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July 01, 2006

家計調査月報公表、2006年5月度、わずかに昨年を下回る!

  2006年5月度の家計調査月報が公表された。家計調査月報は毎月、月末に前月の集計が公表されるが、それによると、昨年度の5月度と比べ、食品スーパーマーケットで取り扱われる食品合計が99.1%と、わずかに下回った。全体でも97.9%と下回っており、消費の回復は、現時点では横ばいといえよう。家計調査月報では、1世帯あたりの1ケ月間での消費金額の数字を算出しているため、これを食品スーパーマーケットの客単価に近い数字で換算するためには1日当りにする必要がある。実際、5月度の数字を31日で割って見ると、食品合計は1961円とほぼ、食品スーパーマーケットの客単価と同じになる。これにより、家計調査月報も、食品スーパーマーケットの客単価と比較が可能となり、自社の強み、弱みも家計調査月報の数字から判断が可能となる。

  ちなみに、全商品の客単価を算出すると、10015円となり、日本国民が生活する上に必要な全商品の客単価は約10000円といえる。したがって、食品の構成比は約20%となる。食品以外の主な商品・サービスの数字は、外食が約500円、住居関連が約700円、光熱水道が約700円、家具・家事用品が約300円、被服・履物が約500円、保健・医療が約350円、交通・通信が約1500円、教育が約500円、教養娯楽が約1000円、その他2000円となる。この中で、昨年と比べ、もっとも伸びている商品は、教育の108%、教養娯楽の107%であり、逆に下がっている商品は住居関連の86.5%である。

  さて、食品の中で、この5月度、昨年と比べ、特に消費額を伸ばした商品群は残念ながら調理食品、すなわち、惣菜のみであり、しかも、101.8%とわずかな伸びである。金額で268.9円が273.6円と4.7円のアップである。これ以外の商品群はすべて、昨年を下回っており、5月度は厳しい月であったことがわかる。ちなみに、伸びた商品は惣菜材料セットの+3.9円、弁当の+1.2円であり、その他はわずかな伸びであった。商品群では惣菜のみの伸びであるが、個々の商品で1円以上伸びた商品を見てみると、清酒の+1.3円のみであり、やはり5月度はかなり厳しい状況であったことがわかる。

  これに対し、昨年より下がった商品群は惣菜以外すべてであるが、その中でも下げ幅が大きかった商品群は果物の-12.4円、84.3%であった。ついで、-11.5円の野菜・海藻、-11.2円の魚介類、-10.5円の穀類、-10.0円の酒類、-9.6円の飲料、-7.7円の肉類、-4.8円の油脂・調味料、そして、-1.8円の菓子類となる。生鮮はすべてが大幅ダウンであり、特に、青果が厳しい月であったことがわかる。

  では、このような厳しい状況の中で特に下げ幅の大きかった1円以上ダウンした商品を見てみたい。青果の中では、果物が-1.5円のいちご、-1.5円のバナナ、野菜が-1.4円のさやまめである。鮮魚では、-1.4円のたらこ、-1.1円のかにである。精肉では、-4.3円の牛肉、-1.1円の鶏肉である。日配では、-3.8円の牛乳、-3.5円の卵、-1.4円の食パン、-1.1円の納豆、-1.0円のかまぼこである。そして、グロサリーでは、-5.8円の米、-2.7円の果実・野菜ジュース、-2.5円のアイスクリーム・シャーベット、-1.8円のコーヒー、-1.0円の茶飲料、-1.0円の食用油である。また、酒では-4.7円の発泡酒、-2.7円の焼酎、-2.3円のビールである。以上が、食品スーパーマーケットの取扱い商品の中で1円、すなわち、客単価1円以上ダウンした商品であり、5月度は昨年対比で見る限り、厳しい月であったことがわかる。

  このように家計調査月報をみる限りでは、消費が回復しているとはいえず、厳しい状況であることがわかる。食品スーパーマーケットの取扱い商品にあてはめてみても、惣菜以外ほとんどマイナスであり、特に、生鮮3品、青果が厳しい月であったといえる。来月以降、どのように消費が推移するかは予断をゆるさないが、当面、生鮮を中心にひとつひとつの商品をしっかり見直していゆくことが課題といえよう。

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