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August 31, 2006

日経MJで、カップラーメンの顧客ID-POS分析の特集記事!

  8/30の日経MJでカップラーメンの消費分析の記事が特集された。通常、日経MJでは商品動向の分析を日経のPOS分析のデータを用いているが、この記事はカスタマーコミュニケーションズ社のデータを用いての分析であり、日経POSでは踏み込めない、顧客ID分析を基本に分析しているのが特徴である。顧客IDの活用によるPOS分析はまだまだ一般化しておらず、カスタマーコミュニケーションズ社がこの分野では先行しているといえよう。カスタマーコミュニケーションズ社はメーカー、卸、POSメーカー、印刷会社等が共同出資してできた会社であり、ポイントカードなどの顧客IDデータとPOSデータを小売業から入手し、加工し、メーカー・卸等へ販売、コンサルティングをしている会社であり、この分野では大手といえよう。日経POSが商品に着目した分析であるのに対し、カスタマーコミュニケーションズ社は消費者に着目した分析である点が大きく違う。

  さて、記事の内容であるが、「ヘルシースープ成長株」、「即席食品、激戦の行方を読む」、「ラーメンは基礎商品、他製品と併売多く」という見出しであり、顧客ID特有の分析である併売分析によりカップラーメンを併売の核であることを導き出している。併売率は何と70%であるという。カップラーメンを購入する顧客はそれ以外のカップシチューやカップスープなどを70%の確率で併売しているということである。そして、これら併売される商品をいくつかのタイプに分け、これも顧客ID分析特有のリピート率とトライアル率に分解し、どのようなタイプの商品が今後の成長が期待できるかをうらなっている。結論は春雨や蒟蒻を使い腹持ちのよいヘルシータイプスープであり、リピート率43%(購入実績のある顧客の内、複数回購入した割合)、トライアル率が13%(一度でも購入した経験がある顧客の比率)でトップであったという。

  このように、顧客IDを活用すると、単純なPOS分析ではけっして導き出すことのできない、今回のような併売分析、リピート分析、トライアル分析等が可能であり、これまでの商品分析に加え、顧客により視点を移した商品の分析、この日経MJのタイトルでもある消費分析が可能となる。カスタマーコミュニケーションズ社ではこれ以外にも、直前購入分析、直後購入分析、流入流出分析などユニークな分析がある。

  ただ、残念なのは、レシート分析を飛び越して、顧客ID分析に入ったために客単価を平均単価と購入アイテム数とに分けた客単価2D分析の視点で論理が組み立てられるため、もう一段ブレークダウンした顧客に視点をおいた客単価3D分析の視点が十分とはいえない点である。POSデータ分析の流れは、単純分析、レシート分析、顧客ID分析と流れ、その都度、理論も客単価2D、客単価3D、客単価3D-ID分析へと発展してゆくが、この分析は客単価2D-ID分析が主体であり、これにレシート分析の視点をいれるとさらに様々な分析が可能となり、もったいない気がする。

  また、もう1点はせっかくの貴重なID-POSデータ分析がメーカー・卸が活用するための視点が強く、小売業側で活用するための視点が弱いのが残念なところだ。事業そのものがメーカー・卸の出資で成立っており、事業構造もメーカー・卸からデータ分析・コンサルティングにより収益をうる構造であることからやむをえない面があるが、すでにいくつか試みられているようだが、小売側に視点を置いた分析を開発するとさらにおもしろい分析が可能となろう。

  いずれにせよ、本格的に顧客ID分析が可能となり、そのデータを活用する時代が近づいていることは確かといえ、この日経MJの消費分析は、これまでの日経POS分析と一味違った視点が見え、興味深い内容である。

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August 31, 2006 |

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