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September 08, 2006

日本アクセス、西野商事と経営統合、1兆円の卸売業誕生へ!

  9/7の日経に、「伊藤忠、食品卸2社合併へ、来春、1兆円企業に」という記事が掲載された。記事の内容は、伊藤忠商事の子会社の日本アクセスと西野商事とが来年4月1日付けで合併するという。合併後の売上は1兆1,785億円となり、卸売業界では国分、菱食の約1兆3,000億円につぐ、1兆円企業が誕生することになる。今回の合併は株式交換により経営統合がなされ、西野商事の株1株に対し、日本アクセス株55株を割り当てるという。余談だが、算定方法には、DCF法(ディスカウント・キャッシュフロー)も参考にしたといい、以前本ブログでも食品スーパーマーケットの借入れ金額のところでも触れたように、DCF法は株式の評価算定に重要な手法のひとつであるといえる。現在、卸売業第4位は伊藤忠商事の子会社、伊藤忠食品の約5,000億円であるので、日本の卸売業界は3社寡占の時代に突入し、今後、さらに、業界再編が加速されることになろう。当然、食品スーパーマーケット業界の再編の動きとも絡み、流通業界全体がダイナミックに激変する時代に突入したといえよう。

  今回の日本アクセスと西野商事との経営統合は、2002年に伊藤忠商事が現日本アクセスの株式25%を取得し、筆頭株主となってから本格的にはじまったといえる。この時、日本アクセスは、現社長の吉野氏を伊藤忠商事から受け入れ、2003年、吉野氏が正式に代表取締役社長に就任し、社名を日本アクセスに変更し、伊藤忠商事主導の経営体制が築かれた。その後、伊藤忠商事は約30%強まで株式を買い続けたが、2006年、いよいよ公開買い付けを実施し、6/8、60.44%の株式を取得し、日本アクセスを子会社化した。これにより、すでに伊藤忠商事の子会社である西野商事との本格的な経営統合に入ることが可能となり、正式に経営統合を検討し、今回の発表にいたった。今回の経営統合により、日本アクセスが存続会社となり、ひき続き日本アクセスの吉野社長が社長を務めるという。また、経営統合後は、伊藤忠商事の株式保有割合は69.6%になるという。

  日本アクセスの強みは、冷凍とチルド(冷蔵)が強みである。現在の売上構成比の約50%は一般食品であるが、約40%は冷凍、チルドであり、その中でも、牛乳、デザートの市乳部門が約20%、冷凍食品が約15%、アイスクリームが5%強である。また、冷凍食品は全部門の中でも最も伸び率が高く、急成長の分野でもあり、今後の有望な商品群であるといえる。一方、西野商事は、ファミリーマートとの取引が主体であり、コンビニの売上構成比が約60%と極めて高いのが特徴であり、量販店は約20%と低い。また、商品的には加工食品が約40%と最も高く、ついで、チルド食品の約20%、業務用食材の17%強、菓子の8%弱、冷凍アイスの5%強と続く。今回の合併により、加工食品がさらに強くなり、常温からチルド、冷凍までの幅広い食品分野の扱いが充実し、いわゆる食品スーパーマーケットの内周の商品すべて、すなわち、客単価の約半分、50%の商品を日本アクセス1社でフォローすることが可能となる。

  今回の日本アクセスと西野商事の経営統合の発表を受けて、9/7の伊藤忠商事の株価は-39円(-3.96%)ダウンの947円で引けた。9/7は日経平均全体もやや下がってはいるが、市場はやや厳しい評価をしているとみえる。売買高は普段とさほど変わらないが、少し、下げ幅が大きいのが気になる動きである。ただ、今回の動きは、急に経営統合を実施したのではなく、先にも触れた経緯のようにほぼ約3年前からの段階的な経営統合の流れであり、すでに、折込みづみの株価ともいえる。ちなみに、卸業界第2位の菱食の株価は-100円(-3.37%)下げ、2,865円であった。売買高は通常よりやや多目であり、菱食にはやや影響がでるものと市場はみているようだ。また、業界第6位の加藤産業は-5円(-0.30%)下げ、1,650円であった。売買高もほぼ通常通りであるので、冷静な反応といえる。このように、市場は今回の日本アクセスと西野商事の経営統合を大きなインパクトしては受け取っていないが、それなりに微妙な受け止め方をしているような9/7の株価である。

  今後、食品卸業界はこの3社を中心に動き、第4位の伊藤忠食品、第5位の三井食品、第6位の加藤産業が3社に迫るべく、現在ほぼ3社とも5000億円の売上であるが、将来的には1兆円の売上規模を目指してくるものといえ、さらなる業界再編が起る可能性が高い。一方、食品スーパーマーケット業界も丸紅主導で経営再建がすすめれているダイエーをはじめ、イオン、ウォールマート、7&Iホールディングスの動き、さらに全国各地での大小様々なM&Aが進みつつあり、今回の卸売業の動きとも連動し、この数年は流通業界全体での業界再編がますます進むものといえよう。

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September 8, 2006 in 経済・政治・国際 |

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