食品スーパーマーケット、鮮魚部門で海藻が人気!
6/12の日経MJに「海藻類の人気定着、ミネラル・食物繊維豊富、女性が支持」という記事が掲載された。「モズク、メカブ、需要が拡大」というサブタイトルがつけられ、メーカー側からの商品開発の状況、食品スーパーマーケット側からの販売状況が取材され、興味深い記事であった。実際、食品スーパーマーケット各社の売場はこの数年見違えるような海藻売場ができあがっており、客単価も110%から120%で延びているのが現状である。これから夏場にかけて新商品も登場し、今夏の食品スーパーマーケットの鮮魚の核売場となろう。
実際、直近の家計調査月報で5年前と比較してみると、海藻類はほぼ110%で伸びているのが実情である。家計調査月報では、海藻関連はわかめ、こんぶ、他の乾物・海藻、そして、他の野菜・海藻加工品の4つに別れ、集計されている。わかめ、こんぶ以外は、乾物、野菜も含まれるため、純粋な海藻の数字だけではないが、傾向としては海藻を反映しているといえよう。日経MJの記事でも、農林水産省の統計では海藻類の十都市の中央卸売市場における卸売数量が5年連続で前年を上回っているとのことで、家計調査月報の消費額の伸びを裏付けているといえる。
日経MJの記事では、いなげやとイトーヨーカ堂の海藻の販売状況を載せている。それによると、いなげやでは6月から海藻の売場面積を20%拡大し、今後7月、8月にかけてさらに広げる予定だという。実際、ここ10年で売上が2倍になったという。今後は黒酢などの健康志向の高い商品を訴求するという。一方、イトーヨーカ堂では5月の海藻の売上が昨年対比110%であったという。特に、メカブ、モヅクには力を入れ、一店平均10SKUは品揃えをしているという。
また、メーカー側も商品開発に積極的であり、マリンフーズが味付けもづく11品に高分子多糖類の抗がん性のあるという「フコダイン」を表示して販売を始めたという。今後とも新商品を開発し、前年の150%アップの売上を目指すという。一方、ニチロでは付加価値の高い「味付け天然もづく(黒酢)」を4月から発売したという。市場流通の大半を占める養殖と差別化をはかる商品であるという。このようにメーカー側も続々とメカブ、モズクの新商品開発に入っており、今後ますます、食品スーパーマーケットにおける海藻の売場は充実するものといえよう。
ところで、海藻の各地の消費動向はどのような状況であるかを見てみたい。直近の家計調査月報、4月度の数字で見てみると、海藻全体で最も消費額の多い都市は山形市である。食品スーパーマーケットの客単価で換算すると30.0円である。特にわかめがNo.1とわかめの強さが光る。こんぶは24位、加工品は23位である。No.2は秋田市、No.3は盛岡市とベスト3は東北地方である。主要都市では、さいたま市が8位、東京都区部が13位、名古屋市が37位、大阪市が47位、広島市が44位、福岡市が25位となる。大阪市が47位と意外に海藻の消費額が少なく、日本全体としては東高西低という特徴といえよう。
さらに、海藻の加工品に絞って見てみると、ベスト5は、No.1が盛岡市、No.2が和歌山市、No.3がさいたま市、No.4が甲府市、そしてNo.5が東京都区部である。ついで、No.6が札幌市、No.7が富山市、No.8が福岡市、No.9が福井市、No.10が福島市であり、ベスト10を見るかぎり、加工品の消費地は各地にばらついているといえる。一方、ワースト5はNo.49が北九州市、No.48が広島市、No.47が山口市、No.46が徳島市、No.45が金沢市である。
このように、食品スーパーマーケットでこの夏注目すべき商品としては海藻があげられ、実際、ここ数年客単価がアップしつづけているのが実態であり、メーカー各社もここへ来て新商品開発に入り、今年の夏は食品スーパーマーケット各社の海藻売場が充実しそうである。
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