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July 05, 2006

PI値と客数PI値について

  客単価3D分析と2D分析の決定的な違いは、根本的な判断基準を数量におくか、顧客におくかである。客単価2D分析の場合は客単価=PI値×平均単価で客単価を分析するため、まず、PI値をアップさせることが第一優先となる。PI値とは買上点数÷全体客数であるので、顧客一人当りの買上点数が高いか低いか、すなわち、点数=数量が決め手となる。これに対し、客単価3D分析は、客単価=客数PI値×PPI×平均単価となるため、まずはじめに、客数PI値をアップさせることが第一優先となる。客数PI値とは商品購入客数÷全体客数であり、顧客一人当りの購入客数であるので、顧客一人当りの購入客数が多いか少ないか、すなわち、客数が決め手となる。このように、客単価3D分析は客数概念を基本にした客単価分析手法であるのに対し、客単価2D分析は数量概念を基本にした客単価分析手法であることが決定的な違いである。

  では、この違いが実際のマーチャンダイジングにどのような影響を与えるかを考えてみたい。そのためには、PI値と客数PI値との関係を考えてみるとわかりやすい。PI値は買上点数÷客数であるので、これをさらに分解すると、(商品購入客数÷全体客数)×(買上点数÷商品購入客数)と表すことができる。前者が客数PI値であり、後者がPPIであるので、PI値=客数PI値×PPIとなる。この数式が意味することは、PI値は顧客と数量に分けて考えるべきであり、PI値をあげるためには、顧客を増やすか、数量を増やすかの2つの方法があるということである。逆に考えると、PI値は顧客概念と数量概念が一緒になってしまったトータルな指標であり、顧客概念が未分化なままの指標であるということになる。

  具体的な事例を示すと、客数1000人の店で10個売れた商品のPI値は1%であるが、この商品は、何個売れたかはわかるが、何人の顧客が買ったかはわからないということである。もしかすると、1人の顧客が10個買ったかもしれないし、10人の顧客が1個づつ買ったかもしれないからである。客単価3D分析で表せば、前者は、PI値(1%)=客数PI値(0.1%)×PPI(1000%)となるが、後者はPI値(1%)=客数PI値(1%)×PPI(100%)となり、PI値は同じ1%であるが、その購買動向が180度違う商品であることがわかる。PI値では判断できなかったものが、客数PI値では0.1%と1%と10倍の差が発生し、明らかに後者の方が客数PI値が高く、顧客の支持という点では圧倒的な高い数値であることがわかる。

  このように、客単価3D分析を行うことによって、はじめて顧客の支持率を目の当たりにすることができ、同じPI値の商品の顧客の支持による違いが一目瞭然となる。グラフにするとy=1/xのグラフになり、縦軸を客数PI値、横軸をPPIとすると、PI値は双曲線となる。したがって、PI値をどんなに分析しても、斜めの双曲線が移動するだけの話であり、客数PI値の高いもの、PPIの高いものがPI値からは漏れてしまい、PI値が高いからといって、顧客の支持が高いのかどうかはPI値では判断がつかない。

  これは特に重点商品の選定には決定的な違いが生じ、重点商品をPI値のみで選定した場合には、客数PI値の高い商品、PPIの高い商品が合計で約15~20%近く漏れてしまうということになる。仮にこの商品をPI値で救おうとすると、PI値の低いものから、直観、感覚等で付け加える以外に方法はなく、本当に顧客から支持の高い商品がPI値でだけでは見落としかねない結果となる。

  したがって、客単価3D分析で重点商品を分析する場合は、まず、客数PI値で重点商品を選定し、顧客の支持の高いものは最優先でピックアップし、次に、客数PI値は低いがPI値の高いもの、そして、PPIの高い商品をどこまで加えるかを基本に考えることが、商品を購入している顧客にとっては最良の商品選定となる。このように、客数PI値はPI値を補う、というよりも、むしろメインとして、今後ますます商売にとって大事な指標となろう。

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