぐらいある酒の未導入店舗で酒が販売できることになり、導入店舗では売上が5%程度改善される可能性がある。酒は特にリピート購買性が高い商品であり、来店頻度のアップにもつながり、客数の改善効果も期待できるといえる。
6/17には日経新聞にも「酒販販売9月完全自由化、コンビニ全店で酒販免許申請へ、大手5社で5,000店舗」という記事が載り、特に、コンビニを特集していた。コンビニ最大手のセブンイレブンでは全体の86.6%には酒が導入されているが、残り約15%、1500店舗が未導入であるといい、この店舗の大半で酒の免許申請をするという。特に、コンビニでは酒が売上の10%を占める主力商品群であることから、既存店の売上減少に歯止めがかかるのではと期待が大きいという。セブンイレブン以外にもローソン、ファミリーマートでも申請を準備中であるという。また、コンビニ以外でもドラックストア大手のマツモトキヨシが200店舗以上で酒の免許の申請を出すといい、100円ショップのセリアでも800店舗のうち100店舗での申請を検討しているという。
このように、コンビニ、ドラックストア、100円ショップでは具体的に申請準備がはじまっているというが、この日経記事では言及されていなかった食品スーパーマーケット、ホームセンターでも同様の酒の免許の申請準備をしており、今年の9月以降は日本中の小売業で新設の酒の売場が見られるようになろう。
一般的に食品スーパーマーケットでは、酒はここ数年伸び率の高い重点商品群であり、客単価も100円は期待でき、PI値は30%、平均単価は350円ぐらいである。全店の客単を2000円とすれば、5%の客単価構成比となり、酒があるかないかでは大変な売上の差となる。特に、酒は平均単価が食品スーパーマーケット全商品平均の200円と比べ格段と高く、全体の平均単価アップにも貢献する商品群である。また、客単価だけでなく、客数にも影響を与える商品であり、酒の食品スーパーマーケットへの導入効果は非常に高いといえよう。
実際、昨年と今年の直近の家計調査月報で酒の動きをみてみると、昨年対比105.4%で伸びており、テレビ宣伝の多いビール、発泡酒は横バイであるが、清酒。焼酎、その他の酒の伸びが高いのが特徴である。食品スーパーマーケットの客単価に換算すると、酒全体では2006年4月度は117.1円、昨年の2005年4月は111.0円であり、絶対額でも6円の伸びであり、4月度は食品全体が横バイであることを考えると、この酒の伸びは大きなビジネスチャンスが期待できるといえよう。
ちなみに、酒の全国主要都市別の動きは、酒全体でみると、No.1が富山市206.4円、特に、ビール(1番)、清酒(2番)が強いのが特徴である。No.2は秋田市(178.9円)、清酒と焼酎が強い。No.3は川崎市(171.0円)、ビールが強い。No.4は金沢市(158.9円)、ビール、清酒が強い。そして、No.5が新潟市(152.8円)、ビール、清酒が強いという特徴がある。以下、No.6が山形市(148.1円)、No.7が盛岡市(147.0円)、No.8が青森市(146.3円)、No.9が福井市(140.0円)、No.10が山口市(136.6円)である。逆に、酒のワースト1は前橋市(65.5円)、ワースト2が那覇市(69.2円)、ワースト3が高松市(80.0円)、ワースト4が松江市(80.1円)、ワースト5が長崎市(80.7円)となる。
このように、この9月から酒が日本中の小売業のあちこちで販売されるようになる可能性が高い。特に、直近の家計調査月報でみた通り、昨年と比べ、ビールは横ばいだが、清酒、焼酎等が伸びており、食品スーパーマーケットにとっても今期の最強化商品のひとつといえよう。
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