ベルク、イオンと業務・資本提携、株価上昇!
8/1、ベルクの株価が跳ね上がった。前日比53円高(4.88%)の1,138円まであがった。売買高も4万4千株と通常、数千株の取引高の約10倍であり、買いが殺到した。ベルクの株は今年はじめは1,300円前後であったが、その後、株価を下げ続け、7月には1,000円近辺まで下がり、しばらくもみ合う状況が約1ケ月近くつづいていた。その株価が8/1いっきに跳ね上がった。原因は、7/31に発表されたイオンとの業務・資本提携である。特に資本提携では、今後、1ケ月以内にイオンがベルクの株式を10%保有し、さらに、1年以内に15%を取得するという。それにともない、来年の株主総会では役員も1名、イオンから受け入れるという。首都圏では商社主導の食品スーパーマーケットの業界再編成が激しく進んでおり、これに呼応する食品スーパーマーケット再編の動きといえよう。
7/31に発表されたベルクとイオンの業務・資本提携の内容であるが、まず、資本提携については、第三者割当による新株式を208万7千株を1,121円でベルクが発行し、合計金額23億3,952万7千円で、8/15にイオンがすべての金額の購入を引き受けるというものである。8/1の株価が1,138円であり、すでに若干であるが、発行価格を上回った。今回の増資により、ベルクの大株主構成は、イオンが10%の株式を所有することにより、第2位の株主となり、さらに、1年以内に15%の株式の所有となると、ベルクの原島社長所有の11.93%を抜き筆頭株主となる。
ちなみに、この増資金額の使途であるが、ほぼ全額を新店開発に当てるという。ベルクの現在までの新店投資額の残は、2006年1月にオープンした太田植木店の投資残額約5億円強、2006年3月にオープンした伊勢崎寿店の投資残額約7億円、2007年3月にオープン予定のグリーンウォーク多摩店の投資残額約6億円強、2007年12月にオープン予定の松戸秋山店の投資残額約6億円、そして、2008年1月にオープン予定のベスタ狭山店の投資残額約17億円強と約40億円強の投資残額がある。この大半の投資額に増資額を当て、残りは、自己資金と借入れでまかなうという。
一方、業務提携の内容であるが、当面、双方が設置する「提携推進委員会(仮称)」で審議され、決定されてゆくことになるというが、現時点での骨子は以下の3点である。第1点目は商品供給である。これはイオンのトップバリュをベルクが導入することに加え、ナショナルブランドについては共同調達を行い、仕入れ原価を下げることである。ベルクは現在CGCに加盟しており、今後、CGCとの関係も課題となろう。第2点目は販売促進政策である。特に重要なポイントはクレジットカードの共同利用であり、今後、ベルクでイオンカードの活用が可能となる。イオンはいずれ銀行への参入も検討しており、ベルクを通じて首都圏の店舗網を増やせることは大きなメリットであろう。販促については、販促資材の共同調達によるコスト削減も合意事項である。そして、第3点目は開発業務である。これはすでに、資本提携の内容でも明確なように新店開発にかかわることがテーマである。具体的には、関東圏における店舗開発情報、不動産情報の共同活用であり、ベルクの新規出店だけでなく、イオンの出店に関しても情報を共有してゆくことになるという。このように、まだ、現段階では業務提携内容は上記3点以外明らかになっていないが、今後、提携推進委員会でさらに具体的な内容が次々に打ち出されてくることになろう。
この流れを受けて、イオンの株価も8/1、上昇しており、55円高(2.05%)の2,730円となった。イオンの株価は6/13に年初来最安値の2,295円をつけて以来上昇に転じ、7月の中旬には一時値を下げたが、また上昇しはじめ、8/1は6/13以降では最も高い株価2,730円となった。イオン、ベルク、ともに8/1は株価を上げており、投資家はひとまず今回のベルクとイオンの業務・資本提携をプラスとみたといえよう。
それにしても、ここのところ、7&Iホールディングスのヨークベニマルの100%子会社化、住商のサミット出店への積極支援、丸紅のダイエー株の買取り、そして、今回のベルクとイオンの業務・資本提携と、首都圏の食品スーパーマーケット業界をとりまく経営環境が大きく動きはじめたといえる。食品スーパーマーケット業界は第1四半期が終了したばかりであるが、今期は首都圏の食品スーパーマーケット業界を中心にさらなる業界再編が進むものと予想される。
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