PLANT、2006年9月期第3四半期決算、厳しい経営状況が続く!
PLANTが2006年9月期の第3四半期決算を公表した。それによると、売上高は566.3億円(125.4%)と極めて順調に推移したが、営業利益は-1.7億円、経常利益は0.4億円(14.2%:売上対比0.07%)、当期純利益-0.07億円という営業赤字の厳しい決算であった。PLANTの四半期決算の公表は昨年からはじまったが、昨年同期の第3四半期の決算をみると、売上451.6億円、営業利益1.6億円(売上対比0.35%)、経常利益2.9億円(売上対比0.64%)、当期利益2.5億円(0.55%)であり、昨年も厳しい第3四半期決算であったが、今期はさらに厳しい第3四半期決算であり、9月の本決算へ向けて厳しい経営状況が続くといえよう。
売上に関しては2005年11月に新潟にオープンしたPLANT-5の横越店、2006年2月に福島県にオープンしたPLANT-5の大玉店が大きく寄与し、昨年対比125.4%と大幅な増収であった。ただし、既存店は96.5%と苦戦しており、新店効果による売上増であったといえる。まちづくり3法が成立したことにより、PLNT-4以上の出店が当面厳しくなるため、今後、PLANT-3以下の出店を余儀なくされ、今後とも高い成長率を維持できるかは厳しい状況である。
今回、営業赤字に陥った、最大の原因は既存店が伸び悩んだ上に、PLANT-5という約5000坪の新店2店舗の経費がかさみ、営業利益でカバーできなくなった点である。損益計算書を見てみると、粗利益率は17.4%から17.7%へと改善しているが、経費比率が17.1%から、18.0%と過去最高の経費比率となったためである。経費比率が大きく上がった原因は新店2店舗に関わる賃借料、原価償却費、消耗品費、広告宣伝費等の経費増であるという。特に、今回の経費比率18.0%は、2001年9月期の13.8%と比べると4ポイント強の上昇である。その後の経費比率の推移をみても、2002年13.7%、2003年14.5%、2004年15.7%、2005年17.1%と年々、しかも、ここ数年は大きく上昇している。地元富山県から他県への新規出店、PLANT-5、PLANT-6の大型店化の動きに連動し、経費比率がアップしているのが実情である。
しかも、この第3四半期の決算では、財務状況もより一層厳しくなっている。特に、流動負債においては、新店2店舗の出店により、支払い手形および買掛金が12.0億円の増加、短期借入金が20億円の増加となった。固定負債においても長期借入金が11.7億の増加となり、長短借入金の合計額が昨年同時期と比べ約50億円増加し、150億円強となった。これは年間予想売上金額の約20%であり、食品スーパーマーケット業界平均の15%と比べても高めの水準であり、今後、日銀の0金利解除により、金利も大きく上がることが予想され、このまま収益率が低い状況が続くと、財務的にも厳しい状況となろう。
PLANTの株価はここ数ケ月厳しい状況がつづいており、4月度は1,000円近い株価を維持していたが、5月に入り、株価の下落が続き、下げ止まらない状況である。7/18にはついに、500円を割り込み、7/27には上場来最安値となる435円をつけた。今回の2007年9月期の決算が公表されたのが7/21であることを考えると、すでに1週間は経過しているが、底値が見えにくい状況といえる。
当面、PLANTとしては新店開発が事実上抑制されるため、既存店の活性化に全力をあげ、収益性をいかに高めるかが最大の経営課題といえよう。特に、PLANTの特徴はGMSタイプのスーパーセンターであるにもかかわらず食品構成比が60%を越えるという高さであり、既存店の活性化も食品が今後の鍵を握るといえる。第3四半期決算でも惣菜、鮮魚、酒は昨年を上回ったとのことだが、この3部門に加え、青果、日配、食品のPI値3大部門の強化が当面のポイントであろう。
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